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特表2022-552669石灰泥から精製沈殿炭酸カルシウムを作製する方法背景
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】石灰泥から精製沈殿炭酸カルシウムを作製する方法背景
(51)【国際特許分類】
   C01F 11/18 20060101AFI20221212BHJP
   B03D 1/01 20060101ALI20221212BHJP
   B03D 1/08 20060101ALI20221212BHJP
   B03D 1/10 20060101ALI20221212BHJP
   B04C 5/26 20060101ALI20221212BHJP
   B03B 5/28 20060101ALI20221212BHJP
   D21C 11/04 20060101ALI20221212BHJP
   B01J 13/00 20060101ALI20221212BHJP
   B03D 101/02 20060101ALN20221212BHJP
   B03D 103/02 20060101ALN20221212BHJP
【FI】
C01F11/18 A ZAB
B03D1/01
B03D1/01 100
B03D1/08 100
B03D1/10
B04C5/26
B03B5/28 B
D21C11/04 C
B01J13/00 B
B03D101:02
B03D103:02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522406
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020056012
(87)【国際公開番号】W WO2021080870
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/924,563
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502159859
【氏名又は名称】スペシャルティ ミネラルズ (ミシガン) インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン、コックス
(72)【発明者】
【氏名】マーク、デイグル
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー、サンマルコ
【テーマコード(参考)】
4D053
4D071
4G065
4G076
4L055
【Fターム(参考)】
4D053AA03
4D053AB04
4D053BA05
4D053BB02
4D071AA53
4D071CA01
4D071DA08
4G065AA07
4G065CA12
4G065EA01
4G065EA03
4G065EA06
4G076AA16
4G076AB09
4G076AB26
4G076BA34
4G076BB08
4G076BC02
4G076BC07
4G076BC08
4G076BD02
4G076CA02
4G076CA22
4G076CA26
4G076CA28
4G076DA02
4G076DA30
4L055AG12
4L055EA16
4L055EA20
4L055EA24
4L055EA25
4L055EA26
4L055EA31
4L055EA32
4L055FA30
(57)【要約】
精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法は、石灰泥ケーキを水および炭酸ナトリウムと混合して第1のスラリーを形成すること、第1のスラリーを、スラリーを熟成させ、かつピルソナイト、ショータイト、およびゲイラサイトのうちの1つ以上を形成する条件下で加熱することと、熟成させたスラリーから、固形部分を分離することと、ピルソナイト、ショータイト、およびゲイラサイトのうちの1つ以上を、CaCO固形画分およびNaCO固形画分に分解し、かつナトリウム塩を除去するのに十分な条件下で、固形部分を洗浄することと、CaCO固形画分を水および分散剤と混合して、CaCO固形画分を水中に分散させ、100rpmで約1000cps未満のブルックフィールド粘度を有する分散スラリーを形成し、それにより、精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを生成することと、を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法であって、
石灰泥ケーキを、水および炭酸ナトリウムと混合して、第1のスラリーを形成することと、
前記第1のスラリーを、前記スラリーを熟成させ、かつピルソナイト、ショータイト、およびゲイラサイトのうちの1つ以上を形成する条件下で加熱することと、
熟成させた前記スラリーから、固形部分を分離することと、
前記ピルソナイト、ショータイト、およびゲイラサイトのうちの1つ以上をCaCO固形画分およびNaCO固形画分に分解し、かつナトリウム塩を除去するのに十分な条件下で、前記固形部分を洗浄することと、
前記CaCO固形画分を水および分散剤と混合して、前記CaCO固形画分を水中に分散させ、100rpmで約1000cps未満のブルックフィールド粘度を有する分散スラリーを形成し、それにより、前記精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記分散スラリーを、約0.4ミクロン~約5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
粉砕した前記スラリーのpHを、約9~約10.5のpHに調整することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記分散スラリーのpHを、約9~約10.5のpHに調整することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記スラリーを、約80℃~約100℃の温度に約2~約8時間加熱することを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のスラリーが、前記第1のスラリーの総重量に基づいて、約20重量%~約40重量%の炭酸ナトリウムおよび約5重量%~約40重量%の石灰泥ケーキを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記炭酸ナトリウムの溶液画分を収集することと、
pHを約9.5に低下させてシリカを沈殿させ、沈殿した前記シリカを濾別すること、または
除去した前記ナトリウム塩を、アルミン酸ナトリウム溶液と混合してアルミノシリケートを沈殿させ、沈殿した前記アルミノシリケートを濾別すること、により、収集された前記炭酸ナトリウム溶液画分から溶解したシリカを除去して、処理済炭酸ナトリウムを形成することと、をさらに含み、
前記処理済炭酸ナトリウムが、石灰泥から沈殿炭酸カルシウムを作製する引き続く方法での使用のためにリサイクルされる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法であって、
石灰泥ケーキを水および分散剤と混合して、100rpmで約1000cps未満のブルックフィールド粘度を有する第1のスラリーを形成することと、
前記第1のスラリーを、約0.4ミクロン~約5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕することと、
不純物粒子を含む遠心分離スラリーおよび精製炭酸カルシウムを含むペーストを得るのに十分な条件下で、粉砕した前記スラリーを相分離させることと、
前記ペーストを、水中で目標固形分含有量まで希釈し、それにより、前記精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを生成することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記分散スラリーのpHを約8~約10のpHに調整すること、および/または前記粉砕したスラリーのpHを約8~約10のpHに調整することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
相分離が、前記粉砕したスラリーを、約500g~約2000gのg力で約1分~約10分の滞留時間にわたって遠心分離することを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
相分離が、前記粉砕したスラリーを重力沈降させることを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
前記重力沈降が、約2~8時間の沈降時間にわたって、約2cm~約3000cmの沈降深さまで実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記分散スラリーを形成する前に、前記石灰泥ケーキを水と混合して第1のスラリーを形成することと、第1のスラリーを洗浄して、前記石灰泥ケーキ中に存在する苛性ソーダを除去することと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のスラリーが、約25重量%~約50重量%の固形分含有量を有する、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法であって、
石灰泥ケーキを水と混合して、第1のスラリーを形成することと、
前記第1のスラリーのpHを、約10~約11になるように調整することと、
約500~約2000gのg力を達成するのに十分な条件下で、前記第1のスラリーを、約1~約10分の滞留時間にわたって遠心分離して、不純物粒子および精製炭酸カルシウムを含むペーストを含む遠心分離スラリーを得ることと、
