(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】固形製品又は液状製品を集めて注ぐ家庭用品
(51)【国際特許分類】
A47G 19/12 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
A47G19/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519373
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 IB2020056728
(87)【国際公開番号】W WO2021069978
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】202019000003584
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】202020000000199
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522118528
【氏名又は名称】スピナッケ エマニュエラ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】スピナッケ エマニュエラ
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA40
3B001CC40
3B001DA02
3B001DB20
(57)【要約】
本発明は、固形製品又は液状製品を集めて注ぐ家庭用品、特に、粉末状又は粒状の形態の固形製品を集めて注ぐと共に液状製品を集めて注ぐようになった構造が簡単で実用的でありかつ極めて用途の広い家庭用品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用品(1)であって、中空コーンの形をしていて折り曲げ可能な材料のシート(2)の2つの隣り合う縁部(12)に沿ってそれ自体閉じることによって形成された本体(10)と、前記2つの縁部を裏返し可能に接合する手段(3)と、前記家庭用品を取り扱うための握り手段(4)と、前記本体(10)の頂点を裏返し可能に閉じるための閉じ手段(5)とを有する、家庭用品(1)。
【請求項2】
前記シート(2)は、平面図で見て4つの頂点を備えた全体としてダイヤモンドの形をしており、前記4つの頂点は、第1の頂点(6)と、長い方の直径(D1)に沿って前記第1の頂点と反対側に位置した第2の頂点(7)と、第3の頂点(8)と、短い方の直径(D2)に沿って第3の頂点と反対側に位置した第4の頂点(9)とから成る、請求項1記載の家庭用品(1)。
【請求項3】
前記4つの頂点は、丸くなっており、前記第3の頂点(8)の曲線は、前記第4の頂点(9)の曲線に対してさらに延びている、請求項2記載の家庭用品(1)。
【請求項4】
前記本体(10)の前記頂点の前記裏返し可能な閉じ手段を形成する付属物(5)が前記第4の頂点(9)から延びている、請求項2又は3記載の家庭用品(1)。
【請求項5】
前記握り手段(4)に裏返し可能に係合する開口部(13)が前記第4の頂点(9)から枝分かれした前記シートの2つの縁部(12)に沿って設けられている、請求項2~4のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項6】
前記結合手段(3)と裏返し可能に係合するようになった複数の穴(14)が前記第4の頂点(9)から枝分かれした前記シートの前記2つの縁部(12)に沿って設けられている、請求項2~5のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項7】
前記握り手段(4)は、平べったくかつ細長い部分(41)を有する取っ手であり、前記縁部(12)の前記開口部(13)に係合するタブ(42)が前記平べったくかつ細長い部分(41)の端部から延びている、請求項5又は6記載の家庭用品(1)。
【請求項8】
前記接合手段(3)は、円板状ヘッド(31)及び前記縁部(12)の穴(14)に係合する丸形ステム(32)を備えた全体としてマッシュルームの形をしたボタンである、請求項5~7のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項9】
前記シート(2)の部分内張り(17)をさらに有し、前記内張りは、前記シートの表面に固着された少なくとも1つの縁部(18)及び、好ましくは、前記内張りを重ね合わされた前記縁部(12)と反対側に位置する内壁の側部から前記縁部(12)に向かって回して前記内張りが前記縁部の前記重ね合わせ線を覆うようにするための掴みタブ(19)を備えている、請求項1~8のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項10】
前記家庭用品(1)の内側に嵌まる漏斗(20)又はグローブを有し、前記漏斗は、第1の太い端部(22)上に折り重なる環状縁部(21)及び前記テーパ付きの第2の端部(24)のところに位置する細いドレン管(23)を備えている、請求項1~9のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項11】
前記シート(2)は、平坦な底部(24)及び前記底部からヴォールトとして延びる壁(25)を有し、前記底部(24)は、好ましくは、前記シートの対応の縁部(12)上に折り曲げられて接合された2つのフラップ(27)から成る前記壁(25)に対して突き出ている弧状自由縁部(26)を備えた円の扇形としての全体形状を有する、請求項1~10のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項12】
ブラシ(16)又は収集ヘラ(60)を有する、請求項1~11のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項13】
前記第3の頂点(8)から前記第4の頂点(9)に向かって延びる2つの第1の折り目(28)と、前記2つの第1の折り目相互間で横に延びていて互いに対して傾けられる2つの平面内で変形可能な前記シート(2)の第1の部分(24A)及び第2の部分(24B)を標示する第2の折り目(28C)とを有する、請求項2~12のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項14】
