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特表2022-552433一体化した流体動力学的洗浄プロセスを有する流体フィルタを逆洗するのための空気圧-水圧逆洗プロセス及び装置
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  • 特表-一体化した流体動力学的洗浄プロセスを有する流体フィルタを逆洗するのための空気圧-水圧逆洗プロセス及び装置 図1
  • 特表-一体化した流体動力学的洗浄プロセスを有する流体フィルタを逆洗するのための空気圧-水圧逆洗プロセス及び装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】一体化した流体動力学的洗浄プロセスを有する流体フィルタを逆洗するのための空気圧-水圧逆洗プロセス及び装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/11 20060101AFI20221208BHJP
   B01D 29/66 20060101ALI20221208BHJP
   B01D 46/71 20220101ALI20221208BHJP
   B01D 46/24 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
B01D29/10 520B
B01D29/10 510B
B01D29/10 530B
B01D29/38 510C
B01D29/38 520A
B01D46/71
B01D46/24 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538197
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2020083131
(87)【国際公開番号】W WO2021121879
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】19000584.3
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243864
【氏名又は名称】レーマン・ティートゥス
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】レーマン・ティートゥス
【テーマコード(参考)】
4D058
4D116
【Fターム(参考)】
4D058JA02
4D058MA15
4D058MA25
4D058QA03
4D058QA13
4D116BB01
4D116BC24
4D116BC28
4D116BC44
4D116BC46
4D116BC47
4D116BC76
4D116DD05
4D116QA46C
4D116QA46E
4D116QA46F
4D116QC23A
4D116QC23B
4D116QC23C
4D116QC23D
4D116QC29
4D116RR01
4D116RR05
4D116RR12
4D116RR16
4D116RR25
4D116VV01
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(1)内の支持体(9)の周りに配置されているフィルタ要素(5)を備え、一体化した流体動力学的洗浄プロセスを有する流体フィルタを逆洗するための装置及び請求項1に係る空気圧-水圧逆洗プロセスに関する。
その際、ハウジング(1)は、
流体入口(7)及び好ましくはハウジングカバー(2)に流体出口(7)が、流体流がフィルタ要素(5)をろ過プロセスで外側から内側へ向かって貫流するように配置されているように形成されていて、
支持体(9)が両側で閉鎖されていて、且つ支持体(9)の内部空間には供給パイプ(3)がハウジングカバー(2)から流体フィルタの内部空間に突出し、下方で開放されているように配置され、この供給パイプ(3)が流体ガイドパイプ(4)内に配置されている、ように形成されていて、
その際、流体ガイドパイプ(4)は、底部(6)によって閉鎖されていて、好ましくはハウジングカバー(2)内に圧縮空気接続部(10)が配置されていて、フィルタプロセスにおける流体流が、描画されている流れ方向(16)を受け、
この場合、流体はフィルタ要素(5)及び支持体(9)を通って、上方が開放され、下方が閉鎖されている流体ガイドパイプ(4)にガイドされ、且つ下方が開放されている供給パイプ(3)には
流体が、流体出口(8)へ流れ、洗浄プロセスのために、流体入口(7)、流体出口(8)及び圧縮空気接続部(10)は制御要素によって、流体が流れ方向(17)を占めるよう接続されるように、ガイドされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体フィルタ(18)であって、
