(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】改善した二日酔い止め組成物、その調製及び使用
(51)【国際特許分類】
A61K 36/9068 20060101AFI20221208BHJP
A61P 39/02 20060101ALI20221208BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20221208BHJP
A61K 36/254 20060101ALI20221208BHJP
A61K 36/258 20060101ALI20221208BHJP
A61K 31/191 20060101ALI20221208BHJP
A61K 31/26 20060101ALI20221208BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221208BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221208BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20221208BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20221208BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20221208BHJP
【FI】
A61K36/9068
A61P39/02
A61K36/185
A61K36/254
A61K36/258
A61K31/191
A61K31/26
A61P43/00 111
A61K45/00
A23L33/105
A23L2/00 F
A23L2/38 C
A23L2/52 101
A23L2/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022521669
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2020078322
(87)【国際公開番号】W WO2021069615
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522143449
【氏名又は名称】ゾブリウス ファーマ エーエス
【氏名又は名称原語表記】ZOBRIUS PHARMA AS
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ランゲラン, ビョルン トーレ
(72)【発明者】
【氏名】カールセン, ジャン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
4C084
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB08
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4B018LE03
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4C206ZC37
(57)【要約】
ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進するための組成物が開示される。すべての原料を緊密な物理的混和物中で一緒にすることにより調製され得る組成物は、二日酔い止めの有効量の、(a)イレックス・パラグアリエンシス(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン及びジンギベリス・オフィキナリス(ショウガ)からなるエッセンシャルハーブ;並びに(b)1つ又は複数の電解質、並びに任意選択で、(c)スルフォラファンを含む。好ましくは、組成物は、小容量、水性、アルコール後の飲料の形態であり、これは、以前から公知の二日酔い止め調製物の潜在的な副作用のいくつかを避けることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進するための組成物であって、二日酔い止め有効量の、
(a)イレックス・パラグアリエンシス(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン及びジンギベリス・オフィキナリス(ショウガ)からなるエッセンシャルハーブ;並びに
(b)1つ又は複数の電解質、並びに任意選択で、
(c)スルフォラファン
を含む、組成物。
【請求項2】
前記電解質が、有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばグルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム及び/又は乳酸マグネシウムのうちの1つ又は複数から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
スルフォラファンを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エッセンシャルハーブが、前記エッセンシャルハーブ成分(a)の乾燥重量に対して、少なくとも1%、例えば少なくとも10%、任意選択で少なくとも30%のイェルバマテを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記エッセンシャルハーブ成分(a)が、用量当たり約1000mg未満、例えば約600mg未満の量で、任意選択で400~450mgの範囲で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
乾燥粉末の重量に対して、用量当たり:
i.150~500mgイレックス・パラグアリエンシス、
ii.30~100mgパナックス・ジンセン、
iii.20~50mgエレウテロコッカス・センチコサス、
iv.50~150mgジンギベリス・オフィキナリス、
v.150~400mgグルコン酸ナトリウム、
vi.1500~2500mgグルコン酸カリウム、及び
vii.500~1100、任意選択で500~1000mg乳酸マグネシウム
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
列挙されている原料i~vii及び任意選択でスルフォラファンの重量に対するパーセントで、
i.0.5%~5.0%w/wイレックス・パラグアリエンシス、
ii.0.05~2.0%w/wエレウテロコッカス・センチコサス、
iii.0.01~1.0%パナックス・ジンセン、
iv.0.3~3.0%ジンギベリス・オフィキナリス、
v.0.3~3.0%グルコン酸ナトリウム、
vi.5.0~30.0%グルコン酸カリウム、及び
vii.3.0~10.0%乳酸マグネシウム
を含む、請求項1~3、又は6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進するための組成物であって、
二日酔い止め有効量のスルフォラファン、例えば200~800μg、任意選択で200~400μgのスルフォラファンを、
(a)イレックス・パラグアリエンシス(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン及びジンギベリス・オフィキナリス(ショウガ)から選択される1つ又は複数のエッセンシャルハーブ;並びに、任意選択で、
(b)それぞれ任意選択でグルタミン酸塩又は乳酸塩の形態のカリウム、ナトリウム及びマグネシウムのうちの1つ又は複数から任意選択で選択される1つ又は複数の電解質
と一緒に含む、組成物。
【請求項9】
(a)追加の活性成分、並びに
(b)不活性添加剤、例えば甘味料、香味料、着色剤、他のビタミン、安定化剤、防腐剤及び可溶化剤から選択される1つ又は複数の追加の原料
をさらに含むが、但し、任意の追加の原料(a)又は(b)が、アルコール代謝酵素及びアセトアルデヒド代謝酵素の活性を阻害しない量で存在することを条件とする、請求項1~3、6又は7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(a)二日酔い止め有効量のフルクトース、例えば用量当たり5gを超えるフルクトース、
(b)グリシリーザ・グラブラ(カンゾウ根)、及び
(c)添加されるカフェイン
のうちの1つ又は複数を実質的に含まない、請求項1、3、6、7又は9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
乾燥粉末、混合物、液体(例えば飲物又は飲料又はショット)、シロップ、粒状体又は顆粒、錠剤(発泡錠剤及び溶融錠剤を含む)の形態であって、任意選択で使用説明書と一緒に包装される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
水性液体(例えば水道水、無炭酸水、湧水、炭酸水、果実ジュース)、並びに任意選択で1つ又は複数の香味料及び/又は着色剤をさらに含む、請求項1、3、6、7、9又は10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
即時使用可能な飲物、飲料又はショットの形態である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
50ml飲料の形態である、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項15】
アルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進するための、任意選択で以下のうちの1つ又は複数のいずれかのための:
(a)過剰アルコール消費の望ましくない効果を抑制する;
(b)対象における、二日酔いに関連する症状の発症を処置する;及び/又は
(c)ヒトにおけるアセトアルデヒド脱水素酵素に結合する、
請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
(a)ジャパニーズ又はアジアンフラッシュ症候群の防止、処置若しくは軽快における使用のための;及び/又は
(b)ヒトにおけるアルデヒド脱水素酵素、例えばhsALDHの活性を増加させるのに使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、
(a)すべての乾燥原料を一緒に混合して、乾燥混合物を形成するステップ、
(b)水を、ステップ(a)により得られた混合物に、1:2から2:4の範囲の乾燥混合物:水の比で添加するステップ、
(c)ステップ(b)により得られた混合物を均質になるまで撹拌して、濃縮物を形成するステップ、
(d)電解質、並びに任意の追加の活性成分及び任意の不活性成分を含む残った原料を添加するステップ、及び
(e)任意選択で、ステップ(d)で生成された濃縮物を、望ましい容量が得られるまで希釈するステップ、及び、任意選択で、
(f)ステップ(e)からの生成物を好適な容器、例えばガラス、アルミニウム(任意選択でコーティングした)又はプラスチックボトル中に充填するステップ、及び、任意選択で、
(g)ステップ(e)からの生成物を、その消費者向け使用説明書と共に包装するステップ
を含む、方法。
【請求項18】
(a)二日酔い又は宿酔;
(b)アルコール性頭痛、悪心、振戦又はめまい;
(c)アジアンフラッシュ症候群;
(d)アセトアルデヒドの蓄積;
(e)脱水;
(f)急性アルコール中毒;
(g)アルコール性細胞又は組織傷害;
(h)ジスルフィラムに関連する毒性など
から選択される状態に対して処置、防止又は手当の準備における、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項19】
対象におけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進するための方法であって、前記対象への請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物の有効量の投与を含む、方法。
【請求項20】
対象における二日酔い症状を処置する、防止する又は軽快させるための方法であって、前記対象への請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物の有効量の投与を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、アルコール及びアセトアルデヒド代謝を促進して、人体に対するアルコール消費の望ましくない副作用を和らげるのに有用な組成物に関する。したがって、組成物は、過度の酩酊、悪酔い及び二日酔いの処置、防止又は軽快に有効(以下まとめて「二日酔い止めに有効」)である。組成物は、好ましくはアルコール後の飲料の形態であり、二日酔い止めに有効なハーブ又はハーブ抽出物、特にイェルバマテを、電解質、及び任意選択でスルフォラファンと一緒に含む。
