(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】中継器を介したマルチ送信/受信ポイント(マルチTRP)動作のための技法
(51)【国際特許分類】
H04W 40/12 20090101AFI20221208BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20221208BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20221208BHJP
【FI】
H04W40/12
H04W16/26
H04W48/16 132
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521019
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 US2020048208
(87)【国際公開番号】W WO2021071602
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ナヴィド・アベディーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンイ・リ
(72)【発明者】
【氏名】アシュウィン・サンパス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD34
5K067DD41
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ17
(57)【要約】
ワイヤレス通信のための方法、システム、およびデバイスについて説明する。いくつかの例では、基地局は、ユーザ機器(UE)への1つまたは複数の通信経路を識別してもよく、通信経路ごとのエンドツーエンド信号品質(たとえば、信号対雑音比(SNR))、各通信経路のホップごとの1つもしくは複数のホップSNR値、各通信経路のホップSNR値とエンドツーエンドSNRの比、またはそれらの組合せを決定してもよい。決定されたSNR値、比、またはその両方に基づいて、基地局は、第1のタイプの通信(たとえば、アップリンク、ダウンリンク、信号タイプなど)のために第1の通信経路を選択し、第2のタイプの通信(たとえば、アップリンク、ダウンリンク、信号タイプなど)のために第2の通信経路を選択してもよく、選択された通信経路を使用してUEと通信してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信のための方法であって、
ユーザ機器(UE)との第1の通信経路および前記UEとの第2の通信経路を識別するステップであって、前記第1の通信経路、前記第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を備える、ステップと、
前記第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および前記第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定するステップであって、前記第1のエンドツーエンド品質および前記第2のエンドツーエンド品質が各々、前記第1の通信経路および前記第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を備える、ステップと、
前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第1のエンドツーエンド品質、前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに少なくとも部分的に基づいて、前記UEとの通信のための第1の通信タイプのために前記第1の通信経路を選択するステップと、
前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第2のエンドツーエンド品質、前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに少なくとも部分的に基づいて、前記UEとの通信のための第2の通信タイプのために前記第2の通信経路を選択するステップと、
前記選択することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の通信経路、前記第2の通信経路、またはその両方を介して前記UEと通信するステップと
を備える方法。
【請求項2】
アップリンク通信のために前記第1の通信経路を選択するステップであって、前記第1の通信タイプがアップリンク通信を備える、ステップと、
ダウンリンク通信のために前記第2の通信経路を選択するステップであって、前記第2の通信タイプがダウンリンク通信を備える、ステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の通信経路と前記第2の通信経路の両方が、前記1つまたは複数の中継器を備え、前記方法が、
アップリンク通信のために前記第1の通信経路を選択したことに少なくとも部分的に基づいて、前記UEから1つまたは複数のアップリンク信号を受信し、基地局に前記1つまたは複数のアップリンク信号を伝達するように、前記第1の通信経路の前記1つまたは複数の中継器を構成するステップと、
ダウンリンク通信のために前記第2の通信経路を選択したことに少なくとも部分的に基づいて、前記基地局から1つまたは複数のダウンリンク信号を受信し、前記UEに前記1つまたは複数のダウンリンク信号を伝達するように、前記第2の通信経路の前記1つまたは複数の中継器を構成するステップと
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1のタイプのダウンリンク信号のために前記第1の通信経路を選択するステップであって、前記第1の通信タイプが前記第1のタイプのダウンリンク信号を備える、ステップと、
第2のタイプのダウンリンク信号のために前記第2の通信経路を選択するステップであって、前記第2の通信タイプが前記第2のタイプのダウンリンク信号を備える、ステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のエンドツーエンド品質、前記第1の比、またはそれらの組合せが、前記第2のエンドツーエンド品質、前記第2の比、またはそれらの組合せよりも高いと決定するステップであって、前記第1のタイプのダウンリンク信号のために前記第1の通信経路を選択するステップおよび前記第2のタイプのダウンリンク信号のために前記第2の通信経路を選択するステップが、前記決定することに少なくとも部分的に基づく、ステップ
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の通信経路を介して前記第1のタイプのダウンリンク信号を送信するステップと、
前記第2の通信経路を介して前記第2のタイプのダウンリンク信号を送信するステップと
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のタイプのダウンリンク信号が、データシグナリングを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のタイプのダウンリンク信号が、ブロードキャストシグナリングまたは制御シグナリングを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の通信経路が、前記1つまたは複数の中継器を備え、前記第1の通信経路が、基地局と前記UEとの間のダイレクトリンクを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
第1の信号のために前記第1の通信経路を選択するステップであって、前記第1の通信タイプが前記第1の信号の第1のコピーを備える、ステップと、
前記第1の信号のために前記第2の通信経路を選択するステップであって、前記第2の通信タイプが前記第1の信号の第2のコピーを備える、ステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
信号の第1のセットのために前記第1の通信経路を選択するステップであって、前記第1の通信タイプが第1の通信ストリームを備える、ステップと、
前記信号の第1のセットとは異なる信号の第2のセットのために前記第2の通信経路を選択するステップであって、前記第2の通信タイプが第2の通信ストリームを備える、ステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記UEと通信するために前記第1の通信経路を選択するステップであって、前記第1の通信タイプがアクティブ通信モードを備える、ステップと、
前記第1の通信経路を介した通信が失敗したときのバックアップ通信のために前記第2の通信経路を選択するステップであって、前記第2の通信タイプがバックアップ通信モードを備える、ステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の通信経路の前記第1のエンドツーエンド品質を決定するステップが、前記第1の通信経路の第1の信号対雑音比(SNR)を決定するステップであって、前記第2の通信経路の前記第2のエンドツーエンド品質を決定するステップが、前記第2の通信経路の第2のSNRを決定するステップを備え、前記第1のホップ品質が、第1のホップSNRを備える、ステップを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
中継器におけるワイヤレス通信のための方法であって、
前記中継器を備える第1の通信経路を介して基地局とユーザ機器(UE)との間で通信するステップであって、前記第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、前記中継器を含まない前記基地局と前記UEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、前記第1のエンドツーエンド品質および前記第2のエンドツーエンド品質が各々、前記第1の通信経路および前記第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を備える、ステップと、
前記中継器において前記第1の通信経路内で、前記基地局からの構成メッセージを受信するステップであって、前記構成メッセージを受信することが、前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第1のエンドツーエンド品質、前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第1のエンドツーエンド品質の第1の比、前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第2のエンドツーエンド品質、および前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに少なくとも部分的に基づく、ステップと、
前記UEと前記基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、前記構成メッセージに少なくとも部分的に基づいて前記中継器の構成ステータスを調整するステップと、
前記調整することに少なくとも部分的に基づいて、前記通信タイプに従って前記UEと前記基地局との間で1つまたは複数の信号を中継するステップと
を備える方法。
【請求項15】
前記UEから前記基地局に1つまたは複数のアップリンクメッセージを中継するステップであって、前記通信タイプがアップリンク通信を備える、ステップ
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記基地局から前記UEに1つまたは複数のダウンリンクメッセージを中継するステップであって、前記通信タイプがダウンリンク通信を備える、ステップ
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記基地局から前記UEに、ダウンリンクブロードキャスト信号、ダウンリンク制御信号、またはダウンリンクデータ信号を中継するステップであって、前記通信タイプがあるタイプのダウンリンク信号を備える、ステップ
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記UEと前記基地局との間で、信号の第1のコピーを中継するステップであって、前記通信タイプが前記信号の前記第1のコピーを備える、ステップ
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記UEと前記基地局との間で、信号の第1のセットを中継するステップであって、前記通信タイプが第1の通信ストリームを備える、ステップ
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記UEと前記基地局との間で、1つまたは複数の信号のセットを中継するステップであって、前記通信タイプがアクティブ通信モードを備える、ステップ
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記UEと前記基地局との間で、1つまたは複数の信号のセットのサブセットを中継するステップであって、前記サブセットが、前記中継器を含まない異なる通信経路を介した送信に失敗しており、前記通信タイプがバックアップ通信モードを備える、ステップ
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の通信経路の前記第1のエンドツーエンド品質が、前記第1の通信経路の第1の信号対雑音比(SNR)を備え、前記第2の通信経路の前記第2のエンドツーエンド品質が、前記第2の通信経路の第2のSNRを備え、前記第1のホップ品質が、第1のホップSNRを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
ワイヤレス通信のための装置であって、
ユーザ機器(UE)との第1の通信経路および前記UEとの第2の通信経路を識別するための手段であって、前記第1の通信経路、前記第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を備える、手段と、
前記第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および前記第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定するための手段であって、前記第1のエンドツーエンド品質および前記第2のエンドツーエンド品質が各々、前記第1の通信経路および前記第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を備える、手段と、
前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第1のエンドツーエンド品質、前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに少なくとも部分的に基づいて、前記UEとの通信のための第1の通信タイプのために前記第1の通信経路を選択するための手段と、
前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第2のエンドツーエンド品質、前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに少なくとも部分的に基づいて、前記UEとの通信のための第2の通信タイプのために前記第2の通信経路を選択するための手段と、
前記選択することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の通信経路、前記第2の通信経路、またはその両方を介して前記UEと通信するための手段と
を備える装置。
【請求項24】
アップリンク通信のために前記第1の通信経路を選択するための手段であって、前記第1の通信タイプがアップリンク通信を備える、手段と、
ダウンリンク通信のために前記第2の通信経路を選択するための手段であって、前記第2の通信タイプがダウンリンク通信を備える、手段と
をさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
第1のタイプのダウンリンク信号のために前記第1の通信経路を選択するための手段であって、前記第1の通信タイプが前記第1のタイプのダウンリンク信号を備える、手段と、
第2のタイプのダウンリンク信号のために前記第2の通信経路を選択するための手段であって、前記第2の通信タイプが前記第2のタイプのダウンリンク信号を備える、手段と
をさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
第1の信号のために前記第1の通信経路を選択するための手段であって、前記第1の通信タイプが前記第1の信号の第1のコピーを備える、手段と、
前記第1の信号のために前記第2の通信経路を選択するための手段であって、前記第2の通信タイプが前記第1の信号の第2のコピーを備える、手段と
をさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項27】
信号の第1のセットのために前記第1の通信経路を選択するための手段であって、前記第1の通信タイプが第1の通信ストリームを備える、手段と、
前記信号の第1のセットとは異なる信号の第2のセットのために前記第2の通信経路を選択するための手段であって、前記第2の通信タイプが第2の通信ストリームを備える、手段と
をさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記UEと通信するために前記第1の通信経路を選択するための手段であって、前記第1の通信タイプがアクティブ通信モードを備える、手段と、
前記第1の通信経路を介した通信が失敗したときのバックアップ通信のために前記第2の通信経路を選択するための手段であって、前記第2の通信タイプがバックアップ通信モードを備える、手段と
をさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項29】
中継器におけるワイヤレス通信のための装置であって、
前記中継器を備える第1の通信経路を介して基地局とユーザ機器(UE)との間で通信するための手段であって、前記第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、前記中継器を含まない前記基地局と前記UEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、前記第1のエンドツーエンド品質および前記第2のエンドツーエンド品質が各々、前記第1の通信経路および前記第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を備える、手段と、
前記中継器において前記第1の通信経路内で、前記基地局からの構成メッセージを受信するための手段であって、前記構成メッセージを受信することが、前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第1のエンドツーエンド品質、前記第1のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第1のエンドツーエンド品質の第1の比、前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質、前記第2のエンドツーエンド品質、および前記第2のエンドツーエンド品質の前記第1のホップ品質と前記第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに少なくとも部分的に基づく、手段と、
前記UEと前記基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、前記構成メッセージに少なくとも部分的に基づいて前記中継器の構成ステータスを調整するための手段と、
前記調整することに少なくとも部分的に基づいて、前記通信タイプに従って前記UEと前記基地局との間で1つまたは複数の信号を中継するための手段と
を備える装置。
【請求項30】
前記UEから前記基地局に1つまたは複数のアップリンクメッセージを中継するための手段であって、前記通信タイプがアップリンク通信を備える、手段
をさらに備える、請求項29に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡された、2019年10月9日に出願された「MULTI-TRP OPERATION VIA REPEATERS」と題するABEDINIらによる米国仮特許出願第62/912,849号の利益を主張する、2020年8月26日に出願された「TECHNIQUES FOR MULTIPLE TRANSMISSION/RECEPTION POINT (MULTI-TRP) OPERATION VIA REPEATERS」と題するABEDINIらによる米国特許出願第17/003,393号の優先権を主張する。
【0002】
以下は、一般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、中継器を介したマルチ送信/受信ポイント(マルチTRP)動作に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャストなどの、様々なタイプの通信コンテンツを提供するために広く展開されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、時間、周波数、および電力)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能であり得る。そのような多元接続システムの例は、ロングタームエボリューション(LTE)システム、LTEアドバンスト(LTE-A)システム、またはLTE-A Proシステムなどの第4世代(4G)システム、およびニューラジオ(NR)システムと呼ばれることがある第5世代(5G)システムを含む。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、または離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重化(DFT-S-OFDM)などの技術を採用し得る。ワイヤレス多元接続通信システムは、場合によってはユーザ機器(UE)として知られていることがある複数の通信デバイスのための通信を各々が同時にサポートする、1つもしくは複数の基地局または1つもしくは複数のネットワークアクセスノードを含み得る。
【0004】
NRなどの、ミリメートル波を使用する無線アクセス技術(RAT)は、送信エンティティから受信エンティティへの波の通過を妨げる障害物の影響を受けることがある。そのような場合、ワイヤレス通信システムは、受信された信号を増幅し、それらの信号を送信エンティティから受信エンティティに転送するために、1つまたは複数の中継器を含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
説明する技法は、中継器を介したマルチ送信/受信ポイント(マルチTRP)動作をサポートする、改善された方法、システム、デバイス、および装置に関する。そのようなシステムでは、送信デバイスと受信デバイスとの間に複数の通信経路があってもよく、それらの経路のうちの少なくともいくつかは、1つまたは複数の中継器を含んでもよい。いくつかの例では、送信デバイスは、ワイヤレス通信システムにおいて非効率性を改善し、レイテンシを減少させるために、各通信経路のエンドツーエンド信号対雑音比(SNR)に基づいてマルチTRPシステム内の通信経路を選択してもよい。いくつかの例では、基地局は、ユーザ機器(UE)への1つまたは複数の通信経路を識別してもよく、通信経路ごとのエンドツーエンドSNR、各通信経路のホップごとの1つもしくは複数のホップSNR値、各通信経路のホップSNR値とエンドツーエンドSNRの比、またはそれらの組合せを決定してもよい。決定されたSNR値、比、またはその両方に基づいて、基地局は、第1のタイプの通信(たとえば、アップリンク、ダウンリンク、信号タイプなど)のために第1の通信経路を選択し、第2のタイプの通信(たとえば、アップリンク、ダウンリンク、信号タイプなど)のために第2の通信経路を選択してもよく、選択された通信経路を使用してUEと通信してもよい。
【0006】
ワイヤレス通信の方法について説明する。方法は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別するステップであって、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を含む、ステップと、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定するステップであって、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、ステップと、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択するステップと、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択するステップと、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信するステップとを含み得る。
