(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】プローブベースの円周方向トラバースシステム
(51)【国際特許分類】
G01L 19/00 20060101AFI20221212BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20221212BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20221212BHJP
G01L 7/00 20060101ALI20221212BHJP
G01P 5/16 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G01L19/00 Z
F01D25/00 V
F02C7/00 A
G01L7/00 N
G01L7/00 M
G01P5/16 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515757
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020052115
(87)【国際公開番号】W WO2021067083
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】バハドゥール、バラ ムラリダール シン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジョシー
(72)【発明者】
【氏名】パッカラ、シュリーニヴァス ラオ
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB11
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF49
2F055GG11
2F055HH05
(57)【要約】
流体流路内の流れ特性を測定するためのトラバース機構が提供される。トラバース機構は、軸線の周りに円周方向に360度回転するように構成された回転部材を含む。トラバース機構はまた、回転部材に結合されたプローブを含む。プローブは、回転部材の一部を貫通して流体流路内に軸線に対して半径方向に延在する。回転部材の回転により、プローブが、流体流路内の1つまたは複数の流れ特性を軸線の周りに円周方向に360度マッピングまたは測定することが可能になる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流路(54)内の流れ特性を測定するためのトラバース機構(42)であって、
軸線(36)の周りに円周方向(34)に360度回転するように構成された回転部材(70)と、
前記回転部材(70)に結合されたプローブ(74)であって、前記回転部材(70)の一部を貫通して前記流体流路(54)内に前記軸線(36)に対して半径方向(32)に延在するプローブ(74)と、
を含み、
前記回転部材(70)の回転により、前記プローブ(74)が、前記流体流路(54)内の1つまたは複数の流れ特性を前記軸線(36)の周りに前記円周方向(34)に360度マッピングまたは測定することが可能になる、トラバース機構(42)。
【請求項2】
前記回転部材(70)に結合され、前記回転部材(70)に隣接して前記流体流路(54)を画定する第1のフランジ(44)および第2のフランジ(46)を含む、請求項1に記載のトラバース機構(42)。
【請求項3】
前記トラバース機構(42)から流体が漏れないように、前記第1のフランジ(44)と前記回転部材(70)との間に配置された第1の封止機構(80)と、前記第2のフランジ(46)と前記回転部材(70)との間に配置された第2の封止機構(82)と、を含む、請求項2に記載のトラバース機構(42)。
【請求項4】
前記第1の封止機構(80)および前記第2の機構の両方が、各々少なくとも1つのOリング(86、88、90、92)を含む、請求項3に記載のトラバース機構(42)。
【請求項5】
前記第1および第2のフランジ(44、46)ならびに前記回転部材(70)に結合され、前記第1および第2のフランジ(44、46)ならびに前記回転部材(70)に隣接する第1のクランププレート(58)および第2のクランププレート(60)を含み、前記第1および第2のクランププレート(58、60)は、前記回転部材(70)に隣接して前記第1および第2のフランジ(44、46)を保持するように構成される、請求項2に記載のトラバース機構(42)。
【請求項6】
前記第1のクランププレート(58)と前記第1のフランジ(44)との間に配置された少なくとも1つの減摩軸受(78)と、前記第2のクランププレート(60)と前記第2のフランジ(46)との間に配置された少なくとも1つの減摩軸受(78)と、を含み、前記減摩軸受(78)は、前記第1のクランププレート(58)、前記回転部材(70)、および前記第2のクランププレート(60)の前記第1および第2のフランジ(44、46)に対する回転を容易にするように構成される、請求項5に記載のトラバース機構(42)。
