(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸の調製方法
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
C07D401/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521269
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 US2020055885
(87)【国際公開番号】W WO2021076832
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】518259165
【氏名又は名称】エフエムシー アグロ シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ヤンチュン・ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】シン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンファ・マオ
(72)【発明者】
【氏名】ジジエン・シュー
【テーマコード(参考)】
4C063
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB02
4C063CC22
4C063DD12
4C063EE03
(57)【要約】
本明細書で、ピラゾール又はピラゾール誘導体からの5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸の新規合成方法が記載される。また、本明細書で、新規の反応中間体が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式VI
【化1】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
13は有機酸である)
の化合物の調製方法であって、前記方法が、
I)下記
A)式III
【化2】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
B)カルボニル含有化合物;
C)溶媒;
D)金属を含む化合物;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)前記混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【請求項2】
金属を含む前記化合物が、グリニャール試薬及びリチウム含有化合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グリニャール試薬が、MeMgCl、iPrMgCl、iPrMgBr、EtMgCl、iPr
2NMgCl、iPr
2NMgBr、Et
2NMgCl、TMPMgCl、TMPMgCl・LiCl、iPr
2NMgCl・LiCl、iPr
2NMgBr・LiCl、及びそれらの組合せから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記グリニャール試薬がiPr
2NMgClである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記リチウム含有化合物が、LDA、nBuLi、及びそれらの組合せから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、THF、トルエン、1,4-ジオキサン、Me-THF、及びそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒がTHFである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記カルボニル含有化合物が、ジメチルカーボネート、N,N-ジメチルアセトアミド、二酸化炭素、及びそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記カルボニル含有化合物が二酸化炭素である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
式IIIの前記化合物が、
I)下記
A)式II
【化3】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物;
B)式IV
【化4】
(式中、
R
7~R
11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
C)溶媒;
D)無機塩基;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)前記混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、粉末水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、粉末ナトリウムメトキシド、粉末カリウムt-ブトキシド、及びそれらの組合せから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記溶媒が、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、及びそれらの組合せから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記添加物が、ヨウ化カリウム、相間移動触媒、及びそれらの組合せから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記相間移動触媒が、塩化ブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、アリコート-336、18-クラウン-6、及びそれらの組合せから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
式III
【化5】
(式中
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物の調製方法であって、前記方法が、
I)下記
A)式II
【化6】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物
[ここで、式IIの前記化合物は、
i)下記
a)式I
【化7】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも1つはハロゲンである)
の1種以上の化合物;
b)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
c)還元剤;及び
d)溶媒
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)前記混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される];
B)式IV
【化8】
(式中、
R
7~R
11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
C)溶媒;
D)無機塩基;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)前記混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【請求項16】
前記無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、粉末水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、粉末ナトリウムメトキシド、粉末カリウムt-ブトキシド、及びそれらの組合せから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記溶媒C)が、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、及びそれらの組合せから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記添加物が、ヨウ化カリウム、相間移動触媒、及びそれらの組合せから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
式II-A
【化9】
(式中、
Mは、アルカリ金属及びアルカリン金属から選択され;
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物。
【請求項20】
前記化合物が
【化10】
である、請求項19に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月18日出願の米国仮特許出願第62/916,836号の及び2019年11月6日出願の米国仮特許出願第62/931,329号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸の新規の合成方法を指向する。本明細書で開示される方法によって調製される化合物は、例えば、殺虫剤クロラントラニリプロール及びシアントラニリプロールなどの、殺虫剤として興味のあるある種のアントラニルアミド化合物の調製のために有用である。
【背景技術】
【0003】
5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸の従来の製造プロセスは、プロセス可能性、環境危険、高いコスト、試薬反応性、及び必要な特殊装置などの、幾つかの工業的懸念の対象になる。
