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特表2022-552495押出材を粒子化するためのアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】押出材を粒子化するためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/06 20060101AFI20221209BHJP
   B01J 2/20 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
B29B9/06
B01J2/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521469
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 AT2020060361
(87)【国際公開番号】W WO2021068020
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】A50870/2019
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433958
【氏名又は名称】エレマ エンジニアリング リサイクリング マシネン ウント アンラーゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトフング
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】アイグナー ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】フーバー ローラント
(72)【発明者】
【氏名】フェイヒティンゲル クラウス
【テーマコード(参考)】
4F201
4G004
【Fターム(参考)】
4F201AJ08
4F201AR07
4F201AR12
4F201BA02
4F201BC02
4F201BD05
4F201BL09
4F201BL22
4F201BL23
4F201BL28
4F201BL37
4G004LA01
(57)【要約】
本発明は、特に、ポリマー材料を粒子化するためのアセンブリであって、ハウジング(1)と、前記ハウジング(1)に開口し、四角形の断面を有するガス供給管(2)と、前記ハウジング(1)の下流に設けられ、四角形の断面を有するガス排出管(3)と、少なくとも部分的に前記ハウジング(1)内に配置される粒子化ユニットであって、前記ハウジング(1)内に突出及び/又は開口する、供給又は可塑化ユニット(27)、好ましくは押出器(27)の多孔板(4)を備える粒子化ユニットと、前記多孔板(4)の孔(5)を通って流出する材料を細砕又は分離するスクレーパ(6)と、を備えるアセンブリが提供される。前記多孔板(4)の平面及び/又は前記ハウジング(1)の前壁(17)に対して平行に延びる平面又は断面(E-E)において、前記平面又は断面に対して垂直に延びる、前記ガス排出管(3)の2つの側壁面が、互いに、角度α2を形成し、前記平面又は断面に対して垂直に延びる、ガス供給管(2)の2つの側壁面(8)が、互いに、角度α1を形成し、両前記角度α1、α2は、前記ハウジング(1)に向かって拡開しており、前記角度α1は、前記角度α2よりも大きく、前記ハウジング(1)と前記ガス排出管(3)との間には、移行ハウジング(100)が配置又は搭載されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑化された、又は、少なくとも部分的に軟化された、又は、少なくとも部分的に溶融された材料、特に、ポリマー材料を粒子化するためのアセンブリであって、ハウジング(1)と、前記ハウジング(1)に開口し、四角形の断面を有するガス供給管(2)と、前記ハウジング(1)の下流に設けられ、四角形の断面を有するガス排出管(3)と、少なくとも部分的に前記ハウジング(1)内に配置される粒子化ユニットであって、前記ハウジング(1)内に突出及び/又は開口する、供給又は可塑化ユニット(27)、好ましくは押出器(27)の多孔板(4)を備える粒子化ユニットと、前記多孔板(4)の孔(5)を通って流出する材料を細砕又は分離するスクレーパ(6)と、を備えるアセンブリにおいて、
前記多孔板(4)の平面及び/又は前記ハウジング(1)の前壁(17)に対して平行に延びる平面又は断面(E-E)において、前記平面又は断面に垂直に延びる、前記ガス排出管(3)の側方の2つの壁面(7)が、互いに角度α2を形成し、前記平面又は断面に垂直に延びる、ガス供給管(2)の2つの側壁面(8)が、角度α1を形成し、前記角度α1、α2は、前記ハウジング(1)に向かって拡開しており、前記角度α1は、前記角度α2よりも大きく、前記ハウジング(1)と前記ガス排出管(3)との間には、移行ハウジング(100)が配置又は搭載されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記断面(E-E)において、又は、前記多孔板(4)の平面に対して平行な前記平面において、前記ハウジング(1)の下流端部領域における、前記平面又は断面に垂直な、前記ハウジング(1)の側壁(9)の互いに対する距離、及び、前記側壁(9)に隣接し、前記平面(E-E)に対して同じく垂直な、移行ハウジング(100)の側方の壁面(70)の互いに対する距離は、10d≧b≧4d、好ましくは8d≧b≧5dである値b、特に、同一の値bを有し、
ここで、dの値は、前記多孔板(4)に存在する全ての孔(5)についての共通の面重心(FS)を求め、前記各孔(5)について、それぞれの前記孔(5)の面重心(S)の、前記共通の面重心(FS)からの距離を求め、存在する前記孔(5)について求められた距離値(A)の算術平均を求め、前記算術平均の二倍値を、値dとして規定することによって、算出されることを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記値bは、前記ハウジング(1)の前記側壁(9)の互いに対する最大距離、及び、前記側壁に隣接する前記移行ハウジング(100)の側方の前記壁面(70)であって、上流に位置する前記移行ハウジング(100)の端部領域における前記壁面(70)の互いに対する最大距離に相当することを特徴とする、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
