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特表2022-552534無瞬断電源供給制御装置及びその電源供給制御装置が適用されたUPSモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】無瞬断電源供給制御装置及びその電源供給制御装置が適用されたUPSモジュール
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20221209BHJP
   H01H 9/54 20060101ALI20221209BHJP
   H02M 7/06 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
H02J9/06
H01H9/54 H
H02M7/06 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522758
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 KR2020003679
(87)【国際公開番号】W WO2021085759
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0136834
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジホン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ドンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジホン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ド,ウォンソク
【テーマコード(参考)】
5G015
5G034
5H006
【Fターム(参考)】
5G015FA13
5G015FA16
5G015GA05
5G015GA08
5G015HA02
5G015JA05
5G015JA06
5G015JA07
5G015JA09
5G015JA11
5G015JA21
5G015JA34
5G015JA47
5G015JA53
5G015JA55
5G034AD03
5H006AA03
5H006CA01
5H006CA07
5H006CB01
5H006CC08
5H006DB01
5H006FA01
5H006FA02
(57)【要約】
本発明は、UPS(Uninterruptible Power Supply)システムに関し、より詳細には、UPSモジュールに適用される無瞬断電源供給装置(STS, Static Transfer Switch)に関するものであり、直流電源の正極端及び負極端のいずれかに接続される1つの半導体整流素子と、前記半導体整流素子を迂回するように、前記半導体整流素子の入力端と出力端を接続する迂回電路と、前記迂回電路を開路又は閉路する遮断器と、所定の導通信号が受信されると、電流が導通するように前記半導体整流素子を制御し、かつ前記迂回電路が閉路されるように前記遮断器を制御し、前記遮断器により前記迂回電路が閉路されると、電流の導通が中断されるように前記半導体整流素子を制御する制御部とを含むスイッチを備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源の正極端及び負極端のいずれかに接続される1つの半導体整流素子と、
前記半導体整流素子を迂回するように、前記半導体整流素子の入力端と出力端を接続する迂回電路と、
前記迂回電路を開路又は閉路する遮断器と、
所定の導通信号が受信されると、電流が導通するように前記半導体整流素子を制御し、かつ前記迂回電路が閉路されるように前記遮断器を制御し、前記遮断器により前記迂回電路が閉路されると、電流の導通が中断されるように前記半導体整流素子を制御する制御部とを含むことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記半導体整流素子は、
シリコン制御整流素子(Silicon Controlled Rectifier, thyristor)であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記制御部は、
前記導通信号に応じて前記シリコン制御整流素子と前記遮断器を同時に制御し、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差により前記シリコン制御整流素子を介して電流が先に導通すると、前記迂回電路が閉路されているか否か検知し、検知結果に応じて電流の導通が中断されるように前記シリコン制御整流素子を制御することを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記請求項1の半導体整流素子及び前記迂回電路が接続される前記直流電源の極端とは異なる極端に接続される第2半導体整流素子と、
前記第2半導体整流素子を迂回するように、前記第2半導体整流素子の入力端と出力端を接続する第2迂回電路と、
前記第2迂回電路を開路又は閉路し、前記制御部により制御される第2遮断器とをさらに含み、
前記制御部は、
前記導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第2半導体整流素子を制御し、かつ前記第2迂回電路が閉路されるように前記第2遮断器を制御し、前記第2遮断器により前記第2迂回電路が閉路されると、電流の導通が中断されるように前記半導体整流素子をさらに制御することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記半導体整流素子と前記第2半導体整流素子は、順電流方向が前記直流電源の電流方向に一致するように配置され、接続される直流電源の極性によって異なる方向に配置されることを特徴とする請求項4に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記制御部は、
前記遮断器から受信したフィードバック(Feedback)信号、又は前記迂回電路もしくは半導体整流素子を介して供給される電流の電圧変化に基づいて、前記迂回電路が閉路されているか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項7】
所定の交流電源から供給される交流電流を直流電流に変換する交流・直流コンバータ(Converter)と、
前記交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極にそれぞれ接続される第1及び第2半導体整流素子と、
前記第1及び第2半導体整流素子を迂回するように、前記第1及び第2半導体整流素子それぞれの入力端と出力端を接続する第1及び第2迂回電路と、
前記第1及び第2迂回電路を開路又は閉路する第1及び第2遮断器と、
所定の導通信号が受信されると、前記第1及び第2半導体整流素子を経由する第1経路、及び前記第1及び第2迂回電路を経由する第2経路のいずれかを介して、前記交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極の電流が導通するように、前記第1及び第2半導体整流素子又は前記第1及び第2遮断器を制御する制御部とを含むことを特徴とする無瞬断電源供給制御装置。
【請求項8】
前記第1及び第2半導体整流素子は、
それぞれシリコン制御整流素子であることを特徴とする請求項7に記載の無瞬断電源供給制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオン(turn on)し、かつ前記第1及び第2迂回電路が閉路されるように前記第1及び第2遮断器を制御し、
シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差に応じて前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して先に電流が導通し、前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通している状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオフ(turn off)することを特徴とする請求項8に記載の無瞬断電源供給制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第1及び第2遮断器からのフィードバック信号、又は前記第1及び第2迂回電路もしくは前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して供給される電流の電圧変化に基づいて、前記第1及び第2迂回電路が閉路されているか否かを判断することを特徴とする請求項9に記載の無瞬断電源供給制御装置。
【請求項11】
前記第1及び第2迂回電路が閉路される前に、前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通すると、前記第1経路を介して前記交流・直流コンバータ出力端の正極及び負極の電流が出力され、
前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通した状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1経路及び前記第2経路の両方を介して前記交流・直流コンバータ出力端の正極及び負極の電流が出力され、
