(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】網膜電図を実施するためのデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20221208BHJP
A61B 5/398 20210101ALI20221208BHJP
A61B 5/297 20210101ALI20221208BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20221208BHJP
【FI】
A61B3/10 800
A61B5/398
A61B5/297
A61B5/256 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521282
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 US2020054781
(87)【国際公開番号】W WO2021072073
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518399047
【氏名又は名称】ユナイテッド ステイツ ガバメント アズ リプレゼンテッド バイ ザ デパートメント オブ ベテランズ アフェアーズ
【氏名又は名称原語表記】UNITED STATES GOVERNMENT AS REPRESENTED BY THE DEPARTMENT OF VETERANS AFFAIRS
(71)【出願人】
【識別番号】519326839
【氏名又は名称】ジョージア テック リサーチ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】チェスラー カイル
(72)【発明者】
【氏名】モッツ カーラ
(72)【発明者】
【氏名】パルデュー マシェレ ティー
【テーマコード(参考)】
4C127
4C316
【Fターム(参考)】
4C127AA01
4C127DD01
4C127LL13
4C316AB13
4C316FA04
4C316FC04
4C316FY02
4C316FY08
4C316FZ03
(57)【要約】
装着者に網膜電図検査を施行するためのウェアラブルデバイスは、第1および第2の区画を画定するハウジングを有することができる。第1および第2の区画の各々は、刺激光源と、焦点光源と、装着者の皮膚と係合するように構成されている活性電極と、活性電極から離間されており、装着者の皮膚と係合するように構成されている基準電極と、を備えることができる。プロセッサは、ハウジングの第1および第2の区画の各々の刺激光源、活性電極、ならびに基準電極に通信可能に結合され得る。メモリは、プロセッサと通信することができる。デバイスは、第1の区画の刺激光源をフラッシュさせることと、第1の区画の活性電極からの信号を記憶することと、を含む方法を実施することができる。ハウジングは、接地電極をさらに備えることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスの装着者に網膜電図検査を施行するためのウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスが、
横軸に対して離間された第1の側面および第2の側面を有するハウジングであって、前記ハウジングが、前記横軸に沿って位置付けられた第1および第2の区画を画定し、かつ接地電極を有し、前記第1および第2の区画の各々が、前記装着者のそれぞれの眼の上に位置付けられるように構成されており、
刺激光源と、
焦点光源であって、前記焦点光源が、前記網膜電図検査の施行中に前記装着者の前記それぞれの眼が焦点を合わせられる場所に位置付けられている、焦点光源と、
前記装着者の皮膚と係合するように構成されている、活性電極と、
前記活性電極から離間されており、前記装着者の皮膚と係合するように構成されている、基準電極と、を備える、ハウジングと、
前記ハウジングの前記第1および第2の区画の各々の前記刺激光源、前記活性電極、ならびに前記基準電極に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記プロセッサと通信するメモリであって、前記メモリが、命令を含み、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記ウェアラブルデバイスに、
前記第1の区画の前記刺激光源をフラッシュさせることと、
前記第1の区画の前記活性電極からの信号を記憶することと、を実施させる、メモリと、を備える、ウェアラブルデバイス。
【請求項2】
前記メモリが、命令を含み、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに前記信号の少なくとも1つの特徴を検出させる、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記メモリが、命令を含み、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記刺激光源の前記フラッシュと前記信号の少なくとも1つの特徴との間の時間遅延を判定させる、請求項2に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2の区画の前記刺激光源が、装着者の各眼の視野全体を均一に照射するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記第1および第2の区画の前記刺激光源が、単一のフラッシュ強度を有する薄暗いフラッシュを提供するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記第1および第2の区画の前記刺激光源が、変化する強度の複数のフラッシュを提供するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
前記ウェアラブルデバイスが、前記ハウジングの前記第1の側面に取り付けられた第1の端部と、前記ハウジングの前記第2の側面に取り付けられた第2の端部と、を有する、ヘッドストラップをさらに備える、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記装着者の顔に適合するように構成されている可撓性リムを備える、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記装着者の眼への実質的にすべての周囲光を遮断するように構成されている、請求項8に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
前記第1および第2の区画の前記活性電極および前記基準電極、ならびに前記接地電極が、前記可撓性リム内に埋め込まれている、請求項8に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項11】
前記第1の区画の前記活性電極が、前記装着者の前記それぞれの眼の下で前記装着者の皮膚と係合するように位置付けられている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項12】
前記接地電極が、前記装着者の額の皮膚または眉の皮膚のうちの少なくとも1つと係合するように位置付けられている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項13】
前記第1の区画の前記基準電極が、前記第1の区画の前記活性電極よりも、前記横軸に垂直であり、かつ前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記ハウジングを二分する平面からさらに離間されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項14】
出力デバイスをさらに備え、前記出力デバイスが、ケーブル、無線送信機、またはI/Oポートである、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項15】
