(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】シールアセンブリおよびシールアセンブリを組み込んだ光起電パネルのアレイ
(51)【国際特許分類】
H02S 30/00 20140101AFI20221209BHJP
E04D 13/18 20180101ALI20221209BHJP
H02S 20/10 20140101ALI20221209BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20221209BHJP
H02S 20/25 20140101ALI20221209BHJP
【FI】
H02S30/00
E04D13/18
H02S20/10 T
H02S20/23 Z
H02S20/25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522030
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2020078879
(87)【国際公開番号】W WO2021074212
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522145786
【氏名又は名称】アールアンドエムエス ソリューションパートナー バーバルタングス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】R&MS SOLUTIONPARTNER VERWALTUNGS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マック,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ギースラー,ベルント
【テーマコード(参考)】
2E108
5F151
【Fターム(参考)】
2E108KK04
2E108KS05
2E108NN07
5F151BA03
5F151BA18
5F151JA03
5F151JA04
5F151JA05
5F151JA09
5F151JA12
5F151JA13
5F151JA28
(57)【要約】
第1および第2の光起電パネルの間に配置するためのシールアセンブリ(15)が開示されている。第1および第2の光起電パネルは、上側層および下側層を備え、上側層は、第1および第2の側縁において下側層に対してオフセットされており、その結果、第1の光起電パネル(20)の第2の側縁における上側層は、第2の光起電パネル(10)の第1の側縁における下側層と部分的に重なっている。シールアセンブリ(15)は、上側当接部(16)と、下側当接部(18)と、上側当接部を下側当接部と接続し、且つ第1の光起電パネルの上側層と第2の光起電パネルの下側層との間に配置されるように構成された中間部(14)とを備える。また、そのようなシールアセンブリを含むソーラーパネルのアレイおよび屋根構造が開示されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の光起電パネルとの間に配置するためのシールアセンブリであって、
前記第1および第2の光起電パネルは、第1の側縁と、前記第1の側縁の反対側の第2の側縁とを有すると共に、上側層および下側層を備えており、
前記上側層は、前記第1および第2の側縁において前記下側層に対してオフセットされており、その結果、前記第1の光起電パネルの第2の側縁における上側層は、前記第2の光起電パネルの第1の側縁における下側層と部分的に重なり、
当該シールアセンブリは、
前記第1および第2の光起電パネルの上側層に当接するための上側当接部と、
前記第1および第2の光起電パネルの下側層に当接するための下側当接部と、
前記上側当接部と前記下側当接部とを接続し、前記第1の光起電パネルの上側層と前記第2の光起電パネルの下側層との間に配置されるように構成された中間部と、
を備えてなる、ことを特徴とするシールアセンブリ。
【請求項2】
前記上側当接部の上縁は、前記第1の光起電パネルの上面および前記第2の光起電パネルの上面と実質的に同じ高さである、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項3】
前記中間部の下縁は、ラビリンスシールを形成するための複数の突出部を備える、請求項1又は2に記載のシールアセンブリ。
【請求項4】
第1の側縁と、前記第1の側縁の反対側の第2の側縁とを有してなる、第1の光起電パネルおよび第2の光起電パネルを備える光起電パネルのアレイであって、
前記第1および第2の光起電パネルは、上側層および下側層を有し、
前記上側層は、前記第1および第2の側縁において前記下側層に対してオフセットされており、その結果、前記第1の光起電パネルの上側層は、前記第2の光起電パネルの下側層と部分的に重なり、