【背景技術】
【0002】
発明に対する背景
ヒト個人によるアルコールの消費は、アセトアルデヒドの蓄積を引き起こすことがあり、これにより、個人における頭痛、悪心、振戦及び回転性めまいのうちの1つ又は複数が生じる。こうした状況に見舞われた状態は、典型的には「二日酔い」、又は医学的には宿酔(veisalgia)といわれる。疲労も二日酔いに関連することが多い。
【0003】
二日酔いの症状を軽減するために摂取され得るいくつかの生成物は当業界で公知である。任意選択でビタミンCを含むフルクトース及びカフェイン混合物は、そのような生成物の例である。一般的に、そのような生成物は、粉末又は錠剤形態であり、水に添加されて、個人が飲用する水分補給生成物となる。
【0004】
例えば、特許明細書第GB2308810号は、個人を水分補給するか、又は脱水を防止するためのフルクトース含有組成物について記載しており、これは、したがってとりわけ脱水、身体労作又は下痢の症状を処置できる。
【0005】
フルクトースのエタノール代謝に対する効果については、意見の相違があり、いくつかの研究では、フルクトース単体はエタノール分解を刺激し得ることが指し示されているが、否定する者もいる。フルクトースの効果は、おそらく(その代わりに、又はさらに)、ATP代謝回転を増加させ、ひいては、より多くのADPをNADH再酸化に利用できるようにする(
図3、以下)その能力のためと思われる。NADHはLADHの強力な阻害剤(Ki=56μM)であるため、NADH再酸化を加速させると、LADH活性の阻害が低減され得る。しかし、二日酔い止め効果が得られる前に、少なくとも20g(20,000mg)の用量のフルクトースが吸収される必要があると考えられ、90~100gの規模が用いられていることが多い。
【0006】
いくつかの二日酔い止め生成物は、二日酔いに関連する疼痛を軽減するために鎮痛剤、例えばパラセタモール又はアスピリンを含有し得る。抗ヒスタミン薬を含有する生成物は、二日酔い症状に対処するためにも使用され得る。しかし、この方法で鎮痛剤及び抗ヒスタミン薬を使用するのは望ましくないことがある。例えば、アスピリンは、アルコール消費に関連する問題のいくつか、例えば胃腸の出血を悪化させることがあり、例えばいわゆる「アジアンフラッシュ症候群」を抑制するために、ヒスタミン-2遮断薬を使用すると、アルコール摂取を増加させ、かつ胃腸癌及び扁平上皮癌の危険性が上昇することがある。
【0007】
例えば、国際公開第98/32434号は、肝臓毒性を緩和し、二日酔いから解放し、また鎮痛効果を得る、アセトアミノフェン、アスパラギン酸及びメチオニンを含む鎮痛剤組成物について記載している。
【0008】
様々なハーブ及び他の原料の混合物を含む他の組成物が公知である。
【0009】
例えば、国際公開第99/61038号は、チョウセンニンジン及びショウガを含む長いリストから選択される原料を含む、短期間及び/又は長期間の心理学的フィードバックを刺激する製剤を開示している。しかし、この組成物は、アルコール代謝を促進することを対象とせず、アルコール代謝酵素を強く阻害し、ひいては、二日酔いを処置するために望ましいものとは逆の効果を有すると以前に示されているいくつかの原料も含有する。これは特に、チオール原料(例えばシステイン、アセチルシステイン、グルタチオン、メチオニン)がそうであり、また、列挙されているヘテロ環式化合物のいくつかもそうであり、これらは、肝臓アルコール脱水素酵素(LADH)の活性を阻害する(Ki、μM~mM範囲で)。
【0010】
一方、他の公報、例えば日本特許第0601474号公報は、アルコール代謝を促進することが可能な、活性成分としてケルセチンのグルコシド、二価金属イオン及びカンゾウ抽出物を含有する生成物について記載している。
【0011】
本発明者らの1人は、米国特許第6936283号で開示されている、過剰なアルコール消費の望ましくない効果を抑制し、対象における二日酔いに関連する症状の発症を処置するための代替の、また発明による手段を以前に開発した。この発明は、特定の金属酵素を刺激して、アルコール及びアセトアルデヒド分解を促進することを対象とする。この手段は、カフェイン、ガラナカフェイン、イェルバマテ、エレウテロコッカス・センチコサス(Eleutherococcus senticosus)、パナックス・ジンセン(Panax ginseng)、ショウガ、グリシリーザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)(カンゾウ根)、ギンコ・ビローバ(Ginkgo biloba)(Gingko bilobaとしても公知)及びフルクトースを含む組成物に関する。発明者の従来組成物は、それにより酵素及びNADH/NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を含まず、このため生成物の安定性が低下し得る。さらに、これは、鎮痛剤又は抗ヒスタミン薬を含有せず、以前に言及されているフルクトース-カフェイン-ビタミンC生成物より著しく多量のアルコール及びアセトアルデヒドを分解する。
【0012】
しかし、米国特許第6936283号では、テストした従来組成物がいくつかの著しい欠点を依然として抱えると指摘されている:
1.組成物は、飲料として製剤化した場合、必要と判断されるすべての原料、特に組み込まれるフルクトース(乾燥粉末)の重量(一例では90gほど)を収める必要性の観点から、500mlの容量になった。消費する者が既にアルコール液でいっぱいの場合、これは明らかに不便であり、いかなる場合も、500mlは、1回用量で吸収するには多い量と考えられる。
2.より少ない200mlの容量になる変形例は、溶液(水性飲料)を製剤化できることを確実にするために、必要(二日酔い止め)量のフルクトースを除外する必要があった。200mlさえ、消費するのに大したことのない量の液体ではない。より重要なことには、それにより二日酔い止め飲料として生じたフルクトースを含まない製剤の有効性は、低下したことが見出された。
3.さらに、大量のフルクトースの包含は、消費者において、肝臓機能に危険性を招くことが公知であり、したがって活性成分として禁忌である。そのような大量のフルクトースを吸収すると、フルクトースは肝臓によりフルクトース-1-リン酸塩(F1P)に直ちに変換され、それにより肝細胞のリン酸塩が枯渇するので、肝臓にすぐに負荷がかかる。
4.これらの従来製剤はそれぞれ、添加されるカフェイン、また、グリシリーザ・グラブラ(カンゾウ根)も含んでおり、これらもこの状況下で妥当ではなかった。例えば、相当量の添加されるカフェイン(例えばカフェイン及びガラナカフェインとして)は、少なくとも一般的に歓迎されない不眠及び/又は心血管副作用を引き起こすことがある。ある量を超えるカンゾウの吸収は、血液カリウムレベルの低下に関連し、異常な心調律、高血圧、浮腫、倦怠感及び他の有害作用を潜在的に生じる。
【0013】
米国特許第6936283号における開示に続いて、好適な二日酔い止め製剤の考案を試みた者もいる。これらは、以下における開示を含む:
チョウセンニンジン、ショウガ及びオオアザミ含有製剤と、任意選択の電解質、ビタミン、アミノ酸及び炭水化物、例えば高フルクトースコーンシロップについて記載している国際公開第2008/021861号。しかし、具体的な製剤も、そのような組成物が二日酔い止め効果を有することを指し示す何らかの臨床的データも開示されていない;
アセトアルデヒド濃度上昇を処置又は防止する状況において、あるジンセノサイド組成物に関する国際公開第2009/094177号。他の活性剤、例えばビタミン、抗酸化剤、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、グルタミン、オオアザミ複合体及び鎮痛剤を含むことが示唆されている。例の製剤は、グルタミン及びシリマリン(オオアザミ複合体)を含むが、臨床テストは含まれていない。この公報は、チョウセンニンジン成分に焦点を合わせている;また、
ショウガと、二日酔いを処置するためのハーブ抽出物を調製する、(a)アカチョウセンニンジン(red ginseng)、レッドヘッド及び茶芽又は(b)タケの一部並びに他の原料の混合物の組合せについて開示している韓国特許明細書第2017/0085451号。これらの組成物が医療用であることを示す証拠はない。
【0014】
さらに、これらの特許明細書のうち、イェルバマテを含有するハーブ組成物に関するものはないので、米国特許第6936283号に記載されている元の製剤に対する改善を示さない。
【0015】
一方、特許明細書第RU2376027号は、ショウガ及びチョウセンニンジン含有製剤にイェルバマテを実際に含む。これは、ショウガ、ウコギ属(Eleutherococcus)、チョウセンニンジン、ポリニア・クパナ(Paullinia cupana)(ガラナとしても公知)、セイヨウヒイラギ(イレックス(Ilex))、カンゾウ、クエン酸、コハク酸及びアエロジル(Aerosil)(商標)の組合せに関するという点で、元の製剤の変形と見られる。この明細書は、製剤を含有するカプセル剤を投与すると、(ヒトの)体からアルコールが排出される速度が増加することを実証している。しかし、このフルクトースを含まない製剤は、用量当たり360mgカンゾウ及び130mgポリニア/ガラナ(カフェイン)の添加を必要とし、前に言及したように、本発明者らは目下これを(そのような量のものは)避けようとしている。さらに、そのような製剤を、摂取しやすく、そのまま消費するのに十分なほど口当たりのよい小容量飲料を作ることができると示す証拠はない。
【0016】
したがって、以前に提案されている元のイェルバマテ含有製剤に対して、公知の著しい改善はない。イェルバマテ、ショウガ及びチョウセンニンジンのハーブ又はハーブ抽出物の混合物を含み、(i)小容量飲料として摂取し、かつ(ii)一定量のカフェイン、カンゾウ、フルクトースなどの有害作用を避ける両方ができる、二日酔い止め組成物を、どのように製剤化するかという問題に対する解決策はない。
【0017】
したがって、これらの困難の解決策がここに見出されたことは意外である。解決策は、イェルバマテの量を、他のエッセンシャルハーブ(ショウガ、チョウセンニンジン)に対して実質的に増加させ、かつ、電解質を添加する多角的アプローチに基づく。この手段では、フルクトースの量は、甘味料レベルまで低下させることができ、必要とされるカフェイン又はカンゾウはほとんど添加されないか、又は添加されず、さらに二日酔い止め効果は、それでもきわめて満足すべきものである。
【0018】
さらに、スルフォラファンの本発明の組成物への添加は、本明細書で以下の実施例で実証されるように、二日酔い止め効果の観点から、さらになお利益を生じ得ることがここに見出された。
【0019】
本発明者らは、したがって、従来組成物に著しい改善を行い、それにより、意外にもアルコール及びアセトアルデヒド代謝を加速する(アルコール関連傷害及び二日酔い症状を軽快させる又は防止する)のに好適なだけではなく、それらを上回るある利点も生む、新規な組成物を提供する。これらの利点は、二日酔い止めに有効な組成物を、小容量(従来製剤のように500又は200mlではなく、例えば50ml)で製剤化する能力を含む。
【0020】
発明の概要
したがって、本発明は、ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を加速又は促進するための組成物を、好ましくは飲料の形態で提供し、この組成物は、「エッセンシャルハーブ」(本明細書で以下に定義されている)及び電解質の組合せを、任意選択でスルフォラファンと一緒に含む。組成物は、アルデヒド脱水素酵素の活性を促進し、かつ/若しくは、アルコール消費の他の有害な生理学的効果を防止するか、抑制するか又は低下させる、例えばアジアン(時にジャパニーズとも呼ばれる)フラッシュ症候群を防止するか又は軽快させる。
【0021】
「エッセンシャルハーブ」成分は、イレックス・パラグアリエンシス(Ilex paraguarensis)(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)及びジンギベリス・オフィキナリス(Zingiberis officinalis)(ショウガ)の混合物からなる。これらは、二日酔い止め効果を組合せで有するエッセンシャルハーブ活性成分である。