【0007】
ワイヤレス通信のための装置について説明する。装置は、プロセッサと、プロセッサと結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別することであって、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を含む、識別することと、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定することであって、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、決定することと、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択することと、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択することと、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信することとを装置に行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0008】
ワイヤレス通信のための別の装置について説明する。装置は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別するための手段であって、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を含む、手段と、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定するための手段であって、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、手段と、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択するための手段と、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択するための手段と、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信するための手段とを含み得る。
【0009】
ワイヤレス通信のためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体について説明する。コードは、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別することであって、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を含む、識別することと、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定することであって、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、決定することと、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択することと、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択することと、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信することとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0010】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、アップリンク通信のために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプがアップリンク通信を含む、選択することと、ダウンリンク通信のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプがダウンリンク通信を含む、選択することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよい。
【0011】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、アップリンク通信のために第1の通信経路を選択したことに基づいて、UEから1つまたは複数のアップリンク信号を受信し、基地局に1つまたは複数のアップリンク信号を伝達するように、第1の通信経路の1つまたは複数の中継器を構成することと、ダウンリンク通信のために第2の通信経路を選択したことに基づいて、基地局から1つまたは複数のダウンリンク信号を受信し、UEに1つまたは複数のダウンリンク信号を伝達するように、第2の通信経路の1つまたは複数の中継器を構成することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよい。
【0012】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1のタイプのダウンリンク信号のために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプが第1のタイプのダウンリンク信号を含む、選択することと、第2のタイプのダウンリンク信号のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプが第2のタイプのダウンリンク信号を含む、選択することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよい。
【0013】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1のエンドツーエンド品質、第1の比、またはそれらの組合せが、第2のエンドツーエンド品質、第2の比、またはそれらの組合せよりも高い場合があると決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、第1のタイプのダウンリンク信号のために第1の通信経路を選択することおよび第2のタイプのダウンリンク信号のために第2の通信経路を選択することは、決定したことに基づいてもよい。
【0014】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の通信経路を介して第1のタイプのダウンリンク信号を送信することと、第2の通信経路を介して第2のタイプのダウンリンク信号を送信することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよい。
【0015】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、第1のタイプのダウンリンク信号は、データシグナリングを含む。
【0016】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、第2のタイプのダウンリンク信号は、ブロードキャストシグナリングまたは制御シグナリングを含む。
【0017】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、第2の通信経路は、1つまたは複数の中継器を含み、第1の通信経路は、基地局とUEとの間のダイレクトリンクを含む。
【0018】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の信号のために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプが第1の信号の第1のコピーを含む、選択することと、第1の信号のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプが第1の信号の第2のコピーを含む、選択することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよい。
【0019】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、信号の第1のセットのために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプが第1の通信ストリームを含む、選択することと、信号の第1のセットとは異なり得る信号の第2のセットのために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプが第2の通信ストリームを含む、選択することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよい。
【0020】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、UEと通信するために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプがアクティブ通信モードを含む、選択することと、第1の通信経路を介した通信が失敗したときのバックアップ通信のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプがバックアップ通信モードを含む、選択することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよい。
【0021】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質を決定することは、第1の通信経路の第1のSNRを決定するための動作、特徴、手段、または命令を含んでもよく、第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定することは、第2の通信経路の第2のSNRを決定することを含み、第1のホップ品質は、第1のホップSNRを含む。
【0022】
中継器におけるワイヤレス通信の方法について説明する。方法は、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信するステップであって、第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、ステップと、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信するステップであって、構成メッセージを受信することが、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく、ステップと、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整するステップと、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継するステップとを含み得る。
【0023】
中継器におけるワイヤレス通信のための装置について説明する。装置は、プロセッサと、プロセッサと結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信することであって、第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、通信することと、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信することであって、構成メッセージを受信することが、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく、受信することと、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整することと、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継することとを装置に行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0024】
中継器におけるワイヤレス通信のための別の装置について説明する。装置は、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信するための手段であって、第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、手段と、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信するための手段であって、構成メッセージを受信することが、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく、手段と、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整するための手段と、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継するための手段とを含み得る。
【0025】
中継器におけるワイヤレス通信のためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体について説明する。コードは、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信することであって、第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、通信することと、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信することであって、構成メッセージを受信することが、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく、受信することと、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整することと、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継することとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0026】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、UEから基地局に、1つまたは複数のアップリンクメッセージを中継するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、通信タイプがアップリンク通信を含む。
【0027】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、基地局からUEに、1つまたは複数のダウンリンクメッセージを中継するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、通信タイプがダウンリンク通信を含む。
【0028】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、基地局からUEに、ダウンリンクブロードキャスト信号、ダウンリンク制御信号、またはダウンリンクデータ信号を中継するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、通信タイプがあるタイプのダウンリンク信号を含む。
【0029】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、UEと基地局との間で、信号の第1のコピーを中継するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、通信タイプが信号の第1のコピーを含む。
【0030】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、UEと基地局との間で、信号の第1のセットを中継するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、通信タイプが第1の通信ストリームを含む。
【0031】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、UEと基地局との間で、1つまたは複数の信号のセットを中継するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、通信タイプがアクティブ通信モードを含む。
【0032】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、UEと基地局との間で、1つまたは複数の信号のセットのサブセットを中継するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含んでもよく、サブセットが、中継器を含まない異なる通信経路を介した送信に失敗しており、通信タイプがバックアップ通信モードを含む。
【0033】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質は、第1の通信経路の第1のSNRを含み、第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質は、第2の通信経路の第2のSNRを含み、第1のホップ品質は、第1のホップSNRを含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本開示の態様による、中継器を介したマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)動作のための技法をサポートするワイヤレス通信のためのシステムの一例を示す図である。
【
図2】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【
図3】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするベースラインアーキテクチャの一例を示す図である。
【
図4】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【
図5】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【
図6】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【
図7】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【
図8】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするプロセスフローの一例を示す図である。
【
図9】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイスのブロック図である。
【
図10】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイスのブロック図である。
【
図11】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする通信マネージャのブロック図である。
【
図12】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイスを含むシステムの図である。
【
図13】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイスのブロック図である。
【
図14】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイスのブロック図である。
【
図15】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする通信マネージャのブロック図である。
【
図16】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイスを含むシステムの図である。
【
図17】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法を示すフローチャートである。
【
図18】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法を示すフローチャートである。
【
図19】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法を示すフローチャートである。
【
図20】本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
いくつかのワイヤレス通信システムでは、送信デバイスは、受信デバイスと通信するためにミリメートル波を使用し得る。送信デバイスと受信デバイスとの間の障害物は、これらのミリメートル波信号が受信デバイスに到達するのを妨げることがある。マルチ送信受信ポイント(マルチTRP)システムにおける中継器の使用は、信号が障害物を迂回し、送信デバイスが届く範囲を拡大することを可能にし得る。複数の中継器は、1つまたは複数の信号を1つまたは複数の受信デバイスに中継し得る。送信デバイスと受信デバイスとの間の通信経路内の各リンクは、ホップと呼ばれることがある。たとえば、送信デバイスと中継器との間、中間の中継器の間、および中継器と受信デバイスとの間にホップがあり得る。
【0036】
マルチTRPシステムでは、送信デバイス(たとえば、基地局)は、第1のホップにおいて信号を1つまたは複数の中継器に送ることがあり、1つまたは複数の中継器は、第2のホップにおいて信号を増幅し、信号を1つまたは複数の受信デバイス(たとえば、UEまたは別の中継器)にリダイレクトする。信号の増幅は、受信された信号に関連付けられた雑音の増幅と、中継器の内部フィードバックループとをもたらし得る。信号の雑音はエンドツーエンドSNRを低下させ、したがって、信号送信におけるエラーを引き起こすことがあり、このことは、システムに対するレイテンシおよび非効率性を高めることがある。ワイヤレス通信システムにおける各ホップは、異なる大きさによって通信経路のエンドツーエンドSNRに影響を及ぼし得る。具体的には、通信経路内の第1のホップは、エンドツーエンドSNRにその他のホップよりも大きい影響を及ぼし得る。したがって、送信機は、異なる通信タイプのための信号送信を最適化するために、通信経路内の各ホップのSNRを考慮し得る。
【0037】
いくつかの場合、基地局は、通信経路のエンドツーエンドSNR、各通信経路内の1つもしくは複数のホップのSNR値、またはその両方に基づいて、アップリンク通信およびダウンリンク通信のために異なる通信経路を選択し得る。いくつかの例では、基地局は、異なるタイプの通信(たとえば、データ信号、制御信号、ブロードキャスト信号など)のために異なる通信経路を選択し得る。
【0038】
最初に、本開示の態様について、ワイヤレス通信システムの文脈で説明する。本開示の態様について、ワイヤレス通信システム、ベースラインアーキテクチャ、およびプロセスフローによってさらに示し、それらを参照しながら説明する。本開示の態様について、中継器を介したマルチTRP動作のための技法に関する装置図、システム図、およびフローチャートによってさらに示し、それらを参照しながら説明する。
【0039】
図1は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システム100の一例を示す。ワイヤレス通信システム100は、1つまたは複数の基地局105と、1つまたは複数のUE115と、コアネットワーク130とを含み得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム100は、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、LTEアドバンスト(LTE-A)ネットワーク、LTE-A Proネットワーク、またはニューラジオ(NR)ネットワークであり得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム100は、拡張ブロードバンド通信、超高信頼(たとえば、ミッションクリティカル)通信、低レイテンシ通信、低コストで低複雑度のデバイスとの通信、またはそれらの任意の組合せをサポートし得る。
【0040】
基地局105は、ワイヤレス通信システム100を形成するために地理的エリア全体にわたって分散されることがあり、異なる形態におけるまたは異なる能力を有するデバイスであり得る。基地局105およびUE115は、1つまたは複数の通信リンク125を介してワイヤレス通信し得る。各基地局105は、UE115および基地局105が1つまたは複数の通信リンク125を確立し得るカバレージエリア110を提供し得る。カバレージエリア110は、基地局105およびUE115が1つまたは複数の無線アクセス技術による信号の通信をサポートし得る地理的エリアの一例であり得る。
【0041】
