(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】汚泥沈降比自動測定システム
(51)【国際特許分類】
G01N 15/04 20060101AFI20221209BHJP
C02F 3/12 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
G01N15/04 C
C02F3/12 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522785
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 CN2020090996
(87)【国際公開番号】W WO2021212585
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202010331606.9
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522151628
【氏名又は名称】上海西派埃智能化系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI SIPAI INTELLIGENT SYSTEMS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.6, 103 Caobao Road, Xuhui District Shanghai 200000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】呉 佳
(72)【発明者】
【氏名】潘 桃芳
(72)【発明者】
【氏名】沈 彦
(72)【発明者】
【氏名】周 一軍
(72)【発明者】
【氏名】銭 剛
【テーマコード(参考)】
4D028
【Fターム(参考)】
4D028AA01
4D028CC04
4D028CC05
4D028CD00
4D028CD01
4D028CD05
4D028CE01
4D028CE02
(57)【要約】
サンプリング撮影モジュール(101)と、データサービスモジュール(103)と、処理プロセスモジュール(106)と、測定分析モジュール(104)とを含む汚泥沈降比自動測定システムであって、サンプリング撮影モジュール(101)は、泥水混合液サンプルを採取して、泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、処理プロセスモジュール(106)は、プロセスデータを収集して記憶し、測定分析モジュール(104)は、試験画像から泥水混合液サンプルの沈降比を取得し、沈降比に基づいて汚泥活性を分析し、汚泥活性が異常である場合に処理プロセスモジュール(106)からプロセスデータを取得し、上記プロセスデータと汚泥活性分析結果に基づいてプロセス分析データを取得し、上記の方式により、沈降汚泥の体積を人手で測定することによる試験誤差の問題を回避し、測定精度を向上させるとともに、タイムリーに検出できないという問題を回避し、検出効率を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング撮影モジュールと、データサービスモジュールと、測定分析モジュールと、を含む汚泥沈降比自動測定システムであって、
前記サンプリング撮影モジュールは、泥水混合液サンプルを採取して、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、
前記測定分析モジュールは、前記試験画像を取得し、前記試験画像から前記泥水混合液サンプルの沈降比を取得し、
前記データサービスモジュールは、前記試験画像及び前記沈降比を記憶して管理する、ことを特徴とする汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項2】
前記測定分析モジュールは、また、前記泥水混合液サンプルの沈降過程における沈降比に基づいて汚泥活性を分析し、得られた汚泥活性分析結果に基づいて汚泥活性が異常であるか否かを判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項3】
下水処理プロセスシステムの稼働中のプロセスデータを収集して記憶する処理プロセスモジュールをさらに含み、
前記測定分析モジュールは、また、汚泥活性が異常である場合に前記処理プロセスモジュールから前記泥水混合液サンプルのプロセスデータを取得し、前記プロセスデータと前記汚泥活性分析結果に基づいてプロセス分析データを取得する、ことを特徴とする請求項2に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項4】