【請求項7】
前記減摩軸受(78)が、ポリテトラフルオロエチレンOリングを含む、請求項5に記載のトラバース機構(42)。
【請求項8】
前記回転部材(70)の周りに円周方向(34)に配置されたギヤ(66)を含み、前記ギヤ(66)の作動が、前記回転部材(70)および前記プローブ(74)を回転させるように構成される、請求項1に記載のトラバース機構(42)。
【請求項9】
前記ギヤ(66)の回転を作動させるための作動機構(72)を含む、請求項8に記載のトラバース機構(42)。
【請求項10】
前記トラバース機構(42)が、ターボ機械(120)の一部に結合するように構成される、請求項1に記載のトラバース機構(42)。
【請求項11】
ターボ機械(120)の一部の流体流路(54)内の流れ特性を測定するためのトラバース機構(42)であって、
第1のフランジ(44)と、
第2のフランジ(46)と、
前記第1のフランジ(44)と前記第2のフランジ(46)との間に配置された環状プレート(48)と、
前記環状プレート(48)の周りに配置され、作動時に、前記環状プレート(48)を前記第1および第2のフランジ(44、46)に対して円周方向(34)に軸線(36)の周りに360度回転させるように構成されたギヤ(66)と、
前記環状プレート(48)に結合されたプローブ(74)であって、前記環状プレート(48)の一部を貫通して前記流体流路(54)内に前記軸線(36)に対して半径方向(32)に延在するプローブ(74)と、
を含み、
前記環状プレート(48)の回転により、前記プローブ(74)が、前記流体流路(54)内の1つまたは複数の流れ特性を前記軸線(36)の周りに前記円周方向(34)に360度マッピングまたは測定することが可能になる、トラバース機構(42)。
【請求項12】
前記第1のフランジ(44)は、第1のフランジ部分および第1のネック部分を含み、前記第2のフランジ(46)は、第2のフランジ部分および第2のネック部分を含み、前記環状プレート(48)に結合された前記第1および第2のフランジ部分ならびに前記第1および第2のフランジ部分は、前記ターボ機械(120)の前記部分に結合するように構成される、請求項11に記載のトラバース機構(42)。
【請求項13】
前記トラバース機構(42)から流体が漏れないように、前記第1および第2のフランジ(44、46)と前記環状プレート(48)との間に配置された封止システム(76)を含む、請求項11に記載のトラバース機構(42)。
【請求項14】
前記封止システム(76)が、前記第1のフランジ(44)と前記環状プレート(48)との間に配置された第1の組のOリングと、前記第2のフランジ(46)と前記環状プレート(48)との間に配置された第2の組のOリングと、を含む、請求項13に記載のトラバース機構(42)。
【請求項15】
前記第1の組のOリングが、前記軸線(36)に対して同心配置で第1のOリング(86)および第2のOリング(88)を含み、前記第2の組のOリング(88)が、前記軸線(36)に対して同心配置で第3のOリング(90)および第4のOリング(92)を含む、請求項14に記載のトラバース機構(42)。
【請求項16】
第1および第2のフランジ(44、46)に対する前記回転部材(70)の回転を容易にするように構成された減摩軸受システム(78)を含む、請求項11に記載のトラバース機構(42)。
【請求項17】
前記第1および第2のフランジ(44、46)に結合され、前記第1および第2のフランジ(44、46)に隣接する第1のクランププレート(58)および第2のクランププレート(60)を含む、請求項16に記載のトラバース機構(42)。
【請求項18】
前記減摩軸受システム(78)は、前記第1のクランププレート(58)と前記第1のフランジ(44)との間に配置された第1の組の熱可塑性ポリマーOリングと、前記第2のクランププレート(60)と前記第2のフランジ(46)との間に配置された第2の組の熱可塑性ポリマーOリングと、を含む、請求項17に記載のトラバース機構(42)。
【請求項19】
前記第1の組の熱可塑性Oリングが、前記軸線(36)に対して同心配置で第1の熱可塑性Oリング(98)および第2の熱可塑性Oリング(100)を含み、前記第1の組の熱可塑性Oリングが、前記軸線(36)に対して同心配置で第3の熱可塑性Oリング(102)および第4の熱可塑性Oリング(104)を含む、請求項18に記載のトラバース機構(42)。
【請求項20】
流体流路(54)内の流れ特性を測定するためのトラバース機構(42)であって、
固定構成要素(68)と、
前記固定構成要素(68)に対して軸線(36)の周りに円周方向(34)に回転するように構成された回転構成要素(70)と、