当該アレイは更に、
前記第1の光起電パネルと前記第2の光起電パネルとの間に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のシールアセンブリを備える、光起電パネルのアレイ。
【請求項5】
前記シールアセンブリの長さは、前記第1および第2の光起電パネルの前記第1の側縁の長さよりも大きい、請求項4に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項6】
前記第1および第2の光起電パネルは更に、第3の側縁と、前記第3の側縁の反対側の第4の側縁とを備え、
前記第3および第4の側縁において前記第1の光起電パネルの上側層および下側層はオフセットされておらず、
前記第3および第4の側縁において前記第2の光起電パネルの上側層および下側層はオフセットされていない、請求項4又は5に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項7】
前記第1および第2の光起電パネルの上側層はガラス板を備える、請求項4~6のいずれか一項に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項8】
前記第1および第2の光起電パネルの下側層はソーラーバックシートを備える、請求項4~7のいずれか一項に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項9】
前記第1および第2の光起電パネルは、ポリマーマトリックスに封入された複数の光起電セルを備える、請求項4~8のいずれか一項に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項10】
前記光起電セルは結晶セルである、請求項9に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項11】
前記ポリマーマトリックスはエチレン-酢酸ビニル(EVA)を含む、請求項9または10に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項12】
前記封入された光起電セルは、前記上側層と前記下側層との間に配置される、請求項9~11のいずれか一項に記載の光起電パネルのアレイ。
【請求項13】
支持フレームワークと、
請求項4~12のいずれか一項に記載の光起電パネルのアレイと、
を備えてなる、建物用の屋根構造。
【請求項14】
前記支持フレームワークは、上部梁と、底部梁と、前記上部梁と前記底部梁との間に延びる複数の垂直梁と、前記上部梁および前記底部梁と実質的に平行に配置された複数の横梁とを備え、
前記第1および第2の光起電パネルは、前記支持フレームワークの前記梁のうちの1つ以上に取り付けられ、具体的には、
前記第1および第2の光起電パネルは、前記横梁のうちの1つに取り付けられている、ことを特徴とする請求項13に記載の建物用の屋根構造。
【請求項15】
前記第1および第2の光起電パネルは、1つまたは複数の金属ブラケットを用いて前記支持フレームワークの前記梁のうちの1つに取り付けられている、ことを特徴とする請求項14に記載の建物用の屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願] 本出願は、2019年10月15日に出願された欧州特許出願第19203436.1号の利益(優先権)を主張する。
【0002】
[技術分野]
本開示(本願)は、シールアセンブリに関する。より詳細には、本開示は、2つの光起電パネルの間に配置されたシールアセンブリに関する。本開示は更に、そのようなシールアセンブリを組み込んだ光起電パネルのアレイ、および、そのようなアレイを備える屋根構造に関する。
【背景技術】
【0003】
益々増大するエネルギー需要により、エネルギー生産のために再生可能エネルギー源からもたらされる解決策を検討する必要が生じている。水流および空気流、バイオマス、並びに太陽からのエネルギーは、そのような供給源の中で最も有望なものの一部である。
【0004】
光起電(Photovoltaic, PV)セルは、光起電効果によって光のエネルギーを電気に直接変換する電気装置である。PVセルは、典型的には、複数の光起電セルを備えるモジュール内に配置される。このようなモジュールは、ソーラーパネルと呼ばれる。パネルのアレイは、典型的には、バッテリに貯蔵するために、または電力消費装置に直接電力を供給するために意味のある十分な電気を生成するために使用される。しかしながら、そのようなアレイは、他に使い道のない多くの空間を使用する可能性がある。例えば、光起電パネルの大きなアレイをフィールドに配置すること、または単一のパネルもしくはより小さいパネルのアレイを建物の上部に配置することが知られている。
