(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-16
(54)【発明の名称】組電池のための支持体
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20221209BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20221209BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20221209BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20221209BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20221209BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20221209BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20221209BHJP
H01M 10/625 20140101ALN20221209BHJP
H01M 10/643 20140101ALN20221209BHJP
H01M 10/6557 20140101ALN20221209BHJP
H01M 10/6565 20140101ALN20221209BHJP
H01M 10/6568 20140101ALN20221209BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M50/213
H01M10/613
H01M50/284
H01M50/204 401D
H01M10/651
H01M10/48 P
H01M10/625
H01M10/643
H01M10/6557
H01M10/6565
H01M10/6568
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022522964
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020079409
(87)【国際公開番号】W WO2021074456
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521186421
【氏名又は名称】ゼロテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】フラナリー、バリー
【テーマコード(参考)】
5H030
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H030AA03
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB21
5H030FF43
5H031AA09
5H031BB02
5H031CC01
5H031EE01
5H031EE04
5H031KK08
5H040AA02
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT01
5H040AY06
5H040CC35
5H040GG27
5H040JJ03
5H040LL01
5H040LL06
(57)【要約】
1つ又は複数の検知手段(2、3)を組電池内に保持、配置する支持体手段(1)であって、組電池は、1つ又は複数の電池と、少なくとも1つの電池と熱接触する熱管理管(10)とを備え、支持体手段(1)は、組電池の1つ又は複数の状態を検知する検知手段(2、3)と、支持体手段(1)に通信接続をもたらす接続手段(4)とを備え、前記検知手段(2、3)は、接続手段(4)に動作可能に接続される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の電気要素を組電池内に保持、配置する支持体手段であって、
前記組電池は、1つ又は複数の単電池と、少なくとも1つの単電池と熱接触する熱管理管とを備え、
前記支持体手段は、少なくとも1つの組電池機能を実施する少なくとも1つの電気要素と、前記支持体手段に通信接続をもたらす接続手段とを備え、
前記電気要素は、前記接続手段に動作可能に接続されることを特徴とする、
支持体手段。
【請求項2】
前記支持体手段は、前記組電池の1つ又は複数の状態を検知する少なくとも1つの検知手段の形態で電気要素を備えることを特徴とする、請求項1に記載の支持体手段。
【請求項3】
前記検知手段は、1つ又は複数のセンサを備えることを特徴とする、請求項2に記載の支持体手段。
【請求項4】
前記検知手段は、2種以上のセンサを備えることを特徴とする、請求項3に記載の支持体手段。
【請求項5】
前記検知手段は、センサのアレイを備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載の支持体手段。
【請求項6】
前記検知手段は、前記管上の歪みを測定する1つ又は複数の歪みセンサを備えることを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項7】
前記検知手段は、いくつかの位置及び/又は方向で前記管上の歪みを測定する複数の歪みセンサを備えることを特徴とする、請求項6に記載の支持体手段。
【請求項8】
前記検知手段は、前記管と少なくとも1つの単電池との間の接触圧力を測定する1つ又は複数の圧力センサを備えることを特徴とする、請求項2~7のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項9】
前記検知手段は、前記管の長さ部に沿って前記管と複数の単電池との間の接触圧力を測定する複数の圧力センサを備えることを特徴とする、請求項8に記載の支持体手段。
【請求項10】
前記検知手段は、少なくとも1つの単電池の温度を測定する1つ又は複数の温度センサを備えることを特徴とする、請求項2~9のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項11】
前記検知手段は、複数の単電池の温度を測定する複数の温度センサを備えることを特徴とする、請求項10に記載の支持体手段。
【請求項12】
前記支持体手段は、前記少なくとも1つの温度センサと、前記管との間に配置可能な熱障壁手段を備えることを特徴とする、請求項10又は11に記載の支持体手段。
【請求項13】
前記支持体手段は、1つ又は複数の単電池からエネルギーを放散させる少なくとも1つのエネルギー放散手段の形態で電気要素を備えることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項14】
前記エネルギー放散手段は、電池平衡手段を備え、前記電池平衡手段は、1つ又は複数の平衡抵抗器を備えることを特徴とする、請求項13に記載の支持体手段。
【請求項15】
前記平衡抵抗器又は各前記平衡抵抗器は、導電性パターン層内の導電性トレースであることを特徴とする、請求項14に記載の支持体手段。
【請求項16】
前記導電性トレース又は各前記導電性トレースは、1つ又は複数の直線区分と1つ又は複数の屈曲部若しくはコーナとを備える経路を辿ることを特徴とする、請求項15に記載の支持体手段。
【請求項17】
前記エネルギー放散手段は、前記接続手段を介して切替え手段に動作可能に接続され、前記切替え手段は、前記1つ又は複数の平衡抵抗器を通じて単電池からのエネルギーの排出を制御するために使用されることを特徴とする、請求項14から16のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項18】
前記支持体手段は、前記熱管理管に動作可能に接続するように適合されることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項19】
前記支持体手段は、前記熱管理管に熱接続する及び/又は機械的に接続するように適合されることを特徴とする、請求項18に記載の支持体手段。
【請求項20】
前記支持体手段は、前記支持体手段の長さ部の少なくとも一部分に沿って前記熱管理管に取り付けられることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項21】
前記支持体手段は、前記管の外面と1つ又は複数の単電池との間に配置可能であることを特徴とする、請求項20に記載の支持体手段。
【請求項22】
前記管は膨張性であることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項23】
前記管は、膨張状態において、前記管が1つ又は複数の単電池の表面の少なくとも一部に少なくとも部分的に適合するように適合可能であることを特徴とする、請求項22に記載の支持体手段。
【請求項24】
前記管は、ポリマーベースの材料から形成されることを特徴とする、請求項22又は23に記載の支持体手段。
【請求項25】
前記管は、膨張性プラスチック材料から形成されることを特徴とする、請求項24に記載の支持体手段。
【請求項26】
前記膨張性プラスチック材料は、ポリエステル、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)であることを特徴とする、請求項25に記載の支持体手段。
【請求項27】
