(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】肺疾患のための吸入可能な乾燥粉末組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4965 20060101AFI20221209BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20221209BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20221209BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221209BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20221209BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
A61K31/4965
A61K9/14
A61K9/48
A61K47/26
A61K47/40
A61P11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521447
(86)(22)【出願日】2020-10-11
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 IB2020059541
(87)【国際公開番号】W WO2021070150
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】201921041251
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516114592
【氏名又は名称】グレンマーク・スペシャルティー・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スシュルト・クルカルニ
(72)【発明者】
【氏名】ラジェシュ・ヴェルベラバドララオ・アンカム
(72)【発明者】
【氏名】ラクシット・カヌバイ・トリヴェディ
(72)【発明者】
【氏名】バイナート・シャダクシャリ・アラヴァト
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジャイ・ガンパト・ルガデ
(72)【発明者】
【氏名】サムシュワール・ダシュラート・ナヴァト
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA30
4C076AA53
4C076BB21
4C076CC15
4C076DD38
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4C076EE39
4C076FF04
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC48
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
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4C086MA37
4C086MA43
4C086MA55
4C086NA10
4C086ZA59
(57)【要約】
本発明は、治療有効投与量の化合物(I)、2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミドまたはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能組成物に関する。具体的には、本発明は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物に関する。さらに、本発明は、かかる組成物を使用して肺疾患を処置する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能組成物。
【請求項2】
2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能組成物。
【請求項3】
治療有効投与量の2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能組成物。
【請求項4】
2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物。
【請求項5】
治療有効投与量の2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物。
【請求項6】
治療有効投与量の2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物。
【請求項7】
前記化合物(I)の前記治療有効投与量が、約0.1mg~約20mgの範囲である、請求項5及び請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)が、ラクトース、グルコース、マルトース、エリスリトール、ソルビトール、ラフィノース、キシリトール、マルチトール、イノシトール、フルクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、トレハロース、シクロデキストリン及びそれらの混合物から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)が、1つまたは複数の吸入可能グレードのラクトースである、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記化合物(I)が、微粒子化されている、請求項4、5及び6に記載の組成物。
【請求項11】
前記化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd
90粒径が、約10ミクロン未満である、請求項4、5及び6に記載の組成物。
【請求項12】
前記化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd
90粒径が、約5ミクロン未満である、請求項4、5及び6に記載の組成物。
【請求項13】
前記化合物(I)対ラクトース間の重量比が、約1:1~約1:100である、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
化合物(I)対ラクトース間の重量比が、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、及び1:50から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
化合物(I)対ラクトース間の重量比が、1:1、1:1.5、1:3、1:7、1:19、及び1:39から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
吸入可能グレードのラクトースのd
90粒径が、約1ミクロン~約200ミクロンの範囲である、請求項9に記載の組成物。
【請求項17】
吸入可能グレードのラクトースのd
90粒径が、約60ミクロン未満である、請求項9に記載の組成物。
【請求項18】
吸入可能グレードのラクトースのd
90粒径が、約190ミクロン未満である、請求項9に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、約1%~約99%の範囲の微粒子画分を伴う粒子を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、少なくとも約60%の微粒子画分を伴う粒子を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、約15%~約60%の範囲の微粒子画分を伴う粒子を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、約5mcg~約6000mcgまでの微粒子質量を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、少なくとも約5mcgの微粒子質量を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、約50mcg~約6000mcgの範囲の微粒子質量を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、約0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物が、約50mcg~約200mcgの範囲の微粒子質量を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、約1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物が、約10mcg~約400mcgの範囲の微粒子質量を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、約2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物が、約500mcg~約1000mcgの範囲の微粒子質量を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が、約5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物が、約1000mcg~約3000mcgの範囲の微粒子質量を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項29】
前記組成物が、約10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物が、約3000mcg~約6000mcgの範囲の微粒子質量を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物中の前記化合物(I)の空気動力学的質量中央径が、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲である、請求項9に記載の組成物。
【請求項31】
i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の代表粒径が、約0.1ミクロン~約10ミクロンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項32】
約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項33】
約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、0mg~約19.9mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項34】
約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、0mg~約19.9mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項35】
0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19.5mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項36】
1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項37】
2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約17.5mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項38】
5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約15mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項39】
10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約10mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項40】
約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約190ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19.9mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項41】
0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約190ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19.5mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項42】
1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約190ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項43】
2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約190ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約17.5mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項44】
5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約190ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約15mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項45】
10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、約190ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約10mgの量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項46】
約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記ラクトース成分が、i)約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子及びii)約200ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項47】
i)約0.5mg~約10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd
90粒径を有する約3mg~約8mgのラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd
90粒径を有する約5~約13mgのラクトース粒子を含む前記吸入可能な乾燥粉末組成物であって、前記化合物(I)対ラクトース間の重量比が、約1:1~約1:39である、請求項9に記載の組成物。
【請求項48】
少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効投与量の2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))またはその医薬的に許容可能な塩を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項49】