平面E-E又は前記多孔板(4)の平面に垂直な平面B-Bに対して垂直な、前記ガス排出管(3)の両側壁面(10)が、互いに角度β2を形成し、同じく、前記平面E-E又は前記多孔板(4)に垂直な平面B-Bに対して垂直に延びる、前記ガス供給管(2)の側壁面(11)は、互いに角度β1を形成し、
両前記角度β1及びβ2は、前記ハウジング(1)から離れるように拡開しており、前記角度β1は、前記角度β2よりも大きいことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
供給又は可塑化ユニット(27)、好ましくは押出器の中心軸線、及び/又は、存在する全ての前記孔(5)の共通の面重心(FS)、又は、前記面重心(FS)を通って延びる前記多孔板(4)の中心線(12)は、前記ハウジング(1)の側壁(9)に関して真ん中に位置しており、及び/又は、前記多孔板(4)の平面に垂直で前記ハウジング(1)の中心線(13)を含む、前記ガス供給管(2)及び/又は前記ガス排出管(3)及び/又は前記ハウジング(1)及び/又は前記移行ハウジング(100)の対称面に位置することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記供給又は可塑化ユニット(27)、好ましくは押出器の中心軸線、及び/又は、存在する全ての前記孔(5)の共通の面重心(FS)、又は、前記面重心(FS)を通って延びる前記多孔板(4)の中心線(12)は、前記ハウジング(1)の中心線(13)に対して、及び/又は、前記多孔板(4)の平面に垂直で前記中心線(13)を含む、前記ガス供給管(2)及び/又は前記ガス排出管(3)及び/又は前記移行ハウジング(100)の対称面に対して、及び/又は、前記ハウジング(1)の側面(9)間の中心に対して、横方向に変位されており、横方向の変位は、前記スクレーパ(6)の回転方向32及びガス流の方向(14)が同じ方向に延びている前記ハウジング(1)の領域において、値c分なされており、c≦2.5dであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記供給又は可塑化ユニット(27)、好ましくは押出器の中心軸線、及び/又は、存在する全ての前記孔(5)の共通の面重心(FS)、又は、前記面重心(FS)を通って延びる前記多孔板(4)の中心線(12)は、流れ方向に見て拡大する前記ハウジング(1)の側壁(9)が互いに対して距離bを有している前記ハウジング(1)の位置又は断面に対して、上流方向に、a≦1.1dである距離aを置いて配置されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記ハウジング(1)の前記移行ハウジング(100)への移行領域(15)において、前記ハウジング(1)及び前記移行ハウジング(100)は、同一の四角形の断面(16)を有し、長方形の長辺の長さが、前記値bを有していることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記移行ハウジング(100)への前記移行領域(15)における前記ハウジング(1)の断面積、又は、断面積(16)は、前記ガス排出管(3)のハウジングの反対側の端部領域における断面積よりも5~20%、好ましくは10~15%大きく、
前記多孔板(4)の高さにおける前記ハウジング(1)の断面積は、前記ガス供給管(2)の上流側の端部又はファン(30)への接続部における断面積よりも、25~35%大きく、
前記ハウジング(1)の断面積は、前記多孔板(4)の高さから、前記移行ハウジング(100)への前記移行領域(15)、又は、散布器を形成するための断面積(16)まで、10~20%増加することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記多孔板(4)に対して平行な平面(E-E)において、前記ハウジング(1)の対向し合う前記側壁面(9)は、その長さ領域の少なくとも一部にわたって、前記ガス供給管(2)から前記移行ハウジング(100)に向かって偏った、前記ハウジング(1)の内部から見て凸状に湾曲した、特に、連続した輪郭を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジング(1)の前壁(17)及び後壁(18)、及び/又は、前記移行ハウジング(100)の前壁(101)及び後壁(102)は、互いに平行に、及び/又は、前記多孔板(4)の平面に対して平行に向けられていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記スクレーパ(6)は、駆動軸を有し、前記駆動軸は、前記ハウジング(1)において、前記ハウジング(1)の前記後壁(18)から、前記ハウジング(1)の前記前壁(17)の領域に位置すると共に、前記供給又は可塑化ユニット(27)の端部領域を示す多孔板(4)まで延びていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ガス排出管(3)には、前記ガス排出管(3)の四角形の断面を、円形又は湾曲した円周を有する断面に移行させる移行部(20)が接続されており、前記移行部(20)は、下流に向かうテーパ状の壁部(21、22)を備え、前記壁部(21、22)は、特に、同一の角度α2又は同一の角度β2で、前記ガス排出管(3)の側方の壁面(7)又は側壁面(10)に傾斜して隣接し、又は、特に、前記側壁面を三角形の形状にテーパ状に形成していることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記角度α1、α2、及び/又は、前記角度β1、β2の交点(S)は、前記中心線(13)上に、又は、前記ガス供給管(2)及び/又は前記ハウジング(1)及び/又は前記移行ハウジング(100)及び/又は前記ガス排出管(3)を通る長さ方向対称平面上に、特に、前記多孔板(4)の中心線(12)又は前記供給又は可塑化ユニット(27)の中心軸線に平行に延びる前記長さ方向対称平面上にあることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記角度α2は、前記角度α1の0.3倍~0.9倍、好ましくは0.5倍~0.8倍であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記角度α1は、α1<90°であり、好ましくは、10°~80°の範囲にあり、特に、15°~45°の鋭角であり、及び/又は、
