(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221212BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522914
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 KR2020014638
(87)【国際公開番号】W WO2021085960
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0138757
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0174648
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518374631
【氏名又は名称】レティノル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ハ、ジョンフン
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA07
2H199CA12
2H199CA42
2H199CA45
2H199CA46
2H199CA47
2H199CA67
2H199CA69
2H199CA70
2H199CA85
2H199CA86
2H199CA96
(57)【要約】
本発明は、ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置に関し、実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、前記光学手段の内部に配置され、画像出射部から出射する拡張現実画像光を第2反射手段に伝達する第1反射手段と、前記光学手段の内部に配置され、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより使用者に拡張現実用画像を提供する第2反射手段とを含み、前記光学手段は、実際事物画像光が入射する第1面と、前記第2反射手段を介して伝達される拡張現実画像光及び実際事物画像光が使用者の目の瞳孔に向かって出射する第2面とを含み、前記拡張現実画像光を反射させる第1反射手段の反射面は実際事物画像光が入射する光学手段の第1面に向かうように配置され、前記第2反射手段は前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に配置される複数の反射部から構成され、前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に段々近くなるように前記光学手段の内部に配置される拡張現実用光学装置を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置であって、
実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
前記光学手段の内部に配置され、画像出射部から出射する拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を第2反射手段に伝達する第1反射手段と、
前記光学手段の内部に配置され、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより使用者に拡張現実用画像を提供する第2反射手段と、
を含み、
前記光学手段は、実際事物画像光が入射する第1面と、前記第2反射手段を介して伝達される拡張現実画像光及び実際事物画像光が使用者の目の瞳孔に向かって出射する第2面とを含み、
前記画像出射部から出射した拡張現実画像光は前記光学手段の内部を通して前記第1反射手段に伝達されるか、あるいは前記光学手段の内面で全反射されて第1反射手段に伝達され、
前記拡張現実画像光を反射させる第1反射手段の反射面は、実際事物画像光が入射する光学手段の第1面に向かうように配置され、
前記第2反射手段は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に配置される複数の反射部から構成され、
前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に段々近くなるように前記光学手段の内部に配置されることを特徴とする、拡張現実用光学装置。
【請求項2】
前記第1反射手段は前記第2反射手段を挟んで画像出射部と対向するように前記光学手段の内部に配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項3】
前記第1反射手段の反射面は曲面に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項4】
前記第1反射手段の反射面は光学手段の第1面側に凹むように形成されたことを特徴とする、請求項3に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項5】
前記第1反射手段の幅方向の長さは4mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項6】
前記第1反射手段は、光を部分的に反射させるハーフミラー(half mirror)または光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターから形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項7】
前記第1反射手段は、屈折素子または回折素子から形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項8】
前記第1反射手段の拡張現実画像光を反射させる反射面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項9】
前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の第2面に対して傾斜角を有するように配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項10】
前記複数の反射部のそれぞれは、4mm以下の大きさに形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項11】
前記複数の反射部のそれぞれの大きさは、各反射部の縁境界線上の任意の2点間の最大長であることを特徴とする、請求項10に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項12】
前記複数の反射部のそれぞれの大きさは、使用者の瞳孔と各反射部との間の直線に垂直でありながら瞳孔の中心を含む平面に反射部を投映した正射影の縁境界線上の任意の2点間の最大長であることを特徴とする、請求項10に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項13】
前記複数の反射部のそれぞれは、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光が他の反射部によって遮断されないように配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項14】
前記複数の反射部のそれぞれの大きさは部分的に互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項15】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部の反射部の間隔が他の反射部の間隔と異なるように配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項16】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は光を部分的に反射させるハーフミラー、または光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターから形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項17】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は屈折素子または回折素子から形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項18】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部において、拡張現実画像光を反射させる面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項19】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部の表面が曲面に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項20】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部の前記光学手段に対する傾斜角は他の反射部と異なるように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項21】
前記第2反射手段は複数から構成され、
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、前記画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の第2反射手段は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項22】
前記それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部は、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることを特徴とする、請求項21に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項23】
前記それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部の中で少なくとも一部は、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部に対してz軸に平行な仮想の直線上に並んで位置しないように配置されることを特徴とする、請求項21に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項24】
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項25】
前記第1反射手段は、前記x軸方向に見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射部に段々近くなるように延びて形成されることを特徴とする、請求項21から24のいずれか一項に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項26】
ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置であって、
実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
前記光学手段の内部に埋め込まれて配置され、画像出射部から出射する拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を第2反射手段に伝達する第1反射手段と、
前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される複数の反射部を含む第2反射手段と、
を含み、
前記光学手段は、実際事物画像光が入射する第1面と、前記第2反射手段を介して伝達される拡張現実画像光及び実際事物画像光が使用者の目の瞳孔に向かって出射する第2面とを含み、
前記第2反射手段は、
前記第1反射手段からの距離にかかわらず、前記光学手段の第2面に対して同じ距離を有するか、第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に対して段々遠くなるように光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第1反射部グループと、
前記第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に対して段々近くなるように光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第2反射部グループと、
を含み、
前記第2反射部グループと前記第1反射手段との距離は前記第1反射部グループと前記第1反射手段との距離より小さいことを特徴とする、拡張現実用光学装置。
【請求項27】