前記管には、熱膨張性又はポリウレタン発泡体等の拡張性発泡体が充填されることを特徴とする、請求項22~26のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項28】
前記支持体手段は、可撓性であることを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項29】
前記支持体手段は、可撓性基板を備えることを特徴とする、請求項28に記載の支持体手段。
【請求項30】
前記支持体手段は、可撓性印刷回路板であることを特徴とする、請求項28又は29に記載の支持体手段。
【請求項31】
前記基板は、少なくとも1つの導電性パターン層を備えることを特徴とする、請求項1から30のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項32】
前記電気要素は、前記導電性パターン層内の前記導電性トレースを介して前記接続手段に電気接続されることを特徴とする、請求項31に記載の支持体手段。
【請求項33】
前記導電性トレースは、1つ又は複数の信号線と、少なくとも1つの接地線とを含むことを特徴とする、請求項31又は32に記載の支持体手段。
【請求項34】
前記接続手段は、前記支持体手段の外周縁部に近接して配置されることを特徴とする、請求項1から33のいずれか一項に記載の支持体手段。
【請求項35】
1つ又は複数の単電池と、少なくとも1つの可撓性管と、請求項1から34のいずれか一項に記載の支持体手段とを備える組電池の製造方法であって、
前記支持体手段を前記管に動作可能に結合することと、
前記管を膨張させることと、
前記検知手段の出力を監視することと、を含む、
方法。
【請求項36】
前記方法は、前記管が1つ又は複数の単電池に隣接して配置された際又は1つ又は複数の単電池の間に配置された際、前記管を膨張させることを更に含むことを特徴とする、請求項35に記載の組電池の製造方法。
【請求項37】
前記方法は、前記少なくとも1つのセンサの出力が所定範囲内になるまで、前記管を膨張させることを更に含むことを特徴とする、請求項35又は36に記載の組電池の製造方法。
【請求項38】
前記方法は、前記管の表面上の歪みが、少なくとも1つの歪みセンサによって測定した際に閾値を上回る場合、前記管の少なくとも一部を充填手段で少なくとも部分的に囲むことを更に含み、前記充填手段は、拡張性発泡体、ポリウレタン又はシリコーン充填材料を含むことを特徴とする、請求項35から37のいずれか一項に記載の組電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ又は複数の電気要素のための支持体に関する。より詳細には、本発明は、組電池内で使用するための支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池の安全で効率的な使用には、組電池自体及び組電池内の構成要素の動作特性に関する知識を必要とする。例えば、ハイブリッド車両又は電気車両を運転する際、組電池の充電状態及び健全状態、並びに理想的には個々の単電池の充電状態及び健全状態を知っていることが重要である。例えば、リチウムイオン電池を利用するより大型の組電池では、充電/放電サイクルの間に単電池が過熱しやすいため、組電池の温度特性に関する知識も重要である。更に、例えば、0℃を下回る低温では、単電池の放電性能は、低減する一方で、そのような温度での充電は、リチウムめっきをもたらすことがあり、著しく修復不可能な損傷及び即時の能力損失を単電池に生じさせる。単電池内のリチウムめっき及び結晶生成も、単電池内部の誘電膜の絶縁を破壊することがあり、短絡をもたらす。
【0003】
組電池の単電池を適切な温度エンベロープ内に保つため、例えば、加圧された熱管理流体を使用して熱を単電池間で伝達する熱管理システムの提供を必要とすることが多い。効果的に稼働させるため、熱管理システムは、例えば、組電池内の温度及び熱管理システム内の圧力の正確な測定に依存する。更に、組電池の製造中、良好な性能を保証するため、熱管理システムを正確に特性決定し、較正することが重要である。
【0004】
熱管理される組電池の主な製造に関する問題は、センサ及び他の電気要素を組電池内に組み込むことに関する。複数の電気要素を組み込むそのような組立体は、多量のワイヤを利用することが多く、製造工程を複雑にし、かなりの量の空間を組電池内で占める。多数の固定していないワイヤを使用すると、自動化された大量製造の間、明らかな問題を生じさせる。センサは、組電池のより深くに組み込むのではなく、例えば積層母線内に組み込むことが可能であるが、そのような解決策は、単電池温度の正確な測定値をもたらさない。というのは、母線の加熱により、測定値を歪めることがあり、製造業者が組電池の製造中に熱管理システムを正確に特性決定し、較正することが可能ではないためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記で概説した問題をなくすか又は軽減することが、本発明の一目的である。特に、1つ又は複数の電気要素を組電池内に組み込む方法を提供することは、本発明の一目的である。
【0006】
組電池の構成要素の動作特性の測定及び/又は管理に使用し得る1つ又は複数の電気要素を提供することが、本発明の更なる目的である。
【0007】
組電池内の熱管理システムの特性を決定、較正、制御する方法を提供することが、本発明の更なる目的である。
【0008】
組電池の自動化された大量組立ての間に組電池内に設置し得る電気要素を提供することが、本発明の更なる目的である。
【0009】
組電池内の空間を節約することが、本発明の更なる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、1つ又は複数の電気要素を組電池内に保持、配置する支持体手段が提供され、組電池は、1つ又は複数の単電池と、少なくとも1つの単電池と熱接触する熱管理管とを備え、支持体手段は、少なくとも1つの組電池機能を実施する少なくとも1つの電気要素と、支持体手段に通信接続をもたらす接続手段とを備え、電気要素は、接続手段に動作可能に接続される。有利には、支持体手段は、多量の接続器を必要とせずに電気要素(複数可)を組電池内に配置するために使用でき、これにより、組電池内の空間を節約する。有益には、接続手段は、制御コンピュータ等の1つ又は複数の外部構成要素に支持体手段を接続する道筋をもたらす。
【0011】
電気要素とは、パラメータの検知及び/又は組電池内の電池の調整等の機能を実施するのに使用し得る、あらゆる適切な能動若しくは受動電気及び/又は電子構成要素を意味する。
【0012】
組電池機能とは、組電池の稼働の間に実施されるあらゆる機能、例えば、組電池の構成要素の特性を測定すること、又は単電池の平衡化若しくは熱管理の目的で電流を放電することを意味する。
【0013】
好ましくは、支持体手段は可撓性である。有利には、可撓性支持体手段の提供により、支持体手段、したがって電気要素(複数可)を組電池内に容易に取り付け可能にする。
【0014】
好ましくは、支持体手段は、可撓性印刷回路板(PCB)である。
【0015】
好ましくは、支持体手段は多層PCBである。
【0016】
好ましくは、支持体手段は可撓性基板を備える。
【0017】
好ましくは、基板は、ポリイミド膜を備える。
【0018】
任意で、基板は、ポリエステル(PET)膜を備える。
【0019】
任意で、基板は、ガラス繊維エポキシ積層体を備える。
【0020】
好ましくは、基板は、カプトン又はFR-4を備える。
【0021】
好ましくは、基板は、基体を備える。
【0022】
任意で、基板は、ポリイミン基体を備える。
【0023】
好ましくは、基板は、少なくとも1つのカバー層を備える。
【0024】
任意で、基板は、少なくとも1つのポリイミンカバー層を備える。
【0025】
好ましくは、支持体手段は、強化手段を備える。有利には、強化手段は、例えば支持体手段が大きな力を受ける可能性がある特定の場所で、支持体手段に強度を加える。
【0026】
好ましくは、強化手段は、ポリイミド、FR-1、FR-2、FR-4、CEM-1、CEM-3、RO3000又はRO4000を含む。
【0027】
好ましくは、支持体手段は、少なくとも1つの導電性パターン層を備える。
【0028】
好ましくは、上記導電性パターン層又は各導電性パターン層は、基体層とカバー層との間に設けられる。
【0029】
好ましくは、接着剤層は、基体層(複数可)と、導電性パターン層(複数可)と、カバー層(複数可)との間に設けられる。
【0030】
好ましくは、導電性パターン層は、1つ又は複数の導電性トレースを備える。
【0031】
好ましくは、導電性トレースは、0.05~1mmの幅である。
【0032】
理想的には、導電性トレースは、銅トレースである。
【0033】
好ましくは、導電性トレースは、1つ又は複数の信号線を含む。
【0034】
好ましくは、導電性トレースは、少なくとも1つの接地線を含む。
【0035】
理想的には、支持体手段は、共通の接地平面を備える。
【0036】
好ましくは、共通の接地平面は、導電性パターン層内の導電性トレースによってもたらされる。
【0037】
好ましくは、支持体手段は、組電池の1つ又は複数の状態を検知する少なくとも1つの検知手段の形態で電気要素を備える。
【0038】
理想的には、検知手段は、導電性パターン層を介して接続手段に動作可能に接続される。
【0039】
理想的には、検知手段は、導電性パターン層内の導電性トレースを介して接続手段に電気接続される。
【0040】
好ましくは、接続手段は、支持体手段の外周縁部に近接して配置される。
【0041】