【0005】
住宅および建物の屋根は、多くの太陽光を受けるため、PVパネルまたはモジュールを配置するための魅力的な場所である。建物の屋根の一部を覆うためにPVまたは「ソーラー」屋根タイルを使用することが知られている。このようなソーラー屋根タイルは、従来の屋根タイルの機能を果たすと同時に、太陽光線のエネルギー変換によって電気を生成することができる。従来の屋根タイルと同様に、ソーラー屋根タイルは屋根の骨組みに接続されるべきであり、それらは下にある構造を天候の影響から保護し、特に雨を防ぐ。
【0006】
既存のソーラー屋根タイルは、様々な欠点を抱えている。既存のソーラー屋根タイルは、設置が複雑である場合がある。したがって、ソーラー屋根タイルを配置するプロセスは煩雑であり、長い時間を必要とする可能性がある。また、ソーラー屋根タイルはより壊れやすい材料から作られているため、設置中にソーラー屋根タイルが損傷することが頻繁に起こる。これは、光起電セルの機能に影響を及ぼす可能性があり、漏れにつながる可能性があり、審美的に好ましくない可能性がある。さらに、強風または嵐であっても、屋根タイルが所定の位置に留まることを保証する必要がある。これは、既存のソーラー屋根タイルによって常に満たされているとは限らない、屋根タイルについての別の重要な要件(又は要求)を表している。
【0007】
特許文献1は、光起電セルを含まないモジュールの規定された閉ループ周辺領域などに、2つの光学的に透明な基板の間に配置された光起電セルのアレイを使用する光起電モジュールを記載している。該モジュールは、周縁に沿って周縁シールでシールされる。2つの基板は、互いに対して横方向にオフセットされてもよい。
【0008】
PV屋根タイルのさらなる改良が依然として望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0166600号
【発明の概要】
【0010】
第1の態様では、本開示(本願)は、第1および第2の光起電パネルの間に配置するためのシールアセンブリを提供する。第1および第2の光起電力パネルは、第1の側縁部と、第1の側縁部の反対側の第2の側縁部とを有し、上側層および下側層を含み、上側層は、第1および第2の側縁部において下側層に対してオフセットされ、その結果、その第2の側縁部における第1の光起電力パネルの上側層は、その第1の側縁部における第2の光起電力パネルの下側層と部分的に重なる。シールアセンブリは、第1および第2の光起電パネルの上側層に当接するための上側当接部と、第1および第2の光起電パネルの下側層に当接するための下側当接部と、上側当接部を下側当接部と接続し、第1の光起電パネルの上側層と第2の光起電パネルの下側層との間に配置されるように構成された中間部とを備える。
【0011】
この態様によれば、光起電パネルの設置を容易にするシールアセンブリが提供される。光起電パネルはオフセット(された)層を有し、シールアセンブリはこれらのオフセット層に適合され、それにより、光起電パネルを敷設することができ、シールをパネルに対して、およびパネルの上に部分的に敷設することができ、後続のパネルを敷設することができる。このプロセスは、敷設後にシールするための別個のプロセスがないため、従来技術の解決策よりも速くすることができる。シールアセンブリは、パネルのより脆弱な部分が互いに接触するのを回避することができるため、光起電パネルを損傷するリスクが低減される。
【0012】
いくつかの例では、シールアセンブリの上側当接部の上縁は、第1の光起電パネルの上面および第2の光起電パネルの上面と実質的に同じ高さであってもよい。光起電パネルの上面がシールと同じ高さまたは「面一」である場合、汚れ、ほこり、および湿気がシールの側面または光起電パネルの間に蓄積することはない。このようにして審美性だけでなくパネルの機能を改善することができ、メンテナンスの必要性を低減することができる。
【0013】
いくつかの例では、中間部の下縁は、ラビリンスシールを形成するための複数の突出部を備えることができる。このようにして、水漏れを回避または低減することができる。
【0014】
別の態様では、第1の光起電パネルおよび第2の光起電パネルを備える光起電パネルのアレイが提供される。光起電パネルは、第1の側縁と、第1の側縁の反対側の第2の側縁と、上側層および下側層とを有し、上側層は、第1および第2の側縁において下側層に対してオフセットされており、それにより、第1の光起電パネルの上側層は、第2の光起電パネルの下側層と部分的に重なる。アレイは、第1および第2の光起電パネルの間に配置された、本明細書に開示された例のいずれかによるシールアセンブリをさらに備える。
【0015】
