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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電極組立体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/474 20210101AFI20221212BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20221212BHJP
   H01M 50/486 20210101ALI20221212BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20221212BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20221212BHJP
【FI】
H01M50/474
H01M10/04 Z
H01M50/486
H01M10/052
H01M10/0585
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520645
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 KR2020009060
(87)【国際公開番号】W WO2021107314
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0153475
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クワク、ジン セオプ
【テーマコード(参考)】
5H021
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H021AA02
5H021BB11
5H021BB19
5H021EE02
5H021HH10
5H028AA08
5H028BB05
5H028BB14
5H028BB15
5H028BB17
5H028CC08
5H028CC26
5H028EE06
5H029AJ14
5H029BJ12
5H029CJ05
5H029CJ28
5H029CJ30
5H029DJ04
5H029HJ12
(57)【要約】
本発明の製造方法は、負極、分離膜、正極が繰り返し積層される電極組立体の製造方法であって、負極、分離膜、正極の予め定められた積層構造を有する単位セルを製造するが、分離膜の端部同士に接合して接合部が形成されるように製造する単位セル製造段階(S10);型枠内にフィルムを挿入するフィルム挿入段階(S20);前記型枠内に前記単位セルを積層する単位セル積層段階(S30);及び前記型枠内で熱と圧力を加えて前記フィルムを積層された単位セルの接合部に熱融着させる熱融着段階(S40);を含む。
本発明の電極組立体は、負極、分離膜、正極が繰り返し積層された電極組立体であって、負極、分離膜、正極が積層されて形成された側面のいずれか一か所を覆うように配置されるフィルム;を含み、前記フィルムは、負極、分離膜、正極が積層されて形成された側面に熱融着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極、分離膜、正極が繰り返し積層された電極組立体であって、
前記負極、前記分離膜、前記正極の積層物の側面のいずれか一か所を覆うように配置されるフィルムと、を含み、
前記フィルムは、前記側面に熱融着により固定された電極組立体。
【請求項2】
前記フィルムは、前記側面のうち互いに向い合う側面の二か所のそれぞれに配置された、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記フィルムは、熱と圧力が加えられると塑性変化が行われる熱可塑性材質を含む、請求項1または請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記フィルムは、PET(polyethylene terephthalate)材質を含む、請求項3に記載の電極組立体。
【請求項5】
二枚以上の前記分離膜の端部同士で接合されてなる接合部を有し、前記接合部に前記フィルムが熱融着により固定された、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項6】
負極、分離膜、正極が繰り返し積層される電極組立体の製造方法であって、
前記負極、前記分離膜、前記正極の予め定められた積層構造を有する単位セルを製造し、前記分離膜の端部同士を接合して接合部が形成されるように製造する単位セル製造段階と、
