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特表2022-552539マイクロレンズ及び遮光層を含む光学システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】マイクロレンズ及び遮光層を含む光学システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/00 20060101AFI20221209BHJP
【FI】
G02B3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522766
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 IB2020059730
(87)【国際公開番号】W WO2021074861
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/916,441
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヅァオフイ
(72)【発明者】
【氏名】ステイ,マシュー エス.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,マシュー アール.ディー.
(72)【発明者】
【氏名】プァム,トリ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】リングバーグ,アダム ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シュレウスナー,セレナ エル.
(57)【要約】
光学システムが開示され、光学システムは、光を受けて画像を形成するように構成された光学センサを含む。光学システムは、第2の主表面の反対側にある構造化された第1の主表面を含むマイクロレンズフィルムを更に含み、構造化された第1の主表面は、マイクロレンズフィルムの幅及び長さにわたって配置された間隔をあけたマイクロレンズの規則的なアレイを含み、各マイクロレンズは、有効撮像領域を有し、画像を光学センサ上に形成するように構成されている。光吸収層は、間隔をあけたマイクロレンズのアレイ上に配置され、各マイクロレンズの有効撮像領域を少なくとも10%だけ減少させる。ディスプレイパネル、光学センサ、マイクロレンズフィルム、及びディスプレイ平面は、マイクロレンズフィルムの幅及び長さに沿って互いに実質的に同一の広がりを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を受けて画像を形成するように構成された光学センサと、
マイクロレンズフィルムであって、
第2の主表面の反対側にある構造化された第1の主表面であって、前記マイクロレンズフィルムの幅及び長さにわたって配置された間隔をあけたマイクロレンズの規則的なアレイを含み、各マイクロレンズが、有効撮像領域を有し、画像を前記光学センサ上に形成するように構成されている、構造化された第1の主表面と、
前記間隔をあけたマイクロレンズのアレイ上に配置され、各マイクロレンズの前記有効撮像領域を少なくとも10%だけ減少させる、光吸収層と、
を含む、マイクロレンズフィルムと、
を備える、光学システムであって、
ディスプレイパネル、前記光学センサ、前記マイクロレンズフィルム、及び前記ディスプレイ平面が、前記マイクロレンズフィルムの前記幅及び前記長さに沿って互いに実質的に同一の広がりを有し、1mmあたり約4ラインペアの第1の空間周波数を有するオブジェクトが前記マイクロレンズフィルムから約1.5mmに配置されている場合、各マイクロレンズが、前記オブジェクトの画像を前記光学センサ上に形成し、前記画像が、前記第1の空間周波数において約0.2超の変調伝達関数(MTF)を有する、
光学システム。
【請求項2】
第1のマイクロレンズのみが前記光学センサ上に前記オブジェクトの画像を形成するように、前記マイクロレンズのうちの前記第1のマイクロレンズを除く全てのマイクロレンズが覆われた場合、前記第1のマイクロレンズによって前記光学センサ上に形成された前記画像の前記変調伝達関数(MTF)が、約10%未満だけ増大する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記光吸収層が、前記構造化された第1の主表面上において連続的である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
前記マイクロレンズフィルムが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
マイクロレンズフィルムであって、
第2の主表面の反対側にある構造化された第1の主表面であって、前記マイクロレンズフィルムの幅及び長さにわたってピッチPで配置された間隔をあけたマイクロレンズの規則的なアレイを含み、各マイクロレンズが、半視野θを有するように構成されている、構造化された第1の主表面と、
前記構造化された第1の主表面上に配置された光吸収層であって、前記マイクロレンズ間の領域及び前記マイクロレンズの少なくとも一部分を覆って、前記マイクロレンズの有効撮像領域を少なくとも10%だけ減少させており、前記マイクロレンズフィルムが、前記マイクロレンズフィルムの厚さ方向に沿って、平均厚さD及び実効屈折率nを有し、その結果、P、θ、及びnが、以下の式、
