(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】エアロゾル形成基体を誘導加熱するためのエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20221212BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20221212BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20221212BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20221212BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
A24F40/40
A24F40/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022522634
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2020078964
(87)【国際公開番号】W WO2021074254
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(72)【発明者】
【氏名】クルバ ジェローム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ストゥラ エンリコ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD23
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置に関する。本発明は、こうした装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムにさらに関し、物品は加熱されるエアロゾル形成基体を含む。装置は、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路を備え、第一のLC共振器回路は、第一の共振周波数を有し、第二のLC共振器回路は、第一の共振周波数とは異なる第二の共振周波数を有する。制御回路は、第一の共振周波数または第二の共振周波数のいずれかで、交流磁気発振器場を選択的に生成するために誘導コイルに誘導的に結合される発振器コイルを備える駆動発振器回路をさらに備え、その結果、交番磁界が選択的に生成されて、装置の異なるセクションにおいて、サセプタまたは異なるサセプタの異なるセクションを選択的に加熱する。本発明は、こうした装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムにさらに関し、物品は加熱されるエアロゾル形成基体を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、前記装置が、
加熱される前記エアロゾル形成基体を取り外し可能に受容するように構成された空洞を備える装置ハウジングと、
少なくとも第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルであって、前記第一の誘導コイルが、前記空洞の第一のセクション内の交番磁界を生成するように配設・構成され、前記第二の誘導コイルが、前記空洞の第二のセクション内の交番磁界を生成するように配設・構成される、少なくとも第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルと、
前記第一の誘導コイルおよび前記第二の誘導コイルを選択的に駆動して、それぞれ前記第一のセクションおよび前記第二のセクション内に交番磁界を選択的に生成するための制御回路と、を備え、
前記制御回路が、前記第一の誘導コイルおよび第一のコンデンサを含む第一のLC共振器回路と、前記第二の誘導コイルおよび第二のコンデンサを含む第二のLC共振器回路とを備え、前記第一のLC共振器回路が、第一の共振周波数を有し、前記第二のLC共振器回路が、前記第一の共振周波数とは異なる第二の共振周波数を有し、
前記制御回路が、前記第一の共振周波数に近接するかもしくはその周波数、または前記第二の共振周波数に近接するかもしくはその周波数のいずれかの周波数を有する交番磁気発振器場を選択的に生成するための発振器コイルを備える駆動発振器回路をさらに備え、前記発振器コイルが、前記第一の誘導コイルおよび前記第二の誘導コイルに誘導的に結合され、その結果、前記発振器場の前記周波数が前記第一の共振周波数に近接するかもしくはその周波数であり、したがって第一のLC共振器回路と近接しているかもしくは共振しているときに、前記第一のセクション内に交番磁界が生成され、また、前記発振器場の前記周波数が前記第二の共振周波数に近接するかもしくはその周波数であり、したがって前記第二のLC共振器回路と近接しているかもしくは共振しているときに、前記第二のセクション内に交番磁界が生成される、装置。
【請求項2】
前記第一の共振周波数が、前記第二の共振周波数の1パーセント~20パーセントの範囲内にある、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の共振周波数が、少なくとも40kHz、特に少なくとも100kHz、好ましくは少なくとも500kHz、または少なくとも1MHz、前記第二の共振周波数と異なる、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の共振周波数および前記第二の共振周波数が、100kHz~30MHzの範囲内、5MHz~15MHzの範囲内、または5MHz~10MHzの範囲内にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記発振器コイルが、前記第一の誘導コイルおよび前記第二の誘導コイルのそれぞれと同軸に配設される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記発振器コイル、前記第一の誘導コイルおよび前記第二の誘導コイルがらせん状コイルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記発振器コイルが、前記第一の誘導コイルおよび前記第二の誘導コイルのそれぞれを少なくとも部分的に取り囲む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動発振器回路が、前記第一の共振周波数または前記第二の共振周波数のいずれかで前記発振器コイルを駆動するために、前記第一の共振周波数または前記第二の共振周波数のいずれかで選択的に動作可能な単一のトランジスタスイッチを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第一のコンデンサおよび第二のコンデンサのうちの少なくとも一つが、1nF~10μFの範囲の静電容量を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第一の誘導コイルのインダクタンスが前記第二の誘導コイルのインダクタンスと等しく、前記第一のコンデンサの静電容量が、前記第二のコンデンサの静電容量よりも、小さいかまたは大きい、特に2%、好ましくは5%、より好ましくは10%、またはより好ましくは10%小さいかまたは大きい、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第一のLC共振器回路および前記第二のLC共振器回路のうちの少なくとも一つが、2~50、特に2~20の範囲の品質係数を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記発振器コイルを前記第一の誘導コイルおよび前記第二の誘導コイルに誘導結合するための磁束集中器をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記空洞内に少なくとも部分的に配設され、かつ前記第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって取り囲まれている、少なくとも一つのサセプタをさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、前記装置の前記空洞に少なくとも部分的に受容されるかまたは受容可能なエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生物品が、加熱される少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む、システム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生物品が前記装置の前記空洞に受容されているとき、使用時に前記サセプタが前記誘導源によって誘導加熱されうるように、前記エアロゾル発生物品が、少なくとも一つの前記エアロゾル形成基体と熱的に近接または熱的に接触して位置付けられた少なくとも一つのサセプタを備える、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置に関する。本発明は、こうした装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムにさらに関し、物品は加熱されるエアロゾル形成基体を含む。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なエアロゾルを形成することができるエアロゾル形成基体の誘導加熱に基づくエアロゾル発生システムは、先行技術から一般的に周知である。こうしたシステムは、加熱される基体を受容するための空洞を有するエアロゾル発生装置を備えてもよい。基体は、装置で使用するために構成されているエアロゾル発生物品の一体部分であってもよい。基体を加熱するために、装置は、空洞内に交番磁界を発生させるための誘導コイルを備える誘導源を含む誘導ヒーターを備えてもよい。磁界は、基体を加熱するなど、基体と熱的に近接して、または物理的に直に接触して配設されるサセプタを誘導的に加熱するために使用される。一般に、サセプタは装置の一体部分、または物品の一体部分のいずれでもよい。
