(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】骨折部位の安定化のための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20221208BHJP
A61B 17/84 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/84
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522259
(86)(22)【出願日】2020-10-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020055302
(87)【国際公開番号】W WO2021076460
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522147171
【氏名又は名称】リース メディカル, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リーク, ティモシー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL32
4C160LL53
4C160LL59
(57)【要約】
骨折部位の安定化のための装置であって、装置は、第1の骨および隣接した第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるように構成されたワイヤと、ワイヤの第1の端部に結合された張力ワッシャであって、張力ワッシャは、ワイヤの第1の端部の周りで回転可能である、張力ワッシャとを含み、ワイヤは、第1および第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるように構成され、張力ワッシャは、第2の骨の第1の表面に近接して位置付けられるように構成され、張力ワッシャは、第1および第2の骨の対応する孔の直径より長い長さを有する第1の表面を含み、張力ワッシャは、張力ワッシャの第1の表面が第2の骨の第1の表面に接触するように、回転するように構成されている、装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨折部位の安定化のための装置であって、前記装置は、
複数の留め具孔を含む骨固定プレートであって、前記骨固定プレートは、前記複数の留め具孔のうちのそれぞれの留め具孔を通して位置付けられた1つ以上の留め具を用いて第1の骨に結合されるように構成されている、骨固定プレートと、
i)平滑部分と、ii)鋸歯状部分とを含むワイヤと、
前記ワイヤの第1の端部に結合された張力ワッシャであって、前記張力ワッシャは、前記ワイヤの第1の端部の周りで回転可能であり、前記ワイヤは、前記骨固定プレートの特定の留め具孔を通して、かつ第1の骨および隣接した第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるように構成され、それによって、前記張力ワッシャは、前記骨固定プレートに隣接した前記第1の骨の表面と反対側の前記第2の骨の第1の表面に近接して位置付けられる、張力ワッシャと、
角度付けられた先端を含む張力ワッシャポジショナであって、前記張力ワッシャポジショナは、前記張力ワッシャに対して前記張力ワッシャの角度を調節するために、前記骨固定プレートの前記特定の留め具孔を通して、かつ前記第1および前記第2の骨の前記対応する孔を通して位置付けられるように構成されている、張力ワッシャポジショナと、
前記ワイヤの上を覆って、前記特定の留め具孔を通して挿入されるように構成されたカニューレ挿入ねじと、
前記ワイヤの上を覆って挿入され、前記中空ねじに隣接して前記ワイヤの前記鋸歯状部分の2つの隣接した歯間に位置付けられ、前記ワイヤを前記骨固定プレートに結合するように構成された係止ワッシャと
を含む、装置。
【請求項2】
前記係止ワッシャを前記ワイヤの前記鋸歯状部分の2つの隣接した陥凹間に位置付けるように構成されたテンショナをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の留め具孔のうちの前記それぞれの留め具孔を通して位置付けられた前記1つ以上の留め具は、少なくとも部分的に前記第1の骨内にさらに結合され、前記骨固定プレートを前記第1の骨に結合する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記張力ワッシャポジショナは、前記張力ワッシャポジショナが前記ワイヤの上を覆って挿入されるように構成されるように、カニューレ挿入される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記張力ワッシャは、前記第1および前記第2の骨の対応する孔の直径より長い長さを有する第1の表面を含み、前記張力ワッシャは、前記係止ワッシャが前記ワイヤの前記鋸歯状部分の前記2つの隣接した歯間に位置付けられると、前記張力ワッシャの前記第1の表面が前記第2の骨の前記第1の表面に接触するように、回転するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記張力ワッシャの前記第1の表面は、前記張力ワッシャの前記第1の表面が前記第2の骨の前記第1の表面に接触するように構成されると、前記ワイヤに対しておよそ90度の角度を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記張力ワッシャの幅は、前記第1および前記第2の骨の前記対応する孔の直径より小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