IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゾベル ホールディング, エッセ.ピー.アー.の特許一覧

特表2022-552497揮発性物質を拡散させるためのデバイス
<>
  • 特表-揮発性物質を拡散させるためのデバイス 図1
  • 特表-揮発性物質を拡散させるためのデバイス 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】揮発性物質を拡散させるためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20221209BHJP
   A61L 9/12 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
B65D83/00 F
A61L9/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521484
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2020078267
(87)【国際公開番号】W WO2021069579
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】P201930882
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222449
【氏名又は名称】ゾベル ホールディング, エッセ.ピー.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】トリアス ラフェンテ,マリナ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ファブレガ,ルーベン
(72)【発明者】
【氏名】グラウス フェレール,アルバ
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA13
4C180CA06
4C180GG19
4C180JJ01
(57)【要約】
揮発性物質を拡散させるためのデバイスが、前記揮発性物質を伴う液体が入った容器(1)と、前記容器(1)を閉じるベース要素(2)と、前記揮発性物質がしみ込むウィック(3)と、を有し、前記ベース要素(2)は、前記揮発性物質を含む前記液体が蓄積される内部チャンネル(21)を有し、前記ウィック(3)の一部が前記内部チャンネル(21)内に配置されて、前記チャンネル内部(21)内にある前記揮発性物質を含む前記液体がそれにしみ込む。
これにより、中間ウィックまたはドージングシステムを必要としない倒立姿勢で使用される揮発性物質デバイスの提供を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質を拡散させるためのデバイスであって、
- 前記揮発性物質を伴う液体が入った容器(1)と、
- 前記容器(1)を閉じるベース要素(2)と、
- 前記揮発性物質がしみ込むウィック(3)と、
を有し、それにおいて、前記ベース要素(2)が、前記揮発性物質を含む前記液体が蓄積される内部チャンネル(21)を有し、前記ウィック(3)の一部が前記内部チャンネル(21)内に配置されて、前記内部チャンネル(21)内にある前記揮発性物質を含む前記液体がそれにしみ込むことを特徴とする、
揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項2】
前記ベース要素(2)は、前記内部チャンネル(21)と前記ベース要素(2)の残りの部分を連通させる窓(24)を有する、請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項3】
前記ベース要素(2)は、前記容器(1)からの前記液体のための流出口バルブ(11)を作動する突出部(22)を有する、請求項1または2に記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項4】
前記ベース要素(2)は、前記容器(1)の口部(12)を案内するための案内部(23)も有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項5】
前記ベース要素(2)は、複数の蒸発孔(25)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項6】
前記蒸発孔(25)は、前記ベース要素(2)の側壁に設けられる、請求項5に記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項7】
前記ウィック(3)は、前記ベース要素(2)の前記内部チャンネル(21)内に配置される突出部(31)を有する、請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項8】
前記ウィック(3)の前記突出部(31)は、前記ウィック(3)の縦方向に位置する、請求項7に記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【請求項9】
前記ウィック(3)は、円筒形状を有する、請求項1または7のいずれかに記載の揮発性物質を拡散させるためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性物質を拡散させるためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
市場には、倒立姿勢で据え置かれる芳香剤スプレー等の揮発性物質を拡散させるためのデバイスがある。それらが倒立姿勢で置かれる製品であることから、揮発性物質の正確な小出し量の問題は解決の難しさがある。
【0003】
既存の製品においては一般に、解決策として栓を用いて容器に固定される中間ウィックがある。
【0004】
ボトルをベース上に据えることによって、この中間ウィックが二次ウィックと接触するようになる。中間ウィックは、ディスペンサとして機能し、二次ウィックは、蒸発表面として機能する。
【0005】
これらのデバイスの欠点は、中間ウィックがフレグランス容器の一部を形成するために、中間ウィックと二次ウィックの間において良好な接触の確保が可能でないことである。
【0006】