ユーザによって入力されたテスト指示を受信して前記サンプリング撮影モジュールに送信し、ユーザによって入力された沈降比分析指示を受信して前記測定分析モジュールに送信し、ユーザによって入力された汚泥活性分析指示を受信して前記測定分析モジュールに送信するマンマシンインタラクションモジュールをさらに含み、
前記データサービスモジュールは、また、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを記憶して管理し、
前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、前記沈降比、前記汚泥活性分析結果、及び前記プロセス分析データを受信して表示する、ことを特徴とする請求項3に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項5】
前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力された問い合わせ指示を受信し、前記問い合わせ指示に基づいて前記データサービスモジュールから対応する履歴データを取得し、
前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力されたレポート作成指示を受信し、前記レポート作成指示に基づいて前記履歴データの時間変化曲線をプロットし、前記履歴データは下水処理プロセスシステムの異なる採取時間での泥水混合液サンプルの前記沈降比、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを含み、
前記システムは、また、前記サンプリング撮影モジュールと前記処理プロセスモジュールの稼働が異常である場合、対応する装置稼働データを生成して前記データサービスモジュールに送信し、前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力された異常問い合わせ指示を受信し、前記異常問い合わせ指示に基づいて前記データサービスモジュールから対応する装置稼働データを取得し、装置稼働データの統計結果を生成して表示する、ことを特徴とする請求項4に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項6】
前記サンプリング撮影モジュールは、泥水混合液サンプルを収容する試験容器と、前記泥水混合液サンプルを前記試験容器に注入するリフト機構と、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得するCCDカメラと、前記試験容器を洗浄するリンス機構と、前記リフト機構と前記リンス機構の稼働を制御するPLCコントローラとを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項7】
前記サンプリング撮影モジュールは、前記リフト機構と前記フラッシング機構に接続されたバルブと、前記CCDカメラを補光する光源とをさらに含み、前記PLCコントローラは、また、前記バルブと前記光源の開閉を制御する、ことを特徴とする請求項6に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項8】
前記データサービスモジュール、前記測定分析モジュール、前記サンプリング撮影モジュール、及び前記処理プロセスモジュールのすべてに接続された通信モジュールをさらに含み、前記データサービスモジュール及び前記測定分析モジュールは、前記通信モジュールを介して前記サンプリング撮影モジュール及び前記処理プロセスモジュールと通信接続されている、ことを特徴とする請求項3に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項9】
前記通信モジュールは、USB通信ユニット、イーサネット通信ユニット、RS232通信ユニット、RS485通信ユニット、WIFI無線通信ユニット、4G通信ユニット又は5G通信ユニットの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項10】
前記マンマシンインタラクションモジュール、前記データサービスモジュール及び前記測定分析モジュールはクラウドプラットフォーム又はローカルプラットフォームにある、ことを特徴とする請求項4に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【請求項11】
前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力された自動試験計画を受信し、前記自動試験計画に基づいて試験時間を含む自動試験指示を生成し、前記試験時間に、前記サンプリング撮影モジュール、前記測定分析モジュール、前記処理プロセスモジュール、及び前記データサービスモジュールに前記自動試験指示を送信し、
前記サンプリング撮影モジュールは、前記自動試験指示に基づいて泥水混合液サンプルを採取して、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、前記試験画像を測定分析モジュールに送信し、
