(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】残留殺菌特性を有するワイプ基体
(51)【国際特許分類】
A01N 31/02 20060101AFI20221212BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20221212BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20221212BHJP
A01N 33/12 20060101ALI20221212BHJP
A01N 25/10 20060101ALI20221212BHJP
A01N 25/34 20060101ALI20221212BHJP
D06M 13/144 20060101ALI20221212BHJP
D06M 13/46 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A01N31/02
A01P1/00
A01P3/00
A01N33/12 101
A01N25/10
A01N25/34 A
D06M13/144
D06M13/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517912
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020055671
(87)【国際公開番号】W WO2021076690
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500233555
【氏名又は名称】マイクロバン プロダクツ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】スローン, ジナ, パリズ
(72)【発明者】
【氏名】ラン, ティアン
(72)【発明者】
【氏名】リ, スーチー
【テーマコード(参考)】
4H011
4L033
【Fターム(参考)】
4H011AA02
4H011BA01
4H011BB03
4H011BB04
4H011BC19
4H011DA07
4H011DF03
4H011DH02
4H011DH04
4H011DH06
4H011DH10
4H011DH11
4L033AA07
4L033AB07
4L033AC10
4L033BA12
4L033BA85
(57)【要約】
残留殺菌特性を有するワイプが提供される。残留殺菌特性を有するワイプは、複数回の接触後に5に等しいか又はそれより大きい細菌の対数減少値を有する。ワイプは、基体と、基体に付与された残留殺菌特性を有する液体配合物とを含む。液体配合物は、1:1~10:1の範囲の液体配合物の重量:基体の重量の比で存在する。好ましくは、液体配合物の重量:基体の重量の比は、4:1又は<4:1である。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
残留殺菌特性を有するワイプであって、ワイプが、基体と、基体に付与された残留殺菌特性を有する液体配合物とを含み、ワイプが、複数回の接触後に5に等しいか又はそれより大きい細菌の対数減少値を有する、ワイプ。
【請求項2】
液体配合物が、エタノールを含む、請求項1に記載のワイプ。
【請求項3】
液体配合物が、一種類の4級アンモニウム化合物、又は複数の種類の4級アンモニウム化合物の混合物を含む、請求項1に記載のワイプ。
【請求項4】
ワイプが、残留効果を与えるために表面に1~5mg/cm
2の液体配合物を送出する、請求項1に記載のワイプ。
【請求項5】
残留殺菌特性を有するワイプであって、ワイプが、基体と、基体に付与された残留殺菌特性を有する液体配合物とを含み、液体配合物が、1:1~10:1の範囲の液体配合物の重量:基体の重量の比で存在する、ワイプ。
【請求項6】
液体配合物が、エタノールを含む、請求項5に記載のワイプ。
【請求項7】
液体配合物が、一種類の4級アンモニウム化合物、又は複数の種類の4級アンモニウム化合物の混合物を含む、請求項5に記載のワイプ。
【請求項8】
液体配合物の重量:ワイプの重量の比が、5:1である、請求項5に記載のワイプ。
【請求項9】
液体配合物の重量:ワイプの重量の比が、4:1である、請求項5に記載のワイプ。
【請求項10】
液体配合物の重量:ワイプの重量の比が、<4:1である、請求項5に記載のワイプ。
【請求項11】
ワイプが、残留効果を与えるために表面に1~5mg/cm
2の液体配合物を送出する、請求項5に記載のワイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、米国特許商標庁に2020年10月14日に出願された米国特許出願No.17/070476、及び2019年10月18日に出願された米国仮特許出願No.62/916965からの優先権を主張する。この開示は、その全体を参照としてここに組み入れる。
【0002】
発明の分野
本発明は、残留殺菌剤製品、特に残留殺菌特性を有するワイプに関する。
【背景技術】
【0003】
伝統的な殺菌剤は、接触すると直ちに作用する。しかしながら、いったん接触すると、表面は、皮膚微生物及び潜在的な病原体で再汚染される。残留殺菌剤は、接触するとすぐにこれらの皮膚微生物及び潜在的な病原体を殺し、繰り返しの接触の後であっても殺菌剤を与えることを継続する。スプレー又はエアロゾルによる付与は、干渉する化合物を全く持たない均一な膜を作るように位置付けられた方式である。