【0004】
本開示は、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸及びそれの誘導体を調製するのに有用な新規方法を提供する。以前の方法と比較して本開示の方法の便益は、数多くあり、全収率の改善、コストの低下、混合溶媒分離の必要性の排除、廃棄物の減少、運転複雑性の簡略化、及びプロセス危険の減少を含む。
【0005】
開示される方法は、商業的に入手可能な、且つ、容易に取り扱われる試薬を使って約50%の全収率を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本明細書で、式VI
【化1】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
13は有機酸である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式III
【化2】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
B)カルボニル含有化合物;
C)溶媒;
D)金属を含む化合物;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法が提供される。
【0007】
一態様において、本明細書で、式III
【化3】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式II
【化4】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物
[ここで、式IIの化合物は、
i)下記
a)式I
【化5】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも1つはハロゲンである)
の1種以上の化合物;
b)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
c)還元剤;及び
d)溶媒
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される];
B)式IV
【化6】
(式中、
R
7~R
11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
C)溶媒;
D)無機塩基;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法が提供される。
【0008】
一態様において、本明細書で、式II
【化7】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式I
【化8】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物
[ここで、式Iの1種以上の化合物は、
i)下記
a)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
b)ハロゲン化試薬;
c)水;及び
d)任意選択的に無機塩基
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される];
B)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
C)還元剤;及び
D)溶媒
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法が提供される。
【0009】
一態様において、本明細書で、式I
【化9】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
B)ハロゲン化試薬;
C)水;及び
D)任意選択的に無機塩基
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法が提供される。
【0010】
一態様において、本明細書で、式VI
【化10】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
13は有機酸である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式V
【化11】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
12は、エーテル、エステル、及びニトリルから選択される)
の化合物
[ここで、式Vの化合物は、
i)下記
a)式III
【化12】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
b)溶媒;
c)有機化合物;
d)金属を含む化合物;及び
e)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される]と;
B)金属水酸化物と
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と;
III)酸をこの混合物に添加する工程と
を含む方法が提供される。
【0011】
一態様において、本明細書で、式V
【化13】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
12は、エーテル、エステル、及びニトリルから選択される)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式III
【化14】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
B)溶媒;
C)有機化合物;
D)金属を含む化合物;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法が提供される。
【0012】
一態様において、本明細書で、式II-A
【化15】
(式中、
Mは、アルカリ金属及びアルカリン金属から選択され;
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式I
【化16】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物
[ここで、式Iの1種以上の化合物は、
i)下記
a)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
b)ハロゲン化試薬;
c)水;及び
d)任意選択的に無機塩基
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される];
B)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
C)還元剤;及び
D)溶媒
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法が提供される。
【0013】
一態様において、本明細書で、式II-A
【化17】
(式中、
Mは、アルカリ金属及びアルカリン金属から選択され;
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる」、又はそれらのいかなる他の変形も、明らかに示された任意の制限の対象となる、非排他的な包含をカバーすることが意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス又は方法は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストアップされていない又はそのような組成物、混合物、プロセス又は方法に固有の他の要素を含み得る。
【0015】
移行句「からなる」は、明記されていないいかなる要素、工程、又は構成要素も排除する。特許請求の範囲における場合、そのようなものは、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の物質の包含に対して特許請求の範囲を限定するであろう。語句「からなる」が、前文の直後よりはむしろ、特許請求の範囲の本文の条項に現れる場合、それは、その条項に明記される要素のみを制限し;他の要素は、全体として特許請求の範囲から排除されない。
【0016】
移行句「から本質的になる」は、文字どおり開示されるものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む組成物又は方法を定義するために用いられる、但し、これらの追加の材料、工程、特徴、成分、又は要素が特許請求される発明の基本的な及び新規な特性に実質的に影響を及ぼさないことを条件とする。用語「から本質的になる」は、「含む(comprising)」と「からなる」との間の中間を占める。
【0017】
発明又はそれの一部が、「含む(comprising)」などのオープンエンドの用語で定義される場合、(特に明記しない限り)その記載は、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いるそのような発明をまた記載すると容易に解釈されるべきである。
【0018】
更に、それとは反対に明確に述べられない限り、「又は(or)」は、包括的又は及び排他的又は、を意味する。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真であり(又は存在し)、Bは偽である(又は存在しない)、Aは偽であり(又は存在せず)、Bは真である(又は存在する)、並びにA及びBは両方とも真である(又は存在する)。
【0019】