また更なる態様では、支持フレームワークを備える建物のための屋根構造と、本明細書に開示される例のいずれかによる光起電パネルのアレイとが提供される。
【0016】
添付の図面を参照して、非限定的な例として特定の実施態様を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本開示による屋根構造の一例の分解図である。
【
図1B】本開示による屋根構造の一例の分解図である。
【
図2A】本開示の一例による光起電パネルのアレイおよびシールアセンブリの断面図である。
【
図2B】本開示の一例による光起電パネルのアレイおよびシールアセンブリの断面図である。
【
図3A】屋根構造の構築の一例を概略的に示す図である。
【
図3B】屋根構造の構築の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は屋根構造の一部の一例を示す。
図1Aはアセンブリの側面図を示し、
図1Bはアセンブリの様々な構成要素の分解図を示す。
【0019】
この例による屋根構造は、光起電パネルを支持するフレームワーク(枠組み又は枠体)を含む。この例の光起電パネルは、ソーラー屋根タイルとして機能する。光起電パネル10、20は、光起電セルを備える。これらのセルは、日中に太陽によって照射されることができ、セルは、太陽エネルギーを電気に変換するように構成されている。光起電パネルによって生成された電力は、屋根構造の下で生活する家庭における電力消費に使用することができる。追加的または代替的に、電力は、後の消費のためにバッテリなどのエネルギー貯蔵装置に向けられてもよい。追加的または代替的に、電力は、送電網に供給されてもよい。
【0020】
同時に、光起電パネルは、屋根タイルとして機能することができる、すなわち、屋根構造の下の建物の内部を天候、特に雨から保護する。したがって、光起電パネル間の適切なシールが重要である。
【0021】
図1の例では、支持フレームワークが設けられている。支持フレームワークは、複数の水平梁34および垂直梁32を含むことができる。水平梁34は、基部と上部との間に延在する複数の垂直梁32によって支持されている。この特定の例では、梁は木製梁であってもよい。水平梁は実質的に水平に延在するが、垂直梁は水平位置に対して例えば10~45°の傾斜を有することができる。これは、例えば
図3Aに見ることができる。本明細書では当該梁は垂直梁と呼ばれるが、使用時に完全に垂直に配置されると理解されるべきではないことは明らかである。
【0022】
第1の光起電パネル10は、第2の光起電パネル20の隣に配置されるように示されている。光起電パネル10、20は、取り付けブラケットまたはアンクルプレート60を使用して水平梁34に取り付けることができる。取り付けブラケットは、梁34にボルト止めされ、例えば接着剤を使用して光起電パネルに取り付けられてもよい。他の例では、例えば光起電パネルをクランプするためのクランプを含む異なる取り付けシステムを使用することができる。
【0023】
光起電パネル10、20の各々は、上側層11および下側層13を備える。上側層11と下側層13との間には、1つ以上のPVセル17が配置されてもよい。各パネルは、複数の相互接続されたPVセルを備えることができる。
【0024】
PVパネルの上側層は、下側層に対してオフセットされていることが分かる。上側層11、21は、第1および第2の側縁(side edges)において下側層13、23に対してオフセットされており、それにより、その第2の側縁における第1の光起電パネル10の上側層21は、その第1の側縁における第2の光起電パネル10の下側層13と部分的に重なる。
【0025】
これについては、後の図でより詳細に説明する。上側層と下側層との間のオフセットは、光起電パネル20の第1の縁部20Bにおいて、光起電パネル20の上側層が隣接する光起電パネル10の下側層に重なることを意味する。光起電パネル20の反対側の縁部(図示せず)において、その底部層は、さらに隣接する光起電パネルの上側層の下に配置されてもよい。
【0026】
図1において、シールアセンブリ15は、光起電パネル10と光起電パネル20との間に配置されていることが分かる。シールアセンブリ15は、第1の光起電パネル20および第2の光起電パネル10の上側層11、21に当接するための上側当接部16と、第1の光起電パネル20および第2の光起電パネル10の下側層13、23に当接するための下側当接部18とを備えていることが分かる。シールアセンブリは、上側当接部16を下側当接部18と接続し、かつ第1の光起電パネル20の上側層21と第2の光起電パネル10の下側層13との間に配置されるように構成された中間部14をさらに備える。
【0027】