【数1】
によって関連付けられる、光吸収層と、
を含む、マイクロレンズフィルム、
を備える、光学フィルム。
【請求項6】
θが、少なくとも20度である、請求項5に記載の光学フィルム。
【請求項7】
θが、少なくとも30度である、請求項5に記載の光学フィルム。
【請求項8】
θが、少なくとも40度である、請求項5に記載の光学フィルム。
【請求項9】
前記光吸収層が、前記構造化された第1の主表面上において連続的である、請求項5に記載の光学システム。
【請求項10】
光学構造体であって、
構造化光学フィルムであって、第1の表面エネルギーを有する構造化された第1の主表面と、前記構造化光学フィルムの幅及び長さにわたって配置された間隔をあけた構造体の規則的なアレイと、を含み、各構造体が最大高さH1を有する、構造化光学フィルムと、
前記構造化された第1の主表面上に配置され、前記構造化された第1の主表面と実質的に同一の広がりを有し、かつ前記構造化された第1の主表面の反対側にある構造化された第2の主表面を含む、中間光学層であって、前記構造化された第2の主表面が、前記第1の表面エネルギーよりも少なくとも20%だけ小さい第2の表面エネルギーを有し、前記中間光学層が、最大厚さH2を有し、ここで、H2≦0.1H1である、中間光学層と、
前記構造化された第2の主表面上に配置され、前記構造化された第2の主表面と実質的に同一の広がりを有する光吸収層であって、前記構造体間の領域及び前記構造体に対応する前記中間光学層の少なくとも一部分を覆い、前記構造体間の領域における前記光学構造体の光透過率が、前記構造体に対応する領域における前記光学構造体の光透過率よりも少なくとも10倍小さくなっている、光吸収層と、
を備える、光学構造体。
【請求項11】
前記中間光学層が、シリコーンを含む、請求項10に記載の光学構造体。
【請求項12】
前記光吸収層の表面エネルギーが、前記第2の表面エネルギーよりも少なくとも20%だけ大きい、請求項10に記載の光学構造体。
【請求項13】
前記構造体間の領域における前記光学構造体の前記光透過率が、前記構造体に対応する領域における前記光学構造体の光透過率よりも少なくとも50倍小さい、請求項10に記載の光学構造体。
【請求項14】
前記構造体間の領域における前記光学構造体の前記光透過率が、前記構造体に対応する領域における前記光学構造体の光透過率よりも少なくとも100倍小さい、請求項10に記載の光学構造体。
【請求項15】
光を受けて画像を形成するように構成されたセンサと、前記センサ上に配置された請求項1に記載の光学構造体と、を備える、光学システム。
【請求項16】
ラジアンあたり約6サイクルの第1の角周波数を有する前記オブジェクトが、前記マイクロレンズフィルムの前に配置され、各マイクロレンズが、前記第1の角周波数において約0.2超の変調伝達関数(MTF)を有する前記オブジェクトの画像を前記光学センサ上に形成する、請求項1に記載の光学システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光学システムは、光を集束及び透過するための複数のマイクロレンズを含むことができる。光学素子の様々な配置は、特定の角度範囲に基づくマイクロレンズを通る光の選択的透過を促進することができる。
【発明の概要】
【0002】
いくつかの態様では、光学システムが開示されている。光学システムは、光を受けて画像を形成するように構成された光学センサ、及びマイクロレンズフィルムを含むことができる。マイクロレンズフィルムは、第2の主表面の反対側にある構造化された第1の主表面を含むことができ、構造化された第1の主表面は、マイクロレンズフィルムの幅及び長さにわたって配置された間隔をあけたマイクロレンズの規則的なアレイを含むことができ、各マイクロレンズは、有効撮像領域を有し、画像を光学センサ上に形成するように構成されることができる。光吸収層は、間隔をあけたマイクロレンズのアレイ上に配置され、各マイクロレンズの有効撮像領域を少なくとも10%だけ減少させることができる。ディスプレイパネル、光学センサ、マイクロレンズフィルム、及びディスプレイ平面は、マイクロレンズフィルムの幅及び長さに沿って互いに実質的に同一の広がりを有することができ、1mmあたり約4ラインペアの第1の空間周波数を有するオブジェクトがマイクロレンズフィルムから約1.5mmに配置されている場合、各マイクロレンズは、オブジェクトの画像を光学センサ上に形成し、画像は、第1の空間周波数において約0.2超の変調伝達関数(MTF)を有する。
【0003】
いくつかの態様では、光学フィルムが開示されている。光学フィルムは、第2の主表面の反対側にある構造化された第1の主表面を含むマイクロレンズフィルムを含むことができ、構造化された第1の主表面は、マイクロレンズフィルムの幅及び長さにわたってピッチPで配置された間隔をあけたマイクロレンズの規則的なアレイを含むことができる。各マイクロレンズは、半視野θを有するように構成されることができる。光吸収層は、構造化された第1の主表面上に配置され、マイクロレンズ間の領域及びマイクロレンズの少なくとも一部分を覆って、マイクロレンズの有効撮像領域を少なくとも10%だけ減少させることができる。マイクロレンズフィルムは、マイクロレンズフィルムの厚さ方向に沿って、平均厚さD及び実効屈折率nを有することができ、その結果、P、θ、及びnは、以下の式によって関連付けられる。