化合物(I)の前記治療有効投与量が、約0.1mg~約20mgの範囲である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記方法が、前記組成物を、前記対象に、吸入を介して投与することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記肺疾患が、喘息、気腫、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、呼吸抑制、反応性気道機能不全症候群、急性呼吸窮迫症候群、刺激誘発性喘息、職業性喘息、肺感染症(複数可)の症状、感覚過敏症、気道炎症、多種化学物質過敏症、禁煙療法の補助、肺炎、気管支炎、インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、SARS-CoV-2、結核、及びフープ咳から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記肺疾患が、慢性閉塞性肺疾患である、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記肺疾患が、喘息である、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
対象においてIL-17を阻害することにより少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を対象において行う方法であって、前記対象に、治療有効量の2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))または医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、前記方法。
【請求項55】
医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の前記治療有効量が、約20μM~約0.1nMである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価が慢性閉塞性肺疾患患者由来の気管支肺胞洗浄細胞から実施される場合、前記治療有効量が、約500μM~約50nMである、前記方法。
【請求項57】
IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価が慢性閉塞性肺疾患患者由来の末梢血から実施される場合、前記治療有効量が、約500μM~約50nMである、前記方法。
【請求項58】
化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスであって、工程:i)化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、1つまたは複数のラクトース成分から選択される希釈剤とブレンドすること;及びii)化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び前記ラクトース成分を含む最終ブレンドを任意選択で調製することを含み;前記ブレンド工程が、i)単純なブレンディング、ii)化合物(I)とラクトース成分の共粉砕、iii)ラクトース成分を伴うまたは伴わない化合物(I)のコンディショニング;及びv)ブレンディングプロセスにおけるラクトース成分の定量から選択される、前記プロセス。
【請求項59】
前記ブレンディング工程が、約20~約40±10RPMの速度で少なくとも10分間~1時間の単純なブレンディングである、請求項58に記載のプロセス。
【請求項60】
本発明の前記ブレンディングプロセスが、化合物(I)と約100ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース成分との単純なブレンディングであり、最終ブレンディングが、約100ミクロン超のd
90粒径を有するラクトース成分を用いて調製される、請求項58に記載のプロセス。
【請求項61】
前記化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd
90粒径が、約10ミクロン未満である、請求項58に記載のプロセス。
【請求項62】
化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスであって、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、約60ミクロン未満のd
90粒径を有するラクトース粒子と混合して、ブレンドを調製すること;及びii)工程i)の前記ブレンドを、約100ミクロン超のd
90粒径を有するラクトース粒子と混合して、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む最終吸入粉末を調製することを含む、前記プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療有効投与量の化合物(I)、2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミドまたはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物に関する。さらに、本発明は、かかる組成物を使用して肺疾患を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気道炎症に関連する呼吸器疾患には、多くの肺疾患、例えば、細菌、ウイルス、またはいくつかのタイプの真菌によって引き起こされる肺感染症(複数可)、例えば軽度から中等度の呼吸困難、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息が含まれる。
【0003】
喘息は、さまざまな刺激に対する気管及び気管支の反応性の増加を特徴とする疾患であり、自然にまたは処置の結果として重症度が変化する気道の広範囲にわたる狭窄により現れる。喘息において気道閉塞につながる事象には、気道壁の浮腫、肺への炎症細胞の浸潤、さまざまな炎症性メディエーターの生成及び粘液生成の増加が含まれる。
【0004】
喘息に対する現在の治療法には、気管支拡張薬、コルチコステロイド及びロイコトリエン拮抗薬が含まれる。気管支拡張薬は、気管支及び細気管支を拡張し、呼吸気道における抵抗を低減し、肺への気流を増加させる。コルチコステロイド薬は、体の炎症反応を遮断することにより、喘息症状の軽減に有効である。ロイコトリエン拮抗薬の有効性は限られており、臨床試験では肺機能のわずかな増加のみが実証されている。
【0005】
COPDは、慢性気管支炎及び肺気腫という2つの主要な気流閉塞性疾患を分類するために使用される用語である。慢性気管支炎は、気管支気道の炎症である。肺気腫は、肺胞、または肺の気嚢の炎症である。肺気腫には、喫煙、環境汚染物質への曝露、アルファー1アンチトリプシン欠乏症、及び老化を含む、多くの原因がある。COPDは、人工呼吸器疾患であり、気道の不可逆的な閉塞を特徴とし、重力に応じて程度が変動する。
【0006】
化合物(I)は、2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミドまたはその医薬的に許容可能な塩として化学的に公知である。化合物(I)は、経口的に活性である、強力かつ選択的なRORγモジュレーターであり、WO2017/021879(‘879出願)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されており、RORγにより調節される疾患または状態、例えば喘息、COPD、関節リウマチ、及び他の炎症性疾患の処置のためのものである。‘879出願は、化合物(I)の医薬組成物を広く開示している。
【0007】
治療剤の肺送達は、他の送達様式に比べていくつかの利点を提供することができる。これらの利点には、迅速な作用発現、患者自己投与の利便性、薬物副作用減少の可能性、吸入による送達の容易さ、針の排除などが含まれる。吸入療法は、入院患者または外来患者の設定で使いやすく、薬物作用の非常に迅速な作用発現をもたらし、最小限の副作用を生成する薬物送達システムを提供することができる。定量吸入器、液体エアロゾル送達、ネブライザー、乾燥粉末吸入器などの肺投与を目的としたさまざまな剤形がある。本出願人は、吸入組成物が、化合物(I)、特に乾燥粉末吸入器組成物に好適な剤形であることを見出した。
【0008】
本出願人は、肺投与に好適である化合物(I)及びその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能組成物を見出した。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物に関する。
【0010】
一実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能組成物である。
【0011】
別の実施形態は、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能組成物である。
【0012】
別の実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0013】
別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0014】
さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患を予防、阻害、抑制、及び/または処置するための治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0015】
いくつかの実施形態では、肺疾患は、喘息、COPD、気管支炎、慢性または急性の気管支収縮、成人呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、及び気管支拡張から選択される。
【0016】
さらに別の実施形態は、COPDを予防、阻害、抑制、及び/または処置するための治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0017】
吸入可能な乾燥粉末組成物は、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み得る。
【0018】
別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む、組成物である。
【0019】
一実施形態では、組成物は、カプセル剤形である。
【0020】
一実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0021】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び希釈剤を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0022】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0023】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース成分を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0024】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び約200ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース成分を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0025】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、i)約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子及びii)約200ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含む。
【0026】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約1ミクロン~約200ミクロンの代表粒径を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、物理的及び化学的に安定である。
【0028】
ある実施形態では、本発明は、限定されないが、喘息、気腫、気管支炎、COPD、副鼻腔炎、呼吸抑制、反応性気道機能不全症候群(RADS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、刺激誘発性喘息、職業性喘息、肺感染症(複数可)の症状、感覚過敏症、気道(または肺)炎症、多種化学物質過敏症、禁煙療法の補助、肺炎、気管支炎、インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、SARS-CoV-2(COVID-19)、結核、及びフープ咳(百日咳)などを含む、気流閉塞もしくは制限、または肺領域で発生する症状を特徴とする少なくとも1つの肺疾患(複数可)の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関する。
【0029】
さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、治療投与有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0030】
さらに別の実施形態は、肺感染症(複数可)の症状(複数可)の処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、肺感染症(複数可)には、ウイルス感染症、細菌感染症、または真菌感染症が含まれる。肺感染症(複数可)の症状は、軽度から重度の呼吸障害、乾性咳嗽もしくは湿性咳嗽、胸痛、フープ咳及び/または喉の痛みである。さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0032】
さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0033】
一実施形態では、肺疾患は、喘息、気腫、気管支炎、COPD、副鼻腔炎、呼吸抑制、反応性気道機能不全症候群(RADS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、刺激誘発性喘息、職業性喘息、肺感染症(複数可)の症状、感覚過敏症、気道(または肺)炎症、多種化学物質過敏症、禁煙療法の補助、肺炎、気管支炎、インフルエンザ、SARS、SARS-CoV-2(COVID-19)、結核、及びフープ咳(百日咳)から選択される1つまたは複数の状態である。
【0034】
さらに別の実施形態は、COPDを予防、阻害、抑制、及び/または処置する方法であり、本方法は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0035】
さらに別の実施形態は、COPDを予防、阻害、抑制、及び/または処置する方法であり、本方法は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な粉末組成物を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0036】
さらに別の実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含む、投与方法である。
【0037】
一実施形態では、投与方法は、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、吸入デバイスを用いて投与することを含む。
【0038】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を対象に投与する方法であり;本方法は、必要に応じて1回または2回の少量の呼吸で単位投与量を迅速に投与することを含む。
【0039】
さらに別の実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥組成物を調製するためのプロセスであり、本プロセスは、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤と混合すること、及びii)ブレンドを、単位用量の乾燥粉末吸入器を意図したカプセル/ブリスター/サシェ剤形に充填することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書で使用する用語の定義は、以下の通りである。本出願に記載される定義と、本仮出願からの優先権を主張する非仮出願において後に記載される定義とが矛盾する場合、非仮出願の定義が用語の意味に関して優先されるものとする。