好ましくは、接続手段は、1つ又は複数の導電性パッドを備える。
【0042】
好ましくは、上記導電性パッド又は各導電性パッドは、金めっきされている。
【0043】
好ましくは、接続手段は、1つ又は複数のエッジ・コネクタ、はんだパッド、基板-ワイヤ・コネクタ、メザニン・コネクタ、2ピン、4ピン、8ピン若しくは16ピン・コネクタ、表面実装ピン、接続ブロック又は端子を含み得る。
【0044】
好ましくは、検知手段は、1つ又は複数のセンサを備える。
【0045】
好ましくは、検知手段は、2種以上のセンサを備える。
【0046】
好ましくは、検知手段は、センサのアレイを備える。
【0047】
好ましくは、検知手段は、規則的に離間するセンサのアレイを備える。
【0048】
好ましくは、1つ又は複数のセンサは、温度センサ、歪みセンサ、圧力センサ、揮発性有機物(VOC)センサ、一酸化炭素(CO)センサ、二酸化炭素(CO2)センサ、煙センサ、漏れ検出器、加速度センサ、微小電気機械システム(MEMS)センサ、健全状態(SoH)センサ、又は充電状態(SoC)センサのあらゆる組合せを含む。
【0049】
好ましくは、1つ又は複数のセンサは、表面実装センサ(複数可)である。
【0050】
好ましくは、上記センサ又は各センサは、導電性パターン層内の少なくとも1本の信号線に接続される。
【0051】
任意で、上記センサ又は各センサは、導電性パターン層内の接地線に接続される。
【0052】
任意で、複数のセンサは、導電性パターン層内の共通の接地線に接続される。
【0053】
好ましくは、支持体手段は、細長い支持体手段である。
【0054】
好ましくは、支持体手段は、2~20mmの幅である。
【0055】
好ましくは、支持体手段は、5~10mmの幅である。
【0056】
好ましくは、支持体手段は、0.01~1mmの厚さである。
【0057】
好ましくは、支持体手段は、長尺方向で延在する。
【0058】
理想的には、支持体手段は、組電池内に配置される。
【0059】
理想的には、支持体手段は、1つ又は複数の単電池に近接して配置される。
【0060】
好ましくは、支持体の長尺方向は、単電池の長軸に直交する。
【0061】
理想的には、支持体手段は、1つ又は複数の管に近接して配置される。
【0062】
好ましくは、支持体手段は、管に取り付け可能である。
【0063】
好ましくは、支持体手段は、熱管理管に動作可能に接続するように適合される。
【0064】
好ましくは、支持体手段は、熱管理管に熱接続する及び/又は機械的に接続するように適合される。
【0065】
好ましくは、支持体手段は、組電池内の管に取り付け可能である。
【0066】
好ましくは、管は、熱管理管である。
【0067】
任意で、組電池は、複数の管を備える。
【0068】
好ましくは、1つ又は複数の管は、蛇行管である。
【0069】
好ましくは、1つ又は複数の管は、マニホルド管である。
【0070】
任意で、組電池は、1つ又は複数の実質的に直線の管を備える。
【0071】
任意で、組電池は、1つ又は複数の平行な管を備える。
【0072】
好ましくは、上記管又は各管は、1つ又は複数の実質的に直線の区分を備える。
【0073】
好ましくは、上記管又は各管は、熱管理流体を運ぶように構成される。
【0074】
好ましくは、上記管又は各管は、空気、水、又は水-グリコール混合物を運ぶように構成される。
【0075】
理想的には、支持体手段の少なくとも一部は、支持体手段の長さ部の一部分に沿って管に取り付けられる。
【0076】
好ましくは、支持体手段は、支持体手段の長さ部の少なくとも一部分に沿って熱管理管に取り付けられる。
【0077】
好ましくは、支持体手段は、管の外面と1つ又は複数の単電池との間に配置可能である。
【0078】
理想的には、支持体手段は、管に熱溶接される。
【0079】
好ましくは、支持体手段は、接着剤により管に取り付けられる。
【0080】
好ましくは、支持体手段は、エポキシ等の接着剤を使用して管に接着取り付けされる。
【0081】
理想的には、管の表面及び/又は支持体手段は、コロナ放電プラズマ処理により処理される。有利には、管の表面及び/又は支持体をこのように処理すると、エポキシへの良好な接着を保証する。
【0082】
任意で、支持体手段は、機械的固定を介して管に取り付けられる。
【0083】
好ましくは、支持体手段は、機械的固定手段を備える。
【0084】
理想的には、機械的固定手段は、支持体内に1つ又は複数のバイア又は貫通孔を備える。
【0085】
好ましくは、管の少なくとも一部は、支持体を管に機械的に固定させるように、支持体内の少なくとも1つのバイア又は貫通孔を通過する。
【0086】
好ましくは、管の少なくとも一部は、支持体内の少なくとも1つのバイア又は貫通孔に通して融解させる。
【0087】
理想的には、管は、可撓性管である。
【0088】
好ましくは、管は、膨張性である。
【0089】
好ましくは、管は、膨張状態において、管が1つ又は複数の単電池の表面の少なくとも一部に少なくとも部分的に適合するように適合可能である。
【0090】
好ましくは、可撓性管は、ポリマーベースの材料から形成される。
【0091】
好ましくは、可撓性管は、膨張性プラスチック材料から形成される。膨張性プラスチック材料は、固有に絶縁性で軽量であり、腐食しないか、又はグリコール水混合物等の熱管理流体と化学的に相互作用しないため、有利である。
【0092】
好ましくは、膨張性プラスチック材料は、ポリエステル、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)である。
【0093】
理想的には、可撓性管の壁は、10μmから150μmの厚さの間である。有利には、膨張性プラスチック材料は、かなり薄く作製してよく、これにより、上記管又は各管と単電池との間の良好な熱伝達特性を可能にする。
【0094】
任意で、管は、剛性管である。
【0095】
任意で、管は、アルミニウム又は銅管等の金属管である。有利には、金属管は、管と単電池との間に良好な熱伝導をもたらす。
【0096】
好ましくは、管は、一重管腔管である。
【0097】
任意で、管は、多重管腔管である。多重管腔管は、一重管腔管では均等な温度分配の促進が可能ではない大型組電池内で使用し得る。
【0098】
理想的には、多重管腔管は、2つ以上の管腔を備え、熱管理流体は、これらの管腔に沿って流し得る。
【0099】
好ましくは、支持体手段は、組電池内に配置される。
【0100】
理想的には、組電池は、1つ又は複数の単電池を備える。
【0101】
好ましくは、上記単電池又は各単電池は、円筒形単電池である。
【0102】
好ましくは、管は、外面を有する。
【0103】
好ましくは、管の外面の少なくとも一部は、1つ又は複数の単電池と熱接触する。有利には、管と単電池との間の熱接触により、熱管理の目的で熱を単電池間で伝達することを可能にする。
【0104】
好ましくは、管の外面の少なくとも一部は、1つ又は複数の単電池と物理的に接触する。
【0105】
好ましくは、上記管又は各管は、膨張性である。
【0106】
好ましくは、管には、熱管理流体が充填される。
【0107】
好ましくは、上記管又は各管は、熱管理流体によって膨張状態まで加圧される。
【0108】
好ましくは、熱管理流体は、空気、水、又は水-グリコール混合物である。
【0109】
任意で、管には、熱膨張性発泡体又はポリウレタン発泡体等の拡張性発泡体が充填される。
【0110】
好ましくは、上記管又は各管は、拡張性発泡体によって膨張状態まで加圧される。
【0111】
好ましくは、上記管又は各管は、膨張状態において、1つ又は複数の単電池の表面に適合する。
【0112】
好ましくは、上記管又は各管の形状は、1つ又は複数の単電池の表面の少なくとも一部に少なくとも部分的に適合する。
【0113】
理想的には、支持体手段は、管の外面上に配置される。
【0114】
理想的には、支持体手段は、管の外面と1つ又は複数の単電池との間に配置される。
【0115】
好ましくは、上記センサ又は各センサは、測定すべき少なくとも1つのそれぞれの構成要素に隣接して配置される。
【0116】
好ましくは、測定すべき構成要素(複数可)は、少なくとも1つの管を含む。
【0117】
好ましくは、測定すべき構成要素(複数可)は、少なくとも1つの単電池を含む。
【0118】
好ましくは、支持体手段は、管上の歪みを測定する1つ又は複数の歪みセンサを備える。有利には、歪みセンサは、例えば管を加圧した際の管の拡張又は屈曲を指し示し得る。有益には、歪みセンサは、管内の圧力レベルを指し示すために使用し得る。
【0119】
好ましくは、支持体手段は、いくつかの位置及び/又は方向で管上の歪みを測定する複数の歪みセンサを備える。
【0120】
好ましくは、歪みセンサは、管に隣接して支持体手段の表面上に実装される。
【0121】
好ましくは、支持体手段は、管と少なくとも1つの単電池との間の接触圧力を測定する1つ又は複数の圧力センサを備える。有利には、圧力センサは、管と単電池との間に接触圧力がどれくらいあるかを定量化し、管と単電池との間の熱結合量を特性決定するために使用し得る。
【0122】
好ましくは、検知手段は、管の長さ部に沿って管と複数の単電池との間の接触圧力を測定する複数の圧力センサを備える。
【0123】
好ましくは、単電池に対する管の接触圧力を測定する1つ又は複数の圧力センサは、単電池と管との間に配置される。
【0124】
好ましくは、圧力センサは、圧電抵抗式圧力センサである。
【0125】
好ましくは、圧力センサは、MEMS圧力センサである。
【0126】