記張力ワッシャポジショナは、前記張力ワイヤに対する前記張力ワッシャの角度を前記張力ワッシャポジショナの前記角度付けられた先端の角度と実質的に同じであるように調節するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の骨は、脛骨であり、前記第2の骨は、腓骨である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記張力ワッシャは、前記骨固定プレートの前記特定の留め具孔および前記第1の骨の前記対応する孔を通して位置付けられると、前記ワイヤに対して回転されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記回転は、およそ15度である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記係止ワッシャは、1つ以上の歯と、隣接した歯間の1つ以上の陥凹とを含み、前記係止ワッシャが前記ワイヤの前記鋸歯状部分の隣接した陥凹間の特定の歯に結合されると、前記係止ワッシャの歯は、前記ワイヤの前記第1の端部と反対側の前記ワイヤの第2の端部への前記係止ワッシャの移動を防止するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
骨折部位の安定化のための装置であって、前記装置は、
第1の骨および隣接した第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるように構成されたワイヤと、
前記ワイヤの第1の端部に回転可能に結合され、前記第2の骨の第1の表面に近接して位置付けられるように構成された張力ワッシャと
を含み、
前記張力ワッシャは、前記第1および前記第2の骨の前記対応する孔の直径より長い長さを有する第1の表面を含み、前記張力ワッシャは、前記張力ワッシャの前記第1の表面が前記第2の骨の前記第1の表面に接触するように、前記ワイヤの前記第1の端部の周りで回転するように構成されている、装置。
【請求項14】
前記張力ワッシャは、前記張力ワッシャが前記ワイヤに対してある角度を形成するように、前記ワイヤの前記第1の端部周りのある範囲の回転を有するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記張力ワッシャは、前記張力ワッシャの前記第1の表面が前記第2の骨の前記第1の表面に接触するように設置されると、前記ワイヤに対しておよそ90度の角度を有するように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記張力ワッシャは、前記第1および前記第2の骨の前記対応する孔を通過するとき、前記ワイヤに対しておよそ0~15度の角度を有するように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記張力ワッシャの前記第1の表面の幅は、前記張力ワッシャの前記第1の表面の前記長さより小さい、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の骨は、脛骨であり、前記第2の骨は、腓骨である、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記張力ワッシャは、ピンによって、前記ワイヤの前記第1の端部に回転可能に結合されている、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
骨折部位の安定化のための装置であって、前記装置は、角度付けられた先端を含むカニューレ挿入される張力ワッシャポジショナを含み、
前記張力ワッシャポジショナは、第1の骨および隣接した第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるように構成されたワイヤの上を覆って位置付けられるように構成され、前記カニューレ挿入される張力ワッシャポジショナは、前記ワイヤの第1の端部に結合された回転可能な張力ワッシャの角度を調節するように構成され、前記ワイヤは、前記第1および前記第2の骨の前記対応する孔を通して位置付けられるように構成され、前記張力ワッシャは、前記第2の骨の前記第1の表面に隣接して位置付けられる、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2019年10月14日に出願された米国仮出願第62/914,749号の利益を主張する。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概して、骨の安定化、具体的に、骨折部位の安定化のための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の骨折に関して、整形外科用プレートの使用は、適切な治癒のために必要に応じて骨を安定させるための技法である。概して、堅い、多くの場合、金属プレートが、骨折部を横断して骨の外側表面上に設置され、整形外科用ねじが、プレートを通して骨折部の両側における骨の中に延びている。