【0003】
サセプタおよび/または基体の異なるセグメントを別々に加熱するために、装置は、複数の磁界を選択的に生成させるための複数の誘導コイルを備えてもよい。したがって、誘導源は、一方のコイルが能動的に駆動されて変化する磁界を生成するとき、他のコイルが非活性であるように構成されてもよい。典型的には、これは、各誘導コイルについてトランジスタスイッチを備える制御回路によって達成される。ところが、複数のトランジスタスイッチの使用には、望ましくない電力過負荷によるトランジスタの重大な損傷を避けるために、特に時間的に、スイッチング動作の正確な制御を必要とする。さらに、多くの場合、非活性コイルは、活性コイルによって誘導される電流を流すことを十分に防止できず、その結果、実際には望ましくないが、依然としてかなりの加熱がある。
【0004】
従って、先行技術の解決策の利点を有しつつも、それらによる制限事項を伴わずに、エアロゾル形成基体を誘導加熱するためのエアロゾル発生装置およびシステムを有することが望ましいであろう。特に、多数の誘導コイルを、複雑さがほとんどなく、かつ高信頼性で選択的に駆動するための制御回路を含む誘導加熱エアロゾル発生装置およびシステムを有することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明によると、エアロゾル形成基体の誘導加熱によってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置が提供されている。装置は、加熱されるエアロゾル形成基体を取り外し可能で受容するために構成された空洞を備える装置ハウジングを備える。装置は、少なくとも第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルをさらに備える。第一の誘導コイルは、空洞の第一のセクション内に交番磁界を生成するように配設・構成される。第二の誘導コイルは、空洞の第二のセクション内に交番磁界を生成するように配設・構成される。装置は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを選択的に駆動して、それぞれ第一および第二のセクション内に交番磁界を選択的に生成するための制御回路をさらに備える。制御回路は、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路を備え、第一のLC共振器回路は、第一の誘導コイルおよび第一のコンデンサを含み、第二のLC共振器回路は、第二の誘導コイルおよび第二のコンデンサを含む。第一のLC共振器は、第一の共振周波数を有し、第二のLC共振器回路は、第一の共振周波数とは異なる第二の共振周波数を有する。制御回路は、第一の共振周波数に近いか、または第一の共振周波数に近いかもしくはその周波数を有する、または第二の共振周波数に近いかもしくはその周波数を有する、交番磁気発振場を選択的に生成するための発振器コイルを備える駆動発振器回路をさらに備える。発振器コイルは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに誘導的に結合され、その結果、発振器場の周波数が第一の共振周波数に近接するかもしくはその周波数であり、したがって第一のLC共振器回路と近接しているかもしくは共振しているときに、第一のセクション内に交番磁界が生成され、また、発振器場の周波数が第二の共振周波数に近接するかもしくはその周波数であり、したがって第二のLC共振器回路と近接しているかもしくは共振しているときに、第二のセクション内に交番磁界が生成される。
【0006】
本発明によると、複数の誘導コイルが、複数の磁界を選択的に生成するために使用され、別個の共振周波数を有するそれぞれのLC共振器回路の各コイル部分を作製することによって、および各LC共振器回路を、別個の共振周波数で選択的に動作することができる駆動発振器コイルに誘導的に結合することによって、選択的に駆動されうることが認識されている。有利なことに、共振周波数が異なることで、非活性コイルは発振器コイルの現在の動作周波数に対してオフ共振であるため、非活性コイルは、活性コイルによって誘導される電流の流れが十分に防止する。さらに、この制御回路は、より複雑さは小さく、特に複数のトランジスタスイッチの正確な制御を必要としない。
【0007】
第一の共振周波数と第二の共振周波数との間の周波数差は、それぞれの他方のコイルが非活性であり、活性コイルによって誘導される電流の流れを十分に阻止している間に、コイルのうちの一つのみが一度に動作可能であるように、第一および第二の誘導コイルを互いに誘導的に分離するために、少なくとも必要なだけの大きさで選択されることが好ましい。概して、第一および第二の共振周波数の間の周波数差は、複数の要因に依存する。下記にさらに詳細に説明するように、周波数差は、特に、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路のそれぞれの品質係数に依存する。品質係数は、その中央共振周波数に対するそれぞれの共振器回路の帯域幅を特徴付ける。高い品質係数は、典型的には、小さな帯域幅と関連付けられ、それにより、第一の共振周波数と第二の共振周波数との間のより小さな周波数差が許容される。
【0008】
第一の共振周波数は、第二の共振周波数の1%(パーセント)~20%(パーセント)の範囲内であることが好ましい。例えば、第二の共振周波数が20MHz(メガヘルツ)である場合、第一の共振周波数は、200kHz(キロヘルツ)~4MHz(メガヘルツ)の範囲内にある。もちろん、第二の共振周波数が、第一の共振周波数の1%(パーセント)~20%(パーセント)の範囲内であることも可能である。
【0009】
絶対数では、第一の共振周波数は、少なくとも40kHz(キロヘルツ)、特に少なくとも100kHz(キロヘルツ)、好ましくは少なくとも200kHz(キロヘルツ)、より好ましくは少なくとも500kHz(キロヘルツ)、または1MHz(メガヘルツ)だけ第二の共振周波数と異なっていてもよい。例えば、第一の共振周波数は、120kHz(キロヘルツ)だけ第二の共振周波数と異なる。この範囲の第一および第二の共振周波数間の周波数差は、第一および第二の誘導コイルを互いに十分に分離するのに特に好適である。
【0010】
同じ理由から、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路のうち少なくとも一つ、好ましくは両方のLC共振器回路は、2~50の範囲、特に2~20の範囲、例えば10の品質係数を有してもよい。本明細書で使用される「品質係数」という用語は、その中央共振周波数に対するそれぞれの共振器回路の帯域幅を特徴付け、それぞれの共振器回路をどのように過小制動したかを記述する無次元パラメータを示す。すなわち、品質係数は、回路に貯蔵される最大またはピークのエネルギー(リアクタンス)を、発振の各サイクル中に放散されるエネルギー(抵抗)に関連付ける。より高い品質係数は、共振器の蓄積されたエネルギーと比較して低いエネルギー損失率であることを示し、発振はよりゆっくりと消滅する。したがって、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路の品質係数を増加させることによって、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路の帯域幅が減少し、これは有利なことに、それぞれのLC共振器回路のオフ共振磁界への結合を抑制する。これがさらに、それぞれの非活性コイルが、それぞれの活性コイルによって誘導される電流を流すことを防止する。さらに、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路の品質係数を増大させることは、LC共振器回路のエネルギー損失を最小化し、したがって加熱効率を増大させる。
【0011】
第一の共振周波数および第二の共振周波数は、100kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内から選択されることが好ましい。第一の共振周波数および第二の共振周波数は、それぞれ第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの動作周波数に対応することが好ましい。例えば、第一の共振周波数および第二の共振周波数のうちの少なくとも一つは、100kHz(キロヘルツ)~300kHz(キロヘルツ)、特に150kHz(キロヘルツ)~270kHz(キロヘルツ)の範囲内であってもよい。
【0012】
こうしてさらに、それぞれの動作周波数は、空洞の第一のセクションおよび第二のセクション内の第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって生成される交番磁界の周波数にそれぞれ対応する。好ましくは、それぞれの交番磁界は、高周波の交番磁界である。本明細書において参照される通り、高周波の磁界は、100kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内でありうる。こうした値は、エアロゾル発生装置における誘導加熱に有利であることが実証されている。したがって、第一の共振周波数および第二の共振周波数は、100kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内であってもよい。例えば、第一の共振周波数および第二の共振周波数のうちの少なくとも一つは、100kHz(キロヘルツ)~300kHz(キロヘルツ)、特に150kHz(キロヘルツ)~270kHz(キロヘルツ)の範囲内であってもよい。
【0013】