【0041】
文脈による明確な別段の定めがない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」という用語には複数の指示対象が含まれる。ゆえに、例えば、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤ならびに2つ以上の異なる賦形剤を含むなどである。
【0042】
本発明の文脈において化合物(I)と本明細書で称される化学化合物は、以下の化学構造:
【化1】
を有する。
【0043】
化合物(I)は、2-(4-(1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル)-N-(4-(3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル)フェニル)アセトアミドとして化学的に公知である。好ましい実施形態では、化合物(I)は、2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミドである。
【0044】
別の実施形態では、化合物(I)は、アモルファスまたは任意の結晶形態で存在し得る。
【0045】
特定の実施形態では、化合物(I)は、結晶形態IIIで存在し得、11.3、12.1、15.9、18.1及び20.0±0.2°シータに関して表されるピークのうちの1つまたは複数を含む特徴的なX線回折パターンを特徴とする。
【0046】
特定の実施形態では、化合物(I)は、S及びR異性体のラセミ混合物として存在し得る。
【0047】
特定の実施形態では、化合物(I)は、R異性体として存在し得る。
【0048】
特定の実施形態では、化合物(I)は、S異性体として存在し得る。
【0049】
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内にあり、ヒト及び下等動物の組織との接触での使用に好適であり、過度の毒性、刺激、及びアレルギー反応を伴わず、合理的なベネフィット対リスク比に見合い、それらの意図された使用に関して有効である塩形態を指す。
【0050】
化合物(I)の「医薬的に許容可能な塩」という用語は、無機または有機の塩基及び無機または有機の酸を含む医薬的に許容可能な塩基または酸から調製される塩を含む。かかる塩の例としては、限定されないが、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプチン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩が挙げられる。無機塩基に由来する塩の例としては、限定されないが、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、亜マンガン(mangamous)、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛が挙げられる。
【0051】
1つの好ましい実施形態では、化合物(I)は、その遊離塩基形態である。
【0052】
本明細書で使用する場合、「処置すること」という用語は、症状の重症度及び/または頻度の低下、症状及び/またはその根本的な原因の寛解、抑制、排除、あるいは疾患または状態の任意の臨床的改善を指す。
【0053】
本明細書で使用する場合、「予防」という用語は、疾患もしくは状態またはその症状からの予防を指す。いくつかの実施形態では、「予防」という用語は、肺疾患及び/または症状の再発/増悪を予防することを指す。
【0054】
本明細書で使用する場合、組成物中の重量%または他の数値を指すために使用される「約」という用語は、報告値のプラスマイナス最大20%(代替的には、最大10%または5%)を意味する。
【0055】
「対象」という用語は、ヒト及び家畜(例えば、ネコ及びイヌを含む家庭用ペット)及び非家畜(例えば野生生物)などの哺乳動物を含む。好ましくは、対象は、ヒトである。
【0056】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」という用語は、所望の治療効果を提供するのに十分な活性剤の量を指す。組成物において治療活性を呈するのに必要な量、及び治療有効量は、約0.1nM~約20μMの範囲である。
【0057】
本明細書で使用する場合、「治療有効投与量」という用語は、標的部位に治療有効量を送達するために剤形に組み込まれる活性剤の量を指す。例えば、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の治療有効投与量は、約0.1mg~約20mgから選択され得る。用量の例としては、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9、19、19.1、19.2、19.3、19.4、19.5、19.6、19.7、19.8、19.9、及び20mgが挙げられる。
【0058】
特定の実施形態では、治療有効投与量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、及び12mgから選択される。
【0059】
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な賦形剤」は、活性剤以外の医薬組成物の成分のいずれかを指し、これらは、規制当局によって承認されているか、または一般にヒトまたは動物での使用に関して安全であると見なされている。
【0060】
本明細書で使用する場合、「単位用量」または「単位剤形」という用語は、単位用量容器に充填された吸入可能な乾燥粉末組成物を指す。本明細書の単位用量容器は、カプセル(例えば、サイズ000、00、0E、0、1、2、3、及び4で、それぞれの体積容量が1.37ml、950μl、770μl、680μl、480μl、360μl、270μl、及び200μl)またはブリスターまたはサシェを指す。
【0061】
本明細書で使用する場合、「代表粒径」(または同義語として、「平均粒径」)という用語は、測定されたすべての粒子の約50体積パーセントが、定義された代表粒径値未満の径を有し、測定されたすべての測定可能な粒子の約50体積パーセントが、定義された代表粒径値より大きい粒径を有する粒度分布を指す。これは、「d50」または「d(0.5)」という用語により識別することができる。同様に、d90値は、測定されたすべての粒子の約90体積パーセントが、定義された粒径値未満の径を有することに関する(「d90粒径」とも呼ばれる)。粒径は、レーザー回折、光子相関分光法(PCS)、及びコールターの原理のようなさまざまな技術を使用して測定することができる。
【0062】
本明細書で使用する場合、「d90粒径」という用語は、分布の90パーセントがより小さな粒径を有し、10パーセントがより大きな粒径を有する粒子の直径を指す。
【0063】
「微粒子質量」試験は、通常、検証済みの多段インパクターもしくはインピンジャー法、または好適に検証された代替方法を使用して実施される。通常、5ミクロン未満の代表粒径に対応するプールされたステージの結果に上限及び下限を設定することは許容可能と見なされるが、適切な判断で代替の限度が許容可能と見出され得る。薬物質量は、放出された用量のパーセンテージ(または他の導出されたパラメーター)ではなく、微粒子質量で報告されるべきである。微粒子質量は、一般に、質量/用量として言及する。例えば、吸入可能な乾燥粉末組成物の微粒子質量が50mcgの場合、微粒子質量が50mcg/用量であることを意味する。
【0064】
「空気力学的直径」という用語は、対象となる粒子と同じ沈降速度を持つ密度1000kg/m3の球体の直径として定義される。空気力学的直径は、当該技術分野で慣習的に使用されている方法のいずれかによって確認され得る。本明細書で指定する空気力学的直径値は、アンダーセンカスケードインパクターを使用して決定されたものである。
【0065】
空気動力学的質量中央径(MMAD)は、粒子の質量の50%がより大きく、50%がより小さい直径として定義される。
【0066】
「カー指数」及び「ハウスナー比」は、粉末の流動性の指標としてよく使用される。カー指数及びハウスナー比は、タップ密度装置を使用して決定することができる。粉末組成物のバルク密度及びタップ密度は、タップ密度装置によって決定することができる。
【0067】
「微粒子画分」という用語は、呼吸可能な上限と見なされる粒径よりも小さいことを意味する、放出された粒子の呼吸可能画分として定義される。微粒子画分は、5ミクロン未満の空気力学的直径を有する。微粒子画分は、一般に、約5ミクロン~約1ミクロンのMMADである。
【0068】
本明細書で使用する場合、「肺疾患」という用語は、肺系で発生する疾患、障害もしくは状態、または症状を指す。肺疾患には、限定されないが、喘息、気腫、気管支炎、COPD、副鼻腔炎、呼吸抑制、反応性気道機能不全症候群(RADS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、刺激誘発性喘息、職業性喘息、感覚過敏症、気道(または肺)炎症、多種化学物質過敏症、禁煙療法の補助、慢性または急性の気管支収縮、急性肺損傷、気管支拡張、肺炎、気管支炎、インフルエンザ、SARS、SARS-CoV-2(COVID-19)、結核、及びフープ咳(百日咳)が含まれる。
【0069】
本明細書で使用する場合、「ラクトース」または「ラクトース成分」という用語は、限定されないが、任意の吸入可能グレードのラクトースもしくは表面修飾ラクトース、またはラクトースの特定の表面積が約0.15m2/g~約0.3m2/gであるプロセスによって調製されたラクトースを指す。
【0070】
本発明の文脈では、吸入組成物は、鼻腔内もしくは経口吸入またはその両方を含み、具体的には、化合物(I)は、対象の肺または肺領域に投与される。
【0071】
本発明はまた、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入投与用の医薬組成物も提供する。吸入経路による投与に好適な医薬組成物には、経口及び鼻吸入製剤、例えば乾燥粉末吸入器(DPI)製剤、定量吸入器(MDI)製剤(経口及び鼻エアロゾルを含む)、点鼻スプレー、及び噴霧に好適な製剤が含まれる。
【0072】
本発明は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能組成物に関する。
【0073】
別の実施形態では、本発明の吸入可能組成物は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む。
【0074】
別の実施形態では、本発明の吸入可能組成物は、治療有効用量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む。
【0075】
特定の実施形態では、吸入組成物は、点鼻スプレーである。
【0076】
特定の実施形態では、吸入組成物は、噴霧化に好適である。
【0077】
特定の実施形態では、吸入組成物は、定量吸入組成物(MDI)である。定量吸入組成物は、あるいは、噴射剤を伴うエアロゾル組成物を意味する。
【0078】
いくつかの実施形態では、本発明の吸入組成物は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びその1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能組成物に関する。
【0079】
化合物(I)は、組成物中の溶液または懸濁液の形態であることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明は、肺投与に好適な加圧式定量吸入器によって送達される、治療有効投与量の化合物(I)または医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能組成物に関する。
【0081】
吸入可能組成物は、MDIとも呼ばれる、加圧式定量吸入器を介して送達されるエアロゾル組成物である。MDI組成物は、HFA噴射剤などの1つまたは複数の噴射剤を追加的に含む。好適なHFA噴射剤は、毒性学的に安全であり、加圧式MDIを介して医薬品を投与できるようにするために蒸気圧を有さなければならない。HFA噴射剤は、HFA-134(a)、HFA-227A、HFA-32 HFC-143(a)、HFC-134、HFC-152a、及びそれらの混合物、好ましくは、HFA-134(a)及びHFA-227から選択することができる。より好ましくは、HFA噴射剤は、HFA-134(a)である。本発明のMDI組成物は、C2-C6脂肪族アルコール(例えば、限定されないが、エチルアルコール及びイソプロピルアルコール)、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、炭化水素(例えば、限定されないが、n-プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソ-ペンタン、ネオ-ペンタン、及びn-ヘキサン)、及びエーテル(例えば、限定されないが、ジエチルエーテル)のうちの1つまたは複数から選択される1つまたは複数の溶媒及び/または共溶媒を追加的に含み得る。本発明のアルコール共溶媒は、C2-C6脂肪族アルコール、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコールのうちの1つまたは複数を含み、共溶媒はさらに水を含み得る。より好ましくは、共溶媒は、無水エタノールである。本発明のMDI組成物は、限定されないが、クエン酸、酒石酸、乳酸、オレイン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、アスコルビン酸、リンゴ酸及びコハク酸またはそれらの混合物から選択される1つまたは複数の有機酸;ならびに、限定されないが、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸の塩、エステル、例えばパルミチン酸アスコルビル、ミリスチン酸イソプロピル及びトコフェロールエステル、レシチン、チロキサポール、ポリソルベート、例えばポリソルベート80、ポリソルベート20、及びポリソルベート40、ビタミンE-TPGS、マクロゴールヒドロキシステアレート、例えばマクロゴール-15-ヒドロキシステアレート、アセチル化モノグリセリド、例えばMyvacet 9-45及びMyvacet 9-08、ポリオキシエチレンエーテル、オレイン酸エチル、グリセリルトリオレエート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、モノステリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステリルアルコール、塩化セチルピリジニウム、ブロックポリマー、天然油、ポリビニルピロリドン、ソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタントリオレエート、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリエトキシル化ソルビタントリオレエート)、ソルビマクロゴールオレエート、合成両性界面活性剤(amphotenside)(トリトン)、オクチルフェノールホルムアルデヒド縮合生成物のエチレンオキシドエーテルを含む1つまたは複数のイオン性及び/または非イオン性界面活性剤から選択される1つまたは複数の安定剤を追加的に含み得る。
【0082】
より具体的な実施形態では、吸入組成物は、乾燥粉末組成物である。
【0083】
本発明は、好ましくは、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物に関する。
【0084】
ある実施形態では、本発明は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びその1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物に関する。
【0085】