前記処理プロセスモジュールは、前記自動試験指示に基づいて下水処理プロセスシステムの稼働中のプロセスデータを収集して記憶し、
前記測定分析モジュールは、前記自動試験指示に基づいて前記試験画像の沈降比を取得し、前記沈降比に基づいて汚泥活性を分析し、汚泥活性分析結果が異常である場合に前記処理プロセスモジュールから前記プロセスデータを取得し、汚泥活性分析結果と前記プロセスデータに基づいてプロセス分析データを取得し、
前記データサービスモジュールは、前記自動試験指示に基づいて、前記試験画像、前記沈降比、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを記憶する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の汚泥沈降比自動測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚泥沈降比測定の技術分野に関し、具体的には、汚泥沈降比自動測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
汚泥沈降比(Sludge settling Velocity、略称SV)とは曝気池の泥水混合液サンプルを一定量(例えば1000mL)のメスシリンダーに一定時間(例えば30min)静置沈降させた後の沈降汚泥と泥水混合液の体積比であり、活性汚泥の特性を評価する重要な指標の一つである。作業者は活性汚泥沈降過程を通じて問題を発見することができ、汚泥沈降比の大きさの急変、活性汚泥の色や静置後の浮上状況から汚泥の性質と曝気酸素供給状況を把握することができ、また、沈降比は汚泥濃度を直感的に反映し、間接的に負荷を反映することができる。SV30とは、廃水の好気性生物処理において、曝気池の混合液をメスシリンダー内に30min静置した後に形成される沈殿汚泥の容積が元の混合液の容積に占める割合で、%で表される。沈降比は往々にして30min以内の沈降過程だけを指すのではなく、SV5、SV30、SV120などの一連の異なる時間の沈降比テストを含むが、異なる時間の沈降比テストの観察の結果と意義は異なる。SV値は曝気池の正常稼働時の汚泥量と汚泥の凝集性、沈降性能などを反映する。余剰汚泥排出量の制御などのプロセス調整に使用でき、プロセスの安定性を保障する。
【0003】
汚泥沈降比は下水処理場の稼働中の重要なパラメータであり、曝気池の正常稼働時の汚泥量と汚泥の凝集性、沈降性能などを反映している。従来技術では、汚泥沈降比は人工サンプリング、実験室観察の試験方式を採用しており、1日あたりの試験回数が限られており、汚泥の汚泥活性をタイムリーに検出することができない。また、サンプリングから試験までの間、汚泥は密封された酸素不足状態にあり、汚泥の活性に影響を与え、試験結果の誤差を招く可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、試験誤差が大きく、検出が遅れている従来技術における技術的課題を解決する汚泥沈降比自動測定システムを提供することである。
【0005】
本発明の技術的課題は、以下のとおりである。サンプリング撮影モジュールと、データサービスモジュールと、測定分析モジュールと、を含む汚泥沈降比自動測定システムであって、
前記サンプリング撮影モジュールは、泥水混合液サンプルを採取して、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、
前記測定分析モジュールは、前記試験画像を取得し、前記試験画像から前記泥水混合液サンプルの沈降比を取得し、
前記データサービスモジュールは、前記試験画像及び前記沈降比を記憶して管理する。
【0006】
好ましくは、前記測定分析モジュールは、また、前記泥水混合液サンプルの沈降過程における沈降比に基づいて汚泥活性を分析し、得られた汚泥活性分析結果に基づいて汚泥活性が異常であるか否かを判断する。
【0007】
好ましくは、前記システムは、下水処理プロセスシステムの稼働中のプロセスデータを収集して記憶する処理プロセスモジュールをさらに含み、
前記測定分析モジュールは、また、汚泥活性が異常である場合に前記処理プロセスモジュールから前記泥水混合液サンプルのプロセスデータを取得し、前記プロセスデータと前記汚泥活性分析結果に基づいてプロセス分析データを取得する。
【0008】
好ましくは、前記システムは、ユーザによって入力されたテスト指示を受信して前記サンプリング撮影モジュールに送信し、ユーザによって入力された沈降比分析指示を受信して前記測定分析モジュールに送信し、ユーザによって入力された汚泥活性分析指示を受信して前記測定分析モジュールに送信するマンマシンインタラクションモジュールをさらに含み、
