(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】圧迫ガーメントのためのセンサ装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20221208BHJP
G01L 1/24 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G01L5/00 Z
G01L1/24 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521235
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 GB2020052494
(87)【国際公開番号】W WO2021069899
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522140574
【氏名又は名称】オックスフォード ヘルステック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハク サイド エジャズール
(72)【発明者】
【氏名】アル アイオウビ モハマド ヤーシル
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA17
2F051AB03
2F051BA07
(57)【要約】
センサ装置は、圧迫ガーメント(1)の外側面に取り付けるためのセンサデバイス(2)と、コントローラとを備える。センサデバイス(2)が、ガーメント(1)上の第1の点に取り付けられた第1の取り付け点(70)と、ガーメント(1)上の第2の点に取り付けられた第2の取り付け点(45)とを備える。センサデバイス(2)が、第1の取り付け点(70)と第2の取り付け点(45)との間の変位を検出する。コントローラが、ガーメント(1)の装着者に対する圧迫ガーメント(1)によって作用された圧力を推定するために、検出された変位を表す情報を処理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫ガーメントの外側面に取り付けるためのセンサデバイスと、コントローラとを備えるセンサ装置であって、
前記センサデバイスが、
前記圧迫ガーメントの前記外側面上の第1の点に取り付けるための第1の取り付け点と、
前記圧迫ガーメントの前記外側面上の第2の点に取り付けるための第2の取り付け点とを備え、
前記センサデバイスが、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成され、
前記コントローラが、前記圧迫ガーメントの装着者に対する前記圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために、検出された前記変位を表す情報を処理するように構成される、
センサ装置。
【請求項2】
前記センサデバイスが、前記圧迫ガーメントへの非破壊的に取り外し可能な取り付けのために構成される、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサデバイスが、第1の部分と、第2の部分とを更に備え、前記第1の部分が前記第2の部分に関して移動可能であり、前記第1の取り付け点が前記第1の部分上にあり、前記第2の取り付け点が前記第2の部分上にある、請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記センサデバイスが、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位を表すアナログ又はデジタル電子信号を生成するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサデバイスが、発光コンポーネントと、受光トランスデューサとを更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記センサデバイスが、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の増加された変位が、より少ない光を前記受光トランスデューサに当てるようにさせて、結果として前記トランスデューサからより低い出力信号が出力されるように構成される、請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記センサデバイスが、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位に依存して、前記発光コンポーネントと前記受光トランスデューサとの間の光路を徐々に塞ぐように構成された光遮断素子を備える、請求項5又は6に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記センサデバイスが、前記発光コンポーネントと前記受光トランスデューサとの間に少なくとも部分的に延在する光ファイバーを更に備える、請求項5から7のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記第1の取り付け点に関する前記第2の取り付け点の移動が前記光ファイバーを湾曲させて、前記光ファイバーの対向する端部が近づくように引かれる、又は更に離れるように押されるように、前記第2の取り付け点が前記光ファイバー上の点に結合される、請求項8に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記センサデバイスが、第1の光ファイバーと、第2の光ファイバーとを備え、前記第1の光ファイバーが前記発光コンポーネントから発光された光を受光し、前記光を前記第2の光ファイバーに伝達するように構成され、より少ない光が前記第1の光ファイバーから前記第2の光ファイバーに伝達されるように、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の増加された変位が前記第1の光ファイバーの発光端部と前記第2の光ファイバーの受光端部との間で相対的に横方向の移動を発生させるように前記センサデバイスが構成される、請求項8に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記センサデバイスが、前記第1の点に結合された第1のコンデンサプレートと、前記第2の点に結合された第2のコンデンサプレートとを更に備え、前記第1のコンデンサプレートと第2のコンデンサプレートとの間に可変容量を提供し、前記センサデバイスが、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位を検出するために、前記第1のコンデンサプレートと前記第2のコンデンサプレートとの間の前記可変容量を使用するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記センサデバイスが、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位を検出するために、可変抵抗、又は可変磁界、又は可変電界を使用するように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項13】
前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位に対して抵抗するように構成された付勢部材を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項14】
前記コントローラが、前記圧迫ガーメントにおける張力を決定するために、前記変位を表す情報を使用するように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項15】
前記コントローラが、ルックアップテーブルを使用して前記張力を決定するように構成される、請求項13に記載のセンサ装置。
【請求項16】
検出された前記変位を表す情報から相対又は絶対変位値を決定し、
検出された前記変位を表す情報から相対又は絶対張力値を決定し、
決定された前記張力値を、決定された前記変位値の線形関数によって除算することによって推定圧力を計算する、
ことによって、前記コントローラが、前記圧迫ガーメントの装着者に対する前記圧迫ガーメントによって作用される前記推定圧力を計算するように構成される、
請求項1から15のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項17】
前記線形関数が、第1の定数と積との和であり、前記積が、第2の定数と決定された前記変位値との積であり、前記第1の定数が非伸長状態の前記圧迫ガーメントの周囲長に等しい、請求項18に記載のセンサ装置。
【請求項18】
前記コントローラが前記センサデバイスと一体化している、請求項1から17のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項19】
前記コントローラが、ソフトウェア命令を実行するためのマイクロコントローラを備え、及び/又は専用ハードウェア電気回路を備え、前記圧迫ガーメントの装着者に対する前記圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために前記変位を表す情報を処理するための前記マイクロコントローラ又は前記専用ハードウェア電気回路を使用するように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項20】
前記圧迫ガーメントによって作用された前記圧力が所定の値よりも大きい場合、前記コントローラが信号を出力するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項21】
前記コントローラが、前記変位及び/又は時間の経過に伴う前記圧迫ガーメントの装着者に対して作用された圧力を表すデータをログ記録するように構成される、請求項1から20のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項22】
圧迫ガーメントと、請求項1から21のいずれか一項に記載のセンサ装置とを備える圧迫ガーメント装置であって、前記センサ装置の前記センサデバイスが前記圧迫ガーメントの外側面に取り付けられる、圧迫ガーメント装置。
【請求項23】
前記センサデバイスの前記第1の取り付け点及び前記第2の取り付け点が、1つ又は複数の面ファスナー式パッドなどの機械的留め具を使用して前記圧迫ガーメントに取り付けられる、請求項22に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項24】
前記圧迫ガーメントが複数の層を備え、前記センサデバイスが前記圧迫ガーメントの1つの層の外側面に取り付けられる、請求項22又は23に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項25】
1つ又は複数の更なるセンサデバイスを備え、それぞれの更なるセンサデバイスが、
前記圧迫ガーメントの前記外側面上のそれぞれの第1の点に取り付けるためのそれぞれの第1の取り付け点と、
前記圧迫ガーメントの前記外側面上のそれぞれの第2の点に取り付けるためのそれぞれの第2の取り付け点とを備え、
それぞれの更なるセンサデバイスがそれぞれの前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成され、
前記コントローラが、それぞれの検出される変位から血流速度又は筋肉量における変化を決定するように構成される、
請求項22から24のいずれか一項に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項26】
