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特表2022-552619飲料、好ましくはフォームドミルク又はミルク飲料を製造するための方法及び装置
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  • 特表-飲料、好ましくはフォームドミルク又はミルク飲料を製造するための方法及び装置 図1
  • 特表-飲料、好ましくはフォームドミルク又はミルク飲料を製造するための方法及び装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】飲料、好ましくはフォームドミルク又はミルク飲料を製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20221212BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20221212BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A47J31/40 102
A47J31/44 430
A47J31/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517415
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2020075370
(87)【国際公開番号】W WO2021073809
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】01308/19
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504237533
【氏名又は名称】シュタイナー・アーゲー・ウェギス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,アドリアン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA23
4B104AA27
4B104BA09
4B104BA59
4B104DA45
(57)【要約】
本発明は:ポンプ(8)を用いてコンテナ(3)から少なくとも1つのライン(2、4)を通してミルクを吸い出し、上記ラインを通して流出口(11)へと搬送する、飲料、好ましくはフォームドミルク又はミルク飲料を製造するための方法に関する。好ましくは複数の異なるフレーバー液を、各容器(25a、25b、25c、25d)から任意に、少なくとも個別に、ミルクを搬送するための上記ライン(2、4)へと供給できる。これによりフレーバー液は、ミルク飲料の製造中に既に混合され、その結果、高度の混合と、それに伴う所望のフレーバーとが最適に達成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料、好ましくはフォームドミルク又はミルク飲料を製造するための方法であって、ミルクをコンテナ(3)から、ポンプ(8)を用いて、少なくとも1つのライン(2、4)を通して吸い出し、これを通して流出口(11)へと搬送する、方法において、
好ましくは複数の異なるフレーバー液を、各容器(25a、25b、25c、25d)から任意に、少なくとも個別に、前記ミルクを搬送するための前記ライン(2、4)へと供給できることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフレーバー液を、前記容器(25a、25b、25c、25d)から、前記ポンプ(8)によって及び/又は搬送手段(24a、24b、24c、24d)を介して吸い出して、前記供給ライン(27)を通して前記ライン(2)へと搬送できることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
それぞれ定義可能な分量に制御された方法で、前記ミルクを前記コンテナ(3)から、及び前記フレーバー液を各前記容器(25a、25b、25c、25d)から、前記ポンプ(8)によって搬送でき、並びに/又は前記フレーバー液を、前記ライン(26a、26b、26c、26d)内の前記搬送手段(24a、24b、24c、24d)によって搬送できることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
複数のフレーバー液を、それぞれ1つの容器(25a、25b、25c、25d)から、任意に1つの前記供給ライン(27)を通して、又はそれぞれ個別の供給ラインを通して、前記ライン(2、4)へと搬送できることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
製造された前記ミルク又は前記フォームドミルクはそれぞれ、前記フレーバー液を含んで若しくは含まずに、低温若しくは高温で、前記流出口(11)へと搬送されること、又は少なくとも1つのフレーバー液だけがミルクを含まずに搬送可能であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
コーヒーマシンに又は別個のミルクユニットに組み込まれ、少なくとも1つのコンテナ(3)、ライン(2、4)、前記ミルクを吸い上げるためのポンプ(8)、フォームドミルクを準備するために前記ライン(4)へと開いた空気供給ライン(7)、及び前記ミルクのための加熱デバイスを備えた、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、
少なくとも1つの供給ライン(27)を備えた少なくとも1つの供給装置(24)が、ミルクを搬送するための前記ライン(2、4)へと開いており、これを通して、好ましくは複数のフレーバー液をそれぞれ容器(25a、25b、25c、25d)から搬送できることを特徴とする、装置。
【請求項7】
