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特表2022-552199(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法
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  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図1
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図2
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図3
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図4
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図5
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図6
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図7
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図8A
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図8B
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図9A
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図9B
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図10
  • 特表-(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによる天疱瘡を処置する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20221208BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 31/56 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P17/00
A61P17/02
A61P37/02
A61P43/00 121
A61K31/56
A61K31/573
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520968
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 US2020054809
(87)【国際公開番号】W WO2021072095
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/913,029
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/942,877
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513288724
【氏名又は名称】プリンシピア バイオファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】アン・ニーレ
(72)【発明者】
【氏名】ドルカ・トーマス
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB06
4C086DA08
4C086DA10
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB07
4C086ZC75
(57)【要約】
それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日1回(QD)または1日2回(BID)投与することを含む、天疱瘡を処置する方法を本明細書に開示する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日1回(QD)少なくとも14日間投与することを含む、前記天疱瘡を処置する方法。
【請求項2】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで少なくとも14日間投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与することを含む、請求項1または7に記載の方法。
【請求項9】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与することを含む、請求項1、7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与することを含む、請求項1、7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与することを含む、請求項1、7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与することを含む、請求項1、7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をQDで14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008をBIDで14~154日間投与することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をQDで14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで最大140日間投与することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで56日間投与することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日2回(BID)少なくとも14日間投与することを含む、前記天疱瘡を処置する方法。
【請求項19】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14~84日間投与することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14日間投与することを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで28日間投与することを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項22】
ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで84日間投与することを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項23】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで14~84日間投与することを含む、請求項18または23に記載の方法。
【請求項25】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで14日間投与することを含む、請求項18、23または24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで28日間投与することを含む、請求項18、23または24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで84日間投与することを含む、請求項18、23または24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで28日間より長く投与することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで33日間投与することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される、請求項28~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、600mgの第2の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで22日間投与することを含む、実施形態33または34に記載の方法。
【請求項36】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで28日間より長く投与することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで56日間投与することを含む、請求項33または36に記載の方法。
【請求項38】
PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される、請求項33~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項40】
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される、請求項39~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
PRN1008を、0.5mg/kg/日以下の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む、請求項1~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
第1の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする、請求項1~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~60ポイントを特徴とする、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
ヒト患者は、PRN1008の投与前の、0.5mg/kg/日以下の維持用量の第2の副腎皮質ステロイドを特徴とする、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じである、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じではない、請求項49または50に記載の方法。
【請求項53】
PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)異性体を含む、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(Z)異性体を含む、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
尋常性天疱瘡を処置することを含む、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
落葉状天疱瘡を処置することを含む、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を低減することを含む、請求項1~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも20%低減することを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも50%低減することを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
確認された天疱瘡病変を治癒させることを含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む、請求項1~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む、請求項1~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
PDAI皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0または1を特徴とする、請求項1~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
ヒト患者は、PRN1008の投与後の、PDAI皮膚スコア0を特徴とする、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
ヒト患者は、PRN1008の投与後の、PDAI皮膚スコア1を特徴とする、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
天疱瘡の疾患活動性の制御を達成することをさらに含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
天疱瘡の強化段階の終了を達成することをさらに含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
確認された天疱瘡病変の60%超が治癒した、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
完全寛解を達成することを含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
PRN1008は、ヒト患者に経口投与される、請求項1~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
PRN1008は、ヒト患者に少なくとも1つの錠剤の形態で投与される、請求項1~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
PRN1008は、コップ1杯の水と共に投与される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
PRN1008は、食物と共に投与される、請求項1~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
PRN1008は、食物を伴わず投与される、請求項1~75のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年10月9日に出願された米国仮出願第62/913,029号および2019年12月3日に出願された米国仮出願第62/942,877号の優先権を主張し、これらのそれぞれの内容はそれらの全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0002】
ヒト患者に(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することによって、それを必要とするヒト患者における例えば尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)などの天疱瘡を処置する方法、例えば、患者に(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの用量を1日1回(QD)または1日2回(BID)投与することを含む方法が本明細書で開示される。天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団においてある特定の転帰を達成する方法であって、ヒト患者集団の各メンバーに(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルを投与することを含む方法も本明細書で開示される。
【背景技術】
【0003】
ブルトン型無ガンマグロブリン血症チロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞受容体(BCR)、Fc-ガンマ受容体(FcγR)、およびFc-イプシロン受容体(FcεR)の下流の必須のシグナル伝達要素である。BTKは非受容体型チロシンキナーゼであり、キナーゼのTECファミリーのメンバーである。BTKはB細胞系列の成熟に必須であり、細胞におけるBTK活性の阻害はBCRの遮断と一致する表現型変化をもたらす。実例として、BTK阻害は、細胞増殖、分化、成熟、および生存を含む様々なB細胞活動の下方調節、ならびにアポトーシスの上方調節をもたらす。
【0004】
BTKは、「オン/オフスイッチ」様式で作用するというよりは、最も適切には免疫機能「モジュレーター」とみなすことができる(非特許文献1;非特許文献2)。BTK機能についての重要な洞察は、ヒトおよびマウスにおける機能喪失分析から得られる。BTK遺伝子における機能喪失変異を有する個体は、循環B細胞および形質細胞の完全な欠如、ならびに全てのクラスの免疫グロブリンの非常に低いレベルを特徴とするX連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)を発症する(非特許文献3、非特許文献4)。これはBTK阻害が、例えば尋常性天疱瘡(PV)などの自己免疫疾患の発症において重要であると考えられる自己抗体の産生を抑制する可能性を示す。
【0005】
BTKはT細胞、ナチュラルキラー細胞、および形質細胞において発現されず、T細胞および形質細胞において追跡可能な直接的機能を有していないが(非特許文献5;非特許文献6)、この酵素は好塩基球、肥満細胞、マクロファージ、好中球、および血小板などの他の造血細胞の活性化も調節する。例えばBTKは好中球の活性化において役割を果たし、好中球は、創傷治癒に寄与する炎症反応における重要なプレーヤーであるが、組織損傷を引き起こすこともある(非特許文献7)。
【0006】
したがって、選択的BTK阻害剤は、BCR媒介B細胞経路をモジュレートすること、ならびに単球およびマクロファージからのFcγR誘導サイトカイン放出、FcεR誘導肥満細胞脱顆粒、顆粒球遊走、およびメディエーター放出を阻害することを含む、炎症および自己免疫に関与する複数の経路を標的化する可能性を有する。これらの効果に基づいて、選択的BTK阻害剤は、様々な炎症疾患の開始および進行を遮断し、これらの疾患に起因する組織損傷を軽くすることができる。BTK遺伝子における機能喪失変異を有する個体は、低下した液性免疫を有し、静脈内免役グロブリンによる処置を必要とする化膿菌およびエンテロウイルス感染症にかかりやすいが、無傷の免疫系を有する個体におけるBTKの阻害は、同様の感染感受性をもたらすと予測されない。
【0007】
天疱瘡は、皮膚および/または粘膜上の消耗性上皮内水疱およびびらんを引き起こす稀なB細胞媒介自己免疫疾患である。天疱瘡患者において観察される特徴的な上皮内水疱は、ある特定の角化細胞デスモソーム接着タンパク質、デスモグレイン1および3(Dsg1およびDsg3)にIgG自己抗体が結合し、細胞接着の喪失をもたらすことに起因する(非特許文献8;非特許文献9)。例えばPVは表皮タンパク質に対する自己抗体によって引き起こされる。
【0008】
天疱瘡はおよそ0.1~0.5/100,000人を毎年侵し、一般的に、損傷した組織から生じる感染症および処置の副作用により10%の死亡率を有する(非特許文献10;非特許文献11)。天疱瘡は、治療法がない慢性疾患であるので、ほとんどの天疱瘡患者は既存の症例である。初発天疱瘡の現在の標準治療は、単独でのまたはリツキシマブ、ミコフェノール酸モフェチル、もしくはアザチオプリンなどの他の免疫抑制薬と組み合わせた(非特許文献13)高用量副腎皮質ステロイド(CS)(0.5~1.5mg/kg/日)(非特許文献12)である。実例としてPVは、副腎皮質ステロイドの抗炎症効果に急性的に反応し、5~35週間以内に抗CD20療法によるB細胞枯渇に反応する(非特許文献14)。
【0009】
B細胞表面マーカーCD20に対するキメラモノクローナル抗体であるリツキシマブは、新しく診断された患者において行われ、CS単独と比較してステロイドフリー/無処置完全寛解(CR)率を改善した研究に基づいて、中等度~重度の尋常性天疱瘡(PV)の処置のためにFDAおよび欧州医薬品庁(EMA)によって最近承認された(非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17)。しかし、リツキシマブで処置された患者は、ステロイド漸減が開始される前の2~3カ月間は依然として中~高ステロイド用量(0.5~1.0mg/kg/日)を必要とし、どの無作為化対照研究も、再発患者または落葉状天疱瘡(PF)を有する患者においてリツキシマブの効能を判定していない。静脈内免役グロブリン(IVIG)、血漿交換、および体外循環式光化学療法(非特許文献18)のような他の天疱瘡処置は、いくつかの利益を有するが、無作為化対照試験または大規模患者集団においてまだ評価されていない(非特許文献19;非特許文献20)。したがって、改善された安全性プロファイルを有する、即効性で、ステロイドを控え、簡便に投与される免疫調節療法が大いに必要とされている。
【0010】
B細胞は、天疱瘡病理に関与する自己抗体の産生および細胞耐性機構において重要な役割を果たし、したがって天疱瘡処置のための興味を引く標的として存在する。例えばBTK阻害は天疱瘡の魅力的な治療戦略である。
【0011】
イブルチニブ(PCI-32765)およびスペブルチニブ(CC-292)を含むいくつかの経口投与BTK阻害剤(BTKi)は、現在販売されている、または様々な適応症のために臨床開発中である(非特許文献21)。例えばイブルチニブは、BTK標的のさらなる臨床検証を提供し、マントル細胞リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および慢性リンパ球性白血病におけるヒト使用について米国食品医薬品局(FDA)によって最近承認され、他の血液悪性腫瘍における活性も実証した(非特許文献22、非特許文献23、非特許文献24)。加えてCC-292は、BTK酵素の100%占有率をもたらす用量で、健康なボランティア集団において忍容性が良好であることが報告されている(非特許文献25)。さらに、エボブルチニブは第2相試験において多発性硬化症への効能を最近実証した(非特許文献26)。他のBTKi化合物は、免疫性血小板減少症(NCT03395210)、リウマチ性関節炎(NCT03823378、NCT03682705、NCT03233230)、および喘息(NCT03944707)などの様々な免疫媒介障害のために臨床開発中である(非特許文献26;非特許文献27;非特許文献28;非特許文献29;非特許文献30;非特許文献31;非特許文献32)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Crofford LJら、2016
【非特許文献2】Pal Singh Sら、2018
【非特許文献3】Tsukada 1993
【非特許文献4】Vetrie 1993
【非特許文献5】Sideras and Smith 1995
【非特許文献6】Mohamedら、2009
【非特許文献7】Volmering Sら、2016
【非特許文献8】Amagai Mら、2012
【非特許文献9】Diaz LAら、2000
【非特許文献10】Scullyら、2002
【非特許文献11】Scullyら、1999
【非特許文献12】Murrell DFら、2018
【非特許文献13】Kasperkiewicz Mら、2017
【非特許文献14】Horvathら、2012
【非特許文献15】Joly Pら、2017
【非特許文献16】RITUXAN Prescribing Information
【非特許文献17】Cianchiniら、2007
【非特許文献18】Harman KEら、2017
【非特許文献19】Amagai Mら、2009
【非特許文献20】Martin LKら、2009
【非特許文献21】Lee Aら、2017
【非特許文献22】Wang 2013
【非特許文献23】Byrd 2013
【非特許文献24】Imbruvica Package Insert、2015
【非特許文献25】Evans 2013
【非特許文献26】Montalban Xら、2019
【非特許文献27】Norman P 2016
【非特許文献28】Tam CSら、2018
【非特許文献29】Crawford JJら、2018
【非特許文献30】Min TKら、2019
【非特許文献31】Gillooly KM 2017
【非特許文献32】Nadeem Aら、2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
イブルチニブおよびアカラブルチニブなどの共有結合型BTKiは、多くの第1世代キナーゼ阻害剤を悩ませた選択性の問題を改善したが、これらの阻害剤は典型的には不可逆性であり、オンおよびオフターゲットキナーゼの両方の永久的改変ならびに血小板減少症、貧血、血小板凝集、および肝毒性などの副作用を引き起こす(RITUXAN Prescribing Information、2018;Drug Record Kinase Inhibitors、2019;Khan Yら、2019;Paydas S、2019;IMBRUVICA、2013;Rigg RAら、2016;Tang CPSら、2018)。したがって、副作用を低減したBTKiに基づく、例えば天疱瘡などの免疫媒介疾患のための処置法が必要とされている。
【0014】
化合物(I)は、以下の構造:
【化1】
(式中、*Cは立体化学中心である)のBTK阻害剤である。参照によって本明細書に組み入れられるPCT公開第WO2014/039899号、例えば実施例31を参照されたい。
【0015】
以下の構造:
【化2】
を有する(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルはPRN1008およびリルザブルチニブとしても知られている。この化合物は、例えばPCT公開第WO2014/039899号、同第WO2015/127310号、同第WO2016/100914号、同第WO2016/105531号、および同第WO2018/005849号などのいくつかの特許公報において開示されており、これらのそれぞれの内容は参照によって本明細書に組み入れられる。
【0016】
PRN1008は、BTK経路のB細胞受容体、FCγR、および/またはFcεRシグナル伝達を介する非T細胞白血球シグナル伝達の新規の高度に選択性の低分子阻害剤である。PRN1008は可逆性共有結合型BTK阻害剤として機能し、その標的と非共有結合および共有結合の両方を形成し、選択性の増強および阻害の延長を可能にする。第1および第2世代BTKiと比較して、PRN1008は他の分子との最小の交差反応性を示し、オフターゲット効果のリスクが低い(Smith PFら、2017)。重要なことに、PRN1008の可逆的結合は、永久に改変されるペプチドの可能性を最小にする(Serafimova IM 2012)。