流体フィルタ(18)は、ハウジング(1)内の支持体(9)の周りに配置されているフィルタ要素(5)を備え、その際、支持体(9)は底部(19)によって底部側が且つカバー(15)によって端部側が液密に閉鎖されていて、
流体フィルタ(18)は、流体入口(7)と流体出口(8)を備え、その際、流体入口(7)と流体出口(8)は、流体流がろ過プロセスにおいてフィルタ要素(5)を外側から内側へ向かって貫流するように配置されていて、
流体フィルタ(18)は、支持体(9)の内部に配置されている供給パイプ(3)を備え、この供給パイプ(3)は、支持体(9)の内部空間に上方から突出し、底部で開口していて、並びに
流体フィルタ(18)は、圧縮空気入口(11)を有する圧縮空気接続部(10)を備える、
当該流体フィルタ(18)において、
支持体(9)内の供給パイプ(3)は、流体ガイドパイプ(4)内に配置されていて、その際、流体ガイドパイプ(4)は底部(6)によって閉鎖され且つ前面で開口されていて、並びに
圧縮空気入口(11)は、流体フィルタ(18)の作動中に流体ガイドパイプ(4)及び供給パイプ(5)内に存在する流体貯留体(14)の上端部(13)に圧縮空気が作用することに適している、
ことを特徴とする流体フィルタ(18)。
【請求項2】
制御要素は、流体入口(7)、流体出口(8)および圧縮空気接続部(10)に配置されていて、
この制御要素は、流体入口(7)、流体出口(8)および圧縮空気接続部(10)を開口することと閉鎖すること、且つ流体流を、ろ過プロセス又は洗浄プロセスに対応する方向にガイドすることに適している、ことを特徴とする請求項1に記載の流体フィルタ。
【請求項3】
圧縮空気接続部(10)は、ハウジングカバー(2)に及び/又はハウジング(1)に配置されている、ことを特徴とする請求項1と2のいずれか1項に記載の流体フィルタ。
【請求項4】
圧縮空気接続部(10)は、接続されている圧縮空気流を流体貯留体上端部(13)にパルスとして作用させることに適している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
【請求項5】
圧縮空気接続部(10)は、接続されている圧縮空気流を急激に作用させることに適している、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
【請求項6】
圧縮空気接続部(10)及び/又は流体出口(8)は、大気と接続されるための回路で適している、ことを特徴とする請求項1~5に記載の流体フィルタ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の流体フィルタ(18)のフィルタ要素(5)に堆積した不純物を洗浄する方法において、
第1の方法ステップにおいて、流体入口(7)および流体出口(8)が閉塞され、かつ圧縮空気接続部(10)が閉じられていて、
第2の方法ステップでは、流体出口(8)及び/又は圧縮空気接続部(10)が開放され、並びに大気と接続され、並びに流体入口(7)が汚れ出口(12)として開放されていて、その際、流体は、流体フィルタ(18)から流出し且つ流体貯留体(14)が保持されていて、
第3の方法ステップでは、圧縮空気接続部(10)が、第2の方法ステップで開放されていない場合に、開放され、且つ圧縮空気が作用し、その結果、流体貯留体(14)からの流体が供給パイプ(3)を介してガイドされ、この供給パイプ(3)から離れ、流体ガイドパイプ(4)に侵入し、この流体ガイドパイプ(4)の前面から離れ、並びにフィルタ要素(5)が支持体(9)を介して内側から外側へ貫流し且つ汚れ出口(12)に流出する、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
洗浄プロセスのために接続されている圧縮空気流は、流体貯留体(14)の上端部(13)にパルスとして作用する、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
洗浄プロセスのために接続されている圧縮空気流は、急激に作用する、ことを特徴とする請求項7又は8のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を洗浄するため、特に、油を超精密ろ過するための、フィルタ要素がろ過プロセスにおいて外部から内部に向かって貫流される流体フィルタのための逆洗装置及び方法に関し、逆洗プロセスのために配置されている発明の特徴は、洗浄された流体を有する貯留体が形成され、並びに逆洗プロセスでは、圧縮空気を利用してこの貯留体がフィルタ媒体を通して内側から外側に向かって急激に押され、これにより洗浄した汚れ層がはがれ、そのほかに配置されている流入装置を介してこの目的のために配置されている回路構成により汚れ容器に供給される、ことを特徴とする。フィルタの技術的要素の本発明の配置は、フィルタカートリッジを交換するまでの、耐用年数を大幅に向上させるという目標を達成する。