前記画像出射部から出射した拡張現実画像光は前記光学手段の内部を通して前記第1反射手段に伝達されるか、または前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射されて第1反射手段に伝達されることを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項28】
前記拡張現実画像光を反射させる第1反射手段の反射面は、実際事物画像光が入射する光学手段の第1面に向かうように配置されたことを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項29】
前記第1反射手段の反射面は曲面に形成されたことを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項30】
前記第1反射手段の反射面は光学手段の第1面側に凹むように形成されたことを特徴とする、請求項29に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項31】
前記第1反射手段の幅方向の長さは4mm以下であることを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項32】
前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の第2面に対して傾斜角を有するように配置されることを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項33】
前記複数の反射部のそれぞれは、4mm以下の大きさを有するように形成されたことを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項34】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されたことを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項35】
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコートされたことを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項36】
前記第2反射手段は複数から構成され、
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、前記画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の第2反射手段は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置されることを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項37】
前記第2反射手段のそれぞれは、それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部が、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることを特徴とする、請求項36に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項38】
前記第2反射手段のそれぞれは、複数の第2反射手段のそれぞれを構成する複数の反射部の中で少なくとも一部が、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部に対してz軸に平行な仮想の直線に沿って並んで位置しないように配置されることを特徴とする、請求項36に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項39】
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されたことを特徴とする、請求項26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項40】
前記第1反射手段は、x軸方向に見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射手段に段々近くなるように延びて形成されることを特徴とする、請求項36から39のいずれか一項に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項41】
前記画像出射部から出射した拡張現実画像光が光学手段に入射する第3面が屈折能を有するように曲面に形成されたことを特徴とする、請求項1または26に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項42】
前記画像出射部と前記第3面との間に補助光学手段が配置されたことを特徴とする、請求項41に記載の拡張現実用光学装置。
【請求項43】
前記第2反射手段は複数から構成され、
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の内面の間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交しながら光学手段の内面の間を通る線分をz軸というとき、前記それぞれの第2反射手段と光学手段の第2面との距離が全部同一でないように配置される第2反射手段が少なくとも一つ以上存在することを特徴とする、請求項1または26に記載の拡張現実用光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は拡張現実用光学装置に関し、より詳しくは大きさ、厚さ、重さ及び嵩を著しく減らすことができ、ゴーストイメージを効率的に遮断することにより、より鮮明な拡張現実用画像を提供するとともに広い視野角を提供することができるゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実(Augmented Reality、AR)とは、周知のように、現実世界の実際映像にコンピュータなどによって生成される仮想の映像やイメージを重ねて提供することを意味する。
【0003】
このような拡張現実を具現するためには、コンピュータのようなデバイスによって生成される仮想の映像やイメージを現実世界の映像に重ねて提供することができるようにする光学系を必要とする。このような光学系としては、HMD(Head Mounted Display)又はメガネ型装置を用いて仮想映像を反射又は屈折させるプリズムなどのような光学手段を使う技術が知られている。
【0004】
しかし、このような従来の光学系を用いた装置は、その構成が複雑であって重さ及び体積が相当なので使用者が着用するのに不便さがあり、製造工程も複雑なので製造コストが高いという問題がある。
【0005】
また、従来の装置は、使用者が現実世界を見つめるときに焦点距離を変更する場合、仮想映像の焦点が合わなくなるという限界がある。これを解決するために、仮想映像に対する焦点距離を調節することができるプリズムのような構成を用いるか焦点距離の変更によって可変型焦点レンズを電気的に制御するなどの技術が提案されている。しかし、このような技術も焦点距離を調節するために使用者が別に操作しなければならないか焦点距離の制御のための別途のプロセッサなどのようなハードウェア及びソフトウェアを必要とするという点で問題がある。
【0006】
このような従来技術の問題点を解決するために、本出願人は特許文献1に記載されているように、人の瞳孔より小さいサイズの反射部を用いて仮想映像を瞳孔を通して網膜に投映することによって拡張現実を具現することができる装置を開発したことがある。
【0007】
図1は前記特許文献1に開示されたような拡張現実用光学装置100を示す図である。
【0008】
図1の拡張現実用光学装置100は、光学手段10、反射部30、画像出射部40及びフレーム部60を含む。
【0009】
光学手段10は実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を透過させる手段であり、例えばメガネレンズであることができ、その内部に反射部30が埋め込まれている。また、光学手段10は反射部30から反射された拡張現実画像光を瞳孔に伝達するように透過させる機能も果たす。
【0010】
フレーム部60は画像出射部40と光学手段10とを固定及び支持する手段であり、例えばメガネの枠のようなものであることができる。
【0011】
画像出射部40は拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を出射する手段であり、例えば拡張現実用画像を画面に表示して拡張現実画像光を放射する小型ディスプレイ装置と、ディスプレイ装置から放射される画像光を平行光に視準するためのコリメーター(collimator)とを備えることができる。
【0012】
反射部30は画像出射部40から出射した拡張現実用画像に相応する画像光を使用者の瞳孔に向けて反射させることによって拡張現実用画像を提供する。
【0013】
図1の反射部30は、人の瞳孔の大きさより小さい大きさ、すなわち8mm以下に形成されている。このように反射部30を瞳孔の大きさより小さく形成すれば、反射部30を通して瞳孔に入射する光に対する深度をほぼ無限大に近く、すなわち深度を非常に深くすることができる。ここで、深度(Depth of Field)とは、焦点が合うものと認識される範囲を言う。深度が深くなれば拡張現実用画像に対する焦点距離も大きくなることを意味し、よって使用者が実際世界を見つめながら実際世界に対する焦点距離を変更しても、これに関係なく拡張現実用画像の焦点はいつも合うものと認識することになる。これは一種のピンホール効果(pinhole effect)と言える。したがって、使用者が実際世界に存在する実際事物を見つめながら焦点距離を変更することにかかわらず、拡張現実用画像に対してはいつも鮮明な仮想映像を提供することができる。
【0014】
しかし、このような技術は画像出射部40に平行光のためのコリメーターなどのような追加的な光学手段が必要であるので、装置の大きさ、厚さ及び嵩が大きくなるという限界がある。
【0015】
このような問題を解決するために、画像出射部40にコリメーターを使わず、光学手段10の内部に凹面鏡のような反射部を埋め込んで配置することによってコリメーターの機能を果たすようにする方法を思うことができる。このような構成によれば、画像出射部40の大きさ、厚さ及び嵩を減らすことができる利点がある。
【0016】
図2は画像出射部40にコリメーターを備えた
図1の拡張現実用光学装置100と、コリメーターの機能を果たす補助反射部20が内部に配置された拡張現実用光学装置100-1との側面図を比較して示した図である。
【0017】
図2の左側に示す
図1の拡張現実用光学装置100は画像出射部40がディスプレイ装置41とコリメーター42とからなり、
図2の右側の拡張現実用光学装置100-1は画像出射部40がコリメーター42なしにディスプレイ装置41のみからなっていることが分かる。
【0018】
図2の右側の拡張現実用光学装置100-1は、画像出射部40にコリメーター42を使わない代わり、光学手段10の内部にコリメーターの機能を果たすことができる凹面鏡形態の補助反射部20が配置されており、画像出射部40から出射した拡張現実画像光は補助反射部20によって反射されてから反射部30に伝達され、反射部30は伝達された拡張現実画像光を瞳孔に伝達することになる。
【0019】
このように、
図2の右側に示すような拡張現実用光学装置100-1は
図1の拡張現実用光学装置100のような機能を果たしながらも、画像出射部40にコリメーターのような構成を使わないので、
図2の左側に示すような外装型コリメーターを使う拡張現実用光学装置100に比べて、大きさ、嵩、厚さ、重さなどのフォームファクターを著しく減らすことができる利点がある。
【0020】
しかし、
図2の右側に示すような拡張現実用光学装置100-1は、ゴーストイメージを発生させる意図せぬ実際事物画像光も瞳孔に伝達することがあるという問題がある。
【0021】
図3は拡張現実用光学装置100-1のゴーストイメージの発生原理を説明するための図である。
【0022】
図3を参照すると、実際事物からの画像光である実際事物画像光は光学手段10を介して瞳孔に直接伝達されるとともに、補助反射部20によって反射されて瞳孔に伝達される雑光が存在し、雑光によって瞳孔に伝達された実際事物画像光は光学手段10を介して瞳孔に直接伝達された実際事物画像光と違う位置に像が形成されることによってゴーストイメージを発生させることになる。
【0023】
したがって、フォームファクターを減らすために補助反射部20を使う
