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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスの温度表示部
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20221208BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A61M5/31 520
A61M5/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520895
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 US2020053191
(87)【国際公開番号】W WO2021071694
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/912,462
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/936,082
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヒジン
(72)【発明者】
【氏名】グロースマン,ダニエル・エデュアルド
(72)【発明者】
【氏名】モバーグ,シェルドン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ボナクダー,モハマド
(72)【発明者】
【氏名】オーレンシュレーガー,ラスムス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF05
4C066LL21
4C066QQ78
4C066QQ82
(57)【要約】
薬物送達デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置された容器と、起動機構と、針アセンブリと、温度表示部とを含む。ハウジングは、内容積を画定し、少なくとも1つの開口部を含む。容器は、起動機構によって容器から押し出される薬剤を収容する。針アセンブリは、容器から薬剤を送達するための針及び/又はカニューレを有する。温度表示部は、容器の外部表面と動作的に結合されており、容器の温度変化に応答する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容積を画定し、少なくとも1つの開口部を含むハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された容器であって、外部表面を有し、薬剤を収容する容器と、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された起動機構であって、前記薬剤を前記容器から押し出すための力を作用させるように適合されている、起動機構と、
前記薬剤を送達するための針及び/又はカニューレを有する針アセンブリと、
前記容器の前記外部表面と熱的に結合された温度表示部であって、前記容器の温度変化に応答する、温度表示部と、
を含む、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記温度表示部は、第1の動作温度範囲を有する可逆的熱変色性センサを含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの開口部を覆うように適合された窓を更に含む、請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記窓は、拡大鏡窓を含む、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記窓は、前記温度表示部と結合されている、請求項3又は4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
絶縁部材が前記温度表示部を前記ハウジングから熱的に絶縁するように、前記温度表示部の外部側壁の周りに配置された前記絶縁部材を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記温度表示部は、高熱伝導率を有する材料から作製されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記温度表示部は、前記容器の前記外部表面を少なくとも部分的に包囲するラベルの形態である、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
複数の温度表示部を更に含み、前記複数の温度表示部のそれぞれは、異なる動作温度範囲を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
熱伝導性材料を更に含み、前記熱伝導性材料は、前記容器と前記温度表示部との間に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
薬物送達デバイスを組み立てる方法であって、
内容積を画定し、少なくとも1つの開口部を含むハウジングを用意することと、
前記ハウジング内に容器を少なくとも部分的に配置することであって、前記容器は、外部表面を有し、薬剤を収容する、ことと、
前記ハウジング内に起動機構を少なくとも部分的に配置することであって、前記起動機構は、前記薬剤を前記容器から押し出すための力を作用させるように適合されている、ことと、
前記ハウジング内に針アセンブリを少なくとも部分的に配置することであって、前記針アセンブリは、前記薬剤を送達するための針及び/又はカニューレを有する、ことと、
温度表示部と前記容器の前記外部表面とを熱的に結合することであって、前記温度表示部は、前記容器の温度変化に応答する、ことと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記温度表示部を用意する前記工程は、第1の動作温度範囲を有する可逆的熱変色性センサを用意することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの開口部を窓で少なくとも部分的に覆うことを更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記窓は、拡大鏡窓を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記窓は、前記温度表示部と結合されている、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
絶縁部材が前記温度表示部を前記ハウジングから熱的に絶縁するように、前記温度表示部の外部側壁の周りに前記絶縁部材を配置することを更に含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記温度表示部は、高熱伝導率を有する材料から作製されている、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記温度表示部は、前記容器の前記外部表面を少なくとも部分的に包囲するラベルの形態である、請求項11~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