UE115は、ワイヤレス通信システム100のカバレージエリア110全体にわたって分散されることがあり、各UE115は、異なる時間に固定もしくはモバイルまたはその両方であり得る。UE115は、異なる形態におけるまたは異なる能力を有するデバイスであり得る。いくつかの例示的なUE115が
図1に示されている。本明細書で説明するUE115は、
図1に示すように、他のUE115、基地局105、またはネットワーク機器(たとえば、コアネットワークノード、中継デバイス、統合アクセスおよびバックホール(IAB)ノード、または他のネットワーク機器)などの、様々なタイプのデバイスと通信することが可能であり得る。
【0042】
基地局105は、コアネットワーク130と、もしくは互いと、またはその両方と通信し得る。たとえば、基地局105は、1つまたは複数のバックホールリンク120を通じて(たとえば、S1、N2、N3、または他のインターフェースを介して)コアネットワーク130とインターフェースし得る。基地局105は、バックホールリンク120上で(たとえば、X2、Xn、または他のインターフェースを介して)、直接(たとえば、基地局105間で直接)、もしくは間接的に(たとえば、コアネットワーク130を介して)のいずれかで、またはその両方で互いと通信し得る。いくつかの例では、バックホールリンク120は、1つまたは複数のワイヤレスリンクであり得るか、またはそれらを含み得る。
【0043】
本明細書で説明する基地局105のうちの1つまたは複数は、基地トランシーバ局、無線基地局、アクセスポイント、無線トランシーバ、ノードB、eノードB(eNB)、次世代ノードBもしくはギガノードB(そのいずれもgNBと呼ばれることがある)、ホームノードB、ホームeノードB、または他の好適な用語を含み得るか、または当業者によってそのように呼ばれることがある。
【0044】
UE115は、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、リモートデバイス、ハンドヘルドデバイス、もしくは加入者デバイス、または何らかの他の好適な用語を含み得るか、またはそのように呼ばれることがあり、ここで、「デバイス」は、例の中でも、ユニット、局、端末、またはクライアントと呼ばれることもある。UE115はまた、セルラーフォン、携帯情報(PDA)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはパーソナルコンピュータなどのパーソナル電子デバイスを含み得るか、またはそのように呼ばれることがある。いくつかの例では、UE115は、例の中でも、アプライアンス、車両、またはメーターなどの様々な物品において実装され得る、例の中でも、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、モノのインターネット(IoT)デバイス、あらゆるモノのインターネット(IoE)デバイス、またはマシンタイプ通信(MTC)デバイスを含み得るか、またはそのように呼ばれることがある。
【0045】
本明細書で説明するUE115は、
図1に示すように、例の中でも、リレーとして働くことがあり得る他のUE115、ならびに、マクロeNBもしくはgNB、スモールセルeNBもしくはgNB、または中継基地局を含む、基地局105およびネットワーク機器などの、様々なタイプのデバイスと通信することが可能であり得る。
【0046】
UE115および基地局105は、1つまたは複数のキャリア上で1つまたは複数の通信リンク125を介して互いとワイヤレス通信し得る。「キャリア」という用語は、通信リンク125をサポートするための定義された物理レイヤ構造を有する無線周波数スペクトルリソースのセットを指すことがある。たとえば、通信リンク125のために使用されるキャリアは、所与の無線アクセス技術(たとえば、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NR)のための1つまたは複数の物理レイヤチャネルに従って動作する無線周波数スペクトル帯域の一部分(たとえば、帯域幅パート(BWP))を含み得る。各物理レイヤチャネルは、収集シグナリング(たとえば、同期信号、システム情報)、キャリアに対する動作を協調させる制御シグナリング、ユーザデータ、または他のシグナリングを搬送し得る。ワイヤレス通信システム100は、キャリアアグリゲーションまたはマルチキャリア動作を使用して、UE115との通信をサポートし得る。UE115は、キャリアアグリゲーション構成に従って、複数のダウンリンクコンポーネントキャリアおよび1つまたは複数のアップリンクコンポーネントキャリアを用いて構成され得る。キャリアアグリゲーションは、周波数分割複信(FDD)コンポーネントキャリアと時分割複信(TDD)コンポーネントキャリアの両方とともに使用され得る。
【0047】
いくつかの例では(たとえば、キャリアアグリゲーション構成)では、キャリアはまた、収集シグナリング、または他のキャリアに対する動作を協調させる制御シグナリングを有し得る。キャリアは、周波数チャネル(たとえば、発展型ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム地上波無線アクセス(E-UTRA)絶対無線周波数チャネル番号(EARFCN))に関連付けられることがあり、UE115による発見のためにチャネルラスタに従って配置されることがある。キャリアは、初期収集および接続がキャリアを介してUE115によって行われ得るスタンドアロンモードにおいて動作し得るか、またはキャリアは、接続が(たとえば、同じまたは異なる無線アクセス技術の)異なるキャリアを使用してアンカリングされる非スタンドアロンモードにおいて動作し得る。
【0048】
ワイヤレス通信システム100の中に示されている通信リンク125は、UE115から基地局105へのアップリンク送信、または基地局105からUE115へのダウンリンク送信を含み得る。キャリアは、(たとえば、FDDモードでは)ダウンリンク通信もしくはアップリンク通信を搬送し得るか、または(たとえば、TDDモードでは)ダウンリンク通信およびアップリンク通信を搬送するように構成され得る。
【0049】
キャリアは、無線周波数スペクトルの帯域幅に関連付けられてもよく、いくつかの例では、キャリア帯域幅は、キャリアまたはワイヤレス通信システム100の「システム帯域幅」と呼ばれることがある。たとえば、キャリア帯域幅は、無線アクセス技術のキャリアのためのいくつかの決定された帯域幅のうちの1つ(たとえば、1.4、3、5、10、15、20、40、または80メガヘルツ(MHz))であり得る。ワイヤレス通信システム100のデバイス(たとえば、基地局105、UE115、またはその両方)は、キャリア帯域幅上の通信をサポートするハードウェア構成を有し得るか、またはキャリア帯域幅のセットのうちの1つのキャリア帯域幅上の通信をサポートするように構成可能であり得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム100は、複数のキャリア帯域幅に関連付けられたキャリアを介した同時通信をサポートする基地局105またはUE115を含み得る。いくつかの例では、サービスされる各UE115は、キャリア帯域幅の部分(たとえば、サブバンド、BWP)またはすべての上で動作するために構成され得る。
【0050】
キャリア上で送信される信号波形は、(たとえば、直交周波数分割多重化(OFDM)または離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-S-OFDM)などのマルチキャリア変調(MCM)技法を使用して)複数のサブキャリアから構成され得る。MCM技法を採用するシステムでは、リソース要素は、1つのシンボル期間(たとえば、1つの変調シンボルの持続時間)および1つのサブキャリアからなってもよく、ここで、シンボル期間およびサブキャリア間隔は、逆関係にある。各リソース要素によって搬送されるビットの数は、変調方式(たとえば、変調方式の次数、変調方式のコーディングレート、またはその両方)に依存し得る。したがって、UE115が受信するリソース要素が多いほど、および変調方式の次数が高いほど、UE115のデータレートは高くなり得る。ワイヤレス通信リソースは、無線周波数スペクトルリソース、時間リソース、および空間リソース(たとえば、空間レイヤまたはビーム)の組合せを指すことがあり、複数の空間レイヤの使用は、UE115との通信のためのデータレートまたはデータの完全性をさらに高め得る。
【0051】
キャリアのための1つまたは複数のヌメロロジーがサポートされてもよく、ここで、ヌメロロジーは、サブキャリア間隔(Δf)およびサイクリックプレフィックスを含み得る。キャリアは、同じまたは異なるヌメロロジーを有する1つまたは複数のBWPに分割され得る。いくつかの例では、UE115は複数のBWPを用いて構成され得る。いくつかの例では、キャリアのための単一のBWPが所与の時間にアクティブであることがあり、UE115のための通信が1つまたは複数のアクティブなBWPに制限されることがある。
【0052】
基地局105またはUE115のための時間間隔は、たとえば、Ts=1/(Δfmax・Nf)秒のサンプリング周期を指すことがある基本時間単位の倍数で表されることがあり、ここで、Δfmaxは、サポートされる最大のサブキャリア間隔を表すことがあり、Nfは、サポートされる最大の離散フーリエ変換(DFT)サイズを表すことがある。通信リソースの時間間隔は、指定された持続時間(たとえば、10ミリ秒(ms))を各々が有する無線フレームに従って編成され得る。各無線フレームは、(たとえば、0から1023に及ぶ)システムフレーム番号(SFN)によって識別され得る。
【0053】
各フレームは、複数の連続的に番号付けされたサブフレームまたはスロットを含んでもよく、各サブフレームまたはスロットは、同じ持続時間を有してもよい。いくつかの例では、フレームは(たとえば、時間領域において)サブフレームに分割されてもよく、各サブフレームはいくつかのスロットにさらに分割されてもよい。代替として、各フレームは可変数のスロットを含んでもよく、スロットの数はサブキャリア間隔に依存し得る。各スロットは、(たとえば、各シンボル期間にプリペンドされたサイクリックプレフィックスの長さに応じて)いくつかのシンボル期間を含み得る。いくつかのワイヤレス通信システム100では、スロットは、1つまたは複数のシンボルを含む複数のミニスロットにさらに分割され得る。サイクリックプレフィックスを除いて、各シンボル期間は、1つまたは複数(たとえば、Nf個)のサンプリング周期を含み得る。シンボル期間の持続時間は、サブキャリア間隔または動作の周波数帯域に依存し得る。
【0054】
サブフレーム、スロット、ミニスロット、またはシンボルは、ワイヤレス通信システム100の(たとえば、時間領域における)最小スケジューリング単位であることがあり、送信時間間隔(TTI)と呼ばれることがある。いくつかの例では、TTI持続時間(たとえば、TTI中のシンボル期間の数)は可変であり得る。追加または代替として、ワイヤレス通信システム100の最小スケジューリング単位は、(たとえば、短縮TTI(sTTI)のバーストにおいて)動的に選択され得る。
【0055】
物理チャネルは、様々な技法に従ってキャリア上で多重化され得る。物理制御チャネルおよび物理データチャネルは、たとえば、時分割多重化(TDM)技法、周波数分割多重化(FDM)技法、またはハイブリッドTDM-FDM技法のうちの1つまたは複数を使用して、ダウンリンクキャリア上で多重化され得る。物理制御チャネルのための制御領域(たとえば、制御リソースセット(CORESET))は、シンボル期間の数によって定義されることがあり、キャリアのシステム帯域幅またはシステム帯域幅のサブセットに及ぶことがある。1つまたは複数の制御領域(たとえば、CORESET)が、UE115のセットのために構成され得る。たとえば、UE115のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の探索空間セットに従って制御情報について制御領域を監視または探索してもよく、各探索空間セットは、カスケード方式で配置された1つまたは複数のアグリゲーションレベルにおける1つまたは複数の制御チャネル候補を含んでもよい。制御チャネル候補のためのアグリゲーションレベルは、所与のペイロードサイズを有する制御情報フォーマットのための符号化された情報に関連付けられた制御チャネルリソース(たとえば、制御チャネル要素(CCE))の数を指すことがある。探索空間セットは、制御情報を複数のUE115に送るために構成された共通探索空間セットと、制御情報を特定のUE115に送るためのUE固有探索空間セットとを含み得る。
【0056】
各基地局105は、1つまたは複数のセル、たとえば、マクロセル、スモールセル、ホットスポット、もしくは他のタイプのセル、またはそれらの任意の組合せを介して、通信カバレージを提供し得る。「セル」という用語は、(たとえば、キャリア上での)基地局105との通信のために使用される論理通信エンティティを指すことがあり、近隣セルを区別するための識別子(たとえば、物理セル識別子(PCID)、仮想セル識別子(VCID)、またはその他)に関連付けられ得る。いくつかの例では、セルは、論理通信エンティティが動作する地理的カバレージエリア110または地理的カバレージエリア110の一部分(たとえば、セクタ)を指すこともある。そのようなセルは、基地局105の能力などの様々な要因に応じて、より小さいエリア(たとえば、構造物、構造物のサブセット)からより大きいエリアに及ぶことがある。たとえば、セルは、例の中でも、建物、建物のサブセット、または地理的カバレージエリア110の間のもしくは地理的カバレージエリア110と重複する外部空間であり得るか、またはそれらを含み得る。
【0057】
マクロセルは、一般に、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし、マクロセルをサポートするネットワークプロバイダのサービスに加入しているUE115による無制限アクセスを可能にし得る。スモールセルは、マクロセルと比較して低電力の基地局105に関連付けられることがあり、スモールセルは、マクロセルと同じまたはマクロセルとは異なる(たとえば、認可、無認可)周波数において動作することがある。スモールセルは、ネットワークプロバイダのサービスに加入しているUE115に無制限アクセスを提供してもよく、またはスモールセルとの関連付けを有するUE115(たとえば、限定加入者グループ(CSG)内のUE115、自宅またはオフィス内のユーザに関連付けられたUE115)に制限付きアクセスを提供してもよい。基地局105は、1つまたは複数のセルをサポートすることができ、1つまたは複数のコンポーネントキャリアを使用して1つまたは複数のセル上での通信をサポートすることもできる。
【0058】
いくつかの例では、キャリアは、複数のセルをサポートすることができ、異なるセルは、異なるタイプのデバイスにアクセスを提供し得る異なるプロトコルタイプ(たとえば、MTC、狭帯域IoT(NB-IoT)、拡張モバイルブロードバンド(eMBB))に従って構成され得る。
【0059】
いくつかの例では、基地局105は移動可能であってもよく、したがって、移動する地理的カバレージエリア110に通信カバレージを提供し得る。いくつかの例では、異なる技術に関連付けられた異なる地理的カバレージエリア110は重複することがあるが、異なる地理的カバレージエリア110は同じ基地局105によってサポートされることがある。他の例では、異なる技術に関連付けられた重複する地理的カバレージエリア110は異なる基地局105によってサポートされることがある。ワイヤレス通信システム100は、たとえば、異なるタイプの基地局105が同じまたは異なる無線アクセス技術を使用して様々な地理的カバレージエリア110にカバレージを提供する、異種ネットワークを含み得る。
【0060】
ワイヤレス通信システム100は、同期動作または非同期動作をサポートし得る。同期動作の場合、基地局105は同様のフレームタイミングを有することがあり、異なる基地局105からの送信は時間的にほぼ整合されることがある。非同期動作の場合、基地局105は異なるフレームタイミングを有することがあり、異なる基地局105からの送信は、いくつかの例では、時間的に整合されないことがある。本明細書で説明する技法は、同期動作または非同期動作のいずれかのために使用され得る。
【0061】
MTCデバイスまたはIoTデバイスなどのいくつかのUE115は、低コストまたは低複雑度のデバイスであってもよく、(たとえば、マシンツーマシン(M2M)通信を介して)マシン間の自動化された通信を提供し得る。M2M通信またはMTCは、人間が介在することなく、デバイスが互いとまたは基地局105と通信することを可能にするデータ通信技術を指すことがある。いくつかの例では、M2M通信またはMTCは、センサーまたはメーターを組み込んで情報を測定またはキャプチャし、そのような情報を利用する中央サーバもしくはアプリケーションプログラム、またはアプリケーションプログラムと対話する人間にその情報を提示する中央サーバもしくはアプリケーションプログラムにその情報を中継する、デバイスからの通信を含み得る。いくつかのUE115は、情報を収集するか、またはマシンもしくは他のデバイスの自動化された挙動を可能にするように設計され得る。MTCデバイスの用途の例は、スマートメータリング、インベントリ監視、水位監視、機器監視、ヘルスケア監視、野生生物監視、天候および地質学的事象監視、フリート管理および追跡、リモートセキュリティ検知、物理アクセス制御、ならびにトランザクションベースのビジネス課金を含む。
【0062】
いくつかのUE115は、半二重通信などの、電力消費を低減する動作モード(たとえば、送信または受信を介した一方向通信をサポートするが、送信および受信を同時にサポートしないモード)を採用するように構成され得る。いくつかの例では、半二重通信は、低減されたピークレートで実行され得る。UE115のための他の電力節約技法は、アクティブな通信に関与していないときに節電ディープスリープモードに入ること、(たとえば、狭帯域通信に従って)限られた帯域幅にわたって動作すること、またはこれらの技法の組合せを含む。たとえば、いくつかのUE115は、キャリア内の、キャリアのガードバンド内の、またはキャリアの外部の定義された部分または範囲(たとえば、サブキャリアまたはリソースブロック(RB)のセット)に関連付けられた狭帯域プロトコルタイプを使用する動作のために構成され得る。
【0063】
ワイヤレス通信システム100は、超高信頼通信もしくは低レイテンシ通信、またはそれらの様々な組合せをサポートするように構成され得る。たとえば、ワイヤレス通信システム100は、超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)またはミッションクリティカル通信をサポートするように構成され得る。UE115は、超高信頼、低レイテンシ、またはクリティカル機能(たとえば、ミッションクリティカル機能)をサポートするように設計され得る。超高信頼通信は、プライベート通信またはグループ通信を含んでもよく、ミッションクリティカルプッシュツートーク(MCPTT)、ミッションクリティカルビデオ(MCVideo)、またはミッションクリティカルデータ(MCData)などの1つまたは複数のミッションクリティカルサービスによってサポートされ得る。ミッションクリティカル機能に対するサポートは、サービスの優先度付けを含んでもよく、ミッションクリティカルサービスは、公共安全または一般的な商用用途のために使用され得る。超高信頼、低レイテンシ、ミッションクリティカル、および超高信頼低レイテンシという用語は、本明細書で互換的に使用され得る。
【0064】
いくつかの例では、UE115はまた、デバイスツーデバイス(D2D)通信リンク135上で(たとえば、ピアツーピア(P2P)またはD2Dプロトコルを使用して)他のUE115と直接通信することが可能であり得る。D2D通信を利用する1つまたは複数のUE115は、基地局105の地理的カバレージエリア110内にあり得る。そのようなグループの中の他のUE115は、基地局105の地理的カバレージエリア110の外にあるか、またはさもなければ基地局105からの送信を受信できないことがある。いくつかの例では、D2D通信を介して通信するUE115のグループは、各UE115がグループの中のあらゆる他のUE115に送信する1対多(1:M)システムを利用し得る。いくつかの例では、基地局105が、D2D通信のためのリソースのスケジューリングを容易にする。他の場合、D2D通信は、基地局105の関与なしにUE115間で行われる。
【0065】
いくつかのシステムでは、D2D通信リンク135は、車両(たとえば、UE115)間の、サイドリンク通信チャネルなどの通信チャネルの一例であり得る。いくつかの例では、車両は、ビークルツーエブリシング(V2X)通信、車両間(V2V)通信、またはこれらの何らかの組合せを使用して通信し得る。車両は、交通状態、信号スケジューリング、天候、安全、緊急事態に関する情報、またはV2Xシステムに関係する任意の他の情報をシグナリングし得る。いくつかの例では、V2Xシステム内の車両は、路側ユニットなどの路側インフラストラクチャと、または車両ネットワーク間(V2N)通信を使用して1つもしくは複数のネットワークノード(たとえば、基地局105)を介してネットワークと、あるいはその両方と通信し得る。
【0066】
コアネットワーク130は、ユーザ認証、アクセス許可、追跡、インターネットプロトコル(IP)接続性、および他のアクセス機能、ルーティング機能、またはモビリティ機能を提供し得る。コアネットワーク130は、発展型パケットコア(EPC)または5Gコア(5GC)であってもよく、発展型パケットコア(EPC)または5Gコア(5GC)は、アクセスおよびモビリティを管理する少なくとも1つの制御プレーンエンティティ(たとえば、モビリティ管理エンティティ(MME)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF))と、パケットをルーティングするか、または外部ネットワークと相互接続する少なくとも1つのユーザプレーンエンティティ(たとえば、サービングゲートウェイ(S-GW)、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)、またはユーザプレーン機能(UPF))とを含み得る。制御プレーンエンティティは、コアネットワーク130に関連付けられた基地局105によってサービスされるUE115のためのモビリティ、認証、およびベアラ管理などの、非アクセス層(NAS)機能を管理し得る。ユーザIPパケットは、IPアドレス割振りならびに他の機能を提供し得るユーザプレーンエンティティを通じて転送され得る。ユーザプレーンエンティティは、ネットワーク事業者IPサービス150に接続され得る。事業者IPサービス150は、インターネット、イントラネット、IPマルチメディアサブシステム(IMS)、またはパケット交換ストリーミングサービスへのアクセスを含み得る。
【0067】
基地局105などのネットワークデバイスのうちのいくつかは、アクセスノードコントローラ(ANC)の一例であり得るアクセスネットワークエンティティ140などの下位構成要素を含み得る。各アクセスネットワークエンティティ140は、無線ヘッド、スマート無線ヘッド、または送信/受信ポイント(TRP)と呼ばれることがある1つまたは複数の他のアクセスネットワーク送信エンティティ145を通じてUE115と通信し得る。各アクセスネットワーク送信エンティティ145は、1つまたは複数のアンテナパネルを含み得る。いくつかの構成では、各アクセスネットワークエンティティ140または基地局105の様々な機能は、様々なネットワークデバイス(たとえば、無線ヘッドおよびANC)にわたって分散されるか、または単一のネットワークデバイス(たとえば、基地局105)に統合されることがある。
【0068】
ワイヤレス通信システム100は、典型的には300メガヘルツ(MHz)から300ギガヘルツ(GHz)の範囲内の1つまたは複数の周波数帯域を使用して動作し得る。いくつかの例では、300MHzから3GHzまでの領域は、波長が約1デシメートルから1メートルまでの長さに及ぶので、極超短波(UHF:ultra-high frequency)領域またはデシメートル帯域として知られている。UHF波は、建物および環境特性によって遮断または方向転換されることがあるが、これらの波は、マクロセルが屋内に位置するUE115にサービスを提供するのに十分に構造物を貫通し得る。UHF波の送信は、300MHzを下回るスペクトルの短波(HF:high frequency)または超短波(VHF:very high frequency)部分のより低い周波数およびより長い波を使用する送信と比較して、より小型のアンテナおよびより短い距離(たとえば、100キロメートル未満)に関連付けられ得る。
【0069】
