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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】MRI検査の高速化
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20221209BHJP
【FI】
A61B5/055 383
A61B5/055 380
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521413
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2020077775
(87)【国際公開番号】W WO2021069343
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】19202711.8
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20173089.2
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】ゲシネ、クノブロッホ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、リーネルト
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AA11
4C096AB25
4C096AC05
4C096AD14
4C096AD19
4C096DC25
4C096FC14
(57)【要約】
本発明は、MRI検査の高速化に関し、特に動的コントラスト増強型の磁気共鳴画像法(MRI)による肝臓の局所病変に関する検出時および鑑別診断時におけるMRI検査の高速化に関する。本発明はまた、MRI画像を生成するための、特に肝臓のMRI画像を生成するための、方法、システム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、前記第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における前記検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-同じ前記検査対象物の第2MRI画像を受信するステップであり、前記第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像および前記第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、前記第1MRIピクチャは、前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第1MRIピクチャ内では、前記第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-前記第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、前記第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存するステップと、
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項2】
-前記検査対象物の前記第1MRI画像を受信するステップであり、前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の前記第1時点における前記検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-同じ前記検査対象物の前記第2MRI画像を受信するステップであり、前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像および前記第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、前記第1MRIピクチャは、前記第2造影剤の前記投与後における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、健康な肝臓細胞に関して前記第1造影剤によって引き起こされた前記コントラスト増強は、除去されている、ステップと、
-前記第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、前記第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
-前記検査対象物の前記第1MRI画像を受信するステップであり、前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の前記第1時点における第1肝胆相時の前記検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
-同じ前記検査対象物の前記第2MRI画像を受信するステップであり、前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の前記第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-任意選択的に、同じ前記検査対象物の第3MRI画像を受信するステップであり、前記第3MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-任意選択的に、同じ前記検査対象物の第4MRI画像を受信するステップであり、前記第4MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-受信した複数の前記MRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、前記第2MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、前記第1MRIピクチャを計算し、任意選択的に、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、任意選択的に、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
-生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存するステップと、
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
-前記検査対象物の前記第1MRI画像を受信するステップであり、前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の前記第1時点における前記検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-同じ前記検査対象物の前記第2MRI画像を受信するステップであり、前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像および前記第2MRI画像を、人工ニューラルネットワークに対して供給するステップであり、前記人工ニューラルネットワークは、教師あり学習プロセスで訓練されたものであって、第1基準MRI画像および第2基準MRI画像から、第3基準MRI画像を生成し、各第1基準MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における前記検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1基準MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、各第2基準MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されており、各第3基準MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管のみが、コントラストを増強して描出されており、健康な肝臓細胞は、コントラストを増強して描出されていない、ステップと、
-前記第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、前記第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存するステップと、
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1造影剤は、肝胆道造影剤であり、好ましくは、コントラスト増強活性物質としてガドキセト酸を有したまたはガドキセト酸塩を有した、物質または物質混合物であり、前記第2造影剤は、前記第1造影剤と同じ造影剤と、細胞外造影剤と、のいずれかであり、好ましくは、コントラスト増強活性物質として、ガドブトロール、ガドテリドール、ガドテル酸、ガドペンテト酸、またはガドジアミド、を有した、物質または物質混合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
システムであって、
・受信ユニットと、
・制御計算ユニットと、
・出力ユニットと、
を含み、
-前記制御計算ユニットは、前記受信ユニットに、検査対象物の第1MRI画像を受信することを促すように構成され、前記第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における前記検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、
-前記制御計算ユニットは、前記受信ユニットに、検査対象物の第2MRI画像を受信することを促すように構成され、前記第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されており、
-前記制御計算ユニットは、前記第1MRI画像および前記第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するように構成され、前記第1MRIピクチャは、前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第1MRIピクチャ内では、前記第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加しており、
-前記制御計算ユニットは、前記出力ユニットに、前記第1MRIピクチャを表示することを、または前記第1MRIピクチャを出力することを、または前記第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存することを、促すように構成されている、
システム。
【請求項7】
-前記制御計算ユニットは、前記受信ユニットに、第1MRI画像と、第2MRI画像と、第3MRI画像と、第4MRI画像と、を受信することを促すように構成され、
-前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の前記第1時点における第1肝胆相時の前記検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、