前記データサービスモジュールは、また、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを記憶して管理し、
前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、前記沈降比、前記汚泥活性分析結果、及び前記プロセス分析データを受信して表示する。
【0009】
好ましくは、前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力された問い合わせ指示を受信し、前記問い合わせ指示に基づいて前記データサービスモジュールから対応する履歴データを取得し、
前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力されたレポート作成指示を受信し、前記レポート作成指示に基づいて前記履歴データの時間変化曲線をプロットし、前記履歴データは下水処理プロセスシステムの異なる採取時間での泥水混合液サンプルの前記沈降比、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを含み、
前記システムは、また、前記サンプリング撮影モジュールと前記処理プロセスモジュールの稼働が異常である場合、対応する装置稼働データを生成して前記データサービスモジュールに送信し、前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力された異常問い合わせ指示を受信し、前記異常問い合わせ指示に基づいて前記データサービスモジュールから対応する装置稼働データを取得し、装置稼働データの統計結果を生成して表示する。
【0010】
好ましくは、前記サンプリング撮影モジュールは、泥水混合液サンプルを収容する試験容器と、前記泥水混合液サンプルを前記試験容器に注入するリフト機構と、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得するCCDカメラと、前記試験容器を洗浄するリンス機構と、前記リフト機構と前記リンス機構の稼働を制御するPLCコントローラとを含む。
【0011】
好ましくは、前記サンプリング撮影モジュールは、前記リフト機構と前記フラッシング機構に接続されたバルブと、前記CCDカメラを補光する光源とをさらに含み、前記PLCコントローラは、また、前記バルブと前記光源の開閉を制御する。
【0012】
好ましくは、前記システムは、前記データサービスモジュール、前記測定分析モジュール、前記サンプリング撮影モジュール、及び前記処理プロセスモジュールのすべてに接続された通信モジュールをさらに含み、前記データサービスモジュール及び前記測定分析モジュールは、前記通信モジュールを介して前記サンプリング撮影モジュール及び前記処理プロセスモジュールと通信接続されている。
【0013】
好ましくは、前記通信モジュールは、USB通信ユニット、イーサネット通信ユニット、RS232通信ユニット、RS485通信ユニット、WIFI無線通信ユニット、4G通信ユニット又は5G通信ユニットの少なくとも一つを含む。
【0014】
好ましくは、前記マンマシンインタラクションモジュール、前記データサービスモジュール及び前記測定分析モジュールはクラウドプラットフォーム又はローカルプラットフォームにある。
【0015】
好ましくは、前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力された自動試験計画を受信し、前記自動試験計画に基づいて試験時間を含む自動試験指示を生成し、前記試験時間に、前記サンプリング撮影モジュール、前記測定分析モジュール、前記処理プロセスモジュール、及び前記データサービスモジュールに前記自動試験指示を送信し、
前記サンプリング撮影モジュールは、前記自動試験指示に基づいて泥水混合液サンプルを採取して、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、前記試験画像を測定分析モジュールに送信し、
前記処理プロセスモジュールは、前記自動試験指示に基づいて下水処理プロセスシステムの稼働中のプロセスデータを収集して記憶し、
前記測定分析モジュールは、前記自動試験指示に基づいて前記試験画像の沈降比を取得し、前記沈降比に基づいて汚泥活性を分析し、汚泥活性分析結果が異常である場合に前記処理プロセスモジュールから前記プロセスデータを取得し、汚泥活性分析結果と前記プロセスデータに基づいてプロセス分析データを取得し、
前記データサービスモジュールは、前記自動試験指示に基づいて、前記試験画像、前記沈降比、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを記憶する。
