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特表2022-552633コーヒーの製造方法、および当該方法を実施するためのデバイス
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  • 特表-コーヒーの製造方法、および当該方法を実施するためのデバイス 図1
  • 特表-コーヒーの製造方法、および当該方法を実施するためのデバイス 図2
  • 特表-コーヒーの製造方法、および当該方法を実施するためのデバイス 図3
  • 特表-コーヒーの製造方法、および当該方法を実施するためのデバイス 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】コーヒーの製造方法、および当該方法を実施するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20221212BHJP
   A47J 31/42 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A47J31/36 310
A47J31/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519178
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2020075371
(87)【国際公開番号】W WO2021073810
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】01310/19
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504237533
【氏名又は名称】シュタイナー・アーゲー・ウェギス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,アドリアン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA16
4B104BA12
4B104BA55
4B104BA80
4B104EA30
(57)【要約】
コーヒーの製造方法において、コーヒー豆は、水を添加してまたは添加せずに非常に細かく粉砕され、コーヒー粉末と水との混合物が形成され、この混合物からコーヒーが抽出され、好ましくは出口に搬送される。コーヒー豆と粉砕チャンバの水は少なくとも1つのミルに供給することができ、コーヒー豆は供給された水と一緒に粉砕され、これから混合物が形成される。混合物を形成するために、冷水または温水が、粉砕チャンバにおける粉砕プロセス中および/または粉砕プロセス後にミルに供給される。よって、製造されたコーヒーは特にコクのある味を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒーの製造方法であって、コーヒー豆を挽き、コーヒー粉末と水とから前記コーヒーを製造し、出口に搬送し、
前記コーヒー豆は、水を添加してまたは添加せずに、非常に細かく粉砕され、前記コーヒー粉末と水との混合物が形成され、前記混合物から前記コーヒーが抽出され、好ましくは前記出口に搬送されることを特徴とする、コーヒーの製造方法。
【請求項2】
前記コーヒー豆と前記水は少なくとも1つのミルの粉砕チャンバに送られ、前記コーヒー豆は導入された前記水と一緒に粉砕され、これから前記混合物が形成される
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項3】
前記混合物を形成するために、前記粉砕中および/または前記粉砕後に、前記ミルの前記粉砕チャンバに冷水または加熱水が導入される
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項4】
前記水に対する前記コーヒー豆の混合比率、前記粉砕の時間、および/または前記コーヒー粉末の粉砕の程度は、これから抽出された前記コーヒーが所望の味を有するように決定される
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項5】
前記水は、前記コーヒー豆の特定の粉砕タイミングと同時にまたはその後に、前記ミルの前記粉砕チャンバに導入される
ことを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項6】
前記コーヒー粉末と前記水との粘り気のある粘稠度の前記混合物を一定期間放置し、前記抽出したコーヒーを濾過して取り除く
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項7】