型枠内にフィルムを挿入するフィルム挿入段階と、
前記型枠内に前記単位セルを積層する単位セル積層段階と、
前記型枠内で熱と圧力を加えて前記フィルムを積層された単位セルの接合部に熱融着させる熱融着段階と、を含む電極組立体の製造方法。
【請求項7】
前記フィルム挿入段階においては、前記型枠内で互いに向い合う両側の壁面に一つずつ当接するように二つのフィルムが挿入される、請求項6に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項8】
前記フィルム挿入段階の後に、予め定められた単位セルの積層が完了するまで、前記単位セル積層段階と前記熱融着段階とが繰り返される、請求項7に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項9】
前記フィルム挿入段階の後に、予め定められた単位セルの積層が完了するまで前記単位セル積層段階が繰り返され、前記単位セル積層段階が完了すると、積層された単位セルのそれぞれに前記フィルムが熱融着されるように前記熱融着段階が繰り返される、請求項7に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項10】
前記単位セル製造段階においては、下から分離膜/負極/分離膜/正極の順序で積層されたモノセル、又は、分離膜/正極/分離膜/負極の順序で積層されたモノセルで前記単位セルを製造する、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項11】
前記単位セル製造段階においては、下から分離膜/負極/分離膜の順序で積層されたハーフセル、又は、分離膜/正極/分離膜の順序で積層されたハーフセルを前記モノセルとは別途に単位セルとして製造し、
前記単位セル積層段階が繰り返して行われる間に、前記モノセルで積層が行われるが、前記単位セル積層段階が最後に行われる際には、前記ハーフセルで積層が行われる、請求項10に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項12】
前記フィルムは、熱と圧力が加えられると塑性変化が行われる熱可塑性材質で製造され、
前記熱融着段階においては、はんだ付け工具の端部がフィルムを加圧すると同時に加熱して単位セルに熱融着させる、請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項13】
前記型枠は、はんだ付け工具の端部が進入するか、はんだ付け工具が内蔵されるように構成され、前記フィルムの熱融着は前記型枠内で行われる、請求項12に記載の電極組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月26日に出願された韓国特許出願第10-2019-0153475号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電極組立体及びその製造方法に関するものであって、より詳しくは、従来の固定用テープを削除することにより、前記固定用テープの付着時に発生した問題点を解消することができる電極組立体の製造方法及び前記製造方法により製造され得る電極組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
電気エネルギーを保存する電池は、通常一次電池と二次電池に区分され得る。一次電池は、使い捨ての消耗性電池であるのに対し、二次電池は、電流と物質との間の酸化及び還元過程が繰り返し可能な素材を使用して製造される充電式電池である。すなわち、電流により、素材に対する還元反応が行われると電源が充電され、素材に対する酸化反応が行われると電源が放電されるが、このような充電-放電が繰り返して行うことができる。
【0004】
様々な種類の二次電池のうち、リチウム二次電池は、通常、正極(Cathode)、分離膜(Separator)、及び負極(Anode)が積層された電極組立体がケースに取り付けられて製造され、リチウムイオンが正極のリチウム金属酸化物から負極に挿入(Intercalation)及び脱離(Deintercalation)される過程が繰り返され、リチウム二次電池の充放電が行われる。
【0005】
前記電極組立体は、予め定められた順序で負極、分離膜、正極の積層された単位セルが定められた数量だけ積層され、又は、正極、分離膜、負極が一つずつ繰り返し積層されて一つの電極組立体になる。そして、このような電極組立体は、円筒状のカン又は角型パウチなどのようなケースに収容されて二次電池として製造される。
【0006】