-前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、
-前記第3MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第3時点における第2門脈相の同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、
-前記第4MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、
-前記制御計算ユニットは、受信した複数の前記MRI画像から、MRIピクチャを計算するように構成され、前記第2MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第1MRIピクチャを計算し、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算し、
-前記制御計算ユニットは、前記出力ユニットに、計算された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数をスクリーン上に表示することを、および/またはそれらをプリンタへと出力することを、および/またはそれらをデータ記憶媒体内へと保存することを、促すように構成されている、
請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
コンピュータシステムのメモリ内へとロードされ得るコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータシステムに、
-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、前記第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における前記検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第2MRI画像を受信するステップであり、前記第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像および前記第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、前記第1MRIピクチャは、前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第1MRIピクチャ内では、前記第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-前記第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、前記第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存するステップと、
を実行させることを促進する、コンピュータプログラム製品。
【請求項9】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータシステムに、
-前記検査対象物の前記第1MRI画像を受信するステップであり、前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の前記第1時点における第1肝胆相時の前記検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
-前記第2MRI画像を受信するステップであり、前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の前記第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第3MRI画像を受信するステップであり、前記第3MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第4MRI画像を受信するステップであり、前記第4MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-受信した複数の前記MRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、前記第2MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、前記第1MRIピクチャを計算し、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
-生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存するステップと、
を実行させることを促進する、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータシステムに、請求項1~5のいずれか一項に記載された前記ステップの1つまたは複数を実行させることを促進する、請求項9に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
MRI方法における第1造影剤および第2造影剤の使用であって、
前記MRI方法は、
-前記第1造影剤を投与するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の第1時点における肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像の前記生成後における第2時点で、前記第2造影剤を投与するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像および前記第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、前記第1MRIピクチャは、前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第1MRIピクチャ内では、前記第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存するステップと、
を含む、MRI方法における第1造影剤および第2造影剤の使用。
【請求項12】
-前記第1造影剤を投与するステップと、
-前記第1MRI画像を生成するステップであり、前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の前記第1時点における第1肝胆相時の前記検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
-前記第1MRI画像の前記生成後における第2時点で、前記第2造影剤を投与するステップと、
-前記第2MRI画像を生成するステップであり、前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の前記第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第3MRI画像を生成するステップであり、前記第3MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第4MRI画像を生成するステップであり、前記第4MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-受信した複数の前記MRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、前記第2MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、前記第1MRIピクチャを計算し、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、前記第3MRI画像から前記第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
-生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存するステップと、
を含む、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
MRI方法において使用するための第1造影剤および第2造影剤であって、
前記MRI方法は、
-前記第1造影剤を投与するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、前記第1MRI画像は、前記第1造影剤の前記投与後の第1時点における肝臓またはその一部を示しており、前記第1時点における前記第1MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像の前記生成後における第2時点で、前記第2造影剤を投与するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、前記第2MRI画像は、前記第2造影剤の前記投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第1造影剤の前記投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、前記第2時点における前記第2MRI画像内には、前記第2造影剤の前記投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-前記第1MRI画像および前記第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、前記第1MRIピクチャは、前記第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、前記第1MRIピクチャ内では、前記第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数の前記MRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存するステップと、
を含む、MRI方法において使用するための第1造影剤および第2造影剤。
【請求項14】
前記第1造影剤は、肝胆道造影剤であり、好ましくは、コントラスト増強活性物質としてガドキセト酸を有したまたはガドキセト酸塩を有した、物質または物質混合物であり、前記第2造影剤は、前記第1造影剤と同じ造影剤と、細胞外造影剤と、のいずれかであり、好ましくは、コントラスト増強活性物質として、ガドブトロール、ガドテリドール、ガドテル酸、ガドペンテト酸、またはガドジアミド、を有した、物質または物質混合物である、請求項13に記載のMRI方法において使用するための造影剤。
【請求項15】
請求項13に記載の造影剤と、請求項8、9、または10に記載のコンピュータプログラム製品と、を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MRI検査の迅速化に関し、特に、動的コントラスト増強型の磁気共鳴画像法(MRI)による肝臓の局所病変に関する検出および鑑別診断におけるMRI検査の迅速化に関する。本発明の主題は、とりわけ、MRIピクチャを生成するための、特に肝臓のMRIピクチャを生成するための、方法、システム、およびコンピュータプログラム製品である。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴画像法、略してMRIは、特に医療診断において、人体内のまたは動物の体内の、組織や臓器の構造および機能を描写するために使用される画像診断法である。