人又は動物に対する圧迫ガーメント装置の圧迫ガーメントとセンサデバイスとを適用することを有する方法であって、
前記圧迫ガーメント装置が、前記圧迫ガーメントとセンサ装置とを備え、前記センサ装置が、前記圧迫ガーメントの外側面に取り付けられたセンサデバイスと、コントローラとを備え、
前記センサデバイスが、前記圧迫ガーメントの前記外側面上の第1の点に取り付けられた第1の取り付け点と、前記圧迫ガーメントの前記外側面上の第2の点に取り付けられた第2の取り付け点とを備え、
前記センサデバイスが、前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成され、
前記コントローラが、前記人又は動物に対する前記圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために、検出された前記変位を表す情報を処理するように構成される、方法。
【請求項27】
前記第1の取り付け点と前記第2の取り付け点との間の変位を検出するために前記センサデバイスを使用することを有し、前記コントローラが、前記人又は動物に対する前記圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために、前記コントローラによって受信された、前記センサデバイスからの検出された前記変位を表す情報を処理することを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記圧迫ガーメントが前記人又は動物に適用される前に、第1の変位を検出するために前記センサデバイスを使用することと、前記圧迫ガーメントが前記人又は動物に適用された後に、第2の変位を検出するために前記センサデバイスを使用することとを更に有する、請求項26又は27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧迫ガーメントのためのセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
伸長性のある圧迫ガーメント(CG)の装着による圧迫治療(CT)は、血液循環問題の治療及び管理のために広く使用される。それらの問題は、静脈性下腿潰瘍(VLU)及び深部静脈血栓症(DVT)を引き起こし得る静脈欠損を含む。また、圧迫治療は、リンパ浮腫を軽減又は防止する上で助けとなり得る身体のリンパ系での貯留した液体の移動及び除去においても役立つ。圧迫治療の他の医学的応用は、脂肪吸引手術後、腹壁形成術、しわ取り、顔面圧迫、頸部圧迫、ヴェロニク圧迫、弛緩性皮膚の制御のため、ブラジリアンバットリフト(BBL)後、帝王切開(C切開)後、ヘルニア手術、又は子宮摘出を含む。
【0003】
圧迫ガーメントは、スポーツ及び運動競技のトレーニング及び動作中にエルゴジェニックな利点を提供することも知られている。提案されている利点は、強度及び能力の向上とともに、持久運動能力の改善を含む。有利な点は、疲労の程度を軽減して運動後の回復を助けると考えられる、筋肉への血流の改善、血液乳酸濃度減少、及び筋肉振動の結果として発生する筋酸素の増加を含む多くのメカニズムによって達成されると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最適に機能するために、圧迫ガーメントは、装着者の関係身体部位に対して所定量の圧迫(圧力)を提供する必要がある。この理由のため、加圧ストッキングなどの圧迫ガーメントは、異なるサイズの装着者に適合するように、一般的には異なるサイズで提供される。しかしながら、異なる身体部位は異なる形状及びサイズを有するため、既製のガーメントは、求められる所定の圧迫を提供するとは限らない。この理由のため、圧迫ガーメントが装着者にかけている実際の加圧量に関する情報を決定するために適した装置を有することが望ましい場合がある。
【0005】
その結果、圧迫ガーメントの1つ又は複数の特性を検出するための新規のアプローチを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の観点によれば、本発明は、圧迫ガーメントとセンサ装置とを備える圧迫ガーメント装置であって、センサ装置は、圧迫ガーメントの外側面に取り付けられたセンサデバイスと、コントローラとを備え、センサデバイスが、圧迫ガーメントの外側面上の第1の点に取り付けられた第1の取り付け点と、圧迫ガーメントの外側面上の第2の点に取り付けられた第2の取り付け点とを備え、センサデバイスが、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成され、コントローラが、圧迫ガーメントの装着者に対する圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために、検出された変位を表す情報を処理するように構成される、圧迫ガーメント装置を提供する。
【0007】
更なる態様から、本発明は、圧迫ガーメントの外側面に取り付けるためのセンサデバイスと、コントローラとを備えるセンサ装置であって、センサデバイスが、圧迫ガーメントの外側面上の第1の点に取り付けるための第1の取り付け点と、圧迫ガーメントの外側面上の第2の点に取り付けるための第2の取り付け点とを備え、センサデバイスが、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成され、コントローラが、圧迫ガーメントの装着者に対する圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために、検出された変位を表す情報を処理するように構成される、センサ装置を提供する。
【0008】
更なる態様から、本発明は、人又は動物に対して圧迫ガーメント装置の圧迫ガーメントとセンサデバイスとを適用することを有する方法であって、圧迫ガーメント装置が、圧迫ガーメントとセンサ装置とを備え、センサ装置が、圧迫ガーメントの外側面に取り付けられたセンサデバイスと、コントローラとを備え、センサデバイスが、圧迫ガーメントの外側面上の第1の点に取り付けられた第1の取り付け点と、圧迫ガーメントの外側面上の第2の点に取り付けられた第2の取り付け点とを備え、センサデバイスが、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成され、コントローラが、人又は動物に対する圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために、検出された変位を表す情報を処理するように構成される、方法を提供する。
【0009】
上記の方法は、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するためにセンサデバイスを使用することを有し得る。方法は、コントローラが、人又は動物に対する圧迫ガーメントによって作用された圧力を推定するために、検出された変位を表す情報(例えば、センサデバイスからコントローラによって受信された信号又はデータ)を処理することを有し得る。
【0010】
これによって、本発明は、圧迫ガーメントの外側に取り付けられたセンサデバイスを使用して圧迫ガーメントにおける変位又は伸長を判断する手段を提供することが理解されるであろう。この変位(例えば、ガーメントの周囲長における変化に対応する)は、装着者の身体上の圧迫ガーメントによって作用される圧力を推定するために使用されることが可能であるが、圧迫ガーメントと装着者との間に配置されるものは必要としない。センサが、圧迫ガーメントと装着者の皮膚との間ではなく、圧迫ガーメントの外側に取り付けられるため、センサは、例えば、身体に対して追加の局部的圧力又は剪断力を引き起こし得る隆起をセンサ上の圧迫ガーメントに発生させることによって他の方法では不正確な圧力表示につながり得る圧迫ガーメントの追加の膨張又は歪みをそれ自体で発生させない。また、センサが圧迫ガーメントに対して容易に取り付けられて取り外すことができるようにし、装着者の不快感を最小限にする。
【0011】
コントローラは、例えば、アナログ信号として、又はデジタルデータとして、センサデバイスからの検出された変位を表す情報を受信するように構成され得る。
【0012】
コントローラは、センサデバイスとともに圧迫ガーメントに取り付けられてもよい。コントローラは、単体としてセンサデバイスと一体化されてもよく、例えば、両方が共通の構造上、又はセンサデバイスとともに共通のハウジング又はケーシング中に存在してもよい。それによって、センサデバイスは、コントローラを備え得る。若しくは、コントローラはセンサデバイスから分離(例えばリモート)してもよい。コントローラは、分離した制御部として提供されてもよい。コントローラは、(例えば、ケーブル又は他の有線若しくは無線通信リンクによって)センサデバイスと通信可能に接続されてもよい。
【0013】
圧迫ガーメントが、人又は動物の身体と接触し得る内側面を備えてもよい。したがって、外側面は、人又は動物から離れた方向を向く。
【0014】
圧迫ガーメントは、織られた、又は織物の圧迫ガーメントでもよい。加圧ストッキング又は他のガーメントでもよい。人間又は動物の肢又は他の身体部位、例えば、脚又は腕と適合するように形成され得る。例えば深部静脈血栓症の危険性を減少するために、圧迫治療における使用に適し得る。スポーツウェア製品でもよい。
【0015】
各取り付け点は、機械的留め具及び/又は化学結合形成を使用して圧迫ガーメントに取り付けられてもよい。センサデバイスは、面ファスナー式パッド、スナップ、磁石、縫い合わせ、接着剤、リベット締め、溶接、又はいずれかの他の適切な機構のうちの1つ又は複数を使用した圧迫ガーメントへの取り付けのために構成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、センサデバイスが、圧迫ガーメントの外側面上の第3の点に取り付けられた第3の取り付け点を備える。この追加の取り付け点は、センサのねじれを避けるための追加の安定性を提供する。
【0017】
センサデバイスは、圧迫ガーメントから非破壊的に取り外し可能でもよい。これは、ガーメントがセンサに損傷を与えることなく容易に洗浄及び再利用され得ることを意味する。更に、洗浄過程によって引き起こされた圧迫圧力の損失を判断するために、ガーメントの洗浄前後にセンサ検出値が取得されてもよい。それは、更に、1つのセンサを、異なる時に、複数の圧迫ガーメント上で使用できるようにし、ガーメントとともにセンサを廃棄するよりも経済的であり得る。
【0018】
ガーメントは、細長くてもよく(例えば、大まかには円筒状)、センサデバイスはガーメントに取り付けられてもよく、第1及び第2の取り付け点がガーメントの共通の外周部に関して配置される。取り付け点は、ガーメントの端部から、例えば加圧ストッキングの足部分から、同一距離の位置に存在し得る。それらは、ガーメントが装着されている時に装着者の肢に沿った共通の距離でもよい。これは、臨床的に推奨される距離でもよい。このようにして、センサは、ガーメントにおける円周方向の変位又は張力を測定するために使用されることが可能である。取り付け点は、静脈性下腿潰瘍管理のために使用される圧迫ガーメント(例えば、加圧ストッキング)のためにくるぶしのすぐ上に存在してもよく、或いはリンパ浮腫又は深部静脈血栓症管理などの他の適切又は所望の用途のために、他の適切な位置でもよい。
【0019】
センサデバイスは、圧迫ガーメントが装着されていない時でもあり得る第1の時における第1の変位を検出するために使用されてもよい。圧迫ガーメントが装着されている時でもあり得る第2の時における第2の変位を検出するために使用されてもよい。このようにして、センサデバイスは、ガーメントが装着されている時、及び/又は装着されていない時を検出するために使用されてもよく、或いは圧迫ガーメントが正しく適用されているかを判断するために使用されてもよい。それによって、いくつかの実施形態において、人又は動物に対して圧迫ガーメント装置を適用することを有する上記方法は、ガーメントが人又は動物に適用される前の第1の変位を検出するためにセンサデバイスを使用することと、ガーメントが人又は動物に適用された後の第2の変位を検出するためにセンサデバイスを使用することを更に有する。
