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特表2022-552154耐振動性が向上したバッテリーパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】耐振動性が向上したバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20221208BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20221208BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20221208BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20221208BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/262 S
H01M50/262 P
H01M50/284
H01M50/244 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520522
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 KR2021000571
(87)【国際公開番号】W WO2021149975
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0009202
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ジュ・パク
(72)【発明者】
【氏名】サン・ホ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ホ・ジャン
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AA07
5H040AS07
5H040AS13
5H040AS14
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC13
5H040CC20
5H040CC34
5H040CC35
5H040CC37
5H040DD08
5H040NN03
(57)【要約】
本発明はバッテリーパックに関するものであり、より詳細には、所定の空間部を有するハウジング(300)と、前記空間部に収納され、前記ハウジング(300)の底面に平行に位置する水平プレート(210)及び前記水平プレート(210)の両側端から垂直方向に延びた一対の垂直プレート(220)を含むエンドプレート(200)と、前記エンドプレート(200)に垂直に収納される複数のセルカートリッジ(100)とを含み、前記ハウジング(300)の内側面には互いに向き合う複数対の第1溝部310が形成され、前記セルカートリッジ(100)の幅方向の両側端面には前記第1溝部310に結合される突起部(110)が設けられることを特徴とするバッテリーパックに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間部を有するハウジング(300)と、
前記空間部に収納され、前記ハウジング(300)の底面に平行に位置する水平プレート(210)及び前記水平プレート(210)の両側端から垂直方向に延びた一対の垂直プレート(220)を含むエンドプレート(200)と、
前記エンドプレート(200)に垂直に収納される複数のセルカートリッジ(100)とを含み、
前記ハウジング(300)の内側面には互いに向き合う複数対の第1溝部310が形成され、前記セルカートリッジ(100)の幅方向の両側端面には前記第1溝部(310)に結合される突起部(110)が設けられる、バッテリーパック。
【請求項2】
前記複数のセルカートリッジ(100)の中で一側の最外側に位置するセルカートリッジ(100)の前面は、前記一対の垂直プレート(220)の一側に位置する垂直プレート(220)の内側面と密着し、他側の最外側に位置するセルカートリッジ(100)の後面は、他側に位置する垂直プレート(220)の内側面と密着し、
前記一対の垂直プレート(220)の中でいずれか一つ以上は、ハウジング(300)の側壁から所定距離だけ離隔するように位置する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記一対の垂直プレート(220)がハウジング(300)の側壁から所定距離だけ離隔することにより、第1空間部(350)、及び前記第1空間部(350)より小さい第2空間部(360)が形成され、
前記第1空間部(350)にはBMS(Battery Management System)が収納される、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記水平プレート(210)の下面には所定長さに延びたボルト(211)が設けられ、
前記ハウジング(300)の底面には、前記ボルト(211)を収容する第1締結ホール(320)が形成される、請求項2または3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記第1締結ホール(320)には段部(321)がさらに形成される、請求項4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記段部(321)にはナット(330)が着座され、前記ボルト(211)の端部及びナット(330)は、前記ハウジング(300)の外部に突出しない、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記第1締結ホール(320)から所定距離だけ離隔した位置には、デバイスから延びたボルトを収容するための雌ネジ部を有する第2締結ホール(340)が、前記ハウジング(300)の底面にさらに設けられる、請求項4~6のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記垂直プレート(220)には、幅方向に所定長さに延びた延長部(221)が設けられ、