前記角度α2は、α2<90°であり、特に、鋭角であり、好ましくは3°~35°、特に、6°~30°の範囲にあることを特徴とする、請求項1~15のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記角度β2は、前記角度β1の0.1倍~0.45倍、好ましくは0.15倍~0.35倍であることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記角度β1は、β1<90°であり、特に、鋭角であり、好ましくは10°~60°、特に、15°~50°の範囲にあり及び/又は、
前記角度β2は、β2<90°であり、特に、鋭角であり、好ましくは2°~30°、特に、4°~15°の範囲にあることを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記ガス供給管(2)、前記ハウジング(1)、前記移行ハウジング(100)、及び、前記ガス排出管(3)は、垂直に重なり合って配置又は構成されていることを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記多孔板(4)の中心線(12)と前記供給又は可塑化ユニット(27)の中心軸線とは、一致していることを特徴とする、請求項1~19のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記移行ハウジング(100)の流れ方向における長さ(L1)は、前記ハウジング(1)の長さ(L2)の35~100%、好ましくは50~90%であることを特徴とする、請求項1~20のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記移行ハウジング(100)の断面積は、そのハウジング側の端部領域からその下流端部領域に向かって、20~45%減少していることを特徴とする、請求項1~21のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記移行ハウジング(100)の側壁面(70)は、下流に向かって互いに傾斜して、及び/又は、前記ガス排出管(3)に向かって凸状に湾曲して延びており、及び/又は、
前記移行ハウジング(100)の側壁面(70)は、前記多孔板(4)の平面に平行な平面E-Eに垂直に配置されていることを特徴とする、請求項1~22のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記移行ハウジング(100)の端面又は端縁部(29)、及び、前記ガス排出管(3)の正面又は正面縁部(39)は、前記長さ方向線又は中心線(13)に対して、又は、前記多孔板(4)の平面に対して同一の傾斜を有し、前記移行ハウジング(100)の端面又は端縁部(29)、及び、前記正面又は正面縁部(39)は、前記中心線(13)又は前記多孔板(4)の平面に対して1つの角度、特に、同一の角度δ=40~90°、好ましくはδ=50~80°で傾斜して延びており、
前記角度δは、前記供給又は可塑化ユニット(27)に向かって拡開していることを特徴とする、請求項1~23のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記移行ハウジング(100)は、前記ガス供給管(2)の反対側の、前記ハウジング(1)の壁に当接又は形成されていることを特徴とする、請求項1~24のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記ガス供給管(2)、前記ハウジング(1)、及び、前記移行ハウジング(100)は組み立てられて、1つのユニットに形成されており、
前記供給又は可塑化ユニット(27)及び前記ガス排出管(3)は組み立てられて、別のユニットに形成されており、
両前記ユニットの少なくとも1つ、特に、1つのユニットが、他方のユニットに対して旋回可能であることを特徴とする、請求項1~25のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記移行ハウジング(100)は、独立した部品、又は、モジュールとして製造されており、前記ハウジング(1)と前記ガス排出管(3)との間に、さらなる部品として追加的に取り付けられていることを特徴とする、請求項1~26のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提事項部に記載の、可塑化された、又は、少なくとも部分的に軟化された、又は、少なくとも部分的に溶融された、好ましくは押出された材料を粒子化するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなアセンブリは、例えば、EP2052825A2から公知である。このアセンブリでは、押出器から出てきた細粒の分離及び搬出が適切に行われず、搬送経路に堆積することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、可塑化された材料、すなわち、軟化された、部分的に軟化された、部分溶融ないし溶融された、熱可塑性又は少なくとも部分的に熱可塑性の粒子、好ましくは、ポリマー粒子の粒子化を、簡素な構造のアセンブリによって改善することにある。
【0004】
特に、分離された粒子を出来るだけ素早く固化すること、及び、その際に、粒子が互いに衝突したり、粒子がハウジングや粒子を搬出する他の管の内壁に衝突したりすることを回避することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴要件事項部に記載された構成上の特徴により解決される。本発明によれば、多孔板の平面及び/又はハウジングの前壁に対して平行に延びる平面E-E又は断面において、当該平面又は断面に垂直に延びる、ガス供給管の側方の2つの壁面が、互いに角度α2を形成し、当該平面又は断面に垂直に延びる、ガス排出管の2つの側壁面が、角度α1を形成し、角度α1、α2は、ハウジングに向かって拡開しており、角度α1は、角度α2よりも大きく、ハウジングとガス排出管との間には、移行ハウジングが配置又は搭載されている。
【0006】
本発明に係るアセンブリについて、特定の構成的かつ形状的な値及び寸法が維持されるならば、所望の効果を実現可能であることが示された。粒子が、確実にかつ相互作用無しに、ガス流によって運ばれ得ることが確保される。特に、ハウジングとガス排出管との間に移行ハウジングが配置さする構成により、粒子のハウジングからの搬出が好適に行われ、特に、粒子の分離が支援される。
【0007】