ワイヤレス通信システム100はまた、センチメートル帯域としても知られている、3GHzから30GHzまでの周波数帯域を使用するセンチメートル波(SHF:super high frequency)領域において、またはミリメートル帯域としても知られている、(たとえば、30GHzから300GHzまでの)スペクトルのミリメートル波(EHF:extremely high frequency)領域において動作し得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム100は、UE115と基地局105との間のミリメートル波(mmW)通信をサポートすることができ、それぞれのデバイスのEHFアンテナは、UHFアンテナよりも小型で間隔がより密であり得る。いくつかの例では、このことはデバイス内でのアンテナアレイの使用を容易にし得る。しかしながら、EHF送信の伝搬は、SHF送信またはUHF送信よりもさらに大きい大気減衰を受け、距離がより短いことがある。本明細書で開示する技法は、1つまたは複数の異なる周波数領域を使用する送信にわたって採用されることがあり、これらの周波数領域にわたる帯域の指定された使用は、国または規制団体によって異なることがある。
【0070】
ワイヤレス通信システム100は、認可無線周波数スペクトル帯域と無認可無線周波数スペクトル帯域の両方を利用し得る。たとえば、ワイヤレス通信システム100は、5GHz産業科学医療用(ISM)帯域などの無認可帯域において、認可支援アクセス(LAA)、LTE無認可(LTE-U)無線アクセス技術、またはNR技術を採用し得る。無認可無線周波数スペクトル帯域において動作するとき、基地局105およびUE115などのデバイスは、衝突検出および回避のためのキャリア検知を採用し得る。いくつかの例では、無認可帯域における動作は、認可帯域(たとえば、LAA)において動作するコンポーネントキャリアと連携したキャリアアグリゲーション構成に基づき得る。無認可スペクトルにおける動作は、例の中でも、ダウンリンク送信、アップリンク送信、P2P送信、またはD2D送信を含み得る。
【0071】
基地局105またはUE115は、送信ダイバーシティ、受信ダイバーシティ、多入力多出力(MIMO)通信、またはビームフォーミングなどの技法を採用するために使用され得る、複数のアンテナを装備し得る。基地局105またはUE115のアンテナは、MIMO動作または送信ビームフォーミングもしくは受信ビームフォーミングをサポートし得る、1つまたは複数のアンテナアレイまたはアンテナパネル内に位置し得る。たとえば、1つまたは複数の基地局アンテナまたはアンテナアレイは、アンテナタワーなどのアンテナアセンブリにおいてコロケートされ得る。いくつかの例では、基地局105に関連付けられたアンテナまたはアンテナアレイは、多様な地理的ロケーションに位置し得る。基地局105は、基地局105がUE115との通信のビームフォーミングをサポートするために使用し得るアンテナポートのいくつかの行および列を伴うアンテナアレイを有し得る。同様に、UE115は、様々なMIMO動作またはビームフォーミング動作をサポートし得る1つまたは複数のアンテナアレイを有し得る。追加または代替として、アンテナパネルは、アンテナポートを介して送信される信号のための無線周波数ビームフォーミングをサポートし得る。
【0072】
基地局105またはUE115は、異なる空間レイヤを介して複数の信号を送信または受信することによって、マルチパス信号伝搬を活用し、スペクトル効率を高めるために、MIMO通信を使用し得る。そのような技法は、空間多重化と呼ばれることがある。複数の信号は、たとえば、異なるアンテナまたはアンテナの異なる組合せを介して送信デバイスによって送信され得る。同様に、複数の信号は、異なるアンテナまたはアンテナの異なる組合せを介して受信デバイスによって受信され得る。複数の信号の各々は、別個の空間ストリームと呼ばれることがあり、同じデータストリーム(たとえば、同じコードワード)または異なるデータストリーム(たとえば、異なるコードワード)に関連付けられたビットを搬送し得る。異なる空間レイヤは、チャネル測定および報告のために使用される異なるアンテナポートに関連付けられ得る。MIMO技法は、複数の空間レイヤが同じ受信デバイスに送信されるシングルユーザMIMO(SU-MIMO)、および複数の空間レイヤが複数のデバイスに送信されるマルチユーザMIMO(MU-MIMO)を含む。
【0073】
空間フィルタリング、指向性送信、または指向性受信と呼ばれることもあるビームフォーミングは、送信デバイスと受信デバイスとの間の空間経路に沿ってアンテナビーム(たとえば、送信ビーム、受信ビーム)をシェーピングまたはステアリングするために送信デバイスまたは受信デバイス(たとえば、基地局105、UE115)において使用され得る信号処理技法である。ビームフォーミングは、アンテナアレイに対していくつかの配向で伝搬するいくつかの信号が強め合う干渉を受け、他の信号が弱め合う干渉を受けるように、アンテナアレイのアンテナ要素を介して通信される信号を合成することによって達成され得る。アンテナ要素を介して通信される信号の調整は、送信デバイスまたは受信デバイスが、デバイスに関連付けられたアンテナ要素を介して搬送される信号に、振幅オフセット、位相オフセット、またはその両方を適用することを含み得る。アンテナ要素の各々に関連付けられた調整は、(たとえば、送信デバイスもしくは受信デバイスのアンテナアレイに対する、または何らかの他の配向に対する)配向に関連付けられたビームフォーミング重みセットによって定義され得る。
【0074】
基地局105またはUE115は、ビームフォーミング動作の一部としてビーム掃引技法を使用し得る。たとえば、基地局105は、UE115との指向性通信のためのビームフォーミング動作を行うために、複数のアンテナまたはアンテナアレイ(たとえば、アンテナパネル)を使用し得る。いくつかの信号(たとえば、同期信号、基準信号、ビーム選択信号、または他の制御信号)は、基地局105によって異なる方向に複数回送信され得る。たとえば、基地局105は、送信の異なる方向に関連付けられた異なるビームフォーミング重みセットに従って信号を送信し得る。異なるビーム方向における送信は、(たとえば、基地局105などの送信デバイスによって、またはUE115などの受信デバイスによって)基地局105による後続の送信または受信のためのビーム方向を識別するために使用され得る。
【0075】
受信デバイスに関連付けられたデータ信号などのいくつかの信号は、基地局105によって単一のビーム方向(たとえば、UE115などの受信デバイスに関連付けられた方向)に送信され得る。いくつかの例では、単一のビーム方向に沿った送信に関連付けられたビーム方向は、1つまたは複数のビーム方向に送信された信号に基づいて決定され得る。たとえば、UE115は、基地局105によって異なる方向に送信された信号のうちの1つまたは複数を受信することがあり、UE115が最高の信号品質または別様に許容可能な信号品質で受信した信号の指示を基地局105に報告することがある。
【0076】
いくつかの例では、デバイスによる(たとえば、基地局105またはUE115による)送信は、複数のビーム方向を使用して実行されることがあり、デバイスは、(たとえば、基地局105からUE115への)送信のための合成されたビームを生成するために、デジタルプリコーディングまたは無線周波数ビームフォーミングの組合せを使用することがある。UE115は、1つまたは複数のビーム方向のためのプリコーディング重みを示すフィードバックを報告してもよく、フィードバックは、システム帯域幅または1つもしくは複数のサブバンドにわたるビームの構成された数に対応し得る。基地局105は、プリコーディングまたはアンプリコーディングされ得る基準信号(たとえば、セル固有基準信号(CRS)、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS))を送信し得る。UE115は、プリコーディング行列インジケータ(PMI)またはコードブックベースのフィードバック(たとえば、マルチパネルタイプコードブック、線形結合タイプコードブック、ポート選択タイプコードブック)であり得る、ビーム選択のためのフィードバックを提供し得る。これらの技法について、基地局105によって1つまたは複数の方向に送信される信号を参照しながら説明するが、UE115は、(たとえば、UE115による後続の送信または受信のためのビーム方向を識別するために)信号を異なる方向に複数回送信するための、または(たとえば、データを受信デバイスに送信するために)信号を単一の方向に送信するための同様の技法を採用し得る。
【0077】
受信デバイス(たとえば、UE115)は、同期信号、基準信号、ビーム選択信号、または他の制御信号などの様々な信号を基地局105から受信するとき、複数の受信構成(たとえば、指向性聴取)を試みることができる。たとえば、受信デバイスは、異なるアンテナサブアレイを介して受信することによって、異なるアンテナサブアレイに従って受信された信号を処理することによって、アンテナアレイの複数のアンテナ要素において受信された信号に適用された異なる受信ビームフォーミング重みセット(たとえば、異なる指向性聴取重みセット)に従って受信することによって、またはアンテナアレイの複数のアンテナ要素において受信された信号に適用された異なる受信ビームフォーミング重みセットに従って受信された信号を処理することによって、複数の受信方向を試みることができ、それらのいずれも、異なる受信構成または受信方向に従った「聴取」と呼ばれることがある。いくつかの例では、受信デバイスは、(たとえば、データ信号を受信するとき)単一のビーム方向に沿って受信するために単一の受信構成を使用し得る。単一の受信構成は、異なる受信構成方向に従った聴取に基づいて決定されたビーム方向(たとえば、複数のビーム方向に従った聴取に基づいて、最高の信号強度、最高の信号対雑音比(SNR)、または別様に許容可能な信号品質を有すると決定されたビーム方向)に揃えられ得る。
【0078】
ワイヤレス通信システム100は、階層化プロトコルスタックに従って動作するパケットベースネットワークであり得る。ユーザプレーンでは、ベアラまたはパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤにおける通信はIPベースであり得る。無線リンク制御(RLC)レイヤは、論理チャネル上で通信するためにパケットセグメンテーションおよびリアセンブリを実行し得る。媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、優先度処理と、トランスポートチャネルへの論理チャネルの多重化とを実行し得る。MACレイヤはまた、MACレイヤにおける再送信をサポートしてリンク効率を改善するために、誤り検出技法、誤り訂正技法、またはその両方を使用し得る。制御プレーンでは、無線リソース制御(RRC)プロトコルレイヤは、ユーザプレーンデータのための無線ベアラをサポートする、UE115と基地局105またはコアネットワーク130との間のRRC接続の確立、構成、および保守を行い得る。物理レイヤにおいて、トランスポートチャネルは物理チャネルにマッピングされ得る。
【0079】
UE115および基地局105は、データの受信に成功する尤度を高めるために、データの再送信をサポートし得る。ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックは、データが通信リンク125上で正しく受信される尤度を高めるための1つの技法である。HARQは、誤り検出(たとえば、巡回冗長検査(CRC)を使用する)、前方誤り訂正(FEC)、および再送信(たとえば、自動再送要求(ARQ))の組合せを含み得る。HARQは、劣悪な無線条件(たとえば、低い信号対雑音条件)でのMACレイヤにおけるスループットを改善し得る。いくつかの例では、デバイスは、デバイスが特定のスロットの中の前のシンボルにおいて受信されたデータに対してそのスロットの中でHARQフィードバックを提供し得る、同一スロットHARQフィードバックをサポートし得る。他の場合、デバイスは、後続のスロットにおいて、または何らかの他の時間間隔に従ってHARQフィードバックを提供し得る。
【0080】
ワイヤレス通信システム100は、基地局105のカバレージを拡大するために、中継器106を含み得る。中継器106は、特にmmW通信または他の短波用途の場合に、カバレージホールを埋めることによってセルにおける伝搬損失および信号妨害の影響を低減し得る。中継器106は、第1のワイヤレスデバイス(たとえば、基地局105またはUE115)から信号(たとえば、アナログ信号、mmW信号など)を受信し、受信された信号の電力を増幅し、増幅された信号を第2のワイヤレスデバイス(たとえば、UE115または基地局105)に送信するように構成され得る。中継器106は、ビームフォーミングなどの技法を採用するために使用され得る、複数のアンテナを装備し得る。
【0081】
各中継器106は、UEおよび中継器106が1つまたは複数の通信リンク125を確立し得るカバレージエリア111を提供し得る。カバレージエリア111は、中継器106およびUE115が1つまたは複数の無線アクセス技術による信号の通信をサポートし得る地理的エリアの一例であり得る。中継器106は、カバレージエリア111を含めるように基地局105のカバレージを拡大するために、たとえばワイヤレスバックホールリンク120を介して基地局105と通信し、カバレージエリア111内のUE115と基地局105との間の通信を容易にし得る。
【0082】
中継器106は、基地局105からの制御信号を受信および処理するための制御インターフェースを含み得る。いくつかの例では、中継器106は、信号(たとえば、mmW通信)を受信および送信するために使用される無線技術または周波数とは異なる無線技術(たとえば、Bluetooth)または周波数(たとえば、NB-IoT、6GHzを下回る周波数など)を使用して送信され得る制御信号を帯域外送信を介して受信し得る。いくつかの例では、中継器106は、たとえば信号を受信および送信するために使用される帯域幅よりも小さいBWPを使用して、制御信号を帯域内送信を介して受信し得る。
【0083】
ワイヤレス通信システム100は、マルチTRP動作が可能であり得るデバイス(たとえば、基地局105、中継器106、およびUE115)を含み得る。マルチTRP動作は、システムのキャパシティまたは信頼性を高め得る。動作の一例は、基地局105が1つの信号または複数の信号を中継器106に送信することを含み得る。次いで、中継器106は、信号を増幅し、信号をUE115にリダイレクトし得る。基地局105からUE115に信号を送るために使用される経路は、通信経路と呼ばれることがある。基地局105は、異なるタイプの信号に対してどの通信経路を使用すべきかを選択することが可能であり得る。基地局105は、通信経路を選択するために、通信経路のエンドツーエンドSNRおよび第1のホップSNRを含む1つまたは複数のSNR比を比較し得る。
【0084】
個々のホップのSNRならびに経路全体のSNRに基づいて通信経路を選択することによって、基地局105は、ワイヤレス通信システムの効率を高めるために、特定のタイプの送信のための通信経路を選択し得る。たとえば、基地局105は、データが送信され得る別の通信経路よりも低いSNRを有する通信経路上で制御情報を送信し、それによって、ワイヤレス通信システム内の利用可能なリソースを効率的に活用し得る。
【0085】
図2は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システム200の一例を示す。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム200は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。たとえば、ワイヤレス通信システム200は、
図1を参照しながら説明した対応するデバイスの例であり得る、基地局205、1つまたは複数の中継器206、および1つまたは複数のUE215を含み得る。ワイヤレス通信システム200は、利益の中でも、改善された中継器動作のための特徴を含み得る。
【0086】
ワイヤレス通信システム200では、基地局205は、地理的カバレージエリア210内に位置する1つまたは複数のUE215にサービスし得る。地理的カバレージエリア210内のUE215は、基地局205によってスケジュールされたとおりに通信を送信および受信し得る。ワイヤレス通信システム200の中のデバイスは、送信ビーム225を使用して送信し、受信ビーム230を使用して送信を受信するために、ビームフォーミング技法を使用し得る。基地局205はmmWスペクトル帯域において送信し得るが、本明細書で説明する技法は、他の周波数帯域におけるまたは他のRATを使用する送信に適用され得る。
【0087】
いくつかの例では、
図2に関して図示および説明するように、基地局205は、UE215-aまたはUE215-bと直接通信することができない場合がある。たとえば、障害物235-aおよび235-bは、1つまたは複数のUE215へのダイレクト通信経路を遮ることがある。いくつかの例では、障害物235-aおよび235-bは、介在する建物または他の物体を表し得る。カバレージホールを埋めるために、基地局205は中継器206を介してUE215と通信し得る。たとえば、基地局205は中継器206-aを介してUE215-aと通信してもよく、基地局205-aは中継器206-bを介してUE215-bと通信してもよい。代替として、
図2に示されていないが、基地局205は中継器206-aおよび中継器206-cを介してUE215-bまたは他のUE215と通信してもよく、ここで、中継器206-aおよび中継器206-cは基地局205のカバレージを拡大するためのチェーンとして構成され得る。
【0088】
いくつかの場合、中継器206は増幅転送型(amplify-forward)中継器であり得る。増幅転送型中継器は、送信エンティティ(たとえば、基地局205またはUE215)からの信号を受信し、信号を増幅し、ビーム方向を受信エンティティ(たとえば、基地局205またはUE215)のほうへ変更し得る。中継器206を通じて信号を送るプロセスは、システムに雑音をもたらし得る。雑音は、通信経路についての1つまたは複数の品質メトリック(たとえば、通信経路のSNR)に反映され得る。SNRは、所望の信号のレベルをシステム内の背景雑音のレベルと比較するために使用され得る。したがって、より強い信号を必要とする用途には、より高いSNRが望ましいことがある。
【0089】
各デバイスへの信号の送信に関連付けられたSNR値があり得る。あるデバイスから別のデバイスへの信号の送信は、ホップと呼ばれることがある。たとえば、中継器206-bを含む基地局205からUE215-bへの送信は、2つのホップを有する。第1のホップは基地局205から中継器206-bまでである。第2のホップは中継器206-bからUE215-bまでである。通信経路の各ホップは、ホップごとにシステムに加えられる雑音に基づく異なる大きさによってエンドツーエンドSNR値に影響を及ぼすことがあるSNR値を有し得る。
【0090】
一例では、信号は、中継器206を通じて送信元(たとえば、基地局205またはUE215)から宛先(たとえば、基地局205またはUE215)に移動し得る。エンドツーエンドSNRは、経路内の各ホップからの雑音に基づいて計算され得る。第1のホップは、送信元と中継器206との間であり得る。第1のホップのSNR値、またはSNR1は、送信元からの送信信号の電力と、チャネルの変動(たとえば、経路損失)および付加雑音などの、雑音に影響を及ぼす要因とに基づいて計算され得る。第2のホップは、中継器206と宛先との間であり得る。第2のホップのSNR値、またはSNR2は、中継器を離れる送信信号の電力、チャネルの変動、および付加雑音に基づいて計算され得る。SNR1およびSNR2の値は、エンドツーエンドSNRにおける唯一の要因ではないことがある。
【0091】
中継器は、中継器のエンドツーエンドSNRおよび電力出力に影響を及ぼすことがある雑音をもたらし得る。中継器は最大効果で動作することがあり、その場合、中継器は信号を受信し、直ちに信号を変更して送信し得る。このプロセスの結果として、フィードバックループが生じることがあり、フィードバックループは、減衰した出力信号を1つまたは複数の入力ポートに漏洩して、中継器における雑音をもたらすことがある。中継器は、Fで表される、雑音指数と呼ばれることがある内部雑音を有することもある。したがって、中継器206への入力SNRは、中継器206からの出力SNRよりも大きいことがある。中継器206の内部雑音およびフィードバックループは、中継器206への電力入力を低減し、より低い電力出力をもたらし得る。この電力の低下の結果として、SNR'2と呼ばれる、SNR2のより低い値が生じることがある。
【0092】
上述の要因を考慮に入れて、送信元、1つの増幅転送型中継器206、および宛先を含む2ホップ経路のエンドツーエンドSNRは、式1に関して以下に示すように、SNR1、SNR'2、およびFに関してSNRAFとして表され得る。
【0093】
【0094】
式1では、分母における第1の項について、SNR1がF分の1に減少される。項
【0095】
【0096】
は1よりもはるかに小さいことがある。この場合、分母における第2の項は、
【0097】
【0098】
に簡略化してもよい。したがって、SNR1の値はF分の1に減少されることがあるが、SNR'2の値はそうされないことがある。この現象は、雑音ブースト効果と呼ばれることがある。雑音ブースト効果は、中継器が第1のホップからの雑音をブーストし、次いで、ブーストされた雑音とともに信号を第2のホップにおいて送信し得る場合を考慮に入れる。第1のホップおよび第2のホップのSNR値は、対称的でなくてもよい。たとえば、SNR1が大きい値である場合、係数Fは項
【0099】
【0100】
をSNR1が小さいときと同じ程度に減少させず、より大きいSNRAFをもたらし得る。結果として、どのホップがより大きいSNR値を有するかを決定し、次いで、データを送るときにそのホップを第1のホップとして選ぶことが有益であり得る。
【0101】
いくつかの例では、基地局205はUE215-aおよび215-bと通信してもよい。障害物235-aおよび235-bのせいで、基地局205は、それぞれ、UE215-aおよび215-bと直接通信することができない場合がある。代わりに、基地局205は中継器206を介して通信することを決定してもよい。基地局205は、送信ビーム225-aを使用して中継器構成情報、データ、制御情報などを含む信号を中継器206-aに送信してもよく、中継器206-aは、受信ビーム230-aを使用して信号を受信してもよい。いくつかの例では、中継器206-aは、信号を受信し、中継器206-aに関係する任意の構成情報を獲得し、送信ビーム225-eを使用してデータ送信、制御送信、または構成情報の一部分を中継器206-cに転送してもよい。中継器206-cは、受信ビーム230-eを使用して転送されたメッセージを受信してもよい。いくつかの場合、基地局205が別のUE215と通信するために中継器206-aおよび中継器206-bを含む中継器206のチェーンを使用する場合、中継器206-cは、受信された信号をチェーン内の後続の中継器206に、または別のUE215(図示せず)に直接、中継してもよい。同様に、基地局205は送信ビーム225-bを使用して信号を中継器206-bに送信してもよく、中継器206-bは受信ビーム230-bを使用して信号を受信してもよい。中継器206-bは送信ビーム225-dを使用して信号をUE215-bに中継してもよく、UE215-bは受信ビーム230-dを使用して中継された信号を受信してもよい。
【0102】
基地局205からの信号は、UE215-aおよび215-bと通信するための構成情報を含み得る。たとえば、基地局205は、送信ビーム225-cを使用してあるタイプの信号をUE215-aに送るために中継器206-aを構成してもよく、UE215-aは、受信ビーム230-cを使用して信号を受信してもよい。同様に、基地局205は、送信ビーム225-dを使用して異なるタイプの信号をUE215-bに送るために中継器206-bを構成してもよく、UE215-bは、受信ビーム230-dを使用して信号を受信してもよい。
【0103】
いくつかの場合、基地局205は、アップリンクシグナリングまたはダウンリンクシグナリングのために中継器206を構成してもよい。たとえば、基地局205は、ダウンリンクシグナリングのために中継器206-aを構成してもよい。そのような場合、中継器206-aは、受信ビーム230-aを使用して基地局205からのダウンリンク送信を受信してもよく、送信ビーム225-eを使用して信号を別のデバイス(たとえば、中継器206-c)に中継してもよい。いくつかの例では、基地局205は、アップリンクシグナリングを行うために中継器206-aを構成してもよい。そのような場合、中継器206-aは、1つまたは複数の受信ビーム230を使用してダウンストリームデバイス(たとえば、中継器206-c)からのアップリンク信号を受信してもよい。中継器206-aは、1つまたは複数の送信ビーム225を使用してアップリンク送信を基地局205に中継してもよい。
【0104】
図3は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするベースラインアーキテクチャ300の一例を示す。いくつかの例では、ベースラインアーキテクチャ300は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。
【0105】