回転を容易にするために前記固定構成要素(68)と前記回転構成要素(70)との間に配置された減摩軸受システム(78)と、
流体が前記トラバース機構(42)から漏れないように、前記固定構成要素(68)と前記回転構成要素(70)との間に配置された封止システム(76)と、
前記固定構成要素(68)に結合されたプローブ(74)であって、前記回転構成要素(70)の回転により、前記プローブ(74)が、前記流体流路(54)内の1つまたは複数の流れ特性を前記軸線(36)の周りに前記円周方向(34)に360度マッピングまたは測定することが可能になる、プローブ(74)と、
を含むトラバース機構(42)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する主題は、トラバースシステムに関し、より詳細には、円周方向トラバースシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プローブを含むトラバースシステムは、試験(例えば、プロトタイプ試験)中にターボ機械(例えば、ガスタービンエンジン、圧縮機など)の流れ場における様々な流れ特性を測定するために利用される。例えば、トラバースシステムからのマッピングまたは測定を介して、全圧、静圧、温度、流れ角度、速度成分、および/または他の流れ特性を取得することができる。しかしながら、既存のトラバースシステムは、全領域マッピング機構を提供しない。特に、既存のトラバースシステムは、円周方向掃引(例えば、円周方向に40度から60度の範囲の領域)において制限されている。典型的には、360度の領域を測定するために、複数のプローブおよび/または複数の機構またはシステムのセットアップが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/018292号明細書
【発明の概要】
【0004】
最初に特許請求する主題の範囲に相応する特定の実施形態を、以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、本主題の可能な形態の概要を提供することのみを意図している。実際、本主題は、以下に記載する実施形態と同様であっても異なっていてもよい様々な形態を包含することができる。
【0005】
第1の実施形態では、流体流路内の流れ特性を測定するためのトラバース機構が設けられる。トラバース機構は、軸線の周りに円周方向に360度回転するように構成された回転部材を含む。トラバース機構はまた、回転部材に結合されたプローブを含む。プローブは、回転部材の一部を貫通して流体流路内に軸線に対して半径方向に延在する。回転部材の回転により、プローブが、流体流路内の1つまたは複数の流れ特性を軸線の周りに円周方向に360度マッピングまたは測定することが可能になる。
【0006】
第2の実施形態では、ターボ機械の一部の流体流路内の流れ特性を測定するためのトラバース機構が提供される。トラバース機構は、第1のフランジと、第2のフランジと、第1のフランジと第2のフランジとの間に配置された環状プレートと、を有する。トラバース機構はまた、環状プレートの周りに配置され、作動時に環状プレートを第1および第2のフランジに対して円周方向の軸線の周りに360度回転させるように構成されたギヤを含む。トラバース機構は、環状プレートに結合されたプローブをさらに含む。プローブは、環状プレートの一部を貫通して流体流路内に軸線に対して半径方向に延在する。環状プレートの回転により、プローブが、流体流路内の1つまたは複数の流れ特性を軸線の周りに円周方向に360度マッピングまたは測定することが可能になる。
【0007】
第3の実施形態では、流体流路内の流れ特性を測定するためのトラバース機構が設けられる。トラバース機構は、固定構成要素と、固定構成要素に対して軸線の周りに円周方向に回転するように構成された回転構成要素と、を含む。トラバース機構はまた、回転を容易にするために固定構成要素と回転構成要素との間に配置された減摩軸受システムを含む。トラバース機構はまた、流体がトラバース機構から漏れないように、固定構成要素と回転構成要素との間に配置された封止システムを含む。トラバース機構は、固定構成要素に結合されたプローブをさらに含む。回転構成要素の回転により、プローブが、流体流路内の1つまたは複数の流れ特性を軸線の周りに円周方向に360度マッピングまたは測定することが可能になる。
【0008】
本主題のこれらの、ならびに他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、さらによく理解されよう。添付の図面では、全ての図面を通して、類似する符号は類似する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】プローブベースのトラバースシステム(例えば、円周方向トラバースシステム)を有するターボ機械の一実施形態のブロック図である。