また、本発明の要素又は成分に先行する不定冠詞「1つの(a)」、及び「1つの(an)」は、その要素又は成分の場合(すなわち、出現)の数に関して非制限的であることが意図される。それ故「1つの(a)」、又は「1つの(an)」は、1つ又は少なくとも1つを含むと読み取られるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、その数が単数であることを明らかに意味しない限り複数を包含する。
【0020】
本明細書で用いるところでは、用語「約」は、その値のプラス又はマイナス10%を意味する。
【0021】
用語「ハロゲン」は、単独か又は「ハロアルキル」などの化合物語においてかのどちらかで、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。更に、「ハロアルキル」などの化合物語において用いられる場合、前記アルキルは、同じ若しくは異なるものであってもよいハロゲン原子で部分的に若しくは完全に置換され得る。
【0022】
基が、水素であり得る置換基、例えばR4を含有する場合、したがって、この置換基が水素として取られる場合、これは、前記基が非置換であると同等であることが認められる。
【0023】
用語「有機塩基」は、制限なく、アミン化合物(例えば、第一級、第二級及び第三級アミン)、窒素含有複素環などの複素環、及び水酸化アンモニウムを含む。
【0024】
用語「無機塩基」は、制限なく、例えば、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩及びリン酸塩の金属塩などの、酸と反応して、又は酸を中和して塩を形成する能力を持った無機化合物を含む。
【0025】
用語「ハロゲン化試薬」は、制限なく、例えば、臭素、NBS、及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントインなどの、ハロゲン及び無機化合物を含む。
【0026】
用語「相間移動触媒」は、1つの相から反応が起こる別の相への反応剤の移行を容易にする化合物を含む。相間移動触媒作用は、相間移動触媒の添加時の反応の加速を言う。
【0027】
用語「エステル」は、制限なく、エステル結合(C(=O)-O-)を含む官能基を含む。いくつかの態様において、エステル結合を含む官能基は、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、1-メチルヘプチル(メプチル)等のような、1~8個の炭素原子を有するアルキル(又はシクロアルキル)である。
【0028】
用語「エーテル」は、制限なく、エーテル結合(C-O-C)を含む官能基を含む。
【0029】
用語「ニトリル」は、制限なく、ニトリル結合(-C≡N)を含む官能基を含む。
【0030】
用語「カルボン酸」は、制限なく、カルボン酸結合(C(=O)-OH)を含む官能基を含む。
【0031】
用語「有機酸」は、制限なく、酸性を与える、並びに炭素、窒素、酸素、及び水素から選択される原子からなる官能基を含む。
【0032】
本発明のある種の化合物は、1つ以上の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体は、鏡像異性体、ジアステレオマー、アトロプ異性体及び幾何異性体を含む。当業者は、他の立体異性体と比べて富化された場合に又は他の立体異性体から分離された場合に1つの立体異性体がより活性であり得る及び/又は有益な効果を示し得ることを十分理解するであろう。加えて、当業者は、前記立体異性体を分離する、富化する、及び/又は選択的に調製する方法を知っている。
【0033】
本開示の実施形態は、以下を含む:
【0034】
実施形態1.式VI
【化18】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
13は有機酸である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式III
【化19】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
B)カルボニル含有化合物;
C)溶媒;
D)金属を含む化合物;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【0035】
実施形態2.金属を含む化合物が、グリニャール試薬及びリチウム含有化合物から選択される、実施形態1の方法。
【0036】
実施形態3.グリニャール試薬が、MeMgCl、iPrMgCl、iPrMgBr、EtMgCl、iPr2NMgCl、iPr2NMgBr、Et2NMgCl、TMPMgCl、TMPMgCl・LiCl、iPr2NMgCl・LiCl、iPr2NMgBr・LiCl、及びそれらの組合せから選択される、実施形態2の方法。
【0037】
実施形態4.グリニャール試薬がiPr2NMgClである、実施形態3の方法。
【0038】
実施形態5.リチウム含有化合物が、LDA、nBuLi、及びそれらの組合せから選択される、実施形態2の方法。
【0039】
実施形態6.溶媒が、THF、トルエン、1,4-ジオキサン、Me-THF、及びそれらの組合せから選択される、実施形態1の方法。
【0040】
実施形態7.溶媒がTHFである、実施形態6の方法。
【0041】
実施形態8.カルボニル含有化合物が、ジメチルカーボネート、N,N-ジメチルアセトアミド、二酸化炭素、及びそれらの組合せから選択される、実施形態1の方法。
【0042】
実施形態9.カルボニル含有化合物が二酸化炭素である、実施形態8の方法。
【0043】
実施形態10.混合物を反応させる方法工程が、約0℃~約60℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態1の方法。
【0044】
実施形態11.混合物を反応させる方法工程が、約0℃~約30℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態10の方法。
【0045】
実施形態12.式IIIのR5及びR6が、それぞれ独立して水素である、実施形態1の方法。
【0046】
実施形態13.式IIIの化合物が、
I)下記
A)式II
【化20】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物;
B)式IV
【化21】
(式中、
R
7~R
11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
C)溶媒;
D)無機塩基;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態1の方法。
【0047】
実施形態14.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、粉末水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、粉末ナトリウムメトキシド、粉末カリウムt-ブトキシド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態13の方法。
【0048】
実施形態15.溶媒が、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、及びそれらの組合せから選択される、実施形態13の方法。
【0049】
実施形態16.添加物が、ヨウ化カリウム、相間移動触媒、及びそれらの組合せから選択される、実施形態13の方法。
【0050】
実施形態17.相間移動触媒が、塩化ブチルアンモニウム、臭気テトラブチルアンモニウム、アリコート-336、18-クラウン-6、及びそれらの組合せから選択される、実施形態16の方法。
【0051】
実施形態18.混合物を反応させる方法工程が、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態13の方法。
【0052】
実施形態19.式IIの化合物が、
I)下記
A)式I
【化22】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物;
B)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
C)還元剤;及び
D)溶媒
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態13の方法。
【0053】
実施形態20.溶媒が、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態19の方法。
【0054】
実施形態21.還元剤が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態19の方法。
【0055】
実施形態22.脱ハロゲン化試薬が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態19の方法。
【0056】
実施形態23.混合物を反応させる方法工程が、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態19の方法。
【0057】
実施形態24.式Iの1種以上の化合物が、
I)下記
A)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
B)ハロゲン化試薬;
C)水;及び
D)任意選択的に無機塩基;及び
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態19の方法。
【0058】
実施形態25.ハロゲン化試薬が、
