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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】ファン組立体
(51)【国際特許分類】
   F04D 27/00 20060101AFI20221212BHJP
   F04D 25/10 20060101ALI20221212BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20221212BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20221212BHJP
【FI】
F04D27/00 101U
F04D25/10 302T
F24F11/79
F24F11/65
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522977
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 GB2020052231
(87)【国際公開番号】W WO2021074576
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】1915017.6
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】エオイン ヴィンセント ファニング
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ニール ジュークス
【テーマコード(参考)】
3H021
3H130
3L260
【Fターム(参考)】
3H021AA01
3H021AA09
3H021BA20
3H021CA04
3H021CA05
3H021DA06
3H021DA12
3H021EA03
3H021EA12
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB50
3H130AC25
3H130BA75A
3H130BA75G
3H130BA76A
3H130BA76G
3H130BA79A
3H130BA79G
3H130CA24
3H130DD01Z
3H130DE14X
3H130EA03A
3H130EA03G
3H130EA08
3H130EA08G
3H130ED05G
3L260AB14
3L260AB18
3L260BA08
3L260CB62
3L260CB66
3L260FA08
3L260FC14
(57)【要約】
ファン組立体を表面上に支持するように配置されたベースと、空気流を生成するように配置された空気流発生器と、ファン組立体からの空気流の少なくとも一部を放出するように配置された空気出口とを含むファン組立体が提供され、この空気出口は、ベースに対して振動するように配置されている。ファン組立体は、更に、ベースに対する空気出口の振動を制御するように配置されたコントローラを備え、このコントローラは、振動毎に空気出口の振動速度を変化させるように配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン組立体であって、
前記ファン組立体を表面上に支持するように配置されたベースと、
空気流を生成するように配置された空気流発生器と、
前記ファン組立体から前記空気流の少なくとも一部を放出するように配置された空気出口であって、前記ベースに対して振動するように配置された空気出口と、
前記ベースに対する前記空気出口の振動を制御するように配置されたコントローラであって、振動毎に前記空気出口の振動速度を変化させるように配置されたコントローラと、
を含む、ファン組立体。
【請求項2】
前記コントローラは、前記振動速度をランダムに変化させるように配置されている、請求項1に記載のファン組立体。
【請求項3】
前記コントローラは、振動毎に使用される前記振動速度をランダムに選択するように配置されている、請求項1または2のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項4】
前記コントローラは、振動速度の範囲内から振動毎に使用される前記振動速度をランダムに選択するように配置されている、請求項3に記載のファン組立体。
【請求項5】
前記コントローラは、前記振動速度を上限速度と下限速度との間からランダムに選択するように配置されている、請求項3または4のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項6】
前記コントローラは、更に、振動毎に前記空気出口の振動の大きさを変化させるように配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項7】
前記コントローラが複数の振動モードで構成されており、前記複数の振動モードのうちの少なくとも1つにあるとき、前記コントローラは、振動毎に前記空気出口の振動速度を変化させるように配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項8】
前記複数の振動モードのうちの少なくとも1つの他のモードにあるとき、前記コントローラは、振動毎の前記空気出口の振動速度および振動の大きさを変化させるように配置されている、請求項7に記載のファン組立体。
【請求項9】
