(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】三次元構造を作製するパターニング装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/124 20170101AFI20221208BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20221208BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20221208BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20221208BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20221208BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20221208BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20221208BHJP
B29C 64/255 20170101ALI20221208BHJP
【FI】
B29C64/124
C12M1/00 Z
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/393
B29C64/321
B29C64/255
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519361
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 IB2020059621
(87)【国際公開番号】W WO2021074796
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522118366
【氏名又は名称】エイオウ・テクノロジー・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】セッラ・ティツィアーノ
(72)【発明者】
【氏名】トゥルナー・マルク
【テーマコード(参考)】
4B029
4F213
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB11
4B029CC01
4F213AC06
4F213AH81
4F213AP05
4F213AP20
4F213AQ01
4F213AR06
4F213AR07
4F213AR20
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL22
4F213WL32
4F213WL72
4F213WL74
(57)【要約】
【課題】粒子を含む材料を用いた三次元構造の作製を改良する。
【解決手段】本発明は、マトリックス(M)内を自由に移動する粒子(P)を含む試料(S)の三次元構造を調製するパターニング装置(1)を提示する。この装置は、パターン生成部(3)と、試料(S)が置かれるパターン生成部(3)に接続された保持部(2)とを備える。パターニング装置(1)は、マトリックス(M)を、粒子(P)がもはや自由に移動しない改変マトリックス(M’)に変換するように適合された少なくとも1つの変換装置(D)をさらに備える。本発明はまた、三次元構造を製造する処理に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス(M)内を自由に移動する粒子(P)を備える試料(S)の三次元構造を調製するパターニング装置(1)であって、前記パターニング装置が、パターン生成部(3)と、パターン生成部(3)に接続されていてかつ試料(S)を備える試料容器(46)を保持するように適合されている保持部(2)とを備え、
パターニング装置(1)が、
マトリックス(M)を改変マトリックス(M’)への変換に適合されている少なくとも1つの変換装置(D)であって、改変マトリックス(M’)では粒子(P)が互いに連結されていない状態を維持しかつパターンに従って配置されている一方で粒子(P)がもはや自由移動しない、少なくとも1つの変換装置(D)と、
画像記録部(7)と
をさらに備えることを特徴とする、パターニング装置(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの変換装置(D)は、発光システム(6)、又は温度管理装置(26)、又は発光システム(6)及び温度管理装置(26)の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
発光システム(6)は、試料(S)について高さと、角度位置との少なくとも1つについて調節可能であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの変換装置(D)がパターン生成部(3)に付随して又は連続して使用可能であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
保持部(2)が、少なくとも1つの温度センサ(25a)と、振動センサ(26b)とを備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記パターニング装置が、1つ又はそれより多い減衰手段(51)を備えていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
1つ又はそれより多いパターン生成部(3)と少なくとも1つの変換装置(D)を制御するように適合された制御ユニット(81)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記制御ユニットが、人工知能ユニット(83)を備えているか、又は人口知能ユニット(83)に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記試料を可視化して記録できる照明システムをさらに備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
パターン生成部(3)が、音波又は他の振動用の波動を試料(S)に与えられる少なくとも1つの振動生成部(3)又は振動生成部(32)のセットを備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの振動生成部(32)又は振動生成部(32)のセットが、試料(S)の横の位置から波動を放出することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
水準制御手段(17)をさらに備えていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの注入装置(200、200’)をさらに備えていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの注入装置が、生体材料の3Dバイオ注入に適合されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
2つ又はそれより多い放出光又は光のグループ61と、2つ又はそれより多い異なる画像記録装置7と、2つ又はそれより多い異なる保持部2とを含む複数の付属品を備えるセット。
【請求項16】
マトリックス(M)の1層(L1)内で自由移動する粒子(P)を備える試料(S)内の粒子の三次元構造を製造する処理であって、
音波を試料(S)に適用している状態で、所定パターンに到達すべく粒子(P)を前記層(L1)内で構成するパターニングステップ(Q2)と、
前記マトリックス(M)を、粒子(P)がもはや自由移動しない改変マトリックス(M’)に改変する変換ステップ(Q3)と、
を備える前記処理において、
パターニングステップ(Q2)及び変換ステップ(Q3)が、試料(S)の取り扱いをせずに実行されることを特徴とする、粒子の三次元構造を製造する処理。
【請求項17】
音波を試料(S)に適用している状態で、第2所定パターンを造るべく第2粒子(P2)を第2マトリックス(M2)の第2層(L2)内で構成する第2パターニングステップ(Q2’)と、
第2マトリックス(M2)を、第2粒子(P2)がもはや自由移動しない改変第2マトリックス(M2’)に改変する第2変換ステップ(Q3’)と
をさらに備え、
第2層(L2)が前記層(L1)の上にあることを特徴とする、請求項16に記載の処理。
【請求項18】
層(L1、L2)の一方又は他方の中、あるいは層(L1、L2)の一方又は他方の上に追加材料を注入する、1つ又はそれより多い注入ステップ(Q4)をさらに備え、
1つ又はそれより多い注入ステップ(Q4)が、パターニング装置(1)に統合又は組み合わされた注入装置(200)を用いて実行されることを特徴とする、請求項16又は17に記載の処理。
【請求項19】
1つ又はそれより多い容器製造ステップb)をさらに備え、1つ又はそれより多い試料容器(46)が、注入装置(200’)を手段としてオンデマンドで印刷されることを特徴とする、請求項16又は18に記載の処理。
【請求項20】
試料容器(46)が、目標とするパターンの幾何形状に従って予め決定された幾何形状を持つことを特徴とする、請求項19に記載の処理。
【請求項21】
試料(S)が、請求項1から14に記載のパターニング装置(1)を使って、請求項16又は20に記載のプロセスに従った音波下で印刷されることを特徴とする、前記試料(S)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元構造体、特に人工生体組織のような生体材料の三次元構造体を作製する統合された装置に関する。このような三次元構造の調製は、ファラデー波(FW)に基づくものであり、積層造形技術と組み合わせ可能である。特に、本パターニング装置は、自己組織化処理を誘発することにより、機能的な生体組織を簡単かつ有用な製造を可能にする。このような統合装置は、したがって、1つ又はそれより多いパターン生成部を備え、さらに、1つ又はそれより多い積層造形要素を備えることがある。
【背景技術】
【0002】