中継器306(たとえば、ミリメートル波中継器)のためのベースラインアーキテクチャ300は、マルチTRP動作の一部であり得る。中継器306はレイヤ1中継器であり得る。レイヤ1中継器は、上位レイヤ中継器と比較したとき、制限された能力を有し得るが、コストおよび電力要件を低減し得る。中継器306はデジタル処理を実行しないことがあるので、送信エンティティが中継器306のための制御およびスケジューリング動作をリモートで実行することがある。中継器306は制御インターフェース305を有し得る。制御インターフェース305は帯域外または帯域内であり得る。帯域外制御インターフェース305は、送信エンティティとは異なるRAT(たとえば、NRおよびBluetooth)または異なる周波数リソース(たとえば、LTE-M、NB-IoT)を使用し得る。帯域内制御インターフェース305は、より小さい帯域幅で、同じキャリア周波数の一部を送信信号として使用し得る。送信エンティティは、信号を中継器306の制御インターフェース305に送り得る。信号はアナログ信号であり得る。いくつかの場合、信号は、制御情報、構成情報、またはその両方を含み得る。送信エンティティは、ビームフォーミング構成を制御インターフェース305に(たとえば、別個のモデムまたは帯域内制御を介して)送り得る。
【0106】
制御インターフェース305は、通信リンクを介してコントローラ310と信号情報を通信し得る。次いで、コントローラ310は、可変利得増幅器315を使用することによって、受信されたアナログ信号の電力を増幅し得る。いくつかの場合、コントローラ310は、可変利得増幅器315を通す代わりに、信号をフェーズドアレイ320または325のうちの1つに向けるための制御情報を受信し得る。フェーズドアレイ320および325は、ビームをリダイレクトするために、送信エンティティからのビームフォーミング構成を使用し得る。いくつかの場合、信号は、フェーズドアレイ320および325に続く前に、可変利得増幅器315を通過し得る。制御インターフェース305は、中継器306が信号の送信と受信の両方のためのビームフォーミングを実行することを可能にする、送信エンティティからの構成情報を受信し得る。
【0107】
中継器306は、バックホールリンクを介して送信エンティティと通信することが可能であり得る。中継器306は、アクセスリンクを介して受信エンティティと話すことが可能であり得る。コントローラ310は、制御インターフェース305からの情報を処理するときに、これらのリンクを使用し得る。中継器306は、送信および受信のための異なるビームを有し得る。
【0108】
図2を参照しながら説明したように、送信エンティティ(たとえば、基地局)は、特定のタイプ(たとえば、アップリンク、ダウンリンク、制御、データ、ブロードキャストなど)の通信のために、1つまたは複数の中継器306を含み得る通信経路を、通信経路のSNR、通信経路の1つもしくは複数のホップのSNR、またはこれらのSNR値の何らかの組合せに基づいて選択し得る。
【0109】
図4は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システム400の一例を示す。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム400は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。
【0110】
ワイヤレス通信システム400は、それぞれの地理的カバレージエリア410を有する基地局405ならびに中継器406-a、406-b、および406-cと、UE415-aおよび415-bとを含み得る。
図4は単一の基地局405を示しているが、ワイヤレス通信システム400は、1つまたは複数の追加の基地局405、中継器406、およびUE415を含み得る。基地局405は、
図1を参照しながら説明した基地局105の一例であり得る。中継器406-a、406-b、および406-cは、
図1を参照しながら説明した中継器106の例であり得る。UE415-aおよび415-bは、
図1を参照しながら説明したUE115の例であり得る。
【0111】
基地局405は、1つまたは複数のUE415と通信するための1つまたは複数の通信経路を確立し得る。本明細書で使用する通信経路は、送信エンティティ(たとえば、基地局405)から受信エンティティ(たとえば、UE415-a、415-b)への指向性通信経路を指すことがある。各通信経路は、送信エンティティと受信エンティティの間に、1つの中継器406を含むか、複数の中継器406を含むか、または中継器406を含まないことがある。通信経路内の各リンクは、ホップと呼ばれることがある。たとえば、通信経路内の第1のホップは、送信エンティティから中継器406までであり得る。通信経路内の第2のホップは、中継器406から別の中継器406まで、または受信エンティティまでであり得る。基地局405は、ホップのうちの1つもしくは複数のSNR、通信リンク全体のSNR(たとえば、エンドツーエンドSNR)、またはこれらのSNR値の組合せもしくは比に基づいて、信号送信のための通信経路を選択し得る。
【0112】
いくつかの場合、基地局405は、UE415へのダイレクト通信経路を検出および確立し得る。たとえば、基地局405は、第1の通信経路440を介してUE415-aと通信し得る。そのような例では、基地局405がビーム420-aを介してダウンリンク信号をUE415-aに送ってもよく、UE415-aがビーム420-bを介してダウンリンク信号を受信してもよい。または、UE115-aがビーム420-bを介してアップリンク送信を送ってもよく、基地局405がビーム420-aを介してアップリンク送信を受信してもよい。したがって、ビーム420は、第1の通信経路440に沿って、信号を基地局405からUE415に、またはその逆に搬送することができる。第1の通信経路は、ダイレクト通信経路の一例であり得る。
【0113】
いくつかの場合、基地局405は、第2の通信経路445、第3の通信経路450、および第4の通信経路455に関して示すように、通信経路内に中継器406を含み得る。送信エンティティ(たとえば、基地局405またはUE415-a)は、第2の通信経路445に沿ってビーム425を使用して受信エンティティと通信し得る。たとえば、基地局405は、ビーム425-aおよび425-bを介して信号を中継器406-aに送り得る。次いで、中継器406-aは、信号を増幅し、ビーム425-cおよび425-dを介して信号をUE415-aにリダイレクトし得る。別の例では、UE415-aは、信号を基地局405に送信し得る。UE415-aは、ビーム425-dおよび425-cを使用して信号を中継器406-aに送り得る。次いで、中継器406-aは、ビーム425-bおよび425-aを使用して信号を基地局405に中継し得る。
【0114】
いくつかの場合、基地局405は、単一のUE415と通信するために、複数の利用可能な通信経路のうちの1つまたは複数を選択し得る。たとえば、基地局405は、第3の通信経路450または第4の通信経路455を選択し得る。通信経路450を選択すると、基地局405は、ビーム430-a、430-b、430-c、および430-dを介してUE415-aと(たとえば、アップリンク通信またはダウンリンク通信を)通信し得る。第4の通信経路455を選択すると、基地局405は、ビーム435-a、435-b、435-c、および435-dを介してUE415-bと(たとえば、アップリンク通信またはダウンリンク通信を)通信し得る。
【0115】
基地局405は、システムの通信信頼性またはキャパシティを高めるために、複数の利用可能な通信経路を利用し得る。基地局405は、リソースの所望の利益または利用に基づいて構成情報を中継器406に送り得る。いくつかの場合、送信エンティティは、複数の経路上で同じ信号を送り得る。たとえば、基地局405は、それぞれ、第3の通信経路450および第4の通信経路455を介して信号を中継器406-bおよび406-cに送り得る。ビーム430-aもしくは430-cのうちの1つを遮る障害物がある場合、または第3の通信経路450の信号品質が劣悪である場合、信号は第3の通信経路450を介してUE415-bに到達しないことがある。しかしながら、基地局405は第4の通信経路455上で同じ信号を送ったので、第3の通信経路450上での妨害にもかかわらず、UE415-bは信号の受信に成功し得る。基地局405は、同じ信号を送るために任意の数の通信経路を使用し得る。したがって、複数のビーム上で同じ信号を送ることは、空間ダイバーシティを介して通信信頼性を改善し得る。
【0116】
いくつかの例では、送信エンティティは、複数の経路上で複数の信号を送り得る。そのような例では、基地局405は、第3の通信経路450を介して第1の信号をUE415-bに送り、第4の通信経路455を使用して第2の信号をUE415-bに送り得る。したがって、UE415-bは、複数の信号を効率的に受信し、複数の通信経路を並行して利用することによってワイヤレス通信システムのキャパシティを高め得る。
【0117】
いくつかの例では、基地局405は、第2の通信経路がスタンバイモードである間に、1つの通信経路を使用して信号を送り得る。たとえば、基地局405は、第3の通信経路450を介して1つまたは複数の信号を送ることができ、第4の通信経路455を予備に取っておく(たとえば、スタンバイモードにしておく)ことができる。そのような例では、障害物は、信号が中継器406-bを使用して第3の通信経路450を介してUE415-bに到達するのを妨げることがある。これが起きた場合、基地局405は、信号をUE415-bに送るために中継器406-cをアクティブ化して第4の通信経路455を使用することを決定してもよい。スタンバイモードの通信経路を使用することは、中継器406がスタンバイモードであるときに電力を節約するという利益に加えて、通信信頼性を改善し得る。
【0118】
また別の場合、
図6に関してより詳細に説明するように、基地局405は、ダウンリンクシグナリングのためにある通信経路を使用し、アップリンクシグナリングのために別の通信経路を使用することを決めてもよい。いくつかの例では、
図7に関してより詳細に説明するように、基地局405は、あるタイプの信号のためにある通信経路を使用し、第2のタイプの信号のために別の通信経路を使用してもよい。基地局405は、通信経路のエンドツーエンドSNR、通信経路の(たとえば、1つもしくは複数の)ホップごとのホップSNR、通信経路のエンドツーエンドSNRに対する1つもしくは複数のホップSNRの比、またはそれらの任意の組合せに基づいて、通信タイプまたはアップリンク構成もしくはダウンリンク構成を選択し得る。そのような考慮事項に基づいて通信経路を選択することは、システムキャパシティを高め、効率を改善し、信頼性を改善し、ユーザエクスペリエンスを改善することができる。
【0119】
図5は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システム500の一例を示す。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム500は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。ワイヤレス通信システム500は、地理的カバレージエリア510内の1つまたは複数のUE515にサービスし得る基地局505を含み得る。システムはまた、中継器506-a、506-b、506-c、および506-dと、UE515-aおよび515-bとを含み得る。
図5は単一の基地局505を示しているが、ワイヤレス通信システム500は、構成要素の中でも、1つまたは複数の追加の基地局505、中継器506、およびUE515を含み得る。基地局505は、
図1を参照しながら説明した基地局105および
図2を参照しながら説明した基地局205の一例であり得る。中継器506-a、506-b、506-c、および506-dは、
図1を参照しながら説明した中継器106および
図2を参照しながら説明した中継器206の例であり得る。UE515-aおよび515-bは、
図1を参照しながら説明したUE115および
図2を参照しながら説明したUE215の例であり得る。
【0120】
UE515は、1つまたは複数の受信ビーム530を使用して1つまたは複数の通信経路上で送られた信号を受信し得る。
図5に関して示す各通信経路は1つの中継器506を示しているが、通信経路は1つの中継器506を含むか、複数の中継器506を含むか、または中継器506を含まないことがある。基地局505は、
図2~
図4を参照しながらより詳細に説明したように、1つまたは複数の通信経路を使用して1つまたは複数のUE515と通信し得る。
【0121】
UE515は、それぞれの通信経路ごとに単一の受信ビーム535を使用して基地局505からの信号を受信し得る。たとえば、基地局505は、中継器506-aを使用して第1の通信経路上で信号を送ってもよい。そのような例では、基地局505は、送信ビーム525-a上でダウンリンクメッセージ(たとえば、データ、制御シグナリング、構成情報など)を送ってもよい。中継器506-aは、受信ビーム530-aを使用してダウンリンクメッセージを受信してもよく、送信ビーム525-eを使用してメッセージをUE515-aに中継してもよい。同様に、基地局505は、中継器506-bを使用して第2の通信経路上で別の信号を送ってもよい。そのような場合、基地局505は、送信ビーム525-b上でダウンリンクメッセージ(たとえば、データ、制御シグナリング、構成情報など)を送ってもよい。中継器506-bは、受信ビーム530-bを使用してダウンリンクメッセージを受信してもよく、送信ビーム525-fを使用してメッセージをUE515-aに中継してもよい。UE515-aは、同じ受信ビーム535を用いていずれかの通信経路からのメッセージを受信してもよい。いくつかの例では、受信ビーム535は、様々な空間方向からのダウンリンクメッセージまたは中継されたメッセージを受信するのに十分なほど粗い(たとえば、空間的に広い)ことがある。したがって、受信ビーム535は、両方の通信経路からの信号を受信し得る。受信ビーム535は、複合ビームと呼ばれることがある。いくつかの場合、UE515-aは、通信経路間のいかなる差も決定することなしに、各通信経路からの異なるメッセージを受信し得る。すなわち、UE515-aは複数の通信経路に気づいていないことがあり、信号の送信元にかかわらず、複数のデバイス(たとえば、中継器506-a、中継器506-bなど)からのメッセージを受信し得る。同様に、UE515-aは、複数のデバイス(たとえば、中継器506-a、中継器506-bなど)がアップリンク送信を受信し、アップリンク送信を基地局505に中継し得るように、粗い送信ビームを介してアップリンクメッセージを送り得る。
【0122】
UE515は、それぞれの通信経路ごとに異なる受信ビーム530を使用して基地局505からの信号を受信し得る。たとえば、基地局505は、中継器506-cを使用して第1の通信経路上で信号を送ってもよい。たとえば、基地局505は、送信ビーム525-c上でダウンリンクメッセージ(たとえば、データ、制御シグナリング、構成情報など)を送ってもよい。中継器506-cは、受信ビーム530-cを使用してダウンリンクメッセージを受信してもよく、送信ビーム525-gを使用してメッセージをUE515-bに中継してもよい。同様に、基地局505は、中継器506-dを使用して第2の通信経路上で別の信号を送ってもよい。そのような例では、基地局505は、送信ビーム525-d上でダウンリンクメッセージ(たとえば、データ、制御シグナリング、構成情報など)を送ってもよい。中継器506-dは、受信ビーム530-dを使用してダウンリンクメッセージを受信してもよく、送信ビーム525-hを使用してメッセージをUE515-bに中継してもよい。UE515-bは、受信ビーム530-eを使用して第1の通信経路を介してダウンリンクメッセージを受信してもよく、受信ビーム530-fを使用して第2の通信経路を介して別のダウンリンクメッセージを受信してもよい。同様に、いくつかの例では、UE515-aは、第1の送信ビームを使用する中継器506-cを使用して第1の通信経路を介してアップリンクメッセージを送ってもよく、第2の送信ビームを使用する中継器506-dを使用して第2の通信経路を介して別のアップリンクメッセージを送ってもよい。
【0123】
図6は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システム600の一例を示す。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム600は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。ワイヤレス通信システム600は、それぞれの地理的カバレージエリア610を有する基地局605を含み得る。システムはまた、中継器606-aおよび606-bと、UE615とを含み得る。
図6は単一の基地局605を示しているが、ワイヤレス通信システム600は、構成要素の中でも、1つまたは複数の追加の基地局605、中継器606、およびUE615を含み得る。基地局605、中継器606、およびUE615は、
図1~
図5を参照しながら説明した対応するデバイスの例であり得る。
【0124】
いくつかの場合、基地局605は、通信経路635の1つまたは複数のSNR値に基づいて、アップリンク通信およびダウンリンク通信のための1つまたは複数の通信経路635を選択し得る。通信経路635の中継器606は、信号を増幅するプロセスにおいて雑音を増幅し得る。結果として、通信経路635の1つまたは複数の決定されたSNR値および比は、通信経路635の信号品質を決定するために使用され得る。通信経路635-aは、通信経路635-bとは異なるエンドツーエンドSNRを有することがある。通信経路635-aは、第1のホップ640-aおよび第2のホップ640-bを有し得る。通信経路635-bは、第1のホップ640-cおよび第2のホップ640-dを有し得る。通信経路635-aおよび635-bのエンドツーエンドSNRの差は、第1のホップ640-aのSNR、第2のホップ640-bのSNR、第1のホップ640-cのSNR、および第2のホップ640-dのSNRに直接関係し得る。いくつかの例では、通信経路の各中継器606の増幅された雑音に起因して、第1の通信経路635-aおよび第2の通信経路635-bの第1のホップ640-aおよび第1のホップ640-cのSNRは、それぞれ、第2のホップ640-bおよび第2のホップ640-dよりも大きい影響をそれぞれの通信経路635に及ぼすことがある。基地局605は、第1のホップ640についてより強いSNRを有する通信経路635を選択するように中継器606を構成するために、この情報を使用し得る。基地局605は、通信経路635ごとのエンドツーエンドSNR値および第1ホップSNR値に基づいて、あるタイプの通信のために第1の通信経路635-aを使用し、第2のタイプの通信のために第2の通信経路635-bを使用し得る。
【0125】
基地局605は、SNR値およびSNR比に基づいて、アップリンク通信のために通信経路635を選択し、ダウンリンク通信のために別の通信経路635を選択してもよい。たとえば、基地局605は、ダウンリンク通信のために通信経路635-aを選択してもよく、アップリンク通信のために通信経路635-bを選択してもよく、選択は通信経路635ごとの第1のホップSNRに基づき得る。通信経路635-a上の第1のホップ640-aにおいて、基地局605は送信ビーム625-a上でダウンリンク信号を送ってもよく、中継器606-aは受信ビーム630-aを使用してダウンリンク信号を受信してもよい。次いで、中継器606-aは、基地局605からの構成情報に従って、第2のホップ640-bにおいて送信ビーム625-b上で信号を増幅し、リダイレクトしてもよい。次いで、UE615は、受信ビーム630-b上で信号を受信してもよい。基地局605は、アップリンク通信のために通信経路635-bを選択してもよい。第2の通信経路635-b上の第1のホップ640-cにおいて、UE615は送信ビーム625-c上でアップリンク信号を送ってもよく、中継器606-bは受信ビーム630-cを使用してアップリンク信号を受信してもよい。次いで、中継器606-bは、基地局605からの構成情報に従って、第2のホップ640-dにおいて送信ビーム625-d上でアップリンク信号を増幅し、リダイレクトしてもよい。次いで、基地局605は、受信ビーム630-d上でアップリンク信号を受信してもよい。
【0126】
いくつかの場合、基地局605は、アップリンクシグナリングおよびダウンリンクシグナリングのためにどの通信経路645を使用するかを決定するときに第1のホップSNRを考慮に入れることがある。近接度を含む多くの要因が、第1のホップSNRに影響を及ぼし得る。たとえば、基地局605は、UE615へのダウンリンクシグナリングのために通信経路635-aを選択してもよい。通信経路635-aの第1のホップ640-aは、(たとえば、中継器606-bがUE615よりも基地局605に近い場合があるので)第2のホップ640-bよりも高いSNRを有し得る。同様に、基地局605は、UE615からのアップリンクシグナリングのために通信経路635-bを選択してもよい。通信経路635-bの第1のホップ640-cは、(たとえば、中継器606-bが基地局605よりもUE615に近い場合があるので)第2のホップ640-dよりも高いSNRを有し得る。基地局605は、第1のホップSNRに基づいて通信経路635を選択すると、構成情報を各中継器606-aおよび606-bに送ってもよい。構成情報は選択を中継器606に示すことができ、それぞれ、ダウンリンク通信用およびアップリンク通信用に中継器606を構成することができる。
【0127】
いくつかの場合、基地局605は、最大許容曝露(MPE:maximum permissible exposure)制限を回避するためにマルチTRP動作を決定し得る。たとえば、基地局605は、デバイスまたはユーザがUE615に近すぎるので、UE615とのダウンリンク用にダイレクト通信経路を使用することができない場合がある。UE615と直接通信することは、MPE制限を超えることがある。代わりに、基地局605は、間接的な中継器606-aを使用することによってダウンリンク通信経路635-aの曝露限界を決定することができ、したがって、MPE制限下で許容可能であり得る。
【0128】
図7は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするワイヤレス通信システム700の一例を示す。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム700は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。ワイヤレス通信システム700は、それぞれの地理的カバレージエリア710を有する基地局705を含み得る。システムはまた、中継器706と、UE715-aおよび715-bとを含み得る。
図7は単一の基地局705を示しているが、ワイヤレス通信システム700は、構成要素の中でも、1つまたは複数の追加の基地局705、中継器706、およびUE715を含み得る。基地局705、中継器706、およびUE715は、
図1を参照しながら説明した対応するデバイスの例であり得る。
【0129】
基地局705は、1つまたは複数のUE715との複数の通信経路735、740、および745を識別し得る。いくつかの場合、基地局705は、信号のタイプ(たとえば、データ、ブロードキャストシグナリング、制御シグナリングなど)に基づいて通信経路735、740、または745を選択し得る。基地局705は、UE715-aとのダイレクト通信経路735を確立してもよい。通信経路735を使用するとき、基地局705は、送信ビーム725-aを使用して信号を送ってもよい。UE715-aは、受信ビーム730-aを用いて信号を受信してもよい。第2の通信経路740では、基地局705は、中継器706を介してUE715-aと通信してもよい。基地局705は、送信ビーム725-b上で信号を送信してもよい。中継器706は、受信ビーム730-bを用いて信号を受信してもよい。中継器706は、信号を増幅し、送信ビーム725-cを用いて信号をUE715-aにリダイレクトしてもよい。UE715-aは、受信ビーム730-cを用いて信号を受信してもよい。第3の通信経路745では、基地局705は、信号(たとえば、制御情報)を複数のUE715-aおよび715-bに送ることが可能であり得る。基地局705は、同じ送信ビーム725-b上で信号を送信してもよい。たとえば、基地局705は、信号を多重化(たとえば、OFDM)し、送信ビーム725-bを介して信号を同時にまたは異なる時間に(たとえば、TDMを介して)送ってもよい。UE715-bおよび中継器706は、基地局が合成して同じOFDMシンボルにした独立した信号を受信することが可能であり得る。UE715-bは、受信ビーム730-dを介して信号のうちの1つまたは複数を受信してもよい。中継器706は、受信ビーム730-bを介して信号を受信してもよく、送信ビーム725-cを介して信号をUE715-aに中継してもよい。
【0130】