前記複数の振動モードのうちの少なくとも1つの他のモードにあるとき、前記コントローラは、振動毎の前記空気出口の振動速度を維持するように配置されている、請求項7または8のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項10】
前記複数の振動モードのうちの少なくとも1つの他のモードにあるとき、前記コントローラは、前記空気出口を静止状態に維持するように配置されている、請求項7~9のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項11】
前記ファン組立体が2つ以上の空気出口を含み、前記2つ以上の空気出口が前記ベースに対して独立して振動するように配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項12】
前記コントローラが、振動毎に、前記2つ以上の空気出口のそれぞれの振動速度を独立して変化させるように配置されている、請求項11に記載のファン組立体。
【請求項13】
前記コントローラが、振動毎に、前記2つ以上の空気出口のそれぞれの振動速度が前記2つ以上の空気出口の他方の振動速度と異なることを確実とするように配置されている、請求項12に記載のファン組立体。
【請求項14】
前記ファン組立体から空気流の少なくとも一部を放出するように配置された更なる空気出口を備え、前記更なる空気出口が前記ベースに対して振動するように構成されており、前記コントローラが、前記ベースに対する前記更なる空気出口の振動を制御するように配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のファン組立体。
【請求項15】
前記コントローラが、振動毎に、前記空気出口および前記更なる空気出口の両方の振動速度を独立して変化させるように配置されている、請求項14に記載のファン組立体。
【請求項16】
前記コントローラが、振動毎に、前記空気出口の振動速度が前記更なる空気出口の振動速度と異なることを確実とするように配置されている、請求項15に記載のファン組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
熱的快適性および/または環境または温度制御の目的で使用される従来の家庭用ファンは、通常、比較的安定した空気流を生成する。しかしながら、熱的快適性の研究では、自然風やそよ風が、これらの安定した人工的な空気流よりも大きな冷感をもたらし得ることが示されている。特に、現場研究と制御実験との両方が、一定の空気流と比較した場合、自然のそよ風が人間により大きな熱応答または温熱感覚をもたらし得ることを示唆した。
【0003】
従って、自然風の流れ特性を再現する空気流を生成することができ、従って、安定した人工的な空気流によって提供されるよりもより快適な冷感を提供すると見なすことができるファン組立体を提供することが望ましい。しかしながら、風の無秩序に思われるまたは不規則な性質とその流体メカニズムの規模とを考慮に入れると、屋内環境で自然な屋外の空気流を再現することは困難な作業である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自然風の流れ特性を再現する空気流を生成することができ、従って、ユーザに向上した熱的快適性を提供すると見なすことができるファン組立体を提供することである。従って、本発明者らは、乱流統計法を使用して、人間の典型的な高さにおける風のプロファイルを開発し、そのような高さでの自然風を表すいくつかの特性を特定した。次に、本発明者らは、従来の振動方法論を使用して自然風について決定された特性に対応する特性を有する空気流を生成することは困難であると判定した。しかしながら、本発明者らは、次に、自然風の特定された特性を、人間に関連する周波数範囲にわたって現実的にシミュレートすることができる方法で、空気流を非周期的に振動させ得ることを見出した。特に、本発明者らは、自然風の特定された特性が、振動毎に変化する振動速度で空気出口を振動させることができるファン組立体によって再現可能であることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、ファン組立体を表面上に支持するように配置されたベースと、空気流を生成するように配置された空気流発生器と、ファン組立体から空気流の少なくとも一部を放出するように配置された空気出口であって、ベースに対して振動するように配置された空気出口と、を含むファン組立体が提供される。ファン組立体は、更に、ベースに対する空気出口の振動を制御するように配置されたコントローラを含み、このコントローラは、振動毎に空気出口の振動速度を変化させるように配置されている。
【0006】
コントローラは、振動速度をランダムに変化させるように配置することができる。コントローラは、振動毎に使用される振動速度をランダムに選択するように配置することができる。コントローラは、振動速度の範囲内から振動毎に使用される振動速度をランダムに選択するように配置することができる。コントローラは、上限速度と下限速度との間から振動速度をランダムに選択するように配置することができる。コントローラは、下限速度から上限速度まで均等に分配された複数の振動速度から、振動毎に使用される振動速度をランダムに選択するように配置することができる。
【0007】