ファラデー波(FW)に基づく処理は、人工生体組織の生成用に既知である。そのような取り組みを使う方法は、例えば、特許文献1(WO2019038453)に記載されている。この場合、特定のパターン(模様)は、音の振動を使用して、ハイドロゲルマトリックスに広がる粒子の層に生成される。マトリックス内の粒子を適切に維持しながら、三次元構造を得るために複数層を組み合わせる必要がある。
【0003】
現在使用されている技術の他の制限は、人工生体組織の提供用に使用可能な材料の多様性が減っていることと、生成される生体材料の複雑さに関連している。
【0004】
既知の処理の適用に使用される装置は、再現性の高い方法での三次元構造の製造には適合されていない。特に、さまざまな装置が、別々に使用されて扱われているので、製造される試料の変動の原因であり、製造できる三次元構造の数と多様性についての制限になっている。
【0005】
時間と費用がかかる既知の方法は、さらに、臨床現場(ポイントオブケア)での三次元構造の製造には適合されていない。
【0006】
そのように、現在適用されている(複数の)処理と、三次元構造の製造に使用される装置の改良の要請があるとみられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願公開第2019/038453号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的の1つは、材料の三次元構造を高速、明快かつ高い再現性の方法での作製を可能にするパターニング装置を提案することである。そのような材料は、音波又は他の振動波の下でマトリックス内を移動可能にマトリックス中に懸濁された粒子を、マトリックス自体とともに示し、その特性を変更できる。特に、マトリックスの粘度又はレオロジー特性、及びその他の物理的及び化学的特性は、マトリックスに浸漬された粒子が、振動波にさらされた状態で自由に移動できる状態から、マトリックス内で粒子が動けなくなる状態に変更できる。粒子が、そのようにして、マトリックス内に、三次元構造の生成に適合されているパターンを生成する。
【0009】
本開示において、「パターン」(模様)という用語は、振動波の影響下での粒子の非均一な配置を意味する。特に、パターンは、マトリックス内の粒子の濃度によって画定される、マトリックス内の波の形状を反映する場合がある。そのパターンは、それゆえ、極大値と極小値を持つ勾配濃度を画定している。換言すると、本開示の「パターン」の対象物は、粒子の均一な広がりを除外する。パターンは、周期的又は規則的な変化を備える幾何学的配置に関連する可能性がある。代替的に、パターンは非幾何学的配置に関連する可能性がある。
【0010】
ここで述べる粒子は、マトリックスに懸濁できて、振動波にさらされているときに移動できる任意の粒子を示す。より具体的には、粒子は、有機、無機、又は金属タイプであり得る。そのような無機粒子には、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、他のリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、及び任意の無機塩又は複合体が含まれる。有機粒子には、任意の有機化合物又は有機オリゴマー又は有機ポリマー、脂肪酸、リポソーム、及びカプセル化された有機化合物などの化合物のグループが含まれる。有機粒子には、薬物又は薬物の組み合わせなどの潜在的な活性分子も含まれる。有機粒子はまた、細胞、細胞凝集体、組織断片、オルガノイド、スフェロイド、バクテリア、ミクロソームなどの生体物質、及びタンパク質、タンパク質を装填した微粒子、又はシグナル伝達分子、並びに生物学的細胞のためのあらゆるペプチド、ポリペプチド、核酸オリゴマー及び栄養素などの生体物質の成分の意味での生物学的粒子を指す。
生物学的細胞は、骨芽細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、ヒト間葉系幹細胞、軟骨細胞、又はヒト臍帯静脈内皮細胞、又はそれらの混合物を含む、任意のタイプのものであり得る。粒子は、有機成分、無機成分、金属成分、及び生体物質の混合物を含み得ることが理解されるべきである。
【0011】
マトリックスは、ハイドロゲル、ペースト、液体、その他の材料など、粒子を懸濁するのに適した材料を表す。マトリックスは、ゼラチン又はゼラチンメタクリレートなどのゼラチン誘導体、ヒアルロン酸又はヒアルロン酸メタクリレートなどのヒアルロン酸誘導体、又はコラーゲン、フィブリン/トロンビン、マトリゲル、アトリゲル、アガロース、ヒアルロン酸チラミン、アルギン酸塩又はそれらの混合物を含み得る。マトリックスはさらに、マトリックスの物理的特性を改変するように適合され、少なくとも粘度を増加させて、改変された後のマトリックス中の粒子の移動を防ぐように適合された成分又は成分の混合物を含む。
【0012】
粒子自体は、好ましくは、本開示の処理の下で重合又は網状化を受けないことが理解される。したがって、粒子は互いに連結されていないので、結合されていないままである。反対に、粒子を含むマトリックスは、その中に含まれる粒子をよりよく固定し、音波によって生成されるそれらの不均一な濃度を維持するために、粘度改変又は部分重合などの複数の改変を受ける。
三次元パターンが製造されると、マトリックスは粒子に結合されたままであることがさらに理解される。粒子は非結合及び非重合のままであるため、波動から生じるパターンを維持するために周囲のマトリックスが必要である。粒子が生体物質である場合、周囲のマトリックスはさらに栄養環境として使用できる。したがって、三次元パターン化は、マトリックスと粒子の両方を含む組立体を意味する。
【0013】
また、振動波は超音波に関連する周波数範囲を除外していることも理解されている。これは、粒子が生体物質を指す場合に特に当てはまる。
【0014】
したがって、本開示の処理は、複数の粒子が硬化又は重合され、その後、残りの周囲の材料が除去される従来の3D印刷とは異なることが明らかである。
【0015】
本開示による3次元パターンにおいて、粒子及びマトリックスは、2つの別個の組成物を提供し、それぞれが、少なくとも熱又は紫外線(UV)照射下で異なる特性を有することがさらに理解される。本開示で述べる三次元構造は、よって、多相構造を定義する場合がある。
【0016】
本開示において、「試料」は、マトリックス中の粒子の集合を意味する。好ましくは、マトリックスは、粒子が埋め込まれているゲルのような粘稠度を有する。マトリックスの特性は、粒子の移動を防ぐように変換される場合がある。
【0017】
上記及び下記で、三次元構造という表現は、本処理に従って製造されるパターンから、又は本処理に従って製造される複数のパターンの組み合わせから生じる構造を示す。生きている三次元構造とは、パターンの組み合わせから生まれ、生きている細胞などの生物を含む構造を意味する。
【0018】
製造される人工組織の実行可能性を改善することは、本発明のさらなる目的である。
【0019】
本発明の目的はまた、生物学的材料の三次元構造を製造用の改良された処理を提案することである。
【0020】
本発明の目的はまた、出発物質のより多様でより複雑な組み合わせを有する三次元構造の製造に適合した処理を提案することである。
【0021】
また、本発明の目的は、臨床現場(ポイントオブケア)での三次元構造の製造方法を提案することである。
ここでいうポイントオブケアとは、病院、私立病院、医療研究所、分析研究所のような、患者を受け入れて治療することに専念している専門機関を意味する。ポイントオブケアはさらに、あらゆる研究機関、製薬会社、大学、公的又は私的な訓練機関を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、これらの目的は、本特許請求の範囲に記載の装置及び処理によって達成される。
【0023】
図面の簡単な説明本発明は、例として与えられ、以下の図によって示されるいくつかの実施形態の説明の助けを借りて、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図4】
図4a、
図4b、
図4cは、一部の実施形態による横方向減衰装置の例を示す。
【
図9】
図9a、
図9bは、他の実施形態による容器の例を示す。
【
図13】
図13は、補助部材の3D印刷を含む処理の例を示す。
【
図14】
図14は、各層が前の層の上に構築される順次処理の例を示す。
【
図15】
図15は、各層が互いに独立して構築される並列処理の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1a、
図1b、
図1c、
図1dは、本発明の様々な実施形態によるパターニング装置1の一般的な配置を示す。パターニング装置1は、パターン生成部3と、パターン生成部3に接続された保持部2とを備えている。保持部2は、三次元構造に配置される粒子Pを入れている試料容器46を保持するように適合されている。試料容器46は、容器固定手段4を用いて保持部2上に配置されている。粒子PとマトリックスMとを含む混合物は、以下、試料Sという。保持部2は、パターン生成部3によって生成された振動波Wを、試料容器46とその中に入っている粒子Pを備える容器固定手段4に伝達するように、パターン生成部3に接続されている。この目的のために、容器固定手段4を配置するか、又は容器固定手段4と統合される保持部板21と、パターン生成部3への機械的接続を可能にする保持部接続手段22とを、保持部2は備える。パターン生成部3は、保持部接続手段22と協働し、保持部2を所定の位置に維持するように適合された生成部接続手段31を有する。保持部2の保持部板21は、保持部板21上にしっかりと配置された容器固定手段4を維持するように適合された容器位置決め手段100(
図7aから
図7h)を備える。
【0026】
パターン生成部3は、ここでは、音波と同様の圧縮波の生成を可能にするという意味で、音波生成部と同等であると理解されるものとする。それはしかしながら、単なるスピーカーに限定するものではない。パターン生成部3によって生成される波は、人間のユーザに可聴でもよく、不可聴でもよい。パターン生成部3によって放出される波の品質は、試料内に明確なパターンの生成用に非常に高くなければならないが、それは、スピーカーでは困難であったり、不可能かもしれない。