【0003】
MRIでは、検査対象物内の陽子の磁気モーメントが、基本磁場内において整列し、その結果、縦方向に沿って巨視的な磁化が発生する。これは、その後、高周波(HF)パルスの照射(励起)により、静止位置から偏向される。励起状態から静止位置への復帰(緩和)または磁化ダイナミクスは、その後、1つまたは複数のHF受信器コイルによって、緩和信号として検出される。
【0004】
空間的エンコードの場合、高速スイッチング磁気勾配場が、基本磁場上に重畳される。捕捉された緩和信号は、すなわち、検出されて空間的に分解されたMRIデータは、初期的には空間周波数空間内の生データとして存在し、その後のフーリエ変換によって実空間(画像空間)内へと変換することができる。
【0005】
ネイティブMRIの場合には、組織のコントラストは、異なる緩和時間(T1、T2)および陽子密度によって生成される。
【0006】
T1緩和は、縦方向の磁化が平衡状態へと遷移することを表すものであり、T1は、共鳴励起前の平衡磁化の63.21%へと到達するのに要する時間である。これは、また、縦緩和時間またはスピン-格子緩和時間とも称される。
【0007】
T2緩和は、横方向の磁化が平衡状態へと同様の態様で遷移することを表す。
【0008】
MRI造影剤は、造影剤を取り込んだ構造体の緩和時間を変更することによって、その効果を発揮する。常磁性物質および超常磁性物質という2つの物質群へと、区別することができる。どちらの物質群も、個々の原子または分子の周囲に磁場を誘起する不対電子を有している。
【0009】
超常磁性造影剤は、T2の顕著な短縮をもたらし、他方、常磁性造影剤は、主に、T1の短縮をもたらす。T1時間の短縮は、T1強調MRI画像における信号強度の増加をもたらし、T2時間の短縮は、T2強調MRI画像における信号強度の減少をもたらす。
【0010】
造影剤自体は、信号を発することがなく、その代わりに、その近傍の信号強度に影響を与えるだけであるので、造影剤の効果は、間接的である。
【0011】
超常磁性造影剤の一例は、酸化鉄ナノ粒子(SPIO、超常磁性酸化鉄)である。
【0012】
常磁性造影剤の例は、ガドペンテト酸ジメグルミン(商標名:Magnevist(登録商標)、および他のもの)、ガドベン酸ジメグルミン(商標名:Multihance(登録商標))、ガドテル酸(Dotarem(登録商標)、Dotagita(登録商標)、Cyclolux(登録商標))、ガドジアミド(Omniscan(登録商標))、ガドテリドール(ProHance(登録商標))、ガドブトロール(Gadovist(登録商標))、などのガドリニウムキレートである。
【0013】
細胞外の造影剤と、細胞内の造影剤と、血管内の造影剤とは、組織内での広がり方のパターンに基づいて、区別することができる。
【0014】
ガドキセト酸をベースとした造影剤の特徴的な特徴点は、肝臓細胞(肝細胞)による特異的な取り込みと、機能組織(実質)内における蓄積と、健康な肝臓組織におけるコントラストの増強と、である。嚢胞の細胞、転移の細胞、および大部分の肝細胞癌の細胞は、もはや正常な肝臓細胞と同じようには機能することがなく、造影剤の取り込みがほとんど見られないか全く見られず、増強して描出されず、結果として識別可能であって位置の特定が可能である。
【0015】
ガドキセト酸をベースとした造影剤の例は、米国特許第6,039,931(A)号明細書に記載されており、これらは、例えばPrimovist(登録商標)またはEovist(登録商標)という商標名で市販されている。
【0016】
Primovist(登録商標)/Eovist(登録商標)のコントラスト増強効果は、安定なガドリニウム錯体Gd-EOB-DTPA(ガドリニウム・エトキシベンジル・ジエチレントリアミン五酢酸)によって、媒介される。DTPAは、常磁性ガドリニウムイオンとともに、熱力学的に高い安定性を有した錯体を形成する。エトキシベンジル(EOB)ラジカルは、造影剤の肝胆道への取り込みにおける媒介物質である。
【0017】
Primovist(登録商標)は、肝臓内の腫瘍の検出に際して、使用することができる。健康な肝臓組織に対しての血液供給は、主に、門脈(vena portae)を介して行われ、他方、大部分の原発性腫瘍に対しては、肝動脈(arteria hepatica)が供給する。したがって、造影剤をボーラス投与で静脈内注射した後には、健康な肝実質と腫瘍との間で、信号の立ち上がりに関して、時間的な遅延を観察することができる。
【0018】
悪性腫瘍に加えて、肝臓内で通常的に見受けられるものは、嚢胞、血管腫、および限局性結節性過形成(FNH)、などの良性病変である。適切な治療計画を立てるには、これらを悪性腫瘍と区別する必要がある。Primovist(登録商標)は、肝臓の局所病変の良性と悪性とを区別するために、使用することができる。T1強調MRIにより、病変の特徴に関する情報が提供される。区別は、肝臓と腫瘍とに対しての異なる血液供給を使用することにより、また、コントラスト増強の時間プロファイルを利用することにより、達成される。
【0019】
Primovist(登録商標)によって得られるコントラスト増強は、少なくとも2つの段階へと分割することができる、すなわち、動的相(いわゆる、動脈相と、門脈相と、後期相と、を含む)と、肝細胞内へのPrimovist(登録商標)の充分な取り込みが既に行われている肝胆道相と、へと分割することができる。
【0020】
動的相と肝胆道相とにわたって造影剤の広がりを経時的に追跡することにより、局所的肝臓病変の検出と鑑別診断とに関する良好な手法が提供されるけれども、検査は、比較的長い時間経過にわたって行われる。そのような時間経過にわたって、MRI画像内でのモーションアーティファクトを最小化するためには、患者が動くことが、回避されるべきである。動きを長時間にわたって制限することは、患者にとっては不快であり得る。
【発明の概要】
【0021】
上記の従来技術を踏まえて、技術的な目的は、MRI検査時間を短縮することである。
【0022】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項内に、本明細書内に、および図面内に、見出される。
【0023】
本発明は、第1の態様では、方法であって、
-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-同じ検査対象物の第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む方法を提供する。
【0024】
本発明は、さらに、システムであって、
・受信ユニットと、
・制御計算ユニットと、
・出力ユニットと、を含み、
-制御計算ユニットは、受信ユニットに、検査対象物の第1MRI画像を受信することを促すように、構成され、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、
-制御計算ユニットは、受信ユニットに、検査対象物の第2MRI画像を受信することを促すように、構成され、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されており、
-制御計算ユニットは、第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するように、構成され、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加しており、
-制御計算ユニットは、出力ユニットに、第1MRIピクチャを表示することを、または第1MRIピクチャを出力することを、または第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存することを、促すように、構成されている、システムを提供する。
【0025】
本発明は、さらに、コンピュータシステムのメモリ内へとロードされ得るコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムは、コンピュータシステムに、
-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-同じ検査対象物の第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を実行させることを促進する、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0026】
本発明は、さらに、MRI方法における第1造影剤および第2造影剤の使用であって、MRI方法は、
-第1造影剤を投与するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像の生成後における第2時点で、第2造影剤を投与するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む、MRI方法における第1造影剤および第2造影剤の使用を提供する。
【0027】
さらに提供されるものは、MRI方法において使用するための第1造影剤および第2造影剤であって、MRI方法は、
-第1造影剤を投与するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像の生成後における第2時点で、第2造影剤を投与するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-第1MRIピクチャを、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、第1MRIピクチャ、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む、MRI方法において使用するための第1造影剤および第2造影剤である。
【0028】
さらに提供されるものは、本発明による造影剤と、本発明によるコンピュータプログラム製品と、を含むキットである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下においては、本発明の主題(方法、システム、コンピュータプログラム製品、使用、使用のための造影剤、キット)どうしを区別することなく、本発明について、より具体的に説明する。それどころか、以下の説明は、どの文脈(方法、システム、コンピュータプログラム製品、使用、使用のための造影剤、キット)で起こっているかに関係なく、本発明のすべての主題に対して同様に適用されることを意図している。
【0030】
検査対象物をなす肝臓またはその一部に関する古典的なMRI検査の場合には、肝胆道造影剤が、単一のボーラスという形態で投与される。これに続いて、動脈相、門脈相、後期相、および肝胆相、の際における肝臓またはその一部を示す、一連のMRI画像が生成される。通常、造影剤を投与する際には、検査対象物は、既にMRIスキャナ内に配置されている。ボーラスの形態で静脈内に投与された後には、造影剤が、検査領域内において比較的ゆっくりと広がることのために、MRI検査は、比較的長時間にわたって行われる。10分間~20分間程度が、通常的である。