複数の温度表示部と前記容器の前記外部表面とを動作的に結合することを更に含み、前記複数の温度表示部のそれぞれは、異なる動作温度範囲を有する、請求項11~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記容器と前記温度表示部との間に熱伝導性材料を配置することを更に含む、請求項11~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
その各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年10月8日に出願された米国仮特許出願第62/912,462号及び2019年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/936,082号に対する優先権が主張される。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、より具体的には、薬物投与を支援するための温度表示部アセンブリを有する薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
インジェクタなどの薬物送達デバイスは、患者に液剤を送達するために使用される。作動されると、薬物送達デバイスは、一次容器の内部リザーバ内に保管された薬物を、針、カニューレ、又は他の送達部材を通して患者内に排出することができる。いくつかの薬物送達デバイスは、注入針又はそれ以外の手段により長期間にわたって薬物を送達するために患者に一時的に取り付けられ得る。薬物送達デバイスは、患者の腹部、大腿、腕、又は患者の体のそれ以外の部分の組織に粘着的に取り付けられ得る。
【0004】
多くの薬剤は、安定性及び性能を維持するために冷蔵を必要とする。したがって、これらの薬剤には、患者及び/又は臨床医が使用する前の製造、輸送、及び保管プロセス時に低温保管するように表示付けられていることが一般的である。これらの薬剤は、標準的な家庭用冷蔵庫に対応するために、約2℃~約8℃の範囲の温度で保管されることが多く、痛みを最小限にするとともに、送達デバイスが適切且つ意図したように機能することを確実にするために、投与前に十分に温められなければならない。患者が冷蔵からデバイスを取り出した後に適切な時間待てなかった場合には低温の注入が投与されたり送達時間の延長が必要となったりするリスクをもたらす可能性のある加温技術のために、患者はこれらの薬物を投与するのをためらう場合がある。注入の体感時間を長くなったり使用者の不快さが増したりする可能性のあるこれらの要因により、治療へのアドヒアランスが低下するリスクがあり得る。
【0005】
患者は、快適な注入体験と予測可能な注入体験の両方を望んでいる。実質的に同様の温度のデバイスを使用して注入を投与すると、実質的に同様の体験がもたらされることが多い。特に、温度依存性の高い粘度を有する薬剤において、投与時における約5℃以上の薬剤温度の差は、患者に対し識別可能な差を生じさせるものと思われる。このことは、次の用量の投与におけるためらい及び不確実性につながる可能性がある。このことは更に、アドヒアランスレベルの低下につながる可能性がある。
【0006】
以下に詳述するように、本開示は、既存のシステム及び方法に対して有利な代替案を具体化した送達デバイス用のシステムを説明するものであり、本明細書で述べる課題又はニーズの1つ以上を対処するとともに他の利益及び利点を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、薬物送達デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置された容器と、起動機構と、針アセンブリと、温度表示部とを含む。ハウジングは、内容積を画定し、少なくとも1つの開口部を含む。容器は、起動機構によって容器から押し出される薬剤を収容する。針アセンブリは、容器から薬剤を送達するための針及び/又はカニューレを有する。温度表示部は、容器の外部表面と動作的に結合されており、容器の温度変化に応答する。いくつかの手法では、温度表示部は、第1の動作温度範囲を有する可逆的熱変色性センサの形態である。
【0008】
いくつかの例では、薬物送達デバイスは、少なくとも1つの開口部を覆うように適合された窓を更に含んでもよい。窓は、拡大鏡窓であってもよい。更に、いくつかの例では、窓は、温度表示部と結合されてもよい。
【0009】
これら及びその他の例では、薬物送達デバイスは、温度表示部の外部側壁の周りに配置された絶縁部材を更に含んでもよい。絶縁部材は、温度表示部をハウジングから熱的に絶縁する。
【0010】
いくつかの形態では、温度表示部は、高熱伝導率を有する材料から作製されている。更に、温度表示部は、容器の外部表面を少なくとも部分的に包囲するラベルの形態であってもよい。
【0011】
いくつかの例では、薬物送達デバイスは、複数の温度表示部を含んでもよい。複数の温度表示部のそれぞれは、異なる動作温度範囲を有してもよい。
【0012】
いくつかの形態では、薬物送達デバイスは、容器と温度表示部との間に配置された熱伝導性材料を含んでもよい。
【0013】
第2の態様によれば、薬物送達デバイスを組み立てる方法は、内容積を画定し、少なくとも1つの開口部を含むハウジングを用意することを含む。容器は、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されている。容器は、外部表面を有し、薬剤を収容する。起動機構及び針アセンブリはまた、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されている。起動機構は、薬剤を容器から押し出すための力を作用させるように適合されている。針アセンブリは、起動機構と動作的に結合されており、薬剤を送達するための針及び/又はカニューレを含む。温度センサは、容器の外部表面と熱的に結合されている。温度センサは、容器の温度変化に応答する。
【0014】
上記ニーズは、特に図面と併せて研究される、以下の詳細な説明に記載される薬物送達デバイス用の温度表示部の提供によって少なくとも一部満たされる。
【0015】
添付の図は本開示による実施形態を示し、限定ではなくむしろ例示である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】様々な実施形態による温度表示部を有する薬物送達デバイスの例示的な構成の概略図を示す。
図2】様々な実施形態による図1の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図3】様々な実施形態による第2の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図4】様々な実施形態による図2の例示的な薬物送達デバイスの側立面図を示す。
図5】様々な実施形態による線A-A’に沿って取られた図2及び図3の例示的な薬物送達デバイスの断面図を示す。
図6】様々な実施形態による第3の例示的な薬物送達デバイスの側立面図を示す。
図7】様々な実施形態による線A-A’に沿って取られた図6の例示的な薬物送達デバイスの断面図を示す。