【背景技術】
【0002】
超精密ろ過を目的とする多くのフィルタが先行技術として知られている。フィルタ要素は、主に、フィルタの外部で、若しくは流体流の方向が切り換わるような逆洗プロセスによって、洗浄される。したがって、特許文献1では、特殊な材料特性を利用して、ギャップ幅を変えることによってフィルタの細かさを変えることができるギャップ式フィルタが、提示されている。堆積した不純物を除去するために剥離装置が配置されていて、この剥離装置を利用してギャップ式フィルタから不純物が取り除かれ、フィルタハウジングの下部に集められ、排水出弁を介して収集容器に供給される。この場合、汚れ層が剥離し且つ汚れ層が収集されると、ろ過プロセス中にろ過されるべき流体と混合することになり、流れで生じる渦形成によって剥離した保護層の大部分がろ過プロセスに戻るように流されること、若しくは洗浄プロセスのためにフィルタユニットを除去しなければならない、且つ外部の洗浄プロセスを経なければならないことが欠点である。特許文献2では、支持スリーブ付きフィルタキャンドル(独語:Filterkerze)からなるフィルタ配置が提示された。この場合、フィルタ要素は支持スリーブによって囲まれていて、その際、支持スリーブは、可撓性のある材料からなり、管状に形成され、支持スリーブにわたって引き伸ばされる。支持スリーブがフィルタ要素として機能せず、フィルタキャンドルが逆洗プロセスに適していないことが欠点である。そうでなければ、フィルタ要素の安定性がもはや保証できなくなるからである。特許文献3は、逆洗プロセスが設けられているフィルタキャンドルが提示されていて、その際、メッシュサイズが拡大され、流体の流れ方向を逆にすることによって汚れがフィルタ材料から除去される。逆洗プロセス中に、除去された汚れが、既に洗浄された流体と部分的に接触することが欠点であり、その結果、既に洗浄された流体が部分的に汚染されるか、若しくは洗浄された流体が汚れた空間に入り込む可能性がある。別の分離装置は、特許文献4で提示されている。ここで、流体は中央に供給され、且つ放射状に配置されている3つのフィルタステージを介して配置されているフィルタ要素を通って内側から外側に向かってガイドされ、中央に排出される。流体に含まれている汚れた粒子は、内周のフィルタ要素に保持される。このフィルタ要素を個別に洗浄するために若しくは新しく交換するために、フィルタ要素は洗浄プロセスのために除去しなければならないことが欠点である。プロセスを一体化した洗浄は、この技術的設計では不可能である。
【0003】
特許文献5は、ろ過されるべき液体が流体入口を介して管状ハウジングに流入し、管状ハウジングの内部にある同じく菅状であるフィルタ要素のろ過壁を通過し、その場合にろ過され、ろ過された液体が流体出口を介して排出される管状フィルタを記載している。フィルタは逆洗液を用いて洗浄される。これは、流体出口を介してフィルタ要素内に導入され、壁を通って外側へと流出し、流体入口を介して排出される。洗浄効果を改善するために、シャフト上に複数配置されている厚肉部を有するディフューザがフィルタ要素の内側に配置されているいる。これらの厚肉部は、壁の方向に、特にフィルタの上部に、向上した洗浄液の運動を導く。
【0004】
特許文献6は、懸濁物質タンク内のフィルタ要素としてフィルタキャンドルが配置されているフィルタを記載している。フィルタキャンドルの内側には、ほぼフィルタキャンドルの底部にまで達するパイプが配置されている。その結果生じるギャップは、ろ過した液体の流速を底部で増加させ、まだ残っている懸濁物質の堆積を大幅に防ぐ。フィルタの外表面の堆積物を除去するために、多工程プロセスが実施される。この場合、先ず、懸濁空間は、追加の配管を介してできるだけ完全に空にする。フィルタ要素をろ過流方向に任意で洗浄した後、フィルタが再び空にされ、フィルタケークが同じ流れで乾燥される、即ち、温風が懸濁空間に送り込まれ、フィルタ要素を通って押され、ろ過液出口から排出される。次いで、圧縮空気は、ろ過液出口を介して送り込まれ、フィルタ要素を通って押圧され、それに伴ってフィルタケークが放出される。分離されているケークは、底部排水口を介して除去される。
【0005】