前記コーヒー粉末と前記水との粘り気のある粘稠度の前記混合物が、少なくとも1つのコーヒー・フィルタに充填され、前記抽出されたコーヒーは前記フィルタから流れ出ることによって濾過される
ことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項8】
コーヒー粉末と水から形成された前記混合物(11)からの前記コーヒーの前記抽出は、閉鎖可能なチャンバ(13)に形成された少なくとも1つの充填開口部(12)と、互いに対して移動することができ、そのうちの少なくとも1つはスクリーンふるい(16’)から形成され、出口ライン(18)に接続されている2つのピストン(16、17)とを備えた可動シリンダ(15)を備えたユニット(10)によって行われ、水とコーヒー粉末との前記混合物(11)が前記チャンバ(13)に充填され、少なくとも一方のピストン(17)が前記シリンダ(15)内で他方のピストンに押し付けられ、これにより、前記コーヒーが前記混合物(11)から抽出され、前記スクリーンふるい(16’)を通って前記出口ライン(18)に搬送される
ことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項9】
前記スクリーンふるい(16’)を含む前記ピストン(16)の反対側にある前記ピストン(17)は、必要に応じて、水を前記チャンバ(13)に搬送するため、またはフラッシングを実行するための、水用の通路開口部(19)を含む
ことを特徴とする、請求項8に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項10】
前記シリンダ(15)とその中に残っている前記ピストン(17)とは、前記混合物(11)からのコーヒー・パック(11’)が前記ピストン(17)によって前記シリンダ(15)から押し出されることを可能にするために、前記抽出が完了した後に引き込まれ得る
ことを特徴とする、請求項8または9に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項11】
前記挽いたコーヒー粉末の平均粒度が、好ましくは200μm未満であり、有利には150μm未満でさえある
ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項12】
前記シリンダ(15)内で前記一方のピストンが他方のピストンに押し付けられることは、好ましくは前記2つのピストンの前記機械的圧縮に加えて、前記チャンバ(13)内に負圧を生成することによって行われる
ことを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項13】
前記冷水は、前記粉砕チャンバに混合する前におよび/または混合物として前記粉砕の後に冷却され、その結果、前記出口において、抽出されたコーヒーとして、ほぼ室温または選択可能な温度を示す
ことを特徴とする、請求項2乃至11のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法を実施するためのデバイスであって、コーヒー豆が入った少なくとも1つの容器と、前記コーヒー豆を粉砕するための粉砕チャンバを備えた少なくとも1つのミルと、前記コーヒーを抽出するためのユニット(10)と、出口と、を備え、
前記ユニット(10)は、少なくとも1つの充填開口部(12)と2つのピストン(16、17)とを備えた可動シリンダ(15)を含み、前記2つのピストン(16、17)は、チャンバ(13)を形成し、互いに対して移動可能であり、そのうちの少なくとも1つはスクリーンふるい(16’)から形成され、出口ライン(18)に接続されており、前記少なくとも1つのミルの前記粉砕チャンバは、それぞれの場合において、前記コーヒー豆および水を搬送するための開口部と、前記シリンダの前記充填開口部(12)につながる接続ラインとを含む
ことを特徴とする、デバイス。
【請求項15】
前記両方のピストン(16、17)にそれぞれの場合に割り当てられているのは、スクリーンふるい(16’)、出口ライン(18)であり、少なくとも1つのピストンに割り当てられているのは、水を供給するための通路開口部(19)である
ことを特徴とする、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
タッチスクリーンなどを有するディスプレイを備えたプログラム制御デバイスが設けられ、それによって、前記抽出可能なコーヒーの前記製造をプログラムし、作動させることができる
ことを特徴とする、請求項14または15に記載のデバイス。
【請求項17】