図2のような内装型コリメーターを使う拡張現実用光学装置100-1で発生し得るゴーストイメージの問題を解決するとともに、前述したように、視野角(FOV、Field of View)を拡張させ、装置の大きさ、厚さ、重さ及び嵩を減らすことができ、拡張現実画像光の光効率を高めることができるコンパクト型拡張現実用光学装置が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1660519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は前述したような問題点を解決するためのものであり、大きさ、厚さ、重さ及び嵩を著しく減らすことができ、ゴーストイメージを効率的に遮断するとともに広い視野角を提供することができる拡張現実用光学装置を提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明は、ゴーストイメージを発生させることができる実際世界の画像光が使用者の瞳孔側に進行することを最小化することにより、シースルー(see-through)性をより極大化するとともに鮮明な仮想イメージを提供することができ、拡張現実画像光を瞳孔に反射させて伝達する複数の反射部の配置構造を用いることにより広い視野角を提供するとともに拡張現実画像光がアイボックスに伝達される光効率を改善することができるコンパクト型拡張現実用光学装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前述したような課題を解決するために、本発明は、ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置であって、実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、前記光学手段の内部に配置され、画像出射部から出射する拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を第2反射手段に伝達する第1反射手段と、前記光学手段の内部に配置され、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより使用者に拡張現実用画像を提供する第2反射手段とを含み、前記光学手段は、実際事物画像光が入射する第1面と、前記第2反射手段を介して伝達される拡張現実画像光及び実際事物画像光が使用者の目の瞳孔に向かって出射する第2面とを含み、前記画像出射部から出射した拡張現実画像光は前記光学手段の内部を通して前記第1反射手段に伝達されるか、あるいは前記光学手段の内面で全反射されて第1反射手段に伝達され、前記拡張現実画像光を反射させる第1反射手段の反射面は、実際事物画像光が入射する光学手段の第1面に向かうように配置され、前記第2反射手段は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に配置される複数の反射部から構成され、前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に段々近くなるように前記光学手段の内部に配置されることを特徴とする拡張現実用光学装置を提供する。
【0028】
ここで、前記第1反射手段は前記第2反射手段を挟んで画像出射部と対向するように前記光学手段の内部に配置されることができる。
【0029】
また、前記第1反射手段の反射面は曲面に形成されることができる。
【0030】
また、前記第1反射手段の反射面は光学手段の第1面側に凹むように形成されることができる。
【0031】
また、前記第1反射手段の幅方向の長さは4mm以下であることができる。
【0032】
また、前記第1反射手段は、光を部分的に反射させるハーフミラー(half mirror)または光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターから形成されることができる。
【0033】
また、前記第1反射手段は、屈折素子または回折素子から形成されることができる。
【0034】
また、前記第1反射手段の拡張現実画像光を反射させる反射面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコーティングされることができる。
【0035】
また、前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の第2面に対して傾斜角を有するように配置されることができる。
【0036】
また、前記複数の反射部のそれぞれは、4mm以下の大きさに形成されることができる。
【0037】
また、前記複数の反射部のそれぞれの大きさは、各反射部の縁境界線上の任意の2点間の最大長であることができる。
【0038】
また、前記複数の反射部のそれぞれの大きさは、使用者の瞳孔と各反射部との間の直線に垂直でありながら瞳孔の中心を含む平面に反射部を投映した正射影の縁境界線上の任意の2点間の最大長であることができる。
【0039】
また、前記複数の反射部のそれぞれは、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光が他の反射部によって遮断されないように配置されることができる。
【0040】
また、前記複数の反射部のそれぞれの大きさは部分的に互いに異なることができる。
【0041】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部の反射部の間隔が他の反射部の間隔と異なるように配置されることができる。
【0042】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部は光を部分的に反射させるハーフミラー、または光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターから形成されることができる。
【0043】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部は屈折素子または回折素子から形成されることができる。
【0044】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部において、拡張現実画像光を反射させる面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコーティングされることができる。
【0045】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部の表面が曲面に形成されることができる。
【0046】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部の前記光学手段に対する傾斜角は他の反射部と異なるように形成されることができる。
【0047】
また、前記第2反射手段は複数から構成され、前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、前記画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の第2反射手段は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置されることができる。
【0048】
また、前記それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部は、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることができる。
【0049】
また、前記それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部の中で少なくとも一部は、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部に対してz軸に平行な仮想の直線上に並んで位置しないように配置されることができる。
【0050】
また、前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されることができる。
【0051】
また、前記第1反射手段は、前記x軸方向に見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射部に段々近くなるように延びて形成されることができる。
【0052】
本発明の他の側面によれば、ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置であって、実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、前記光学手段の内部に埋め込まれて配置され、画像出射部から出射する拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を第2反射手段に伝達する第1反射手段と、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される複数の反射部を含む第2反射手段とを含み、前記光学手段は、実際事物画像光が入射する第1面と、前記第2反射手段を介して伝達される拡張現実画像光及び実際事物画像光が使用者の目の瞳孔に向かって出射する第2面とを含み、前記第2反射手段は、前記第1反射手段からの距離にかかわらず、前記光学手段の第2面に対して同じ距離を有するか、第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に対して段々遠くなるように光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第1反射部グループと、前記第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に対して段々近くなるように光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第2反射部グループとを含み、前記第2反射部グループと前記第1反射手段との距離は前記第1反射部グループと前記第1反射手段との距離より小さいことを特徴とする拡張現実用光学装置を提供する。
【0053】
ここで、前記画像出射部から出射した拡張現実画像光は前記光学手段の内部を通して前記第1反射手段に伝達されるか、または前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射されて第1反射手段に伝達されることができる。
【0054】
また、前記拡張現実画像光を反射させる第1反射手段の反射面は、実際事物画像光が入射する光学手段の第1面に向かうように配置されることができる。
【0055】
また、前記第1反射手段の反射面は曲面に形成されることができる。
【0056】
また、前記第1反射手段の反射面は光学手段の第1面側に凹むように形成されることができる。
【0057】
また、前記第1反射手段の幅方向の長さは4mm以下であることができる。
【0058】
また、前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の第2面に対して傾斜角を有するように配置されることができる。
【0059】
また、前記複数の反射部のそれぞれは、4mm以下の大きさを有するように形成されることができる。
【0060】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されることができる。
【0061】
また、前記複数の反射部の中で少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコートされることができる。
【0062】
また、前記第2反射手段は複数から構成され、前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、前記画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の第2反射手段は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置されることができる。
【0063】
また、前記第2反射手段のそれぞれは、それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部が、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることができる。
【0064】
また、前記第2反射手段のそれぞれは、複数の第2反射手段のそれぞれを構成する複数の反射部の中で少なくとも一部が、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部に対してz軸に平行な仮想の直線に沿って並んで位置しないように配置されることができる。
【0065】
また、前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されることができる。
【0066】
また、前記第1反射手段は、x軸方向に見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射手段に段々近くなるように延びて形成されることができる。
【0067】
また、前記画像出射部から出射した拡張現実画像光が光学手段に入射する第3面が屈折能を有するように曲面に形成されることができる。
【0068】
また、前記画像出射部と前記第3面との間に補助光学手段が配置されることができる。
【0069】
また、前記第2反射手段は複数から構成され、前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の内面の間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交しながら光学手段の内面の間を通る線分をz軸というとき、前記それぞれの第2反射手段と光学手段の第2面との距離が全部同一でないように配置される第2反射手段が少なくとも一つ以上存在することができる。
