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特表2022-552583ホット飲料のフィルタリングシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】ホット飲料のフィルタリングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20221212BHJP
   A47J 31/04 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A47J31/44 100
A47J31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505399
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 US2020043723
(87)【国際公開番号】W WO2021021726
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】62/878,787
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322006364
【氏名又は名称】ジュリアン ジョンソン
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ジョンソン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA12
4B104BA12
4B104BA15
4B104BA21
4B104BA43
4B104BA60
4B104BA90
4B104CA06
4B104DA57
(57)【要約】
ホット飲料を抽出するためのシステムが提供される。システムは、筐体と、筐体の第一領域に位置する第一水タンクを備える。また、システムは、筐体の第二領域に位置する第二水タンクを備える。また、システムは、筐体によって形成され、第一フィルターを受けるように構成される第一受部を備える。また、システムは、筐体によって形成され、第二フィルターを受けるように構成される第二受部を備える。また、システムは、筐体によって第一容器および第二容器のうち1つが配置されるように構成される空洞を備える。システムは、第一または第二受部に第一または第二フィルターが入れられることに従い、第一または第二の量のホット飲料を抽出して第一または第二容器を満たすように構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
筐体と、
前記筐体の第一領域に位置する第一水タンクと、
前記筐体の第二領域に位置する第二水タンクと、
前記第一および第二水タンクと流体連通状態であり、前記第一および第二水タンクのうち少なくとも1つから水を受け取り、前記水を抽出に適した温度に保つように構成された加熱タンクと、
前記加熱タンクと流体連通状態であり、前記筐体によって形成され、粉末コーヒーを含む第一フィルターを受けるように構成された第一受部と、
前記加熱タンクと流体連通状態であり、前記筐体によって形成され、粉末コーヒーを含む第二フィルターを受けるように構成された第二受部と、
前記第一および第二受部と流体連通状態であり、前記筐体によって第一容器および第二容器のうち1つが配置されるように構成された空洞と、
を備え、
当該システムは、前記第一フィルターが前記第一受部に入れられ、第一の量の水が前記加熱タンクから前記第一フィルターを通して圧送されることにより、前記第一の量のコーヒーを抽出して前記第一容器を満たすように構成され、
当該システムは、前記第二フィルターが前記第二受部に入れられ、第二の量の水が前記加熱タンクから前記第二フィルターを通して圧送されることにより、前記第二の量のコーヒーを抽出して前記第二容器を満たすように構成された、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記筐体の第三領域に位置し、回転軸を中心に回転するように構成され、付属容器と回転可能に係合して前記付属容器の回転機構部を前記回転軸を中心に回転させるように構成されたローターを更に備える、
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
電源と、
水を前記加熱タンクから前記第一受部および前記第二受部のうち少なくとも1つに圧送するように構成された第一ポンプと、 を更に備え、
前記第一ポンプは、前記電源と電気的に接続され、水を圧送するための電力を受け、
前記ローターは、前記電源と電気的に接続され、電力を受けて前記回転軸を中心に回転する、
ことを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記電源は前記筐体内に配置され、
前記ローターは、前記付属容器の底部に隣接する複数のスロットに適合するように構成された複数の溝を備え、
前記システムは前記付属容器を備え、
前記付属容器は、ブレンダー、ジューサー、フードプロセッサー、コーヒー豆グラインダーのうち少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記ブレンダー、前記ジューサー、前記フードプロセッサー、および前記コーヒー豆グラインダーを更に備える、
ことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記第一領域は前記筐体の一側部であり、前記第二領域は前記筐体の背部であり、
前記空洞は、前記筐体の前記背部の反対側にある前記筐体の前部によって構成される、
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記第一領域は前記筐体の第一側部であり、前記第二領域は前記筐体の背部であり、
前記第三領域は、前記第一領域の反対側にある前記筐体の第二側部であり、
前記空洞は、前記筐体の前記背部の反対側にある前記筐体の前部によって構成される、
ことを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項8】
前記第一水タンクの水位を計測する水位センサーと、
前記水位センサーと通信可能に接続され、前記第一水タンクの前記水位を示す第一データを受信し、前記第一データを前記第一水タンクの低基準水位を示す第二データと比較し、前記第一データと前記第二データとの前記比較に基づく信号を送信する制御部と、
前記制御部と通信可能に接続され、前記制御部から前記信号を受信することにより、前記第二水タンクから前記第一水タンクに水を圧送するポンプと、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第一受部は、前記筐体によって構成され、かつ前記空洞の上方に位置するスロットであり、
前記第一フィルターは、生分解性材料と、前記第一フィルターの一又は複数の縁に沿った一又は複数のシールとを含む、
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記第一フィルターの前記一又は複数の縁に沿った前記一又は複数のシールを形成するように構成される手持ち式インパルスシーラーを更に備える、
ことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記手持ち式インパルスシーラーは、複数の間隔を空けて配置された加熱素子と切断要素を備え、
前記スロットは、長方形および正方形の断面の1つを規定し、
前記第一フィルターの前記縁は、前記スロットの前記長方形または正方形の断面に適合するように構成された長方形状または正方形状のフィルターを規定する、
ことを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記第一フィルターは、前記第一の量のコーヒーが1人分のコーヒーであり、かつ前記第一容器が前記1人分のコーヒー用のカップ1杯分のサイズとなるサイズである、
ことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項13】
前記第二受部は、前記筐体の上部を取り外すことにより利用可能となり、
前記第二フィルターは、再利用可能なフィルターである、
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項14】
前記再利用可能なフィルターは、金属材料から作られ、
前記第二フィルターは、前記第二の量のコーヒーが複数人分のコーヒーであり、かつ前記第二容器が前記複数人分のコーヒー用のポットのサイズとなるサイズである、
ことを特徴とする請求項13記載のシステム。
【請求項15】
複数のボタンを備えるユーザーインターフェースと、
前記電源および前記複数のボタンの各々に通信可能に接続される制御部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記複数のボタンのうちの第一ボタンが押下されると、前記電源に第一信号を送信し、前記第一ポンプに水を前記加熱タンクから前記第一受部に圧送させるように構成され、
また、前記制御部は、前記複数のボタンのうちの第二ボタンが押下されると、前記電源に第二信号を送信し、前記第一ポンプに水を前記加熱タンクから前記第二受部に圧送させるように構成された、
ことを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項16】
前記電源および前記制御部に通信可能に接続される第二ポンプを更に備え、
前記第二ポンプは、前記複数のボタンのうちの前記第一ボタンが押下されると、水を前記第一水タンクから前記加熱タンクに圧送するように構成され、かつ前記複数のボタンのうちの前記第二ボタンが押下されると、水を前記第二水タンクから前記加熱タンクに圧送するように構成された、
ことを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のボタンは、前記ローターの一又は複数の回転速度を示す一又は複数の補助ボタンを更に含み、
前記制御部は、第一速度を示すいずれかの補助ボタンが押下されると、前記電源に第一速度信号を送信し、前記ローターを前記第一速度で回転させるように構成され、かつ第二速度を示すいずれかの補助ボタンが押下されると、前記電源に第二速度信号を送信し、前記ローターを前記第一速度と異なる前記第二速度で回転させるように構成された、
ことを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項18】
請求項3記載のシステムを使用する方法であって、
前記第一容器と前記第二容器のうちの1つを前記空洞に配置することと、
ユーザーインターフェース上で、複数のボタンのうちの1つを押下することと、
前記押下ステップに基づいた、前記第一ポンプによる前記加熱タンクから前記第一フィルターと前記第二フィルターのうちの一方への水の圧送であって、前記複数のボタンのうちの第一ボタンの押下により前記ユーザーインターフェースと通信可能に接続された制御部が前記電源に第一信号を送信して、前記第一の量の水を前記加熱タンクから前記第一フィルターに圧送させ、前記複数のボタンのうちの第二ボタンの押下により前記制御部が前記電源に第二信号を送信して、前記第二の量の水を前記加熱タンクから前記第二フィルターを通して圧送させることと、
前記圧送ステップに基づいた、前記第一フィルターと前記第二フィルターのうちの1つによる、前記加熱タンクからの前記水のフィルタリングと、
前記フィルタリングステップに基づいて、前記空洞内における前記第一容器と前記第二容器のうちの1つを満たすことと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記複数のボタンは、前記ローターの一又は複数の回転速度を示す一又は複数の補助ボタンを更に備え、
前記制御部は、第一速度を示す1つの補助ボタンが押されると、前記電源に第一速度信号を送信して、前記ローターを前記第一速度で回転させるように構成され、
更に、前記制御部は、第二速度を示す1つの補助ボタンが押されると、前記電源に第二速度信号を送信して、前記ローターを前記第一速度と異なる前記第二速度で回転させるように構成される、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
手持ち式インパルスシーラーを用いた、前記第一フィルターの一又は複数の縁に沿った一又は複数のシールの形成を更に備え、
前記第一フィルターは、生分解性材料製である、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年7月26日に出願された米国仮出願第62/878,787号の利益を主張し、その全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、1人分のコーヒーを抽出するコーヒーメーカー(例:キューリグ(登録商標)のコーヒーメーカー)のようなホット飲料抽出器が知られている。さらに、従来、複数人分のコーヒー(例えば、10杯~12杯分の1ポット分のコーヒー)を抽出する他のコーヒーメーカーが知られている。このようなコーヒーメーカーは、一般的に、コーヒーフィルターを受部に入れて(例えば、キューリグ(登録商標)のコーヒーメーカー用のキューリグ ケーカップ(登録商標)や、複数人分を抽出するコーヒーメーカー用の、粉末コーヒーが入ったペーパーフィルター)、熱湯を当該受部に圧送することで、適切な量のコーヒーを抽出する。
【発明の概要】
【0003】
コーヒーのようなホット飲料のフィルタリング用の改良されたシステムおよび方法について、技術が提供される。発明者は、従来のコーヒーメーカーにはいくつか欠点があると指摘した。例えば、1杯分を抽出するコーヒーメーカー(例:キューリグ(登録商標))は、一般的に本体の1つの側部に沿って水タンクが1個設けられているのみで、この水タンクは連続的に補充されなければならない。発明者は、本体の複数の側部に沿って複数の水タンクを設けるように改良されたコーヒーメーカーならば、連続的に水タンクを補充する必要性を軽減できることに気が付いた。加えて、発明者は、従来のコーヒーメーカーには2つのモードが搭載されており、いくつかの従来のコーヒーメーカーにおいては1人分のコーヒーを抽出するように設定され(例:キューリグ(登録商標)のコーヒーメーカー)、他の従来のコーヒーメーカーにおいては複数人分のコーヒーを抽出するように設計される(例えば、10~12杯分のポットを備える従来のコーヒーメーカー)ことに気が付いた。したがって、発明者は改良されたコーヒーメーカーならば、2台の別個のコーヒーメーカーを所有することなく、ユーザーが1人分のコーヒーまたは複数人分のコーヒー(例えば、1ポット分)のいずれかを1台のコーヒーメーカーで抽出することが可能になることに気が付いた。さらに、発明者は、従来のコーヒーフィルターが追加のキッチン用品(例えば、コーヒーグラインダー、ジューサー等)を必要とすることに気が付き、したがって、発明者は、コーヒーグラインダーにローターを組み込んで、このような追加のキッチン用品の機能を果たすことができるように改良することにより、そうした追加のキッチン用品を所有する必要性を解消できることに気が付いた。