本発明の乾燥粉末組成物は、乾燥粉末吸入器を使用して投与されることになる乾燥粉末組成物の調製において一般的に使用されるさらなる成分を含むことができる。ゆえに、乾燥粉末組成物は、1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤をさらに含み得る。医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)は、希釈剤粒子として機能する。医薬的に許容可能な賦形剤は、本発明の化合物(I)の取り扱い、分配、及び定量を改善するバルクを提供する。かかる医薬的に許容可能な賦形剤の例は、ラクトース、またはマンニトールもしくはグルコースである。本発明の組成物の医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも99.5%~約30%を占める。乾燥粉末組成物中の医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)の選択肢の欠如にもかかわらず、賦形剤は、賦形剤のさまざまな物理化学的特性、例えば粒径、形態が組成物の性能に大きく影響することを考慮して、注意深く選択しなければならない。化合物(I)と医薬的に許容可能な賦形剤の不適切な分離は、内容物の均一性の欠如につながる可能性があり、沈着の問題を引き起こし得る。乾燥粉末組成物のための医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)または希釈剤(複数可)は必ずしも必要ではなく、時には、乾燥粉末組成物は、医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)を伴わずに化合物(I)のみを含み得ることも考慮されたい。
【0086】
上記実施形態における吸入可能な乾燥粉末組成物は、1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を任意選択で含み得る。
【0087】
吸入可能な乾燥粉末組成物は、1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含有し得る。かかる賦形剤の例としては、限定されないが、希釈剤及び溶媒が挙げられる。
【0088】
好適な医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)には、限定されないが、ラクトース、表面修飾ラクトース、グルコース、マルトース、エリスリトール、ソルビトール、ラフィノース、キシリトール、マルチトール、イノシトール、フルクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、トレハロース、シクロデキストリン、それらの水和物及びそれらの混合物が含まれる。これらの賦形剤(複数可)のその代表粒径は、同じであっても異なってもよい。乾燥粉末組成物が、ラクトース、グルコース、マルトース、エリスリトール、ソルビトール、ラフィノース、キシリトール、マルチトール、イノシトール、フルクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、トレハロース、及びシクロデキストリンまたは前述のいずれかの任意の組み合わせから選択される1つまたは複数の賦形剤を含み得ることに留意されるべきである。
【0089】
本発明での使用に好適な医薬的に許容可能な希釈剤は、ラクトース、表面修飾ラクトース、グルコース、マルトース、エリスリトール、ソルビトール、ラフィノース、キシリトール、マルチトール、イノシトール、フルクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、トレハロース、シクロデキストリン、それらの水和物及びそれらの混合物から選択される。
【0090】
好ましくは、医薬的に許容可能な希釈剤は、ラクトースである。さまざまな吸入可能グレードのラクトースが、乾燥粉末組成物での使用に利用可能であり、Respitose(登録商標)SV010、Respitose(登録商標)SV003、Respitose(登録商標)ML006、ラクトース一水和物吸入40M、ラクトース無水物120M、Lactohale(登録商標)300、Lactohale(登録商標)230、Lactohale(登録商標)220、Lactohale(登録商標)210、Lactohale(登録商標)ML001、Lactohale(登録商標)206、Lactohale(登録商標)200、Lactohale(登録商標)800、Lactohale(登録商標)100などから選択される。
【0091】
いくつかの実施形態では、医薬的に許容可能な希釈剤は、表面修飾ラクトースである。ラクトース粒子の表面は、吸入可能な乾燥粉末組成物で使用するための高分散性ラクトース粒子を生成するために、修飾される、すなわち、例えば、粒子平滑化が行われる。
【0092】
いくつかの実施形態では、医薬的に許容可能な希釈剤はラクトースであり、ラクトースは、所望の重量の減少が得られるまで、好適なメッシュサイズのふるいを通して未処理のラクトースをふるいにかけることを含むプロセスによって調製される。一実施形態では、好適なメッシュサイズは、約20ミクロン~約60ミクロンから選択される。より好ましくは、好適なメッシュサイズは、約30ミクロン~50ミクロンから選択される。さらに好ましい実施形態では、好適なメッシュサイズは、38ミクロンである。
【0093】
本明細書で使用する場合、「Respitose ML006」という用語は、DFE Pharma of Goch,Germanyから入手可能な吸入可能グレードのラクトース一水和物を指し、粒度分布が狭い、微粉砕された吸入グレードのラクトースである。
【0094】
本明細書で使用する場合、「Respitose SV010」という用語は、粒度分布が比較的広い、DFE Pharma of Goch,Germanyから入手可能な吸入可能グレードのラクトース一水和物を指す。
【0095】
本明細書で使用する場合、「Inhalac70」という用語は、MEGGLE Excipients&Technologie,Germanyから入手可能な吸入可能グレードのラクトース一水和物を指す。
【0096】
本明細書で使用する場合、「Lactohale LH200」という用語は、DFE Pharma of Goch,Germanyから入手可能な吸入可能グレードのラクトース一水和物を指し、粗大バージョンのラクトース(粒径120~160ミクロン)である。
【0097】
本明細書で使用する場合、「Lactohale LH300」という用語は、DFE Pharma of Goch,Germanyから入手可能な吸入可能グレードのラクトース一水和物を指し、微細バージョンのラクトース(粒径10ミクロン未満)である。
【0098】
本発明の乾燥粉末組成物は、潤滑剤をさらに含み得る。潤滑剤は、限定されないが、ロイシン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、またはポリエチレングリコールから選択される1つまたは複数の賦形剤であり得る。本発明の乾燥粉末組成物に複数の潤滑剤を使用することも可能である。
【0099】
粉末組成物は、吸入用のカプセルにさらに充填され得るか、または軽く圧縮された錠剤もしくは粉末凝集体に加工され得、これは容易に粉砕して吸入用の粉末を得ることができる。あるいは、組成物は、別個の投薬単位として、カプセル、ブリスター、またはサシェのいずれかに充填することができる。カプセルは、硬質ゼラチンカプセルまたはゼラチンフリー硬質カプセルであり得る。
【0100】
特定の実施形態では、医薬的に許容可能な賦形剤は、ラクトース成分である。ラクトース成分は、約1ミクロン~約200ミクロンのd90粒径を有する1つまたは複数のラクトースであり得る。
【0101】
特定の実施形態では、ラクトース成分は、約2ミクロン~185ミクロンのd90粒径を有する1つまたは複数のラクトースであり得る。
【0102】
ある実施形態では、本発明の吸入可能な乾燥粉末組成物は、単位剤形である。
【0103】
追加の実施形態では、本発明の吸入可能な乾燥粉末組成物は、単回用量/単位用量を意図するカプセル/ブリスター/サシェの剤形に充填される、すなわち、単位用量乾燥粉末吸入器を意図するカプセル/ブリスター/サシェに入った吸入可能な乾燥粉末組成物であり、吸引により容器からユーザーに送達されることができる。
【0104】
一実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びその医薬的に許容可能な賦形剤(複数可)を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0105】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0106】
いくつかの実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩は、微粒子化される。
【0107】
いくつかの実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩は、微粒子化されない。
【0108】
いくつかの実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩は、微粒子化された粒子及び微粒子化されていない粒子の混合物である。
【0109】
化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の代表粒径は、約0.1ミクロン~約10ミクロンである。
【0110】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd90粒径は、約10ミクロン未満である。
【0111】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd90粒径は、約8ミクロン未満もしくは約7ミクロン未満もしくは約6ミクロン未満もしくは約5ミクロン未満または約5ミクロンもしくは約4ミクロンもしくは約3ミクロンもしくは約2ミクロンである。
【0112】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd90粒径は、約5ミクロン以下である。
【0113】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd10粒径は、約0.1ミクロン超である。
【0114】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩のd50粒径は、約0.7ミクロン~約4ミクロンの範囲である。
【0115】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約0.1ミクロン~約10ミクロンの範囲である。
【0116】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約10ミクロン未満である。
【0117】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約9ミクロン未満である。
【0118】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約8ミクロン未満である。
【0119】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約7ミクロン未満である。
【0120】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約6ミクロン未満である。
【0121】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約5ミクロン未満である。
【0122】
特定の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約0.1ミクロン~約5ミクロンの範囲である。
【0123】
化合物(I)の粒径は、吸収速度に直接影響を及ぼし、そのため、化合物(I)などの不溶性化合物の生物学的利用能に直接影響を及ぼし、したがって、化合物(I)の粒径は、約5ミクロン未満に最適化される。
【0124】
いくつかの実施形態では、化合物(I)の粒子は、1つまたは複数の高分子賦形剤でコーティングされ得る。ポリマーコーティングは、限定されないが、以下、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸-コ-グリコール酸、または糖ポリマー(例えば、デキストラン、デキストリン)のうちのいずれか1つを含むことができる。本発明の乾燥粉末組成物に複数種類のポリマーコーティングを使用することも可能である。
【0125】
一実施形態は、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の代表粒径は、約0.1ミクロン~約10ミクロンである。
【0126】
別の実施形態は、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約0.1ミクロン~約10ミクロンである。
【0127】
好ましい実施形態では、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の空気力学的粒径は、約0.1ミクロン~約5ミクロンである。
【0128】
好ましい実施形態では、医薬的に許容可能な賦形剤はラクトース成分であり、ラクトース成分は、組成物の100%総重量に基づいて、約30%を超える量で存在する。
【0129】
一実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0130】
ラクトース成分は、それぞれが異なる代表粒径を有する1つまたは複数の吸入グレードのラクトース粒子を含み得る。
【0131】
ラクトース成分は、それぞれが異なる空気力学的直径を有する1つまたは複数の吸入グレードのラクトース粒子を含み得る。
【0132】
一実施形態では、ラクトース成分は、約1ミクロン~約200ミクロンの平均粒径を有するラクトース一水和物である。
【0133】
一実施形態では、ラクトース成分は、(i)約1ミクロン~約60ミクロンのd90を有するラクトース粒子、(ii)約50ミクロン~約200ミクロンのd90を有するラクトース粒子、及び(iii)それらの混合物から選択される。
【0134】
一実施形態では、ラクトース成分は、(i)約2ミクロン~約50ミクロンのd90を有するラクトース粒子、(ii)約50ミクロン~約185ミクロンのd90を有するラクトース粒子、及び(iii)約2ミクロン~約50ミクロンのd90を有するラクトース粒子と、約50ミクロン~約185ミクロンのd90を有するラクトース粒子とのその混合物から選択される。
【0135】
特定の実施形態では、吸入可能グレードのラクトースは、乾燥粉末組成物として市販されており、例えばRespitose(登録商標)SV010、Respitose(登録商標)SV003、Respitose(登録商標)ML006、InhaLac70、InhaLac230、Lactohale(登録商標)300、Lactohale(登録商標)201、Lactohale(登録商標)200、ラクトース一水和物吸入40M、及びラクトース無水物120Mである。Respitose及びLactohale製品は、DFE Pharma of Goch,Germanyから入手可能である。Inhalac製品は、Meggle Group Wasserburg of Wasserburg,Germanyから入手可能である。ラクトース40M及び120Mは、Kerry Group of Beloit,WI,USAから入手可能である。
【0136】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、i)約50ミクロン未満のd90を有するラクトース粒子及びii)約200ミクロン未満のd90を有するラクトース粒子の混合物を含む。
【0137】
一実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、Respitose(登録商標)ML006(0.5ミクロン~10ミクロンのd10、10ミクロン~30ミクロンのd50、30ミクロン~60ミクロンのd90を有するラクトース一水和物)及びRespitose(登録商標)SV010(約35~約65ミクロンのd10、約95~約125ミクロンのd50、約160~約190ミクロンのd90を有するラクトース)の混合物を含む。