より詳細には、この例では、上側当接部16は、パネル20の上側層21の第1の側縁21Bと、ソーラーパネル10の上側層11の第2の側縁11Aとの間に配置されている。そして、下側当接部18は、ソーラーパネル10の下側層13の第2の側縁13Aと、ソーラーパネル20の下側層23の第1の側縁23Bとの間に配置されている。
【0028】
【0029】
図2Aおよび
図2Bは、隣接する光起電パネルの間に配置された本開示の一例による光起電パネルのアレイおよびシールアセンブリの断面図である。
図2Aおよび
図2Bは、第1の光起電パネル20と第2の光起電パネル10との間に配置するためのシールアセンブリ15を示し、第1の光起電パネル20および第2の光起電パネル10は、第1の側縁と、第1の側縁の反対側の第2の側縁とを有し、上側層11、21および下側層13、23を備える。同じシールアセンブリが、図示の光起電パネルの両端に配置されてもよいことが分かる。
【0030】
図2Bは、この例において、上側当接部16が、光起電パネル20の上側層21の第1の側縁21Bに接触するための第1の側面16Aをどのように備えるかを示す。この例における上側当接部は、光起電パネル10の上側層11の第2の側縁11Aに接触するための第2の側面16Bをさらに備える。
【0031】
同様に、下側当接部18は、光起電パネル20の下側層23の第1の側縁23Bに接触するための第1の側面18Aと、光起電パネル10の下側層13の第2の側縁13Aに接触するための第2の側面18Bとを備えてもよい。
【0032】
中間部14は、当接部16と当接部18とを接続している。中間部は、光起電パネル20の上側層21と接触するように構成された上面14Aと、光起電パネル10の下側層13と接触するように構成された底面14Bとを有することができる。
【0033】
これらの説明は、光起電パネル20の上側層23が光起電パネル10の下側層11と重なる一方の側縁についてのみ与えられているが、同様のシールアセンブリ15が、光起電パネル20の反対側の縁部、および光起電パネル10の反対側の側縁、および連続する後続の光起電パネルの側縁に配置されてもよいことは明らかである。
【0034】
図示のように、上側当接部の上縁は、第1の光起電パネル20の上面および第2の光起電パネル10の上面と実質的に同じ高さである。上側当接部16を光起電パネルと面一に配置することによって、シールアセンブリ15に対する、またはパネル10、20の間おける、汚れ、湿気、ほこり、葉などの蓄積を回避することができる。このようにして、コケの成長を回避することができる。これにより、清掃およびメンテナンスの必要性を減らすことができ、発電の増加および/または光起電パネルの平均寿命の増加につながる可能性さえある。
【0035】
上側当接部の高さは、光起電パネルの上側層11、21の厚さに実質的に対応することができる。中間部14の厚さは、一般に、ソーラーパネルの上側層と下側層との間の厚さまたは間隙に対応することができる。下側当接部18の高さは、光起電パネルの下側層13、23の厚さよりも短くてもよい。これらの下側当接部をわずかに短くすることによって材料使用量を低減することができ、それらの機能を果たし、パネル間の損傷を回避するために、パネルの下縁まで延在する必要はない。
【0036】
図2Bに見られるように、中間部14の下縁14Bは、ラビリンスシール19を形成するための複数の突出部(19)を備えることができる。ラビリンスシールは、漏れを防止するための曲がりくねった経路を提供するシールであり、この特定の例では、シールは、雨水が屋根構造の下に滴下するのを防止するように配置される。ラビリンスシールの突出部の数を変えることができることは明らかである。
【0037】
また、上側当接部16および/または下側当接部18は、構造部材16C、18Cを備えてもよいことが分かる。上側当接部、中間部、および下側当接部を含むシールアセンブリ15の本体は、例えばエラストマー、ゴム、またはシリコン材料から作製されてもよい。そのような材料はまた、ガラス繊維または炭素繊維のような強度および/または剛性を高めるための要素を含むことができる。一例では、強度および剛性を高めるために、上側当接部および/または下側当接部は、例えば剛性ポリマーまたは金属のロッドまたはバーを備えることができる。比較的剛性の高い上側当接部および下側当接部を設けることにより、シールを形成しなければならない作業者の取り扱いを容易にすることができる。
【0038】
いくつかの例では、シールアセンブリはロール上に設けられてもよく、パネルの特定の配列に対して必要に応じて適切な長さが切り取られてもよい。他の例では、シールアセンブリは、それが使用されるパネルの幅に対応する特定の長さで設けられ提供される。
【0039】
いくつかの例では、第1および第2の光起電パネル10、20の上側層11、21はガラス板を備えてもよい。そのようなガラス板は、パネルに構造的強度および剛性を提供するのに役立つ。ガラス板は、PVセルを雹または物体の衝撃からさらに保護する。いくつかの図示されていない例では、光起電パネルは、アルミニウムフレームなどのフレームを備えてもよい。