【0016】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明の汚泥沈降比自動測定システムは、サンプリング撮影モジュールと、データサービスモジュールと、測定分析モジュールとを含み、前記サンプリング撮影モジュールは泥水混合液サンプルを採取して、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、前記測定分析モジュールは、前記試験画像を取得し、前記試験画像から前記泥水混合液サンプルの沈降比を取得し、上記の方式により、沈降汚泥の体積を人手で測定することによる試験誤差の問題を回避し、測定精度を向上させるとともに、タイムリーに検出できないという問題を回避し、検出効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例による汚泥沈降比自動測定システムの構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例による汚泥沈降比自動測定システムの通信模式図である。
【
図3】本発明の実施例による汚泥沈降比自動測定システムのサンプリング撮影モジュールの構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例による汚泥沈降比自動測定システムのデータサービスの原理図である。
【
図5】本発明の実施例による汚泥沈降比自動測定システムの測定分析の原理図である。
【
図6】本発明の実施例による汚泥沈降比自動測定システムのマンマシンインタラクションの原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図面及び実施形態に基づいてさらに説明する。
【0019】
以下、本発明の実施例の形態について、明細書の図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
以下の説明では、本発明を完全に理解するために、特定のシステム構成、インターフェース、技術などの特定の詳細が、限定ではなく例示のために提案される。
【0021】
本明細書では、「システム」と「ネットワーク」という用語を交換可能に使用することが多い。本明細書における「及び/又は」という用語は、単に関連オブジェクトを記述する関連関係であり、3つの関係が存在しうることを示している。例えば、a及び/又はbは、aが単独で存在し、aとbが同時に存在し、bが単独で存在するという3つの状況を示すことができる。また、本明細書における文字「/」は、一般的にコンテキストの対象が「又は」の関係であることを示す。また、本明細書における「多い」は2つ又はそれ以上を意味する。
【0022】
本発明の実施例は、
図1及び
図2に示すように、サンプリング撮影モジュール101と、通信モジュール102と、処理プロセスモジュール106と、データサービスモジュール103と、測定分析モジュール104と、マンマシンインタラクションモジュール105とを含む汚泥沈降比自動測定システムを提供し、前記サンプリング撮影モジュール101は、通信モジュール102を介してデータサービスモジュール103、測定分析モジュール104、マンマシンインタラクションモジュール105とそれぞれ通信接続されており、処理プロセスモジュール106も通信モジュール102を介してデータサービスモジュール103、測定分析モジュール104、マンマシンインタラクションモジュール105とそれぞれ通信接続されている。
【0023】
ここで、前記サンプリング撮影モジュール101は、下水処理場の下水処理プロセスシステムからの泥水混合液サンプルを採取して、前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、例えば、泥水混合液サンプルは曝気池からのものである。具体的には、サンプリング撮影モジュール101は、沈降過程全体について画像を収集してもよく、任意の実施形態において、サンプリング撮影モジュール101は、前記泥水混合液サンプルの沈降ビデオを直接収集し、この沈降ビデオから異なる時点での複数のビデオフレームを試験画像として選択してもよく、他の代替実施形態においては、サンプリング撮影モジュール101は、沈降過程の異なる時点での試験画像を収集してもよい。前記測定分析モジュール104は、前記試験画像を取得し、前記試験画像から前記泥水混合液サンプルの沈降比を取得し、具体的には、測定分析モジュール104は、試験画像を画像処理して対応するデータ(例えば、試験画像中の沈降汚泥の高さと泥水混合液の高さ)を取得し、このデータから汚泥沈降比を算出し、異なる試験画像は異なる時点での汚泥沈降比に対応する。この測定分析モジュール104は、また、前記泥水混合液サンプルの沈降過程における沈降比に基づいて汚泥活性を分析し、汚泥活性分析結果を得て、得られた汚泥活性分析結果に基づいて汚泥活性が異常であるか否かを判断する。
【0024】