【0020】
センサデバイスは初期状態を有してもよく、センサデバイスがたるんだ圧迫ガーメントに取り付けられた時(すなわち、ガーメントが装着されていない時)に、センサデバイスはその初期状態を有する。この初期状態において、第1及び第2の取り付け点は、50mm、30mm、20mm、10mm、又は1mm未満の距離で離れていてもよい。比較的小さい初期距離は、例えばガーメントにおいて不均一な圧力が存在する場合に、誤差を減少させる上で役立ち得るとともに、センサデバイスの小型化を容易に実現し得る。センサデバイスは、通常の使用法において、例えば圧迫ガーメントに適切なサイズの人間によって装着された場合に、ガーメントの最大規定張力がガーメントにかかった時に、第1及び第2の取り付け点が70mm、50mm、40mm、20mm、又は10mm未満の距離で離れているようにしてもよい。
【0021】
センサデバイスが、第1の部分と、第2の部分とを備えてもよく、第1の部分が第2の部分に関して移動可能である。第1の取り付け点が第1の部分上にあってもよく、第2の取り付け点が第2の部分上にあってもよい。第1及び第2の部分は(例えば、糸によって)接続されてもよく、又は接続されなくてもよい。第1の部分は、コントローラを含み得る1つ又は複数の電気部品を収容するハウジングを備えてもよい。
【0022】
センサデバイスは、1つ又は複数の方向において第2の取り付け点から離れる方向の第1の取り付け点の変位に対して抵抗するように構成された付勢部材(例えば、ばね)を備えてもよい。付勢部材は、少なくとも第2の取り付け点が第1の取り付け点から最小変位よりも大きく変位した場合に、第1の取り付け点を第2の取り付け点に向かって付勢するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、付勢部材は、センサデバイスの初期状態になるように、又は初期状態に向かってセンサデバイスを付勢するように構成される。付勢部材は、第1の固定点と、第2の固定点とを備え得る。付勢部材の第1の固定点は、第1の部分に固定されてもよい。付勢部材の第2の固定点は第2の部分に固定されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、付勢部材は細長く(例えば、直巻きばね又はコイルばね)、付勢部材の第1の端部及び第2の端部は両方とも第1の部分に固定され、固定距離だけ離され、第1の端部と第2の端部との間の付勢部材の第3の(例えば、中心)点又は部分は、センサデバイスの第2の部分に固定される。付勢部材は、第2の部分から離れる方向の第1の部分の変位が付勢部材の撓み及び/又は伸びを発生させ、その変位に抵抗するために、付勢部材によって抵抗され得るように構成されてもよい。
【0024】
そのような付勢部材は、圧迫ガーメントが装着者から取り外された時に、第1の取り付け点及び第2の取り付け点が確実に同じ初期(例えば、たるんだ)状態に戻ることを確実にするのを助け得る。これは、ガーメントが装着されていない初期状態とガーメントが装着されている張力がかかった状態との間でセンサデバイスが再利用されて繰り返し循環された時に不利益なヒステリシス効果を低減するのを助け得る。
【0025】
センサデバイスが、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を表すアナログ又はデジタル電子信号を生成してもよい。その信号は、絶対変位を表してもよく、及び/又は変位における変化(すなわち、相対変位)を表してもよい。いくつかの実施形態において、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を表す、例えばその変位に比例する電圧を生成してもよい。この信号は、例えばガーメントの装着者に対する圧迫ガーメントによって作用された圧力に関連し得ることが理解されるであろう。
【0026】
例えば、コントローラがセンサデバイスから分離している時にコントローラによる処理のために、センサデバイスは、変位を表す信号(例えば、光信号又は電子信号)を出力してもよい。いくつかの実施形態において、コントローラは、センサデバイスと一体化していてもよく、又はその一部でもよく、その場合、センサデバイスは、内部接続又はインターフェースを介してコントローラにそのような信号を送信し得る。
【0027】
コントローラが、変位を表す信号を処理するために構成され得る、ソフトウェア命令を実行するためのマイクロコントローラ又は他の処理デバイス、及び/又は専用ハードウェア電気回路(例えば、ASIC又はFPGA)を備えてもよい。コントローラは、2mmHgから100mmHgの範囲で圧力を推定するように構成されてもよい。規則的な周期でもあり得る周期で、時間の経過に伴う変位及び/又は圧力を表すデータをログ記録してもよい。
【0028】
変位を表す情報は、いずれかの適切な手法で、アナログ又はデジタルの信号又はデータとして表現されてもよく、又は符号化されてもよい。コントローラは、デジタルデータとして検出された変位を表す情報を処理し得る。コントローラは、コントローラのメモリに格納し得る、例えばデジタル張力値として、圧迫ガーメントにおける張力又は張力の変化を決定するために、変位を表す情報を処理するように構成され得る。コントローラは、コントローラのメモリに格納し得る、例えば、デジタル変位値として、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位又は変位の変化の推定値を決定するために、変位を表す情報を処理するように構成され得る。デジタル張力値を処理することによってデジタル変位値を決定し得る。
【0029】
コントローラは、コントローラのメモリに格納されたルックアップテーブルを使用して絶対張力値又は相対張力値及び/又は絶対変位値又は相対変位値を決定するように構成され得る。ルックアップテーブルからのエントリにアクセスするために変位を表す情報を使用してもよい。ルックアップテーブル中のデータは、経験的に決定されてもよい。
【0030】
コントローラは、変位を表す情報の関数で有り得る関数を数値的に評価することによって絶対張力値又は相対張力値及び/又は絶対変位値又は相対変位値を決定するように構成され得る。1つ又は複数のアルゴリズムを処理することによって、それを行ってもよい。
【0031】
コントローラは、圧迫ガーメントの装着者に対するガーメントによって作用された圧力を推定するために、絶対張力又は相対張力及び/又は絶対変位又は相対変位を処理するように構成され得る。
【0032】
コントローラは、ルックアップテーブルを使用して、又はアルゴリズムを評価することによって、圧迫ガーメントの装着者に対するガーメントによって作用された圧力を推定してもよく、そのルックアップテーブル又はアルゴリズムは、ラプラスの方程式を実装する。
【0033】
いくつかの実施形態において、圧迫ガーメントにおける張力を決定し、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を決定し、決定された張力を、決定された変位の線形関数によって除算することによって圧力を計算する、ことによって、コントローラが、圧迫ガーメントによって作用される圧力を計算するように構成される。
【0034】
決定された変位の線形関数が、第1の定数と積との和でもよい。その積は、第2の定数と決定された変位との積でもよい。第1の定数は、たるんだ状態又は非伸長状態、例えば初期状態の圧迫ガーメントの周囲長と等しくてもよい。センサデバイスを初期(非伸長)状態にすることを助けるために付勢部材(例えば、ばね)が提供される実施形態において、圧迫ガーメントにおける張力を決定することは、付勢部材によって与えられる付勢力を張力から差し引くことを含んでもよい。付勢力は、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の決定された絶対変位又は相対変位を使用して決定(例えば計算)され得る。ただし、いくつかの実施形態において、付勢部材によって与えられる付勢力は、圧迫ガーメントにおける張力と比較してごくわずかである場合があり、そのためガーメントによって作用された圧力の推定において無視され得る。
【0035】
第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位及び/又は圧力が所定の値よりも大きい場合、センサデバイス又は分離したコントローラは信号を出力するように構成され得る。
【0036】
センサデバイスは、変位を検出するための適切な手段を使用し得る。センサデバイスは、変位を光学的及び/又は電子的に検出し得る。
【0037】
実施形態の1つのセットにおいて、センサデバイスが、発光コンポーネント(例えば、LED)と、光検出器(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ、又はフォトトランジスタ)などの受光トランスデューサとを備える。このセンサデバイスは、受光トランスデューサによって受光される、発光コンポーネントからの光の量が第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位に依存する、例えばその変位に比例するように構成され得る。
【0038】
光は、発光コンポーネントと受光トランスデューサとの間の自由空間を通って部分的又は全体的に進む。ただし、いくつかの実施形態において、1つ又は複数の光ファイバーは、発光コンポーネントと受光トランスデューサとの間で少なくとも部分的に延在する。センサデバイスは、その一端が発光コンポーネント及び受光トランスデューサの一方と固定関係にあり、その反対側の端部は発光コンポーネント及び受光トランスデューサの他方と可動関係にある光ファイバーを備えてもよい。センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の増加された変位が、より少ない光を受光トランスデューサに当てるようにさせて、結果としてトランスデューサからより低い出力信号が出力されるように構成され得る。
【0039】
センサデバイスは、直列に配置され得る、第1の光ファイバーと、第2の光ファイバーとを備え得る。第1の光ファイバーが発光コンポーネントから発光された光を受光し、その光を第2の光ファイバーに伝達するように構成され得る。第2の光ファイバーが、発光コンポーネントから受光された光を(第1の光ファイバーを介して)受光トランスデューサに伝達するように構成され得る。センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の増加された変位が、より少ない光を第1の光ファイバーから第2の光ファイバーへ伝達させ、それによってより少ない光が受光トランスデューサに当たるようにさせて、結果としてより低い出力信号がトランスデューサから出力されるように構成され得る。
【0040】
第1の光ファイバー及び第2の光ファイバーは、圧迫ガーメントの初期(例えば非伸長)状態において、それらの長さの少なくともそれぞれの部分又は全部に沿って、同軸でもよい(すなわち、同軸に沿って延在してもよい)。第1の光ファイバー及び第2の光ファイバーは、例えば、上述した第1及び第2の部分上にそれぞれ保持されて、互いに関して移動可能でもよい。それらは、第1の光ファイバーと第2の光ファイバーとの間の相対的移動が光ファイバーをずらし、それによって発光コンポーネントから第1及び第2の光ファイバーを介して受光トランスデューサに伝達される光の量を減らすように構成され得る。これは、結果として、トランスデューサから、より低い出力信号が出力され得る。