前記第1及び第2迂回電路が閉路された状態で、前記第1及び第2シリコン制御整流素子がターンオフされると、前記第2経路のみを介して前記交流・直流コンバータ出力端の正極及び負極の電流が出力されることを特徴とする請求項9に記載の無瞬断電源供給制御装置。
【請求項12】
前記交流・直流コンバータは、
複数の整流素子を有する整流素子ブリッジを含み、
前記整流素子は、
ダイオード又はシリコン制御整流素子であることを特徴とする請求項7に記載の無瞬断電源供給制御装置。
【請求項13】
前記所定の交流電源は、
商用電源とは異なる経路で負荷に電力を供給する予備電源であり、
前記所定の導通信号は、
前記予備電源から供給される電流が出力されるように前記制御部を制御する信号であり、前記商用電源に接続される他の電源供給制御装置から受信されることを特徴とする請求項7に記載の無瞬断電源供給制御装置。
【請求項14】
商用電源から供給される交流電流を直流電流に変換して出力する第1交流・直流コンバータを有する第1電源供給制御モジュールと、
バッテリから供給される直流電流の安定化又は他の電圧の直流電流への変換を行って出力する直流・直流コンバータを有する第2電源供給制御モジュールと、
予備電源から供給される交流電流を直流電流に変換して出力する第2交流・直流コンバータを有する第3電源供給制御モジュールと、
前記第1~第3電源供給制御モジュールの出力端が互いに接続されて形成され、前記第1~第3電源供給制御モジュールのいずれかから出力される直流電流を負荷に供給する共通出力端とを含み、
前記第3電源供給制御モジュールは、
対をなす遮断器及びシリコン制御整流素子を介して、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記共通出力端間が並列に接続され、
前記対をなす遮断器及びシリコン制御整流素子は、1つの遮断器と1つのシリコン制御整流素子が対をなし、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記共通出力端間を並列に接続することを特徴とするUPS(Uninterruptible Power Supply)モジュール。
【請求項15】
前記第3電源供給制御モジュールは、
前記第2交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極それぞれと、前記第3電源供給制御モジュールの正極出力端及び負極出力端それぞれ間を接続する第1及び第2シリコン制御整流素子と、
前記第1及び第2シリコン制御整流素子をそれぞれ迂回するように各シリコン制御整流素子の入力端と出力端を接続する第1及び第2迂回電路と、
前記第1及び第2迂回電路を開路又は閉路する第1及び第2遮断器と、
所定の導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオンし、前記第1及び第2迂回電路が閉路されるように前記第1及び第2遮断器を制御し、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差に応じて前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して先に電流が導通した状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオフするスイッチ制御部とを含むスイッチを備えることを特徴とする請求項14に記載のUPSモジュール。
【請求項16】
前記導通信号は、
前記第1電源供給制御モジュールの第1制御部から受信され、
前記第1制御部は、
前記商用電源の電源供給及び前記バッテリからの電源供給の両方が中断されると、前記所定の導通信号を前記スイッチ制御部に送信することを特徴とする請求項14に記載のUPSモジュール。
【請求項17】
前記第1及び第2遮断器は、
前記第1及び第2迂回電路を開路した初期(default)状態で、前記スイッチ制御部の制御により前記第1及び第2迂回電路を閉路し、
前記第1及び第2シリコン制御整流素子は、
ターンオフされた初期状態で、前記スイッチ制御部の制御によりターンオンされることを特徴とする請求項15に記載のUPSモジュール。
【請求項18】
前記商用電源と前記共通出力端間、及び前記バッテリと前記共通出力端間のそれぞれには複数の回路遮断器が備えられ、
前記複数の回路遮断器は、
前記商用電源と前記共通出力端間、又は前記バッテリと前記共通出力端間を接続するように形成された初期状態で、前記商用電源又は前記バッテリから過電流が流入すると、前記商用電源と前記共通出力端間、又は前記バッテリと前記共通出力端間を遮断するように形成されることを特徴とする請求項14に記載のUPSモジュール。
【請求項19】
商用電源及びバッテリに接続され、前記商用電源から供給される交流電流を直流電流に変換する第1交流・直流コンバータ、及び前記バッテリから供給される直流電流の安定化又は他の電圧の直流電流への変換を行う直流・直流コンバータを有し、前記第1交流・直流コンバータの出力と前記直流・直流コンバータの出力が互いに接続されて形成される第1出力端を介して、前記商用電源から供給される電流及び前記バッテリから供給される電流のいずれかを出力する第1モジュールと、
予備電源から供給される交流電流を直流電流に変換して出力する第2交流・直流コンバータを有する第2モジュールと、
前記第1出力端と前記第2モジュールの出力端が互いに接続されて形成され、前記第1モジュール及び第2モジュールのいずれかから出力される直流電流を負荷に供給する第2出力端とを含み、
前記第2モジュールは、
対をなす遮断器及びシリコン制御整流素子を介して、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記第2出力端間が並列に接続され、前記対をなす遮断器及びシリコン制御整流素子は、1つの遮断器と1つのシリコン制御整流素子が対をなし、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記第2出力端間を並列に接続することを特徴とするUPSモジュール。
【請求項20】
前記第2モジュールは、
前記第2交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極それぞれと、前記第2モジュールの正極出力端及び負極出力端それぞれ間を接続する第1及び第2シリコン制御整流素子と、
前記第1及び第2シリコン制御整流素子をそれぞれ迂回するように各シリコン制御整流素子の入力端と出力端を接続する第1及び第2迂回電路と、
前記第1及び第2迂回電路の開路又は閉路を制御する第1及び第2遮断器と、
所定の導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオンし、前記第1及び第2迂回電路が閉路されるように前記第1及び第2遮断器を制御し、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差に応じて前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して先に電流が導通し、前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通している状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオフするスイッチ制御部とを含むスイッチを備えることを特徴とする請求項19に記載のUPSモジュール。
【請求項21】
前記第1モジュールは、
第1制御部により制御され、
前記第1制御部は、
前記商用電源の電源供給及び前記バッテリからの電源供給の両方が中断されると、前記所定の導通信号を前記スイッチ制御部に送信することを特徴とする請求項20に記載のUPSモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UPS(Uninterruptible Power Supply)モジュールに関し、より詳細には、UPSモジュールに適用される無瞬断電源供給装置(STS, Static Transfer Switch)に関する。
【背景技術】
【0002】
現在は、技術の発達につれて産業システムが高度化する傾向にあり、そのような高度化した産業システムに応じて自動化及び高速化した産業機器が運用されている。
【0003】
このような産業機器の自動化及び高速化により、前記産業機器の電力を供給する電力系統に問題が生じると、停電による莫大な被害が発生する。また、前記電力系統の問題は電力が供給される産業機器自体の損傷をもたらすことがあるので、その被害はさらに大きくなる。よって、このような突然の停電や異常電流などの電力系統の問題が生じた場合に、所定量の電流が充電されたバッテリを用いて、負荷、すなわち産業機器に代替電力を供給するUPSモジュールを導入することにより、商用電源の電力系統に異常が発生しても安定した電力を供給することができる。
【0004】
しかし、通常、UPSモジュールは、バッテリを用いて代替電力を供給する。よって、バッテリに充電された電流が全て放電されると、負荷への電力供給が中断されるという問題があった。
【0005】
このように、通常のUPS装置はバッテリの充電容量に応じて代替電力の供給時間が限定されるので、より大きな充電容量を有するバッテリが求められている。しかし、バッテリにおいては、充電容量に応じて価格が決定されるので、バッテリの充電容量に伴ってUPS装置の価格が上昇するという問題がある。