本明細書で言及するように、発振器場の周波数は、発振器場の周波数と第一または第二の共振周波数との間の差が、それぞれ500kHz未満(キロヘルツ)、特に100kHz未満(キロヘルツ)好ましくは50kHz未満(キロヘルツ)、より好ましくは20kHz未満(キロヘルツ)、さらにより好ましくは、10kHz未満(キロヘルツ、最も好ましくは5kHz未満(キロヘルツ)であるときに、それぞれ第一または第二の共振周波数に近接する。
【0014】
発振器コイルは、好ましくは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうち少なくとも一つと、特にそれぞれと同軸に配設される。同軸的な配設により、発振器コイルによって生成される磁界は、それぞれ第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルと広く重複する。有利なことに、これは、発振器コイルと第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルとの間の誘導結合をそれぞれ増加させる。
【0015】
同様に、発振器コイルは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうち少なくとも一つと、特にそれぞれを少なくとも部分的に取り囲んでもよい。有利なことに、これも、発振器コイルと第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルとの間の誘導結合をそれぞれ増加させる。
【0016】
好ましくは、発振器コイルは、特に第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうち少なくとも一つと、特にそれぞれの周りに同軸に、かつ少なくとも部分的に配設される。すなわち、発振器コイルは、少なくとも部分的に取り囲んでもよく、特に第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうち少なくとも一つと、特にそれぞれを少なくとも取り囲んでもよく、また同軸に配設されてもよい。有利なことに、これは、異なるコイルの磁界間の重複をさらに増大させ、したがって、発振器コイルと第一および第二の誘導コイルとの間の誘導結合を増加させる。
【0017】
発振器コイル、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうち少なくとも一つ、特にそれぞれは、らせん状コイルであってもよい。らせん状コイル構成は、同軸性、特に、発振器コイルおよび第一および第二の誘導コイルのそれぞれを同軸に取り囲む配設に対して特に有利であることが証明される。さらに、らせん状誘導コイルの使用は有利なことに、コイルの内部に実質的に均質な電界構成を提供する。誘導コイルへの堆積および/または腐食の可能性を防止するために、発振器コイル、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうち少なくとも一つ、特にそれらのそれぞれは、保護カバーまたは層を備えてもよい。
【0018】
らせん状コイルの場合、特に、発振器コイル、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうち少なくとも一つ、特にそれぞれは、実質的に円筒形状を有してもよい。同様に、発振器コイル、第一の誘導コイル、および第二の誘導コイルのうち少なくとも一つ、特にそれぞれの断面は、コイルの長さ軸に沿って見たときに、円形、楕円、長円、長方形、正方形、三角形、多角形のうちの一つであってもよい。
【0019】
エアロゾル発生装置は、発振器コイルを第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの少なくとも一つに誘導結合するための磁束集中器をさらに備えてもよい。有利なことに、磁束集中器は、これらのコイル間の誘導結合を増大させる。本明細書で使用される「磁束集中器」という用語は、磁界を集中するように、すなわち、磁場の密度が特定の容積範囲内で増大するように、磁界を歪めるように構成された要素を指す。したがって、磁束集中器は、好ましくは、第一の誘導コイルの磁界の領域および第二の誘導コイルの領域のうちの少なくとも一つに向かって、発振器コイルの磁界を歪めるように構成される。さらに、磁束集中器は、様々なコイルを超えて、磁界が伝搬する程度を低減させるために使用されてもよい。すなわち磁束集中器は、好ましくは磁気シールドとして機能する。有利なことに、このことは、装置の隣接する感受性の部分(例えば金属の外側ハウジング)の望ましくない加熱、または装置の外部の隣接した感受性の物品の望ましくない加熱を低減しうる。望ましくない加熱損失を低減することによって、エアロゾル発生装置の効率は、さらに改善されうる。
【0020】
磁束集中器は、好ましくは、発振器コイルによって生成される磁界またはattic磁力線を集中・誘導するように作用する、高比透磁率を有する。本明細書で使用される「高比透磁率」という用語は、少なくとも100、特に少なくとも1000、好ましくは少なくとも10000、さらにより好ましくは少なくとも50000、最も好ましくは少なくとも80000の比透磁率を指す。これらの例示的な値は、DCおよび摂氏25度の温度での比透磁率の値を指す。同様に、6MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の周波数、および25度の温度では、比透磁率は、好ましくは80である。本明細書および当該技術分野で使用される「比透磁率」という用語は、磁束集中器などの材料または媒体の透磁率と、自由空間の透磁率「μ0」との比を指し、μ0は、4π・10-7N・A-2(4・Pi ・10E-07ニュートン/平方アンペア)である。したがって、磁束集中器は、好ましくは、少なくとも100、特に少なくとも1000、好ましくは少なくとも10000、さらにより好ましくは少なくとも50000、最も好ましくは少なくとも80000の比透磁率を有する材料を含み、特にそうした材料から作製される。また、これらの値は、DCおよび摂氏25度の温度の場合の比透磁率の値を指す。同様に、6MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の周波数、および25度の温度では、比透磁率は、好ましくは80である。
【0021】
磁束集中器は、例えば、フェライト粒子、基質中に保持されたフェライト粉末などのフェライト材料、またはフェライト鉄、強磁性鋼、またはステンレス鋼などの、フェライト材料を含む、その他任意の適切な材料の強磁性材料を含む任意のその他の適切な材料を含むことが好ましい。基質は、結合剤、例えば、ポリマー(シリコンなど)を含んでもよい。強磁性材料は、鉄、ニッケル、銅、モリブデン、マンガン、ケイ素、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも一つの金属を含みうる。
【0022】
発振器コイルを第一の共振周波数に近接するかもしくはその周波数、または第二の共振周波数に近接するかもしくはその周波数のいずれかで駆動するために、駆動発振器回路は、好ましくは、第一の共振周波数に近接するかもしくはその周波数、または第二の共振周波数に近接するかもしくはその周波数のいずれかで選択的に動作可能な単一のトランジスタスイッチを備える。有利なことに、複数の誘導コイルを駆動するために単一のトランジスタスイッチを使用することで、駆動発振器回路の複雑さが低減される。さらに、単一のトランジスタスイッチを使用することは、省スペースであり、したがって、エアロゾル発生装置の非常にコンパクトな設計を可能にする。
【0023】
トランジスタスイッチは、任意のタイプのトランジスタであってもよい。例えば、トランジスタスイッチは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)として具体化されてもよい。ただし、トランジスタスイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)などの、電界効果トランジスタ(FET)として埋め込まれることがより好ましい。
【0024】
第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路の異なる共振周波数は、いくつかの方法で実現されうる。概して、誘導コイルとコンデンサを含むLC回路の共振周波数は、式f=1/(2・π・平方根[L・C])によって与えられ、式中、fは、共振周波数(単位:ヘルツ)であり、Lは、誘導コイルのインダクタンス(単位:ヘンリー)であり、Cは、コンデンサの静電容量(単位:ファラド)である。したがって、特定の共振周波数は、コンデンサの静電容量および誘導コイルの誘導コイルのインダクタンスの適切な選択によって実現されうる。誘導コイルのインダクタンスは、特に、巻線の数に依存し、例えば、らせん状コイルの場合、コイルの軸長および直径に依存する。したがって、誘導コイルの特定のインダクタンスは、巻線の数、軸長、およびコイルの直径の適切な選択によって実現されうる。一般的に、このインダクタンスは巻線の数の増加につれて増大する。同様に、コイルの長さの増加または直径の増加に伴い、インダクタンスは減少する。
【0025】
したがって、第一のLC共振器回路および第二のLC共振器回路の異なる共振周波数は、第一の誘導コイルのインダクタンスを有する少なくとも一つが、第二の誘導コイルのインダクタンスとは異なるか、特にそれよりも大きいかまたは小さい、または第一のコンデンサの静電容量が、特に第二のコンデンサの静電容量とは異なるか、または第二のコンデンサの静電容量よりも大きいかまたは小さいかによって実現されうる。
【0026】
