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特表2022-552592スライディング窓戸システムの2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】スライディング窓戸システムの2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/18 20060101AFI20221212BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
E06B1/18 S
E06B1/18 U
E06B5/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511284
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2019010601
(87)【国際公開番号】W WO2021033798
(87)【国際公開日】2021-02-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520460258
【氏名又は名称】フィローブ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,クァン-ソク
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AB00
(57)【要約】
本発明は、スライディング窓戸システムを構成する移動窓(スライディング窓)が取り付けられるドアフレームの断熱構造に関し、より詳しくは、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面を支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓を閉めるとき、移動するスライディング窓の側面がポケット方式で挿入されるドアフレームの側面セクションにおける断熱構造、すなわちドアフレーム側面部の断熱構造に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムで、スライディング窓(20)が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部(21)とドアフレーム(100)とが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造であって、
ガラスパネル(20g)の下部にアルミニウム材質のサッシが設けられず、軟性材質の下部ガラス支持断熱ブラケット(20b)にローラ(20r)が直接結合されてドアフレーム(100)上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有し、
ガラスパネル(20g)の側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケット(20b)と、前記ガラス支持断熱ブラケット(20b)を内外面で支持可能に提供されるアルミニウム素材の側面キャップ(21a)とを備えた側面サッシ部(21)を含んでなるスライディング窓(20)が、ドアフレーム(100)内でスライディングして閉められるとき、スライディング窓(20)の側面サッシ部(21)のアルミニウム素材の側面キャップ(21a)が挿入されるドアフレーム(100)の挿入ポケット(100v)内に、ドアフレーム(100)の内側部(110)とスライディング窓(20)の側面サッシ部(21)のアルミニウム素材の側面キャップ(21a)との間の隙間空間を充填する発泡熱橋遮断インサート部材(150)をドアフレーム(100)の内側部(110)に縦方向で固設し、
アルミニウム素材の側面キャップ(21a)の間の気密を提供するため、前記発泡熱橋遮断インサート部材(150)の外側面に縦方向でゴムガスケット(154)を取り付けることを特徴とする、2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造。
【請求項2】
前記発泡熱橋遮断インサート部材(150)は、ドアフレーム(100)の挿入ポケット(100v)の前面、側面及び背面を全て充填可能な形状を有するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造。
【請求項3】
前記発泡熱橋遮断インサート部材(150)は、複合素材で構成され、断熱性に優れるが形状保持性と耐久性の低い発泡ゴム(156)または発泡スチロールを、相対的に低い断熱性能を有するが高い形状保持性と耐久性を有する薄い合成樹脂板材152に付着して一つの複合素材アセンブリとして形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造。
【請求項4】
前記発泡熱橋遮断インサート部材(150)は、断熱性及び形状保持性を全て有する発泡プラスチック系の断熱材158で一体的に形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造。
【請求項5】
前記発泡熱橋遮断インサート部材(150)と前記ドアフレーム(100)の内側部(110)との間には、相互の嵌合のための嵌合突起(110a、152a)または嵌合溝が提供されることを特徴とする、請求項3に記載の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造。
【請求項6】