【0031】
本発明によれば、2回のボーラスという形態で造影剤を投与することにより、この検査期間が短縮され、1回目の投与の時点では、検査対象物は、まだMRIスキャナ内に配置されていない。
【0032】
検査対象物がまだMRIスキャナ内に配置されていない状態で第1造影剤をボーラス投与し、検査対象物がMRIスキャナ内に配置された状態で第2造影剤をボーラス投与する。第1造影剤は、肝胆道造影剤であり、第2造影剤は、第1造影剤と同じ造影剤とし得るけれども、第2造影剤は、また、異なる造影剤とすることができ、特に細胞外造影剤とすることができる。
【0033】
MRI検査は、(第1)肝胆相の時点でのみ開始され、その時点では、第1造影剤は、既に健康な肝臓組織のコントラスト増強を行っている。本明細書では第1時点とも称されるこの時点で、第1MRI画像が生成される。この時点でのみ、検査対象物がMRIスキャナ内に配置されていることが必要とされる。第1時点では、第1造影剤の投与の結果として、動脈相、門脈相、および後期相が、既に経過しており、したがって、それら動脈相、門脈相、および/または後期相の際の肝臓またはその一部を示すMRI画像を生成することができない。それでもなお、それら相のMRI画像を取得するために、第2造影剤を投与し、血管を介しての第2造影剤の広がりを、MRIによって追跡する。第2造影剤の投与後にMRI画像が生成された場合、健康な肝臓細胞内には、なおも第1造影剤が存在しており、このことは、血管と健康な肝臓細胞との間のコントラストが小さいことを意味する。健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストを高めるために、第2造影剤の投与前でありかつ第1造影剤の投与後である1つまたは複数のMRI画像を使用して、第2造影剤の投与後のMRI画像から、コントラストを増強させた人工的MRIピクチャを生成する。一実施形態では、これは、第2造影剤の投与後における動的相(すなわち、動脈相、門脈相、および/または後期相)の際に生成された1つまたは複数のMRI画像から、第1造影剤の投与後かつ第2造影剤の投与前における肝胆相時に生成されたMRI画像を、減算することにより、行われる。更なる実施形態では、人工的MRIピクチャは、人工ニューラルネットワークを利用して、生成される。両方の実施形態において、第1造影剤が投与されておらず第2造影剤のみが投与された印象を与える人工的MRIピクチャを、生成することができる。
【0034】
「検査対象物」は、通常、生物であり、好ましくは哺乳類であり、非常に特に好ましくは、人間である。
【0035】
検査対象物の一部は、動的コントラスト増強型の磁気共鳴画像法検査を受ける。「検査領域」は、画像ボリューム(視野、FOV)とも称されるものであり、特に、磁気共鳴画像内に撮像されるボリュームである。検査領域は、典型的には、放射線技師によって、例えば概観画像(ローカライザ)上で規定される。当然のことながら、検査領域は、代替的にまたは追加的に、例えば選択されたプロトコルに基づいて自動的に規定されることもできる。検査領域は、検査対象物の肝臓の少なくとも一部を含む。
【0036】
検査対象物に対して、検査領域内で広がる第1造影剤が投与される。第1造影剤は、好ましくは、ボーラスとして、体重に応じた投与量で、静脈内投与される(例えば、腕の静脈内へと投与される)。
【0037】
「造影剤」とは、磁気共鳴測定においてその存在が信号変化をもたらす物質または物質混合物を意味するものとして、理解される。好ましくは、第1造影剤は、T1緩和時間の短縮および/またはT2緩和時間の短縮をもたらす。
【0038】
第1造影剤は、例えばGd-EOB-DTPAまたはGd-BOPTAなどの、肝胆道造影剤である。
【0039】
特に好ましい実施形態では、第1造影剤は、コントラスト増強活性物質としてガドキセト酸を有したまたはガドキセト酸塩を有した、物質または物質混合物である。非常に特に好ましいことは、ガドキセト酸の二ナトリウム塩(Gd-EOB-DTPA二ナトリウム)として与えられることである。
【0040】
肝胆道造影剤を、腕の静脈内へとボーラスの形態で静脈内投与した後には、造影剤は、最初に、動脈を経由して肝臓へと到達する。これらは、対応するMRI画像内において、コントラストを増強して描出される。MRI画像内において肝臓動脈がコントラストを増強して描出される相は、「動脈相」と称される。この相は、造影剤の投与直後から始まり、通常は、15秒間~60秒間程度にわたって継続する。
【0041】
その後、造影剤は、肝臓静脈を経由して肝臓へと到達する。肝臓動脈内のコントラストが既に低下しているのに対して、肝臓静脈内のコントラストは、最大値へと到達している。MRI画像内において肝臓静脈がコントラストを増強して描出される相は、「門脈相」と称される。この相は、動脈相時に既に始まることができ、動脈相とオーバーラップすることができる。通常、この相は、静脈内投与後の60秒後~70秒後から開始され、通常は、50秒間~70秒間にわたって継続する。
【0042】
門脈相の後には、「後期相」が続き、この後期相では、肝臓動脈内のコントラストがさらに低下するとともに、肝臓静脈内のコントラストが、同様に低下する。肝胆道造影剤を使用した場合には、健康な肝臓細胞内のコントラストは、後期相では、徐々に上昇する。この相は、造影剤の投与後の、通常は100秒後~140秒後から開始され、通常は50秒間~70秒間にわたって継続する。
【0043】
動脈相、門脈相、および後期相は、総称して「動的相」とも称される。
【0044】
注入から10分後~20分後において、肝胆道造影剤は、健康な肝実質内において、明確な信号増強をもたらす。この相は、「肝胆道相」と称される。造影剤は、肝臓細胞からゆっくりとしか排出されないので、肝胆相は、2時間以上にわたって継続することができる。
【0045】
記載された相は、例えば、J. Magn. Reson. Imaging, 2012, 35(3): 492-511, doi:10.1002/jmri.22833、Clujul Medical, 2015, Vol. 88 no. 4: 438-448, DOI: 10.15386/cjmed-414、Journal of Hepatology, 2019, Vol. 71: 534-542, http://dx.doi.org/10.1016/j.jhep.2019.05.005)、という出版物において詳細に説明されている。
【0046】
細胞外造影剤は、肝臓細胞によって取り込まれることがなく、健康な肝臓組織内へと蓄積されることがない。したがって、細胞外造影剤は、動的相(動脈相、門脈相、および後期相、を含む)だけを示す。
【0047】
本発明によれば、造影剤は、2回のボーラスという形態で投与される。1回目の投与は、検査対象物がまだMRIスキャナ内に配置されていない時点で行われる。1回目の投与では、第1造影剤が投与される。
【0048】
第1造影剤の投与後には、検査対象物がMRIスキャナ内へと導入され、第1時点において第1MRI画像が生成されるまで、時間経過を待つことができる。第1投与から、第1MRI画像の生成までへの、時間経過は、好ましくは5分間~1時間の範囲内であり、より好ましくは10分間~30分間の範囲内であり、最も好ましくは8分間~25分間の範囲内である。
【0049】
第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の肝胆相時における、検査対象物の肝臓またはその一部を示す。第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出される。
【0050】
本明細書では、第1MRI画像が生成される肝胆相は、また、第1肝胆相とも称される。第1造影剤は、健康な肝臓細胞へと既に到達しており、コントラスト増強をもたらすとともに、常磁性造影剤の場合には、健康な肝臓細胞の信号増強をもたらす。第1造影剤の投与後に発生する、動脈相、門脈相、および後期相の際には、MRI画像は生成されない。本明細書では、第1造影剤の投与後に発生する、動脈相、門脈相、および後期相は、また、第1動脈相、第1門脈相、および第1後期相、とも称される。
【0051】
第1肝胆相時に複数のMRI画像が生成されることが、想定される。
【0052】
第1肝胆相時における1つまたは複数の第1MRI画像が生成された後に、2回目の造影剤の投与が行われる。2回目に投与されるものは、第2造影剤である。第2造影剤は、第1造影剤と同じ造影剤とし得るけれども、第2造影剤は、また、異なる造影剤とすることができ、好ましくは細胞外造影剤とすることができる。第2造影剤は、同様に、好ましくは、ボーラスとして、体重に応じた投与量で、静脈内投与される(例えば、腕の静脈内へと投与される)。
【0053】
本明細書では、第1造影剤の投与は、また、第1投与とも称され、本明細書では、第2造影剤の投与は、また、第2投与とも称される。第1造影剤と第2造影剤が同一である場合には、このようにして行われることは、肝胆道造影剤の第1投与と、後の時点における、肝胆道造影剤の第2投与と、である。第1造影剤と第2造影剤とが異なる場合には、行われることは、肝胆道造影剤である第1造影剤の第1投与であり、さらに、後の時点で行われることは、第2の(異なる)造影剤の第2投与である。
【0054】
第2投与の時点では(または、第2造影剤の投与の時点では)、検査対象物は、好ましくは、既にMRIスキャナ内に配置されている。第2造影剤の投与後には、動脈相、門脈相、および後期相を、再び経験することとなる。これらの、動脈相、門脈相、および後期相は、また、本明細書では、第2動脈相、第2門脈相、および第2後期相、とも称される。第2動脈相では、および/または第2門脈相では、および/または第2後期相では、1つまたは複数のMRI画像が生成される。それらMRI画像は、その取得順に、第2、第3、第4、等と称される。
【0055】
好ましい実施形態では、第2MRI画像は、第2動脈相時に生成され、第3MRI画像は、第2門脈相時に生成され、第4MRI画像は、第2後期相時に生成される。そのような第2MRI画像は、特に、コントラストを増強して動脈を示しており、そのような第3MRI画像は、特に、コントラストを増強して静脈を示している。
【0056】
記載された相どうしの間に、2つ以上のMRI画像が生成されることが、さらに想定される。
【0057】
測定されたMRI画像は、検査対象物を通る断面平面を示す2次元画像として、存在することができる。測定されたMRI画像は、2次元画像のスタックとして存在することができ、スタックの個々の画像は、異なる断面平面を示す。測定されたMRI画像は、3次元画像(3D画像)として存在することができる。より単純化された説明のために、本発明について、本明細書におけるいくつかの観点で、2次元MRI画像の存在に基づいて説明するけれども、これは、しかしながら、本発明を2次元MRI画像に限定することを望むものではない。当業者には、2次元画像のスタックおよび3次元画像に関してそれぞれ説明したものをどのようにして適用し得るかは、明らかである(これに関連して、例えば、M. Reisler, W. Semmler: Magnetresonanztomographie [Magnetic resonance imaging], Springer Verlag, 3rd edition, 2002, ISBN: 978-3-642-63076-7を参照されたい)。