前記ペーストを水および分散剤と混合して、100rpmで約1000cps未満のブルックフィールド粘度を有しかつ前記精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを形成することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記分散スラリーを、約0.4ミクロン~約5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
粉砕した前記スラリーのpHを、約9~約10.5になるように調整することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記分散スラリーのpHを、約9~約10.5になるように調整することをさらに含む、請求項8~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のスラリーが、約10%~約25%の固形分含有量を有する、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法であって、
石灰泥ケーキを水と混合して、第1のスラリーを形成することと、
前記第1のスラリーのpHを、約8~約11になるように調整することと、
前記第1のスラリーを、シリケート浮選収集剤化合物と混合して、第2のスラリーを形成することと、
シリケート粒子不純物を含有する濃縮泡およびCaCOを含有するテールスラリーを形成するのに十分な条件下で、前記第2のスラリーを、浮選セルシステムにより処理することと、
前記テールスラリーを洗浄および分離して、過剰の可溶性塩を含有する液相および精製CaCOを含有するペーストにすることと、
前記ペーストを水と混合して、100rpmで約100cps未満の粘度を有し、かつ前記精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを形成することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記浮選セルシステムにより処理される前に、前記第1のスラリーが、約5%~約15%の固形分含有量まで形成されるか、または、前記第2のスラリーが、約5%~約15%の固形分含有量まで水で希釈される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記分散スラリーを、約0.4ミクロン~約5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕することをさらに含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
粉砕した前記スラリーのpHを、約9~約10.5になるように調整することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記分散スラリーのpHを、約9~約10.5になるように調整することをさらに含む、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のスラリーが、約20%~約25%の固形分含有量を有する、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記シリケート浮選収集剤化合物が、前記石灰泥ケーキの乾燥質量に基づいて、約0.1重量%~約0.3重量%の量で提供される、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記シリケート浮選収集剤化合物が、アミン系である、請求項20~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記シリケート浮選収集剤化合物が、一級アミン、ジアルキルアミン、三級アミン、および四級アミンのうちの1つ以上である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
シリケート浮選収集剤が、獣脂、ココアミン、ヒドロキシエチルアルキルイミダゾリン、ラウリルアミン、長鎖アルキルピリジニウム、およびn-アルキルトリメチルアンモニウムのうちの1つ以上である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記分散スラリーが、約25%~約50%の固形分含有量を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記分散剤が、ポリ(アクリル酸)ナトリウム、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ヒドロキシアクリル酸、および無水マレイン酸を含むモノマー単位のポリカルボン酸ホモポリマーもしくはコポリマーのうちの1つ以上である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記石灰泥ケーキが、パルプ工場廃棄生成物、甜菜生産副生成物、またはアセチレン生産の副生成物として生成される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
二酸化炭素ガスおよび/または二酸化炭素含有ガスでpHを調整することをさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーから、ブラックチャーを除去する方法であって、
ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第1のオーバーフローを形成し、かつ前記炭酸カルシウムを下部に留めて第1のアンダーフローを形成させるのに十分な条件下で、出発スラリーを、第1の液体サイクロンに流すことと、
ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第2のオーバーフローを形成し、かつ前記炭酸カルシウムを下部に留めて第2のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、前記第1のアンダーフローを第2の液体サイクロンに流すことと、
ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第3のオーバーフローを形成し、かつ前記炭酸カルシウムを下部に留めて第3のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、前記第1のオーバーフローを第3の液体サイクロンに流すことと、
前記第2のアンダーフローを、回収チャンバーに流すことと、
前記第2のオーバーフローを、前記第1の液体サイクロンに流すことと、
前記第3のアンダーフローを、前記第1の液体サイクロンに流すことと、
ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第4のオーバーフローを形成し、かつ前記炭酸カルシウムを下部に留めて第4のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、前記第3のオーバーフローを第4の液体サイクロンに流すことと、
前記第4のオーバーフローを、廃棄物容器に流すことと、
前記第4のアンダーフローを、前記第3の液体サイクロンに流すことと、を含む、方法。
【請求項35】
炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法であって、
ブラックチャー粒子を上部に上昇させてオーバーフローを形成し、かつ前記炭酸カルシウムを下部に留めてアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、出発スラリーを液体サイクロンに流すことと、
前記オーバーフローを廃棄に流すことと、
前記アンダーフローを回収チャンバーに流すことと、を含む、方法。
【請求項36】
炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法であって、
ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第1のオーバーフローを形成し、かつ前記炭酸カルシウムを下部に留めて第1のアンダーフローを形成させるのに十分な条件下で、出発スラリーを第1の液体サイクロンに流すことと、
ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第2のオーバーフローを形成し、かつ前記炭酸カルシウムを下部に留めて第2のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、前記第1のアンダーフローを第2の液体サイクロンに流すことと、
前記第1のおよび第2のオーバーフローを廃棄に流すことと、
前記第2のアンダーフローを回収チャンバーに流すことと、を含む、方法。
【請求項37】
炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法であって、
トラップタンクの中心でまたはその近くでの連続流入を使用して、前記出発スラリーを前記トラップタンクにロードすることと、
約0.1m/秒~約1.5m/秒の先端速度で約4~約10分の滞留時間にわたって、ブラックチャー粒子を前記トラップタンクの上部に上昇させ、かつ炭酸カルシウムを前記トラップタンクの下部に沈降させるのに十分な条件下で、攪拌機を使用して前記トラップタンク内で前記出発スラリーを攪拌することと、
前記炭酸カルシウムを、前記トラップタンクの前記底部から回収容器に送り出すことと、を含む、方法。
【請求項38】
前記滞留時間が、約6分~約10分である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記滞留時間が、約8分~約10分である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記先端速度が、約0.1m/秒~約0.2m/秒である、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法であって、