例えば、第一の誘導コイルと第二の誘導コイルとを同一にすることが好ましい場合があり、特に、第一の誘導コイルのインダクタンスが第二の誘導コイルのインダクタンスと等しくなることが好ましい場合がある。この場合、異なる共振周波数は、第一のLC共振器回路の第一のコンデンサの静電容量が、第二のLC共振器回路の第二のコンデンサの静電容量よりも小さいことによって実現されうる。したがって、第一の誘導コイルのインダクタンスは、第二の誘導コイルのインダクタンスと等しくてもよく、第一のコンデンサの静電容量は、第二のコンデンサの静電容量よりも小さくてもよく、または大きくてもよい。特に、第一のコンデンサの静電容量は、第二のコンデンサの静電容量よりも2%(パーセント)、好ましくは5%(パーセント)、より好ましくは10%(パーセント)小さくてもよく、または大きくてもよい。特に、第二のコンデンサの静電容量は、第一のコンデンサの静電容量よりも2%(パーセント)、好ましくは5%(パーセント)、より好ましくは10%(パーセント)小さくてもよく、または大きくてもよい。
【0027】
代替的に、第一の誘導コイルのインダクタンスは、第二の誘導コイルのインダクタンスよりも小さくても大きくてもよく、特に、二倍、好ましくは、10倍小さくても大きくてもよく、また第一のコンデンサの静電容量は、第二のコンデンサの静電容量と等しくてもよい。
【0028】
同様に、第一の誘導コイルのインダクタンスは、第二の誘導コイルのインダクタンスと異なり、特にそれより大きいかまたは小さいことも可能であり、また第一のコンデンサの静電容量は、第二のコンデンサの静電容量と異なり、特にそれより大きいかまたは小さいことも可能である。
【0029】
一実施例では、第一の誘導コイルは、七つの巻線を備えてもよく、第二の誘導コイルは、九つの巻線を備えてもよく、これにより、第一の誘導コイルのインダクタンスが、第二の誘導コイルのインダクタンスよりも小さくなる。
【0030】
第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの少なくとも一つは、0.1 μH(マイクロヘンリー)~2 mH(ミリヘンリー)、特に0.1 μH(マイクロヘンリー)~1 mH(ミリヘンリー)、好ましくは0.3 μH(マイクロヘンリー)~1.2 μH(マイクロヘンリー)、より好ましくは0.6 μH(マイクロヘンリー)~0.9 μH(マイクロヘンリー)の範囲のインダクタンスを有しうる。達成される磁界の周波数に応じて、第一のコンデンサおよび第二のコンデンサの静電容量値は、対応して選択されうる。好ましくは、第一のコンデンサおよび第二のコンデンサのうちの少なくとも一つは、0.1nF(ナノファラド)~20μF(マイクロファラド)、特に1nF(ナノファラド)~5μF(マイクロファラド)、好ましくは10nF(ナノファラド)~1μF(マイクロファラド)の範囲の静電容量を有する。
【0031】
さらに上述したように、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの交番磁界は、少なくとも一つのサセプタを誘導的に加熱するために使用され、これが次に、基体を加熱するようになど、基体と熱的に近接して、または物理的に直に接触して配設される。概して、少なくともサセプタは、装置の一体部分であるか、または加熱されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品の一体部分であるかのいずれかであってもよく、エアロゾル発生装置の空洞内に取り外し可能に受容されるように構成される。
【0032】
装置の一部として、少なくとも一つのサセプタは、少なくとも部分的に空洞内に配設されてもよい。同様に、エアロゾル発生物品の一部として、少なくとも一つのサセプタは、装置の空洞内への物品の挿入後に、エアロゾル発生装置の空洞内に配設可能であってもよい。
【0033】
特に、エアロゾル発生装置は、少なくとも一つのサセプタ、特に一つ(単一)のサセプタまたは二つのサセプタを含んでもよい。
【0034】
単一のサセプタの場合、サセプタは、サセプタの第一の部分が少なくとも部分的に、好ましくは全体が空洞の第一のセクション内に配設され、またサセプタの第二の部分が少なくとも部分的に、好ましくは全体が第二のセクション内に配設されるように、空洞内に配設されることが好ましい。したがって、装置の使用においては、サセプタの第一の部分は第一の誘導コイルの磁界の影響を受け、サセプタの第二の部分は第二の誘導コイルの磁界の影響を受ける。
【0035】
同様に、エアロゾル発生装置が複数のサセプタ、特に二つのサセプタを備える場合、装置は第一のサセプタおよび第二のサセプタを備えてもよい。第一のサセプタおよび第二のサセプタは、第一のサセプタが少なくとも部分的に、好ましくは全体が空洞の第一のセクション内に配設され、第二のサセプタが少なくとも部分的に、好ましくは空洞の第二のセクション内に配設されるように、空洞内に配設されることが好ましい。したがって、装置の使用においては、第一のサセプタは第一の誘導コイルの磁界の影響を受け、第二のサセプタは第二の誘導コイルの磁界の影響を受ける。
【0036】
有利なことに、(単一の)サセプタの第一のセクションおよび第二のセクション、または第一のサセプタおよび第二のサセプタは、エアロゾル形成基体の異なる部分、特に、エアロゾル形成基体の第一の部分および第二の部分を加熱するように、あるいは異なるエアロゾル形成基体、特に、物品内の異なる場所に排泄されている第一のエアロゾル形成基体と第二のエアロゾル形成基体を加熱するように、互いに離れてエアロゾル形成基体(複数可)内に配設されてもよく、または配設可能でありうる。
【0037】
第一のサセプタおよび第二のサセプタは、異なる部分を形成しうる。特に、第一のサセプタおよび第二のサセプタは、それぞれとは別個にエアロゾル形成基体内に配設されてもよく、または配設可能でありうる。
【0038】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、交流電磁場に供された時に電磁エネルギーを熱へと変換する能力を有する要素を指す。これは、サセプタ材料の電気特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘導されるヒステリシス損失および/または渦電流の結果でありうる。ヒステリシス損失は、交流電磁場の影響下で切り替えられる材料内の磁区に起因して、強磁性またはフェリ磁性のサセプタ内で生じる。渦電流は、サセプタが導電性である場合に誘起される場合がある。導電性の強磁性またはフェリ磁性サセプタの場合、渦電流およびヒステリシス損失の両方によって熱が発生しうる。
【0039】
従って、少なくとも一つのサセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。少なくとも一つのサセプタは金属または炭素を含みうる。少なくとも一つのサセプタは、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性鋼もしくはステンレス鋼を含みうる。好ましいサセプタは、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。別の適切なサセプタはアルミニウムを含みうる。
【0040】
少なくとも一つのサセプタは、様々な幾何学的構成を含みうる。少なくとも一つのサセプタ素子は、サセプタピン、サセプタロッド、サセプタブレード、サセプタブレード、サセプタ細片、またはサセプタプレートを含みうるか、またはそれらでありうる。サセプタがエアロゾル発生装置の一部である場合、サセプタピン、サセプタピン、サセプタロッド、サセプタブレード、サセプタ細片、またはサセプタプレートは、好ましくは、エアロゾル発生物品を空洞に挿入するための空洞の開口部に向かって、装置の空洞内に突出しうる。
【0041】
少なくとも一つのサセプタは、フィラメントサセプタ、メッシュサセプタ、ウィックサセプタを含んでもよく、またはそれらであってもよい。
【0042】
同様に、少なくとも一つのサセプタは、サセプタスリーブ、サセプタカップ、円筒形サセプタ、または管状サセプタを含んでもよく、またはそれらであってもよい。好ましくは、サセプタスリーブ、サセプタカップ、円筒形サセプタ、または管状サセプタの内側空隙は、加熱されるエアロゾル形成基体の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように構成される。
【0043】
前述のサセプタは、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、または任意の他の適切な形状などの任意の断面形状を有してもよい。
【0044】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、基体を加熱することによってエアロゾルを発生するように、少なくとも一つのエアロゾル形成基体と相互作用する能力、特にエアロゾル発生物品内に提供されたエアロゾル形成基体と相互作用する能力を有する電気的に作動する装置を概して指す。エアロゾル発生装置は、ユーザーによってユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生するための吸煙装置であることが好ましい。特に、エアロゾル発生装置は手持ち式のエアロゾル発生装置である。
【0045】
本発明による制御回路は、装置の動作を制御するように構成されるエアロゾル発生装置の一部を形成してもよく、またはその全体的コントローラであってもよい。特に、コントローラは、誘導加熱プロセスの動作、特に、エアロゾル形成基体を誘導加熱して所定の動作温度にする動作を制御するように構成されうる。
【0046】
エアロゾル形成基体の加熱に使用される動作温度は、少なくとも180℃、特に少なくとも300℃、好ましくは少なくとも350℃、より好ましくは少なくとも370℃、最も好ましくは少なくとも400℃でありうる。これらの温度は、エアロゾル形成基体を加熱するが燃焼させないための典型的な動作温度である。例えば、動作温度は、180℃~370℃、特に180℃~240℃、または280℃~370℃の範囲内でありうる。概して、動作温度は、加熱されるエアロゾル形成基体のタイプ、サセプタの構成、およびシステムの使用におけるエアロゾル形成基体に対するサセプタの配設のうち少なくとも一つに依存しうる。例えば、システムの使用においてエアロゾル形成基体を囲むようにサセプタが構成・配設される場合、動作温度は、180℃~240℃の範囲内としうる。同様に、システムの使用時にエアロゾル形成基体内に配設されるようにサセプタが構成される場合、動作温度は、280℃~370℃の範囲内としうる。