前記シートそれ自体の平面上でくるっと回って前記シートとほぼ完全にオーバーラップするよう前記シート(2)の前記第2の頂点(7)に取り外し可能に留められたラベル(70)をさらに有する、請求項2~13のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項15】
前記付属物(5)は、その自由端部のところに設けられた穴(14)を有し、前記穴(14)は、前記付属物を前記第4の頂点(9)の近くで前記シート(2)に形成された穴(14)に裏返し可能に接合する接合手段(3)と係合するようになっている、請求項4~14のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項16】
前記取っ手(4)は、前記タブ(42)に設けられた少なくとも1つの穴(14)を有し、前記少なくとも1つの穴(14)は、前記シート(2)にその2つの縁部(12)のところで形成された穴(14)と対応関係をなして重ね合わされた後に接合手段(3)と係合する、請求項7~15のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項17】
前記付属物(5)は、前記家庭用品を吊り下げるのに適したフック手段(50)を有する、請求項4~16のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項18】
前記収集ヘラ(60)は、半剛性であって可塑性であると共に/或いは弾性であると共に/或いはスポンジ状の材料、例えばポリウレタン及びフォームラバーの一片から成り、前記収集ヘラ(60)は、該収集ヘラを前記シート(2)に取り外し可能に固定することができる切れ目(61)をさらに備えるのが良い、請求項12~17のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)。
【請求項19】
請求項1~18のうちいずれか一に記載の家庭用品(1)のシート(2)のための支持体(100)であって、前記シートを切り離し可能に区切る弱体化セグメントを備えた少なくとも第1の平べったい部分(101)を有する、支持体(100)。
【請求項20】
曲げブリッジ(105)によって前記第1の部分(101)に接合された第2の平べったい部分(102)を有し、前記第2の平べったい部分(102)は、前記家庭用品(1)のアクセサリ(4,50,70,72,73,74,90)を区切る弱体化セグメントを備えている、請求項19記載の支持体(100)。
【請求項21】
前記第1の部分(101)は、前記支持体を吊り下げることができる第1の保持穴(107)及び第2の穴(108)を有する、請求項19又は20記載の支持体(100)。
【請求項22】
請求項19~21のうちいずれか一に記載の支持体(100)の包装材(200)であって、ヒンジ要素(202)により互いに重ね合わせ可能な2つの同一部分(201)の状態に分割されたシートから成る、包装材(200)。
【請求項23】
前記ヒンジ要素(202)は、前記2つの同一部分(201)の2つの第1の横方向縁部(203)と一致する2つの互いに平行な弱体化セグメントから成る、請求項22記載の包装材(200)。
【請求項24】
第1の中央穴(205)及び第2の穴(206)を有し、前記支持体が前記包装材内に収納されると、前記第1の穴は、前記支持体(100)の前記第2の穴(108)に重ね合わせ可能であり、前記第2の穴は、前記支持体(100)の前記第1の穴(107)に重ね合わせ可能である、請求項22又は23記載の包装材(200)。
【請求項25】
窓(211)を有し、前記支持体が前記包装材内に収納されると、前記支持体(100)の一片が前記窓から突き出る、請求項22~24のうちいずれか一に記載の包装材(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形製品又は液状製品を集めて注ぐ家庭用品、特に、粉末状又は粒状の形態の固形製品を集めて注ぐと共に液状製品を集めて注ぐようになった構造が簡単で実用的であり、しかも極めて用途の広い家庭用品に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば食品の小片又は切れ端を集め又は屑一般を処理するための種々の家庭用品が市場で入手できる。これら家庭用品は、収集ブラシを備えるありふれたスコップ状器具(以下、本明細書では、「スコップ」という)であり、この場合、スコップは、平坦な底部及び横保持壁を備えた収集部分と一体の取っ手を有し、前側縁部はまた、物体の収集を容易にするようテーパしている。
【0003】
この種の家庭用品は、これまた大きなスプーンのような細長いボウルの形をした収集部分と一体の取っ手から成るスコップによって代表される。スコップは、一般に、粉末、小麦粉、粒又はより一般的に粒の形態をした製品を、しかしながら種々の液体もまた、一方の容器から別の容器に移すために用いられる。
【0004】
また、それ自体の上に折り曲げられ又は折り返されて底のところが開かれた中空コーンの形に縫い合わされる皮革のシートから成る特定の商品が存在する。この商品は、外部に取っ手を備えている。この家庭用品は、ペレットをストーブの中にくべるためのスコップとして又はキャンディ、チョコレート又はスイーツ一般のホルダとして市販されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の家庭用品は全て、広く用いられており、一般に市場において十分に理解されている。しかしながら、かかる家庭用品には、これらの実用性、扱いやすさ及び多角性(多目的性又は多用途性)が制約されるということにつながる幾つかの欠点がある。加うるに、かかる家庭用品は、構造的に幾分複雑であり、コスト高でありかつ手間がかかる場合がある。
【0006】
したがって、本発明の基礎をなす技術的課題は、固形又は液状製品を集めて注ぐための家庭用品であって、人間工学的であり、実用的であり、多角性があり、使用しやすく、コンパクトでありかつ製作するのに経済的な家庭用品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、固形又は液状製品を集めて注ぐ家庭用品であって、容易な取り付け・取り外しを可能にすると共に取り外すのに又は持ち運ぶのに厄介ではない極めて簡単であるが実用的でありしかもハンディな構造を備える家庭用品を提供することによって解決される。