【0022】
1つ又は複数の電解質は、好ましくは、ナトリウム、カリウム及びマグネシウム(塩)から選択される。マグネシウムは、特に好ましい電解質原料である。
【0023】
スルフォラファンも組成物に含まれる場合がより好ましい。
【0024】
本発明の組成物は、小容量の水性飲料として製剤化され得、さらになお、望ましい二日酔い止め効果を生じることを意外にも見出した。好ましくは、飲料の容量は、250ml未満、より好ましくは200ml未満であり、約40ml~150mlの範囲、例えば50ml又は100ml、特に50mlの容量がとりわけ好ましい。好適には、容量は、150ml未満である。
【0025】
したがって、本発明は、
(a)水;
(b)イレックス・パラグアリエンシス(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)及びジンギベリス・オフィキナリス(ショウガ)からなるエッセンシャルハーブ活性成分;並びに
(c)1つ又は複数の電解質;並びに、任意選択で、
(d)スルフォラファン;並びに、任意選択で
(e)1つ又は複数の追加の活性成分;並びに、任意選択で、
(f)担体、賦形剤などから選択される1つ又は複数の不活性添加剤
を含む小容量飲料をさらに提供する。
【0026】
好ましくは、イェルバマテは、エッセンシャルハーブ混合物の主要成分である。より好ましくは、イェルバマテは、エッセンシャルハーブ混合物(成分(b))の乾燥重量に対して少なくとも30%を占める。
【0027】
さらに、エッセンシャルハーブ混合物自体は、好ましくは、約1000mg未満(用量当たり)の量で存在するが、より高い量も容認され得る。
【0028】
特に指定がない限り、又は文脈により必要とされない限り、本明細書で言及される量(μg、mg及びg単位)は、成人ヒトに投与するための組成物の単回用量に対して示される。
【0029】
好適には、本発明の組成物は、添加されるグリシリーザ・グラブラ(カンゾウ根)を実質的に含まないが、比較的少量存在してよい。
【0030】
組成物が、添加されるフルクトースも、味を甘くするのに必要とされる量(すなわち約5g)を超える量を実質的に含まない場合が特に好適であり、少なくとも、添加されるフルクトースを、二日酔い止め効果を得る量を超える量を実質的に含まない。
【0031】
組成物が、添加されるカフェイン(任意のハーブ原料の構成成分の一部として存在するいかなるカフェインも除外される。例えば、イェルバマテはカフェインを含有する)を実質的に含まない場合が、とりわけ好適である。しかし、比較的少量の添加されるカフェインは、本発明の組成物において容認され得る。
【0032】
より好適には、組成物は、前のパラグラフ3つによる量の、又はそれに従って添加される原料のそれぞれ及びすべてを実質的に含まない。これは、組成物が、添加されるカンゾウ根、フルクトース及びカフェインを実質的に含まないか、又は、本明細書で以下に指し示されているそれぞれの最小限の量(複数可)しか有さないことを意味する。
【0033】
好ましくは、組成物は、上で定義されている原料(b)及び(c)、又は(b)及び(d)を含む。より好ましくは、組成物は、上で定義されている原料(b)、(c)及び(d)を含む。とりわけ好ましくは、組成物は、上で定義されている原料(b)、(c)、(d)及び(f)を含む。組成物は、或いは、原料(b)、(c)、(e)及び(f)、又は(b)から(f)のすべてを含み得る。各場合では、組成物は、より好ましくは、水(原料(a))も含む。
【0034】
より好ましくは、電解質(複数可)(c)は、好適な有機酸、例えばグルコン酸及び乳酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、特にナトリウム、カリウム及びマグネシウム塩、とりわけマグネシウム塩、例えばグルコン酸ナトリウム及びカリウム並びに乳酸マグネシウムから選択される。
【0035】
より好ましくは、追加の活性成分(複数可)(e)は、他のハーブ及びハーブ抽出物、例えばギンコ・ビローバから選択される。比較的少量のグリシリーザ・グラブラ(カンゾウ)も存在してよい、又は代替としてそれが存在し得る。
【0036】
より好ましくは、不活性添加剤(複数可)(f)は、香味料、甘味料、味マスキング剤、着色剤及び芳香剤(アロマ);配合剤、例えば安定化剤、pH改質剤、溶媒(例えば濃縮エタノール)、防腐剤及び緩衝剤(例えばクエン酸一水和物);並びに他の賦形剤、例えばソルビン酸カリウム、グリセロール、ポリソルベート20から選択される。
【0037】
本明細書に記載されている本発明の最も好ましい製剤は、
1.比較的小容量の飲料(50ml)を製剤化できる;
2.かなりのレベルのフルクトースを含有することを必要とせず、これにより、一般的に、フルクトースの肝臓に対する潜在的有害作用が避けられる;
3.著しい量の添加されるカフェインを含有することを必要とせず、これにより、一般的に、カフェインの心血管系に対する潜在的有害作用が避けられる;
4.著しい量のカンゾウを含むことを必要とせず、それにより、一般的に、カンゾウの潜在的有害作用が避けられる;
5.(一部の人々で)、アルコールのいくつかの効果、例えば頭痛に寄与し得、いくつかの薬物(例えばNSAID)と有害に相互作用し得るギンコ・ビローバの添加を必要としない;
6.そのような大量のエッセンシャルハーブ混合物を必要としない;及び、
7.消費のために口当たりがよい、
さらになお、十分な二日酔い止め効果を有する点で従来技術の製剤を上回る利点を呈する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】エタノール代謝の基本的経路の図である。 アルコールは、3つの酵素:アルコール脱水素酵素、カタラーゼ及びCYP2E1によりアセトアルデヒドに変換される。アセトアルデヒドは、アルデヒド脱水素酵素によりアセテートに変換される。
【
図2】アルコール及び/又はアセトアルデヒド分解を刺激するために提案されている機構の図である。 通常の律速酵素-NADH生成物の解離より不安定な三元酵素-NADH-活性化物質複合体を形成する活性化物質による刺激。E=酵素:肝臓アルコール脱水素酵素又はアルデヒド脱水素酵素。O=NAD(補酵素の酸化された形態)S=基質:アルコール又はアセトアルデヒドP=生成物:アセトアルデヒド又はアセテートR=NADH(補酵素の還元された形態)A=活性化物質:例えばエッセンシャルハーブk3 res=律速段階
【
図3】LADHによるエタノール代謝とミトコンドリア呼吸との間の相互反応の図である。 エタノールは、LADH(a)によりアセトアルデヒドに酸化され、同時にNADがNADHに還元される。NADHは、次いでミトコンドリア(c)において、電子伝達鎖(d)によりNADに再酸化され、酸素が消費される(g)。ATP(f)からADPが形成されると同時にリン酸化される物質は、呼吸鎖(e)を通る電子束を増大させ、続いて酸素消費が増加し、NADHの再酸化速度が上昇する。
【発明の詳細な説明】
【0039】
組成物
本発明は、ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒド分解の促進に好適な組成物であって、二日酔い止め有効量の
(a)イレックス・パラグアリエンシス(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)及びジンギベリス・オフィキナリス(ショウガ)からなるエッセンシャルハーブ;
(b)好ましくは、ナトリウム、カリウム及びマグネシウム塩のうちの1つ又は複数から選択される電解質、とりわけマグネシウム;並びに、任意選択で、
(c)スルフォラファン
の組合せを含む組成物を提供する。
【0040】
さらなる詳細は、これらのそれぞれ及び後続する他の任意選択の原料に関する。
【0041】
エッセンシャルハーブ原料
エッセンシャルハーブ成分は、本発明の改善した製剤に不可欠な4つのハーブ原料からなり;これらは、アルコール及びアセトアルデヒド代謝酵素の刺激に反応する。4つのエッセンシャルハーブ成分は、イレックス・パラグアリエンシス(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)及びジンギベリス・オフィキナリス(ショウガ)である。
【0042】
それでもやはり、4つのハーブ成分のうち最も重要なのは、イェルバマテである。これは、好ましくはエッセンシャルハーブ混合物の乾燥重量に対する主要成分として存在する。より好ましくは、イェルバマテは、0.1%超、例えば1%超、より一層好ましくは10%超を占める。イェルバマテが、乾燥ハーブ混合物(成分(a))の少なくとも30%、例えば少なくとも50%w/wを占める場合がとりわけ好ましい。
【0043】
イェルバマテは、その構成成分が、表1で列挙されているいくつかの二日酔い止めの潜在的有効活性成分を含むので、主要なエッセンシャルハーブ成分である。
【0044】
【0045】
チアミン及びリボフラビン(ビタミンB)は、二日酔い止めに有効な見地から、イェルバマテの最も興味深い成分である。
【0046】
研究(例えば、J.Food Sci.(2007年)72(9)R138~151頁で報告されているHeck及びde Mejiaによるもの;並びにChilean Journal of Agricultural Research(2012年)、72(2)、268~274頁で報告されているBurrisらによるもの)により、イェルバマテは、カフェインを乾燥重量の1~2%で含む多くの他の成分を有することが示されているが、他の供給源は、少なければ0.4%又は多ければ2.4%(イェルバマテの乾燥重量に対して)を指し示す。
【0047】
エッセンシャルハーブは、合わせると、好ましくは組成物に二日酔い止め有効量で存在する。
【0048】
本発明の利点の1つは、エッセンシャルハーブの総重量が少ないことで、以前から公知の組成物と比較して、満足すべき二日酔い止め製剤が得られる点である。例えば、エッセンシャルハーブの合計重量は、100~1000mg(それより多くも可能であるが)、例えば300~600mg、例えば、400~450mg(用量当たり)の範囲であり得る。
【0049】
理論に束縛されることを望まないが、本発明者らは、本発明の組成物の、エタノール分解の刺激及び二日酔いの防止に対する効果は、通常の律速酵素-NADH(ER)の解離より不安定な三元酵素-NADH-活性化物質(ERA)複合体を形成するエッセンシャルハーブ原料の活性成分のため、又は酸化から触媒残渣(複数可)を保護することによると思われることを示唆する。エタノール代謝の基本的経路は、
図1で示されている。提案されている機構は、2,2’-及び4,4’-ビピリジンで公知のものと同様である。加速されたアルコール分解も部分的に、アルコール代謝にも関与するカタラーゼ及び/又はCYP2E1の刺激のためであり得る。
【0050】
Kitson.T.M.(1977年)、Journal of Studies on Alcohol.38、96~113頁、及びLangeland,B.T.(本発明者の1人)及びMcKinley-McKee, J.S.(1996年)、Alcohol&Alcoholism.31、75~80頁に記載されているように、アセトアルデヒドの蓄積は、二日酔い症状の主な原因である。本発明の組成物の、二日酔いに対する効果も、アルデヒド脱水素酵素活性の刺激を指し示す。不可欠なアセトアルデヒド分解の増進は部分的に、アルデヒドを酸化することも可能な刺激されたLADHによってもカバーされることがある。
【0051】
電解質
本明細書で上に記載されている組成物における電解質は、アルコールの利尿効果によって引き起こされる脱水を減少させるか、又は防止する。
【0052】
電解質は、好ましくはアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオン、特にナトリウム、カリウム及びマグネシウムから選択される。より好ましくは、3つすべてが本発明の組成物に存在する。電解質成分は、マグネシウムを比率において多数含む場合、又はカリウムが電解質成分の大部分である場合がとりわけ好ましい。
【0053】
指針として、用量当たりの電解質の重量(50ml水性製剤における使用に好適)は、好適にはイオン当たり、以下に対する量で、及び以下の規模で含まれ得る:ナトリウムイオン、10~50mg、例えば約20、例として20.02mg;カリウムイオン、200~500mg、例えば約300mg、例として300.44mg;マグネシウムイオン、40~150mg、例えば約60mg、例として66.03mg。