理想的には、支持体手段は、1つ又は複数の温度センサを備える。有利には、温度センサは、管及び/若しくは1つ若しくは複数の単電池上の温度、又はこれらの周囲の温度を指し示すことが可能である。
【0127】
理想的には、支持体手段は、少なくとも1つの単電池の温度を測定する1つ又は複数の温度センサを備える。
【0128】
好ましくは、検知手段は、複数の単電池の温度を測定する複数の温度センサを備える。
【0129】
理想的には、支持体手段は、管の温度を測定する1つ又は複数の温度センサを備える。
【0130】
理想的には、支持体手段は、管と単電池との間に配置される少なくとも1つの温度センサを備える。有利には、膨張状態において、管は、管と単電池との間の良好な熱接触を保証するように、温度センサを単電池に対して押圧する。
【0131】
理想的には、支持体手段は、単電池に隣接して支持体手段の表面上に配置される少なくとも1つの温度センサを備える。
【0132】
理想的には、支持体手段は、熱障壁手段を備える。
【0133】
好ましくは、熱障壁手段は、管と検知手段との間に配置される。
【0134】
理想的には、熱障壁手段は、支持体手段の、温度センサとは反対の側に配置される。有利には、熱障壁手段は、温度センサを使用して単電池を測定する際、温度センサと、測定が意図されない構成要素、例えば管との間の熱接触を制限するために使用し得る。
【0135】
好ましくは、熱障壁手段の物理的範囲は、検知手段の領域と実質的に等しいか、又はこれを超える。
【0136】
好ましくは、熱障壁手段は、少なくとも1つの温度センサと管との間に配置される。
【0137】
理想的には、支持体手段は、管の外面上で熱管理流体の存在を測定する1つ又は複数の漏れセンサを備える。有利には、漏れセンサは、管内からの熱管理流体の漏れを指し示し得る。
【0138】
好ましくは、1つ又は複数のセンサは、個々に対処可能である。有利には、センサを個々に対処可能であることにより、組電池内で測定されるパラメータの分布を解決できる。
【0139】
好ましくは、支持体手段は、1つ又は複数の単電池からエネルギーを放散させる少なくとも1つのエネルギー放散手段の形態で電気要素を備える。
【0140】
好ましくは、支持体手段は、単電池平衡手段を備える。
【0141】
好ましくは、エネルギー放散手段は、単電池平衡手段を備える。有利には、エネルギー放散手段は、組電池内の単電池の電圧を平衡にするため、単電池内の過剰な電荷を放散させるために使用し得る。
【0142】
好ましくは、単電池平衡手段は、1つ又は複数の平衡抵抗器を備える。
【0143】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、導電性トレースである。
【0144】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、銅トレースである。
【0145】
理想的には、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、導電性パターン層内の導電性トレースである。
【0146】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、0.05~0.2mmの幅の導電性トレースである。
【0147】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、0.1~0.2mmの厚さの導電性トレースである。
【0148】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、100~10000mmの長さの導電性トレースである。
【0149】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、ラビリンス経路を辿る導電性トレースである。
【0150】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、1つ又は複数の直線区分と、1つ若しくは複数の屈曲部又はコーナとを備える経路を辿る導電性トレースである。
【0151】
代替的に、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、表面実装抵抗器である。
【0152】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、1~100Ωの抵抗を有する。
【0153】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、約10Ωの抵抗を有する。
【0154】
好ましくは、エネルギー放散手段は、切替え手段に動作可能に接続される。
【0155】
好ましくは、切替え手段は、接続手段を介してエネルギー放散手段に接続される。
【0156】
任意で、切替え手段は、支持体手段に一体に接続される。
【0157】
好ましくは、切替え手段は、1つ又は複数のソリッドステート切替え手段を備える。
【0158】
好ましくは、切替え手段は、1つ又は複数のトランジスタを備える。
【0159】
理想的には、切替え手段は、1つ又は複数の平衡抵抗器を通じて単電池からのエネルギー放出を制御するために使用される。
【0160】
好ましくは、エネルギー放散手段は、管と熱接触する。有利には、管は、エネルギー放散手段内で生成された熱があれば放散するために使用し得る。
【0161】
好ましくは、測定手段は、電気接続手段を介して検知手段に動作可能に結合される。
【0162】
好ましくは、測定手段は、1つ又は複数の測定回路を備える。
【0163】
好ましくは、測定手段は、1つ又は複数のホイートストン・ブリッジ回路を備える。
【0164】
好ましくは、測定手段は、測定コンピュータを備える。
【0165】
好ましくは、測定コンピュータは、1つ又は複数のセンサを監視するために使用される。
【0166】
好ましくは、測定コンピュータは、少なくとも1つのセンサの測定値が閾値を上回る場合に信号を出力するように動作可能である。
【0167】
好ましくは、測定コンピュータは、少なくとも1つのセンサの測定値が閾値を下回る場合に信号を出力するように動作可能である。
【0168】
好ましくは、測定コンピュータは、少なくとも1つのセンサの測定値が閾値を上回る場合に信号を出力するように動作可能である。
【0169】
好ましくは、測定コンピュータは、少なくとも1つのセンサの測定値が所定範囲内である場合に信号を出力するように動作可能である。
【0170】
好ましくは、測定手段は、組電池の制御回路に結合される。
【0171】
好ましくは、組電池の動作は、測定手段の出力及び/又は1つ若しくは複数のセンサの出力に基づく。
【0172】
好ましくは、制御回路は、1つ又は複数の歪みセンサによって測定した際に管内の圧力が閾値を下回る場合、管内の圧力を増大させるように動作可能である。
【0173】
好ましくは、制御回路は、1つ又は複数の温度センサによって測定した際に1つ又は複数の単電池の温度が閾値を超えた場合、管内の熱管理流体の流量を増大させるように動作可能である。
【0174】
好ましくは、制御回路は、1つ又は複数の圧力センサによって測定した際に管と1つ又は複数の単電池との間の接触圧力が所定範囲外にある場合、管内の圧力を増大させるように動作可能である。
【0175】
本発明の第2の態様によれば、組電池内に1つ又は複数のエネルギー放散手段を保持、配置する支持体手段が提供され、組電池は、1つ又は複数の単電池と、熱管理管とを備え、支持体手段は、1つ又は複数の単電池からエネルギーを放散するエネルギー放散手段を備え、エネルギー放散手段は、熱管理管と熱接触する。有利には、エネルギー放散手段は、組電池内の単電池の電圧を平衡にするため、電池から過剰なエネルギーを放散させるために使用し得る。
【0176】
好ましくは、エネルギー放散手段は、電池平衡手段を備える。
【0177】
好ましくは、電池平衡手段は、1つ又は複数の平衡抵抗器を備える。
【0178】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、導電性トレースである。
【0179】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、銅トレースである。
【0180】
理想的には、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、導電性パターン層内の導電性トレースである。
【0181】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、0.05~0.2mmの幅の導電性トレースである。
【0182】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、0.1~0.2mmの厚さの導電性トレースである。
【0183】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、100~10000mmの長さの導電性トレースである。
【0184】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、ラビリンス経路を辿る導電性トレースである。
【0185】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、1つ又は複数の直線区分と、1つ又は複数の屈曲部とを備える経路を辿る導電性トレースである。
【0186】