【0008】
したがって、本発明の第1の目的は、固形製品を集めて注ぐ家庭用品であって、これが少数の実用的かつ容易に組み立てられる要素を備えているので、組み立てが容易な家庭用品を提供することにある。
【0009】
第2の目的は、固形及び液状製品を迅速に集めて注ぐよう構成できる改造可能な構造を備えた家庭用品を提供することにある。
【0010】
第3の目的は、固形製品を集めるスコップとして容易に使用される特定の形状を備えた家庭用品を提供することにある。
【0011】
別の目的は、家庭用品であって、家庭用品をアクセサリ機能に適するようにするよう計画された支持体及び包装材を有する家庭用品を提供することにある。
【0012】
本発明に係る家庭用品の追加の特徴及び追加の利点は、以下の図を参照して純然として非限定的な実施例として与えられる幾つかの実施形態についての以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係る本発明の家庭用品の概略分解組立平面図である。
【
図2】
図1の家庭用品の組立体の際の1つのモーメントの概略不等角投影図である。
【
図3】
図1の家庭用品の組立体の際の別の1つのモーメントの概略不等角投影図である。
【
図4】
図1の組み立て状態の家庭用品の側部から見た概略斜視図である。
【
図5】
図1の組み立て状態の家庭用品の別の側部から見た概略斜視図である。
【
図6】第2の実施形態に係る本発明の家庭用品の概略分解組立平面図である。
【
図7】
図6の組み立て状態の家庭用品を一動作状態で示す斜視図である。
【
図8】
図6の組み立て状態の家庭用品を別の動作状態で示す斜視図である。
【
図9】
図6の組み立て状態の家庭用品を別の動作状態で示す斜視図である。
【
図10】本発明の家庭用品の追加の要素の概略斜視図である。
【
図11】本発明の家庭用品への
図10の要素の組み立て手順を示す斜視図である。
【
図12】本発明の家庭用品への
図10の要素の組み立て手順を示す斜視図である。
【
図13】本発明の家庭用品への
図10の要素の組み立て手順を示す斜視図である。
【
図14】本発明の家庭用品への
図10の要素の組み立て手順を示す斜視図である。
【
図15】第3の実施形態に係る本発明の家庭用品の概略分解組立平面図である。
【
図16】動作条件で組み立てられた
図15の家庭用品の概略斜視図である。
【
図17】別の角度から見た
図16の家庭用品の概略斜視図である。
【
図18】使用例に従って動作段階で示された本発明の家庭用品の図である。
【
図19】使用例に従って動作段階で示された本発明の家庭用品の図である。
【
図20】第4の実施形態に係る本発明の家庭用品の概略分解組立平面図である。
【
図21】
図20の分解組立概略図であり、種々の要素の組み立て位置の表示が施されている図である。
【
図22】
図21の実施形態を示す図であり、要素が平面図において第1の側から見た開放状態に組み立てられている状態を示す図である。
【
図23】
図21の実施形態を示す図であり、要素が平面図において第2の側から見た開放状態に組み立てられている状態を示す図である。
【
図25】閉じ状態の
図21の実施形態を示す図であり、一方の側から見た図である。
【
図26】閉じ状態の
図21の実施形態を示す図であり、反対側の側から見た図である。
【
図27】
図21の実施形態の後側不等角投影図であり、その形状の改造前の図である。
【
図28】
図21の実施形態の後側不等角投影図であり、その形状の改造後の図である。
【
図36】第2の形態にある
図25の第2の実施形態の別の図である。
【
図39】第1の支持体内に収納された本発明の家庭用品の第1の側部から見た平面図である。
【
図40】第1の支持体内に収納された本発明の家庭用品の第2の側部から見た平面図である。
【
図41】
図39の家庭用品の平面図であり、そのコンポーネントの全てを分離した後の支持体を示す図である。
【
図42】
図39の家庭用品の平面図であり、支持体から分離した後のコンポーネントを示す図である。
【
図43】
図42の家庭用品の本体を組み立てる第1のステップを示す図である。
【
図44】
図42の家庭用品の本体を組み立てる第2のステップを示す図である。
【
図45】
図42の家庭用品の本体を組み立てる第3のステップを示す図である。
【
図46】
図42の家庭用品の本体を組み立てる第4のステップを示す図である。
【
図47】
図42の家庭用品の本体を吊すフックを組み立てる最終ステップを示す図である。
【
図48】
図42の家庭用品の本体を吊すフックを組み立てる最終ステップを示す図である。
【
図49】
図42の家庭用品の本体を吊すフックを組み立てる最終ステップを示す図である。
【
図50】
図42の家庭用品の本体を吊すフックを組み立てる最終ステップを示す図である。
【
図51】取っ手及びヘラを本発明の家庭用品の本体に組み付けるステップを示す図である。
【
図52】取っ手及びヘラを本発明の家庭用品の本体に組み付けるステップを示す図である。
【
図53】開放形態にある本発明の家庭用品の包装材の平面図である。
【
図54】支持体を本発明の家庭用品と共に
図53の包装材内に詰め込むステップを順番に示す図である。
【
図55】支持体を本発明の家庭用品と共に
図53の包装材内に詰め込むステップを順番に示す図である。
【
図56】支持体を本発明の家庭用品と共に
図53の包装材内に詰め込むステップを順番に示す図である。
【
図57】支持体を本発明の家庭用品と共に
図53の包装材内に詰め込むステップを順番に示す図である。
【
図58】
図53の包装材のアクセサリを組み立てるステップを示す図である。
【
図59】
図53の包装材のアクセサリを組み立てるステップを示す図である。
【
図60】
図53の包装材のアクセサリを組み立てるステップを示す図である。
【
図61】
図53の包装材のアクセサリを組み立てるステップを示す図である。
【
図62】
図41の支持体によって保持される本発明の家庭用品のアクセサリの例を示す図である。
【
図63】
図41の支持体によって保持される本発明の家庭用品のアクセサリの例を示す図である。
【
図64】
図41の支持体によって保持される本発明の家庭用品のアクセサリの例を示す図である。
【
図65】
図41の支持体によって保持される本発明の家庭用品のアクセサリの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~