【数1】
【0004】
いくつかの態様では、光学構造体が開示されている。光学構造体は、第1の表面エネルギーを有する構造化された第1の主表面と、構造化光学フィルムの幅及び長さにわたって配置された間隔をあけた構造体の規則的なアレイと、を含む構造化光学フィルムを含むことができ、各構造体は、最大高さH1を有し得る。中間光学層は、構造化された第1の主表面上に配置され、かつ構造化された第1の主表面と実質的に同一の広がりを有し得、構造化された第1の主表面の反対側にある構造化された第2の主表面を含む。構造化された第2の主表面は、第1の表面エネルギーよりも少なくとも20%だけ小さい第2の表面エネルギーを有することができ、中間光学層は、最大厚さH2を有することができ、ここで、H2≦0.1H1である。光吸収層は、構造化された第2の主表面上に配置され、かつ構造化された第2の主表面と実質的に同一の広がりを有し、構造体間の領域及び構造体に対応する中間光学層の少なくとも一部分を覆うことができ構造間の領域における光学構造体の光透過率が、構造体に対応する領域における光学構造体の光透過率よりも少なくとも10倍小さくなっている。
【0005】
本明細書に開示されているシステム、構造体、及び特徴は、指紋などの画像をディスプレイの後方から光学センサを介して検出する際の信号対雑音比を改善することができる。他の利益及び使用がまた予見される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の例示的な実施形態による、光学システムの概略側面図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による、例示的なマイクロレンズフィルムの概略斜視図である。
図3】本開示の例示的な実施形態による、例示的なマイクロレンズフィルム及び光吸収層の概略斜視図である。
図4】本開示の例示的な実施形態による、光学層の概略側面図である。
図5】本開示の例示的な実施形態による、光学層の、特に有効撮像領域及びマイクロレンズ表面領域を示す、概略上面図である。
図6】本開示の例示的な実施形態による、光学層の概略側面図である。
図7】本開示の例示的な実施形態による、光学層の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明では、本明細書の一部を形成し様々な実施形態が例示として示されている添付図面が参照される。図面は、必ずしも実際の縮尺ではない。他の実施形態が想到され、本明細書の範囲又は趣旨から逸脱することなく実施されてもよい点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されない。
【0008】
光学センサに光を伝送するために光学デバイスを使用することが望ましい場合がある。特定の角度の光線が反射源から光学層を通過するのを防止するために、特定の他の光線の通過も可能にする様々な構造体、材料、及び形状を採用することができる。そのようなシステムは、例えば、電子デバイス内に配置された光学センサの信号対雑音比を改善することができる。
【0009】
図1は、例示的な光学システム100の例示的な側面図である。光学システム100は、ディスプレイ104(又はディスプレイパネル)と、光学センサ112を含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ104は、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode;OLED)又はマイクロ発光ダイオード(Light-Emitting Diode;LED)などの発光型ディスプレイ、又は液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)などの透過型ディスプレイを含むことができる。
【0010】
光学センサ112は、複数の集光感光性画像要素、又はピクセル114に分割され得る。光学センサ112は、電荷結合素子、相補型金属酸化物半導体を含むことができる、又は任意の他の光感知センサ技術若しくは光感知技術の組み合わせを採用することができる。加えて、光学センサ112は、1つ以上の光センサ、有機光センサ、フォトダイオード、及び/又は有機フォトダイオードを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、光学システム100は、光学層130を含む。光学層130は、実質的に、光学センサ112とディスプレイ104との間に配置され得る。光学層130は、構造化された第1の主表面144及び第2の主表面148を画定するマイクロレンズフィルム140を含むことができる。構造化された第1の主表面144及び第2の主表面148は、マイクロレンズフィルム140の実質的に反対側に配置され得る。複数のマイクロレンズ142は、マイクロレンズフィルム140上に形成されることができ、いくつかの実施形態では、構造化された第1の主表面144上に形成されることができる。
【0012】