【0041】
センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位が、第1のファイバーの発光端部を、第2のファイバーの受光端部に関して移動させるように構成され得る。この移動は、第1及び/又は第2のファイバーの軸に平行でもよく(例えば、端部間の離隔距離を増やす)、及び/又は、第1及び/又は第2のファイバーの軸に対して水平又は垂直でもよい(例えば、端部間の重複領域を減らす)。
【0042】
センサデバイスの第2の部分は、センサデバイスの第2の部分からセンサデバイスの第1の部分に向かって延在するアームを備え得る。センサデバイスは、アームの遠位端に(すなわち、センサデバイスの第1の部分に向かって)配置され得る第3の部分を備え得る。センサデバイスの第2及び第3の部分は接続されてもよく、それによって空間的に固定された関係となる。第3の部分は、第1の部分と隣り合って配置され得る。それによって、そのような実施形態では、(例えば、圧迫ガーメントの伸長によって引き起こされる)第1の部分に関する第2の部分の変位は、結果として第1の部分に関する第3の部分の対応する変位を発生させる。第1の光ファイバーは、第1の部分上に配置されてもよく、第2の光ファイバーは第3の部分上に配置されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、発光コンポーネント及び受光トランスデューサは、互いに関して移動可能であり、例えば、前述の第1及び第2の部分上でそれぞれ保持される。
【0044】
発光コンポーネント及び受光トランスデューサは、細長い部品でもよく、少なくとも部分的に重複関係で配置され得る。それらは、重複の長さが第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位に依存するように構成され得る。それらは、有機LED及び/又は有機光検出器を備え得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、発光コンポーネント及び受光トランスデューサは、空間的に固定された関係にある(例えば、両方が第1の部分にある)が、発光コンポーネントは、発光コンポーネント又は受光トランスデューサに関して移動可能な(例えば、第2の部分に結合されている)光学部品(例えば、光ファイバー又は鏡)に光を出力するように構成される。これによって、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の距離が変化するにつれて受光トランスデューサに到達する光の量を変化させることが可能である。例えば、第2の部分(例えば、第2の取り付け点)は、第2の部分の相対的移動が光ファイバーをまげることによって光ファイバーの端部が引かれて近づくように(又は更に押されて離れるように)、光ファイバー上の点に結合され得る。このようにして、発光コンポーネントから受光トランスデューサへ伝達される光の量が変化する。
【0046】
この構成によって、センサデバイスの受電部品(例えば、発光コンポーネント及び受光トランスデューサ)が互いから固定距離を保つ一方、ガーメントが伸長されるにつれて、非受電構成要素が移動するように構成される。発光コンポーネント及び受光トランスデューサが、それぞれ、第1の取り付け点及び第2の取り付け点に取り付けられた場合、ガーメントの伸長中にその2つの部品間の距離の変化に適応するために、2つの部品間に柔軟な送電系統が必要となり得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、発光コンポーネント及び受光トランスデューサは空間的に固定された関係にある(例えば、両方が第1の部分上にある)が、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位に依存して、発光コンポーネントと受光トランスデューサとの間の光路を徐々に塞ぐように構成されたくさびなどの光遮断素子を備える。
【0048】
実施形態の第2のセットにおいて、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するために可変容量を使用する。センサデバイスが、第1の点に結合された第1のコンデンサプレートと、第2の点に結合された第2のコンデンサプレートとを備え得る。これらのプレートは共通の平面にあり得る。これは、センサデバイスを薄くて目立たない状態に保つことを助け得る。プレートは、薄膜プレート(例えば、MEMS型の微細加工されたコンデンサプレート)でもよい。それらは、複数の交互の突出部を備え得る。センサデバイス又はリモートのコントローラは、第1のプレートと第2のプレートとの間の容量を測定するため、さらに任意でそこからの変位値及び/又は圧力値を計算するための、電気回路を備え得る。
【0049】
実施形態の第3のセットにおいて、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するために可変抵抗を使用する。センサデバイスは、ひずみゲージ、導電性高分子材料、又は圧電素子などの変位検出抵抗器を備え得る。抵抗器の第1の端部は第1の点に結合されてもよく、第2の端部は第2の点に結合されてもよい。センサデバイス又はリモートのコントローラは、抵抗器両端の抵抗を測定するため、更に任意でそこからの変位値及び/又は圧力値を計算するための電気回路を備え得る。
【0050】
実施形態の第4のセットにおいて、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するために可変磁界を使用する。このセンサデバイスは、磁石と、MEMSセンサであり得る、ホール効果センサ又はローレンツ効果センサなどの磁界センサとを備え得る。磁石は第1の点に結合されてもよく、磁界センサは第2の点に結合されてもよい。センサデバイス又はリモートのコントローラは、磁界を測定するため、更に任意でそこからの変位値及び/又は圧力値を計算するための、電気回路を備え得る。
【0051】
実施形態の第5のセットにおいて、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するために可変電界を使用する。このセンサデバイスは、電界発生器(例えば、コイル)と、MEMSセンサであり得る電界センサ(例えば、他のコイル)とを備え得る。電界発生器は第1の点に結合されてもよく、電界センサは第2の点に結合されてもよい。センサデバイス又はリモートのコントローラは、電界を測定するため、更に任意でそこからの変位値及び/又は圧力値を計算するための電気回路を備え得る。
【0052】
センサデバイスは、1つ又は複数の光学又は電気部品をダメージ及び/又は周辺露光から保護し得るカバー又はハウジングを備え得る。
【0053】
センサデバイスは、使用の際に邪魔にならないように小型で有り得る。50mm、20mm、10mm、1mm、又はそれ未満の最大厚さを有し得る。100mm、50mm、20mm、10mm、又はそれ未満の最大寸法又は直径を有し得る。
【0054】
センサデバイスは電源を備えてもよく、又は外部電源から電力を受電するためのポート(例えば電気コネクタ)を備えてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、圧迫ガーメントが複数の層を備えてもよく、センサデバイスが、必ずしも最外層である必要がない圧迫ガーメントの1つの層の外側面に取り付けられてもよい。それによって、センサデバイスが圧迫ガーメント内部に埋め込まれ得ることが可能である。
【0056】
センサ装置及び/又は圧迫ガーメント装置は、例えば、くるぶし、ふくらはぎ中央、膝の近接部分の圧迫ガーメント上の点の複数対の間の変位を検出するように構成された複数のセンサデバイスを備え得る。センサデバイス又は分離したコントローラは、複数のセンサデバイスによって出力されたデータから、段階状の圧力プロファイル又は圧力の2D若しくは3Dマップを決定するように構成され得る。これは、脚の形状を考慮に入れ、更に圧迫プロファイルを作成して表示するのを助けるために個々のセンサによって生成された情報が電子デバイス(例えば、コントローラ)において結合され得る場合に適切な分析的表現を使用して、少なくとも3つのセンサが、くるぶし、ふくらはぎ中央、及び膝のすぐ下における圧力を決定するために使用され得る場合、静脈性下腿潰瘍管理のための圧迫ガーメントにおいて有用となり得る。コントローラは、複数のセンサデバイスから血流速度又は筋肉量変化を決定するように構成されてもよく、これはアスリートのパフォーマンスの評価のために有用となり得る。
【0057】
本発明によるセンサ装置は、コントローラと、1つ又は複数の更なるセンサデバイスとを備えてもよく、それぞれの更なるセンサデバイスが、圧迫ガーメントの外側面上のそれぞれの第1の点及び第2の点に取り付けるためのそれぞれの第1の取り付け点及び第2の取り付け点を備える。それぞれの更なるセンサデバイスは、それぞれの第1の取り付け点と第2の取り付け点とのそれぞれの間の変位を検出するように構成され得る。コントローラは、それぞれの変位から血流速度又は筋肉量変化を決定するように構成され得る。センサデバイスは、コンパートメント症候群を評価するために、適切に機能している脚と損傷した脚とにおいて使用され得る。
【0058】
コントローラ及び/又はドライブエレクトロニクス及び/又は電源(例えば、組電池又は単電池)はセンサデバイスの一体化部分でもよく、又は、例えばセンサから分離して装着される分離実体でもよい。
【0059】
センサデバイスによって決定された情報は、センサデバイスに格納されてもよく、例えば、読出し可能メモリチップに格納されてもよく、又は、格納及び/又は処理及び/又は表示され得る場合、携帯電話、PCなどの分離したコントローラ又は電子デバイスに(例えば無線で)送信されてもよい。
【0060】
ガーメントの変位及び/又は圧力の測定値に関係する情報は、決定されて、例えばコントローラ上に格納され得る。そのような情報は、規則的な周期でもあり得る周期で格納されてもよい。
【0061】
センサデバイスから得られたデータはログ記録されてもよい。そのデータは、コントローラによって、又は他のデバイスによってログ記録されてもよい。圧迫ガーメントにおける圧力又は張力を表すデータをログ記録することによって、いつ、及び/又はどれくらい長くガーメントが装着されているかに関するデータが得られ得る。これは、患者の薬剤服用順守の表示及び/又は異なる圧力における圧迫ガーメントの効果の表れを得るために臨床医によって使用されてもよい。例えば、得られた圧力測定結果から、圧迫ガーメントが推奨される頻度で装着されていない、又は誤って装着されていることを推定することが可能となり得る。これは、装着するにはガーメントが拘束的で不快な場合があるため、リンパ浮腫、静脈性下腿潰瘍、DVTなどのような病状を患う患者が、臨床医によって処方された通りに圧迫ガーメントを装着することを回避し得るため、有用となり得る。そのため、患者が処方された期間にCGを装着しないことが多い。これは患者が患い続けている可能性があることを意味するだけでなく、臨床医及び/又は看護スタッフが、例えば治療における不必要な修正を行う、又は極端な場合では患者に対して手術を行うなど、混乱してしまう場合がある。
【0062】
本発明のセンサ装置が圧迫ガーメント上での使用に適するとして上述されたが、出願人は、センサ装置が他の用途のために使用され得ることを理解している。
【0063】
したがって、更なる態様から、本発明は、物体に取り付けるためのセンサデバイスであって、センサデバイスが、物体上の第1の点に取り付けるための第1の取り付け点と、物体上の第2の点に取り付けるための第2の取り付け点とを備え、センサデバイスが第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成される、センサデバイスを提供する。