図5を参照すると、参照符号1は、本発明に従って固形又は液状製品を集めて注ぐ家庭用品の全体を分解組立図で示している。
【0015】
家庭用品1(
図4)は、中空コーン(円錐)の形をしていて折り曲げ可能な材料のシート2の2つの隣り合う縁部12に沿ってそれ自体閉じることによって形成された本体10と、2つの縁部を裏返し可能に接合する手段3と、家庭用品を取り扱うための握り手段4と、本体10の頂点を裏返し可能に閉じるための閉じ手段5とを有する。
【0016】
特に、シート2(
図1)は、平面図で見て4つの頂点を備えた全体としてダイヤモンドの形をしており、4つの頂点は、第1の頂点6と、長い方の直径D1に沿って第1の頂点と反対側に位置した第2の頂点7と、第3の頂点8と、短い方の直径D2に沿って第3の頂点と反対側に位置した第4の頂点9とから成る。好ましくは、第1の頂点6及び第2の頂点7の各々は、丸形でありかつ弧状である。
【0017】
これとは異なり、第3の頂点8及び第4の頂点9は、好ましくは、鈍角又は丸形の角を備えている。特に、第3の頂点の曲線は、第4の頂点の曲線に対してさらに延びている。好ましくは、
図2~
図5に示されているようにシート2が折り曲げられると、本体10の頂点の上述の裏返し可能な閉じ手段を形成する付属物5が第4の頂点9から延びている。加うるに、付属物5は、頂点を閉じやすくするために曲げを容易にする切欠き11を備えるのが良い。
【0018】
有利には、上述の握り手段4に裏返し可能に係合する開口部13が第4の頂点9から枝分かれしたシートの2つの縁部12に沿って設けられる。好ましくは、これら縁部12の各々には2つの開口部13が設けられている。
【0019】
加うるに、ボタン3と対応関係をなして裏返し可能に係合するようになった複数の穴14もまた2つの縁部12の各々に沿って設けられており、これについては後で説明する。ボタン3は、縁部12の上述の裏返し可能接合手段を表している。
【0020】
好ましくは、これまた、コーンの頂点を閉じると付属物5との係合を可能にするよう付属物5の近くで第4の頂点9の近傍にスリット15が設けられ、これについては以下において説明する。
【0021】
上述のシート2の2つの縁部12の裏返し可能接合手段3は、好ましくは、円板状ヘッド31及び縁部12の穴14に係合する丸形ステム32を備えた全体としてマッシュルームの形をしたボタンから成る。
【0022】
家庭用品1の握り手段4は、好ましくは、平べったくかつ細長い部分41を有する取っ手を含み、縁部12の開口部13に係合するタブ42がこの部分41の端部から枝分かれしている。
【0023】
本発明の家庭用品1は、ダスト、粉屑又は他の粒状固形物を集める従来型ブラシ16をさらに備えるのが良い。
【0024】
図2の矢印で示されているように、シート2は、2つの縁部12を重ね合わせるようそれ自体折り返され、その結果、各縁部の穴14と開口部13の両方は、互いに一致するようになっている。
【0025】
この位置では、家庭用品1の主中空コーン本体10は、
図3に示されているように形成される。かくして、本体10を両方の縁部12のそれぞれの穴14内へのボタン3の挿入により定位置にロックすることができる。取っ手4はまた、タブ42を両方の縁部12の開口部13中に挿入することによって本体10に締結されるのが良い。
【0026】
最後に、付属物5を
図3の矢印で示すようにそれ自体折り返し又は折り曲げて本体10のコーンの頂点を閉じ、そして付属物5は、付属物とスリット15の係合により定位置に保たれる一方で、その代わりに、コーンの底は、開放状態のままである。
【0027】
本発明に係る家庭用品1は、今や、いつでも使用可能な状態にある(
図4及び
図5)。
【0028】
第1の変形実施形態によれば、家庭用品1(
図6)は、有利には、シート2の部分内張り17を有するのが良い。特に、内張りは、シートの表面に固着された少なくとも1つの縁部18及び、好ましくは、内張りを動作位置に回すための掴みタブ19を備えている。好ましくは、固着縁部18の数は、2であり、これら縁部は、一種の三角形を形成するよう第4の頂点9の近くでテーパ付きになるようシート2の第3の頂点8から延びている。
【0029】
図7~
図9に示されているように、タブ19を掴んで内張り17を
図7の矢印によって示されているように、すなわち、オーバーラップしている縁部12とは反対側の内壁の側部からこれら縁部12に向かって回した場合、内張り17は、縁部の重なり合い線を覆うよう位置決めされる。このように、家庭用品1はまた、液体を集めて注ぐために使用できる。
【0030】
第2の変形実施形態によれば、家庭用品1(
図10)は、家庭用品1の内側に嵌まる漏斗20又はグローブを有する。好ましくは、漏斗20は、第1の太い端部22に折り重ねる環状縁部21及びテーパ付き第2の端部29のところに位置する細いドレン管23を有する。
【0031】
かくして、漏斗20は、家庭用品1の内側に嵌められ、それにより、細い管23(
図11及び
図12)は、本体10のコーンの頂点から突き出ることができる。この時点で、環状縁部21をコーンの底の縁部周りに折り曲げることによって裏返し可能にロックされる。
【0032】
この構成では、家庭用品1は、有利には、液体を注ぐよう使用できる。さらに、管を
図13に示されているように曲げることにより、本体10のコーンの頂点を上述したように付属物5で閉じることが可能である。このようにすると、それと同時に、ドレン管を絞り(
図14)、そして、液体を家庭用品の内側に保持することが可能であり、かくして、家庭用品を液体又は固形物のための漏斗であることに加えて容器として使用することができる。
【0033】
別の変形実施形態によれば、家庭用品1(
図16及び
図17)は、平坦な底部24及びこの底部からヴォールトとして延びる壁25を有するのが良い。特に、底部24は、好ましくは、ダスト、粉屑又は他の粒状物質の収集を容易にするようヴォールト状壁25に対して突き出ている弧状自由縁部26(
図16及び
図17)を備えた円の扇形としての全体形状を有する。
【0034】
ヴォールト状壁25は、上述したのと同じ仕方で縁部12上にそれぞれ対応関係をなして折り曲げられると共に接合された2つのフラップ27で構成される。上述したのと同じ仕方で、接合された縁部12上には取っ手4もまた設けられている。
【0035】