図8】様々な実施形態による第4の例示的な薬物送達デバイスの断面図を示す。
図9】様々な実施形態による第5の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図10】様々な実施形態による図9の例示的な薬物送達デバイスの側立面図を示す。
図11】様々な実施形態による線A-A’に沿って取られた図9及び図10の例示的な薬物送達デバイスの断面図を示す。
図12】様々な実施形態による第6の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図13】様々な実施形態による第7の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図14】様々な実施形態による第1の動作状態にある第8の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図15】様々な実施形態による第2の動作状態にある図14の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図16】様々な実施形態による第3の動作状態にある図14及び図15の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図17】様々な実施形態による第1の動作状態にある第9の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図18】様々な実施形態による第2の動作状態にある図17の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
図19】様々な実施形態による第3の動作状態にある図16及び図17の例示的な薬物送達デバイスの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のうちのいくつかの寸法及び/又は相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解を向上させるために他の要素に対して誇張される場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要な、一般的ではあるが十分に理解されている要素は、これら様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために示されないことが多い。更に、特定の行為及び/又は工程は、特定の発生順序で記載される又は示される場合があることは認識されるであろうが、当業者であれば、順序に関するこのような特定性は実際には必要ないことを理解するであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、異なる特定の意味が本明細書で説明される場合を除き、上述のように、こうした用語及び表現に当業者が与えるような通常の技術的な意味を有することも理解されるであろう。
【0018】
本開示は、概して、薬物送達デバイスが薬物投与に適した温度に達したときに使用者に視覚表示を提供する薬物送達デバイス用の温度表示部に関する。注入可能な薬物は、一般に、冷蔵庫などの冷却デバイス内において約2℃~約8℃の範囲の温度で保管される。患者は、薬物を投与する前に、投与の快適性を補助するために、薬物の温度が上昇するまで待つことを推奨される。本明細書に記載される薬物送達デバイス、より具体的には、温度表示部は、薬物が注入に適した温度に達したときに関する正確な視覚表示を提供する。
【0019】
図を参照すると、いくつか又は全ての薬物送達構成要素が薬物送達デバイス100のハウジング102内に長手方向軸線Lに沿って積み重ねられた関係で配置されている、垂直に方向付けられた構成を有する、オートインジェクタの形態の一般的な薬物送達デバイス100が提供されている。より具体的な例として、デバイス100は、デバイス100が使用者の皮膚表面にほぼ垂直に方向付けられた状態で動作し、使用者に注入するように構成され得る。薬物送達デバイス100は、内容積102aと少なくとも1つの開口部104とを画定する前述のハウジング102と、容器110と、起動機構120と、針アセンブリ130と、温度表示部150とを含み得る。これらのそれぞれは、ハウジング102の内容積102a内に少なくとも部分的に配置されている。
【0020】
図1に示されるものを含むいくつかの実施形態では、薬物送達デバイス100は、オートインジェクタ又はペンインジェクタとして構成されてもよい。他の実施形態では、薬物送達デバイス100は、複合手持型デバイス、オンボディ型インジェクタなどのウェアラブル薬物送達デバイス、又は患者と取り外し可能に結合され得る携帯型輸液ポンプ、又はその複合物を含む任意の他の種類の手持型デバイスの形態であってもよい。薬物送達デバイス100は、患者に薬物を皮下的に又は経皮的に送達するように動作させてもよい。薬物送達デバイス100は、一定の又は患者/操作者が設定可能な用量の薬物を、一定の及び/又は患者/操作者が設定可能な時間にわたって自動的に送達するように構成されてもよい。薬物送達デバイス100は、患者による自己投与が意図されてよく、いくつかの例では、介護者又は注射を投与するための正式な訓練を受けた医療提供者によって使用されてもよい。
【0021】
容器110は、外部表面110a及び内部容積112を含む。容器110(いくつかの例では、一次容器と呼ばれる場合がある)は更に、その内部容積112内にピストン114を収容する。ピストン114は、容器110内に、長手方向軸線「L」に沿って可動自在に配置されており、内面115を含む第1端部114aを有する。容器110の内面及びピストン114の内面115は、薬物又は薬剤101を収容するためのリザーバを画定する。概して、少なくとも1つの開口部104は、薬物投与前、薬物投与中、及び薬物投与後に、目視検査を完了させるために並びに/又は残りの薬物及び/若しくは薬剤101の量を判断するために、使用者が容器110の外部表面110aの少なくとも一部分を見ることを可能にするために、容器110と整合されている。
【0022】
送達前にリザーバ内に収容される薬物101の量は、約(例えば、±10%)0.5~20mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)0.5~10mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~10mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~8mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~3.5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~3mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~2.5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~2mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)4mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)3.