前記ハウジングが、前記装着者の鼻の形状に適合するように構成されている、前記第1および第2の区画間のスロットを画定する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項16】
前記第1および第2の区画の前記焦点光源間の間隔が、固定されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項17】
前記第1および第2の区画の前記焦点光源間の間隔が、選択的に調整可能である、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項18】
前記第1および第2の区画の各々が、
前記装着者のそれぞれの眼の周りに円周方向に延在し、前記それぞれの眼から遠位方向に離れて突出する、周辺内壁と、
前記周辺内壁の遠位端間に延在して、前記装着者の前記眼によって見える空間を囲む遠位壁と、を備え、
前記刺激光源および焦点光源が、前記遠位壁に固定されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイスを使用する方法であって、
前記ウェアラブルデバイスを装着者の眼の上に位置付けることと、
前記ウェアラブルデバイスに網膜電図試験を実施させる前記メモリ内の命令を実行することと、
前記ウェアラブルデバイスから出力を受信することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記ウェアラブルデバイスに網膜電図試験を実施させる前記メモリ内の命令を実行することが、前記装着者の各眼に同時に網膜電図試験を実施することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
患者が糖尿病性網膜症を有するかどうかを判定するために、前記ウェアラブルデバイスからの前記出力を分析することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記命令が、少なくとも5分の順化期間の後に実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
デバイスの装着者に網膜電図検査を施行するためのウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスが、
横軸に対して離間された第1の側面および第2の側面を有するハウジングであって、前記ハウジングが、前記横軸に沿って位置付けられた第1および第2の区画を画定し、前記第1および第2の区画の各々が、前記装着者のそれぞれの眼の上に位置付けられるように構成されており、
刺激光源と、
焦点光源であって、前記焦点光源が、前記網膜電図検査の施行中に前記装着者の前記それぞれの眼が焦点を合わせられる場所に位置付けられている、焦点光源と、
前記装着者の皮膚と係合するように構成されている、活性電極と、
前記活性電極から離間されており、前記装着者の皮膚と係合するように構成されている、基準電極と、を備える、ハウジング、を備え、
前記ハウジングが、前記装着者の前記眼から実質的にすべての周囲光を遮断するように構成されている、ウェアラブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月9日に出願された米国仮特許出願第62/912,920号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、網膜疾患の試験のためのシステム、デバイス、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病性網膜症(DR)は、生産年齢の成人における失明の主要な原因である。眼底写真は、DRを診断するための従来の方法である。しかしながら、眼底写真でDRが明らかになった時点で、不可逆的な損傷と視力喪失とがすでに発生している。網膜電図(ERG)は、網膜の機能を記録するための強力なツールであり、網膜疾患を診断または監視するために眼科クリニックで使用されている。桿体駆動経路の欠陥を探測することによって、視力を脅かす損傷が存在する前の初期段階でERGを使用してDRをスクリーニングすることができる。網膜疾患を診断するためのスクリーニングデバイスとしてのERGの有用性は、以下の理由で妨げられている。(a)異なる網膜細胞タイプを探測するために必要な、暗い部屋での患者の眼の長期間の暗順応の必要性、(b)ERGシステムのサイズ/フットプリント、および(c)結果を解釈するために必要な専門知識。これらの特性は、プライマリケア設定でのERGの使用を制限している。
【0004】
ERGは伝統的にガンツフェルトドームを備えたデスクトップシステムを使用して実施され、患者はその中に顔を配置して両眼に均一なフラッシュ刺激を受ける。典型的な臨床ERGは、視覚における国際臨床電気生理学学会(ISCEV)によって刊行された基準に従い、ISCEVは、桿体光受容体を主体とする網膜応答を効率的に探測する試験フラッシュを提示する前に、瞳孔の拡張とそれに続く20分間の暗順応、および錐体光受容体応答を単離するための10分間の明順応を推奨する。ERGフラッシュ刺激への応答は、眼の下に配置された角膜または皮膚電極に触れるコンタクトレンズまたはファイバー電極を使用して記録することができる。記録された応答は、診断に関連する情報を生成するために、その専門家による分析を必要とする。ERGの最近の進歩には、より携帯性が高く、クリニックの外で使用できる可能性のある手持ち式ERGシステムが含まれている。最新の試験デバイスの1つは、LKC Technology,Inc.によって開発されたRETevalである。RETevalは、網膜機能を評価するために使用される手持ち式ポータブルERGシステムである。瞳孔径を拡大するための拡張液滴の必要性を排除する瞳孔トラッカーが含まれている。RETevalは、臨床および前臨床眼科学研究で使用されている。例えば、RETevalは、非侵襲性皮膚電極と、眼底検査を使用する現在のDR法と同様またはより優れた感度を有するポータブルな手持ち式ERGシステムとを使用して糖尿病性網膜症を正確にスクリーニングし、デスクトップERGモデルと同様の信頼性で薬物毒性を検出することが示されている。
【0005】
しかしながら、RETevalデバイスは、制限事項を有する。RETevalは、一度に片眼を調べることに限定されていて、両眼の網膜機能を評価するのに必要な貴重な診療時間を2倍にする。標準的なERGデバイスまたはRETevalを使用する場合、試験の前に患者を暗順応させるために、暗い部屋で暗順応ステップが実行されなければならない。暗順応期間のために回転式暗室扉を備えた指定された部屋を有するクリニックはほとんどないため、検査を実施する臨床医または技師もまた、眼の中に電極を配置するなど、暗闇の中で高度の器用さが求められる作業をしなければならない。
【0006】
RETevalによって取得されたERGは、記録から有意義な診断情報を引き出すために、結果の専門家による分析および解釈を必要とする。これには、忙しいクリニックで分析のために貴重な時間を割ける高度な訓練を受けた専門家が必要である。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に記載されるのは、デバイスの装着者に網膜電図検査を施行するためのウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスは、横軸に対して離間された第1の側面および第2の側面を有するハウジングを備えることができる。ハウジングは、横軸に沿って位置付けられた第1および第2の区画を画定することができ、第1および第2の区画の各々は、装着者のそれぞれの眼の上に位置付けられるように構成されている。第1および第2の区画の各々は、刺激光源と、焦点光源であって、焦点光源は装着者のそれぞれの眼が網膜電図検査の施行中に焦点を合わせられる場所に位置付けられる、焦点光源と、装着者の皮膚と係合するように構成されている活性電極と、活性電極から離間されており、装着者の皮膚と係合するように構成されている基準電極と、を備えることができる。少なくとも1つのプロセッサが、ハウジングの第1および第2の区画の各々の刺激光源、活性電極、ならびに基準電極に通信可能に結合され得る。メモリが、プロセッサと通信することができ、メモリは、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されるとき、第1の区画の刺激光源をフラッシュさせることと、第1の区画の活性電極からの信号を記憶することと、を含む方法を実施する。ハウジングは、接地電極をさらに備えることができる。