プレートは、治癒期間中、骨に支持および安定性をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において説明される主題の革新的側面は、骨折部位の安定化のための装置において具現化され得、装置は、複数の留め具孔を含む骨固定プレートであって、骨固定プレートは、複数の留め具孔のうちのそれぞれの留め具孔を通して位置付けられた1つ以上の留め具を用いて第1の骨に結合されるように構成されている、骨固定プレートと、i)平滑部分と、ii)鋸歯状部分とを含むワイヤと、ワイヤの第1の端部に結合された張力ワッシャであって、張力ワッシャは、ワイヤの第1の端部の周りで回転可能であり、ワイヤは、張力ワッシャが骨固定プレートに隣接した第1の骨の表面と反対側の第2の骨の第1の表面に近接して位置付けられるように、骨固定プレートの特定の留め具孔を通して、かつ第1の骨および隣接した第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるように構成されている、張力ワッシャと、角度付けられた先端を含む張力ワッシャポジショナであって、張力ワッシャポジショナは、骨固定プレートの特定の留め具孔を通して、かつ第1および第2の骨の対応する孔を通して位置付けられ、張力ワッシャに対して張力ワッシャの角度を調節するように構成されている、張力ワッシャポジショナと、ワイヤの上を覆って、特定の留め具孔を通して挿入されるように構成されたカニューレ挿入ねじと、ワイヤの上を覆って挿入され、中空ねじに隣接してワイヤの鋸歯状部分の2つの隣接した歯間に位置付けられ、ワイヤを骨固定プレートに結合するように構成された係止ワッシャとを含む。
【0005】
これらおよび他の実施形態の各々は、随意に、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含み得る。例えば、係止ワッシャをワイヤの鋸歯状部分の2つの隣接した陥凹間に位置付けるように構成されたテンショナ。複数の留め具孔のうちのそれぞれの留め具孔を通して位置付けられた1つ以上の留め具は、第1の骨内にさらに結合され、骨固定プレートを第1の骨に結合する。張力ワッシャポジショナは、張力ワッシャポジショナがワイヤの上を覆って挿入されるように構成されるように、カニューレ挿入される。張力ワッシャは、第1および第2の骨の対応する孔の直径より長い長さを有する第1の表面を含み、張力ワッシャは、係止ワッシャがワイヤの鋸歯状部分の2つの隣接した歯間に位置付けられると、張力ワッシャの第1の表面が第2の骨の第1の表面に接触するように、回転するように構成される。張力ワッシャの第1の表面は、張力ワッシャの第1の表面が第2の骨の第1の表面に接触するように構成されると、ワイヤに対しておよそ90度の角度を有し得る。張力ワッシャの幅は、第1および第2の骨の対応する孔の直径より小さい。張力ワッシャポジショナは、張力ワイヤに対する張力ワッシャの角度を張力ワッシャポジショナの角度付けられた先端の角度と実質的に同じであるように調節するように構成される。第1の骨は、脛骨であり得、第2の骨は、腓骨であり得る。張力ワッシャは、骨固定プレートの特定の留め具孔および第1の骨の対応する孔を通して位置付けられると、ワイヤに対する回転を有するように構成される。回転は、およそ15度であり得る。係止ワッシャは、1つ以上の歯と、隣接した歯間の1つ以上の陥凹とを含み、係止ワッシャは、ワイヤの鋸歯状部分の隣接した陥凹間の特定の歯に結合されると、係止ワッシャの歯は、ワイヤの第1の端部と反対のワイヤの第2の端部への係止ワッシャの移動を防止するように構成される。
【0006】
本明細書において説明される主題の革新的側面は、第1の骨および隣接した第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるように構成されたワイヤと、ワイヤの第1の端部に回転可能に結合され、第2の骨の第1の表面に近接して位置付けられるように構成された張力ワッシャとを含み、張力ワッシャは、第1および第2の骨の対応する孔の直径より長い長さを有する第1の表面を含み、張力ワッシャは、張力ワッシャの第1の表面が第2の骨の第1の表面に接触するように、ワイヤの第1の端部の周りで回転するように構成されている装置において具現化され得る。
【0007】
これらおよび他の実施形態の各々は、随意に、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含み得る。例えば、張力ワッシャは、張力ワッシャがワイヤに対してある角度を形成するように、ワイヤの第1の端部周りのある範囲の回転を有するように構成される。張力ワッシャは、張力ワッシャの第1の表面が第2の骨の第1の表面に接触するように設置されると、ワイヤに対しておよそ90度の角度を有するように構成される。張力ワッシャは、第1および第2の骨の対応する孔を通過するとき、ワイヤに対しておよそ0~15度の角度を有するように構成される。張力ワッシャの第1の表面の幅は、張力ワッシャの第1の表面の長さより小さい。第1の骨は、脛骨であり得、第2の骨は、腓骨であり得る。張力ワッシャは、ピンによって、ワイヤの第1の端部に回転可能に結合され得る。
【0008】
本明細書において説明される主題の革新的側面は、骨折部位の安定化のための装置において具現化され得、装置は、角度付けられた先端を含むカニューレ挿入される張力ワッシャポジショナを含み、張力ワッシャポジショナは、第1の骨および隣接した第2の骨の対応する孔を通して位置付けられるワイヤの上を覆って位置付けられるように構成され、カニューレ挿入される張力ワッシャポジショナは、ワイヤの第1の端部に結合された回転可能な張力ワッシャの角度を調節するように構成され、ワイヤは、第1および第2の骨の対応する孔を通して位置付けられ、張力ワッシャは、第2の骨の第1の表面に隣接して位置付けられる。
【0009】
本明細書において説明される主題の1つ以上の実施形態の詳細が、不随の図面および下記の説明に記載される。本主題の他の潜在的特徴、側面、および利点も、説明、図面、および請求項から明白な状態になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1Aは、骨折部位の安定化のための装置の斜視図を例証する。
【0011】
【
図1B】
図1Bは、骨折部位の安定化のための装置の側面図を例証する。
【0012】
【
図2A】
図2Aは、第1の骨への骨固定プレートの結合の後の装置の斜視図を例証する。