この本発明にかかるアセンブリの前段には、粒子化対象材料を用意及び提供する供給又は可塑化ユニットが設けられている。供給又は可塑化ユニットは、任意に構成されていてよい。このユニットから多孔板に送られ、この多孔板から排出される材料の束は、実際の運転時には、粒子化するためのスクレーパ、例えばナイフ、ストリッパ、又は、同様のものによって、一定の長さに切断される。スクレーパとして、例えば、1つ又は複数の回転刃を備えるアセンブリを用いることが可能である。これらの刃は、刃支持部に固定され、本発明に係る態様でも示されるように、ハウジングの外部に配置された駆動部、例えば電気モータによって駆動される。多孔板、及び、モータによって駆動されるスクレーパは、粒子化ユニットの主要構成要素である。
【0008】
分離のために、材料の束が、特定の形状を有するハウジングの中に押し込まれる。このハウジングにおいて、一方側から、好ましくは下側から、ガス流が導入される。このガス流は、ファンによって生成される。ハウジングを通って導かれるガス流は、空気、好ましくは乾燥した及び/又は冷却した及び/又は加熱された空気から構成されていてもよいし、任意の種類の希ガス又は反応性ガス又はガス混合物から構成されていてもよい。
【0009】
ハウジングには、特に、ハウジングの、ガス供給管の反対側には、移行ハウジングが接続され、移行ハウジングには、ガス排出管が接続されている。移行ハウジングは、ガス排出管と同様に、細粒の搬送経路における独立した部材である。移行ハウジング、及び、移行ハウジングに接続されたガス排出管は、形成された粒子の完全な搬送を素早く確保するためだけでなく、形成された粒子を引き離し、互いに対して接触しないように、かつ、内壁に接触しないように維持するために、特定の形状を有している。ここで、ハウジング側から、ガス流をガス供給管によりハウジング内の多孔板の領域に供給すること、及び、ガス流を分岐させること、又は、多孔板の領域からの粒子を、対向するハウジングの領域から移行ハウジングを介してガス排出管に排出することが行われる。粒子がハウジングの壁やハウジングの内壁に接触することが十分に阻止又は最小化され、細粒が停止及び/又は堆積することが回避される。成形された細粒が内壁に接着することも回避される。しかしながら、重要な点は、特に、本発明によれば、細粒同士が接着することが大幅に回避される点である。
【0010】
形成された粒子は、アセンブリによって導かれる媒体によって、特に、ガスによって搬送される。このガスは、任意のガス又は混合物であってもよく、特に、空気が、使用される。使用されるガス流が、ハウジングから粒子を搬出し、この細かい材料又は粒子又はソーセージ状の材料又は同様のものは、ガス流によって、例えば、熱的影響、冷却等によって、又は、ガスによって開始又は誘発される反応によって、冷却、及び/又は固化、及び/又は化学反応を生じ得る。
【0011】
粒子化される材料、例えばポリマーは、ファイバによって補強され、及び/又は、部分架橋されることが可能である。この材料は、ポリエステル系、ポリオレフィン系、又は、ポリアミド系でよい。基本的に、少なくとも部分的に可塑化可能、好ましくは押出可能な全ての材料を、これらが対応して軟化可能又は溶融可能であり、粒子に変形させることが可能又は固化することが可能である場合、本発明に係るアセンブリによって、排出位置又は形成位置から多孔板の前まで搬出すること、及び、搬出の間に物理的又は化学的に加工すること、又は、反応させること、又は、固化することが可能である。本発明に係るアセンブリは、束を粒子に成形することを実行可能なあらゆる材料に使用可能である。この材料には、生地、セラミックバルク、ゴム、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、等が当てはまる。
【0012】
基本的には、材料の固化は、使用されるガス、特に、空気によって実現可能であるはずである。この場合、水又はそのような媒体を蒸発させる時、押し出されて粒子を形成する材料の固化を実現可能であれば、蒸発した媒体、例えば、水も利用可能である。蒸発させる際に、特に、凝縮及び液化が顕著に表れない場合には、発生する冷却も利用可能である。
【0013】
移行ハウジングという用語は、本明細書において定義する部材である。移行ハウジングは、ハウジングとガス排出管との間に、追加的にさらなる部品として組み付けられている。移行ハウジングは、独立した部品又はモジュールとして製造され、ハウジングとガス排出管との間に配置されている。本装置の重要な別のユニット、すなわち、ハウジング、ガス供給管、及び、ガス排出管も、モジュールとして製造された後、組み立てられる。移行ハウジングは、これに対応して、ハウジングとガス排出管との間の、モジュールとして製造された接続管である。移行ハウジングは、ガス排出管のように、細粒の搬送経路における独立した部品である。したがって、ガス又は粒子は、ハウジングから直接ガス排出管のモジュールに到達するのではなく、最初に移行ハウジングを通り、これを完全に貫通する必要がある。その後初めてガス排出管の中に入る。移行ハウジングの、こうした解釈が、請求項27にも反映している。
【0014】
従属請求項の限定事項は、本アセンブリの好ましい発展形態を、特定の技術的効果と共に説明するものである。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、多孔板の平面に対して平行に延びる平面又は断面において、ハウジングの下流にある端部領域における、前記平面又は断面に垂直な、ハウジングの側壁の互いに対する距離、及び、前記側壁に隣接し、この平面E-Eに対して同じく垂直な、移行ハウジングの側方の壁面の互いに対する距離が、10d≧b≧4d、好ましくは8d≧b≧5dである値b、特に、同一の値bを有するならば、粒子化の著しい改善が実現される。このdの値は、多孔板の存在する全ての、材料を貫通させるための孔についての共通の面重心を求め、各孔について、それぞれの孔の面重心の、共通の面重心からの距離を求め、存在する孔について求められた距離値の算術平均を求め、算術平均の二倍値を、値dとして規定することによって、算出される。
【0016】
したがって、値bは、ハウジングの側壁の互いに対する最大距離、及び、当該側壁に隣接する移行ハウジングの側方の壁面であって、移行ハウジングの上流に位置する端部領域における壁面の互いに対する最大距離に相等する。したがって、単純な製造により、ハウジングから移行ハウジングへの移行が渦流無しで実現され、最適な粒子搬送のための条件が満たされる。
【0017】
好ましい、流れが最適化された、かつ、粒子の堆積を抑える実施形態では、平面E-Eに垂直な、又は多孔板の平面B-Bに垂直な平面に対して垂直な、ガス排出管の両側壁面が、互いに角度β2を形成し、同じく、平面E-E又は多孔板に垂直な平面B-Bに対して垂直に延びる、ガス供給管の側壁面は、互いに角度β1を形成し、両角度β1及びβ2は、ハウジングから離れるように開かれており、角度β1は、角度β2よりも大きくなっている。
【0018】