【0027】
容器46は、開いたままでも、蓋で閉じてもよい。
【0028】
粒子Pは、マトリックスMに含まれ、その特性は、三次元構造を生成する処理中に変更できる。マトリックスMは、この目的のために、光の下で、特に紫外(UV)光の下で、熱の下で、あるいは他の物理的又は化学的条件下で反応できる成分を含有してよい。パターニング装置1は、マトリックスMの変換に適合された少なくとも1つの変換装置Dを備える。そのような変換装置Dは、UV、UV可視、又は赤外光のような光、加熱板、オーブン、マイクロ波発生器、及び適合された任意の装置を備える。特に、パターニング装置1は、光照射下でマトリックスMの変換を開始するように適合された発光システム6を備える。代替的、又は追加的に、マトリックスMは、熱下で反応できる化学成分を含有してよい。このような反応には、化学的又は温度によって誘発される重合又は架橋が含まれる。パターニング装置1は、この目的のために、赤外光のような熱源を備えてよい。赤外光は、発光システム6に含まれる場合、又は別個の装置の一部である場合がある。
【0029】
パターニング装置1は、試料Sに焦点を合わせた画像記録部7を備える。画像記録部7は、試料容器46が音波に曝されているとき、又はその前又は後に、試料容器46内の粒子Pのパターンを監視するように適合されている。そのため、パターン化処理のリアルタイム監視が可能になる。代替的、又は追加的に、画像記録部7は、試料Sの波動への露呈結果を含む、パターンの形状を記録できる。画像記録部7は、カメラ、赤外線カメラ、超高速カメラ、又は製造中の試料Sに焦点を合わせる、任意の関連装置のような動画システムである場合がある。画像記録部7は、試料容器46内の粒子Pの(予め決めたパターンを含む)パターンを認識するように適合された画像分析部8に結合されている場合がある。
【0030】
パターニング装置1は、好ましくは、枠部9を備え、この中に、発光システム6及び画像記録部7が配置されている。特に、発光システム6及び画像記録部7の少なくとも1つ、好ましくはそれら両方が、枠部9上で調整可能である。発光システム6は、少なくとも2つの位置をとるように枠部9に有利に接続され、第1位置は、保持部2及び試料容器46の上にあり、第2位置は、この第1位置から離れている。
この目的のために、発光システム6は、xy平面上に配向可能である。これは、例えば、回転可能な接続部12a(
図1a)又は12b(
図1b)によって枠部9に接続されている。回転可能な接続部12a、12bは、枠部9又は案内部13に直接接続されている場合がある(
図1b)。代替的、又は追加的に、発光システム6は、試料容器46を含む容器固定手段4と発光システム6の放出光61との間の距離を調整するように、鉛直軸線zに沿って調整可能である。
この目的のために、回転可能な接続部12a、12bは、枠部9の垂直梁に沿って、又は案内部13に沿って摺動するようにしてよい。発光システム6の位置は、手動で、又はモーター(図示せず)によって調整するようにしてよい。固定器14を使用して、保持部2より高い所与の高さ、角度位置、又は高さと角位置の両方を含む所与の位置に発光システム6を留められる(ロックできる)。
【0031】
パターン生成部3はまた、パターニング装置1の騒音及び振動を低減する1つ又はそれより多い減衰装置10によって、枠部9上に配置される場合がある。代替的に、パターン生成部3は、枠部9から独立している。一実施形態によれば、パターン生成部3は、枠部9の横梁上の消音ブロック10aのセット上に配置される(
図1a)。別の可能な実施形態によれば、パターン生成部3は、カウンターウェイト16を含む支持部15上に配置され、パターン生成部3によって生成される振動の影響を低減可能にする。支持部15は、一組の消音ブロック10b(
図1b)によって枠部9に接続され得る。
【0032】
枠部9は、1本、2本、3本、又はそれ以上の鉛直柱を備える場合がある。さらに、それは、画像記録部7が配置される少なくとも1本の天井部横梁を備える場合がある。枠部9の他の配置は可能である。
【0033】
枠部9は、複数の足11上に配置されている。足11の少なくとも1つは調整可能であり、好ましくは2つ又はそれより多い足11が調整可能である。パターニング装置1の枠部は、有利には、3つの足11を備え、そのうちの2つは、パターニング装置1の水準(レベル)、特に、ある水平配向における保持部2の水準の調整のため調整可能である。
この目的のために、パターニング装置1は、水平面xyに関して保持部2の板21の配向を制御するように適合された水準制御手段17を備える。このような配向は、場合によっては、試料Sのパターン生成部3によって生成されるパターンの欠陥を回避するために、好ましくは精密調整可能である場合がある。保持部2の配向は、好ましくは、容器固定手段4が配置されている保持部2は、xy平面内にある、本質的に水平である。xy平面に関する保持部2の配向の偏差は、好ましくは、約0.5°かそれより小さく、0.3°以下、0.1°以下、さらにより好ましくは、約0.05°以下である必要がある。
水準制御手段17は、水準器のような視覚的方向制御手段であってよい(
図2a、2b、2c)。水準器は、保持部2、保持部2に接続されているパターン生成部3、又はパターニング装置1の別の場所に取り外し可能に配置してよい。これにより、保持部2の板21の天面の配向の精密な位置決めが可能となる。それ(水準制御手段17)は、例えば、逸脱することなくそれ(水準制御手段17)の受容に適合された穴17aに配置してよい。
この目的のために、穴17aの縁部及び水準制御手段17の縁部は、パターニング装置1及び水準制御手段17のそれぞれの位置が常に同じであるように、相補的な円錐形を持つ場合がある。そのような構成によれば、水準制御手段17は、波発生器3が作動されるときに取り外して保存できる。加速度計又はレーザー検出装置などの他の装置を替わりに使用される場合がある。代替的に、水準制御手段17又は板21の配向の決定に使用される他の装置は、保持部2などのパターニング装置1の一部にしっかりと含まれるか、又は組み込んでよい。
この配置は、水準制御手段17のいくつかの配置及び変位の後に、主に時間にわたって、取り外し可能な装置で起こるおそれのある不正確さを回避する。水準制御手段17は、ユーザが直接読み取り可能である。代替的、又は追加的に、水準制御手段17は、画像記録部7及び分析部8又は別の適切な装置によって記録及び分析されるようにしてよい。代替的、又は追加的に、水準制御手段17は、ユーザに可視の、スクリーン又はディスプレイ上に投影される画像の対象の場合がある。代替的、又は追加的に、水準制御手段17は、警告又はエラー信号のような電子信号と、水準が要件に準拠しているか否かを示す信号との少なくとも一方を生成する場合がある。
【0034】
一実施形態によれば、パターニング装置1は、垂直軸線Aに従って配置され、この場合、パターン生成部3は底部にあり、保持部2はパターン生成部3の上にあり、発光システム6は保持部2又は保持部2を取り囲む。またここで、画像記録部7は、最も上に位置し、準備中の試料Sに焦点を合わせられるようになっている。
【0035】
パターニング装置1は、パターン生成部3の起動に付随して、試料容器46において、準備中の試料Sの上で発光システム6を起動できるように便利に配置されている。加えて、画像記録部7は、発光システム6及びパターン生成部3に付随して起動される場合がある。発光システム6は、それが作動されているか否かにかかわらず、試料容器46において、準備中の試料Sの上に留めておく場合がある。このようにして、試料Sの上の発光システム6を取り外したり交換したりすることなく、試料Sの光照射のオンとオフを切り替え可能である。
【0036】
パターニング装置1は、様々な用途に容易に適応できる。特に、発光装置6は、パターニング装置1から外されて、別の発光システム6に置き換えられる場合がある。代替的に、発光システム6は複数の異なる、放出光61又は光の放出のグループ61を備えて、各光が、必要に応じて独立して作動可能となっている。特に、異なる波長又は異なる電力を持った光61又は光のグループ61を使用してよい。発光システム6は、放出された光が印刷装置1の周りに拡散するのを防止可能な(図示しない)光保護スクリーンを備える場合がある。代替的、又は追加的に、ユーザに、安全メガネ又はフェイスシールドが別途提供される。
【0037】
保持部2は、好ましくは、特定の必要に応じて、パターン生成部3から容易に取り外して別の保持部2と交換可能である。一例として、保持部2は、個々のディッシュ48a(
図3a)又はウェルプレート48b(例えば、シングルのウェルプレート、6ウェル、12、24、48、96ウェル又は他の任意の数のウェルプレート)(
図3b)に、あるいはそれら両方に適合させる場合がある。保持部接続手段22は、特に、工具なしで、生成部接続部31に手動で接続したり接続を切り離したりするようになっていてよい。例えば、保持部2を良好な位置に維持するのに、ばねを備えたクランプ機構を使用してよい。代替的に、保持部2は、異なる型式の複数の保持部2を備えた回転台上に配置される場合がある。そのような回転台は、取り外し可能な接続手段によってパターン生成部3に結合可能かつ結合解除可能になっている。
【0038】
別の実施形態では、画像記録部7はまた、枠部9から容易に取り外され、別の画像記録部7によって置き換えられる場合がある。例えば、可視領域でアクティブなカメラは、赤外線カメラ、高速度カメラ、又は別の型式の画像記録部7によって置き換えられる場合がある。画像記録部7の交換は、好ましくは工具なしで可能である。手動クランプ又はロックシステムが有利に使用される。
【0039】
有利には、パターニング装置1は、2つ又はそれより多い異なる放出光61又は光のグループ61、2つ又はそれより多く異なる画像記録部7、2つ又はそれより多く異なる保持部2を持つ様々な付属品のセットを備えて提供される。パターニング装置1は、それにより、所望の実験や生産の要求に合わせて必要に応じた調整が可能である。便利な配置では、パターニング装置1上に配置された発光システム6、画像記録部7又は保持部2のような各要素は、制御ユニット81によって自動認識される。対応するセットアップは、対応する装置の適切な操縦のため、制御ユニット81に自動アップロードできる。代替的に、要素の特性は、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)装置82によって制御ユニット81に手動で装填される場合がある。