【0058】
通常、測定されたMRI画像は、デジタル画像ファイルとして存在する。「デジタル」という用語は、MRI画像が、機械によって、一般的にはコンピュータシステムによって、処理され得ることを、意味する。「処理」とは、電子データ処理(EDP)のための公知の方法を意味するものとして、理解される。
【0059】
デジタル画像ファイルは、様々なフォーマットで存在することができる。例えば、デジタル画像ファイルは、ラスターグラフィックとしてコード化することができる。ラスターグラフィックは、いわゆるピクチャエレメント(ピクセル)またはボリュームエレメント(ボクセル)のグリッド配置からなり、それぞれの場合に対して、色またはグレー値が割り当てられる。2Dラスターグラフィックの主な特徴点は、画像サイズ(ピクセル内で測定された幅および高さ、非公式には、画像解像度とも称される)と、色深度と、である。色は、通常、デジタル画像ファイルのピクチャエレメントに対して割り当てられる。ピクチャエレメントに関して使用される色コード化は、とりわけ、色空間および色深度の観点で規定される。最も単純なケースは、2値画像であり、この場合、ピクチャエレメントには、黒白値が保存される。いわゆるRGB色空間(RGBは、赤、緑、および青、という主要色を表す)という観点で、その色が規定された画像の場合には、各ピクチャエレメントは、赤色に関するサブピクセル、緑色に関するサブピクセル、および青色に関するサブピクセル、という3つのサブピクセルから構成される。ピクチャエレメントの色は、サブピクセルの色値の重ね合わせ(加法混色)により発生する。サブピクセルの色値は、通常は0~255と範囲の256色の色調へと分割され、これは、色調値と称される。各色チャネルの色調「0」は、最も暗い。すべての3つのチャネルが、色調値0を有していれば、対応するピクチャエレメントは、黒色に見え、また、すべての3つのチャネルが、色調値255を有していれば、対応するピクチャエレメントは、白色に見える。本発明を実施する時には、デジタル画像ファイル(MRI画像)は、所定の操作を受ける。これに関連して、操作は、主にピクチャエレメントに影響を与える、または、個々のピクチャエレメントの色調値に影響を与える。可能なデジタル画像フォーマットおよび色コード化は、多種多様である。簡略化のため、本明細書では、画像が、特定の数のピクチャエレメントを有したグレースケールラスターグラフィックであること、また、各ピクチャエレメントには、画像のグレー値を示す色調値が割り当てられていることを、仮定している。しかしながら、この仮定は、決して限定として理解されるべきではない。画像処理の当業者には、本説明の教示を、他の画像フォーマットで存在する画像ファイルに対して、および/または色値が異なる態様でコード化されている画像ファイルに対して、どのようにして適用し得るかは、明らかである。
【0060】
次のステップでは、第1造影剤および第2造影剤の投与後における、1つまたは複数の相の際に生成されたMRI画像から、MRIピクチャが生成される。
【0061】
「MRIピクチャ」という用語は、造語である。この用語は、生成される様々なMRI画像でありかつ本発明の文脈で使用される様々なMRI画像どうしを、より良好に区別し得るように、作成されたものである。本発明の文脈では、第1MRI画像、第2MRI画像、第3MRI画像、および第4MRI画像が、測定によって生成された画像であるのに対し、MRIピクチャは、計算結果である人工的な描写を意味するものとして、理解される。よって、MRIピクチャ自体は、測定によって生成されたものではなく、測定によって生成された少なくとも2つのMRI画像から、計算されたものである。MRIピクチャは、好ましくは、それらが生成されるMRI画像と同じ形態のものである(例えば、デジタル画像ファイルという形態)。
【0062】
好ましくは、第1MRI画像を使用して、第2造影剤の投与後における1つまたは複数の相の際に生成された各MRI画像から計算されるものは、各場合において、MRIピクチャであり、第2MRI画像と好ましくは第1MRI画像とから計算されるものは、第1MRIピクチャであり、存在するならば、第3MRI画像と好ましくは第1MRI画像とから計算されるものは、第2MRIピクチャであり、存在するならば、第4MRI画像と好ましくは第1MRI画像とから計算されるものは、第3MRIピクチャであり、等々である。
【0063】
MRI画像からMRIピクチャを生成する目的は、健康な肝臓組織と他の領域との間のコントラストを高めることである。第1造影剤として肝胆道常磁性造影剤を使用した場合には、第2動脈相、第2門脈相、および第2後期相の際の健康な肝臓組織の信号強度は、第1造影剤の投与の結果として、なおも上昇している。記載された第2相の際に広がる第2造影剤も、同様に、それが広がる組織内において、信号の上昇をもたらす。これは、MRI画像内では、健康な肝臓組織と、(第2)造影剤のためにコントラスト増強された残部組織と、の間のコントラストは、小さなものでしかない。好ましい実施形態では、そのようなコントラストは、第2MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、増加する。存在する場合には、第1MRI画像は、また、第3MRI画像から減算することができる。存在する場合には、第1MRI画像は、また、第4MRI画像から減算することができる。等々である。
【0064】
そのような減算の場合、対応するピクセルまたはボクセルの色調値が、通常は、互いに減算される。2つのピクセルまたはボクセルは、同じ検査領域を示す時に、互いに対応する。
【0065】
減算の対象となるMRI画像に対して、予め動き補正を施すことが、想定される。このような動き補正は、第1MRI画像のピクセルまたはボクセルが、第2MRI画像、第3MRI画像、第4MRI画像、等々の対応ピクセルまたは対応ボクセルと同じ検査領域を示すことを、確保する。動き補正の方法は、従来技術において説明されている(例えば、欧州特許第3118644号明細書、欧州特許第3322997号明細書、米国特許出願公開第20080317315号明細書、米国特許出願公開第20170269182号明細書、米国特許出願公開第20140062481号明細書、欧州特許第2626718号明細書、を参照されたい)。
【0066】
MRI画像の減算は、特に、健康な肝臓組織の信号強度を低下させる。
【0067】
第2MRI画像からの第1MRI画像の減算により生成された、第3MRI画像からの第1MRI画像の減算により生成された、第4MRI画像からの第1MRI画像の減算により生成された、等々のMRIピクチャは、単一のボーラスという形態で造影剤のみが投与された場合とほぼ同様に、組織内における造影剤の広がりを示すけれども、検査対象物がMRIスキャナを占有する時間経過がより短いことのために、MRI検査が短縮されるという点で、相違する。
【0068】
更なる実施形態では、1つまたは複数のMRIピクチャは、第1MRI画像および第2MRI画像からMRIピクチャを生成するように訓練された人工ニューラルネットワークを利用して、計算される。第1MRI画像は、第1肝胆相における、すなわち肝胆道造影剤の投与後の第1時点における、検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている。第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている。MRIピクチャは、第2造影剤のみを投与した場合と同じように見える肝臓またはその同じ一部を示しており、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されているものの、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞は、コントラストを増強して描出されているわけではない。言い換えれば、生成されたものは、第2MRI画像のように見えるMRIピクチャであって、相違点は、健康な肝臓細胞に関して第1造影剤の投与によって引き起こされたコントラスト増強が、第2MRI画像から、減算(除去)されていることである。
【0069】
このような人工ニューラルネットワークは、入力ニューロン(ノード)を有した第1層、少なくとも1つの出力ニューロン(ノード)を有した第N層、および、Nを、2よりも大きな自然数としたときにN-2個の内部層、という、処理要素からなる少なくとも3つの層を含む。
【0070】
入力ニューロンは、入力値として、デジタルMRI画像を受信するように機能する、例えば、第1MRI画像と第2MRI画像とを受信するように機能する。通常、デジタルMRI画像の各ピクセルまたは各ボクセルに対して、1つの入力ニューロンが存在する。追加的な入力値(例えば、検査領域に関する情報、検査対象物に関する情報、MRI画像を生成する時に優勢であった条件に関する情報、および/または、MRI画像が生成された時点または時間経過に関する情報)に対して、追加的な入力ニューロンが存在することができる。
【0071】
このようなネットワークにおいて、出力ニューロンは、MRIピクチャを出力するように機能する。
【0072】
入力ニューロンと出力ニューロンとの間の層をなす処理要素は、所定の接続重みを有した所定パターン内で互いに接続されている。
【0073】
好ましくは、人工ニューラルネットワークは、いわゆる畳み込みニューラルネットワーク(略してCNN)である。
【0074】
畳み込みニューラルネットワークは、入力データをマトリクス形態で処理することが可能である。このため、マトリクス(例えば、幅×高さ×色チャネル)として描かれたデジタルMRI画像を、入力データとして使用することが可能である。対照的に、例えば多層パーセプトロン(MLP)の形態などの、通常のニューラルネットワークは、入力としてベクトルを必要とする、すなわち、入力としてMRI画像を使用するためには、MRI画像のピクセルまたはボクセルは、長いチェーンで連続して繰り出されなければならない。その結果、通常のニューラルネットワークは、例えば、MRI画像内の対象物の位置と無関係には、MRI画像内の対象物を認識することができない。MRI画像内の異なる位置にある同じ対象物は、全く異なる入力ベクトルを有することとなる。
【0075】
CNNは、交互に繰り返されるフィルタ(畳み込み層)および集約層(プーリング層)と、最後に位置した「通常の」完全連結ニューロン(密に/完全に連結された層)からなる1つの層または複数の層と、から本質的になる。
【0076】
詳細は、従来技術から収集することができる(例えば、S. Khan et al.: A Guide to Convolutional Neural Networks for Computer Vision, Morgan & Claypool Publishers 2018, ISBN 1681730227, 9781681730226、国際公開第2018/183044(A1)号パンフレット、国際公開第2018/200493号パンフレット、国際公開第2019/074938(A1)号パンフレット、国際公開第2019/204406(A1)号パンフレット、国際公開第2019/241659(A1)号パンフレット、を参照されたい)。
【0077】