光学センサ112、マイクロレンズフィルム140、及び/又は光学層130は、可撓性であり得る。そのような可撓性光学センサ112、マイクロレンズフィルム140、及び/又は光学層130は、クラックを伴わずに屈曲可能であるという特性を有することができる。そのような可撓性光学センサ112、マイクロレンズフィルム140、及び/又は光学層130はまた、ロールに形成されることができる。いくつかの実施形態では、可撓性光学センサ112、マイクロレンズフィルム140、及び/又は光学層130は、7.6センチメートル(cm)(3インチ)、6.4cm(2.5インチ)、5cm(2インチ)、3.8cm(1.5インチ)、2.5cm(1インチ)、1.9cm(3/4インチ)、1.3cm(1/2インチ)、又は0.635cm(1/4インチ)の曲率半径を有するロールコアの周りで屈曲することができる。
【0013】
マイクロレンズフィルム140及びマイクロレンズ142は、共通の材料から形成され得る。この材料は、特定の熱特性又はレオロジー特性を有するポリマー材料であってもよい。例えば、材料は、加工中に材料の形態又は剛性を保持するために、十分に高いガラス転移温度を有してもよい。いくつかの実施形態では、材料は、連続鋳造及び硬化高精細プロセス(microreplication process)によって高精細化(microreplicated)されてもよい。そのような材料は、放射線(熱又は紫外光など)の適用によって硬化可能であってもよい。いくつかの実施形態では、マイクロレンズフィルム140及びマイクロレンズ142は、ポリエチレンテレフタレートを含むことができる。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ142は、場合により、ポリカーボネートを含み得る基材上で連続的に鋳造及び硬化することによって形成されることができる。いくつかの実施形態では、マイクロレンズフィルム140は、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリカーボネート上に光硬化性材料を使用して形成されることができる。
【0014】
図2は、例示的なマイクロレンズフィルム140を示している。マイクロレンズフィルム幅W及びマイクロレンズフィルム長さLもまた、マイクロレンズ142及び構造化された第1の主表面と共に示されている。
【0015】
図3は、例示的なマイクロレンズフィルム140を示し、光吸収層170を更に示している。光吸収層170は、マイクロレンズフィルム140と実質的に同一の広がりを有し得る。いくつかの実施形態では、光吸収層170は、マイクロレンズフィルム140に隣接し、接合し、接触し、及び/又は近接している。いくつかの実施形態では、第2の主表面148に垂直な軸に沿って測定されたマイクロレンズ142のうちの1つのマイクロレンズ上にある光吸収層170の厚さは、第2の主表面148に垂直な軸に沿って測定されたマイクロレンズ142間のマイクロレンズフィルム140の領域の上にある光吸収層170の厚さよりも大きい。いくつかの実施形態では、光吸収層170は、構造化された第1の主表面144に隣接し、接合し、接触し、及び/又は近接している。
【0016】
図4は、光学層130の例示的な実施形態を示している。いくつかの実施形態では、光吸収層170は、結合剤、遮光材料、及び溶媒の混合物を含むか、又はそれらから形成され得る。溶媒が十分に蒸発すると、光吸収層170は、マイクロレンズ142及び構造化された第1の主表面144上に、連続的又は非連続的に形成され得る。遮光材料は、染料又は顔料を含み得る。いくつかの実施形態では、遮光材料は、Orasol(商標)X45ブラックダイ(BASF)を含む。
【0017】
結合剤は、溶媒可溶性ニトロセルロース、エステル可溶性ニトロセルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、シェラック、アルコール可溶性ポリアミド樹脂、尿素及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、ポリ塩化ビニルコポリマー、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂及びポリビニルブチラール(PVB30H、又はKurarayからMowitalグループの任意のPVB)のうちの1つ以上を含み得る。
【0018】
溶媒は、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、及び1-メトキシ-2-プロパノールのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、光吸収層170は、6.8重量%のOrasol(商標)X45黒色ダイ(BASF)、8.2重量%のMowital(商標)ポリビニルブチラール(PVB30H)、及び85重量%のメチルエチルケトン(MEK)を含む。いくつかの実施形態では、ポリマー結合剤は、染料がUV硬化性アクリレートモノマー及び光開始剤と混合された場合など、乾燥剤をコーティングした後に重合され得る。
【0019】