【
図2】
図1に示すターボ機械の一実施形態の断面側面図である。
【
図3】
図1の円周方向トラバースシステムのトラバース機構の一実施形態の断面側面図である。
【
図4】線4-4内で取られた、
図3のトラバース機構の一部の断面側面図である。
【
図5】トラバース機構の環状プレートの周りに配置されたギヤの一実施形態の斜視図である。
【
図6】プローブを有するトラバース機構の一部の実施形態の斜視図である。
【
図7】ターボ機械の一部に結合されたトラバース機構の一実施形態の斜視図である。
【
図8】
図7のターボ機械の一部に結合されたトラバース機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の主題の1つまたは複数の具体的な実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供しようと努めているが、実際の実施態様の全ての特徴を本明細書中で記載しきれない場合がある。あらゆるそのような実際の実施態様の開発において、あらゆるエンジニアリングまたは設計プロジェクトと同様に、実施態様ごとに異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約条件の遵守など、開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施態様に特有の決定を行わなければならないことを、理解すべきである。さらに、このような開発努力は、複雑で時間がかかるが、それでもなお本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作、および製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
【0011】
本主題の様々な実施形態の要素を導入する場合に、単数の表現および「前記」は1つまたは複数の要素があることを意味するものである。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的なものであり、列挙された要素以外のさらなる要素が存在してよいことを意味することを意図している。
【0012】
本開示の実施形態は、プローブの360度の円周方向運動を提供するトラバース機構またはシステム(例えば、円周方向トラバース機構またはシステム)を含む。トラバース機構は、流れ特性を測定またはマッピングするために、ターボ機械の異なる構成要素(例えば、ガスタービンエンジン、圧縮機など)に結合されるか、またはそれに沿って結合されてもよい。トラバース機構は、トラバース機構に結合された単一のプローブが360度の領域全体(例えば、長手方向軸線に沿った軸方向点に対して円周方向に)の領域マッピングまたは測定を行うことを可能にする適切なシーリング(例えば、減摩軸受、封止など)を含む。特に、全圧、静圧、温度、流れ角度、速度成分などの流れ特性は、360度の領域全体の周りの流体流路または流体流れ場で測定することができる。特定の実施形態では、複数のプローブがトラバース機構に結合されてもよい。
【0013】
図面を参照すると、
図1は、ターボ機械120(例えば、ガスタービンエンジン11)の一実施形態のブロック図である。参考までに、ガスタービンエンジン11は、軸方向30(例えば、ガスタービンエンジン11の長手方向軸線36に対して、
図2参照)、長手方向軸線36に向かう、または長手方向軸線36から離れる半径方向32、および長手方向軸線36の周りに円周方向34に延在することができる。開示されたタービンシステム10は、プローブベースのトラバースシステム(例えば、円周方向トラバースシステム)13を使用する。以下により詳細に説明するように、プローブベースのトラバースシステム13は、円周方向34の軸線の周りに360度の流体流路または流体流れ場における1つまたは複数の流れ特性のマッピングまたは測定を可能にする。流れ特性は、全圧、静圧、温度、流れ角度、および/または速度成分を含むことができる。以下の開示では、ガスタービンエンジンを参照しているが、プローブベースのトラバースシステムは、任意のターボ機械(例えば、ガスタービンエンジン、蒸気タービンエンジン、圧縮機、または任意の他の種類の回転機械)で利用することができる。
【0014】