約1m/秒~約5m/秒の先端速度で攪拌機を用いて毎分約0.1リットル~毎分約2リットルの出発スラリー1リットル当たりの流量で前記出発スラリーにオゾン含有ガスを流すことを含み、前記ブラックチャーが、オゾンによって二酸化炭素ガスに酸化され、かつガス流で除去される、方法。
【請求項42】
前記オゾン含有ガス中のオゾンの濃度が、約2g/m~約50g/mである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記オゾン含有ガスが前記出発スラリーを通って流れる間に、前記出発スラリーが約40℃~約60℃の高温に加熱される、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記オゾン含有ガスが前記出発スラリーを通って流れる間に、前記出発スラリーのpHが10を超えるpHに調整される、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法であって、
前記出発スラリーを、発泡剤および浮選収集剤化合物と混合して、第2のスラリーを形成することと、
前記第2のスラリーを、浮選装置により、第2のスラリー1リットル当たり約1slpm~約3slpmの空気流下で、攪拌機で、約150m/分~約500m/分の先端速度で、約1分~約10分にわたり、前記浮選装置から溢れる泡および前記浮選装置中に残るテールスラリー、前記ブラックチャーを含む前記泡および前記炭酸カルシウムを含む前記テールスラリーと共に処理することと、
前記テールスラリーを収集し、前記テールスラリーを水に分散させて、前記炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを形成することと、を含む、方法。
【請求項46】
浮選収集剤が、約100~約1000ppmの量で存在する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記浮選収集剤化合物が、灯油またはディーゼル油のうちの1つ以上である、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
前記出発スラリーが、水および任意選択で分散剤に分散された石灰泥ケーキである、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記出発スラリーが、高比表面積不純物の除去のための処理後の炭酸カルシウムを含有する精製スラリーである、請求項34~48のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、廃棄生成物として生成された石灰泥ケーキを処理して沈殿炭酸カルシウムを生成する方法に関し、特に、廃棄生成物として生成された石灰泥ケーキを処理して、紙および板紙のフィラーおよび/または顔料としての使用に適した沈殿炭酸カルシウムを生成する方法に関する。
【0002】
関連技術の簡単な説明
紙および板紙の主成分は、種々の機械的および/または化学的パルプ化プロセスによって木材または他の植物源から生成されるセルロースパルプ繊維である。製紙業界で使用される主な化学パルプ化プロセスは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、および硫化ナトリウムを消化プロセス工程において使用して、非セルロース系材料をセルロース系パルプ繊維から抽出および分離する、アルカリ「クラフト」プロセスである。とりわけ、パルプ化における別の一般的なバリエーションは、硫化ナトリウムを用いないことであり、これは苛性パルプ化として知られている。
【0003】
パルプ化プロセスの運転効率および経済効率を最大化するために、化学物質は可能な限り回収され、再利用される。この化学的回収プロセスでは、一部のパルプ化作業には石灰窯が含まれる。石灰窯は、苛性化と呼ばれるプロセスにおいて「緑液」と組み合わせられる(不活性化される)石灰(CaO)を生成するように機能する。緑液は、パルプ化と苛性化の間のパルプ化プロセスに由来する。石灰窯がない場合は、市販の石灰(CaO)を購入し、苛性化回路のシングルパスで使用する。
【0004】
緑液の主成分は炭酸ナトリウムであり、石灰と炭酸ナトリウムとの反応により、次の反応工程によって水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)および炭酸カルシウム(CaCO)が生成される。
CaO+HO→Ca(OH) (1)
Ca(OH)+NaCO→CaCO+2NaOH (2)
【0005】
工程2で生成された炭酸カルシウムは、業界では「石灰泥」と呼ばれ、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)溶液は「白液」と呼ばれる。工程2の反応条件により、石灰泥が、白液の流れからすばやく分離し得る比較的大きな粒子として沈殿する。洗浄および濾別の後、石灰泥は、存在する場合は石灰窯にリサイクルされるか、または埋め立て地に廃棄される。実際には、システムには多くの場合、リサイクルされた石灰泥および一部の埋め立てられたパージされた石灰泥の両方が含まれる。
【0006】
紙および板紙製品は、他の鉱物顔料と比較したその本質的に優れた白色度および明度のために、粉砕石灰石もしくはフィラーとして合成的に沈殿されたものから生成される微粒子として、および/またはコーティング顔料として、炭酸カルシウムを含むことがよくある。炭酸カルシウムを含有するにもかかわらず、石灰泥は、概して、紙および板紙におけるフィラーおよび/またはコーティング顔料としての使用には適さない。石灰泥は、比較的低い白色度および明度を有する。さらに、石灰泥は、残存苛性ソーダに起因して、概して大きな粒子径および高いpHを有する。葦および藁などの非木材種をパルプ化して生成された石灰泥は、上昇したレベルの高表面積の珪質鉱物をしばしば含有しみ、これらは石灰泥粒子の比表面積を増加させて、石灰泥粒子を従来の製紙におけるフィラーとしての使用には適しないようにする。
【0007】
石灰泥の別の欠点は、チャーの黒い粒子が石灰泥粒子と混ざり合い得ることである。ブラックチャーは、回収ボイラー中での燃焼から発生し得、これは緑液に運ばれ得、そして最終的には、緑液の苛性化から生成された石灰泥に運ばれ得る。黒い斑点を生じ得るブラックチャーは、紙での使用を目的とした白色顔料では、非常に望ましくない。これらの理由から、石灰泥は、苛性化工程で再利用するために石灰窯で再燃焼されて酸化カルシウム(CaO)を生成しない場合、埋め立て地に廃棄される。石灰泥をリサイクルする場合でも、(i)パルプ化能力を高めるため、または(ii)非プロセス要素のシステムをクリーンアップしてプロセス効率を向上させるために、より多くの石灰泥をパージすることが有利な場合がある。
【発明の概要】
【0008】
石灰泥が、埋め立てられるのとは反対に、処理されて紙および板紙のフィラーおよび/またはコーティング顔料として使用するのに適切になり得るならば、有益であろう。また、このことは、製紙工場で購入した石灰の総利用率を改善し、購入した鉱物充填物および/またはコーティング顔料の消費量を削減するであろう。さらに、この石灰泥を実施可能な新しい生成物に精製することは、廃棄物を最小限に抑え、かつ材料の再利用、リサイクル、または転用により資源の使用がより効率的であるサーキュラーエコノミーをサポートする企業によるグローバルな取り組みをサポートする。
【0009】
本開示の実施形態によれば、精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法は、石灰泥ケーキを水および炭酸ナトリウムと混合して第1のスラリーを形成することと、第1のスラリーを、スラリーを熟成させ、かつピルソナイト、ショータイト、およびゲイラサイトのうちの1つ以上を形成する条件下で加熱することと、熟成させたスラリーから、固形部分を分離することと、ピルソナイト、ショータイト、およびゲイラサイトのうちの1つ以上を、CaCO固形画分およびNaCO固形画分に分解し、かつナトリウム塩を除去するのに十分な条件下で、固形部分を洗浄することと、CaCO固形画分を水および分散剤と混合して、CaCO固形画分を水中に分散させ、100rpmで約1000cps未満のブルックフィールド粘度を有する分散スラリーを形成し、それにより、精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを生成することと、を含み得る。
【0010】
本開示の実施形態によれば、精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法は、石灰泥ケーキを水および分散剤と混合して、100rpmで約1000cps未満のブルックフィールド粘度を有する第1のスラリーを形成することと、第1のスラリーを、約0.4ミクロン~約5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕することと、不純物粒子を含む遠心分離スラリーおよび精製炭酸カルシウムを含むペーストを得るのに十分な条件下で、粉砕したスラリーを相分離することと、ペーストを、水中で目標固形分含有量まで希釈し、それによって精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを生成することと、を含み得る。
【0011】
本開示の実施形態によれば、精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法は、石灰泥ケーキを水と混合して、第1のスラリーを形成することと、第1のスラリーのpHを、約10~約11になるように調整することと、約500~約2000gのg力を達成するのに十分な条件下で、第1のスラリーを、約1~約10分の滞留時間にわたって遠心分離することにより、不純物粒子および精製炭酸カルシウムを含むペーストを含む遠心分離スラリーを得ることと、ペーストを水および分散剤と混合して、100rpmで約1000cps未満のブルックフィールド粘度を有し、かつ精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを形成することと、を含み得る。