【発明の効果】
【0070】
本発明によれば、大きさ、厚さ、重さ及び嵩を著しく減らすことができ、ゴーストイメージを効率的に遮断するとともに広い視野角を提供することができる拡張現実用光学装置を提供することができる。
【0071】
また、本発明によれば、ゴーストイメージを発生させることができる実際世界の画像光が使用者の瞳孔側に進行することを最小化することによりシースルー(see-through)性をより極大化するとともに鮮明な仮想イメージを提供することができ、拡張現実画像光を瞳孔に反射させて伝達する複数の反射部の配置構造を用いることにより広い視野角を提供するとともに拡張現実画像光がアイボックスに伝達される光効率を改善することができるコンパクト型拡張現実用光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】前記特許文献1に開示されたような拡張現実用光学装置100を示す図である。
【
図2】画像出射部40にコリメーターを備えた
図1の拡張現実用光学装置100とコリメーターの機能を果たす補助反射部20が内部に配置された拡張現実用光学装置100-1との側面図を比較して示す図である。
【
図3】拡張現実用光学装置100-1のゴーストイメージの発生原理を説明するための図である。
【
図4】本発明の第1実施例によるゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置200の構成を説明するための図であり、
図4は拡張現実用光学装置200の側面図である。
【
図5】本発明の第1実施例によるゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置200の構成を説明するための図であり、
図5は拡張現実用光学装置200の斜視図である。
【
図6】第1反射手段20がゴーストイメージを遮断する原理を説明するための図である。
【
図7】本発明の第1実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置300の構成を示す図であり、
図7は拡張現実用光学装置300の斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置300の構成を示す図であり、
図8は拡張現実用光学装置300の正面図である。
【
図9】本発明の第1実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置400の構成を示す図であり、
図9は拡張現実用光学装置400の斜視図である。
【
図10】本発明の第1実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置400の構成を示す図であり、
図10は拡張現実用光学装置400の正面図である。
【
図11】本発明の第1実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置500の構成を示す図であり、
図11は拡張現実用光学装置500の斜視図である。
【
図12】本発明の第1実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置500の構成を示す図であり、
図12は拡張現実用光学装置500の正面図である。
【
図13】本発明の第2実施例による拡張現実用光学装置600の側面図である。
【
図14】本発明の第2実施例による拡張現実用光学装置600の斜視図である。
【
図15】光学手段10の内面での全反射構造を説明するための図である。
【
図16】光学手段10の内面での全反射構造を説明するための図である。
【
図17】光学手段10の内面での全反射構造を説明するための図である。
【
図18】光学手段10の内面での全反射構造を説明するための図である。
【
図19】光学手段10の内面での全反射構造を説明するための図である。
【
図20】光学手段10の内面での全反射構造を説明するための図である。
【
図21】本発明の第2実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置700の構成を示す図であり、
図21は拡張現実用光学装置700の斜視図である。
【
図22】本発明の第2実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置700の構成を示す図であり、
図22は拡張現実用光学装置700の正面図である。
【
図23】本発明の第2実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置800の構成を示す図であり、
図23は拡張現実用光学装置800の斜視図である。
【
図24】本発明の第2実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置800の構成を示す図であり、
図24は拡張現実用光学装置800の正面図である。
【
図25】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置900の構成を示す図であり、
図25は拡張現実用光学装置900の斜視図である。
【
図26】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置900の構成を示す図であり、
図26は拡張現実用光学装置900の正面図である。
【
図27】本発明の第3実施例による拡張現実用光学装置1000の側面図である。
【
図28】本発明の第3実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置1100の側面図である。
【
図29】本発明の第4実施例による拡張現実用光学装置1200を説明するための図であり、
図29は拡張現実用光学装置1200を瞳孔50側から見た正面図である。
【
図30】本発明の第4実施例による拡張現実用光学装置1200を説明するための図であり、
図30は拡張現実用光学装置1200をz軸に垂直な面に向かって見たときの側面図である。
【
図31】本発明の第4実施例による拡張現実用光学装置1200を説明するための図であり、
図31は拡張現実用光学装置1200をy軸に垂直な面に向かって見たときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0074】
[第1実施例]
【0075】
まず、
図4~
図12を参照して本発明による第1実施例及びその変形実施例について説明する。
【0076】
図4及び
図5は本発明の第1実施例によるゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置200(以下、簡単に“拡張現実用光学装置200”と言う)の構成を説明するための図であり、
図4は拡張現実用光学装置200の側面図、
図5は拡張現実用光学装置200の斜視図である。
【0077】
図4及び
図5を参照すると、本実施例による拡張現実用光学装置200は、光学手段10、第1反射手段20及び第2反射手段30を含む。
【0078】
光学手段10は、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔50に向けて透過させる手段である。
【0079】
ここで、実際事物画像光の少なくとも一部を瞳孔50に向けて透過させるというのは実際事物画像光の光透過率が必ずしも100%である必要はないという意味である。
【0080】
光学手段10は、互いに対向するように配置された第1面11及び第2面12を備える。第1面11は実際事物画像光が入射する面であり、第2面12は第2反射手段30で反射された拡張現実画像光及び第1面11を通過した実際事物画像光が使用者の目の瞳孔50に向かって出射する面である。
【0081】
図4及び
図5は、画像出射部40から出射する拡張現実画像光が光学手段10の第1面11で全反射されて第1反射手段20に伝達される全反射構造を示すが、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は全反射されず、光学手段10の内部を通して直接第1反射手段20に伝達されることもできる。
【0082】
全反射構造を使わない場合、すなわち画像出射部40から出射する拡張現実画像光が第1反射手段20に直接伝達される場合には、第1反射手段20の角度を考慮して画像出射部40を光学手段10の外部または内部の適切な位置に配置することができる。
【0083】
光学手段10の内面で全反射される全反射構造を使う場合、
図4及び
図5に示すように、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は光学手段10の第1面11で全反射されて第1反射手段20に伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は第2反射手段30でさらに反射されて光学手段10の第2面12を通して瞳孔50に出射する。
【0084】
ここで、第2反射手段30は複数の反射部31~35から構成され、本明細書で、第2反射手段30は複数の反射部31~35を通称するものとする。第2反射手段30の詳細構成については後述する。
【0085】
画像出射部40は拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を出射する手段である。画像出射部40は、前述したように、拡張現実画像光を第1反射手段20に出射させるか光学手段10の第1面11側に出射させ、例えば小型のLCDのようなディスプレイ装置であることができる。このような画像出射部40自体は本発明の直接的な目的ではなく従来技術に知られているものなので、ここでは詳細説明は省略する。ただし、本実施例画像出射部40は、先に背景技術の部分で説明したようなコリメーターのような構成は含まない。
【0086】
一方、拡張現実用画像とは、画像出射部40、光学手段10、第1反射手段20及び第2反射手段30を介して使用者の瞳孔50に伝達される仮想画像を意味し、イメージ形態の静止映像または動画のようなものであることができる。
【0087】
このような拡張現実用画像は画像出射部40、光学手段10、第1反射手段20及び第2反射手段30によって使用者の瞳孔50に伝達されることにより使用者に仮想画像として提供され、これと同時に使用者は実際世界に存在する実際事物から出射する実際事物画像光を光学手段10を介して伝達されることによって拡張現実サービスを受けることができる。
【0088】
第1反射手段20は光学手段10の内部に配置され、画像出射部40から出射した拡張現実画像光を第2反射手段30に伝達する手段である。
【0089】
前述したように、画像出射部40は第1反射手段20または光学手段10の第1面11に向けて拡張現実画像光を出射させる。全反射構造を使う場合、光学手段10の第1面11で全反射された拡張現実画像光は第1反射手段20に伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は第2反射手段30に伝達され、第2反射手段30でさらに反射されて瞳孔50に向かって出射する。
【0090】
全反射構造ではない場合、画像出射部40から出射した拡張現実画像光は第1反射手段20に直接伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は第2反射手段30に伝達される。第2反射手段30に伝達された拡張現実画像光は第2反射手段30でさらに反射されて瞳孔50に向かって出射する。
【0091】
第1反射手段20は、全反射構造を使う場合、第2反射手段30を挟んで画像出射部40と対向するように光学手段10の内部に配置される。
【0092】
また、第1反射手段20は、第2反射手段30に向けて拡張現実用画像光を反射させることができるように、光学手段10の第1面11と第2面12との間の内部に埋め込まれて配置される。すなわち、第1反射手段20は画像出射部40から出射した拡張現実画像光または光学手段10の第1面11で反射されて伝達される拡張現実画像光を第2反射手段30で反射させて伝達することができるように、第1面11と第2面12との間の光学手段10の内部に埋め込まれて配置される。ここで、埋め込まれて配置されるというのは、第1反射手段20が光学手段10の第1面11及び第2面12から距離を置いて離隔して光学手段10の内部空間に配置されることを意味する。
【0093】
また、第1反射手段20は、拡張現実画像光を反射させる第1反射手段20の反射面21が実際事物画像光が入射する光学手段10の第1面11に向かうように、光学手段10の内部に配置される。このような構成によって、第1反射手段20は拡張現実画像光を第2反射手段30に伝達するとともに、実際事物から出射する実際事物画像光の中でゴーストイメージを発生させる雑光を第2反射手段30または光学手段10の第2面12を介して瞳孔50に伝達せずに濾す機能を果たすことができる。
【0094】
一方、第1反射手段20の反射面21は曲面に形成されることができる。例えば、第1反射手段20の反射面21は、
図4及び
図5に示すように、光学手段10の第1面11の方向に凹むように形成された凹面鏡であることができる。このような場合、第1反射手段20が画像出射部40から出射した拡張現実画像光を視準させるコリメーター(collimator)としての役割を果たすことができ、よって画像出射部40にコリメーターのような構成を使う必要がない。