【0138】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0139】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び約60ミクロン未満の空気力学的直径を有するラクトース成分を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0140】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び約200ミクロン未満の空気力学的直径を有するラクトース成分を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0141】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、0mg~約19.9mgの量である。
【0142】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、0mg~約19.9mgの量である。
【0143】
さらに別の実施形態は、0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19.5mgの量である。
【0144】
さらに別の実施形態は、1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19mgの量である。
【0145】
さらに別の実施形態は、2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約17.5mgの量である。
【0146】
さらに別の実施形態は、5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約15mgの量である。
【0147】
さらに別の実施形態は、10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約10mgの量である。
【0148】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約190ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19.9mgの量である。
【0149】
さらに別の実施形態は、0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約190ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19.5mgの量である。
【0150】
さらに別の実施形態は、1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約190ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19mgの量である。
【0151】
さらに別の実施形態は、2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約190ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約17.5mgの量である。
【0152】
さらに別の実施形態は、5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約190ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約15mgの量である。
【0153】
さらに別の実施形態は、10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、約190ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約10mgの量である。
【0154】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、i)約60未満の空気力学的直径を有するラクトース粒子及びii)約200ミクロン未満の空気力学的直径を有するラクトース粒子を含む。
【0155】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、ラクトース成分は、i)約50ミクロン未満の空気力学的直径を有するラクトース粒子及びii)約200ミクロン未満の空気力学的直径を有するラクトース粒子を含む。
【0156】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0157】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:400である。
【0158】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:350である。
【0159】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:300である。
【0160】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:250である。
【0161】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:200である。
【0162】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:100である。
【0163】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:50である。
【0164】
さらに別の実施形態は、0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:10~約1:50である。
【0165】
さらに別の実施形態は、1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:40である。
【0166】
さらに別の実施形態は、2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:20である。
【0167】
さらに別の実施形態は、5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:10である。
【0168】
さらに別の実施形態は、10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩、及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;化合物(I)対ラクトース間の重量比は、約1:1~約1:5である。
【0169】
さらに別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、及び1:50から選択される化合物(I)対ラクトース間の重量比を有する。
【0170】
さらに別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、1:1、1:1.5、1:3、1:7、1:19及び1:39から選択される化合物(I)対ラクトース間の重量比を有する。
【0171】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0172】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びRespitose ML006を、0.1:24.9、すなわち1:250の重量比で含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びRespitose SV010を、0.1:24.9、すなわち1:250の重量比で含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びInhalac70を、0.1:24.9、すなわち1:250の重量比で含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びRespitose ML006を、10:15、すなわち1:1.5の重量比で含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びRespitose SV010を、10:15、すなわち1:1.5の重量比で含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びInhalac70を、10:15、すなわち1:1.5の重量比で含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)Respitose ML006及びRespitose SV010を、それぞれ0.5:7.5:12.0の重量比、すなわち1:39で含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)Respitose ML006及びRespitose SV010を、それぞれ10.0:4.0:6.0の重量比、すなわち1:39で含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)Respitose ML006及びInhalac70を、それぞれ0.5:7.5:12.0の重量比、すなわち1:39で含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)Respitose ML006、Respitose SV010及びInhalac70を、それぞれ0.5:7.5:6.0:6.0の重量比、すなわち1:39で含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びInhalac230を、0.5:19.5、すなわち1:39の重量比で含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びLactohale LH200を、0.5:19.5、すなわち1:39の重量比で含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びLactohale LH300を、0.5:19.5、すなわち1:39の重量比で含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びRespitose SV003を、0.5:19.5、すなわち1:39の重量比で含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びInhalac400を、0.5:19.5、すなわち1:39の重量比で含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びRespitose SV014を、0.5:19.5、すなわち1:39の重量比で含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、化合物(I)及びLactohale LH201を、0.5:19.5、すなわち1:39の重量比で含む。
【0189】
一実施形態では、本明細書に記載の吸入可能な乾燥粉末組成物は、カプセル剤形である。
【0190】
別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、サシェ剤形である。
【0191】
一実施形態では、本発明の吸入可能な乾燥粉末組成物は、物理的及び化学的に安定であり、総不純物は約2%w/w未満である。組成物の総重量に基づいて、総不純物は、2%以下または1%w/w以下、または0.15%w/w以下または0.1%w/w以下である。
【0192】
一実施形態は、i)約0.1mg~約12mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約1%~約99%の範囲の微粒子画分を伴う粒子を有する。
【0193】
粒子は、約1%~約99%、約10%~約90%、約20%~約80%、約30%~約70%、約40%~約60%、約40%~約50%または約40%~約55%の範囲の微粒子画分を有し得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、組成物の粒子は、約15%~約60%の微粒子画分を有する。
【0195】
いくつかの実施形態では、組成物の粒子は、少なくとも約40%の微粒子画分を有する。
【0196】
いくつかの実施形態では、組成物の粒子は、少なくとも約50%の微粒子画分を有する。
【0197】
いくつかの実施形態では、組成物の粒子は、少なくとも約60%の微粒子画分を有する。
【0198】
好ましい実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)約0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;組成物は、約25%~約40%の範囲の微粒子画分を有する粒子を有する。
【0199】
好ましい実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)約6mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;組成物は、約50%~約70%の範囲の微粒子画分を有する粒子を有する。
【0200】
好ましい実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)約10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;組成物は、約40%~約60%の範囲の微粒子画分を有する粒子を有する。
【0201】
吸入可能な乾燥粉末組成物の微粒子画分は、約5ミクロン未満の空気力学的直径を有する。
【0202】
一実施形態では、i)約0.1mg~約12mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、組成物は、約5mcg~約6000mcgの範囲の微粒子質量を有する。
【0203】
別の実施形態は、i)約0.5mg~約12mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約50mcg~約6000mcgの範囲の微粒子質量を有する。
【0204】
好ましい実施形態では、i)約0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約50mcg~約200mcgの範囲の微粒子質量を有する。
【0205】
好ましい実施形態では、i)約1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約10mcg~約400mcgの範囲の微粒子質量を有する。
【0206】
好ましい実施形態では、i)約2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約500mcg~約1000mcgの範囲の微粒子質量を有する。
【0207】
好ましい実施形態では、i)約5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約1000mcg~約3000mcgの範囲の微粒子質量を有する。
【0208】
好ましい実施形態では、i)約10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約3000mcg~約6000mcgの範囲の微粒子質量を有する。
【0209】
別の実施形態では、i)約0.5mg~約10mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;組成物は、約0.1~約3の範囲のハウスナー比を有し、好ましくは、ハウスナー比は、約1~約2.5の範囲であるか、またはより好ましくは、ハウスナー比は、約1.2~2の範囲である。
【0210】
別の実施形態では、i)約0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約1~約2の範囲のハウスナー比を有する。
【0211】