【0006】
上記問題を解決する方法として、バッテリだけでなく、予備電源(以下、Bypass電源)に接続される経路をさらに備え、前記予備電源から電力が供給されるようにするUPSモジュールが登場した。このようなUPSモジュールにおいては、バッテリが全て放電された後も予備電源から電力が供給され、負荷に電力を供給することができるので、バッテリが全て放電されても負荷に電力が供給されるという利点がある。
【0007】
しかし、高度化した産業機器においては無瞬断電力供給が求められるので、予備電源が接続される場合には、非常に短時間で前記予備電源が接続される経路に電力供給経路のスイッチングが行われなければならないという問題がある。よって、現在、前記予備電源への電力供給経路スイッチングをより短時間で行えるようにする方法が盛んに研究されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題及び他の問題を解決することを目的とし、電源供給経路のスイッチングをより高速で行えるようにする無瞬断電源供給制御装置及びUPSモジュールを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、商用電源とバッテリから供給される電力が中断されると、より短時間で予備電源から電流の供給を受けて負荷に伝達することのできる無瞬断電源供給制御装置及びUPSモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的又は他の目的を達成するための本発明の一態様によれば、本発明の実施形態によるスイッチは、直流電源の正極端及び負極端のいずれかに接続される1つの半導体整流素子と、前記半導体整流素子を迂回するように、前記半導体整流素子の入力端と出力端を接続する迂回電路(electric circuit)と、前記迂回電路を開路又は閉路する遮断器と、所定の導通信号が受信されると、電流が導通するように前記半導体整流素子を制御し、かつ前記迂回電路が閉路されるように前記遮断器を制御し、前記遮断器により前記迂回電路が閉路されると、電流の導通が中断されるように前記半導体整流素子を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【0011】
一実施形態において、前記半導体整流素子は、シリコン制御整流素子(SCR: Silicon Controlled Rectifier, thyristor)であることを特徴とする。
【0012】
一実施形態において、前記制御部は、前記導通信号に応じて前記シリコン制御整流素子と前記遮断器を同時に制御し、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差により前記シリコン制御整流素子を介して電流が先に導通すると、前記迂回電路が閉路されているか否か検知し、検知結果に応じて電流の導通が中断されるように前記シリコン制御整流素子を制御することを特徴とする。
【0013】
一実施形態において、前記実施形態の半導体整流素子及び前記迂回電路が接続される前記直流電源の極端とは異なる極端に接続される第2半導体整流素子と、前記第2半導体整流素子を迂回するように、前記第2半導体整流素子の入力端と出力端を接続する第2迂回電路と、前記第2迂回電路を開路又は閉路し、前記制御部により制御される第2遮断器とをさらに含み、前記制御部は、前記導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第2半導体整流素子を制御し、かつ前記第2迂回電路が閉路されるように前記第2遮断器を制御し、前記第2遮断器により前記第2迂回電路が閉路されると、電流の導通が中断されるように前記半導体整流素子をさらに制御することを特徴とする。
【0014】
一実施形態において、前記半導体整流素子と前記第2半導体整流素子は、順電流方向が前記直流電源の電流方向に一致するように配置され、接続される直流電源の極性によって異なる方向に配置されることを特徴とする。
【0015】
一実施形態において、前記制御部は、前記遮断器から受信したフィードバック(Feedback)信号、又は前記迂回電路もしくは半導体整流素子を介して供給される電流の電圧変化に基づいて、前記迂回電路が閉路されているか否かを判断することを特徴とする。
【0016】
上記目的又は他の目的を達成するための本発明の一態様によれば、本発明の実施形態による無瞬断電源供給制御装置は、所定の交流電源から供給される交流電流を直流電流に変換する交流・直流コンバータ(Converter)と、前記交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極にそれぞれ接続される第1及び第2半導体整流素子と、前記第1及び第2半導体整流素子を迂回するように、前記第1及び第2半導体整流素子それぞれの入力端と出力端を接続する第1及び第2迂回電路と、前記第1及び第2迂回電路を開路又は閉路する第1及び第2遮断器と、所定の導通信号が受信されると、前記第1及び第2半導体整流素子を経由する第1経路、及び前記第1及び第2迂回電路を経由する第2経路のいずれかを介して、前記交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極の電流が導通するように、前記第1及び第2半導体整流素子又は前記第1及び第2遮断器を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【0017】
一実施形態において、前記第1及び第2半導体整流素子は、それぞれシリコン制御整流素子であることを特徴とする。
【0018】
一実施形態において、前記制御部は、前記導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオン(turn on)し、かつ前記第1及び第2迂回電路が閉路されるように前記第1及び第2遮断器を制御し、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差に応じて前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して先に電流が導通し、前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通している状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオフ(turn off)することを特徴とする。
【0019】
一実施形態において、前記制御部は、前記第1及び第2遮断器からのフィードバック信号、又は前記第1及び第2迂回電路もしくは前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して供給される電流の電圧変化に基づいて、前記第1及び第2迂回電路が閉路されているか否かを判断することを特徴とする。
【0020】
一実施形態において、前記第1及び第2迂回電路が閉路される前に、前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通すると、前記第1経路を介して前記交流・直流コンバータ出力端の正極及び負極の電流が出力され、前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通した状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1経路及び前記第2経路の両方を介して前記交流・直流コンバータ出力端の正極及び負極の電流が出力され、前記第1及び第2迂回電路が閉路された状態で、前記第1及び第2シリコン制御整流素子がターンオフされると、前記第2経路のみを介して前記交流・直流コンバータ出力端の正極及び負極の電流が出力されることを特徴とする。
【0021】
一実施形態において、前記交流・直流コンバータは、複数の整流素子を有する整流素子ブリッジ(bridge)を含み、前記整流素子は、ダイオード又はシリコン制御整流素子であることを特徴とする。
【0022】
一実施形態において、前記所定の交流電源は、商用電源とは異なる経路で負荷に電力を供給する予備電源であり、前記所定の導通信号は、前記予備電源から供給される電流が出力されるように前記制御部を制御する信号であり、前記商用電源に接続される他の電源供給制御装置から受信されることを特徴とする。
【0023】
上記目的又は他の目的を達成するための本発明の一態様によれば、本発明の実施形態によるUPSモジュールは、商用電源から供給される交流電流を直流電流に変換して出力する第1交流・直流コンバータを有する第1電源供給制御モジュールと、バッテリから供給される直流電流の安定化又は他の電圧の直流電流への変換を行って出力する直流・直流コンバータを有する第2電源供給制御モジュールと、予備電源から供給される交流電流を直流電流に変換して出力する第2交流・直流コンバータを有する第3電源供給制御モジュールと、第1~第3電源供給制御モジュールの出力端が互いに接続されて形成され、前記第1~第3電源供給制御モジュールのいずれかから出力される直流電流を負荷に供給する共通出力端とを含み、前記第3電源供給制御モジュールは、対(Pair)をなす遮断器及びシリコン制御整流素子を介して、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記共通出力端間が並列に接続され、前記対をなす遮断器及びシリコン制御整流素子は、1つの遮断器と1つのシリコン制御整流素子が対をなし、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記共通出力端間を並列に接続することを特徴とする。