一例では、基地局705は、異なるタイプの通信のために異なる通信経路を選択し得る。たとえば、基地局705は、通信経路735が直接UE715-aへの強い通信経路であり得ると決定してもよい。基地局705はまた、中継器706を使用する通信経路740が通信経路735よりも弱いことがあり得る(すなわち、通信経路735のSNR値が通信経路740よりも大きいことがあり得る)と決定してもよい。いくつかの例では、異なるタイプの通信は、より大きいSNR、より多い利用可能な周波数リソース、またはその両方(たとえば、データ通信)に依存し得る。したがって、基地局705は、そのようなタイプの通信がより強いリンク(たとえば、より高いSNRまたはより多い利用可能な周波数リソース)を有する通信経路を介して送られるべきであると決定してもよい。そのような例では、基地局705は、データ信号を送るために、より強いリンクを有する通信経路735を使用し得る。基地局705は、(そのような高いSNRに依存しなくてもよいか、またはそれほど多くの周波数リソースを使用しなくてもよい)ブロードキャストまたは制御信号を送るために、第1の通信経路735よりも弱いリンクを有する通信経路740を使用し得る。
【0131】
いくつかの例では、基地局705は、単一の送信ビーム725を介して異なる通信経路を介して複数のUEと通信し得る。たとえば、基地局705は、通信経路740の場合と同じ送信ビーム725-bを使用して信号(たとえば、制御情報)をUE715-bに送るために通信経路745を使用してもよい。すなわち、基地局705は、より効率的なリソース利用を可能にするために、どの通信経路がUE715との弱いリンクまたは強いリンクを有するかを決定してもよい。たとえば、基地局705は、1つまたは複数の信号(たとえば、UE715-aとUE715-bの両方のための制御情報)を複数のUE715に送ることを決定してもよい。基地局705は、送信ビーム725-bを使用して制御情報を送信してもよい。UE715-bは、通信経路745を介して制御情報を受信してもよく、UE715-aは、通信経路740を介して制御情報を受信してもよい。
【0132】
図8は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするプロセスフロー800の一例を示す。いくつかの例では、プロセスフロー800は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。プロセスフロー800は、指向性通信リンク820と連携した、基地局805、中継器806、および受信エンティティ(たとえば、815)の間のマルチTRP動作の一例であり得る。
【0133】
基地局805は、UE815と通信するためのいくつかの通信経路を識別し得る。1つの例示的な例では、通信経路は中継器806を含み得る。他の例では、単一の通信経路内に複数の中継器806があり得る。いくつかの例では、基地局805は、ある通信経路上では直接、異なる通信経路上ではUE815への中継器806を通じて、UE815と通信し得る。プロセスフロー800は、これらの例の任意の組合せを示し得る。
図8に関して説明するように、基地局805がダウンリンク通信をUE815に送ってもよく、もしくはUE815がアップリンク通信を基地局805に送ってもよく、またはその両方でもよい。
【0134】
820において、基地局805および中継器806は、指向性通信リンクを介して(たとえば、1つまたは複数の指向性ビームを介して)通信してもよい。中継器806およびUE815は、別の指向性通信リンクを介して(たとえば、1つまたは複数の指向性ビームを介して)通信してもよい。いくつかの例では、基地局805は、中継器806と通信することなしに、1つまたは複数のUE815と直接通信してもよい。いくつかの例では、基地局805は、(
図6に関してより詳細に説明したように)第1のタイプの通信のために第1の通信経路を選択し、第2のタイプの通信のために第2の通信経路を選択してもよい。いくつかの例では、基地局805は、ダイレクト通信信号が送信のために利用可能である場合でも、中継器806を通じて特定のタイプの信号(たとえば、低いSNR要件を有する信号)を通信し、ダイレクトリンクを通じて他のタイプの信号(たとえば、高いSNR要件を有する信号)を通信してもよい。
【0135】
825において、基地局805は、UE815との第1の通信経路およびUE815との第2の通信経路を識別してもよい。各通信経路は、1つの中継器806を有するか、複数の中継器806を有するか、または中継器806を有しないことがある。少なくとも1つの通信経路(たとえば、第1の通信経路または第2の通信経路)は、少なくとも1つの中継器806を含んでもよい。たとえば、プロセスフロー800に関して、2つの通信経路がある場合、第1の通信経路が中継器806を含まない場合に、第2の通信経路が中継器806を含んでもよく、その逆も同様である。
【0136】
830において、基地局805は、第1の通信経路および第2の通信経路のエンドツーエンドSNR値を決定してもよい。基地局805はまた、第1の通信経路内の第1のホップおよび第2の通信経路内の第1のホップのSNRを決定してもよい。エンドツーエンドSNRは、第1のホップSNRと相関してもよい。
【0137】
835において、基地局805は、第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択し、第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択してもよい。第1の通信経路および第2の通信経路の選択は、830において決定された第1のホップのSNR値、830において決定された第2のホップのSNR値、830において決定されたエンドツーエンドSNR、830において決定されたホップSNRのうちの1つもしくは複数とエンドツーエンドSNRの比、またはそれらの任意の組合せに基づき得る。いくつかの場合、基地局805は、第1のホップのSNRの大きさに基づいて通信経路を決定してもよい。たとえば、基地局805は、アップリンク通信のために第1の通信経路を選択し、ダウンリンク通信のために第2の通信経路を選択してもよい。ダウンリンク通信経路は、基地局805と中継器806との間の第1のホップのより高いSNR値を有してもよい。アップリンク通信経路は、UE815と中継器806との間の第1のホップのより高いSNR値を有してもよい。基地局805は、信号を送るまたは受信する前に、ダウンリンク通信経路およびアップリンク通信経路を決定してもよい。
【0138】
いくつかの場合、基地局805は、第1のタイプのダウンリンク信号のために第1の通信経路を構成し、別のタイプのダウンリンク信号のために第2の通信経路を構成してもよい。基地局805は、第1のエンドツーエンドSNRまたは第1の比が第2のエンドツーエンドSNRまたは第2の比よりも高いと決定したことに基づいて、第1の通信経路を選択してもよい。いくつかの例では、基地局805は、より高いエンドツーエンドSNRまたは第1のホップSNRを有する通信経路上のダウンリンク信号内でデータ信号を送ることを決定してもよい。そのような場合、経路を選択した後、基地局805は、第1の通信経路上で第1のタイプのダウンリンク信号を送信し、第2の通信経路上で第2のタイプのダウンリンク信号を送信してもよい。第1のタイプの通信信号はデータ信号であってもよく、第2のタイプの通信信号はブロードキャスト信号または制御信号であってもよい。いくつかの場合、第1の通信経路は基地局805とUE815との間のダイレクトリンクであってもよく、第2の通信経路は1つまたは複数の中継器を利用してもよい。
【0139】
いくつかの場合、基地局805は、信号の第1のセットのために第1の通信経路を選択してもよい。第1の通信タイプは、第1の通信ストリームを含んでもよい(たとえば、1つまたは複数の信号の第1のセットを含む)。基地局805は、信号の第2のセットのために第2の通信経路を選択してもよい。第2の通信タイプは、第2の通信ストリームを含んでもよい(たとえば、信号の第1のセットとは異なる1つまたは複数の信号の第2のセットを含む)。
【0140】
別の例では、基地局805は、中継器806を含む、UE815との第1の通信経路を選択してもよい。中継器806はアクティブ通信モードであり得る。基地局805は、バックアップ通信のために、第2の中継器806を有する第2の通信経路を確保してもよい。第1の通信経路が故障しない限り、第2の中継器806はバックアップ通信モードであり得る。たとえば、障害物が第1の通信経路を遮る場合、基地局805は、第2の中継器806をアクティブ化すること、および第1の通信経路がクリアになるまで信号を送るための第2の通信経路を開くことを決めてもよい。
【0141】
840において、通信経路を選択した後、基地局805は中継器806のための構成メッセージを生成してもよい。構成メッセージは、どの通信経路がどの通信タイプと一致するかに関する情報を含み得る。通信経路は、各経路の第1のホップSNRとエンドツーエンドSNRのSNR比に基づいて決定されてもよい。
【0142】
845において、基地局805は、構成メッセージを中継器806に送ってもよい。中継器806は、(たとえば、第1の通信経路内で)構成メッセージ845を受信してもよい。構成メッセージは、中継器806にその構成をどのように調整するかを示し得る。構成情報に基づいて、中継器806は、(たとえば、860において)1つまたは複数の信号を監視し、受信し、増幅し、所望の宛先デバイスにリダイレクトしてもよい。いくつかの例では、構成情報は、中継器806のチェーンのうちの複数の中継器806に適用され得る。そのような例では、中継器806のチェーンのうちの1つまたは複数の中継器806は、構成メッセージを受信し、構成メッセージを後続の中継器806に中継してもよい。
【0143】
850において、中継器806は、860における後続の通信のために、845において基地局805から受信された構成メッセージに基づいてその構成を調整してもよい。
【0144】
860において、基地局805は中継器806を介してUE815と通信してもよい。たとえば、通信タイプはアップリンク信号であってもよく、その場合、中継器806は、845において受信された構成メッセージに基づいてUE815から基地局805に通信を中継し得る。通信タイプはダウンリンク信号であってもよく、その場合、中継器806は基地局805からUE815にメッセージを中継し得る。構成メッセージは、中継器806があるタイプのダウンリンクメッセージ(たとえば、ブロードキャスト信号、制御信号、またはデータ信号)を中継すべきであることを示し得る。構成情報に基づいて、中継器806は、UE815と基地局805との間で信号の第1のコピーまたは信号の第1のセットを中継し得る。いくつかの例では、中継器806は、アクティブ通信モードで基地局805とUE815との間で情報を中継し得る。基地局805が異なる通信経路上で信号の送信に失敗した場合、バックアップ通信モードであった中継器806は、UE815と基地局805との間で情報を中継するために(たとえば、構成メッセージ845を介して)アクティブ化され得る。
【0145】
図9は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイス905のブロック
図900を示す。デバイス905は、本明細書で説明するような基地局105の態様の一例であり得る。デバイス905は、受信機910、通信マネージャ915、および送信機920を含み得る。デバイス905はまた、プロセッサを含み得る。これらの構成要素の各々は、(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いと通信していることがある。
【0146】
受信機910は、パケット、ユーザデータ、または様々な情報チャネルに関連付けられた制御情報(たとえば、制御チャネル、データチャネル、および中継器を介したマルチTRP動作のための技法に関する情報など)などの情報を受信し得る。情報は、デバイス905の他の構成要素に渡され得る。受信機910は、
図12を参照しながら説明するトランシーバ1220の態様の一例であり得る。受信機910は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0147】
通信マネージャ915は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別することであって、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を含む、識別することと、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定することであって、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、決定することと、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択することと、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択することと、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信することとを行ってもよい。通信マネージャ915は、本明細書で説明する通信マネージャ1210の態様の一例であり得る。
【0148】
通信マネージャ915またはその下位構成要素は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるコード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。プロセッサによって実行されるコードにおいて実装される場合、通信マネージャ915またはその下位構成要素の機能は、汎用プロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本開示で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって実行され得る。
【0149】
通信マネージャ915またはその下位構成要素は、機能の部分が1つまたは複数の物理的構成要素によって異なる物理的ロケーションにおいて実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に位置し得る。いくつかの例では、通信マネージャ915またはその下位構成要素は、本開示の様々な態様による別個の異なる構成要素であり得る。いくつかの例では、通信マネージャ915またはその下位構成要素は、限定はしないが、入力/出力(I/O)構成要素、トランシーバ、ネットワークサーバ、別のコンピューティングデバイス、本開示で説明する1つもしくは複数の他の構成要素、または本開示の様々な態様によるそれらの組合せを含む、1つまたは複数の他のハードウェア構成要素と組み合わされ得る。
【0150】
送信機920は、デバイス905の他の構成要素によって生成された信号を送信し得る。いくつかの例では、送信機920は、トランシーバモジュールの中で受信機910とコロケートされ得る。たとえば、送信機920は、
図12を参照しながら説明するトランシーバ1220の態様の一例であり得る。送信機920は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0151】
図10は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイス1005のブロック
図1000を示す。デバイス1005は、本明細書で説明するようなデバイス905または基地局105の態様の一例であり得る。デバイス1005は、受信機1010、通信マネージャ1015、および送信機1040を含み得る。デバイス1005はまた、プロセッサを含み得る。これらの構成要素の各々は、(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いと通信していることがある。
【0152】
受信機1010は、パケット、ユーザデータ、または様々な情報チャネルに関連付けられた制御情報(たとえば、制御チャネル、データチャネル、および中継器を介したマルチTRP動作のための技法に関する情報など)などの情報を受信し得る。情報は、デバイス1005の他の構成要素に渡され得る。受信機1010は、
図12を参照しながら説明するトランシーバ1220の態様の一例であり得る。受信機1010は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0153】
通信マネージャ1015は、本明細書で説明するような通信マネージャ915の態様の一例であり得る。通信マネージャ1015は、通信経路識別マネージャ1020、通信経路品質マネージャ1025、通信経路選択マネージャ1030、および通信マネージャ1035を含み得る。通信マネージャ1015は、本明細書で説明する通信マネージャ1210の態様の一例であり得る。
【0154】
通信経路識別マネージャ1020は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別してもよく、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方は、1つまたは複数の中継器を含む。
【0155】
通信経路品質マネージャ1025は、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定してもよく、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質は各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む。
【0156】
通信経路選択マネージャ1030は、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択することと、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択することとを行ってもよい。
【0157】
通信マネージャ1035は、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信してもよい。
【0158】
送信機1040は、デバイス1005の他の構成要素によって生成された信号を送信し得る。いくつかの例では、送信機1040は、トランシーバモジュールの中で受信機1010とコロケートされ得る。たとえば、送信機1040は、
図12を参照しながら説明するトランシーバ1220の態様の一例であり得る。送信機1040は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0159】
図11は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする通信マネージャ1105のブロック
図1100を示す。通信マネージャ1105は、本明細書で説明する通信マネージャ915、通信マネージャ1015、または通信マネージャ1210の態様の一例であり得る。通信マネージャ1105は、通信経路識別マネージャ1110、通信経路品質マネージャ1115、通信経路選択マネージャ1120、通信マネージャ1125、通信タイプマネージャ1130、および中継器構成マネージャ1135を含み得る。これらのモジュールの各々は、直接または間接的に(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いと通信し得る。
【0160】
通信経路識別マネージャ1110は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別してもよく、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方は、1つまたは複数の中継器を含む。いくつかの場合、第2の通信経路は、1つまたは複数の中継器を含み、第1の通信経路は、基地局とUEとの間のダイレクトリンクを含む。
【0161】
通信経路品質マネージャ1115は、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定してもよく、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質は各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む。いくつかの例では、通信経路品質マネージャ1115は、第1のエンドツーエンド品質、第1の比、またはそれらの組合せが、第2のエンドツーエンド品質、第2の比、またはそれらの組合せよりも高いと決定してもよく、第1のタイプのダウンリンク信号のために第1の通信経路を選択することおよび第2のタイプのダウンリンク信号のために第2の通信経路を選択することは、決定したことに基づく。いくつかの例では、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質を決定することは、第1の通信経路の第1のSNRを決定することを含み、第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定することは、第2の通信経路の第2のSNRを決定することを含み、第1のホップ品質は、第1のホップSNRを含む。
【0162】
通信経路選択マネージャ1120は、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択してもよい。いくつかの例では、通信経路選択マネージャ1120は、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択してもよい。
【0163】
通信マネージャ1125は、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信してもよい。いくつかの例では、通信マネージャ1125は、第1の通信経路を介して第1のタイプのダウンリンク信号を送信してもよい。いくつかの例では、通信マネージャ1125は、第2の通信経路を介して第2のタイプのダウンリンク信号を送信してもよい。
【0164】
通信タイプマネージャ1130は、アップリンク通信のために第1の通信経路を選択してもよく、第1の通信タイプがアップリンク通信を含む。いくつかの例では、ダウンリンク通信のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプがダウンリンク通信を含む。いくつかの例では、第1のタイプのダウンリンク信号のために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプが第1のタイプのダウンリンク信号を含む。いくつかの例では、第2のタイプのダウンリンク信号のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプが第2のタイプのダウンリンク信号を含む。いくつかの例では、第1の信号のために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプが第1の信号の第1のコピーを含む。いくつかの例では、第1の信号のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプが第1の信号の第2のコピーを含む。いくつかの例では、信号の第1のセットのために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプが第1の通信ストリームを含む。いくつかの例では、信号の第1のセットとは異なる信号の第2のセットのために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプが第2の通信ストリームを含む。いくつかの例では、UEと通信するために第1の通信経路を選択することであって、第1の通信タイプがアクティブ通信モードを含む。いくつかの例では、第1の通信経路を介した通信が失敗したときのバックアップ通信のために第2の通信経路を選択することであって、第2の通信タイプがバックアップ通信モードを含む。いくつかの場合、第1のタイプのダウンリンク信号は、データシグナリングを含む。いくつかの場合、第2のタイプのダウンリンク信号は、ブロードキャストシグナリングまたは制御シグナリングを含む。
【0165】
中継器構成マネージャ1135は、アップリンク通信のために第1の通信経路を選択したことに基づいて、UEから1つまたは複数のアップリンク信号を受信し、基地局に1つまたは複数のアップリンク信号を伝達するように、第1の通信経路の1つまたは複数の中継器を構成してもよい。いくつかの例では、中継器構成マネージャ1135は、ダウンリンク通信のために第2の通信経路を選択したことに基づいて、基地局から1つまたは複数のダウンリンク信号を受信し、UEに1つまたは複数のダウンリンク信号を伝達するように、第2の通信経路の1つまたは複数の中継器を構成してもよい。
【0166】
図12は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイス1205を含むシステム1200の図を示す。デバイス1205は、本明細書で説明するようなデバイス905、デバイス1005、中継器106、または基地局105の構成要素の一例であり得るか、またはそれらを含み得る。デバイス1205は、通信マネージャ1210、ネットワーク通信マネージャ1215、トランシーバ1220、アンテナ1225、メモリ1230、プロセッサ1240、および局間通信マネージャ1245を含む、通信を送信および受信するための構成要素を含む、双方向の音声およびデータ通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、1つまたは複数のバス(たとえば、バス1250)を介して電子通信していることがある。
【0167】