【0013】
【
図2B】
図2Bは、第1の骨への骨固定プレートの結合の後の装置の側面図を例証する。
【0014】
【
図3】
図3は、第1の骨および第2の骨内での対応する孔の生成に先立った装置の側面図を例証する。
【0015】
【
図4】
図4は、留め具孔を通して、かつ第1の骨および第2の骨の対応する部分を通して挿入された穿孔装置を図示する。
【0016】
【
図5】
図5は、第1の骨および第2の骨内での対応する孔の生成に続く装置の正面図を例証する。
【0017】
【
図6】
図6は、ワイヤと、張力ワッシャとを含む装置の側面図を例証する。
【0018】
【
図7】
図7は、留め具孔、および第1および第2の骨の第1および第2の孔を通してワイヤおよび張力ワッシャを位置付けるステップの後の装置の側面図を例証する。
【0019】
【
図8】
図8は、張力ワッシャポジショナを含む装置の側面図を例証する。
【0020】
【
図9】
図9は、張力ワッシャポジショナが留め具孔、および第1および第2の骨の第1および第2の孔を通して位置付けられた後の装置の側面図を例証する。
【0021】
【
図10】
図10は、張力ワッシャに係合する張力ワッシャポジショナを図示する。
【0022】
【
図11】
図11は、留め具孔、および第1および第2の骨の第1および第2の孔を通した張力ワッシャポジショナの部分的後退の後の装置の側面図を例証する。
【0023】
【
図12A】
図12A、12Bは、留め具孔、および第1および第2の骨の第1および第2の孔を通した張力ワッシャポジショナの完全な後退の後の装置の側面図を例証する。
【
図12B】
図12A、12Bは、留め具孔、および第1および第2の骨の第1および第2の孔を通した張力ワッシャポジショナの完全な後退の後の装置の側面図を例証する。
【0024】
【
図13】
図13-14は、カニューレ挿入ねじを含む装置の側面図を例証する。
【
図14】
図13-14は、カニューレ挿入ねじを含む装置の側面図を例証する。
【0025】
【
図15】
図15は、カニューレ挿入ねじを含む、装置の斜視図を例証する。
【0026】
【
図16】
図16は、装置が係止ワッシャを含んだ状態におけるワイヤの第2の端部の拡大図を例証する。
【0027】
【
図17】
図17は、ワイヤの上を覆って挿入される係止ワッシャを図示する。
【0028】
【
図18】
図18は、テンショナを含む、装置の斜視図を例証する。
【0029】
【
図19】
図19-20および21Aは、テンショナを含む装置の斜視図を例証する。
【
図20】
図19-20および21Aは、テンショナを含む装置の斜視図を例証する。
【
図21A】
図19-20および21Aは、テンショナを含む装置の斜視図を例証する。
【0030】
【0031】
【
図22】
図22は、ワイヤの鋸歯状部分の隣接した歯間、およびカニューレ挿入ねじに隣接して係止ワッシャを位置付けるステップの後の装置の側面図を例証する。
【0032】
【
図23】
図23は、カニューレ挿入ねじに隣接する係止ワッシャを図示する。
【0033】
【
図24】
図24は、骨折部位の安定化のための装置の据え付けの後の装置の側面図を例証する。
【0034】
【0035】
【
図26】
図26は、骨固定プレート内で使用される留め具の側面図を例証する。
【0036】
【
図27】
図27は、骨固定プレート内で使用されるクランプを図示する。
【0037】
【0038】
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1Aは、骨折部位の安定化のための装置100の斜視図を例証し、
図1Bは、装置100の側面図を例証する。具体的に、装置100は、複数の留め具孔104a、104b、104c、104d、104e(集合的に、留め具孔104と称される)を含む骨固定プレート102を含む。示されるように、骨固定プレート102は、5つの留め具孔104を含むことができるが、しかしながら、骨固定プレート102は、任意の数の留め具孔104を含むことができる。骨固定プレート102は、第1の骨106に結合されることができる。第1の骨106は、第2の骨108に近接していることができる。いくつかの例では、第1の骨106は、脛骨を含むことができ、第2の骨108は、腓骨を含むことができる。しかしながら、第1の骨106および第2の骨108は、任意の2つの近接する骨であることができる。例えば、装置100は、他の骨折部位の中でも、股関節骨折部位、鎖骨骨折部位、胸腔骨折部位、中足骨折部位、つま先癒合等の骨折部位の安定化において使用されることができる。骨固定プレート102は、留め具110a、110b、110c、110d(集合的に、留め具110と称される)を用いて、第1の骨106に結合されることができる。留め具110は、それぞれの留め具孔104を通して位置付けられることができる。すなわち、留め具110の少なくとも一部が、それぞれの留め具孔104を通して位置付けられることができ、例えば、ねじ山部分が、それぞれの留め具孔104を通して位置付けられることができる。図示されるように、留め具110a、110b、110c、110dは、それぞれ、留め具孔104a、104b、104c、104dを通して位置付けられる。しかしながら、留め具110の一部が、それぞれの留め具孔104の一部を通して位置付けられることができる。
【0040】
図2Aは、第1の骨106への骨固定プレート102の結合の後の装置100の斜視図を例証し、
図2Bは、第1の骨106への骨固定プレート102の結合の後の装置100の側面図である。示されるように、留め具110は、留め具孔104eを通して位置付けられていないが、しかしながら、留め具孔104のうちのいずれも、対応する留め具110から独立する(すなわち、それを含まない)ことができる。そのために、示されるように、留め具110a、110b、110c、110dは、第1の骨106内に結合され、骨固定プレート102を第1の骨106に結合する(例えば、骨固定プレート102は、第1の骨106とぴったりくっついていることができる)。