【0095】
図6は第1反射手段20がゴーストイメージを遮断する原理を説明するための図である。
【0096】
図6では、説明の便宜のために、第2反射手段30は省略した。
【0097】
図6に示すように、実際事物から出射してゴーストイメージを発生させることができる実際事物画像光(雑光)は第1反射手段20に入射する。ここで、前述したように、第1反射手段20は実際事物画像光が入射する光学手段10の第1面11に向かうように配置されているので、第1反射手段20の反射面21で反射された実際事物画像光(雑光)は光学手段10の第2面12に向かって出射し、光学手段10の第2面12でさらに全反射されて画像出射部40の方向に伝達されることが分かる。よって、実際事物から出射してゴーストイメージを発生させることができる雑光である実際事物画像光は光学手段10の内部で消滅され、瞳孔50側に進行しないことが分かる。
【0098】
ただ、このような原理は第1反射手段20で反射された実際事物画像光(雑光)が光学手段10の外部に進行しないようにするための基本的な原理を説明したものであり、実際には光学手段10の形態、屈折率、目と第1反射手段20の位置、瞳孔の大きさ及びアイレリーフ(eye relief)などを考慮して第1反射手段20で反射されて瞳孔50に入る外部光(雑光)を最小化することができるように第1反射手段20の位置及び方向を適宜調節しなければならない。
【0099】
一方、後述するように、第2反射手段30の大きさはヒトの一般的な瞳孔の大きさである8mm以下、より好ましくは4mm以下である。このような点を考慮して、第1反射手段20の幅方向の長さは第2反射手段30の大きさに相応するように8mm以下、より好ましくは4mm以下である。
【0100】
ここで、第1反射手段20の幅方向の長さとは、
図4及び
図5では、光学手段10の第1面11と第2面12との間の長さを意味する。
【0101】
また、第1反射手段20の幅方向の長さは、
図5で、外部からz軸の方向に垂直な面に向かって第1反射手段20を見るとき、第1反射手段20の両端部の間の長さであることができる。
【0102】
また、第1反射手段20は、使用者が瞳孔50を通して第1反射手段20をできるだけ認識することができないようにするために、使用者が瞳孔50を通して正面から光学手段10を見たときに見える厚さを非常に薄くすることが好ましい。
【0103】
また、第1反射手段20は光を部分的に反射させるハーフミラー(half mirror)のような手段から構成されることもできる。
【0104】
また、第1反射手段20は反射手段の他の屈折素子または回折素子から形成されることもできる。
【0105】
また、第1反射手段20は、光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルター(notch filter)などのような光学素子から形成されることもできる。
【0106】
また、第1反射手段20の拡張現実画像光を反射させる反射面21の反対面を、光を反射せずに吸収する素材でコーティングすることもできる。
【0107】
また、
図4及び
図5を参照して第2反射手段30について説明する。
【0108】
第2反射手段30は光学手段10の内部に配置され、第1反射手段20から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔50に向けて反射させて伝達することによって使用者に拡張現実用画像を提供する手段であり、複数の反射部31~35から形成される。
【0109】
複数の反射部31~35は、第1反射手段20から伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔50に伝達することができるように、光学手段10の内部に埋め込まれて配置される。すなわち、複数の反射部31~35も光学手段10の第1面11及び第2面12から距離を置いて離隔して光学手段10の内部空間に配置される。
【0110】
前述したように、画像出射部40から出射した拡張現実画像光は第1反射手段20を介して第2反射手段30に伝達されるので、第2反射手段30を構成する複数の反射部31~35は第1反射手段20及び瞳孔50の位置を考慮して光学手段10の第2面12に対して適切な傾斜角を有するように配置される。
【0111】
複数の反射部31~35は、先に背景技術で説明したように、深度を深くしてピンホール効果を得ることができるように、ヒトの瞳孔の大きさより小さい大きさ、すなわち8mm以下、より好ましくは4mm以下に形成される。
【0112】
すなわち、複数の反射部31~35はヒトの一般的な瞳孔の大きさより小さい大きさを有するように形成される。これにより、各反射部31~35を介して瞳孔50に入射する光に対する深度(Depth of Field)をほぼ無限大に近く、すなわち深度を非常に深くすることができ、よって使用者が実際世界を見つめながら実際世界に対する焦点距離を変更しても、これに関係なく拡張現実用画像の焦点はいつも合うものと認識するようにするピンホール効果(pinhole effect)を発生させることができる。
【0113】
ここで、複数の反射部31~35のそれぞれの大きさとは、各反射部31~35の縁境界線上の任意の2点間の最大長を意味するものと定義する。
【0114】
また、複数の反射部31~35のそれぞれの大きさは、瞳孔50と反射部31~35との間の直線に垂直でありながら瞳孔50の中心を含む平面に各反射部31~35を投映した正射影の縁境界線上の任意の2点間の最大長であることができる。
【0115】
一方、本発明で、反射部31~35の大きさがあまりにも小さい場合には反射部31~35での回折(diffraction)現象が大きくなることができるので、反射部31~35のそれぞれの大きさは、例えば0.3mmよりは大きいことが好ましい。
【0116】
また、反射部31~35のそれぞれの形状は円形であることが好ましい。ここで、反射部31~35の形状は、瞳孔50から反射部31~37を見たとき、円形と見えるように形成することもできる。
【0117】
一方、複数の反射部31~35のそれぞれは第1反射手段20から伝達される拡張現実画像光が他の反射部31~35によって遮断されないように配置される。このために、複数の反射部31~35は、
図4及び
図5の実施例で、第1反射手段20からの距離が遠いほど拡張現実画像光が瞳孔50に向かって出射する光学手段10の内面、すなわち光学手段10の第2面12に段々近くなるように光学手段10の内部に配置されることができる。
【0118】
図4及び
図5に示すように、光学手段10を使用者の瞳孔50の正面に置いたとき、瞳孔50から正面方向をx軸とすれば、画像出射部40はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段10の外部または内部に配置される。
【0119】
ここで、画像出射部40からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段10の第1面11と第2面12との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸とするとき、複数の反射部31~35は、外部から前記z軸に垂直な面に向かって光学手段10を見たとき、
図4に示すように、第1反射手段20からの距離が遠いほど光学手段10の第2面12に段々近くなるように光学手段10の内部に配置される。
【0120】
このような構成によれば、画像出射部40のいずれか一点から出射した拡張現実画像光は光学手段10の第1面11で全反射され、コリメーターとしての機能を果たす第1反射手段20に伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は複数の反射部31~35にそれぞれ伝達され、それぞれの反射部31~35で反射された拡張現実画像光は瞳孔50を通して使用者の網膜の一点に伝達されて像を形成することが分かる。
【0121】
ここで、複数の反射部31~35の大きさは全部同一である必要はなく、部分的に互いに異なるようにすることもできる。
【0122】
また、複数の反射部31~35は互いに同じ離隔して配置されることが好ましいが、少なくとも一部の反射部31~35の間隔を他の反射部31~35の間隔と異なるように配置することもできる。
【0123】
また、複数の反射部31~35の少なくとも一部は光を部分的に反射させるハーフミラー(half mirror)のような手段から構成することもできる。
【0124】
また、複数の反射部31~35の少なくとも一部は、反射手段の他の屈折素子または回折素子から形成することもできる。
【0125】
また、複数の反射部31~35の中で少なくとも一部は光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルター(notch filter)などのような光学素子から構成されることができる。
【0126】
また、複数の反射部31~35の中で少なくとも一部に対して、拡張現実画像光を反射させる面の反対面を、光を反射せずに吸収する素材でコーティングすることもできる。
【0127】
また、複数の反射部31~35の中で少なくとも一部の表面を曲面に形成することもできる。ここで、前記曲面は凹面または凸面であることができる。
【0128】
また、複数の反射部31~35の中で少なくとも一部の光学手段10に対する傾斜角は他の反射部31~35と異なるように形成することができる。
【0129】
図7及び
図8は本発明の第1実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置300の構成を示す図であり、
図7は拡張現実用光学装置300の斜視図、
図8は拡張現実用光学装置300の正面図である。
【0130】
図7及び
図8の拡張現実用光学装置300は、
図4~
図6の拡張現実用光学装置200と基本的な構成は同一であるが、複数の反射部31~35から構成される第2反射手段301~304が複数から形成されたことを特徴とする。
【0131】
ここで、複数の第2反射手段301~304は次のような配置構造を有する。すなわち、前述したように、光学手段10を使用者の瞳孔50の正面に置いたとき、瞳孔50から正面方向をx軸とすれば、画像出射部40はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段10の外部または内部に配置される。
【0132】
また、画像出射部40からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段10の第1面11と第2面12との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、複数の第2反射手段301~304は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置される。
【0133】
ここで、それぞれの第2反射手段301~304を構成する複数の反射部31~35のそれぞれは、隣接した第2反射手段301~304、すなわち両側の第2反射手段301~304を構成する複数の反射部31~35の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることができる。この場合、光学手段10をz軸に垂直な平面に向かって見れば、複数の第2反射手段301~304は
図4に示したものと同じに見える。
【0134】
図7及び
図8の実施例によれば、
図4~
図6の拡張現実用光学装置200と同じ作用効果を有しながらもz軸方向の視野角及びアイボックス(eye box)を広げることができる利点がある。
【0135】
図9及び
図10は本発明の第1実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置400の構成を示す図であり、
図9は拡張現実用光学装置400の斜視図、
図10は拡張現実用光学装置400の正面図である。
【0136】
図9及び
図10の実施例の拡張現実用光学装置400は、
図7及び
図8で説明した拡張現実用光学装置300と基本的に同様であるが、複数の第2反射手段301~304のそれぞれを構成する複数の反射部31~35の中で少なくとも一部は、隣接した第2反射手段301~304を構成する複数の反射部31~35に対してz軸に平行な仮想の直線上に並んで位置しないように配置されることを特徴とする。
【0137】
すなわち、
図9及び
図10に示すように、z軸の右側方向から互いに隣り合う一番目の第2反射手段301の反射部31~35と二番目の第2反射手段302の反射部31~35とをy軸方向の上側(画像出射部40側)から順に比較してみれば、一番目の第2反射手段301のそれぞれの反射部31~35は二番目の第2反射手段302のすべての反射部31~35に対してz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されていることが分かる。すなわち、一番目の第2反射手段301の反射部31~35と二番目の第2反射手段302の反射部31~35とは、z軸方向に垂直な面に向かって外部から見るとき、z軸に平行に整列されておらず互いにずれて配置されていることが分かる。
【0138】
図11及び