【0012】
本開示の実施形態によれば、精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法であって、石灰泥ケーキを水と混合して、第1のスラリーを形成することと、第1のスラリーのpHを約8~約11になるように調整することと、第1のスラリーをシリケート浮選収集剤化合物と混合して、第2のスラリーを形成することと、シリケート粒子不純物を含有する濃縮泡およびCaCO3を含有するテールスラリーを形成するのに十分な条件下で、第2のスラリーを、浮選セルシステムにより処理することと、テールスラリーを洗浄および分離して、過剰の可溶性塩を含有する液相および精製CaCO3を含有するペーストにすることと、ペーストを水と混合して、100rpmで約100cps未満の粘度を有し、かつ精製沈殿炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを形成すること。
【0013】
本開示の実施形態によれば、炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーから、ブラックチャーを除去する方法は、ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第1のオーバーフローを形成し、かつ炭酸カルシウムを下部に留めて第1のアンダーフローを形成させるのに十分な条件下で、出発スラリーを、第1の液体サイクロンに流すことと、ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第2オーバーフローを形成し、かつ炭酸カルシウムを下部に留めて第2のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、第1のアンダーフローを第2の液体サイクロンに流すことと、ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第3のオーバーフローを形成し、かつ炭酸カルシウムを下部に留めて第3のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、第1のオーバーフローを第3の液体サイクロンに流すことと、第2のアンダーフローを、回収チャンバーに流すことと、第2のオーバーフローを、第1の液体サイクロンに流すことと、第3のアンダーフローを、第1の液体サイクロンに流すことと、ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第4のオーバーフローを形成し、かつ炭酸カルシウムを下部に留めて第4のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、第3のオーバーフローを第4の液体サイクロンに流すことと、第4のオーバーフローを、廃棄物容器に流すことと、第4のアンダーフローを、第3の液体サイクロンに流すことと、を含み得る。
【0014】
本開示の実施形態によれば、炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法は、ブラックチャー粒子を上部に上昇させてオーバーフローを形成し、かつ炭酸カルシウムを下部に留めてアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、出発スラリーを液体サイクロンに流すことと、オーバーフローを廃棄に流すことと、アンダーフローを回収チャンバーに流すことと、を含み得る。
【0015】
本開示の実施形態によれば、炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法は、ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第1のオーバーフローを形成し、かつ炭酸カルシウムを下部に留めて第1のアンダーフローを形成させるのに十分な条件下で、出発スラリーを第1の液体サイクロンに流すことと、ブラックチャー粒子を上部に上昇させて第2のオーバーフローを形成し、かつ炭酸カルシウムを下部に留めて第2のアンダーフローを形成するのに十分な条件下で、第1のアンダーフローを第2の液体サイクロンに流すことと、第1のおよび第2のオーバーフローを廃棄に流すことと、第2のアンダーフローを回収チャンバーに流すことと、を含み得る。
【0016】
本開示の実施形態によれば、炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法は、トラップタンクの中心でまたはその近くでの連続流入を使用して、出発スラリーをトラップタンクにロードすることと、約0.1m/秒~約1.5m/秒の先端速度で約4~約10分の滞留時間にわたって、ブラックチャー粒子をトラップタンクの上部に上昇させ、かつ炭酸カルシウムをトラップタンクの下部に沈降させるのに十分な条件下で、攪拌機を使用してトラップタンク内で出発スラリーを攪拌することと、炭酸カルシウムを、トラップタンクの底部から回収容器に送り出すことと、を含み得る。
【0017】
本開示の実施形態によれば、炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法は、約1m/秒~約5m/秒の先端速度で攪拌機を用いて毎分約0.1リットル~毎分約2リットルの出発スラリー1リットル当たりの流量で出発スラリーにオゾン含有ガスを流すことを含み、ブラックチャーが、オゾンによって二酸化炭素ガスに酸化され、かつガス流で除去される。
【0018】
本開示の実施形態によれば、炭酸カルシウムおよびブラックチャーを含有する出発スラリーからブラックチャーを除去する方法は、出発スラリーを発泡剤および浮選収集剤化合物と混合して、第2のスラリーを形成することと、第2のスラリーを、浮選装置により、第2のスラリー1リットル当たり約1slpm~約3slpmの空気流下で、攪拌機で、約150m/分~約500m/分の先端速度で、約1分~約10分にわたり、浮選装置から溢れる泡および浮選装置中に残るテールスラリー、ブラックチャーを含む泡および炭酸カルシウムを含むテールスラリーと共に処理することと、テールスラリーを収集し、テールスラリーを水に分散させて、炭酸カルシウムを含有する分散スラリーを形成することと、を含み得る。
【0019】
ブラックチャーを除去する方法の前述の実施形態のいずれにおいても、出発スラリーは、精製沈殿カーボネート生成物のスラリーであり得る。例えば、出発スラリーは、本明細書に開示される方法のいずれかから生じる精製沈殿カーボネート生成物のスラリーであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本開示の実施形態によるトラップタンクの概略図である。
図1B】本開示の実施形態によるトラップタンクの概略図である。
図2】廃棄物中のブラックチャーを除去するための4つの液体サイクロンを示す簡略化されたフロースキームである。
図3】石灰泥サンプルの電界放出型走査電子顕微鏡画像を、2つの倍率で示す。高いほうの倍率は、不純物(板状および非常に細かい粒子)が炭酸カルシウム凝集体内にどのように埋め込まれているかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施形態による石灰泥を処理する方法は、一連の化学的および機械的処理を含み得る。本開示による方法は、石灰泥廃棄生成物を、紙および板紙製品においてフィラーおよび/または顔料として使用するのに適した径および純度の粒子に処理し、かつ、鉱物シリケートおよび黒色炭素質材料などの望ましくない無機種を除去する。フィラーまたは顔料としての使用に一般的に適する沈殿炭酸カルシウムは、約0.5μm~約5μmのメジアン粒子径分布、約3m/g~約20m/gの比表面積、約80を超えるISO明度のうちの1つ以上を有し得、かつ、可視ブラックチャーを有しない。特に断りのない限り、本明細書では、得られた沈殿炭酸カルシウムのメジアン粒子径分布は、Horiba LA-950などのレーザー光散乱装置を使用して測定される。粒子径測定のサンプル準備では、ポリ(アクリル酸)などの分散剤ポリマーとの混合、その後の超音波処理を含む。
【0022】
本開示に従って石灰泥から沈殿炭酸カルシウムを作製する方法は、高い比表面積を有する不純物の除去および可視ブラックチャーの除去の一方または両方を含み得る。高い比表面積を有する不純物の除去または還元および可視ブラックチャーの除去によって沈殿炭酸カルシウムを作製する方法は、2段階のプロセスを含み得る。実施形態では、本開示の方法は、高比表面積の材料を除去して、精製沈殿炭酸カルシウムを生じ得る。実施形態では、方法は、精製沈殿炭酸カルシウムのさらなる精製のため可視ブラックチャーを除去するために、得られた精製沈殿炭酸カルシウムをさらに処理することを含み得る。実施形態では、本開示の方法は、ブラックチャーを除去して、精製沈殿炭酸カルシウムを生じ得る。
【0023】
高比表面積不純物には、シリケート、カルシウムシリケート水和物、ハイドロタルサイト様化合物、アルミン酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびアモルファスシリケートのうちの1つ以上を含み得る。高比表面積とは、一般に、20m/gを超える比表面積を有する不純物粒子を意味する。例えば、高比表面積材料は、20m/g超~100m/g以上の表面積を有し得る。例えば、そのような高表面積材料の典型的な表面積は、約40m/g~約60m/gである。
【0024】
ブラックチャーは、石灰泥中に存在し得る黒色炭素質物質である。石灰泥の供給源によっては、高比表面積不純物およびブラックチャーの両方を除去するために、石灰泥を処理する必要があり得る。あるいは、ブラックチャーの除去のみが必要であり得る。高比表面積材料の除去方法と組み合わせて使用する場合、ブラックチャーの除去は、高比表面積材料の除去後に行い得る。概して、ブラックチャーの除去は、残存する可視ブラックチャーがない点まで実施される。
【0025】