この特定の構成は、家庭用品が従来型スコップとして用いられるべき場合において極めて有用である。
【0036】
有利には、
図15に示されているように、この構成は、上述のシート2に起因して得られ、シート2は、
図15に示された2つの折れ目(又は弱体化(弱められた)セグメント28)を備え、これら折り目は、第3の縁部8から第4の縁部の近くまで延びている。これら折り目により、2つのフラップ27は、それ自体折り返せて上述の変形実施形態について上述したように互いに接合することができる。
【0037】
上記の開示内容から、本発明の家庭用品は、上述の欠点を解決し、そして特にユーザの使いやすさ、製造及び組み立てのしやすさ、並びに多角性の面で利点を奏する。
【0038】
事実、この家庭用品は、折り曲げ可能な材料のシート、例えばプラスチック材料シート、厚紙シート、アルミニウムシート、適切には、折り曲げられるようになった木材製品シート、皮革から極めて容易に製作できる。
【0039】
このシートは、容易に補修でき、と言うのは、穴あけ、打ち抜き及び同様な製造プロセスによって一連の穴、開口部及び付属物を形成すれば足るからである。
【0040】
シートの2つの縁部をロックするボタンもまた、取り付けるのがいとも簡単である取っ手の場合と同様、製作するのが容易である(又は、市場で見かけるのが容易である)。
【0041】
また、家庭用品を分解して狭い場所にしまうことができ、そして必要において迅速に再組み立てすることができる。
【0042】
しかしながら、とりわけ、家庭用品は、有利には、その構造によってこれを粉末固形物又は粒状物質を集める容器として或いは上述の変形実施形態に従って液体を移送する容器として構成できるので、用途が広い。
【0043】
特に、
図18及び
図19に示されているように使用の一実施例によれば、本発明の家庭用品1は、ストーブにくべられるべきペレットの容器として使用できる。事実、理解できるように、家庭用品をその人間工学的及び実用的設計により容易に掴むことができ、それによりペレットを従来型袋から集めることができ、そして家庭用品を折り曲げると、ペレットをストーブのペレット装入開口部中に容易に注ぐことができ、この場合、ペレットを外部に全くこぼすことがない。
【0044】
別の顕著な利点は、包装材をかなり減少させることができ、しかも大量の商品を最小限の支障で輸送する一方で、取り扱い費を削減すると共にこれら大量の商品の保管・配置を容易にすることができるということにある。
【0045】
家庭用品の製造材料によっても、食品を取り扱うために(例えば原料を計量するために)家庭用品を使用することができる。
【0046】
この場合、本発明の家庭用品を全て当業者の経験の範囲内において、しかしながら、特許請求の範囲に記載された本発明の保護の範囲から逸脱することなく、多くの変形例が考えられる。
【0047】
例えば、シートの2つの縁部の接合手段は、ベルクロ(登録商標)(Velcro)システム、スナップクリップ、シートに設けられた切欠きから形成されていて、穴又は適当なスロットに係合するタブを含むと言える。
【0048】
また、漏斗を硬質プラスチック材料から作ることができ又は家庭用品に適合可能な一種の前もって成形されたラテックスであっても良い。
【0049】
本体のコーンを閉じる付属物は、上述のスリットとの係合とは異なる閉じ具合を保証する固定手段を備えるのが良い。例えば、シートの縁部のロックと関連して説明したのと同一のボタンを用いることが可能であり、或いはこれに代えてベルクロ(登録商標)(Velcro)システムを使用することができる。
【0050】
家庭用品の一般的な形態は、特定の要件又は好みに合うよう変更可能であり、ただし、特徴的な構造を維持すると、これを上述した仕方で分解したり再組み立てしたりすることができ、それによりこの構造と関連した利点を保つことができる。
【0051】
図20を参照すると、本発明の別の実施形態が示されており、この実施形態では、シート2は、先の実施形態の形状と全体として同一の形状を有する。さらに、同一の参照符号は、同一の部分を示している。
【0052】
具体的に説明すると、シート2は、ボタン3と対応関係をなして裏返し可能に係合するようになった複数の穴14及び掴み手段4との裏返し可能係合を可能にする開口部13を備えた第1の縁部12Aを有する。第2の縁部12Bが好ましくは、ボタン3と係合するようになった複数の穴14だけを有し、この第2の縁部は、開口部13を備えていない。
【0053】
さらに、付属物5は、その自由端部のところに上述の切れ目11に代えて穴14を備えており、その結果、この穴に以下に説明するように対応のボタン3を係合させることができる。スリット15に代えて、第4の頂点9の近くでかつ付属物の近位側でシート2には別の穴14もまた設けられている。
【0054】
有利には、シート2は、2つの第1の折り目28(又は弱体化セグメント)を有し、これら折り目は、第3の頂点8から延びて全体として上述の折り目のように第4の頂点9のところで互いに近づいている。第2の折り目28Cが2つの第1の折り目を横方向に連結すると共にこれらを第1の部分28Aと第2の部分28Bに分割している。好ましくは、第1の部分は、第3の頂点8から始まり、実質的に互いに平行であり、他方、第2の部分は、第2の折り目との接合箇所から始まり、そして第4の頂点9に向かって収斂するように延びている。後述するように、このような折り目の配置により、所望ならば、例えば第3の頂点を完全に平らにした状態で表面に寄り掛かり、それにより、粉屑があった場合にはこれらの収集に好都合であるように家庭用品を形作ることが可能である。もしそうでなければ、家庭用品をその円錐形態で用いることができる。
【0055】
裏返し可能接合手段3は、上述の接合手段と同一であり、したがって、これについてはこれ以上説明しない。
【0056】
掴み手段4は、全体として、上述の掴み手段とほぼ同じである。好ましくは、接合手段は、平べったくかつ細長い部分41を備えた取っ手であり、タブ42は各々、この平べったくかつ細長い部分の端のところに、少なくとも1つの長さ調節穴14を備え、これについては後で説明する。
【0057】