前記ハウジング(300)には、前記延長部(221)を収容する第2溝部(370)が形成される、請求項2~7のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のバッテリーパックを備えた、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年01月23日付の韓国特許出願第2020-0009202号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に記載されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は耐振動性が向上したバッテリーパックに関し、より詳しくはセルカートリッジの側面に突起部が形成され、ハウジングにはセルカートリッジの突起部を収容する溝部が形成されることにより、バッテリーパックに外部衝撃が加わってもセルカートリッジが左右及び前後方向に動くことを制限することができる構造の耐振動性が向上したバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話、ノートブック型PC、カムコーダー、デジタルカメラなどのモバイル機器に対する技術開発及び需要が増加するのに伴い、充放電の可能な二次電池に対する技術が活発に開発されている。また、二次電池は大気汚染物質を発生させる化石燃料の代替エネルギー源であり、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などに適用されているので、二次電池の開発の必要性が段々高くなっている状況である。
【0004】
現在商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。この中で、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べて、メモリ効果がほとんど発生しないので、放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高い利点によって脚光を浴びている。
【0005】
現代社会で必須不可欠に使われている各種の電子機器のエネルギー源として使われている二次電池は、モバイル器機の使用量の増加及び複雑化、電気自動車などの開発によって所要容量が増加している。
【0006】
一方、二次電池は、容量及び出力を増大させるために、複数の電池セル及び/または電池モジュールが直列にまたは並列に連結される。このような電池セルはセルカートリッジまたはハウジングに収納された後、各種のデバイスに装着される。
【0007】
一般に、電池パックがデバイスに装着されて使われるときには、振動または外部衝撃が電池パックに伝達されることがあり、よって電池パックの内部に収納された電池セルまたは電池モジュールを確かに固定する必要がある。
【0008】
これに関連して、韓国公開特許第2017-0022119号は、互いに積層される複数のバッテリーセルからなるバッテリーセルアセンブリー、バッテリーセルアセンブリーの前後方をカバーし、一側でバッテリーセルアセンブリーとスクリューで結合されるエンドプレート、及びエンドプレートの他側に装着され、バッテリーセルアセンブリーを少なくとも部分的にカバーし、エンドプレートの前後方に突出する固定ホルダーを含むバッテリーモジュールを開示している。
【0009】
前記韓国公開特許第2017-0022119号はバッテリーモジュールの下端を固定ホルダーをさらに用いてハウジングに固定させて結合信頼性及び安全性を向上させているが、依然として前後または左右方向への振動のみ固定及び維持することができるだけであり、さらに追加的な固定ホルダーを使うことによって、費用が上昇し、製品体積が増加する欠点がある。
【0010】
また、日本公開特許第2011-171178号は、複数の二次電池セルと、二次電池セルを収容する収納孔と複数のネジ収納孔を有するパックケースと、ネジ収納孔に連続するネジ孔を有し、ネジ孔及びネジ収納孔に挿入されたネジによってパックケースに固定されたカバーとを備え、二次電池セルは断面が楕円柱状を有し、収納孔は二次電池セルと同じ断面形状を有する柱状を有し、複数のネジ収納孔は収納孔の断面の長さ方向の両端部で収納孔が並ぶ方向に収納孔の間に配置されている電池パックを開示している。
【0011】
前記日本公開特許第2011-171178号は、電池パックケースに多くのネジ孔を形成することにより、ネジを用いて電池モジュールを上下、左右及び前後方向への振動に対応して機械的結合を維持することができるようになっているが、電池モジュールを固定するためのネジ孔及びネジが多く使われて副資材が多く必要になり、これによる追加的な工程が増加することによって時間及び費用が増加する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許第2017-0022119号公報
【特許文献2】特開2011-171178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記のような問題点を解決するために、外部からバッテリーパックに振動が加わっても前後及び左右方向への固定力及び機械的結合を維持することができる耐振動性が向上したバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、デバイスにバッテリーパックを固定するとき、別途の空間が必要ではないながらも締結が容易である耐振動性が向上したバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、外部から加わる衝撃から電池セルを保護することができる耐振動性が向上したバッテリーパックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記のような問題点を解決するための本発明によるバッテリーパックは、所定の空間部を有するハウジング(300)と、前記空間部に収納され、前記ハウジング(300)の底面に平行に位置する水平プレート(210)及び前記水平プレート(210)の両側端から垂直方向に延びた一対の垂直プレート(220)を含むエンドプレート(200)と、前記エンドプレート(200)に垂直に収納される複数のセルカートリッジ(100)とを含み、前記ハウジング(300)の内側面には互いに向き合う複数対の第1溝部310が形成され、前記セルカートリッジ(100)の幅方向の両側端面には前記第1溝部310に結合される突起部(110)が設けられることを特徴とする。