加えて、別の欠点として作動させる際に滴り落ちが生じることがあり、そしてさらに、製品は一般に使い捨てである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、中間ウィックまたはドージングシステムを必要としない倒立姿勢で使用される揮発性物質のためのデバイスを提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る揮発性物質を拡散させるためのデバイスを用いれば、上述する欠点が解決され、しかも以下に述べるそのほかの利点が提供される。
【0009】
本発明に従った揮発性物質を拡散させるためのデバイスが、
- その種の揮発性物質を伴う液体が入った容器と、
- 前記容器を閉じるベース要素と、
- 前記揮発性物質がしみ込むウィックと、
を有し、前記ベース要素は、前記揮発性物質を含む前記液体が蓄積される内部チャンネルを有し、前記ウィックの一部が前記内部チャンネル内に配置されて、前記内部チャンネル内に位置する前記揮発性物質を含む前記液体がしみ込む。
【0010】
好都合には、前記ベース要素が、前記内部チャンネルと前記ベース要素の残りの部分を連通させる窓を有する。
【0011】
さらにまた、前記ベース要素は、前記容器からの前記液体のための流出口バルブを作動させ、前記液体が前記容器を出て前記ベース要素へ向かうことを可能にする突出部を備える。
【0012】
好都合には、前記ベース要素が、前記容器の口部を案内するための案内部も有し、また前記ベース要素は、複数の蒸発孔も有し、それを通る蒸発を促進する。
【0013】
好ましくは、前記蒸発孔は、前記ベース要素の側壁に位置する。
【0014】
さらにまた好ましくは、前記ウィックが、前記ベース要素の前記内部チャンネル内に位置決めされる突出部を有し、前記突出部は、前記ウィックの縦方向に位置する。
【0015】
好ましい実施態様によれば、前記ウィックは、円筒形状を有する。
【0016】
本発明に従った揮発性物質を拡散させるためのデバイスは、少なくとも次に挙げる利点を有する。
- 中間ウィックまたはドージングシステムを必要としないので、従来のデバイスより安価である。
- 漏れを無くす、または最小化する。
- ベース要素とウィックの間における正しい接触および揮発性物質の正しい蒸発が確保される。
- 清潔な方法でのウィックの交換を可能にする。
【0017】
記述した内容のより良好な理解のために、いくつかの図面が添付されているが、それらは、略図的かつ非限定的な例としてのみ、実施態様の実施事例を表しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に従った揮発性物質を拡散させるためのデバイスの分解斜視図である。
図2図2は、本発明に従った揮発性物質を拡散させるためのデバイスの縦方向断面の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図に示されているとおり、揮発性物質を拡散させるためのデバイスは、揮発性物質を伴う液体が入れられた容器1を有する。
【0020】
前記容器1は、後述するとおり、拡散デバイスの使用前に作動させるバルブ11と、外ねじが備えられた口部12と、を有する。
【0021】
また揮発性物質を拡散させるためのデバイスは、ベース要素2も有する。このベース要素2は、倒立姿勢であり、つまりは、図に示されているとおりベース要素2を下側の位置にしてデバイスを据えるために使用される。
【0022】
前記ベース要素2は、容器1からの液体が入る内部チャンネル21を有する。そのためベース要素2は、容器1のバルブ11を作動させてバルブ11を通る前記容器からの液体の流出口を開く突出部22を有する。
【0023】
またベース要素2は、内ねじが備えられた、容器1の口部12を案内するための案内部23も有する。
【0024】
さらにまたベース要素2は、図2に示されているとおり、内部チャンネル21をベース要素の残りの部分と連通させる窓24も有する。
【0025】
蒸発を促進するために、好ましくは円筒形状とするベース要素2が、複数の蒸発孔25を有し、図示されている実施態様によれば、ベース要素2の側壁にそれらが配されている。
【0026】
揮発性物質を拡散させるためのデバイスは、好ましくは円筒形状とするウィック3も有し、前記ウィック3は、突出部31を有し、好ましくはそれが縦方向に位置し、使用時におけるその位置では、それの端部のうちの1つがベース要素2の内部チャンネル21内に置かれる。
【0027】
このようにして、図示されている実施態様によれば、揮発性物質を伴う液体がこの突出部31を通じてウィック3にしみ込むが、前記突出部31の必要性を伴うこと無く任意の適切な方法でそれをしみ込ませることも可能である。
【0028】
本発明に従った揮発性物質を拡散させるためのデバイスを使用することが望まれるときは、最初にウィック3が、それの突出部31が内部チャンネル21の内側に配置された状態で、ベース要素2の内側の位置に配置される。
【0029】
前記ウィック3は、予備要素であることから、必要な回数だけ交換される。
【0030】
次に、ベース要素2を容器1に結合させる。その際、ベース要素2の突出部22をバルブ11内に挿入し、バルブ11を開放する。
【0031】
拡散装置をその使用位置、すなわち、図に表されるようにベース要素2を下側部分にした使用時の姿勢で拡散デバイスを据えることによって、液体がバルブ11を通過して内部チャンネル24内に置かれ、前記液体がウィック3にしみ込み、揮発性物質が周囲に拡散または蒸発される。
【0032】
図示されている実施形態においては、蒸発孔25を通じて前記拡散または蒸発が行われるが、ベース要素2と容器1の間の隙間を通してそれが行われることも可能である。
【0033】
本発明の具体的な実施態様に対する参照が行われたという事実にかかわらず、付随する特許請求の範囲によって定義される保護範囲からの逸脱を伴うことなく、揮発性物質を拡散させるための上述のデバイスが多くの変形および修正を受けやすいということ、また記述されている詳細な説明のすべてが、ほかの技術的均等物によって代用され得ることはこの分野の当業者に自明である。
【符号の説明】
【0034】
1 容器
2 ベース要素
3 ウィック
11 バルブ、流出口バルブ
12 口部
21 内部チャンネル
22 突出部
23 案内部
24 窓
25 蒸発孔
31 突出部
図1
図2
【国際調査報告】