【0040】
好ましい配置として、水平方向(の軸線)x及びyに沿った保持部2の位置は、それぞれ調整可能ではない。換言すれば、xy平面内の保持部2の位置は予め決定されている。これにより、特にパターン生成部3が作動しているときに、保持部2の横方向の動きが防止される。このように、板21の天面上の容器固定手段4の位置が決まっていて、保持部2の横方向の位置も決まっている。「予め決定されている」という用語は、ここでは、ユーザには調節不能又は調整不能として理解されるべきである。保持部2が回転台の一部である場合、対応する回転台の位置は予め決定されている。
【0041】
加えて、振動に起因するxy平面内のずれも防止されるか、少なくとも最小限に抑えられる。この目的のために、1つ又はそれより多い横方向減衰装置51(
図4a、
図4b、
図4c、
図5a、
図5b、
図5c、
図5d)が、準備中の保持部2及び試料Sの横方向の振動を防ぐように配置されている。そのような配置は、パターンの品質をさらに向上させ、その結果、試料容器46内の三次元構造の解像度及び実行可能性を向上させる。特に、保持部接続手段22又は生成部接続手段31は、横方向減衰装置51aによって直接囲まれているか、又は本質的に直接囲まれている場合がある(
図4a)。代替的に、保持部接続手段22及び生成部接続手段31は、互いに直接接続されていないが、それ(中間接続部5)自体が横方向減衰装置51aによって囲まれている中間接続部5を介して接続されている(
図4b)。代替的に、保持部2自体は、横方向減衰装置51aによって囲まれている(
図4c)。
この目的のために、保持部2の縁は、例えば、下向きに延長されて、横方向減衰装置51aに対してスカート(の裾のような形状の部分が)フィッティング(接している状態)を形成してよい。そのような横方向減衰装置51aは、保持部接続手段22、又は生成部接続手段31、又は中間接続部、又は保持部2の縁部のいずれかを取り囲む管510aを備える場合がある。横方向減衰装置51aは、パターン生成部3から独立していて、管510aを所定の位置に保てる支持部511aをさらに備える。
【0042】
本明細書に記載している減衰装置は、良質のパターンを提供するために重要である場合がある。特に、複数の減衰要素は、パターン生成を妨害する反射波及び共振周波数の少なくとも一部を吸収するように配置されて設計される場合がある。好ましくは、複数の減衰要素は、試料がパターン生成部3によって生成された波をひずみなく、排他的又は実質的に排他的に受信するように、パターン生成部3から直接発せられない全ての周波数を吸収するように適合される。
【0043】
パターニング装置1はさらに、処理中及び処理後の試料の視覚化を可能にする照明システムを備える場合がある。特に、パターンの複数の写真を、連続的な方法で、又は一定の時間間隔で、又は処理の各ステップの後に、画像記録装置によって容易に撮る場合がある。そのような照明システムは、そのため、試料の変換のための変換装置D及びそこに示された任意の光システムから独立している。照明システムは試料自体に影響を与えないが、単に試料を視覚化するものである。照明システムは、そのため、試料の表面に必要な光を直接提供することがあるものである。試料の照明角度は、側面から照明を提供して、可変であり、それによって、異なる角度での試料表面からの光の反射を利用することによって試料の視覚化を改善し、より良いコントラストを提供できるようにしている。
代替的、又は追加的に、照明システムは、試料の下から光を提供するように構成され、その結果、光が試料を横断して、画像記録装置がそれ(横断した光)を画像化できるようにする。換言すると、照明システムは、試料に透過照明を提供するように構成される。
試料の照明に使用される光は、試料表面下に形成されるパターンをよりよく視覚化するために、非偏光又は偏光のいずれかにしてよい。異なる波長の照明を使用して、試料に潜在的に含まれている蛍光部分を利用して視覚化を改善したり、特定の波長による照明及び特定の波長の吸収に関連する他の方法で視覚化を改善したりすることもできる。偏光及び/又はカラーフィルタの他の組み合わせは、パターン化の前、最中、及び/又は後の試料の視覚化を改善する目的で、照明システムと画像記録部7との間に配置されることが想定されよう。
【0044】
一実施形態によれば、照明システムは、試料を照明するように本パターン形成装置に適合された又は適応可能な外部モジュールである。そのような照明システムは、そのため、必要に応じて、容易に取り外し又は交換される場合がある。そのような取り外し可能な配置は、例えば、照明の波長又は角度のいずれかを適合させること、あるいはバックライト機能を含めるか又は取り除くことを可能にする。
【0045】
別の実施形態によれば、照明システムは、パターニング装置に統合されている。例えば、変換装置D又はパターニング装置の別の機能と組み合わせたり、組み合わせたり、統合したりできる。
【0046】
図5a、
図5b、
図5c及び
図5dは、保持部接続手段22及び生成部接続手段31が中間接続部5によって接続され、この中間接続部5がパターニング装置1の枠部9に、1つ又はそれより多い柔軟な腕部51bの手段によって接続されている代替構成(複数)を示す。そのような柔軟な腕部51bは、保持部2の横方向の動きを防止する剛性部分511bと、腕部51bの先端に、保持部2の鉛直方向のずれを許容する柔軟な取り付け部512bとを備える場合がある(
図5a、
図5b)。代替的に、柔軟な腕部51bは、板ばね513bの形をとる場合がある(
図5c)。各板ばねの一方の端部は、パターニング装置1の枠部9に連結されていて、もう一方の端部は、中間接続部5に接続されている。代替的に、柔軟な腕部51bは、保持部2に特に適合された板ばねを形成するために、複数の剛性部分511b及び複数の柔軟な部分512bを備える場合がある。他の配置又はこれらの配置の組み合わせを使用してよい。
柔軟な腕部51bは、中間接続部5又は2つの対向している側部に、又はパターニング装置1が3つ以上の垂直柱9を備える場合、1つ又は複数の柔軟な腕部51bをこれらの柱9のそれぞれに接続させてよい。
【0047】
図6aから
図6iは、発光システム6に関連する様々な代替例を示す。発光システム6は、それが保持部2上に配置されたときに、試料容器46内の試料Sを照射するように1つ又は複数の光枠部62上に配置された1つ又は複数の放出光61を備える。放出光61は、例えば、これらの波長下で反応性の化学成分の重合に通常適用され、試料Sに存在するUV又はUV可視放出光である。放出光61は、従来のUV又はUV可視又は特定のLED、任意の適切な発光装置である場合がある。放出光61の配置に応じて、発光システム6は、放出光を保持部2上に配置された試料Sに向けて集束する、1つ又は複数の反射面64を備える場合がある。光枠部62は、保持部2の一部であって、試料Sを下から照らす場合がある(
図6h)。このような構成では、保持部2の板21は、容器固定手段4が配置された透明シートによって閉じられたくぼみ66を備える。本明細書に記載の1つ又はそれより多い構成の組み合わせが可能である。例えば、試料Sの光照射は、下から、上から、又は端から、あるいはこれらの複数の方向からなされる場合がある。光枠部62又は光枠部62のグループは、画像記録部7から見える試料Sを維持するように配置されている。例えば、光枠部62は、画像記録部7の光路に相当する中央の穴63を備えた円形である場合がある。放出光61の向き又は試料Sとのそれらの距離、あるいは向き及び距離の両方は、手動又は自動で調整される場合がある。
【0048】
光枠部62は、例えば、異なる光学スペクトル領域又は異なる波長で照射する、いくつかのタイプの異なる放出光61を受け取るように適合させる場合がある。加えて、光枠部62は、試料Sを温めるように適合された赤外光を備える場合がある。これは、UV照射によって引き起こされる重合に替えて、マトリックスMの温度誘導重合が必要な場合に特に便利である。異なる条件下で反応し得る異なる化学成分を試料SのマトリックスMに含めてもよい。発光システム6は、有利には、複数の光61又は光のグループ61を交互に作動できるようになっている。
【0049】
容器固定手段4は、任意の形状を有してよい。容器固定手段4は、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形の囲いを持っていてよい。
図8a、
図8b、
図8c、
図8dは、容器固定手段4の複数の例を示す。容器固定手段4は、マトリックスM及び粒子Pが配置された試料容器46を保持する基部41を備える。容器固定手段4は、基部41の上に配置され、また基部41に適合して、好ましくは気密適合して取り外し可能なキャップ42をさらに備える。取り外し可能なキャップ42は、基部41の縁で調整できて、摩擦力だけで維持できる(
図8a)。密封部44を基部41と取り外し可能なキャップ42との間に配置して、容器固定手段4を閉じた状態、好ましくは密閉した状態に維持しながら摩擦力を大きくできる。代替的に、取り外し可能なキャップ42は、キャップクランプ構成43によって基部41に適合させる場合がある。そのようなキャップクランプ構成43は、例えば、キャップ42に連結された第1部材43aと、基部に連結された第2部材43bとを備えて、第1部材43a及び第2部材43bが協調するように適合されている。
キャップクランプ構成43は、複数の閉じ位置(
図8b、
図8c)に適合されるように調整可能となっていてもよい。複数の閉じ位置には、漸進的な閉止力(
図7c)又は複数の予め決定されている閉じ位置(
図8b)のいずれかが含まれる。代替的に、1つの閉じ位置のみが可能となっている(
図8d)。
【0050】
容器固定手段4は、それ自体がモジュール式である場合がある。所与の基部41は、様々なタイプのキャップ42を受け入れるように適合可能である。
図9bは、所与の基部41が異なるキャップ42a、42b、42cと組み合わされている様々な構成を示す。そのようなキャップ42a、42b、42cは、所与の基部41上での異なる形状及び寸法の試料容器46の固定を容易にするために使用される場合がある。代替的に、キャップ適合部45を使用して、所与の基部41上での異なる形状及び寸法の試料容器46の固定を容易にできる。