【0004】
第一実施例では、ホット飲料を抽出するためのシステムが提供される。そのシステムは、筐体と、筐体の第一領域に位置する第一水タンクとを備える。また、前記システムは、前記筐体の第二領域に位置する第二水タンクを備える。さらに、前記システムは、前記第一水タンクまたは前記第二水タンクからの水を受け取る加熱タンクを備える。当該加熱タンクは前記水を抽出に適した温度に保つ。また、前記システムは、前記筐体によって形成され、第一フィルターを受けるように構成された第一受部を備える。また、前記システムは、前記筐体によって形成され、第二フィルターを受けるように構成された第二受部を備える。また、前記システムは、前記筐体によって構成され、第一容器および第二容器のうち1つが配置される空洞を備える。前記システムは、前記第一フィルターが前記第一受部に入れられ、第一の量の水が前記加熱タンクから前記第一フィルターを通して圧送されることにより、前記第一の量のホット飲料を抽出して前記第一容器を満たすように構成されている。また、前記システムは、前記第二フィルターが前記第二受部に設置され、第二の量の水が前記加熱タンクから前記第二フィルターを通して圧送されることにより、前記第二の量のホット飲料を抽出して第二容器を満たすように構成されている。
【0005】
第二実施例では、ホット飲料を抽出するためのシステムを使用する方法が提供される。その方法は、前記第一容器と前記第二容器のうちの1つを前記空洞内に配置する工程と、ユーザーインターフェース上で、複数のボタンのうちの1つを押下する工程とを含む。さらに、前記方法は、前記押下工程に基づいた、前記第一ポンプによる、前記加熱タンクから前記第一フィルターと前記第二フィルターのうちの1つへの水の圧送を含む。前記複数のボタンのうち第一ボタンを押すと、前記ユーザーインターフェースに通信可能に接続された制御部が第一信号を電源に送信し、前記第一の量の水が前記加熱タンクから前記第一フィルターに圧送される。前記複数のボタンのうち第二ボタンを押すと、前記制御部が第二信号を前記電源に送信し、前記第二の量の水が加熱タンクから前記第二フィルターに圧送される。さらに、前記方法は、前記圧送工程に基づいた、前記第一フィルターと前記第二フィルターのうちの1つによる、前記加熱タンクからの前記水のフィルタリングを含む。さらに、前記方法は、前記フィルタリング工程に基づいて、前記空洞内における前記第一容器と前記第二容器のうちの1つを満たすことを含む。
【0006】
他の態様、特徴、および利点については、本発明を実施するために最良と考えられる形態を含む幾つかの特定の実施形態および実施を単に示した以下の詳細な説明から容易に明らかである。他の実施形態についても、他の異なる特徴および利点を有すことが可能で、いくつかの詳細部分は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な明白な面において変更可能である。したがって、本図面および説明は、全て例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面において、実施形態は、限定としてではなく、例として示される。ここで、同様の参照番号は同様の構成要素を指す。
【0008】
図1A図1Aは、一実施形態による、ホット飲料を抽出するためのシステムの斜視図の一例を示す画像である。
【0009】
図1B図1Bは、一実施形態による、図1Aのホット飲料を抽出するためのシステムの斜視図の一例を示す画像である。
【0010】
図1C図1Cは、一実施形態による、図1Aのホット飲料を抽出するためのシステムの斜視図の一例を示す画像である。
【0011】
図1D図1Dは、一実施形態による、図1Aの筐体内に配置された1人分用のトレイおよび1人分用の容器の一例を示す画像である。
【0012】
図1E図1Eは、一実施形態による、図1Aの筐体内に配置された複数人分用の容器の一例を示す画像である。
【0013】
図1F図1Fは、一実施形態による、付属容器を取り付けるための図1Aのシステムのローターの一例を示す画像である。
【0014】
図1G図1Gは、一実施形態による、生分解性材料から形成され、図1Aのシステムで使用されるフィルターの一例を示す画像である。
【0015】
図2図2は、一実施形態による、図1Aのホット飲料を抽出するためのシステムの一例を示すブロック図である。
【0016】
図3A図3Aは、一実施形態による、図1Fの当該ローターに固定される付属容器の平面図の一例を示す画像である。
図3B図3Bは、一実施形態による、図1Fの当該ローターに固定される付属容器の平面図の一例を示す画像である。
図3C図3Cは、一実施形態による、図1Fの当該ローターに固定される付属容器の平面図の一例を示す画像である。
図3G図3Gは、一実施形態による、図1Fの当該ローターに固定される付属容器の平面図の一例を示す画像である。
【0017】
図3D図3Dは、一実施形態による、図1Aのシステムと共に使用されるシールされたカスタムメイドのフィルターの斜視図の一例を示す画像である。
図3E図3Eは、一実施形態による、図1Aのシステムと共に使用されるシールされたカスタムメイドのフィルターの斜視図の一例を示す画像である。
【0018】
図3F図3Fは、一実施形態による、図1Aのシステムと共に使用されるレシピ本の一例を示す画像である。
【0019】
図3H図3Fは、一実施形態による、図1Aのシステムと共に使用される1人分用の容器の平面図の一例を示す画像である。
【0020】
図3I図3Iは、一実施形態による、図1Aのシステムと共に使用される複数人分用の容器の平面図の一例を示す画像である。
【0021】
図4図4は、一実施形態による、図1Aのシステムを使用するための方法の一例を示すフローチャートである。
【0022】
図5A図5Aは、一実施形態による、ホット飲料を抽出するためのシステムのローターに固定される付属容器の底部の底面図の一例を示す画像である。
【0023】
図5B図5Bは、一実施形態による、図5Aの付属容器内の回転機構部の上面斜視図の一例を示す画像である。
【0024】
図5C図5Cは、一実施形態による、図5Aの付属容器を固定するためのシステムのローターおよびトルクベースの斜視図の一例を示す画像である。
【0025】
図5D図5Dは、一実施形態による、図5Cのトルクベースの側面図の一例を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ホット飲料を抽出するための方法およびシステムが説明される。以下の説明では、説明の便宜上、本発明を十分に理解するために、多数の具体的な詳細を記載している。 しかしながら、当業者には、本発明がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは明らかであろう。 他の例では、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知の構造および装置をブロック図の形態で示す。