本開示の実施形態は、1つ以上の浮選セル法、熱熟成法、および相分離法による高比表面積不純物の除去を含む。本開示の実施形態は、別々にまたは追加的に、液体サイクロン法、トラップタンク法、オゾン法、および浮選法のうちの1つ以上による可視ブラックチャーの除去を含み得る。任意の1つ以上の高比表面積不純物除去方法および可視ブラックチャー除去方法のうちの任意の1つ以上の任意の適切な組み合わせが利用され得る。
【0026】
本開示のいずれの方法においても、石灰泥ケーキは、紙クラフトパルプ工場、甜菜生産などの多くのプロセスにおける廃棄生成物、およびアセチレン生産の副生成物として生成され得る。石灰泥は、回収ボイラー精錬物からの石灰および緑液を反応させた反応生成物であり得る。精錬物は、クラフトプロセス黒液またはソーダプロセス(NSSC)黒液の燃焼から、または化学機械パルプ液(CMP、CTMP、APMP)から得られ得る。
【0027】
本明細書に開示される方法のいずれにおいても、石灰泥ケーキは、石灰泥ケーキを水と混合して第1のスラリーを形成し、第1のスラリーを洗浄して石灰泥ケーキ中に存在する苛性ソーダを除去することによって洗浄され得る。
【0028】
pH調整が行われる本開示の方法のいずれにおいても、二酸化炭素ガスおよび/または二酸化炭素含有ガスをスラリーに流すことによって、pHを低下させ得る。例えば、煙道ガスを使用し得る。他の適切なガスには、液化源などからの純粋な二酸化炭素ガス、希薄燃焼排ガス、エタノールまたは石油化学源からの二酸化炭素の副生成物が挙げられる。煙道ガスは、二酸化炭素含有量が約8%~約30%のボイラーまたは窯からのものであり得る。
【0029】
粉砕が行われる本開示の方法のいずれにおいても、粉砕は、微粉砕のための任意の公知の適切な方法によって達成し得る。例えば、スラリーは、ボールミル、サンドミル、およびメディアミルなどの様々な公知の粉砕技術によって粉砕され得る。例えば、スラリーは、ガラス、砂および/またはセラミックメディアを使用する垂直または水平に攪拌されるメディアミルを使用して粉砕され得る。メディアは、約0.5mm~約3mmのメジアン直径を有し得る。スラリーは、予想される最終用途に適した粒子径に粉砕される。例えば、石灰泥を処理して沈殿炭酸カルシウムを形成する場合、本開示の方法は、約0.5ミクロン~約5ミクロン、約1ミクロン~約2ミクロン、約0.5ミクロン~約1ミクロン、約3ミクロン~約5ミクロン、または約2ミクロン~約3ミクロンのメジアン粒子径への粉砕を含み得る。適切な径には、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、および5ミクロンのメジアン粒子径が挙げられる。
【0030】
浮選セル法
実施形態では、石灰泥から沈殿炭酸カルシウムを作製する方法は、石灰泥から高比表面積不純物を除去するための浮選セルの使用を含み得る。浮選セル技術は、平均粒子径が約50~500ミクロンのより大きな粒子径の不純物を除去するために、一般的に使用される。本開示による方法は、4~20ミクロンの粒子径などのより小さな粒子径の不純物を除去するための浮選セル技術の使用を可能にし得ることが有利に見出された。図3を参照すると、高表面積材料は、概して、凝集体として炭酸カルシウム結晶と結合している。驚くべきことに、この凝集物にもかかわらず、このような不純物の分離は、本開示の浮選セル法によって達成され得ることが見出された。当業者は、従来の浮選セル技術または遠心分離さえ使用して炭酸カルシウムを除去することなくまたは炭酸カルシウムに悪影響を与えることなく、そのような凝集物を分離する能力を期待しなかったであろう。
【0031】
この方法は、石灰泥ケーキを水と混合して第1のスラリーを形成し、pHを約8~約11、または約9~約10.5、または約8~約10または約8~約11に調整することを含み得る。他の適切なpH値には、約8、8.5、9、9.5、10、10.5、および11が挙げられる。次に、第1のスラリーをシリケート浮選収集剤化合物と混合して第2のスラリーを形成し得、第2のスラリーを水で希釈して、第2のスラリーの総重量に基づいて約5重量%~約15重量%の固形分含有量にし得る。あるいは、石灰泥ケーキを水と混合して第1のスラリーを形成する際に希釈を行うことにより、スラリーの総重量に基づいて約5重量%~約15重量%の固形分含有量を達成し得る。
【0032】
次に、第2のスラリーを、シリケート粒子不純物を含有する濃縮泡およびCaCOを含有するテールスラリーを形成するのに十分な条件下で、浮選セルシステムを通して処理し得る。
【0033】
テールスラリーを洗浄し、過剰の可溶性塩を含有する液相および精製されたCaCOを含有するペーストに分離し得るペーストを水および分散剤と混合して、100rpmで約1000cps未満の粘度を有する分散スラリーを形成し得る。
【0034】
精製沈殿炭酸カルシウム生成物は、分散スラリーを生じる。特定の用途に必要な場合、分散スラリーを約0.5ミクロン~5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕することができ、かつ/または粉砕後にpHがこの範囲外である場合、pHを約9~約10.5に調整し得る。
【0035】
実施形態において、シリケート浮選収集剤化合物を有する第1のスラリーは、スラリーの総重量に基づいて、約5重量%~約40重量%の固形分含有量に混合し得る。他の適切な範囲には、約5重量%~約20重量%、約5重量%~約10重量%、約20重量%~約25重量%、約30重量%~約40重量%が含まれる。他の適切な値には、第1のスラリーの総重量に基づいて、約5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、37、38、および40重量%が挙げられる。
【0036】
シリケート浮選収集剤化合物は、アミンベースの化合物であり得る。例えば、シリケート浮選収集剤は、一級アミン、ジアルキルアミン、三級アミン、および四級アミンのうちの1つ以上であり得る。特定の化合物の例には、獣脂、ココアミン、ヒドロキシエチルアルキルイミダゾリン、ラウリルアミン、長鎖アルキルピリジニウム、およびn-アルキルトリメチルアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。シリケート浮選収集剤化合物は市販されており、Flotigam(登録商標)3135(Clariant)、Flotigam(登録商標)K2C(Clariant)、Armak(登録商標)1019(Akzo Nobel Surface Chemistry,LLC)、MD 20763(Akzo Nobel)、CustAmine(登録商標)1208、(ArrMaz)およびTomamine(登録商標)DA-17(Evonik Industries)、Ethomeen(登録商標)(Akzo Nobel)、およびDuomac-T(登録商標)(Akzo Nobel)のうちの1つ以上が挙げられ得る。
【0037】
シリケート浮選収集剤化合物は、石灰泥ケーキの乾燥質量に基づいて、約0.1重量%~約0.3重量%の量で第1のスラリー中に提供され得る。
【0038】
熱熟成法
実施形態によれば、石灰泥から沈殿炭酸カルシウムを作製する方法は、炭酸ナトリウム中で石灰泥を熱熟成させて、高比表面積の不純物を低減することを含み得る。実施形態では、本方法は、石灰泥ケーキを、水、および炭酸ナトリウムと混合して第1のスラリーを形成し、第1のスラリーを、スラリーを熟成させ、かつピルソナイト(NaCa(CO3))、2HO、ショータイト(NaCa(CO)、およびゲイラサイト(NaCa(CO.5HO)のうちの1つ以上を形成する条件下で加熱することを含み得る。本方法は、熟成させたスラリーから固形部分を分離し、固形部分を、ピルソナイト、ショータイト、およびゲイラサイトのうちの1つ以上をCaCO固形画分およびNaCO溶液画分に分解し、かつナトリウム塩を除去する条件下で洗浄することをさらに含み得る。次いで、CaCO固形画分を、水および分散剤と混合して、CaCO固形画分を水中に分散させ、100rpmで約100cps未満のブルックフィールド粘度を有する分散スラリーを形成し得る。特に明記されていない限り、ここで報告されている粘度値は、ブルックフィールド粘度値である。CaCO固形画分は、例えば、製紙用途で使用するのに適した比表面積を有する精製沈殿炭酸カルシウムである。
【0039】
所望の用途に必要な場合、次いで、分散スラリーは、約0.5ミクロン~約5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕され得、かつ/または、pHは、約8~約11のpHに調整され得る。例えば、pHは、約9~約10、または約9~約10.5、または約8~約10、または約8~約11であり得る。他の適切なpH値には、約8、8.5、9、9.5、10、10.5、および11が挙げられる。
【0040】
実施形態では、プロセスは、熱熟成の前に第1のスラリーを洗浄することを含み得る。第1のスラリーは、例えば、フィルタープレス、浄化装置および/または回転式真空フィルターを使用して洗浄され得る。実施形態では、洗浄は水を使用して達成され得る。例えば、第1のスラリーの固形物の乾燥質量の約1~約5倍に等しい量の水が使用され得る。
【0041】
実施形態では、熱熟成は、スラリーを、約80℃~約130℃、約90℃~約100℃、約85℃~約95℃、または約80℃~約90℃の温度に加熱することによって行うことができる。他の適切な温度には、約80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、および130℃が挙げられる。
【0042】
実施形態では、スラリーは、約2時間~約8時間、約2時間~約4時間、約3時間~約7時間、約5時間~約8時間、または約3時間~約6時間エージングし得る。他の適切な時間には、約2、3、4、5、6、7、または8時間が挙げられる。
【0043】