【0041】
いくつかの例では、留め具孔104のうちの1つ以上のものは、1つ以上のタブ111を含むことができる。タブ111は、留め具が第1の骨106内に結合されると、留め具110の位置付けを維持することを促進することができる。いくつかの例では、タブ111は、少なくとも部分的に骨固定プレート102内で後退可能である。タブ111が、骨固定プレート102内で後退されると、留め具孔104の全体が、遮られなくなり得る。いくつかの例では、タブ111は、留め具110と接触すると、例えば、留め具110が留め具孔104を通して挿入されると、後退される。留め具104が、第1の骨106に結合されると、タブ111が、それぞれの留め具110の位置を維持する(例えば、留め具110と第1の骨106との結合を維持する)ように、留め具110の頭部が、タブ111と第1の骨106との間に位置付けられることができる。留め具110が、第1の骨106に向かって並進すると(例えば、留め具が、第1の骨106の「中にねじ込まれる」と)、タブ111は、(以前に後退させられた状態から)外側に移動することができ、それによって、留め具110の頭部が、タブ111と第1の骨106との間に位置付けられ得る。
【0042】
図3は、第1の骨106および第2の骨108内での対応する孔の生成に先立った、装置100の側面図を例証する。例えば、穿孔装置112(例えば、ドリルビット)が、
図4に示されるように、留め具孔110eを通して、かつ第1の骨106および第2の骨108の対応する部分を通して挿入されることができる。いくつかの例では、穿孔装置112は、穿孔装置112によって発生される第1の骨106および第2の骨108の対応する孔が、実質的に整列させられ得るように、骨固定プレート102に対して実質的に直角であることができる。いくつかの例では、穿孔装置112は、穿孔装置によって発生される第1の骨106と第2の骨108との対応する孔が、(例えば、骨固定プレート102に対する穿孔装置112の角度に基づいて)オフセットされるように、骨固定プレート102に対してある角度にあることができる。
【0043】
図5は、第1の骨106および第2の骨108内での対応する孔の生成(例えば、穿孔装置112の除去)に続く、装置100の正面図を例証する。そのために、穿孔装置112は、(
図5の装置100の正面図から視認されるように、第1の孔114が第2の孔116と重なった状態で)第1の骨106内に第1の孔114を生成し、第2の骨108内に第2の孔116を生成することができる。いくつかの例では、第1および第2の孔114、116は、ある直径を有する。いくつかの例では、第1および第2の孔114、116の直径は、留め具孔104のタブ111が後退させられたとき(例えば、第1および第2の孔114、116が、遮られないとき)、第1および第2の孔114、116の直径であることができる。
【0044】
図6は、ワイヤ120と、張力ワッシャ122とを含む装置100の側面図を例証する。ワイヤ120および張力ワッシャ122は、本明細書にさらに説明される留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通して位置付けられるように構成されることができる。張力ワッシャ122は、ワイヤ120の第2の端部126と反対側のワイヤ120の第1の端部124に結合されることができる。張力ワッシャ122は、旋回点128を中心としてワイヤ120の第1の端部124に結合されることができる。具体的に、ピンが、張力ワッシャ122をワイヤ120に結合し、張力ワッシャ122が旋回点128を中心として回転するように、張力ワッシャ122およびワイヤ120を通して結合されることができる。
【0045】
図7は、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通してワイヤ120および張力ワッシャ122を位置付けるステップの後の装置100の側面図を例証する。具体的に、ワイヤ120は、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通して位置付けられるように構成されることができ、それによって、張力ワッシャ122は、第2の骨108の第1の表面130に近接して位置付けられる。第1の表面130は、骨固定プレート102に隣接する第1の骨106の表面132の反対の位置にあることができる。いくつかの例では、張力ワッシャ122は、第1および第2の骨106、108の孔114、116の直径より長い、長さL1を有する、第1の表面134を含むことができる。いくつかの例では、張力ワッシャ122の幅W1は、第1および第2の骨106、108の孔114、116の直径未満であることができる。いくつかの例では、張力ワッシャ122は、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通して位置付けられると、旋回点128を中心として、ワイヤ120に対して回転されるように構成されることができる。すなわち、張力ワッシャ122は、張力ワッシャ122が、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通して位置付けられているとき、実質的にワイヤ120と平行ではなくなることができる。いくつかの例では、張力ワッシャ122は、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通して位置付けられると、ワイヤ120に対して旋回点128を中心としたおよそ0~15度の回転を有するように構成されることができる。