前記発泡熱橋遮断インサート部材(150)と前記ドアフレーム(100)の内側部(110)との間には、相互の嵌合のための嵌合突起(110a、152a)または嵌合溝が提供されることを特徴とする、請求項4に記載の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライディング窓戸システムを構成する移動窓(スライディング窓)が取り付けられるドアフレームの断熱構造に関し、より詳しくは、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面を支持する2辺支持フレームウィンドウ(two-side supporting frame window)タイプのスライディング窓を閉めるとき、移動するスライディング窓の側面がポケット方式で挿入されるドアフレームの側面セクションにおける断熱構造、すなわちドアフレーム側面部の断熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライディング窓戸システムを構成する移動窓(スライディング窓)及び固定窓としてガラス窓の4辺を厚い支持フレームでそれぞれ支持するフォーサイド支持フレームウィンドウ(four-side supporting frame window、以下、「4辺支持フレームウィンドウ」と称する)タイプのスライディング窓(移動窓)をドアフレームに取り付ける場合(図1aを参照)は、図1bのa-a’に沿った断面図(縦断面図)に示されたように、スライディング窓戸システムのドアフレーム1の内側でガラスが嵌められたウィンドウサッシ2aの下部に取り付けられるローラを備え、ドアフレーム1上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有している。このような4辺支持フレームウィンドウタイプでは、ガラス窓の低い剛性を十分に支持しようとして、図1bのa-a’に沿った縦断面図と図1c及び図1dのb-b’に沿った横断面図にそれぞれ示されたように、ウィンドウ周辺の4辺全てに熱伝導率の非常に高い素材であるアルミニウム(AL)フレームが取り付けられるため、良好な断熱性能を期待し難いという構造的な脆弱性を有している。
【0003】
しかし、近年、建築用として製作されて商用されているペアガラスの場合、下部や上部に別途のアルミニウム素材のウィンドウサッシ部材を設けなくても良いほどそれ自体の剛性が非常に良好である。また、窓戸の広い開放性を強調する現代的な建築デザインの影響で、よりスリムなウィンドウサッシフレームを備えた窓戸システムに対する要求が高くなっている。このような趨勢を反映すると同時に良好な冷暖房エネルギー効率を実現するため、熱伝導率の高い素材であるアルミニウムサッシの使用部分を最小化できるように、ガラス窓の両側面のみに支持フレームが取り付けられるツーサイド支持フレームウィンドウ(two-side supporting frame window、以下、「2辺支持フレームウィンドウ」と称する)タイプのスライディング窓(図2を参照)の使用が増加している。このような2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓を備えた窓戸システムの一例として、図3a~図3cに示されたスイスのSky-frame社製品の例においては、ガラス2gが嵌められるアルミニウム(AL)素材のウィンドウサッシ2bがガラス2gの両側面のみに存在し、図3aのa-a’に沿った断面図に示されたように、ガラス2gの上部及び下部には、合成樹脂製のガラス支持断熱ブラケット2gb(ガラス端部の破損を防止し、緩衝及び断熱を目的として囲む部材であって、ポリアミドまたはPVC(polyvinyl chloride)のような有機材料から形成される)の他に、アルミニウム材質のサッシは設けられていない。この場合、ガラス2gの側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケット2gbには、これを側面からより強力に支持できるように、薄くても固定支持力が相対的に優れるアルミニウム金属製の側面キャップ2b1がウィンドウサッシとして追加的に提供されるが、アルミニウム金属製の側面キャップ2b1のうち外気と接触する部分になるドアフレーム1側の側面キャップ2b1(図3b及び図3cの左側部)は、断熱性能を向上させるため、内外側が分離して形成され、その間に断熱部材2b2が挿入される構造で形成されている。
【0004】
しかし、スライディング窓2が閉められるとき、ドアフレーム1側の挿入ポケット1vに側面部が挿入されるアルミニウム(AL)素材のウィンドウサッシ2bが断熱部材2b2で分離されていても、挿入ポケット1vに存在する空気の対流などによって、側面キャップ2b1の内側部分が低い温度の外気と接触しているドアフレーム1及び側面キャップ2b1の外側部分へと多くの熱を奪われて温度が低くなるため、結局エネルギー効率が低くなる問題がある。さらに、室内温度は高いのに、ウィンドウサッシ2bのアルミニウム(AL)素材からなる側面キャップ2b1部分の表面温度は低く、結露現象が発生するという問題がある。
【0005】
このような構造と類似するが、スライディング窓2が外側に取り付けられる異なる構造の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓を備えた窓戸システムの一例として、図4a~図4cに示されたスイスのPanoramah社製品の場合も、上述したSky-frame社製品と同様に、スライディング窓2が閉められるとき、ドアフレーム1側の挿入ポケット1vに側面部が挿入されるアルミニウム(AL)素材のウィンドウサッシ2bが断熱部材2b2で分離されていても、挿入ポケット1vに存在する空気の対流などによって、側面キャップ2b1の内側部分が、ドアフレーム1及び外気と接触している側面キャップ2b1の外側部分の低い温度によって多くの熱を奪われ、結局エネルギー効率が低くなる問題がある。さらに、室内温度は高いのに、ウィンドウサッシ2bのアルミニウム(AL)素材からなる側面キャップ2b1部分の表面温度は低く、結露現象が発生するという同じ問題を有する。