【0024】
一実施形態において、前記第3電源供給制御モジュールは、前記第2交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極それぞれと、前記第3電源供給制御モジュールの正極出力端及び負極出力端それぞれ間を接続する第1及び第2シリコン制御整流素子と、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をそれぞれ迂回するように各シリコン制御整流素子の入力端と出力端を接続する第1及び第2迂回電路と、前記第1及び第2迂回電路を開路又は閉路する第1及び第2遮断器と、所定の導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオンし、前記第1及び第2迂回電路が閉路されるように前記第1及び第2遮断器を制御し、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差に応じて前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して先に電流が導通した状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオフするスイッチ制御部とを含むスイッチを備えることを特徴とする。
【0025】
一実施形態において、前記導通信号は、前記第1電源供給制御モジュールの第1制御部から受信され、前記第1制御部は、前記商用電源の電源供給及び前記バッテリからの電源供給の両方が中断されると、前記所定の導通信号を前記スイッチ制御部に送信することを特徴とする。
【0026】
一実施形態において、前記第1及び第2遮断器は、前記第1及び第2迂回電路を開路した初期(default)状態で、前記スイッチ制御部の制御により前記第1及び第2迂回電路を閉路し、前記第1及び第2シリコン制御整流素子は、ターンオフされた初期状態で、前記スイッチ制御部の制御によりターンオンされることを特徴とする。
【0027】
一実施形態において、前記商用電源と前記共通出力端間、及び前記バッテリと前記共通出力端間のそれぞれには複数の回路遮断器が備えられ、前記複数の回路遮断器は、前記商用電源と前記共通出力端間、又は前記バッテリと前記共通出力端間を接続するように形成された初期状態で、前記商用電源又は前記バッテリから過電流が流入すると、前記商用電源と前記共通出力端間、又は前記バッテリと前記共通出力端間を遮断するように形成されることを特徴とする。
【0028】
上記目的又は他の目的を達成するための本発明の一態様によれば、本発明の実施形態によるUPSモジュールは、商用電源及びバッテリに接続され、前記商用電源から供給される交流電流を直流電流に変換する第1交流・直流コンバータ、及び前記バッテリから供給される直流電流の安定化又は他の電圧の直流電流への変換を行う直流・直流コンバータを有し、前記第1交流・直流コンバータの出力と前記直流・直流コンバータの出力が互いに接続されて形成される第1出力端を介して、前記商用電源から供給される電流及び前記バッテリから供給される電流のいずれかを出力する第1モジュールと、予備電源から供給される交流電流を直流電流に変換して出力する第2交流・直流コンバータを有する第2モジュールと、前記第1出力端と前記第2モジュールの出力端が互いに接続されて形成され、前記第1モジュール及び第2モジュールのいずれかから出力される直流電流を負荷に供給する第2出力端とを含み、前記第2モジュールは、対をなす遮断器及びシリコン制御整流素子を介して、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記第2出力端間が並列に接続され、前記対をなす遮断器及びシリコン制御整流素子は、1つの遮断器と1つのシリコン制御整流素子が対をなし、前記第2交流・直流コンバータの出力端と前記第2出力端間を並列に接続することを特徴とする。
【0029】
一実施形態において、前記第2モジュールは、前記第2交流・直流コンバータの出力端の正極及び負極それぞれと、前記第2モジュールの正極出力端及び負極出力端それぞれ間を接続する第1及び第2シリコン制御整流素子と、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をそれぞれ迂回するように各シリコン制御整流素子の入力端と出力端を接続する第1及び第2迂回電路と、前記第1及び第2迂回電路の開路又は閉路を制御する第1及び第2遮断器と、所定の導通信号が受信されると、電流が導通するように前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオンし、前記第1及び第2迂回電路が閉路されるように前記第1及び第2遮断器を制御し、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差に応じて前記第1及び第2シリコン制御整流素子を介して先に電流が導通し、前記第1及び第2シリコン制御整流素子に電流が導通している状態で、前記第1及び第2迂回電路が閉路されると、前記第1及び第2シリコン制御整流素子をターンオフするスイッチ制御部とを含むスイッチを備えることを特徴とする。
【0030】
一実施形態において、前記第1モジュールは、第1制御部により制御され、前記第1制御部は、前記商用電源の電源供給及び前記バッテリからの電源供給の両方が中断されると、前記所定の導通信号を前記スイッチ制御部に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
以下、本発明による無瞬断電源供給制御装置及びその無瞬断電源供給制御装置が適用されたUPSモジュールの効果について説明する。
【0032】
本発明の実施形態の少なくとも1つによれば、本発明は、直流電流が入力され、1つのシリコン制御整流素子及び前記シリコン制御整流素子を迂回する迂回電路のいずれかを介して、入力された前記直流電流が供給されるようにすることにより、備えられるシリコン制御整流素子の数を減らすことができ、負荷に電流が供給されるまでの所要時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0033】
本発明の実施形態のうち少なくとも1つによれば、本発明は、無瞬断電源供給制御装置の前段に交流・直流コンバータを備え、予備電源から供給される交流電流が一定水準の電圧を有する直流電流に変換されるようにし、変換された直流電流が無瞬断電源供給制御装置に供給されるようにすることにより、前記無瞬断電源供給制御装置が1つのシリコン制御整流素子及びそのシリコン制御整流素子を迂回する迂回電路のいずれかを介して、前記予備電源の電流を負荷に供給することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明による無瞬断電源供給制御装置について説明するためのブロック図である。
図2】本発明による無瞬断電源供給制御装置における、制御部100の制御によりシリコン制御整流素子又は迂回電路を介して予備電源の電流が負荷に供給される過程の例を示す図である。
図3】本発明による無瞬断電源供給制御装置における、制御部100の制御によりシリコン制御整流素子又は迂回電路を介して予備電源の電流が負荷に供給される過程の例を示す図である。
図4】本発明による無瞬断電源供給制御装置における、制御部100の制御によりシリコン制御整流素子又は迂回電路を介して予備電源の電流が負荷に供給される過程の例を示す図である。
図5】本発明による無瞬断電源供給制御装置を備えるUPSモジュールの実施形態を示すブロック図である。
図6】本発明による無瞬断電源供給制御装置を備えるUPSモジュールの他の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して、本明細書に開示される実施形態について詳細に説明するが、図面番号に関係なく同一又は類似の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。以下の説明で用いる構成要素の接尾辞である「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与又は混用されるものであり、それ自体が有意性や有用性を有するものではない。また、本明細書に開示される実施形態について説明するにあたり、関連する公知技術についての具体的な説明が本明細書に開示される実施形態の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。なお、添付図面は本明細書に開示される実施形態を容易に理解できるようにするためのものにすぎず、添付図面により本明細書に開示される技術的思想が限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物又は代替物が本発明に含まれるものと理解されるべきである。
【0036】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために用いられるが、前記構成要素を限定するものではない。上記用語は一構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。