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)3mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)2.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)2mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)1.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)1mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)2mL以上の任意の量、又は約(例えば、±10%)2.5mL以上の任意の量、又は約(例えば、±10%)3mL以上の任意の量であってもよい。リザーバには薬物又は薬剤101が完全に又は一部充填されてもよい。薬物又は薬剤101は、例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、PCSK9(プロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)特異抗体、スクレロスチン抗体、又はカルシトニン遺伝子関連ペプチド抗体(CGRP)など、以下、「薬物情報」の表題下に記載する薬物のうちの1つ以上であってもよい。
【0023】
起動機構120は、容器110内においてピストン114を駆動させるためにピストンロッド122に結合されている。起動機構120は、薬物又は薬剤101を容器110から押し出すための力を作用させることができる任意の数の適切な構成要素の形態であってもよい。いくつかの例では、起動機構120は、薬物送達を開始するために使用者によって係合可能であり得る例えばボタンなどの使用者入力デバイス124を含んでもよい。いくつかの例では、薬物送達デバイス100は、起動機構120の動作を制御するために、使用者入力デバイス124と電気的及び/又は機械的に通信する制御部126を含んでもよい。
【0024】
針アセンブリ130は、針及び/又はカニューレ132を挿入して薬物又は薬剤101を送達するための起動機構120と動作的に結合されている。より具体的には、針アセンブリ130は、長手方向軸線Lに沿って方向付けられた針及び/又はカニューレ132と、リザーバを針及び/又はカニューレ132に流体的に結合する流路134と、使用者内の所望の皮下深さまで針及び/又はカニューレ132を挿入するように構成された作動アセンブリ136とを含む。いくつかの手法では、作動アセンブリ136は、針及び/若しくはカニューレ132を露出させるための後退可能な針ガード、又は針及び/若しくはカニューレ132を長手方向に所望の距離移動させるための駆動機構であり得る。
【0025】
いくつかの例では、起動機構120は、容器110、流路134並びに/又は針及び/若しくはカニューレ132の任意の組み合わせを移動させることにより、ピストン114並びに針及び/又はカニューレ132の両方の移動を駆動するように構成されてもよい。一般的に構成されるように、駆動機構108及び針挿入機構116などのデバイス100の構成要素の1つ以上は、ハウジング102の外側においてアクセス可能な使用者入力デバイス124の作動に応じて動作可能であり得る。適切な起動機構120としては、ばね、ガス源、相変化材料、モータ、又はその他の電気機械システムが挙げられるが、これらに限定されない。前述したように、制御部126は、薬物送達構成要素のうちの1つ以上の動作を制御することができる。
【0026】
図1は、長手方向軸線Lに沿って中央に配置された構成要素を示すが、構成要素の1つ以上は、ハウジング102内において長手方向軸線Lから離心して配置することができ、それでもなお、積み重ねられた関係であるとみなされることは理解されるであろう。一例では、積み重ねられた関係の薬物送達構成要素を有するオートインジェクタ薬物送達デバイスは、針及び/又はカニューレ132と同軸に整合された容器110に対応する。好適なオートインジェクタデバイスの例は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年1月17日に出願された米国特許出願第62/447,174号明細書に記載されている。
【0027】
温度表示部150は、温度変化に応じてその視覚的性質を変化させる可逆的熱変色性センサの形態であってもよい。より具体的には、温度表示部150は、容器110の外部表面110aと熱的に結合される液晶及び/又はロイコ染料部材の形態であってもよい。いくつかの例では、温度表示部150は、容器110の外部表面110aに直接取り付けられた及び/又は付着させた円板部材の形態であってもよい。他の例では、温度表示部150は、容器110に取り付けられたラベル、ストリップ、又は塗装された構成要素の形態であってもよい。温度表示部150又はラベルは、ポリプロピレン、ポリエステル、LDポリエチレン、ポリオレフィン、紙、ビニル、及び/又はこれらの組み合わせから作製されてもよい。温度応答性成分は、水性インク、溶剤性インク、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。他の好適な材料例も可能である。容器110との物理的密着により高い熱応答性がもたらされるように、温度表示部150は、高熱伝導率及びエラストマー特性を有する材料から作製されてもよい。
【0028】
いくつかの例では、温度表示部150は、例えば、約15℃~約35℃、好ましくは約22℃~約28℃の投与温度などの指定温度範囲に応答し得る。他の好適な温度範囲例も可能である。いくつかの例では、温度表示部150は、低温に曝されたときには第1の色及び/又はパターン(例えば、ほぼ透明)であってもよく、薬物投与に適したより高い温度に曝されたときには第2の色及び/又はパターン(例えば、緑色)に移行してもよい。いくつかの例では、温度表示部150は、逆の手法で色を変化させてもよい。
【0029】
図1及び図2に示されるように、薬物送達デバイス100の第1の実施形態において、温度表示部150は、容器の外部表面110aと結合され、容器の外部表面110aに配置されている。温度表示部150は、使用者が開口部104を通して見て、温度表示部150の色を認識する(ことはもとより、薬物又は薬剤101が微粒子、変色及び/又は異常を含むかどうかを観察する)ことができ、したがって、薬物又は薬剤101が適切な投与温度であるかどうかを認識することができるように、開口部104とともに配置されている。このような構成は、薬物又は薬剤101との近接性を有利に提供する。より具体的には、温度表示部150は容器110と熱的に結合されているため、冷蔵ユニットから取り出されたことにより容器110の温度が上昇すると、温度表示部150は、色を変化させることにより温度の上昇を反映させる。
【0030】
温度表示部250を含む薬物送達デバイス200の第2の実施形態が図3図5に示されている。図3図5に示される薬物送達デバイス200は、薬物送達デバイス100に類似する特徴を含み得、したがって、図3図5に示される要素は、図1及び図2に示す実施形態に示されるものに100を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス200に組み込むことができると認識される。