記載した他の複数の発明は、この目的のために設けられているハウジングに挿入されるフィルタカートリッジを固定するため且つ配置するための特別な配置と必要な技術的手段、並びに主に供給される流体と排出される流体の圧力差を感覚的に測定することによってフィルタ状態を把握することに関する。洗浄技術と結びついた一体化は、それらの発明で企図していないか、若しくは保護された技術的特徴では不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国実用新案第29833113号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102017006709号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202019001872号明細書
【特許文献4】西独国実用新案第8315430号明細書
【特許文献5】米国特許第3387712号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第0155336号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、フィルタ要素に堆積した汚れ粒子を洗浄する逆洗プロセスを効果的に可能にするように、フィルタの技術的要素および流体流を形成することが可能な方法及び装置を提供することであり、その際、技術的およびエネルギー的な労力が最小限に抑えられる。
【0008】
この課題は、独立請求項に係る方法及び流体フィルタによって解決される。有利な実施形態は従属クレームにそれぞれ記載されている。
【0009】
本発明によれば、この課題は、底部側の流体入口(7)及び流体出口(8)、内部に配置された支持体(9)を有するフィルタ要素(5)が、流体フィルタ(18)のハウジング(1)内に配置されていて、その際、支持体(9)は、この支持体(9)が周方向側に低い圧力差で流体通路を確保し、底部(19)によって底部側及び端部側が且つカバー(15)によって端部側が液密に閉鎖されているように形成されている、ことによって解決され、
その際、支持体(9)は、この支持体がハウジングカバー(2)で液密に接続されているようにハウジング(1)に配置されていて、且つ支持体(9)の内部には、供給パイプ(3)がハウジングカバー(2)から内部空間に突出するように配置されていて、且つ底部側が開放するように配置されていて並びに
供給パイプ(3)と支持体(9)の間には、流体ガイドパイプ(4)が、供給パイプ(3)から流出した底部側の流体流が流体ガイドパイプ(4)の内部空間にガイドされるように形成されているように、配置されていて、
その際、流体ガイドパイプ(4)は、底部(6)によって閉鎖され且つ前面が開放され、それによって流体流が、流体ガイドパイプ(4)の前面開放領域を介して供給パイプ(3)の内部領域に、したがって流体出口(8)にガイドされること、
によって解決される。
【0010】
ハウジングカバー(2)は、圧縮空気接続部(10)が配置されるように形成されていて、その際、圧縮空気接続部(10)は、配置されている制御要素を介して、存在する圧縮空気を作動する若しくは停止するように形成されている。同様に、好ましくは、適切な制御要素が、流体入口(7)と流体出口(8)に設けられていて、その制御要素によって、ろ過プロセス若しくは洗浄プロセスのための流体流の方向が適宜ガイドされる。フィルタ要素(5)の効果的で革新的な洗浄を可能にするために、流体流が、フィルタにある流体を汚れ出口(12)を介して圧力なく流出することを可能にするために、配置されている制御要素を介して流体入口(7)を閉鎖し、流体出口(8)を閉鎖し、大気と接続し、汚れ出口を開放し、次いで又は同時に、圧縮空気がフィルタ要素(5)に堆積した汚れをフィルタ要素(5)の内側から外側に向かって押され、汚れ出口を介して排出されるように、圧縮空気接続部(10)にある圧縮空気が圧縮空気入口(11)を介して、急激に及び/又は脈動的に接続される、ように本発明による要素の配置を通って流体流をガイドすることができる。
【0011】
従って、流体は、流体ガイドパイプ(4)内の供給パイプ(3)を介して支持体(9)の内部空間に、従って、フィルタ要素(5)を通って内側から外側に向かってへ流れ、その際、フィルタ要素(5)の外側に堆積した汚れ部分がはがれ、配置されている制御要素によって流体流と共に汚れ出口(12)にガイドされる。この発明の意図では、流体貯留体(14)としてのフィルタの内部にある流体は、洗浄プロセスのための洗浄貯留体(これは、流体貯留体の上端部(13)までのフィルタ内にある)として使用される。流体貯留体(14)からの流体が、洗浄された汚れ部分と共に汚れ出口(12)を出た後、汚れ出口(12)が回路から遮断され、流体流が、流体入口(7)としてのフィルタ効果の方向に切り換えられると同時に流体出口(8)が開放される。本発明による意図の更なる有利な実施形態は、ハウジングカバー(2)を介して導入される圧縮空気流が脈動的に導入され、従って、フィルタ要素(5)に堆積される汚れ部分に対して脈動的に作用することである。さらに、洗浄のために接続されている圧縮空気流が、流体貯留体(14)に対して急激に作用するように作動されることが有利であり得る。本発明による装置の更なる有利な実施形態は、洗浄プロセスのための流体流が、このプロセスの開始時に、流体フィルタ(18)内の流体が最初に圧力なしで排出されるように制御され、圧縮空気入口(11)及び/又は流体出口(8)は、大気との接続があり、この排出プロセスの終了時に、圧縮空気入口(11)で圧縮空気が有効になるように、起動/停止されることである。