【0037】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」又は「接続されている」と言及される場合、他の構成要素に直接連結又は接続されていることもあり、中間にさらに他の構成要素が存在することもあるものと解すべきである。それに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」又は「直接接続されている」と言及される場合、中間にさらに他の構成要素が存在しないものと解すべきである。
【0038】
単数表現には、特に断らない限り複数表現が含まれる。
【0039】
本発明における「含む」、「有する」などは、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はそれらの組み合わせが存在することを示すものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではない。
【0040】
まず、図1は本発明による無瞬断電源供給制御装置10について説明するためのブロック図である。
【0041】
図1に示すように、本発明による無瞬断電源供給制御装置10は、制御部100と、制御部100により制御されるスイッチ130とを備え、入力される交流電流を直流電流に変換する交流・直流コンバータ120をさらに備える。また、スイッチ130の正極端及び負極端は、それぞれ無瞬断電源供給制御装置10の正極出力端P及び負極出力端Nに接続される。さらに、無瞬断電源供給制御装置10の出力端(正極出力端P及び負極出力端N)を介して、交流・直流コンバータ120で変換された直流電流が出力される。
【0042】
ここで、交流・直流コンバータ120は、入力される多相の交流電流を直流電流に変換する。そのために、交流・直流コンバータ120は、整流素子が複数接続されるブリッジ整流回路を含む。前記整流素子は、ダイオード(diode)又はシリコン制御整流素子である。しかし、以下の説明では、前記整流素子がダイオードであると仮定して説明する。
【0043】
交流・直流コンバータ120に備えられるダイオードは、図1に示すように、ブリッジ状に配線される。ここで、入力される交流電流が三相(R相,S相,T相)の交流電流110である場合、交流・直流コンバータ120は、三相の交流電流110を直流電流に変換するために、図1に示すブリッジ状に配線された6個のダイオードD1~D6を含む。
【0044】
また、図1に示すように、三相の交流電流110が入力される場合、各相電圧(R相電圧/S相電圧/T相電圧)が交流・直流コンバータ120の各ダイオードに印加される。より詳細には、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2にはR相電圧が印加され、第3ダイオードD3及び第4ダイオードD4にはS相電圧が印加される。また、第5ダイオードD5及び第6ダイオードD6にはT相電圧が印加される。さらに、各ダイオードは、各相に対応する電圧を全波整流する。
【0045】
また、交流・直流コンバータ120は、全波整流した各相電圧(Vr/Vs/Vt)を順次出力する。よって、出力される電圧は平滑作用を受けるので、交流・直流コンバータ120に入力された三相の交流電流は直流電流に変換されて出力される。
【0046】
一方、三相の交流電流110と交流・直流コンバータ120間には、過電流又はアーク(arc)から無瞬断電源供給制御装置10の回路を保護できるように、MCCB(Molded CirCuit Breaker)、ACB(Air Circuit Breaker)などの遮断器112が少なくとも1つ備えられる。
【0047】
また、スイッチ130は、交流・直流コンバータ120の出力端及び無瞬断電源供給制御装置10の出力端のそれぞれを半導体整流素子及び遮断器を介して並列に接続する。
【0048】
前記半導体整流素子は、応答速度及び動作速度が所定の速度以上であり、大きな電力を制御することができ、寿命が半永久的な高速の大電流、高電圧スイッチング素子である。このような半導体整流素子の例としてシリコン制御整流素子が挙げられる。以下の説明では、前記半導体整流素子としてシリコン制御整流素子が備えられると仮定して説明する。
【0049】
より詳細には、スイッチ130は、交流・直流コンバータ120の出力端の正極端と無瞬断電源供給制御装置10の正極出力端P間に配置される第1シリコン制御整流素子133を含む。ここで、第1シリコン制御整流素子133は、順電流方向が交流・直流コンバータ120の出力端の正極端電流、すなわち正極電流の電流方向に一致するように配置される。
【0050】
また、スイッチ130は、第1シリコン制御整流素子133の入力端と出力端を接続し、第1シリコン制御整流素子133を迂回して交流・直流コンバータ120の出力端の正極端と無瞬断電源供給制御装置10の正極出力端Pを接続する第1迂回電路131と、第1迂回電路131の開路又は閉路を制御する第1遮断器135とを含む。
【0051】
よって、交流・直流コンバータ120の正極端は、第1シリコン制御整流素子133及び第1迂回電路131(第1迂回電路131が閉路された場合)のいずれかを介して無瞬断電源供給制御装置10の正極出力端Pと導通する。
【0052】
また、スイッチ130は、交流・直流コンバータ120の出力端の負極端と無瞬断電源供給制御装置10の負極出力端N間に配置される第2シリコン制御整流素子134を含む。ここで、第2シリコン制御整流素子134は、順電流方向が交流・直流コンバータ120の出力端の負極端電流、すなわち負極電流の電流方向に一致するように配置される。
【0053】
さらに、スイッチ130は、第2シリコン制御整流素子134の入力端と出力端を接続し、第2シリコン制御整流素子134を迂回して交流・直流コンバータ120の出力端の負極端と無瞬断電源供給制御装置10の負極出力端Nを接続する第2迂回電路132と、第2迂回電路132の開路又は閉路を制御する第2遮断器136とを含む。
【0054】
よって、交流・直流コンバータ120の負極端は、第2シリコン制御整流素子134及び第2迂回電路132(第2迂回電路132が閉路された場合)のいずれかを介して無瞬断電源供給制御装置10の負極出力端Nと導通する。
【0055】
また、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134の出力端それぞれと、無瞬断電源供給制御装置10の正極出力端P及び負極出力端Nのそれぞれ間には、第1DCリアクトル(reacter)141及び第2DCリアクトル142がさらに配置される。ここで、第1DCリアクトル141及び第2DCリアクトル142は、直流出力と負荷間の誘導リアクトルであり、故障電流を制限したり、負荷の脈動を制御する。
【0056】
一方、制御部100は、所定の導通信号が受信されると、各シリコン制御整流素子及び各迂回電路のいずれかを介して、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通するように、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134並びに第1遮断器135及び第2遮断器136を制御する。
【0057】
ここで、三相の交流電流110は、所定の予備電源(Bypass電源)である。この場合、前記導通信号は、商用電源の電力系統に発生した問題により、バッテリを介して代替電力が負荷に供給されている状態で電力供給が中断されると、前記予備電源の電力を負荷に供給するために制御部100に送信される信号である。
【0058】
この場合、前記導通信号を受信した制御部100は、無瞬断電源供給のために求められる時間(例えば、4ms)以内に交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通するようにスイッチ130を制御する。こうして、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通すると、前記予備電源から供給される交流電流が直流電流の形態で出力され、負荷(負荷に接続される電力変換装置)に供給される。
【0059】
一方、シリコン制御整流素子133、134は、素子の特性上、非常に速い応答速度(動作速度)を有するので、非常に短時間で交流・直流コンバータ120の出力端(正極端及び負極端)と無瞬断電源供給制御装置10の出力端(正極出力端P及び負極出力端N)を導通させる。その反面、半導体素子であるので、電流が導通する時間が長くなると、それによる発熱が発生し、発熱による回路損傷が発生する。
【0060】
一方、遮断器135、136においては、発熱が発生しないという利点があるが、応答速度(動作速度)が遅いので、無瞬断電源供給のために求められる時間内に交流・直流コンバータ120の出力端(正極端及び負極端)と無瞬断電源供給制御装置10の出力端(正極出力端P及び負極出力端N)を導通させることが困難であるという欠点がある。
【0061】
よって、制御部100は、先に高速スイッチングが可能なシリコン制御整流素子をターンオンし、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端を導通させる。こうして、迂回電路を介して交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通すると、前記シリコン制御整流素子をターンオフし、前記シリコン制御整流素子を介した電流の導通を中断する。
【0062】