【0040】
いくつかの例では、第1および第2の光起電パネルの下側層13、23は、ソーラーバックシート(solar back sheet)を備えてもよい。
【0041】
いくつかの例では、第1および第2の光起電パネルは、ポリマーマトリックスに封入された複数の光起電セル17、27を備えてもよい。光起電セルは結晶セルであってもよいが、他のタイプのセルを使用することもできる。ポリマーマトリックスは、エチレン-酢酸ビニル(EVA)によって形成されてもよく、またはそれを備えてもよい。
【0042】
いくつかの例では、活性層(すなわち、この例では、封入された光起電セル)は、上側層と下側層との間に配置されてもよい。本明細書に示す層(二層)の分離は、パネルの製造を容易にすることができる。
【0043】
いくつかの例では、シールアセンブリの長さは、第1および第2の光起電パネルの第1の側縁の長さよりも大きくてもよい。構造に応じて、複数のパネルを並べて配置することができ、次いで、複数のパネルの第1の側縁に沿って延びるようにシールアセンブリを配置することができる。次いで、後続のパネルをシーリングアセンブリに対して配置することができる。
【0044】
いくつかの例では、第1および第2の光起電パネルは、第3の側縁と、第3の側縁の反対側の第4の側縁とをさらに備えることができ、第3および第4の側縁における第1の光起電パネルおよび第2の光起電パネルの上側層および下側層はオフセットされていない。屋根構造では、より高い列の光起電パネルの下縁(例えば、第3の縁)は、より低い列のパネルの上部(第4の縁)に重なってもよい。これは、例えば
図3に見ることができる。
【0045】
他の例では、光起電パネルはまた、第3および第4の側縁にオフセットを有してもよい。そのような場合、同様のシールアセンブリが、第3および第4の側縁において光起電パネルの間に配置されてもよい。
【0046】
図3は、屋根構造の構築の一例を概略的に示す。この例の屋根構造は、支持フレームワークと、光起電パネルのアレイとを備える。光起電パネルまたは光起電屋根タイルは、複数の列を含むことができる。最上段には、光起電パネル10、20、40および50が示されている。
【0047】
この例における支持フレームワークは、上部梁36、底部梁38、上部梁36と底部梁との間に延びる複数の垂直梁32A、32Bなど、ならびに上部梁および底部梁と実質的に平行に配置された複数の水平梁34A、34B、34Cなどを備える。
【0048】
第1および第2の光起電パネル10、20は、支持フレームワークの梁のうちの1つ以上に取り付けられてもよく、具体的には、第1および第2の光起電パネル10、20は、水平梁34A、34Bなどのうちの1つに取り付けられてもよい。より具体的には、光起電パネルは、隣接する水平梁34間の距離に実質的に及ぶことができる。いくつかの例では、光起電パネルは、2つの水平梁に固定されてもよい。
【0049】
光起電パネルを梁に固定する1つの方法を
図1に示した。第1および第2の光起電パネルは、1つまたは複数の金属ブラケットを用いて支持フレームワークの梁のうちの1つに取り付けることができる。パネルの取り付けは、クランプ、接着剤、ねじ、またはこれらの組み合わせを含むことができる。隣接するパネルが一列に部分的に重なるため、それらは互いに支持も提供する。
【0050】
図3Aおよび
図3Bでは、より高いパネル列(例えば、パネル10、20、40、50を備える最上段)の底縁が、より低いパネル列の上縁と重なっていることが分かる。しかしながら、活物質、すなわち光起電セルは隣接するパネルによって覆われていないことが分かる。
【0051】
本明細書で開示される技術および構成では、屋根全体または屋根の一部を、効率的で審美的に好ましく費用効果の高いやり方で、ソーラー屋根タイルで覆うことができる。
【0052】
本発明のいくつかの特定の実施形態および例のみが本明細書に開示されているが、本発明の他の代替の実施形態および/または使用、ならびにそれらの明白な修正および均等物が可能であることが当業者によって理解されるであろう。更に、本発明は、記載された特定の実施形態のすべての可能な組み合わせを網羅する。従って、本発明の範囲は、特定の実施形態によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。
【符号の説明】
【0053】
10,20 光起電パネル
11,21 光起電パネルの上側層
13,23 光起電パネルの下側層
11A,13A 側縁
21B,23B 側縁
15 シールアセンブリ
14 中間部
16 上側当接部
18 下側当接部
19 ラビリンスシールを形成する突出部
【国際調査報告】