通信マネージャ1210は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別することであって、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方が、1つまたは複数の中継器を含む、識別することと、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定することであって、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、決定することと、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択することと、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択することと、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信することとを行ってもよい。
【0168】
ネットワーク通信マネージャ1215は、(たとえば、1つまたは複数のワイヤードバックホールリンクを介して)コアネットワークとの通信を管理し得る。たとえば、ネットワーク通信マネージャ1215は、1つまたは複数のUE115、中継器106などのクライアントデバイスのためのデータ通信の転送を管理し得る。本明細書で説明するような通信マネージャ1215は、1つまたは複数の潜在的な利点を実現するために実装され得る。一実装形態は、デバイス1205がデバイス効率を高め、失敗した送信およびレイテンシの尤度を低下させ、全体的なシステム効率を改善することを可能にし得る。たとえば、デバイス1205は中継器106に対して複数の個々の制御メッセージを送信するのではなく単一のマルチキャスト制御メッセージを送信することが可能であり得るので、デバイス1205は中継器106との通信におけるシグナリングオーバーヘッドを低減し得る。
【0169】
トランシーバ1220は、上記で説明したように、1つまたは複数のアンテナ、ワイヤードリンク、またはワイヤレスリンクを介して、双方向に通信し得る。たとえば、トランシーバ1220は、ワイヤレストランシーバを表すことがあり、別のワイヤレストランシーバと双方向に通信し得る。トランシーバ1220はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを送信のためにアンテナに提供するための、かつアンテナから受信されたパケットを復調するためのモデムを含み得る。
【0170】
いくつかの場合、ワイヤレスデバイスは、単一のアンテナ1225を含み得る。しかしながら、いくつかの場合、デバイスは、複数のワイヤレス送信を同時に送信または受信することが可能であり得る、2つ以上のアンテナ1225を有し得る。
【0171】
メモリ1230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、またはそれらの組合せを含み得る。メモリ1230は、プロセッサ(たとえば、プロセッサ1240)によって実行されると、本明細書で説明する様々な機能をデバイスに実行させる命令を含むコンピュータ可読コード1235を記憶し得る。いくつかの場合、メモリ1230は、特に、周辺構成要素または周辺デバイスとの対話などの、基本的なハードウェア動作またはソフトウェア動作を制御し得るBIOSを含み得る。
【0172】
プロセッサ1240は、インテリジェントハードウェアデバイス(たとえば、汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理構成要素、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せ)を含み得る。いくつかの場合、プロセッサ1240は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成され得る。いくつかの場合、メモリコントローラは、プロセッサ1240に組み込まれ得る。プロセッサ1240は、様々な機能(たとえば、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする機能またはタスク)をデバイス1205に実行させるために、メモリ(たとえば、メモリ1230)に記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。
【0173】
局間通信マネージャ1245は、他の基地局105との通信を管理することができ、他の基地局105と協働してUE115との通信を制御するためのコントローラまたはスケジューラを含み得る。たとえば、局間通信マネージャ1245は、ビームフォーミングまたはジョイント送信などの様々な干渉緩和技法のために、UE115への送信のためのスケジューリングを協調させ得る。いくつかの例では、局間通信マネージャ1245は、基地局105間で通信を行うために、LTE/LTE-Aワイヤレス通信ネットワーク技術内のX2インターフェースを提供し得る。
【0174】
コード1235は、ワイヤレス通信をサポートするための命令を含む、本開示の態様を実装するための命令を含み得る。コード1235は、システムメモリまたは他のタイプのメモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。いくつかの場合、コード1235は、プロセッサ1240によって直接実行可能ではないことがあるが、(たとえば、コンパイルされ実行されると)本明細書で説明する機能をコンピュータに実行させ得る。
【0175】
図13は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイス1305のブロック
図1300を示す。デバイス1305は、本明細書で説明するようなデバイスの態様の一例であり得る。デバイス1305は、受信機1310、通信マネージャ1315、および送信機1320を含み得る。デバイス1305はまた、プロセッサを含み得る。これらの構成要素の各々は、(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いと通信していることがある。
【0176】
受信機1310は、パケット、ユーザデータ、または様々な情報チャネルに関連付けられた制御情報(たとえば、制御チャネル、データチャネル、および中継器を介したマルチTRP動作のための技法に関する情報など)などの情報を受信し得る。情報は、デバイス1305の他の構成要素に渡され得る。受信機1310は、
図16を参照しながら説明するトランシーバ1620の態様の一例であり得る。受信機1310は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0177】
通信マネージャ1315は、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信することであって、第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、通信することと、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継することと、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信することであって、構成メッセージを受信することが、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく、受信することと、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整することとを行ってもよい。通信マネージャ1315は、本明細書で説明する通信マネージャ1610の態様の一例であり得る。
【0178】
通信マネージャ1315またはその下位構成要素は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるコード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。プロセッサによって実行されるコードにおいて実装される場合、通信マネージャ1315またはその下位構成要素の機能は、汎用プロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本開示で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって実行され得る。通信マネージャ1315またはその下位構成要素は、機能の部分が1つまたは複数の物理的構成要素によって異なる物理的ロケーションにおいて実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に位置し得る。いくつかの例では、通信マネージャ1315またはその下位構成要素は、本開示の様々な態様による別個の異なる構成要素であり得る。いくつかの例では、通信マネージャ1315またはその下位構成要素は、限定はしないが、入力/出力(I/O)構成要素、トランシーバ、ネットワークサーバ、別のコンピューティングデバイス、本開示で説明する1つもしくは複数の他の構成要素、または本開示の様々な態様によるそれらの組合せを含む、1つまたは複数の他のハードウェア構成要素と組み合わされ得る。
【0179】
送信機1320は、デバイス1305の他の構成要素によって生成された信号を送信し得る。いくつかの例では、送信機1320は、トランシーバモジュールの中で受信機1310とコロケートされ得る。たとえば、送信機1320は、
図16を参照しながら説明するトランシーバ1620の態様の一例であり得る。送信機1320は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0180】
図14は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイス1405のブロック
図1400を示す。デバイス1405は、本明細書で説明するようなデバイス1305またはデバイス115の態様の一例であり得る。デバイス1405は、受信機1410、通信マネージャ1415、および送信機1430を含み得る。デバイス1405はまた、プロセッサを含み得る。これらの構成要素の各々は、(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いと通信していることがある。
【0181】
受信機1410は、パケット、ユーザデータ、または様々な情報チャネルに関連付けられた制御情報(たとえば、制御チャネル、データチャネル、および中継器を介したマルチTRP動作のための技法に関する情報など)などの情報を受信し得る。情報は、デバイス1405の他の構成要素に渡され得る。受信機1410は、
図16を参照しながら説明するトランシーバ1620の態様の一例であり得る。受信機1410は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0182】
通信マネージャ1415は、本明細書で説明するような通信マネージャ1315の態様の一例であり得る。通信マネージャ1415は、通信マネージャ1420および中継器構成マネージャ1425を含み得る。通信マネージャ1415は、本明細書で説明する通信マネージャ1610の態様の一例であり得る。
【0183】
通信マネージャ1420は、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信することであって、第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、通信することと、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継することとを行ってもよい。
【0184】
中継器構成マネージャ1425は、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信することであって、構成メッセージを受信することが、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく、受信することと、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整することとを行ってもよい。
【0185】
送信機1430は、デバイス1405の他の構成要素によって生成された信号を送信し得る。いくつかの例では、送信機1430は、トランシーバモジュールの中で受信機1410とコロケートされ得る。たとえば、送信機1430は、
図16を参照しながら説明するトランシーバ1620の態様の一例であり得る。送信機1430は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0186】
図15は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする通信マネージャ1505のブロック
図1500を示す。通信マネージャ1505は、本明細書で説明する通信マネージャ1315、通信マネージャ1415、または通信マネージャ1610の態様の一例であり得る。通信マネージャ1505は、通信マネージャ1510、中継器構成マネージャ1515、通信タイプマネージャ1520、および通信経路品質マネージャ1525を含み得る。これらのモジュールの各々は、直接または間接的に(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いと通信し得る。
【0187】
通信マネージャ1510は、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信してもよく、第1の通信経路は、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路は、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質は各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む。いくつかの例では、通信マネージャ1510は、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継してもよい。いくつかの例では、UEと基地局との間で、信号の第1のコピーを中継することであって、通信タイプが信号の第1のコピーを含む。
【0188】
中継器構成マネージャ1515は、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信してもよく、構成メッセージを受信することは、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく。いくつかの例では、中継器構成マネージャ1515は、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整してもよい。
【0189】
通信タイプマネージャ1520は、UEから基地局に1つまたは複数のアップリンクメッセージを中継してもよく、通信タイプがアップリンク通信を含む。いくつかの例では、基地局からUEに1つまたは複数のダウンリンクメッセージを中継することであって、通信タイプがダウンリンク通信を含む。いくつかの例では、基地局からUEに、ダウンリンクブロードキャスト信号、ダウンリンク制御信号、またはダウンリンクデータ信号を中継することであって、通信タイプがあるタイプのダウンリンク信号を含む。いくつかの例では、UEと基地局との間で、信号の第1のセットを中継することであって、通信タイプが第1の通信ストリームを含む。いくつかの例では、UEと基地局との間で、1つまたは複数の信号のセットを中継することであって、通信タイプがアクティブ通信モードを含む。いくつかの例では、UEと基地局との間で、1つまたは複数の信号のセットのサブセットを中継することであって、サブセットが、中継器を含まない異なる通信経路を介した送信に失敗しており、通信タイプがバックアップ通信モードを含む。いくつかの場合、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質は、第1の通信経路の第1のSNRを含み、第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質は、第2の通信経路の第2のSNRを含み、第1のホップ品質は、第1のホップSNRを含む。
【0190】
図16は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートするデバイス1605を含むシステム1600の図を示す。デバイス1605は、デバイス1305、デバイス1405、中継器106、または本明細書で説明するようなデバイスの構成要素の一例であり得るか、またはそれらを含み得る。デバイス1605は、通信マネージャ1610、I/Oコントローラ1615、トランシーバ1620、アンテナ1625、メモリ1630、プロセッサ1640、およびコーディングマネージャ1650を含む、通信を送信および受信するための構成要素を含む、双方向の音声およびデータ通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、1つまたは複数のバス(たとえば、バス1645)を介して電子通信していることがある。
【0191】
通信マネージャ1610は、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信することであって、第1の通信経路が、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路が、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質が各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む、通信することと、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継することと、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信することであって、構成メッセージを受信することが、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく、受信することと、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整することとを行ってもよい。
【0192】
I/Oコントローラ1615は、デバイス1605のための入力信号および出力信号を管理し得る。I/Oコントローラ1615はまた、デバイス1605に組み込まれていない周辺装置を管理し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ1615は、外部周辺装置への物理接続またはポートを表し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ1615は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、または別の知られているオペレーティングシステムなどの、オペレーティングシステムを利用し得る。他の場合、I/Oコントローラ1615は、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、もしくは同様のデバイスを表すか、またはそれらと対話し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ1615は、プロセッサの一部として実装され得る。いくつかの場合、ユーザは、I/Oコントローラ1615を介して、またはI/Oコントローラ1615によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス1605と対話し得る。
【0193】
トランシーバ1620は、上記で説明したように、1つまたは複数のアンテナ、ワイヤードリンク、またはワイヤレスリンクを介して、双方向に通信し得る。たとえば、トランシーバ1620は、ワイヤレストランシーバを表すことがあり、別のワイヤレストランシーバと双方向に通信し得る。トランシーバ1620はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを送信のためにアンテナに提供するための、かつアンテナから受信されたパケットを復調するためのモデムを含み得る。
【0194】
いくつかの場合、ワイヤレスデバイスは、単一のアンテナ1625を含み得る。しかしながら、いくつかの場合、デバイスは、複数のワイヤレス送信を同時に送信または受信することが可能であり得る、2つ以上のアンテナ1625を有し得る。
【0195】
メモリ1630は、RAMおよびROMを含み得る。メモリ1630は、実行されると、本明細書で説明する様々な機能をプロセッサに実行させる命令を含む、コンピュータ可読のコンピュータ実行可能コード1635を記憶し得る。いくつかの場合、メモリ1630は、特に、周辺構成要素または周辺デバイスとの対話などの、基本的なハードウェア動作またはソフトウェア動作を制御し得るBIOSを含み得る。
【0196】
プロセッサ1640は、インテリジェントハードウェアデバイス(たとえば、汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理構成要素、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せ)を含み得る。いくつかの場合、プロセッサ1640は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成され得る。他の場合、メモリコントローラは、プロセッサ1640に組み込まれ得る。プロセッサ1640は、様々な機能(たとえば、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする機能またはタスク)をデバイス1605に実行させるために、メモリ(たとえば、メモリ1630)に記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。
【0197】
(たとえば、受信機1310、送信機1320、または送信機920を制御する)デバイス1605のプロセッサ1640は、最も効率的な通信経路を選択したことに基づいて、シグナリング信頼性を高め、システム効率を改善し、システムレイテンシの尤度を低下させることができる。いくつかの例では、デバイス1605のプロセッサ1640は、基地局105から構成情報を受信し、基地局105およびUE115と通信し得る。シグナリング信頼性の改善およびシステム効率の向上は、(たとえば、送信の不要な処理または失敗した処理を低減または排除することなどによって)デバイス1605における電力効率をさらに高め得る。
【0198】
コード1635は、ワイヤレス通信をサポートするための命令を含む、本開示の態様を実装するための命令を含み得る。コード1635は、システムメモリまたは他のタイプのメモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。いくつかの場合、コード1635は、プロセッサ1640によって直接実行可能ではないことがあるが、(たとえば、コンパイルされ実行されると)本明細書で説明する機能をコンピュータに実行させ得る。
【0199】
図17は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法1700を示すフローチャートを示す。方法1700の動作は、本明細書で説明するような基地局105またはその構成要素によって実装され得る。たとえば、方法1700の動作は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。いくつかの例では、基地局は、以下で説明する機能を実行するように基地局の機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加または代替として、基地局は、専用ハードウェアを使用して、以下で説明する機能の態様を実行し得る。
【0200】
1705において、基地局は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別してもよく、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方は、1つまたは複数の中継器を含む。1705の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1705の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路識別マネージャによって実行され得る。
【0201】
1710において、基地局は、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定してもよく、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質は各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む。1710の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1710の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路品質マネージャによって実行され得る。