よって、制御部100は、前記無瞬断電源供給のために求められる時間内に交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端を導通させると共に、前記シリコン制御整流素子の発熱により損傷が発生することを防止する。
【0063】
図2図4は本発明による無瞬断電源供給制御装置10における、制御部100の制御によりシリコン制御整流素子又は迂回電路を介して予備電源の電流が負荷に供給される過程の例をより詳細に説明するための図である。
【0064】
まず、所定の導通信号が受信されない場合、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端は、互いに接続されていない状態が維持される。すなわち、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134はターンオフされた状態であり、第1迂回電路131及び第2迂回電路132はオープン(open)された第1遮断器135及び第2遮断器136により開路された状態である。
【0065】
この状態で、前記所定の導通信号が受信されると、制御部100は、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134と第1遮断器135及び第2遮断器136を同時に制御し、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134をターンオンし、第1遮断器135及び第2遮断器136をクローズ(close)する。この場合、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134をターンオンするための制御信号(ターンオン信号)と、第1遮断器135及び第2遮断器136をクローズするための制御信号(クローズ信号)が同時に出力され、スイッチ130に入力される(200)。
【0066】
そうすると、前記ターンオン信号とクローズ信号は、それぞれ第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134と第1遮断器135及び第2遮断器136に同時に受信される。しかし、前述したように、シリコン制御整流素子の動作速度が遮断器の動作速度よりはるかに速いので、第1遮断器135及び第2遮断器136がクローズされる前に、先に第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134がターンオンされる。
【0067】
よって、第1迂回電路131及び第2迂回電路132が閉路される前に、ターンオンした第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134を介して、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通する。よって、図2の電流出力経路210、220に示すように、シリコン制御整流素子133、134を介して、前記予備電源から供給される交流電流が直流電流の形態で出力され、負荷(負荷に接続される電力変換装置)に供給される。
【0068】
一方、第1迂回電路131及び第2迂回電路132は、シリコン制御整流素子と遮断器の動作速度差に応じて、先に第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134を介して、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通した状態で閉路される。
【0069】
この場合、図3に示すように、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端は、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134だけでなく、第1迂回電路131及び第2迂回電路132を介しても導通する。よって、図3に示すように、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134を経由する経路210、220だけでなく、第1迂回電路131及び第2迂回電路132を経由する経路310、320を介しても、前記予備電源から供給される交流電流が直流電流の形態で出力され、負荷(負荷に接続される電力変換装置)に供給される。一方、負荷に電流が供給される経路が増加するにつれて、先に導通した経路(第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134を経由して電流が供給される経路210、220)の電圧が低くなる。
【0070】
一方、第1遮断器135及び第2遮断器136がクローズされると、制御部100は、第1迂回電路131及び第2迂回電路132が閉路されたことを検知する(300)。例えば、制御部100は、第1遮断器135及び第2遮断器136からフィードバック信号を受信すると、第1遮断器135及び第2遮断器136がクローズされたと判断する。あるいは、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134を経由して電流が供給される経路210、220の電圧変化により、第1迂回電路131及び第2迂回電路132が閉路されたか否かを検知する。あるいは、第1迂回電路131及び第2迂回電路132から検知される電圧に基づいて、第1迂回電路131及び第2迂回電路132が閉路されたか否かを検知する。
【0071】
こうして、第1迂回電路131及び第2迂回電路132の閉路を検知すると、制御部100は、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134にターンオフ信号を送信する。そうすると、それを受信した第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134がターンオフ状態に転換されるので、第1シリコン制御整流素子133及び第2シリコン制御整流素子134を介した電流の導通が中断される。
【0072】
よって、図4に示すように、閉路された第1迂回電路131及び第2迂回電路132のみを介して、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通する。よって、前記予備電源から供給される交流電流が直流電流の形態で、第1迂回電路131及び第2迂回電路132を介して出力される。
【0073】
図2図4に示すように、本発明は、シリコン制御整流素子と遮断器が並列に接続されるようにし、所定の導通信号が受信されると遮断器より先にシリコン制御整流素子を介して予備電源が接続されるようにすることにより、電力供給が中断されることなく(無瞬断)、負荷に電力が供給されるようにする。また、動作速度の差に応じて遮断器を介して予備電源が接続されると、前記シリコン制御整流素子を介した予備電源の接続を遮断することにより、半導体素子を備えるシリコン制御整流素子における電流導通に伴う発熱の発生を防止することができる。
【0074】
また、本発明の実施形態による無瞬断電源供給制御装置10は、多相の交流電流を供給する予備電源に交流・直流コンバータ120を接続し、前記多相の交流電流が直流電流に変換されるようにする。さらに、シリコン制御整流素子がターンオフされ、遮断器がオープンされた状態をスイッチ130の初期状態として維持することにより、前記変換された直流電流がスイッチ130に入力されている状態で、スイッチ130を介して前記負荷に電流が流れることを遮断し、所定の導通信号が受信されるまで、前記遮断部の入力端の電圧を一定水準以上に維持する。
【0075】
よって、制御部100によりスイッチ130が制御され、交流・直流コンバータ120の出力端と無瞬断電源供給制御装置10の出力端が導通し、前記予備電源の電流が負荷に流れると、前記電圧が維持される直流電流がスイッチ130を介して直ちに負荷(又は負荷に接続される電力変換装置)に供給される。よって、電流変換(交流・直流変換)に時間がかからず、変換された直流電流が直ちに出力されるので、商用電源及びバッテリを介した電流の供給が中断されると、無瞬断で前記予備電源の電流が負荷に供給される。
【0076】
このように、本発明の無瞬断電源供給制御装置10は、直流電流が入力され、入力された直流電流を負荷に供給することを制御する装置であり、図1図4に示すように、1つの遮断器が1つのシリコン制御整流素子と並列接続される構造を有する。このように、対をなす1つの遮断器と1つのシリコン制御整流素子により無瞬断電源供給制御装置10の内部構造を単純化することができ、単純化した構造により予備電源の電流が負荷に供給されるまでの時間を短縮することができる。
【0077】
一方、図5は前述した本発明による無瞬断電源供給制御装置10を備えるUPSモジュールの実施形態を示すブロック図である。
【0078】
図5に示すように、本発明の実施形態によるUPSモジュールは、電源側電力変換部と負荷側電力変換部に分けられる。
【0079】
ここで、電源側電力変換部は、複数の電源供給源を含み、前記複数の電源供給源のそれぞれから供給される電源を直流電源に変換して出力する。また、負荷側電力変換部は、複数の負荷を含み、前記電源側電力変換部から出力された直流電源を駆動電源に変換し、複数の負荷のそれぞれに供給する。
【0080】