図4に例示的に示されるように、少なくとも1つのマイクロレンズ142は、マイクロレンズ直径D及びマイクロレンズ高さHを画定する。Dは、円形又は実質的に円形のマイクロレンズ142にわたる直径を示すために使用され得るが、Dは、任意の形状を有するマイクロレンズ142にわたる距離、マイクロレンズ142の両側のマイクロレンズフィルム140部分間の最短距離に沿って測定されたマイクロレンズ142にわたる距離、及び/又はマイクロレンズ142にわたる全ての可能な距離の平均を示すために使用され得ることを理解されたい。マイクロレンズ高さHは、マイクロレンズ142の基部Bからマイクロレンズ142の頂点Aまでの高さを示すために使用され得る。基部Bは、マイクロレンズ142の両側のマイクロレンズフィルム140部分に隣接するマイクロレンズ142の両側のエッジから等距離の空間点として画定され得る。マイクロレンズ142はそれぞれ、実質的に同じ形状(例えば、球面又は非球面)、直径D、高さH、サイズ、及び/又はアスペクト比(高さHと直径Dとの比)を有することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロレンズ142のマイクロレンズ高さHは、1つ以上のマイクロレンズ142の直径Dよりも大きい。いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロレンズ142は、1つ以上のマイクロレンズ142のマイクロレンズ高さHの約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%のマイクロレンズ直径Dを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロレンズ142のマイクロレンズ高さHは、1つ以上のマイクロレンズ142のマイクロレンズ直径Dよりも小さい。いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロレンズ142は、1つ以上のマイクロレンズ142の直径Dの約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%のマイクロレンズ高さHを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロレンズ142のマイクロレンズ高さHは、1つ以上のマイクロレンズ142の直径Dにほぼ等しい。
【0021】
様々な実施形態では、マイクロレンズ高さHは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、又は250マイクロメートルであり得るが、マイクロレンズ直径Dは、約50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、210、225、250、275、300、350、400、450、又は500マイクロメートルであり得る。さらに、いくつかの実施形態では、マイクロレンズ142は、マイクロレンズフィルム140上で約700マイクロメートルのピッチで間隔をあけることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、有効撮像領域153は、図5に示されるように、入射光の特定の割合が通過するマイクロレンズ142の一部分として画定され得る。いくつかの実施形態では、有効撮像領域153は、実質的にマイクロレンズ142の表面領域155であり得る。いくつかの実施形態では、有効撮像領域153は、マイクロレンズ142の表面領域155よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、有効撮像領域153は、光吸収層170によって減少され得、これは、光がマイクロレンズ142及び/又はマイクロレンズ表面領域155のいくつかの部分を通過することを防止することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、有効撮像領域153は、入射光の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%を通過する、マイクロレンズ142の一部分を画定する。いくつかの実施形態では、有効撮像領域153は、光吸収層170によって、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%だけ、サイズが減少している。いくつかの実施形態では、有効撮像領域153は、光吸収層170によって、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%だけ、サイズが減少している。
【0024】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ104、光学センサ112、及び/又はマイクロレンズフィルム140は、マイクロレンズフィルム140の長さL及び幅Wに沿って互いに実質的に同一の広がりを有し、ディスプレイ104、光学センサ112、及び/又はマイクロレンズフィルム140が互いに隣接し、接触し、近接し、及び/又は形成されていることを示し得る。
【0025】