【0027】
広範囲を示す数値範囲やパラメータは近似値であるが、具体的な非限定例に示される数値については、可能な限り正確なものを報告している。ただし、いずれの数値にも、現時点において試験測定における標準偏差から必然的に生じる一定の誤差が本質的に含まれている。更に言うと、文脈から明らかでない限り、ここに示される数値は、その精度について、最下位の桁で黙示しているものがある。つまり、1.1という値は1.05から1.15までの値を暗に意味している。また、「約」という用語は、特定の値を中心とするより広い範囲を示すために用いられるものであり、文脈から明らかでない限り、最下位の桁がその近辺のより広い範囲を指すことを、暗に意味している。例えば、「約1.1」というのは、1.0から1.2までの範囲を含意している。最下位の桁が不明瞭な場合、「約」という用語は0.5から2までの係数を意味する。すなわち、「約X」は0.5Xから2Xまでの範囲の値を含意している。例えば、「約100」といった場合、50から200までの範囲の値を含意している。さらに、本明細書に開示されるすべての範囲は、そこに包含される全ての部分的範囲を含むと理解されるべきである。例えば、「10未満」の範囲には、最小値0と最大値10との間(及び当該最大値及び最小値)の部分的範囲が全て含まれる。つまり、例えば1から4までなど、最小値が0以上で、最大値が10以下の部分的範囲を全て含む。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態は、ホット飲料、例えば、コーヒー、茶、フラペチーノ、ラテ、エスプレッソ、ホットチョコレートなどを抽出することに関連して、以下に記載される。他の実施形態では、本発明は、高温(例えば、華氏約190度~約205度の範囲)または室温(例えば、華氏約68度~約72度の範囲)で飲料を抽出することに関連して、以下に記載される。さらに他の実施形態では、本発明は、コーヒー豆を挽き、その後粉末コーヒーを使ってコーヒーを抽出することに関連して、以下に記載される。さらに他の実施形態では、本発明は、ジュースを絞ることに関連して、以下に記載される。さらに他の実施形態では、本発明は、コーヒーフィルター(例えば、生分解性材料製)に関連して、以下に記載される。
【0029】
図1A~1Cは、一実施形態による、ホット飲料(例えば、コーヒー)を抽出するためのシステム100の斜視図の一例を示す画像である。 一実施形態では、システム100は、筐体101を備え、当該筐体101の第1領域(例えば側部)に位置する第一水タンク102と、当該筐体101の第二領域(例えば背部)に位置する第二水タンク104とを有する。例示的な実施形態では、水タンク102または104は、当該水タンク102または104の底部を確実に受けるようなサイズおよび形状である凹部(図示せず)が当該水タンク102または104の底部の周部を受けることによって、筐体に固定されている。例示的な実施形態では、水タンク102または104は、異なる容量を有しており、例えば、第一水タンク102は第二水タンク104よりも少ない容量を有している。例示的な実施形態では、第一水タンク102の容量は、約64オンス、または約50オンス~約80オンスの範囲内であり、第二水タンク104の容量は、約80オンス、または約64オンス~約96オンスの範囲内となっている。別の例示的な実施形態では、水タンク102または104は、同じ容量を有する。 図1Aにおいては、第一水タンク102は筐体101の第1側部に固定され、第二水タンク104は筐体101の後部に固定されるように示されているが、本発明の実施形態はこの配置に限定されず、当該水タンク102または104が筐体101の任意の異なる領域に固定されることも含まれる。 さらに、2つの水タンク102または104が示されているが、他の実施形態では、2つ以上の水タンクを備えてもよい。一実施形態では、各水タンク102または104は、当該水タンク102または104の上部に取り外し可能に設置できるサイズであって、当該水タンク102または104を覆う蓋を備えている。
【0030】
一実施形態において、第一水タンク102は、第一領域(例えば、筐体101の側部)に配置され、第二水タンク104は、第二領域(例えば、筐体101の背部)に配置される。別の実施形態では、第一水タンク102および/または第二水タンク104は、水から不要な化学物質をフィルタリングするための水フィルター115を備える。加えて、一実施形態では、筐体101は、当該筐体101の背部の反対側にある当該筐体101の前部に空洞104を構成し、当該空洞104は、第一容器(1人分のコーヒー用のカップ106、例えば、イエティ(登録商標)の容器および/または約8オンス~約30オンスの範囲内の容量を有する容器)または第二容器(例えば、複数人分のコーヒー用のカラフェ107および/または標準的なコーヒーポットおよび/または約6杯分~12杯分以上の範囲内の容量を有するもの)のいずれかを配置するように構成されている。例示的な実施形態では、空洞104は、第二容器が第一容器よりも大きな寸法(例えば、幅、高さなど)を有しているために、当該第二容器に従ったサイズである。いくつかの実施形態では、第一容器は、ユーザーがホット飲料(例えば、コーヒー)を飲むために設計されているのに対し、第二容器は、ホット飲料(例えば、コーヒー)を直接飲むためではなく、より小さい容器(例えば、カップ106)を満たすために設計されている。他の実施形態では、空洞104は、筐体101の前部以外の他の部分(例えば、当該筐体101の側部)に構成される。いくつかの実施形態では、ドリップトレイ114が空洞104の下方に設けられ、容器から溢れたコーヒーを集める。例示的な実施形態では、スロット(図示せず)が筐体101の底部に設けられ、当該スロットは、ドリップトレイ114を摺動可能に受けるようなサイズである。
【0031】
別の実施形態では、システム100は、筐体101によって構成される第一受部105を備える。第一受部105は、粉末コーヒー、粉末茶、またはホット飲料を抽出するための任意の粉状の物質(例えば、ホットチョコレートパウダー、粉末エスプレッソなど)のうち1つを含む第一フィルター108(例えば、図3D~3E)を受けるように構成される。 一実施形態では、第一受部105は、筐体101によって構成されたスロットであり、システム100は、当該スロットの1以上の寸法に従ったサイズであるトレイ110(例えば、第一フィルターが置かれる格子)を備える。他の実施形態では、第一受部105によって構成されるスロットは、第一フィルター108(例えば図3D~3E)に従ったサイズであり、トレイ110は、当該第一フィルター108が当該スロットに直接入れられるような構成とサイズとなるように省かれる。例示的な実施形態では、第一受部105のスロットは、空洞104の上方に配置され、第一フィルター108は、生分解性材料および/または当該第1フィルター108の一又は複数の縁に沿った一又は複数のシールから成っている。
【0032】