一方、前記電極組立体を製造する方式として、前記負極と正極との間に分離膜を積層してから巻いて製造する巻取型、要求される幅と長さを有するように裁断して負極と正極を切断した後、前記負極、分離膜、正極が繰り返されるように積層して製造する積層型、及びフォールディング分離膜上に単位セルを並んで置いた後、一側からフォールディングして製造するスタックアンドフォールディング型などが公知されたことがある。
【0007】
この中、積層型電極組立体は、従来の製造過程が単純化して示された図1aに図示されたように、正極2、分離膜1、負極3が予め定められた個数だけ積層されて単位セル10として製造された後、前記単位セル10が予め定められた個数だけ積層されて電極組立体100として製造される。参考までに、図1aに図示された電極組立体は、下から分離膜/正極/分離膜/負極の順番で積層されたモノセルが単位セル10として製造されて複数個積層されるが、最上層に分離膜1が置かれるように分離膜/電極(負極又は正極)/分離膜の順序で積層されたハーフセル20が最上層に置かれた状態である。
【0008】
そして、前記単位セル10が定められた個数だけ積層されると、電極組立体100が固定されるように、固定用テープ200が電極組立体100の周りを巻くように(又は、側面が上面と下面に結束されるように)付着され、単位セル10を結束させた。
【0009】
しかし、このように固定用テープ200を介して結束させる構造は、従来の電極組立体の構造から分離膜の折り畳み及び浮き上がり現象の発生した様態が示された図1bに図示されたように、固定用テープ200が接着される際に加えられる圧力により、分離膜1の端部が折り畳まれるか浮き上がるようになる問題が発生することがあった。
【0010】
このような分離膜1の折り畳みと浮き上がりは、負極3と正極2との接触を誘発し、短絡(short circuit)を誘発する可能性もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の主な目的は、前述したような問題点が解消できるように、電極組立体の積層が完了した後、固定用テープが追加接着される過程を削除することができる電極組立体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような目的を達成するための本発明の電極組立体は、負極、分離膜、正極が繰り返し積層された電極組立体であって、負極、分離膜、および正極の積層物の側面のいずれか一か所を覆うように配置されるフィルム;を含み、前記フィルムは、前記側面(負極、分離膜、正極が積層されて形成された側面)に熱融着により固定されたことを特徴とする。ここで、二枚以上の分離膜は、端部で集まって接合された接合部を形成し、前記接合部にフィルムが熱融着される。
【0013】
前記フィルムは、前記側面(負極、分離膜、正極が積層されて形成された側面)のうち互いに向い合う側面の二か所のそれぞれに配置される。
【0014】
前記フィルムは、熱と圧力が加えられると塑性変化が行われる熱可塑性材質で製造される。より詳しくは、前記フィルムは、PET(polyethylene terephthalate)材質で製造される。
【0015】
さらに、本発明は、前記のような構成の電極組立体を製造し得る製造方法が追加的に提供される。本発明に係る製造方法は、負極、分離膜、正極が繰り返し積層される電極組立体の製造方法であって、負極、分離膜、正極の予め定められた積層構造を有する単位セルを製造するが、分離膜の端部同士に接合して接合部が形成されるように製造する単位セル製造段階(S10);型枠内にフィルムを挿入するフィルム挿入段階(S20);前記型枠内に前記単位セルを積層する単位セル積層段階(S30);及び前記型枠内で熱と圧力を加えて前記フィルムを積層された単位セルの接合部に熱融着させる熱融着段階(S40);を含むことを特徴とする。
【0016】
前記フィルム挿入段階(S20)においては、型枠内で互いに向い合う両側壁面に一つずつ当接するように二つのフィルムが挿入される。
【0017】
前記フィルム挿入段階(S20)の後に、予め定められた単位セルの積層が完了するまで、前記単位セル積層段階(S30)と熱融着段階(S40)とが繰り返される。
【0018】
又は、前記フィルム挿入段階(S20)の後に、予め定められた単位セルの積層が完了するまで前記単位セル積層段階(S30)が繰り返され、前記単位セル積層段階(S30)が完了すると、積層された単位セルのそれぞれにフィルムが熱融着されるように熱融着段階(S40)が繰り返されてもよい。
【0019】