A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びそれらの組合せから選択される試薬;並びに
B)任意選択的に過酸化水素
を含む、実施形態24の方法。
【0059】
実施形態26.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態24の方法。
【0060】
実施形態27.混合物を反応させる方法工程が、約0℃~約70℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態24の方法。
【0061】
実施形態28.ハロゲン化試薬が、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である、実施形態24の方法。
【0062】
実施形態29.式III
【化23】
(式中
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式II
【化24】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物
[ここで、式IIの化合物は、
i)下記
a)式I
【化25】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物;
b)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
c)還元剤;及び
d)溶媒
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される];
B)式IV
【化26】
(式中、
R
7~R
11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
C)溶媒;
D)無機塩基;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【0063】
実施形態30.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、粉末水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、粉末ナトリウムメトキシド、粉末カリウムt-ブトキシド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態29の方法。
【0064】
実施形態31.溶媒C)が、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、及びそれらの組合せから選択される、実施形態29の方法。
【0065】
実施形態32.添加物が、ヨウ化カリウム、相間移動触媒、及びそれらの組合せから選択される、実施形態29の方法。
【0066】
実施形態33.相間移動触媒が、塩化ブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、アリコート-336、18-クラウン-6、及びそれらの組合せから選択される、実施形態32の方法。
【0067】
実施形態34.混合物を反応させる方法工程II)が、約140℃~約200℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態29の方法。
【0068】
実施形態35.溶媒d)が、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態29の方法。
【0069】
実施形態36.還元剤が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態29の方法。
【0070】
実施形態37.脱ハロゲン化試薬が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態29の方法。
【0071】
実施形態38.混合物を反応させる方法工程ii)が、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態29の方法。
【0072】
実施形態39.式Iの1種以上の化合物が、
I)下記
A)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
B)ハロゲン化試薬;
C)水;及び
D)任意選択的に無機塩基及び
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態29の方法。
【0073】
実施形態40.ハロゲン化試薬が、
A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びそれらの組合せから選択される試薬;並びに
B)任意選択的に過酸化水素
を含む、実施形態39の方法。
【0074】
実施形態41.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態39の方法。
【0075】
実施形態42.混合物を反応させる方法工程が、約0℃~約70℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態39の方法。
【0076】
実施形態43.ハロゲン化試薬が、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である、実施形態39の方法。
【0077】
実施形態44.式II
【化27】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式I
【化28】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物
[ここで、式Iの1種以上の化合物は、
i)下記
a)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
b)ハロゲン化試薬;
c)水;及び
d)任意選択的に無機塩基
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される];
B)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
C)還元剤;及び
D)溶媒
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【0078】
実施形態45.溶媒が、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態44の方法。
【0079】
実施形態46.還元剤が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態44の方法。
【0080】
実施形態47.脱ハロゲン化試薬が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態44の方法。
【0081】
実施形態48.混合物を反応させる方法工程II)が、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態44の方法。
【0082】
実施形態49.ハロゲン化試薬が、
A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びそれらの組合せから選択される試薬;並びに
B)任意選択的に過酸化水素
を含む、実施形態44の方法。
【0083】
実施形態50.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態44の方法。
【0084】
実施形態51.混合物を反応させる方法工程ii)が、約0℃~約70℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態44の方法。
【0085】
実施形態52.ハロゲン化試薬が、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である、実施形態44の方法。
【0086】
実施形態53.式I
【化29】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
B)ハロゲン化試薬;
C)水;及び
D)任意選択的に無機塩基
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【0087】
実施形態54.ハロゲン化試薬が、
A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びそれらの組合せから選択される試薬;並びに
B)任意選択的に過酸化水素
を含む、実施形態53の方法。
【0088】
実施形態55.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態53の方法。
【0089】
実施形態56.混合物を反応させる方法工程が、約0℃~約70℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態53の方法。
【0090】
実施形態57.ハロゲン化試薬が、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である、実施形態53の方法。
【0091】
実施形態58.式VI
【化30】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
13は有機酸である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式V
【化31】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