【0031】
この実施形態では、ハウジング202は、温度表示部250を特に視認するための別個の開口部204を含む。換言すると、ハウジング202は、容器210及び容器210内に収容された薬物又は薬剤201を視覚的に検査するために使用され得る上述の開口部204並びに温度表示部250への視覚的アクセスを提供するために使用される追加の開口部204’を含む。開口部204’は、1つ又は複数の開口部204から約90°に配置され得るが、他の適切な配置例も可能である。更に、温度表示部250(ゆえに、各開口部204’)の断面形状、サイズ及び/又は厚さは、薬物送達デバイス200の設計及びハウジング202内における容器210の位置に応じてカスタマイズされ得ると認識される。
【0032】
薬物送達デバイス200の準備中、視覚表示部250が開口部204’と適切に整合されるようにするために注意を払わなければならない。別個の開口部204’を使用することにより、残りの1つ又は複数の開口部204は、視覚的に遮断されず、検査のためにアクセス可能であり得る。
【0033】
温度表示部350を含む薬物送達デバイス300の第3の実施形態が図6及び図7に示されている。図6及び図7に示される薬物送達デバイス300は、薬物送達デバイス100、200に類似する特徴を含み得、したがって、図6及び図7に示される要素は、図1図5に示す実施形態に示されるものに100又は200を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100及び/又は薬物送達デバイス200に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス300に組み込むことができると認識される。
【0034】
この実施形態では、温度表示部350は、温度表示部350の側壁351に沿って配置された熱絶縁層352を更に含む。熱絶縁層352は、ハウジング302からの熱絶縁を提供し、容器310の外部表面310aと温度表示部350の視覚的に露出した表面との間に等温経路を設けるのに役立つ。熱絶縁層352は、単一又は複数のエアポケットを捕捉することができる、例えば、織布、ガラス繊維、フルオロポリマー、発泡体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ(エチレンテレフタレート)又はポリオレフィンなどのいくつかの材料から作製されてもよい。他の好適な材料が使用されてもよい。前述のように、温度表示部350は、高熱伝導率及びエラストマー特性を有する材料から作製されてもよい。
【0035】
温度表示部450を含む薬物送達デバイス400の第4の実施形態が図8に示されている。図8に示される薬物送達デバイス400は、薬物送達デバイス100、200、及び300に類似する特徴を含み得、したがって、図8に示される要素は、図1図7に示す実施形態に示されるものに100、200、又は300を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100、薬物送達デバイス200、及び/又は薬物送達デバイス300に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス400に組み込むことができると認識される。
【0036】
この実施形態では、温度表示部450は、透明材料及び/又は半透明材料から作製された窓部材456を更に含む。この例では、窓部材456は、温度表示部450と結合され、且つ当接している。温度表示部450の色及び/又はパターンの任意の変化を、窓部材456を通して見ることができる。前述のように、温度表示部450並びに窓部材456の材料、形状及び/又は構成は、温度表示部450が容器410の外部表面410aと物理的に接触することを確実にするように選択され得る。
【0037】
温度表示部550を含む薬物送達デバイス500の第5の実施形態が図9図11に示されている。図9図11に示される薬物送達デバイス500は、薬物送達デバイス100、200、300及び400に類似する特徴を含み得、したがって、図9図11に示される要素は、図1図8に示す実施形態に示されるものに100、200、300、又は400を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100、薬物送達デバイス200、薬物送達デバイス300、及び/又は薬物送達デバイス400に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス500に組み込むことができると認識される。
【0038】
この実施形態では、温度表示部550は、透明材料及び/又は半透明材料から作製された窓部材556を更に含む。しかしながら、この例では、窓部材556は、開口部504’に形成される凹部を低減する及び/又は排除するために、ハウジング502とほぼ面一になるように配置されている。窓部材556は、使用者が開口部504’を通して温度表示部550を見るのを補助することができる拡大窓の形態であってもよい。前述のように、温度表示部550、窓部材556の断面形状、サイズ及び/又は厚さ並びにこれらの相対位置は、薬物送達デバイス500の設計に応じて調整されてもよい。
【0039】
温度表示部650を含む薬物送達デバイス600の第6の実施形態が図12に示されている。図12に示される薬物送達デバイス600は、薬物送達デバイス100、200、300、400、及び500に類似する特徴を含み得、したがって、図12に示される要素は、図1図11に示す実施形態に示されるものに100、200、300、400、又は500を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100、薬物送達デバイス200、薬物送達デバイス300、薬物送達デバイス400、及び/又は薬物送達デバイス500に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス600に組み込むことができると認識される。
【0040】
この実施形態では、温度表示部650は、容器610の外部表面610aの一部分を完全に包囲するストリップの形態である。したがって、容器610、ゆえに、温度表示部650は、使用者が温度表示部650を見ることを可能にするための特定の開口部604と整合されている必要はない。図12には示していないが、ハウジング602は、温度表示部650を特に見るための追加の開口部を含んでもよい。
【0041】
温度表示部750を含む薬物送達デバイス700の第7の実施形態が図13に示されている。図13に示される薬物送達デバイス700は、薬物送達デバイス100、200、300、400、500、及び600に類似する特徴を含み得、したがって、図13に示される要素は、図1図12に示す実施形態に示されるものに100、200、300、400、500、又は600を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100、薬物送達デバイス200、薬物送達デバイス300、薬物送達デバイス400、薬物送達デバイス500及び/又は薬物送達デバイス600に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス700に組み込むことができると認識される。