ホット・コーヒーを淹れることによって調製し、分注することができるコーヒー・マシンにおいて、コーヒー豆が、水を添加してまたは添加せずに非常に細かく粉砕され、コーヒー粉末と水との混合物が形成され、前記混合物から前記コーヒーが抽出され、好ましくは前記コーヒー・マシンの出口に搬送される
ことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のコーヒーの製造方法の使用。
【請求項18】
前記コーヒー・マシンの粉砕チャンバを備えた少なくとも1つの独立したミルにコーヒー豆と水とが導入され、前記コーヒー豆は、導入された前記水と一緒に粉砕され、このようにして形成された前記混合物中の前記コーヒーが抽出され、好ましくは前記コーヒー・マシンの前記出口に搬送される
ことを特徴とする、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記コーヒー粉末と水との粘り気のある粘稠度の前記混合物は、前記コーヒー・マシン内の少なくとも1つの交換可能なコーヒー・フィルタに搬送され、好ましくは前記フィルタから前記出口に搬送される
ことを特徴とする、請求項17または18に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ請求項1および12の前文に記載の、コーヒーを製造するための方法、および関連するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷された刊行物US-A-6192785による既知の方法を用いて、ミルクの入ったまたは入っていない冷たいコーヒーがコーヒー・マシンから分注され得、コーヒー・マシン内で、冷たいコーヒーは事前に調製され、容器に充填され、次いで、ポンプによって制御された方法で吸い上げられ、接続要素と対応する閉鎖バルブを介して、フロー・ヒーターによって加熱されるか、またはラインを介して低温状態で直接出口ノズルに搬送される。容器に充填されたこのコーヒーは、好ましくは、お湯を用いて淹れることによって従来の方法で製造され、次いで容器に充填され、冷却される。したがって、必要に応じて冷たいコーヒーまたはホット・コーヒーを分注することは可能であるが、入れたてのコーヒーとして製造することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、特に、比較的短時間で冷たいコーヒーを製造することができる方法およびデバイスをそれぞれ提供するという目的に基づいており、この場合の調製されたコーヒーは、特別にコクのある味であり、これにより、コーヒー豆に含まれる香り物質がよりよく抽出される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、それぞれ請求項1および請求項12の特徴に従って、本発明に従って解決される。
【0005】
本発明によるこの方法では、コーヒー豆は、水を添加してまたは添加せずに非常に細かく粉砕され、コーヒー粉末と水との混合物が形成され、この混合物からコーヒーが抽出され、好ましくは出口に搬送され、それによって製造されたコーヒーは、心地よい新しい形のコクのある香りを有する。
【0006】
本発明による一実施形態の変形例では、コーヒー豆および水は、少なくとも1つのミルの粉砕チャンバに搬送され、コーヒー豆は、充填された水と一緒に粉砕される。その結果、コーヒーと水との混合は粉砕段階ですでに行われており、これにより、これから濾過されたコーヒーの抽出が改善される。
【0007】
非常に有利なことに、コーヒーの混合および抽出には、室温の冷水が使用される。水は粉砕中に加熱されるので、混合前および/またはその後にさらに冷却することが有利であり得る。ただし、お湯を使用することもできる。
【0008】
水に対するコーヒー豆の混合比率、粉砕の時間、および/またはコーヒー粉末の粉砕の程度は、これから抽出されたコーヒーが所望の味を示すように事前に決定されている。
【0009】
本発明によれば、この方法は、淹れることによってホット・コーヒーを製造し、分注することができるコーヒー・マシンにおいて使用される。この追加オプションを使用すると、淹れたてのコーヒーが従来の方法で製造されると同時に、ボタンを押すだけで所望の香りのコーヒーを製造および分注できる。
【0010】
本発明およびそのさらなる利点は、図面を参照することにより、例示的な実施形態に基づいて、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】シリンダ内のチャンバに混合物を充填する際の、本発明によるデバイスのユニットの概略断面図である。
図2】シリンダ内のピストンを押す際のユニットの概略断面図である。
図3】混合物の圧縮状態にあるユニットの概略断面図である。