別の変形例によれば、家庭用品1は、側方部分71に設けられている穴14を備えたラベル70を有する。このラベルは、シートと同一の平面上でくるっと回るようシート2に裏返し可能に固定可能であり、そしてシートをそれ自体の上に折り返したときにラベルを露出させるか隠すかのいずれかを行うことが可能である。ラベルにより、家庭用品1の商業情報及び/又は使用上の細部を表示することができ、そしてラベルにエッセンスをしみ込ませることができ、それにより心地良い香りを発生させ又は悪臭を吸収することができる。この目的のため、ラベルは、吸収性材料で作られるのが良い。特に、ラベルは、ボタン3によって留められるのが良く、ボタンは、ラベルに設けられた穴14とシート2の第1の頂点6又は第2の頂点7の近くに設けられた穴の両方に係合する(
図21)。
【0058】
さらに別の変形例によれば、家庭用品1は、家庭用品を壁から吊り下げるようになったフック手段50を有するのが良い。好ましくは、フック手段は、第1の穴14Aを備えた第1の端部51及び第2の穴14Bを備えた第2の端部52を有する長手方向ストリップから作られる(
図20)。第1の穴は、上述したボタンのようなボタン3と係合するようなものであり、第2の穴は、例えば釘と係合するようスロットを形成するようなものであり、これについては以下において説明する。加うるに、かつ好ましくは、第2の端部52は、前からの留めることができるほどの空間がない場合、釘又はピンとの係合を容易にするためのスリット53を備える。同様に、かかるスリットは、家庭用品を取っ手から下方に引き下げるだけで釘からの容易な取り外しが可能である。注目すべきこととして、この変形例では、掴み手段4、引っ掛け手段50及びラベル70は、好ましくはかつ有利には、シート2と同一の材料で作られ、そして、好ましくは、打ち抜きプロセス又はこれに類似したプロセスによって得られる。
【0059】
上述のブラシ16の代替手段として、家庭用品1は、例えば、半剛性であって可塑性であると共に/或いは弾性であると共に/或いはスポンジ状の材料、例えばポリウレタン及びフォームラバーの一片から成っていて収集手段として使用される収集ヘラ60を有するのが良い。このヘラもまた、これをシート2に取り外し可能に固定することができる切れ目61を備えるのが良い。
【0060】
図20及び
図21を参照して上述したように家庭用品を構成する諸要素を容易かつ迅速に組み立てることができる。
図21では、事実、矢印によって取っ手4、ラベル70及びフック手段50がそれぞれのボタン3によって固定される位置が示されている。特に、
図22及び
図23に示されているように、取っ手4は、タブがそれぞれ対応の開口部13を通過して取っ手の平べったい部分41が残っている側(
図22)に関してシート2の反対側(
図23)上に折り返された後、第1の縁部12Aの穴14の上に位置する2つのタブ42の各々の穴14へのボタン3の係合によってシート2の第1の縁部12Aに固定されている。ラベル70は、その側方部分71の穴14及び第2の頂点7上のシート2の穴14に係合するボタンによってタブ42の同一の折り畳み面に固定されている。同様に、フック手段50は、付属物5の穴14をフック手段の第1の端部51の第1の穴14Aに重ね合わせた後、ボタン3によって付属物5の穴14に固定される。
【0061】
この時点で、
図24に示されているように、シート2をそれ自体の上に折り返すことができ、このシートは、2つの縁部12A,12Bの上に位置すると共に第1の縁部の各ボタンのステム32を第2の縁部の対応の穴14中に挿入する。かくして、家庭用品1は、上述したようにその円錐形の形態を達成している(
図25及び
図26)。
【0062】
図27及び
図28を参照すると、家庭用品又は器具1の全体として円錐形の形を裏返し可能に変えてこれが例えばダストの収集を容易にするような形態を取ることができる。事実、特に第2の折り目28Cを2つの第1の折り目28に対して横方向に配置することにより、指で又は例えばテーブルのエッジ又はコーナ部に当てて圧力をかかる第3の折り目に加えて円錐形の潰れた形態を得ることができ又は円錐形を変形させて凹み形態にすることができる。その結果、第4の頂点8と2つの第1の折り目28の第1の部分28Aと第2の折り目28Cとの間に第1の平べったい部分24Aが形成されると共に第2の折り目28Cと2つの第1の折り目28の第2の部分28Bとの間に第2の平べったい部分24Bが形成される。
【0063】
有利には、この変形により、第1の平べったい部分24Aが作られ、その結果、第3の頂点8は、クリーニングされるべき表面に完全に適合することができるようになっている(
図29及び
図30)。加うるに、第1の部分は、収集傾斜部を形成し、次に下降する平面(第2の平べったい部分24B)を形成し、この下降する平面は、集められたダストの保持を容易にする。事実、従来型スコップについて一般的に生じる場合があるように、収集平面は、ブラシによる収集中、上方に一様に傾けられており、この場合、集められたばかりのダストが重力によってスコップから元に落下する恐れがある。
【0064】
また、思い出されるべきこととして、家庭用品のヴォールト状部分25は、第2の部分24Bに向かうダストの引き込み部を形成し、それによりダストが上方に散らばるのを阻止すると共に第1の部分24Aに向かって戻るのを阻止する。
【0065】
有利には、この場合、家庭用品1がラベル70を備えている場合、その組み立て形態(
図31)では、ラベルは、コーンの内側に隠される。
図32に示されているように、2つの互いにオーバーラップしている縁部12から突き出た部分71を指で少し押すと、ラベルは、これをコーンに固定しているボタン3を中心としてくるっと回り、そして少なくとも部分的にコーンからはみ出、その結果、ボタンを掴んで取り出すことができるようになっている(
図33)。このようにして、ラベル上に印刷された情報を表示することができ又はラベル内に含まれたエッセンスを例えば保護フィルムの引き剥がしによって放出することができる。
【0066】
有利には、さらに、家庭用品1を
図34に示すように壁Pに掛けることができる。事実、フック50により、第2の穴14Bを例えば釘80に係合させることによってツールを壁Pから吊り下げることができる(
図35)。また、
図36に示されているように家庭用品1のコーンを固定しているボタン3を中心としたその回転によりフック50を隠すことができ、この場合、矢印によって示された回転により家庭用品を釘が位置している水平線81から持ち上げることができると共に家庭用品が空中での快適な浮かし効果を持って釘を覆うことができる。
【0067】
思い出されるべきこととして、上述すると共に本明細書に含まれる図面に示されている変形例の全てを互いに組み合わせることができる。一例として、