【0008】
メモリは、命令を含むことができ、命令はプロセッサによって実行されるとき、信号の少なくとも1つの特徴を検出するステップを実施する。
【0009】
メモリは、命令を含むことができ、命令は、プロセッサによって実行されるとき、刺激光源のフラッシュと信号の少なくとも1つの特徴の時間との間の時間遅延を判定するステップを実施する。
【0010】
第1および第2の区画の刺激光源は、装着者の各眼の視野全体を均一に照射するように構成され得る。
【0011】
第1および第2の区画の刺激光源は、単一のフラッシュ強度を有する薄暗いフラッシュを提供するように構成され得る。
【0012】
第1および第2の区画の刺激光源は、変化する強度の複数のフラッシュを提供するように構成され得る。
【0013】
ウェアラブルデバイスは、ハウジングの第1の側面に取り付けられた第1の端部と、ハウジングの第2の側面に取り付けられた第2の端部と、を有する、ヘッドストラップをさらに備えることができる。
【0014】
ハウジングは、装着者の顔に適合するように構成されている可撓性リムを備えることができる。
【0015】
ハウジングは、装着者の眼への実質的にすべての周囲光を遮断するように構成することができる。
【0016】
第1および第2の区画の活性電極および基準電極、ならびに接地電極は、リム内に埋め込むことができる。
【0017】
第1の区画の活性電極は、装着者のそれぞれの眼の下で装着者の皮膚と係合するように位置付けることができる。
【0018】
接地電極は、装着者の額の皮膚または眉の皮膚のうちの少なくとも1つと係合するように位置付けることができる。
【0019】
第1の区画の基準電極は、第1の区画の活性電極よりも、横軸に垂直であり、かつ第1の側面と第2の側面との間でハウジングを二分する平面からさらに離間することができる。
【0020】
ウェアラブルデバイスは、出力デバイスをさらに備えることができ、出力デバイスは、ケーブル、無線送信機、およびI/Oポートのうちの1つである。
【0021】
ハウジングは、装着者の鼻の形状に適合するように構成されている、第1および第2の区画間にスロットを画定することができる。
【0022】
第1および第2の区画の焦点光源間の間隔は、固定することができる。
【0023】
第1および第2の区画の焦点光源間の間隔は、選択的に調整可能であり得る。
【0024】
第1および第2の区画の各々は、装着者のそれぞれの眼の周りに円周方向に延在する周辺内壁と、周辺内壁の遠位表面間に延在して、装着者の眼によって見える空間を囲む遠位壁と、を備えることができ、刺激光源および焦点光源は、遠位壁に固定される。
【0025】
ウェアラブルデバイスを使用する方法は、ウェアラブルデバイスを装着者の眼の上に位置付けることと、ウェアラブルデバイスに網膜電図試験を実施させる、メモリ内の命令を実行することと、ウェアラブルデバイスから出力を受信することと、を含み得る。
【0026】
ウェアラブルデバイスに網膜電図試験を実施させる、メモリ内の命令を実行することは、装着者の各眼に同時に網膜電図試験を実施することを含むことができる。
【0027】
方法は、患者が糖尿病性網膜症を有するかどうかを判定するために、ウェアラブルデバイスからの出力を分析することをさらに含むことができる。
【0028】
命令は、少なくとも5分の順化期間の後に実行され得る。
【0029】
本発明のこれらおよび他の態様は、添付の図面を参照する詳細な説明においてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本明細書に開示される実施形態によるウェアラブルデバイスの正面斜視図である。
【
図2】
図1のウェアラブルデバイスの背面図である。
【
図3】
図1のウェアラブルデバイスの概略図である。
【
図4】ウェアラブルデバイスからデータを受信および/または処理するためのコンピューティングデバイスである。
【
図5】
図1のウェアラブルデバイスで収集された生データを示すグラフである。
【
図6】フィルタリングされた後の
図5のデータを示すグラフである。
【
図8】健康な網膜および不健康な網膜のデータを示すプロットである。
【
図9】本明細書で開示される実施形態によるウェアラブルデバイスの背面図であり、装着者の眼の場所が概略的に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、以下の詳細な説明、実施例、図面、および特許請求の範囲、ならびにそれらの前後の説明を参照することによって、より容易に理解することができる。しかしながら、本デバイス、システム、および/または方法を開示および説明する前に、本発明が、別段の指定がない限り、開示される特定のデバイス、システム、および/または方法に限定されず、そのため、もちろん、変化することができることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0032】
本発明の以下の説明は、その最良の、現在知られている実施形態における本発明の教示を可能にするものとして提供される。この目的のために、当業者は、本発明の有益な結果を依然として得ながら、本明細書に記載の本発明の様々な態様に多くの変更を行うことができることを認識し、理解するであろう。また、本発明の所望の利点のうちのいくつかは、他の特徴を利用することなく、本発明の特徴のいくつかを選択することによって得ることができることも明らかであろう。したがって、当業者は、本発明に対する多くの修正および適応が可能であり、特定の状況では望ましいことさえあり得、本発明の一部であることを認識するであろう。したがって、以下の説明は、本発明の原理の例示として提供され、それに限定されない。
【0033】
全体を通して使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数指示対象を含む。したがって、例えば、「電極(an electrode)」への参照は、文脈が別様に示さない限り、2つ以上のそのような電極を含むことができる。
【0034】
範囲は、本明細書において、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表すことができる。そのような範囲が表される場合、別の態様は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」の使用により近似として表される場合、特定の値は別の態様を形成することが理解される。範囲の各々のエンドポイントは、他のエンドポイントとの関係で、および他のエンドポイントとは独立して、の両方で有意であることがさらに理解されよう。任意選択的に、いくつかの態様では、値が先行詞「ほぼ」、「約」、「概して」、または「実質的に」の使用により近似される場合、特に記述された値または特徴の最大15%、最大10%、最大5%、または最大1%(上回るまたは下回る)内の値をそれらの態様の範囲内に含めることができることが企図されている。
【0035】
本明細書で使用されるとき、「任意選択的な」または「任意選択的に」という用語は、続いて記載される事象または状況が発生する場合と発生しない場合とがあることを意味し、記載には、その事象または状況が発生する場合と発生しない場合とが含まれることを意味する。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「通信可能に結合された」という用語は、2つの構成要素が、直接/ケーブル接続、Wi-Fi(登録商標)接続、Bluetooth(登録商標)接続、無線周波数(RF)通信プロトコル、などを含むが、これらに限定されない、任意の従来の有線または無線通信プロトコルを使用して互いに通信することができる状態を指す。