図4】シリンダと一方のピストンがもう一方のピストンから引き離されているユニットの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
コーヒーを製造する方法が提供され、この方法では、コーヒー豆が挽かれ、コーヒー粉末と水からコーヒーが製造され、出口に搬送される。コーヒー豆として使用されるのは、有利には、焙煎された豆または少なくとも軽く焙煎された豆であり、特定の味に応じて、そのような豆が栽培されるさまざまな地域に由来し得る。
【0013】
本発明によれば、コーヒー豆は、水を添加してまたは添加せずに、非常に細かく粉砕される。そして、コーヒー粉末と水との混合物が形成され、この混合物から、抽出されたコーヒーは、特に、濾過され、好ましくは出口に搬送される。
【0014】
例示的な一実施形態では、コーヒー豆と水がミルの粉砕チャンバに搬送され、コーヒー豆は充填された水と一緒に粉砕され、混合物が形成され、この混合物から抽出されたコーヒーは好ましくは出口に搬送される。
【0015】
ほぼ室温の冷水を搬送し、粉砕してミルの粉砕チャンバに入れることが可能である。この冷水は、粉砕中に加熱されるので、有利には、粉砕チャンバに混合する前および/またはその後にさらに冷却され、その結果、抽出されたコーヒーとして、出口でほぼ室温または選択可能な温度を示す。これは、対応する冷却手段によって、および必要に応じて、温度制御機構によって達成され得る。飲み水を水として使用することができるが、この水は純度が高く塩素を含まない。ただし、水混合物を香り添加物または他の添加物と一緒に使用することも可能である。
【0016】
粉砕チャンバに充填され得るコーヒー豆と水とは、抽出されたコーヒーにおいて最適な味が得られるように選択された所定の混合比が得られるように、正確に計量されることが好ましい。同様に、粉砕の時間が決定され、これによりコーヒー粉末の粉砕の程度が決定される。挽いたコーヒーの粒度が細かいほど、混合物への水の浸透が良くなるため、香りを大量に吸収することができる。コーヒー粉末のこれらの粒度は、好ましくは、平均して200μm未満、そして有利には150μm未満でさえある。
【0017】
意図的に、コーヒー豆容器の出口および給水ラインの両方のそれぞれの場合において、それぞれ、詳細には示されていない制御デバイスによって作動させることができる計量手段が設けられる。これらの計量手段により、両方の供給源から導入された量を、一方では正確に計量することができ、他方では変化させることも可能になる。
【0018】
要件に応じて、コーヒー豆の特定の粉砕タイミングと同時に、またはその後に、ミルの粉砕チャンバに水が導入され得る。これは、例えばコーヒー豆の硬さの程度など、考慮すべき要素によって異なる。
【0019】
混合物からコーヒーを抽出する前に、コーヒー粉末と水とから形成される粘り気のある混合物を、例えば別の容器に一定期間放置して、それによって粉末から水への香りの移動を改善することが有利であり得る。さらに、この状況では、必要に応じて、形成されたコーヒーの冷却を温度制御機構によって行うことができる。
【0020】
これまでに説明した本発明による方法を実施するためのデバイスは、コーヒー豆が入っている少なくとも1つの容器と、コーヒー豆を粉砕するための粉砕チャンバを備えた少なくとも1つのミルと、コーヒーを製造するためのユニット10と、飲み物の容器への出口と、から構成される。本デバイスには、タッチスクリーン等を有するディスプレイを備えたプログラム制御ユニットが割り当てられており、これにより当該方法が実行される。もちろん、デバイスにはさらに要素を含めることもできる。
【0021】
図1から図4は、原則として、コーヒー粉末と水から形成される混合物11からコーヒーを抽出するためのユニット10を示している。ユニット10は、示されたハウジング・フレーム14内に、少なくとも1つの充填開口部12を備えた、前後に移動することができるシリンダ15と、このシリンダ内に密閉されたチャンバ13を形成し、互いに対して移動することができる2つのピストン16、17と、を備えている。1つのピストン16は、ふるいスクリーン16’を備えており、出口ライン18に接続されている。この状況では、ピストン16は、ハウジング・フレーム14に固定されており、移動することはできない。対向ピストン17は、以下でさらに説明するように、図示されていない駆動装置によってシリンダ15内で移動可能であるように取り付けられている。
【0022】
少なくとも1つの開口部を備えた粉砕チャンバを備えた、同様に示されていないミルへのコーヒー豆および水の供給は、搬送手段、例えば、搬送ワームおよび水ポンプによって実施される。ミルは、出口側に、シリンダ15の出口開口12に通じる接続ラインを含む。ただし、コーヒー豆の容器は、ミルの上に既知の方法で配置することもできるため、コーヒー豆は常にミルの上に配置され、搬送手段なしで配送される。