図20の変形例のラベルを上述すると共に
図1~
図19に示されている実施形態のうちの任意のものに利用することができる。同様に、別の非限定的な実施例として、漏斗20を
図20の実施形態に利用することができる。代替手段として、家庭用品の内側は、分類されていない屑の収集のためのありふれたプラスチック袋で又は有機家庭ごみを収集するための生分解性エコバック(登録商標)で内張りされても良い。
【0068】
図39及び
図40は、支持体100内に組み立てられて収容された本発明の家庭用品1のコンポーネントの全ての構造99を示している。具体的に説明すると、支持体100、家庭用品1及びそのアクセサリは、同一の材料シートから好ましくは打ち抜きプロセスによって作られる。
【0069】
この例における家庭用品1及びそのアクセサリは、家庭用品及びそのアクセサリの幾何学的形状を定める線及び部分に沿って材料上に形成された繋ぎ留め箇所によって支持体100上に保持される。このように、繋ぎ留め箇所(次に、再び取り付けられることになる)を壊すことによる支持体からのコンポーネントの分離前に家庭用品の輸送において多大な便宜が保証されると共に単一の予備成形シートの事前配置により保管上の便宜が保証される。
【0070】
好ましくは、支持体100は、第1の部分101又は主要部分及び第2の部分102又は副次的部分によって形成される。主要部分101は、家庭用品の本体10を形成するシート2を支持し、第2の部分102は、家庭用品のアクセサリを支持する。2つの部分は、好ましくは、曲げブリッジ105によって2つのそれぞれの第1の縁部103,104に沿って互いに接合される。
【0071】
加うるに、好ましくは、手で支持体100を支えるための第1の保持穴107及び支持体を保管場所又は店舗内に保管することができるフック又は釘(図示せず)に係合する第2の穴108が第1の縁部103と反対側の第1の部分101の第2の縁部106のところに設けられている。
【0072】
上述したように、第1の部分101は、家庭用品1の本体10を形成するシート2を有する。このシートは、実質的に、上述のシートに対応しており、したがって、これについは詳細には説明せず、図中、同一の参照符号で示されている。注目すべきこととして、この予備配置形態では、シート2は、ボタン3がその第1の縁部12Aの対応の穴14にすでに係合した状態で提供される。さらに、第1の縁部12Aは、取っ手4のタブ42に係合する開口部13Aを有し、第2の縁部12Bは、これらのタブに係合する切れ目13Bを有する。さらに、付属物5は、シート2の曲げを容易にする折り目線54によってシート2の第4の縁部9につながれている。この場合、1組の折り目55がシートの第4の縁部から延び、すなわち、2つの折り目が折り目28の第2の部分28Bに向かって延び、1つの折り目がシートの第2の縁部12Bに向かって延びている(
図42)。
【0073】
第2の部分102は、例えば、上述の取っ手4、1つ以上のラベル70及び/又はヘラ72、フック50、フェルトペンホルダ90を有する。ラベルは、上述のラベルに対応し、ヘラは、ラベルと全体として同一の形状を有し、ヘラは、特に、その構造により、粉屑、デブリ、ダストを収集するようになっており、又はスクレーパとして使用されるようになっている。フック50はまた、上述のフックであり、このフックは、対応のボタン3を備え、ペンホルダ90は、
図42に良好に示されているように、全体としてTの形をした平べったい部分から成り、このTでは、ステムは、弱体化セグメント91によりヘッドに取り付けられ、ヘッドは、同一の弱体化部分92によって長手方向に分割されている。
【0074】
図43には、本発明の家庭用品を組み立てる第1のステップが示されている。繋ぎ留め箇所又は弱体化縁取りセグメント(
図42)を壊すことによってシート2を支持体100から取り外した後、シート2をボタン3のヘッド31が突き出たシートの面に向かって第2の折り目28C沿いに曲げる。この操作は、例えば、テーブルのエッジを使って行うのが良い。
【0075】
これを行った後、2回以上の曲げをそれぞれ折り目28Aに沿って行い、2回以上の曲げを折り目28Bに沿ってボタンのステム32が突き出ているシートの面に向かって行う(
図44)。
【0076】
この時点で、
図45に示された数字で表された順序で進め、第1の縁部12Aのボタン3のステム32を第2の縁部12Bの穴14に係合させることによってシート2をそれ自体に結び付けて家庭用品の本体10を閉じる(
図46)。
【0077】
この時点で、種々のアクセサリを取り付けるのが良い。フックのボタン3のステム32を付属物の穴14中に挿入することによってフック50をシート2の付属物5に取り付けるのが良い(
図47及び
図48)。最後に、付属物5を曲げて(この操作は、折り目54により容易に行われる)、ついには、ボタン3のステム32がシートそれ自体の第4の頂点9の近くに形成された穴14に係合するようになり(
図49及び
図50)、この操作により、付属物の底(折り目54に対応している)を頂点9に接合し、それにより一種の封止が行われる。この操作は、折り目線54だけでなく折り目55によって容易に行われる。
【0078】
最初に取っ手4のタブ42の各々をシート2の第1の縁部12Aの開口部13A中に挿入し、次に今や第1の縁部上に重ね合わされている第2の縁部12Bの切れ目13B中に挿入し、これら縁部を取っ手の平べったい部分41に向かって曲げることによって取っ手4を取り付ける。最後に、取っ手の穴14を所望の長さに従ってボタン3のステム32に係合させる(
図51)。注目すべきこととして、切れ目13Bは穴そのものではなく、したがって、切れ目はダスト又は他の集められた物質の偶発的な逃げ出しを止める封止状態を保証する。
【0079】
ヘラ72の穴14をコーンの開口部の最も近くに位置するボタン3に係合させることによってヘラ72を家庭用品の本体10の内部に取り付ける(
図52)。
【0080】
図53を参照すると、家庭用品1及び上述のそれぞれのアクセサリを保持する支持体100を収容するのに特に適した包装材200の平面図が示されている。
【0081】
事実、包装材200は、ヒンジ要素202により2つの同一のかつ重ね合わされた部分201の状態に分割されたシートから成る。ヒンジ要素は、平面図で見て開いたシートの長手方向広がりに対して横方向に位置するヒンジ要素の第1の縁部203に沿って2つの部分201を互いに連結している。
【0082】