前記単位セル製造段階(S10)においては、下から分離膜/負極/分離膜/正極の順序で積層されたモノセル、又は、分離膜/正極/分離膜/負極の順序で積層されたモノセルで単位セルを製造する。さらに、前記単位セル製造段階(S10)においては、下から分離膜/負極/分離膜の順序で積層されたハーフセル、又は、分離膜/正極/分離膜の順序で積層されたハーフセルをモノセルとは別途に単位セルとして製造される。
【0020】
そして、前記単位セル積層段階(S30)が繰り返して行われる間に、モノセルで積層が行われるが、前記単位セル積層段階(S30)が最後に行われる際には、ハーフセルで積層が行われる。
【0021】
前記フィルムは、熱と圧力が加えられると塑性変化が行われる熱可塑性材質で製造され、前記熱融着段階(S40)においては、はんだ付け工具の端部がフィルムを加圧すると同時に加熱して単位セルに熱融着させる。
【0022】
前記型枠は、はんだ付け工具の端部が進入するか、はんだ付け工具が内蔵されるように構成され、前記フィルムの熱融着は、型枠内で行われる。
【発明の効果】
【0023】
前述したような構成を有する本発明は、固定用テープをテープの代わりに電極組立体の側面でフィルムが熱融着され固定されるので(固定用テープを接着する際に発生した圧力よりも小さな圧力が加えられるので)、従来の構造から発生した分離膜の折り畳み又は浮き上がりを防止することができる。
【0024】
特に、本発明では、二枚以上の分離膜の端部同士が集まって接合部を形成し、前記接合部でフィルムが熱融着されるので、熱融着時に分離膜が折り畳まれるか変形される問題を防止することができる。すなわち、熱融着が行われる際に、分離膜の端部同士は互いに接合されて動きが制限され、接合部が形成された地点では厚さが増加することにより、フィルムとの熱融着面積を増やし、固定力を増大させることができる。
【0025】
また、本発明では、単位セルが積層された直後に熱融着が行われ、次の単位セルの積層される順序で進行されるか、単位セルのすべての積層が完了した後に熱融着が行われ得るので、電極組立体の条件に応じて製造工程の柔軟性を提供することができる。
【0026】
そして、単位セルの積層が行われる型枠の内部にはんだ付け工具が進入して、又は、はんだ付け工具が内蔵され前記型枠内で熱融着が行われるので、熱融着過程で単位セルの振れが防止され、より安定的に熱融着が行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a】従来の電極組立体の製造過程が単純化して図示された図面である。
図1b】従来の電極組立体の構造で分離膜の折り畳み及び浮き上がり現象の発生した様態が図示された図面である。
図2】本発明の電極組立体の製造方法の順序図である。
図3】単位セル製造段階において、負極、分離膜、正極の積層が行われて単位セルとして製造される様態が図示された図面である。
図4a】本発明の電極組立体の製造方法において、型枠の断面様態(a)及び前記型枠内にフィルムの付着された様態(b)が図示された図面である。
図4b図4aに図示された型枠内で、前記フィルム間に単位セルが安着された様態(c)が追加的に図示された図面である。
図4c図4bに示された型枠内で、はんだ付け工具がフィルムと単位セルとの接合部を接合する様態(c、d、e)が追加的に図示された図面である。
図5】本発明の電極組立体の製造方法により製造された電極組立体の平面図、正面図、左側面図がそれぞれ図示された図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面に基づいて、本発明に対して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付ける。
【0030】
また、本明細書及び特許請求の範囲に用いられる用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるとの原則に即して、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
【0031】
本発明は、負極3、分離膜1、正極2が繰り返し積層される電極組立体及びその製造方法に関するものであって、以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態をより詳しく説明する。
【0032】
第1実施形態
本発明は、電極組立体の製造方法を第1実施形態として提供する。本発明に係る電極組立体の製造方法の順序が示された図2に記載されたように、本実施形態による製造方法は、単位セル製造段階(S10)、フィルム挿入段階(S20)、単位セル積層段階(S30)、熱融着段階(S40)を含む。
【0033】