供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出器の中心軸線、及び/又は、存在する全ての孔の共通の面重心、又は、当該面重心を通って延びる多孔板の中心線が、ハウジングの側壁に関して真ん中に位置しており、及び/又は、多孔板の平面に垂直で、ハウジングの中心線を含む、ガス供給管及び/又はガス排出管及び/又はハウジング及び/又は移行ハウジングの対称面に位置することが、さらに好ましい。ハウジング又は移行ハウジングに対する多孔板の位置は、形成された粒子の分離、及び、アセンブリの搬送関係にとって重要な役割を果たす。
【0019】
粒子化対象材料が通過する孔を有する多孔板、又は、多孔板の孔の面重心を通って延びる多孔板に垂直な中心線は、ハウジングの中心に配置されており、又は、これを通って延びることが可能である。この中心は、ハウジングの側壁の間の中心に、又は、流れ方向にハウジングを通って延びる、多孔板の平面に対して垂直な対称平面に配置されている。この対称平面は、ハウジングの長さ方向中心線を含む。なお、この中心は、ハウジングの前壁及び/又は後壁の各面対角線の交点からも判定可能である。
【0020】
多くの用途、特に、粘着性材料では、供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出器の中心軸線、及び/又は、存在する全ての孔の共通の面重心、及び/又は、面重心を通って延びる多孔板の中心線が、ハウジングの中心線に対して、及び/又は、多孔板の平面に垂直でハウジングの中心線を含む、ガス供給管及び/又はガス排出管及び/又は移行ハウジングの対称面に対して、及び/又は、平面E-Eに垂直なハウジングの側面間の中心に対して、横方向に変位されていることが好ましい。横方向の変位は、スクレーパの回転方向及びガス流の方向が同じ方向に延びているハウジングの領域において、c≦2.5dである値c分なされている。したがって、多孔板又はその中心点は、ハウジングの中心点、又は、ハウジングの中心線に対して変位されている。したがって、この変位は、ハウジングの正面から材料が多孔板から排出される方を見て、回転する工具又はスクレーパの刃が主要な空気流に対して動く各領域の壁の距離がより大きくなるように行われる。分離された粒子は、分離時に、空気流の搬送方向に対する衝撃を受けるが、空気が搬送方向に反して移動するため、その衝撃はゆっくりである。この対処処置により、このような粒子がハウジングに衝突する危険は低減される。
【0021】
取り分け粘着性の高い材料は、細粒を分離した後、実際に使用されるようなガス流で冷却する時間が、当該細粒の粘着傾向を大幅に低減するには十分ではない材料である。したがって、衝突した細粒が引っ付き合ったまま維持されたり、ハウジングの内壁に堆積したりする虞が明らかに高くなる。したがって、このような場合、多孔板が、ハウジング内の中心に配置されず、多孔板が、ハウジングの長さ方向中心線又は長さ方向対称対象軸線に対して変位されているので、スクレーパの回転刃がガス流の方向に反して移動する領域に、より大きな壁間隔が形成される。
【0022】
特に、粘着性の材料の場合、供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出器の中心軸線、及び/又は、存在する全ての孔の共通の面重心、又は、面重心を通って延びる多孔板の中心線が、流れ方向に見て拡大するハウジングの側壁が互いに対して距離bを有しているハウジングの位置又は断面に対して、上流に、a≦1.1dである距離aを置いて配置されている場合に、さらに好ましい。実際では、ハウジングが固定されており、供給又は可塑化ユニットの軸線が、ハウジングに対してずれている、又は、変位している。実際では、多孔板が、ハウジングに対して流れ方向に変位されている。
【0023】
移行領域、又は、移行部、又は、ハウジングから移行ハウジングへの移行面において、ハウジング及び移行ハウジングは、同一の四角形の断面を有し、長方形の長辺の長さが、値bを有していることが、好ましいことが分った。したがって、ハウジングから移行ハウジングへの渦流無しでの移行が行われる。これに関して、移行ハウジングへの移行領域におけるハウジングの断面積、又は、断面積(16)が、ガス排出管のハウジングの反対側の端部領域における断面積よりも5~20%、好ましくは10~15%大きいことが好ましい。
【0024】
さらに、多孔板の高さにおけるハウジングの断面積が、ガス供給管の上流側の端部又はファンへの接続部における断面積よりも、25~35%大きくなるように構成することがさらに好ましい。したがって、ハウジングにおいて、ノズル作用を有するアセンブリ全体を通じてほぼ渦流無しで搬送が行われる。さらに、ハウジングの断面積が、多孔板の高さから、移行ハウジングへの移行領域、又は、散布器を形成するための断面積(16)まで、10~20%増加することが好ましい。
【0025】
ハウジングに隣接する移行ハウジングについては、流れ方向における移行ハウジングの長さが、ハウジングの長さの35~100%、好ましくは50~90%であることが、好ましい。
【0026】
移行ハウジングの断面積は、そのハウジング側の端部領域からその下流に配置された端部領域、又は、ガス排出管の正面領域に向かって、20~45%減少していることが好ましい。
【0027】
細粒の互いに対する接触を低減させるために、多孔板に平行な平面E-Eにおいて、ハウジングの対向し合う側壁面は、その長さ領域の少なくとも一部にわたって、ガス供給管から移行ハウジングに向かって偏った、ハウジングの内部から見て凸状に湾曲した、特に、連続した輪郭を有することが好ましい。個々の部分の間の移行部は、丸く、弓状の部材によって形成されていることが好ましいが、セグメント化された構造で実現されていてもよい。しかしながら、セグメント化の際には、セグメントの移行部が小さい角度であっても、埃や材料が角や隅に堆積するという問題が生じ得る。さらに、このような領域では、望ましくない乱流が生じ得るため、このような領域での空気流の質が低下する。
【0028】
好ましくは、ハウジングの前壁及び後壁、及び/又は、移行ハウジングの前壁及び後壁は、互いに平行に、及び/又は、多孔板の平面に対して平行に向けられている。ガスをハウジング内で貫流させるこれらの平行な壁部は、分離された粒子を移行ハウジング又はガス排出管の方向に搬出することを改善し、ノズル作用を向上させる。
【0029】