実施形態では、第1のスラリーは、第1のスラリーの総重量に基づいて、約20重量%~約40重量%の炭酸ナトリウムを含み得る。他の適切な量の炭酸ナトリウムには、約25重量%~約40重量%、約30重量%~約35重量%、約20重量%~約30重量%、または約25重量%~約35重量%が挙げられる。例えば、第1のスラリーは、第1のスラリーの総重量に基づいて、約20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、または40重量%を含み得る。
【0044】
実施形態では、第1のスラリーは、第1のスラリーの総重量に基づいて、約5重量%~約30重量%の石灰泥を含み得る。他の適切な量の石灰泥には、約5重量%~約15重量%、約10重量%~約20重量%、約15重量%~約30重量%が挙げられる。例えば、第1のスラリーは、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30重量%を含み得る。
【0045】
実施形態では、固形部分は、熟成させたスラリーから分離された後、水で洗浄される。洗浄は、公知の装置を使用して、ケーキまたはペーストに水を通すことによって行い得る。例えば、フィルタープレスを使用し得る。あるいは、固形部分を水に再懸濁し得、分離プロセスを繰り返し得る。他の公知の洗浄技術および装置が使用し得る。
【0046】
実施形態では、プロセスで使用される炭酸ナトリウムは、その後の使用のためにリサイクルされ得る。ただし、プロセスでリサイクルする前に、炭酸ナトリウム中に存在する溶解したシリカをプロセスから除去する必要がある。これは、例えば、回収された炭酸ナトリウムのpHを約9.5に低下させてシリカを沈殿させ、任意の適切な濾過方法を使用して沈殿したシリカを濾別することによって行い得る。実施形態において、溶解したシリカは、回収された炭酸ナトリウムをアルミン酸ナトリウム溶液と混合してアルミノシリケートを沈殿させ、次いで、当該分野で公知の任意の適切な濾過方法を使用してアルミノシリケートを濾過することによって除去し得る。
【0047】
相分離法
実施形態によれば、精製沈殿炭酸カルシウムを石灰泥から作製する方法は、高比表面積の不純物を除去するための相分離の使用を含み得る。高比表面積の不純物を炭酸カルシウムから相分離し、除去して、精製沈殿炭酸カルシウム生成物を生成し得ることが有利に見出された。
【0048】
実施形態では、この方法は、石灰泥ケーキを水および分散剤と混合して、100rpmで約1000cps未満の粘度を有する分散スラリーを形成することと、分散スラリーのpHを約8~約10.5のpHになるように調整することとを含み得る。実施形態では、分散スラリーは、100rpmで約100cps未満の粘度を有し得る。この方法は、分散スラリーを、約0.5ミクロン~約5ミクロンのメジアン粒子径に粉砕することをさらに含み得る。粉砕後、必要に応じて、pHを約8~約10.5に再調整し得る。次に、この方法は、不純物粒子を含むスラリーおよび精製された炭酸カルシウムを含むペーストを得るのに十分な条件を使用して、粉砕したスラリー中で相分離を誘発することを含み得る。ペーストを遠心分離物から分離し、水に分散させて目的の固形分含有量にすることにより、沈殿炭酸カルシウムを生成し得る。
【0049】
実施形態では、本方法は、石灰泥ケーキを水と混合して第1のスラリーを形成することであって、第1のスラリーのpHが約10~約11に調整され得、次に、相分離を誘導して不純物を分離し、精製された炭酸カルシウムを含有するペーストを生成することを含み得る。次いで、ペーストを分離し、水および分散剤と混合して、100rpmで約1000cps未満の粘度を有する分散スラリーを形成し得る。実施形態では、分散スラリーは、100rpmで約100cps未満の粘度を有し得る。分散スラリーは、約0.5ミクロン~約5ミクロンの粒子径に粉砕することができ、pHは、約9~約10.5に調整し得る。相分離工程の後に粉砕が行われるそのような実施形態では、分散剤は第1のスラリーに必要ではなく、代わりに、精製沈殿炭酸カルシウムの分散スラリーを形成するときに添加し得ることが見出された。
【0050】
本明細書に開示される相分離法のいずれにおいても、遠心分離を相分離法として使用し得る。例えば、この方法は、約500~約2000gのg力を達成するのに十分な条件下で、約1~約10分の滞留時間にわたって粉砕したスラリーを遠心分離して、不純物粒子を含む遠心分離スラリーおよび精製炭酸カルシウムを含むペーストを得ることを含み得る。ペーストを、遠心分離物から分離し、精製沈殿カーボネート生成物の最終用途に応じて、目標の固形分含有量まで水に分散させ得る。
【0051】
本明細書に開示される相分離方法のいずれにおいても、重力分離または他の既知の相分離技術を使用して、炭酸カルシウムから不純物を相分離し得る。沈降時間および垂直方向の液体の深さなどの重力沈降パラメータは、所与のスラリーについて調整され得る。
【0052】
第1のスラリーは、スラリーの総重量に基づいて、約10重量%~約35重量%の固形分含有量を有し得る。他の適切な量には、約15重量%~約30重量%、約10重量%~約20重量%、約20重量%~約25重量%、または約10重量%~約30重量%が挙げられる。例えば、第1のスラリーは、約10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、または35重量%の固形分含有量を有し得る。
【0053】
前述の実施形態のいずれかにおいて、ペーストまたはスラリーを希釈して、精製沈殿炭酸カルシウムの分散スラリーを形成する場合、分散スラリーは、分散スラリーの総重量に基づいて、約25重量%~約50重量%の固形分含有量を有し得る。分散スラリーの総重量に基づく重量による他の適切な固形分含有量には、約25%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、または約40%~約50%が挙げられる。例えば、分散スラリーは、分散スラリーの総重量に基づいて、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、および50重量%の固形分含有量を有し得る。
【0054】
前述の実施形態のいずれかにおいて、分散剤は、ポリ(アクリル酸)ナトリウム、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ヒドロキシアクリル酸、および無水マレイン酸を含むモノマー単位のポリカルボホモまたはコポリマーのうちの1つ以上であり得る。
【0055】
ブラックチャーを除去するための液体サイクロン処理
液体サイクロン処理は、単独で、または高比表面積材料を除去して石灰泥からブラックチャーを除去するための任意の方法と組み合わせて使用し得る。高比表面積材料の除去方法と組み合わせて使用する場合、高比表面積材料の除去後にブラックチャーの除去を行い得る。
【0056】
上記のように、ブラックチャーの除去方法は、高比表面積不純物を除去するための処理から生じる沈殿炭酸カルシウムまたは石灰泥ケーキに対して実施され得る。高比表面積不純物を除去した後、精製沈殿炭酸カルシウムに使用される場合、得られる生成物は、概して、精製沈殿炭酸カルシウムと水および分散剤とのスラリーである。石灰泥ケーキと一緒に使用する場合、石灰泥ケーキを、任意選択で分散剤を用いて水に分散させて、ブラックチャー除去プロセスによって処理するためのスラリーを形成し得る。上記の分散剤のいずれかを使用し得る。参照を容易にするために、「ブラックチャー除去出発スラリー」という用語を本明細書中で使用し、高比表面積不純物が除去された前処理済の沈殿炭酸カルシウムのスラリーまたは石灰泥ケーキから形成されたスラリーを指すと理解される。
【0057】
水および分散剤ならびにブラックチャー不純物を有するブラックチャー除去出発スラリーを、直列および/または並列構成の1つ~4つの液体サイクロンを含む装置に通過させ得る。スラリーが装置を通過すると、ブラックチャー不純物がスラリーの上部に浮き、除去され得る。図2を参照すると、例えば、4つの液体サイクロンを有する実施形態では、プロセスは、スラリーを第1の液体サイクロンに通すことを含み得、ここで、オーバーフロー(より軽い粒子)は第3の液体サイクロンに移動し、アンダーフロー(より重い粒子)は第2の液体サイクロンに移動する。第2の液体サイクロンでは、オーバーフローは第1の液体サイクロンに移動する一方、アンダーフローは回収チャンバーに移動する。第3の液体サイクロンでは、オーバーフローは第4の液体サイクロンに移動し、アンダーフローは第1の液体サイクロンに移動する。第4の液体サイクロンでは、オーバーフローは廃棄に移動し、アンダーフローは第3の液体サイクロンに移動する。
【0058】
ブラックチャー除去のためのトラップタンク処理
液体サイクロン処理の代わりに、トラップタンク処理を利用してブラックチャーを除去し得る。図1Aおよび1Bを参照すると、トラップタンクの概略画像が示されている。トラップタンクは、概して円錐形を有し得る。図1Aおよび1Bに示される実施形態では、トラップタンクは、円錐台形状の底部に配置された上部円筒形部分を有する。トラップタンクは、オーバーフローバルブ、回転ブレード、および出口をさらに含み得る。オーバーフローバルブは、スラリーがトラップタンクに供給されるトラップタンクの上部領域に配置されて、出力速度よりも高い供給速度を有することなどから生じ得るオーバーフローを収集し得る。理論に拘束されることを意図しないが、トラップタンク設計は、スラリーの遅い下向きの流れに対して、ブラックチャースラリー中で表面に向かって上向きに移動する傾向のバランスをとると考えられている。スラリーの表面近くでの攪拌は、石灰泥粒子からのブラックチャーの分離を促進する。
【0059】