【0017】
PRN1008は免疫媒介疾患の処置について励みになる結果を示した。PRN1008は、自己免疫疾患について開発が最も進んでいるBTKiであり(第3相、NCT03762265)、天疱瘡の処置において評価される最初のBTKiである。114人の健康なボランティアを用いたPRN1008の第1相研究において、目標BTK占有レベルは無事に一貫して超え、PRN1008がヒト天疱瘡および他の自己免疫疾患において非常に有効であり得ることを示唆した。さらに、前臨床および臨床PK/PDデータは、化合物が循環から一掃された後でさえ処置効果が持続することを示し、目標滞留時間の延長(Hill Rら、2015)および高い占有率(4時間以内で>90%)(Smith PFら、2015)と一致した。
【0018】
PRN1008は好ましい安全性プロファイルも実証した。前臨床生殖毒性研究に基づいて、PRN1008は胎児発生または雄の妊孕性を害すると予期されない。健康なボランティアにおける第1相研究において、最も多く報告された有害事象は、悪心/嘔吐および下痢を含む胃腸有害事象であった。重篤な有害事象も死亡も報告されず、どの参加者も有害事象により処置を中止しなかった(Smith PF、2017)。
【0019】
2018年1月18日時点で、PRN1008は天疱瘡(尋常性天疱瘡(PV)および落葉状天疱瘡(PF))を有する21人の患者に投与され、そのうち18人は4週間以上のPRN1008による処置を有した。PRN1008はこの研究において忍容性が良好であった。効能データを有する18人の患者のうち11人(61%)は、5週目の来院までに≦0.5mg/kg/日の副腎皮質ステロイド(CS)用量(低用量CS)での「疾患活動性の制御」(CDA)の主要エンドポイントを満たした。3人の患者はCSなしでCDAを達成した。2人の患者は疾患活動性の悪化により、PRN1008処置中に一時的に高用量CSを必要とした。4人の患者は完全寛解(CR)をCS 1~20mg/日で達成し、3人はCRを13週目に達成し(25%)、1人はCRを21週目に達成した。
【0020】
PRN1008の効能効果は、3つの同時の作用機序:抗炎症効果;病原性自己抗体の中和;および自己抗体産生の遮断によりもたらされる。PRN1008は、肥満細胞および好中球における炎症性細胞活性を阻害する(Langrish Cら、2019)。それはまた、抗体のFc領域からのシグナルを遮断することによって自己免疫反応を中和し、B細胞活性化および成熟を遮断することによって自己抗体生成を低減する(Langrish Cら、2019;Langrish CLら、2017)。これらの効果は、T細胞に直接影響を与えることも、B細胞枯渇を引き起こすこともなくもたらされる。PRN1008は、コラーゲン誘導関節炎を有するラット(Hill Rら、2015)および自然発生PFを有するイヌ(Murrell DF、2019)において疾患症状および転帰を改善し、PRN1008が炎症を阻害し、組織損傷を後退させることを示唆した(Langrish CLら、2017)。
【0021】
PVおよびPFの処置のためのPRN1008による第2相研究の結果が本明細書で考察される。
【課題を解決するための手段】
【0022】
それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日1回(QD)少なくとも14日間投与することを含む、天疱瘡を処置する方法を本明細書に開示する。
【0023】
一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与される。
【0024】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで少なくとも14日間投与することを含む。
【0025】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与される。
【0026】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日1回(QD)14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと
を含む。
【0027】
一部の実施形態では、ヒト患者は、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を、BIDで14~154日間投与される。
【0028】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大168日間投与される。
【0029】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日1回(QD)14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0030】
一部の実施形態では、ヒト患者は、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を、BIDで最大140日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を、BIDで56日間投与される。
【0031】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大168日間投与される。
【0032】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008を、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む。
【0033】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0034】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。
【0035】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~60ポイントを特徴とする。
【0036】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイドを特徴とする。
【0037】
一部の実施形態では、第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0038】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0039】
一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(Z)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む。
【0040】
一部の実施形態では、本方法は、尋常性天疱瘡を処置することを含む。
【0041】
一部の実施形態では、本方法は、落葉状天疱瘡を処置することを含む。
【0042】
それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日2回(BID)少なくとも14日間投与することを含む、天疱瘡を処置する方法もまた本明細書に開示する。
【0043】
一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14~84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで84日間投与される。
【0044】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008を、BIDで少なくとも14日間投与することを含む。
【0045】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで14~84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで84日間投与される。
【0046】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0047】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで28日間より長く投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで33日間投与される。
【0048】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される。
【0049】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、600mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0050】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで28日間より長く投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで22日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで56日間投与される。
【0051】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される。
【0052】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を、1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0053】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで28日間より長く投与される。
【0054】
一部の実施形態では、ヒト患者は、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。
【0055】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される。
【0056】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008を、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む。
【0057】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0058】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。
【0059】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~60ポイントを特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~45ポイントを特徴とする。
【0060】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイドを特徴とする。
【0061】
一部の実施形態では、第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0062】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0063】
一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(Z)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む。
【0064】
一部の実施形態では、本方法は、尋常性天疱瘡を処置することを含む。
【0065】
一部の実施形態では、本方法は、落葉状天疱瘡を処置することを含む。
【0066】
例示実施形態1:
限定されることなく、本開示の一部の実施形態は以下を含む:
1.それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日1回(QD)少なくとも14日間投与することを含む、天疱瘡を処置する方法。
2.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与することを含む、実施形態1に記載の方法。
3.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
4.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
5.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
6.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
7.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで少なくとも14日間投与することを含む、実施形態1に記載の方法。
8.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与することを含む、実施形態1または7に記載の方法。
9.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与することを含む、実施形態1、7または8のいずれか1つに記載の方法。
10.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与することを含む、実施形態1、7または8のいずれか1つに記載の方法。
11.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与することを含む、実施形態1、7または8のいずれか1つに記載の方法。
12.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与することを含む、実施形態1、7または8のいずれか1つに記載の方法。
13.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をQDで14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと
を含む、実施形態1に記載の方法。
14.ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を、BIDで14~154日間投与することを含む、実施形態13に記載の方法。
15.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をQDで14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、実施形態1に記載の方法。
16.ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで最大140日間投与することを含む、実施形態15に記載の方法。
17.ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで56日間投与することを含む、実施形態15に記載の方法。
18.それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日2回(BID)少なくとも14日間投与することを含む、天疱瘡を処置する方法。
19.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14~84日間投与することを含む、実施形態18に記載の方法。
20.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14日間投与することを含む、実施形態18または19に記載の方法。
21.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで28日間投与することを含む、実施形態18または19に記載の方法。
22.ヒト患者に、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで84日間投与することを含む、実施形態18または19に記載の方法。
23.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することを含む、実施形態18に記載の方法。
24.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで少なくとも14~84日間投与することを含む、実施形態18または23に記載の方法。
25.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで14日間投与することを含む、実施形態18、23または24のいずれか1つに記載の方法。
26.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで28日間投与することを含む、実施形態18、23または24のいずれか1つに記載の方法。
27.ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をBIDで84日間投与することを含む、実施形態18、23または24のいずれか1つに記載の方法。
28.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、実施形態18に記載の方法。
29.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、実施形態28に記載の方法。
30.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで28日間より長く投与することを含む、実施形態28に記載の方法。
31.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで33日間投与することを含む、実施形態28に記載の方法。
32.PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される、実施形態28~31のいずれか1つに記載の方法。
33.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、600mgの第2の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、実施形態18に記載の方法。
34.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、実施形態33に記載の方法。
35.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで22日間投与することを含む、実施形態33または34に記載の方法。
36.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで28日間より長く投与することを含む、実施形態33に記載の方法。
37.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで56日間投与することを含む、実施形態33または36に記載の方法。
38.PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される、実施形態33~37のいずれか1つに記載の方法。
39.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008をBIDで少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008をBIDで投与することと
を含む、実施形態18に記載の方法。
40.ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、実施形態39に記載の方法。
41.ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008をBIDで14~28日間投与することを含む、実施形態39または40に記載の方法。
42.PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される、実施形態39~41のいずれか1つに記載の方法。
43.PRN1008を、0.5mg/kg/日以下の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む、実施形態1~42のいずれか1つに記載の方法。
44.第1の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される、実施形態43に記載の方法。
45.ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする、実施形態1~44のいずれか1つに記載の方法。
46.ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする、実施形態1~45のいずれか1つに記載の方法。
47.ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする、実施形態1~46のいずれか1つに記載の方法。
48.ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~60ポイントを特徴とする、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法。
49.ヒト患者は、PRN1008の投与前の、0.5mg/kg/日以下の維持用量の第2の副腎皮質ステロイドを特徴とする、実施形態1~48のいずれか1つに記載の方法。
50.第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される、実施形態49に記載の方法。
51.第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じである、実施形態49または50に記載の方法。
52.第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じではない、実施形態49または50に記載の方法。
53.PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)異性体を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
54.PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(Z)異性体を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
55.PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
56.尋常性天疱瘡を処置することを含む、実施形態1~55のいずれか1つに記載の方法。
57.落葉状天疱瘡を処置することを含む、実施形態1~55のいずれか1つに記載の方法。
58.ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を低減することを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
59.ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも20%低減することを含む、実施形態58に記載の方法。
60.ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも50%低減することを含む、実施形態58に記載の方法。
61.確認された天疱瘡病変を治癒させることを含む、実施形態1~60のいずれか1つに記載の方法。
62.確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む、実施形態61に記載の方法。
63.新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む、実施形態1~62のいずれか1つに記載の方法。
64.天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む、実施形態1~63のいずれか1つに記載の方法。
65.PDAI皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む、実施形態64に記載の方法。
66.ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0または1を特徴とする、実施形態1~64のいずれか1つに記載の方法。
67.ヒト患者は、PRN1008の投与後の、PDAI皮膚スコア0を特徴とする、実施形態66に記載の方法。
68.ヒト患者は、PRN1008の投与後の、PDAI皮膚スコア1を特徴とする、実施形態66に記載の方法。
69.天疱瘡の疾患活動性の制御を達成することをさらに含む、実施形態1~60のいずれか1つに記載の方法。
70.天疱瘡の強化段階の終了を達成することをさらに含む、実施形態1~60のいずれか1つに記載の方法。
71.確認された天疱瘡病変の60%超が治癒した、実施形態70に記載の方法。
72.完全寛解を達成することを含む、実施形態1~60のいずれか1つに記載の方法。
73.PRN1008は、ヒト患者に経口投与される、実施形態1~72のいずれか1つに記載の方法。
74.PRN1008は、ヒト患者に少なくとも1つの錠剤の形態で投与される、実施形態1~73のいずれか1つに記載の方法。
75.PRN1008は、コップ1杯の水と共に投与される、実施形態74に記載の方法。
76.PRN1008は、食物と共に投与される、実施形態1~75のいずれか1つに記載の方法。
77.PRN1008は、食物を伴わず投与される、実施形態1~75のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
例示実施形態2:
限定されることなく、本開示の一部の実施形態は以下を含む:
1.尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法であって:
患者に、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日1回(QD)最小14日間~最大168日間投与することを含む、尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法。