【0054】
例えば、電解質の重量(50ml水性製剤における使用に好適)は、好適にはイオン当たり、以下に対する量で、及び以下の規模で含まれ得る:ナトリウムイオン、20.02mg;カリウムイオン、300.44mg;マグネシウムイオン、66.03mg。
【0055】
好ましくは、電解質(複数可)は、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、特に好適な弱酸、例えば弱有機酸のナトリウム、カリウム及びマグネシウム塩、とりわけカリウム及び/又はマグネシウム塩の形態で製剤に含まれる。
【0056】
この目的のために好適な有機酸は、グルコン酸及び乳酸を含むが、ヒトの消費に好適な他のものを使用してよく、これは当業者に公知である。
【0057】
好ましくは、電解質(複数可)は、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム及び/又は乳酸マグネシウムのうちの1つ又は複数から選択される。
【0058】
スルフォラファン
スルフォラファン又は1-イソチオシアネート-4-メチルスルフィニルブタンは、多くのアブラナ科野菜、例えばブロッコリー、キャベツ、カリフラワー及びケールで見出される天然植物性化合物である。これは、グルコラファニン、グルコシノレートから酵素ミロシナーゼにより生成される。
【0059】
本発明の組成物にスルフォラファンを含むことの利点の1つは、hsALDH(ヒト唾液のアルデヒド脱水素酵素)のような通常不活性/低活性のアルデヒド脱水素酵素の活性を増加させることである。これは、東アジアの人口(日本、韓国及び中国)のおよそ30~50%で見出されるALDH2の自然に存在するバリアントの活性も増進させ得、このALDH2の低下した活性が、いわゆるアジアンフラッシュ症候群の原因である。
【0060】
理論に束縛されることを望まないが、スルフォラファンは、両方のALDH2バリアントにおいて、触媒残渣(複数可)から酸化を保護することにより、他のハーブ原料と作用すると考えられている。これにより、触媒効率の上昇、ひいては酵素の活性化又は刺激が引き起こされる。
【0061】
本発明のエッセンシャルハーブ(のいずれか)を含む、ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進する組成物において、スルフォラファンが、二日酔い止め剤としての使用を提案されているのは初めてと考えられる。
【0062】
したがって、本発明は、ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進するための組成物であって、二日酔い止め有効量のスルフォラファン、及びエッセンシャルハーブのうちの1つ又は複数(本明細書で以前に定義されている)、及び任意選択の他の原料(例えば本明細書でさらに定義されている電解質、追加の活性成分及び不活性添加剤)の組合せを含む組成物をさらに提供する。
【0063】
好ましくは、スルフォラファン含有組成物は、(i)イェルバマテ、及び任意選択で他のエッセンシャルハーブ(本明細書で以前に定義されている)、並びに/又は(ii)本明細書に好ましいと記載されているものから選択される電解質を含む。より好ましくは、スルフォラファン含有組成物は、エッセンシャルハーブミックス(本明細書で定義されている)、電解質(例えばアルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオン、特に弱酸の塩、例えばグルタミン酸カリウム及びナトリウム、並びに乳酸マグネシウムとして)を、任意選択で、本明細書でさらに定義されている他の原料と一緒に含む。
【0064】
スルフォラファンは、必要とされる保存時間(保存可能期間)にわたり保存安定性を維持することが可能な(スルフォラファンの臭気性硫黄含有分解生成物への分解に関する)量を超えない量で、活性成分として存在し得る。
【0065】
好適には、したがって、スルフォラファンは、用量当たり200~800、好ましくはおよそ300~600μgの範囲の量で活性成分として存在し得る。例えば、スルフォラファンは、用量当たり260~600μg、好ましくは用量当たりおよそ300~450、例えば400μgの範囲の量で活性成分として存在し得る。
【0066】
スルフォラファンは、1部のエッセンシャルハーブに対して0.005から0.05の範囲、例えば0.03部のスルフォラファンの比で存在し得;好ましくは、エッセンシャルハーブに対する任意のスルフォラファンは、約1:0.05比で存在する。
【0067】
スルフォラファンは、およそ0.4~5%(w/w)のスルフォラファン濃度を有するブロッコリー又はブロッコリースプラウトの標準濃縮物として利用できることが多い。本発明の製剤に添加される濃縮物の量は、正しい量のスルフォラファンを送達するように調整する必要がある。例えば、8mgの5%濃縮物は、用量当たり400μgのスルフォラファンを製剤により送達する必要がある。
【0068】
追加の活性成分
追加の活性成分は、任意選択で、不可欠な活性成分の二日酔い止め効果を押し上げる又は補うために組成物に存在し得る。任意の活性成分は、合成化学物質又は医薬品ではなく、天然生成物又はこれらの抽出物であることが好ましい。したがって他のハーブを添加してよいが、エッセンシャルハーブと比較して相対的に少量である。これは、本発明の製剤における活性なハーブ原料のみが、本明細書で以前に定義されているエッセンシャルハーブである場合に好ましい。
【0069】
例えば、脳機能及び血液循環に対するプラスの二日酔い止め効果に寄与し得るギンコ・ビローバも含まれ得る(例えば用量当たり50~250mg又は0.25~0.75部のGビローバ:1部のエッセンシャルハーブに等しい量で)。
【0070】
さらなる例として、用量当たり約250mgまで、好ましくは100mg以下、好ましくは約20mg未満、例えばおよそ10mgのグリシリーザ・グラブラ(カンゾウ根)が添加され得る。
【0071】
それでもやはり、製剤は、ギンコ・ビローバを実質的に含まず、及び/又は比較的少量のグリシリーザ・グラブラ(カンゾウ)を0~20mgの範囲でしか含まない場合がとりわけ好ましい。
【0072】
他の原料、例えば緑茶及びビタミンB、例としてリボフラビン及びチアミンも、有益な二日酔い止め効果を有し得る。
【0073】
追加の活性成分は、好ましくは天然起源のもの、及び天然の生成物、特に植物性生成物からの抽出物、又はそれらの合成等価物である。
【0074】
鎮痛剤、抗微生物剤又は他の薬理活性成分を組成物に添加することも可能であるが、製剤は、ハーブ又はハーブ抽出物、追加の活性成分としてビタミン及びミネラルのみを含むことが好ましい。
【0075】
添加されるカフェインを、比較的少量で、カフェイン自体として、又は例えばガラナカフェインの形態で含むことも可能である。しかし、上記のように、カフェインは、エッセンシャルハーブ混合物(イェルバマテ)の公知の成分のうちの1つでもあるので、約3mg超のカフェインは添加しないことが好ましい。より好ましくは、添加されるカフェインの量は、1mg未満、例えば約0.0~0.5mgにすべきである。
【0076】
不活性添加剤
本発明の組成物は、任意選択で、1つ又は複数の不活性添加剤、例えば:原料のいずれかに対する溶媒(例えば、ハーブ原料又は抽出物を可溶化するのに過不足ない95%エタノール又はグリセロール);追加の糖(以下に記載されているように少量の、例えば用量当たり5gのフルクトースを含む)、又は他の甘味料(例えばグリセロール、アスパルテーム、アセスルファームK、スクラロース、サッカリン、ネオテーム及びポリデキストロース);味マスキング剤(例えばクエン酸一水和物)を含む香味料;着色剤;ビタミン;安定化剤(例えば乳化剤又は可溶化剤、例としてポリソルベート20);pH改質剤、緩衝剤及び防腐剤(例えばソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸一水和物、リン酸);芳香剤(アロマ)なども含有し得る。
【0077】
不活性添加剤のいくつかは、製剤において1つ超の機能を有し得る。
【0078】
約20g以上のフルクトースが、著しい二日酔い止め効果を有するのに必要であることは理解され;いくつかの従来技術製剤は、約90gを含み、飲料を構成する大容量の液体の必要性が生じる。特定のエッセンシャルハーブの組合せを使用し、かつ電解質及び/又はスルフォラファンを含むことにより、こうした大量のフルクトースを含む必要がなくなることを今般見出した。したがって、甘味化又は味マスキングのために、本発明の組成物は、約20gまでのフルクトースを含み得るが、好ましくは約5~11g、例えば約3g~6gの領域(例えば4又は5g)を含み得る。
【0079】
組成物は、果実香味料及び/又は全果実粉末、例えばオレンジ、又はレモン及びライムのような混合した柑橘類を、特に飲料の形態の場合に含み得る。
【0080】
組成物は、水(例えば水道水又は無炭酸水(still water))又は他の好適な液体に溶解した場合、典型的には炭酸ガス飽和により、例えば二酸化炭素を添加することにより、発泡させることができる。或いは、天然発泡性湧水を使用できる。したがって、水は、好ましい不活性添加剤である。
【0081】
原料パラメーター
任意の追加の原料又は添加剤(すなわち活性又は不活性)は、標的酵素の活性部位への結合に関して、エッセンシャルハーブ原料と競合することにより、又は、それらの阻害又は不活化を引き起こすことにより、組成物の効果を低下させる量で存在すべきではない。効果において観察されたわずかな低下はいずれも、実際に顕著ではないはずである(全体の組成物に対して)。
【0082】
さらに、「不活性」原料は、治療効果を有さず、本明細書で言及されている二日酔い止め効果のいずれにも寄与しない。これらは主に、製剤を調製、保存及び口当たりよく消費できることを確実にする。
【0083】
いくつかの原料は、本発明の製剤において1つ超の機能を果たすことがある。
【0084】
本発明の改善した製剤は、以下の添加される原料のいずれか1つ:甘味料として作用するのに必要とされる量(すなわち用量当たりおよそ4~5g)を著しく超え、かつ必ず約20g未満の量のフルクトース及び;約3mgを超える量のカフェイン(ガラナカフェインを含む);並びに/又は約20mgを超え、例えば10mg未満、かつ好ましくは約5mgを超えない量のG.グラブラ(カンゾウ根)を含まない(すなわち実質的に含まない)場合がとりわけ好ましい。
【0085】
したがって、本発明は、二日酔い有効量のフルクトースを実質的に含まない場合;添加されるカフェインを実質的に含まない場合;及び/又はG.グラブラを実質的に含まない場合、本明細書で定義されている組成物をさらに提供する。明快さのために、これは、ガラナカフェイン又はエッセンシャルハーブではない他のカフェイン含有ハーブの形態であるかどうかを問わず、カフェインに対して等しく適用される。
【0086】
好ましくは、本発明の組成物は、組み合わせた全3つの原料(添加されるカフェイン、二日酔い有効量のフルクトース及び添加されるカンゾウ根)を実質的に含まない。
【0087】
先に言及されているように、本発明の特に好ましい組成物は、エッセンシャルハーブ成分の総乾燥重量に対して、相対的に少量のショウガ及びチョウセンニンジン、並びに相対的に多量のイェルバマテをエッセンシャルハーブ原料として含む。
【0088】
好適には、エッセンシャルハーブ成分は、組み合わせた150~500mgイェルバマテ及び100~300mgの他の3つのエッセンシャルハーブを含む。この場合では、イェルバマテの乾燥重量は、他のエッセンシャルハーブ原料を組み合わせた乾燥重量の約0.5~5倍(すなわち50から500%)の範囲を占め得る。しかし、より多量のエッセンシャルハーブを、例えば総重量約1800mgまで使用してよく、イェルバマテ成分は、好ましくはエッセンシャルハーブ混合物の少なくとも30%を占める。
【0089】
組成物における各成分又は原料の量は、組成物、成分又は原料が投入される対象の特定の個人消費者及び/又は特定の使用(複数可)に応じて独立的に選択される。
【0090】
組成物は、好ましくは、剤形当たり(好ましくは、飲用のための水性組成物50ml当たり)、
(a)エッセンシャルハーブ原料として:150~500mgイレックス・パラグアリエンシス、30~100mgパナックス・ジンセン、20~50mgエレウテロコッカス・センチコサス及び50~150mgジンギベリス・オフィキナリス;並びに
(b)電解質として:150~400mgグルコン酸ナトリウム、1500~3000mgグルコン酸カリウム、及び500~1100mg乳酸マグネシウム、又は代替塩を使用する場合、当量のNa、K及びMgイオン