代替的に、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、表面実装抵抗器である。
【0187】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、1~100Ωの抵抗を有する。
【0188】
好ましくは、上記平衡抵抗器又は各平衡抵抗器は、約10Ωの抵抗を有する。
【0189】
好ましくは、エネルギー放散手段は、切替え手段に動作可能に接続される。
【0190】
好ましくは、切替え手段は、接続手段を介してエネルギー放散手段に接続される。
【0191】
任意で、切替え手段は、支持体手段に一体に接続される。
【0192】
好ましくは、切替え手段は、1つ又は複数のソリッドステート切替え手段を備える。
【0193】
好ましくは、切替え手段は、1つ又は複数のトランジスタを備える。
【0194】
理想的には、切替え手段は、1つ又は複数の平衡抵抗器を通じて電池からのエネルギー放出を制御するために使用される。
【0195】
本発明の第3の態様によれば、1つ又は複数の機能要素を組電池内に保持、配置する支持体手段が提供され、組電池は、1つ又は複数の単電池と、少なくとも1つの単電池と熱接触する熱管理管とを備え、支持体手段は、組電池内で少なくとも1つの機能を実施する少なくとも1つの機能要素と、支持体手段に通信接続をもたらす接続手段とを備え、機能要素は、接続手段に動作可能に接続される。
【0196】
機能要素とは、組電池内での機能の実施に使用し得るあらゆる光学構成要素及び/又は電気/電子構成要素、例えばファイバ・ブラッグ・グレーティングを意味する。
【0197】
好ましくは、接続手段は、光ファイバである。
【0198】
本発明の第4の態様によれば、1つ又は複数の単電池と、少なくとも1つの可撓性管と、支持体手段とを備える組電池の製造方法が提供され、方法は、支持体手段を管に動作可能に結合することと、管を膨張させることと、検知手段の出力を監視することとを含む。有利には、支持体手段は、管が正確に膨張されていることを保証するように、リアルタイム・フィードバックを提供し得る。
【0199】
本発明の第5の態様によれば、1つ又は複数の単電池と、少なくとも1つの可撓性管とを備える組電池の製造方法が提供され、方法は、少なくとも1つのセンサを管に動作可能に結合することと、管を膨張させることと、センサの出力を監視することとを含む。有利には、センサの監視は、管が正確に膨張されていることを保証するように、リアルタイム・フィードバックを提供し得る。
【0200】
好ましくは、方法は、複数のセンサを管に動作可能に接続することを含む。
【0201】
好ましくは、方法は、支持体手段を管に動作可能に接続することを含み、支持体手段は、電気要素と接続手段とを備える。
【0202】
好ましくは、方法は、支持体手段を管に動作可能に接続することを含み、支持体手段は、検知手段と接続手段とを備える。
【0203】
好ましくは、方法は、1つ又は複数の歪みセンサを管に動作可能に接続することを含む。
【0204】
好ましくは、方法は、1つ又は複数の温度センサを管に動作可能に接続することを含む。
【0205】
好ましくは、方法は、1つ又は複数の圧力センサを管に動作可能に接続することを含む。
【0206】
好ましくは、方法は、管が1つ又は複数の単電池に隣接して配置される際、又は管を1つ又は複数の単電池の間に配置される際、管を膨張させることを更に含む。
【0207】
好ましくは、方法は、空気、水又は水-グリコール混合物等の熱管理流体を使用して管を膨張させることを含む。
【0208】
好ましくは、方法は、ポリウレタン発泡体又は他の熱膨張性発泡体等の拡張性発泡体を使用して管を膨張させることを含む。
【0209】
好ましくは、方法は、歪みセンサを使用して管の表面上の歪みを測定することを含む。
【0210】
好ましくは、方法は、圧力センサを使用して管と単電池との間の接触圧力を測定することを含む。
【0211】
好ましくは、方法は、少なくとも1つのセンサの出力が閾値を下回る間、管を膨張させることを含む。
【0212】
好ましくは、方法は、少なくとも1つの歪みセンサによって測定した際に管の表面上の歪みが閾値を下回る間、管を膨張させることを含む。
【0213】
好ましくは、方法は、少なくとも1つのセンサの出力が閾値を上回るまで、管を膨張させることを含む。
【0214】
好ましくは、方法は、少なくとも1つのセンサの出力が所定範囲内になるまで、管を膨張させることを含む。
【0215】
好ましくは、方法は、少なくとも1つの圧力センサによって測定した際に管と単電池との間の接触圧力が所定範囲外にある間、管を膨張させることを含む。
【0216】
好ましくは、方法は、管の少なくとも一部を充填手段で少なくとも部分的に囲むことを含む。有利には、充填手段は、組電池を強化し、構成要素を組電池内に確実に保持するために使用される。
【0217】
好ましくは、方法は、管の少なくとも一部を充填手段で少なくとも部分的に囲むことを含み、充填手段は、拡張性発泡体、ポリウレタン発泡体又はシリコーン充填材料を含む。
【0218】
好ましくは、方法は、少なくとも1つのセンサの出力が閾値を上回る場合、管の少なくとも一部を充填手段で少なくとも部分的に囲むことを含む。
【0219】
好ましくは、方法は、少なくとも1つの歪みセンサによって測定した際に管の表面上の歪みが閾値を上回る場合、管の少なくとも一部を充填手段で少なくとも部分的に囲むことを含む。
【0220】
好ましくは、方法は、少なくとも1つの圧力センサによって測定した際に管と単電池との間の接触圧力が閾値を上回る場合、管の少なくとも一部を充填手段で少なくとも部分的に囲むことを含む。
【0221】
本発明の一態様に適用可能な任意の特徴は、あらゆる組合せで、あらゆる数で使用し得ることは了解されよう。更に、任意の特徴は、本発明の他の態様のいずれかと共に、あらゆる組合せで、あらゆる数で使用し得る。このことは、限定はしないが、本明細書の特許請求の範囲内のあらゆる他の請求項に対する従属請求項として使用される、任意の請求項からの従属請求項を含む。
【0222】
次に、本発明を添付の図面を参照しながら説明する。図面は、単に例として、本発明による装置の1つ又は複数の好ましい実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0223】
【
図3】熱管理管に取り付けられた、本発明による支持体の斜視図である。
【
図4b】測定回路及び制御コンピュータに接続された支持体を備える組電池の概略図である。
【
図5】管と熱接触する複数の単電池の斜視図であり、複数の単電池は、本発明による支持体を備える。
【
図6】管及び支持体と熱接触する複数の単電池の斜視図である。
【
図7】管及び支持体と熱接触し、底板上に実装された複数の単電池の斜視図である。
【
図8a】本発明の一態様による支持体を備える蛇行管の斜視図である。
【
図9a】本発明の一態様による、熱伝達材料を含むマニホルド管の斜視図である。
【
図9b】
図8aに示すマニホルド管の上面図である。
【
図10】本発明による蛇行管及び複数の支持体の上面図である。
【
図11a】本発明の一態様による支持体の更なる斜視図である。
【
図11b】切替え装置に動作可能に接続される
図11aの支持体の概略図である。
【
図12】本発明の一態様による組電池の製造方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0224】
図1では、全体的に数字1によって示される支持体が示される。支持体1は、それぞれ電気接続パッド4に接続される第1のセンサ2と第2のセンサ3とを備える。支持体1は、可撓性印刷回路板(PCB)の形態の可撓性基板5を備える。可撓性基板5は、ポリイミン基層とポリイミンカバー層との間に導電性パターン層を備える。可撓性基板5の複数の層は、接着剤を介して取り付けられる。
【0225】
導電性パターン層は、複数の導電性銅トレース6を含み、複数の導電性銅トレース6は、0.05~1mmの幅であり、センサ2、3とそれぞれの電気接続パッド4との間に電気接続をもたらす。センサ2、3は、あらゆる適切な配線方式に従って、例えば、各センサに対して2本のトレースを使用して電気接続パッド4に接続し得る。単一の接地線又は共通の接地面は、いくつかのセンサの間で共有してよいが、各センサは、それ自体独自の信号線を有する。
【0226】
電気接続パッド4は、金めっきされた導電性パッドであり、可撓性基板4のポリイミンカバー層の上にあり、導電性パターン層内のトレースに電気接続をもたらすことを可能にする。電気接続パッド4は、測定回路又はコンピュータ等の外部構成要素に支持体1を接続する道筋をもたらす。電気接続パッド4は、組電池内に据え付ける際のアクセスしやすさを容易にするように、支持体1の外周縁部に近接して配置される。
【0227】
当業者は、あらゆる適切な電気接続器を電気接続パッド5の代わりに、又は電気接続パッド4に加えて設け得ることを了解するであろう。支持体1は、エッジ・コネクタ、はんだパッド、基板-ワイヤ・コネクタ、メザニン・コネクタ、2-4-8-若しくは16-ピン・コネクタ、表面実装ピン、接続ブロック又は端子を含み得る。
【0228】
支持体1上のセンサ2、3は、
図2に詳細に示す。第1のセンサ2及び第2のセンサ3は、導電性パターン層内のトレース6に電気接続される表面実装センサである。第1のセンサ2及び第2のセンサ3は、歪み及び温度をそれぞれ測定するために使用される。
【0229】