当該技術分野で既知であるように、変調伝達関数(MTF)は、分解能を特徴付けるための有用な量であり得る。MTFは、所与の空間周波数においてラインチャートの画像を表示し、表示された画像における最大強度及び最小強度を判定することによって決定され得る。MTFは、最大強度と最小強度との差を最大強度と最小強度の合計で割った比率によって与えられる。本開示において、1ミリメートルあたり約4ラインペアの空間周波数を有するオブジェクト174が、マイクロレンズフィルム140、光吸収層170、又は光学層130から約1.5mmに配置されている場合、光学センサ112上の各マイクロレンズ142によって形成される画像193は、様々な実施形態では、空間周波数において、約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45又は0.5超のMTFを有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のマイクロレンズ142のみがオブジェクト174の画像を光学センサ112上に形成するように、マイクロレンズ142のうちの第1のマイクロレンズを除く全てのマイクロレンズ142が覆われている。そのような場合、第1のマイクロレンズ142によって光学センサ112上に形成された画像197のMTFは、約5%、10%、15%、20%、又は25%未満だけ増大する。いくつかの実施形態では、マイクロレンズフィルム140及びマイクロレンズ142は、ポリエチレンテレフタレートを含むことができる(及び更には、PETフィルム上のUV硬化性ポリマー組成物から形成され得る)。
【0027】
角周波数を使用して、撮像距離及びオブジェクト距離に依存しない撮像システムの解像度を測定することができる。角周波数は、(サイクル数)/(オブジェクトがマイクロレンズによって撮像されたときのサイクル数の角度範囲)として定義され得る。いくつかの実施形態では、オブジェクト174がラジアンあたり約6サイクルの第1の角周波数を有し、かつマイクロレンズフィルム140の前に配置される場合、各マイクロレンズ142は、第1の角周波数において約0.2超の変調伝達関数(MTF)を有するオブジェクトの画像198を光学センサ112上に形成する。様々な実施形態では、光学センサ112上のオブジェクトの画像198は、第1の角周波数において、約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、又は0.5超の変調伝達関数(MTF)を有し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、図6に見られ得るように、マイクロレンズフィルム140は、構造化された第1の主表面144及び第2の主表面148を画定することができる。構造化された第1の主表面144及び第2の主表面148は、マイクロレンズフィルム140の実質的に反対側に配置され得る。構造化された第1の主表面144は、マイクロレンズフィルム140の幅W及び長さLにわたってピッチPで配置された間隔をあけたマイクロレンズ142の規則的なアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、間隔をあけたマイクロレンズ142の規則的なアレイは、(図2及び3に示されるように)各マイクロレンズ142が最も近い6個の他のマイクロレンズ142と実質的に等距離にある、六角形又は六角パックのアレイ、又は各マイクロレンズ142が最も近い4個の他のマイクロレンズ142に実質的に等距離にある、正方形グリッド状のアレイを含む。三角形アレイ、長方形アレイ、五角形アレイ、七角形アレイ、及び八角形アレイなどの他の配置は、本開示の範囲内である。
【0029】
いくつかの実施形態では、各マイクロレンズ142は、半視野θを有するように構成される。光吸収層170は、構造化された第1の主表面144の少なくとも一部分上に配置されることができ、マイクロレンズ142間の構造化された第1の主表面144の領域を少なくとも部分的に覆うように更に配置されることができる。さらに、光吸収層170は、上述のように、マイクロレンズ142の少なくとも一部分を覆って、マイクロレンズ142の有効撮像領域153を少なくとも10%だけ減少させることができる。
【0030】
図6に示されるように、マイクロレンズフィルム140は、(長さDを示す矢印で示されている)その厚さ方向に沿って平均厚さD及び実効屈折率nを有し得る。マイクロレンズフィルム140は、マイクロレンズ層205、基材209、及びマイクロレンズ層205と基材209との間に配置された屈折率マッチング層207を含むことができる。いくつかの実施形態では、基材209は、ポリカーボネートを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、P、n、D、及びθは、以下の式によって関連付けられる。
【数2】
【0032】
様々な実施形態では、θは、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、又は70度であり得る。上述のように、光吸収層170は、マイクロレンズ142及び/又は構造化された第1の主表面144を覆って、マイクロレンズ142及び/又は構造化された第1の主表面144上に、マイクロレンズ142及び/又は構造化された第1の主表面144に隣接して、及び/又は近接して、連続層又は実質的な連続層として、配置され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、光学構造体300が開示されている。図7に最もよく示されている光学構造体300は、マイクロレンズフィルム140を含む。マイクロレンズフィルム140は、上述のように、構造化された第1の主表面144及び間隔をあけた構造体の規則的なアレイ、又はマイクロレンズ142を画定することができる。構造化された第1の主表面144は、第1の表面エネルギーを有し得る。各マイクロレンズ142は、最大高さH1を有し得る。いくつかの実施形態では、図7に例示的に示されるように、H1は、マイクロレンズ142の基部Bからマイクロレンズ142の頂点Aまで測定され得る。