いくつかの実施形態では、システム100は、2019年3月1日に出願された米国仮出願番号62/281,372(‘372出願)および2020年2月27日に出願された米国出願番号16/803,847(‘847出願)(いずれも参照により本出願に組み込まれる)に開示されているように、手持ち式インパルスシーラーを備える。1つの実施形態では、‘372出願および‘847出願に開示されているような手持ち式のインパルスシーラーは、第一フィルター108の一又は複数の縁に沿って一又は複数のシール308を形成するために使用される(例えば、図3D図3E)。本例示的な実施形態では、手持ち式インパルスシーラーを使用して第一フィルター108を形成した後、ユーザーが1人分のコーヒーを抽出したい場合、当該第一フィルター108は、トレイ110に載せられ、当該トレイ110は、第一受部105に挿入される。他の実施形態では、第一フィルター108は、トレイ110なしに第一受部105に直接入れられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、図3Dに示すように、‘372出願および‘847出願において開示されている手持ち式インパルスシーラーを使用して、例えば、プラスチック製の封入容器の中に粉末コーヒーまたは茶を入れて第一フィルター108の縁に沿ってシール308を形成することにより、単一の当該第一フィルター108を形成することができる。さらなる実施形態では、手持ち式インパルスシーラーの切断要素を使用して、シール308に沿ってまたはその外側で生分解性材料を切断し、第一受部105内で使用するための単一のフィルター108を形成することができる。他の実施形態では、図3D~3Eに示すように、手持ち式インパルスシーラーを複数のフィルター108を一度に同時に形成するために使用することができるが、そのとき、当該複数のフィルター108は、隣接するシール308によって隔てられ、当該手持ち式インパルスシーラーは、コーヒーを抽出するためにシステム100で使用するための所望の時間まで当該フィルター108を切り離さない。一実施形態では、複数のフィルターは、ロール上にあり、予め穿孔される。この実施形態では、当該複数のフィルターは、複数(例えば3)の側部で予めシールされ、充填用に穿孔された縁において開口している。例示的な実施形態では、当該複数のフィルターは、充填された後、当該手持ち式インパルスシーラーでシールすることができる。1つの例示的な実施形態では、複数のフィルターは、3つのサイズ(例えば、1カップ分用が1つ、4~6カップ分用が1つ、および10~12分カップ用が1つ)で充填されるように提供されている。図1Gは、一実施形態による、生分解性材料から形成され、図1Aのシステム100で使用されるフィルター108の一例を示す画像である。一実施形態では、フィルター108は、側部152a、152b、152cに亘って予めシールされている。内容物154(例えば、粉末コーヒー、茶葉など)は、フィルター108の第四側部によって構成される開口部156に挿入される。開口部156を通して内容物154を挿入した後、手持ち式インパルスシーラーを使用して、第四側部(例えば、図1Gの側部152cの反対側にある側部)に亘ってフィルター108をシールする。他の実施形態では、フィルター108の1以上の縁に沿った1以上のシールを手持ち式インパルスシーラーで形成することができる。
【0034】
‘372出願および‘847出願に開示されているように、いくつかの実施形態では、手持ち式インパルスシーラーは、間隔を空けて配置された複数の加熱素子および切断具を備える。例示的な実施形態では、第一受部105のスロットは、長方形または正方形の断面を規定し、第一フィルター108の縁またはシール308は、当該第一受部105の当該スロットの当該長方形または正方形の断面にフィットするように構成された、長方形状または正方形状のフィルターを形成している。別の例示的な実施形態では、第一フィルター108に入れられる粉末コーヒーまたは茶の量および/または当該第一フィルター108のサイズは、1人分のコーヒー用の第一容器(例えば、カップ106)を満たす量の水をフィルタリングするように調整されている。
【0035】
一実施形態では、システム100は、第二受部109(図1B)を備える。1つの実施形態では、第二受部109は、筐体101の上部116によって覆われている。いくつかの実施形態では、第二受部109は、筐体101の上部116を閉じた状態(図1A)から開いた状態(図1B)になるように取り外し、かつ/または回転させることによって使用可能となる。一実施形態において、第二受部109は、粉末コーヒーまたは茶、あるいはホット飲料をフィルタリングするために使用される任意の粉末材料(例えば、ホットチョコレートパウダー)を含む第二フィルター118(図1B)を受けるように構成される。いくつかの実施形態では、第二フィルター118は、再利用可能なフィルター、例えば、金属材料から作られたフィルター、および/または開口部を有し、当該開口部は、粉末コーヒーを当該第二フィルター118に入れることができ、かつ当該粉末コーヒーが当該フィルター開口部を通過することなく水がフィルタリングされるのに十分小さいものである。他の実施形態では、第二フィルター118は、第一フィルター108と同様であるが、寸法がより大きい。1つの実施形態では、第二受部109は、筐体101の上部116を取り外すことによって利用可能となり、第二フィルター118は、再利用可能なフィルターである。しかしながら、他の実施形態では、第二受部109は、筐体101の上部116以外の領域(例えば、側部領域、背部領域など)に配置される。別の実施形態では、第二フィルター118は、複数人分のコーヒーにより規定された第二の量のコーヒーをフィルタリングできるようなサイズであり、第二容器107(例えば、カラフェまたはコーヒーポット)は、当該複数人分のコーヒーに対応するサイズである。
【0036】
一実施形態では、システム100はまた、筐体101の第三領域(例えば、第一水タンク102が位置する第一側部の反対側にある当該筐体101の第二側部)に位置するローター130(図1F)を備える。1つの実施形態では、ローター130は、回転軸を中心に回転するように構成され、付属容器(例えば、図1Aのジューサー113)と回転可能に係合して、当該付属容器の回転機構部(例えば、コーン112)を当該回転軸を中心に回転させるように構成される。例示的な実施形態では、ローター130は、ジューサー113のコーン112を回転させ、これによりユーザーは回転する当該コーン112に果物(例えば、オレンジ)を押し付け、当該ジューサー113にジュースを集めることができる。他の実施形態では、付属容器は、コーヒーグラインダー120(図1B)であり、回転機構部は、当該コーヒーグラインダー120に入れられたコーヒー豆121を挽く刃である。いくつかの実施形態では、ユーザーは、コーヒー豆121をコーヒーグラインダー120に入れ、当該グラインダー120を作動させて当該コーヒー豆121を挽き、その後、挽いたコーヒーを第一フィルター108および/または第二フィルター118のうちの1つに入れる。他の例示的な実施形態では、付属容器は、ピッチャー304(図3C)であり、当該ピッチャー304の内部に入れられた材料を混ぜるための回転ブレードを有している。さらに他の例示的な実施形態では、付属容器は、泡立て器312(図3G)であり、当該泡立て器312の内部に入れられたコーヒーまたは他の液体(例えば、ミルクおよび/またはコーヒーとミルクの混合物など)の泡を生成している。図3A~3Bは、前述のジューサー113およびコーヒーグラインダー120の例示的な実施形態を示している。1つの例示的な実施形態では、ローター130は、複数の雄溝(例えば、6つの溝)を備えているが、当該雄溝は、付属容器の底部にある複数の対応するスロット(例えば、雌スロット)が受けるように構成され、これにより当該付属容器が当該ローター130によって回転可能に係合される。いくつかの実施形態では、システム100は、上に挙げた1以上の付属容器を備える。他の実施形態では、システム100は、上述した付属容器の全てを備える。