コントローラは、更に、振動毎に空気出口の振動の大きさを変化させるように配置することができる。コントローラは、振動の大きさをランダムに変化させるように配置することができる。コントローラは、振動毎に使用される振動の大きさをランダムに選択するように配置することができる。コントローラは、振動の範囲内から振動毎に使用される振動の大きさをランダムに選択するように配置することができる。コントローラは、振動の上限と振動の下限との間から振動の大きさをランダムに選択するように配置することができる。コントローラは、振動の上限から振動の下限まで均等に分配された複数の振動の大きさから、振動毎に使用される振動の大きさをランダムに選択するように配置することができる。
【0008】
コントローラは、複数の振動モードで構成することができ、その場合、コントローラは、複数の振動モードのうちの少なくとも1つにあるとき、振動毎に空気出口の振動速度を変更するように配置することができる。コントローラは、複数の振動モードのうちの少なくとも1つの他のモードにあるとき、振動毎に空気出口の振動速度および振動の大きさの両方を変更するように配置することができる。コントローラは、複数の振動モードのうちの少なくとも1つの他のモードにあるとき、振動毎に空気出口の振動速度を維持するように(即ち、振動毎に単一の一定の振動速度を使用するように)配置することができる。コントローラは、複数の振動モードのうちの少なくとも1つの他のモードにあるとき、空気出口を静止状態に維持するように配置することができる。
【0009】
コントローラは、第1の振動モードおよび第2の振動モードで構成することができ、第1の振動モードは、第2の振動モードとは異なり、その場合、コントローラは、第1の振動モードにあるとき、振動毎に空気出口の振動速度を変化させるように配置することができる。次に、コントローラは、第2の振動にあるとき、振動毎の空気出口の振動速度を維持するように(即ち、振動毎に単一の一定の振動速度を使用するように)配置することができる。コントローラは、第3の振動モードで構成することができ、その場合、第3の振動モードにあるとき、空気出口を静止状態に維持するように配置することができる。コントローラは、第4の振動モードで構成することができ、その場合、振動毎に空気出口の振動速度および振動の大きさの両方を変更するように配置することができる。
【0010】
ファン組立体はノズルを備えてもよく、空気出口はノズル上に設けられる。ファン本体は、空気流発生器を収容することができ、空気流発生器によって空気流を本体内に引き込む空気入口と、本体から空気流を放出するための空気流発生器の下流の空気出口とを備える。次に、ノズルを本体の空気出口上に取り付けることができる。次に、ノズルは、本体の空気出口から排出された空気流を受け入れるように配置することができる。
【0011】
ノズルは、ベースに対して固定されたノズル本体を備えることができ、次いで、空気出口は、ノズル本体に対して振動するように配置することができる。ファン組立体はファン本体を備えることができ、その場合、ノズルはファン本体に取り付けられる。次に、空気出口がベースに対して振動するように、ノズルをベースに対して振動するように配置することができる。ファン本体をベースに固定して取り付けてもよく、その場合、空気出口がベースに対して振動するように、ノズルをファン本体に対して振動するように配置することができる。あるいは、ファン本体はベースを含んでもよく、その場合、空気出口がベースに対して振動するように、ノズルをファン本体に対して振動するように配置することができる。ノズルはファン本体に対して固定することができ、その場合、空気出口がベースに対して振動するように、ファン本体をベースに対して振動するように配置することができる。
【0012】
ファン組立体は、2つ以上の空気出口を含んでもよく、その場合、2つ以上の空気出口は、ベースに対して独立して振動するように配置され得る。コントローラは、振動毎に2つ以上の空気出口のそれぞれの振動速度を独立して変化させるように構成することができる。コントローラは、振動毎に、2つ以上の空気出口のそれぞれの振動速度が、2つ以上の空気出口の他方の振動速度と異なることを確実にするように構成してもよい。
【0013】
ファン組立体は、ファン組立体から空気流の少なくとも一部を放出するように配置された更なる空気出口を備えることができ、この更なる空気出口は、ベースに対して振動するように配置され、コントローラは、ベースに対する更なる空気出口の振動を制御するように配置される。コントローラは、振動毎に空気出口と更なる空気出口との両方の振動速度を独立して変化させるように配置することができる。コントローラは、振動毎に、空気出口の振動速度が更なる空気出口の振動速度とは異なることを確実とするように配置することができる。
【0014】
ファン組立体を表面上に支持するように配置されたベースと、空気流を生成するように配置された空気流発生器と、それぞれがファン組立体からの空気流の少なくとも一部を放出するように配置された1つ以上の空気出口とを含むファン組立体も提供され、この1つ以上の空気出口は、ベースに対して振動するように配置されている。ファン組立体は、更に、ベースに対する1つ以上の空気出口の振動を制御するように配置されたコントローラを備え、このコントローラは、振動毎に1つ以上の空気出口の振動速度を変化させるように配置されている。ファン組立体は、ベースに対して独立して振動するように配置された2つ以上の空気出口を含むことができ、その場合、コントローラは、振動毎に2つ以上の空気出口の振動速度を独立して変化させるように配置することができる。
【0015】