ガスタービンエンジン11は、ガスタービンエンジン11を駆動するために、天然ガスおよび/または合成ガスなどの液体または気体燃料を使用することができる。図示するように、1つまたは複数の燃料ノズル12は、燃料供給14を取り込み、燃料を空気と部分的に混合して燃料および空気-燃料混合物を燃焼器16に分配し、そこで燃料と空気との間でさらなる混合が行われる。空気-燃料混合物は、燃焼器16内の燃焼室において燃焼することで、高温の加圧された排気ガスを生成する。燃焼器16は、排気ガスをタービン18を通して排気出口20に向けて送る。排気ガスがタービン18を通過すると、ガスはタービンブレードに力を与えて、ガスタービンエンジン11の軸線に沿ってシャフト22を回転させる。図示するように、シャフト22は、圧縮機24を含むガスタービンエンジン11の様々な構成要素に接続される。圧縮機24はまた、シャフト22に結合されたブレードを含む。シャフト22が回転すると、圧縮機24内のブレードも回転し、それによって吸気口26から圧縮機24を通る空気を圧縮し、燃料ノズル12および/または燃焼器16に送る。さらに、シャフト22を、例えば発電プラントにおける発電機または航空機のプロペラなど、移動または不動の負荷であってもよい負荷28に接続することができる。負荷28は、ガスタービンエンジン11の回転出力によって動力供給されることが可能な任意の適切な装置を含むことができる。
【0015】
後述するプローブベースのトラバースシステム13は、ガスタービンエンジン11の様々な構成要素(例えば、圧縮機24、タービン18など)に結合することができる。例えば、プローブベースのトラバースシステム13は、圧縮機24の段の間、圧縮機24のすぐ下流、タービン18の段の間、および/または排気出口またはスタックの上流のタービン18のすぐ下流に結合することができる。
【0016】
図2は、
図1に示すガスタービンエンジン11の一実施形態の断面側面図である。ガスタービンエンジン11は、長手方向軸線36を有する。動作中、空気は、吸気口26を通ってガスタービンエンジン11に入り、圧縮機24内で加圧される。次に、圧縮空気は、燃焼器16内で燃焼するためにガスと混合する。例えば、燃料ノズル12は、燃料-空気混合物を、最適な燃焼、排出量、燃料消費、および動力出力のために適切な比率で燃焼器16に噴射することができる。燃焼は、高温の加圧された排気ガスを生成し、これは次にタービン18内のタービンブレード38を駆動してシャフト22を回転させ、したがって、圧縮機24および負荷を回転させる。タービンブレード38の回転は、シャフト22の回転を引き起こし、それによって圧縮機24内のブレード40(例えば、圧縮機ブレード)は、吸気口26によって受け取られた空気を引き込んで加圧する。
【0017】
図3および
図4は、
図1の円周方向トラバースシステム13のトラバース機構42(例えば、円周方向トラバース機構)の一実施形態の断面側面図である。トラバース機構42は、第1のフランジ44と、第2のフランジ46と、環状プレート48(例えば、回転部材または中央プレート)と、を有している。第1のフランジ44および第2のフランジ46はそれぞれ、フランジ部分50およびネック部分52を有する。フランジ44、46のフランジ部分50は、環状プレート48に結合され、これに隣接する。ネック部分52および環状プレート48の内面は、トラバース機構42がターボ機械の構成要素に結合されたときに、トラバース機構42を通る流体流路54を画定する。フランジ44、46の端部56はそれぞれ、ターボ機械の構成要素に結合するように構成される。特定の実施形態では、フランジ44、46は、ターボ機械の一部を形成することができる。また、トラバース機構42は、第1のクランププレート58および第2のクランププレート60を含む。クランププレート58、60は、フランジ44、46のフランジ部分50に結合されてこれに隣接し、フランジ部分50を環状プレート48(例えば、環状プレート48の側面)に対してまたはこれに隣接して保持する。クランププレート58、60の部分62は、環状プレート48(例えば、環状プレート48の側面)に当接し、締結具64(例えば、ナットおよびボルト)を介して環状プレート48に結合される。
【0018】
トラバース機構42は、軸線36の周りに円周方向34に360度、環状プレート48の回転を駆動するように結合され構成されたギヤ66を含む。図示するように、ギヤ66および環状プレート48は別個の部品である。特定の実施形態では、ギヤ66および環状プレート48は一体部品であってもよい。フランジ44、46は、トラバース機構42の固定構成要素68を形成する。環状プレート48、クランププレート58、60、およびギヤ66は、トラバース機構42の回転構成要素70を形成する。回転構成要素70は、固定構成要素68に対して円周方向34に回転する。作動機構72(例えば、ギヤ、ステッピングモータなどのモータなど)は、ギヤ66(例えば、ギヤ66の歯)とインターフェースし、ギヤ66、したがって回転構成要素70の回転を作動または駆動する。
【0019】
トラバース機構42は、1つまたは複数のプローブ74をさらに有する。プローブ74の数は、1~5個またはそれ以上であってもよい。プローブ74は、環状部材48を通って流体流路54内に半径方向32に延在する。プローブ74は、流体流路54内の1つまたは複数の流れ特性をマッピングまたは測定する。これらの流れ特性は、全圧、静圧、温度、流れ角度、速度成分、および/または他の流れ特性を含むことができる。環状プレート48の回転は、プローブ74を回転させ、単一のプローブ74(または各プローブ74)が軸線36の周りに円周方向34に360度(例えば、360度の領域内)の1つまたは複数の流れ特性をマッピングまたは測定することを可能にする。