12は、エーテル、エステル、及びニトリルから選択される)
の化合物
[ここで、式Vの化合物は、
i)下記
a)式III
【化32】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
b)溶媒;
c)有機化合物;
d)金属を含む化合物;及び
e)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される]と;
B)金属水酸化物と
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と;
III)酸をこの混合物に添加する工程と
を含む方法。
【0092】
実施形態59.金属水酸化物が、アルカリ水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、及びそれらの組合せから選択される、実施形態58の方法。
【0093】
実施形態60.アルカリ水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選択される、実施形態59の方法。
【0094】
実施形態61.アルカリ土類金属水酸化物が、水酸化カルシウム及び水酸化バリウムから選択される、実施形態59の方法。
【0095】
実施形態62.混合物を反応させる方法工程II)が、約0℃~約90℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態58の方法。
【0096】
実施形態63.金属を含む化合物が、グリニャール試薬、及びリチウム含有化合物から選択される、実施形態58の方法。
【0097】
実施形態64.グリニャール試薬が、MeMgCl、iPrMgCl、iPrMgBr、EtMgCl、iPr2NMgCl、iPr2NMgBr、Et2NMgCl、TMPMgCl、TMPMgCl・LiCl、iPr2NMgCl・LiCl、iPr2NMgBr・LiCl、及びそれらの組合せから選択される、実施形態63の方法。
【0098】
実施形態65.グリニャール試薬がiPr2NMgCl、B)任意選択的に過酸化水素である、実施形態64の方法。
【0099】
実施形態66.リチウム含有化合物が、LDA、nBuLi、及びそれらの組合せから選択される、実施形態63の方法。
【0100】
実施形態67.溶媒が、THF、トルエン、1,4-ジオキサン、Me-THF、及びそれらの組合せから選択される、実施形態58の方法。
【0101】
実施形態68.溶媒がTHFである、実施形態67の方法。
【0102】
実施形態69.有機化合物が、ジメチルカーボネート、N,N-ジメチアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態58の方法。
【0103】
実施形態70.有機化合物がジメチルカーボネートである、実施形態69の方法。
【0104】
実施形態71.混合物を反応させる方法工程ii)が、約0℃~約60℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態58の方法。
【0105】
実施形態72.混合物を反応させる方法工程ii)が、約0℃~約30℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態71の方法。
【0106】
実施形態73.式IIIのR5及びR6が、それぞれ独立して水素である、実施形態58の方法。
【0107】
実施形態74.式IIIの化合物が、
I)下記
A)式II
【化33】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物;
B)式IV
【化34】
(式中、
R
7~R
11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
C)溶媒;
D)無機塩基;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態58の方法。
【0108】
実施形態75.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、粉末水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、粉末ナトリウムメトキシド、粉末カリウムt-ブトキシド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態74の方法。
【0109】
実施形態76.溶媒が、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、及びそれらの組合せから選択される、実施形態74の方法。
【0110】
実施形態77.添加物が、ヨウ化カリウム、相間移動触媒、及びそれらの組合せから選択される、実施形態74の方法。
【0111】
実施形態78.相間移動触媒が、塩化ブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、アリコート-336、18-クラウン-6、及びそれらの組合せから選択される、実施形態77の方法。
【0112】
実施形態79.混合物を反応させる方法工程が、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態74の方法。
【0113】
実施形態80.式IIの化合物が、
I)下記
A)式I
【化35】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物
B)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
C)還元剤;及び
D)溶媒
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態74の方法。
【0114】
実施形態81.溶媒が、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態80の方法。
【0115】
実施形態82.還元剤が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態80の方法。
【0116】
実施形態83.脱ハロゲン化試薬が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態80の方法。
【0117】
実施形態84.混合物を反応させる方法工程が、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態80の方法。
【0118】
実施形態85.式Iの1種以上の化合物が、
I)下記
A)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
B)ハロゲン化試薬;
C)水;及び
D)任意選択的に無機塩基
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態80の方法。
【0119】
実施形態86.ハロゲン化試薬が、
A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びそれらの組合せから選択される試薬;並びに
B)任意選択的に過酸化水素
を含む、実施形態85の方法。
【0120】
実施形態87.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態85の方法。
【0121】
実施形態88.混合物を反応させる方法工程が、約0℃~約70℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態85の方法。
【0122】
実施形態89.ハロゲン化試薬が、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である、実施形態85の方法。
【0123】
実施形態90.式V
【化36】
(式中、
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
R
12は、エーテル、エステル、及びニトリルから選択される)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式III
【化37】
(式中、
R
4は水素であり;
R
5~R
10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
B)溶媒;
C)有機化合物;
D)金属を含む化合物;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【0124】
実施形態91.金属を含む化合物が、グリニャール試薬及びリチウム含有化合物から選択される、実施形態90の方法。
【0125】
実施形態92.グリニャール試薬が、MeMgCl、iPrMgCl、iPrMgBr、EtMgCl、iPr2NMgCl、iPr2NMgBr、Et2NMgCl、TMPMgCl、TMPMgCl・LiCl、iPr2NMgCl・LiCl、iPr2NMgBr・LiCl、及びそれらの組合せから選択される、実施形態91の方法。
【0126】
実施形態93.グリニャール試薬がiPr2NMgClである、実施形態92の方法。
【0127】
実施形態94.リチウム含有化合物が、LDA、nBuLi、及びそれらの組合せから選択される、実施形態91の方法。
【0128】
実施形態95.溶媒が、THF、トルエン、1,4-ジオキサン、Me-THF、及びそれらの組合せから選択される、実施形態90の方法。
【0129】
実施形態96.溶媒がTHFである、実施形態95の方法。