2.患者に、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドを投与することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
3.患者は、PRN1008を14日間投与される、実施形態1または2に記載の方法。
4.患者は、PRN1008を28日間投与される、実施形態1または2に記載の方法。
5.患者は、PRN1008を84日間投与される、実施形態1または2に記載の方法。
6.患者は、PRN1008を168日間投与される、実施形態1または2に記載の方法。
7.PRN1008の用量を、14日後に400mgに、1日2回(BID)最小14日間から最大154日まで増加させることをさらに含む、実施形態1または2に記載の方法。
8.PRN1008の用量を、14日後に600mgに、BIDで最大140日まで増加させることをさらに含む、実施形態7に記載の方法。
9.600mgのBID用量は、56日間投与される、実施形態8に記載の方法。
10.PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者は、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
12.副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、またはメチルプレドニゾロンである、実施形態2または10に記載の方法。
13.PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
14.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の27%~29%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
15.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の43%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)28日間投与することを含み、患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
16.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の50%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)84日間投与することを含み、患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
17.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の53%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mgまで増加させてBIDで14日間投与することを含み、患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
18.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の80%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mgまで増加させてBIDで14日間投与し、さらに続いてPRN1008の用量を600mgまで増加させてBIDで56日間投与することを含み、患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
19.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の7%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)84日間投与することを含み、PRN1008の400mgのQD投与前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法。
20.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の13%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mgまで増加させてBIDで14日間投与し、続いて用量を600mgまでさらに増加させてBIDで56日間投与することを含み、患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法。
21.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の40%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mgまで増加させてBIDで14日間、続いて用量を600mgまでさらに増加させてBIDで140日間投与することを含み、それ以後に患者集団は28日間処置後追跡調査の対象となり、その追跡調査の間に、患者集団はPRN1008も副腎皮質ステロイドも投与されず;患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法。
22.患者集団における尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法であって、以下のような投薬レジメンを集団に投与することを含む:
(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、400mgのQD開始用量(1週目)で投与し、3週目に400mgまでのBIDおよび5週目に600mgまでのBIDが許された用量増加を伴い、投薬期間は25週で終了し;
用量増加の条件は、(a)疾患活動性の制御(CDA)を達成していないか、または(b)強化段階の終了(ECP)に達していない患者のいずれかであり;
疾患活動性の制御は、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVまたはPFからの確認された病変が治癒し始める来院と定義され;
強化段階の終了は、PVまたはPFからの新しい病変が最低2週間発症しておらず、PVまたはPFからの確認された病変の大半が治癒した来院と定義され;
患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法。
23.尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法であって:
患者に、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)168日間投与することを含み、PRN1008の投与を通して、患者はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法。
24.副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、またはメチルプレドニゾロンである、実施形態14~23のいずれか1つに記載の方法。
25.PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む、実施形態14~24のいずれか1つに記載の方法。
26.患者は、PRN1008の投与後、PDAIスコア1を有する(清浄な皮膚に近い)、実施形態14~25のいずれか1つに記載の方法。
27.尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法であって:
400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することを含む、尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法。
28.患者に、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドを投与することをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
29.400mgのBID用量は、最大84日間投与される、実施形態27または28に記載の方法。
30.400mgのBID用量は、14日間投与される、実施形態27または28に記載の方法。
31.400mgのBID用量は、28日間投与される、実施形態27または28に記載の方法。
32.最小14~28日後に、400mgのBID用量を、500mgのBIDまで増加させることをさらに含む、実施形態27または28に記載の方法。
33.33日後に、400mgのBID用量を、500mgのBIDまで増加させる、実施形態32に記載の方法。
34.最小14~28日後に、400mgのBID用量を、600mgのBIDまで増加させることをさらに含む、実施形態27または28に記載の方法。
35.22日後に、400mgのBID用量を、600mgのBIDまで増加させる、実施形態34に記載の方法。
36.56日後に、400mgのBID用量を、600mgのBIDまで増加させる、実施形態34に記載の方法。
37.14~28日後に、500mgのBID用量を、600mgのBIDまで増加させることをさらに含む、実施形態32に記載の方法。
38.400mgのBID用量の投与の前には、患者は、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、実施形態27~37のいずれか1つに記載の方法。
39.400mgのBID用量の投与の前には、患者は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有する、実施形態27~38のいずれか1つに記載の方法。
40.副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、またはメチルプレドニゾロンである、実施形態28または39に記載の方法。
41.PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む、実施形態27~40のいずれか1つに記載の方法。
42.患者は、PRN1008の投与後、PDAIスコア1を有する(清浄な皮膚に近い)、実施形態27~41のいずれか1つに記載の方法。
43.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の27%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
44.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の54%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)28日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
45.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の54%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)28日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
46.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の73%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法。
47.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の17%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法。
48.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の15%~17%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法。
49.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の25%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間投与することを含み、それ以後に患者集団は84日間処置後追跡調査の対象となり、その追跡調査の間に、患者集団はPRN1008も副腎皮質ステロイドも投与されず;患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法。
50.尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の23%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間投与することを含み、それ以後に患者集団は84日間処置後追跡調査の対象となり、その追跡調査の間に、患者集団はPRN1008も副腎皮質ステロイドも投与されず;患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法。
51.患者集団における尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法であって、以下のような投薬レジメンを集団に投与することを含む:
(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、400mgのBID開始用量(1週目)で投与し、500mgのBIDまたは600mgのBIDまで許された患者内の用量増加調整を伴い、投薬期間は13週で終了し;
用量増加の条件は、(a)疾患活動性の制御(CDA)を達成していないか、または(b)強化段階の終了(ECP)に達していない患者のいずれかであり;
疾患活動性の制御は、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVまたはPFからの確認された病変が治癒し始める来院と定義され;
強化段階の終了は、PVまたはPFからの新しい病変が最低2週間発症しておらず、PVまたはPFからの確認された病変の大半が治癒した来院と定義され;
患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法。
52.副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、またはメチルプレドニゾロンである、実施形態43~51のいずれか1つに記載の方法。
53.PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む、実施形態43~52のいずれか1つに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】第2相臨床試験(パートA)に登録された患者(n=26)のうち疾患活動性の制御(CDA)を2週間(27%)、4週間(54%)、および12週間(73%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートA)において、患者は12週間の処置期間にPRN1008 400mg BIDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。処置に関連しない有害事象(AE)により10日目に脱落した、パートAに登録された1人の患者は解析から除外された。
図2】第2相臨床試験(パートA)に登録された患者についての研究15日目(27%)、研究29日目(54%)、または研究85日目(73%)の疾患活動性の制御の奏効率(%)を示し、第2相臨床試験(パートA)において、患者は12週間の処置期間にPRN1008 400mg BIDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。エラーバーは95%信頼区間(CI)を示す。研究15および29日目でn=26。研究85日目でn=24。
図3】第2相臨床試験(パートA)に登録された患者(n=24)のうち完全寛解(CR)を12週間(17%)および24週間(処置12週間、処置終了後12週間)(25%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートA)において、患者は12週間の処置期間にPRN1008 400mg BIDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。パートAに登録された3人の患者は、10、43、および44日後の処置に関連しない有害事象により解析から除外された。
図4】第2相臨床試験(パートA)に登録された患者についての経時的なPDAIスコア(中央値(四分位範囲))を示し、第2相臨床試験(パートA)において、患者は12週間の処置期間にPRN1008 400mg BIDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。
図5】第2相臨床試験(パートA)に登録された患者についての経時的なPDAIスコア(平均±95%CI)を示し、第2相臨床試験(パートA)において、患者は12週間の処置期間にPRN1008 400mg BIDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。
図6】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(n=14)のうち疾患活動性の制御(CDA)を2週間(29%)、4週間(43%)、および12週間(50%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートB)において患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与された。パートAからパートBに移り、PRN1008 400mg BIDから開始した1人の患者は解析から除外された。
図7】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(n=15)のうち疾患活動性の制御(CDA)を2週間(27%)、4週間(53%)、および12週間(80%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートB)において、患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。パートAからパートBに移り、PRN1008 400mg BIDから開始した患者は解析に含まれた。
図8A】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(n=15)のうち疾患活動性の制御(CDA)を4週間(60%)および12週間(87%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートB)において、患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。パートAからパートBに移り、PRN1008 400mg BIDから開始した患者は解析に含まれた。エラーバーは、Clopper-Pearson法によって算出された80%CIを表す。
図8B】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(n=14)のうち疾患活動性の制御(CDA)を4週間(50%)および12週間(50%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートB)において患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与された。パートAからパートBに移り、PRN1008 400mg BIDから開始した患者は解析から除外された。エラーバーは、Clopper-Pearson法によって算出された80%CIを表す。
図9A】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(n=14)のうち完全寛解(CR)を12週間(13%)、24週間(33%)、および28週間(処置24週間、処置終了後4週間)(40%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートB)において、患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。パートAからパートBに移り、PRN1008 400mg BIDから開始した患者は解析に含まれた。
図9B】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(n=14)のうち完全寛解(CR)を12週間(7%)、24週間(7%)、および28週間(処置24週間、処置終了後4週間)(7%)で達成した患者のパーセンテージを示し、第2相臨床試験(パートB)において患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与された。パートAからパートBに移り、PRN1008 400mg BIDから開始した患者は解析から除外された。
図10】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(8週間はn=16、その後はn=15)についてのPDAIスコアの平均および中央値を示し、第2相臨床試験(パートB)において、患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。1人の患者は、天疱瘡の悪化により8週間後に研究から脱落し、8週間後のPDAIスコア算出に含まれなかった。
図11】第2相臨床試験(パートB)に登録された患者(8週間はn=16、その後はn=15)についての、PDAIスコアの平均および中央値ならびに副腎皮質ステロイド(CS)使用量の平均および中央値を示し、第2相臨床試験(パートB)において、患者は24週間の処置期間にPRN1008 400mg QDを投与され、治験責任医師の裁量でPRN1008 600mg BIDまで用量調整が可能であった。1人の患者は、天疱瘡の悪化により8週間後に研究から脱落し、8週間後のPDAIスコア/CS使用量算出に含まれなかった。
【発明を実施するための形態】
【0069】
定義:
特に述べられていない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される以下の用語は、この出願の目的のために定義され、以下の意味を有する。この出願において使用される全ての定義されていない技術および科学用語は、この開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0070】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」実体は、その実体の1つまたはそれ以上を指し;例えば、特に述べられていない限り、1つの化合物は1つもしくはそれ以上の化合物または少なくとも1つの化合物を指す。したがって、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたはそれ以上の」、および「少なくとも1つの」は本明細書で互換的に使用される。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、およそ、~の辺り、だいたい、またはほぼを意味する。用語「約」は、数値範囲と共に使用される場合、境界を記載された数値より上および下に広げることによってその範囲を修正する。一般的に用語「約」は、5%の変動によって、数値を記載された値より上および下に修正するために本明細書で使用される。特定の値に関して、対象集団(例えば、記載されている臨床試験の対象)について本明細書に記載される特定の値は、特に規定されない限り中央値、平均、または統計数を表すことが理解されるべきである。したがって、対象における特定の値を必要とする本開示の態様は、関連する値が対象集団の意味のある限界であると判定される集団データによって本明細書で裏付けられる。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「活性医薬成分」または「治療剤」(「API」)は生物学的に活性な化合物を指す。
【0073】
本明細書で使用される場合、本明細書における用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、保険従事者もしくは委任代理人によって提供すること、与えること、投薬すること、および/もしくは処方することならびに/または患者もしくは個人である彼自身もしくは彼女自身によって入れる、服用するもしくは消費することを指す。例えば、患者へのAPIの「投与」は、APIを患者に導入または送達する任意の経路(例えば経口送達)を指す。投与は自己投与および他人による投与を含む。
【0074】
本明細書で使用される場合、ヒト患者に関して用語「無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする」は、例えば新しく診断されたもしくは再発性尋常性天疱瘡または新しく診断されたもしくは再発性落葉状天疱瘡などの新しく診断されたまたは再発性天疱瘡を有するヒト患者を指す。非限定的な例として、ヒト患者に関して「PRN1008の投与前の無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする」は、PRN1008を投与することを含む投薬レジメンを始める前に、天疱瘡と新しく診断されたヒト患者または再発性天疱瘡を患っているヒト患者を指す。
【0075】
本明細書で使用される場合、ヒト患者に関して用語「0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の副腎皮質ステロイドを特徴とする」は、副腎皮質ステロイドを以前に投与されていない患者(0mg/kg/日)を含む、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の副腎皮質ステロイドを投与されたヒト患者を指す。非限定的な例として、ヒト患者に関して「PRN1008の投与前の0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の副腎皮質ステロイドを特徴とする」は、PRN1008を投与することおよび場合により副腎皮質ステロイドを投与することを含む投薬レジメンを始める前に、副腎皮質ステロイドを受けていないヒト患者または0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の副腎皮質ステロイドを投与された患者を指し、副腎皮質ステロイドはPRN1008の投与前の維持療法として使用された副腎皮質ステロイドと同じまたは異なっていてもよく、PRN1008の投与前の維持療法に使用されたものと同じまたは異なる用量または投薬スケジュールで投与される。