図9aは、所与の基部41が異なるキャップ適合部45a、45b、45cに組み合わされている複数の例を示す。単一の取り外し可能なキャップ42は、それにより、基部41と共に使用可能である。
【0051】
容器固定手段4は、光、特にUV可視光に対して部分的又は完全に透明である場合がある。容器固定手段4の基部41又はキャップ42のいずれか、又は基部41とキャップ42の両方は、そのような光に対して透明であってよい。キャップ42はまた、そのような光に対して完全に透明であるか、又はそのような光に対して部分的に透明である場合がある。キャップ42及び基部41は、独立して、ガラス、石英、硬質又は軟質ポリマー、又はこれらの材料の組み合わせで製造される場合がある。
【0052】
容器固定手段4は、好ましくは、容器固定手段4を保持部2上の所定の位置に取り外し可能に配置することを可能にする位置決め手段100によって、保持部2の板21の表面に固定される。位置決め手段100は、
図7aに示されるように、第1位置決め要素100a及び第2位置決め要素100bを有する中間要素101である場合がある。第1位置決め要素は、容器固定手段4を維持するように適合されたばねである場合があり、第2位置決め要素は、中間要素101を保持部2に固定するように、保持部2の幾何学的形状に相補的な幾何学的形状である場合がある。そのような中間要素101は、クリップ(
図7a)、回転クリップ(
図7b)、クランプ保持部(
図7c、
図7d)、プレス腕部(
図7h)に組み合わされたばねを備える場合がある。代替的に、容器固定手段4は、それ自体、レール(
図7e、
図7f)又は柔軟なクリップ(
図7g)などの必要な位置決め手段を備える場合がある。
【0053】
保持部2の板21は、容器固定手段4を直接受け入れるように配置される場合がある。この目的のために、それは、容器固定手段4を適切な位置に維持するために必要な全ての容器位置決め手段100を備えている(
図10a)。代替的に、保持部2の板21は、容器適合部24を受け入れるように配置されている(
図10b)。容器適合部24は、異なるサイズ又は異なる形状の試料容器46に適合された容器固定手段4の交換を含む、保持部2上の容器固定手段4を容易な交換を可能にする。容器適合部24は、適合部接続手段23a、23bによって、保持部2の板21上に維持されている。適合部接続手段23a、23bは、好ましくは、板21から容器適合部24を手動で組み立て又は分解を可能にする。容器適合部24は、好ましくは、容器適合部24が板21上に配置された後、容器固定手段4を適切な位置に維持するために必要な全ての容器位置決め手段100を備える。
【0054】
好ましい実施形態では、保持部2は、1つ又は複数のセンサ25a、25bを備えて提供される場合がある。温度センサ25a及び振動センサ25bのうちの1つは、少なくとも保持部2の板21に含まれ、好ましくは、温度センサ及び振動センサの両方が、保持部2に統合されるか、又は組み合わされる。板21は、管理装置26を有利に追加的に備えて、粒子P及びマトリックスMを含む容器46を、周囲温度よりも高い所望の温度での温めを可能にする。温度センサ25aは、温度管理装置26と共に、準備中の試料Sの温度の調整を可能にする。温度は、試料Sの調製、特にマトリックスMに存在する化学成分の重合に適合した予め決定された値又は一連の値に従って定義できる。加熱持続時間、温度範囲及び温度変化率は、複数のプログラムの対象となる場合がある。温度は、そのため、20℃から200℃の間、好ましくは20℃から100℃の間、最も好ましくは20℃から50℃の間で調節可能である。温度管理装置26は、追加的に、試料Sを周囲温度より低い温度、例えば、15°、又は10℃、又は5℃未満で冷却するように適合させる場合がある。非常に好ましい構成では、温度管理装置26は、約4℃から約40℃の間の温度で、準備中の試料Sの温度を調節又は変更するように適合された温度調整装置である。
【0055】
温度管理装置26は、試料SのマトリックスMの変換を可能にする別個の変換装置Dを示す場合がある。代替的に、温度管理装置26は、加熱板、赤外線光のセット、マイクロ波発生器、及び試料Sを加熱して行列Mを変換するために使用できるその他の装置のような複数の加熱装置を備える変換装置Dの一部である。
【0056】
板21又は容器適合部24は、1つ又は複数の水準制御手段17を備える場合がある。
【0057】
保持部2が備えるセンサ25a、25b、温度管理装置26及び他の任意の電気要素は、好ましくは、保持部2に配置された電気接続部27によって制御ユニット81に接続されている場合がある。このような電気接続部27は、制御ユニット81に独立して差し込むか、又は制御ユニット81から抜くようにしてある場合がある。代替的に、保持部2がパターン生成部3上に配置されると、センサ25a、25b、温度管理装置26、及び保持部2に存在する他の潜在的な電気要素が自動的に差し込まれる。
【0058】
保持部2は、さらに、試料Sを冷却又は凍結するように適合された冷却装置(図示せず)に接続されるか、又は装備され得る。冷却装置は、パターニング装置1に統合され得る。この目的のために、任意の既知の冷却装置を使用及び適合させる場合がある。
【0059】
例えば音波下でのパターニング処理の前、最中、又は後に、試料Sに材料をユーザが手動で追加又は注入できるが、装置1は、試料容器46に材料を注入するように適合された1つ又はそれより多い注入器201を備える注入装置200を有利に備えて提供される場合がある。試料容器46に既に存在する粒子P及びマトリックスMの上に、又は試料容器46に既に存在するマトリックスMの大部分において、マトリックス及び粒子を試料容器46に注入する(
図1c)。注入装置200は、試料Sの上に、又は試料Sから離れて配置されるように、装置1の枠部9に連結される場合がある。回転接続手段202が、この目的のために使用される場合がある。注入装置200は、粒子P、マトリックスM又はマトリックス要素又は他の任意の材料を、準備中の試料S並びに複数の異なる要素の組み合わせに追加するために使用できる。
追加された材料内の存在する化学成分並びに生物学的成分は、試料容器46内に既に存在する化学的及び/又は生物学的成分とは異なる場合がある。
【0060】
パターニング装置1に統合されたそのような注入装置200を使用することにより、三次元構造の製造が容易になる。特に、異なるマトリックスMを有する層Lは、上下に配置される場合がある。そのような注入装置200は、好ましくは、三次元構造の生成に関与する生体材料を注入するために適合される。注入装置200は、3Dバイオ印刷の行為に限定されない、あらゆる種類の注入行為に適合されている。一実施形態では、そのような注入装置200は、好ましくは、生体材料の3D印刷に適合された3Dバイオ印刷装置を示す。
【0061】
代替的、又は追加的に、注入装置200’を使用して、三次元構造に直接含まれていない材料の3D印刷を行ってよい。例えば、付属品は、非生物学的材料を使用してオンデマンドで印刷できる。付属品という用語は、試料容器46、及び試料容器46と統合又は組み合わせられる任意の機能要素を含む、三次元構造の準備に使用される任意の装置又は機能を意味する。特に、試料容器46は、所定の形状でオンデマンドで製造できる。試料容器46の例、及び結果として得られるパターンは、
図17a、
図17b、及び
図17cに示されている。この例では、円形の試料容器46は、試料容器46の内部空間を横切る溝Vを備えている。溝Vは、それ自体任意の形状を有し得、所与の試料容器46の形状に関与する。そのような溝Vは、試料容器46の周辺に少なくとも1つの開口部Voを提供し、試料容器46に充填された生体材料に追加の材料を含めることを可能にする。
図17bに示されるように、溝Vは、試料容器46の内部空間において円形をしている場合がある。もちろん、そのような溝Vの形状は、この特定の形状に限定されない。複数の開口部を含む他の形状が提供される場合、又は溝のウェブが代替的に試料容器46内に構築される場合がある。溝Vは、人工又は非人工血液、生理学的流体、又は3つの成長と生存に必要なその他の関連物質などの栄養流体Kを循環させるために使用される場合がある。
図17Cは、細胞が特定のパターンに従って組織化され、循環流体Kによって灌注される、結果として生じる三次元構造を示す。そのようにして、試料容器46の形状は、その周辺形状と同様に他の任意の形状又は形状の組み合わせの内部形状を含むものとして理解されるべきである。音波パターンはまた、所与の試料容器46の周辺形状によって決定されるが、これが、試料容器46の内部に追加の3次元形状の組み込みを排除するものではないことも理解されたい。
【0062】
試料容器46の形状は、音波曝露から生じる粒子Pの予想されるパターンに基づいて決定できる。例えば、ライブラリBは、変数のセット(B1...Bm)を備える。所与の実験に対応する変数の各セットを使用して、ライブラリBに記録された既知のパターンに従って試料容器46の最も適切な形状を決定できる。パターンは、画像記録装置7又は他の適切な記録装置によってライブラリBに記録される場合がある。そのような変数のセットにおいて、用語「m」は、1から約100の間、好ましくは1から約50の間で構成される整数を意味する。そのような変数には、その振幅A及びその周波数Fなどの音波特性の1つ又はそれより多い、試料容器46の形状、マトリックスMのレオロジー特性、及び粒子Pの性質、温度、大気条件、圧力条件、重力条件、及び実験の他の監視された変数などの環境条件のような他の関連変数が含まれる。
【0063】
任意選択の実施形態によれば、試料容器46の形状は、変数の複数のセット(B1...Bm)コンピューティングプログラム又はパターニング装置1の人工知能83などの人工知能モジュールを使用する(
図13)。そのような人工モジュール83は、コマンドユニット81に統合又は組み合わされる場合がある。そのような人工モジュール83は、パターニング装置1に統合するか、又はパターニング装置1から離れて、インターネット又はプライベートプロトコルのような通常の通信手段によってそれに接続できる。許可されたユーザへのアクセスを許可するために、安全な接続取り決めが想定される場合がある。ライブラリBはまた、パターニング装置1に統合される場合、又はパターニング装置1から離れて統合される場合がある。ライブラリBへのアクセスは、安全な取り決めを介して行える。