【0130】
実施形態97.有機化合物が、ジメチルカーボネート、N,N-ジメチアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態90の方法。
【0131】
実施形態98.有機化合物がジメチルカーボネートである、実施形態97の方法。
【0132】
実施形態99.混合物を反応させる方法工程II)が、約0℃~約60℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態90の方法。
【0133】
実施形態100.混合物を反応させる方法工程II)が、約0℃~約30℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態99の方法。
【0134】
実施形態101.式IIIのR5及びR6が、それぞれ独立して水素である、実施形態90の方法。
【0135】
実施形態102.式IIIの化合物が、
I)下記
A)式II
【化38】
(式中、
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物;
B)式IV
【化39】
(式中、
R
7~R
11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択される)
の化合物;
C)溶媒;
D)無機塩基;及び
E)任意選択的に添加物
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態90の方法。
【0136】
実施形態103.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、粉末水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、粉末ナトリウムメトキシド、粉末カリウムt-ブトキシド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態102の方法。
【0137】
実施形態104.溶媒が、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、及びそれらの組合せから選択される、実施形態102の方法。
【0138】
実施形態105.添加物が、ヨウ化カリウム、相間移動触媒、及びそれらの組合せから選択される、実施形態102の方法。
【0139】
実施形態106.相間移動触媒が、塩化ブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、アリコート-336、18-クラウン-6、及びそれらの組合せから選択される、実施形態105の方法。
【0140】
実施形態107.混合物を反応させる方法工程が、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態102の方法。
【0141】
実施形態108.式IIの化合物が、
I)下記
A)式I
【化40】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物;
B)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
C)還元剤;及び
D)溶媒
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態102の方法。
【0142】
実施形態109.溶媒が、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態108の方法。
【0143】
実施形態110.還元剤が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態108の方法。
【0144】
実施形態111.脱ハロゲン化試薬が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態108の方法。
【0145】
実施形態112.混合物を反応させる方法工程II)が、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態108の方法。
【0146】
実施形態113.式Iの1種以上の化合物が、
I)下記
A)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
B)ハロゲン化試薬;
C)水;及び
D)任意選択的に無機塩基;及び
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法に従って調製される、実施形態108の方法。
【0147】
実施形態114.ハロゲン化試薬が、
A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びそれらの組合せから選択される試薬;並びに
B)任意選択的に過酸化水素
を含む、実施形態113の方法。
【0148】
実施形態115.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態113の方法。
【0149】
実施形態116.混合物を反応させる方法工程が、約0℃~約70℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態113の方法。
【0150】
実施形態117.ハロゲン化試薬が、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である、実施形態113の方法。
【0151】
実施形態118.式II-A
【化41】
(式中、
Mは、アルカリ金属及びアルカリン金属から選択され;
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物の調製方法であって、この方法が、
I)下記
A)式I
【化42】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3のそれぞれは、ハロゲン及び水素から独立して選択され;
ここで、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも2つはハロゲンである)
の1種以上の化合物
[ここで、式Iの1種以上の化合物は、
i)下記
a)ピラゾール又はピラゾール誘導体;
b)ハロゲン化試薬;
c)水;及び
d)任意選択的に無機塩基
を含む混合物を形成する工程;並びに
ii)この混合物を反応させる工程
を含む方法に従って調製される];
B)任意選択的に脱ハロゲン化試薬;
C)還元剤;及び
D)溶媒
を含む混合物を形成する工程と;
II)この混合物を反応させる工程と
を含む方法。
【0152】
実施形態119.溶媒が、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びそれらの組合せから選択される、実施形態118の方法。
【0153】
実施形態120.還元剤が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態118の方法。
【0154】
実施形態121.脱ハロゲン化試薬が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態118の方法。
【0155】
実施形態122.混合物を反応させる方法工程II)が、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態118の方法。
【0156】
実施形態123.ハロゲン化試薬が、
A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びそれらの組合せから選択される試薬;並びに
B)任意選択的に過酸化水素
を含む、実施形態118の方法。
【0157】
実施形態124.無機塩基が、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される、実施形態118の方法。
【0158】
実施形態125.混合物を反応させる方法工程ii)が、約0℃~約70℃の範囲の反応温度で起こる、実施形態118の方法。
【0159】
実施形態126.ハロゲン化試薬が、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である、実施形態118の方法。
【0160】
実施形態127.Mが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムから選択される、実施形態118の方法。
【0161】
実施形態128.式II-Aの化合物が、
【化43】
である、実施形態118の方法。
【0162】
実施形態129.式II-A
【化44】
(式中、
Mは、アルカリ金属及びアルカリン金属から選択され;
R
4、R
5、及びR
6のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、R
4、R
5、及びR
6の少なくとも1つは水素である)
の化合物。
【0163】
実施形態130.化合物が、
【化45】
である、実施形態129の化合物。
【0164】
一態様において、式VIの化合物は、スキーム1で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化46】
【0165】
一態様において、式VIの化合物は、スキーム2で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。式IA及び式IBは、式Iの2つの別個の化合物を表す。
【化47】
【0166】