まず、電源側電力変換部は、出力が互いに接続される複数の電源供給制御モジュール510、520、530を含む。ここで、第1電源供給制御モジュール510は、商用電源511から供給される電源を直流電源に変換して出力する。また、第2電源供給制御モジュール520は、バッテリ521から供給される電源を出力する。さらに、第3電源供給制御モジュール530は、予備電源531から供給される電源を直流電源に変換して出力するモジュールであり、図1図4で説明したように、交流・直流コンバータ120と、スイッチ130とを有する無瞬断電源供給制御装置10を含む。
【0081】
一方、負荷側電力変換部は、少なくとも1つの負荷560と、前記電源側電力変換部から供給される直流電源を駆動電源に変換する少なくとも1つの変換部550とを含む。ここで、変換部550は、負荷560が交流電源で駆動される負荷であるか、直流電源で駆動される負荷であるかに応じて、直流電源を交流電源に変換するインバータ、又は直流電源を異なる電圧の直流電源に変換するインバータを少なくとも1つ含む。また、それぞれのインバータは、それぞれの負荷に接続され、接続されたインバータを介して変換された電源が駆動電源として各負荷に供給される。
【0082】
一方、電源側電力変換部を構成する各電源供給制御モジュール510、520、530の出力端は、互いに接続されて1つの共通出力端を形成する。また、前記負荷側電力変換部は、前記共通出力端に接続され、前記共通出力端を介して供給される直流電流を駆動電源に変換して負荷に供給する。
【0083】
以下、電源側電力変換部を構成する電源供給制御モジュールについて詳細に説明する。まず、商用電源511に接続され、商用電源511から電源が供給される第1電源供給制御モジュール510は、商用電源511から入力される交流電流を直流電流に変換するための第1交流・直流コンバータ513を備える。
【0084】
また、商用電源511から発生する過電流及びアークから第1交流・直流コンバータ513を保護するための第1-1遮断器512が第1交流・直流コンバータ513と商用電源511間に配置される。さらに、前記共通出力端と第1交流・直流コンバータ513間に、前記共通出力端をはじめとする内部システムを保護するための第1-2遮断器514を含む。さらに、第1電源供給制御モジュール510の全般的な動作、及び第1電源供給制御モジュール510の各構成部を制御するための第1制御部515を含む。
【0085】
ここで、第1-1遮断器512及び第1-2遮断器514は、クローズされた状態が初期状態であり、過電流などの異常電流が発生しない限り、閉鎖された状態(回路が接続された状態)を維持する。
【0086】
また、バッテリ521に接続され、バッテリ521から電源が供給される第2電源供給制御モジュール520は、バッテリ521から入力される直流電流を安定化したり、異なる電圧の直流電流に変換するための直流・直流コンバータ523を備える。
【0087】
さらに、異常電圧又は異常電流の発生時に直流・直流コンバータ523を保護するための第2-1遮断器522が直流・直流コンバータ523とバッテリ521間に配置される。さらに、前記共通出力端と直流・直流コンバータ523間に、前記共通出力端をはじめとする内部システムを保護するための第2-2遮断器524を含む。さらに、第2電源供給制御モジュール520の全般的な動作、及び第2電源供給制御モジュール520の各構成部を制御するための第2制御部525を含む。
【0088】
ここで、第2-1遮断器522及び第2-2遮断器524は、クローズされた状態が初期状態であり、過電流などの異常電流が発生しない限り、閉鎖された状態(回路が接続された状態)を維持する。
【0089】
一方、予備電源531に接続され、予備電源531から電源が供給される第3電源供給制御モジュール530は、予備電源531から入力される交流電流を直流電流に変換するための第2交流・直流コンバータ120を備える。また、予備電源531から発生する過電流及びアークから第2交流・直流コンバータ120を保護するための第3遮断器532が第2交流・直流コンバータ120と予備電源531間に配置される。ここで、第3遮断器532は、クローズされた状態が初期状態であり、過電流などの異常電流が発生しない限り、閉鎖された状態を維持する。
【0090】
さらに、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端間に、シリコン制御整流素子と遮断器が並列に接続されるスイッチ130を含む。さらに、スイッチ130を制御するための第3制御部535を含む。
【0091】
ここで、第3制御部535は、図1図4で説明した本発明の実施形態による無瞬断電源供給装置10の制御部100である。この場合、第2交流・直流コンバータ120と、スイッチ130と、第3制御部535とにより、図1図4で説明した本発明の実施形態による無瞬断電源供給装置10が構成される。
【0092】
よって、スイッチ130は、オープンされた状態が初期状態であり、第3制御部535により状態が変更されない限り、開放された状態(回路接続が遮断された状態)を維持する。
【0093】
一方、電源側電力変換部は、各電源供給制御モジュール510、520、530の制御部515、525、535により、いずれかの電源供給制御モジュールが前記共通出力端を介して直流電流を供給するように制御される。
【0094】
商用電源511に接続される第1電源供給制御モジュール510の第1制御部515がメイン制御部であることが好ましく、その場合、前記メイン制御部の制御により、いずれかの電源供給制御モジュールが前記共通出力端を介して直流電流を供給する。
【0095】
より詳細には、第1制御部515は、まず第1電源供給制御モジュールを介して電源が供給されるように制御する。よって、商用電源511から供給される交流電流が第1交流・直流コンバータ513を介して直流電流に変換され、変換された直流電流が前記共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。
【0096】
この状態で、商用電源511の電力系統に異常が発生した場合、例えば過電流が発生した場合、第1-1遮断器512又は第1-2遮断器514がオープンされ、商用電源511と前記共通出力端との接続が遮断される。
【0097】
この場合、共通出力端に接続される第2電源供給制御モジュール520又は第3電源供給制御モジュール530を介して、負荷側電力変換部に電源が供給されるが、第3電源供給制御モジュール530において、スイッチ130は初期状態がオープンされた状態であり、前記回路が接続されていない状態であるので、第2電源供給制御モジュール520を介して、バッテリ521から供給される直流電流が負荷側電力変換部に供給される。
【0098】
一方、このようにバッテリ521の直流電流が負荷側電力変換部に供給されている状態で、商用電源511が復旧すると、第1制御部515は、オープンされた第1-1遮断器512又は第1-2遮断器514を再びクローズし、商用電源511を再び接続する。そうすると、再び商用電源511から供給される電流が前記共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。
【0099】
しかし、商用電源511が復旧するまでにバッテリ521が全て放電されると、第2制御部525は、バッテリ521の放電を通知するフィードバック信号をメイン制御部である第1制御部515に送信する。そうすると、第1制御部515は、所定の導通信号を第3制御部535に送信し、第3制御部535は、スイッチ130を制御して第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端を導通させる。
【0100】
この場合、第3制御部535は、前述したように並列接続されたシリコン制御整流素子と遮断器に同時に回路を接続するための制御信号(例えば、シリコン制御整流素子に対するターンオン信号、遮断器に対するクローズ信号)をスイッチ130に入力する。そうすると、前記制御信号は、前記シリコン制御整流素子と遮断器に同時に入力される。
【0101】
一方、たとえ制御信号がシリコン制御整流素子と遮断器に同時に受信されたとしても、動作速度がはるかに速いシリコン制御整流素子が遮断器より先に回路を接続する。よって、1次的にシリコン制御整流素子を介して第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が導通し、前記シリコン制御整流素子を介して予備電源531から供給される電流が前記共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。よって、バッテリ521が全て放電された場合に、無瞬断で予備電源531の電流が供給される。
【0102】
一方、制御信号を受信したスイッチ130の遮断器は、動作速度の差に応じて前記シリコン制御整流素子より遅く回路を接続する。よって、2次的に前記遮断器を介して第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が導通する。
【0103】
この場合、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端は、前記シリコン制御整流素子を経由する第1経路、及び前記遮断器を経由する第2経路の両方を介して接続される。この場合、前記第1経路及び第2経路を経由して、予備電源531から供給される電流が前記共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。
【0104】