【0046】
図8は、張力ワッシャポジショナ140を含む装置100の側面図を例証する。張力ワッシャポジショナ140は、角度付けられた先端142を含むことができる。張力ワッシャポジショナ140は、張力ワッシャポジショナ140が、ワイヤ120の上を覆って挿入され得るように、カニューレ挿入されることができる。
【0047】
図9は、張力ワッシャポジショナ140が、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通して位置付けられた後の装置100の側面図を例証する。具体的に、張力ワッシャポジショナ140が、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通して位置付けられ、例えば、旋回点128まわりにワイヤ120に対して張力ワッシャ122の角度を調節するように構成されることができる。そのために、
図10に示されるように、張力ワッシャポジショナ140が、張力ワッシャ122に係合することができ、具体的に、角度付けられた先端142が、張力ワッシャ122に係合することができる。いくつかの例では、張力ワッシャポジショナ140は、ワイヤ120に対する張力ワッシャ122の角度を張力ワッシャポジショナ140の角度付けられた先端142の角度と実質的に同じであるように調節する。
【0048】
図11は、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通した張力ワッシャポジショナ140の部分的後退の後の装置100の側面図を例証する。結果として、第2の骨108の表面130と張力ワッシャ122との間の距離が、例えば、張力ワッシャ122の少なくとも一部が第2の骨108の表面130と物理的に接触し得るように、低減されることができる。
【0049】
図12Aは、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通した張力ワッシャポジショナ120の完全な後退の後の装置100の側面図を例証する。具体的に、留め具孔104e、および第1および第2の骨106、108の第1および第2の孔114、116を通した張力ワッシャポジショナ120の完全な後退の後、
図12Bにより明確に示されるように、張力ワッシャ122の第1の表面134が、第2の骨108の第1の表面130に接触することができる。
【0050】
図13は、カニューレ挿入ねじ150を含む、装置100の側面図を例証する。具体的に、カニューレ挿入ねじ150が、
図14、15に示されるように、ワイヤ120の上を、留め具孔104eを通して挿入されるように構成される。カニューレ挿入ねじ150は、留め具孔104eを通して位置付けられることができ、カニューレ挿入ねじ150のねじ山部分が、第1の骨106内に結合されることができる。
【0051】
図16は、ワイヤ120の第2の端部126の拡大図を例証し、装置100は、係止ワッシャ156をさらに含む。係止ワッシャ156は、開口部158を包囲する可撓性部分160を伴う開口部158を含むことができる。図示されるように、係止ワッシャ156は、6つの可撓性部分160を含むことができるが、しかしながら、係止ワッシャ156は、任意の数の可撓性部分160を含むことができる。可撓性部分160の各々は、側面部分161と、上部部分163と、面取部分165とを含むことができる。係止ワッシャ156は、裏面167と可撓性部分160との間に画定される間隙を伴う開口部158を含む裏面167をさらに含むことができる。
【0052】
図17は、ワイヤ120の上を覆って挿入されるように構成された係止ワッシャ156を図示する。ワイヤ120は、平滑部分170と、鋸歯状部分172とを含むことができる。平滑部分170が、ワイヤ120の第2の端部126に近接していることができ、鋸歯状部分172が、ワイヤ120の第1の端部124に近接していることができる。鋸歯状部分172は、複数の歯174と、隣接した歯174間の複数の陥凹175とを含むことができる。係止ワッシャ156は、ワイヤ120の上を覆って挿入されるように構成されることができる。例えば、係止ワッシャ156は、ワイヤ120の第2の端部126における平滑部分170におけるワイヤ120に沿って、ワイヤ120の第1の端部124における鋸歯状部分172に向かって並進することができる。係止ワッシャ156が、鋸歯状部分172と接触した状態になると、係止ワッシャ156の可撓性部分160が、「曲がり」、開口部158のサイズを拡大させることができ、それによって、係止ワッシャ156が、特定の歯174に結合されることができ、具体的に、隣接する陥凹175間にある歯174が、係止ワッシャ156の裏面167と可撓性部分160との間に画定される間隙内に位置付けられることができる。いくつかの例では、面取部分165が、係止ワッシャ156と歯174との間の初期の接触が生じると、開口部158の曲がりを促進することができる。すなわち、歯174は、係止ワッシャ156の面取部165に力を加えることを促進することができ、力は、係止ワッシャ156がワイヤ120の第1の端部に向かって並進されるにつれて、増大する。鋸歯状部分172は、例えば、ワイヤ120の第2の端部126に向かう方向における係止ワッシャ156の不要な/望ましくない並進を最小化し、および/または防止することができる。すなわち、鋸歯状部分172は、係止ワッシャ156のバックアウト防止を提供することができる。
【0053】
図18は、係止ワッシャ156をワイヤ120の鋸歯状部分172の特定の歯174に結合するように構成される、テンショナ176を含む、装置100の斜視図を例証する。具体的に、テンショナ176が、