【0006】
一方、このような問題を解決するための手段として、スライディング窓2が閉められるときにドアフレーム1側の挿入ポケット1vに挿入される側面部へのアルミニウム素材の使用を避け、側面キャップ2b1部分を合成樹脂製(PL;Plastic)または炭素繊維製(CF;Carbon Fiber)の断熱材料から構成したドイツのSchueco社製品のような構成も挙げられるが、この場合も、挿入ポケット1vに存在する空気の対流などによる熱損失を防止することはできず、さらに合成樹脂製(PL)または炭素繊維製(CF)の断熱材料から構成された側面キャップ2b1だけでは、強風がガラスに当たる環境では、ガラス支持断熱ブラケット2gbで発生する過度な変形を十分に統制し難く、構造的な脆弱性が露出するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来技術の共通的な問題点を解決するためのものであって、本発明の技術的課題は、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムにおいて、ガラス2gの両側面のみに存在する狭幅のウィンドウサッシ2bを構成する際、2辺支持フレームウィンドウサッシを十分な剛性と耐久性を有するアルミニウム材料で構成することでより優れたガラスパネル固定機能を確保できるとともに、2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおけるドアフレームの側面部に形成される挿入ポケットでの対流や伝導による熱伝導を最大限に遮断することで、より良好な断熱機能を達成できるように改善された構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した技術的課題を解決するため、
スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムにおいて、スライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造であって、
ガラスパネルの下部にアルミニウム材質のサッシが設けられず、下部ガラス支持断熱ブラケット(軟性材質)にローラが直接結合されてドアフレーム上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有し、
それぞれのガラスパネルの側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケットと、前記ガラス支持断熱ブラケットを内外面で支持可能に提供されるアルミニウム素材の側面キャップとを備えた側面サッシ部を含んでなるスライディング窓が、ドアフレーム内でスライディングして閉められるとき、スライディング窓の側面サッシ部のアルミニウム素材の側面キャップが挿入されるドアフレームの挿入ポケット内に、ドアフレームの内側部とスライディング窓の側面サッシ部のアルミニウム素材の側面キャップとの間の隙間空間を充填する発泡熱橋遮断インサート部材をドアフレームの内側部に縦方向で固設し、
アルミニウム素材の側面キャップの間の気密を提供するため、前記発泡熱橋遮断インサート部材の外側面に縦方向でゴムガスケットを取り付けることを特徴とする、2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造を提供する。
【0009】
ここで、前記発泡熱橋遮断インサート部材は、ドアフレームの挿入ポケットの前面、側面及び背面を全て充填可能な「コ」字状(内側辺のうち一辺が開いているチャネル形状)を有するように形成されることが望ましい。
【0010】
また、前記発泡熱橋遮断インサート部材は、断熱性及び形状保持性を全て有する発泡プラスチックで一体的に形成してもよく、断熱性に優れるが形状保持性と耐久性の低い発泡ゴムまたは発泡スチロールを、相対的に低い断熱性能を有するが高い形状保持性と耐久性を有する合成樹脂板材に付着して一つのアセンブリとして形成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明が適用される2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムにおいて、スライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造によれば、ドアフレームの内側部とスライディング窓の側面サッシ部のアルミニウム素材の側面キャップとの間の挿入ポケットでの隙間空間を断熱性能が優れた発泡熱橋遮断インサート部材で充填することで、挿入ポケット内部で発生し得る伝導または対流による熱伝達を最小化してエネルギー効率を極大化し、結露現象を防止することができる。
【0012】