センサ2、3、及び接続器等の他の構成要素は、適切な手段を使用して、例えば、エポキシ等の接着剤を使用して支持体1に取り付け得る。代替的に、センサ及び/又は接続器は、導電性エポキシ、表面実装技術、手はんだ付け、TIG溶接、レーザー溶接等のあらゆる適切な固定手段を使用して、及び/又はPCB等の別の構成要素を介して支持体1に取り付け得る。
【0230】
図3は、管10の外面上で、管10に部分的に取り付けられる支持体1を示す。支持体1の一方の端部、特に、接続パッド4が位置する支持体1の外周端部は、管に取り付けられておらず、接続パッド4を測定回路又は他の電気機器に取り付け可能にする。
【0231】
好ましい実施形態では、支持体1は、管10に熱溶接されるが、他の実施形態では、代わりに、支持体1は、エポキシ等の接着剤を使用して管10に接着取り付けし得る。管10及び/又は支持体1の表面は、エポキシを塗布する前にコロナ放電プラズマ処理で処理され、エポキシへの良好な接着を保証する。
【0232】
また更なる実施形態では、支持体1は、機械的固定を介して管10に取り付け得る。一例では、支持体1は、管10又は管10に取り付けられた他の固定部材の一部が中を通過し得る1つ若しくは複数のバイア又は貫通孔を含み、支持体1を管10上で適切な場所に保持する。管10は、部分的に融解させてよく、これにより、管10が支持体1内のそのようなバイア又は貫通孔を通過し、バイア又は貫通孔の縁部にわたり「キノコ状になる」ようにし、支持体1を管10上で適切な場所に保持する。代替的に、支持体1は、導電性エポキシ、表面実装技術、手はんだ付け、TIG溶接、レーザー溶接の使用等のあらゆる適切な固定手段を使用して、及び/又はPCB等の別の構成要素を介して管10に取り付け得る。
【0233】
図3に示す例では、管は、可撓性管であるが、支持体1は、組電池内のあらゆる管、例えば、剛性金属管に取り付け得る。
【0234】
支持体1は、管10上の歪みを測定するために使用される歪みセンサ2を含む。歪みセンサ2の出力は、管が膨張状態にある間、管10の屈曲及び/又は拡張を指し示し、管内の圧力レベルを推測するために使用し得る。熱管理システムのユーザは、この情報を使用し、管の過圧/過膨張を回避し、これにより、管10が破裂する危険性を低減し得る。好ましい実施形態では、歪みセンサ2は、抵抗箔歪みゲージ又は静電容量式歪みゲージである。
【0235】
支持体1は、いくつかの位置及び/又は方向で管10上の歪みを測定する複数の歪みセンサ2を備える。位置に反応する歪み測定値は、例えば、管の入口側の圧力が管の出口側の圧力よりも高い場合、閉塞が管10内に生じていることを推測するために使用し得る。管に沿った複数の歪みセンサ2は、ユーザが、管10内の閉塞部位、例えば、屈曲部又はコーナを識別することを可能にする。
【0236】
支持体1は、管10と単電池20との間の接触圧力を測定するように、少なくとも1つの圧力センサを含み得る。圧力センサは、そのような単電池20と管10との間に配置し得る。適切な圧力センサは、圧電抵抗式圧力センサ及び/又はMEMS圧力センサを含む。管20が膨張すると、圧力センサは、単電池20の筐体に対して押され、センサの出力は、接触圧力量に比例する。管と単電池との間の熱結合は、接触圧力レベルに部分的に依存するため、圧力センサは、管20と単電池20との間の熱結合レベルを推測するために使用し得る。
【0237】
支持体1は、組電池内の温度、例えば、少なくとも1つの単電池20の表面上の温度を測定するために使用される温度センサ3を含む。使用に際して、温度センサ3は、単電池20に隣接する支持体1の表面上に配置される。膨張状態では、管10は、単電池に対して温度センサ3を押し、単電池との熱接触を改善する。
【0238】
支持体1は、熱障壁部分を含み、熱障壁部分は、温度センサ3と管10との間の熱結合を制限するために使用され、熱障壁部分の温度は、測定されることを意図しない。熱障壁は、支持体1の、温度センサ3とは反対の側で、管と温度センサ3との間に配置される。熱障壁の物理的な範囲は、温度センサ3の領域に実質的に等しい。
【0239】
支持体1は、管、特に管の表面の温度を測定する複数の温度センサと、組電池内の個々の単電池又は単電池群を測定するためにそれぞれ使用される複数の温度センサとを含み得る。
【0240】
支持体1が複数のセンサを含む場合、管に沿った物理特性の地図を描くことが可能である。例えば、組電池全体を通して同じ種類の複数の歪みセンサ又は複数の温度センサ(例えば、複数の歪みセンサ又は複数の温度センサ)を使用することが可能である。各センサは、個々に対処可能であり、制御コンピュータが、組電池内の測定パラメータの分布を解決することを可能にする。例えば、制御コンピュータは、組電池内に昇温がある場合、個々の組電池又は単位電池を識別し得る。
【0241】
図4aに示すように、1つ又は複数の測定回路310(例えば、ホイートストン・ブリッジ回路310)は、電気接続パッド4を介してセンサ2、3に動作可能に結合し得る。測定回路310の出力は、例えば、組電池300の測定コンピュータ320及び/又は制御回路330によって監視し得る。代替的に、測定コンピュータ又は制御回路320は、1つ又は複数のセンサ2、3に直接接続し得る。測定コンピュータ320は、少なくとも1つのセンサ2、3の測定値が閾値を上回る、閾値を下回る、及び/又は所定範囲内である場合に、信号を出力するように動作可能とし得る。例えば、測定コンピュータは、1つ又は複数の温度センサ(例えば、単電池の温度を監視する温度センサ)の値が閾値を上回る場合に信号を出力するように動作可能とし得る。測定コンピュータ320は、1つ又は複数の歪みセンサ(例えば、管10内の圧力を推測するために使用される歪みセンサ)の値が閾値を下回る場合に信号を出力するように動作可能とし得る。
【0242】
組電池300の動作は、支持体1上のセンサの出力に基づき得る。例えば、組電池の制御回路330は、1つ又は複数の歪みセンサによって測定された圧力が閾値を下回った際、圧力管10内の圧力を増大させるように動作可能とし得る。この場合、制御回路330は、管内の圧力を増大させ得る。代替又は追加として、制御回路330は、1つ又は複数の圧力センサによって測定した際に管10と1つ又は複数の単電池20との間の接触圧力が所定範囲外になった場合、管10内の圧力を増加又は低減させるように動作可能とし得る。制御回路は、例えば、1つ又は複数の温度センサによって測定した際に1つ又は複数の単電池の温度が閾値を超える場合、管内の熱管理流体の流量を増大させ得る。
【0243】
図5に示すように、管10は、円筒形単電池20のアレイの中で組電池内に配置される蛇行熱管理管である。管10は、単電池20を熱管理するために使用される。使用に際し、支持体1は、単電池20及び/又は管10に隣接する適切な位置でセンサ2、3を組電池内に保持、配置する。
【0244】
管10は、熱を単電池20間に伝達する空気、水又は水-グリコール混合物等の熱管理流体を含む(図示せず)。使用に際し、管は、熱管理システムに動作可能に接続され、熱管理システムは、熱管理流体を収容する槽と、冷却剤ループと、ポンプと、熱交換器とを備える。熱管理システムは、加圧サイクルを稼働させることによって加圧でき、加圧サイクルにおいて、槽からの熱管理流体は、冷却剤ループ及び管10内の圧力を増大させるように冷却剤ループに引き込まれる。
【0245】
管10が膨張性可撓性管である実施形態では、管10内の熱管理流体の圧力により、可撓性管を拡張させる。可撓性管10が拡張するにつれて、可撓性管10は、円筒形単電池20の形状によって表される波形面に一致し、これにより、円筒形単電池20のそれぞれと接触する可撓性管の表面積を増大させる。このことは、単電池20と可撓性管との間の熱接触面積及び接触圧力を増大し、可撓性管と個々の単電池との間の熱エネルギーの伝達を改善するため、有利である。更に有利には、管10は、単電池20の壁に対して押されるため、支持体に対しても押される。管10の力は、支持体1上に実装されたセンサと単電池20との間の接触圧力、したがって結合を増大し得る。
【0246】
管10は、膨張性プラスチック又はポリマーベースの材料から形成し得る。膨張性プラスチック又はポリマーベースの材料は、有利である。というのは、材料は、固有に絶縁性で軽量であり、腐食しないか、又はグリコール水混合物等の熱管理流体と化学的に相互作用しない。好ましくは、膨張性プラスチック又はポリマーベースの材料は、ポリエステル、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)である。可撓性管10の壁は、10μmから150μmの厚さの間であり、上記管又は各管と単電池との間に良好な熱伝達特性をもたらす。管10が剛性である実施形態では、管10は、管と単電池との間に良好な熱伝導をもたらすアルミニウム又は銅等の金属から形成される。
【0247】
支持体1は、組電池内の特定の場所で管及び/又は単電池に対してよりきめ細かい測定値をもたらすように、特定の位置で1つ又は複数の追加のセンサを含み得る。例えば、管10が(例えば、蛇行管内の)屈曲部の周囲を通過する領域において、支持体1は、管10の崩壊及び/又はねじれの可能性を検出するように、追加の歪みセンサを含み得る。別の例では、支持体1は、組電池内で高温の危険性が高い領域内に、レベルを増大させた温度センサを含み得る。
【0248】
管10は、一重管腔管であるか、又は一重管腔管では均等な温度分配を促進可能ではない大型組電池内で使用される場合、管10は、多重管腔管とし得る。多重管腔管は、2つ以上の管腔を備え、熱管理流体は、これらの管腔に沿って流し得る。
【0249】
図6及び