【0037】
本明細書で使用されるとき、単語「または」は、特定のリストの任意の1つのメンバーを意味し、文脈から別途明確でない限り、そのリストのメンバーの任意の組み合わせも含む。
【0038】
図1~
図4および
図9を参照して、糖尿病性網膜症(DR)などの網膜疾患を診断するためのシステムおよび方法について本明細書で説明する。一態様によれば、ウェアラブルで非侵襲的な診断システムは、ERGを使用してDRを検出することができる。システムは、一対のゴーグル(または他の好適なアイカバー)としてウェアラブルであるコンパクトなデバイスを含むことができる。デバイスは、少なくとも1つの電極(任意選択的に、複数の電極)を含むことができる。電極は、グーグルのリム内に配設することができ、眼の周囲の皮膚との接触を介して眼の電気的機能を示す電気信号を受信および記録するように構成されている。
【0039】
システムは両眼を完全に覆うことができ、それにより、暗順応が様々な設定(例えば、明るい部屋または部分的に明るい部屋)の下で制御された様態で起こり、部屋が照明されたままであっても、技師が作業し、試験を行うことを可能にし得る。したがって、従来のERGシステムとは対照的に、本明細書に開示されるシステム、デバイス、および方法は、暗い部屋を必要とせずに使用され得ることが企図されている。いくつかの態様によれば、システムは、所定の薄暗いフラッシュ(例えば、単一の期間または間隔の点滅)を使用してDRをスクリーニングして、DRで影響を受けている桿体駆動経路を探測することができ、従来のERGシステムによって採用されている長い多段階のフラッシュプロトコルを不要にする。これらの態様では、開示されたシステムのフラッシュ伝達は、単一の間隔または期間の刺激からなり得ることが企図されている。さらなる態様では、システムは、記録を自動的に処理および分析して、診断情報を提供することができる。開示されたシステムは、プライマリケアまたは眼科クリニックにおけるDRのための標準的な、ルーチンスクリーニングデバイスとしてのERGの使用を妨げる、臨床ERGの現在の欠点を矯正することができる。
【0040】
本明細書に開示される実施形態による網膜電図システムは、第1の側面14(装着者の視点からデバイスの左側として
図2に示されている)および第2の側面16(装着者の視点からデバイスの右側として
図2に示されている)を有するハウジング12を備えるウェアラブルデバイス10を備えることができる。第1の側面14および第2の側面16は、横軸18に対して離間することができる。ハウジング12は、第1の側面14上の第1の区画20および第2の側面16上の第2の区画22を画定することができる。第1および第2の区画は、装着者のそれぞれの眼の上に位置付けるためにサイズおよび間隔を設定することができる。例えば、いくつかの態様によれば、第1および第2の区画の中心間の距離は、ほぼ成人の眼の間の平均瞳孔間距離(PD)とすることができる。これらの態様では、第1および第2の区画の中心間の距離は、約58mm~約68mmの範囲であり得ることが企図されている。各区画は、(動作/使用位置にあるときに)装着者のそれぞれの眼の周りに円周方向に延在し、かつ遠位方向に外向きに(眼から離れて)突出する、周辺内壁24を備えることができる。遠位壁26は、デバイスが動作/使用位置にあるときに、装着者のそれぞれの眼が遠位壁26に面するように、周辺内壁24の遠位端(例えば、遠位縁または表面)の間に延在することができる。内周壁24および遠位壁26は、装着者の眼によって見える空間を囲むように協働することができる。区画の別個のセクションを形成するものとして上述したが、周辺内壁24および遠位壁26は、2つの壁の間に定義された分離を含まない丸い区画プロファイルを画定するように協働することができることが企図されている。
【0041】
各区画は、刺激光源30および焦点光源32を備えることができる。いくつかの任意選択的な態様では、焦点光源32は赤色光を放出することができる。さらなる任意選択的な態様では、刺激光源30は、白色光(例えば、白色光からなる光伝達)を放出することができる。任意選択的に、刺激光源30および焦点光源32は、それぞれの区画20、22の遠位壁26に固定することができる。任意選択的に、ハウジングは、それぞれの刺激光源30および/または焦点光源32が埋め込まれ得る各区画内にそれぞれのスロットを画定することができる。ハウジング12は、各刺激光源30と協働して、装着者の各眼の上にガンツフェルトドームを生成することができる。すなわち、刺激光源30は、装着者の各眼の視野全体を均一に、または実質的に均一に照射するように構成することができる。これは、十分な深さを有するハウジングと、それぞれの区画、または光を均等に拡散するプラスチック内で光を反射するガンツフェルトペイント(例えば、艶消しペイント)を含むか、またはそれで覆われている区画とで達成することができる。任意選択的に、刺激光源30は、本明細書に開示されるような拡散光源を生み出すように構成されているフィルタを備えることができる。例示的な態様では、刺激光源30の色は制御されない。焦点光源32は、任意選択的に、刺激光源30がフラッシュを生成するときに、フラッシュがそれぞれの区画の壁で跳ね返り、装着者のそれぞれの眼の網膜に均等に分散することができるように、それらのそれぞれの区画の中心に置くことができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の区画20、22の焦点光源32の間の間隔は、固定することができる。他の実施形態では、第1および第2の区画20、22の焦点光源32の間の間隔は、調整可能であり得る。例えば、各区画は、各焦点光源32の位置の調整を可能にするそれぞれのトラックまたは一連の取り付け場所を含み得ることが企図されている。任意選択的に、第1および第2の区画間の間隔自体が調整可能であり得る。例えば、デバイスは、2つの区画間の間隔の選択的な調整を可能にするノーズブリッジを備えることができる(他のタイプのゴーグルで知られているように)。この例では、区画は、ノーズブリッジによって一緒に結合される別個の構成要素として形成され得ることが企図されている。
【0042】
ハウジングは、各区画の周辺の周りに延在することができるリム40を備えることができる。任意選択的に、リム40は、装着者の顔に弾性的に適合するように構成され得る可撓性ポリマー(例えば、シリコーンまたはゴム)を含むことができ、それにより、ハウジングは、ほとんど、実質的にすべて、またはすべての周囲光が装着者の視野に入るのを遮断する。このようにして、デバイスは、照明されたまたは部分的に照明された部屋で使用することができ、それにより、医療専門家がセットアップおよび検査中に見ることを可能にし、一方で、装着者の眼が暗順応するのを可能にする。リム40は、アルコールプレップパッドで消毒することができる材料を含むことができる。リム40は、衛生または交換のために取り外し可能であり得る。バンド42(任意選択的に、弾性バンド)は、第1の端部でハウジングの第1の側面に、および第2の端部でハウジングの第2の側面に取り付けることができる。バンド42は、装着者の頭部の周りに延在して、デバイス10を装着者に固定することができる。バンド42は、任意選択的に、快適なフィットを提供し、さらにリム40を装着者の顔に適合させる圧力でハウジング12を装着者の顔に適用して周囲光を十分に遮断するために、既知の手段(例えば、バックル、スリップロック、および他の調整要素)を介して調整可能であり得る。バンド42は、洗浄または交換のためにバンドを取り外すことを可能にするためにスナップクロージャーを介してハウジングに取り付けることができる。ハウジングは、第1および第2の区画20、22間にスロット46を画定することができ、スロット46は、装着者の鼻の形状に適合するか、実質的に適合するか、またはそれに相補的であるように構成される。
【0043】