【0064】
他の態様から、本発明は、そのようなセンサデバイスと、センサデバイスの一部でもよく又はセンサデバイスから分離してもよいコントローラとを備えるセンサ装置を提供する。コントローラは、本明細書に開示されている通りで有り得る。更なる態様から、本発明は、そのようなセンサデバイスを物体に取り付けることを有する方法を提供する。他の態様から、本発明は、そのようなセンサデバイスと、物体とを備えるアセンブリを提供する。センサデバイスは、物体に取り付けられ得る。第1の取り付け点は物体上の第1の点に取り付けられてもよく、第2の取り付け点は物体上の第2の点に取り付けられてもよい。物体上の第1及び/又は第2の点は、物体の外面又は外側面でもあり得る物体の共通の表面上に存在し得る。
【0065】
物体は、人間又は動物と接触していてもよい。コントローラは、人間又は動物に対する物体によって作用された圧力を推定するために、検出された変位を表す情報を処理するように構成され得る。コントローラは、物体の膨張、例えば尿などの流体を物体が吸収したことに起因する膨張を検出又は推定するために、検出された変位を表す情報を処理するように構成され得る。
【0066】
それによって、この更なる態様から、本発明は、物体における変位又は伸長を判断する手段を提供する。物体は、伸縮性があってもよく、変形可能でもよい。織物又は他の材料を含んでもよい。装着可能な物体でもよい。ガーメント又は衣服の一部を含んでもよく、又は形成してもよい。
【0067】
実施形態の1つのセットにおいて、物体はおむつを含む。出願人は、おむつの表面(例えば外側面)の変位を検出することによって、おむつの充満状態の表示が判断され得ることを理解している。センサデバイスは、それによって、おむつによる尿の吸収及び/又はおむつ中の便の存在に起因するおむつの膨張を検出するように構成され得る。この実施形態のセットにおいて、センサデバイスは、本明細書に開示される特徴のうちのいずれかを実施し得る。センサデバイスは、おむつの外側面に永久的又は取り外し可能に固定され得る。本明細書に開示されるように、一体化したコントローラ及び電源を備えてもよい。
【0068】
センサデバイスは、おむつの充満の表示を提供するための出力部を備え得る。この出力部は、スピーカー、又は例えばLEDなどの発光コンポーネントを備え得る。出力部は、例えば親、監督者、又は介護人の例えばスマートフォンに対して信号を送信するように構成される、無線送信機などの電子電気回路を備え得る。表示は、バイナリ(例えば、充満又は非充満)でもよく、おむつの充満度を示してもよい。
【0069】
センサデバイスは、おむつにおいて検出された変位が所定の閾値を上回った時を判断するように構成され得る。センサデバイスの出力部は、例えば、検出された変位が所定の閾値を上回ったことの決定に応答して信号を送信するなど、表示を提供するように構成され得る。このようにして、例えば、新生児、乳児、幼児、小児、大人、又は動物に装着されたおむつが例えば尿又は大便によって充満して交換が必要であるというアラートを親、監督者、又は介護人に提供するために、センサデバイスが使用され得る。
【0070】
おむつの外側面の様々な場所に、複数のセンサデバイスが取り付けられてもよい。これは、おむつの充満の表示の正確性を改善し得る。更に、複数のセンサデバイスによって測定された変位は、おむつが液体(例えば尿)又は固体(例えば便)によって充満しているかを判断するために使用され得る。
【0071】
おむつは、使い捨て可能又は再利用可能でもよい。
【0072】
ただし、物体は、変位又は伸長を検出するために適した又は所望のいずれかの物体であり得る。
【0073】
センサデバイスは、物体と接触している人間又は動物などの他の実体上の物体によって作用される圧力に関する情報を決定するために使用され得る。
【0074】
他の態様から、本発明は、圧迫ガーメントと、圧迫ガーメントの外側面に取り付けられたセンサデバイスとを備える圧迫ガーメント装置であって、センサデバイスは、圧迫ガーメントの外側面上の第1の点に取り付けられた第1の取り付け点と、圧迫ガーメントの外側面上の第2の点に取り付けられた第2の取り付け点とを備え、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成される、圧迫ガーメント装置を提供する。
【0075】
更なる態様から、本発明は、圧迫ガーメントの外側面に取り付けるためのセンサデバイスであって、センサデバイスは、圧迫ガーメントの外側面上の第1の点に取り付けるための第1の取り付け点と、圧迫ガーメントの外側面上の第2の点に取り付けるための第2の取り付け点とを備え、センサデバイスは、第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成される、センサデバイスを提供する。
【0076】
更なる態様から、本発明は、人又は動物に対して圧迫ガーメント装置を適用することを有する方法であって、圧迫ガーメント装置が、圧迫ガーメントと、圧迫ガーメントの外側面に取り付けられたセンサデバイスとを備え、センサデバイスが、圧迫ガーメントの外側面上の第1の点に取り付けられた第1の取り付け点と、圧迫ガーメントの外側面上の第2の点に取り付けられた第2の取り付け点とを備え、センサデバイスが第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位を検出するように構成される、方法を提供する。
【0077】
本明細書で説明される態様又は実施形態の特徴は、適切な場合、本明細書で説明される他の態様又は実施形態に適用され得る。異なる実施形態又は実施形態のセットを参照する場合、それらが分離しているとは限らず、重複し得ることを理解されたい。
【0078】
例示目的でのみ、以下の添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1】本発明の一実施形態による圧力センサデバイスの斜視図である。
【
図2a】
図1の圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図2b】
図1の圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図2c】
図1の圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図2d】
図1の圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図3】伸長時のガーメントの周囲長の変化を示す概略断面図である。
【
図4a】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図4b】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図4c】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図4d】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図5a】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの平面図である。
【
図5b】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの平面図である。
【
図6a】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの平面図である。
【
図6b】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの平面図である。
【
図7】本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの概略図である。
【
図8】人間によって装着された加圧ストッキング上の、本発明の一実施形態によるセンサデバイスの例示の構成の半概略側面斜視図である。
【
図9】人間の器官への血流量を決定するための、圧迫スリーブ上の、本発明の一実施形態によるセンサデバイスの更なる例示の構成の半概略斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態とともに使用される電子制御及び電源部の斜視図である。
【
図11】おむつの充満度の表示を決定するための、おむつ上の、本発明の一実施形態によるセンサデバイスの更なる例示の構成の後方図である。
【
図12a】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図12b】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図12c】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【
図12d】非伸長状態と伸長状態とにおける、本発明の更なる実施形態による圧力センサデバイスの断面正面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、本発明の一実施形態による圧迫ガーメント装置を示す図である。装置は、圧迫ガーメント1と、センサデバイス2とを備える。センサデバイス2は、プラスチック製ハウジング70と、スタッド45とを備える。プラスチック製ハウジング70及びスタッド45は、圧迫ガーメント1の外側面(すなわち、ガーメントが装着された時に装着者から離れた方向を向いた表面)上の異なるそれぞれの点(すなわち、それぞれ、第1の取り付け点及び第2の取り付け点)に固定される。固定は、面ファスナー式固定パッド、接着剤、縫い合わせ、リベット締め、又はいずれかの他の適切な機構を使用して実現され得る。
【0081】
装置は、ハウジング70内に少なくとも部分的に含まれ得る、又はハウジング70及びスタッド45(例えば電気ケーブルによって接続される)から分離し得る、
図10を参照して後述される電子制御及び電源部などの電子コントローラ(不図示)を更に備える。発光ダイオード(LED)6は、プラスチック製ハウジング70上に更に取り付けられている光検出器140の反対側で、プラスチック製ハウジング70上に取り付けられる。第1の剛体管10及び第2の剛体管100は、LED6と光検出器140との間の経路のそれぞれの部分に沿って、プラスチック製ハウジング70上に堅固に取り付けられる。光ファイバー50は、第1の管10及び第2の管100を通って延在し、LED6によって生成された光を光検出器140に向けるために、第1の端部はLED6に隣り合っており、第2の端部は光検出器140に隣り合っている。この光ファイバーは、0.25mm~1mmの範囲の外径を有する。第1の管10及び第2の管100は、それぞれ、2mmまでの外径と、光ファイバー50の外径よりもわずかに(例えば、0.05mmと0.2mmとの間)大きい内径を有する。第1の管10及び第2の管100は、金属、セラミック、ガラス、又はプラスチックから構築され得る。光検出器140は、LED6から光ファイバー50を通って受光する光の量に対応する電気出力信号を生成するように構成される。
【0082】
光ファイバー50の第1の端部は、LED6の前部(例えば、LED6のレンズ)に固定される一方、光ファイバー50の第2の端部は光検出器140の前部から距離120の位置に配置される(例えば、およそ2mm離れて配置される)。光ファイバー50の第2の端部は、固定されておらず、第2の管100を通って長手方向に自由に移動できる。他の実施形態において、光ファイバー50の第1の端部は、その代わりとして、光検出器140の前部と隣り合って固定されてもよく、光ファイバー50の第2の端部はLED6に隣り合って配置されてもよいが、第1の管10内で長手方向に自由に移動できる。