【0064】
パターニング装置1は、1つ又は2つの異なる注入装置200を備える場合があり、第1注入装置200は、3Dバイオプリンティングを含む、試料Sへの生体材料の注入専用であり、第2注入装置200’は、付属品の3Dプリント用である。代替的に、単一の注入装置を使用してよく、カートリッジ及びノズルのような注入装置200の要素、及び材料の3D印刷に適合した他の任意の機能を、必要に応じて交換又は置換できる。
【0065】
重要な1観点によると、パターニング装置1に統合された、又はそれと組み合わされた注入装置200は、試料Sの表面又はまとまった範囲(バルク)の所定の位置に材料を注入するように適合される。この目的のために、それは少なくとも2つの平面方向X、Yで可動な場合がある。加えて、Z軸線に沿って垂直位置に移動できる場合がある。加えて、注入装置200は、垂直位置とは異なる位置に向ける場合がある。それは、注入装置200自体又は一部の変位を6自由度にわたって可能にする方法で、通常の関節運動手段を備えて提供される場合がある。注入装置200の位置決めは、制御ユニット81によって精密に行える(パイロットできる)。試料Sに注入される追加の材料は、上で定義されたように、粒子P、1つ又は複数のマトリックス成分又はそれらの混合物を含む。注入された粒子Pは、試料Sに既に存在する粒子Pと同じであっても、又は異なっていてもよい。
【0066】
非生体材料の注入用の注入装置200’がパターニング装置1に統合又は組み合わされる場合、それは少なくとも2つの平面方向X、Yで移動する場合がある。注入装置200’は加えて、Z軸線に沿って垂直位置で可動な場合がある。加えて、注入装置200’は、垂直位置とは異なる位置に向ける場合がある。それは、注入装置200’自体又は一部の変位を6自由度にわたって可能にする方法で、通常の関節運動手段を備えて提供される場合がある。注入装置200’の位置決めは、制御ユニット81によって精密に試験操作できる。
【0067】
加えて、注入装置200、200’は、所定の量を注入するように適合されている。注入装置の作動及び注入された量は、制御ユニット81によって精密に操縦できる。
【0068】
各層におけるマトリックスの重合処理は、互いに同一であっても異なっていてもよい。第1層L1のマトリックスM1は、例えば、光照射下で重合される場合があり、第2層L2のマトリックスM2は、マトリックスM1、M2のそれぞれの化学成分の特性に応じて、熱下で重合される場合がある。熱は、赤外光が存在する場合は発光システム6によって、又は温度管理装置26によって、又は発光システム6と温度管理装置26の両方によって提供される場合がある。
【0069】
パターン生成部3は、1つ又は複数の振動発生部32、又は全て同一又は異なる振動発生部32のセットを備える。パターン生成部3の各振動発生部32又は振動発生部32のセットは、保持部2を介して試料Sに伝達される波動振動を提供するように適合されている。振動発生部32は、例えば、発生器接続手段31に機械的に接続されて、機械的振動を介して振動を試料Sに伝達できる(
図1a)。振動発生部32はまた、音波を生成し、空気又は他の適切な媒体を介して試料Sに伝達されるスピーカーである場合がある。代替的に、又は追加的に、パターン生成部3は、保持部2の近くに配置され、発生器接続手段31に機械的に接続されていない1つ又は複数の振動発生部32を備える(
図1c)。そのような振動発生部32によって生成された振動は、保持部2に向けられ、試料Sが所定の方法で振動することを可能にする。
【0070】
一実施形態によれば、パターン生成部3は、3次元空間(
図1d)に配置された複数の振動発生部32を含むか、又はそれらに接続されている。特に、振動発生部32cは、保持部2の下に配置される場合があり、振動発生部32dは、保持部2の上に配置される場合があり、振動発生部32a、32bは、振動波の複数の発生源を提供するように、保持部2の横に配置される場合がある。振動発生部32c及び32dは、異なる平面上に振動源を提供する。振動発生部32dは、振動発生部32cとは異なる平面上の保持部2の下にある場合があることを理解されたい。試料Sの重ねられた層Lは、そのため、特定の振動にさらされる場合がある。加えて、振動を組み合わせて、所与の層Lに特定のパターンを提供できる。次に、既知の処理と比較して厚さが増した層Lを使用して、振動波にさらされた状態でパターンを構築できる。代替的又は追加的に、横方向振動発生部32a、32bが提供される。
これらの横方向振動発生部32a、32bから発生する波は、平面振動発生部32c、32dから発生する波と連続して、又は同時に使用できる。そのように配置されたパターニング装置1は、振動波への曝露下で通常得られる二次元パターンに替えて、所与の層Lに三次元パターンの提供を可能にする。そのような装置は、生成された三次元構造の速度と多様性の改善を可能にする。
【0071】
保持部2、したがって、試料容器46を含む容器固定手段4は、閉空間35を画定している壁によって取り囲む場合がある。そのような閉空間35は、試料Sを、特別な雰囲気、又は特定の圧力条件、又は特定の温度条件又は特別な重力条件、又はいくつかの特定の条件の組み合わせなどの特別な条件の下への配置を可能にする。特別な雰囲気には、酸素が豊富な雰囲気と酸素が少ない雰囲気又は酸素がない雰囲気が含まれる。特定の圧力条件には、2バール、3バール、4バール又はそれ以上の気圧のような高圧条件、及び1つ又はそれより多い真空ポンプによって到達できる周囲圧力よりも低い圧力が含まれる。特殊重力条件には、0重力条件又はほぼ0重力条件、少なくとも低重力条件が主に含まれる。
【0072】
保持部2は、追加的又は代替的に、アクチュエータ36によってパターン生成部3に接続される場合があり、これにより、閉空間35における試料Sの位置の垂直方向の調整が可能になる。振動発生部32a、32bが垂直軸線zに沿って配置される場合、試料Sの高さは、振動発生部32a、32bから発生する波を適切に受信するように、アクチュエータ36によって調節できる。加えて、保持部2は、特定のパターンを提供するために、様々な波源の収束点に精密に配置される場合がある。
【0073】
パターニング装置1の様々な要素は、提示を容易にするために別個に説明されているが、制限なく組み合わせは可能である。次に、パターニング装置1は、モジュール式の配置として考えてよい。パターン生成部3、変換装置D、注入装置200、200’を含む上記の要素の組み合わせは、試料Sの変位なしに又は実質的になしで三次元構造の生成を可能にする。換言するとそのような三次元構造を生成するために必要な全てのステップは、パターニング装置1によって実行できる。
【0074】
重要な1観点によれば、パターニング装置1は、試料Sを操作することなく、又は実質的に操作することなく、三次元構造の準備を実行するなど、必要な全ての機能要素を含む。換言すると、必要な全てのステップは、最適化した時間と再現性を持って、実行される。加えて、処理の全てのステップ又は実質的に全てのステップは、臨床現場(ポイントオブケア)で実行できる。
【0075】
閉空間35は、好ましくは上部に配置されたキャップ38を含む閉止可能な開口部によって提供される場合がある。そのような閉止可能な開口部37は、注入装置200による追加の材料の注入を可能にする。代替的に、そのような注入装置200、200’は、閉空間35に含まれるか、又はそれと一体である。閉空間35の上部壁はまた、試料Sの光照射及び画像記録を可能にする透明領域を備える。透明な領域は、閉止可能な開口部37のキャップ38上に提供される場合がある。
【0076】
パターニング装置1は、パターニング装置1の機能要素を操縦するように適合された制御ユニット81をさらに備える(
図11)。特に、制御ユニット81は、画像記録部7、パターン生成部3、発光システム6、及び/又は1つ又はそれより多い注入装置200、200’をオン又はオフに切り替えるように適合されている。加えて、制御ユニット81は、振動センサ25b、温度センサ25a、画像記録部7、水準制御手段17及び他の任意のセンサなどの1つ又は複数のセンサから情報を受信するように適合されている。
制御ユニット81は、所定のプログラムに従って、又はユーザからの指示の下で、パターニング装置1の上記の要素を動かす(パイロットする)。ユーザからの任意の所定のプログラム又は命令は、キーボード、触覚スクリーン、又は任意の他の既知のヒューマンマシンインターフェースなどのヒューマンマシンインターフェース(HMI)82を介して制御ユニット81に送信され得る。
【0077】
制御ユニット81は、さらに、画像分析部8に接続され、そのような画像分析部8から、準備中の試料Sに現れるパターンの画像を受信できる。したがって、制御ユニット81は、準備中のパターンが予想されるパターンに一致するかどうかを自動的に認識できる。次に、制御ユニット81は、準備中のパターンの画像に従って、パターニング装置1の要素を自動操縦できる。一例として、制御ユニット81は、所定の周波数又は周波数のセット、所定の持続時間、及び音波の所定の振幅を含む所定のプログラムに従ってパターン生成部3を作動する場合がある一方、画像記録部7は、パターン形成の監視ができるようにしている。パターンが所定の標的パターンに対応すると見なされる場合、制御ユニット81は、発光システム6又は温度管理26などの変換装置Dを起動して、試料SのマトリックスMを改変されたマトリックスM’に変換できる。ここで、粒子Pはもはや移動できなくなっている。
代替的に、制御ユニット81は、パターンが完全に到達する前に変換装置Dを作動させるように適合されている場合があり、粒子Pが適切な位置に到達すると、マトリックスM内の粒子Pの拡散を制限又は回避する。代替的に、制御ユニット81は、粒子Pの移動中に、マトリックスMが、改変されたマトリックスM’に漸進的に変換されるのを可能にするためパターン生成部3と変換装置Dの両方を作動させる場合がある。
【0078】