本発明に係るアセンブリの簡素な構造は、スクレーパが駆動軸を備えることが好ましい。この駆動軸は、ハウジングにおいて、ハウジングの後壁からハウジングの前壁の領域に位置すると共に供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出器の端部領域を示す多孔板まで延びている。細粒の後処理又は加工のためのユニットへの流れ効率の良い接続のためには、ガス排出管に、ガス排出管の四角形の断面を、円形又は湾曲した円周を有する断面に移行させる移行部が接続されていることが好ましい。移行部は、下流に向かうテーパ状の壁部を備え、当該壁部は、特に、同一の角度α2又は同一の角度β2で、ガス排出管の側方の壁面又は側壁面に傾斜して隣接し、又は、特に、前記側壁面を三角形の形状にテーパ状に延長させていることが好ましい。
【0030】
粒子の搬送及び粒子の接着を回避することに関する、アセンブリの好ましい構成は、前記角度α1、α2、及び/又は、前記角度β1、β2の交点が、中心線上に、又は、特に、多孔板の中心線、又は供給若しくは可塑化ユニットの中心軸線に平行に延びる、又は、これを含む長さ方向対称平面上に、ガス供給管及び/又はハウジング及び/又は移行ハウジング及び/又はガス排出管を介して配置される場合である。
【0031】
粒子の搬送にとって好ましいことは、角度α2が、角度α1の0.3倍~0.9倍、好ましくは0.5倍~0.8倍である点である。角度α1が、α1<90°であり、好ましくは、10°~80°の範囲にあり、特に、15°~45°の鋭角であり、及び/又は、角度α2が、α2<90°であり、特に、好ましくは3°~35°、特に、6°~30°の範囲にある鋭角であると、粒子の接着が低減さる。
【0032】
さらに、粒子の搬送にとって好ましいことは、角度β2が、角度β1の0.1倍~0.45倍、好ましくは0.15倍~0.35倍であることである。
【0033】
粒子が互いに接着し合うことをさらに低減するためには、角度β1が、β1<90°であり、特に、鋭角であり、好ましくは10°~60°、特に、15°~50°の範囲にあり、及び/又は、角度β2が、β2<90°であり、特に、鋭角であり、好ましくは2°~30°、特に、4°~15°の範囲にあることである。
【0034】
場所の節約、かつ、産業的利用にとって、ガス供給管、ハウジング、移行ハウジング、及び、ガス排出管が、垂直に重なり合って配置又は組み付けられていることが好ましい。基本的には、ガス供給管、及び/又は、ハウジング、移行ハウジング、及びガス排出管は、水平に又は傾斜して配置されていてもよい。
【0035】
多孔板の平面E-Eに対して垂直な移行ハウジングの側壁面が、内側から見て、少なくとも部分的に凸状に湾曲し、ガス排出管に向かって下流方向に徐々に狭まることが好ましい。ここで、必要に応じて、移行ハウジングの側壁面は、多孔板の平面E-Eに対して垂直に延びている。
【0036】
構造的に単純かつメンテナンスにとって都合がよいのは、移行ハウジングの端面又は端縁部、及び、ガス排出管の正面又は正面縁部が、前記長さ方向中心線に対して、又は、多孔板の平面E-Eに対して同一の傾斜を有し、移行ハウジングの端面が、中心線又は多孔板の平面に対して1つの角度γ=40~90°、好ましくは50~80°で傾斜して延びており、角度γは、供給又は可塑化ユニットに向かって拡開している場合である。
【発明の効果】
【0037】
この構成は、本発明によれば、ガス供給管、ハウジング、及び、移行ハウジングが組み立てられて、1つのユニットに形成されており、供給又は可塑化ユニット及びガス排出管が組み立てられて、別のユニットに形成されており、これら両方のユニットの少なくとも一方が、他方のユニットに対して旋回可能である場合に、特に好ましい。このようにして、ハウジング及び移行ハウジングの内部への良好なアクセスが可能となる。
【0038】
出来る限り衝突が生じない及び堆積が生じない、確実かつ高速の粒子搬送にとって、ハウジング及び移行ハウジングの形状とともに、ガス供給管及びガス排出管のそれぞれの壁面間の角度α1、α2や、好ましい実施形態では、角度β1、β2が重要である。値b及び値d、並びに、多孔板の下流のハウジングの延長部又は拡張部は、堆積せずに粒子が凝集することに作用する。
【0039】
以下に、本発明を、好ましい実施形態に基づき例示的に説明する。これらの実施形態は、制限的なものと理解されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明に係るアセンブリの概略的な斜視図であり、図の右側は、供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出器に接続された、アセンブリのユニットを示しており、当該ユニットには、左側に示される、本発明に係るアセンブリの別のユニットが旋回可能に搭載されている。
図2図3に示されるアセンブリの断面E-Eを示す図であり、アセンブリに接続された押出器の方向を見た図である。
図3図2の断面B-B箇所を示す図である。
図4】押出器シャフト又は押出器の多孔板に関する、アセンブリ又はハウジングの位置についての実施形態を示す図である。
図5】押出器シャフト又は押出器の多孔板に関する、アセンブリ又はハウジングの位置についての異なる実施形態を示す図である。
図6】プロット図である。
図7】値bを決定する概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明に係るアセンブリは、任意の供給又は可塑化ユニット40、好ましくは押出器の後段に配置されており、又は、これに接続されている。このユニット40は、図3にのみ示されており、多孔板4によって閉じられた端部領域、すなわち端部27を有している。この端部27は、図1及び図2に明示されているように、ハウジング1の箱状の支持部23によって保持され、又は、これに接続されている。材料排出用の多孔板4は、ハウジング1に開口する。ユニット40の搬送方向は、図3では、概略的に矢印19によって示されている。このようなユニット40は、多孔板4によって端部が閉じられた、可塑化及び/又は溶融材料を搬送する圧力管によって形成されていることが可能である。
【0042】
図1に示されるように、ガス供給管2とガス排出管3との間に、ハウジング1及び移行ハウジング100が設けられている。ハウジング1の前壁17及び後壁18は、互いに平行に延びている。支持部23、24が当接又は旋回した位置において、多孔板4は、前壁17の開口部31を通ってハウジング1に開口する。さらに、スクレーパ6の駆動軸は、ハウジング1の中に突出している。スクレーパ6の駆動軸は、後壁18を通って延び、モータ28によって駆動される。
【0043】