【0042】
この実施形態では、温度表示部750は、容器710の外部表面710aに付着させたラベルの形態である。このようなラベルは、製造プロセス中に容器710に付着させてもよい。
【0043】
温度表示部850を含む薬物送達デバイス800の第8の実施形態が図14図16に示されている。図14図16に示される薬物送達デバイス800は、薬物送達デバイス100、200、300、400、500、600及び700に類似する特徴を含み得、したがって、図14図16に示される要素は、図1図13に示す実施形態に示されるものに100、200、300、400、500、600又は700を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100、薬物送達デバイス200、薬物送達デバイス300、薬物送達デバイス400、薬物送達デバイス500、薬物送達デバイス600及び/又は薬物送達デバイス700に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス800に組み込むことができると認識される。
【0044】
この実施形態では、温度表示部850は、プログレッシブディスプレイの形態である。より具体的には、図示される例では、温度表示部850は、第1の温度表示部850a、第2の温度表示部850b、及び第3の温度表示部850cを含む。各温度表示部850a、850b、850cは、異なる温度応答範囲を有する。より具体的には、第1の温度表示部850aは、温度表示部850が第2の色又はパターンに変化する際にどのように見えるかの視覚表示を提供する「対照」として機能するように構成されている。したがって、第1の温度表示部850aは、デバイス800の典型的な使用時に起こる温度変化に応答しないように構成されてもよい。
【0045】
第2の温度表示部850bは、第2の温度範囲に応答してもよい。例えば、第2の温度表示部850bは、容器810の外部表面810a(ゆえに、薬物又は薬剤801)が約10℃~約16℃の時に色及び/又はパターンを変化させてもよい。第3の温度表示部850cは、第3の温度範囲に応答してもよい。例えば、第3の温度表示部850cは、容器810の外部表面810a(ゆえに、薬物又は薬剤801)が約18℃~約20℃の時に色及び/又はパターンを変化させてもよい。
【0046】
したがって、図14に示されるように、薬物送達デバイス800の温度が約9℃未満のままの場合、第1の温度表示部850aのみが色及び/又はパターンの「変化」を呈する。図15に示されるように、薬物送達デバイス800が約10℃~約16℃の温度まで加温されると、第2の温度表示部850bは第1の温度表示部850aと同じ色及び/又はパターンに変化する。図16に示されるように、薬物送達デバイス800が約18℃~約20℃の温度まで加温されると、第3の温度表示部850cは第1の温度表示部850a及び第2の温度表示部850bと同じ色及び/又はパターンに変化する。いくつかの例では、第1の温度表示部850aは使用されない場合がある。
【0047】
温度表示部950を含む薬物送達デバイス900の第9の実施形態が図17図19に示されている。図17図19に示される薬物送達デバイス900は、薬物送達デバイス100、200、300、400、500、600、700及び800に類似する特徴を含み得、したがって、図17図19に示される要素は、図1図16に示す実施形態に示されるものに100、200、300、400、500、600、700又は800を足した類似の参照番号によって示されることは理解されるであろう。したがって、これらの特徴についてはあまり詳細に説明しない。更に、薬物送達デバイス100、薬物送達デバイス200、薬物送達デバイス300、薬物送達デバイス400、薬物送達デバイス500、薬物送達デバイス600、薬物送達デバイス700及び/又は薬物送達デバイス800に関して説明したいずれの要素も薬物送達デバイス900に組み込むことができると認識される。
【0048】
この実施形態では、温度表示部950もまた、プログレッシブディスプレイの形態である。この例では、第1の温度表示部950a、第2の温度表示部950b、及び第3の温度表示部950cは、容器910の外部表面910aに巻き付いた細長いストリップ及び/又はラベルである。
【0049】
容器の温度は、ハウジングの温度に必ずしも等しいとは限らない可能性があるため、このように構成されることで、説明した温度表示部を、ハウジングとは対照的に容器と熱的に結合することにより、温度表示部はより正確な温度を特定することができる。更に、本設計により、使用者が温度表示部に意図せずに触れる(これは誤った温度表示をもたらすおそれがある)可能性を低下させる及び/又は排除する。
【0050】
薬物送達デバイス及び温度表示部は、任意の数の適切な代替物を含み得ると認識される。例えば、図示しないが、代替的な薬物送達デバイスは、それ自体が容器に接触する導電材料に結合された温度表示部を組み込んでもよい。このような構成は、実装及び使用を支援し得る。いくつかの例では、金属部材の形態であり得る熱伝導性材料が、デバイスハウジングへと成形され、容器と接続される。
【0051】
更に、いくつかの例では、温度センサは、使用者が容器内の薬物又は薬剤を見ることを阻止するおそれのあるあらゆる視覚的妨害を低減するために、ピストンの位置に又はその近傍に配置されるように位置決めされてもよい。
【0052】
上述の記載では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物、並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー同等品を含むがこれらに限定されない薬物を更に含み得る又はこれらとともに使用され得る。本明細書で使用する場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用することができ、伝統的及び非伝統的な医薬品、栄養補助食品、サプリメント、生物学的製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンバク質、小分子、及びジェネリック医薬品を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用され得る。非治療的な注入可能材料も含まれる。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成されたものであってもよい。以下の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0053】
薬物はリザーバ内に収容される。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填される又は予め充填される、のいずれかである一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジであり得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよい、又はそれらとともにデバイスを使用することができる。このようなG-CSF製剤には、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006、ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が含まれるが、それらに限定されない。