【0037】
図5Aは、一実施形態による、ホット飲料を抽出するためのシステムのローターに固定される付属容器500の底部502の底面図の一例を示す画像である。図5Bは、一実施形態による、図5Aの付属容器500内の回転機構部506(例えば、回転体)の上面斜視図の一例を示す画像である。図5Cは、一実施形態による、図5Aの付属容器を固定するシステムのローター512およびトルクベース510の斜視図の一例を示す画像である。図5Dは、一実施形態による、図5Cのトルクベース510の側面図の一例を図示する画像である。いくつかの実施形態では、容器500およびトルクベース510は、金属製および/または熱伝導性材料から作られる。一実施形態では、トルクベース510は、図1A、1Fのトルクベースの代わりに使用することができる。1つの実施形態では、トルクベース510は、以下の点で図1A、1Fのトルクベースと異なる。当該トルクベース510は、容器500の底部502の開口部504に嵌合係合するローター512を備え、当該容器500の円筒部508が当該ローター512を受ける。例示的な実施形態では、ローター512の回転により、回転機構部506(例えば、回転体)が容器500の内容物を回転させる。一実施形態では、トルクベース510は、容器500が当該トルクベース510に配置されたときに当該容器500の底部502を介して当該容器500の内容物に接触し、かつ/または熱を与える加熱素子514を備える(図5D)。
【0038】
例示的な実施形態では、トルクベース510の側部に、システムの1以上の動作モードを選択するための1以上の設定を有するパネルが設けられている。一実施形態では、第一ボタン516aは、容器500の内容物が所定時間(例えば、約2分、または約1分~約3分の範囲内)だけ回転(例えば、回転体によって)するように、加熱素子514を作動させずにローター512を作動させるコールドモード用のものである。別の実施形態では、第二ボタン516bは、ローター512および加熱素子514を作動させ、ローター512を所定時間(例えば、約90秒、または約45秒~約120秒の範囲内)回転させ、かつ/または当該加熱素子514を温度上昇させ、かつ/または容器500の内容物(例えば、ミルク、エスプレッソなど)を温度上昇(例えば、華氏約145度~150度まで)させるラテモード用のものである。いくつかの実施形態では、容器500におけるミルクの量は、約3/4カップ、または約1/2カップから約2カップの範囲内である。別の実施形態では、第三ボタン516cは、ローター512および加熱素子514を作動させ、当該ローター512を所定時間(例えば、約120秒、または約80秒~約160秒の範囲内)回転させ、かつ/または当該加熱素子514を温度上昇させ、かつ/または容器500の内容物(例えば、ミルク、エスプレッソ、砂糖など)を温度上昇(例えば、華氏約145度~150度まで)させるカプチーノモード用のものである。例示的な実施形態では、ミルクの量は、約1/2カップ、または約1/4カップ~約1と1/2カップの範囲内となっている。さらに別の実施形態では、ローター512によって容器500の内容物(例えば、スープミックスおよび/またはスープ具材)を所定時間(例えば、約7分)回転させるスープモードを起動させ、かつ/または加熱素子514を起動させて当該容器500の当該内容物の温度を基準温度(例えば、華氏約190度~約220度の間)に上昇させる更なるボタン(図示せず)が設けられる。この実施形態では、当該スープモードは停止され、当該ローター512は当該内容物の回転を停止し、かつ/または当該加熱素子514は、当該容器500の当該内容物の当該温度が当該基準温度に達した後に停止される。
【0039】
図2は、一実施形態による、図1Aの熱した飲料を調製する(例えば、コーヒー、茶などをフィルタリングする)ためのシステム100の一例を示すブロック図である。システム100の筐体101は、電源204に通信可能に接続された制御部202を備える。また、システム100は、水を第一水タンク102および/または第二水タンク104から受け取る加熱タンク208を備え、加熱タンク208は、水を抽出に適した温度(例えば、水の沸騰温度、または当該沸騰温度の基準温度以内)に維持する。例示的な実施形態では、加熱タンク208内の水の温度を測定し、感知された温度を示すデータを制御部202に送信するために、温度センサー209が設けられている。別の例示的な実施形態では、加熱素子211も、加熱タンク208内に設けられている。1つの実施形態では、制御部202が、加熱タンク208内の水の温度が抽出に適した温度未満であると判断(例えば、温度センサー209からのデータに基づいて)すると、制御部202は、信号を加熱素子211に送信し、加熱タンク208内の水の温度を抽出に適した温度まで上昇させる。
【0040】
図2に示すように、ユーザーがシステム100によって第一受部105を介して第一容器106にコーヒーを抽出したいとき、当該ユーザーは、まず、第一フィルター108を当該第一受部105に入れる。いくつかの実施形態では、ユーザーは、‘372出願および‘847出願の手持ち式インパルスシーラーを用いて、生分解性材料および粉末コーヒーまたは他の粉末材料(例えば、茶)を使用して第一フィルター108を形成する。次に、ユーザーは、第一容器106へのコーヒーのフィルタリングステップを開始する。いくつかの実施形態では、ユーザーは、ユーザーパネル上で第一ボタン125aを押すことによって、フィルタリングステップを開始する。他の実施形態では、ユーザーは、別の手段(例えば、スマートフォン上のアプリなど、システム100と無線通信しているデバイスから制御部202に信号を送信すること)によってフィルタリングを開始する。ユーザーによってフィルタリングステップが開始されると、制御部202に信号が送信され、制御部202は、電源204に信号を送信し、電源204は、第一ポンプ206Aに、熱湯を加熱タンク208から第一フィルター108を有する第一受部105に圧送させる。制御部202は、電源204に電力を第一ポンプ206Aに持続的に送出させ、これにより、第一の量の水(例えば、約8オンス~約30オンスの範囲内)が第一受部105に、そして第一フィルター108を通って、第一容器106(例えば、イエティ(登録商標)の容器)に圧送される。
【0041】