【0076】
本明細書で使用される場合、特に指定されない限り、用語「完全寛解」(CR)は、新しい、確認された病変が存在しないことと定義され、「疾患活動性がないこと」を意味することが意図される。
【0077】
本明細書で使用される場合、特に指定されない限り、用語「疾患活動性の制御」(CDA)(疾患制御)は、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める来院と定義される。これは強化段階の始まりともみなされる。疾患活動性の制御に到達するまでの時間の予期される間隔は、数週間程度であるが、より短くなる可能性がある。
【0078】
本明細書で使用される場合、特に指定されない限り、用語「強化段階の終了」(ECP)は、新しい病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された病変の大半(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%)が治癒した来院と定義される。したがって、ECPを達成するために、CDAは≧2週間後の来院時に確認されなければならず、以前に見られた病変の80%は治癒していなければならない。
【0079】
本明細書で使用される場合、期間を修飾する場合の用語「[X]の投与後」は、[X]の投与の完了後に始まる期間を指す。非限定的な例として、「ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間投与すること」は、第1の用量の投与の完了後に第2の用量の投与を始めることおよび第2の用量を14日間投与すること、すなわち例えば第1の用量が1日1回1~14日目に投与された場合、第2の用量は1日2回15~28日目に投与され、合計処置期間が28日であることを指す。
【0080】
本明細書で使用される場合、2つまたはそれ以上の化合物、薬剤、または追加の活性医薬成分に言及する場合の用語「組み合わせて」は、2つまたはそれ以上の化合物、薬剤、または活性医薬成分を患者に、互いに前に、同時に、または後に処置期間中に投与することを意味する。特に指定されない限り、2つまたはそれ以上の化合物、薬剤、または活性医薬成分は、例えば1つまたはそれ以上の化合物、薬剤、または活性医薬成分が1日1回投与され、1つまたはそれ以上の他の化合物、薬剤、または活性医薬成分が1日2回投与されるなど、処置期間中に異なるスケジュールで投与されてもよい。
【0081】
本明細書で使用される場合、「[X]mg」に関して表される量は、[X]、すなわち遊離塩基のミリグラムの合計量を指す。一部の実施形態では、PRN1008はPRN1008の薬学的に許容される塩として投与することができ、この場合「PRN1008 mg」に関して表される量は、PRN1008、すなわち遊離塩基プラスその中の遊離塩基の重量に基づくPRN1008の等量の1つまたはそれ以上の薬学的に許容される塩のミリグラムの合計量を指す。例えば「PRN1008から選択される少なくとも1つの化合物400mgおよびその薬学的に許容される塩」は、PRN1008 400mgおよびPRN1008 400mgに等しい濃度のPRN1008の1つまたはそれ以上の薬学的に許容される塩を含む。
【0082】
本明細書で使用される場合、用語「天疱瘡病変」は、例えば、尋常性天疱瘡に関連するもしくはそれによって引き起こされる病変または落葉状天疱瘡に関連するもしくはそれによって引き起こされる病変などの天疱瘡に関連するまたはそれによって引き起こされる病変を指す。
【0083】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、活性医薬品の塩形態を指し、塩は非毒性である。薬学的に許容される塩は当技術分野で周知されており、適切な無機酸および有機酸から誘導されるものを含む。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences、1977、66、1~19において薬学的に許容される塩を詳細に記載している。
【0084】
本明細書で使用される場合、用語「PRN1008」は構造:
【化3】
を有する化合物を指す。PRN1008の用量は、対応する(S)エナンチオマーを不純物として約1重量%未満または約5重量%以下含有し得る。同様に、PRN1008の(E)異性体の用量は、対応する(Z)異性体を不純物として約1重量%未満含有してもよく;PRN1008の(Z)異性体の用量は、対応する(E)異性体を不純物として約1重量%未満含有してもよい。PRN1008が(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)異性体の混合物として表される場合、混合物中の(E)または(Z)異性体の量が約1重量%より多いことを意味する。一部の実施形態では、(E)対(Z)異性体のモル比は9:1である。PRN1008またはその薬学的に許容される塩は、本明細書で「薬物」、「活性剤」、「治療活性剤」、または「API」とも称される。
【0085】
本明細書で使用される場合、用語「再発」は、疾患制御を達成した患者における、1週間以内に自然に治癒しない1カ月以内の3つもしくはそれ以上の新しい病変の出現によって、または確認された病変の拡張によって定義される。
【0086】
本明細書で使用される場合、障害または状態に関して使用される場合の用語「処置する」、「処置すること」、または「処置」は、障害または状態の改善をもたらす任意の効果、例えば軽減、低減、モジュレート、緩和、または排除を含む。障害または状態の任意の症状の重症度の改善または軽減は、当技術分野で公知の標準的な方法および技術に従って容易に判定することができる。
【0087】
本開示の一部の実施形態は、それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日1回(QD)少なくとも14日間投与することを含む、天疱瘡を処置する方法に関する。
【0088】
一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与される。
【0089】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008をQDで少なくとも14日間投与することを含む。
【0090】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与される。
【0091】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日1回(QD)14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと
を含む。
【0092】
一部の実施形態では、ヒト患者は、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を、BIDで14~154日間投与される。
【0093】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大168日間投与される。
【0094】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日1回(QD)14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、400mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0095】
一部の実施形態では、ヒト患者は、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を、BIDで最大140日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を、BIDで56日間投与される。
【0096】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大168日間投与される。
【0097】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008を、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む。
【0098】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0099】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作の天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、再発性の天疱瘡を特徴とする。
【0100】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。
【0101】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作の落葉状天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。
【0102】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~60ポイントを特徴とする。
【0103】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイドを特徴とする。
【0104】
一部の実施形態では、第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0105】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0106】
一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(Z)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む。
【0107】
一部の実施形態では、本方法は、尋常性天疱瘡を処置することを含む。
【0108】
一部の実施形態では、本方法は、落葉状天疱瘡を処置することを含む。
【0109】
一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも25%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも30%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも35%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも40%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも45%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも55%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも60%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも65%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも70%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも75%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも80%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも85%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも90%低減することを含む。
【0110】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の14日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の28日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の56日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の112日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の140日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。
【0111】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の14日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の28日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の56日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも70%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも75%低減することを含む。
【0112】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0または1を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア1を特徴とする。
【0113】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008投与の168日後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0または1を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008投与の168日後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008投与の168日後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア1を特徴とする。
【0114】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも25%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも30%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも35%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも40%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも45%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも55%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも60%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも65%低減することを含む。
【0115】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の56日後に、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも30%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の112日後に、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも50%低減することを含む。
【0116】
一部の実施形態では、本方法は、完全寛解を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、完全寛解を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、完全寛解を達成することを含む。
【0117】
一部の実施形態では、本方法は、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、疾患活動性の制御を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、疾患活動性の制御を達成することを含む。
【0118】
一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも60%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも70%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも80%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも90%を治癒させることを含む。
【0119】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも60%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも70%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも80%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも90%を治癒させることを含む。
【0120】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも60%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも70%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも80%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも90%を治癒させることを含む。
【0121】
一部の実施形態では、本方法は、新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む。
【0122】
一部の実施形態では、本方法は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の大半が治癒した医療来院と定義される、強化段階の終了を達成することを含む。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の50%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の60%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の70%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の80%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の90%超が治癒した。
【0123】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の大半が治癒した医療来院と定義される、強化段階の終了を達成することを含む。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の50%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の60%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の70%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の80%超が治癒した。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の90%超が治癒した。
【0124】
尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡に罹患しているヒト患者を処置する方法であって、ヒト患者に、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)少なくとも14日間投与することを含む、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡に罹患しているヒト患者を処置する方法もまた本明細書に開示する。
【0125】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで14~168日間投与される。
【0126】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで最大168日間投与される。
【0127】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで14日間投与される。一部の実施形態では、患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで28日間投与される。一部の実施形態では、患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで84日間投与される。一部の実施形態では、患者は、400mgの用量のPRN1008をQDで168日間投与される。
【0128】
本開示の一部の実施形態は、それを必要とするヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に、少なくとも400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日2回(BID)少なくとも14日間投与することを含む、天疱瘡を処置する方法に関する。
【0129】
一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14~84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、少なくとも400mgの用量のPRN1008をBIDで84日間投与される。
【0130】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者に、400mgの用量のPRN1008を、BIDで少なくとも14日間投与することを含む。
【0131】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで14~84日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで14日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの用量のPRN1008を、BIDで84日間投与される。
【0132】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0133】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで28日間より長く投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで33日間投与される。
【0134】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される。
【0135】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、600mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0136】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで28日間より長く投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで22日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで56日間投与される。
【0137】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される。
【0138】
一部の実施形態では、本方法は:
ヒト患者に、400mgの第1の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することと;
ヒト患者に、第2の用量の投与後に、600mgの第3の用量のPRN1008を、1日2回(BID)投与することと
を含む。
【0139】
一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。一部の実施形態では、ヒト患者は、400mgの第1の用量のPRN1008を、BIDで28日間より長く投与される。
【0140】
一部の実施形態では、ヒト患者は、第1の用量の投与後に、500mgの第2の用量のPRN1008を、BIDで14~28日間投与される。
【0141】
一部の実施形態では、PRN1008は、ヒト患者に最大84日間投与される。
【0142】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008を、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む。
【0143】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0144】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作の天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、再発性の天疱瘡を特徴とする。
【0145】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。
【0146】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、無感作の落葉状天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。