図1Aおよび1Bに示されるような実施形態では、円筒形部分は、供給タンクまたは他のレセプタクルからブラックチャー除去出発スラリーを供給するための供給ライン、およびスラリーがトラップタンクに供給されると、それを攪拌するための円筒形部分の下部に配置された回転ブレードを含み得る。トラップタンク内のスラリーが攪拌されるにつれて、ブラックチャーの不純物が表面に浮き上がり、精製されたサンプルがタンクの底に残る。トラップタンクの底に出口ポンプを組み込んで、精製されたサンプルを回収し得る。実施形態では、システムは、トラップタンクへの供給物およびトラップタンクからの精製されたサンプルの一定または実質的に一定の流れを維持するように運転され得る。実施形態では、この方法は、回収されたサンプルをトラップタンクに1回以上、2回以上、3回以上、4回以上、または5回以上通すことを含み得る。例えば、約1~約3回、約2~5回、約1~4回、および約1~5回。供給/回収されたサンプルが、一旦、トラップタンクを所望の回数通過させられると、それは回収チャンバー内に収集され得る。必要に応じて、回収された生成物をさらに処理して、pHを調整すること、および/または固形分含有量を調整することなどにより、フィラーまたは顔料としての使用により適したものにし得る。
【0060】
攪拌機は、平らな円盤状のブレード、分散ブレード、および/または鋸刃のインペラであり得る。攪拌機は、スラリー中で層流を達成し得る任意のブレードであり得る。実施形態では、攪拌機は、トラップタンクの円筒形セクションの直径の約0.4~約0.95倍に等しい直径を有するカウルズブレードであり得る。
【0061】
攪拌機は、層流を維持しながら、約0.1~約1.5m/秒の先端速度で回転し得る。
【0062】
実施形態では、スラリーは、タンク中で約2~約10分、約5~約8分、約4~約6分、約3~約7分、または約2~約9分の滞留時間を有し得る。他の適切な滞留時間には、約2、3、4、5、6、7、8、9、または10分が挙げられる。
【0063】
ブラックチャー除去のためのオゾン法
実施形態では、ブラックチャーは、ブラックチャー除去出発スラリーをオゾン処理に曝すことによって除去され得る。ブラックチャー除去出発スラリーは、前述の方法のいずれかから生じる精製形態の沈殿炭酸カルシウムであり得るか、またはそれを含み得る。ブラックチャー除去出発スラリーを攪拌しながら、オゾンへの曝露を行い得る。理論に拘束されることを意図しないが、オゾンはブラックチャーを二酸化炭素に酸化し、それが次いでガス流中で除去されると考えられている。
【0064】
ブラックチャー除去出発スラリーを通してオゾンを生成および流すための、任意の適切な装置を使用し得る。生成装置は、紫外線、放電または電気分解を使用し得る。オゾンは、流れる空気もしくは純粋な酸素、またはその2つの混合物の中で生成され得る。空気または酸素は、石灰泥スラリー1リットル当たり約0.1~約2リットル/分のオゾン含有ガスの流量で流され得る。例えば、毎分約1リットルの乾燥空気流を使用して、固形分10%の石灰泥スラリー675mLを処理し得る。空気または酸素流中のオゾンの濃度は、約2g/m~50g/m、約25g/m~約50g/m、約5g/m~約12g/m、約2g/m~約15g/m、約8g/m~約15g/m、または約35g/m~約45g/mの範囲内であり得る。他の適切な濃度には、約2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30 32、34、36、38、40、42、44、46、48、および50g/mが挙げられる。
【0065】
本プロセスは、液体とのガス接触を最大化するのに適した任意の攪拌機設計を使用して実施され得る。例えば、ラジアルフローまたはラシュトンインペラは、約1m/秒~約5m/秒の先端速度で使用され得る。オゾン反応は、高温および高pHで実施され得る。例えば、40℃の温度を使用できる。例えば、約40℃~約80℃、約50℃~約60℃、約40℃~約60℃、約50℃~約70℃、または約45℃~約65℃の温度が使用され得る。例えば、pH10を超えるまたはpH11を超えるpHを使用し得る。オゾンとのより高い反応速度は、より高い温度とpHのこれらの条件で達成され、したがって、容器内でのより短い反応時間を可能にする。
【0066】
ブラックチャーを除去するための浮選法
実施形態では、ブラックチャーは浮選を使用して除去し得る。ブラックチャー除去出発スラリーは、発泡剤および浮選収集剤化合物と混合され得る。混合物は、1~10分間の気流下で、泡が溢れるときに泡を収集しながら、約150m/分~約500m/分、約200m/分~約350m/分、約300m/分~約400m/分、または約150m/分~約250m/分の先端速度で混合され得る。ブラックチャーは、泡で取り除かれる。残りのテールスラリーは、精製沈殿炭酸カルシウムを含有していた。
【0067】
適切な発泡剤には、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、アミルアルコール、クレゾールおよびテルピネオールなど、5~10個の炭素原子を有する炭化水素鎖を有する標準アルコールが挙げられる。ポリアルコキシエーテルおよびポリグリコールエーテルなどの他の発泡剤タイプも使用され得る。1つ以上の発泡剤の任意の組み合わせが使用され得る。発泡剤は、石灰泥の乾燥質量当たり10~250ppm、または約10ppm~約100ppm、約100ppm~約250ppmの発泡剤のレベルで使用され得る。他の好適な値は、石灰泥の乾燥重量当たり約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70 75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225および250ppの発泡剤が挙げられる。
【0068】
適切な浮選収集剤化合物には、灯油、またはディーゼル油などの他の油性の水と混和しない化合物が含まれる。収集剤は、石灰泥の乾燥質量当たり100~1000ppm、200~500ppm、約150~約350ppm、または約700ppm~約1000ppmの収集剤で使用され得る。他の適切な値には、約100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、925、950、975、および1000ppmの収集剤が挙げられる。
【0069】
空気の流れは、約1標準リットル/分(SLPM)~約6SLPM、約3SLPM~約5SLPM、約1SPLM~約2SLPM、または約4SLPM~約6SLPMであり得る。他の適切な流量には、約1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.8、および6SLPMが挙げられる。
【0070】
本明細書の実施形態のいずれかにおいて、ブラックチャーの除去のためにさらに処理されるかどうかにかかわらず、沈殿炭酸カルシウム生成物および/またはスラリーは、沈殿炭酸カルシウムを所与の製紙用途用のフィラーとしておよび/または顔料として使用するための適切な配合物に配合するための任意の添加剤と混合され得る。
【実施例
【0071】
実施例1:炭酸ナトリウムの熱熟成(HA)
石灰泥を処理して、出発物質と比較して減少した比表面積および減少した不純物含有量を有する沈殿炭酸カルシウム材料を得た。石灰泥ケーキを、パルプ工場からの廃棄生成物として得た。石灰泥ケーキを、10~20%の炭酸カルシウム固形分含有量で25~30%の炭酸ナトリウム溶液中にスラリー化した。特に、1kgのスラリー中では、200gのCaCO(20%CaCO)、240gのNaCO3、560gのHO(30%NaCO)。
【0072】
次に、スラリーを100℃で8時間加熱熟成して、混合塩であるピルソナイト(NaCa(CO・5HO)を形成した。熱熟成工程なしのプロセスの比較を実施し、結果を以下の表に概説する。
【0073】
次いで、ブフナー漏斗および紙を使用した真空濾過により、スラリーを濾過するか、または固相および液相に分離した。ブフナー漏斗内で、ケーキを3部分の水で洗浄したが、各部分は、元の石灰泥ケーキの固形質量と等しかった。固形分を、除去した水で洗浄してナトリウム塩を除去したが、これは、任意選択で、プロセスの開始にリサイクルされ得る。この洗浄はまた、ピルソナイトを分解してCaCOおよびNaCOに戻した。
【0074】
化学分散剤としてナトリウムポイル(アクリル酸)を使用して、CaCO固形物を分離し、固形分35%で水中に分散させた。分散剤を使用して、スラリーの粘度を、100rpmで約100cps未満のブルックフィールド粘度まで低下させた。
【0075】
粉砕したスラリーのpHを、約9のpHに調整した。
【0076】
炭酸ナトリウム溶液をリサイクルするには、溶解したシリカを最初に除去し、洗浄水を分離する必要がある。シリカは、次のいずれかによって除去され得る。1)二酸化炭素ガスでpHを約9.5に低下させて沈殿したシリカを形成し、次にこれを濾別するか、または、2)アルミン酸ナトリウム溶液を用いたアルミノシリケートとしての沈殿、これもまた濾別される。水は、蒸発または逆浸透などの膜プロセスによって除去され得る。
【0077】
熱熟成によって形成された、得られた沈殿炭酸カルシウムは、熟成工程なしの処理と比較して、比表面積および存在する二酸化ケイ素の量の有意な減少を示した。
【表1】
【0078】
実施例2:相分離を使用した不純物の除去
パルプ工場からの廃棄生成物として得られた石灰泥ケーキを、固形分20%で水中にスラリー化した。洗浄サイクルを備えたフィルタープレスを使用してスラリーを処理し、パルプミルから過剰の白液を除去した。フィルタープレスを使用して、最初に20%固形分のスラリーからケーキを形成し、次いで、水をケーキに通した。洗浄サイクルを、乾燥固形物の質量の4倍の量の水を使用して実施した。
【0079】
洗浄したケーキを、化学分散剤としてポリ(アクリル酸)ナトリウムを使用して、固形分20%で水に分散させた。得られた分散スラリーは、100rpmで約10cpsの粘度を有していた。
【0080】
次いで、分散スラリーを約15%の二酸化炭素含有量の燃焼排ガスでガス処理して、pHを約10.5のpHに下げた。
【0081】
次いで、pH調整されたスラリーを、紙の充填またはコーティング顔料として使用するのに適切な所望の粒子径に粉砕した。本実施例では、pH調整されたスラリーを、連続的にかつその中を通るシングルパスで運転する垂直メディアミルを使用して粉砕した。得られた粉砕メジアン粒子径は、約3.5ミクロンであった。
【0082】