を含む。
【0091】
任意選択で、及びより好ましくは、組成物は、(c)200~800μgスルフォラファンをさらに含み得る。
【0092】
任意選択で、組成物は、(d)必要に応じて、少量の不活性成分(例えば、本明細書で以上に記載されている甘味料、香味料、着色料、可溶化剤、乳化剤、安定化剤、全果実粉末)を含み得る。
【0093】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、剤形当たり(好ましくは、飲用のための水性組成物50ml当たり)、
(a)エッセンシャルハーブ原料として:150~500mgイレックス・パラグアリエンシス、30~100mgパナックス・ジンセン、20~50mgエレウテロコッカス・センチコサス及び50~150mgジンギベリス・オフィキナリス;
(b)電解質として:150~400mgグルコン酸ナトリウム、1500~2500mgグルコン酸カリウム、及び500~1000mg乳酸マグネシウム、又は代替塩を使用する場合、当量のNa、K及びMgイオン;
(c)任意選択で、及びより好ましくは、200~400μgスルフォラファン;
(d)任意選択で、及びより好ましくは、必要に応じて少量の不活性成分(例えば甘味料、香味料、着色料、可溶化剤、乳化剤、安定化剤、全果実粉末)
を含む。
【0094】
任意選択で、以前に指し示されているように少量の追加の活性成分、例えばカフェイン、ギンコ・ビローバ及び/又はグリシリーザ・グラブラ(カンゾウ根)を含んでよい。
【0095】
本発明の改善した製剤の、全体の乾燥原料の重量に対する割合は、本明細書で以上に示されている指針の範囲内で好適と見出され得るいずれか、例えば:
(a)エッセンシャルハーブとして:イェルバマテ(0.5~5.0%、好ましくは2.96~3.9、例えば3.6%)、エレウテロコッカス・センチコサス(0.05~2.0%、好ましくは0.32~0.42、例えば0.39%)、パナックス・ジンセン(0.01~2.0%、例えば0.01~1.0%、好ましくは0.62~0.76%)、ショウガ(0.3~3.0%、好ましくは0.98~1.2%);
(b)(0.3~6.0%、例えば0.3~3.0%、好ましくは2.24~2.73%)グルコン酸ナトリウム、(5.0~43.0%、例えば5.0~30.0%、好ましくは21.0~25.8%、例えば21.20~22.0%)グルコン酸カリウム、(3.0~15.0%、例えば3.0~10.0%、好ましくは6.48~7.90%)乳酸マグネシウム、又は代替塩を使用する場合、当量のNa、K及びMgイオン;
(c)任意選択で、及びより好適には、(0.00~0.3%、例えば0.03~0.3%、好ましくは0.05~0.1%、より好ましくは約0.06%)のスルフォラファン;
(d)任意選択で、追加の活性成分、例えばギンコ・ビローバ(0.00~3.0%、好ましくは0.16~1.77%)及び/又は添加されるカフェイン(0.00~1.0%、好ましくは0.01~0.1%);並びに
(e)任意選択で、本明細書で以上に定義されている追加の不活性成分、例えば甘味料、香味料、着色料、可溶化剤、乳化剤、安定化剤、全果実粉末(存在する場合、1~75%、例えば1~65%、好ましくは57.4~61.5%)
であり得る。
【0096】
例えば、本発明の改善した製剤の全体の乾燥原料の重量に対する割合は、本明細書で以上に示されている指針の範囲内で好適と見出され得るいずれか、例えば:
(a)エッセンシャルハーブとして:イェルバマテ(0.5~5.0%、好ましくは2.96%)、エレウテロコッカス・センチコサス(0.05~2.0%、好ましくは0.32%)、パナックス・ジンセン(0.01~1.0%、好ましくは0.62%)、ショウガ(0.3~3.0%、好ましくは0.98%);
(b)(0.3~3.0%、好ましくは2.24%)グルコン酸ナトリウム、(5.0~30.0%、好ましくは21.20~22.0%)グルコン酸カリウム、(3.0~10.0%、好ましくは6.48%)乳酸マグネシウム、又は代替塩を使用する場合、当量のNa、K及びMgイオン;
(c)任意選択で、及びより好適には、1.3~2.57%、好ましくは1.93%のスルフォラファン;
(d)任意選択で、追加の活性成分、例えばギンコ・ビローバ(0.00~3.0%、好ましくは1.77%);並びに
(e)任意選択で、追加の不活性成分、例えば甘味料、香味料、着色料、可溶化剤、乳化剤、安定化剤、全果実粉末(1~65%、好ましくは61.5%)
であり得る。
【0097】
本製剤のエッセンシャルハーブのそれぞれの、互いに対して特に好ましい比は、イレックス・パラグアリエンシス:パナックス・ジンセン:エレウテロコッカス・センチコサス:ジンギベリス・オフィキナリスでそれぞれ10:2:1:3である。
【0098】
本製剤の電解質のそれぞれの、互いに対して特に好ましい比は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)及びマグネシウム(Mg++)イオンでそれぞれ1:10:3である。
【0099】
調製
液体組成物
乾燥原料は、好ましくは、水性液体組成物を得るために水又は他の好適な液体に溶解する。好ましくは、乾燥原料の混合物を、乾燥原料の混合物1部と、水/好適な液体2~50部、例えば水/液体3~10部;及びより好ましくは、乾燥原料の混合物1部と水/液体5部の範囲の比で溶解する。
【0100】
典型的には、個人による1回用量での消費に好ましい量は、20~200mLの水性液体組成物;より好ましくは、50から100ml、とりわけ50ml「ショット」である。小容量の液体組成物(例えば濃縮物、好適には約20から30mL、例えば25mlの容量)は、消費者の好み及び都合に応じて、水又は他の相溶性のある液体で、消費に望ましい容量にさらに希釈され得る。水性組成物のpHは、好ましくは約3.0~7.5、より好ましくは5.0~5.5である。
【0101】
本発明の水性液体組成物、例えばアルコール後の飲料を調製するための方法は、好適には、
(a)エッセンシャルハーブ原料を含む、すべての乾燥原料を一緒に混合して、乾燥混合物を形成するステップ;
(b)濃縮物を形成するために、混合物を使用可能にするのに十分な水性溶媒を添加するステップ;
(c)ステップ(b)により得られた溶媒/ハーブ混合物を撹拌して、濃縮物を形成するステップ;
(d)残りの原料のいずれかを添加し、均質になるまで混合して、最終濃縮物を形成するステップ;並びに、任意選択で、
(e)ステップ(d)により生成された最終濃縮物を、望ましい容量が得られるまで、水性液体で希釈するステップ
を含む。
【0102】
例えば、本発明の水性液体組成物を調製するための方法であって、
(a)すべての乾燥原料を一緒に混合して、乾燥混合物を形成するステップ;
(b)水を、ステップ(a)により得られた混合物に、乾燥混合物:水が1:2~2:4の範囲の比で添加するステップ;
(c)ステップ(b)により得られた混合物を均質になるまで撹拌して、濃縮物を形成するステップ;
(d)残りの原料のいずれか、例えば電解質、並びに、防腐剤、着色料、香味料、発泡剤及び/又は安定化剤を含む任意の追加の活性成分及び不活性成分を添加するステップ;並びに
(e)任意選択で、ステップ(d)で生成された濃縮物を、望ましい容量が得られるまで希釈するステップ
を含む方法が提供される。
【0103】
或いは、方法は、
(a)4つのエッセンシャルハーブ原料(イェルバマテ、パナックス・ジンセン、ショウガ及びエゾウコギ(エレウテロコッカス・センチコサス))を一緒に混合して、乾燥混合物を形成するステップ;
(b)過不足ないエタノールを混合物に添加して、4つの原料を溶解するステップ(出来上がった50ml生成物中で0.67%の最終濃度まで);
(c)ステップ(b)により得られた混合物を均質になるまで撹拌して、濃縮物を形成するステップ;
(d)残りの原料のいずれかを添加及び溶解する、十分な水を添加するステップ、
(e)防腐剤、着色料、香味料、発泡剤及び/又は安定化剤を含む残りの原料のいずれかを添加して、最終濃縮物を生成するステップ;並びに
(f)ステップ(e)で生成された濃縮物を、望ましい容量が得られるまで希釈するステップ
を含み得る。
【0104】
固体又は乾燥組成物
組成物は、当業者に公知の方法を使用した製剤に、溶液、シロップ又は他の液体形態(例えば飲物又は飲料又はショット)として好適なのと同様に、固体、例えば乾燥粉末、粒状体又は顆粒及び錠剤(発泡及び溶融錠剤を含む)としても製剤化され得る。
【0105】
本発明の組成物は、別法として、医薬調製物として製剤化され得る。適切な場合、この医薬調製物は、薬学的に許容できる担体をさらに含む。そのような医薬の好適な担体及び製剤は、当業者に公知である。
【0106】
同じく本発明の組成物は、別法として、栄養補助食品調製物として製剤化され得る。適切な場合、この栄養補助食品調製物は、栄養補助食品として許容できる担体をさらに含む。そのような栄養補助食品の好適な担体及び製剤は、当業者に公知である。
【0107】
本発明は、本発明の固体又は乾燥組成物を調製するための方法であって、すべての原料を緊密な物理的混和物中で一緒にするステップを含む方法をさらに提供する。
【0108】
体裁及び包装
組成物の最終形態は、任意選択でそれ自体が外装、例えば箱に、組成物の使用説明書と一緒に、さらに包装されてよい容器、例えばボトル、ブリスターパック、スティック包装又はサシェで包装され得る。好ましくは、容器は、ガラス又はポリマー材料製ボトルである。とりわけ外装が存在しない場合、使用説明書は、容器に貼り付けられたか、又は容器と一体となったラベル又は他の指示から明白なことがある。
【0109】
組成物が液体形態である場合、使用説明書は、容器を最初に振とうしてから消費すべきであると指し示すことがある。好ましくは、本発明の組成物は、アルコール消費が終わった後で消費される。より好ましくは、組成物は、1日につき1回用量の摂取を可能にする(必要とされる場合)形態である。組成物は、単一の形態である場合、アルコール消費後に飲用するための、50ml水性液体がとりわけ好ましい。
【0110】
上記のような方法、用量及び調製物のタイプの好ましい態様は、本明細書で以上に明記されている組成物の好ましい態様に一致する。
【0111】
使用
本発明の組成物は、例えば、個人における二日酔いに関連する症状の発症の抑制又は防止における用途を見出す。組成物は、アルコール消費の翌日、血液におけるアルコールレベルをより低くするために摂取してもよい。組成物は、脱水も部分的に減少させるか、又は防止する。
【0112】
二日酔いに関連する症状の発症を防止する場合では、組成物は、アルコール消費直後に摂取してよい。アルコール代謝の重要な酵素を加速させることにより、アルコール及びアセトアルデヒド分解は増加し、過剰アルコール消費の望ましくない効果を抑制する(例えば頭痛、心血管障害、口渇、悪心、振戦、めまい、疲労及び協調運動障害)。
【0113】
本発明は、したがって、
(a)二日酔いに関連する症状の発症を抑制及び/又は防止するステップ;
(b)アルコール分解を加速するステップ;
(c)脱水を減少させ、及び/又は防止するステップ;並びに
(d)アセトアルデヒド分解を加速するステップ
のうちの1つ又は複数における使用に好適な組成物を提供する。
【0114】
本発明の組成物を摂取して、運動又は病気による身体労作後の個人におけるエネルギーレベルを上昇させることができる。長期間にわたる個人の移動、例えば長距離の航空機フライトも、特にアルコール消費により、労作及び脱水になり得、したがって組成物の摂取からも利益が得られる。
【0115】
本発明の組成物は、
(a)急性アルコール中毒の処置;
(b)アルコール及びアセトアルデヒド分解速度の上昇、及びそれによる、これらの高反応性試薬により引き起こされる細胞及び組織傷害の抑制;並びに
(c)アルコール依存患者におけるアルコールへの欲求抑制
のうちの1つ又は複数における使用にさらに好適であり得る。
【0116】
特定の消費者におけるアルコール分解の加速が、アセトアルデヒド分解の加速を超える場合、本発明は、ALDH酵素作用を阻害する傾向がある(硫黄含有量のため)ジスルフィラムのような薬物の効果を向上させる用途も見出すことができる。次いで、必要とされる薬物の用量を減少させることにより、副作用及び薬物毒性を抑制又は除去できる。
【0117】
本発明は、したがって、ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒド分解の促進に使用して、任意選択で(a)過剰アルコール消費の望ましくない効果を抑制し、並びに/又は(b)対象における、二日酔いに関連する症状の発症を処置し、並びに/又は(c)ヒトにおけるアセトアルデヒド脱水素酵素に結合するのに好適な、本明細書で定義されている組成物を提供する。これは、本明細書の