【0202】
1715において、基地局は、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第1の通信タイプのために第1の通信経路を選択してもよい。1715の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1715の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路選択マネージャによって実行され得る。
【0203】
1720において、基地局は、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとの通信のための第2の通信タイプのために第2の通信経路を選択してもよい。1720の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1720の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路選択マネージャによって実行され得る。
【0204】
1725において、基地局は、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信してもよい。1725の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1725の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。
【0205】
図18は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法1800を示すフローチャートを示す。方法1800の動作は、本明細書で説明するような基地局105またはその構成要素によって実装され得る。たとえば、方法1800の動作は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。いくつかの例では、基地局は、以下で説明する機能を実行するように基地局の機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加または代替として、基地局は、専用ハードウェアを使用して、以下で説明する機能の態様を実行し得る。
【0206】
1805において、基地局は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別してもよく、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方は、1つまたは複数の中継器を含む。1805の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1805の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路識別マネージャによって実行され得る。
【0207】
1810において、基地局は、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定してもよく、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質は各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む。1810の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1810の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路品質マネージャによって実行され得る。
【0208】
1815において、基地局は、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとのアップリンク通信のために第1の通信経路を選択してもよい。1815の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1815の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路選択マネージャによって実行され得る。
【0209】
1820において、基地局は、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、UEとのダウンリンク通信のために第2の通信経路を選択してもよい。1820の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1820の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路選択マネージャによって実行され得る。
【0210】
1825において、基地局は、アップリンク通信のために第1の通信経路を選択したことに基づいて、UEから1つまたは複数のアップリンク信号を受信し、基地局に1つまたは複数のアップリンク信号を伝達するように、第1の通信経路の1つまたは複数の中継器を構成してもよい。1825の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1825の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような中継器構成マネージャによって実行され得る。
【0211】
1830において、基地局は、ダウンリンク通信のために第2の通信経路を選択したことに基づいて、基地局から1つまたは複数のダウンリンク信号を受信し、UEに1つまたは複数のダウンリンク信号を伝達するように、第2の通信経路の1つまたは複数の中継器を構成してもよい。1830の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1830の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような中継器構成マネージャによって実行され得る。
【0212】
1835において、基地局は、選択したことに基づいて、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方を介してUEと通信してもよい。1835の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1835の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。
【0213】
図19は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法1900を示すフローチャートを示す。方法1900の動作は、本明細書で説明するような基地局105またはその構成要素によって実装され得る。たとえば、方法1900の動作は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。いくつかの例では、基地局は、以下で説明する機能を実行するように基地局の機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加または代替として、基地局は、専用ハードウェアを使用して、以下で説明する機能の態様を実行し得る。
【0214】
1905において、基地局は、UEとの第1の通信経路およびUEとの第2の通信経路を識別してもよく、第1の通信経路、第2の通信経路、またはその両方は、1つまたは複数の中継器を含む。1905の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1905の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路識別マネージャによって実行され得る。
【0215】
1910において、基地局は、第1の通信経路の第1のエンドツーエンド品質および第2の通信経路の第2のエンドツーエンド品質を決定してもよく、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質は各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む。1910の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1910の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路品質マネージャによって実行され得る。
【0216】
1915において、基地局は、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、またはそれらの組合せに基づいて、第1のタイプのダウンリンク信号のために第1の通信経路を選択してもよい。1915の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1915の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路選択マネージャによって実行され得る。
【0217】
1920において、基地局は、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比、またはそれらの組合せに基づいて、第2のタイプのダウンリンク信号のために第2の通信経路を選択してもよい。1920の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1920の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信経路選択マネージャによって実行され得る。
【0218】
1925において、基地局は、第1の通信経路を介して第1のタイプのダウンリンク信号を送信してもよい。1925の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1925の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。
【0219】
1930において、基地局は、第2の通信経路を介して第2のタイプのダウンリンク信号を送信してもよい。1930の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1930の動作の態様は、
図9~
図12を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。
【0220】
図20は、本開示の態様による、中継器を介したマルチTRP動作のための技法をサポートする方法2000を示すフローチャートを示す。方法2000の動作は、本明細書で説明するようなデバイスまたはその構成要素によって実装され得る。たとえば、方法2000の動作は、
図13~
図16を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。いくつかの例では、デバイスは、以下で説明する機能を実行するようにデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加または代替として、デバイスは、専用ハードウェアを使用して、以下で説明する機能の態様を実行し得る。
【0221】
2005において、デバイスは、中継器を含む第1の通信経路を介して基地局とUEとの間で通信してもよく、第1の通信経路は、第1のエンドツーエンド品質に対応し、中継器を含まない基地局とUEとの間の第2の通信経路は、第2のエンドツーエンド品質に対応し、第1のエンドツーエンド品質および第2のエンドツーエンド品質は各々、第1の通信経路および第2の通信経路の第1のホップに関連付けられた少なくとも第1のホップ品質を含む。2005の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、2005の動作の態様は、
図13~
図16を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。
【0222】
2010において、デバイスは、中継器において第1の通信経路内で、基地局からの構成メッセージを受信してもよく、構成メッセージを受信することは、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第1のエンドツーエンド品質、第1のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第1のエンドツーエンド品質の第1の比、第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質、第2のエンドツーエンド品質、および第2のエンドツーエンド品質の第1のホップ品質と第2のエンドツーエンド品質の第2の比の任意の組合せに基づく。2010の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、2010の動作の態様は、
図13~
図16を参照しながら説明したような中継器構成マネージャによって実行され得る。
【0223】
2015において、デバイスは、UEと基地局との間の通信に対応する通信タイプを実行するために、構成メッセージに基づいて中継器の構成ステータスを調整してもよい。2015の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、2015の動作の態様は、
図13~
図16を参照しながら説明したような中継器構成マネージャによって実行され得る。
【0224】
2020において、デバイスは、調整したことに基づいて、通信タイプに従ってUEと基地局との間で1つまたは複数の信号を中継してもよい。2020の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、2020の動作の態様は、
図13~
図16を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。
【0225】
本明細書で説明する方法が可能な実装形態を表すこと、動作およびステップが再構成され得るかまたは別様に修正され得ること、ならびに他の実装形態が可能であることに留意されたい。さらに、方法のうちの2つ以上からの態様が組み合わされ得る。
【0226】
LTE、LTE-A、LTE-A Pro、またはNRシステムの態様について、例として説明することがあり、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、またはNR用語が、説明の大部分において使用されることがあるが、本明細書で説明する技法は、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、またはNRネットワーク以外に適用可能である。たとえば、説明する技法は、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDMなどの様々な他のワイヤレス通信システム、ならびに本明細書で明示的に述べられない他のシステムおよび無線技術に適用可能であり得る。
【0227】
本明細書で説明する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得る。たとえば、説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0228】
本明細書の本開示に関して説明する様々な例示的なブロックおよび構成要素は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、CPU、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)として実装され得る。
【0229】
本明細書で説明する機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。他の例および実装形態は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内に入る。たとえば、ソフトウェアの性質に起因して、本明細書で説明する機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのうちのいずれかの組合せを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、機能の部分が異なる物理的ロケーションにおいて実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に位置し得る。
【0230】
コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは、命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用され得、汎用コンピュータもしくは専用コンピュータまたは汎用プロセッサもしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る、任意の他の非一時的媒体を含み得る。また、任意の接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、コンピュータ可読媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0231】
特許請求の範囲内を含めて本明細書で使用する場合、項目のリスト(たとえば、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」などの句で終わる項目のリスト)において使用されるような「または」は、たとえば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つのリストがAまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような包括的リストを示す。また、本明細書で使用する「に基づいて」という句は、条件の閉集合への言及として解釈されないものとする。たとえば、「条件Aに基づいて」として説明する例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aと条件Bの両方に基づき得る。言い換えれば、本明細書で使用する「に基づいて」という句は、「に少なくとも部分的に基づいて」という句と同様に解釈されるものとする。
【0232】
添付の図では、同様の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、ダッシュと、同様の構成要素を区別する第2のラベルとを続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベル、または他の後続の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0233】
添付の図面に関して本明細書に記載する説明は、例示的な構成について説明しており、実装され得るか、または特許請求の範囲内に入るすべての例を表すものではない。本明細書で使用する「例」という用語は、「例、事例、または例示として働くこと」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利な」を意味しない。詳細な説明は、説明する技法の理解をもたらすための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしに実践され得る。いくつかの事例では、説明する例の概念を不明瞭にすることを回避するために、知られている構造およびデバイスがブロック図の形態で示される。
【0234】
本明細書での説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするように与えられる。本開示の様々な修正が当業者に明らかになり、本明細書で定義する一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明する例および設計に限定されず、本明細書で開示する原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0235】
100 ワイヤレス通信システム
105 基地局
106 中継器
110 カバレージエリア
111 カバレージエリア
115 UE
120 バックホールリンク、ワイヤレスバックホールリンク
125 通信リンク
130 コアネットワーク
135 デバイスツーデバイス(D2D)通信リンク、D2D通信リンク
140 アクセスネットワークエンティティ
145 アクセスネットワーク送信エンティティ
150 ネットワーク事業者IPサービス、事業者IPサービス
200 ワイヤレス通信システム
205 基地局
206、206-a、206-b、206-c 中継器
210 地理的カバレージエリア
215、215-a、215-b UE
225、225-a、225-b、225-c、225-d、225-e 送信ビーム
230、230-a、230-b、230-c、230-d、230-e 受信ビーム
235-a、235-b 障害物
300 ベースラインアーキテクチャ
305 制御インターフェース、帯域外制御インターフェース、帯域内制御インターフェース
306 中継器
310 コントローラ
315 可変利得増幅器
320 フェーズドアレイ
325 フェーズドアレイ
400 ワイヤレス通信システム
405 基地局
406、406-a、406-b、406-c 中継器
410 地理的カバレージエリア
415、415-a、415-b UE
420、420-a、420-b ビーム
425、425-a、425-b、425-c、425-d ビーム
435-a、435-b、435-c、435-d ビーム
440 第1の通信経路
445 第2の通信経路
450 第3の通信経路
455 第4の通信経路
500 ワイヤレス通信システム
505 基地局
506、506-a、506-b、506-c、506-d 中継器
510 地理的カバレージエリア
515、515-a、515-b UE
525-a、525-b、525-c、525-d、525-e、525-f、525-g、525-h 送信ビーム
530、530-a、530-b、530-c、530-d、530-e、530-f 受信ビーム
535 受信ビーム
600 ワイヤレス通信システム
605 基地局
606、606-a、606-b 中継器
610 地理的カバレージエリア
615 UE
625-a、625-b、625-c、625-d 送信ビーム
630-a、630-b、630-c、630-d 受信ビーム
635 通信経路
635-a 通信経路、第1の通信経路
635-b 通信経路、第2の通信経路
640-a 第1のホップ
640-b 第2のホップ
640-c 第1のホップ
640-d 第2のホップ
700 ワイヤレス通信システム
705 基地局
706 中継器
710 地理的カバレージエリア
715、715-a、715-b UE
725、725-a、725-b、725-c 送信ビーム
730-a、730-b、730-c、730-d 受信ビーム
735 通信経路
740 通信経路
745 通信経路
800 プロセスフロー
805 基地局
806 中継器
815 UE
820 指向性通信リンク
845 構成メッセージ
900 ブロック図
905 デバイス
910 受信機
915 通信マネージャ
920 送信機
1000 ブロック図
1005 デバイス
1010 受信機
1015 通信マネージャ
1020 通信経路識別マネージャ
1025 通信経路品質マネージャ
1030 通信経路選択マネージャ
1035 通信マネージャ
1040 送信機
1100 ブロック図
1105 通信マネージャ
1110 通信経路識別マネージャ
1115 通信経路品質マネージャ
1120 通信経路選択マネージャ
1125 通信マネージャ
1130 通信タイプマネージャ
1135 中継器構成マネージャ
1200 システム
1205 デバイス
1210 通信マネージャ
1215 ネットワーク通信マネージャ
1220 トランシーバ
1225 アンテナ
1230 メモリ
1235 コンピュータ可読コード、コード
1240 プロセッサ
1245 局間通信マネージャ
1250 バス
1300 ブロック図
1305 デバイス
1310 受信機
1315 通信マネージャ
1320 送信機
1400 ブロック図
1405 デバイス
1410 受信機
1415 通信マネージャ
1420 通信マネージャ
1425 中継器構成マネージャ
1430 送信機
1500 ブロック図
1505 通信マネージャ
1510 通信マネージャ
1515 中継器構成マネージャ
1520 通信タイプマネージャ
1525 通信経路品質マネージャ
1600 システム
1605 デバイス
1610 通信マネージャ
1615 I/Oコントローラ
1620 トランシーバ
1625 アンテナ
1630 メモリ
1635 コンピュータ可読のコンピュータ実行可能コード、コード
1640 プロセッサ
1645 バス
1650 コーディングマネージャ
1700 方法
1800 方法
1900 方法
2000 方法
【国際調査報告】