【0017】
本発明によるバッテリーバックにおいて、前記複数のセルカートリッジ(100)の中で一側の最外側に位置するセルカートリッジ(100)の前面は前記一対の垂直プレート(220)の一側に位置する垂直プレート(220)の内側面と密着し、他側の最外側に位置するセルカートリッジ(100)の後面は他側に位置する垂直プレート(220)の内側面と密着し、前記一対の垂直プレート(220)の中でいずれか一つ以上はハウジング(300)の側壁から所定距離だけ離隔するように位置することができる。
【0018】
また、本発明によるバッテリーバックにおいて、前記一対の垂直プレート(220)はハウジング(300)の側壁から所定距離だけ離隔することにより、第1空間部(350)、及び前記第1空間部(350)より小さい第2空間部(360)が形成され、前記第1空間部(350)にはBMS(Battery Management System)が収納されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明によるバッテリーバックにおいて、前記水平プレート(210)の下面には所定長さに延びたボルト(211)が設けられ、前記ハウジング(300)の底面には、前記ボルト(211)を収容する第1締結ホール(320)が形成されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明によるバッテリーバックにおいて、前記第1締結ホール(320)には段部(321)がさらに形成されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明によるバッテリーバックにおいて、前記段部(321)にはナット(330)が着座され、前記ボルト(211)の端部及びナット(330)は前記ハウジング(300)の外部に突出しないことを特徴とする。
【0022】
また、本発明によるバッテリーバックにおいて、前記第1締結ホール(320)から所定距離だけ離隔した位置には、デバイスから延びたボルトを収容するための雌ネジ部を有する第2締結ホール(340)が前記ハウジング(300)の底面にさらに設けられることができる。
【0023】
また、本発明によるバッテリーバックにおいて、前記垂直プレート(220)には、幅方向に所定長さに延びた延長部(221)が設けられ、前記ハウジング(300)には、前記延長部(221)を収容する第2溝部(370)が形成されることを特徴とする。
【0024】
また、本発明によるデバイスは、前述したバッテリーパックを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明による耐振動性が向上したバッテリーパックは、セルカートリッジの突起部がハウジングの溝部に結合されるので、バッテリーパックが前後及び左右に動いてもセルカートリッジを確かに固定することができるという利点がある。
【0026】
また、本発明による耐振動性が向上したバッテリーパックは、ハウジングの固定のための第2締結ホールを備えているので、デバイスとの固定が一層容易であるだけでなく、部品点数の減少によって、生産コストを節減し、空間活用性を高めることができるという利点がある。
【0027】
さらに、本発明による耐振動性が向上したバッテリーパックは、エンドプレートとハウジングとの間に所定の距離が提供されて空間部が形成され、よって物理的衝撃が発生してもセルカートリッジを保護することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックの斜視図である。
図2】本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックの分解斜視図である。
図3】本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックを上から見た平面図である。
図4】本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックを下から見た斜視図である。
図5図4に示す本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックをA-A線に沿って切断した断面図である。
図6】本発明の好適な第2実施例によるバッテリーパックの斜視図である。
図7】本発明の好適な第2実施例他のバッテリーパックの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願で、“含む”、“有する”または“備える”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものに理解されなければならない。
【0030】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけではなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
以下、本発明による耐振動性が向上したバッテリーパックについて添付図面を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックの斜視図、図2は本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックの分解斜視図、図3は本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックを上から見た平面図である。
【0033】
本発明のバッテリーパックの説明において、便宜上、x軸方向は長手方向、y軸方向は幅方向、z軸方向は高さ方向と定義する。
【0034】
また、セルカートリッジの場合、x軸方向は厚さ、y軸方向は幅、z軸方向は高さ、そしてx軸方向に向かう面は前面または後面と定義する。
【0035】
図1図3を参照して説明すると、本発明によるバッテリーパックは、複数のセルカートリッジ100、エンドプレート200、及びハウジング300を含んでなる。
【0036】
エンドプレート200に垂直に収納される複数のセルカートリッジ100は、幅方向の両側端面に突起部110が形成され、カートリッジの内側には電極組立体(図示せず)が設けられている。