図1に示されるように、支持部23には、支持部24が、任意に構成可能なピボット軸受25によって旋回可能に搭載されており、支持部24は、モータ28を支持すると共に、モータ28によって駆動軸を介して駆動されるスクレーパ6を支持している。スクレーパ6は、支持部23上に旋回可能な支持部24において、多孔板4に当接し、そこで、多孔板4を通って流出した材料を擦り取る。このようにして、ハウジング1では、ハウジング1を通って流れるガス流による搬送と同時に、細粒が形成され得る。
【0044】
ハウジング1の内部のメンテナンスを容易に行うことを可能とするため、又は、スクレーパ6及び多孔板4へのアクセスを確保するために、支持部23、24用のピボット軸受25が設けられている。原理的には、他方の支持部24が自立し、これに支持部23が搭載されることも可能である。
【0045】
支持部23は、その上部領域におけるキャリア38を介して、テーパ状の管又は流路の形のガス排出管3を支持している。ガス排出管3は、流れ方向に延びる4つの角、すなわち四角形の断面を有している。ガス排出管3には、壁部21、22を備える移行部20が接続されており、移行部20は、円形断面を端部に有している。壁部21及び22は、それぞれ、ガス排出管3の側壁7又は10と同じ傾斜を有している。
【0046】
ガス供給管2の反対側にある、ハウジング1の端部領域には、ハウジング1からガス排出管3への移行部である移行ハウジング100が、取り付けられている、又は、ハウジング1とガス排出管2との間に設置されている。支持部24が旋回されると、移行ハウジング100は、その上部であるハウジングの反対側の端縁部又は端面29、すなわち、その上部開口断面29で、遠位端縁部又は開口断面29に適合する、ガス排出管3の正面縁部39、すなわち正面である断面縁部又は断面39に当接する。したがって、ファン30によってガス供給管2を介して下方からハウジング1の中に流入したガスは、ハウジング1及び移行ハウジング100を介して、ガス排出管3の中に導入される。この際に、ガスは多孔板4及びスクレーパ6を通過する。多孔板4は、ハウジング1の前壁17の開口部31を通って、ハウジング1に開口する。原理的には、図示されるように、多孔板4は、ハウジング1の前壁17と接続可能であり、又は、ハウジング1に中に突出していることが可能である。このようにして、多孔板4から出てきた材料押出物は、スクレーパ6によって分離され、直接、ガス流によって搬送され得る。
【0047】
ファン30には、ハウジング1に繋がったガス供給管2が接続されている。図2に明示されているように、ガス供給管2の側壁面8は、多孔板4の平面、又は、断面E-E、又は、ハウジング1の前壁17若しくは後壁18に対して垂直に延びており、角度α1で互いに傾斜している。ここで、この角度α1の交点Sは、これらの壁面8の間の中心線、又は、ハウジング1の中心線13、又は、ハウジング1の長さ方向対称軸の上にある。図示される実施形態では、角度α1は27°であり、その交点Sは、ロータの軸線よりも下にある。
【0048】
ガス供給管2の両壁面8に、ハウジング1の両側壁9が接続している。両側壁9は、下流に向かって広がり、下流に延びる領域に渡って、内側から見てわずかに凸状に湾曲している。ハウジング1の下流端部領域において、ハウジング1は、両側壁9の間に、間隙、すなわち距離bを有する。このハウジング1の端部領域には、モジュール式の移行ハウジング100が、形成されている。
【0049】
ガス排出管2の側壁面7同士は、互いに、角度α2を形成し、その交点は、ハウジング1又はガス排出管3の下流に位置している。角度α1は、角度α2よりも大きい。図示される形態では、角度α2は19°である。
【0050】
原理的に、移行ハウジング100は、ハウジング1とガス排出管3との間の、モジュール式に構成された接続管である。移行ハウジング100のガス入口面積は、断面から見て、ハウジング1のガス出口面積に相等する。移行ハウジング100の、下流端部領域の断面積は、接続されたガス排出管3の断面積Fに相等する。原理的に、移行ハウジング100の壁面は、平坦に延びているか、又は、部分的に湾曲して延びている。原理的には、移行ハウジング100の互いに対向する壁面、又は、全ての壁面は、ガス排出管3の隣接する各壁面と、少なくとも断面において、ガス排出管3のそれぞれ隣接する壁面と同じ傾斜を有しており、又は、移行ハウジング100の壁面の対応する縁部とガス排出管3とは、互いに同じ角度を形成している。好ましくは、移行ハウジング100の壁面は、ハウジング1からガス排出管3の方に湾曲しているか、又は、湾曲したパイプラインを形成するように複数の壁部により構成されている。
【0051】
移行ハウジング100は、独立した部材として、又は、モジュールとして製造されており、ハウジング1とガス排出管3との間に配置されている。この装置の別のユニット、例えば、ハウジング1、ガス供給管2、及び、ガス排出管3も、モジュール式に製造されて、組み付けられる。つまり、移行ハウジング100は、ハウジング1とガス排出管3との間の、モジュール式に構成された接続管である。したがって、移行ハウジング100は、ガス排出管3のように、細粒の搬送経路における独立した部材である。
【0052】
図1に示されるように、ハウジング1及び移行ハウジング100は、ガス供給管2とガス排出管3との間に配置されている。支持部24が旋回されると、移行ハウジング100は、その上部の端縁部29で、この開口断面に適合するガス排出管3の正面縁部39に当接する。したがって、ガス又は粒子は、ハウジング1からガス排出管3のモジュールの中に直接流入するのではなく、最初に移行ハウジング100を通って、これを完全に通過する必要がある。その後に、ガス又は粒子は、ガス排出管3の中に流入する。
【0053】
図3には、角度β1が明示されている。角度β1は、ファン30に通じているガス供給管2において、断面E-E又は多孔板4の平面に垂直に延びる平面に垂直な両側壁面11によって囲まれた角度である。角度β1は、同じくこの平面E-Eに垂直な、ガス排出管3の側壁面10によって形成される角度β2よりも大きい。角度β1の交点は、ハウジング1内のガス供給管2の下流に位置している。角度β2の交点は、ガス排出管3の上流で、かつ、ガス供給管2におけるハウジング1の上流にある。図示される形態において、角度β2は7.5°であり、角度β1は27°である。
【0054】
動作中、ファン30は、ファンモータ28によって駆動され、ガス流を、ガス供給管2を介してハウジング1の中に運ぶ。このガス流は、多孔板4におけるスクレーパ6によって分離された細粒を、ハウジング1から搬出し、移行ハウジング100を介してガス排出管3の中に運び込む。粒子状、ソーセージ状、又は、不規則な形状体であるこれらの細粒は、ガス流中において又はガス流によって、固化され得る。この固化は、熱的影響、例えば、ガス流の冷却又は乾燥作用によって、又は、ガス流自体によって誘発される化学反応により生じ得る。