一態様において、式VIの化合物は、スキーム3で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化48】
【0167】
一態様において、式VIの化合物は、スキーム4で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。式IA及び式IBは、式Iの2つの別個の化合物を表す。
【化49】
【0168】
一態様において、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸は、スキーム5で表される方法に従って調製される。
【化50】
【0169】
一態様において、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸は、スキーム6で表される方法に従って調製される。
【化51】
【0170】
一態様において、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸は、スキーム7で表される方法に従って調製される。
【化52】
【0171】
一態様において、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸は、スキーム8で表される方法に従って調製される。
【化53】
【0172】
一態様において、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸は、スキーム9で表される方法に従って調製される。
【化54】
【0173】
一態様において、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸は、スキーム10で表される方法に従って調製される。
【化55】
【0174】
一態様において、式Iの少なくとも1つの別個の化合物は、スキーム11で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化56】
【0175】
この態様は、ピラゾールを、水、及び任意選択的に無機塩基の存在下でハロゲン化試薬と反応させる工程を含む。一実施形態において、ハロゲン化試薬は、過酸化水素/HBr、臭素(Br2)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン,過酸化水素/NaBr、過酸化水素/KBr、過酸化水素/Br2、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、ハロゲン化試薬は過酸化水素/HBrである。一実施形態において、無機塩基は、粉末水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム溶液、粉末酢酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、塩基は存在しない。一実施形態において、反応温度は、約0℃~約40℃の範囲にある。別の実施形態において、反応温度は、約0℃~20℃の範囲にある。反応によって生成する式Iの別個の化合物の相対量は、過酸化水素/HBrの比に従って制御することができる。一実施形態において、臭化水素及び過酸化水素及びピラゾールは、約2当量:2当量:1当量~約10当量:2当量:1当量の範囲の比で存在する。別の実施形態において、臭化水素及び過酸化水素及びピラゾールは、4当量:2当量:1当量の比で存在する。一実施形態において、ハロゲン化試薬は、約1重量部の過酸化水素と約1重量部の臭化水素との混合物である。別の実施形態において、ハロゲン化試薬は、約1重量部の過酸化水素と約2重量部の臭化水素との混合物である。別の実施形態において、ハロゲン化試薬は、約1重量部の過酸化水素と約5重量部の臭化水素との混合物である。
【0176】
一態様において、式IIの化合物は、スキーム12で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化57】
【0177】
この態様は、式Iの少なくとも1つの別個の化合物を還元剤の存在下に溶媒中で脱ハロゲン化試薬と反応させる工程を含む。一実施形態において、溶媒は、水、酢酸、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、及びそれらの組合せから選択される。好ましい実施形態において、溶媒は水である。別の実施形態において、脱ハロゲン化試薬は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAI)、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、脱ハロゲン化試薬はヨウ化カリウムである。一実施形態において、還元剤は、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、還元剤は亜硫酸ナトリウムである。一実施形態において、反応温度は、約100℃~約180℃の範囲にある。別の好ましい実施形態において、反応温度は、約160℃~約180℃の範囲である。
【0178】
一態様において、式II-Aの化合物は、スキーム13で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化58】
【0179】
一実施形態において、式II-Aの化合物は、式IIの金属塩である。一実施形態において、MとNとの間の結合はイオン結合である。一実施形態において、Mは、アルカリ金属及びアルカリン金属から選択される。一実施形態において、Mは、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される、別の実施形態において、Mはナトリウムである。別の実施形態において、Mは、カルシウム及びマグネシウムから選択される。
【0180】
一実施形態において、式II-Aの化合物は、
【化59】
である。
【0181】
この態様は、式Iの少なくとも1つの別個の化合物を還元剤の存在下に溶媒中で脱ハロゲン化試薬と反応させる工程を含む。一実施形態において、溶媒は、水、酢酸、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、及びそれらの組合せから選択される。好ましい実施形態において、溶媒は水である。別の実施形態において、脱ハロゲン化試薬は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAI)、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、脱ハロゲン化試薬はヨウ化カリウムである。一実施形態において、還元剤は、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、還元剤は亜硫酸ナトリウムである。一実施形態において、反応温度は、約100℃~約180℃の範囲にある。別の好ましい実施形態において、反応温度は、約160℃~約180℃の範囲である。
【0182】
一態様において、式IIIの化合物は、スキーム14で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化60】
【0183】
この態様は、式IIの化合物を、無機塩基及び任意選択的に添加物の存在下に溶媒中で式IVの化合物と混合することを含む。一実施形態において、無機塩基は、粉末水酸化ナトリウム、粉末水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム 粉末ナトリウムメトキシド、粉末カリウムt-ブトキシド、及びそれらの組合せから選択される。一実施形態において、溶媒は、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、並びにそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、溶媒はトルエンである。一実施形態において、反応温度は、約100℃~約200℃の範囲にある。別の実施形態において、反応温度は、約130℃~約180℃の範囲にある。別の一実施形態において、温度は、145℃~約160℃である。
【0184】
一態様において、式VIの化合物は、スキーム15で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化61】
【0185】
この態様は、式IIIの化合物を、塩基試薬及び任意選択的に添加物の存在下に溶媒中でCO2と反応させる工程を含む。一実施形態において、塩基試薬は、MeMgCl、iPrMgCl、iPrMgBr、EtMgCl、LDA、nBuLi、iPr2NMgCl、iPr2NMgBr、Et2NMgCl、TMPMgCl、TMPMgCl・LiCl、iPr2NMgCl・LiCl、iPr2NMgBr・LiCl、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、塩基試薬はiPr2NMgClである。一実施形態において、溶媒は、THF、トルエン、1,4-ジオキサン、Me-THF、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、溶媒はTHFである。一実施形態において、反応温度は、約0℃~約60℃の範囲にある。別の実施形態において、温度は、約0℃~約30℃の範囲にある。
【0186】
一態様において、式Vの化合物は、スキーム16で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化62】
【0187】