粉砕したスラリーのpHを、二酸化炭素ガスで9.5のpHにガス処理することによって再び調整した。次いで、スラリーを1400~1500rpmで連続的に遠心分離し(表を参照)、4.8~8.4分の滞留時間で713または819gのg力を得た。微粒子不純物を含有する遠心分離物を除去し、精製された生成物を含有するペーストを、さらなる処理のために分離した。
【0083】
上記の方法で4つのサンプルを調製し、各サンプルから得られたペーストは、下の表に示される固形分含有量を有していた。得られた沈殿炭酸カルシウムは、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、および鉄などの不純物元素の大幅な削減を有した。出発窯石灰泥と比較した、比表面積およびSiO含有量の減少を以下に示す。
【表2】
【0084】
実施例3:粉砕前の石灰泥の相分離を使用した不純物の除去
パルプ工場からの廃棄生成物として得られた石灰泥ケーキを、固形分20%で水中にスラリー化した。洗浄サイクルを備えた水平フィルタープレスを使用して、液相中の過剰な白液を除去するためにスラリーを処理した。フィルタープレスを使用して、最初に20%固形分のスラリーからケーキを形成し、それによって65%固形分のケーキを得、次いで、水をケーキに通した。洗浄サイクルを、乾燥固形物の質量の4倍の量の水を使用して実施した。
【0085】
得られた洗浄ケーキを固形分23%で水中にスラリー化し、次いで、燃焼排ガスを含有する二酸化炭素でガス処理することにより、pHを10.9に下げるように処理した。
【0086】
次いで、pH調整されたスラリーを1300rpmで連続的に遠心分離して、表に示されるように滞留時間を変化させて615のg力を得た。微粒子不純物を含有する遠心分離物を除去し、さらなる処理のために、精製された生成物を含有するペーストを分離した。
【0087】
得られた遠心ペーストを、分散剤としてポリ(アクリル酸)ナトリウムを使用して、固形分30%で水に分散させた。分散スラリーのブルックフィールド粘度は、100rpmで13cpsであった。以下の表に示すように、上記の方法で4つのサンプルを調製した。
【0088】
得られた生成物は、より少ないケイ素、アルミニウム、マグネシウムおよび鉄などの不純物元素を有した。また、それは、低減されたケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイトおよびブラックチャーなどの不純物相、ならびにより低い比表面積も有した。
【表3】
【0089】
実施例4:重力沈降を使用した不純物の除去
粉砕後に遠心分離の代わりに重力沈降プロセスを利用したことを除いて、実施例2のプロセスを繰り返した。特に、実施例2の遠心分離工程は、以下に特定される示された液体の高さおよび沈降時間で試験管円筒形容器内に沈降することを可能にすることによって置き換えられた。指定された沈降時間の後、上層を流し出し、除去し、下層を試験した。
【0090】
重力沈降法により、比表面積がいくらか減少した。これは、シリケートなどの不純物の減少が原因であると考えられていた。
【表4】
【0091】
実施例4:石灰泥から不純物を除去するための浮選
パルプ工場からの廃棄生成物として得られた石灰泥ケーキを、固形分20%で水中にスラリー化した。次いで、スラリーを純粋な二酸化炭素でガス処理して、pHを表に示されているpH値まで下げた。
【0092】
シリケート特有の浮選収集として、Flotigam(登録商標)3135(CLARIANT)またはCustAmine(登録商標)1208(ARRMAZ)をpH調整されたスラリーに添加した。下の表は、石灰泥の乾燥質量に基づく投与量を示している。
【0093】
次いで、スラリーを水で8重量%の固形分に希釈し、浮選セルシステムによって処理して、シリケート粒子不純物を含有する濃縮泡および精製された生成物を含有するテールスラリーが得られた。
【0094】
次いで、テールスラリーを濾過して、真空フィルターおよび紙を使用して液相中の過剰な可溶性塩を除去した。処理の結果、精製されたCaCOを含有するペーストが得られた。
【0095】
得られた生成物は、ケイ素、アルミニウム、マグネシウムおよび鉄などの不純物の少ない元素を含有していた。また、ケイ酸カルシウムおよびハイドロタルサイトなどの不純物相が減少し、比表面積が低くなった。下の表は、この方法で達成されたSiOの削減を示す。
【表5】
【0096】
実施例5:液体サイクロン処理によるブラックチャーの除去
水中の30%炭酸カルシウム、分散剤としてのナトリウムポリル(アクリル酸)、およびブラックチャー不純物からなる最終生成物スラリーをさらに処理して、ブラックチャー不純物を除去した。スラリーの粘度は40cpsであった。スラリーを、4つの液体サイクロン(HC)を含む装置により処理した。スラリーを通過させるにつれて、ブラックチャー不純物がスラリーの上部に浮き、精製された回収生成物から処理または分離され得る(図2を参照)。各HCのオーバーフロー(軽い粒子)およびアンダーフロー(重い粒子)は、次のように次のHCに流れる。
【表6】
【0097】
定性的観察により、HC2アンダーフローは供給生成物よりもブラックチャーが少ないことが示された。
【0098】
実施例6:トラップタンクによるブラックチャーの除去
図1Aおよび1Bに図示するトラップタンクを使用して、水中の34.8%の炭酸カルシウム、分散剤としてのナトリウムポイル(アクリル酸)、およびブラックチャー不純物を含有する最終生成物のスラリーから、ブラックチャーを分離した。スラリーを、100rpmで20cpsのブルックフィールド粘度を有していた。
【0099】
トラップタンク内の供給ラインは、ブレード上のスラリーの保持時間を最大化するために、攪拌機の中心近くのスラリーレベルのすぐ上に配置された。トラップタンク内で一定のレベルが維持されるように、供給ポンプおよび生成物フローポンプを調整した。供給ストリームおよび生成物フローストリームには、ダブルヘッド蠕動ポンプを使用した。
【0100】
トラップタンクをオーバーフローポートに充填するために供給ストリームが開始され、ダブルヘッドポンプを使用して、充填中に生成物ラインがトラップタンクにリサイクルされた。下の表に概説されるように、攪拌機の電源を入れ、rpmに設定した。以下の表に同定されるように、いくつかの実験では空気流が供給された。下の表に図示されるように、空気流が分離を助けることは見出されなかった。この表は、運転時間も示す。各実験では、供給ストリームおよび生成物ストリームは、約3回の保持回数にわたって流れた。最後の通過後、生成物を、清浄なビーカー中に集めた。ビーカー中の生成物を観察して、トラップタンクおよびオーバーフロータンクと比較した、生成物に存在するブラックチャーの量を定性的に決定した。
【0101】
全ての運転は、内径4.9インチの1.65リットルのトラップタンクと、直径4.8インチのフラットブレードまたは直径4.0インチのカウルズブレード攪拌機のいずれかを使用する。これらの運転は、低rpmの攪拌および遅い供給速度の必要性を示す。
【表7】
【0102】
実施例6:オゾン処理でブラックチャーを除去
水で希釈することにより、石灰泥から10%固形分の石灰泥スラリーを調製した。
【0103】
約625mlの石灰泥スラリーを、R100攪拌機用の穴を蓋に開け、かつSSチューブによりオゾンを供給するための別の穴を上部に開けた1リットルのボトルに注いだ。スラリーを、730rpmで混合した。乾燥空気シリンダーのバルブを開いて、10psiの圧力でオゾン発生器に供給した。乾燥空気流を、1lpmで供給した。オゾン発生器(Oxidation Technologiesから購入したモデル1KNT)を、100%のオゾンレベルで運転した。理論に拘束されることを意図しないが、オゾンはブラックチャーと反応してそれを二酸化炭素に酸化し、次いでそれがガス流で除去されると考えられている。
【0104】
処理後、ハンターおよびISOの乾燥明度を試験し、スラリー面の写真をカメラで撮影し、ImageJソフトウェアを使用して%ブラックスポット面積を決定した。TGA-DSC分析を実施した。
【表8】
【0105】
実施例7:浮選を使用してブラックチャーを除去
固形分約70%のフィルターケーキを水で希釈することにより、固形分10%の石灰泥スラリーを作製した。
【0106】
200または500ppmの灯油収集剤をスラリーに加え、2分間混合した。
【0107】
次いで、100または250ppmのMIBC(メチルイソブチルカルビノール)発泡剤を添加し、混合物を0.5分間混合した。
【0108】
次いで、混合物を、毎分4標準リットルの空気流下で、2000または1500rpmで混合した。泡が溢れたときに泡を集めながら、5分または10分間にわたって混合を続けて通気した。
【0109】
集められた泡を、ブラックチャー含有量の指標としての明度について試験した。残りのテールスラリーは、減少したブラックチャーを有する精製CaCOを含有していた。
【表9】
【0110】
「a」または「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素および構成要素を説明するために用いられる。これは、単宜上、且つ説明の一般的な意味を与えるために行われる。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むと読み取るべきであり、別の意味であることが明らかでない限り、単数形は複数形も含む。
【0111】
なおさらに、これらの図は、例示の目的のみの好ましい実施形態を示す。当業者は、以下の考察から、本明細書に記載の原理から逸脱することなく、本明細書に例示される構造および方法の代替の実施形態を用い得ることを容易に認識するであろう。
【0112】
したがって、特定の実施形態および適用が図示され、説明されているが、開示された実施形態は、本明細書に開示された正確な構造および成分に限定されないことを理解されたい。当業者には明らかとなる、様々な修正、変更、および変形が、添付の特許請求の範囲で定義される趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される方法および装置の構成、動作、および詳細において行われ得る。
図1A
図1B
図2
図3
【国際調査報告】