前記単位セル製造段階(S10)においては、負極3、分離膜1、正極2の予め定められた積層構造を有する単位セル10を製造するが、分離膜1の端部同士を接合して接合部1aが形成されるように製造する。
【0034】
すなわち、負極3、分離膜1、正極2の積層が行われて単位セル10として製造される様態が示された図3に図示されたように、予め定められた積層構造を有するモノセル及びハーフセルを単位セルとして製造する。前記モノセルは、図示されたように、下から分離膜1/正極2/分離膜1/負極3の順序で積層された構造を有するか、下から分離膜1/負極3/分離膜1/正極2の順序で積層された構造を有し得る。そして、前記モノセルから最上層電極(正極又は負極)の除去されたハーフセルが追加的に提供される。前記ハーフセルは、モノセルの積層が完了した後に最上層に分離膜1が置かれるように下から分離膜1/負極3/分離膜1の順序で積層された構造を有するか、分離膜1/正極2/分離膜1の順序で積層された構造を有する。したがって、モノセルの積層が完了した後にハーフセルの積層が行われるので、本発明により積層される電極組立体は、最下層と最上層に分離膜が置かれる構造を有する。
【0035】
一方、前記モノセル及びハーフセルで製造される単位セル10は、分離膜1が正極2と負極3よりも大きな面積を有し、図示されたように、両側に端部が突出した構造を有する。この単位セル製造段階(S10)において、前記分離膜1の端部は、互いの上下面が接合されて接合部1aを形成する。前記接合部1aは、分離膜1が突出した端部のいずれも必ず形成される必要はないが、単位セル10が積層される際にフィルム30と向い合う端部には形成されることが好ましい。
【0036】
図4a~図4cには、発明の電極組立体の製造方法において、型枠Mの断面様態(a)、前記型枠M内にフィルム30が付着した様態(b)、型枠M内に前記フィルム30の間に単位セル10が安着した様態(c)、及び型枠M内にはんだ付け工具Gがフィルム30と単位セル10の接合部1aとを接合する様態(d、e)がそれぞれ図示された。
【0037】
図4a~4cを参照すれば、前記フィルム挿入段階(S20)においては、型枠M内で互いに向い合う両側の内周面にフィルム30の配置が行われる。前記型枠Mは、フィルム30が配置された状態で、その間に単位セル10の積層が行われ得る大きさに製作され、十分な強性を有するように製造される。前記型枠Mは、単位セル10の積層が行われる内部空間が六面体形状になるように構成されてよいが、単位セル10の積層時、単位セル10を移送及び積層するグリッパー(gripper、未図示)などが作動する際に干渉を発生させないようにフィルム30が配置されない一側面又は両側面は、開放された状態で提供されてよい。
【0038】
そして、前記型枠M内でフィルム30は、熱融着が行われる前に垂直に立てられた状態が維持されるように前記型枠Mの内周面に仮固定された状態で配置されてよい。すなわち、前記型枠Mには、フィルムを仮固定させるためのクリップ、ホルダー(holder)などが設置されてもよく、又は、前記フィルム30は、配置前に表面に接着力が相対的に弱い接着剤が塗布された状態で型枠M内に配置されてよい。このようなフィルム30を仮固定する手段は、電極組立体の製造が完了した後、前記型枠Mの内周面でフィルム30が容易に分離され得るならば、公知の他の方法が適用されてよい。
【0039】
さらに、前記型枠Mは、フィルム30と単位セル10とを熱融着する際に、はんだ付け工具Gの進入が可能となるように、前記はんだ付け工具Gの進入が垂直に可能なスリット(slit:未図示)などが形成されるか、前記型枠M内ではんだ付け工具Gが滑走可能に搭載された構造を有してよい。
【0040】
前記型枠M内にフィルム30が配置され、はんだ付け工具Gの作動が準備された状態で、その次に単位セル積層段階(S30)が行われる。前記単位セル積層段階(S30)においては、二つのフィルム30の間の正位置に型枠M内に単位セル10の積層が行われる。ここで、前記単位セル10は、前述したようなモノセルであるが、下方に分離膜1が置かれるように積層が行われる。
【0041】
そして、前記型枠M内で熱と圧力を加えて前記フィルム30を積層された単位セル10の接合部1aに熱融着させる熱融着段階(S40)が行われる。
【0042】
この実施形態においては、型枠M内で互いに向い合う両側壁面に一つずつ当接するように二つのフィルム30が挿入され、前記熱融着は、型枠Mの両側壁面それぞれで同時に行われる。
【0043】
一方、図4cでは、前記フィルム挿入段階(S20)後に、予め定められた単位セル10の積層が完了するまで、単位セル10の一つが積層されるとその単位セル10の熱融着が行われ、その次の順序の単位セル10の積層と熱融着が行われるように前記単位セル積層段階(S30)と熱融着段階(S40)とが繰り返されることと図示された。