ニューラルネットワークは、訓練データセットを使用して教師あり機械学習プロセスで訓練することができる。訓練データセットは、複数の第1基準MRI画像と、複数の第2基準MRI画像と、複数の第3基準MRI画像と、を含む。
【0078】
そのような第1基準MRI画像は、第1MRI画像に対応し、それは、第1造影剤の投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている。
【0079】
そのような第2基準MRI画像は、第2MRI画像に対応し:それは、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている。血管は、動脈および/または静脈とすることができる。
【0080】
そのような第3基準MRI画像は、第2時点の前に第1造影剤が投与されることなく、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管のみが、コントラストを増強して描出されている。
【0081】
機械学習時には、訓練データに基づく統計モデルが生成される。これは、例を、単に丸暗記するのではなく、モデルが、訓練データ内のパターンおよび規則性を「認識する」ことを意味する。よって、モデルは、未知のデータを評価することもできる。検証データを使用することにより、未知のデータに関する評価の品質をテストすることができる。
【0082】
モデルは、通常、教師あり学習によって訓練される、すなわち、第1基準MRI画像および第2基準MRI画像が、モデルに対して提示され、どの第3基準MRI画像が、特定の第1基準MRI画像および第2基準MRI画像に対して関連付けられるかが知らされる。その後、アルゴリズムは、未知の第1MRI画像および第2MRI画像に対する第3MRIピクチャを予測する(計算する)ために、基準MRI画像どうしの間の関係を学習する。
【0083】
教師あり学習によって訓練される自己学習システムは、従来技術において広く説明されている(例えば、C. Perez: Machine Learning Techniques: Supervised Learning and Classification, Amazon Digital Services LLC - Kdp Print Us, 2019, ISBN 1096996545, 9781096996545、国際公開第2018/183044(A1)号パンフレット、国際公開第2018/200493号パンフレット、国際公開第2019/074938(A1)号パンフレット、国際公開第2019/204406(A1)号パンフレット、国際公開第2019/241659(A1)号パンフレット、を参照されたい)。
【0084】
ニューラルネットワークの訓練は、例えば、バックプロパゲーション法により実施することができる。ネットワークに関するここでの目的は、所与の入力データを所与の出力データ上へとマッピングする際の、最大限の信頼性である。マッピングの品質は、誤差関数によって表される。目標は、誤差関数を最小化することである。バックプロパゲーション法の場合、人工ニューラルネットワークは、接続重みを変更することによって、訓練される。
【0085】
訓練された状態では、処理要素どうしの間の接続重みは、第1基準MRI画像および第2基準MRI画像と、新たな第1MRI画像および第2MRI画像に関する対応したMRIピクチャを予測するために使用され得る第3基準MRI画像と、の間の関係に関する情報を含有する。
【0086】
データを、訓練データセットと検証データセットとに分割するために、交差検証法を使用することができる。訓練データセットは、ネットワーク重みのバックプロパゲーション訓練において使用される。検証データセットは、訓練されたネットワークを未知の複数のMRI画像に対して適用し得る予測精度をチェックするために、使用される。
【0087】
上述したように、検査対象物に関する更なる情報、検査領域に関する更なる情報、検査条件に関する更なる情報、および/または、測定されたMRI画像に関する更なる情報も、また、訓練、検証、および予測のために、使用することができる。
【0088】
検査対象物に関する情報の例は、性別、年齢、体重、身長、既往症、摂取した医薬品の種類と期間と量、血圧、中心静脈圧、呼吸数、血清アルブミン、総ビリルビン、血糖、鉄分、呼吸能力、および同種のもの、である。また、これらは、例えば、データベースまたは電子患者ファイルから収集することもできる。
【0089】
検査領域に関する情報の例は、既往症、手術、部分切除、肝移植、鉄肝、脂肪肝、および同種のもの、である。
【0090】
MRI画像が、予測モデルに対して供給される前に、動き補正を受けることが、想定される。このような動き補正は、第1MRI画像のピクセルまたはボクセルが、第2MRI画像の対応ピクセルまたは対応ボクセルと同じ検査領域を示すことを、確保する。動き補正の方法は、従来技術において説明されている(例えば、欧州特許第3118644号明細書、欧州特許第3322997号明細書、米国特許出願公開第20080317315号明細書、米国特許出願公開第20170269182号明細書、米国特許出願公開第20140062481号明細書、欧州特許第2626718号明細書、を参照されたい)。
【0091】
本発明は、本発明による方法を実行することを可能とするシステムを提供する。
【0092】
このようなシステムは、受信ユニットと、制御計算ユニットと、出力ユニットと、を含む。
【0093】
そのようなユニットが、単一のコンピュータシステムの構成要素であることが想定されるけれども、そのようなユニットが、また、あるユニットから別のユニットへとデータおよび/または制御信号を送信するために、ネットワークを介して互いに接続された複数の別個のコンピュータシステムの構成要素であることも、想定される。
【0094】
「コンピュータシステム」とは、プログラム可能な計算規則によってデータを処理する電子的データ処理システムである。そのようなシステムは、通常、論理演算を実行するためのプロセッサを含むユニットである「コンピュータ」と、周辺機器と、を含む。
【0095】
コンピュータ技術では、「周辺機器」とは、コンピュータに対して接続されていて、コンピュータを制御するために使用されるおよび/または入出力デバイスとして使用される、すべてのデバイスを指す。その例は、モニタ(スクリーン)、プリンタ、スキャナ、マウス、キーボード、ドライブ、カメラ、マイクロホン、スピーカ、等である。内部ポートおよび拡張カードも、また、コンピュータ技術では周辺機器と見なされる。
【0096】
現代のコンピュータシステムは、デスクトップPCs、ポータブルPCs、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、タブレットPCs、および、ハンドヘルド(例えば、スマートフォン)と称されるもの、へと多くの場合に分類され、すべてのこれらのシステムは、本発明の実施に際して使用されてもよい。
【0097】
コンピュータシステムへの入力は、例えば、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチセンサ式ディスプレイ、および/または、同種のもの、などの入力手段を介して、達成される。
【0098】
本発明によるシステムは、各場合において、一度に2つのMRI画像から、1つのMRIピクチャを生成するように、構成されている。好ましくは、これは、2つのMRI画像の対応するピクチャエレメントの色調値を減算することにより、行われる。これに関連して、負の色調値を避けるために、絶対的な差が形成されることが、想定される。さらに、負の色調値を避けるために、負の色調値が色調値ゼロに設定されることが、想定される。
【0099】
受信ユニットは、MRI画像を受信するように機能する。MRI画像は、例えば、磁気共鳴システムから送信され得る、あるいは、データ記憶媒体から読み出され得る。磁気共鳴システムは、本発明によるシステムの一構成要素であってもよい。しかしながら、また、本発明によるシステムが、磁気共鳴システムの一構成要素であることも、想定される。
【0100】
少なくとも、第1MRI画像および2MRI画像が、受信ユニットから、制御計算ユニットへと、送信される。存在する場合には、第3MRI画像、第4MRI画像、等々も、また、送信されることができる。
【0101】
制御計算ユニットは、受信したMRI画像から、MRIピクチャを計算するように機能する。さらに、制御計算ユニットは、受信ユニットを制御するように、および、様々なユニットどうしの間でのデータおよび信号の流れを調整するように、機能する。複数の制御計算ユニットが存在することが、想定される。
【0102】
出力ユニットを介して、計算されたMRIピクチャを、表示することができる(例えば、モニタに)、または出力することができる(例えば、プリンタを介して)、またはデータ記憶媒体内に保存することができる。
【0103】
本発明の更なる実施形態は、
1.方法であって、
-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-同じ検査対象物の第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第2投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む方法。
【0104】
2.-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における第1肝胆相時の検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
-同じ検査対象物の第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-同じ検査対象物の第3MRI画像を受信するステップであり、第3MRI画像は、造影剤の第2投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-同じ検査対象物の第4MRI画像を受信するステップであり、第4MRI画像は、造影剤の第2投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-受信した複数のMRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、第2MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第1MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
-生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む、実施形態1に記載の方法。
【0105】
3.MRI画像は、肝胆道常磁性造影剤の投与後における肝臓またはその一部に関するT1強調描出である、実施形態1または2に記載の方法。
【0106】
4.造影剤は、コントラスト増強活性物質としてガドキセト酸を有したまたはガドキセト酸塩を有した、好ましくはガドキセト酸の二ナトリウム塩を有した、物質または物質混合物である、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
【0107】
5.検査対象物は、哺乳類である、好ましくは人間である、実施形態1~4のいずれかに記載の方法。
【0108】
6.システムであって、