【0083】
光ファイバー50の中心部分は、第1の管10又は第2の管100のいずれの内部にも含まれない。この露出された中心領域は、約10mmの長さを有する。第1の管10及び第2の管100は、光ファイバー50を包み込み、光ファイバー50の露出した中心部分から離れた方向の光ファイバー50の横方向の移動を抑止するために使用される。
【0084】
糸56は、第1の端部と、第2の端部とを備える。糸56の第1の端部はスタッド45に取り付けられ、糸56の第2の端部は、第1の管10と第2の管100との間のほぼ中心で、第1の管10又は第2の管100のいずれにも覆われていない光ファイバー50の中心部分に取り付けられる。
【0085】
デバイス2は、第1の端部と第2の端部とを有するばね65を更に備える。ばね65の第1の端部及び第2の端部は、ばね65が光ファイバー50に平行に延在するように、それぞれLED6と光検出器140とに隣り合ってハウジング70に取り付けられる。ばね65は、糸56の第2の端部によって、光ファイバー50の中心部分に連結される。
【0086】
ハウジング70は、光ファイバー50、LED6、ばね65、及び光検出器140のまわりに保護ケーシング(不図示)を接続するための位置決めスタッド35、82を更に備える。
【0087】
図2a及び
図2bは、それぞれ、圧迫ガーメント1がたるんだ状態の時、すなわち患者の身体上での圧迫ガーメント1の伸長の前における、
図1のデバイス2の断面正面図及び平面図をそれぞれ示す。
【0088】
使用に際して、組み立てられた圧迫ガーメント装置が装着者に装着される前には、センサデバイス2のスタッド45及びハウジング70が圧迫ガーメント1に取り付けられ、糸56が最小限に張った状態である。この状態において、線ばね65も最小限に張られ、それによって糸56及び光ファイバー50に対してゼロ又は最小限の付勢力を作用させる。通常、スタッド45はハウジング70から円周方向に変位しており、それによってセンサは円周方向変位(例えば装着者の肢周辺の変位)を測定する。圧迫ガーメント1が適用される前に、電力が(電池などの内部又は外部の電源から)デバイス2に供給され、LEDからの光を、光ファイバー50を通過して光検出器140へ到達させ、この場合の光ファイバー50は直線的な経路を辿る。光検出器140は、ガーメント1の非伸長状態に対応する出力信号を生成する。ガーメント1は、その後、装着者に対して適用される。
【0089】
圧迫ガーメント1が装着者に装着されると、圧迫ガーメント1は伸長され、したがってスタッド45とハウジング70との間の距離が増加し、糸56に、光ファイバー50の露出された中心部分をスタッド45の方向に引っ張らせる。これは、光ファイバー50の第2の端部と光検出器140との間の距離120を増加させる。この距離120の増加は、LED6から光ファイバー50を通って光検出器140によって受光された光の量を減少させる。光検出器140に当たる射出光の割合は、距離の増加とともに減少する。したがって、ガーメント1がたるんだ時よりもガーメント1が装着された時の方が、光検出器140によって生成される電気出力信号は低くなる。
【0090】
ハウジング70から離れた方向へのスタッド45の移動は、糸56に、ばね65の中心部分をスタッド45の方向に更に引っ張らせ、それによってばね65を延ばす。延びた結果、ばね65は、糸56を介して光ファイバー50及びスタッド45に付勢力を作用させる。この付勢力は、糸56の張力に逆らって作用し、スタッド45及び光ファイバー50の位置を、
図2a及び
図2bに示す初期の「非伸長」位置に戻す傾向にある。圧迫ガーメントの伸長状態と非伸長状態とを繰り返し有した時、例えば、ガーメント1の装着と取り外しが繰り返された時、その付勢力は、ファイバーにおけるヒステリシス効果を低減することを助ける。
【0091】
ガーメント1における伸長が減少された場合、スタッド45とハウジングとの離隔距離が減少し、光ファイバー50が光検出器140に向かって延びることができ、それによって光ファイバー50の第2の端部と光検出器140との間の距離120が減少する。これは、LED6から光ファイバーを介して光検出器140によって受光される光の量を増加させる。したがって、この状況において、光検出器140によって生成される出力信号は増加する。
【0092】
図2c及び
図2dは、それぞれ、ガーメント1が伸長状態のデバイス2の断面正面図及び平面図を示す。図示されるように、スタッド45とハウジング70との間の距離の増加は、糸56に、光ファイバー50及びばね65が撓むように、光ファイバー50の露出された中心部分及びばね65の中心部分を引っ張らせる。光ファイバー50の初期(非伸長)位置を、
図2dの一点鎖線によって示す。光ファイバー50が曲がった結果として、光ファイバー50の第2の端部と光検出器140との距離120において、たるんだ状態d
1から伸長状態におけるより大きい値d
2への変化が生じる。上述したように、
図2c及び
図2dに示す伸長状態において、ばね65は付勢力をファイバー50及び糸56に対して作用させ、ガーメントの伸長が緩和されると、スタッド45とファイバー50とがそれぞれの元の(非伸長)位置に戻るのを助ける。
【0093】
距離120における変化は、圧迫ガーメント1が形成された材料の特性と、光ファイバー50の特性とに依存する。伸長の方向における露出された領域の光ファイバー50の撓みは、以下の式によって分析的に表される。
【数1】
上記式において、δ
maxは伸長の方向におけるファイバー50の撓みであり、Fは糸56における牽引力、Lは光ファイバー50の露出された中心領域の長さ、Eは光ファイバー50の材料のヤング率、Iは光ファイバー50の慣性モーメントである。
【0094】
圧迫ガーメント1が伸長されると、糸56によって光ファイバー50に対して作用された力F(ただし、ばね65の力は力Fに含まれると考えられる)が増加し、それによって、式(1)によればファイバー50の撓みδmaxが増加する。この撓みの結果として、光ファイバー50の第2の端部と光検出器140との間の距離d2の増加が生じる。光検出器140によって受光された光の強度は1/d2
2に比例するため、光検出器140によって生成される電気出力信号は低減する。したがって、光検出器140の電気出力は、ガーメント1の伸長距離δmaxに比例する。
【0095】
したがって、デバイス2の電子コントローラは、いくつかの実施形態において、例えば、コントローラのメモリに格納された、経験的に決定されたデータのルックアップテーブルを使用して、光検出器140の出力を伸長距離δmaxの値にマッピングし得る。
【0096】
ガーメント1の伸長距離δmaxは、ハウジングからのスタッドの初期距離x1と、圧迫ガーメント1が伸長された後のスタッドからハウジングまでの距離x2との差に等しい。この差は、更に、初期(非伸長)周囲長C1から最終(伸長)周囲長C2へのガーメント1の周囲長における変化と、ガーメント1における張力T(上記式(1)では係数F、下記式(2)ではTで示される)とに比例する。
【0097】
身体に対して圧迫ガーメント1によって作用される圧力は、よく知られたラプラスの法則によって決定される。
【数2】
上記式において、Pは圧力、Tはガーメント1の材料における張力、rはガーメントの曲率半径である。ただし、曲率半径の代わりに、ガーメント1の周囲長が使用されてもよい。張力Tがガーメント1の伸長距離に比例するため、張力Tは、光検出器140の出力から決定され得る。
【0098】
デバイス2に接続されたコントローラは、いくつかの実施形態において、例えば、経験的に決定されたデータのルックアップテーブルを使用して、光検出器140の出力を張力Tの値にマッピングし得る。
【0099】
センサデバイスによって得られた測定結果から正確な圧迫圧力の値を決定する方法を、
図3を参照して以下に説明する。
【0100】
圧力は、例えば、プロセッサによって実行されるソフトウェアを使用して、又はFPGA又はASICなどのカスタムハードウェア論理回路を使用して、電子コントローラによって計算されることが可能である。したがって、データロガ(不図示)は、周期的に圧力の値を記録できる。データは、必要に応じた頻度でログ記録されてもよく、リアルタイムで表示されたり、又はUSBポート1500(
図10に図示)を介して取り出されたりしてもよい。
【0101】
図3は、伸長時の圧迫ガーメントの周囲長の変化を概略的に示す。非伸長状態のガーメントは円28によって表され、伸長状態の圧迫ガーメントは大円41によって表される。伸長前及び伸長後のガーメントの初期周囲長及び最終周囲長は、それぞれC
1及びC
2である。圧迫ガーメントの初期周囲長C
1は、一般的に、ガーメントの製造業者によって規定される。定数としてコントローラによって格納されることも可能である。
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
結果として、伸長時にガーメントにかけられる圧力は以下の式によって与えられる。
【数4】
【0107】
TとΔxとの両方は、伸長量に比例し、ガーメントが伸長されている時に光検出器140によって生成された出力信号における変化から決定され得る。弧の長さの変化Δxの変化が、圧迫ガーメントの半径と比較して非常に小さくなる可能性があるため、Δxは、上述したように、ハウジングからのスタッドの直線変位δmaxに等しいと仮定され得る。それによって、ガーメントによって印加された圧力Pを計算するために、コントローラは、ガーメントにおける張力Tの値と、ハウジング70からのスタッド45の直線変位δmax=Δxの値とを、光検出器140によって生成された出力信号における変化から、例えばルックアップテーブルを使用して計算し得る。コントローラは、その後、決定された変位Δxの線形関数によって除算された決定張力Tとして圧力Pを計算する。これを、T及びΔxの関数を数値的に評価することによって(例えば、浮動小数点計算を使用して)行うことが好ましいが、T及びΔxの考えられる値のセットに対して事前に計算された圧力の多次元ルックアップテーブルを使用することによって、近似の圧力推定値を決定できる。
【0108】
いくつかの実施形態において、装置は、定性的測定を判定してもよい(例えば、ガーメントが十分に伸長されたか否かのバイナリ判定)。コントローラは、計算された圧力推定値を閾値と比較してもよく、又は光検出器140の電圧出力を所定の閾値と直接比較して、ガーメントにおいて十分な張力を有することを示す閾値未満になった時を検出する。これは、ガーメントが装着されている(又は装着された)か否かの表示を提供するために使用され得る。他の実施形態において、(電圧入力の代わりに、又は電圧入力とともに)容量、抵抗、磁界強度、又は他の電気信号若しくは光学信号が必要に応じて所定の閾値と比較されて、ガーメントにおいて十分な張力があるかを判定してもよい。
【0109】
図4a及び
図4bは、それぞれ、本発明の代替の実施形態によるセンサデバイス102の断面正面図及び平面図を示し、光ビームを遮断するために、圧迫ガーメント(不図示)の伸長によって遮蔽素子31が移動される。
【0110】
この実施形態において、ハウジング36は、LED106からの光を第1の端部で受光する第1の光ファイバー45と、第1の光ファイバー45の第2の端部からの光を第1の端部で受光して第2の端部から光検出器51に光を出力するように、第1の光ファイバー45に同軸に配置された第2の光ファイバー44とを保持する。第1の光ファイバー45の第2の端部と第2の光ファイバー44の第1の端部との間に、細長いアーム27が配置される。アーム27は、第1の光ファイバー45と第2の光ファイバー44との共有軸に垂直である。アーム27は、ハウジング36に関して長手方向に移動するように構成される。アーム27は、ほぼ三角形のくさび形断面を有する遮蔽素子31と、エンドストップ58と、延在部77とを備える。延在部77の遠位端は、アンカーブロック66に対して固定的に取り付けられる。