【0044】
しかし、型枠M内で前記単位セル10は、フィルム30間で位置変化がないので、熱融着なしにすべての単位セル10の積層が行われた後、積層が完了した状態で下層の単位セル10から(又は、上層の単位セルから)順次にそれぞれの単位セル10の熱融着が行われるように製造されてよい。すなわち、本発明で単位セル積層段階(S30)と熱融着段階(S40)は、流動的に順序が変更されてよい。
【0045】
そして、前述したように、前記単位セル積層段階(S30)が繰り返して行われる間に、モノセルで積層が行われるが、前記単位セル積層段階(S30)が最後に行われる際には、ハーフセルで積層が行われる。したがって、このように製造された電極組立体は、最上層と最下層に分離膜1が配置される構造を有する。
【0046】
一方、本発明で前記フィルム30は、熱と圧力が加えられると塑性変化が行われる熱可塑性材質で製造される。例えば、前記フィルムは、PET(polyethylene terephthalate)材質で製造されてよい。
【0047】
前記熱融着段階(S40)においては、はんだ付け工具Gの端部がフィルム30を加圧すると同時に加熱して単位セル10の接合部1aに熱融着させるが、加えられる温度と圧力は、フィルム30の厚さと材質、又は接合部の相対的な位置と大きさなどに応じて可変されてよい。ここで、前記型枠Mは、前述したように、はんだ付け工具Gの端部が進入するか、はんだ付け工具Gが内蔵されるように構成され、前記フィルム30の熱融着は、型枠M内で行われる。
【0048】
第2実施形態
本発明は、第1実施形態による製造方法により製造され得る電極組立体を第2実施形態として提供する。
【0049】
この実施形態で提供される電極組立体は、負極3、分離膜1、正極2が繰り返し積層された電極組立体であって、負極3、分離膜1、正極2が積層されて形成された側面のいずれか一か所を覆うように配置されるフィルム30を含み、前記フィルム30は、負極3、分離膜1、正極2が積層されて形成された側面に熱融着されたことを特徴とする。
【0050】
すなわち、本発明の電極組立体の製造方法により製造された電極組立体の平面図、正面図、左側面図が図示された図5を参照すれば、本発明に係る負極3と正極2は、一側辺に突出した負極タブ3aと正極タブ2aとをそれぞれ有する。前記正極タブ2aと負極タブ3aは、互いに反対側に突出するように構成され、前記正極タブ2a及び負極タブ3aが突出した辺の直角をなす二つの辺を含む電極組立体の側面のそれぞれに、フィルム30が付着した構成を有する。
【0051】
前述したような構成を有する本発明は、固定用テープを、テープの代わりに電極組立体の側面でフィルム30が熱融着されて固定され、従来の固定用テープを接着する際に発生した圧力よりも小さな圧力が加えられるので、従来の構造から発生した分離膜1の折り畳み又は浮き上がりを防止することができる。
【0052】
特に、本発明では、二枚以上の分離膜1同士に端部で集まって接合部1aを形成し、前記接合部1aでフィルム30が熱融着されるので、熱融着時に分離膜1が折り畳まれるか変形される問題を防止することができる。すなわち、熱融着が行われる際に、分離膜1の端部同士は互いに接合されて動きが制限され、接合部1aが形成された地点では厚さが増加することにより、フィルム30との熱融着面積を増やし、固定力を増大させることができる。
【0053】
また、本発明では、単位セル10が積層された直後に熱融着が行われ、次の単位セル10が積層される順序で進行されるか、単位セル10のすべての積層が完了した後に熱融着が行われ得るので、電極組立体の条件に応じて製造工程の柔軟性を提供することができる。
【0054】
そして、単位セル10の積層が行われる型枠Mの内部にはんだ付け工具Gが進入して、又は、はんだ付け工具Gが内蔵され前記型枠M内で熱融着が行われるので、熱融着過程で単位セル10の振れが防止され、より安定的に熱融着が行われ得る。
【0055】
以上で本発明は、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明はこれにより限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と以下に記載する特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能である。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
【国際調査報告】