図12は本発明の第1実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置500の構成を示す図であり、
図11は拡張現実用光学装置500の斜視図、
図12は拡張現実用光学装置500の正面図である。
【0139】
図11及び
図12の拡張現実用光学装置500は
図4及び
図5を参照して説明した実施例と基本的に同様であるが、複数の反射部31~35がz軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー(bar)状に形成されたことを特徴とする。
【0140】
すなわち、前述したように、光学手段10を使用者の瞳孔50の正面に置いたとき、瞳孔50から正面方向をx軸とすれば、画像出射部40はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段10の外部または内部に配置される。
【0141】
また、画像出射部40からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段10の第1面11と第2面12との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、複数の反射部31~35は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー(bar)状に形成される。
【0142】
本実施例の場合にも、z軸に垂直な平面に向かって光学手段10を見たとき、複数の反射部31~35は
図4に示したものと同じに見える。
【0143】
一方、
図4~
図12の実施例で、第1反射手段20は、x軸に垂直な面に向かって光学手段10を見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射手段301~304に段々近くなるように延びて形成され、全体的に緩やかな“U”字形のバー状に形成される。
【0144】
ここで、第1反射手段20のz軸方向への全長は、複数の第2反射手段301~304の全体のz軸方向の長さに相応するかこれよりちょっと長いように延設されることができる。
【0145】
この場合にも、第1反射手段20の幅方向の長さは4mm以下であり、拡張現実画像光を反射させる反射面21が実際事物画像光が入射する光学手段10の第1面11に向かって凹んでいる形態に形成されることができる。
【0146】
[第2実施例]
【0147】
以下、
図13~
図31を参照して本発明による第2実施例及び第2実施例の変形実施例について説明する。
【0148】
図13及び
図14は本発明の第2実施例による拡張現実用光学装置600の側面図及び斜視図を示す図である。
【0149】
図13及び
図14を参照すると、本実施例による拡張現実用光学装置600は、光学手段10、第1反射手段20及び第2反射手段30を含む。
【0150】
本実施例による拡張現実用光学装置600は、
図4及び
図5を参照して説明した拡張現実用光学装置200と基本的に同様であるが、第2反射手段30を構成する複数の反射部31~35の配置構造に違いがある。
【0151】
すなわち、
図13及び
図14の拡張現実用光学装置600の第2反射手段30を複数の反射部31、32から構成される第1反射部グループ30Aと、複数の反射部33~35から構成される第2反射部グループ30Bとから構成し、第2反射部グループ30Bと第1反射手段20との間の距離を第1反射部グループ30Aと第1反射手段20との間の距離より小さくしたことを特徴とする。
【0152】
ここで、第1反射部グループ30Aを構成する複数の反射部31、32は、
図13に示すように、第1反射手段20からの距離が遠いほど光学手段10の第2面12に対して段々遠くなるように光学手段10の内部に埋め込まれて配置される。ただ、これは例示的なものであり、複数の反射部31、32は、第1反射手段20からの距離にかかわらず、光学手段10の第2面12に対して同じ距離を有することもできる。
【0153】
また、第2反射部グループ30Bを構成する複数の反射部33~35は、第1反射手段20からの距離が遠いほど光学手段10の第2面12に対して段々近くなるように光学手段10の内部に埋め込まれて配置される。
【0154】
図13及び
図14を参照すると、光学手段10を使用者の瞳孔50の正面に置いたとき、瞳孔50から正面方向をx軸とすれば、画像出射部40はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段10の外部または内部に配置される。
【0155】
また、画像出射部40からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段10の第1面11と第2面12との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、z軸に垂直な面に向かって光学手段10を見たとき、複数の反射部31~35は、
図13に示すもののように、全体的に緩やかな“C”字形に配置されたもののように見える。
【0156】
図13及び
図14は第1反射部グループ30Aを構成する複数の反射部31、32が第1反射手段20からの距離が遠いほど光学手段10の第2面12に対して段々遠くなるように配置された形態のみを示すが、第1反射部グループ30Aを構成する複数の反射部31、32は、第1反射手段20からの距離にかかわらず、光学手段の第2面12に対して同じ距離を有するように配置されることもできる。
【0157】
ここで、光学手段10の第1面11及び第2面12の中で少なくとも一つが曲面に形成されるか、瞳孔50の中心から正面方向の直線、すなわちx軸に対する垂直平面に平行でなく傾斜角を有するように形成される場合があり得るので、第1反射手段20からの距離が遠いほど光学手段10の第2面12に対して段々遠く配置されるというのは、第1反射手段20からの距離が遠いほど瞳孔50から正面方向の直線に対する垂直平面であって第2面12と瞳孔50との間に存在する垂直平面に対して段々遠く配置されることを意味する。
【0158】
同様に、第1反射手段20からの距離が遠いほど光学手段10の第2面12に段々近く配置されるというのは、第1反射手段20からの距離が遠いほど瞳孔50から正面方向の直線に対する垂直平面であって第2面12と瞳孔50との間に存在する垂直平面に段々近く位置するように配置されることを意味する。
【0159】
このような構成によれば、
図13に示すように、画像出射部40のいずれか一点から出射した拡張現実画像光はコリメーターの機能を果たす第1反射手段20によって反射されて複数の反射部31~35にそれぞれ伝達され、それぞれの反射部31~35で反射された拡張現実画像光は瞳孔50を通して使用者の網膜の一点に伝達されて像を形成することが分かる。
【0160】
一方、
図13及び
図14は、第1反射部グループ30Aが互いに隣り合う反射部31、32によって連続的に構成されるものとして示したが、これは例示的なものであり、例えば、隣り合わない反射部によって第1反射部グループ30Aを構成することもできる。これは第2反射部グループ30Bの場合にも同様である。
【0161】
また、第1反射部グループ30A及び第2反射部グループ30Bは複数から構成することもできるというのは言うまでもない。
【0162】
また、第2反射手段30を構成する複数の反射部31~35のすべてが第1反射部グループ30A及び第2反射部グループ30Bのいずれか一つに必ず含まれなければならないものではなく、第2反射手段30を構成する複数の反射部31~35の一部のみで第1反射部グループ30A及び第2反射部グループ30Bを構成することもできる。
【0163】
一方、
図13及び
図14の実施例で、第2反射手段30のその他の構成上の特徴と光学手段10及び第1反射手段20は先に
図4~
図12を参照して説明した第1実施例と同様であるので、その詳細説明は省略する。
【0164】
一方、第2実施例でも、画像出射部40から出射した拡張現実画像光が光学手段10の第1面11で1回全反射されてから第1反射手段20に伝達されるものとして説明したが、全反射されないかまたは2回以上全反射される構成も可能である。
【0165】
図15~
図20は光学手段10の内面での全反射構造を説明するための図である。
【0166】
図15は光学手段10の内面で全反射されない場合を示す図である。図示のように、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は全反射なしに第1反射手段20に光学手段10の内部を通して直接伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は第2反射手段30、すなわち複数の反射部31~35で反射されて瞳孔50に伝達されることが分かる。
【0167】
図16は光学手段10の内面で2回全反射される場合を示す図である。図示のように、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は光学手段10の第1面11で全反射されて第1反射手段20に伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光はさらに光学手段10の第1面11側に出射して第1面11でさらに全反射されてから第2反射手段30に伝達され、ここでさらに反射されて瞳孔50に伝達されることが分かる。
【0168】
図16は、z軸に垂直な面に向かって
図15の光学手段10を見るとき、
図15の光学手段10をx軸上で二等分した後、二等分線を第1面11とし、これを基準に
図15の第1反射手段20を対称移動させたものと実質的に同一であることが分かる。
【0169】
図17は光学手段10の内面で全反射されない他の場合を示す図である。図示のように、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は全反射なしに第1反射手段20に光学手段10の内部を通して直接伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は第2反射手段30、すなわち複数の反射部31~35で反射されて瞳孔50に伝達されることが分かる。
【0170】
図17の例は
図15と類似しているが、画像出射部40の位置及び第1反射手段20の位置及び角度に違いがある。
【0171】
図18は光学手段10の内面で1回全反射されるさらに他の場合を示す図である。図示のように、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は第1反射手段20に伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は光学手段10の第1面11側に出射し、第1面11でさらに全反射されてから第2反射手段30に伝達され、ここでさらに反射されて瞳孔50に伝達されることが分かる。
【0172】
図18はz軸方向に垂直な面に向かって
図17の光学手段10を見るとき、
図17の光学手段10をx軸上で二等分した後、二等分線を第1面11とし、これを基準に
図17の第1反射手段20を対称移動させたものと実質的に同一であることが分かる。
【0173】
図19は光学手段10の内面で全反射されないさらに他の例を示す図である。図示のように、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は全反射なしに第1反射手段20に光学手段10の内部を通して直接伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は第2反射手段30、すなわち複数の反射部31~35で反射されて瞳孔50に伝達されることが分かる。
【0174】
図19の例は
図15及び
図17と類似しているが、画像出射部40の位置及び大きさと第1反射手段20の位置及び角度に違いがある。
【0175】
図20は光学手段10の内面で2回全反射されるさらに他の場合を示す図である。図示のように、画像出射部40から出射する拡張現実画像光は第1反射手段20に伝達され、第1反射手段20で反射された拡張現実画像光は光学手段10の第2面12側に出射し、第2面12でさらに全反射されてから第1面11に伝達され、第1面11でさらに全反射されて第2反射手段30に伝達され、ここでさらに反射されて瞳孔50に伝達されることが分かる。
【0176】
図20はz軸に垂直な面に向かって
図19の光学手段10を見るとき、光学手段10をx軸上で三等分した後、三等分線のうち瞳孔50に近い線を第1面11として、三等分線を基準に
図19の第1反射手段20を2回対称移動させたものと実質的に同一であることが分かる。
【0177】
図15~
図20は光学手段10の内部で全反射されないか少なくとも1回以上全反射される構造を例示的に示すが、これに限定されるものではなく、その他の全反射回数によって拡張現実画像光を反射手段20に伝達することができるその他の多様な構造が可能であるというのは言うまでもない。
【0178】
また、
図15~
図20で説明した構造は、第1実施例にもそのまま適用することができるというのは言うまでもない。
【0179】
図21及び
図22は本発明の第2実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置700の構成を示す図であり、