【0023】
図1は、それぞれ、シリンダ15の端側に配置され、シール効果を生み出し、それにより、充填開口部12が開位置にあるピストン16、17を示しており、水とコーヒー粉末との混合物11は、ミルからこのチャンバ13に部分的に充填される。
【0024】
図2に見られるように、チャンバ13が好ましくは混合物11で満たされることに近づくとすぐに、シリンダ15内の、その後部側15’において、一方のピストン17がもう一方の固定ピストン16に押し付けられ、そしてこの状況では、シリンダの充填開口部12が、後者のピストンによって閉じられ、そして、混合物11へのピストン17の圧力によって、コーヒー液が、抽出された状態で、濾過スクリーンふるい16’を通過して圧搾され、出口ライン18を通って出口に搬送され、カップなどに充填される。
【0025】
シリンダ15内の一方のピストン17を他方のピストン16に押し付けることは、2つのピストンの機械的圧縮運動に加えて、チャンバ13内に負圧を生成することによって行うことができ、このことは、これ以上詳細には示さない。負圧(真空)を生成するためのデバイスとチャンバ13との間に、一方もしくは両方のピストン16、17を介して、および/またはシリンダ15を介して、少なくとも1つの切り替え可能なライン接続が提供される必要がある。
【0026】
図2に示すように、フラッシングのため、または、例えば、混合物の粘性が高すぎる場合、またはスクリーンふるい16’を通る流れが詰まった場合に、必要に応じて水を導入するために、ピストン17に水用の通路開口19を設けることも可能である。
【0027】
図3は、シリンダ15の終了位置を示しており、これに伴いピストン17も一緒に移動し、これにより、ほぼすべてのコーヒーが抽出され、圧縮されたケーキとしてのコーヒー・パック11’のみがチャンバ13に残る。
【0028】
図4によれば、引き抜きが完了した後、シリンダ15およびその中に残っているピストン17は、ハウジング・フレーム14の停止壁14’に対して、そのピストン・ロッド17’で引っ込められる。シリンダ15およびピストン17の長さは、それらが接触すると、コーヒー・パック11’がピストン17によってシリンダ15から押し出され、下向きに集水容器に落下するように寸法決めされている。
【0029】
有利な変形として、ピストン16にスクリーンふるい16’を設け、出口ライン18に接続することが可能であるだけでなく、対向するピストン17にスクリーンふるいと出口ラインとを割り当てることもできる。同様に、必要に応じて水を供給するために、水を供給するための通路開口部19を一方または両方のピストンに設けることができ、通路開口部19は、それぞれの出口ラインに平行に配置されるであろう。そして、言及された機能を実行するために、これらのラインに対応するバルブが設けられる。
【0030】
非常に有利なことに、特に冷たいコーヒーを製造するために、このデバイスはコーヒー・マシンに統合されており、これを主な目的として、ミルクまたは発泡ミルクと同様に、ホット・コーヒーを製造および分注することができる。このデバイスは、原則として、コーヒー豆と水接続とを備えた既存の容器を使用するように統合することができる。冷たいコーヒーを抽出するためのユニット10とコーヒー・マシンの前面にある出口とは別々に設置される。
【0031】
本発明は、これまでに説明された例示的な実施形態で適切に説明されてきた。ただし、本発明はさらに別の変形によって説明することもできる。抽出されたコーヒーは、接続部で直接保存するのではなく、特定の期間、容器に入れて保存し、その後にのみ出口に搬送することもできる。これにより、抽出されたコーヒーの香りがさらに顕著で強くなるという利点がもたらされる。
【0032】
ユニット10に充填する代わりに、コーヒー粉末と水との粘り気のある粘稠度の混合物を少なくとも1つのコーヒー・フィルタに充填することもでき、コーヒーは、流れ出ることによってフィルタから濾過される。この状況では、冷水または温水も使用され得る。混合段階では、例えば抽出またはコクのある味を促進するための手段を用いて、水混合物も可能である。
【0033】
空間的な理由から、水平に移動するシリンダ15およびピストン17を備えたユニット10は、垂直に、またはそれらの間に角度を付けて配置することもできる。
【0034】
取り外し可能なピストンを備えた既知の方法で提供されるコーヒー・マシンを使用することもでき、その中にコーヒー粉末を充填するか、またはパッドを置くことができ、同様に本発明によるデバイスを追加で提供することができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】