【0111】
アンカーブロック66及びハウジング36は、ガーメントの外周部のまわりの、ガーメントの外側面のそれぞれの点に固定される。ガーメントの伸長前に、それらは距離x1だけ離される。
【0112】
ハウジング36は、第1の光ファイバー45からの光が第2の光ファイバー44に向けられる空隙41を更に備える。アーム31は、非伸長位置(
図4a及び
図4bに図示)と伸長位置(
図4c及び
図4dに図示)との間で、ハウジング36に関して移動可能である。
【0113】
非伸長位置において、遮蔽素子31は、第1の光ファイバー45と第2の光ファイバー44との間の空隙41を通過する時に、光ビームをわずかに遮断する、又は全く遮断しないように構成される。それによって、この位置で、光検出器51は、LED106から最大量の光を受光する。
【0114】
図4c及び
図4dは、それぞれ、圧迫ガーメントが伸長位置にある時の
図4a及び
図4bのデバイス102のそれぞれの断面正面図及び平面図を示す。
図4c及び
図4dに示すように、アンカーブロック66及びハウジング36が距離x
2だけ離れるように、ガーメントにおける伸長は、アンカーブロック66及びハウジング36を、距離δ
max=x
2-x
1だけ離れる方向に移動させる。
【0115】
伸長状態では、遮蔽素子31は、そのくさび形に起因して、第1の光ファイバー45と第2の光ファイバー44との間で光ビームを大いに遮断するように構成される。それによって、この位置では、光検出器51は、LED106からより少ない量の光を受光する。光検出器51は、LED106から受光された光の量に比例する電気出力信号を生成するように構成される。高分解能のアナログ信号が光検出器51によって生成される。この信号は、表示及び/又はデータログ記録を目的として、アナログデジタル変換器によってデジタル信号に任意で変換され得る。
【0116】
光検出器51からの出力信号における変化は、ガーメントの周囲長における変化に対応する。したがって、上述した手法と同様にして、圧迫圧力が決定されることが可能であり、任意で電子コントローラによってログ記録され得る。
【0117】
図5a及び
図5bは、有機光検出器345が有機LED240から発光された光を検出するように構成された、本発明の代替の実施形態による圧力センサデバイス202の断面図を示す。
【0118】
有機デバイスは非常に薄く、デバイスをガーメント上に配置する用途のためには便利である。更に、そのようなデバイスは、安価で大量に生産される。
【0119】
この実施形態において、LED240と光検出器345とが並んで重複した構成となり、両方が圧迫ガーメントの周囲方向と平行な向きを有し、第1の端部235、460が互いに遠位となるように、細長い有機LED240の第1の端部235が圧迫ガーメント(不図示)の第1の領域に固定されることが可能であり、細長い有機光検出器345の第1の端部460が圧迫ガーメントの第2の領域に固定されることが可能である。それによって、圧迫ガーメントの伸長は、有機LED240の第1の端部235と有機光検出器345の第1の端部460とを離れる方向に移動させ、重複の長さを減らす。
【0120】
LED240の細長い発光部が光検出器345の細長い光検出部の横に並ぶように、LED240が構成される。それによって、LED240のその部分から発光された光は、光検出器345によって受光されることが可能となる。光検出器345の光検出部と重複しないLED240の部分から発光された光は、光検出器345によって検出されない。
【0121】
光検出器345によって受光されるLED240からの光の量に比例する出力信号を生成するように、光検出器345は構成される。本明細書に記載の他の実施形態の場合と同様に、センサデバイスは周囲光から光検出器345を遮蔽し得るケーシング(不図示)を備えてもよい。
【0122】
図5aは、ガーメントが伸長される前のデバイス202の構成を示す。図示されるように、初期長x
1のLED240の領域は、光検出器345と対向する。それによって、
図5aでは、光検出器345が、LED240のその部分のみからの入射光を受光して、対応する出力信号を生成する。
【0123】
図5bは、ガーメントの伸長中のデバイス202の構成を示す。図示されるように、光検出器345と対向するLED240の領域の長さがx
2に減少している。それによって、光検出器345によって受光されるLED240からの光の量は、2つの端部235、460の変位と比例して減少され、これは光検出器345がより低い出力信号を生成することを意味する。
【0124】
それによって、出力信号における変化は、ガーメントの周囲長の変化に相当し、したがって、上記で開示されたように、圧迫圧力を決定するために使用され得る。
【0125】
代替の実施形態において、誘導検出素子及び磁気検出素子が場所をとらない微小電気機械システム(MEMS)型のもので有り得る場合、上記の光学素子は、適切な固定及び可動部品を有する誘導又は磁気センサによって置き換えられてもよい。
【0126】
図6a及び
図6bは、伸長後の圧迫ガーメントの周囲長の変化を判断するために可変コンデンサが使用される、本発明の代替の実施形態による圧力センサデバイス302の平面図を示す。
【0127】
図6aは、第1のプレート1250と第2のプレート1470とを備えるコンデンサを示す。コンデンサは、薄膜MEMS型微細加工コンデンサでもよい。
図6aに示されるように、第1のコンデンサプレート1250及び第2のコンデンサプレート1470は、0.2mmまでの幅となり得る多くの互いに噛み合う「フィンガ」を備える。コンデンサプレート1250、1470は、およそ0.1mmの厚さを有してもよく、0.1mmまでの初期(非伸長)距離x
1だけ分離される。
【0128】
コンデンサプレート1250、1470は、取り付けパッド115、1757で終端するアーム235、1655を介して電子回路(不図示)に接続される。電子回路は、コンデンサの容量を測定するように構成される。取り付けパッド115、1757は、薄膜から形成され得る(溶着、スクリーン印刷などが行われ得る)。取り付けパッド115、1757のそれぞれは、例えば、取り外し可能な面ファスナー式の接続機構によって、圧迫ガーメントの外側面に固定され得る構造体(不図示)上に取り付けられる。
【0129】
図6bは、圧迫ガーメントの伸長後の
図6aのデバイス302を示す。図示されるように、圧迫ガーメントの伸長は、取り付けパッド115、1757を離れる方向に移動させ、それによって、コンデンサプレート1250、1470の間の距離がx
2まで増加するように、コンデンサプレート1250、1470を離れる方向に移動させる。
【0130】
コンデンサプレート1250、1470の間の距離の増加は、電子回路によって測定されたコンデンサの容量を減らす。容量は、伸長によって引き起こされた圧迫ガーメントの周囲長の変化に何らかの比例関係で変化する。したがって、伸長中の容量の変化とガーメントの周囲長の変化との間に相関が判断される。それによって、必要に応じて、ガーメントの決定された周囲長の変化から圧迫圧力を計算するために、式2が使用され得る。
【0131】
図7は、圧迫ガーメントの周囲長における変化を判断するために可変抵抗器1120が使用される、本発明の代替の実施形態によるセンサデバイス402の概略図である。
【0132】
デバイス402は、一般的に円周経路に沿って、圧迫ガーメントの外側面に固定され得る第1の取り付けパッド1155及び第2の取り付けパッド1130を備える。デバイス402は、抵抗が機械的負荷の印加にしたがって変化するように構成された可変抵抗器1120を更に備える。可変抵抗器1120は、ひずみゲージ、導電性高分子材料、圧電素子、又は類似の素子でもよい。可変抵抗器1120は、それぞれ第1の配線1121及び第2の配線1119によって第1の取り付けパッド1155及び第2の取り付けパッド1130に固定的に接続される。
【0133】
可変抵抗器1120は、可変抵抗器1120の抵抗を測定するように構成された電子回路(例えば、ホイートストンブリッジ回路を備える)(不図示)に電気的に接続される。可変抵抗器1120は、ガーメントの伸長中の検出素子におけるひずみが出力信号における変化を発生させるように、電子回路に接続されたインダクタ、圧電素子、又は類似の素子を備え得る。
【0134】
圧迫ガーメントの伸長中に、第1の取り付けパッド1155は第2の取り付けパッド1130から離れる方向に移動される。その結果、第1の配線1121及び第2の配線1130は、可変抵抗器1120の抵抗が変化するように、可変抵抗器1120に対して張力を作用させる。可変抵抗器1120の抵抗における変化は、第1の配線1121及び第2の配線1130によって作用される張力に比例し、したがってガーメントが伸長される量に比例する。結果的に、圧迫ガーメントの周囲長の変化が判断されることができ、その後、式2にしたがって圧迫圧力を計算するために使用され得る。
【0135】
図8は、患者の脚800に装着された加圧ストッキング815上に配置された、それぞれが本発明を具現化する3つのセンサデバイスの例示の構成を示す。これらはセンサデバイスのうちの1つ又は複数のセンサデバイスの1つ又は複数のコントローラと通信してもよく、或いはセンサデバイスからリモートにあるコントローラと通信してもよい。センサデバイス及びコントローラは、本明細書で開示されるように、センサ装置を具現化する。
【0136】
加圧ストッキング815は、静脈性下腿潰瘍の管理を含むいくつかの用途を有する。脚800にかけられる圧迫は、「段階状」でもよく、これは圧迫圧力がくるぶしでより高く(例えば、40mmHg)、膝に向かって次第に減少する(例えば、15mmHgまで)。圧迫圧力が高すぎる場合、患者の皮膚の問題を発生させ得る。一方、圧迫圧力が低すぎる場合、圧迫治療の効果が低減される。圧迫を正しくかけることは、より速い治癒が可能となる。したがって、臨床医が、かけられた圧迫量を知ることは重要である。この例では、加圧ストッキング815が患者の脚800に装着される前に、センサデバイス1120、1130、1140が、加圧ストッキング815の長さに沿った様々な場所で、加圧ストッキング815の外側面に配置される。第1のセンサデバイス1120は、くるぶしのすぐ上806に配置される。第2のセンサデバイス1130は、ふくらはぎ中央領域820に配置される。第3のセンサデバイス1140は、膝のすぐ下840に配置される。
【0137】
センサデバイス1120、1130、1140は、圧迫ガーメント815全体における圧力の分散を判断するために使用され得る。センサデバイス1120、1130、1140によって生成されたデータは、その後、その時の圧迫ガーメントが必要に応じて実行しているかを確認するために分析され得る。
【0138】
図9は、圧迫スリーブ720上に配置された時の、本発明のいずれかの実施形態によるセンサデバイスの例示の構成を示す。
【0139】
いくつかの状況において、身体の一部の膨張を測定することが望ましい場合がある。例えば、リンパ浮腫を患う患者の場合に必要とされる。圧迫スリーブは、リンパ系から貯留した液体を取り除く外科的処置後に使用され、膨張を減少させる。患部での膨張の減少が患者の改善の表示として使用される。
【0140】
更なる例として、アスリートは、例えば筋肉の成長を判断するために、特定の運動を実行した時の身体部位の体積変化率を測定したいと思う場合がある。体積変化率は、身体部位との血流における変化又は筋肉量における変化に関係し得る。
【0141】
図9は、例えば腕又は脚に装着され得る例示の圧迫ガーメント720を示す。圧迫ガーメント720は、圧迫ガーメント720の遠位端で測定される上方半径r
1と、圧迫ガーメント720の近位端で測定される下方半径r
2と、高さhとを有する。
【0142】