別の実施形態では、i)約1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約1~約2の範囲のハウスナー比を有する。
【0212】
別の実施形態では、i)約2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約1~約2の範囲のハウスナー比を有する。
【0213】
別の実施形態では、i)約5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約1.5~約2.5の範囲のハウスナー比を有する。
【0214】
別の実施形態では、i)約10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約1.5~約2.5の範囲のハウスナー比を有する。
【0215】
別の実施形態では、i)約0.5mg~約10mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;組成物は、約30%~約65%の範囲のカー指数を有するか、またはより好ましくは、カー指数は、約35%~約50%の範囲である。
【0216】
別の実施形態では、i)0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約35%~約45%の範囲のカー指数を有する。
【0217】
別の実施形態では、i)1.0mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約35%~約45%の範囲のカー指数を有する。
【0218】
別の実施形態では、i)2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約35%~約50%の範囲のカー指数を有する。
【0219】
別の実施形態では、i)5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約40%~約50%の範囲のカー指数を有する。
【0220】
別の実施形態では、i)10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約40%~約50%の範囲のカー指数を有する。
【0221】
別の実施形態では、i)約0.5mg~約10mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;組成物は、約0.08g/mL~約1g/mLの範囲のバルク密度、またはより好ましくは約0.2g/mL~約0.7g/mLの範囲のバルク密度を有する。
【0222】
別の実施形態では、i)0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.1g/mL~約1g/mLの範囲のバルク密度を有する。
【0223】
別の実施形態では、i)1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.1g/mL~約1g/mLの範囲のバルク密度を有する。
【0224】
別の実施形態では、i)2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.1g/mL~約0.8g/mLの範囲のバルク密度を有する。
【0225】
別の実施形態では、i)5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.1g/mL~約0.8g/mLの範囲のバルク密度を有する。
【0226】
別の実施形態では、i)10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.08g/mL~約0.8g/mLの範囲のバルク密度を有する。
【0227】
別の実施形態では、i)約0.1mg~約12mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;組成物は、約0.1g/mL~約1.5g/mLの範囲のタップ密度、またはより好ましくは約0.2g/mL~約1.25g/mLの範囲のタップ密度を有する。
【0228】
別の実施形態では、i)0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.5g/mL~約1.5g/mLの範囲のタップ密度を有する。
【0229】
別の実施形態では、i)1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.5g/mL~約1.5g/mLの範囲のタップ密度を有する。
【0230】
別の実施形態では、i)2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.5g/mL~約1.5g/mLの範囲のタップ密度を有する。
【0231】
別の実施形態では、i)5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.4g/mL~約1.2g/mLの範囲のタップ密度を有する。
【0232】
別の実施形態では、i)10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約0.2g/mL~約1g/mLの範囲のタップ密度を有する。
【0233】
別の実施形態では、i)約0.1mg~約12mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲であるか、またはより好ましくは、前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲である。
【0234】
別の実施形態では、i)約0.1mg~約12mgの治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲であるか、またはより好ましくは、前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約2ミクロン~約6ミクロンの範囲である。
【0235】
ある実施形態では、治療有効用量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり;組成物は、約5ミクロン未満の空気力学的直径を有する組成物の微粒子画分を特徴とする。
【0236】
別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲である。
【0237】
別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲である。
【0238】
別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲である。
【0239】
別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲である。
【0240】
別の実施形態では、吸入可能な乾燥粉末組成物は、i)10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含み;前記組成物中の化合物(I)のMMADは、約1ミクロン~約6ミクロンの範囲である。
【0241】
ある実施形態では、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0242】
別の実施形態は、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の代表粒径は、約0.1ミクロン~約10ミクロンである。
【0243】
さらに別の実施形態は、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の代表粒径は、約0.1ミクロン~約10ミクロンである。
【0244】
特定の実施形態では、i)約0.5mg~約10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有する約3mg~約8mgのラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有する約5~約13mgのラクトース粒子を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0245】
特定の実施形態では、i)約0.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有する約7.5mgのラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有する約12mgのラクトース粒子を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)対ラクトースの重量比は、約1:1~1:50である。
【0246】
特定の実施形態では、i)約1mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有する約7mgのラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有する約12mgのラクトース粒子を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)対ラクトースの重量比は、約1:1~1:50である。
【0247】
特定の実施形態では、i)約2.5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有する約5.5mgのラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有する約12mgのラクトース粒子を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)対ラクトースの重量比は、約1:1~1:50である。
【0248】
特定の実施形態では、i)約5mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有する約3mgのラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有する約12mgのラクトース粒子を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)対ラクトースの重量比は、約1:1~1:50である。
【0249】
特定の実施形態では、i)約10mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩;ii)約50ミクロン未満のd90粒径を有する約3.4mgのラクトース粒子;iii)約200ミクロン未満のd90粒径を有する約6.6mgのラクトース粒子を含む吸入可能な乾燥粉末組成物であり、化合物(I)対ラクトースの重量比は、約1:1~1:50である。
【0250】
特定の実施形態では、本発明は、約0.1mg~約20mgの範囲の治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む吸入可能な乾燥粉末組成物に関し、ラクトース成分は、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子を含み、約1mg~約19.9mgの量である。
【0251】
一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの肺障害または肺感染症の症状の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関する。
【0252】
肺疾患は、気流閉塞もしくは制限を特徴とする呼吸器系の任意の障害、疾患、または肺感染により肺もしくは呼吸器系において発生する症状であることができる。
【0253】
ある実施形態では、本発明は、限定されないが、喘息、気腫、気管支炎、COPD、副鼻腔炎、呼吸抑制、反応性気道機能不全症候群(RADS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、刺激誘発性喘息、職業性喘息、肺感染症(複数可)の症状、感覚過敏症、気道(または肺)炎症、多種化学物質過敏症、禁煙療法の補助、肺炎、気管支炎、インフルエンザ、SARS、SARS-CoV-2(COVID-19)、結核、及びフープ咳(百日咳)などを含む、気流閉塞もしくは制限、または肺系で発生する症状を特徴とする少なくとも1つの肺疾患(複数可)の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関する。
【0254】
さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0255】
さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む。
【0256】
さらに別の実施形態は、肺感染症の症状を処置する方法である。
【0257】
ウイルス感染症、細菌感染症、または真菌感染症を含む肺感染症は、肺、肺を取り囲む胸膜腔、肺胞、及び/または気管支通路の炎症及び/または瘢痕化も引き起こす可能性がある。特に、肺炎、インフルエンザ、SARS、SARS-CoV-2(COVID-19)、結核、及びフープ咳(百日咳)はすべて、肺における炎症及び瘢痕化による慢性的な肺の問題を引き起こす可能性がある。
【0258】
いくつかの実施形態では、肺感染症(複数可)には、ウイルス感染症、細菌感染症、または真菌感染症が含まれる。肺感染症(複数可)の症状は、軽度から重度の呼吸障害、乾性もしくは湿性咳、胸痛、フープ咳及び/または喉の痛みである。
【0259】
さらに別の実施形態は、肺感染症(複数可)の症状(複数可)の処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0260】
さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患を予防、阻害、抑制、及び/または処置するための治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能な乾燥粉末組成物である。
【0261】
吸入を介した吸入可能な乾燥粉末組成物の投与は、乾燥粉末吸入器などの任意の好適なデバイスを用いて行われ得る。本発明の乾燥粉末組成物は、定量吸入器を含み得ることも可能であり得る。乾燥粉末吸入器は、携帯型または非携帯型であってよく、吸入器は、単回使用または複数回使用として設計され得る、言い換えれば、乾燥粉末吸入器は、再利用可能または使い捨て吸入器であることができる、具体的には、本発明の乾燥粉末吸入器は、単位用量容器を含む、すなわち単回使用及び単回用量吸入器であることができる。
【0262】
本発明の乾燥粉末組成物に使用される乾燥粉末吸入器は、約30L/分~約100L/分の速度にて組成物を分散させ得る。特定の実施形態では、乾燥粉末吸入器からの流量は、組成物を、約30L/分~約80L/分、30L/分~約70L/分、40L/分~約90L/分、30L/分~約60L/分、40L/分~約70L/分、50L/分~約70L/分、30L/分、40L/分、50L/分、60L/分または70L/分で投与する。これらの速度での投与は、すべての衝突段階にわたって実質的に均一な沈着プロファイルを達成することができる。
【0263】
さらに別の実施形態は、COPDの予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含む。
【0264】
さらに別の実施形態は、COPDの予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含み、本方法は、治療有効量の化合物(I)を対象に提供する。
【0265】
さらに別の実施形態は、COPDの予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法であり、本方法は、約0.1mg~約12mgから選択される治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、対象に、吸入を介して投与することを含み、本方法は、治療有効量の化合物(I)を対象に提供する。
【0266】