図21は拡張現実用光学装置700の斜視図、
図22は拡張現実用光学装置700の正面図である。
【0180】
図21及び
図22の拡張現実用光学装置700は、
図13及び
図14の拡張現実用光学装置600と基本的な構成は同一であるが、複数の反射部31~35から構成される第2反射手段301~304が複数から形成されたことを特徴とする。
【0181】
ここで、複数の第2反射手段301、302、303、304は次のような配置構造を有する。すなわち、光学手段10を使用者の瞳孔50の正面に置いたとき、瞳孔50から正面方向をx軸とすれば、画像出射部40はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段10の外部または内部に配置される。
【0182】
ここで、画像出射部40からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段10の第1面11と第2面12との間を通る線分をy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、複数の第2反射手段301~304は前記z軸方向に互いに平行に離隔して配置される。
【0183】
ここで、それぞれの第2反射手段301~304を構成する複数の反射部31~35のそれぞれは、隣接した第2反射手段301~304、すなわち両側の第2反射手段301~304を構成する複数の反射部31~35の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることができる。このような場合、複数の第2反射手段301~304をz軸に垂直な面に向かって外部から見れば、
図13と同じに見える。
【0184】
図23及び
図24は本発明の第2実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置800の構成を示す図であり、
図23は拡張現実用光学装置800の斜視図、
図24は拡張現実用光学装置800の正面図である。
【0185】
図23及び
図24の実施例の拡張現実用光学装置800は、
図21及び
図22の拡張現実用光学装置700と基本的に同様であるが、複数の第2反射手段301~304のそれぞれを構成する複数の反射部31~35の中で少なくとも一部は、隣接した第2反射手段301~304を構成する複数の反射部31~35に対してz軸に平行な仮想の直線に沿って並んで位置しないように配置されることを特徴とする。
【0186】
すなわち、
図23及び
図24に示すように、z軸の右側方向から互いに隣り合う一番目の第2反射手段301の反射部31~35と二番目の第2反射手段302の反射部31~35とをy軸方向の上側(画像出射部40側)から順に比較してみれば、一番目の第2反射手段301のそれぞれの反射部31~35は二番目の第2反射手段302のすべての反射部31~35に対してz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されていることが分かる。すなわち、一番目の第2反射手段301の反射部31~35と二番目の第2反射手段302の反射部31~35とはx軸方向に見るとき、z軸に平行な仮想の直線に沿って並んで整列されておらず互いにずれて配置されていることが分かる。
【0187】
図25及び
図26は本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置900の構成を示す図であり、
図25は拡張現実用光学装置900の斜視図、
図26は拡張現実用光学装置900の正面図である。
【0188】
図25及び
図26の拡張現実用光学装置900は
図13及び
図14を参照して説明した実施例と同様であるが、複数の反射部31~35のそれぞれがz軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー(bar)状に形成されたことを特徴とする。
【0189】
すなわち、光学手段10を使用者の瞳孔50の正面に置いたとき、瞳孔50から正面の方向をx軸とすれば、画像出射部40はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置される。
【0190】
ここで、画像出射部40からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段10の第1面11と第2面12との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、複数の反射部31~35はz軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー(bar)状に形成される。
【0191】
一方、
図13~
図26の実施例で、第1反射手段20は、x軸方向に見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射手段301、302、303、304に段々近くなるように延びて形成され、全体的に緩やかな“U”字形のバー(bar)状に形成される。これは先に第1実施例で説明したものと同一であるので、その詳細説明は省略する。
【0192】
[第3実施例]
【0193】
図27は本発明の第3実施例による拡張現実用光学装置1000の側面図である。
【0194】
図27の実施例は画像出射部40から出射した拡張現実画像光が光学手段10に入射する第3面13が屈折能を有するように曲面に形成されたことを特徴とする。
【0195】
すなわち、拡張現実画像光が光学手段10に入射する第3面13を画像出射部40側に突出した曲面に形成することにより、第3面13が画像出射部40から入射する拡張現実画像光に対するコリメーターとしての機能を果たすようにすることができる。
【0196】
前述したように、第1反射手段20は光学手段10の内部に内蔵されたコリメーターとしての機能を果たすから、第3面13を補助的なコリメーターとして使えるので、拡張現実用光学装置1000全体におけるコリメーターとしての全体性能を向上させることができる。
【0197】
図27で、第3面13は第1面11と第2面12との間に形成されたものとして示したが、これに限定されるものではなく、第3面13は画像出射部40から出射した拡張現実画像光が光学手段40に入射する面を意味するという点を留意しなければならない。
【0198】
一方、
図27は第2実施例において第3面13が突出した曲面に形成されたものとして示したが、第1実施例にも適用することができるというのは言うまでもない。
【0199】
図28は本発明の第3実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置1100の側面図である。
【0200】
図28の実施例は
図27の実施例と同様であるが、画像出射部40と第3面13との間に補助光学手段70が配置されたことを特徴とする。
【0201】
図28で、補助光学手段70は凸レンズから形成されているが、これは例示的なものであり、その他の多様な反射手段、屈折手段または回折手段の中で少なくとも一つ以上の組合せを使うことができる。このような補助光学手段70を適切に活用することにより、拡張現実用光学装置1100の全体性能を向上させることができる。
【0202】
図28の補助光学手段70も第1実施例及び第2実施例の両方に適用することができる。
【0203】
[第4実施例]
【0204】
図29~
図31は本発明の第4実施例による拡張現実用光学装置1200を説明するための図であり、
図29は拡張現実用光学装置1200を瞳孔50側から見た正面図、
図30は拡張現実用光学装置1200をz軸に垂直な面に向かって見たときの側面図、
図31は拡張現実用光学装置1200をy軸に垂直な面に向かって見たときの平面図である。
【0205】
図29~
図31に示す拡張現実用光学装置1200は
図13及び
図14の拡張現実用光学装置700と同様に第2反射手段301~305が複数から構成されるが、それぞれの第2反射手段301~305と光学手段10の第2面12との距離が全部同一でないように配置される第2反射手段301~305が少なくとも一つ以上存在するという点で違いがある。
【0206】
すなわち、前述したように、拡張現実用光学装置1200を使用者の瞳孔50の正面に置いたとき、瞳孔50から正面の方向をx軸といい、画像出射部40からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段10の第1面11と第2面12との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、第2反射手段301~305と光学手段10の第2面12との距離がすべて同一でないように配置される第2反射手段301~305が少なくとも一つ以上存在するように第2反射手段301~305が配置されることを特徴とする。
【0207】
言い換えれば、
図30に示すように、複数の第2反射手段301~305の中で少なくとも一部はz軸に垂直な面に向かって見たとき、重なって見えないように配置されることを意味する。
【0208】
図29~
図31の実施例で、点線で示した2個の第2反射手段301、305と光学手段10の第2面12との距離と、黒色で示した2個の第2反射手段302、304と光学手段10の第2面12との距離と、白色で示した1個の第2反射手段303と光学手段10の第1面12との距離とは互いに異なるように配置される。
【0209】
ここで、点線で示した2個の第2反射手段301、305のそれぞれと光学手段10の第2面12との距離は同一であり、黒色で示した2個の第2反射手段302、304のそれぞれと光学手段10の第2面12との距離は同一であるものとして示したが、これは例示的なものであり、すべての第2反射手段301~305と光学手段10の第2面12との距離をそれぞれ異なるように配置することもできるというのは言うまでもない。
【0210】
図29~
図31の実施例も第1実施例及び第2実施例の両方に適用することができるというのは言うまでもない。
【0211】
以上で、本発明の好適な実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その他の多様な修正及び変形実施が可能であるというのは言うまでもない。
【0212】
[付記1]
ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置であって、
実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
前記光学手段の内部に配置され、画像出射部から出射する拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を第2反射手段に伝達する第1反射手段と、
前記光学手段の内部に配置され、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより使用者に拡張現実用画像を提供する第2反射手段と、
を含み、
前記光学手段は、実際事物画像光が入射する第1面と、前記第2反射手段を介して伝達される拡張現実画像光及び実際事物画像光が使用者の目の瞳孔に向かって出射する第2面とを含み、
前記画像出射部から出射した拡張現実画像光は前記光学手段の内部を通して前記第1反射手段に伝達されるか、あるいは前記光学手段の内面で全反射されて第1反射手段に伝達され、
前記拡張現実画像光を反射させる第1反射手段の反射面は、実際事物画像光が入射する光学手段の第1面に向かうように配置され、
前記第2反射手段は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に配置される複数の反射部から構成され、
前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に段々近くなるように前記光学手段の内部に配置されることを特徴とする、拡張現実用光学装置。
【0213】
[付記2]
前記第1反射手段は前記第2反射手段を挟んで画像出射部と対向するように前記光学手段の内部に配置されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0214】
[付記3]
前記第1反射手段の反射面は曲面に形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0215】
[付記4]
前記第1反射手段の反射面は光学手段の第1面側に凹むように形成されたことを特徴とする、付記3に記載の拡張現実用光学装置。
【0216】
[付記5]
前記第1反射手段の幅方向の長さは4mm以下であることを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0217】
[付記6]
前記第1反射手段は、光を部分的に反射させるハーフミラー(half mirror)または光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターから形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0218】
[付記7]
前記第1反射手段は、屈折素子または回折素子から形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0219】
[付記8]