・受信ユニットと、
・制御計算ユニットと、
・出力ユニットと、を含み、
-制御計算ユニットは、受信ユニットに、検査対象物の第1MRI画像を受信することを促すように、構成され、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、
-制御計算ユニットは、受信ユニットに、検査対象物の第2MRI画像を受信することを促すように、構成され、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第2投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されており、
-制御計算ユニットは、第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するように、構成され、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加しており、
-制御計算ユニットは、出力ユニットに、第1MRIピクチャを表示することを、または第1MRIピクチャを出力することを、または第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存することを、促すように、構成されている、システム。
【0109】
7.-制御計算ユニットは、受信ユニットに、第1MRI画像と、第2MRI画像と、第3MRI画像と、第4MRI画像と、を受信することを促すように、構成され、
-第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における第1肝胆相時の検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、
-第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、
-第3MRI画像は、造影剤の第2投与後の第3時点における第2門脈相の同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、
-第4MRI画像は、造影剤の第2投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、
-制御計算ユニットは、受信した複数のMRI画像から、MRIピクチャを計算するように、構成され、第2MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第1MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算し、
-制御計算ユニットは、出力ユニットに、計算された複数のMRIピクチャの1つまたは複数をスクリーン上に表示することを、および/またはそれらをプリンタへと出力することを、および/またはそれらをデータ記憶媒体内へと保存することを、促すように、構成されている、実施形態6に記載のコンピュータシステム。
【0110】
8.コンピュータのメモリ内へとロードされ得るコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムは、コンピュータに、
-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第2投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を実行させることを促進する、コンピュータプログラム製品。
【0111】
9.コンピュータプログラムは、コンピュータに、
-検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における第1肝胆相時の検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
-第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第3MRI画像を受信するステップであり、第3MRI画像は、造影剤の第2投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第4MRI画像を受信するステップであり、第4MRI画像は、造影剤の第2投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-受信した複数のMRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、第2MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第1MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
-生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を実行させることを促進する、実施形態8に記載のコンピュータプログラム製品。
【0112】
10.コンピュータプログラムは、コンピュータに、請求項1~5のいずれか一項に記載されたステップの1つまたは複数を実行させることを促進する、実施形態9に記載のコンピュータプログラム製品。
【0113】
11.MRI方法における造影剤の使用であって、MRI方法は、
-造影剤の第1投与を実行するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像の生成後の時点で、造影剤の第2投与を実行するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第2投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む、MRI方法における造影剤の使用。
【0114】
12.-造影剤の第1投与を実行するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における第1肝胆相時の検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
-第1MRI画像の生成後の時点で、造影剤の第2投与を実行するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第3MRI画像を生成するステップであり、第3MRI画像は、造影剤の第2投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第4MRI画像を生成するステップであり、第4MRI画像は、造影剤の第2投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-受信した複数のMRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、第2MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第1MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
-生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む、実施形態11に記載の使用。
【0115】
13.MRI方法において使用するための造影剤であって、MRI方法は、
-造影剤の第1投与を実行するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像の生成後の時点で、造影剤の第2投与を実行するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第1投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、造影剤の第2投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
-第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
-生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む、MRI方法において使用するための造影剤。
【0116】
14.MRI方法は、
-造影剤の第1投与を実行するステップと、
-第1MRI画像を生成するステップであり、第1MRI画像は、造影剤の第1投与後の第1時点における第1肝胆相時の検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
-第1MRI画像の生成後の時点で、造影剤の第2投与を実行するステップと、
-第2MRI画像を生成するステップであり、第2MRI画像は、造影剤の第2投与後の第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第3MRI画像を生成するステップであり、第3MRI画像は、造影剤の第2投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-第4MRI画像を生成するステップであり、第4MRI画像は、造影剤の第2投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
-受信した複数のMRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、第2MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第1MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
-生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成された複数のMRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む、実施形態13に記載の、使用するための造影剤。
【0117】
15.造影剤は、コントラスト増強活性物質としてガドキセト酸を有したまたはガドキセト酸塩を有した、好ましくはガドキセト酸の二ナトリウム塩を有した、物質または物質混合物である、実施形態13または14に記載の、使用するための造影剤。
【0118】
16.実施形態13または14に記載の造影剤と、実施形態8、9、または10に記載のコンピュータプログラム製品と、を含むキット。
【0119】
本発明について、図面に図示した特徴点または特徴点どうしの組合せへと本発明をいかようにも限定することなく、図面を参照して、以下においてより詳細に説明する。
【0120】
図においては、以下の通りである。