図7は、管10が、単電池20の長軸に概ね直交する長尺方向で延在することを示す。支持体1(図示せず)の長軸は、管10の方向に平行な方向にある。支持体1(図示せず)は、管10と単電池20との間で管10の表面上に配置される。管10は、単電池と熱接触し、単電池20を加熱及び/又は冷却する目的で、単電池と管との間で熱を伝達することを可能にする。支持体1(図示せず)は、管の高さ部/単電池の側壁の一部分に沿って延在する。
【0250】
支持体1は、細長く、10mmの幅及び0.1mmの厚さである。任意の実施形態では、支持体1は、2~20mm又は5~10mmの幅であり、適切な可撓性をもたらすような適切な厚さ、例えば、0.01~1mmの範囲の厚さを有し得る。単電池20が18650又は2170単電池である場合、(使用時の)管の高さは、単電池20の全長に実質的に等しいか、又は単電池20の全長よりもわずかに小さい。支持体1は、管10の高さの一部分のみを覆い、したがって、単電池(複数可)の側壁(複数可)の一部分のみと接触する。
【0251】
図7は、下側クラムシェル30を示し、下側クラムシェル30を使用して、単電池20を配置、保持する。下側クラムシェルは、稠密構成で単電池を保持する凹部31と、開口32とを含み、開口32は、下側クラムシェル30の一方の側の単電池と、クラムシェルの反対側(即ち、組電池の外側)の母線との間に電気接続をもたらす。組電池は、完全に構成されると、(下側クラムシェル30と同様の)上側クラムシェルと、単電池20のアレイの外周縁部で上側クラムシェルと下側クラムシェルとを接続する側壁とを含む。
【0252】
図8a~
図9bは、管10の可能な構成を示す。
図8a及び
図8bは、実質的に直線の区分を備える蛇行構成の管を示し、この直線区分は、コーナ区分によって接続される。
図8aは、複数の平行な直線管11を示す。
【0253】
図9に示す代替実施形態では、組電池は、膨張性管から形成される少なくとも1つの測定管15と、測定管15の表面に取り付けられる支持体1とを含む。測定管15は、単電池の列の間に置かれ、ポリウレタン又は熱膨張性発泡体等の膨張性発泡体が充填される。発泡体が拡張すると、管1は、単電池10の表面形状に一致する。管15の拡張により、支持体1が単電池の表面に対して押される。支持体1が例えば温度センサを含む場合、センサは、センサと単電池の表面との間の良好な熱接触を保証するように、単電池の側壁に対して押される。
【0254】
図9の例では、測定管15は、1つおきの単電池の列の間に配置され、蛇行熱管理管13は、測定管15を含まない列の単電池(即ち、1つおきの単電池の列)の間に配置される。
【0255】
図11aは、全体的に数字201によって示される更なる支持体を示す。支持体201は、第1の実施形態と概ね同様であり、差は、支持体201が、それぞれの電気接続パッド204に接続される平衡抵抗器202の形態の導電性トレース206を備えることである。支持体200は、可撓性印刷回路板(PCB)の形態の可撓性基板205を備える。可撓性基板205は、ポリイミン基体とポリイミンカバー層との間に導電性パターン層を備える。可撓性基板205の複数の層は、接着剤を介して取り付けられる。支持体205は、管210又は管210に取り付けられた他の固定部材の一部が中を通過し得る1つ又は複数のバイア又は貫通孔207を含み、支持体205を管210上で正確な位置に保持する。
【0256】
支持体200は、1つ又は複数の単電池220からエネルギーを放散するために使用されるエネルギー放散装置を備える。エネルギー放散装置は、組電池内の単電池の平衡を保つ目的で、1つ又は複数の単電池220からエネルギーを放散するために使用される。エネルギー放散装置は、支持体200の導電性パターン層内に、導電性銅トレース206の形態で少なくとも1つの単電池平衡抵抗器202を含む。平衡抵抗器として使用される導電性トレース206は、0.05~0.2mmの幅、0.1~0.2mmの厚さ、及び100~10000mmの長さであり、屈曲部/コーナによって接続される複数の直線区分を含むラビリンス経路を辿る。代替形態では、単電池平衡抵抗器は、支持体1上に配置される表面実装抵抗器とし得る。平衡抵抗器は、1~100Ωの抵抗、場合によっては約10Ωの抵抗を有する。
【0257】
図11bに示すように、単電池平衡抵抗器202は、切替え装置210に動作可能に接続され、切替え装置210は、切り替えられると、高電圧を有する1つ又は複数の単電池220から平衡抵抗器220を通じて電流を流すように動作可能である。切替え装置210は、トランジスタ210等の1つ又は複数のソリッドステート・スイッチを備え得る。切替え装置210は、支持体205に直接接続されるか、又は制御回路の一部とし得る。
【0258】
単電池220から平衡抵抗器202を通じて電流を通すと、電池内のエネルギーを放散し、単電池の電圧を下げる効果を有する。単電池220からのエネルギーは、単電池の電圧が組電池内の他の単電池の電圧に実質的に等しくなるまで、抵抗器202内で放散される。単電池平衡抵抗器は、抵抗器202によって生成される熱があれば管210内の熱管理流体に伝達されるように、管210と熱接触し、平衡抵抗器202の過剰な加熱を防止する。
【0259】
図12は、1つ又は複数の単電池と少なくとも1つの可撓性管とを備える組電池を製造する方法100を示す。方法100は、1つ又は複数のセンサを管に動作可能に結合すること(ステップ101)と、管を膨張させること(ステップ102)と、センサの出力を監視すること(ステップ103)とを備える。管に結合されるセンサは、歪みセンサ、温度センサ又は圧力センサとし得る。方法は、ステップ103において、管に結合された複数のセンサを監視することを含み得る。
【0260】
ステップ101において、1つ又は複数のセンサは、管に結合される。管10への支持体1の取付けは、上記した接着剤又は熱溶接を介し得る。管は、上記で概説し、例えば
図3~
図10に示される可撓性蛇行管又は直管等のあらゆる適切な管とし得る。
【0261】
ステップ102において、管を膨張させる一方で、管は、組電池内の1つ又は複数の単電池に隣接して配置されるか又は1つ又は複数の電池の間に配置される。空気、水又は水-グリコール混合物等の熱管理流体は、管を膨張させるのに使用される。代替形態において、管は、液状で管に挿入される拡張性発泡体を使用して膨張させる。
【0262】
ステップ103において、センサは、管を測定するために使用される。理想的には、ステップ102及び103は、センサ測定により管の正確な膨張を通知するように、同時に実行される。センサが歪みセンサであるケースでは、ステップ103において、膨張中の管上の歪みを測定する。ステップ103は、管を膨張させる間、圧力センサを使用して、管と単電池との間の接触圧力を測定することも含み得る。
【0263】
方法100は、少なくとも1つのセンサの出力が閾値を下回っている間に管を膨張させることを含む。例えば、方法100は、少なくとも1つの歪みセンサによって測定した際に管の表面上の歪みが閾値を下回る間、又は少なくとも1つの圧力センサによって測定した際に管と電池との間の接触圧力が閾値を下回る間、管を膨張させることを含む。管は、少なくとも1つのセンサの出力が所定範囲内に入るまで膨張させる。
【0264】
方法100は、少なくとも1つのセンサの出力が閾値を上回るまで管を膨張させることを含む。例えば、管は、センサの出力が例えば15℃の温度閾値を上回る間、膨張させる。このことにより、管が、拡張がより困難である低温で十分に可撓性であることを保証する。
【0265】
管を十分に膨張させた後、方法100は、ステップ104において、充填材料で管を少なくとも部分的に囲むことを含む。ステップ104において、充填手段で管の少なくとも一部を囲むことは、少なくとも1つのセンサの出力が閾値を上回る際、例えば、少なくとも1つの歪みセンサによって測定した際に管の表面上の歪みが閾値を上回る場合に実行される。代替又は追加として、ステップ104において充填手段で管の少なくとも一部を囲むことは、少なくとも1つの圧力センサによって測定した際に管と単電池との間の接触圧力が閾値を上回る際に実行し得る。
【0266】
好ましい実施形態では、管を十分に膨張させる際、ポリウレタン又は熱膨張性発泡体等の拡張性充填材料を組電池に注入し、拡張性充填材料は、拡張しながら管を囲む。充填材料は、エポキシ、又は熱膨張性ポリウレタン発泡体等の拡張性発泡体等のあらゆる適切な充填材料とし得る。
【0267】
ステップ105において、充填材料を硬化又は固化させる。充填材料を組電池に注入する間、及び充填材料を拡張又は硬化させる間、少なくとも1つのセンサの出力は、連続的に監視し得る。
【0268】
当業者に理解されるように、上記に提示した例示的実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、いくつかの様式で修正し得る。例えば、基板6は、あらゆる適切な可撓性材料、例えば、ポリイミド膜、ポリエステル(PET)膜、ガラス繊維エポキシ積層体若しくはFR-4を含み得る、及び/又はポリイミド、FR-1、FR-2、FR-4、CEM-1、CEM-3、RO3000若しくはRO4000の1つ等の強化部材を含み得る。強化部材は、例えば、電気接続パッド4の位置に配置し、この位置で支持体1に強度を追加し得る。
【0269】
当業者は、あらゆる適切なセンサを支持体1に組み込み得ることは了解するであろう。適切なセンサは、温度センサ、歪みセンサ、圧力センサ、揮発性有機物(VOC)センサ、一酸化炭素(CO)センサ、二酸化炭素(CO2)センサ、煙センサ、漏れ検出器、加速度センサ、微小電気機械システム(MEMS)センサ、健全状態(SoH)センサ、又は充電状態(SoC)センサのあらゆる組合せを含む。漏れ検出器は、例えば、組電池内の管からの熱管理流体の漏れを測定するために使用し得る。