もちろん、当業者が理解できるように、測定分析モジュール104が試験画像を画像処理して得るデータが、沈降比を計算するために使用されるデータに加えて、汚泥の色などの他のデータを含んでもよく、測定モジュール104は、試験画像ごとに対応する沈降比を計算するに加えて、複数の試験画像のデータから他の指標、例えば汚泥の沈降速度を計算してもよいが、上記の形態は本願の内容から疑義なく導き出すことができる。
【0025】
ここで、処理プロセスモジュール106は、下水処理プロセスシステムの稼働中のプロセスデータ、例えば、温度、pHやCODなどを収集して記憶する。前記測定分析モジュール104は、また、汚泥活性が異常である場合、前記処理プロセスモジュール106から前記泥水混合液サンプルのプロセスデータを取得し、前記プロセスデータと前記汚泥活性分析結果に基づいてプロセス分析データを取得する。
【0026】
ここで、前記データサービスモジュール103は、前記試験画像、前記沈降比、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを記憶して管理する。
【0027】
ここで、マンマシンインタラクションモジュール105は、データサービスモジュール103と測定分析モジュール104とにそれぞれ接続ており、ユーザによって入力されたテスト指示を受信して前記サンプリング撮影モジュール101に送信し、ユーザによって入力された沈降比分析指示を受信して前記測定分析モジュール104に送信し、ユーザによって入力された汚泥活性分析指示を受信して前記測定分析モジュール104に送信し、前記沈降比、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを受信して表示する。
【0028】
以上のように、前記サンプリング撮影モジュール101は、マンマシンインタラクションモジュール105からの試験指示を受信して、汚泥沈降比試験を論理的に完了し、通信モジュール102を介して試験過程画像をデータサービスモジュール103に記憶し、測定分析モジュール104は、マンマシンインタラクションモジュール105の分析指示を受信してデータサービスモジュール103に記憶されている試験画像を呼び出し、機械視覚技術で測定して汚泥沈降比を取得し、その結果と画像をマンマシンインタラクションモジュール105にプッシュして表示し、データサービスモジュール103に記憶し、汚泥沈降比試験が完了した後、測定分析モジュール104はマンマシンインタラクションモジュール105の汚泥活性分析指示を受信して汚泥沈降比試験過程を分析し、結果をマンマシンインタラクションモジュール105にプッシュして表示し、データサービスモジュール103に記憶し、汚泥活性が異常である場合、処理プロセスモジュール106のプロセスデータ分析を呼び出し、分析結果をマンマシンインタラクションモジュール105にプッシュして表示し、データサービスモジュール103に記憶する。
【0029】
ここで、データサービスモジュール103、測定分析モジュール104、マンマシンインタラクションモジュール105は、クラウドサービスを構成してクラウドプラットフォームに配置しもよいし、ローカルに配置してもよい。
【0030】
図2に示すように、サンプリング撮影モジュール101及び処理プロセスモジュール106は、通信モジュール102を介して、データサービスモジュール103、測定分析モジュール104及びマンマシンインタラクションモジュール105とデータのやり取りを行う。サンプリング撮影モジュール101及び処理プロセスモジュール106のインターフェース要求によって、本実施例のシステムの通信ネットワークはUSB、イーサネット、RS232/485、WIFI無線及び4G通信を配置してもよい。前記通信モジュール102は、USB通信ユニット、イーサネット通信ユニット、RS232通信ユニット、RS485通信ユニット、WIFI無線通信ユニット、4G通信ユニット又は5G通信ユニットのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0031】
図3に示すように、任意の実施形態では、前記サンプリング撮影モジュール101は、PLCコントローラ201、光源202、バルブ203、リフト機構204、試験容器205、リンス機構206、CCDカメラ207をさらに含んでもよい。その中で、試験容器205は泥水混合液サンプルを収容し、リフト機構204は前記泥水混合液サンプルを前記試験容器に注入し、CCDカメラ207は前記泥水混合液サンプルの試験画像を取得し、リンス機構206は前記試験容器を洗浄し、バルブ203は前記リフト機構204と前記リンス機構206に接続され、光源202は前記CCDカメラ207を補光し、PLCコントローラ201は前記リフト機構204と前記リンス機構206の稼働を制御し、PLCコントローラ201はまた、前記バルブ206及び前記光源202の開閉を制御する。具体的には、PLCコントローラ201は、通信モジュール102を介して汚泥沈降比測定試験の指示を受信し、光源202、バルブ203、リフト機構204及びリンス機構206の起動・停止を試験論理に従って制御して試験をフィードバックし、CCDカメラ207は、通信モジュール102を介して、画像収集指示を受信して試験画像を収集してアップロードする。ここで、光源202は、CCDカメラ206が試験容器205の試験過程画像を収集するための補光を行い、バルブ203はリフト機構204と連携して泥水混合液の試験容器205へのサンプリングを完了し、バルブ203はリンス機構206と連携して浄水による試験容器205の洗浄やリンスを完了する。試験論理は、(1)サンプリングし、(2)汚泥を30min沈降させ、これと同時に、対応する時間点でプロセス画像を収集し、現在の時間点での汚泥沈降比値を算出し、(3)試験終了後、泥水混合液を排出し、(4)装置をリンスすることである。