ファン組立体を表面上に支持するように配置されたベースと、空気流を生成するように配置された空気流発生器と、それぞれがファン組立体からの空気流の少なくとも一部を放出するように配置された2つ以上の空気出口とを含むファン組立体も提供され、この2つ以上の空気出口は、ベースに対して独立して振動するように配置されている。ファン組立体は、更に、ベースに対する2つ以上の空気出口のそれぞれの振動を制御するように配置されたコントローラを備え、コントローラは、振動毎に2つ以上の空気出口のそれぞれの振動速度を独立して変化させるように配置されている。
【0016】
ファン組立体を表面上に支持するように配置されたベースと、空気流を生成するように配置された空気流発生器と、それぞれがファン組立体からの空気流の少なくとも一部を放出するように配置された第1の空気出口および第2の空気出口とを含むファン組立体も提供され、この第1および第2の空気出口は、ベースに対して独立して振動するように配置されている。ファン組立体は、更に、ベースに対する第1および第2の空気出口のそれぞれの振動を制御するように配置されたコントローラを備え、このコントローラは、振動毎に第1および第2の空気出口のそれぞれの振動速度を独立して変化させるように配置されている。
【0017】
次に、本発明の実施形態を、単なる例示として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ファン組立体の一実施形態の等角図である。
図2図1のファン組立体の正面図である。
図3図1のファン組立体の断面側面図である。
図4】振動機構の一実施形態の斜視図である。
図5】ファン組立体の更なる実施形態の等角図である。
図6図5のファン組立体の正面図である。
図7図5のファン組立体の断面側面図である。
図8図5のファン組立体のノズルの上面断面図である。
図9】振動機構の更なる実施形態の側面図である。
図10図9の振動機構の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、自然風の流れ特性を再現する空気流を生成することができ、従って、ユーザに向上した熱的快適性を提供すると見なすことができる、ノズルを含むファン組立体について説明する。本明細書で使用される「ファン組立体」という用語は、熱的快適性および/または環境または温度制御の目的で空気流を生成および送達するように構成されたファン組立体を指す。そのようなファン組立体は、除湿された空気流、加湿された空気流、浄化された空気流、濾過された空気流、冷却された空気流、および加熱された空気流のうちの1つ以上を生成することができる。
【0020】
ファン組立体は、ファン組立体を表面上に支持するように配置されたベースと、空気流を生成するように配置された空気流発生器と、ファン組立体から空気流の少なくとも一部を放出するように配置された空気出口とを備え、この空気出口は、ベースに対して振動するように配置されている。ファン組立体は、更に、ベースに対する空気出口の振動を制御するように配置されたコントローラを備え、コントローラは、振動毎に空気出口の振動速度を変化させるように配置されている。
【0021】
本明細書で使用される「振動」という用語は、第1の方向への運動と反対の第2の方向への運動との間で繰り返し切り替わる運動を指す。特に、振動は、2つの固定されたエンドポイント間および/または固定された中心点を中心とした前後運動を含み得るが、本明細書で使用される「振動」という用語は、そのような運動のパターンに限定されることを意図しておらず、可変のエンドポイント間の前後運動も含み、および/または、その運動には固定された中心点は存在しない。従って、本明細書で使用される「振動」および「単一の振動」という用語は、特定の方向への完全な運動を指している。例えば、振動には、直前の方向転換と直後の方向転換との間で起こる特定の方向への運動が含まれる。
【0022】
本明細書で使用される「振動速度」という用語は、振動の速度またはレート(即ち、振動中の運動速度)を指す。例えば、ファン組立体の場合、空気出口の振動は、空気出口が振動する速度がラジアンまたは度/秒での回転速度または角速度を含むように、通常、回転軸に対する空気出口の回転を伴う。その場合、本明細書で使用される「振動の大きさ」という用語は、振動のサイズまたは程度を指す。例えば、空気出口の振動が回転軸に対する空気出口の回転を伴うファン組立体の場合、振動の大きさは、振動/回転の角度、即ち振動中に空気出口が回転する角度を含むであろう。本明細書で使用される「振動周波数」という用語は、ある期間内に発生する個々の振動の数を指しており、ヘルツ(Hz)で提供することができる。従って、振動周波数は、各振動の振動速度と振動の大きさとの組み合わせによって定義される。
【0023】
好ましい実施形態では、コントローラは、振動毎に空気出口の振動速度をランダムに変化させるように配置されている。特に、コントローラは、好ましくは、所定の振動速度の範囲内から、振動毎に使用される振動速度をランダムに選択するように配置される。例えば、この所定の振動速度の範囲は、振動速度の上限と振動速度の下限とによって定義することができ、それにより、コントローラが振動速度の上限と振動速度の下限との間にある振動速度をランダムに選択するように配置する。更なる例として、コントローラは、乱数発生器を使用して、全てが同等の選択される確率を有する値の範囲の1つを選択し、次にルックアップを実行して、ランダムに選択された値に対応する振動速度を識別するように配置されてもよい。このアプローチを使用する場合、コントローラは、利用可能な各値に対する振動速度を含むルックアップテーブルを格納するか、またはルックアップテーブルにアクセスできるように構成することが好ましく、これらの振動速度は、振動速度の下限から振動速度の上限まで等間隔で分離する。