【0047】
コントローラは、マイクロプロセッサ、例えばプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路を備えてもよい。
【0048】
コントローラは、交互駆動信号を生成して、発振器回路に、特に単一のトランジスタスイッチ(より具体的には、単一のトランジスタスイッチのゲート)に提供し、発振器回路を、特に、単一のトランジスタスイッチを、第一の共振周波数に近接するかもしくはその周波数、または第二の共振周波数に近接するかもしくはその周波数のいずれかで動作させるように構成されうる。すなわち、コントローラは、異なる周波数で、特に、第一の共振周波数に近接するかもしくはそれと等しい第一の周波数で、または第二の共振周波数に近接するかもしくはそれと等しい第二の周波数で、交互駆動信号を生成・提供するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、それぞれの交互駆動信号を提供するように構成されたクロック、または電圧制御発振器を備えてもよい。
【0049】
エアロゾル発生装置は電源、特にコントローラにDC供給電圧およびDC供給電流を提供するように構成されたDC電源を備えうる。特に、DC電圧は、単一のトランジスタスイッチのドレイン入力およびソース入力に印加されてもよい。電源はリン酸鉄リチウム電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要としうる、すなわち、電源は充電可能でありうる。電源は、一回または複数回のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有する場合がある。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または誘導加熱装置の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0050】
エアロゾル発生装置は、制御回路、特に第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイル、第一のコンデンサおよび第二のコンデンサ、駆動発振器回路、発振器コイル、単一のトランジスタスイッチ(存在する場合)、磁束集中器(存在する場合)、少なくとも一つのサセプタ(存在する場合)、コントローラ、電源、および空洞の少なくとも一部分のうち、好ましくは少なくとも一つを含む本体を備えうる。
【0051】
主本体に加えて、エアロゾル発生装置は、特に装置と共に使用されるエアロゾル発生物品がマウスピースを含まない場合、マウスピースをさらに備えうる。マウスピースは、装置の主本体に据え付けられてもよい。マウスピースは、マウスピースを主本体に取り付けると、空洞を閉じるように構成されてもよい。マウスピースを主本体に取り付けるために、主本体の近位端部分は、マウスピースの遠位端部分にて対応する相手側と係合する磁気的マウントまたは機械的マウント、例えばバヨネットマウントまたはスナップ嵌めマウントを備えてもよい。装置がマウスピースを備えない場合、エアロゾル発生装置と共に使用されるエアロゾル発生物品はマウスピース、例えばフィルターセグメントを備えてもよい。
【0052】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気出口、例えばマウスピース(存在する場合)の空気出口を備えてもよい。
【0053】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気吸込み口から、空洞を通って、そして場合によってはさらに、もしあれば、マウスピースの空気出口に延びる空気経路を備えることが好ましい。エアロゾル発生装置は、空洞と流体連通する少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。その結果、エアロゾル発生システムは、少なくとも一つの空気吸込み口から空洞の中へと延びる、また場合によっては物品内のエアロゾル形成基体とマウスピースを通してユーザーの口の中へとさらに延びる空気経路を備えてもよい。
【0054】
第一の誘導コイル、第二の誘導コイル、第一のコンデンサ、第二のコンデンサ、発振器コイル、および磁束集中器(存在する場合)は、装置ハウジング内に配設されている、かつ装置の空洞の少なくとも一部を形成するか、またはその周りに円周方向に配設されている、特にその周りに取り外し可能に配設されている誘導モジュールを形成しうる。
【0055】
本発明によると、本発明による、および本明細書に記載のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムも提供されている。システムは、装置で使用するエアロゾル発生物品をさらに備え、物品は、装置によって誘導加熱されるエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル発生物品は、少なくとも部分的に装置の空洞の中に受容されているか、または受容可能である。
【0056】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書にさらに記載のエアロゾル発生物品と、本発明による、本明細書に記載のエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムにおいて、物品と装置は呼吸に適したエアロゾルを発生するように協働する。
【0057】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を、加熱された時に放出する少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は、加熱式エアロゾル発生物品であることが好ましい。すなわち、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されている少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品である。エアロゾル発生物品は、消耗品、特に単回使用後に廃棄される消耗品であってもよい。例えば、物品は、加熱される液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジであってもよい。別の方法として、物品は従来の紙巻たばこに似ているロッド状の物品(特にたばこ物品)であってもよい。
【0058】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出することが可能なエアロゾル形成材料から形成されるか、またはそれを含む基体を意味する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図される。エアロゾル形成基体は、固体もしくは液体エアロゾル形成基体もしくはゲル様エアロゾル形成基体、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、固体および液体の成分、または液体およびゲル様の成分、または固体およびゲル様の成分、または液体、固体およびゲル様の成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の実施例は、グリセリン、トリアセチン(グリセリン三酢酸塩)およびプロピレングリコールである。エアロゾル形成基体はまた、ニコチンまたは風味剤などのその他の添加物および成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体はまた、ペースト様の材料、エアロゾル形成基体を含む多孔性材料のサシェ、または例えばゲル化剤または粘着剤と混合されたばらのたばこであってもよく、これはグリセリンなどの一般的なエアロゾル形成体を含むことができ、これはプラグへと圧縮または成形される。
【0059】
前述の通り、エアロゾル形成基体を誘導加熱するために使用される少なくとも一つのサセプタは、エアロゾル発生装置の一部ではなく、エアロゾル発生物品の一体部分であってもよい。従って、エアロゾル発生物品は、物品が装置の空洞に受容されている時、使用時にサセプタが誘導加熱装置によって誘導加熱されることが可能なように、エアロゾル形成基体と熱的に近接または熱的に接触して位置付けられた少なくとも一つのサセプタを備えうる。特に、エアロゾル形成基体は、一つの(単一の)サセプタまたは二つのサセプタを備えうる。
【0060】
単一のサセプタの場合、サセプタは、装置の空洞内への物品の挿入後に、サセプタの第一の部分が少なくとも部分的に、好ましくは全体が空洞の第一のセクション内に配設され、またサセプタの第二の部分が少なくとも部分的に、好ましくは全体が第二のセクション内に配設されるように、物品内に配設されてもよい。したがって、システムの使用においては、サセプタの第一の部分は第一の誘導コイルの磁界の影響を受け、サセプタの第二の部分は第二の誘導コイルの磁界の影響を受ける。
【0061】
同様に、エアロゾル発生物品が複数のサセプタ、特に二つのサセプタを備える場合、物品は第一のサセプタおよび第二のサセプタを備えてもよい。第一のサセプタおよび第二のサセプタは、装置の空洞内への物品の挿入後に、第一のサセプタが少なくとも部分的に、好ましくは全体が空洞の第一のセクション内に配設され、また第二のサセプタが少なくとも部分的に、好ましくは全体が空洞の第二のセクション内に配設されるように、物品内に配設されてもよい。したがって、システム使用においては、第一のサセプタは第一の誘導コイルの磁界の影響を受け、第二のサセプタは第二の誘導コイルの磁界の影響を受ける。第一のサセプタおよび第二のサセプタは、異なる部分を形成しうる。