圧迫ガーメント720内に含まれる体積(V)は、以下の式にしたがって決定され得る。
【数5】
【0143】
第1のセンサデバイス710は、圧迫ガーメント720の遠位端の表面上に配置される(例えば、装着者の膝のすぐ下に配置される)。第2のセンサデバイス700は、圧迫ガーメント720の近位端の表面上に配置される(例えば、装着者のくるぶしの周囲に配置される)。
【0144】
圧迫ガーメント720の伸長によって引き起こされる下方半径r2及び上方半径r1における変化は、上述した方法のいずれかにしたがって判断され得る。したがって、式4は、圧迫ガーメント720が装着される周囲の身体部位の体積の変化に相当する圧迫ガーメント720の体積の変化を判断するために使用され得る。
【0145】
より高い正確性のために、追加のセンサデバイスが中間位置(例えばふくらはぎ中央領域)に配置され得る。この場合、上記式が複数回使用される場合があり、合計体積を決定するために、その結果が加算される。
【0146】
単一の圧迫ガーメント上に複数の(例えば2と20との間の)センサデバイスが使用される場合、センサデバイスは、圧力分布のマップの構築を容易にするために電子的にリンクされ得る。センサデバイスは、圧迫ガーメントの長さに沿って、又は外周部のまわりに直線的に分散され得る。各センサデバイスは、圧力分散を検出するために、個々に、又は同時にアクセスされ得る。
【0147】
筋肉量変化の場合、筋肉量の変化が脚の血流速度に関係するため、筋肉量の変化から血流速度を決定することも可能で有り得る。
【0148】
図10は、本発明のいずれかの実施形態とともに使用され得る電子制御及び電源部1520(すなわち、コントローラ)を示す。制御及び電源部1520は、信号増幅器、アナログデジタル変換器、マイクロコントローラ又は他のプロセッサ、メモリ、データロガ、無線伝送(例えば、Bluetooth(商標))システム、分散又は統合電子コンポーネント、FPGA、DSP、ASICなどを備えてもよい。瞬間圧力測定値を表示するように構成されたデジタルディスプレイ1530を有してもよい。電子制御及び電源部は、例えば圧迫ガーメントの加圧が緩すぎる及び/又はきつ過ぎる場合など、例えば圧迫ガーメントによってかけられる圧力が対象範囲外にある場合にアラートを発信するための音声表示器を備えてもよい。電子制御及び電源全体が、電子制御及び電源部1520のハウジング内に含まれてもよい。
【0149】
センサデバイスによって決定された測定結果は、周期的にキャプチャされて、マイクロプロセッサでの処理前にデータロガに格納されることが可能である。測定結果は所望の頻度で、例えば毎分又は毎時で取得されてデータロガに記録されてもよい。データロガ又はマイクロプロセッサからのデータは、伝送システムによってリモートのデバイス又はサーバに送信されてもよい。これは、スマートフォン、ラップトップ、ページャ、又は他のデバイスでもよい。リモートのデバイスは、臨床評価又はアスリートによるパフォーマンス評価のために使用されることが可能な圧力データを記録の残すことが可能である。
【0150】
このデータログ記録は、異なる圧迫条件における個人の治癒反応を監視するために臨床医によって使用されてもよい。ただし、そのようなログ記録は必須ではなく、制御部1530は、圧迫ガーメントの変位の瞬間表示を単純に提供してもよい。
【0151】
制御及び電源部1520は、要求した圧力センサデバイスと制御及び電源部1520の電気部品とに対して電力を供給するために充電可能なコイン電池を更に備える。電源部1520は、5V以下の電圧を供給する。制御及び電源部1520は、データがデータロガから取り出され得るUSBポート1500を更に備える。
【0152】
制御及び電源部1520は、接着パッド、面ファスナー式接続機構、又は類似の機構によってガーメントに取り付けられてもよく、センサデバイスのハウジング又はケーシングと一体化されてもよく、或いはケーブルによって接続されてリモートに配置されてもよく、例えば、装着者によって装着されている衣服のポケット又はベッドサイドのワゴンに配置されてもよい。
【0153】
上記の実施形態が圧迫ガーメント上での使用に関して本発明のセンサデバイスを説明したが、圧迫力が関係する場合、上述した実施形態のいずれかの特徴は、より一般的にはガーメントの膨張、例えばおむつの膨張を推定する実施形態にも同様に適用可能である。
【0154】
図11は、新生児1604によって装着されるおむつ1600の外側面に取り付けられる、本発明の一実施形態によるセンサデバイス1602を示す。おむつは、代わりに大人によって装着され得ることを理解されるであろう。
【0155】
センサデバイス1602の第1及び第2の取り付け点(不図示)は、おむつ1600の外側面上のそれぞれの第1及び第2の点に取り付けられる。これらの点は、いずれかの適切な距離だけ離れてもよく、例えば、おむつが乾いていて汚れていない時、およそ2cm離れてもよい。
【0156】
第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の第1の変位は、おむつ1600が新生児1604につけられる前、又はつけられた直後に測定され、又は事前設定される。この第1の変位は、おむつ1600が汚れていない「空」の状態の時におむつ1600の状態又は伸長を表す。
【0157】
その後、センサデバイス1602は、センサデバイス1602の第1の取り付け点と第2の取り付け点との間の変位の更なる測定結果を周期的に記録する。変位の更なる測定結果のそれぞれは、第1の変位と比較されることが可能である。デバイス1602が所定の閾値だけ第1の変位よりも大きい変位測定結果を記録し、おむつ1602の顕著な膨張を示した場合、デバイス1602は、おむつ1602が例えば尿又は大便によって充満したと判断する。結果的に、デバイス1602は、例えば、ベビーモニター機器又は親若しくは監督者に属する電話のアプリに無線メッセージを送信することによって、おむつ1600が汚れているため交換が必要であるというアラートを新生児1604の親又は監督者に発するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、新生児の動き(例えば、ハイハイ)に起因して発生した変化をフィルタリングして除去するために、変位測定のより複雑な処理も実行され得る。
【0158】
図12a及び
図12bは、それぞれ、発光ダイオード(LED)2041が第1の光ファイバー2051に接続され、第2の光ファイバー2030に接続された光検出器2022が第1の光ファイバー2051を介してLED2041から発光される光を検出するように構成された、本発明の代替の実施形態によるセンサデバイス2002の断面正面図及び平面図をそれぞれ示す。
【0159】
この実施形態において、センサデバイス2002は、圧迫ガーメント2085の外周部のまわりの加圧ストッキング又はおむつなどのガーメント2085の外側面上のそれぞれの第1及び第2の取り付け点に取り付けられた第1のアンカーブロック2062及び第2のアンカーブロック2096を備える。剛性の細長いアーム2010は、第2のアンカーブロック2096と第3のアンカーブロック2073との間の固定変位を維持するために、第2のアンカーブロック2096を第3のアンカーブロック2073に接続するように構成される。第3のアンカーブロック2073は、第3のアンカーブロック2073及び第1のアンカーブロック2062が隣り合うように、ガーメント2085の外側面に隣り合って存在する。第3のアンカーブロック2073は、ガーメント2085上に固定的に取り付けられない。従って、第1のアンカーブロック2062に関する第2のアンカーブロック2096の変位(例えば、ガーメント2085の伸長による)は、結果として、第1のアンカーブロック2062に関する第3のアンカーブロック2073の対応する変位を発生させる。
【0160】
第1のアンカーブロック2062は、第1のアンカーブロック2062上に取り付けられたLED2041から、第1のアンカーブロック2062を貫通して延在する第1の貫通孔2063を画定する。第3のアンカーブロック2073は、第3のアンカーブロック上に取り付けられた光検出器2022から、第3のアンカーブロック2073を貫通して延在する第2の貫通孔2074を画定する。第1のアンカーブロック2062及び第3のアンカーブロック2073は、ガーメント2085の伸長前に第1の貫通孔2063及び第2の貫通孔2074が同軸となる(すなわち、同軸に沿って延在する)ように、ガーメント2085上で互いに隣り合って取り付けられる。
【0161】
センサデバイス2002は、ガーメント2085の非伸長状態で第1の光ファイバー2051と整列するように、第1の貫通孔2063内に保持された第1の光ファイバー2051と、第2の貫通孔内に保持された第2の光ファイバー2030とを備える。第1の光ファイバー2051の第1の端部は、LED2041からの光を受光する。第2の光ファイバー2030の第1の端部は、第1の光ファイバー2051の第2の端部から(LED2041からの)光を受光するように構成される。光検出器2022は、第2の光ファイバー2030を通って伝わった光を検出するように構成される。従って、光検出器2022は、第1の光ファイバー2051及び第2の光ファイバー2030を介して、LED2041によって発光された光を検出するように構成される。
【0162】
ガーメント2085の伸長前では、第1のアンカーブロック2062及び第2のアンカーブロック2096は、軸に沿って第1の光ファイバー2051が第1のアンカーブロック2062を通って延在する前記軸に垂直な方向で、距離2107(x
1)だけ分離されている。ガーメント2085が伸長されると(例えば、装着されている時)、第1のアンカーブロック2062と第2のアンカーブロック2096との間の距離2107は、x
1からx
2に増加する。これは、
図12c及び
図12dに示される。
【0163】
第1のアンカーブロック2062と第2のアンカーブロック2096との間の変位は、結果として、第1のアンカーブロック2062と第3のアンカーブロック2073との間に対応変位を発生させ、それによって第1の光ファイバー2051及び第2の光ファイバー2030のずれが生じる。ファイバー2051、2030のずれは、第1の光ファイバー2051の断面領域(したがって第1の光ファイバー2051を通って第2の光ファイバー2030へ伝わる光)に露出された第2の光ファイバー2030の断面領域が減らされたことを意味する。その結果、光検出器2022は、受光された光の強度の減少を測定する。
【0164】
光検出器2022は、LED2041から受光された光の量に比例する電気出力信号を生成するように構成される。高分解能のアナログ信号が光検出器2022によって生成される。この信号は、任意で、本明細書に開示されるように、コントローラによる処理のためにアナログデジタル変換器によってデジタル信号に変換されてもよい。特に、光検出器2022からの出力信号における変化は、ガーメント2085の周囲長における変化に対応し、したがってガーメント2085によって作用される圧迫圧力が判断されることが可能であり、任意で、本明細書に記載された手法で電子コントローラによってログ記録されることが可能である。
【0165】
本発明はその1つ又は複数の特定の実施形態を説明することによって例証されたが、それらの実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内において多くの変形及び修正が可能であることが、当業者によって理解されるであろう。
【符号の説明】
【0166】
1 圧迫ガーメント
2 センサデバイス
6 発光ダイオード
45 スタッド
50 光ファイバー
70 ハウジング
140 光検出器
1250 第1のコンデンサプレート
1470 第2のコンデンサプレート
1520 制御及び電源部
【国際調査報告】