【0147】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~60ポイントを特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8ポイント~45ポイントを特徴とする。
【0148】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与前の、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイドを特徴とする。
【0149】
一部の実施形態では、第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。
【0150】
一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、第1の副腎皮質ステロイドは、第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0151】
一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(Z)異性体を含む。一部の実施形態では、PRN1008は、(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリルの(E)および(Z)の異性体の混合物を含む。
【0152】
一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも25%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも30%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも35%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも40%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも45%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも55%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも60%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも65%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも70%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも75%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも80%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも85%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも90%低減することを含む。
【0153】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の14日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の28日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の56日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の112日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の140日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを低減することを含む。
【0154】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の14日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の28日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の56日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも70%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを少なくとも75%低減することを含む。
【0155】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0または1を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008の投与後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア1を特徴とする。
【0156】
一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008投与の168日後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0または1を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008投与の168日後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア0を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者は、PRN1008投与の168日後の、天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア1を特徴とする。
【0157】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも25%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも30%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも35%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも40%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも45%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも50%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも55%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも60%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも65%低減することを含む。
【0158】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の56日後に、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも20%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも30%低減することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の112日後に、ヒト患者による、平均の1日の副腎皮質ステロイド使用量を少なくとも50%低減することを含む。
【0159】
一部の実施形態では、本方法は、完全寛解を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、完全寛解を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、完全寛解を達成することを含む。
【0160】
一部の実施形態では、本方法は、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、疾患活動性の制御を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の168日後に、疾患活動性の制御を達成することを含む。
【0161】
一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも60%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも70%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも80%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、確認された天疱瘡病変の少なくとも90%を治癒させることを含む。
【0162】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも60%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも70%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも80%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、PRN1008投与の84日後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも90%を治癒させることを含む。
【0163】
一部の実施形態では、方法は、168日間のPRN1008投与後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも50%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、方法は、168日間のPRN1008投与後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも60%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、方法は、168日間のPRN1008投与後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも70%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、方法は、168日間のPRN1008投与後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも80%を治癒させることを含む。一部の実施形態では、方法は、168日間のPRN1008投与後に、確認された天疱瘡病変の少なくとも90%を治癒させることを含む。
【0164】
一部の実施形態では、方法は新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む。一部の実施形態では、方法は84日間のPRN1008投与後に新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む。一部の実施形態では、方法は168日間のPRN1008投与後に新しい天疱瘡病変形成を防ぐことを含む。
【0165】
一部の実施形態では、方法は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の大半が治癒した来院と定義される、強化段階の終了を達成することを含む。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の50%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の60%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の70%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の80%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の90%超が治癒している。
【0166】
一部の実施形態では、方法は、168日間のPRN1008投与後に、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の大半が治癒した来院と定義される、強化段階の終了を達成することを含む。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の50%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の60%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の70%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の80%超が治癒している。一部の実施形態では、確認された天疱瘡病変の90%超が治癒している。
【0167】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の17%~39%において主要エンドポイントを達成する方法であって、
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;および
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア、
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0168】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の22%~34%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0169】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の27%~29%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0170】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0171】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0172】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0173】
尋常性天疱瘡(PV)、天疱瘡、または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の27%~29%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法も提供される。
【0174】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の33%~53%において主要エンドポイントを達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)28日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0175】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の38%~48%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0176】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の43%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0177】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0178】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーはPRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0179】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立してプレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0180】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の43%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)28日間投与することを含み、患者集団へのPRN1008の投与の間、患者集団は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法も本明細書で提供される。
【0181】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の40%~60%において主要エンドポイントを達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)84日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0182】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の45%~55%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0183】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の50%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0184】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0185】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0186】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0187】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の50%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)84日間投与することを含み、患者集団へのPRN1008の投与の間、患者集団は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法も本明細書で提供される。
【0188】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の43%~63%において主要エンドポイントを達成する方法であって:
患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与し、続いて400mgの用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0189】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の48%~58%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0190】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の53%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0191】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0192】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0193】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0194】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の53%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mg BIDに14日間増やすことを含み、患者集団へのPRN1008の投与の間、患者集団は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法も含まれる。
【0195】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の70%~90%において主要エンドポイントを達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与し、続いて400mgの用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与し、さらに続いて600mgの用量のPRN1008を1日2回(BID)56日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0196】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の75%~85%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0197】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の80%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0198】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0199】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0200】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0201】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の80%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mg BIDに14日間増やし、さらに続いてPRN1008の用量を600mg BIDに56日間増やすことを含み、患者集団へのPRN1008の投与の間、患者集団は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法も含まれる。
【0202】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の4.5%~9.5%において疾患の完全寛解を達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)84日間投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第1の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
完全寛解は、新しい、確認された天疱瘡病変が存在しないことと定義される、疾患の完全寛解を達成する方法に関する。
【0203】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の6%~8%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0204】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の7%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0205】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0206】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0207】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)84日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第2の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む。
【0208】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0209】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の7%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)84日間投与することを含み、PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;完全寛解はPVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法も提供される。
【0210】
一部の実施形態では、PRN1008は、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与される。
【0211】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の3%~23%において疾患の完全寛解を達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与し、続いて400mgの用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与し、さらに続いて600mgの用量のPRN1008を1日2回(BID)56日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
完全寛解は、新しい、確認された天疱瘡病変が存在しないことと定義される、疾患の完全寛解を達成する方法に関する。