好ましくは、ヒンジ要素は、2つの第1の横方向縁部203と一致した2つの互いに平行な弱体化セグメントで構成されている。
【0083】
加うるに、第1の中央穴205がシートの第1の横方向縁部とそれぞれ反対側に位置する2つの第2の横方向縁部204の近くに形成され、第2の穴206が第1の長手方向縁部208を備えた縁部の第1のコーナ部207に形成されている。第1の穴は、包装材を吊り下げるための支持体100の第2の穴108に対応している。他方、第2の穴206は、掴み取っ手として支持体100の第1の穴107に対応している。
【0084】
注目されるべきこととして、各部分201の第2の横方向縁部204の第2の長手方向縁部210を備えた第2のコーナ部209の近くに、窓211が形成されている。
【0085】
図54~
図57に示されているように、包装材200は、今説明している開いた平べったい形態では、上述のアクセサリを説明した家庭用品1の支持体100を支えとして受け入れることができる。特に、支持体は、この支持体の第1の穴107を包装材の第2の穴206に一致させると同時に支持体の第2の穴108を包装材の中央穴205に一致させるよう包装材の一部分201上に置かれる(
図54)。注目されるべきこととして、支持体の第1の部分101は、包装材の窓211のところを除き、包装材の一部分201と実質的に一致する。
【0086】
この時点で、支持体100の第2の部分102を曲げブリッジ105により第1の部分101のところで曲げる(
図55)。
【0087】
次に、包装材の他の部分201を折り畳んで支持体100を閉じる(
図55)。注目すべきこととして、閉じ状態では、窓211により、ある特定の色を呈するのが良い支持体100の一部をちらりと見て家庭用品1のシート2の色を選択することができる(
図56及び
図57)。
【0088】
包装材を従来型閉じ手段(図示せず)、例えばさねはぎ継ぎ、ベルクロ(登録商標)(Velcro)、周囲縁部に沿って施された接着剤で閉じるのが良い。加うるに、弱体化セグメント203相互間の距離を取って包装材が折り畳まれたとき、一種のポケットを形成し、それによりボタン3の厚みを都合良く収める。また、注目すべきこととして、包装材200の折り目203は、支持体100の第1の部分101及び第2の部分102のそれぞれの縁部103,104と一致し、ヒンジ要素202は、曲げブリッジ105により可能になった縁部103,104の離隔距離と一致する。
【0089】
図58に示すように、フェルトペンホルダ90を支持体100からいったん分離するとこのフェルトペンホルダを弱体化セグメント91,92に沿って曲げてそれぞれTのステムを包装材200の第1の穴205中に挿入すると共にフェルトペンを“T”のヘッドの2つの半部相互間に入れる(
図59及び
図60)。フェルトペン付きの特定のバージョンを包装材の再使用目的で詳しく調べたが、事実、内部可塑化処理により(又は、包装材のすでに事前配置されている材料の使用により)、包装材をひっくり返すだけで包装材をライティングボード(
図61)、ウィークリープランナ又はカレンダとして、或いはライティングボードの両方の内側を用いることによるこれらの組み合わせとして使用することができる。追加的に又は代替的に、例えば家庭用品を組み立てる説明書き、この使用、又は材質に関する種々の情報が包装材の内面又は外面上に印刷されるのが良い。
【0090】
本発明の家庭用品1の支持体100の多角性が高いので、上述の種々のアクセサリのうちで、第2の部分102は、ラベル70、ヘラ72、取っ手4、フック50及びフェルトペンホルダ90を含む種々の組み合わせ(
図62)を備えるのが良く、変形例として、ラベル70、ヘラ72、取っ手4、フック50及び名刺73の組み合わせ(
図63)又は取っ手4、フック50、ヘラ72及び2つのガラスコースタ74の組み合わせ(
図64)、或いは、この場合もまた、単一の支持体102内に設けられた上述のアクセサリ全体の組み合わせ(
図65)があり得る。
【0091】
また、注目すべきこととして、家庭用品のコンポーネントは、例えば、支持体100の2つの部分101,102相互間に分けられ又は支持体の完全に別々の2つの部分に分割され、或いは、別々の部分には分けられない単一の支持体内に収容されても良い。しかしながらこれらの変形例は全て、例えば封筒、袋又は箱のような種々の形式の包装材に合わせて構成可能である。
【0092】
上述の説明から、本発明の家庭用品の支持体及び包装材により、家庭用品の高い多角性を達成することができ、それにより市場に出ている任意の類似の家庭用品と比較して製造、保管、輸送及び使用をかなり簡単にすることができる。
【0093】
コンポーネントの全て(シート2、取っ手4、フック50、ラベル70、ヘラ72並びに名刺73、ガラスコースタ74及びフェルトペンホルダ90のような考えられるアクセサリ)は、今や、同種の材料で作られ(唯一、ボタン形接合手段3を除き)、そして好ましくは、単一のシートから形成され、この場合でも、結果として得られる利点の全てを有し、例えば、支持体100の挿入(廃棄物であったものを用いて)及び製造費の最適化が得られる。と言うのは、1回の「動作」で本発明の家庭用品1のコンポーネントの全てを得ることができるからである。
【0094】
また、特定のボタン式接合手段により、家庭用品の閉じ手段のうちの一つとして、コンポーネント全てを連係させてこれらのどのような調節であってもかかる調節を簡単かつ迅速に行うことができる。
【0095】
アクセサリの組み合わせは、上述の実施例には限定されず、この場合もまた、家庭用品の形成材料としての単一の材料シートの原理を用いることによって、他のアクセサリ又はアクセサリの各種構成品を得ることができるということが当業者には等しく明らかである。
【0096】
折り目又は弱体化セグメント(包装材の符号28,28A/B/C,54,55,91,92,203によって示された図中の破線及びさらに接合手段105を支持体100の縁部103,104に連結する部品)は、曲げを容易にする機能を発揮する。また、切り込み、例えば浅い切れ目を用いることによって又はこれとほぼ同じ手順によってこの結果を得ることができる。
【0097】
同様に、これらの変形例を用いると、有利には物体の収集を容易にする扁平な表面へのコーンの諸部分の容易かつ即時の変形を可能にする破線28の上述の場合と同様、傾斜平面又は閉じ部が作られるべきシートの諸部分の曲げを容易にすることができる。
【国際調査報告】