【0012】
本発明による装置及び洗浄方法の主な適用分野は、フィルタ要素に堆積した不純物を一体的で効果的に洗浄することでの流体の超精密ろ過、特に油の超精密ろ過である。
【0013】
本発明による装置及び方法は、実施例によって、以下でより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】フィルタ作用における装置の概略図である。
図2】洗浄プロセスにおける装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1ではろ過プロセス及び洗浄プロセスのための本発明による装置が、この装置の主要要素と共に描画されている。底部側の流体入口(7)及び流体出口(8)、内部に配置された支持体(9)を有するフィルタ要素(5)が、流体フィルタ(18)のハウジング(1)内に配置されていて、
その際、支持体(9)は、この支持体(9)が周方向側に低い圧力差で流体通路を確保し、底部(19)によって底部側及び端部側が且つカバー(15)によって端部側が液密に閉鎖されているように形成されていて、
その際、支持体(9)は、この支持体がハウジングカバー(2)で液密に接続されているようにハウジング(1)に配置されていて、且つ支持体(9)の内部には、供給パイプ(3)がハウジングカバー(2)から内部空間に突出するように配置されていて、且つ底部側が開放するように配置されていて、並びに
供給パイプ(3)と支持体(9)の間には、流体ガイドパイプ(4)が、供給パイプ(3)から流出した底部側の流体流が流体ガイドパイプ(4)の内部空間にガイドされるように形成されているように、配置されていて、
その際、流体ガイドパイプ(4)は、底部(6)によって閉鎖され且つ前面が開放され、それによって流体流が、流体ガイドパイプ(4)の前面開放領域を介して供給パイプ(3)の内部領域に、したがって流体出口(8)にガイドされる。
ハウジングカバー(2)は、圧縮空気接続部(10)が配置されるように形成されていて、その際、圧縮空気接続部(10)は、制御の観点から作動若しくは停止することができるように形成されている。同様に、好ましくは、適切な制御要素が、流体入口(7)と流体出口(8)に設けられていて、その制御要素によって、ろ過プロセス若しくは洗浄プロセスのための流体流の方向が適宜ガイドされる。ろ過プロセスにおいて、流体は、描画されている流体方向(16)に流れ、これを可能にするために、流体入口(7)が開放され、そしてこれが可能になるように接続されと同時に流体出口(8)も開放される。圧縮空気入口(11)は、配置されている制御装置を介して配置されている圧縮空気接続部(10)を介して閉塞されている。図2では、洗浄プロセスの位置に発明による装置が描画されている。フィルタ要素(5)の効果的で革新的な洗浄のための発明的方法を可能にするために、描画されている流れ方向(17)に流体流がガイドされるように、本発明による要素の配置を通って流体流をガイドすることができる。この目的のために、流体出口(8)は、適切な制御要素によって遮断される。洗浄プロセスでは、圧縮空気入口(11)を、はじめに大気と接続するように切り替えるべきである。次いで、汚れ出口(12)が開放され、フィルタ内にある流体が汚れ出口(12)を介して流出する。続いて、または同時に、圧縮空気接続部(10)に存在する空気流は、圧縮空気入口(11)を介して接続され、この空気流は、流体フィルタ内にある流体カラムに作用して、流体貯留体の上端部(13)までのフィルタ内の流体を押し出す。従って、流体は、流体ガイドパイプ(4)内の供給パイプ(3)を介して支持体(9)の内部空間に、従って、フィルタ要素(5)を通って内側から外側に向かってへ流れ、その際、フィルタ要素(5)の外側に堆積した汚れ部分がはがれ、配置されている制御要素によって流体流と共に汚れ出口(12)にガイドされる。この発明の意図では、流体貯留体(14)としてのフィルタの内部にある流体は、洗浄プロセスのための洗浄貯留体(これは、流体貯留体の上端部(13)までのフィルタ内にある)として使用される。