【0062】
有利なことに、(単一の)サセプタの第一および第二のセクション、または第一および第二のサセプタは、エアロゾル形成基体の異なる部分、特に、エアロゾル形成基体の第一の部分および第二の部分を加熱するように、あるいは異なるエアロゾル形成基体、特に、物品内の異なる場所に排泄されている第一のエアロゾル形成基体と第二のエアロゾル形成基体を加熱するように、互いに離れてエアロゾル形成基体(複数可)内に配設されてもよい。
【0063】
したがって、エアロゾル発生物品は、物品内の異なる位置に配設された第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体を備えうる。特に、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体は、含有量、組成、風味、テクスチャ、または物質の状態(固体、ゲル様、液体)のうちの少なくとも一つにおいて、互いに異なってもよい。
【0064】
本発明によるエアロゾル発生システムのさらなる特徴および利点については、エアロゾル発生装置に関して説明されているため、繰り返さない。
【0065】
もちろん、本発明による、かつ本明細書に記載されるエアロゾル発生装置は、三つのエアロゾル形成基体、またはエアロゾル形成基体の三つ以上の部分を別々に加熱するように構成されうる。したがって、本発明による、かつ本明細書に記載されるエアロゾル発生装置は、例えば、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上の誘導コイル、例えば、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上のセクションにおける空洞の三つ以上のセクション内のそれぞれの交番磁界を生成するための、複数の誘導コイルを含みうる。したがって、エアロゾル発生装置は、各コイルに対して一つの、三つ以上のLC共振器回路を備えることができ、各LC共振器回路は、コイルのうち一つとそれぞれのコンデンサを含み、それぞれの他のLC共振器回路の共振周波数とはそれぞれ異なる共振周波数を有する。同様に、発振器コイルを備える駆動発振器回路は、三つ以上の周波数に近接するかもしくはそれらの周波数で、すなわち、異なるLC共振器回路のそれぞれの共振周波数に近接するかもしくはそれらの周波数で、交流磁気発振器場を選択的に生成するように構成されてもよい。したがって、本発明による、および本明細書に記載されるエアロゾル発生物品は、例えば、三つ、四つ、五つ以上の部分など、エアロゾル形成基体の三つ以上の部分を含みうる。同様に、このような物品は、例えば、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上のエアロゾル形成基体など、三つ以上のエアロゾル形成基体を含んでもよい。したがって、サセプタがエアロゾル発生装置であるか、またはその一部である場合、物品は、例えば、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上の部分を含む、三つ以上の部分を有するサセプタを含んでもよい。同様に、装置は、例えば、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上のサセプタなど、三つ以上のサセプタを備えてもよい。逆もまた同様であり、サセプタがエアロゾル発生物品であるか、またはその一部である場合、物品は、例えば、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上の部分を含む、三つ以上の部分を有するサセプタを含んでもよい。同様に、本物品は、例えば、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上のサセプタなど、三つ以上のサセプタを備えてもよい。
【0066】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1によるエアロゾル発生システム内で使用されうる制御回路の例示的な実施形態を概略的に図示したものである。
【
図3】
図3は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の第四の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。
【0068】
図1は、本発明によるエアロゾル発生システム1の第一の例示的な実施形態を概略的に図示する。システム1は、エアロゾル形成基体91を、特にセクションごとに、または部分ごとに、誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるように構成されている。システム1は、加熱されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品90、および物品90と併用するためのエアロゾル発生装置10の、二つの主な構成要素を備える。装置10は、物品90を受けるための空洞20と、物品90が空洞20に挿入されるときに物品90内の基体を加熱するための誘導加熱装置30とを備える。
【0069】
物品90は実質的に、従来の紙巻たばこの形状に実質的に類似したロッド形状を有する。本実施形態では、物品90は、基体セグメント91、支持セグメント92、エアロゾル冷却セグメント94、およびフィルターセグメント95といった、同軸整列で配設された四つの要素を含む。基体セグメントは、物品90の遠位端に配設され、加熱されるエアロゾル形成基体91を含む。エアロゾル形成基体は、例えばエアロゾル形成体としてグリセリンを含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートを含んでもよい。支持セグメント92は、中央空気通路93を形成する中空コアを備える。エアロゾル冷却セグメント94は、エアロゾル形成基体の揮発性構成要素を冷却するために使用される。フィルターセグメント95は、マウスピースとして機能し、例えば、セルロースアセテート繊維を含みうる。四つの要素はすべて、順々に連続的に配設されている実質的に円筒状の要素である。セグメントは、実質的に同一の直径を有し、円筒状のロッドを形成するように、紙巻たばこ用紙で作製された外側ラッパー99によって囲まれている。
【0070】
装置10は、実質的に円筒状の装置ハウジングによって形成された実質的にロッド状の主本体11を備える。装置10は、遠位部分13内に、電源16(例えばリチウムイオン電池)と、装置10の動作を制御するための、特に誘導加熱プロセスを制御するための制御回路17とを備える。
【0071】
遠位部分13と反対側の近位部分14内に、装置10は空洞20を備える。空洞20は装置10の近位端12で開いていて、それ故に物品90を空洞20の中に容易に挿入することが可能である。空洞20の底部分25は、装置10の遠位部分13を、装置10の近位部分14から、特に空洞20から分離する。底部分25は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの断熱性材料で作製されていることが好ましい。したがって、遠位部分13内の制御回路17の電気構成要素は、基体91の加熱中に空洞20内で生成される熱、エアロゾル、または残留物から分離されて維持されうる。
【0072】
本実施形態によるエアロゾル発生装置10は、基体セグメント91の断面内でエアロゾル形成基体をセクション別に、すなわち、エアロゾル形成基体の異なる部分を別々に加熱するように構成される。本実施形態では、装置10は、エアロゾル形成基体の第一の部分96およびセクション97を別々に加熱するように構成されている。第一の部分およびセクション部分96、97へのエアロゾル形成基体の想像上の分離は、
図1の点線98によって示される。
【0073】
第一の部分およびセクション部分96、97を別々に加熱するために、誘導加熱装置30は、第一の誘導コイル31および第二の誘導コイル32を備える。第一の誘導コイル31は、空洞20の第一のセクション21内の交番磁界を生成するように配設・構成され、また第二の誘導コイル32は、空洞22の第二のセクション内の交番磁界を生成するように配設・構成される。空洞20の第一および第二のセクション21、22は、エアロゾル発生物品90が空洞20内に受容されるとき、エアロゾル形成基体の第一の部分およびセクション部分96、97の位置に割り当てられる。
【0074】
誘導加熱装置30は、サセプタ60の第一の部分61が第一の誘導コイル31によって生成される電磁場の影響を受け、サセプタ60の第二の部分62が第二の誘導コイル32によって生成される電磁場の影響を受けるように、空洞20内に配設されるサセプタ60をさらに備える。
【0075】
本実施形態では、サセプタ60は、その遠位端を有する空洞20の底部分25に取り付けられるサセプタブレードである。そこからサセプタブレードは、装置10の近位端12にある空洞20の開口に向かって空洞20の内側空隙の中に延びる。サセプタブレード60の他方の端、すなわち遠位自由端は、サセプタブレードが物品90の遠位端部分内のエアロゾル形成基体を容易に貫通することを可能にするように、先細りしている。
図1で分かるように、エアロゾル発生物品90が空洞20内に受容されるとき、サセプタ60の第一の部分61は、エアロゾル形成基体の第一の部分96内に配設され、また、サセプタ60の第二の部分62は、基体の第二の部分97内に配設される。ブレードの代わりに、サセプタはサセプタピンまたはサセプタロッドであってもよい。
【0076】