【0037】
図面には具体的に示していないが、セルカートリッジ100は電極組立体の外郭を取り囲む形状を有し、一つまたは二つの電極組立体が一つのセルカートリッジに固定されている。
【0038】
ここで、電極組立体は、セル組立体、ケース、及びリードを含んでいる。セル組立体は、長いシート状の正極及び負極の間に分離膜が介在された状態で巻き取られる構造を有するゼリーロール型セル組立体、または長方形の正極及び負極が分離膜を挟んでいる状態で積層される構造の単位セルから構成されるスタック型セル組立体、または単位セルが長い分離フィルムによって巻き取られるスタックフォルディング型セル組立体、または単位セルが分離膜を挟んでいる状態で積層されて互いに付着されるラミネーションスタック型セル組立体などからなることができるが、これらに制限されない。
【0039】
前記のようなセル組立体はケースに内装され、ケースは通常内部層/金属層/外部層のラミネートシート構造を有する。内部層はセル組立体と直接的に接触するので、絶縁性及び耐電解液性を有しなければならなく、また外部に対する密閉のために、シーリング性、すなわち内部層同士熱接着されたシーリング部位は優れた熱接着強度を有しなければならない。このような内部層の材料としては、耐化学性に優れながらもシーリング性の良いポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンアクリル酸、ポリブチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリイミド樹脂から選択することができるが、これらに限定されなく、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械的物性と耐化学性に優れたポリプロピレンが最も好ましい。
【0040】
内部層と接している金属層は外部から水分や各種のガスが電池の内部に浸透することを防止するバリア層に相当し、このような金属層の好適な材料としては、軽いながらも成形性に優れたアルミニウム薄膜を使うことができる。
【0041】
そして、金属層の他側面には外部層が設けられ、このような外部層はセル組立体を保護しながら耐熱性及び耐化学性を確保することができるように、引張強度、透湿防止性及び空気透過防止性に優れた耐熱性ポリマーを使うことができる。一例として、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレートを使うことができるが、これに制限されない。
【0042】
一方、正極リード及び負極リードからなるリードは、セル組立体の正極タブ及び負極タブがセルカートリッジの上部に突出し、バスバーを介してそれぞれ電気的に連結された後、ケースの外部に露出される構造を有する。前記のような電池セルは一般的に知られている構成に相当するので、より詳細な説明は省略する。
【0043】
エンドプレート200はハウジング300の内部の空間部に収納され、ハウジング300の底面に平行に位置する水平プレート210と、水平プレート210の両側端から垂直方向に延びた一対の垂直プレート220とを含んでなる。
【0044】
前記のようなエンドプレート200は前述した複数のセルカートリッジ100を固定するためのものである。具体的には、水平プレート210の上面に前述した複数のセルカートリッジ100が厚さ方向に並んで着座され、一側の最外側に位置するセルカートリッジ100の前面は一対の垂直プレート220の中で一側に位置する垂直プレート220の内側面と密着し、他側の最外側に位置するセルカートリッジ100の後面は他側に位置する垂直プレート220の内側面と密着するように配置される。
【0045】
一方、エンドプレート200がハウジング300の内部空間部に収納されるとき、一対の垂直プレート220のいずれか一つ以上はハウジング300の側壁から所定距離で離隔して位置することが好ましい。
【0046】
一例として、図3に示すように、左側に位置する垂直プレート220とハウジング300の側壁との間には第1空間部350が形成され、右側に位置する他の垂直プレート220とハウジング300の側壁との間には第2空間部360が形成されることができる。また、第1空間部350が第2空間部360より相対的に大きくなることができる。
【0047】
図面には示していないが、第1空間部350にはバッテリーパックを制御管理するためのBMS(Battery Management System、図示せず)と各種の電子部品が収納されることができる。もちろん、BMS(Battery Management System)はセルカートリッジ100から突出したリードを直列にまたは並列に連結するバスバーと直接的にまたは間接的に連結されている。
【0048】
BMS(Battery Management System)は、デバイスに対する電力供給制御、電流、電圧などの電気的特性値測定、充放電制御、電圧の平滑化(equalization)制御、SOC(State Of Charge)などの推定のためのアルゴリズムを適用して二次電池の状態をモニタリングして制御する役割を果たすものであり、公知の技術に相当するので、詳細な説明は省略する。
【0049】
第1空間部350より相対的に小さい空間部を有する第2空間部360は外部衝撃からセルカートリッジ100を保護するためのものである。すなわち、意図せぬ外部衝撃がハウジング300に伝達されても、ハウジング300の側壁と垂直プレート220との間の空間部によって、セルカートリッジ100に伝達される衝撃を最小化することができる。もちろん、BMS(Battery Management System、図示せず)などを収納するための第1空間部350も前記と同じ機能を果たすことができるというのは自明である。
【0050】
次に、ハウジング300は、セルカートリッジ100及びエンドプレート200などを収納することができるように、所定大きさの空間部を有し、水平に位置する底面と底面の縁端に沿って垂直方向に延びた側面とを含んでなる。もちろん、図面には示していないが、ハウジング300の上側開口部を密閉するためのハウジングキャップ(図示せず)をさらに備えることができるというのは自明である。
【0051】
複数のセルカートリッジ100が装着されているエンドプレート200を収納するハウジング300の内側面、より詳細にはハウジング300の長手方向に沿っては、互いに向き合う複数対の第1溝部310が設けられている。