【0004】
ワイプ構成物又は基体に同じ残留殺菌剤を配置することは、新しい障害をもたらす。ワイプ基体自体は、活性成分を潜在的に吸収し、隔離させるため、おそらく効能に影響する。さらに、ワイプに添加される液体の量は、効能及び消費者の使用パターンに影響を与える。従って、ワイプの化学的性質に影響する基体の吸収能力、過剰な液体の含有量、及びワイプ組成を考慮しなければならない。
【0005】
従って、上述の欠点を克服する残留殺菌特性を有するワイプ製品に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態では、残留殺菌特性を有するワイプの形で基体が提供される。このワイプは、他の殺菌剤製品と関連した既知の問題を克服する。
【0007】
本発明の適用可能性のさらなる領域は、以下に与えられる詳細な記載から明らかになるだろう。詳細な記載及び特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、説明のみの目的にために意図され、本発明の範囲を限定することを意図されないことが理解されるべきである。
【0008】
本発明の実施形態の以下の記載は、本質的には例示にすぎず、いかなる方法においても本発明、その適用、又は使用を制限することを意図されない。以下の記載は、本発明の実現可能な開示を与える目的のために例示としてのみ本明細書に与えられるが、本発明の範囲又は実体を制限しない。
【0009】
本発明の実施形態では、残留殺菌特性又は効能を有するワイプが提供される。本発明の文脈において言及される残留殺菌剤は、複数回の接触後であっても5に等しいか又はそれより大きい細菌の対数減少値(log reduction)を与える。
【0010】
残留殺菌効果を有するワイプは、伝統的な殺菌剤製品より優れた独自の効果をもたらす。伝統的な殺菌剤製品は、付与直後に殺菌効果を与えるにすぎない。残留殺菌剤製品は、製品付与後の長い時間にわたって殺菌性を与える。
【0011】
本発明の実施形態では、ワイプは、天然材料、合成材料、又はその組み合わせを含む。合成材料の例は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アクリル、スパンデックス、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。天然材料の例は、木材、パルプ、セルロース、綿、リネン、絹、羊毛、麻、亜麻、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。好ましくは、ワイプは、合成材料の混合物からなる。
【0012】
基体は、織布又は不織布であることができる。不織布は、様々な製造方法によって作られることができ、例えばその方法は、メルトブローン、コンフォーム、スパンボンド、エアレイ、ハイドロエンタングル、スパンレース、ボンド、カード、ラミネート、又はそれらの組み合わせであることができるが、それらに限定されない。基体は、メルトブローンのポリマー材料を含むことができる。
【0013】
ワイプは、残留殺菌特性又は効能を有する液体配合物で処理されるか、又はそれを含有する。本発明に使用するために好適な残留殺菌剤配合物の一例は、ポリマー結合剤を含み、ポリマー結合剤は、オキサゾリンホモポリマー、及び殺菌剤化合物である。
【0014】
本発明の実施形態では、ポリマー結合剤は、オキサゾリンホモポリマーである。本発明の別の特徴として、オキサゾリンホモポリマーは、以下の構造を有する:
【0015】
【0016】
但し、R1及びR2は、オキサゾリンホモポリマーを合成するために使用される重合技術によって決定される末端基である。R1及びR2は、独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキニル、アリル、アミノ、アニリノ、アリール、ベンジル、カルボキシル、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、シアノ、グリコシル、ハロ、ヒドロキシル、オキサゾリニウムメシレート、オキサゾリニウムトシレート、オキサゾリニウムトリフレート、シリルオキサゾリニウム、フェノール、ポリアルコキシ、4級アンモニウム、チオール、又はチオエーテル基を含むが、これらに限定されない。あるいは、R2は、分子内攻撃の結果として合成時に形成された大環状構造を含むことができる。
【0017】
例えば、R1は、メチル基であり、R2は、もしメチルトシレートがオキサゾリンのカチオン開始重合における開始剤として使用されるならオキサゾリニウムトシレートである。
【0018】
R3は、本発明のポリマー結合剤の製造に使用されるオキサゾリンのタイプによって決定された末端基である。R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、ベンジル、ヒドロキシアルキル、又はパーフルオロアルキルを含むが、これらに限定されない。例えば、R3は、もしエチルオキサゾリンが本発明のためにポリマー結合剤を製造するために使用されるモノマーであるなら、エチル基である。
【0019】
nは、ホモポリマーにおけるオキサゾリンの重合度である。nは、1~1000000の範囲である。好ましくは、nは、500~250000の範囲である。最も好ましくは、nは、2500~100000の範囲である。
【0020】