【0055】
ハウジング1の下流端部領域におけるハウジング1の断面又は断面積は、図1において、多孔板4に特性付けられる値dと関連付けらる、両側壁面9の間の側縁、すなわち距離bを形成する。この値dは、図7に詳細に示されるように、粒子化する材料の断面を決定する孔5の配置、形状、及び、数によって決定される。なぜなら、実際において様々な材料に使用される多孔板4は、不規則に分散された孔5、及び/又は、異なる大きさ及び/又は異なる形状を有する孔5、及び/又は、異なる数の孔5を有しているからである。この値dを確定するために、存在する全ての孔5に共通の面重心FSが求められる。さらに、各孔5について、共通の面重心FSからの当該孔5の面重心Sの距離Aが求められる。存在する全ての孔5について求められた距離Aの値について、算術平均が求められる。そして、この算術平均の二倍の値が、値dとなる。
【0056】
図7に示されるように、多孔板4には、4つの孔5が、それぞれ、仮想の四角形の角に配置されている。この各孔は、円形に形成されているので、その中心点を面重心Sとして有している。4つの孔5の共通の面重心が、これら4つの孔5の中央にあり、FSと表示されている。この共通の面重心FSと個々の孔5との間の距離は、Aとして表示されている。距離Aは、4つの孔5について、いずれも同じ大きさであるので、算術平均のために形成される合計は、4Aである。値Aを有する算術平均を求めた後、これによって、多孔板4に依存する値d=2Aが求められる。この算出方法は、楕円断面を有する孔5、又は、円形に配置される孔5にも、容易に適用可能である。不規則に構成された、又は、異なる形状を有する孔5の場合、各孔について、個別の面重心Sが求められることになり、そして、個々の面重心Sの合計から、共通の面重心FSを算出可能である。
【0057】
図4及び図5には、孔5が四角形の角に配置された多孔板4が示されている。ここで、さらなる孔5が、この四角形の対角線の交差点に配置されている。したがって、値dは、円形の孔5の中心点又は面重心が、各角に置かれた四角形の対角線の長さとして求められる。図7の下の図には、孔5のこの配置が詳しく示されている。dの計算方法は、5つの孔5と2つの固定孔41とを有する、図1の多孔板4にも当てはまる。
【0058】
図1及び図2に示される実施形態では、供給又は可塑化ユニット27の軸又は押出器の軸、及び、共通の面重心FSを通って延びると共に多孔板4の平面に垂直な多孔板4の中心線12は、長さ方向に延びるハウジング1の中心線13に交差している。しかしながら、粘着性材料の場合、多孔板4又はその中心線12が、中心線13に対して横方向にずれて配置されていることが好ましい。特に、強粘着性材料の場合、分離された粒子が互いに衝突したりハウジング1の内壁に接触したりして、互いに引っ付いたり、又は、ハウジング1に凝集して通路をふさぐ恐れがある。
【0059】
したがって、図4及び図5に示されるように、多孔板4の中心線12、又は、供給又は可塑化ユニット27の軸、又は、多孔板4の面重心FSが、ハウジング1の中心線13の側方に値c分変位していることが好ましい。この変位は、多孔板4に平行な1つの平面上で、流れ方向に対して水平又は横向きに行われる。しかしながら、材料によっては、この変位は、場合によっては流れ方向に横向きに行われる変位に加えて、垂直方向に、又は、流れ方向に沿って又は流れ方向とは反対方向に行われてもよい。
【0060】
横方向の最大変位cは、値dに依存し、実際においては、c≦2.5dであることが、明らかに好ましいことが証明されている。cの値は、材料及び粒径に応じて選択され、設定可能である。図示される形態では、c=0.9dである。
【0061】
変位は、上流若しくは下流に、又は、下側若しくは上側に垂直に、値a≦2.2d分行われる。図示される形態では、変位は、値a=1.2dで、下流に向けて行われる。
【0062】
図4および図5に示される側向きの変位は、スクレーパ6の回転方向32、及び、ハウジング1を流れるガス流の流れ方向が、同じ方向に延びる方向で行われる。
【0063】
流れ方向に横向きに、又は、流れ方向に沿って変位される場合、図5に示されるように、角度γで長さ方向中心線13に対して傾斜した変位ベクトルが設けられる。この変位ベクトルは、材料に応じて選択される。
【0064】
図示される実施形態では、供給又は可塑化ユニット27の軸線と多孔板4の中心線12とは、一致している。共通の面重心FSは、この軸又は多孔板4の中心線12の上にある。
【0065】
ハウジング1の中心線13は、ガス供給管2及び/又は移行ハウジング100及び/又はガス排出管の中心線と一致する。
【0066】
図6は、多孔板4を通って流出し、スクレーパ6によって分離された細粒の、ハウジング1及びガス排出管3における軌道を示す図である。粒子は、すぐに下流に運ばれるか、又は、スクレーパ6によって右側に少し移動した後、ガス流の流れ方向に向かってガス流によって運ばれることが分かる。さらに、ほとんどの粒子軌道60は、中断されずに、すなわち、ハウジングの内壁やガス管の内壁と衝突せずに延びていることが分かる。特に、この多孔板4からの細粒の出口に直接隣接した領域であって、粒子の乾燥にとって重要な領域では、極めてわずかな粒子の衝突しか認識出来ない。分離された個々の細粒は、独自の飛行軌道をたどり、他の細粒との衝突は、ほとんど生じない。
【0067】
移行ハウジング100は、独立した部材として、又は、モジュールとして製造されており、ハウジング1とガス排出管3との間に配置されている。ハウジング1、ガス供給管2、及び、ガス排出管3といった、別のユニットも、モジュール式に製造し、組み付けることが可能である。
【0068】
図1図2、及び図3から具体的に明らかなように、移行ハウジング100の端面又は端縁部29又は端面、及び、ガス排出管3の正面縁部又は正面39は、多孔板4の長さ方向線、すなわち中心線、又は平面E-Eに対して、同じ傾斜を有している。移行ハウジング100の端縁部又は端面29、及び、ガス排出管3の円周断面積Fは、角度δ=70°で、多孔板4の中心線又は平面に対して傾斜しており、ここで、角度δは、供給又は可塑化ユニット40又は支持部23に対して拡開する。したがって、支持部23、24が内方に旋回されると、ガス流の連続性及び設備の密封性が確保される。
【0069】
図2に示される実施形態では、移行ハウジング100の長さL1は、ハウジング1の長さL2の75%である。移行ハウジング100の長さは、中心線13上で測定され、すなわち、多孔板4の平面E-Eに対して垂直に延びる平面B-Bにおいて測定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】