この態様は、塩基試薬及び任意選択的に添加物の存在下に溶媒中で式IIIの化合物をジメチルカーボネート(DMC)と混合する工程を含む。一実施形態において、塩基試薬は、MeMgCl、iPrMgCl、iPrMgBr、EtMgCl、LDA、nBuLi、iPr2NMgCl、iPr2NMgBr、Et2NMgCl、TMPMgCl、TMPMgCl・LiCl、iPr2NMgCl・LiCl、iPr2NMgBr・LiCl、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、塩基試薬iPr2NMgClである。一実施形態において、溶媒は、THF、トルエン、1,4-ジオキサン、2-Me-THF、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、溶媒はTHFである。一実施形態において、反応温度は、約0℃~約60℃の範囲にある。別の実施形態において、温度は、約0℃~約30℃の範囲にある。
【0188】
一態様において、式VIの化合物は、スキーム17で表される方法に従って調製される。R基は、本開示のどこにでも定義されているとおりである。
【化63】
【0189】
この態様は、式Vの化合物を、水性金属水酸化物溶液と反応させる工程と酸を加える工程とを含む。一実施形態において、金属水酸化物は、アルカリ水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、及びそれらの組合せから選択される。一実施形態において、アルカリ水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び組合せから選択される。一実施形態において、アルカリ土類金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、及びそれらの組合せから選択される。別の実施形態において、金属水酸化物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。一実施形態において、反応温度は、約0℃~約90℃の範囲にある。別の実施形態において、反応温度は、約60℃~約80℃の範囲にある。別の実施形態において、反応温度は、約40℃~約70℃の範囲にある。一実施形態において、酸は、希硫酸、希塩酸、及び希リン酸から選択される。別の実施形態において、酸は希硫酸である。
【実施例】
【0190】
さらなる詳細なしに、先行記載を用いる当業者は、本発明を最大まで利用することができると考えられる。以下の実施例は、それ故、単に例示的なものとして、及びどんなものであれ少しも本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。以下の実施例のための出発原料は、他の実施例においてその手順が記載される特定の調製実験によって必ずしも調製されなくてもよい。本明細書で列挙される任意の数値範囲は、より低い値からより高い値までの全ての値を含むことがまた理解される。例えば、範囲が10~50と述べられる場合、12~30、20~40、又は30~50等などの値がこの明細書において明らかに列挙されていることが意図される。これらは、特に意図されるものの例にすぎず、列挙された最低値及び最高値の間の及びそれらを含む数値の全ての可能な組合せが、この明細書において明らかに述べられていると考えられるべきである。
【0191】
実施例1.ハロゲン化試薬としての過酸化水素/HBr
34グラムのピラゾールを100gの水に溶解させ、337.2gの48%臭化水素溶液と共に反応器に装入した。170gの30%過酸化水素を0℃で2時間にわたって滴加した。反応温度を0~20℃に制御した。反応後に、生成物は、固体として沈澱し、次いで反応混合物を10%亜硫酸ナトリウムでクエンチした。濾過及び乾燥後に、142gの高純度(97%、LC面積)の3,4,-ジブロモ-1H-ピラゾールと3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールとの混合物が得られる(3,4-ジブロモ-1H-ピラゾール対3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールの比=9:1、LC面積)。
【0192】
実施例2.ハロゲン化試薬としての臭素/水酸化ナトリウム
34グラムのピラゾールを水に溶解させ、次いで水酸化ナトリウムを0℃で添加して対応するピラゾールナトリウム塩を得た。次に、239.7gの臭素を2時間にわたって0℃で滴加した。反応温度を20~40℃に制御した。反応後に、生成物は固体として沈澱し、次いで反応混合物を10%亜硫酸ナトリウムでクエンチした。濾過及び乾燥後に、147gの高純度(98%、LC面積)の3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールが得られた。
【0193】
実施例3.脱ハロゲン化試薬としてのヨウ化カリウム/亜硫酸ナトリウム
100グラムの3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールと3,4,-ジブロモ-1H-ピラゾールとの混合物(3,4-ジブロモ-1H-ピラゾール対3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールの比=9:1、LC面積)、500mL水中の111gのNa2SO3を160~180℃で4時間反応させて反応を完了させた。反応の完了後に、反応混合物をメチルイソブチルケトン(MIBK)で抽出し、40~45℃で真空下に濃縮して3-ブロモ-1H-ピラゾールを固体として得た。
【0194】
実施例4.カップリング反応
11.5グラムの3-ブロモ-1H-ピラゾール及び14.7gの40%NaOH溶液を、150~160℃の温度でトルエンの存在下に反応させた。水を、還流温度下に共沸蒸留によって除去して対応する3-ブロモ-1H-ピラゾールナトリウム塩をもたした。次いで、トルエン及び13.5gの2,3-ジクロロピリジンを添加し、混合物を150~160℃で反応させた。反応後に、反応混合物を水でクエンチし、有機層を分離した。有機層を次いで水で洗浄し、40~45℃で真空下に濃縮して2-(3-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-クロロピリジンを固体として得た。
【0195】
実施例5.グリニャール試薬の存在下での反応
32グラムの2-(3-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-クロロピリジンをTHFに溶解させ、次いでiPr2NMgCl(その場MeMgCl及びiPr2NH)を0℃で添加して対応する2-(3-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-クロロピリジンマグネシウム塩をもたらした。2.5時間後に、52.0gのDMCを6時間にわたって室温で滴加した。反応温度を20~40℃に制御した。反応後に、THF及びDMCを減圧下で留去し、次いで反応混合物を水でクエンチした。次に、トルエンを添加した。分離及び濃縮後に、36.7gの高純度(90%、LC面積)の3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチルが得られた。
【0196】
実施例6.加水分解
90gのトルエン中の30グラムの3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル及び苛性ソーダ溶液を85℃でフラスコに装入した。混合物を2時間80~85℃に保って反応を完了させた。水相をトルエンで2回洗浄した。希H2SO4を使用してpHを約1に調整した。濾過及び乾燥後に、26.5g(97%、LC面積)の5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸が得られた。
【0197】
実施例7.カルボキシル化
32グラムの2-(3-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-クロロピリジンをTHFに溶解させ、次いで、MeMgCl及びiPr2NHを別々に添加することによってその場で得られた、iPr2NMgClを0℃で添加して対応する2-(3-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-クロロピリジンマグネシウム塩をもたらした。2.5時間後に、CO2ガスを1時間にわたって室温で添加した。反応温度を20~40℃に制御した。反応後に、THFを減圧下で留去し、次いで反応混合物を水でクエンチした。次に、トルエンを添加した。分離及び濃縮後に、30.0gの高純度(95%、LC面積)の5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸が得られた。
【0198】
この明細書は、最良の形態を含めて、本開示を例示するために、及びまた、あらゆる当業者が、任意のデバイス又はシステムを作製する及び使用すること並びに任意の組み込まれた方法を行うことを含めて、本開示を実践することを可能にするために、実施例を用いる。本開示の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く他の例を包含し得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の文字言語とは異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文字言語からの相違が実質的ではない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【国際調査報告】