商業的に入手可能なポリエチルオキサゾリンの例は、Polymer Chemistry Innovations,IncからのAquazol500を含むが、これに限定されない。
【0021】
液体配合物に使用されることができるポリマー結合剤の量は、組成物の残留活性の希望の長さ及び組成物中の全ての他の成分の性質に依存して幾分変動することができる。好ましくは、液体配合物におけるポリマー結合剤の量は、液体配合物の重量に基づいて0.1%~20%の範囲である。健康管理用途のための液体配合物では、液体配合物におけるポリマー結合剤の量は、より好ましくは0.5%~10%の範囲であり、最も好ましくは0.8%~5%の範囲である。全ての目的及び浴室浄化剤のための液体配合物では、液体配合物におけるポリマー結合剤の量は、より好ましくは0.1%~10%の範囲であり、最も好ましくは0.1%~5%の範囲である。
【0022】
ポリマー結合剤は、水溶性であることが好ましい。
【0023】
殺菌化合物は、以下の分子構造を有する4級アンモニウム化合物(QAC)であることができる:
【0024】
【0025】
但し、R1,R2,R3及びR4は、独立してアルキル、アルコキシ、又はアリールから選択されるが、これらに限定されず、ヘテロ原子を有していても有さなくてもよく、また置換されても置換されなくてもよい。官能基の一部又は全ては、同じであることができる。
【0026】
対応するアニオンX-は、ハロゲン、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、ホスフェート、カーボネート/ビカーボネート、ヒドロキシ、又はカルボキシレートを含むが、これらに限定されない。
【0027】
QACは、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ-n-オクチルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムサッカリネート、及び3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドを含むが、これらに限定されない。
【0028】
モノマーのQACの組み合わせは、本発明のために使用されることが好ましい。QACの組み合わせの特定の例は、N-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(40%);N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド(30%);ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロライド(15%);及びジ-n-ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(15%)である。百分率割合は、ブレンドされるQAC組成の全重量に基づいた個々のQACの重量百分率である。
【0029】
本発明のために好適なさらに別のポリマーQACは、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド又はポリDADMACである。
【0030】
本発明のために有用なQACのさらに別の種類は、分子内にビグアニド部分を有する化学化合物である。カチオン抗菌剤のこの種類の例は、PHMB及びクロルヘキシジンを含むが、これらに限定されない。
【0031】
商業的に入手可能な4級アンモニウム化合物の例は、LonzaからのBardac 205M及び208M、及びStepan CompanyからのBTC885を含むが、これらに限定されない。
【0032】
殺菌化合物は、弱酸であることができ、それは、浴室浄化剤において特に効果的であることが示されている。これらのタイプの製品では、クエン酸、スルファミン酸(例えばアミドスルホン酸、アミド硫酸、アミノスルホン酸、及びスルファミド酸としても知られている)、グリコール酸、乳酸、ラウリン酸、及びカプリン酸は、効果的な殺菌剤と、風呂あか及び硬水沈着物のための浄化剤の両方のために有用である。
【0033】
有用でありうる他の化合物は、3(トリヒドロキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドのようなシラン4級塩である。これらは、残留特性の増強のために処理される表面に反応する追加の利益を持つことができる。
【0034】
本発明の液体配合物に使用するために好適なさらなる殺菌化合物は、広い範囲の抗菌剤、殺生物剤、殺菌剤、及び消毒剤に及ぶ。水溶解性又は水分散性の殺菌化合物が好ましいが、アルコールに溶解可能な殺菌剤が代替的に使用されることができる。
【0035】
本発明の配合物に使用するために好適な殺菌化合物の完全に網羅されていないリストは、トリクロサン、ジンクピリチオン、金属塩及び酸化物、フェノール、植物(botanicals)、ハロゲン、パーオキシド、複素環式抗菌剤、アルデヒド、及びアルコールを含む。
【0036】
配合物における殺菌化合物の濃度は、液体組成物の重量に基づくと0.05%~20%の範囲であることができる。健康管理用途のための液体配合物については、好ましくは0.1%~20%の範囲であり、より好ましくは0.5%~3%の範囲である。全ての目的及び浴室浄化剤のための液体配合物については、好ましくは0.05%~10%の範囲である。保護剤のための配合物については、好ましくは0.05%~2%の範囲である。
【0037】