【0055】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容してもよく、又はこれとともに使用されてもよい。ESAは、赤血球産生を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球産生刺激タンパク質である。本明細書で使用される場合、「赤血球産生刺激タンパク質」は、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによって、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体、エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体、又はエリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0056】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質等;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などの、ヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体等であるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(「B7RP-1」、B7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される);例えば145c7などの、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;ヒトIFN γ特異抗体を含むがそれに限定されない、及び完全ヒト抗IFN γ抗体を含むがそれに限定されない、IFN γ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質等;TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むがそれらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むがそれに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-トレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-トレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新規赤血球産生刺激タンパク質(NESP)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー、又は乳癌又は胃癌の治療用のトラスツズマブを含有する別の製品、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、パキセリズマブ(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP IIb/IIia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンα-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF trap(IgG1のFcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチミブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツムマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗クロストリジウム・ディフィシル毒素A及び毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、及び抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0057】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後骨粗鬆症の治療及び/又は骨折治癒用のロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)を収容してもよい又はこれらとともに使用されてもよい。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよい又はこれらとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがそれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填されてもよい、又はデバイスは、これらとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されない内在性メタロプロテイナーゼ組織阻害剤(TIMP)を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療用のエレヌマブを含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。エレヌマブ、及びCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれに限定されない二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))抗体を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNFαモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)(Janssen Biotech,Inc.)