活性電極50および基準電極52は、第1の区画20および第2の区画22の各々においてリム内に配設することができる。任意選択的に、活性電極および基準電極52は、装着者の眼の直下の皮膚と係合するようにリム内に配設することができる。活性電極50は、それぞれの基準電極52から離間することができる。基準電極52は、それぞれの活性電極50よりも眼から遠くに離間することができる。任意選択的に、活性電極50は、横軸18に対してそれぞれの基準電極52の内側に(すなわち、対側眼のための区画により近く)離間され得る。すなわち、各区画の基準電極52は、それぞれの区画の活性電極50よりも、横軸18に垂直であり、かつ第1の側面と第2の側面との間でハウジングを二分する平面36からさらに離間することができる。接地電極54は、ハウジング12のリム40内に配設することができる。任意選択的に、接地電極54は、装着者の眉の皮膚または額の皮膚と係合するようにリム40内に位置付けることができる。任意選択的に、接地電極54は、接地電極54が基準平面36と交差するように、横軸18に沿ってほぼ中央に位置決めされ得ることが企図されている。したがって、
図2に示すように、接地電極54は、リム40の上部(装着者の眼の上)に配設され得、一方、各区画の活性および基準電極50、52は、リムの下部(装着者の眼の下)に配設されることが企図されている。
【0044】
例示的な態様では、リムは、対応する活性、基準、または接地電極の少なくとも一部分を受容するそれぞれのレセプタクルを画定することができ、各レセプタクルは、電極と装着者の皮膚との間の直接接触を可能にする開口部を画定する。追加的または代替的に、リムは、複数の活性、基準、または接地電極を受容する少なくとも1つのレセプタクルを画定することができる。任意選択的に、電極は、各レセプタクル内に接着剤で固定することができる。代替的に、電極は、各レセプタクル内に機械的に保持することができる(例えば、電極の上に延在するリムの部分によって少なくとも部分的に)。なおさらなる態様では、さらなる態様において、ウェアラブルデバイス10のリムおよびハウジングが協働して、リム内に提供された様々な電極に電気的に接続される任意の回路構成要素を収容する構造を画定することができることが企図されている。
【0045】
また、
図9を参照すると、眼の場所90に関して示されるように、活性電極50は、装着者のそれぞれの眼からの距離を最小にするように、リム内に配置することができる。活性電極50は、皮膚-電極接触表面積を最大化するのを助けるために、水平な細長いプロファイルを有することができる。例示的な態様では、活性電極50は、対応する基準電極よりも長くすることができる(横軸18に対して測定される)。基準電極52は、眼の下にあり、それぞれの活性電極よりもゴーグルのそれぞれの側面により近く離間することができる。接地電極54は、ゴーグル-皮膚界面の上部にあり、下部額の中心に接触するように構成することができる。電極は、箔のように、平らで薄い金属シートにすることができる。電極は、任意選択的に可撓性にすることができる。電極の縁部は、装着者に鋭利な縁部が露出しないように、リムによって覆うことができる。電極は、装着者の皮膚との接触を容易にするために、リムから装着者に向かって約0.1mm~約1mm(任意選択的に、約0.5mm)だけ突起することができる。任意選択的に、例示的な態様では、活性および基準電極50、52の全体的な構成および配置は、第1および第2の区画間でゴーグルを二分する平面に対して対称であるか、または概して対称であり得ることが企図されている。
【0046】
デバイス10は、第1および第2の区画の各々の刺激光源30、活性電極50、および基準電極52、ならびに接地電極54、および、任意選択的に、各区画の焦点光源32に通信可能に結合されたプロセッサ60(または複数のプロセッサ)を備えることができる。メモリ62は、プロセッサ60と通信することができる。メモリ62は、少なくとも1つの眼にERG試験を実施するための命令を含むことができる。例えば、命令は、第1の区画の刺激光をフラッシュさせ、次いで、デバイス10に、第1の区画の活性電極から受信した1つ以上の信号を記憶させることができる。メモリ62は、任意選択的に、対側眼にERG試験を同時に実施するための命令を提供することができる。例えば、命令は、第2の区画の刺激光をフラッシュさせ、次いで、デバイスに、第2の区画の活性電極から受信した1つ以上の信号を記憶させることができる。理解されるように、(両眼に)試験を同時に実施することは、刺激光の同時点滅に限定されるべきではないが、いくつかの実施形態では、同時点滅を使用することができる。しかしながら、さらなる実施形態では、同時試験は、デバイス10が、第1の区画を用いて装着者の第1の眼に一連のERG試験を実施し、一方、同じ期間中に、第2の区画を用いて装着者の第2の眼に一連のERG試験を実施することを単に指すことができる。
【0047】
デバイス10は、薄暗いフラッシュ試験を含むERG試験を実施するように構成することができる。いくつかの実施形態では、フラッシュ持続時間は、0.5ミリ秒未満であり得る。いくつかの実施形態では、ERG試験は、1つの単一の強度のみのフラッシュを含むことができる。このようにして、デバイス10は、1つのタイプのスクリーニングのために構成することができる。さらなる実施形態では、試験は、複数のフラッシュ強度を含むことができる。これらの実施形態では、複数のフラッシュ強度が、所望のシーケンスまたはパターンで送達され得ることが企図されている。例示的な態様では、フラッシュ試験は、フラッシュの単一のシーケンスまたはパターンからなることができる。
【0048】
デバイス10は、例えば、デスクトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなどのリモートコンピューティングデバイス1001と通信することができる。例えば、デバイス10は、ケーブル、I/Oポート、または無線送信機などの出力デバイス64を介して通信することができる。デバイス10およびリモートコンピューティングデバイス1001は、RS-232、Wi-Fi、RF、およびBluetoothを含むがこれらに限定されない任意のプロトコルを介して通信することができる。
【0049】
ERG試験からのデータは、例えば、装着者が糖尿病性網膜症を有するかどうかを判定するためにさらに処理することができる。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス1001は、データ処理を実施することができる。任意選択的に、さらなる実施形態では、プロセッサ60は、データ処理の少なくとも一部(または、任意選択的にすべて)を実施するように構成され得る。例えば、プロセッサは、糖尿病性網膜症に関連付けられた早期網膜機能障害を診断するために使用され得る抽象的な波形特徴を抽出することができる。
図5~
図8を参照すると、アルゴリズムは、生データからa波の陰性時間を抽出することができる。生データは、時間の関数として電極によって測定された電位(マイクロボルトの)を含むことができる。陰性時間は、フラッシュ刺激の開始から波形特徴(a波、b波、または律動様小波など)までの期間を示すことができる。そのような波形特徴は、任意選択的に、生データ(またはローパスフィルタによってフィルタリングされた生データ)の極大値および極小値であり得、当該最大値および最小値を見つけるソフトウェアを介して抽出され得る。例えば、ソフトウェアは、生データ(またはフィルタリングされた生データ)の一次導関数、または生データ(またはフィルタリングされた生データ)を通る曲線を見つけることができ、一次導関数が正から負に変化する電位波形特徴を判定することができる。潜在的な波形特徴のピークは、それらのそれぞれの振幅および幅に基づいて、潜在的な波形特徴が波形特徴であるかノイズであるかを判定するために、閾値と比較され得る。さらなる態様では、検索アルゴリズムが、最大または最小のデータ値を検索して、当該極大値および極小値を見つけることができる。
【0050】
任意選択的に、信号平滑化および/またはバンドパスフィルタを使用して、データ処理のために生データのノイズを低減するか、または生データからの特徴を強化することができる。例えば、