図19に示されるように、テンショナ176が、ワイヤ120の上を覆って位置付けられるように、最初に、ワイヤ120の第2の端部126においてワイヤ120に係合することができる。テンショナ176が、ワイヤ120を引っ張ると、テンショナ176は、次いで、
図20に示されるように、係止ワッシャ156に係合することができる。テンショナ176は、次いで、
図21Aに示されるように、係止ワッシャ156が、鋸歯状部分172の特定の歯174に結合され、ワイヤ120の所望の張力を取得し得るように、係止ワッシャ156を位置付けることができる。
図21Bは、装置100、具体的に、ノブ180を介してロッド178の周りにワイヤ120(例えば、平滑部分170および/または鋸歯状部分172)を巻き付け、ワイヤ120上に所望の張力を確立するテンショナ176の正面図を例証する。いくつかの例では、係止ワッシャ156は、ワイヤ120の所望の張力が取得されるように、係止ワッシャ156が特定の歯174に結合されると、カニューレ挿入ねじ150と接触することができる。
【0054】
図22は、ワイヤ120の鋸歯状部分172の特定の歯174に、カニューレ挿入ねじに隣接して係止ワッシャ156を結合するステップの後の装置100の側面図を例証する。具体的に、テンショナ176が、ワイヤ120の第2の端部126に向かう方向に並進することができ、それによって、ワイヤ120が、ロッド178から係合解除された状態になる。同時に、係止ワッシャ156は、
図23に示されるように、ワイヤ120の特定の歯174に、およびカニューレ挿入ねじ150に隣接して結合されたままである。ワイヤ120の第2の端部126に向かうワイヤ120の任意の残りの部分が、除去されることができる。いくつかの例では、カニューレ挿入ねじ150は、カニューレ挿入ねじ150の頭部191が、骨固定プレート102の表面192から間隔を置かれ得るように、留め具孔104e内で凹所に置かれることができる。そのために、係止ワッシャ156が、
図23に示されるように、カニューレ挿入ねじ150に接触すると、係止ワッシャ156の表面193が、骨固定プレート102の表面192とぴったりくっつくことができる。いくつかの例では、係止ワッシャが、カニューレ挿入ねじ150に接触すると、係止ワッシャ156の全体が留め具孔104e内に位置付けられるように、係止ワッシャ156の表面193が、骨固定プレート102の表面192から間隔を置かれることができる。
【0055】
図24は、骨折部位の安定化のための装置100の据え付けの後の装置100の側面図を例証する。具体的に、係止ワッシャ156が、ワイヤ120の所望の張力が取得されるように特定の歯174に結合された後、張力ワッシャ120の表面134が、(例えば、ワイヤ120に対しておよそ90度の角度において)第2の骨108の第1の表面130に接触する。
【0056】
いくつかの例では、骨固定プレート102は、米国特許第10,105,169号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるものに類似することができる。具体的に、
図25は、
図1の骨固定プレート102に類似する骨固定プレート40の斜視図である。プレート40は、概して、複数のねじ孔を含み、
図1の留め具孔104に類似する、1つのそのようなねじ孔42が、
図25に示される。ねじ孔42は、孔の側壁内の切り欠きおよびチャネル46を含むバックアウト防止特徴を伴うねじ山のないものであり得る。半円形状のクランプ30が、切り欠きおよびチャネル46内に据え付けられる。骨固定プレート40はまた、プレート40が挿入されると、骨の可視化を可能にする、開口部44を含み得る。(
図1の留め具110に類似する)複数の整形外科用ねじ10、48が、複数のねじ孔42を通して骨の中に駆動されることができる。11個の整形外科用ねじ10、48が、
図25に図示されているが、当業者は、骨固定プレート40が、11個の整形外科用ねじ10、48より多い、または少ないものを含み得ることを理解するであろう。
【0057】
図26は、バックアウト防止特徴を伴う骨固定システム内で使用される整形外科用ねじの一実施形態を図示する、側面図である。(
図1の留め具110に類似する)整形外科用ねじ10は、表面12上に上側陥凹(図示せず)、例えば、ねじ回しのための六角形のスロットを伴う頭部と、骨係合ねじ20を伴うシャフト18と、シャフト18の中につながる頭部の下端における円錐形のテーパ状部16とを含む。頭部は、頭部の半径未満である半径を伴う円柱形部分22を含む。結果として、クランプ30の一部(
図26に図示せず)が、表面14の一部の上に置かれることができる。
【0058】
図26に図示される実施形態は、完全にねじ山付きの海綿状ねじであるが、他の実施形態も、実践され得る。例として、実施形態は、部分的にねじ山が付けられた海綿状ねじ、完全にねじ山が付けられた皮質ねじ、部分的にねじ山が付けられた皮質ねじ、海綿状ねじおよび皮質ねじ、および他のものとして実践され得る。完全にねじ山が付けられたねじは、実質的にそれらのシャフトの全長にわたってねじ山を有する一方、部分的にねじ山が付けられたねじは、それらのシャフトの長さの一部にわたってねじ山を有し、それらのシャフトの長さの少なくとも別の部分が、ねじ山のない状態である。海綿状ねじおよび皮質ねじは、そのシャフトの遠位部分に沿った、1つのタイプのねじ山と、そのシャフトの近位部分に沿った、別のタイプのねじ山とを有し得る。遠位部分は、近位部分に直接隣接し得るか、または、遠位部分および近位部分は、互いから、例えば、ねじ山が付けられていない部分によって分離され得る。
【0059】
図27は、バックアウト防止特徴を伴う骨固定システム内で使用されるクランプの一実施形態を図示する上面図である。クランプ30は、ワッシャ32から離れるように垂直に、かつワッシャ32の中央に向かって延びている2つの突出部34を伴う実質的に半円形状のワッシャ32を含む。