したがって、第一の誘導コイル31を起動させるとき、交流電磁場は、空洞20の第一のセクション21内でのみ実質的に生成される。その結果、渦電流および/またはヒステリシス損失を発生させる加熱は、サセプタ材料の磁気特性および電気特性に依存して、実質的にサセプタ60の第一の部分61の中のみで誘導される。したがって、第二の誘導32コイルが不活性であるとき、実質的に加熱されるのは、サセプタ60の第一の部分61のみであり、一方でサセプタ60の第二の部分62は、実質的に加熱されないままである。したがって、ユーザーによる吸入のために、エアロゾル発生物品90を通って下流で引き出されることが可能なエアロゾルを形成するように、基体の第一の部分96のみが加熱される。同様に、第二の誘導コイル32を起動すると、交流電磁場は、実質的に空洞20の第二のセクション22内でのみ生成され、サセプタ60の第二の部分62のみが誘導加熱される一方、サセプタ60の第一の部分61は実質的に加熱されないままである。結果として、ユーザーによる吸入のために、エアロゾル発生物品90を通って下流で引き出されることが可能なエアロゾルを形成するように、基体の第二の部分97のみが加熱される。
【0077】
第一の誘導コイル31および第二の誘導コイル32を互いに独立して起動させて、それゆえ、空洞20の第一のセクション21または第二のセクション22のいずれかで、交番磁界を選択的に生成できるようにするために、各コイル31、32は、別個の共振周波数を有するLC共振器回路の一部となる。各LC共振器回路は、別個の共振周波数に近接するかもしくはその周波数で選択的に動作することができる(共通の)駆動発振器コイル32に誘導結合される。すなわち、本発明は、第一および第二の誘導コイル31、32を誘導的に駆動することに基づくが、第一および第二の誘導コイル31、32の動作を互いに誘導的に分離するように、各コイルは異なる駆動周波数である。
【0078】
図2は、
図1によるエアロゾル発生システム内で使用されうる制御回路18の例示的な実施形態を概略的に図示したものである。上述の基本的な考えによれば、制御回路18は、第一のLC共振器回路51および第二のLC共振器回路52を備え、第一のLC共振器回路51は、第一の誘導コイル31および第一のコンデンサ41を含み、また第二のLC共振器回路52は、第二の誘導コイル32および第二のコンデンサ42を含む。第一のLC共振器回路51は、第一の共振周波数を有する一方、第二のLC共振器回路52は、第一の共振周波数f1とは異なる第二の共振周波数f2を有する。制御回路18は、第一の共振周波数f1に近接するかもしくはその周波数であるか、または第二の共振周波数f2に近接するかその周波数であるかのいずれかで、交番磁気発振器場を選択的に生成するための発振器コイル33(
図1にも図示)を備える駆動発振器回路35をさらに備える。発振器コイル33は、第一の誘導コイル31と、第二の誘導コイル32との両方に誘導結合される。ところが、第一の共振周波数f1と第二の共振周波数f2との間の差異により、発振器コイル33によって生成される交番磁気発振器場は、磁気発振器場の周波数が第一のLC共振器回路51の第一の共振周波数f1に近接するかもしくはそれに等しいときに、それぞれ、実質的に第一の誘導コイル31または第一のLC共振器回路51内にのみ結合される。逆もまた同様で、発振器コイル33によって生成される交番磁気発振器場は、磁気発振器場の周波数が第二のLC共振器回路52の第二の共振周波数f2に近接するかもしくはそれに等しいときに、それぞれ実質的に第二の誘導コイル32または第二のLC共振器回路52にのみ結合される。
【0079】
したがって、
図1を参照すると、発振器場が第一の共振周波数f1に近接するかもしくはその周波数であり、それゆえに第一のLC共振器回路51に近接するかもしくは共振するときに、交番磁界が空洞20の第一のセクション21内に生成される。同様に、交番磁界は、発振器場が第二の共振周波数f2に近接するかもしくはその周波数であり、それゆえに第二のLC共振器回路に近接するかもしくは共振しているときに、空洞21の第二のセクション22内に生成される。
【0080】
非活性コイルは、発振器コイル33の現在の動作周波数に対して十分にオフ共振であるため、有利なことに、第一の共振周波数f1と第二の共振周波数f2との間の差によって、活性コイルによって誘導される電流がそれぞれの非活性コイルに流れることも防止される。
【0081】
好ましくは、第一の共振周波数f1と第二の共振周波数f2との間の差は、少なくとも40kHz(キロヘルツ)、特に少なくとも100kHz(キロヘルツ)、好ましくは少なくとも100kHz(キロヘルツ)、より好ましくは少なくとも500kHz(キロヘルツ)、または少なくとも1MHz(メガヘルツ)である。例えば、第一の共振周波数は、120kHz(キロヘルツ)の第二の共振周波数とは異なる。第一の共振周波数および第二の共振周波数は、100kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内から選択されることが好ましい。例えば、第一の共振周波数は150kHz(キロヘルツ)であってもよく、第二の共振周波数は270kHz(キロヘルツ)であってもよい。
【0082】
第一の誘導コイル31および第二の誘導コイル32は、例えば、0.3μH(マイクロヘンリー)~1.2μH(マイクロヘンリー)の範囲内の、好ましくは0.6μH(マイクロヘンリー)~0.9μH(マイクロヘンリー)の範囲のインダクタンスを有しうる。達成される磁界の周波数に応じて、第一のコンデンサ41および第二のコンデンサ42の静電容量の値は、対応して選択されうる。好ましくは、第一のコンデンサ41および第二のコンデンサ42は、1nF(ナノファラド)~10μF(マイクロファラド)、特に10nF(ナノファラド)~2μF(マイクロファラド)の範囲の静電容量を有する。
【0083】
発振器コイル33を第一の共振f1周波数に近接するかもしくはその周波数、または第二の共振周波数f2に近接するかもしくはその周波数で駆動するために、
図2に示す実施形態による駆動発振器回路35は、第一の共振周波数f1に近接するかもしくはその周波数、または第二の共振周波数f2に近接するかもしくはその周波数のいずれかで選択的に動作可能な単一のトランジスタスイッチ70を備える。本実施形態では、スイッチ70は、ゲート端子を制御するためのゲート入力71を有する、電界効果トランジスタ(FET)である。電界効果トランジスタのソース入力72およびドレイン出力73は、
図1に示す電源16に対応しうる、発振器コイル33および電源16と直列接続である。したがって、第一または第二の共振周波数f1、f2に近接するかまたはそれらの周波数での駆動周波数を有する、ゲート入力71に交互駆動信号を適用することによって、発振器コイル33は、その駆動周波数で交互にオン・オフが切り替えられる。このオン・オフを切り替えることで、発振器コイル32は、発振器コイル33内の磁束の変化により、第一または第二の共振周波数f1、f2に近接するかまたはそれらの周波数で磁気発振器場を発生させる。交互駆動信号は、周波数f1およびf2を有する二つの方形波信号によって
図2に概略的に図示される。好ましくは、交互駆動信号は生成され、
図1に示す制御17によって発振器回路35に提供される。
【0084】
図1で分かるように、第一および第二の誘導コイル31、32は、それぞれ円筒形空洞20の第一および第二のセクション21、22を円周方向に取り囲むらせん状コイルである。第一の誘導コイル31および第二の誘導コイル32は、それぞれのコイル31の長さ軸に沿って延びる複数のワイヤー巻線からそれぞれ形成される。ワイヤーは、正方形、長円形、または三角形などの任意の適切な断面形状を有してもよい。この実施形態において、ワイヤーは円形断面を有する。他の実施形態において、ワイヤーは平坦な断面形状を有してもよい。基本的には、発振器コイル33に対して同一形状が保持される。
【0085】
図1にさらに分かるように、発振器コイル33は、第一の誘導コイル31および第二の誘導コイル32のそれぞれと同軸に、かつ部分的にその周りに配設される。有利なことに、これは、異なるコイルの磁界間の重複をさらに増大させ、したがって、発振器コイルと第一および第二の誘導コイルそれぞれとの間の誘導結合を増大させる。
【0086】
図3は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システム101の概略断面図を示す。
図3によるシステム101は、
図1によるシステム1と類似している。従って、同一のまたは類似した特徴は、同一の参照符号で、さらには100を加えた参照符号で示されている。第一の実施形態によるエアロゾル発生システム1とは対照的に、第二の実施形態によるシステム101は、第一のエアロゾル形成基体196と、第二のエアロゾル形成基体197とを含む、エアロゾル発生物品190を含み、物品190の遠位端部分に順次配設される。第一および第二のエアロゾル形成基体196、197は、ユーザー体験を豊かにするために、その組成物および成分に関して互いに異なっている。
【0087】
さらに
図1によるシステム1とは対照的に、
図3によるシステム101は、エアロゾル発生装置110の一部ではなく、むしろエアロゾル発生物品190の一部である二つのサセプタを備える。細片様の第一のサセプタ161は、第一のエアロゾル形成基体196内に配設される。同様の方法で、細片様の第二のサセプタ162は、第二のエアロゾル形成基体197内に配設される。両方のサセプタ161、162は、実質的にエアロゾル発生物品190の長手方向中心軸に沿って延在するそれぞれのエアロゾル形成基体内に中央に配設される。特に、サセプタ161、162は、互いに間隔を置いている別個の部品として形成され、これは、両方のサセプタ161、162を互いに熱的に分離させる。
【0088】
装置110の空洞120への物品190の挿入後に、第一のサセプタ161および第一のエアロゾル形成基体196は、空洞120の第一のセクション121内に配設される。同様に、第二のサセプタ162および第二のエアロゾル形成基体197は、空洞120の第二のセクション122内に配設される。したがって、システム101の使用において、第一のサセプタ161は第一の誘導コイル131の磁界の影響を受ける一方、第二のサセプタ162は第二の誘導コイル132の磁界の影響を受けて、第一および第二のエアロゾル形成基体196、197が互いに別々に加熱されることを可能にする。