図2に示すように、他の実施形態では、ユーザーは、システム100によって第二受部109を介して第二容器107にコーヒーを抽出することを望んでいる。いくつかの実施形態では、ユーザーは、まず、粉末コーヒーを第二フィルター118に入れ、第二フィルター118を第二受部109に入れる。他の実施形態では、ユーザーは、既に粉末にされたコーヒー(例えば、システム100を使用して粉末にされていないもの)を第二フィルター118に入れ、第二フィルター118を第二受部109に入れる。いくつかの実施形態では、ユーザーは、粉末コーヒーを金属製の再利用可能なフィルター118に入れ、かつ/または第一フィルター108を第一受部105から取り外す(例えば、第一フィルター108が第一受部105内にある場合)。次に、ユーザーは、第二容器107へのコーヒーのフィルタリングを開始する。いくつかの実施形態では、ユーザーは、ユーザーパネル上で第二ボタン125bを押すことによってフィルタリング処理を開始する。他の実施形態では、ユーザーは、別の手段(例えば、スマートフォン上のアプリなど、システム100と無線通信しているデバイスから制御部202に信号を送信すること)によってフィルタリングを開始する。ユーザーによってフィルタリング処理が開始されると、制御部202に信号が送信され、制御部202は、電源204に信号を送信し、電源204は、第一ポンプ206Aに、熱湯を加熱タンク208から第二フィルター118を有する第二受部109へ圧送させる。制御部202は、電源204に電力を第一ポンプ206Aへ持続的に送出させ、これにより、第二の量の水(例えば、約6杯~約12杯分の範囲内)が第二受部109に、そして第二フィルター118を通って、第二容器107(例えば、カラフェ)に圧送される。
【0042】
いくつかの実施形態では、制御部202は、信号を電源204に送信し、これにより、電源204が、第二ポンプ206Bに水を第一水タンク102および/または第二水タンク104から加熱タンク208に圧送させ、加熱タンク208が確実に基準(例えば、満杯)水位になるようにする。いくつかの実施形態では、制御部202は、第一ポンプ206Aが水を加熱タンク208から第一受部105または第二受部109に圧送した後に、この信号を電源204に送信する。他の実施形態では、制御部202は、加熱タンク208内の水位が基準水位(例えば、満杯の約50%、または満杯の約30%~約90%の範囲内、および/または満杯の約1%~約99%の範囲内)未満であると判断するたびに、この信号を送信する。いくつかの実施形態では、加熱タンク208は、加熱タンク208内の水位を示すデータを有する信号を制御部202に送信する水位センサー213を備える。水位センサー213からこの信号を受信すると、制御部202は、示された加熱タンク208内の水位を基準水位(例えば、制御部202のメモリに格納されている)と比較する。この比較に基づいて、制御部202が、加熱タンク208内の水位が基準水位未満であると判断した場合、制御部202は、続いて電源204に信号を送信し、加熱タンク208内の水位が基準水位に戻るまで水を加熱タンク208に圧送させる。さらに、制御部202が、加熱タンク208内の水位が基準水位より上であると判断した場合、制御部202は、電源204に信号を送信しない。
【0043】
さらに別の実施形態では、第一水タンク102は、第一水タンク102内の水位を示すデータを制御部202に送信する水位センサー111を有する。1つの実施形態では、制御部202は、第一水タンク102内の水位を、水タンク102内の低基準水位(例えば、制御部202のメモリに格納されている)と比較する。例示的な実施形態では、低基準水位は、約20%、または約10%~約50%の範囲内、および/または約1%~約70%の範囲内となっている。制御部202は、第一水タンク102内の水位が低基準水位未満であると判断(例えば、水位センサー111からの信号に基づいて)すると、信号を電源204に送信し、第一水タンク102内の水位が低基準水位以上となるまで第二ポンプ206Bに水を第二水タンク104から第一水タンク102に圧送させる。したがって、この例示的な実施形態では、第二水タンク104は、第一水タンク102に対する予備の水タンクとして設けられている。発明者は、複数の水タンク102または104を設けることは、ユーザーが当該水タンクを再充填しなければならない頻度を減少させるなどの顕著な利点を有することに気が付いた。
【0044】
いくつかの実施形態では、ローター130は、第一および第二ポンプ206Aおよび206Bと同一の、筐体101内の電源204に電気的に接続される。他の実施形態では、図5Cのローター512は、図2に示すローター130と同様の方法でシステムに接続される。例示的な実施形態では、電源204は、ローター130およびポンプ206Aおよび206Bに同時に電力を供給するのに十分である。別の例示的な実施形態では、電源204は、ローター130またはポンプ206Aおよび206Bのいずれかに電力供給することができ、したがって、電源204が当該ローターおよびポンプの一方に電力を供給しているとき、ローターおよびポンプの他方は使用されない(例えば、制御部202は、複数の信号が電源204に送信されて当該ローターおよびポンプ(複数)に同時に電力が供給されないようにプログラムされる)。1つの実施形態では、複数のボタン126がユーザーパネルに設けられる。例示的な実施形態では、ユーザーが第一ボタン126a(図1F)を押すことで、制御部202が電源204に信号を送信し、ローター130が第一回転速度で回転する。例示的な実施形態では、ユーザーが第二ボタン126b(図1F)を押すことで、制御部202が電源204に信号を送信し、ローター130が第一回転速度とは異なる第二回転速度で回転する。例示的な実施形態では、ユーザーが第三ボタン126c(図1F)を押すことで、制御部202が電源204に信号を送信し、ローター130を第一および第二回転速度とは異なる第三回転速度で回転させる。当業者によって理解されるように、ユーザーは、ローター130に使用されている特定の付属容器に従い、かつ/または付属容器内で刻まれる/切られる/挽かれる/などをされる特定の具材に従い、3つのボタン126a、126b、126bのうちの1つを押すことができる。図1Bは、ユーザーパネル上の3つのボタン126a~126cを示しているが、システムはこの特定のボタン配置に限定されず、3つ未満またはそれ以上のボタン(例えば、3つ未満またはそれ以上の回転速度)を備えてもよい。例示的な実施形態では、第一回転速度、第二回転速度、および第三回転速度は、当業者によって理解されるように、ユーザーの望む通りに容器の異なる内容物を処理する(例えば、コーヒー豆を挽く、ジューサー113に使用する果物をジュースにする、泡立て器312を用いて泡を立てるなど)のに十分な値をそれぞれ有している。
【0045】
図4に示すように、システム100を操作するための方法400を提供するフローチャートが示される。図4のフローチャートは、特定のステップを特定の順序で示しているが、いくつかの実施形態では、複数のステップは異なる順序で配置されてもよく、かつ/または一又は複数のステップが省略されてもよく、かつ/または追加のステップを含んでもよい。
【0046】
一実施形態では、ステップ401は、ユーザーが筐体101の空洞104に第一容器106または第二容器107を配置することを含む。例示的な実施形態では、ユーザーは、システム100によってホット飲料(例えば、コーヒー、茶など)を1人分または複数人分のどちらで抽出したいかに従い、第一容器106または第二容器107を空洞104に配置する。さらに、ステップ401における1つの実施形態では、ユーザーは、第一フィルター108を第一受部105に、または第二フィルター118を第二受部109に(当該フィルターに粉末コーヒーを充填した後に)入れる。