前記フレーバー液のための前記供給ライン(27)は、前記空気供給ライン(7)の流入開口(31)の上流、及び前記ポンプ(8)の上流において、前記ミルクを搬送するための前記ライン(2、4)へと開いていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
加熱デバイスとして、前記ミルク又は前記フォームドミルクを加熱するために前記ライン(4)へと開いている少なくとも1つのスチームライン(12’)が設けられることを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記フレーバー液のための前記供給ライン(27)は、前記流出口(20)の上流、及び前記スチームライン(12’)の前記少なくとも1つの流入開口(15)の下流において、前記ライン(4)へと開いていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記容器(25a、25b、25c、25d)はそれぞれライン(26a、26b、26c、26d)を備え、これらはそれぞれ、搬送手段(24a、24b、24c、24d)又はこれらのラインを開閉するための弁を備えることを特徴とする、請求項6~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
これらの容器(25a、25b、25c、25d)は、空になった後で新しい容器と交換できるように、交換可能に配設されることを特徴とする、請求項6~10のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は:ポンプを用いてコンテナから少なくとも1つのラインを通してミルクを吸い出し、このラインを通して流出口へと搬送する、飲料、好ましくはフォームドミルク又はミルク飲料を製造するための方法;及びこの方法に関連する、請求項6の前提部分に記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの既知のコーヒーマシンでは、コンテナから吸い出されたミルクを低温若しくは高温状態で処理するか、又は低温若しくは高温のフォームドミルクへと加工した後、カップ等に吐出する。更に、製造された飲料にフレーバー液を加えることができ、このフレーバー液は、コーヒーマシンの中又はコーヒーマシンの隣に交換可能に保持され、ミルク流出口に隣接する流出口へのホースを通ってカップ等の中へと搬送される。そして、上記フレーバー液はカップ等の中で飲料に混合される。しかしながら、これでは、均一かつ完全に混合された飲料が提供されない。
【0003】
混合されるフレーバー液は通常、バニラ、チョコレート、ラズベリーやストロベリー等のフルーツ、又は同様の物質の芳香を有するシロップである。しかしながら、アイリッシュコーヒー等のためにアルコール性フレーバー液を使用することもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、これらの欠点を回避し、前提部分で言及したタイプの方法及び装置を提供するという目的に基づくものであり、上記方法及び装置を用いると、香料入りミルク飲料の調製が簡略化され、またこの飲料中でのフレーバー液の最適な混合が保証される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明に従って、複数の異なるフレーバー液を、各容器から任意に、少なくとも個別に、少なくとも1つの供給ラインを通して、ミルクを搬送するためのラインに供給できるようにすることによって解決される。
【0006】
このようにすると、フレーバー液の混合は、コーヒーマシンに一体化された装置又は別個のミルクユニットである装置内でのミルク飲料の製造時に既に行われており、その結果、高度の混合と、それに伴う所望のフレーバーとが最適に達成される。
【0007】
有利には、上記フレーバー液を、ミルク搬送ライン内への空気送達ラインの流入開口の上流にあるミルクに添加する。従ってこの構成により、フォームドミルクを含む又は含まない均一なミルク飲料を、所望のフレーバーと最適に混合できる。
【0008】
ミルクの加熱デバイスとして、上記ミルク搬送ライン内へと開いたスチームラインを使用することにより、本発明によると、上記フレーバー液は、上記ミルク搬送ライン内の、上記スチームラインの流入開口の上流にある飲料に添加され、従って、上記フレーバー液も同様に加熱されるため、又は低温のミルク若しくはフォームドミルクの製造時には上記フレーバー液は低温状態のままとなるため、この添加もこの点で最適に達成される。
【0009】
しかしながら代替例として、上記フレーバー液を、上記ミルク搬送ライン内の、上記流入開口の下流、かつ上記コーヒーマシンの飲料の上記流出口の上流にある飲料に添加することもできる。これは、より一貫性のあるフォームドミルクを実現するために有利となり得る。
【0010】
また本発明によると、上記コーヒーマシンには、好ましくは4つの異なるフレーバー液容器が設けられ、上記フレーバー液容器は、共通の接続部品を介して上記ミルク搬送ラインに接続でき、4つの流入口を備え、またミルク又はフォームドミルクが上記容器に流れ込むのを防止する逆止弁を備える。上記流入口を選択的に開閉することによって、上記飲料に各フレーバーを供給できる。
【0011】
更なる利点として、本発明による方法では、上記フレーバー液を必要に応じて、ミルクを伴うことなく、上記ミルク搬送ラインを通して上記カップ等の中へと搬送することもでき、これにより上記フレーバー液を、既に製造された飲料へと別個に搬送して、例えば上記フォームドミルクの表面上に装飾的な図案を形成できる。
【0012】
これより図面を参照して、例示的実施形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明による装置の液流の概略図(hydraulic schematic)である。