図6に示すように、データを、1つ以上のデジタルバンドパスフィルタに通過させて、律動様小波(OP)波形を分離し、出力することができる。
【0051】
図7を参照すると、陰性時間およびOP波形は、アルゴリズムの第2の層に入力することができる。a波陰性時間の関数および1つ以上の波形特性(例えば、波形特徴の高さ、プロミネンス、および幅)に基づいて、例えば、OPなどの追加の波形特徴を識別することができる。a波陰性時間は、OPの検索を開始するための基礎として使用することができる。例えば、検索アルゴリズムは、波形特徴がa波陰性時間の前にはあり得ないため、a波陰性時間の後にOPの検索を開始することができる。上記に開示したように、(生のまたはフィルタリングされた)データの一次導関数を検索して、データの極小値および極大値を見つけることができる。最大値および最小値を、絶対および相対の振幅および幅の閾値と比較して、ノイズによって引き起こされた極大値および極小値から波形特徴(例えば、OP)を抽出することができる。
【0052】
刺激フラッシュから波形特徴までの時間遅延は、網膜が健康であるか不健康であるかを示すことができる。例えば、
図8は、糖尿病の患者および糖尿病でない患者のERG律動様小波波形の遅延を図示しているが、眼底に網膜症の兆候はない。
図8に示されるデータの患者は、同年齢であり、眼疾患の兆候はなかった。任意選択的に、特定の波形特徴に関連付けられた時間遅延は、(健康な患者と不健康な患者の両方に関連付けられた記録された時間遅延に対応する)基準値と自動的に比較されて、患者の網膜が健康であるか、または病気(例えば、DR)に罹患しているかを判定することができ、デバイスは、バイナリ(例えば、陽性/陰性)診断を出力することができる。これらの任意選択的な態様では、基準値は、メモリに(任意選択的に、データベースとして)記憶され、比較を実施するためにプロセッサによって検索され得ることが企図されている。さらなる実施形態では、データは、医療専門家がレビューするために(例えば、リモートコンピューティングデバイスの)モニタに出力することができる。例えば、波形特徴の時間遅延は、専門家に提供することができ、専門家は診断を与えることができる。いくつかの実施形態では、履歴データとの比較が患者の網膜の健康の明確な指標を生成しない場合、デバイスは、非決定的な診断を提供することができることが企図されている。さらなる態様によれば、デバイス10によって収集されたデータは、任意選択的に、本明細書に記載されるものと同様のデータ捕捉および分析方法を使用して、薬物毒性を試験するために使用され得る。
【0053】
デバイス10を使用するために、医療専門家または装着者は、デバイスを装着者の眼の上に位置付けることができる。バンド42は、実質的にすべての周囲光が装着者の眼に到達するのを遮断しながら、デバイスが快適になるまで調整することができる。装着者は、装着者の眼が暗闇に順応するまでの順化期間を待つことができる。順化期間は、少なくとも5分、少なくとも10分、少なくとも20分、またはそれ以上であり得る。次に、専門家は、デバイス10に、試験を開始するためにメモリ62内の命令を実行させることができる。さらなる実施形態では、順化期間は、命令の一部であり得、命令は、順化を可能にするための遅延期間を含み、デバイスは、順化期間が過ぎるまで試験を開始しない。任意選択的に、デバイスは、両眼に同時に網膜電図試験を実施することができる。代替的に、デバイスは、装着者の眼からデバイスを取り外すことなく、各眼に順次網膜電図試験を実施することができる。デバイス10、リモートコンピューティングデバイス1001、または医療専門家は、次いで、試験によって収集されたデータを分析することができる。例えば、デバイスは、ディスプレイ(例えば、デバイス上の埋め込み型ディスプレイ、またはリモートコンピューティングデバイス1001と通信しているものなどのリモートディスプレイ)上に陽性または陰性の診断を出力することができる。さらなる実施形態では、コンピューティングデバイス1001は、デバイス10からデータを受信し、本明細書に開示されるようにデータを処理することができる。なおさらなる実施形態では、専門家は、データを分析することができる。記録を行うことができなかった場合、または、例えば、装着者と正しく接触していない電極によってしばしば引き起こされる過度のノイズのために、データが使用できない場合、デバイスは、エラー信号をさらに出力することができる。
【0054】
開示されるシステムおよび方法は、従来の網膜電図法を越える様々な利点を提供する。デバイス10は、両眼を同時に評価することができ、対側眼での繰り返し試験を不要にし、試験時間を短縮する。さらに、患者は、単純にデバイスを装着するだけで暗順応することができ、クリニックの暗い部屋を不要にし、その結果、臨床医または技師は暗闇で作業する必要がない。これは、従来のERGシステムが装備されていないプライマリケアオフィスもしくは病院であっても、または、専門クリニックおよび医師、もしくは交通機関がない遠隔地のサービスが行き届いていない地域であっても、様々な設定で眼科クリニックの外で試験が行われることを可能にし得る。デバイス10は、デバイス内のERG記録を自動的に処理および分析することができ、専門家の分析を必要とせずに、診断に関連する情報を報告する。既存のデバイスとは異なり、開示されたデバイス10は、瞳孔サイズを実質的に変化させない刺激光フラッシュを提供することができ、それによって、デバイス内にカメラを提供する、または別様に、瞳孔サイズを監視する必要性を回避する。
【0055】
コンピューティングデバイス
図4は、デバイス10とともに使用するためのコンピューティングデバイス1001の例示的な構成を含むシステム1000を示す。プロセッサ60およびメモリ62は、コンピューティングデバイス1001の構造と一致する構造を有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、別個のコンピューティングデバイス1001に関して本明細書に開示される態様のすべては、デバイス10が初期試験パラメータの設定から、試験の開始、試験の制御、データの処理、および診断出力までの機能のすべてを実施することができるように、デバイス10内に統合することができる。さらなる実施形態では、別個のコンピューティングデバイス1001は、デバイス10とインターフェースして、本明細書に開示されるERG試験および分析の一部またはすべてを制御することができる。なおさらなる態様では、コンピューティングデバイス1001は、リモートコンピューティングデバイス1014と通信し、それと協働して、本明細書に開示されるERG分析の1つ以上の部分を制御または実施することができることが企図されている。
【0056】
コンピューティングデバイス1001は、1つ以上のプロセッサ1003、システムメモリ1012、および1つ以上のプロセッサ1003を含むコンピューティングデバイス1001の様々な構成要素をシステムメモリ1012に結合するバス1013を備え得る。複数のプロセッサ1003の場合、コンピューティングデバイス1001は、並列コンピューティングを利用し得る。
【0057】
バス1013は、メモリバス、メモリコントローラ、周辺バス、加速グラフィックスポート、および様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するプロセッサまたはローカルバスなどのいくつかの可能なタイプのバス構造のうちの1つ以上を備え得る。
【0058】