図1は、肝臓動脈(A)、肝臓静脈(P)、および肝臓細胞(L)、内における造影剤の濃度に関する時間プロファイルを概略的に示している。濃度は、時間tの関数として、磁気共鳴測定における記載部位(肝臓動脈、肝臓静脈、肝臓細胞)内の信号強度Iという形態で、図示されている。静脈内ボーラス注入時には、最初に、肝臓動脈(A)内において、造影剤濃度が上昇する(破線で示す曲線)。濃度は、最大値を通過し、その後、低下する。肝臓静脈(P)内における濃度は、肝臓動脈内と比較して、より遅れて上昇し、遅れて最大値へと到達する(点線で示す曲線)。肝臓細胞内における造影剤濃度は、遅れて上昇し(実線で示す曲線)、非常に遅い時点でのみ、最大値へと到達する(図1には、最大値は図示されていない)。いくつかの特徴的な時点を規定することができる。時点TP0では、造影剤を、ボーラスとして静脈内に投与する。時点TP1では、肝臓動脈内の造影剤濃度(信号強度)が、最大値へと到達する。時点TP2では、肝臓動脈に関する信号強度曲線と、肝臓静脈に関する信号強度曲線とが、交差する。時点TP3では、肝臓静脈内の造影剤濃度(信号強度)が、最大値を通過する。時点TP4では、肝臓動脈に関する信号強度曲線と、肝臓細胞に関する信号強度曲線とが、交差する。時点T5では、肝臓動脈内の濃度と肝臓静脈内の濃度とが、もはや測定可能なコントラスト増強を引き起こさないレベルにまで、低下している。
【0121】
本発明によれば、造影剤は、2回のボーラスという形態で投与される。第1造影剤を含有した第1ボーラスは、時点TP0で投与され、第2造影剤を含有した第2ボーラスは、時点TP3よりも後に、好ましくは時点TP4よりも後に、さらに好ましくは時点TP5よりも後に、投与される。第1MRI画像は、好ましくは時点TP4よりも後に、さらに好ましくは時点TP5よりも後に、生成される。第2造影剤の投与後には、少なくとも、動脈相および門脈相は、2回目を経験する。これらの相は、動脈内および肝臓静脈内における造影剤の場合と同様の濃度プロファイルによって特徴づけられる、すなわち、時点TP1(動脈に関して最大のコントラスト増強)と、TP2(動脈および静脈に関して同等のコントラスト増強)と、TP3(静脈に関して最大のコントラスト増強)とが、2回目として発生する、ここで、これらは、時点TP1’、時点TP2’、および時点TP3’と称することができる。好ましくは、第2MRI画像が、可能であれば第3MRI画像が、可能であれば更なるMRI画像が、第2造影剤の投与時点と、時点TP3’と、の間の時間経過内に生成される。
【0122】
図2は、本発明により短縮されたMRI検査の一例を概略的に示している。ここでは、最初に、第1造影剤が、第1ボーラスの形態で投与される(1)。検査対象物は、所定の待機時間(2)の後に、例えば8分後~20分後に、MRIへと移送される。その後、MRIプロセスが開始され、肝胆相内において、検査対象物の肝臓またはその一部を示す第1MRI画像(3)が、生成される。その後、第2造影剤が、ボーラス注射(4)の形態で検査対象物に対して静脈内投与され、その後、動的相内において、肝臓またはその一部を示す1つまたは複数の更なるMRI画像が、生成される。
【0123】
図3は、本発明によるシステムの好ましい実施形態を、概略的に示している。システム(10)は、受信ユニット(11)と、制御計算ユニット(12)と、出力ユニット(13)と、を含む。
【0124】
制御計算ユニット(12)は、受信ユニット(11)に、検査対象物の第1MRI画像を受信することを促すように、構成され、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている。
【0125】
制御計算ユニット(12)は、受信ユニット(11)に、検査対象物の第2MRI画像を受信することを促すように、さらに構成され、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている。
【0126】
制御計算ユニット(12)は、第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するように、さらに構成され、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している。
【0127】
制御計算ユニット(12)は、出力ユニット(13)に、第1MRIピクチャを表示することを、または第1MRIピクチャを出力することを、または第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存することを、促すように、さらに構成されている。
【0128】
図4は、本発明による方法の一実施形態を、概略的にかつ例示的に示している。方法(100)は、
(110)検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における検査対象物の肝臓またはその一部を示しており、第1時点における第1MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
(120)同じ検査対象物の第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第2時点における第2MRI画像内には、第1造影剤の投与の結果として、健康な肝臓細胞が、コントラストを増強して描出されており、第2時点における第2MRI画像内には、第2造影剤の投与の結果として、血管が、コントラストを増強して描出されている、ステップと、
(130)第1MRI画像および第2MRI画像から、第1MRIピクチャを生成するステップであり、第1MRIピクチャは、第2時点における同じ肝臓またはその同じ一部を示しており、第1MRIピクチャ内では、第2MRI画像と比較して、健康な肝臓細胞と血管との間のコントラストが、増加している、ステップと、
(140)第1MRIピクチャを表示および/または出力する、ならびに/あるいは、第1MRIピクチャをデータ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む。
【0129】
図5は、動的相時および肝胆道相時における肝臓の複数のMRI画像を示している。図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(e)、および図5(f)では、異なる時点における肝臓を通しての同じ断面が、常に図示されている。図5(a)、図5(b)、図5(d)、および図5(f)内に記入した参照符号は、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(e)、および図5(f)のすべてに対して適用されるものであり、明瞭化のために、それぞれ1回だけ記入されている。
【0130】
図5(a)は、(肝胆道)造影剤を静脈内投与する前の肝臓(L)を通しての断面を示している。図5(a)によって示す時点と、図5(b)によって示す時点と、の間の時点で、肝胆道造影剤を、ボーラスとして静脈内投与した。これは、図5(b)内の肝臓動脈(A)を経由して、肝臓へと到達する。したがって、肝臓動脈は、信号強調されて描出されている(動脈相)。主に動脈を介して血液が供給される腫瘍(T)も、同様に、肝臓細胞組織と比較して、より明るい(信号が増強された)領域として際立っている。図5(c)に示す時点で、肝胆道造影剤は、静脈を経由して肝臓へと到達する。図5(d)では、静脈血管(V)が、肝臓組織と比較して、明るい(信号が強調された)領域として際立っている(門脈相)。同時に、主に静脈を介して造影剤が供給される健康な肝臓細胞内の信号強度は、連続的に上昇する(図5(c)→図5(d)→図5(e)→図5(f))。図5(f)に示す肝胆道相では、肝臓細胞(P)が、信号強調されて描出され、血管および腫瘍は、もはや造影剤を有していないため、暗く描出される。
【0131】
本発明によれば、第1MRI画像が、肝胆道相時の第1時点において、生成される。これは、例えば、図5(f)に示す画像とすることができる。
【0132】
図6は、図5において既に図示されたものと同じ肝臓(L)を示している。図6(g)に示す状態は、図5(f)に示す状態の後に続くものである。肝臓は、肝胆道造影剤が投与された結果として、なおも信号が強調して描出されている。図6(g)に示す時点で、2回目の造影剤を、ボーラスの形態で、静脈内に投与する。図5に関連して既に説明した相を、すなわち、動脈相(図6(h))と、門脈相(図6(j))と、後期相(図6(k))とを、再び経験する。第2造影剤が、同様に肝胆道造影剤である場合には、第2肝胆道相も経験するけれども(図6(l))、相違点は、健康な肝臓細胞が、第1投与に基づく第1造影剤を、なおも含有しており、すべての相にわたって、信号強調されて描出されていることである。したがって、血管と健康な肝臓細胞とのコントラストは、特に図6(i)および図6(j)に示す画像では、図5(c)および図5(d)に示す画像と比較して、より小さくなっている。
【0133】
このコントラストを増加させるために、MRIピクチャを、図6(g)、図6(h)、図6(i)、図6(j)、および図6(k)に示す画像の1つまたは複数に関して、生成する。これは、図7において、例示的に図示されている。
【0134】
図7は、3つのMRIピクチャ6(h)’、6(i)’、6(j)’の生成を、概略的にかつ例示的に示している。MRIピクチャ6(h)’は、図6(h)のMRI画像から、図5(f)のMRI画像を減算することにより、生成される。MRIピクチャ6(i)’は、図6(i)のMRI画像から、図5(f)のMRI画像を減算することにより、生成される。MRIピクチャ6(j)’は、図6(j)のMRI画像から、図5(f)のMRI画像を減算することにより、生成される。減算は、それぞれの場合において、MRI画像の個々の画像構成要素における色調値に関して、行われる。MRIピクチャ6(h)’は、図5(b)に示すMRI画像に対応しており、MRIピクチャ6(i)’は、図5(c)に示すMRI画像に対応しており、MRIピクチャ6(j)’は、図5(d)に示すMRI画像に対応している。
【0135】
図8は、本発明による方法の好ましい実施形態を、フローチャートの形態で、概略的にかつ例示的に示している。方法(200)は、
(210)検査対象物の第1MRI画像を受信するステップであり、第1MRI画像は、第1造影剤の投与後の第1時点における第1肝胆相時の検査対象物の肝臓またはその一部を示している、ステップと、
(220)同じ検査対象物の第2MRI画像を受信するステップであり、第2MRI画像は、第2造影剤の投与後の第2時点における第2動脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
(230)同じ検査対象物の第3MRI画像を受信するステップであり、第3MRI画像は、第2造影剤の投与後の第3時点における第2門脈相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
(240)同じ検査対象物の第4MRI画像を受信するステップであり、第4MRI画像は、第2造影剤の投与後の第4時点における第2後期相時の同じ肝臓またはその同じ一部を示している、ステップと、
(250)受信した複数のMRI画像から、MRIピクチャを生成するステップであり、第2MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第1MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第2MRIピクチャを計算し、第3MRI画像から第1MRI画像を減算することにより、第3MRIピクチャを計算する、ステップと、
(260)生成されたMRIピクチャの1つまたは複数を、表示および/または出力する、ならびに/あるいは、生成されたMRIピクチャの1つまたは複数を、データ記憶媒体内へと保存する、ステップと、を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】