【0034】
光学構造体300は、中間光学層304を更に含むことができる。中間光学層304は、構造化された第1の主表面144上に、構造化された第1の主表面144に隣接して、近接して、及び/又は接触して、配置され得る。いくつかの実施形態では、中間光学層304は、構造化された第1の主表面144と実質的に同一の広がりを有する。中間光学層304は、構造化された第2の主表面308を画定することができる。構造化された第2の主表面308は、構造化された第1の主表面144と隣接し、近接し、接触し、及び/又は構造化された第1の主表面144上にある中間光学層304の側面とは別の実質的に反対側の中間光学層304の側面上にあり得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、光吸収層170のビードアップを伴わない、構造化された第1の主表面144上の光吸収層170の受容は、構造化された第1の主表面144の「濡れ性」として定義され得る。濡れ性とは、(光吸収層170を形成する)結合剤、遮光材料、及び溶媒の混合物が、構造化された第1の主表面144上でその連続性を保持し、それによって、混合物が乾燥するときに第1の構造化された主表面144及びマイクロレンズ142上に連続層が形成されることを指し得る。混合物の「脱濡れ(dewetting)」は、構造化された第1の主表面144上にコーティングされた混合物に穴が現れるように、混合物を断裂させ得る。構造化された第1の主表面144の濡れは、構造化された第1の主表面144上に堆積されたときに、混合物の表面張力が基材の(又は構造化された第1の主表面144の)表面エネルギーよりも低い場合に達成され得る。構造化された第1の主表面144の所望の濡れ性を得るために、混合物の表面張力は、構造化された第1の主表面144の表面エネルギーよりも実質的に低くなり得、様々な実施形態では、構造化された第1の主表面144の表面エネルギーの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%であり得るか、又はおおよそそうであり得る。混合物の表面張力が構造化された第1の主表面の表面エネルギーよりも高い場合、混合物の脱濡れが起こり得る。混合物の表面張力がマイクロレンズ142の表面エネルギー、又は構造化された第1の主表面144に近づくと、混合物は、マイクロレンズ142の表面において脱濡れし始め、溶媒が混合物から乾燥したときに混合物を含まないしたがって、光吸収層170を含まないマイクロレンズ142を残すことが観察されている。
【0036】
マイクロレンズ142の表面エネルギーの典型的な範囲は、30~55ダイン/cmの範囲であり得る。典型的な混合物は、22~45ダイン/cmの範囲の表面張力を有し得る。マイクロレンズ142及び/又は構造化された第1の主表面144からの混合物の脱濡れを促進するために、構造化された第1の主表面144の表面エネルギーは、混合物の表面エネルギーに対して低下され得る。中間光学層304は、混合物の少なくとも一部分の脱濡れを促進することができる。中間光学層304層は、混合物の表面張力を十分に下回る表面エネルギーを有するように選択され得る。中間光学層304の好適な表面エネルギーは、20ダイン/cmの低さとすることができ、これは24ダイン/cmの典型的な混合物の表面張力よりも低くなる。
【0037】
いくつかの実施形態では、混合物の表面張力は、中間光学層304の表面エネルギーよりも実質的に低くなり得、様々な実施形態では、中間光学層304の表面エネルギーの約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%であり得るか、又はおおよそそうであり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、混合物の表面張力は、1、2、3、4、5、10、15、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、500、又は1000ダイン/cmであり得るか、又はおおよそそうであり得る。いくつかの実施形態では、中間光学層304の表面エネルギーは、1、2、3、4、5、10、15、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、500、又は1000ダイン/cmであり得るか、又はおおよそそうであり得る。いくつかの実施形態では、構造化された第1の主表面144の表面エネルギーは、1、2、3、4、5、10、15、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、500、又は1000ダイン/cmであり得るか、又はおおよそそうであり得る。
【0039】