【0270】
センサは、支持体上にあらゆる適切なアレイ又はパターンで配置してよく、支持体1の長さ部に沿って不規則に離間しても、例えば、等間隔に離間する構成で規則的に離間してもよい。同様のセンサ(例えば、温度センサ)の間の距離は、管の方向に沿った組電池内の単電池の間の距離と実質的に等しいものとし得る。
【0271】
支持体1は、あらゆる適切な組電池、例えば、18650若しくは2170サイズの1つ又は複数の柱形単電池又は円筒形単電池を備える組電池内で利用し得る。組電池は、あらゆるハイブリッド車両又は電気車両内で使用し得る。
【0272】
本発明の上述の説明は、センサに照会するのに電気通信技術の使用を説明しているが、当業者は、光通信方法等のあらゆる適切な通信技術を使用し得ることを了解されよう。例えば、支持体は、複数の光ファイバを含み得、複数の光ファイバは、1つ若しくは複数の単電池又は管に隣接するファイバ・ブラッグ・グレーティング温度センサ又は歪みセンサ等のセンサに照会するために使用し得る。
【0273】
本発明の上記の説明において、別段に記載されていない限り、パラメータの許容範囲の上限又は下限に対する代替値の開示は、複数の値のうち一方の値が他方の値よりもかなり好ましいことを示すことと相まった場合、より好ましい代替値とあまり好ましくない代替値との間にあるパラメータの各中間値が、それ自体、あまり好ましくない値よりも好ましい値であり、あまり好ましくない値と中間値との間にある各値よりも好ましいことを暗示的に述べるものとして解釈されたい。
【0274】
上述の説明又は以下の図面で開示される特徴は、特定の形態で表現されるか、又は開示される結果を適宜に達成するように開示される機能若しくは方法若しくは工程を実施する手段の観点から表現され、個別に、又はそのような特徴のあらゆる組合せで、多様な形態で本発明を実現するために利用し得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組電池であって、
前記組電池は、1つ又は複数の単電池と、少なくとも1つの単電池と熱接触する
膨張性熱管理管と
、1つ又は複数の電気要素を前記組電池内に保持、配置する支持体手段とを備え、
前記支持体手段は、
可撓性基板と、少なくとも1つの組電池機能を実施する少なくとも1つの電気要素と、前記支持体手段に通信接続をもたらす接続手段とを備え、
前記電気要素は、前記接続手段に動作可能に接続され
、
前記支持体手段の少なくとも一部は、前記熱管理管に取り付けられることを特徴とする、
組電池。
【請求項2】
前記支持体手段は、前記組電池の1つ又は複数の状態を検知する少なくとも1つの検知手段の形態で電気要素を備えることを特徴とする、請求項1に記載の
組電池。
【請求項3】
前記検知手段は、1つ又は複数のセンサを備えることを特徴とする、請求項2に記載の
組電池。
【請求項4】
前記検知手段は、2種以上のセンサを備えることを特徴とする、請求項3に記載の
組電池。
【請求項5】
前記検知手段は、センサのアレイを備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載の
組電池。
【請求項6】
前記検知手段は、前記管上の歪みを測定する1つ又は複数の歪みセンサを備えることを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項7】
前記検知手段は、いくつかの位置及び/又は方向で前記管上の歪みを測定する複数の歪みセンサを備えることを特徴とする、請求項6に記載の
組電池。
【請求項8】
前記検知手段は、前記管と少なくとも1つの単電池との間の接触圧力を測定する1つ又は複数の圧力センサを備えることを特徴とする、請求項2~7のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項9】
前記検知手段は、前記管の長さ部に沿って前記管と複数の単電池との間の接触圧力を測定する複数の圧力センサを備えることを特徴とする、請求項8に記載の
組電池。
【請求項10】
前記検知手段は、少なくとも1つの単電池の温度を測定する1つ又は複数の温度センサを備えることを特徴とする、請求項2~9のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項11】
前記検知手段は、複数の単電池の温度を測定する複数の温度センサを備えることを特徴とする、請求項10に記載の
組電池。
【請求項12】
前記支持体手段は、前記少なくとも1つの温度センサと、前記管との間に配置可能な熱障壁手段を備えることを特徴とする、請求項10又は11に記載の
組電池。
【請求項13】
前記支持体手段は、1つ又は複数の単電池からエネルギーを放散させる少なくとも1つのエネルギー放散手段の形態で電気要素を備えることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項14】
前記エネルギー放散手段は、電池平衡手段を備え、前記電池平衡手段は、1つ又は複数の平衡抵抗器を備えることを特徴とする、請求項13に記載の
組電池。
【請求項15】
前記平衡抵抗器又は各前記平衡抵抗器は、導電性パターン層内の導電性トレースであることを特徴とする、請求項14に記載の
組電池。
【請求項16】
前記導電性トレース又は各前記導電性トレースは、1つ又は複数の直線区分と1つ又は複数の屈曲部若しくはコーナとを備える経路を辿ることを特徴とする、請求項15に記載の
組電池。
【請求項17】
前記エネルギー放散手段は、前記接続手段を介して切替え手段に動作可能に接続され、前記切替え手段は、前記1つ又は複数の平衡抵抗器を通じて単電池からのエネルギーの排出を制御するために使用されることを特徴とする、請求項14から16のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項18】
前記支持体手段は、前記管の外面と1つ又は複数の単電池との間に配置可能であることを特徴とする、請求項
1から17のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項19】
前記管は、膨張状態において、前記管が1つ又は複数の単電池の表面の少なくとも一部に少なくとも部分的に適合するように適合可能であることを特徴とする、請求項
1から18のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項20】
前記管は、ポリマーベースの材料から形成されることを特徴とする、請求項
1から19のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項21】
前記管は、膨張性プラスチック材料から形成されることを特徴とする、請求項
20に記載の
組電池。
【請求項22】
前記膨張性プラスチック材料は、ポリエステル、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)であることを特徴とする、請求項
21に記載の
組電池。
【請求項23】
前記支持体手段は、可撓性であることを特徴とする、請求項1から
22のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項24】
前記支持体手段は、可撓性印刷回路板であることを特徴とする、請求項
1から23のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項25】
前記基板は、少なくとも1つの導電性パターン層を備えることを特徴とする、請求項1から
24のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項26】
前記電気要素は、前記導電性パターン層内の前記導電性トレースを介して前記接続手段に電気接続されることを特徴とする、請求項
25に記載の
組電池。
【請求項27】
前記導電性トレースは、1つ又は複数の信号線と、少なくとも1つの接地線とを含むことを特徴とする、請求項
26又は
27に記載の
組電池。
【請求項28】
前記接続手段は、前記支持体手段の外周縁部に近接して配置されることを特徴とする、請求項1から
27のいずれか一項に記載の
組電池。
【請求項29】
請求項
2から
9のいずれか一項に記載
の組電池の製造方法であって、
前記支持体手段
の少なくとも一部を前記
熱管理管に
取り付けることと、
前記管を膨張させることと、
前記検知手段の出力を監視することと、を含む、
方法。
【請求項30】
前記方法は、前記管が1つ又は複数の単電池に隣接して配置された際又は1つ又は複数の単電池の間に配置された際、前記管を膨張させることを更に含むことを特徴とする、請求項
29に記載の組電池の製造方法。
【請求項31】
前記方法は、前記少なくとも1つのセンサの出力が所定範囲内になるまで、前記管を膨張させることを更に含むことを特徴とする、請求項
29又は
30に記載の組電池の製造方法。
【請求項32】
前記方法は、前記管の表面上の歪みが、少なくとも1つの歪みセンサによって測定した際に閾値を上回る場合、前記管の少なくとも一部を充填手段で少なくとも部分的に囲むことを更に含み、前記充填手段は、拡張性発泡体、ポリウレタン又はシリコーン充填材料を含むことを特徴とする、請求項
29から
31のいずれか一項に記載の組電池の製造方法。
【国際調査報告】