IC50値は、生物学的または生化学的機能の阻害における化合物の有効性の尺度であると考えられている。この定量的尺度は、一般に、所与の生物学的プロセスを半分阻害するために必要な特定の化合物(または物質)のモル濃度を示す。言い換えれば、それは化合物の半最大(50%)阻害濃度(IC)である。薬物化合物のIC50は、アゴニスト活性の逆転に対する異なる濃度の阻害剤の効果を調べるために濃度反応曲線を作成することによって決定することができる。IC50値は、アゴニストの最大生物学的反応の半分を阻害するために必要な濃度を決定することにより、所与の阻害剤について計算することができる。これらの値を使用して、2つの阻害剤の効力を比較することができる。
【0267】
化合物(I)または医薬的に許容可能な物質の治療有効量は、約20μM未満もしくは約10μM未満、または約6μMもしくは約3μMもしくは約1μMまたは1000nM未満もしくは約900nM未満、もしくは約800nM未満、もしくは約700nM未満、もしくは約600nM未満、もしくは約500nM未満である。
【0268】
医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約20μM~約0.1nMである。
【0269】
具体的には、ある実施形態では、本発明は、対象においてIL-17を阻害することにより少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を多少において行う方法に関し、前記方法は、対象に、治療有効量の化合物Iまたは医薬的に許容可能な塩を投与することを含む。化合物(I)または医薬的に許容可能な塩の治療有効量は、約20μM~約0.1nMの範囲であり得る。
【0270】
特定の実施形態では、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の気管支肺胞洗浄(BAL)細胞から実施される場合、医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約1μM~約0.1nMである。
【0271】
特定の実施形態では、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の気管支肺胞洗浄(BAL)細胞から実施される場合、医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約700nM~約10nMである。
【0272】
特定の実施形態では、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の気管支肺胞洗浄(BAL)細胞から実施される場合、医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約500nM~約50nMである。
【0273】
特定の実施形態では、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の末梢血から実施される場合、医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約20μM~約0.1nMである。
【0274】
特定の実施形態では、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の末梢血から実施される場合、医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約10μM~約0.1nMである。
【0275】
特定の実施形態では、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の末梢血から実施される場合、医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約1μM~約10nMである。
【0276】
特定の実施形態では、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の末梢血から実施される場合、医薬的に許容可能な物質の化合物(I)の治療有効量は、約500nM~約50nMである。
【0277】
ある実施形態では、本発明は、IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関し、本方法は、対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む。
【0278】
特定の実施形態では、本発明は、IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関し、本方法は、対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;治療有効量は、約20μM~約0.1nMである。
【0279】
特定の実施形態では、本発明は、IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関し、本方法は、対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;治療有効量は、約10μM~約1nMである。
【0280】
特定の実施形態では、本発明は、IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関し、本方法は、対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;治療有効量は、約1μM~約10nMである。
【0281】
特定の実施形態では、本発明は、IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関し、本方法は、対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の気管支肺胞洗浄(BAL)細胞から実施される場合、治療有効量は、約500μM~約50nMである。
【0282】
特定の実施形態では、本発明は、IL-17遮断によって媒介される少なくとも1つの肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法に関し、本方法は、対象に、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;治療有効量は、IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の末梢血から実施される場合、約500μM~約50nMである。
【0283】
いくつかの実施形態では、肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行うための医薬品の製造における、肺疾患状態を媒介するIL-17の阻害による化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の使用。
【0284】
いくつかの実施形態では、肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行うための医薬品の製造における、肺疾患状態を媒介するIL-17の阻害による化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の使用であり;対象は、治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与される。
【0285】
いくつかの実施形態では、肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行うための医薬品の製造における、肺疾患状態を媒介するIL-17の阻害における化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩の使用であり;IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の気管支肺胞洗浄(BAL)細胞から実施される場合、対象は、約500nM~約50nMの治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与される。
【0286】
いくつかの実施形態では、肺疾患の予防、阻害、抑制、及び/または処置を、それを必要とする対象において行うための医薬品の製造における、肺疾患状態を媒介するIL-17の阻害における化合物(I)の使用であり;IL-17阻害に関する化合物(I)のex-vivo評価がCOPD患者由来の末梢血から実施される場合、対象は、約500nM~約50nMの治療有効量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を投与される。
【0287】
さらに別の実施形態は、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を対象に投与する方法であり;本方法は、必要に応じて1回または2回の少量の呼吸で単位投与量を迅速に投与することを含む。
【0288】
さらに別の実施形態は、約0.1mg~約12mgの化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を対象に投与する方法であり;本方法は、必要に応じて1回または2回の少量の呼吸で単位投与量を迅速に投与することを含む。
【0289】
さらに別の実施形態は、少なくとも1つの肺疾患を予防、阻害、抑制、及び/または処置するための医薬品の製造における、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物の使用である。
【0290】
ある実施形態では、本発明は、吸入可能組成物を調製するためのプロセスに関する。吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスは、吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するための当業者に公知の任意の好適なプロセス、例えば
i)化合物(I)及び希釈剤の単純なブレンディング;
ii)化合物(I)と希釈剤の、好適な粉砕プロセス、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を用いたまたは用いない化合物(I)及びラクトースのジェットミル粉砕/ボールミル粉砕を使用した共微粒子化;
iii)化合物(I)とラクトースのコンディショニング、例えばハードアグロメレートを形成することなく材料の再結晶化を促進するための水分への曝露;
iv)化合物(I)と、それぞれ粗大及び微細である2つの希釈剤をブレンディングすること、希釈剤混合物は、さらに2つの希釈剤が加えられることによって調製される、例えば、2つの成分は、好ましくは15~45、最も好ましくは20~40層で交互にふるい分けされ、2つの希釈剤の混合は、2つの成分がまだ添加されている間に起こり得る;
v)ブレンディングのプロセスは、好ましくは、最初に賦形剤を適切な混合容器に定量することによって実行され得る。次に、賦形剤の定量開始後すぐに、活性物質の継続的供給(定量)が開始され得る。
【0291】
さらに別の実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能組成物を調製するためのプロセスであり、本プロセスは、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤と混合すること、及びii)ブレンドを、単位用量の乾燥粉末吸入器を意図するカプセル/ブリスター/サシェ剤形に充填することを含む。
【0292】
さらに別の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスは、工程:i)化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を1つまたは複数のラクトース成分から選択される希釈剤とブレンドすること;及びii)化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩及びラクトース成分を含む最終ブレンドを任意選択で調製することを含み、ブレンディング工程が、i)単純なブレンディング、ii)化合物(I)とラクトース成分の共粉砕、iii)ラクトース成分を伴うまたは伴わない化合物(I)のコンディショニング;ならびにv)ブレンディングプロセスにおけるラクトース成分の定量を含む。
【0293】
いくつかの実施形態では、本発明のブレンディングプロセスは、化合物(I)と1つまたは複数のラクトース成分との、少なくとも10分間~1時間にわたる、20~40±10RPMの速度での単純なブレンディングである。
【0294】
いくつかの実施形態では、本発明のブレンディングプロセスは、化合物(I)と1つまたは複数のラクトース成分との、少なくとも10分間~1時間にわたる、30~35±10RPMの速度での単純なブレンディングである。
【0295】
いくつかの実施形態では、本発明のブレンディングプロセスは、化合物(I)と、約100ミクロン未満のd90粒径を有する微細なラクトース成分との単純なブレンディングであり、最終ブレンディングは、工程i)と約100ミクロン超のd90粒径を有するラクトース成分とのブレンディング混合により調製される。
【0296】
いくつかの実施形態では、本発明のブレンディングプロセスは、段階的または定量的方法においてラクトース成分に化合物(I)を加えることを伴う。
【0297】
いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、ハードアグロメレートを回避するために、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、10分間~1、2、3年間などの好適な期間にわたってコンディショニングすることを含み得る。例えば、本発明に従うコンディショニング方法は、化合物(I)を、制御された湿度条件30~95RH、好ましくは40~95RH、45~95RHまたは50~90RHに曝露することを伴い、好ましくは微粒子化された粉末形態の化合物(I)をトレイに入れ、好ましくは攪拌または回転させて、すべての粒子が湿った雰囲気に等しく曝露されるようにする。回転または攪拌はまた、コンディショニングプロセス中の粒子のアグロメレーションを回避または減少させることに役立つ。コンディショニングは、好ましくは、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約40分間、少なくとも約50分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2、3、4、5、6、8、10、12、14、18、24、36または48時間の期間にわたって生じる。
【0298】
いくつかの実施形態では、ブレンディングプロセスは、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩と、1つまたは複数のラクトース成分との共粉砕を伴う。
【0299】
さらに別の実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスであり、本プロセスは、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、約60ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子と混合してブレンドを調製すること;及びii)工程i)のブレンドを、約100ミクロン超のd90粒径を有するラクトース粒子と混合して、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む最終吸入粉末を調製することを含む。
【0300】
さらに別の実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスであり、本プロセスは、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、約60ミクロン未満、好ましくは約30ミクロン未満、より好ましくは約20ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子と混合すること;及びii)工程i)の混合物を、約200ミクロン未満、好ましくは約160ミクロン超の範囲のd90粒径を有するラクトース粒子とブレンドして、単位用量乾燥粉末吸入器を意図するカプセル/ブリスター/サシェの剤形にて化合物(I)を含む最終吸入可能組成物を調製することを含む。
【0301】