一実施形態によれば、画像記録部7は、ライブラリBに接続され、記録された画像、例えば、少なくともパターン化ステップ及び変換ステップを含む一連のステップの終わりに得られた最終パターンなどを格納できる。パターンのそのような画像は、振幅A及び周波数Fなどの音波変数、並びにパターン化が行われた容器46の形状を含む、ライブラリB内の他の複数の変数に関連付けられる場合がある。
【0079】
試料S中の粒子Pの移動に関して、制御ユニット81は、粒子Pの移動が遅すぎる又は不適切であると判断された場合に、加熱板を作動させてマトリックスMの流動性を高めることができる。そのようなマトリックスMは、温度管理装置26の加熱下で非変換のままであり、粒子Pが予想される位置に到達すると、UV照射下で重合又は架橋できる。
【0080】
パターニング装置1は、人工知能モジュール83(
図11)をさらに備えるか、又はそれに接続できる。そのような人工知能モジュール83は、所定のパターンを生成するための適切な条件を自動的に決定するために使用される場合がある。加えて、ライブラリBで実際に生成及び保存されたパターンに基づいて、パターンのモデリングに使用できる。
【0081】
一実施形態によれば、得ようとするパターンの形状に従った試料容器46の形状の決定に、人工知能モジュール83を使用してよい。
【0082】
本発明は、
図12a及び12bに示されるように、マトリックスM中に広げられた粒子Pに基づいて三次元構造を生成する処理をさらに備える。この処理は、粒子PがマトリックスMの第1層L1に均一に拡散される分散ステップQ1を備え、これは、粒子Pの容易な移動を可能にするのに十分流動性である。分散ステップQ1は、ホモジナイザー又は可動テーブル又はマトリックスM中の粒子Pの均質化に適合された他の任意の混合装置を備える場合がある。代替的に、分散ステップQ1は、マトリックスM中の粒子Pを均質化することを可能にする振動を生成するなど、パターン生成部3を備える場合がある。分散ステップQ1は、粒子PがマトリックスMと既に均一に混合されている場合は、任意選択である場合がある。
【0083】
この処理は、試料容器46にマトリックスMを装填する予備装填ステップQaを備える場合がある。装填ステップQaは、試料容器46に所定量の所定のマトリックスMを充填することを可能にする。マトリックスMが既に要求されたものを含む場合粒子P、分散ステップQ1は任意である場合がある。粒子PがマトリックスMに既に存在する場合でさえ、装填ステップQaの後に追加の材料の注入が続く場合がある。追加の材料のそのような注入は、手動で又は1つ又は複数の統合された注入装置200によって行われる場合がある。
【0084】
好ましい実施形態によれば、粒子Pは、x軸線及びy軸線によって定義される平面上で、マトリックスM中に均一に又は規則的に分散されている。加えて、粒子Pは、マトリックスMの厚さにわたって、すなわち垂直軸線zにわたって、マトリックスM中に均一に又は規則的に分散している。換言すると、音波のパターン化ステップが適用される前に、マトリックスM内の粒子濃度の勾配は想定されない。より具体的には、マトリックスMの粘度は、音波の適用下でのそれらの移動を可能にしながら、マトリックスM中に均一に懸濁された粒子Pを維持するように適合されている。よって、振動波が加えられる前に、粒子Pが試料容器46の底に落下することは許されない。
【0085】
次に、パターン化ステップQ2が、所定のパターンに従ってマトリックスM内の粒子Pを移動させる方法で適用される。この処理は、粒子Pの移動を防止するためなどに、マトリックスMがマトリックスM’に変更される変換ステップQ3を備える。このような変換ステップQ3は、パターニング装置1が備えている発光システム6又は温度管理装置26又は任意の他の変換装置Dのような、パターニング装置1の変換装置Dによって実行される場合がある。
【0086】
分散ステップQ1、パターン化ステップQ2及び変換ステップQ3は、順次実行される場合がある。これは、パターン生成部3及び変換装置Dなどの必要な装置のそれぞれが次々に起動されかつ及び起動を止めることを意味する。代替的に、これらのステップは、互いに重なり合うか、又は部分的に重なり合う場合があり、これは、2つ又はそれより多いパターン生成部3及び変換装置Dが同時に起動される場合があることを意味する。
【0087】
この処理は、第2分散ステップQ1’をさらに備える場合があり、ここで、粒子P2は、第2マトリックスM2の第2層L2に分散される。第2分散ステップQ1’は、第1分散ステップQ1と同じ方法で、又は異なる方法で実施できる。マトリックスM2が試料Sと共に配置されたときに粒子P2が対応するマトリックスM2に既に均一に分散されている場合、第2分散ステップQ1 ’は任意である可能性がある。粒子P2は粒子Pと同一又は異なる可能性がある。第2マトリックスM2は、マトリックスMと同一、類似、又は異なる場合がある。特に、第2マトリックスM2は、異なる変換装置など、マトリックスMの変換ステップQ3とは異なる条件下で、変換ステップQ3’の間に変換される場合がある。変換装置Dを起動する必要がある。例えば、マトリックスの変換ステップQ3が光照射下で行われる場合、第2マトリックスM2の変換ステップQ3’は、加熱下で実行される場合がある。逆変換ステップQ3及びQ3’を適用できる。
【0088】
重要な1観点によれば、分散ステップQ1、パターン化ステップQ2、及び変換ステップQ3の複数は、試料容器46を操作することなく実行され、試料Sは、全ての処理の間又は処理の実質的な部分の間、所定の位置にある。これは、複数の層Lが構築されている場合にも当てはまる。これは、複数の層Lが順番に他の層の上に構築される場合にも当てはまる。
【0089】
この処理は、試料容器46を操作することなく、層の上又は大部分に追加の材料を注入する少なくとも1つのステップQ4を追加的に備える場合がある。そのような注入を手動で行う場合がある。好ましくは、注入装置200は、この目的に使用される。追加の材料のそのような注入は、音波適用の前又は後に実行される場合がある。代替的に、追加の材料の注入は、音波の適用下での試料Sのパターン化中に注入装置200によって実行される場合がある。試料Sを操作する必要がないように、付随する作業を試料Sに適用できるように、注入装置200は、パターニング処理中の任意のタイミングにオンデマンドで使用してよいことが理解されるべきである。例えば、波動が試料Sに加えられている間、追加の材料が、注入装置200によって、1つ又はそれより多い正確な位置で連続的に所与のマトリックスMに注入される場合がある。
【0090】
本開示による処理は、マトリックス内の粒子の三次元構造に至る。特に、本処理は、パターン化された粒子を取り囲むマトリックスのような材料の除去を含まない。
【0091】
パターニング技術と材料の注入の組み合わせ、特に3D印刷又は積層造形処理との組み合わせにより、不規則又はランダムな粒子分布を含む非常に規則的なパターンを生成できる。そのような配置は、例えば、研究試験又は調査用に特に有利である。
【0092】
この処理はさらに、試料容器46の形状を決定し、決定された形状を有する試料容器46をオンデマンドで印刷するいくつかのステップを備える場合がある。非生体材料のそのような3D印刷は、パターニング装置1に統合された、又はパターニング装置1とは異なる注入装置200’によって実行できる。より具体的には、処理は、所与の層Lで生成されるパターンの標的形状に従って所与の試料容器46の形状が事前に決定される選択ステップa)を備える場合がある。試料容器46の形状の選択音波の振幅Aや周波数Fなどの複数の変数を考慮して、粒子PがマトリックスMに分散している層Lに適用する。加えて、マトリックスMの性質、その組成、又は少なくともレオロジー特性は、これらの変数は音波曝露下での粒子Pの挙動にも影響を与えるため、考慮してよい。
選択ステップa)は、ライブラリBに格納されている以前の変数セットB1...Bmに基づいて実行できる。選択ステップa)は、加えて、人工知能モジュール83又は別の人工知能モジュールに装填され、この目的のために教育された人工知能プログラムを備える場合がある。
【0093】
本開示の一観点によると、人工知能ユニット83は、パターン化処理中にパターン化された粒子の画像を瞬時に分析し、そのような画像を所定の標的パターンと比較できるようにする。人工知能ユニット83は、それゆえ、正確に又は最小許容可能な偏差で、所望のパターンが得られるまで、それに応じてパターン生成部を適合させるように、制御ユニット81を調節又は命令を提供できるようにする。
【0094】
試料容器46の形状が選択ステップa)で決定されると、対応する試料容器46が生成される。それは、好ましくは、容器製造工程b)においてオンデマンド製造される。容器製造工程b)は、積層造形技術、より具体的には上記の注入装置200’を有利に使用する。試料容器46は、ポリスチレン又は関連ポリマーのような3D印刷技術に適合した任意の材料で製造できるが、試料容器46は、好ましくは、ポリビニルアルコール又は任意の他の生体適合性ポリマー及びそれらの混合物などの生体適合性ポリマーで作られる。架橋工程が必要な場合、化学成分と重合条件は、準備中の生体材料を損なわないように選択される。試料容器46の3D印刷処理は、例えば、周囲温度又は40℃未満の温度で、好ましくは約20℃から約35℃の間の温度で実行される。UV架橋が行われる場合、光照射は、好ましくは、調製中の生体材料を損なわないように決定される。
【0095】
上で定義された装填ステップQa)は、試料容器46をマトリックスM及び粒子Pで満たすことを可能にする。
【0096】
次に、上記のパターニングステップQ2)及び変換ステップQ3)が適用される。
【0097】
図16a、
図16b及び
図16cは、六角形の形状を有する第1試料容器4aが、第1タイプの粒子P1を含む第1マトリックスM1で満たされ、第1パターンを有する第1層L1を形成する例を提供する。
図16bは、丸い形状を有する第2試料容器4bに基づいて生成された、第2パターンを有する第2層L2を示す。第2試料容器4bは、第1層L1の上に配置される。
図16cは、円形の第2試料容器4bに基づいて得られた代替の第2パターンを示す。
【0098】
例として、
図16b及び
図16cに示されているパターンは、次のように得られた。
・マトリックスMは、ゼラチン70%メタクリロイル(GelMA70%)5%w/vフォトレジスト(イルガキュア)のハイドロゲルから作られた。