流体貯留体(14)からの流体が、洗浄された汚れ部分を含めて汚れ出口(12)を出た後、汚れ排出(12)が回路から遮断され、流体流が、流体入口(7)としてのフィルタ効果の方向に切り換えられ、圧縮空気入口(11)が閉鎖されると同時に流体出口(8)が開放される。さらに、洗浄のために接続されている圧縮空気流が、流体貯留体(14)に対して急激に又は脈動的に作用するように作動されることが有利であり得る。本発明による装置の更なる有利な実施形態は、洗浄プロセスのための流体流が、このプロセスの開始時に、流体フィルタ(18)内の流体が最初に圧力なしで排出されるように制御され、圧縮空気入口(11)及び/又は流体出口(8)は、大気との接続があり、この排出プロセスの終了時に、圧縮空気入口(11)で圧縮空気が有効になるように、起動/停止されることである。
【符号の説明】
【0016】
1 ハウジング
2 ハウジングカバー
3 供給パイプ
4 流体ガイドパイプ
5 フィルタ要素
6 底部
7 流体入口
8 流体出口
9 支持体
10 圧縮空気接続部
11 圧縮空気入口
12 汚れ出口
13 流体貯留体上端部
14 流体貯留体
15 カバー
16 ろ過プロセスにおける流体の流れ方向
17 洗浄プロセスのための流体の流れ方向
18 流体フィルタ
19 底部
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
【特許文献1】独国実用新案第29822113号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102017006709号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202019001872号明細書
【特許文献4】西独国実用新案第8315430号明細書
【特許文献5】米国特許第3387712号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第0155336号明細書
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
図1ではろ過プロセス及び洗浄プロセスのための本発明による装置が、この装置の主要要素と共に描画されている。底部側の流体入口(7)及び流体出口(8)、内部に配置された支持体(9)を有するフィルタ要素(5)が、流体フィルタ(18)のハウジング(1)内に配置されていて、
その際、支持体(9)は、この支持体(9)が周方向側に低い圧力差で流体通路を確保し、底部(19)によって底部側及び端部側が且つカバー(15)によって端部側が液密に閉鎖されているように形成されていて、
その際、支持体(9)は、この支持体がハウジングカバー(2)で液密に接続されているようにハウジング(1)に配置されていて、且つ支持体(9)の内部には、供給パイプ(3)がハウジングカバー(2)から内部空間に突出するように配置されていて、且つ底部側が開放するように配置されていて、並びに
供給パイプ(3)と支持体(9)の間には、流体ガイドパイプ(4)が、供給パイプ(3)から流出した底部側の流体流が流体ガイドパイプ(4)の内部空間にガイドされるように形成されているように、配置されていて、
その際、流体ガイドパイプ(4)は、底部(6)によって閉鎖され且つ前面が開放され、それによって流体流が、流体ガイドパイプ(4)の前面開放領域を介して供給パイプ(3)の内部領域に、したがって流体出口(8)にガイドされる。
ハウジングカバー(2)は、圧縮空気接続部(10)が配置されるように形成されていて、その際、圧縮空気接続部(10)は、制御の観点から作動若しくは停止することができるように形成されている。同様に、好ましくは、適切な制御要素が、流体入口(7)と流体出口(8)に設けられていて、その制御要素によって、ろ過プロセス若しくは洗浄プロセスのための流体流の方向が適宜ガイドされる。ろ過プロセスにおいて、流体は、描画されている流体方向(16)に流れ、これを可能にするために、流体入口(7)が開放され、そしてこれが可能になるように接続されと同時に流体出口(8)も開放される。圧縮空気入口(11)は、配置されている制御装置を介して配置されている圧縮空気接続部(10)を介して閉塞されている。図2では、洗浄プロセスの位置に発明による装置が描画されている。フィルタ要素(5)の効果的で革新的な洗浄のための発明的方法を可能にするために、描画されている流れ方向(17)に流体流がガイドされるように、本発明による要素の配置を通って流体流をガイドすることができる。この目的のために、流体出口(8)は、適切な制御要素によって遮断される。洗浄プロセスでは、圧縮空気入口(11)を、はじめに大気と接続するように切り替えるべきである。次いで、汚れ出口(12)が開放され、フィルタ内にある流体が汚れ出口(12)を介して流出する。