このような本発明による構造を採用したスライディング窓戸システムでは、スライディング窓の側面サッシ部に剛性と耐久性が相対的に高いアルミニウム素材の側面キャップを適用可能にことで、風圧によって発生するガラスパネル支持ブラケット(柔軟な素材のガラス支持断熱ブラケット)の変位または変形に対するより安定的な制御力を有するとともに、ドアフレームの内側部とスライディング窓の側面サッシ部のアルミニウム素材の側面キャップとの間の挿入ポケットでの隙間空間を充填する断熱性能の優れた発泡熱橋遮断インサート部材を通じて良好な断熱性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a】従来の一般的なスライディング窓戸システムを示した図であって、ガラスを4辺で支持するドアサッシを備えたスライディング窓を示している。
図1b】従来の一般的なスライディング窓戸システムを示した図であって、ガラスを4辺で支持するドアサッシを備えたスライディング窓を示している。
図1c】従来の一般的なスライディング窓戸システムを示した図であって、ガラスを4辺で支持するドアサッシを備えたスライディング窓を示している。
図1d】従来の一般的なスライディング窓戸システムを示した図であって、ガラスを4辺で支持するドアサッシを備えたスライディング窓を示している。
図2図1a~図1dに示された一般的な4辺支持フレームスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図3a図1a~図1dに示された一般的な4辺支持フレームスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図3b図1a~図1dに示された一般的な4辺支持フレームスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図3c図1a~図1dに示された一般的な4辺支持フレームスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図4a】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の変形例を示した図である。
図4b】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の変形例を示した図である。
図4c】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の変形例を示した図である。
図5a】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓のさらに他の例を示した図である。
図5b】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓のさらに他の例を示した図である。
図5c】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓のさらに他の例を示した図である。
図6a】本発明による望ましい一実施形態である第1実施例によるスライディング窓戸において、2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおけるドアフレームの側面断熱構造を示した図である。
図6b】本発明による望ましい一実施形態である第1実施例によるスライディング窓戸において、2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおけるドアフレームの側面断熱構造を示した図である。
図6c】本発明による望ましい一実施形態である第1実施例によるスライディング窓戸において、2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおけるドアフレームの側面断熱構造を示した図である。
図6d】本発明による望ましい一実施形態である第1実施例によるスライディング窓戸において、2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおけるドアフレームの側面断熱構造を示した図である。
図7】本発明による他の実施形態であって、第1実施例の変形例の構成を示した図である。
図8a】本発明による望ましい実施例の構成に対するシミュレーションモデルを示した図である。
図8b図8aを用いたシミュレーション結果を示した図である。
図9a】本発明による望ましい実施例の構成と比較する比較例に対する断熱効果シミュレーションモデルを示した図である。
図9b図9aを用いた断熱効果シミュレーション結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な相異なる形態で具現でき、後述される実施形態によって限定されるものではない。
【0015】
本発明は、上述したように、窓戸の開放性を高めるように改良されたスライディング窓において、4辺支持ウィンドウサッシに比べて相対的に狭いフレーム幅を有する2辺支持フレームウィンドウサッシとドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造を提供する。図6a~図6dに示された図面を通じて例示される本発明の望ましい実施形態によれば、
スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムにおいて、スライディング窓20が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部21とドアフレーム100とが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造であって、
図6a及び図6bに示されたように、ガラスパネル20gの下部にはアルミニウム材質のサッシが設けられず、軟性材質の下部ガラス支持断熱ブラケット20bにローラ20rが直接結合されてドアフレーム100上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有し、