【0089】
第二の実施形態によるエアロゾル発生装置110は、第一の誘導コイル131、第二の誘導コイル132および発振器コイル133の周りに同軸に配設される磁束集中器180によって、第一の実施形態による装置10とさらに異なる。本実施形態では、磁束集中器180は、高比透磁率を有する材料、例えば強磁性ステンレス鋼から作製された円筒形の要素である。磁束集中器180は、第一の誘導コイル131および第二の誘導コイル132の磁界の領域に向かって発振器コイル133の磁界を歪め、それによって、発振器コイル133と第一および第二の誘導コイル131、132との間の磁気結合を増大させるように配設・構成される。さらに、上述のように、磁束集中器は磁気シールドとして機能する。
【0090】
それとは別に、
図3のエアロゾル発生装置は、
図1による装置と同一である。
【0091】
図4は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システム201の概略断面図を示す。
図4によるシステム201は、
図3によるシステム101と類似している。従って、同一のまたは類似した特徴は、同一の参照符号で、さらには100を加えた参照符号で示されている。第二の実施形態によるエアロゾル発生システム101とは対照的に、第三の実施形態によるシステム201は、エアロゾル発生装置210の一部であるが、物品290の一部ではない、第一のサセプタ261と第二のサセプタ262とを備える。本実施形態では、第一および第二のサセプタ261、262は、サセプタスリーブである。
【0092】
スリーブ様の第一のサセプタ261は、空洞220の内表面に、空洞220の第一のセクション221の外周周辺部内に配設される。そこで、装置210の使用において、第一のサセプタ261は、実質的に第一の誘導コイル231の磁界のみの影響を受け、同様に、スリーブ様の第二のサセプタ262は、空洞220の第二のセクション222の外周周辺部内に、空洞220の内表面に配設される。そこで、装置210の使用において、第二のサセプタ262は、実質的に第二の誘導コイル232の磁界のみの影響を受ける。特に、第一のおよび第二のサセプタ261、262は、互いに離間した別個の部品として形成され、これは、両方のサセプタ261、262を互いに熱的に分離させる。
【0093】
図3に関して上述したように、第一および第二のエアロゾル形成基体296、297は、装置210の空洞220への物品290の挿入後に、第一のエアロゾル形成基体296が空洞220の第一のセクション221内に配設され、第二のエアロゾル形成基体297が空洞220の第二のセクション222内に配設されるように、物品290内に配設される。したがって、第一および第二のエアロゾル形成基体296、297は、互いに別々に加熱されてもよい。
【0094】
図5は、本発明の第四の実施形態によるエアロゾル発生システム301の概略断面図を示す。
図5によるシステム301は、
図4によるシステム201と非常に類似している。従って、同一のまたは類似した特徴は、同一の参照符号で、さらには100を加えた参照符号で示されている。第三の実施形態とは対照的に、第四の実施形態によるエアロゾル発生装置310は、単一のスリーブ様のサセプタ360を備える。単一のスリーブ様サセプタ360は、使用時に、サセプタ360の第一の部分361が、第一の誘導コイル331によって生成される電磁場の影響を受け、サセプタ360の第二の部分362が、第二の誘導コイル332によって生成される電磁場の影響を受けるように、第一の誘導コイル331と第二の誘導コイル332に対して空洞320の内表面に配設される。したがって、装置310の加熱装置330は、エアロゾル形成基体391の異なる部分を別々に加熱するために使用されうる。すなわち、物品390を空洞320に挿入し、第一の誘導コイル331を起動させるとき、サセプタ360の第一の部分361は、エアロゾル形成基体の第一の部分396を加熱する。同様に、第二の誘導コイル332を起動すると、サセプタ360の第二の部分362は、エアロゾル形成基体391の第二の部分397を加熱する。
【0095】
さらに
図1、3および4に示す実施形態とは対照的に、
図5によるエアロゾル発生物品390は支持セグメントを含まない。代わりに、
図5による物品は、加熱されるエアロゾル形成基体を含む基体セグメント391と、エアロゾル形成基体の揮発性構成成分を冷却するための基体セグメント391に隣接するエアロゾル冷却セグメント392と、エアロゾル形成基体の揮発性構成成分をフィルタリングするためのエアロゾル冷却セグメント392に隣接するフィルターセグメント394と、ユーザーの口に収容されるフィルターセグメント394に隣接する口側の端セグメント395とを備える。さらに、物品390は、近位端の反対側、すなわち口側の端セグメント395の反対側の、その遠位端に端部材(図示せず)を備えてもよい。
【0096】
例えば、基体セグメント391は、均質化したたばこのストランドと、例えばグリセロール(グリセリン)、プロピレングリコール、トリアセチン(グリセリントリアセテート)、またはそれらの組み合わせなどのエアロゾル形成体とを含むエアロゾル形成基体を含みうる。
【0097】
冷却セグメント392は、加熱エアロゾル形成基体の揮発性構成成分の風洞を画定して貫流し冷却する中空管を備えてもよい。管壁の厚さは、例えば、0.29ミリメートルであってもよい。冷却セグメント392の長さは、好ましくは、物品390が装置310内に完全に挿入されたときに、冷却セグメント392が部分的に空洞320内に挿入されるような長さである。冷却セグメント392の長さは、20ミリメートル~30ミリメートル、特に23ミリメートル~27ミリメートル、好ましくは25ミリメートル~27ミリメートル、例えば25ミリメートルであってもよい。冷却セグメント392は、紙、例えば、らせん状に巻かれた紙管で作製されてもよい。
【0098】
フィルターセグメント394は、エアロゾル形成基体から揮発した一つ以上の化合物を除去するために十分な任意のフィルター材料で形成されてもよい。例えば、フィルターセグメント394は、セルロースアセテートなどのモノアセテート材料で作製されうる。一つ以上の風味剤が、風味付き液体をフィルターセグメント394の中に直に注入すること、または一つ以上の風味付きの壊れやすいカプセルもしくは他の風味付きの担体を、例えば、フィルターセグメント394のセルロースアセテートトウ内に埋め込むまたは配設することのいずれかの形態で、フィルターセグメント394に追加されてもよい。フィルターセグメント394の長さは、6ミリメートル~10ミリメートルであってもよく、例えば8ミリメートルであってもよい。
【0099】
口側の端セグメント395は、フィルターセグメント394の出口に蓄積するあらゆる液体凝縮物がユーザーと直に接触した状態になることを防止する機能を提供する。冷却セグメント392と同様に、口側の端セグメント395は、それを通って流れる加熱エアロゾル形成基体の揮発性構成成分のための風洞を画定する、中空管、特に、環状管を備えてもよい。口側の端セグメント395の長さは、6ミリメートル~10ミリメートル、例えば、8ミリメートルであってもよい。口側の端セグメント395は、紙、例えば、らせん状に巻かれた紙管で作製されてもよい。管壁の厚さは、例えば、0.29ミリメートルであってもよい。
【0100】
さらに、
図5によるエアロゾル発生物品390は、空気が物品390の外部から物品390の内部に流入することを可能にする通気領域を含む。例えば、通気領域は、物品390の外層を通して形成される一つ以上の通気孔の形態を取りうる。特に、通気領域は、1列以上の通気孔を備え、孔の各列は、物品390の長軸方向軸と実質的に直角をなす断面において、物品390の周りに円周方向に配設される。通気孔の各列は、12~36個の通気孔を有しうる。通気孔は、例えば、100~500マイクロメートルの直径としうる。通気孔列間の軸方向分離は、0.25ミリメートル~0.75ミリメートル、例えば、0.5ミリメートルであってもよい。本実施形態では、通気領域は、二列の通気孔393を備え、各列は物品390の周りに円周方向に配設されている。
図5で分かるように、通気孔393は、エアロゾル冷却を助けるために冷却セグメント392内に位置する。特に、通気孔393は、物品390が空洞320内に受容されたときに、通気孔393が空洞320の外側に位置するように配設され、それによって、非加熱空気が外部から通気孔393を通って物品390に入ることを許容する。例えば、通気孔393は、少なくとも11ミリメートル、特に物品390の近位端から17ミリメートル~20ミリメートルに位置してもよい。どの場合でも、通気孔の位置は、ユーザーが使用中に通気孔393を遮断しないように選択されることが好ましい。
【0101】
当然のことながら、上述の通気領域、特に上述の一つ以上の通気孔は、
図1、3、および4に示すエアロゾル発生物品90、190、および290にも提供されうる。
【0102】
冷却セグメント392、フィルターセグメント394および口側の端セグメント395はまとめて、フィルター組立品としうる。例えば、フィルター組立品の全長は、37ミリメートル~45ミリメートルとしうる。好ましくは、フィルター組立品の全長は、約41ミリメートルである。基体セグメント391の長さは、34ミリメートル~50ミリメートル、好ましくは38ミリメートル~46ミリメートル、例えば、42ミリメートルであってもよい。物品390の全長は、71ミリメートル~95ミリメートル、好ましくは79ミリメートル~87ミリメートル、例えば約83ミリメートルであってもよい。
【0103】
図1、3、および4に示す他の実施形態と同様に、
図5による物品390の全てのセグメント391、392、394および395は、実質的に同一の直径を有し、円筒形ロッドを形成するなど、紙巻たばこ用紙で作製された外側ラッパー399によって囲まれている。
【国際調査報告】