続いて、または同時に、圧縮空気接続部(10)に存在する空気流は、圧縮空気入口(11)を介して接続され、この空気流は、流体フィルタ内にある流体カラムに作用して、流体貯留体の上端部(13)までのフィルタ内の流体を押し出す。従って、流体は、流体ガイドパイプ(4)内の供給パイプ(3)を介して支持体(9)の内部空間に、従って、フィルタ要素(5)を通って内側から外側に向かってへ流れ、その際、フィルタ要素(5)の外側に堆積した汚れ部分がはがれ、配置されている制御要素によって流体流と共に汚れ出口(12)にガイドされる。この発明の意図では、流体貯留体(14)としてのフィルタの内部にある流体は、洗浄プロセスのための洗浄貯留体(これは、流体貯留体の上端部(13)までのフィルタ内にある)として使用される。流体貯留体(14)からの流体が、洗浄された汚れ部分を含めて汚れ出口(12)を出た後、汚れ排出(12)が回路から遮断され、流体流が、流体入口(7)としてのフィルタ効果の方向に切り換えられ、圧縮空気入口(11)が閉鎖されると同時に流体出口(8)が開放される。さらに、洗浄のために接続されている圧縮空気流が、流体貯留体(14)に対して急激に又は脈動的に作用するように作動されることが有利であり得る。本発明による装置の更なる有利な実施形態は、洗浄プロセスのための流体流が、このプロセスの開始時に、流体フィルタ(18)内の流体が最初に圧力なしで排出されるように制御され、圧縮空気入口(11)及び/又は流体出口(8)は、大気との接続があり、この排出プロセスの終了時に、圧縮空気入口(11)で圧縮空気が有効になるように、起動/停止されることである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.流体フィルタ(18)であって、
流体フィルタ(18)は、ハウジング(1)内の支持体(9)の周りに配置されているフィルタ要素(5)を備え、その際、支持体(9)は底部(19)によって底部側が且つカバー(15)によって端部側が液密に閉鎖されていて、
流体フィルタ(18)は、流体入口(7)と流体出口(8)を備え、その際、流体入口(7)と流体出口(8)は、流体流がろ過プロセスにおいてフィルタ要素(5)を外側から内側へ向かって貫流するように配置されていて、
流体フィルタ(18)は、支持体(9)の内部に配置されている供給パイプ(3)を備え、この供給パイプ(3)は、支持体(9)の内部空間に上方から突出し、底部で開口していて、並びに
流体フィルタ(18)は、圧縮空気入口(11)を有する圧縮空気接続部(10)を備える、
当該流体フィルタ(18)において、
支持体(9)内の供給パイプ(3)は、流体ガイドパイプ(4)内に配置されていて、その際、流体ガイドパイプ(4)は底部(6)によって閉鎖され且つ前面で開口されていて、並びに
圧縮空気入口(11)は、流体フィルタ(18)の作動中に流体ガイドパイプ(4)及び供給パイプ(5)内に存在する流体貯留体(14)の上端部(13)に圧縮空気が作用することに適している、
ことを特徴とする流体フィルタ(18)。
2.制御要素は、流体入口(7)、流体出口(8)および圧縮空気接続部(10)に配置されていて、
この制御要素は、流体入口(7)、流体出口(8)および圧縮空気接続部(10)を開口することと閉鎖すること、且つ流体流を、ろ過プロセス又は洗浄プロセスに対応する方向にガイドすることに適している、ことを特徴とする上記1に記載の流体フィルタ。
3.圧縮空気接続部(10)は、ハウジングカバー(2)に及び/又はハウジング(1)に配置されている、ことを特徴とする上記1と2のいずれか1つに記載の流体フィルタ。
4.圧縮空気接続部(10)は、接続されている圧縮空気流を流体貯留体上端部(13)にパルスとして作用させることに適している、ことを特徴とする上記1~3のいずれか一つに記載の流体フィルタ。
5.圧縮空気接続部(10)は、接続されている圧縮空気流を急激に作用させることに適している、ことを特徴とする上記1~4のいずれか一つに記載の流体フィルタ。
6.圧縮空気接続部(10)及び/又は流体出口(8)は、大気と接続されるための回路で適している、ことを特徴とする上記1~5に記載の流体フィルタ。
7.上記1~6のいずれか一つに記載の流体フィルタ(18)のフィルタ要素(5)に堆積した不純物を洗浄する方法において、
第1の方法ステップにおいて、流体入口(7)および流体出口(8)が閉塞され、かつ圧縮空気接続部(10)が閉じられていて、
第2の方法ステップでは、流体出口(8)及び/又は圧縮空気接続部(10)が開放され、並びに大気と接続され、並びに流体入口(7)が汚れ出口(12)として開放されていて、その際、流体は、流体フィルタ(18)から流出し且つ流体貯留体(14)が保持されていて、