ガラスパネル20gの側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケット20bと、前記ガラス支持断熱ブラケット20bを内外面で支持可能に提供されるアルミニウム素材の側面キャップ21aとを備えた側面サッシ部21を含んでなるスライディング窓20が、ドアフレーム100内でスライディングして閉められるとき(図6cを参照)、スライディング窓20の側面サッシ部21のアルミニウム素材の側面キャップ21aが挿入されるドアフレーム100の挿入ポケット100v内に、ドアフレーム100の内側部110とスライディング窓20の側面サッシ部21のアルミニウム素材の側面キャップ21aとの間の隙間空間を充填する発泡熱橋遮断インサート部材150をドアフレーム100の内側部110に縦方向で固設し、
アルミニウム素材の側面キャップ21aの間の気密を提供するため、前記発泡熱橋遮断インサート部材150の外側面に縦方向でゴムガスケット154を取り付けることを特徴とする、2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓戸システムでスライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシの側面サッシ部とドアフレームとが相互に重なる側面セクションにおける断熱構造を提供する。
【0016】
ここで、前記発泡熱橋遮断インサート部材150は、ドアフレーム100の挿入ポケット100vの前面、側面及び背面を全て充填可能な「コ」字状(内側辺のうち一辺が開いているチャネル形状)を有するように形成されることが望ましい。
【0017】
また、図6dに拡大して示された[Part-C1]のように、本発明の第1実施例による前記発泡熱橋遮断インサート部材150は、複合素材で構成される。具体的には、断熱性に優れるが形状保持性と耐久性の低い発泡ゴム156または発泡スチロールを、相対的に低い断熱性能を有するが高い形状保持性と耐久性を有する薄い合成樹脂板材152に付着して一つのアセンブリ(図6dに示されたように、合成樹脂板材152が「コ」字状(すなわち、内側辺のうち一辺が開いているチャネル形状)を有してドアフレーム100の挿入ポケット100vに取り付けられ、このとき、合成樹脂板材152の挿入ポケット100vの外側面側、すなわちドアフレーム100の内側部110側に、直方体状の発泡素材、例えば発泡ゴム156または発泡スチロールが挿入される構造を有するアセンブリ)として形成されてもよい。
【0018】
一方、図7に示された本発明の第2実施例によれば、前記発泡熱橋遮断インサート部材150は、適切な断熱性及び形状保持性を全て有する発泡プラスチック系の断熱材158を一体的に成形して形成されてもよい。
【0019】
望ましくは、前記発泡熱橋遮断インサート部材150と前記ドアフレーム100の内側部110との間には、相互の嵌合のための嵌合突起110a、152aまたは嵌合溝などが形成される。
【0020】
そして、図6dに拡大して示された[Part-C1]のように、クローズドセル(closed-cell)構造を有する前記発泡ゴム156(foam rubber)の断熱材は優れた耐透湿性を有するため、施工後時間が経過しても、熱伝導率が他の断熱材に比べて相対的に安定し、断熱維持力が長期間持続するという長所がある。
【0021】
また、図7に示された前記発泡プラスチック系の断熱材158(foamed plastic thermal insulation material)は、プラスチック樹脂を発泡剤で発泡させた断熱材であって、発泡ゴム156と比べて断熱性は劣るが、単一体として形状保持が可能であるため、耐候性が求められる建築素材として有用である。代表的には、押出発泡ポリスチレン、軽質ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、発泡PVC、発泡ポリウレタンなどが挙げられ、熱伝導率は平均温度20℃で約0.020~0.1kcal/mh℃の範囲のものを使用可能である。
【0022】
このような本発明の実施例の構成(挿入ポケットに発泡熱橋遮断インサート部材150が充填された状態)に対し、数値解釈モデル(外気温度-18℃、室内温度21℃:温度差ΔT=39℃)を構成し、窓戸システム構成部の温度をシミュレーションした。数値解釈試験の結果によれば、図8a及び図8bに示されたように、ドアフレーム100の内側部110の基準点で13.1℃の高い温度を維持できて高いエネルギー効率を有し、さらに結露を防止する効果が確認された。また、図9a及び図9bに示されたように、本発明と異なる構成の比較例(発泡熱橋遮断インサート部材なしに挿入ポケットに空気が満たされた状態)では、ドアフレーム100の内側部110の基準点が10.6℃と、本発明の実施例と比べて温度が2.5℃低いことが分かった。
【0023】
以上、本発明が適用されるスライディング窓に対する本発明の望ましい実施形態を説明した。図面においては、複数のガラスパネル20gを一定間隔で離隔して重ねて形成し、間隙部の真空を具現するようにシーリング部材で接合して形成されるペアガラスを備えた窓戸に適用することを例示して説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、多様な類型のスライディング窓戸(ドアまたは窓)に適用される場合を含み、下記の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
【国際調査報告】