【0020】
トラバース機構42事象は、封止システム76および減摩軸受システム78をさらに含む。封止システム76は、流体がトラバース機構42を通って漏れるのを防ぐ(例えば、具体的には、環状プレート48とフランジ44、46とが結合される)。封止システム76は、第1のフランジ44のフランジ部分52と環状プレート48との間に配置された第1の封止機構80と、第2のフランジ46のフランジ部分52と環状プレート48との間に配置された第2の封止機構82と、を含む。各封止機構80、82は、少なくとも1つの封止84(例えば、Oリング)を含む。各封止機構80、82内の封止84の数は、1~3またはそれ以上の封止84の範囲であってもよい。図示するように、第1の封止機構80は、Oリング86よりも流体流路54に近い半径方向32に配置されたOリング88を有する同心配置(例えば、軸線36に対して同じ軸方向点の周りの)のOリング88、86を含む。第2の封止機構82は、Oリング90よりも流体流路54に近い半径方向32に配置されたOリング92を有する同心配置(例えば、軸線36に対して同じ軸方向点の周りの)のOリング92、90を含む。Oリング86、88、90、92は、軸線36の周りに円周方向34に360度延在する。
【0021】
減摩軸受システム78は、構成要素68、70間の摩耗を低減しながら、回転構成要素70(例えば、クランププレート58、60)が固定構成要素68(例えば、フランジ44、46のフランジ部分52)に対して回転することを可能にする。減摩軸受システム78は、第1のクランププレート58と第1のフランジ44のフランジ部分52との間に配置された第1の組の軸受94(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)Oリングなどの熱可塑性ポリマーOリング)を含む。減摩軸受システム78はまた、第2のクランププレート60と第2のフランジ46のフランジ部分52との間に配置された第2の組の軸受96(例えば、PTFE Oリングなどの熱可塑性ポリマーOリング)を含む。図示するように、各組の軸受の数は、1~3個またはそれ以上の軸受で変化してもよい。図示するように、第1の組の軸受94は、Oリング98よりも流体流路54に近い半径方向32に配置されたOリング100を有する同心配置(例えば、軸線36に対して同じ軸方向点の周りの)のOリング98、100を含む。第2の組の軸受96は、Oリング102よりも流体流路54に近い半径方向32に配置されたOリング104を有する同心配置(例えば、軸線36に対して同じ軸方向点の周りの)のOリング102、104を含む。
【0022】
コントローラ106は、有線または無線インターフェースを介して作動機構72およびプローブ74に通信可能に結合される(例えば、データ転送、命令の受信および付与)。コントローラ106は、環状プレート48、したがってプローブ74の回転、ならびにプローブ74によるマッピングおよび/または測定を制御することができる。コントローラ106は、プロセッサ108と、プロセッサ108に通信可能に結合されたメモリ110(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体/メモリ回路)と、を有し、メモリ110は、トラバースシステム13に関連する動作を実行するように実装された1つまたは複数の命令セット(例えば、プロセッサ実行可能命令)を格納する。より具体的には、メモリ110は、揮発性メモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または不揮発性メモリ、例えば読み出し専用メモリ(ROM)、光ドライブ、ハードディスクドライブ、もしくはソリッドステートドライブを含んでもよい。さらに、プロセッサ108は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つまたは複数の汎用プロセッサ、あるいはそれらの任意の組合せを含むことができる。さらに、プロセッサという用語は、当技術分野でプロセッサと呼ばれる集積回路に限定されず、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、および他のプログラム可能回路を広く指している。
【0023】