第1層L1には、800μIが正方形の枠部に装填された。
第2層には、400μIが円形枠部に装填された。
・粒子Pは、32μmから75μmの寸法のリン酸三カルシウム(TCP)であった。
・振動周波数は次のように選択された。
第1層L1には、78Hz、
第2層L2(
図16b)には、60Hz、
第2層L2(
図16c)には、65Hz。
・振動持続時間は次のように選択された。
周波数と振幅を調整することによって液体の運動性に達した後、第1層L1には10秒未満、第2層L2には10秒未満。
・温度は次のように選択された。
GelMA温度は、37℃、
実験温度は、室温(25℃)。
・マトリックスMの変換は、次のように実行した。
試料の各層は、2つのステップで架橋された。
まず、パターンが形成されたら、部分的な架橋によってパターンを安定させるために、マイルドなUV光を上に置いた。
次に、ハイドロゲルの架橋を完了するために、パターニング室をUV光オーブンに移した。
架橋処理は、室温(25℃)で365nmのUV光波長で行われた。
【0099】
上記の処理は、複数の層(Ln)の生成を可能にし、ここで、「n」は、1から50の間、好ましくは2から10の間の整数を示す。一実施形態によれば、異なる層L1から層Lnは、個別の方法で並列又は順次に生成される。これは、例えば
図15に示すように、各層L1から層Lnが他の層から独立して生成されることを意味する。並行生産の場合、複数の試料容器4aから試料容器4eは、複数の独立したパターン生成部S1からパターン生成部Snより発生する音波W1からWnにさらされる。試料容器4aから4nのそれぞれの形状、並びに音波W1からWnの特性は、個別に決定され、試料容器4nごとに異なる場合がある。層Lnが生成されると、期待された三次元構造の製造のためそれら層を組み合わせてよい。
【0100】
別の実施形態によれば、層L1から層Lnは順次作成されて組み合わされ、これは、所与の層Lnが生成されると、次の層Ln+1が前の層Lnの上に生成されることを意味する。換言すると、試料容器4nでパターンが生成された後、次のランクn+1の容器4n+1が前の層Lnの最上部に配置される。これは、この予想される新しいパターンに適した幾何形状を持つ。この新しい試料容器4n+1は、それから、適切なマトリックスMn+1に分散された対応する粒子Pn+1で満たされ、音波の振幅An+1と周波数Fn+1を含む実験条件を適用して、要求されたパターンを生成する。
次に、マトリックスMn+1の重合は、適切な変換条件下で実行される。
このアプローチに従うと、音波は、準備中の層Ln+1に加えて、既に準備された層L1から層Lnに関連する試料容器4aから試料容器4nの組み合わせに適用される。粒子Pnは、これらの生成された層Lnの以前に変更されたマトリックスMnに固定化されたままである必要がある。
【0101】
記録ステップf)は、各製造サイクルの終わりに起こる場合があり、製造サイクルは、上記の選択ステップa)、枠部製造ステップb)、充填ステップc)、パターニングステップd)及び変換ステップe)を備える。層L1から層Lnが1層ごと積み上げて互いに連続して作成される場合、監視ステップを使用して、既に構築された層を監視して、処理の反復条件下でそれら層が損傷していないか否かを検証する場合がある。
【0102】
層L1から層Lnまでの全ての層が生成されて積み重ねられるとき、処理は、三次元構造の生体材料が成長して期待される生体組織の生成を可能にする恒温(インキュベーション)ステップg)を含む場合がある。
【符号の説明】
【0103】
1 パターニング装置
10 減衰装置
10a、10b 消音ブロック
11 足
12a、12b 回転可能な接続部
13 案内部
14 固定器
15 支持部
16 カウンターウェイト
17 水準制御部
2 保持部
21 保持部板
22 保持部接続手段
23a、23b 適合部接続手段
24 容器適合部
25a、25b センサ
26 温度管理装置
3 パターン生成部
31 生成部接続手段
32 振動発生部
4 容器固定手段
41 基部
42 取り外し可能なキャップ
43 キャップクランプ構成
44 密封部
45、45a、45b、45c キャップ適合部
46、4a、4b、4c、4d 試料容器
48a ディッシュ
48b ウェルプレート
5 中間接続部
51、51a、51b 水平方向減衰装置(とその一部)
6 発光システム
61 放出光
62 光枠部
63 穴
7 画像記録部
8 画像分析部
9 枠部
81 制御ユニット
82 ヒューマンマシンインタフェース装置
83 人工知能ユニット
100 容器位置決め手段
100a 第1位置決め要素
100b 第2位置決め要素
101 中間要素
200 注入装置
200’ 注入装置
D 試料の化学変化用装置
L、L1、L2 層
P 粒子
M マトリックス
S 試料
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス(M)内を自由に移動する粒子(P)を備える試料(S)の三次元構造を調製するパターニング装置(1)であって、前記パターニング装置が、パターン生成部(3)と、パターン生成部(3)に接続されていてかつ試料(S)を備える試料容器(46)を保持するように適合されている保持部(2)とを備え、
パターニング装置(1)が、
マトリックス(M)を改変マトリックス(M’)への変換に適合されている少なくとも1つの変換装置(D)であって、改変マトリックス(M’)では粒子(P)が互いに連結されていない状態を維持しかつパターンに従って配置されている一方で粒子(P)がもはや自由移動しない、少なくとも1つの変換装置(D)と、
1つ又はそれより多いパターン生成部(3)と少なくとも1つの変換装置(D)を制御するように適合された制御ユニット(81)と、
画像記録部(7)と
をさらに備えることを特徴とする、パターニング装置(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの変換装置(D)は、発光システム(6)、又は温度管理装置(26)、又は発光システム(6)及び温度管理装置(26)の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの変換装置(D)がパターン生成部(3)に付随して又は連続して使用可能であることを特徴とする、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項4】
保持部(2)が、少なくとも1つの温度センサ(25a)と、振動センサ(26b)とを備えることを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記パターニング装置が、1つ又はそれより多い減衰手段(51)を備えていることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記制御ユニットが、人工知能ユニット(83)を備えているか、又は人口知能ユニット(83)に接続されていることを特徴とする、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記試料を可視化して記録できる照明システムをさらに備えることを特徴とする、請求項1から
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの振動生成部(32)又は振動生成部(32)のセットが、試料(S)の横の位置から波動を放出することを特徴とする、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
生体材料の3Dバイオ注入に適合されている、少なくとも1つの注入装置(200、200’)をさらに備えていることを特徴とする、請求項1から
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
2つ又はそれより多い放出光又は光のグループ
(61)と、2つ又はそれより多い異なる画像記録装置
(7)と、2つ又はそれより多い異なる保持部
(2)とを含む複数の付属品を備えるセット。
【請求項11】
マトリックス(M)の1層(L1)内で自由移動する粒子(P)を備える試料(S)内の粒子の三次元構造を製造する処理であって、
音波を試料(S)に適用している状態で、所定パターンに到達すべく粒子(P)を前記層(L1)内で構成するパターニングステップ(Q2)と、
前記マトリックス(M)を、粒子(P)がもはや自由移動しない改変マトリックス(M’)に改変する変換ステップ(Q3)と、
を備える前記処理において、
パターニングステップ(Q2)及び変換ステップ(Q3)が、試料(S)の取り扱いをせずに
、制御ユニット(81)によって実行されることを特徴とする、粒子の三次元構造を製造する処理。
【請求項12】
音波を試料(S)に適用している状態で、第2所定パターンを造るべく第2粒子(P2)を第2マトリックス(M2)の第2層(L2)内で構成する第2パターニングステップ(Q2’)と、
第2マトリックス(M2)を、第2粒子(P2)がもはや自由移動しない改変第2マトリックス(M2’)に改変する第2変換ステップ(Q3’)と
をさらに備え、
第2層(L2)が前記層(L1)の上にあることを特徴とする、請求項
11に記載の処理。
【請求項13】
層(L1、L2)の一方又は他方の中、あるいは層(L1、L2)の一方又は他方の上に追加材料を注入する、1つ又はそれより多い注入ステップ(Q4)をさらに備え、
1つ又はそれより多い注入ステップ(Q4)が、パターニング装置(1)に統合又は組み合わされた注入装置(200)を用いて実行されることを特徴とする、請求項
11又は12に記載の処理。
【請求項14】
1つ又はそれより多い容器製造ステップb)をさらに備え、1つ又はそれより多い試料容器(46)が、注入装置(200’)を手段としてオンデマンドで印刷されることを特徴とする、請求項
11又は13に記載の処理。
【請求項15】
試料容器(46)が、目標とするパターンの幾何形状に従って予め決定された幾何形状を持つことを特徴とする、請求項
14に記載の処理。
【請求項16】
試料(S)が、請求項1から
10に記載のパターニング装置(1)を使って、請求項
11から15に記載のプロセスに従った音波下で印刷されることを特徴とする、前記試料(S)。
【国際調査報告】