図2で例証されており、ALDH酵素への結合((b)に至る)、及び通常の律速酵素-NADH解離ステップより速く解離する酵素-NADH-組成物複合体の形成を示す。
【0118】
本発明は、ジャパニーズ又はアジアンフラッシュ症候群;アルコールフラッシュ反応;先述のものに関連する症状のうちのいずれか1つ又は複数の防止、処置又は軽快に使用するため;及びヒトにおけるアルデヒド脱水素酵素、例えばヒト唾液のアルデヒド脱水素酵素(hsALDH)の活性を増進させるための、本明細書で定義されている組成物をさらに提供する。
【0119】
アルコールフラッシュ反応(AFR)は、個人が、アルコール飲物の消費後に顔、首、肩及び(いくつかの場合では)全身の紅斑を伴う紅潮又は斑点を発症する状態である。アジアンフラッシュ症候群は、顔の紅潮、悪心、頭痛及び高速心拍数を含む。
【0120】
本発明の組成物のさらなる使用は、以下に記載されている処置方法の使用を含む。
【0121】
処置方法
したがって、本発明は、対象におけるアルコール及びアセトアルデヒド分解を促進するための方法であって、前記対象に有効量の本発明による組成物を投与するステップを含む方法をさらに提供する。
【0122】
本発明は、アルコール及びアセトアルデヒド分解を促進して、過剰アルコール消費の望ましくない効果を抑制するため、及び/又は二日酔いに関連する症状の発症を処置するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の本発明による組成物を投与するステップを含む方法をさらに提供する。
【0123】
本明細書で以上に概説されている本発明の組成物の使用のいずれかは、同様の手段で処置する方法に翻案され得ることは理解される。例えば:
本発明は、対象におけるアルコール消費に由来する二日酔いを処置するための方法であって、本明細書に上で記載されている、二日酔い止め有効量の本発明の組成物の対象への投与を含む方法をさらに提供し;並びに
本発明は、対象におけるアルコール消費に由来する症状、例えば頭痛、悪心、脱水、疲労、振戦及びめまいからなる群から選択される、1つ又は複数の症状を処置するための方法であって、本明細書に上で記載されている、二日酔い止め有効量の本発明の組成物の対象への投与を含む方法をさらに提供する。
【0124】
本発明は、対象におけるアルコール及びアセトアルデヒド分解を促進するため、及び/又は二日酔い症状を軽減するための改善した組成物であって、
(i)イェルバマテ、エレウテロコッカス・センチコサス、パナックス・ジンセン及びショウガからなるハーブの混合物;並びに、任意選択で、
(ii)グリシリーザ・グラブラ、ギンコ・ビローバ及びフルクトースから選択される追加の原料のうちの1つ又は複数、
を含み、改善は、以下からなる群から選択され、
(a)イェルバマテが、(i)で定義されているハーブの混合物の最少で0.1%、例えば1%超、好ましくは10%超、例えば30~50%超を占める;
(b)カフェイン及びガラナはそれぞれ、存在しないか、又は10mgまでの量で存在する(すなわち用量当たり0~10mg);
(c)フルクトースは、存在しないか、又は、アルコール分解に対する著しい生理学的効果を有する量を下回る量、例えば20gまで、好ましくは0~10g、例えば4~5g(用量当たり)の範囲の量で存在する;
(d)ギンコ・ビローバは、存在しないか、又は、100mg未満、好ましくは20mg未満、例えば0~10mg(用量当たり)の量で存在する;
(e)グリシリーザ・グラブラは、250mg未満、例えば100mg未満、好ましくは20mg未満、例えば0~10mg(用量当たり)の量で存在する;
(f)組成物は、電解質(複数可)、例えば20~50mgナトリウムイオン、300~500mgカリウムイオン及び60~150mgマグネシウムイオン(用量当たり)をさらに含む;並びに
(g)組成物は、任意選択でスルフォラファンを、例えば用量当たり200~800μgさらに含む、組成物をさらに提供する。
【0125】
好ましくは、本発明の組成物は、改善が、上述の(a)、(c)及び(f)のそれぞれの組合せであるものである。より好ましくは、改善は、上述の(a)、(c)、(d)及び(f)のそれぞれの組合せである。改善が、上述の(a)から(f)及び任意選択で(g)のそれぞれの組合せである場合がとりわけ好ましい。改善が、上述の(a)から(f)のいずれかの、上述の(g)と一緒の組合せであるものも好ましい。
【実施例】
【0126】
本発明は、以下の非限定的な実施例により、次に例証される。
【0127】
治験プロトコール
実施例1及び2で提示されている研究は、10名の個人(男性6名及び女性4名、年齢24~57歳)で実行した。
【0128】
対照研究(アルコール後の飲料として水のみを使用した)では、被験者に8oz.(ca.2.4dl)のウォッカを、6dlのスプライト(Sprite)(登録商標)(The Coca Cola Company)と混合して与えた。アルコールを1時間以内に消費した。所定の時間において、アルコール消費の30~60分後、各人が所定の容量の水(対照組成物)を飲用した。アルコールレベルを次いで以下に記載されているように測定した。結果は表2及び3で示されている。
【0129】
1週間後、同一の被験者に同一量のウォッカ及びスプライト(登録商標)をそれぞれ与える第2の研究を実行した。アルコール消費後の所定の時間において、各被験者が所定の容量のテスト組成物を飲用した。アルコールレベルを次いで、すぐ下に記載されているように測定した。
【0130】
血液アルコール濃度(BAC)は、CA 2000デジタルアルコール検出器を使用して、各実験において30分ごとに1回測定した。各値は、4回の平行測定の平均である。二日酔いに対する効果の評価は、1~10(10が最大効果を表す)の尺度で等級付けした。
【0131】
実施例1:従来技術(500mlフルクトース(90g)/カフェイン/Gグラブラ)製剤と本発明の製剤(500ml)の比較
テスト組成物が、比較組成物A(以下で定義されている)を含み、所定の時間は45分であり、所定の容量が500mlである研究プロトコールを上記のように実行した。同一のパラメーターを繰り返してよいが、本発明によるテスト組成物(組成物1、以下で定義されている)を使用し、結果を、比較組成物Aのものと比較した。
【0132】
比較組成物A
米国特許第6936283号(カラム6、ll.45~50)で具体的に開示されている、35mgカフェイン、28mgガラナカフェイン、27mgイェルバマテ(イレックス・パラグアリエンシス)、360mgエレウテロコッカス・センチコサス、70mgパナックス・ジンセン、360mgグリシリーザ・グラブラ(カンゾウ)、1gショウガ及び90gのフルクトースを含む従来技術製剤を調製した。天然オレンジの香味料を添加し、組成物を水で500mlの合計容量に希釈した。溶液を次いで炭酸ガス飽和して、比較組成物Aを得た。
【0133】
本発明の組成物1
組成物1(本発明の製剤)は、250mgイェルバマテ(イレックス・パラグアリエンシス)、53mgパナックス・ジンセン、27mgエレウテロコッカス・センチコサス、83mgジンギベリス・オフィキナリス、400μgスルフォラファン、300mgグルコン酸ナトリウム、3000mgグルコン酸カリウム及び1100mg乳酸マグネシウムを含む。
【0134】
結果
従来技術の比較組成物Aは、アルコール消費の45分後に摂取した場合、対照(水)と比較して、アルコール分解を加速し、かつ二日酔いに関連する症状を抑制又は防止すると見出された。この第1の研究(従来技術の製剤に対する)からの結果は、表2に示されている。上昇は67~92%の間であり、平均は83%であった。1~10(二日酔い症状における10~100%の抑制に等しい)のスケールで等級付けした二日酔い症状も著しく(80~100%)抑制した。
【0135】
【0136】
結論
本明細書で以下の実施例9及び10で得られた比較の研究で示されている結果に基づいて、結果は、本発明の改善した組成物(組成物1)が、フルクトース、添加されるカフェイン及びカンゾウ根を実質的に含まないにも関わらず、テストされる二日酔い症状を防止するか又は軽快させるのにとりわけ有効な組合せであることを指し示すと予想される。
【0137】
実施例2:従来技術(500mlフルクトース(90g)及び200ml非フルクトース)の製剤と、小容量の本発明の製剤(50ml)の比較
米国特許第6936283号に記載されている従来組成物に関する問題の1つは、消費するのに必要とされる飲料の容量が比較的多いことであり:比較組成物Aは、500ml飲料として消費され;これは、その高い(90g)フルクトース含有量のためである。従来の米国特許は、フルクトースを含有せず、200mlの容量を有する製剤(比較組成物B)についても記載している。
【0138】
したがって、従来技術では、テスト組成物は、比較組成物B(以下で定義されている)であり;所定の時間は30分であり;所定の容量を200mlに減少させた治験プロトコールが実行される。
【0139】
比較組成物B
従来技術組成物は、比較組成物Aと同様の手段で調製したが、これは代わりに以下を含む:
5mgカフェイン、85mgガラナカフェイン、10mgイェルバマテ、360mgエレウテロコッカス・センチコサス、70mgパナックス・ジンセン、360mgグリシリーザ・グラブラ(カンゾウ根)、100mgギンコ・ビローバ及び1gショウガ。
フルクトースは原料に添加されなかった。
【0140】
結果(従来技術)
この従来技術組成物は、アルコール消費の30分後に摂取した場合、表3に示されているようにアルコール分解を平均60%加速すると見出された。
【0141】
結果から、500ml組成物Aにおけるフルクトースのアルコール分解の加速への寄与がおよそ20~25%と指し示される。
【0142】
【0143】
結論(従来技術)
しかし、この非フルクトース含有従来技術製剤(比較組成物B)により、フルクトース含有従来技術製剤と比較して、著しく減少した、消費すべき容量(200ml v 500ml)を利益が得られるが、アルコール分解に対する全体的な効果はやや低下する。
【0144】
さらに、容量は、200mlまでしか減少しなかったが、これはやはりかなりの量と考えられ、より少ない容量がより好ましい。
【0145】
本発明者らは、これらの問題を克服することを求めた。したがって、きわめて著しく少ない(50ml)容量の新規な本発明の組成物、すなわち以下で定義されている組成物2A及び2Bを調製することが可能かどうかをテストする実験を実行した。その後、治験プロトコール(所定の時間30分及び所定の容量50ml)を使用して、組成物2A及び2Bの両方が、比較組成物B(従来技術)と比較し得る。
【0146】
本発明の組成物2A
250mgイレックス・パラグアリエンシス、53mgパナックス・ジンセン、27mgエレウテロコッカス・センチコサス、83mgジンギベリス・オフィキナリス、190mgグルコン酸ナトリウム、1800mgグルコン酸カリウム、550mg乳酸マグネシウム及び5000mgフルクトースを一緒に混合し、水を添加した。
【0147】
本発明の組成物2B
組成物2Aにおける5000mgフルクトース成分を、400μgスルフォラファンで置き換えた本発明の第2の組成物(組成物2B)を調製できる。
【0148】
結果(本発明の組成物)
容量のテスト
本発明の組成物2Aを含む飲料は、比較的少量の水を使用して調製でき、これにより、口当たりがよいにも関わらず、従来技術組成物A(上の実施例1で定義されている)と比較して、相対的に少量のフルクトースでも50ml飲料が生成されることを意外にも見出した。
【0149】
上の結果及び本明細書で以下の実施例9で示されているものに基づいて、フルクトースの代わりにスルフォラファンを含有する飲料は、わずか50mlの容量にも調製可能であることも予想される。これは、実施例9における組成物9Bにより、組成物2Bと同様の組成物は、4gフルクトース、及び、またカフェイン原料をさらに含むにも関わらず、50ml容量に調製できることが示されるためである。
【0150】
研究プロトコールテスト
本明細書で以下の実施例9及び10で示されている結果を考慮して、本発明による新たな改善した小容量(50ml)製剤(組成物2A及び2B)で研究プロトコールを実行する場合、従来技術製剤(比較組成物A及びB)と比較してアルコール分解加速の多少の低下をきたすが、それにも関わらず、二日酔い止め量のフルクトース及びいくつかの他の原料、例えば添加されるカフェイン、カンゾウ及びギンコ・ビローバがなくても、二日酔い止め効果はさらに満足すべきものとなることが予想される。