図28は、ワッシャ32および突出部34の外形を示す
図27のクランプ30の本実施形態の立面図である。
【0060】
図29は、バックアウト防止特徴を伴う骨固定システム内で使用される整形外科用のプレートおよびクランプアセンブリの一実施形態の断面である。クランプ30が、骨固定プレート40内の孔42の切り欠きおよびチャネル46内に据え付けられる。クランプ30のワッシャ部分32が、切り欠きおよびチャネル46の表面上に据え付けられる。クランプ30の突出部34は、プレート40の上部表面と略平坦であり得る。プレート40の下側表面の湾曲構造が、骨の天然の湾曲構造を補完する。
【0061】
図30は、バックアウト防止特徴を伴う骨固定システム内で使用される、整形外科用のプレート、クランプ、およびねじアセンブリの一実施形態の断面である。ねじ10の頭部が、孔42によってプレート40内に画定される空間内に据え付けられ、頭部が骨に向かって駆動されるにつれて、プレートが、骨に対して圧縮される。ねじ10は、所望の圧縮が取得されるまで、駆動されることができる。ねじ10の円錐形のテーパ状部16が、ねじ孔42の円錐形のテーパ状部に対して据え付けられる。ねじ頭およびねじ孔の両方の円錐形の構成が、ねじ10が骨の中に直角またはある角度のいずれかで挿入され、所望の圧縮を提供することを可能にする。
【0062】
クランプ30、より具体的に、突出部34が、微細運動を通して生じ得るねじ10の任意の弛みまたはバックアウトを防止する。ねじ10の頭部の下端における円錐形のテーパ状部16に起因して、クランプ30からの有意な抵抗なく、ねじ孔42の中、かつクランプ30を越えて挿入されることができる。何故なら、円錐形のテーパ状部16が、傾斜表面を提供し、ねじが挿入されるにつれて、傾斜表面が、クランプ30を孔42の切り欠きおよびチャネル46の中に部分的に偏向させるからである。しかしながら、ねじ頭の残部のものより小さい半径を有する円柱形部分22を伴うねじ10の構成が、クランプ30の突出部34がねじの表面14上に置かれることを可能にする。この配置により、大きな干渉が、ねじ10の突出部34と頭部との間に生成され得る。したがって、クランプ30は、ねじ孔からのねじ10による意図しないバックアウトに抵抗し、例えば、そのような抵抗が、ねじに加えられる実質的かつ意図的な手動の力によって克服され得るように、構成されることができる。
【0063】
図31は、クランプ30の突出部34とねじ10との間の干渉を示す骨固定システム内で使用される整形外科用のプレート、クランプ、およびねじアセンブリの一例の断面である。上で議論されるように、クランプ30が、ねじ孔42の切り欠きおよびチャネル46内に据え付けられる。クランプの突出部34が、ねじ10のバックアウトを防止する。加えて、ねじ除去が、必要である場合、クランプ30が、切り欠きおよびチャネル46内に位置付けられ、ねじ除去を促進するように、クランプ30を位置付け得る。さらに、クランプの突出部34は、整形外科用ねじ10の表面12を覆う必要はなく、したがって、それらは、ねじ10を除去するように位置付けられるような器具のアクセスを妨げる必要はない。
【0064】
上記の開示される主題は、例証的であり、制限的ではないと見なされるべきであり、添付の請求項は、本開示の真の精神および範囲の範囲内にある、そのような修正、拡張、および他の実施形態の全てを網羅することを意図する。したがって、法律によって可能にされる最大範囲まで、本開示の範囲は、以下の請求項および均等物の最も広義の許容可能な解釈によって決定されるべきであり、前述の詳細な説明によって制限または限定されないものとする。
【0065】
本明細書において、「または」は、明示的に別様に示される、または文脈によって別様に示されることがない限り、包括的であり、排他的ではない。したがって、本明細書において、「AまたはB」は、明示的に別様に示される、または文脈によって別様に示されることがない限り、「A、B、または両方」を意味する。また、「および」は、明示的に別様に示される、または文脈によって別様に示されることがない限り、「共同」および「それぞれ」の両方である。したがって、本明細書において、「AおよびB」は、明示的に別様に示される、または文脈によって別様に示されることがない限り、「AおよびB、共同で、またの各々はで」を意味する。
【0066】
本開示の範囲は、当業者が理解するであろう本明細書に説明または図示される例示的実施形態の全ての変更、代用、変形、改変、および修正を包含する。本開示の範囲は、本明細書に説明または図示される例示的実施形態に限定されない。さらに、本開示は、本明細書におけるそれぞれの実施形態を特定の構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップを含むものとして説明および図示するが、これらの実施形態のいずれも、当業者が理解するであろう、本明細書の任意の場所において説明または図示される、構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップのうちのいずれかの任意の組み合わせまたは順列を含み得る。さらに、添付の請求項における、ある装置またはシステム、またはある装置またはシステムの構成要素の言及は、その装置、システム、または構成要素が、そのように適合される、配列される、可能である、構成される、可能にされる、動作可能である、または動作する限り、それ自体またはその特定の機能がアクティブにされる、オンにされる、またはロック解除されるかどうかにかかわらず、その装置、システム、構成要素を含有する特定の機能を実施するように、適合されている、配置されている、可能である、構成されている、可能にされている、動作可能である、または動作している。
【国際調査報告】