一方、第3制御部535は、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が前記第2経路を介して接続されると、シリコン制御整流素子をターンオフする制御信号をスイッチ130に入力する。
【0105】
そうすると、シリコン制御整流素子がターンオフされ、その結果として、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が遮断器を経由する第2経路のみを介して接続される。よって、前記第2経路を経由して予備電源531から供給される電流が共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。
【0106】
一方、前述した図5の説明では、商用電源511に接続される電源供給制御モジュール(第1電源供給制御モジュール)と、バッテリ521に接続される電源供給制御モジュール(第2電源供給制御モジュール)がそれぞれ独立したモジュールとして備えられる場合を例に挙げて説明したが、前記第1電源供給制御モジュールと第2電源供給制御モジュールが1つのモジュールに統合されてもよいことは言うまでもない。
【0107】
図6には、このように商用電源511から電源が供給される電源供給制御モジュールと、バッテリ521から電源が供給される電源供給制御モジュールが統合された本発明の第2実施形態によるUPSモジュールの例を示す。
【0108】
以下、図6を参照して、本発明の第2実施形態によるUPSモジュールについて説明する。第2実施形態によるUPSモジュールは、商用電源601及びバッテリ602から電源が供給される統合モジュール600、及び予備電源531から電源が供給される予備モジュール630を有する電源側電力変換部と、少なくとも1つの負荷560、及び少なくとも1つの変換部550を有する負荷側電力変換部とを含む。
【0109】
ここで、前記電源側電力変換部の統合モジュール600及び予備モジュール630の出力端は、互いに接続されて1つの共通出力端を形成する。また、前記負荷側電力変換部は、前記共通出力端に接続され、前記共通出力端を介して供給される直流電流を駆動電源に変換し、負荷に供給する。
【0110】
以下、これについて詳細に説明する。まず、統合モジュール600は、商用電源601と、商用電源601から入力される交流電流を直流電流に変換するための第1交流・直流コンバータ603と、商用電源601から発生する過電流及びアークから第1交流・直流コンバータ603を保護するための第1遮断器602とを含む。
【0111】
また、統合モジュール600は、バッテリ602と、バッテリ602から入力される直流電流を安定化したり、他の直流電流に変換するための直流・直流コンバータ613と、バッテリ602から発生する過電流及びアークから直流・直流コンバータ613を保護するための第2遮断器612とをさらに含む。
【0112】
さらに、第1交流・直流コンバータ603と直流・直流コンバータ613の出力端は、互いに接続されて1つの出力端を形成する。さらに、第1交流・直流コンバータ603と直流・直流コンバータ613の出力端が接続されて形成された1つの出力端と前記共通出力端間に、前記共通出力端をはじめとする内部システムを保護するための統合遮断器620を含む。
【0113】
ここで、第1遮断器602、第2遮断器612及び統合遮断器620はクローズされた状態が初期状態であり、過電流などの異常電流が発生しない限り、閉鎖された状態を維持する。
【0114】
一方、予備モジュール630は、予備電源531から入力される交流電流を直流電流に変換するための第2交流・直流コンバータ120を備える。また、予備電源531から発生する過電流及びアークから第2交流・直流コンバータ120を保護するための第3遮断器532が第2交流・直流コンバータ120と予備電源531間に配置される。
【0115】
ここで、第3遮断器532は、クローズされた状態が初期状態であり、過電流などの異常電流が発生しない限り、閉鎖された状態を維持する。
【0116】
また、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端間に、シリコン制御整流素子と遮断器が並列に接続されるスイッチ130を含む。さらに、スイッチ130を制御するための第2制御部655を含む。
【0117】
ここで、第2制御部655は、図1図4で説明した本発明の実施形態による無瞬断電源供給装置10の制御部100である。この場合、第2交流・直流コンバータ120と、スイッチ130と、第2制御部655とにより、図1図4で説明した本発明の実施形態による無瞬断電源供給装置10が構成される。
【0118】
よって、スイッチ130は、オープンされた状態が初期状態であり、第2制御部655により状態が変更されない限り、開放された状態(回路接続が遮断された状態)を維持する。
【0119】
以下、本発明の第2実施形態によるUPSモジュールの動作過程について説明する。まず、第1制御部640は、第1交流・直流コンバータ513を介して、商用電源601から供給される交流電流を直流電流に変換し、前記共通出力端を介して、変換された直流電流を負荷側電力変換部に供給する。
【0120】
この状態で、商用電源601の電力系統に異常が発生した場合、第1遮断器602がオープンされ、商用電源601と前記共通出力端との接続が遮断される。そうすると、統合モジュール600のバッテリ602から直流電流が前記共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。
【0121】
一方、商用電源601が復旧するまでにバッテリ602が全て放電されると、第1制御部640は、所定の導通信号を第2制御部655に送信する。そうすると、第2制御部655は、スイッチ130を制御して第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端を導通させる。
【0122】
この場合、第3制御部535は、前述したように並列接続されたシリコン制御整流素子と遮断器に同時に回路を接続するための制御信号(例えば、シリコン制御整流素子に対するターンオン信号、遮断器に対するクローズ信号)をスイッチ130に入力する。そうすると、前記制御信号は、前記シリコン制御整流素子と遮断器に同時に入力される。
【0123】
そうすると、動作速度がはるかに速いシリコン制御整流素子が遮断器より先に回路を接続する。よって、1次的にシリコン制御整流素子を介して第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が導通し、前記シリコン制御整流素子を介して予備電源531から供給される電流が前記共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。よって、バッテリ602が全て放電された場合に、無瞬断で予備電源531の電流が供給される。
【0124】
一方、制御信号を受信したスイッチ130の遮断器は、動作速度の差に応じて前記シリコン制御整流素子より遅く回路を接続する。よって、2次的に前記遮断器を介して第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が導通する。
【0125】
この場合、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端は、前記シリコン制御整流素子を経由する第1経路、及び前記遮断器を経由する第2経路の両方を介して接続される。この場合、前記第1経路及び第2経路を経由して、予備電源531から供給される電流が前記共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。
【0126】
一方、第2制御部655は、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が前記第2経路を介して接続されると、シリコン制御整流素子をターンオフする制御信号をスイッチ130に入力する。そうすると、シリコン制御整流素子がターンオフされ、その結果として、第2交流・直流コンバータ120の出力端と前記共通出力端が遮断器を経由する第2経路のみを介して接続される。よって、前記第2経路を経由して予備電源531から供給される電流が共通出力端を介して負荷側電力変換部に供給される。
【0127】
前述した本発明は、プログラム記録媒体にコンピュータ可読コードで実現することができる。コンピュータ可読媒体には、コンピュータシステムにより読み取り可能なデータが記録されるあらゆる種類の記憶装置が含まれる。コンピュータ可読媒体には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Disk)、SDD(Silicon Disk Drive)、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などが含まれ、かつ搬送波(例えば、インターネットによる送信)状に実現されるものも含まれる。さらに、前記コンピュータは、無瞬断電源供給制御装置の制御部100又はUPSモジュールの各電源供給制御モジュールの1つ以上の制御部を含んでもよい。よって、前述した詳細な説明はあらゆる面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されるべきである。本発明の範囲は請求の範囲の合理的解釈により定められるべきであり、本発明の等価的範囲内でのあらゆる変更が本発明に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】