コンピューティングデバイス1001は、様々なコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的)上で動作し得、および/またはそれを備え得る。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス1001によってアクセス可能であり、非一時的、揮発性および/または不揮発性媒体、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を備える任意の利用可能な媒体であり得る。システムメモリ1012は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリおよび/または読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体を有する。システムメモリ1012は、電極データ1007(すなわち、電極によって受信された信号からのデータ)などのデータ、ならびに/またはオペレーティングシステム1005および1つ以上のプロセッサ1003にアクセス可能および/もしくはそれによって動作される電極データ処理ソフトウェア1006などのプログラムモジュールを記憶し得る。
【0059】
コンピューティングデバイス1001はまた、他のリムーバブル/非リムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体を備え得る。大容量記憶デバイス1004は、コンピューティングデバイス1001のためのコンピュータコード、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性ストレージを提供し得る。大容量記憶デバイス1004は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光学ディスク、磁気カセットまたは他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリカード、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学ストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)などであってもよい。
【0060】
任意の数のプログラムモジュールが、大容量記憶デバイス1004に記憶され得る。オペレーティングシステム1005および電極データ処理ソフトウェア1006が、大容量記憶デバイス1004に記憶され得る。オペレーティングシステム1005および電極データ処理ソフトウェア1006(またはそれらの何らかの組み合わせ)のうちの1つ以上は、プログラムモジュールおよび電極データ処理ソフトウェア1006を含み得る。電極データ1007もまた、大容量記憶デバイス1004に記憶され得る。電極データ1007は、当該技術分野で既知の1つ以上のデータベースのいずれかに記憶され得る。データベースは、ネットワーク1015内の複数の場所にわたって集中化、または分散され得る。
【0061】
ユーザ(例えば、医療専門家)は、入力デバイス(図示せず)を使用して、コマンドおよび情報をコンピューティングデバイス1001に入力し得る。そのような入力デバイスは、限定されないが、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、コンピュータマウス、リモコン)、マイクロフォン、ジョイスティック、スキャナ、手袋および他のボディカバリングなどの触覚入力デバイス、モーションセンサ、などを含む。これらおよび他の入力デバイスは、バス1013に結合されたヒューマンマシンインターフェース1002を使用して1つ以上のプロセッサ1003に接続され得るが、パラレルポート、ゲームポート、IEEE1394ポート(ファイアワイヤポートとしても知られる)、シリアルポート、ネットワークアダプタ1008、および/またはユニバーサルシリアルバス(USB)などの他のインターフェースおよびバス構造によって接続され得る。
【0062】
ディスプレイデバイス1011もまた、ディスプレイアダプタ1009などのインターフェースを使用してバス1013に接続され得る。コンピューティングデバイス1001は、2つ以上のディスプレイアダプタ1009を有し得、コンピューティングデバイス1001は、2つ以上のディスプレイデバイス1011を有し得ることが企図されている。ディスプレイデバイス1011は、モニタ、LCD(液晶ディスプレイ)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、テレビ、スマートレンズ、スマートグラス、および/またはプロジェクタであってもよい。ディスプレイデバイス1011に加えて、他の出力周辺デバイスは、入力/出力インターフェース1010を使用してコンピューティングデバイス1001に接続され得る、スピーカ(図示せず)およびプリンタ(図示せず)などの構成要素を含み得る。方法の任意のステップおよび/または結果は、任意の形式で出力デバイスに出力され得る(または出力させられ得る)。そのような出力は、テキスト、グラフィック、アニメーション、オーディオ、触覚、などを含むが、これらに限定されない、任意の形式の視覚的表現であり得る。ディスプレイ1011およびコンピューティングデバイス1001は、1つのデバイスの一部であってもよく、または別個のデバイスであってもよい。
【0063】
コンピューティングデバイス1001は、1つ以上のリモートコンピューティングデバイス1014a、b、cへの論理的接続を使用して、ネットワーク化された環境内で動作し得る。リモートコンピューティングデバイス1014a、b、cは、パーソナルコンピュータ、コンピューティングステーション(例えば、ワークステーション)、ポータブルコンピュータ(例えば、ラップトップ、携帯電話、タブレットデバイス)、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、アクティビティトラッカ、スマートアパレル、スマートアクセサリ)、セキュリティおよび/もしくは監視デバイス、サーバ、ルータ、ネットワークコンピュータ、ピアデバイス、エッジデバイス、または他の共通ネットワークノード、などであり得る。コンピューティングデバイス1001とリモートコンピューティングデバイス1014a、b、cとの間の論理的接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/または一般的なワイドエリアネットワーク(WAN)などのネットワーク1015を使用して行われ得る。そのようなネットワーク接続は、ネットワークアダプタ1008を介してもよい。ネットワークアダプタ1008は、有線環境および無線環境の両方で実装され得る。そのようなネットワーク環境は、住居、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて従来のものであり、ありふれたものである。リモートコンピューティングデバイス1014a、b、cは、任意選択的に、コンピューティングデバイス1001の一部として開示された構成要素の一部またはすべてを有することができることが企図されている。
【0064】
アプリケーションプログラムおよびオペレーティングシステム1005などの他の実行可能プログラム構成要素は、本明細書では、別個のブロックとして示されているが、そのようなプログラムおよび構成要素は、コンピューティングデバイス1001の異なるストレージ構成要素に様々な時点で存在し得、コンピューティングデバイス1001の1つ以上のプロセッサ1003によって実行されることが認識されている。電極データ処理ソフトウェア1006の実装は、何らかの形式のコンピュータ可読媒体に記憶され、またはそれを介して送信され得る。開示された方法のいずれも、コンピュータ可読媒体上に具現化されたプロセッサ実行可能命令によって実行され得る。
【0065】
例示的な態様
記載されたデバイス、システム、および方法ならびにそれらの変形を考慮して、本明細書では、本発明の特定のより詳しく記載された態様を以下に説明する。しかしながら、これらの特に列挙される態様は、本明細書に記載された異なるまたはより一般的な教示を含む任意の異なる特許請求の範囲について、または「特定の」態様が、文字通りそこで使用される言語の固有の意味以外の何らかの方法で制限されることについて、いかなる制限効果も有すると解釈されるべきではない。
【0066】