【0212】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の8%~18%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0213】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の13%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0214】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0215】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0216】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0217】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の13%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mg BIDに14日間増やし、続いて用量を600mg BIDに56日間さらに増やすことを含み、患者集団へのPRN1008の投与の間、患者集団は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法も提供される。
【0218】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の30%~50%において疾患の完全寛解を達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与し、続いて400mgの用量のPRN1008を1日2回(BID)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与し、さらに続いて600mgの用量のPRN1008を1日2回(BID)140日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することと;
ヒト患者集団の各メンバーを、PRN1008も副腎皮質ステロイドも投与されない、PRN1008の投与後の28日間の処置後期間に供することとを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
完全寛解は、新しい、確認された天疱瘡病変が存在しないことと定義される、疾患の完全寛解を達成する方法に関する。
【0219】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の35%~45%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0220】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の40%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0221】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0222】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0223】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の40%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回(QD)14日間投与し、続いてPRN1008の用量を400mg BIDに14日間増やし、続いて用量を600mg BIDに140日間さらに増やすことと、その後患者集団を処置後追跡調査に28日間供することであって、その追跡調査中、患者集団はPRN1008も副腎皮質ステロイドも全く投与されないこととを含み;患者集団へのPRN1008の投与の間、患者集団は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法も提供される。
【0224】
本開示の一部の実施形態は、ヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって:
ヒト患者に400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日1回、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与すること;
ヒト患者が3週目中に疾患活動性の制御を達成しているかどうかおよび/または強化期間の終了に到達しているかどうかを判定し、ヒト患者が3週目中に疾患活動性の制御を達成していないおよび/または強化期間の終了に到達していない場合に、PRN1008の用量を400mg BIDに増やすこと;
ヒト患者が5週目中に疾患活動性の制御を達成しているかどうかおよび/または強化期間の終了に到達しているかどうかを判定し、ヒト患者が5週目中に疾患活動性の制御を達成していないおよび/または強化期間の終了に到達していない場合に、PRN1008の用量を600mg BIDに増やすことを含み、
疾患活動性の制御(CDA)は、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義され;
強化段階の終了は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の大半が治癒した来院と定義される、天疱瘡を処置する方法に関する。
【0225】
一部の実施形態では、ヒト患者はPRN1008の投与前の無感作または再発性の天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者はPRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者はPRN1008の投与前の無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。
【0226】
一部の実施形態では、ヒト患者はPRN1008の投与前の8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを特徴とする。
【0227】
一部の実施形態では、ヒト患者はPRN1008の投与前の0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイドを特徴とする。
【0228】
一部の実施形態では、ヒト患者は:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とする。
【0229】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0230】
一部の実施形態では、PRN1008は患者に25週間投与される。
【0231】
一部の実施形態では、強化段階の終了は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の少なくとも50%が治癒している来院と定義される。一部の実施形態では、強化段階の終了は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の少なくとも60%が治癒している来院と定義される。一部の実施形態では、強化段階の終了は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の少なくとも70%が治癒している来院と定義される。一部の実施形態では、強化段階の終了は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の少なくとも80%が治癒している来院と定義される。一部の実施形態では、強化段階の終了は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の少なくとも90%が治癒している来院と定義される。
【0232】
患者集団において尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法であって、集団に以下の通りの投薬レジメンを投与すること:
(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を400mg QDの開始用量で投与する(1週目)ことであって、3週目に400mg BIDにおよび5週目に600mg BIDに用量増加が許され、投薬期間は25週目に終了することを含み;
用量増加の条件は(a)疾患活動性の制御(CDA)を達成していないまたは(b)強化段階の終了(ECP)に到達していない患者であり;
疾患活動性の制御は、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVまたはPFからの確認された病変が治癒し始める来院と定義され;
強化段階の終了は、PVまたはPFからの新しい病変が最低2週間発症しておらずかつPVまたはPFからの確認された病変の大半が治癒した来院と定義され;
患者集団へのPRN1008の投与の間、患者集団は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg QD投与前に、患者集団は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持される、尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法も提供される。
【0233】
本開示の一部の実施形態は、ヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって、ヒト患者に400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)168日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含む、天疱瘡を処置する方法に関する。
【0234】
一部の実施形態では、ヒト患者は:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;および
8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア、
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とする。
【0235】
一部の実施形態では、方法は尋常性天疱瘡を処置することを含む。一部の実施形態では、方法は落葉状天疱瘡を処置することを含む。
【0236】
一部の実施形態では、ヒト患者はPRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、ヒト患者はPRN1008の投与前の無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。
【0237】
一部の実施形態では、方法は尋常性天疱瘡を処置することを含み、ヒト患者はPRN1008の投与前の無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とする。一部の実施形態では、方法は落葉状天疱瘡を処置することを含み、ヒト患者はPRN1008の投与前の無感作または再発性の落葉状天疱瘡を特徴とする。
【0238】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0239】
尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法であって:
患者に400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)168日間投与することを含み、PRN1008の投与の間、患者は副腎皮質ステロイドも0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量で投与され;PRN1008の400mg BID投与前に、患者は(a)無感作または再発性のPV;および(b)8~60ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコアを有し、副腎皮質ステロイドを≦0.5mg/kg/日の用量で投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)療法で維持される、方法も提供される。
【0240】
本開示は、尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法であって:
400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)少なくとも14日間投与することを含む、尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法も提供する。
【0241】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の17%~37%において主要エンドポイントを達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)14日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
8~45ポイントの天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0242】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の22%~32%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0243】
一部の実施形態では、方法はヒト患者集団の27%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0244】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0245】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0246】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーはPRN1008の投与前の無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。
【0247】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは独立して、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0248】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の27%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)14日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法もまた提供される。
【0249】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の44%~64%において主要エンドポイントを達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)28日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイント;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、
主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0250】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の49%~59%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0251】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の54%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0252】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0253】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0254】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の、無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。
【0255】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから独立して選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0256】
本開示の一部の実施形態は、尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の54%において主要エンドポイントを達成する方法であって、ヒト患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、1日2回(BID)28日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0257】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の63%~83%において主要エンドポイントを達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイント;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
主要エンドポイントは、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法に関する。
【0258】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の68%~78%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0259】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の73%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0260】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0261】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0262】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の、無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0263】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから独立して選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0264】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の73%において主要エンドポイントを達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間、0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;主要エンドポイントは、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVおよびPFからの確認された病変が治癒し始める検診のための来院と定義される、疾患活動性の制御(CDA)を含む、主要エンドポイントを達成する方法もまた提供される。
【0265】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の6%~26%において疾患の完全寛解を達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイント;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
完全寛解は、新しい、確認された天疱瘡病変が存在しないことと定義される、疾患の完全寛解を達成する方法に関する。
【0266】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の11%~21%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0267】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の15%~17%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0268】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の15%または17%において疾患の完全寛解を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の15%において疾患の完全寛解を達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の17%において疾患の完全寛解を達成することを含む。
【0269】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0270】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0271】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の、無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0272】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから独立して選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0273】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の15%または17%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間投与することを含み、RN1008の400mgのBID投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法もまた提供される。
【0274】
本開示の一部の実施形態は、天疱瘡の処置を受けているヒト患者集団の14%~34%において疾患の完全寛解を達成する方法であって:
ヒト患者集団の各メンバーに、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することを含み;
患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与後に84日間処置後期間の対象となり、その間に、PRN1008も副腎皮質ステロイドも投与されず、ヒト患者集団の各メンバーは:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイント;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とし、
完全寛解は、新しい、確認された天疱瘡病変が存在しないことと定義される、
完全寛解を達成する方法に関する。
【0275】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の19%~29%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0276】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の23%~25%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0277】
一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の23%または25%において主要エンドポイントを達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の23%において主要エンドポイントを達成することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ヒト患者集団の25%において主要エンドポイントを達成することを含む。
【0278】
一部の実施形態では、ヒト患者集団は、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0279】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、尋常性天疱瘡または落葉状天疱瘡の処置を受けている。
【0280】
一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、PRN1008の投与前の、無感作もしくは再発性の尋常性天疱瘡または無感作もしくは再発性の落葉状天疱瘡を特徴とした。一部の実施形態では、ヒト患者集団の各メンバーは、無感作または再発性の尋常性天疱瘡を特徴とした。
【0281】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから独立して選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0282】
尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)の処置を受けているヒト患者集団の23%または25%において疾患の完全寛解を達成する方法であって、患者集団に、400mgの(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)84日間投与することを含み、それ以後に患者集団は84日間処置後追跡調査の対象となり、その追跡調査の間に、患者集団はPRN1008も副腎皮質ステロイドも投与されず;患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~45ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持され;完全寛解は、PVまたはPFからの新しい、確認された病変が存在しないことを意味する、疾患の完全寛解を達成する方法もまた提供される。