中間光学層304は、マイクロレンズ142に対応する光学構造体300の領域312から、マイクロレンズ142間の光学構造体300の領域316まで、溶媒及び光吸収材料を含む(上記の光吸収層170を形成する)混合物の少なくとも一部分の脱濡れを促進することができる。いくつかの実施形態では、中間光学層304は、マイクロレンズ142に対応する光学構造体300の領域312から、マイクロレンズ142間の光学構造体300の領域316まで、混合物の少なくとも一部分の脱濡れを可能にするが、混合物の一部分は、中間光学層304がない場合は、マイクロレンズ142に対応する光学構造体300の領域312から、マイクロレンズ142間の光学構造体300の領域316まで、脱濡れすることはない。
【0040】
構造化された第2の主表面308は、第2の表面エネルギーを有することができ、第2の表面エネルギーは、第1の表面エネルギー未満であり得る。様々な実施形態では、第2の表面エネルギーは、第1の表面エネルギーの約0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%である。様々な実施形態では、第2の表面エネルギーは、第1の表面エネルギーの約0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%未満である。
【0041】
中間光学層304は、最大厚さH2を有し得る。いくつかの実施形態では、H2≦H1である。いくつかの実施形態では、H2<H1である。様々な実施形態では、H2≦H1の約0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%、である。様々な実施形態では、H2<H1の約0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%、である。様々な実施形態では、H2は、H1の約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%である。
【0042】
光吸収層170は、中間光学層304上に、中間光学層304に近接して、接触して、及び/又は隣接して配置され得る。様々な実施形態では、光吸収層170は、構造化された第2の主表面308上に、構造化された第2の主表面308に近接して、接触して、及び/又は隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、光吸収層170は、中間光学層304及び/又は構造化された第2の主表面308と実質的に同一の広がりを有する。
【0043】
光吸収層170は、マイクロレンズ間又は構造体142間に、少なくとも部分的に配置され得る。いくつかの実施形態では、光吸収層170はまた、マイクロレンズ又は構造体142に対応するか、又はマイクロレンズ又は構造体142上に配置された中間光学層304の一部分上に、中間光学層304の一部分に隣接して、近接して、及び/又は接触して配置され得る。いくつかの実施形態では、光吸収層170は、中間光学層304上に、中間光学層304に隣接して、接触して、及び/又は近接して不連続に配置される。さらに、いくつかの実施形態では、光吸収層170は、マイクロレンズ142に対応する光学構造体300の領域316の少なくとも一部分上に、領域316に隣接して、接触して、及び/又は近接して配置されない。
【0044】
いくつかの実施形態では、特定の要素の光透過率は、要素を通過する、要素に入射する光の割合として説明され得る。様々な実施形態では、マイクロレンズ142間の領域316における光学構造体300の光透過率は、マイクロレンズ142に対応する領域312における光学構造体300の光透過率よりも、少なくとも約2、5、10、25、50、100、150、200、250、500、1,000、又は5,000倍小さくなり得る。いくつかの実施形態では、構造体間又はマイクロレンズ142間の領域316における光学構造体300の光透過率は、構造体に対応する領域312における光学構造体300の光透過率よりも、約2、5、10、25、50、100、150、200、250、500、1,000、又は5,000倍小さくなり得る。いくつかの実施形態では、中間光学層304は、シリコーン、ポリオレフィン、フッ素化材料、及びそれらの混合物を含み得る。
【0045】
上記において参照された参照文献、特許、又は特許出願の全ては、それらの全体が参照により本明細書に一貫して組み込まれている。組み込まれている参照文献の部分と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の説明における情報が優先される。
【0046】
図中の要素についての説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されると理解されたい。具体的な実施形態が本明細書に例示及び記載されているが、例示及び記載されている具体的な実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的及び/又は均等の実施形態により置換され得ることが当業者には理解されよう。本出願は、本明細書で論じられた特定の実施形態のいずれの適応例又は変形例も包含することが意図されている。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】