【0151】
実施例3~8:さらなる本発明の組成物
本明細書で以上に記載されている調製方法を使用して、以下の組成物を調製した。
実施例3:エッセンシャルハーブ、電解質及び少量のフルクトースを含む水性50ml飲料組成物(組成物3)
【0152】
【0153】
他の少量の原料:エタノール(96%)、ソルビン酸カリウム、グリセロール、クエン酸一水和物、ポリソルベート20及びアロマ。
水、50mlにするのに十分な量。
実施例4:エッセンシャルハーブ、電解質、少量のフルクトース、及び追加の活性成分を含む水性50ml飲料組成物(組成物4)
【0154】
【0155】
他の少量の原料:エタノール(96%)、ソルビン酸カリウム、グリセロール、クエン酸一水和物、ポリソルベート20及びアロマ。
水、50mlにするのに十分な量。
実施例5:エッセンシャルハーブの組成物 - 1(組成物5)
【0156】
【表6】
4つのハーブを一緒に混合して、エッセンシャルハーブの組成物を形成し、次いで、本明細書で以前に記載されているように電解質を添加して、本発明の組成物5を調製した。生じた組成物5は、配合成分及び嗜好成分(palatability ingredient)を添加すること、並びに任意選択でカプセルに製剤するか、又は水性液体に溶解して飲料を形成することによりさらに加工できる。
実施例6:エッセンシャルハーブの組成物 - 2(組成物6)
【0157】
【0158】
4つのハーブを一緒に混合して、エッセンシャルハーブの組成物を形成し、次いで本明細書で以前に記載されているように水、電解質、嗜好成分及び配合成分と、さらなる水を添加して、本発明の組成物6を50mlワンショット調製物として調製した。
【0159】
実施例7:エッセンシャルハーブ、電解質及びスルフォラファンを含む水性飲料(500ml)組成物(組成物7)
本発明の500ml水性製剤は、250mgイレックス・パラグアリエンシス、53mgパナックス・ジンセン、27mgエレウテロコッカス・センチコサス、83mgジンギベリス・オフィキナリス、400mcgスルフォラファン、300mgグルコン酸ナトリウム、3000mgグルコン酸カリウム及び1100mg乳酸マグネシウム;並びに水(500mlにするのに十分な量)を含む。
【0160】
実施例8:エッセンシャルハーブ、電解質及びスルフォラファンを含む水性飲料組成物
本発明の50ml水性製剤は、250mgイレックス・パラグアリエンシス、53mgパナックス・ジンセン、27mgエレウテロコッカス・センチコサス、83mgジンギベリス・オフィキナリス、190mgグルコン酸ナトリウム、1800mgグルコン酸カリウム、550mg乳酸マグネシウム及び400μgスルフォラファン;並びに水(50mlにするのに十分な量)を含む。
【0161】
実施例9:スルフォラファンの有益な効果を実証する臨床トライアル
この研究の目的は、本発明の製剤(組成物9A)のアルコール代謝及び選択された二日酔い症状に対する効果を、添加されるスルフォラファンを有する同一の製剤(組成物9B)に対して比較することであった。
【0162】
【0163】
他の原料:エタノール(溶液中最終濃度0.67%)、安息香酸ナトリウム、リン酸、ポリデキストロース、グリセロール及びアロマ。
【0164】
【0165】
他の原料:エタノール(溶液中最終濃度0.67%)、安息香酸ナトリウム、リン酸、ポリデキストロース、グリセロール及びアロマ
材料及び方法
研究は、参加者がアルコール及び組成物9A又は組成物9Bを初日に、並びに、アルコール及び組成物9B又は組成物9Aを2日目に消費する(前日の反対のもの(counterbalanced order))二重盲検対照2群(組成物9A vs.組成物9B)の被験者内計画であった。効率的には、方法は、上の実施例1及び2に使用される治験プロトコールの場合と同様であったが、以下にさらに詳述されているように改訂(拡張)二日酔いパラメーターを用いた。
【0166】
参加者は、年齢27から36歳、70から130kgの範囲の重さの11名の健常な若い女性及び男性であった。
【0167】
参加基準
20~40歳の健常な女性及び男性。
非喫煙
慢性疾患なし
アルコール摂取の結果として二日酔い症状を以前に経験した。
研究は、過去数ヶ月中の研究で示された当量のアルコールを消費した参加者のみを含んだ。
【0168】
除外基準
喫煙者
慢性状態を有するか、又は何らか薬物の使用中。
研究前過去5日間で5単位超のアルコールを飲用した。
2つのテスト日の間における7日間の期間でアルコールを消費。
【0169】
対照設計
各参加者にアルコール(ウォッカ37.5%)を両方の研究日(1日目及び8日目)に供給した。アルコールの量は、参加者の体重に基づいて計算した。参加者は以下の手段で自己対照の役割を果たした。
【0170】
研究の実施(両日)
参加者が集まり、参加者番号を引くように指導された。参加者が1日目及び8日目に受けるのはどちらのバージョンの製剤(組成物9A又は組成物9B)かをこの番号に基づいて決定した。この手順を両日の後に続けて、正確な二重盲検計画を確実にし、報告における参加者全体の匿名性を確実にした。
【0171】
すべての参加者に次いで、ハム及びチーズの付いたバゲット、並びにグラス1~2杯(複数可)の牛乳(低脂肪乳、脂肪分1.3%)又はオレンジジュースからなる標準食事を供給した。
【0172】
アルコール投与を食後30分にスタートし、60分後に終わらせた。アルコールは、37.5%ウォッカ(Boris Jelzin Vodka、Vinmonoplolet)の形態で消費させた。アルコールをカフェインレス飲物と混合した。
【0173】
以前の実験研究からの証拠により、およそ1.1~1.2‰のピークBAC(血液アルコール濃度)を生じるアルコール投与量は、二日酔いの誘導に有効であることが指し示される。同時に、そのようなBACは、通常、他の望ましくない副作用、例えば反社会的行動、嘔吐を伴わない。望ましいBACを生じるのに必要なアルコールの量は、以下の表1に示されている体重に基づいて計算した。表における量は、Department of Public Health及びNorwegian Directorate of Health and Social Affairsからの計算に基づき、アルコール濃度は、アルコールが分布し得る体液容量に基づく。後者の平均値は、体重の68%である。
【0174】
【0175】
アルコール消費が終了した後で、各参加者は、上で定義されている50mlの組成物9又は組成物10を与えられた。
【0176】
呼気試料の測定
BACは、Alkometer Lifeloc FC10装置(https://www.lifeloc.com/fc10)で90分ごとに1回採取した呼気試料により測定した。各値は、2回の平行測定の平均であった。
【0177】
二日酔い症状の評価
以前の研究により、二日酔い症状は、通常、BACが0.00‰に下落する+/-1時間後に悪化することが示された。この研究では、Curr.Drug Abuse Rev.(2010年)3(2)116~126頁で公表された二日酔いリサーチグループのコンセンサスに基づく以下のパラメーターを使用して、組成物9A及び組成物9Bの二日酔いに対する効果を評価した。
【0178】
全期間の二日酔い
頭痛
疲労
悪心
両日(1日目及び8日目)で、参加者は、10のスコアが症候群の症状なしを指し示し、スコア1がまったく効果なしを指し示す、所定の製剤の効果を評価するフォームを完成させるように要求された。
【0179】
結果
すべての参加者は両方のテスト日を完了した。有害作用は最大BAC、1.1~1.2‰で観察されなかった。
【0180】
1.アルコール分解に対する効果
a.ベースライン
消費されたアルコールの約90~98%は、肝臓アルコール脱水素酵素(LADH)と呼ばれる酵素により肝臓で分解される。
参加者#4を除くすべてのトライアル参加者は、0.15‰/時間の平均(ベースライン)に対して、0.13~0.18‰/時間のアルコール分解の平均速度を有していた。参加者#4は、0.23‰/時間(ベースライン)の平均アルコール分解を有していた。この高い速度は、CytP450及び/又はカタラーゼ酵素がこの個人におけるアルコールの分解にて活性であることを指し示す。
【0181】
b.組成物9A
製剤(組成物9A)を消費する場合のアルコール分解の平均速度は、0.19‰/時間(表5)であった。これは、ベースラインと比較して平均26.67%高い。参加者#4は、そのベースラインと比較して24%の上昇を示した。
【0182】
【0183】
c.組成物9B
スルフォラファン(組成物9B)を含有する製剤を消費する場合のアルコール分解の平均速度は、0.216‰/時間(表6)であった。これは、ベースラインと比較して平均43.5%高い。参加者#4でのアルコール分解の増進は、およそ100%であった。この増進は、単にLADHだけではなく他の酵素も活性化され得ることを指し示す(考察を参照されたい)。
【0184】
【0185】
2.二日酔い症状に対する効果
組成物9A及び組成物9Bの、選択されたアルコールに誘導される二日酔い症状に対する、報告されている効果は、表7で要約されており、ここでは、研究参加者により報告されているように、10のスコアが症状「ゼロ」を表し、1のスコアが「きわめて強い」症状を表す。
【0186】
【0187】
要約すれば、組成物9Aの二日酔い症状に対する各効果での平均スコアは総じて高かったが:
一般的な二日酔い:8.27
頭痛:9.81
疲労:6.27
悪心:9.00
スコアは、組成物9Bを摂取した者で、すべての症状に関してより高かった
一般的な二日酔い:9.81
頭痛:10.00
疲労:9.55
悪心:9.73。
【0188】
組成物9Bの、組成物9Aと比較してより優れた効果は、一般的な二日酔い及び疲労で最も顕著であった。組成物9Aで、組成物9Bと比較してより優れた効果は、いずれの症状でも参加者のいずれによっても報告されていないので、結果は一致していた。
【0189】
考察:
アルコール分解に対する効果
理論に束縛されることを望まないが、組成物9Aのアルコール代謝増進の背後にある機構は、組成物9Aが、通常の律速E-NADH解離(k4)より速く解離する酵素-NADH-組成物9A三元複合体(k5)を形成するようにすることが提案されている。
研究からの結果は、参加者が、スルフォラファンを含有する製剤(組成物9B)を供給された場合、アルコール分解速度において平均44.6%の増加を示す。これは、組成物9Aで観察された増加より50%超高い。
【0190】
これらの結果は、以前のリサーチ(Langeland,BTら(1999年)、Metal binding properties of thiols;complexes with horse liver alcohol dehydrogenase.Comp Biochem Physiol B Biochem Mol Biol.123,155~62頁)では、硫黄、とりわけチオール化合物が、通常、LADHのような脱水素酵素に対して強力な阻害効果を有することが示されていたので、明らかでもなく予想もされなかった。
【0191】
組成物9Aの分解と比較した、組成物9Bでのアルコール分解のさらなる増進により、組成物9Bにおけるスルフォラファン成分は、他の原料と競合しない場所/部位にてLADH酵素に結合し得ることが示唆される。
【0192】
その代わり、これは、三元E-NADH-組成物9A複合体よりひときわ速く解離する三元E-NADH-組成物9B複合体の形成に寄与する。
【0193】
Cyt P450及び/又はカタラーゼ酵素は、慢性的に/大量にアルコールを消費する個人においてアルコール分解にも寄与し得るので、参加者#4での組成物9Bを用いたアルコール分解の著しく高い増進から、スルフォラファンが、これらの酵素の活性も上昇させることがさらに示唆される。
【0194】
アセトアルデヒド分解:ALDH活性/二日酔い症状に対する効果
アルデヒド脱水素酵素(ALDH)は、エタノール代謝、すなわち毒性のあるアセトアルデヒド(エタノールより30倍毒性がある)の酢酸への変換の重大なステップを触媒する。
【0195】
硫黄(例えばジスルフィラム)を含有する多くの化合物は、ALDH酵素活性を阻害することを見出した。スルフォラファン含有組成物9Bにより、選択された二日酔い症状に対して観察されたプラス効果の増大は、したがって酵素の観点からは明らかではないか、又は予測できなかった。
【0196】