のバイオシミラー、又は自己免疫疾患の治療用のインフリキシマブを含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、又は多発性骨髄腫の治療用のカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、又は様々な炎症性疾患の治療用のアプレミラストを含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)又は血液透析を受ける慢性腎臓病(KD)の患者などの二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療用のエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、又は抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF阻害剤などのVEGF阻害剤及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(VEGFR1のIgドメイン2及びVEGFR2のIgドメイン3、IgG1のFcドメインに融合)を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、又は補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロジバフスプアルファ(旧AMG570)(ICOSLとBAFFの活性を同時に阻害する新規の二重特異性抗体-ペプチド結合体)を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、オメカムチブメカルビル(小分子選択的心筋ミオシン活性化剤)又はミオトロープ(心臓の収縮機構を直接標的とする)又は小分子選択的心筋ミオシン活性化剤を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(旧AMG510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、テゼペルマブ、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG714、インターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG890、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を低下させる低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を低下させる低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有する及び/若しくはヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)又はAmgevita(商標)(旧ABP501)(モノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトモノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1を包含する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG160、又は半減期延長型(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)x抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を包含する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)拮抗薬及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG171、又は成長分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG199、又は半減期延長型(HLE)二重特異性T細胞誘導体構築物(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG256、又は抗PD-1xIL21ムテイン及び/又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞のインターロイキン21(IL-21)経路を選択的にオンにするように設計されたIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG330、又は抗CD33x抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG404、又は充実性腫瘍の患者の治療法として研究されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG427、又は半減期延長型(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)x抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG430、又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG506、又は充実性腫瘍の治療薬として研究されている多重特異性FAPx4-1BB標的DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG509、又は二価T細胞誘導体を含有し、XmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計されている別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG562、又は半減期延長型(HLE)CD19xCD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバロイキンアルファ(旧AMG592)、又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デ
バイスは、AMG596、又はCD3x上皮増殖因子レセプターvIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)分子を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG673、又は半減期延長型(HLE)抗CD33x抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG701、又は半減期延長型(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)x抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG757、又は半減期延長型(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)x抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG910、又は半減期延長型(HLE)上皮細胞密着結合タンバク質クローディン18.2xCD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導体)構築物を含有する別の製品を収容してもよい又はこれとともに使用してもよい。
【0058】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、それらは例示的な実施形態に限定されるものではない。発明を実施するための形態は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。
【0059】
当業者であれば、本明細書に開示される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
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【国際調査報告】