第3の方法ステップでは、圧縮空気接続部(10)が、第2の方法ステップで開放されていない場合に、開放され、且つ圧縮空気が作用し、その結果、流体貯留体(14)からの流体が供給パイプ(3)を介してガイドされ、この供給パイプ(3)から離れ、流体ガイドパイプ(4)に侵入し、この流体ガイドパイプ(4)の前面から離れ、並びにフィルタ要素(5)が支持体(9)を介して内側から外側へ貫流し且つ汚れ出口(12)に流出する、
ことを特徴とする方法。
8.洗浄プロセスのために接続されている圧縮空気流は、流体貯留体(14)の上端部(13)にパルスとして作用する、ことを特徴とする上記7に記載の方法。
9.洗浄プロセスのために接続されている圧縮空気流は、急激に作用する、ことを特徴とする上記7又は8のいずれか1つに記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体フィルタ(18)であって、
流体フィルタ(18)は、ハウジング(1)内の支持体(9)の周りに配置されているフィルタ要素(5)を備え、その際、支持体(9)は底部(19)によって底部側が且つカバー(15)によって端部側が液密に閉鎖されていて、
流体フィルタ(18)は、流体入口(7)と流体出口(8)を備え、その際、流体入口(7)と流体出口(8)は、流体流がろ過プロセスにおいてフィルタ要素(5)を外側から内側へ向かって貫流するように配置されていて、
流体フィルタ(18)は、支持体(9)の内部に配置されている供給パイプ(3)を備え、この供給パイプ(3)は、支持体(9)の内部空間に上方から突出し、底部で開口していて、並びに
流体フィルタ(18)は、圧縮空気入口(11)を有する圧縮空気接続部(10)を備える、
当該流体フィルタ(18)において、
支持体(9)内の供給パイプ(3)は、流体ガイドパイプ(4)内に配置されていて、その際、流体ガイドパイプ(4)は底部(6)によって閉鎖され且つ前面で開口されていて、並びに
圧縮空気入口(11)は、流体フィルタ(18)の作動中に流体フィルタ(18)の内部空間内に存在する流体貯留体(14)の上端部(13)に対して圧縮空気を作用させることに適している、
ことを特徴とする流体フィルタ(18)。
【請求項2】
制御要素は、流体入口(7)、流体出口(8)および圧縮空気接続部(10)に配置されていて、
この制御要素は、流体入口(7)、流体出口(8)および圧縮空気接続部(10)を開口することと閉鎖すること、且つ流体流を、ろ過プロセス又は洗浄プロセスに対応する方向にガイドすることに適している、ことを特徴とする請求項1に記載の流体フィルタ。
【請求項3】
圧縮空気接続部(10)は、ハウジングカバー(2)に及び/又はハウジング(1)に配置されている、ことを特徴とする請求項1と2のいずれか1項に記載の流体フィルタ。
【請求項4】
圧縮空気接続部(10)は、接続されている圧縮空気流を流体貯留体上端部(13)にパルスとして作用させることに適している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
【請求項5】
圧縮空気接続部(10)は、接続されている圧縮空気流を急激に作用させることに適している、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
【請求項6】
圧縮空気接続部(10)及び/又は流体出口(8)は、大気と接続されるための回路で適している、ことを特徴とする請求項1~5に記載の流体フィルタ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の流体フィルタ(18)のフィルタ要素(5)に堆積した不純物を洗浄する方法において、
第1の方法ステップにおいて、流体入口(7)および流体出口(8)が閉塞され、かつ圧縮空気入口(11)が閉じられていて、
第2の方法ステップでは、流体出口(8)が開放され、且つ大気と接続され、且つ/又は同時に第三の方法ステップでは、流体入口(7)が汚れ出口(12)として開放されていて、並びに
第3の方法ステップでは、圧縮空気入口(11)が開放され、その際、流体フィルタ(18)の内部空間に存在する流体貯留体(14)の上端部(13)に対して、接続されている圧縮空気が作用する、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
洗浄プロセスのために接続されている圧縮空気流は、流体貯留体(14)の上端部(13)にパルスとして作用する、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
洗浄プロセスのために接続されている圧縮空気流は、急激に作用する、ことを特徴とする請求項7又は8のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】