態様1:デバイスの装着者に網膜電図検査を施行するためのウェアラブルデバイスであって、ウェアラブルデバイスが、横軸に対して離間された第1の側面および第2の側面を有するハウジングであって、ハウジングが、横軸に沿って位置付けられた第1および第2の区画を画定し、第1および第2の区画の各々が、装着者のそれぞれの眼の上に位置付けられるように構成され、刺激光源と、焦点光源であって、焦点光源が、装着者のそれぞれの眼が網膜電図検査の施行中に焦点を合わせられる場所に位置付けられている、焦点光源と、装着者の皮膚と係合するように構成されている活性電極と、活性電極から離間されており、装着者の皮膚と係合するように構成されている基準電極と、を備える、ハウジングと、ハウジングの第1および第2の区画の各々の刺激光源、活性電極、ならびに基準電極に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと通信するメモリであって、メモリが、命令を含み、命令がプロセッサによって実行されるとき、第1の区画の刺激光源をフラッシュさせることと、第1の区画の活性電極からの信号を記憶することと、を含む方法を実施する、メモリと、を備え、ハウジングが、接地電極をさらに備える、ウェアラブルデバイス。
【0067】
態様2:メモリが、命令を含み、命令が、プロセッサによって実行されるとき、信号の少なくとも1つの特徴を検出するステップを実施する、態様1に記載のウェアラブルデバイス。
【0068】
態様3:メモリが、命令を含み、命令が、プロセッサによって実行されるとき、刺激光源のフラッシュと信号の少なくとも1つの特徴との間の時間遅延を判定するステップを実施する、請求項2に記載のウェアラブルデバイス。
【0069】
態様4:第1および第2の区画の刺激光源が、装着者の各眼の視野全体を均一に照射するように構成されている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0070】
態様5:第1および第2の区画の刺激光源が、単一のフラッシュ強度を有する薄暗いフラッシュを提供するように構成されている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0071】
態様6:第1および第2の区画の刺激光源が、変化する強度の複数のフラッシュを提供するように構成されている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0072】
態様7:ウェアラブルデバイスが、ハウジングの第1の側面に取り付けられた第1の端部と、ハウジングの第2の側面に取り付けられた第2の端部と、を有する、ヘッドストラップをさらに備える、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0073】
態様8:ハウジングが、装着者の顔に適合するように構成されている、可撓性リムを備える、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0074】
態様9:ハウジングが、装着者の眼への実質的にすべての周囲光を遮断するように構成されている、態様8に記載のウェアラブルデバイス。
【0075】
態様10:第1および第2の区画の活性電極および基準電極、ならびに接地電極が、リム内に埋め込まれている、態様8または態様9に記載のウェアラブルデバイス。
【0076】
態様11:第1の区画の活性電極が、装着者のそれぞれの眼の下で装着者の皮膚と係合するように位置付けられている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0077】
態様12:接地電極が、装着者の額の皮膚または眉の皮膚のうちの少なくとも1つと係合するように位置付けられている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0078】
態様13:第1の区画の基準電極が、第1の区画の活性電極よりも、横軸に垂直であり、かつ前記第1の側面と第2の側面との間でハウジングを二分する平面からさらに離間されている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0079】
態様14:出力デバイスをさらに備え、出力デバイスが、ケーブル、無線送信機、およびI/Oポートのうちの1つである、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0080】
態様15:ハウジングが、装着者の鼻の形状に適合するように構成されている、第1および第2の区画間のスロットを画定する、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0081】
態様16:第1および第2の区画の焦点光源間の間隔が、固定されている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0082】
態様17:第1および第2の区画の焦点光源間の間隔が、選択的に調整可能である、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0083】
態様18:第1および第2の区画の各々が、装着者のそれぞれの眼の周りに円周方向に延在する周辺内壁と、周辺内壁の遠位表面間に延在して、装着者の眼によって見える空間を囲む遠位壁と、を備え、刺激光源および焦点光源が、遠位壁に固定されている、先行態様のいずれか1つに記載のウェアラブルデバイス。
【0084】
態様19:態様1~18のいずれかに記載のウェアラブルデバイスを使用する方法であって、ウェアラブルデバイスを装着者の眼の上に位置付けることと、ウェアラブルデバイスに網膜電図試験を実施させるメモリ内の命令を実行することと、ウェアラブルデバイスから出力を受信することと、を含む、方法。
【0085】
態様20:ウェアラブルデバイスに網膜電図試験を実施させるメモリ内の命令を実行することが、装着者の各眼に同時に網膜電図試験を実施することを含む、態様19に記載の方法。
【0086】
態様21:患者が糖尿病性網膜症を有するかどうかを判定するために、ウェアラブルデバイスからの出力を分析することをさらに含む、態様19に記載の方法。
【0087】
態様22:命令が、少なくとも5分の順化期間の後に実行される、態様19~21のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
態様23:デバイスの装着者に網膜電図検査を施行するためのウェアラブルデバイスであって、ウェアラブルデバイスが、横軸に対して離間された第1の側面および第2の側面を有するハウジングであって、ハウジングが、横軸に沿って位置付けられた第1および第2の区画を画定し、第1および第2の区画の各々が、装着者のそれぞれの眼の上に位置付けられるように構成され、刺激光源と、焦点光源であって、焦点光源が、装着者のそれぞれの眼が網膜電図検査の施行中に焦点を合わせられる場所に位置付けられている、焦点光源と、装着者の皮膚と係合するように構成されている活性電極と、活性電極から離間されており、装着者の皮膚と係合するように構成されている基準電極と、を備える、ハウジング、を備え、ハウジングが、装着者の眼から実質的にすべての周囲光を遮断するように構成されている、ウェアラブルデバイス。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態が、前述の明細書において開示されてきたが、前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益を有して、本発明が関係する本発明の多くの修正および他の実施形態が思い浮かぶであろうことが当業者によって理解される。したがって、本発明は、上記で開示された特定の実施形態に限定されず、多くの修正および他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解される。さらに、特定の用語が、本明細書、ならびに後続の特許請求の範囲で使用されているが、それらは、一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、記載される発明、または後続の特許請求の範囲を限定する目的では使用されない。
【国際調査報告】