【0047】
一実施形態では、ユーザーは、ステップ401で‘372出願および‘847出願の手持ち式インパルスシーラーを使用して、まず生分解性材料によって形成された封入容器の中に粉末コーヒーを入れ、当該生分解性材料の縁に沿って手持ち式インパルスシーラーを用い、フィルターの縁に沿ったシール308を形成することによって第一フィルター108またはフィルター118を作る。いくつかの実施形態では、ステップ401において、第一フィルター108および/または第二フィルター118は、生分解性材料以外の材料(例えば、プラスチック材料)を用いて手持ち式インパルスシーラーにより形成することができる。ステップ401のこの例示的な実施形態では、ユーザーは、生分解性材料に手持ち式インパルスシーラーを使用し、第一受部105(例えば、第一フィルター108の場合)または第二受部109(例えば、第二フィルター118の場合)の一又は複数の寸法に従って、シール308をフィルターに沿って形成している。例示的な実施形態では、正方形または長方形のスロットによって構成される第一受部105について、ステップ401においてユーザーは、手持ち式インパルスシーラーを使用して、前記スロットの寸法に従い第一フィルター108に沿ってシール308を形成し、第一フィルター108が正方形または長方形の形状のスロットに応じた正方形または長方形の形状のフィルターとなるようにしている。例示的な実施形態において、第一フィルター108は、約2.5インチの長さ×約2.5インチの幅(例えば、小サイズフィルタ108)および/または約5インチの長さ×約5インチの長さ(例えば、大サイズフィルタ118)という寸法を有している。例示的な実施形態では、第一受部105のスロットは、約3インチの幅および約4~5インチの長さおよび/または約3/4インチの高さの寸法を有している。例示的な実施形態では、第一受部105の底部は、トレイ110(例えば、格子)を備え、漏斗型器具に水を流通させている(漏斗型器具は、例えば、その後、フィルタリングされた水を容器106に通すものである)。図1Gは、一実施形態による、生分解性材料から形成され、図1Aのシステム100で使用されるフィルター108の一例を示す画像である。例示的な実施形態では、‘372出願および‘847出願の手持ち式インパルスシーラーの切断具を用いてシール308に沿って生分解性材料を切断し、これにより、第一フィルター108を形成し、かつ/または第一フィルター108を残りのバルク量の生分解性材料から切り離している。一実施形態において、ここで述べる生分解性材料は、開口部を有する生分解性材料を含むが、開口部は、第一フィルター108内で粉末コーヒーをフィルタリングする際に、熱湯が当該材料を通ってフィルタリングされるのに十分な大きさを有する。
【0048】
一実施形態では、ステップ402において、ユーザーは、システム100によって第一容器106または第二容器107のどちらにコーヒーを抽出したいかに従い、ボタン125a、125bのうち1つを押す。他の実施形態では、ステップ402において、ユーザーは、制御部202およびシステム100と無線通信しているデバイス(例えば、スマートフォン上のアプリ)を使用してフィルタリングステップを開始するが、そのとき、デバイスは、制御部202に信号を送信し、ユーザーが第一容器106または第二容器107のどちらにコーヒーを淹れたいかを示す。一実施形態では、手順404において、制御部202および電源204は、手順402においてボタン125a、125bのどちらが押されたかに応じて(または制御部202と無線通信しているデバイスから当該制御部202が受信した信号に従って)、第一ポンプ206aに水を加熱タンク208から第一受部105内の第一フィルター108または第二受部109内の第二フィルター118を通して圧送させる。
【0049】
一実施形態では、ステップ406において、ステップ404で加熱タンク208から第一受部105に圧送された水は、第一フィルター108内の粉末コーヒーによってフィルタリングされ、または加熱タンク208から第二受部109に圧送された水は、第二フィルター118内の粉末コーヒーによってフィルタリングされる。別の実施形態では、ステップ408において、ステップ406でフィルタリングされた水は、ステップ402でどちらのボタンが押されたかに応じて、第一容器106または第二容器107のいずれかを満たす。
【0050】
一実施形態では、ステップ410において、付属容器(例えば、ジューサー113、コーヒーグラインダー120、ピッチャー304など)がローター130に回転可能に係合される。例示的な実施形態では、ステップ410において、付属容器の底部の複数のスロットは、ローター130の複数の溝と係合している。当業者に理解されるように、付属容器は、ローターの溝が付属容器の底部のスロットに確実に係合するようにローター上に配置され、これにより、ローター130は、付属容器の回転機構部を効果的に回転させることができる。一実施形態では、ステップ412において、ユーザーは、一又は複数のボタン126a、126b、126cを押して、ローター130を選択的な回転速度で作動させ、付属容器を多くの目的(例えば、グラインダー120を使用してコーヒー豆121を挽いてフィルター108および118で使用する;ジューサー113を使用して果物を回転するコーン112に押し付けてジューサー113にジュースを流し込むなど)に使用する。いくつかの実施形態では、ステップ410および412は、ステップ402~408の前に実行することができ、かつ/またはステップ402~408を実行することなく実行することも可能であり、これにより、ローター130は、システム100の抽出機能から独立して使用できる。
【0051】
本明細書において、本発明は、特定の実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を加えることが可能なのは明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的なものと見なされるべきである。本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「備える」という語句及び「備えている」などの変形語句は、記載された項目、要素、ステップ、又はそれらのグループの包含を意味するが、他の項目、要素、ステップ、又はそれらのグループを除外するものではないと理解されたい。さらに、不定冠詞「a」又は「an」は、その冠詞がかかる項目、要素、又はステップが一以上であることを意味する。また、本明細書にある通り、文脈から明らかでない限り、ある値が他の値の2倍または半分の範囲にあれば、その値は他の値の「約」となる。また、例示的な範囲が示されているが、文脈から明らかでない限り、そこに包含される全ての範囲も様々な実施形態において意図されている。したがって、0から10までの範囲は、いくつかの実施形態では、1から4までの範囲を含む。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
【国際調査報告】