【0032】
図4に示すように、試験中の試験過程データ301及び試験画像302は、サンプリング撮影モジュール101によって通信モジュール102を介してデータサービスモジュール103に渡されて記憶され、測定分析システム104は、データサービスモジュール103における試験画像302を呼び出して、機械視覚技術で測定し、得られた試験結果データ303をデータサービスモジュール103に記憶し、試験結果データ303は、上記の沈降比と汚泥活性分析結果を含んでもよく、測定分析モジュール104がプロセスデータ305を呼び出して実行し分析する必要がある場合、処理プロセスモジュール106は通信モジュール102を介して必要なプロセスデータ305をデータサービスモジュール103に転送して記憶し、測定分析モジュール104はプロセスデータ305を適用して分析した後、プロセス分析データ304をデータサービスモジュール103に記憶する。
【0033】
ここで、前記マンマシンインタラクションモジュール105は、また、ユーザによって入力された問い合わせ指示をさらに受信し、前記問い合わせ指示に基づいて前記データサービスモジュール103から対応する履歴データを取得し、前記マンマシンインタラクションモジュールは、また、ユーザによって入力されたレポート作成指示を受信し、前記レポート作成指示に基づいて前記履歴データの時間変化曲線をプロットし、前記履歴データは下水処理プロセスシステムの異なる採取時間での泥水混合液サンプルの前記沈降比、前記汚泥活性分析結果及び前記プロセス分析データを含む。
【0034】
測定分析システム104は、また、前記サンプリング撮影モジュール101と前記処理プロセスモジュール106の稼働が異常である場合、対応する装置稼働データを生成して前記データサービスモジュール103に送信し、前記マンマシンインタラクションモジュール105は、また、ユーザによって入力された異常問い合わせ指示を受信し、前記異常問い合わせ指示に基づいて前記データサービスモジュール103から対応する装置稼働データを取得し、装置稼働データの統計結果を生成して表示する。
【0035】
具体的には、
図6に示すように、本実施例のシステムでは、汚泥沈降過程の試験操作には、手動試験501と自動試験502とが含まれており、手動試験501はいつでも試験指示を送信することができ、自動試験502は試験計画を設定した後、試験指示を定時に送信し、試験指示は、通信モジュール102を介してサンプリング撮影モジュール101に送信され、サンプリング撮影モジュール101は試験論理に従って汚泥沈降比試験を行い、マンマシンインタラクションモジュール105に試験状態をリアルタイムでフィードバックし、試験中、測定分析モジュール104は汚泥沈降の各測定点(5min、10min、20min、30min)で汚泥沈降比値503を算出し、試験終了後、測定分析モジュール104は汚泥活性の状況を分析し、結果を汚泥活性分析504にプッシュし、汚泥活性が異常である場合、測定分析モジュール104はプロセスを分析し、その結果をプロセス異常分析505にプッシュし、試験結果506は、時間帯に応じてデータサービスモジュール103から履歴試験データを取得し、テーブルを作成することができ、履歴曲線507は、時間帯に応じてデータサービスモジュール103から履歴試験データを取得し、測定点(5min、10min、20min、30min)ごとに曲線をプロットすることができ、装置の稼働が異常である場合、警報情報は装置稼働状況508にプッシュされて表示され、データサービスモジュール103に記憶され、装置稼働状況508によって異常警報を解消することができ、装置稼働状況508は、時間帯に応じてデータサービスモジュール103から履歴警報記録を取得することができ、マンマシンインタラクションモジュール105は、サンプリング撮影モジュール101の稼働異常回数をカウントし、装置稼働状況508に表示してもよい。
【0036】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、ここで、本発明の創造的発想を逸脱することなく、当業者にとっては改良を加えることも可能であるが、これらはすべて本発明の保護範囲に属する。
【国際調査報告】