図5は、トラバース機構の環状プレート48の周りに配置されたギヤ66の一実施形態の斜視図である。図示するように、ギヤ66は、環状プレート48の外縁の周りに円周方向34に360度配置されている。ギヤ66は、ギヤ66、したがって環状プレート48の回転を駆動する作動機構(例えば、モータ、ギヤなど)と係合するための歯112を含む。ギヤ66はまた、流体流路内にプローブを受け入れるための(環状プレート48上のそれぞれのポートと位置合わせされた)1つまたは複数のポート114を含む。ポート114は、ギヤ66の周りに円周方向34に離間している。特定の実施形態では、単一のプローブのための単一のポート114を利用することができる。他の実施形態では、複数のそれぞれのプローブ用の複数のポート114を利用することができる。
【0024】
図6は、プローブ74(例えば、単一のプローブ74)を有するトラバース機構42の一部の実施形態の斜視図である。図示するように、トラバース機構は、ターボ機械の構成要素116(例えば、タービン)に結合されている。プローブ74は、環状プレート48を通って流体流路54内に配置される。図示するように、フランジ44は、ターボ機械の構成要素116の一部(例えば、ケーシング)を形成する。作動機構118がプローブ74に結合されて、プローブ74を環状プレート48および流体流路54に挿入し、プローブを環状プレート48および流体流路54から半径方向32に取り外す。環状プレート48の回転中、作動機構はプローブ74に結合されず、したがってプローブ74が円周方向34に回転することを可能にする。特定の実施形態では、作動機構118は、プローブ74と共に回転することができる。
【0025】
図7および
図8は、ターボ機械120の一部に結合されたトラバース機構42の図である。図示するように、ターボ機械120は、タービン122および排気スタック124を含む。図示するように、フランジ44、46および環状プレート48は、流体流路54の一部を画定する。さらに、フランジ44、46は、ターボ機械120の一部を形成する。
【0026】
開示された実施形態の技術的効果は、1つまたは複数のプローブが流体流路(例えば、ターボ機械の構成要素)を円周方向にトラバースすることを可能にするトラバース機構を提供することを含む。これにより、単一のセットアップを利用して、流体流路内の360度の領域の周りの1つまたは複数の流体流れ特性のマッピングまたは測定が可能になる。
【0027】
本明細書は最良の形態を含む発明の主題を開示するため、および、あらゆる装置またはシステムを製作し、ならびに使用し、およびあらゆる組込方法を実行することを含む任意の当業者が本発明の主題を実施することを可能にするための例を用いる。本主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者であれば想到できる他の実施例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない同等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であるものとする。
【0028】
本明細書に提示されて特許請求される技術は、本技術分野を明らかに改善する実際的な性質の有形物および具体例に関連し、そのような有形物および具体例に適用され、したがって抽象的ではなく、無形ではなく、あるいは単なる理論ではない。さらに、本明細書の終わりに添付された任意の請求項が「[機能]を[実行]するための手段」または「[機能]を[実行]するためのステップ」として指定された1つまたは複数の要素を含む場合、そのような要素は米国特許法112条(f)の下で解釈されるべきことを意図している。しかしながら、他のやり方で指定された要素を含む請求項に関して、そのような要素は、米国特許法第112条(f)の下で解釈されるようには意図されていない。
【符号の説明】
【0029】
10 タービンシステム
11 ガスタービンエンジン
12 燃料ノズル
13 プローブベースのトラバースシステム、円周方向トラバースシステム
14 燃料供給
16 燃焼器
18 タービン
20 排気出口
22 シャフト
24 圧縮機
26 吸気口
28 負荷
30 軸方向
32 半径方向
34 円周方向
36 長手方向軸線
38 タービンブレード
40 ブレード
42 トラバース機構
44 第1のフランジ
46 第2のフランジ
48 環状プレート、環状部材
50 フランジ部分
52 フランジ部分、ネック部分
54 流体流路
56 端部
58 第1のクランププレート
60 第2のクランププレート
62 部分
64 締結具
66 ギヤ
68 固定構成要素
70 回転構成要素
72 作動機構
74 プローブ
76 封止システム
78 減摩軸受システム
80 第1の封止機構
82 第2の封止機構
84 封止
86 Oリング
88 Oリング
90 Oリング
92 Oリング
94 軸受
96 軸受
98 Oリング
100 Oリング
102 Oリング
104 Oリング
106 コントローラ
108 プロセッサ
110 メモリ
112 歯
114 ポート
116 ターボ機械の構成要素
118 作動機構
120 ターボ機械
122 タービン
124 排気スタック
【国際調査報告】