【0283】
患者集団における尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法であって、以下のような投薬レジメンを集団に投与することを含む:
(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、400mgのQD開始用量(1週目)で投与し、3週目に400mgまでのBIDおよび5週目に600mgまでのBIDが許された用量増加を伴い、投薬期間は25週で終了し;
用量増加の条件は、(a)疾患活動性の制御(CDA)を達成していないか、または(b)強化段階の終了(ECP)に達していない患者のいずれかであり;
疾患活動性の制御は、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVまたはPFからの確認された病変が治癒し始める来院と定義され;
強化段階の終了は、PVまたはPFからの新しい病変が最低2週間発症しておらず、PVまたはPFからの確認された病変の大半が治癒した来院と定義され;
患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法。
【0284】
尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法であって:
患者に、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回(BID)168日間投与することを含み、PRN1008の投与を通して、患者はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのBID投与の前には、患者は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、尋常性天疱瘡(PV)または落葉状天疱瘡(PF)に罹患しているヒト患者を処置する方法もまた提供される。
【0285】
本開示の一部の実施形態は、ヒト患者における天疱瘡を処置する方法であって:
ヒト患者に、400mgの用量の(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を1日2回、場合により0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における第1の副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与することと;
ヒト患者が、疾患活動性の制御を達成および/または強化段階の終了に到達しているかどうかを評価して、ヒト患者が、疾患活動性の制御を達成せず、および/または強化段階の終了に達していない場合、PRN1008の用量を500mgのBIDまたは600mgのBIDまで増加させることと
を含み:
疾患活動性の制御(CDA)は、新しい天疱瘡病変の形成が止まりかつ確認された天疱瘡病変が治癒し始める検診のための来院と定義され;
強化段階の終了は、新しい天疱瘡病変が最低2週間発症しておらずかつ確認された天疱瘡病変の大半が治癒した医療来院と定義される、ヒト患者における天疱瘡を処置する方法に関する。
【0286】
一部の実施形態では、ヒト患者は:
PRN1008の投与前の、
無感作または再発性の天疱瘡;
天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイント;および
0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の維持用量の第2の副腎皮質ステロイド
を特徴とする。
【0287】
一部の実施形態では、本方法は、PRN1008を13週間投与することを含む。
【0288】
一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドおよびヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、およびメチルプレドニゾロンから独立して選択される。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じである。一部の実施形態では、ヒト患者集団のメンバーに投与される第1の副腎皮質ステロイドは、ヒト患者集団のメンバーに投与される第2の副腎皮質ステロイドと同じではない。
【0289】
患者集団における尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法であって、以下のような投薬レジメンを集団に投与することを含む:
(R)-2-[3-[4-アミノ-3-(2-フルオロ-4-フェノキシ-フェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボニル]-4-メチル-4-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ペンタ-2-エンニトリル(PRN1008)を、400mgのBID開始用量(1週目)で投与し、500mgのBIDまたは600mgのBIDまで許された患者内の用量増加調整を伴い、投薬期間は13週で終了し;
用量増加の条件は、(a)疾患活動性の制御(CDA)を達成していないか、または(b)強化段階の終了(ECP)に達していない患者のいずれかであり;
疾患活動性の制御は、PVまたはPFからの新しい病変の形成が止まりかつPVまたはPFからの確認された病変が治癒し始める来院と定義され;
強化段階の終了は、PVまたはPFからの新しい病変が最低2週間発症しておらず、PVまたはPFからの確認された病変の大半が治癒した来院と定義され;
患者集団へのPRN1008の投与を通して、患者集団はまた0.5mg/kg/日以下(≦0.5mg/kg/日)の用量における副腎皮質ステロイドも投与され;PRN1008の400mgのQD投与の前には、患者集団は、(a)無感作または再発性のPV;および(b)天疱瘡疾患活動性指数(PDAI)皮膚スコア8~60ポイントを有し、≦0.5mg/kg/日の用量における副腎皮質ステロイドを投与することを含む低用量副腎皮質ステロイド(LDCS)治療を維持される、尋常性天疱瘡(PV)または天疱瘡または落葉状天疱瘡(PF)を処置する方法もまた提供される。
【0290】
医薬組成物:
本開示の一部の実施形態では、PRN1008は:PRN1008および薬学的に許容されるその塩から選択される少なくとも1つの化合物;ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの錠剤の形態である。
【0291】
本開示の一部の実施形態では、PRN1008は:PRN1008および薬学的に許容されるその塩から選択される少なくとも1つの化合物;ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物の一部として経口投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの錠剤の形態である。
【0292】
本開示の一部の実施形態では、PRN1008は:PRN1008および薬学的に許容されるその塩から選択される少なくとも1つの化合物;ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む少なくとも1つの錠剤の形態で投与される。
【0293】
一部の実施形態では、PRN1008は、コップ1杯の水と共に投与される。
【0294】
一部の実施形態では、PRN1008は、食物と共に投与される。
【0295】
一部の実施形態では、PRN1008は、食物を伴わず投与される。
【0296】
任意の薬学的に許容される賦形剤の比率および性質は、選択された投与経路および標準的な薬務により決定される。従来の薬学的に許容される賦形剤が、任意の望ましくない生物学的影響をもたらすか、またはそうでなければ薬学的な組成物の任意の他の成分(複数可)と有害な様式で相互作用することによるなどの、PRN1008と不適合性である場合を除外して、その使用は本開示の範囲内であると企図される。
【0297】
薬学的に許容される賦形剤として役立ち得る材料のいくつかの非限定的な例には:(1)例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロースのような糖;(2)例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンのようなデンプン;(3)例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースのようなセルロース、およびその誘導体;(4)粉末化トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)例えば、カカオバターおよび坐薬ワックスのような賦形剤;(9)例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油のような油脂;(10)例えば、プロピレングリコールのようなグリコール;(11)例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールのようなポリオール;(12)例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル;(13)寒天;(14)例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリーの水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;ならびに(21)医薬製剤に利用される他の無毒で適合性の物質が含まれる。
【0298】
Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、2005年、ed. D.B. Troy、Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia、およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan、1988~1999頁、Marcel Dekker、New Yorkもまた、薬学的に許容される賦形剤の付加的な非限定的例、同様にそれらを製造し使用する公知の技術を開示している。
【0299】
当業者は、処置される障害または状態、障害または状態の段階、および他の関連する環境に応じて、適切な形態および投与経路を容易に選択することができる。
【0300】
実施例
以下の実施例は説明を意図しており、決して本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0301】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【実施例1】
【0302】
新しく診断されたまたは再発性尋常性天疱瘡を有する患者におけるBTK阻害剤PRN1008による経口処置の安全性、臨床活性、薬物動態、および薬力学を調べるオープンラベル、第2相、パイロット研究
臨床研究は、例えば新しく診断されたまたは再発性尋常性天疱瘡などの新しく診断されたまたは再発性天疱瘡を有する患者におけるBTK阻害剤PRN1008による経口処置の安全性、臨床活性、薬物動態、および薬力学を調べるオープンラベル、第2相パイロットコホート研究であった。研究は倫理指針に従って行った。
【0303】
薬物開発の重要な目標は処置のリスク-利益比を改善することである。天疱瘡および他の免疫媒介疾患のための現在の標準治療は、高用量CS単独または他の免疫抑制薬と組み合わせた高用量CSであり、これはAEの高いリスク、作用開始の遅延、長期B細胞枯渇、および慢性投与への不良な適切性を有する。効能に必要とされる高い投与量は重篤な有害事象に関連するため、CSは限られた長期有用性を有する。
【0304】
研究の主目的は:(1)例えば尋常性天疱瘡(PV)などの天疱瘡を有する患者におけるPRN1008の臨床安全性を12週間(パートA)または24週間(パートB)の処置期間にわたり評価すること;および(2)例えばPVなどの天疱瘡を有する患者におけるPRN1008の臨床活性を、完全寛解の定義を改変し、定義の2カ月耐久性の部分を除外したEuropean Academy of Dermatology and Venereology(EADV)2014 Pemphigus S2 Guideline(Hertlら、2015)における基準により評価することであった。研究の副次的目的は、例えばPVなどの天疱瘡を有する患者におけるPRN1008の薬物動態(PK)および薬力学(PD)を評価することであった。研究の探索的エンドポイントは、PKおよびPDの互いの関係ならびにPKおよびPDとこの患者集団における効能および安全性との関係を評価することであった。
【0305】
【表2】
【0306】
パートA(12週間の処置期間の研究)において、初期のPRN1008投薬は400mg BIDであり、BTK占有率および臨床反応、ならびに必要ならば副腎皮質ステロイドレスキュー処置に基づいて、600mg BIDまでの患者内用量調整が許された(表1)。表1において「忍容性が良好」は、PRN1008療法に関連する、グレード3以上の胃腸AEまたは肝機能変化を含むグレード2非胃腸AEが存在しないことと定義される。低用量副腎皮質ステロイド(副腎皮質ステロイド≦0.5mg/kg/日、副腎皮質ステロイドはプレドニゾンまたは均等物であった)をPRN1008と組み合わせて投与することができた。
【0307】
パートAにおいて許されるPRN1008の最大用量は、用量調整後、600mg BIDであった。(1)疾患制御が達成された後に副腎皮質ステロイド用量を2週間維持し、その後副腎皮質ステロイド用量を3週間ごとに15%ずつ減らすこと;または(2)Werth VPら、Arch Dematol.2008年1月;144(1):25~32の表1に開示されているグルココルチコイド漸減スケジュール(以下ではWerth漸減)に従うことを含む副腎皮質ステロイド漸減プロトコールの下で患者を処置した。典型的には、パートAの対象は、1日目に開始し、研究85日目に終わる1日2回のPRN1008処置を12週間受け、さらに12週間の追跡調査があった(個々の対象の参加の合計期間はおよそ28週間である)。典型的には、臨床反応および忍容性を各来院で判定した。
【0308】
【表3】
【0309】
パートB(24週間の処置期間)において、患者がパートAからパートBに移ることが適格でない限り、初期のPRN1008投薬は400mg QDであり、400mg BIDへの患者内用量増加は、3週目の来院以降、不十分な臨床反応について許された(次いで必要な場合5週目の来院以降に再び600mg BIDへ)(表2)。表2における不十分な臨床反応は治験責任医師の裁量で決定された。一般的に、臨床反応は、5週目の来院までに達成されるCDAを伴う最初の2週間に見られる何らかの改善によって示される。典型的には、パートBの対象は、1日目に開始し、研究169日目に終わる1日1回または2回のPRN1008を24週間受け、4週間後に追跡調査来院があった(個々の対象の参加の合計期間はおよそ32週間である)。低用量副腎皮質ステロイド(副腎皮質ステロイド≦0.5mg/kg/日、副腎皮質ステロイドはプレドニゾンまたは均等物であった)をPRN1008と組み合わせて投与することができた。典型的には、臨床反応および忍容性を各来院で判定した。
【0310】
PRN1008初期投与量選択:
400mg BID(パートA):
400mg BID開始用量は、相対バイオアベイラビリティ研究の結果によって調整した、トラフで約70%BTK占有率をもたらすことがわかっている用量に基づいており(1日で約85%の平均占有率)、錠剤は等しい用量の液体製剤の曝露の約70%を有した。IR錠剤の400mg BID投薬による十分なBTK占有率が、今日まで研究された天疱瘡を有する多くの患者において確認されている。目標の達成を確認するために、第1の用量後のBTK占有率測定値を迅速に処理し、15日目(パートAだけ)の追跡調査来院に間に合うように、処置する医師に提供した。この用量レベルは、慢性毒性研究において曝露に対して十分な安全係数を示した。
【0311】
400mg qd(パートB):
全てではないが一部の動物研究において、投薬前BTK占有率と臨床効能の用量反応関係が観察されている。1日1回PRN1008用量が十分な薬力学的効果をもたらすかどうかわからなかったので、3週目の来院以降に、より高い用量に迅速に用量を増やす選択肢を用いて400mg QD用量をパートBにおいて試験した。この用量レベルは、慢性毒性研究において曝露に対して十分な安全係数を示した。
【0312】
600mg bidの最大用量:
400mg bidの目標上限用量レベルより50%高い用量レベルを、より高い曝露での健康なボランティアにおける以前の臨床安全性データおよび動物毒性研究における曝露に対する十分な安全係数に基づいて任意に選択した。
【0313】
研究対象集団:
研究対象集団は、初期のPRN1008単剤療法が臨床的に許容されると判断される、新しく診断された(すなわち有効な導入処置レジメン無感作)または再発性の生検診断された軽度~重度PV(PDAI8~60)を有する男性または女性患者からなった。粘膜の関与はないが、PVを示唆する病歴を有する患者は研究に入ることを許されたので、この疾患と異なる落葉状天疱瘡(PF)を示唆する臨床特徴を有する一部の患者が登録された可能性がある。
【0314】
1つまたはそれ以上の用量の研究薬を服用する前に研究から離脱した場合、患者は研究から早期に離脱したとみなされた。
【0315】
パートAについて、最大28日間のスクリーニングにより52人の患者を適格性について判定した。25人の患者を除外し、6人は同意書を提出することおよび判定スケジュールに同意することができず、6人はウイルス(B型およびC型肝炎またはHIV)スクリーニング陽性、5人はTBスクリーニング陽性、4人は年齢範囲外または生検診断された軽度~中等度PVを有しておらず、4人は他の理由で除外した。27人の患者が登録され、PRN1008(400mg BID~600mg BID)を受け、全員が400mg BIDから開始し、3人の患者が用量増加を経験した(1人の患者が500mg BIDに、および2人の患者が600mg BIDに)。1人の患者が、主要エンドポイントCDA判定前に非関連AE(急性呼吸不全)により早期に中止した。2人の患者は主要エンドポイントCDA判定後、早期に中止し、2件の非関連AE(膵仮性嚢胞;胸痛)が主要エンドポイントCDA判定と処置の完了の間に報告された。24人の登録された患者が、12週間の処置後判定を受けた。
【0316】
パートBについて、最大28日間のスクリーニングにより18人の患者を適格性について判定した。15人の患者が登録され、400mg QDを受け、患者内増加用量調整が許された(400mg BID、600mg BID)。1人の患者がMMFの停止後スクリーニング中に始まった天疱瘡の悪化により9週目に中止し、これは継続し、9週目に入院になった。
【0317】
パートAおよびBに登録された患者についてのベースラインの人口統計学的特性は表3にまとめられている。表3において中等度~重度は、再発性疾患対新しく診断された疾患の軽度~中等度についてのPDAI重症度四分位数による、重度の再発性疾患を有する患者を含んだ。
【0318】
【表4】
【0319】
組入れ基準(下に記載されていない限りパートAおよびパートB):
以下の組入れ基準を使用して、この研究における患者の登録を知らせた。
1. 18~80歳、生検診断された(直接免疫蛍光陽性およびH&E顕微鏡検査の外観)、パートAにおいて軽度~中等度PV(PDAI8~45)およびパートBにおいて軽度~重度PV(PDAI8~60)を有する男性または女性患者
2. 初期のPRN1008単剤療法または低用量副腎皮質ステロイド(≦0.5mg/kgのプレドニゾ[ロ]ンまたは均等物)との併用療法が臨床的に許容されると判断される、新しく診断されたまたは再発患者、ただしPRN1008に対する良好な臨床反応により副腎皮質ステロイド処置レジメンの漸減が期待されることを条件とする
3. BMI>17.5および<40kg/m(パートAのみ)
4. 十分な血液、肝、および腎機能(好中球絶対数≧1.5×10/L、Hgb>9g/dL、血小板数≧100×10/L、AST/ALT≦1.5×ULN、アルブミン≧3g/dL、クレアチニン≦ULN(パートA)およびクレアチニン≦1.5×ULN(パートB)
5. 生殖能を有する女性患者は、研究における積極的処置の期間、有効な避妊手段(排卵を阻害するホルモン避妊法、子宮内避妊器具、子宮内ホルモン放出システム、両側卵管結紮、精管切除したパートナー、コンドームまたは性的禁欲)を使用することに同意しなければならない。外科的に不妊でない限り、閉経後女性は、FSH検査によって確認された閉経を有するべきである。
6. 書面によるインフォームドコンセントを提出でき、判定のスケジュールに同意可能であること。
【0320】
除外基準:
以下の除外基準を使用して、この研究における患者の登録を知らせた。
1. BTK阻害剤の以前の使用
プロトコールの以前のバージョンに登録され、依然としてそれらのPRN1008による12週間の積極的処置期間にある患者は、ECが承認した患者の同意の再検討および署名後に、追加の12週間、すなわち合計24週間、修正されたプロトコールの下で初めはそれらの現在の用量レベルを用いて処置を継続するのに適格であった。パートAを完了し、安全性判定を損い得る医学的状態により、またはPRN1008関連有害事象のために研究を中止しなかった患者はパートBへの参加についてスクリーニングすることができる。
2. 妊娠中または授乳中の女性
3. QTc>450ミリ秒(男性)または>470ミリ秒(女性)のECG所見、管理不良心房細動(すなわち症候性患者またはECGで100回/分を超える心室レート)、または他の臨床的に重大な異常
4. 投薬日前5年以内の、外科的に切除された非黒色腫皮膚がんまたは上皮内子宮頸がん以外の任意の種類の悪性腫瘍の履歴
5. 1日目の前の以下の期間の免疫反応調整剤の使用:併用療法としての、この除外部分に詳述されていない、副腎皮質ステロイド以外の他の免疫反応調整剤;1週間:シクロホスファミド;4週間:IVIG、Kineret(アナキンラ)およびEnbrel(エタネルセプト);12週間:Remicade(インフリキシマブ)、Humira(アダリムマブ)、Simponi(ゴリムマブ)、Orencia(アバタセプト)、Actemra(トシリズマブ)、Cimzia(セルトリズマブ)、Cosentyx(セクキヌマブ)、血漿交換;6カ月:Rituxan/MabThera(リツキシマブ)、オファツムマブ、任意の他の抗CD20抗体、他の長期作用型バイオ医薬品
6. 1日目の前の2週間以内の1日当たり0.5mg/kgを超えるプレドニゾ(ロ)ン(「低用量副腎皮質ステロイド」)
7. オメプラゾールおよびエソメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬の使用(PRN1008の第1の用量の前に患者をH2受容体遮断薬に変えることは許容される)
8. 研究薬投薬から3日または5半減期以内(どちらか長いほう)のCYP3Aの強力~中程度誘導剤または阻害剤(付録2)の併用
9. アルフェンタニル、アステミゾール、シサプリド、シクロスポリン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、フェンタニル、ピモジド、キニジン、シロリムス、タクロリムス、またはテルフェナジンを含むがこれらに限定されない、研究薬投薬から3日または5半減期以内(どちらか長いほう)の狭い治療指数を有するCYP3A感受性基質薬(付録3)の使用
10. 研究薬品の第1の用量を受ける前の30日以内、またはそれぞれの消失半減期の少なくとも5倍以内(どちらか長いほう)に任意の治験薬を受けた(または治験デバイスを現在使用している)
11. 過去12カ月以内の薬物乱用の履歴
12. 1日当たりおよそ3基準飲酒量を超える定期的な消費と定義されるアルコール中毒または過剰なアルコール使用
13. 難治性悪心および嘔吐、吸収不良、外部胆管シャント、または十分な研究薬吸収を妨げる大幅な腸切除
14. 過去5年間の神経性食欲不振または3カ月以上の低体重(BMI<17.5)期間の履歴
15. 1日目の前の4週間以内の1単位以上の血液または血液産物の提供
16. 実質臓器移植の履歴
17. 過去5年間のてんかんまたは他の形態の発作の履歴
18. HIV、B型肝炎(ワクチン接種に関連しない表面およびコア抗体)、またはC型肝炎(Hep C RNAにより確認された抗HCV抗体)についてのスクリーニング陽性
19. スクリーニング時にインターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)(例えばT-スポットTB検査、QuantiFERON(登録商標)-TB Gold、またはQuantiFERON(登録商標)-TB Gold Plus(QFT Plus)陽性。患者が潜在性TBを有し、以下の3つの条件の全てが当てはまる場合を除く:
a. 胸部X線が活動性結核(TB)疾患を示唆する証拠を示さない
b. 肺および/または肺外TB疾患の臨床徴候および症状がない
c. 以下の予防処置レジメンのうちの1つの受領記録:
i. 6カ月間の経口で毎日のイソニアジド
または
ii. 4カ月間の経口で毎日のリファンピン(RIF)
または
iii. 3カ月間の毎週のイソニアジドおよびリファペンチン(3HP)
個々の場合に応じて、スポンサーによる検討および承認後、陰性であり、上の検査の1つと同等とみなされる現地TB検査を適格性のために使用することができる。例えば、QuantiFERON(登録商標)-TB GoldまたはQuantiFERON-TB Gold Plus(QFT Plus)が陽性で、現地血液検査またはT-スポットTB検査が陰性である場合、スポンサーの承認により、現地結果を使用して患者を登録することができる。
20. 静脈内療法を必要とし、再発の可能性がある重篤な感染症の履歴
21. ベースライン前28日以内の生ワクチンまたは研究中にそれを受ける計画
22. 治験責任医師の意見で、対象の安全性、研究評価、および/または研究手順に干渉する任意の他の臨床的に重大な疾患、状態、または病歴
【0321】
以前の療法:
1日目の前の以下の期間内の免疫反応調整剤の使用は許可されなかった:(1)シクロホスファミドについては1週間;(2)Kineret(登録商標)(アナキンラ)、静脈内ガンマグロブリン(IVIG)、およびEnbrel(登録商標)(エタネルセプト)については4週間;(3)Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、Simponi(登録商標)(ゴリムマブ)、Orencia(登録商標)(アバタセプト)、Actemra(登録商標)(トシリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブ)、Cosentyx(商標)(セクキヌマブ)、血漿交換については12週間;ならびに(4)Rituxan(登録商標)/MabThera(登録商標)(リツキシマブ)、オファツムマブ、任意の他の抗CD20抗体、または任意の他の長期作用型バイオ医薬品については6カ月。