前記第1反射手段の拡張現実画像光を反射させる反射面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0220】
[付記9]
前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の第2面に対して傾斜角を有するように配置されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0221】
[付記10]
前記複数の反射部のそれぞれは、4mm以下の大きさに形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0222】
[付記11]
前記複数の反射部のそれぞれの大きさは、各反射部の縁境界線上の任意の2点間の最大長であることを特徴とする、付記10に記載の拡張現実用光学装置。
【0223】
[付記12]
前記複数の反射部のそれぞれの大きさは、使用者の瞳孔と各反射部との間の直線に垂直でありながら瞳孔の中心を含む平面に反射部を投映した正射影の縁境界線上の任意の2点間の最大長であることを特徴とする、付記10に記載の拡張現実用光学装置。
【0224】
[付記13]
前記複数の反射部のそれぞれは、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光が他の反射部によって遮断されないように配置されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0225】
[付記14]
前記複数の反射部のそれぞれの大きさは部分的に互いに異なることを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0226】
[付記15]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部の反射部の間隔が他の反射部の間隔と異なるように配置されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0227】
[付記16]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は光を部分的に反射させるハーフミラー、または光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターから形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0228】
[付記17]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は屈折素子または回折素子から形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0229】
[付記18]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部において、拡張現実画像光を反射させる面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0230】
[付記19]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部の表面が曲面に形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0231】
[付記20]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部の前記光学手段に対する傾斜角は他の反射部と異なるように形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0232】
[付記21]
前記第2反射手段は複数から構成され、
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、前記画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の第2反射手段は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置されることを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0233】
[付記22]
前記それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部は、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることを特徴とする、付記21に記載の拡張現実用光学装置。
【0234】
[付記23]
前記それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部の中で少なくとも一部は、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部に対してz軸に平行な仮想の直線上に並んで位置しないように配置されることを特徴とする、付記21に記載の拡張現実用光学装置。
【0235】
[付記24]
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されたことを特徴とする、付記1に記載の拡張現実用光学装置。
【0236】
[付記25]
前記第1反射手段は、前記x軸方向に見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射部に段々近くなるように延びて形成されることを特徴とする、付記21から24のいずれか一つに記載の拡張現実用光学装置。
【0237】
[付記26]
ゴーストイメージ遮断機能及び広視野角を有するコンパクト型拡張現実用光学装置であって、
実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
前記光学手段の内部に埋め込まれて配置され、画像出射部から出射する拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を第2反射手段に伝達する第1反射手段と、
前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される複数の反射部を含む第2反射手段と、
を含み、
前記光学手段は、実際事物画像光が入射する第1面と、前記第2反射手段を介して伝達される拡張現実画像光及び実際事物画像光が使用者の目の瞳孔に向かって出射する第2面とを含み、
前記第2反射手段は、
前記第1反射手段からの距離にかかわらず、前記光学手段の第2面に対して同じ距離を有するか、第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に対して段々遠くなるように光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第1反射部グループと、
前記第1反射手段からの距離が遠いほど前記光学手段の第2面に対して段々近くなるように光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第2反射部グループと、
を含み、
前記第2反射部グループと前記第1反射手段との距離は前記第1反射部グループと前記第1反射手段との距離より小さいことを特徴とする、拡張現実用光学装置。
【0238】
[付記27]
前記画像出射部から出射した拡張現実画像光は前記光学手段の内部を通して前記第1反射手段に伝達されるか、または前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射されて第1反射手段に伝達されることを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0239】
[付記28]
前記拡張現実画像光を反射させる第1反射手段の反射面は、実際事物画像光が入射する光学手段の第1面に向かうように配置されたことを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0240】
[付記29]
前記第1反射手段の反射面は曲面に形成されたことを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0241】
[付記30]
前記第1反射手段の反射面は光学手段の第1面側に凹むように形成されたことを特徴とする、付記29に記載の拡張現実用光学装置。
【0242】
[付記31]
前記第1反射手段の幅方向の長さは4mm以下であることを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0243】
[付記32]
前記第2反射手段を構成する複数の反射部は、前記第1反射手段から伝達される拡張現実画像光を瞳孔に向けて反射させて伝達するように前記光学手段の第2面に対して傾斜角を有するように配置されることを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0244】
[付記33]
前記複数の反射部のそれぞれは、4mm以下の大きさを有するように形成されたことを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0245】
[付記34]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されたことを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0246】
[付記35]
前記複数の反射部の中で少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面が光を反射せずに吸収する素材でコートされたことを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0247】
[付記36]
前記第2反射手段は複数から構成され、
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、前記画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の第2反射手段は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置されることを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0248】
[付記37]
前記第2反射手段のそれぞれは、それぞれの第2反射手段を構成する複数の反射部が、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部の中でいずれか一つと一緒にz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように並んで配置されることを特徴とする、付記36に記載の拡張現実用光学装置。
【0249】
[付記38]
前記第2反射手段のそれぞれは、複数の第2反射手段のそれぞれを構成する複数の反射部の中で少なくとも一部が、隣接した第2反射手段を構成する複数の反射部に対してz軸に平行な仮想の直線に沿って並んで位置しないように配置されることを特徴とする、付記36に記載の拡張現実用光学装置。
【0250】
[付記39]
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸とすれば、画像出射部はx軸と直交する直線上に位置するように光学手段の外部または内部に配置され、
前記画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、これらのx軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されたことを特徴とする、付記26に記載の拡張現実用光学装置。
【0251】
[付記40]
前記第1反射手段は、x軸方向に見たとき、中央部から左右の両端部側に行くほど第2反射手段に段々近くなるように延びて形成されることを特徴とする、付記36から39のいずれか一つに記載の拡張現実用光学装置。
【0252】
[付記41]
前記画像出射部から出射した拡張現実画像光が光学手段に入射する第3面が屈折能を有するように曲面に形成されたことを特徴とする、付記1または26に記載の拡張現実用光学装置。
【0253】
[付記42]
前記画像出射部と前記第3面との間に補助光学手段が配置されたことを特徴とする、付記41に記載の拡張現実用光学装置。
【0254】
[付記43]
前記第2反射手段は複数から構成され、
前記光学手段を使用者の瞳孔の正面に置いたとき、瞳孔から正面の方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線のうちx軸に沿って平行でありながら光学手段の内面の間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交しながら光学手段の内面の間を通る線分をz軸というとき、前記それぞれの第2反射手段と光学手段の第2面との距離が全部同一でないように配置される第2反射手段が少なくとも一つ以上存在することを特徴とする、付記1または26に記載の拡張現実用光学装置。
【国際調査報告】