【0052】
前記のようなハウジング300の第1溝部310にはセルカートリッジ100の突起部110が挿入され、よってハウジング300の長手方向に外部衝撃が加わるか、またはハウジング300が装着されたデバイスが動いても、セルカートリッジ100が決まった位置から離脱することを抑制することができる。
【0053】
図面にはすべてのセルカートリッジ100に突起部110が形成され、突起部110の数に対応する第1溝部310が備えられたものとして示しているが、最外郭に位置する一対のセルカートリッジ100のみに突起部110が設けられ、これらの突起部110のみが挿入できるように第1溝部310も4個が設けられることができるが、より確かな固定力のためには、セルカートリッジ100の全部が第1溝部310に挿入されることがより好ましい。
【0054】
水平プレート210の下面には所定長さだけ延びたボルト211が設けられ、ハウジング300の底面にはボルト211を収容する第1締結ホール320及びデバイスにハウジング300を固定するための第2締結ホール340がさらに設けられることができる。これについては後述する。
【0055】
一方、図面符号380は水分などが第1締結ホール320を通してハウジング300の内部に流入することができないように遮断するためのキャップであり、プラスチックまたは金属からなることができ、第1締結ホール320に強制押込方式で固定されても構わないが、確かな水分遮断のために溶接方式で固定されることがより好ましい。
【0056】
図4は本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックを下から見た斜視図、図5図4に示す本発明の好適な第1実施例によるバッテリーパックをA-A線に沿って切断した断面図である。
【0057】
図4及び図5を一緒に参照して説明すると、水平プレート210の下面には複数のボルト211が設けられ、ハウジング300の底面にはボルト211が貫通することができるほどの内径を有する第1締結ホール320が形成され、ボルト211の端部にはナット330が締結されることにより、エンドプレート200がハウジング300に確かに固定される。
【0058】
ここで、ボルト211の長さはハウジング300の外部に突出しないほどである第1締結ホール320の長さ以下であることが好ましい。これは、ボルト211と締結されたナット330がハウジング300の底面の外部に突出することを防止して、バッテリーパックとデバイスが締結されるときに浮き上がらないようにするためである。
【0059】
一方、第1締結ホール320の段部321はナット330を着座させるためのものである。
【0060】
ハウジング300の底面には、デバイスから延びたボルト(図示せず)を収容するための雌ネジ部を有する第2締結ホール340がさらに設けられることができる。
【0061】
具体的には、ハウジング300の第2締結ホール340には、バッテリーパックが装着されるデバイスから延びたボルトが挿入されることにより、デバイスにバッテリーパックを固定するためのものである。
【0062】
従来には、バッテリーパックを固定するために別途の固定手段を使っており、これにより部品点数が増加するだけでなく、追加的な空間が必要である。
【0063】
しかし、本発明のバッテリーパックは、ハウジング300に第2締結ホール340が設けられることにより、デバイスとの固定が一層容易であるだけでなく、部品点数の減少によって生産コストを節減し、空間活用性を高めることができるという利点がある。
【0064】
ここで、第2締結ホール340はハウジング300を完全に貫通しないほどの深さを有することが好ましい。これは、第2締結ホール340を通してハウジング300の内部に水分が流入することを防止するためである。
【0065】
図面には第1締結ホール320から所定距離だけ離隔した位置に4個の第2締結ホール340が形成されたものとして示しているが、これは一例示に過ぎないものであるだけで、バッテリーパックの重さと締結固定力などを考慮して位置と個数はいくらでも変更可能である。
【0066】
図6は本発明の好適な第2実施例によるバッテリーパックの斜視図、図7は本発明の好適な第2実施例他のバッテリーパックの分解斜視図である。
【0067】
図6及び図7を参照して本発明による第2実施例を説明すると、第2実施例は、垂直プレート220の幅方向に設けられた延長部221と、延長部221を収容するための第2溝部370とがハウジング300に形成されたことを除き、第1実施例と同様である。
【0068】
具体的には、第2実施例は、垂直プレート220に幅方向に沿って所定長さに延びた延長部221が設けられ、ハウジング300には延長部221を収容する第2溝部370がさらに設けられている。
【0069】
したがって、垂直プレート220の延長部221と第2溝部370との結合によってエンドプレート200がハウジング300に一層堅固に固定されることができるという利点がある。
【0070】
本発明によるバッテリーパックはデバイスに搭載されることができる。具体的なデバイスの例としては、自動車、携帯電話、及びノートブック型PCであることができる。このようなデバイスは多様で複雑な機能を有して多くの電気エネルギーを必要とするので、高容量及び高電圧のバッテリーパックが装着されてデバイスに電源を供給する役割を果たす。
【0071】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が制限されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正も添付の特許請求範囲に属するものであるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0072】
100 セルカートリッジ
110 突起部
200 エンドプレート
210 水平プレート
211 ボルト
220 垂直プレート
221 延長部
300 ハウジング
310 第1溝部
320 第1締結ホール
321 段部
330 ナット
340 第2締結ホール
350 第1空間部
360 第2空間部
370 第2溝部
380 キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】