結果から、スルフォラファンは、ALDHの律速ステップより速く解離する複合体の形成に寄与することにより、ALDH酵素において、酵素の活性を増加させる可能性が最も高い場所/部位にて、LADHでは同一の手段でより多く、結合し得ることが示唆される。
【0197】
別の考えられる機構は、スルフォラファン及び/又は組成物9Bの他の成分が、体自体のグルタチオンの生成を助けることであり、グルタチオンは、アルコールに誘導される二日酔いに関連するいくつかの症状を部分的に緩和することが以前に示されている。
【0198】
結論
本研究からの結果により、スルフォラファンを含有する製剤(組成物9B)は、体におけるアルコール分解速度に対して、及び二日酔い症状に対しての両方で、組成物9Aより著しく優れた効果を有することが示される。
【0199】
組成物9Bのスルフォラファン含有量は、「アジアンフラッシュ症候群」に対する優れた効果にも寄与し得る。
【0200】
それでもやはり、組成物9Aは、以下のように従来技術組成物を上回る著しい改善である。
【0201】
吸収されるフルクトースの著しい減少により、肝細胞におけるリン酸塩の枯渇及び肝臓の負荷の両方が避けられる;
容量の減少により組成物が軽やかになり、消費が快適になり、これにより悪心(500mlの大量のフルクトース飲料を用いる場合に多い)を引き起こさない;並びに、
アルコールの利尿効果は、電解質の吸収により抑制される。
【0202】
実施例10:多量のフルクトース及び添加されるカフェイン/カンゾウなしで、多量のイェルバマテ及び添加される電解質の有益な効果を実証する臨床トライアル
実施例9の方法を、今度は、従来技術の比較組成物A(米国特許第6936283号の実施例1で定義されている)のこの500ml製剤と、以下を含む本発明の組成物10の500ml製剤を比較するために繰り返した:
250mgイレックス・パラグアリエンシス、53mgパナックス・ジンセン、27mgエレウテロコッカス・センチコサス、83mgジンギベリス・オフィキナリス、5000mgフルクトース、300mgグルコン酸ナトリウム、3000mgグルコン酸カリウム及び1100mg乳酸マグネシウム。
【0203】
参加者はすべて、年齢27から34歳の、80から114kgの範囲の体重を有する男性であった。
【0204】
テストパラメーター(アルコール分解速度及び二日酔いに対する効果)は、実施例9に記載されている通りである。
結果
【0205】
【0206】
【0207】
従来技術の比較組成物Aでの二日酔い症状に対する効果の平均スコア;
一般的な二日酔い:8
頭痛:8.125
疲労:6.25
悪心:8.5
本発明の組成物10での平均スコア;
一般的な二日酔い:9.625
頭痛:9.375
疲労:8.625
悪心:9.875
【0208】
アルコール代謝速度は、低フルクトース組成物10で、実施例9において使用される本発明の低フルクトース組成物(組成物9A)より速かったが、より低い電解質の含有量を有していたことも注目すべきである。これにより、電解質自体は、LADH(及びALDH)酵素を活性化することが可能であると示唆される。
【0209】
参加者は、従来技術の500ml高フルクトース製剤を消費するのはきわめて難しく、快適ではないことも見出した;さらに参加者は、本発明の500ml組成物10の製剤はきわめて消費しやすいことを見出した。さらに、本発明の組成物10は、従来技術組成物ではできなかった小容量(50ml)飲料として製剤化できた。
【0210】
結論
したがって、本発明の組成物(組成物10)は、カフェイン及びカンゾウの両方を含まず、甘味化する量しかフルクトースを含まないにも関わらず、二日酔いに対する満足すべき効果を生じると見出した。
【0211】
効果については、エッセンシャルハーブミックスにおけるイェルバマテの比率を実質的に上昇させること(その結果イェルバマテは、エッセンシャルハーブミックスの主要成分となり、他のハーブ、例えばGグラブラ又はポリニア・クルパナ(culpana)は必須ではなくなる)及び電解質を添加することによる従来技術製剤に対する改善は、他のさほど望ましくない原料、又は望ましくない量の原料を避けられることを意味する。
【0212】
さらに、本発明の組成物(組成物10)は、消費者が1回用量で500mlの液体を飲用することを必要としない利点を有して50ml飲料(又は「ショット」)として製剤化され得る。
【0213】
二日酔い症状に対する効果は、従来技術の比較例Aと比較して、本発明の組成物10で目立って優れていた。
【0214】
アルコール代謝は、低フルクトース製剤(組成物10)と比較して、高フルクトース含有製剤(比較例A)の消費後でやや速かったが、それでも速度は、本発明の組成物で許容でき、本発明の組成物の二日酔い止め性能に有害な影響を与えなかった。
【0215】
参加者のうちでは、血漿フルクトース濃度の間の差に関すると思われるいくつかの変形も見られた。
【0216】
したがって、エッセンシャルハーブを含み、その主要成分がイェルバマテである組成物からフルクトースを著しく減少させる(又は排除する)と共に、その組成物への電解質の添加により、二日酔い症状を処置又は防止するか又は軽快させるための、以前から公知のハーブベースの組成物を上回る想定外の利点が得られた。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおけるアルコール及びアセトアルデヒドの分解を促進するための組成物であって、二日酔い止め有効量の、
(a)イレックス・パラグアリエンシス(イェルバマテ)、エレウテロコッカス・センチコサス(エゾウコギ)、パナックス・ジンセン及びジンギベリス・オフィキナリス(ショウガ)からなるエッセンシャルハーブ;並びに
(b)1つ又は複数の電解質、並び
に
(c)スルフォラファン
を含む、組成物。
【請求項2】
前記電解質が、有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばグルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム及び/又は乳酸マグネシウムのうちの1つ又は複数から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エッセンシャルハーブが、前記エッセンシャルハーブ成分(a)の乾燥重量に対して、少なくとも1%、例えば少なくとも10%、任意選択で少なくとも30%のイェルバマテを含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エッセンシャルハーブが、前記エッセンシャルハーブ成分の乾燥重量に対して、少なくとも50%のイェルバマテを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記エッセンシャルハーブ成分(a)が、用量当たり約1000mg未満、例えば約600mg未満の量で、任意選択で400~450mgの範囲で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
乾燥粉末の重量に対して、用量当たり:
i.150~500mgイレックス・パラグアリエンシス、
ii.30~100mgパナックス・ジンセン、
iii.20~50mgエレウテロコッカス・センチコサス、
iv.50~150mgジンギベリス・オフィキナリス、
v.150~400mgグルコン酸ナトリウム、
vi.1500~2500mgグルコン酸カリウム、及び
vii.500~1100、任意選択で500~1000mg乳酸マグネシウム
を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項7】
列挙されている原料i~vii及
びスルフォラファンの重量に対するパーセントで、
i.0.5%~5.0%w/wイレックス・パラグアリエンシス、
ii.0.05~2.0%w/wエレウテロコッカス・センチコサス、
iii.0.01~1.0%パナックス・ジンセン、
iv.0.3~3.0%ジンギベリス・オフィキナリス、
v.0.3~3.0%グルコン酸ナトリウム、
vi.5.0~30.0%グルコン酸カリウム、及び
vii.3.0~10.0%乳酸マグネシウム
を含む、請求項1、2、又は6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記スルフォラファンが200~800μgの範囲、任意選択で200~400μgの範囲の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(a)追加の活性成分、並びに
(b)不活性添加剤、例えば甘味料、香味料、着色剤、他のビタミン、安定化剤、防腐剤及び可溶化剤から選択される1つ又は複数の追加の原料
をさらに含むが、但し、任意の追加の原料(a)又は(b)が、アルコール代謝酵素及びアセトアルデヒド代謝酵素の活性を阻害しない量で存在することを条件とする、請求項1、
2、6又は7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(a)二日酔い止め有効量のフルクトース、例えば用量当たり5gを超えるフルクトース、
(b)グリシリーザ・グラブラ(カンゾウ根)、及び
(c)添加されるカフェイン
のうちの1つ又は複数を実質的に含まない、請求項1、
2、6、7又は9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
乾燥粉末、混合物、液体(例えば飲物又は飲料又はショット)、シロップ、粒状体又は顆粒、錠剤(発泡錠剤及び溶融錠剤を含む)の形態であって、任意選択で使用説明書と一緒に包装される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
水性液体(例えば水道水、無炭酸水、湧水、炭酸水、果実ジュース)、並びに任意選択で1つ又は複数の香味料及び/又は着色剤をさらに含む、請求項1、
2、6、7、9又は10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
即時使用可能な飲物、飲料又はショットの形態である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
50ml飲料の形態である、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、
(a)すべての乾燥原料を一緒に混合して、乾燥混合物を形成するステップ、
(b)水を、ステップ(a)により得られた混合物に、1:2から2:4の範囲の乾燥混合物:水の比で添加するステップ、
(c)ステップ(b)により得られた混合物を均質になるまで撹拌して、濃縮物を形成するステップ、
(d)電解質、並びに任意の追加の活性成分及び任意の不活性成分を含む残った原料を添加するステップ、及び
(e)任意選択で、ステップ(d)で生成された濃縮物を、望ましい容量が得られるまで希釈するステップ、及び、任意選択で、
(f)ステップ(e)からの生成物を好適な容器、例えばガラス、アルミニウム(任意選択でコーティングした)又はプラスチックボトル中に充填するステップ、及び、任意選択で、
(g)ステップ(e)からの生成物を、その消費者向け使用説明書と共に包装するステップ
を含む、方法。
【請求項16】
(a)二日酔い又は宿酔;
(b)アルコール性頭痛、悪心、振戦又はめまい;
(c)アジアンフラッシュ症候群;
(d)アセトアルデヒドの蓄積;
(e)脱水;
(f)急性アルコール中毒;
(g)アルコール性細胞又は組織傷害;
(h)ジスルフィラムに関連する毒性など
から選択される状態に対して処置、防止又は手当の準備における、請求項1~
14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
対象における二日酔い症状を処置する、防止する又は軽快させるための方法であって、前記対象への請求項1~
14のいずれか一項に記載の組成物の有効量の投与を含む、方法。
【請求項18】
全体の乾燥原料の重量に対して、
(a)エッセンシャルハーブとして:イェルバマテ(0.5~5.0%、任意選択で2.96%)、エレウテロコッカス・センチコサス(0.05~2.0%、任意選択で0.32%)、パナックス・ジンセン(0.01~1.0%、任意選択で0.62%)及びショウガ(0.3~3.0%、任意選択で0.98%);並びに
(b)グルコン酸ナトリウム(0.3~3.0%、任意選択で2.24%)、グルコン酸カリウム(5.0~30.0%、任意選択で21.20~22.0%)、乳酸マグネシウム(3.0~10.0%、任意選択で6.48%)、又は、代替塩を使用する場合、当量のNa、K及びMgイオン
を含む、請求項1、2及び6のいずれか一項に記載の組成物。
【国際調査報告】