【0322】
併用療法:
低用量副腎皮質ステロイド以外の免疫抑制薬品の併用は、レスキュー基準が発動されない限り避けられた。PRN1008を用いた投薬から14日または5半減期以内(どちらか長いほう)のCYP3Aの公知の強力~中程度の誘導剤または阻害剤の併用は避けられた。アルフェンタニル、アステミゾール、シサプリド、シクロスポリン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、フェンタニル、ピモジド、キニジン、シロリムス、タクロリムス、またはテルフェナジンを含むがこれらに限定されない、PRN1008投薬から14日または5半減期以内(どちらか長いほう)の狭い治療指数を有するCYP3A感受性基質薬の使用は避けられた。プロトンポンプ阻害剤は許可されなかった。
【0323】
経口プレドニゾ(ロ)ンの使用は、一部の状況において差し支えないとみなされた。研究への参加のために、1日目の前の2週間の経口プレドニゾ(ロ)ンの用量は、1日当たり0.5mg/kgを超えてはならなかった(吸入および粘膜[口腔病変の対症処置用]副腎皮質ステロイドは許される)。患者が低用量副腎皮質ステロイド中に研究に参加する場合、レジメンをPRN1008療法の初めの2週間維持することができた。15日目の審査時に、PRN1008に対する良好な臨床反応は、Werth漸減を使用して副腎皮質ステロイドの漸減を始めさせることができた。一部の状況では、臨床的に適当である場合、PRN1008の停止を伴ってまたは伴わずに、副腎皮質ステロイドを追加するまたは用量を増やすことができた。
【0324】
判定:
書面によるインフォームドコンセントを提出した後、対象は典型的には、PRN1008の第1の用量の前の28日以内にスクリーニング判定を完了した:(1)病歴および併用薬品の審査;(2)PDAI、ABSIS判定;(3)組入れおよび除外基準の審査;(4)身長および体重の測定;(5)身体検査;(6)12誘導ECG;(7)バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、および体温);(8)臨床検査(血液学、凝固、血清化学、および尿検査)HIV、B型肝炎(表面抗原およびコア抗原および抗体)、C型肝炎(Hep C RNAで確認された抗HCV抗体);(9)T-スポットTB検査、QuantiFERON(登録商標)-TB Gold、またはQuantiFERON(登録商標)-TB Gold Plus(QFT Plus)でのTBスクリーニング;(10)出産可能性を有する女性のための血清妊娠検査;(11)FSH(外科的に不妊でない閉経後女性のみにおいて);(12)まだ行われていない場合は皮膚生検:病変のH&E染色、病変周囲の直接免疫蛍光。
【0325】
PDAIおよびABSIS判定を用いて天疱瘡疾患活動性をモニターした。パートAおよびBのほとんどの対象について、簡略化された身体検査、PDAI、およびABSIS判定を以下の判定で行った:(1)1日目、1週目(投薬前);(2)15日目、3週目(±3日);(3)29日目、5週目(±3日);(4)57日目、9週目(±7日);(5)85日目、13週目(±7日);(6)113日目、17週目(±7日);(7)141日目、21週目(±7日);(8)169日目、25週目(±7日);(9)197日目、29週目(±7日);および(10)任意のスケジュールされていない来院。適当な場合、写真撮影を使用して皮膚疾患変化を記録した。
【0326】
ABQOLおよびTABQOL判定を用いて、対象の生活の質をモニターした。パートAおよびBのほとんどの対象について、ABQOLおよびTABQOL判定は以下の判定で行った:(1)1日目、1週目(投薬前);(2)15日目、3週目(±3日);(3)29日目、5週目(±3日);(4)57日目、9週目(±7日);(5)85日目、13週目(±7日);(6)113日目、17週目(±7日);(7)141日目、21週目(±7日);(8)169日目、25週目(±7日);(9)197日目、29週目(±7日);および(10)任意のスケジュールされていない来院。
【0327】
処置の安全性を評価するための特定の判定は以下を含んだ:(1)AEの頻度および種類;(2)臨床検査;(3)SNAQ食欲質問票;および(4)バイタルサイン。典型的には、第1のPRN1008用量の投与後2時間およびPKサンプルを採取するまで、患者はクリニックにおいて観察下にあった。
【0328】
主要評価項目:
主要安全性評価項目は、身体検査、臨床検査、およびバイタルサインにおける臨床的に重大な変化を含む、処置により出現したAE(TEAE)の発生率であった。
【0329】
主要効能評価項目は、プレドニゾ(ロ)ン>0.5mg/kgの用量を必要とせずにPRN1008処置の開始から4週間以内に疾患活動性の制御(CDA)を達成することができる対象の割合であった。
【0330】
副次的評価項目:
以下の臨床活性エンドポイントも判定した:(1)4週間以内に副腎皮質ステロイドなしでCDAを達成することができる対象の割合;(2)12週間(およびパートBにおいて24週間)以内に副腎皮質ステロイドなしで完全奏効(CR)を達成することができる対象の割合;(3)12週間(およびパートBにおいて24週間)以内に0.5mg/kgを超えるプレドニゾ(ロ)ンの用量を必要とせずにCRを達成することができる対象の割合;(4)CDAまでの時間;(5)CRまでの時間;(6)強化段階の終了までの時間;(7)PRN1008処置中止後の再発までの時間;(8)最初の12週間(およびパートBにおいて24週間)にわたる累積副腎皮質ステロイド使用量;(9)各追跡調査来院時の天疱瘡重症度判定基準(Pemphigus Disease Area Index)(PDAI)および自己免疫性水疱性皮膚障害強度スコア(ABSIS)のスコアにおけるベースラインからの変化;(10)各追跡調査来院時の自己免疫性水疱性疾患の生活の質(ABQOL)および自己免疫性水疱性疾患の処置の生活の質(TABQOL)のスコアにおけるベースラインからの変化;ならびに(11)各追跡調査来院時の食欲(SNAQスコア)におけるベースラインからの変化。
【0331】
CRを、≧2カ月呈するのではなく単一の時点でのCRと定義したことを除いて、臨床活性エンドポイントはEADV 2014 pemphigus S2 guideline(Hertlら 2015)によって定義された通りであった。
【0332】
PK/PD尺度:
調べたPK評価項目は、1日目の最大濃度のおよその時間および外来患者投薬中の様々なその後の時間でのPRN1008の血漿中濃度を含んだ。調べたPD評価項目は、第1のPRN1008用量の2および24時間後の、および外来患者投薬中の様々なその後の時間での末梢血単核細胞(PBMC)における個体のBTK占有パーセンテージ、ならびに様々な時点でのELISAによる抗dsg1~3自己抗体レベルにおけるベースラインからの変化を含んだ。探索的PK/PD解析は、あるならばPKおよび/またはPDに対する共変量の影響、ならびにこの集団におけるPK、PD、および効能の関係を調査した。
【0333】
解析対象集団:
4つの研究対象集団を定義した:スクリーニング集団;安全性解析対象集団;効能解析対象集団;および薬物動態解析対象集団。
【0334】
インフォームドコンセントを示し、研究参加についてスクリーニング判定を評価した全ての参加者は、スクリーニング集団に含まれた。PRN1008の少なくとも1つの用量を受けた全ての参加者は安全性解析(安全性解析対象集団)に含まれた。安全性解析対象集団は全ての安全性解析について定義した。
【0335】
PRN1008の少なくとも1つの用量を受けた全ての患者は、効能解析(効能解析対象集団)に含まれた。対象の反応および疾患進行を、PDAI、ABSIS、ABQOL、およびTABQOLスコアを使用して決定した。
【0336】
薬物動態解析対象集団は、PK解析を可能にするのに十分な血漿中濃度データを提供した参加者を含んだ。参加者が組入れもしくは除外基準に著しく背いた場合、プロトコールから著しく逸脱した場合、またはデータが入手不可能もしくは不完全である場合、参加者をPK解析対象集団から除外することができ、これらの全ては解析に影響を与える可能性がある。
【0337】
臨床有害事象:
有害事象(AE)は、医薬品を投与された参加者または治験参加者における、介入との因果関係を必ずしも有する必要がない任意の望ましくない医療上の出来事である。したがって、AEは、製品に関連するとみなされるかどうかにかかわらず、治験製品の使用に一時的に関連する任意の好ましくない、意図しない徴候(例えば異常な検査所見を含む)、症状、または疾患であり得る。治験責任医師は、参加者の同意日から追跡調査来院まで、臨床研究中に遭遇した全てのAEを原資料に詳細に報告するように指示された。他の測定において捕捉されることが意図された天疱瘡疾患活動性の変動があり得ることが予期されたので、治験責任医師は、研究中の疾患を除いて、研究中に悪化した既存の状態をAEとして報告するようにも指示された。
【0338】
治験責任医師はNCI CTCAE、Version 4.0以上に基づいてAEをグレード分類するように指示された。CTCAEにない任意のAEについて、以下の強度グレード分類を用いることができた:
グレード1:軽度;症状がないまたは軽度症状;臨床または検査所見のみ;介入は必要ない。
グレード2:中等度;最小、局所的または非侵襲的介入が必要である;年齢相応の手段的日常生活動作に制限がある。
グレード3:重度または医学的に重大であるが直ちに生命を脅かさない;入院または入院の延長が必要である;障害がある;身の回りの日常生活動作に制限がある。
グレード4:生命を脅かす結果;緊急介入が必要である。
グレード5:AEに関連する死亡。
【0339】
治験責任医師は、研究参加者の情報、事象の周囲の状況、および任意の潜在的な代替の原因の評価を使用して、AEが研究薬に関連するとみなされるかどうかを決定し、それに対応する「はい」または「いいえ」を示すように指示された。治験責任医師は、AEが研究薬に関連するかどうかの決定において考慮されるべき以下の手引きに従うように求められた:(1)事象の発生と研究薬の開始との一時的関係;(2)事象の経過、特に用量低減、研究薬の中止、または研究薬の再導入(該当する場合)の影響を考慮する;(3)事象と研究薬または同様の処置との既知の関連;(4)事象と研究中の疾患との既知の関連;(5)研究参加者におけるリスク因子の存在または事象の発生を増加させることが知られている併用薬品の使用;および(6)事象の発生に関連することが知られている非処置関連因子の存在。
【0340】
重篤な有害事象(SAE)は、重大な危険、禁忌、副作用、または注意を示唆する任意の経験(臨床AEまたは異常な臨床検査)である。SAEは任意の用量レベルで以下の基準の少なくとも1つを満たさなければならない:(1)致命的である(死亡の転帰をもたらす);(2)生命を脅かす;(3)治療のための入院または入院期間の延長が必要である;(4)永続的または重大な障害/機能不全をもたらす;(5)先天異常/先天性欠損をきたす;または(6)医学的に重大であるもしくは上に記載の転帰のどれかを防ぐための介入が必要である。
【0341】
研究設計パートA:
パートAは、天疱瘡患者におけるPRN1008の効能および安全性を評価するために設計された多施設、オープンラベル、シングルアーム第2相研究(NCT02704429)であった。オーストラリア、クロアチア、フランス、ギリシャ、およびイスラエルにおける13の施設からの患者を組入れについてスクリーニングした。オーストラリア、クロアチア、フランス、ギリシャ、およびイスラエルにおける52人の患者をスクリーニングし、25人は適格性基準を満たさなかった。高いスクリーニング失敗率は、B型もしくはC型肝炎(n=6)または結核(n=5)について検査が陽性であった患者に起因した。27人の患者を登録し、安全性解析に含めた。1人の患者を非処置関連AEにより除外し、合計26人の患者を、主要効能解析に使用される修正ITT(mITT)集団に含めた。2人の他の患者が非処置関連AEにより研究から離脱し、研究を完了した合計24人の患者が残った。
【0342】
平均患者年齢は52.1(範囲:37~72)であり、患者の大部分は白人(81.5%)および女性(55.6%)であった。9人の患者(33.3%)は新しく診断され、18人(66.7%)は再発であった。診断からスクリーニングまでの平均時間は6年(範囲:0~25)であった。11人の患者は軽度~中等度の天疱瘡を有し、16人の患者は中等度~重度の天疱瘡を有した。26人の患者は併用CS薬品を研究中のある時点で受けた。合計22人の患者はPV表現型(13人は抗dsg3+、10人は抗dsg1/3+)であり、3人はPF表現型(抗dsg1+)であり、1人の患者は抗dsg1/3について二重陰性であった。研究登録時のCS用量の中央値は14mg/日であり、範囲は0~30mg/日であった。
【0343】
患者は400mg PRN1008 1日2回(BID)の初期用量を受け、治験責任医師の裁量で600mg BIDまで用量調整が可能であった。処置期間は12週間と追加の12週間の処置終了後追跡調査であった。3人の患者は疾患活動性の悪化により用量を増やした。CDAを15日目に達成した1人の患者は、34日目にCSと共に500mg bidに増やした。2人の別の患者は600mg bidに増やし;1人は23日目に25mgのCS用量と共に増やし(CDAを29日目に達成した)、もう1人は57日目に増やした。
【0344】
疾患の「レスキュー」が必要でない限り、患者は研究薬レジメンに加えて0.5mg/kg/日以下のCSを受けることを許可された。患者は、研究を通してモニターされ、バイタルサイン、有害事象(AE)、併用薬品、PK/PD、および他の臨床検査について判定された。
【0345】
主要効能エンドポイントは、≦0.5mg/kg/日のCSの用量でPRN1008処置を開始してから4週間以内に疾患活動性の制御(CDA)を達成した患者の割合であった(Murrell DFら、2008)。CDAは、新しい病変の形成が止まりかつ確認された病変が治癒し始める時間と定義した。主要安全性エンドポイントは、身体検査、臨床検査、およびバイタルサインにおける臨床的に重大な変化を含む、処置により出現した有害事象(TEAE)の発生率であった。副次的エンドポイントは、第1のPRN1008用量から2および24時間後の末梢血単核細胞(PBMC)におけるBTK占有率によって測定されるPK/PDデータならびに様々な時点での抗dsg1および抗dsg3自己抗体レベルにおけるベースラインからの変化を含んだ。
【0346】
小さいサンプルサイズゆえに、推計解析から得られた全てのp値は情報価値があるとみなした。概して、全ての有意性検定は、有意水準0.05で両側であった。全ての検定は、多重性または多重比較について調整せずに行った。効能エンドポイントの奏効率の両側80%および95%CIを示した。
【0347】
1人を除く全ての患者が末梢白血球における治療レベルのBTK占有率(目標≧70%)を有した。第1の用量後1日目に高い占有率が達成され、十分な初期用量が使用されたことが確認された。投薬後2時間での平均1日目BTK占有率は88%であり、定常状態での投薬前平均は87%であった。迅速な全身クリアランスおよび遅いオフ動態は、投薬後12時間において9.5ng/mLの最小血漿中レベル(トラフ点)をもたらし、87%の高いBTK占有率が維持された。
【0348】
26人のうち14人(54%)の患者は、29日目までに(4週間の期間後)低用量CSでCDAを達成した(図1)。400、500、および600mg BID投薬亜群におけるこのエンドポイントはそれぞれ、23人のうち12人(52%)、1人のうち1人(100%)、および2人のうち1人(50%)であった。合計3人の患者はCDAを5週目の来院以前にCSを使用することなく達成した(図2)。26人のうち19人(73%)の患者はCDAを、低用量CSで85日目までに達成した(図1、2)。
【0349】
26人のうち6人(23%)の患者は、CRを研究期間中に達成した(図3)。4人の患者(15%)はCRをCS用量≦0.5mg/kg/日で85日目までに達成し、2人の別の患者はCRをCS≦0.5mg/kg/日で141日目までに達成した。研究を完了した患者のうち、24人のうち4人(16.7%)はCRを処置期間中に達成し、別の2人の患者(すなわち24人のうち合計6人、25%)はCRをCS≦0.5mg/kg/日で追跡調査期間に(141日目までに)達成した。平均CS用量は、全ての患者について、ベースラインで14mg/日(SD=11)および12週間の処置後12mg/日(SD=10)であった。CRを達成した患者について、患者がCRを達成した時点の平均CS用量は8mg(範囲:1~20mg)であった。CR期間の中央値は処置後96日であり、その間の平均CS用量は8mg/日(範囲:0.7~20mg/日)であった。
【0350】
PDAIスコアにおける70%の中央値の低減および抗dsg3抗体における関連する低減が12週間の処置にわたり見られた(図4、5)。PDAIスコアの低減は、やや重度の疾患を有する患者において、治療に入って早くも2週間で見られた。より軽度の疾患を有する11人の患者において、PDAIスコアは最初の4週間の治療で下がり、全ての患者は85日目の来院時に5以下のPDAIスコアを有した。ベースラインで高レベルの自己抗体を有した患者を含み、65%までの自己抗体レベルの中央値の低減が観察された。
【0351】
新しい症例対慢性、抗dsg1および3抗体力価<100対≧100、および軽度対中等度~重度天疱瘡患者群を含む全ての亜群において結果は同様であった。再発および新しく診断された患者におけるCDA率はそれぞれ、18人のうち13人(72%)および8人のうち6人(75%)であった。抗dsg3抗体陽性患者において、CDA率はmITT集団全体のものよりもわずかに高かった(64%)。
【0352】
全体で、PRN1008は臨床症状を迅速に改善し、パートAの患者の>50%がCDAを4週間以内に達成し、全体で70%のPDAIスコアにおける中央値の低減を達成した。亜群における効能は43~64%の範囲であり、処置の成功が疾患特性によって影響を受けず、天疱瘡と診断された全ての患者に有効であり得ることを示唆した。患者の90%は、奏効を達成するのに用量増加を必要としなかった。抗dsg3の低減の不足にもかかわらずCDAを4週目までに達成した患者の割合が高いことは(54%)、これが迅速な抗炎症効果の結果である可能性があり、自己抗体低減と独立している可能性があることを示唆する。12週目までに、PDAIスコアおよび抗dsg3レベルの両方において低減が見られた。この観察は、PRN1008の3つの同時の作用機序、すなわち迅速な抗炎症効果、病原性自己抗体の中和、および自己抗体産生の遮断に起因する可能性がある。
【0353】
特に、パートAの研究集団の2/3は、かなりの時間(平均:6年)この状態と共に生きてきた、複数の処置に不応性である可能性があった、再発性天疱瘡を有する患者であった。加えて、登録された患者の50%超は中等度~重度の天疱瘡に一致するPDAIスコアを有した。ほとんどの他の天疱瘡処置は、新しく診断された患者または最大2年間処置された患者において研究されてきただけである(Chams-Davatchi Cら、2013)。この研究において、PRN1008は、処置するのが非常に難しく、この状態の現実世界の人口統計をよく表す集団において有効性を実証した。
【0354】
PRN1008は、現在の標準治療と比較してCS使用の低減の可能性も示す。患者は、少ないCS~CSなしで症状の改善を達成し(平均がベースラインの14mg/日からCR時の8mg/日まで下がった)、これは天疱瘡の通常の標準治療(典型的には、1mg/kg/日または少なくとも60mg/日)より好ましい(Gregoriou Sら、2015;Cholera Mら、2016)。3人の患者はCDAを5週目以前にCS使用なしで達成し、4人の別の患者はCRを13週目にCS使用なしで達成した。3人の患者だけは標準400mg bidを超える用量増加を必要とし、4人の患者だけはPRN1008終了後12週間においてCSレスキュー>0.5mg/kgを必要とした。PRN1008療法のより長い期間が、CS使用のさらなる低減またはさらには中止を可能にし得る可能性がある。これは、実現すれば、現在の療法によく見られるCS誘導AEのリスクを低減し、長期の高強度CS療法の有害な結果を軽くするであろう(Hwang JLら、2014;Rostaing Lら、2016)。
【0355】
安全性解析対象集団における27人の患者のうち20人(74%)はTEAEを経験した。患者の>10%によって報告されたTEAEを付録17に示す。研究薬に関連すると判定されたAEは悪心(15%)、上腹部痛(11%)および頭痛(11%)を含んだ。ほとんどのAEは、軽度~中等度の重症度であり(94/97はグレード1または2であった)、一時的であることが多かった。
【0356】
3人の患者は重篤なAE(SAE)を経験した。第1の唯一の処置関連SAEは、II型糖尿病と9年間の再発性天疱瘡を有する患者における26日目の蜂巣炎(グレード3)であった。試験薬を止めた3日間コースのIV抗生物質後、患者は退院し、全12週間の処置を完了した。第2のSAEは、29日目に発見された膵仮性嚢胞であり、その後患者は待期的手術のために研究から離脱した。第3のSAEは、診断されていない先天性肺分画症の炎症による急性呼吸不全(8日目)であった。患者は回復せず、PRN1008への最後の曝露後34日で死亡し;死亡の原因は、肺手術後の脳ヘルニア形成脳動脈塞栓症と判断された。
【0357】
パートAにおけるPRN1008の安全性結果は好ましいリスク/利益プロファイルを示す。この研究で報告されたTEAEの大部分は、軽度および一時的であり、大出血、心房細動、または血小板減少症/好中球減少症などの販売されているBTKiに一般的に関連するAEの症例は報告されなかった。
【0358】
パートAの研究の制限は、対照群が存在しないことなどのオープンラベル試験設計に典型的に関連するものを含む。したがって、データを注意深く解釈すべきであり、より堅牢な評価を提供するためにプラセボ対照試験が必要である。研究期間は短く、12週間の処置および12週間の追跡調査であり、より長期のデータが必要である。27人の患者のサンプルサイズは小さかった。しかし、天疱瘡は比較的稀な疾患であり、したがって、この疾患領域における任意の研究はサイズが比較的控え目であろう。研究集団のおよそ半分がギリシャから登録されたが、ITT集団の患者の臨床および人口統計学的特性は天疱瘡を有する患者を広く表すことができる。
【0359】
研究設計パートB:
パートBは、天疱瘡患者におけるPRN1008の効能および安全性をさらに評価するために設計された多施設、オープンラベル、シングルアーム第2相研究(NCT02704429)であった。患者は、400mgの初期用量のPRN1008を1日1回(QD)受け、治験責任医師の裁量で600mg BIDまで用量調整が可能であった。処置期間は24週間であり、追加の4週間は処置終了後追跡調査であった。1人の患者は天疱瘡の悪化により5週目に脱落した。
【0360】
パートBにおいて、PRN1008による処置は高いCDA率をもたらした(図6、7、8A、8B)。400mg QD投薬の患者は、CDAを4週間で、低用量副腎皮質ステロイドで達成することができたが、BID投薬と比較して低い率であった。12週間での全体のCDA率は80%(15人の患者のうち12人)であった。
【0361】
400mg QD投薬の患者は、12週間でBID投薬と比較して低い完全寛解率を有した(図9A、9B)。しかし、24週間までに、PDAI活動性スコアの中央値の94%の低減および平均PDAI活動性スコアの79%の低減が、パートBに登録された患者について観察された(図10、11)。PDAIの中央値は、1日目の12から12週間で4、および24週間で1になり、15人の患者のうち10人(67%)が24週間で1または0のPDAIに到達した。
【0362】
加えて、24週間のPRN1008処置は、毎日の副腎皮質ステロイド使用量を減らした(図11)。累積ステロイド用量は、パートAにおいて第1の12週間と第2の12週間の間に増加したが、パートBではその逆が当てはまった。
【0363】
全体で、PRN1008はパートBにおいて忍容性が良好であり、天疱瘡患者へのプラスの利益/リスクを維持し続けた。全ての処置関連AEは軽度~中等度および一時的であった。パートB処置関連有害事象は、パートAにおいて観察されたものと一致しており、最も多いAEは胃腸由来であった。パートBにおいて、15人の患者のうち2人は軽度の関連感染症(それぞれ1つの事象:グレード1鼻咽頭炎;グレード1気管炎)を報告した。10%を超える発生率を有する処置関連AEは、軽度~中等度(グレード1および2)である悪心、腹部膨満、感染症、および口咽頭痛であった。
【0364】
ある特定の文献がこの出願において短い引用形式で参照される。参考文献のより詳細な列挙は以下に提供される。
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【0365】
群の少なくとも1つのメンバーの間に「または」または「および/または」を含む請求項または記載は、反対のことが示されない限り、または文脈からそうでないことが明らかでない限り、群のメンバーの1つ、1つより多くまたは全てが所与の生成物または方法において存在し、用いられ、または他の方法でそれらに関連する場合に満たされるとみなされる。本開示は、群のちょうど1つのメンバーが所与の生成物または方法において存在し、用いられ、または他の方法でそれらに関連する実施形態を含む。本開示は、1つより多くのまたは全ての群メンバーが、所与の生成物または方法において存在する、用いられる、または他の方法でそれらに関連する実施形態を含む。
【0366】
範囲が与えられる場合、終点が含まれる。さらに、そうでないことが示されない限りまたは文脈および当業者の理解からそうでないことが明らかでない限り、範囲として表される値は、本開示の異なる実施形態における記載された範囲内の任意の特定の値または部分範囲を、文脈がそうでないことを明らかに指示しない限り、その範囲の下限の単位の10分の1までとることができる。
【0367】
前述の開示は、明確さおよび理解のために説明および例によってある程度詳細に記載されている。したがって、上記の記載は説明を意図しており、限定を意図していないことが理解されるべきである。したがって、本開示の範囲は上記の記載を参照して決定されるべきでなく、代わりに以下の添付の特許請求の範囲を、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
【国際調査報告】