図2図2は、図1による装置のミルク搬送ラインへのフレーバー液の流入口における接続スリーブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示されている装置1は、ライン2を備えるミルクコンテナ3を含み、このライン2は吸引ホースとして、2方向弁2’を用いてライン4に接続できる。ミルクコンテナ3は、異なる複数のタイプのミルクを含む複数の部分コンテナからなっていてもよい。原則としてこの2方向弁2’は貫流スロットルを備えてよく、これにより、コンテナ3の充填レベルにかかわらず、おおよそ同量のミルクが吸引される。
【0015】
装置1は、フォームドミルクを調製するために、切替式制御弁5及び逆止弁6を介してライン4の流入開口31に接続できる、空気供給ライン7も含む。更に、制御可能なポンプ8がライン4内に配設され、これによってミルクがミルクコンテナ3から吸い出され、流出口11に搬送される。ライン4内の、例えばギアポンプとして構成されているポンプ8の下流に位置するのは、好ましくは2つの絞り点9、17であり、ミルク又はミルク/空気混合物の渦を発生させる。
【0016】
これに続くのは、ミルク又はフォームドミルクを加熱するための加熱デバイスであり、これは、圧力調整弁12を備えるスチーム送達ライン10と、これに続く、閉鎖弁又は開放弁13’及び逆止弁14’を介してライン4へと開いている少なくとも1つのスチームライン12’とからなる。その流入開口15の下流には、ライン4は、ミルク又はフォームドミルクを減速又は旋回させるための更なる絞り17を含むが、これは任意のものとして設けられる。
【0017】
ライン4では、流出ライン20は、カップ33等を充填するための、製造されたミルク飲料の流出口11に接続される。2方向弁21は、一方ではミルク又はフォームドミルクを流出口11に通す役割を果たし、また他方では従来の洗浄回路と協働し、この従来の洗浄回路のうち、オン又はオフに切り替え可能な洗浄弁23を備えた供給ライン及び排出ライン22が図示されている。
【0018】
更に、ミルク又はフォームドミルクの温度を測定するために、少なくとも1つのサーモスタット18がライン4と一体化される。これを用いると、調節を介して、フォームドミルクの既知の方法での制御下での製造を達成できる。この方法についてはこれ以上詳述しない。原則として、調製されるフォームドミルクの一貫性を判断するために、測定デバイスをライン4と一体化することもできる。
【0019】
本発明によると、特に動作中にフレーバー液が充填される複数の容器25a~25dから香料入りミルク飲料を製造するために、供給装置24が装置1に含まれている。各容器内にはフレーバー液があり、これらはそれぞれ異なる芳香を有するか、又はこれらは全て同一の芳香を有する。
【0020】
ここで説明されている実施形態では、上記装置は4個の容器を備える。しかしながら本発明の枠組みにおいて、必要に応じて4個未満又は5個以上の容器を設けることもできる。これらの容器は有利には、交換可能な様式で装置1内に配置され、従って空になった後で新しい容器と交換できる。
【0021】
既に上述されているように、フレーバー液として好適なのは特に、バニラ、チョコレート、ラズベリーやストロベリーやバナナ等のフルーツ、若しくは同様の物質の芳香を有するシロップ、又はアルコール性フレーバー液である。
【0022】
容器25a~25d中の液体は、個々のライン26a~26dを通して、ポンプ8によって及び/又は逆止弁28を備えた共通の供給ライン27への各搬送手段24a、24b、24c、24dによって、ライン2内へと直接、選択的に吸い上げて搬送でき、このライン2内において、選択された各フレーバー液がミルクと混合される。ライン2への供給ライン27の流入開口は、ミルクコンテナ3と2方向弁2’との間、即ちミルクを吸引するポンプ8の上流、かつ空気供給ライン7の流入開口31の上流に位置する。これにより、選択されたフレーバー液のフレーバーを有するミルク又はフォームドミルク飲料が、必要に応じて製造される。
【0023】
これらの搬送手段24a、24b、24c、24dは、単なる制御可能な弁とすることもでき、各フレーバー液の導入時にそのうちの1つ以上が開くことにより、液体がポンプ8によって吸い上げられる。
【0024】
更に図1には、破線で表される装置24’も示されており、これは装置24の代わりに、又は装置24に追加して、設けることができる。これにより、ライン4への接続がスチームライン12’の接続15の下流に位置する。容器25a’~25d’をライン4に接続するために、逆止弁28’を備えた供給ライン27’を設ける。
【0025】
これらの装置24、24’は、低温及び高温両方の香料入りミルク及びフォームドミルク飲料を製造できるという点で、同一の利点を提供する。ミルク又はフォームドミルクと、選択された各フレーバー液との混合の程度のみが、場合によって若干異なり得る。
【0026】
コーヒーマシンと一体化することも、別個のユニットとすることもできる、本発明による装置24、24’は、操作用ディスプレイ上の選択ボタンによって選択を行うことができる極めてコンパクトな構造的形態を特徴とする。また本発明による装置24、24’は、流出口までの装置全体の構造にほとんど影響を与えないという利点も有する。
【0027】
図2は更に、供給装置24の接続スリーブ30の別の変形例を示し、これはライン25a~25d及び供給ライン27をライン4に接続する。従ってこのような接続は極めて容易に実現できる。
【0028】
以上で説明された例示的実施形態によって、本発明は十分に実証されている。本発明は、更なる変形例によって説明することもできる。例えばミルクラインへとつながる1つの供給ライン27の代わりに、各ライン26a、26b、26c、26dがこのミルクラインに直接つながることもできる。
【0029】
閉鎖弁の効果も有する搬送手段24a、24b、24c、24dの代わりに、上述のように閉鎖弁を設けることもでき、これにより、特定のフレーバー液を選択したとき、対応する閉鎖弁が開放されて、特定の単一の搬送手段がオンに切り替えられ、従って対応するフレーバー液がミルクライン内へと搬送される。2つ以上のフレーバー液を同時に導入することもできる。
【0030】
加熱デバイスとしてフローヒーター等を設けることもでき、これはミルク搬送システムのライン4と、公知の方法で一体化される。
図1
図2
【国際調査報告】