さらに別の実施形態は、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスであり、本プロセスは、治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、約60ミクロン未満、好ましくは約30ミクロン未満、より好ましくは約20ミクロン未満のd90粒径を有するラクトース粒子と混合すること;及びii)工程i)の混合物を、約150ミクロン~約200ミクロンの範囲のd90粒径を有するラクトース粒子とブレンドして、化合物(I)を含む最終吸入可能組成物を調製することを含む。
【0302】
別の実施形態では、化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスは、
i)40番American Society for Testing and Materials(ASTM)を通して機械式ふるいを使用して、化合物(I)と一部量のラクトース一水和物(Respitose ML006)をふるいにかけること;
ii)工程i)の混合物を、粉末ブレンダーを使用して15分間20~40±10rpmにてブレンドすること;
iii)残りの量のラクトース一水和物(Respitose ML006)を、40番ASTMを通してふるいにかけ、工程ii)のブレンドと混合すること;
iv)事前にふるいにかけたラクトース一水和物(Respitose SV010)をブレンダーに混合し、工程iii)からの粉末を、粉末ブレンダーブレンドで15分間30±2rpmにて混合すること;
v)工程iv)からのブレンドをカプセルに充填することを含む。
【0303】
いくつかの実施形態では、最終ブレンドは、硬質ゼラチンカプセル(例えば、例えば、サイズ3、体積270μl)に充填する。
【0304】
本発明の乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスは、ブレンド均一性分析などのプロセス制御を含む。
【0305】
別の実施形態では、約1重量%~約70重量%の化合物(I)または約1重量%~約60重量%の化合物(I)もしくはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;組成物は、約5mcg~約6000mcgの範囲の微粒子質量を有し;前記組成物は、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤と混合することを含む方法によって調製される。
【0306】
別の実施形態では、約1重量%~約70重量%の化合物(I)または約30重量%~約60重量%の化合物(I)もしくはその医薬的に許容可能な塩を含む吸入可能な乾燥粉末組成物を提供し;組成物は、約3000mcg~約5000mcgの範囲の微粒子質量を有し;前記組成物は、i)治療有効投与量の化合物(I)またはその医薬的に許容可能な塩を、1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤と混合することを含む方法によって調製される。
【0307】
以下の実施例は、当業者が本発明を実施することを可能にするために提供され、本発明の単なる例示である。実施例は、本発明の範囲を限定するものとして読まれるべきではない。
【実施例】
【0308】
実施例1:吸入可能な乾燥粉末組成物
【表1】
調製プロセス:i)化合物(I)及びラクトース一水和物(Respitose ML006)のブレンドを、混合により調製する;ii)工程i)からのブレンドを、ラクトース一水和物(Respitose SV010)と混合する;iii)工程ii)からのブレンドを、カプセル/ブリスター/サシェに充填して、最終剤形を単位用量乾燥粉末吸入器にて調製する。
【0309】
実施例2:In vitroでの薬物沈着研究:
化合物(I)が、Respitose ML006、Respitose SV010、Lactohale201、Lactohale200、Inhalac230、Inhalac70を含む異なる市販の吸入グレードのラクトース一水和物と適合することが観察された。ラクトース一水和物は、粒径d90が5ミクロン以下の化合物(I)(微粒子化)の希釈剤として選択される。
【0310】
製剤開発研究を、薬物化合物(I)が、Instahaler P単回用量吸入器デバイスを使用して再現性よく送達され、肺に沈着できることを実証するために実施した。送達用量は、送達用量均一性(DDU)法によって決定した。アンダーセンカスケードインパクター(ACI)を使用して、放出された用量の沈着を評価した。
【表2】
結論:実施例1A、1B、及び1Cの組成物は、表2に示す結果を示した。
【0311】
実施例3:カプセルに充填された吸入可能な乾燥粉末組成物
【表3】
乾燥粉末組成物の製造プロセスは、実施例1に記載したプロセスと同様であった。実施例3の組成物を、乾燥粉末吸入組成物のパラメーターについて評価した。
【表4】
【0312】
実施例4:吸入可能な乾燥粉末組成物
【表5】
実施例4の組成物の製造プロセスは、上記実施例1と同様であった。
【0313】
安定性研究を、1gmシリカを含み、誘導シールしたHDPEにてロードした、カプセルに充填した実施例4A組成物に関して行った。
【表6】
【表7】
【0314】
安定性研究を、1gmシリカを含み、誘導シールしたHDPEにてロードした、カプセルに充填した実施例4E組成物に関して行った。
【表8】
【表9】
【0315】
実施例5:可変流量に関する製剤
実施例5Aから5Fの組成物の可変流量を研究した。異なるトライアルロットを、3.1ミクロン~4.9ミクロンの範囲のd
90を伴う異なる粒径(PSD)の化合物(I)を含有する単一強度(2.5mg)に関して選択した。この研究では、アンダーセンカスケードインパクターによる空気力学的粒度分布を使用して、30L/分、60L/分、及び90L/分での可変流量を評価した。
【表10】
【表11】
【0316】
結論:流量は、微粒子画分(FPF)に直接影響し、原薬の粒径に応じて変動する。最大FPFが流量90L/分にて達成され、最小が30L/分の流量にて達成されたことが観察される。ただし、90L/分と60L/分の値の間に実質的な差はない。
【0317】
実施例6:COPD患者由来の気管支肺胞洗浄(BAL)細胞からのIL-17阻害に関する化合物(I)のEx-vivo評価。
方法論:
試験化合物は、100%DMSO中で調製した化合物(I)の10mMストックによって調製した。生理食塩水は、0.85gのNaClを、秤量し、100mLの蒸留水に溶解し、pH7.0をpH7.4に調整して調製した。次に、フィルター滅菌した。
【0318】
PBSの調製:8gのNaCl(137mM)、0.2gのKCl(2.7mM)、1.44gのNa2HPO4(4.3mM)、0.25gのKH2PO4(1.4mM)を、1Lの蒸留水に溶解した。pHを7.4に調整し、それをオートクレーブにかける。
【0319】
気管支鏡検査:
有効同意及びリグノカイン噴霧の後に、可撓性光ファイバー気管支鏡検査を行った。患者に、2mgのIVミダゾラムを投与し、パルスオキシメトリ及び心臓モニター下でモニターした。BAL液は、好ましくは中葉から生理食塩水を繰り返し吸引して収集した。
【0320】
BAL細胞の単離:
BALFを、セルストレーナーに通過させて、デブリ及び粘液を取り除いた。800rpmにて10分間遠心分離することによりBALfからBAL細胞を単離した。
【0321】
細胞の処理:
BAL細胞を、抗ヒトCD3抗体(10μg/mL)及び抗ヒトCD2抗体(2μg/mL)でコーティングされた96ウェルプレートに、1×105細胞~2×105細胞/ウェルの密度で播種した。プレートを穏やかに振とうし、細胞を5~10分間インキュベーター内で37℃及び5%CO2でインキュベートして、順応させた。
【0322】
1.細胞を、60分間37℃にて化合物(I)の段階希釈液とプレインキュベートした。この後、抗ヒトCD28抗体(2μg/mL)を加えた。
2.細胞を、48~72時間インキュベーター内で37℃にて5%CO2でインキュベートした。
3.プレートを、1200rpmで、4℃にて12分間回転させ、上清を収集し、ELISAによるIL17推定に使用した。
【0323】
計算:上清中のIL17サイトカイン濃度は、標準グラフからの線形回帰を使用して決定し、その後、それぞれの希釈係数で乗算した。反応倍率(FR)は、基礎ウェル中のhIL17のpg/mlに対する試料(処理済み)ウェル中のhIL17のpg/mlとして計算した。
【0324】
試験化合物で処理した各セットに関する阻害率(%)は、式阻害率(%)={100-(試験化合物のpg/mL/誘導物のpg/mL×100)}を使用して計算し、IC50値は、GraphPadPrismソフトウェアを使用した非線形回帰分析により濃度反応曲線から計算した。
【0325】
結果:
BAL細胞は、ELISAキットのダイナミックレンジに入る測定可能なレベルのIL-17を放出した。化合物(I)は、142.7nMのIC
50で、刺激されたBAL細胞からの炎症促進性サイトカインIL17の濃度依存性低減を示した。1~3ミクロンのICmax濃度で、IL17放出の70%を超える阻害が見られた。
【表12】
【0326】
実施例6:COPD患者由来の末梢血からのIL-17阻害に関する化合物(I)のEx-vivo評価。
ヒト全血の処置:
1.患者1人あたり約8mLの全血を採取した。
2.ヒト全血を、1:1に0.85%NaClを用いて希釈した。
3.希釈血液を、96ウェルプレートにロードした。血液を、60分間37℃にて化合物(I)の段階希釈液とプレインキュベートした。
4.次に、抗ヒトCD3抗体(最終濃度-10μg/mL)でコーティングされた96ウェルプレートに移した。この後、抗ヒトCD28抗体(2μg/mL)を加えた。
5.細胞を、48時間インキュベーター内で37℃にて5%CO2でインキュベートした。プレートを、1200rpmで、4℃にて12分間回転させ、上清を収集し、ELISAによるIL17推定に使用した。
【0327】
計算:上清中のIL17サイトカイン濃度は、標準グラフからの線形回帰を使用して決定し、その後、それぞれの希釈係数で乗算した。反応倍率(FR)は、基礎ウェル中のhIL17のpg/mlに対する試料(処理済み)ウェル中のhIL17のpg/mlとして計算した。
【0328】
試験化合物で処理した各セットに関する阻害率(%)は、式
阻害率(%)={100-(試験化合物のpg/mL/誘導物のpg/mL×100)}を使用して計算した。IC50値は、GraphPadPrismソフトウェアを使用した非線形回帰分析により濃度反応曲線から計算した。
【0329】
結果:
化合物(I)は、281.9nMのIC50で、刺激された全血からの炎症促進性サイトカインIL17の放出を強力に阻害した。(
図4及び表3)
【表13】
【0330】
実施例8:粒度分布研究:
化合物(I)の粒径は、さまざまなバッチに関して試験し、以下の表に提示する。
【表14】
【表15】
【0331】
粒度分布研究は、Malvern Mastersizer 2000Sを使用して、湿式分散法を使用して行った。約25グラム~50グラムの化合物(I)の試料をビーカーに移し、2~3滴のノニデットP-40及び4~5滴の水をビーカー内の試料に加え、25~30mlの水を加え、継続的に攪拌しながら180秒間超音波処理し、化合物(I)の分散液/溶液をHydro 20000Sの試料処理ユニットに加えた。粒径の測定は、Malvern Mastersizer 2000Sを使用して行った。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))
又はその医薬的に許容可能な塩を含む、吸入可能組成物。
【請求項2】
前記組成物が、吸入可能な乾燥粉末である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
2-{4-[(2S)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]フェニル}-N-{4-[3-(2-エチルフェニル)ピラジン-2-イル]フェニル}アセトアミド(化合物(I))
又はその医薬的に許容可能な塩及び1つ
又は複数の医薬的に許容可能な賦形剤を含む、吸入可能
な乾燥粉末組成物。
【請求項4】
前記組成物が、単回用量又は単位用量乾燥粉末吸入器に好適なカプセル又はブリスター又はサシェの剤形に充填される、請求項3に記載の吸入可能な乾燥粉末組成物。
【請求項5】
前記
1つ又は複数の医薬的に許容可能な賦形
剤が、ラクトース、グルコース、マルトース、エリスリトール、ソルビトール、ラフィノース、キシリトール、マルチトール、イノシトール、フルクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、トレハロース、シクロデキストリン及びそれらの混合物から選択される、請求項
3に記載の組成物。
【請求項6】
前記
1つ又は複数の医薬的に許容可能な賦形
剤が、1つ
又は複数の吸入可能グレードのラクトースである、請求項
3に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、約1:1~約1:100の化合物(I)対ラクトー
スの重量比
を有する、請求項
5に記載の組成物。
【請求項8】
前記ラクトースが、約1ミクロン~約200ミクロンの範囲のd90粒径を有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、約1%~約99%の範囲の微粒子画分を伴う粒子を有する、請求項
5又は6に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が
、約5mcg
以上の微粒子質量を有する、請求項
5又は6に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物中の化合物(I)の空気動力学的質量中央径が、約0.1ミクロン~約10ミクロンの範囲である、請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項12】
化合物(I)が、微粒子化されている、請求項
1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
化合物(I)
又はその医薬的に許容可能な塩
が、約10ミクロン未満
のd90粒径を有する、請求項
1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
化合物(I)
の治療有効投与量が、約0.1mg~約20mgの範囲である、請求項
1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
肺疾患
を予防、阻害、抑
制及び/
又は処置
するための請求項3に記載の組成物であって、前記組成物が、治療有効投与量
の化合物(I
)又はその医薬的に許容可能な塩を
含み、
化合物(I)又はその医薬的に許容可能な塩の前記治療有効投与量が、約0.1mg~約20mgの範囲である、請求項3に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物
が、吸入を介して投与
される、
請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
請求項3に記載の吸入可能な乾燥粉末組成物を調製するためのプロセスであって
、以下の工程:
(i)化合物(I)
若しくはその医薬的に許容可能な塩を、
一部量若しくは全量の1つ若しくは複数の賦形剤とブレンドすること
、又は、化合物(I)を1つ若しくは複数の賦形剤と共粉砕すること;
(ii)
任意選択で、工程(i)において得られる混合物を、賦形剤の残部とブレンドすること;
(iii)任意選択で、工程(i)又は(ii)由来のブレンドをコンディショニングすること;及び
(iv)工程(i)又は工程(ii)又は工程(iii)の最終ブレンドを、カプセル又はブリスターに充填すること
を含む
、プロセス。
【請求項18】
工程(i)における前記賦形剤が、ラクトースであり、工程(i)が、約20~約40±10RPMの
混合速度で
の少なくとも10分間~1時間の単純なブレンディング
を含む、請求項
17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記プロセスが、
第1のブレンドを形成するための化合物(I)と約100ミクロン未満のd90粒径を有するラクトー
スとの単純なブレンディング
、及び、前記第1のブレンドと約100ミクロン超のd90粒径を有するラクトースとの最終ブレンディングを含む、請求項
18に記載のプロセス。
【国際調査報告】