本発明の液体配合物のためのキャリア又は溶媒は、揮発性であるいかなる溶媒であることもでき、周囲条件で容易な蒸発を可能にする。液体キャリアの例は、水及び低分子量アルコール(例えばC1~C8アルカノール)を含むが、これらに限定されない。特定の例は、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0038】
本発明に使用するための溶媒の別の種類は、アルキレングリコールエーテルを含む。例としては、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、及びトリプロピレングリコールメチルエーテルを含むが、これらに限定されない。
【0039】
本発明に使用するための溶媒の別の種類は、テルペン及びそれらの誘導体(例えば、テルペンアルコール、テルペンエステル、テルペンエーテル、又はテルペンアルデヒド)に基づく。溶媒の例は、マツ葉油、レモン油、リモネン、ピネン、シメン、ミルセン、フェンコン、ボルネオール、ノポール、シネオール、イオノンなどを含むが、これらに限定されない。
【0040】
界面活性剤又は湿潤剤を使用してもよい。界面活性剤は、液体配合物が処理される表面に分散し、均一に被覆されることを助ける。
【0041】
本発明の好ましい実施形態では、残留殺菌特性を付与する殺菌剤配合物は、以下の構造を有するポリオキサゾリンと:
但し、R
1は、メチルであり、R
2は、ヒドロキシルであり、R
3は、エチルであり、n=10~1000000である、
以下の構造を有する一種類の4級アンモニウム化合物(QAC)、又は複数の種類の4級アンモニウム化合物の混合物とを含む:
但し、R
1は、メチルであり、R
2は、C8-10のアルキル、メチル-ベンジル、又はエチルベンジルであり、R
3は、メチルであり、R
4は、C8-18のアルキルであり、X
-は、クロライド又はカーボネート/ビカーボネートである。
【0042】
本発明の実施形態では、残留殺菌効果を有するワイプの製造方法が提供される。この方法は、残留殺菌効果を有する液体配合物をワイプに付与することを含む。液体は、パディング、ローラー、又は当業者に公知の他の付与機構によって付与されることができる。
【0043】
液体配合物は、液体配合物の重量とワイプ基体の重量の一定の比で存在する。好ましくは、液体配合物の重量とワイプ基体の重量の比は、1:1~10:1の範囲である。例えば液体配合物の重量とワイプ基体の重量の比は、5:1、好ましくは4:1、より好ましくは<4:1である。
【0044】
液体配合物中のエタノール又は4級アンモニウム化合物の活性濃度は、4級アンモニウム化合物及び/又はエタノールを検出できるいずれかの方法によってワイプに付与する前又は後で測定されることができる。例えばエタノールについてはGC-MS、4級アンモニウム化合物については自動滴定装置を使用できるが、これらに限定されない。エタノール及び/又は4級アンモニウム化合物の活性濃度は、一般的に、いったんワイプ基体に付与されたら5%より多く変化しない。濃度中の活性成分は、基体に結合され、隔離されることが望ましい。
【0045】
ワイプ基体は、残留効果を作るために表面に1~5mg/cm2の液体を送出する。これは、表面上に付与された液体配合物のmgの重量堆積物として測定可能である。
【0046】
ワイプに付与された液体の量は、もし付与される液体の粘度の増加があるなら変更されることができる。付与される液体の粘度は、ワイプに配置される液体の量に反比例する。この一例は、液体の重量の10%までのポリオキサゾリンホモポリマーの増加である。液体の粘度は、ポリオキサゾリンの濃度増加とともに有意に増加し、従ってワイプ上の負荷レベルは、同じ効果を送出するために半分まで減少されることができる。
【0047】
残留効果は、EPA01-1Aから入手可能な残留効果プロトコルで試験されることができる。
【実施例】
【0048】
試験された残留殺菌配合物の一例は、4級アンモニウム活性成分、界面活性剤、及びポリオキサゾリンポリマーとともにエタノールを含有していた。2~3mg/in2の重さの乾燥フィルムが残留殺菌効果を送出したことが同定された。残留殺菌配合物は、スプレー製品を使用して付与された。全てのワイプ基体は、まず表面上の付着物に対して評価された。ポリエステル(PET)のような合成繊維の50%以上の組成物を含む製品は、表面上に配合物の最適な付着を与えることが認められた。PETを主に含むワイプは、液体配合物の重量とワイプ重量の3:1~6:1の比で液体配合物を含有させることができた。さらに、ワイプの合成性質は、ワイプからの4級アンモニウム化合物のような活性剤の多い放出を許容した。これは、表面上の残留殺菌活性に相当するものであった。
【0049】
それゆえ、本発明が広い有用性及び用途を受け入れる余地があることは、当業者によって容易に理解されるだろう。ここで記載したもの以外の多くの実施形態及び適応例、並びに多くの変形例、修正例、及び均等構成は、本発明の実体又は範囲から逸脱せずに、本発明及びその前述の記載から明らかであるか、又はそれによって当業者に合理的に示唆されるだろう。従って、本発明は、その好ましい実施形態に関してここで詳細に記載されたが、この開示が本発明の実例及び例示にすぎず、本発明の完全でかつ実現可能な開示を与える目的のためにのみなされていることが理解されるべきである。前述の開示は、かかる他の実施形態、適応例、変形例、修正例、及び均等構成を制限したり、又はそうでなければ除外することも意図されていないし、そのように解釈されるべきでない。
【国際調査報告】