【0024】
任意の実施形態では、コントローラは、空気出口の振動毎の振動速度および振動の大きさの両方を変化させるように配置されている。その場合、コントローラは、振動毎に空気出口の振動の大きさをランダムに変化させるように配置することができる。特に、コントローラは、所定の振動の大きさの範囲内から、振動毎に使用される振動の大きさをランダムに選択するように配置することができる。例えば、この所定の振動の大きさの範囲は、振動の大きさの上限と振動の大きさの下限とによって定義することができ、それにより、コントローラが振動の大きさの上限と振動の大きさの下限との間にある振動の大きさをランダムに選択するように配置することができる。
【0025】
好ましい実施形態では、コントローラは、0.15Hz~2Hz、好ましくは0.2Hz~1.5Hzの振動周波数にほぼ対応する所定の範囲から振動毎のパラメータ(例えば、振動速度および振動の大きさ)を選択するように構成される。これに関して、人間の知覚の周波数範囲は、通常、0.15Hz~2Hzである一方、ほとんどの知覚は0.2Hz~1.5Hzに含まれることが判明している。
【0026】
図1および図2は、本発明によるファン組立体1000の一実施形態の外観図である。図1はファン組立体1000の等角図を示しており、図2はファン組立体1000の正面図を示している。次に、図3はファン組立体1000の断面側面図を示している。
【0027】
ファン組立体1000は、ファン組立体1000を通る空気流を生成するように配置された空気流発生器を含む本体またはスタンド1100と、ファン組立体1000から空気流を放出するように配置されたファン本体1100に取り付けられたノズル1200とを備える。ファン本体1100は、空気流発生器によって空気流がファン本体1100に引き込まれる空気入口1101と、ファン本体1100からノズル1200に空気流を放出するための空気流発生器の下流の空気出口/通気口1102とを備える。次に、ノズル1200は、ファン組立体1000からの空気流の少なくとも一部を放出するようにそれぞれ配置された第1の空気出口1201および第2の空気出口1202を備える。
【0028】
図示の実施形態では、ファン本体1100は、側壁、閉鎖した下端、および開口した上端を有する円筒形ハウジング/ケーシング1103を備える。次に、ファン本体1100の空気入口1101は、ケーシング1103の側壁に設けられている。図示の実施形態では、ファン組立体1000の本体1100への空気入口1101は、外側ケーシング1103の側壁に形成された一列の開口部を備えるが、しかしながら、空気入口1101は、代替的に、側壁に形成された窓内に取り付けられた1つ以上のグリルまたはメッシュを含むことができる。次に、外側ケーシング1103の閉鎖した下端は、ファン組立体1000が載置される/支持されるベース1104(即ち、下面)を提供する一方、開口した上端は、そこから空気流がファン本体1100からノズル1200内に放出される空気出口/通気口1102を提供する。
【0029】
空気流発生器は、ファン本体1100内に配置される。図示の実施形態では、空気流発生器は、ファン本体1100の内部の上端に向けて支持される羽根車ハウジング1105内に収容された電動羽根車によって提供される。特に、空気流発生器は、モータ1108から外方に延在する回転軸1107に接続された羽根車1106を備える。図示の実施形態では、羽根車1106は混流羽根車の形態であり、モータ1108はDCブラシレスモータである。
【0030】
ファン組立体1000の様々な機能を制御するように構成されたコントローラ1109を含む、ファン組立体1000の様々な電子部品もまた、ファン本体1100内に配置されている。図示の実施形態では、コントローラ1109は、振動モータ1110および気流発生器の両方との電子インタフェースを有する回路基板上に取り付けられた電子部品を備える。例えば、コントローラ1109の電子部品には、中央処理装置またはマイクロプロセッサのようなプロセッサおよびメモリが含まれ得る。その場合、メモリは、プロセッサが直接アクセス可能なランダムアクセスメモリ(RAM)のような一次記憶装置と、プロセッサによって実装された任意のコンピュータプログラム/ソフトウェアアプリケーションのような任意のデータ用の二次記憶装置との両方で構成することができる。
【0031】
図示の実施形態では、ケーシング1103の内部は、ケーシング1103の下端にてケーシング1103内に配置されたプラットフォーム1111によって下部と上部とに分離されている。それにより、プラットフォーム1111の隆起面が、外側ケーシング1103の内部を上部および下部に分割し、下部は、表面の下にあるケーシング1103内部の部分を含み、上部は、表面より上にある部分を含む。それにより、下部は区画1112を提供し、その区画1112内には、コントローラ1109を含むファン組立体1000の様々な電子部品が収容されており、プラットフォーム1111が電子機器上に載置され、ファン組立体1000の残部から電子機器を分離するカバーを形成する一方、上部は別個の区画1113を提供し、その区画1113内には、空気流発生器が配置され、その空気流発生器内に空気がファン本体1100の空気入口を通って進入する。
【0032】
次に、ノズル1200は、空気出口1102上のファン本体1100上に取り付けられており、ファン本体1100の空気出口1102から排出される空気流を受け入れるように配置されている。ノズル1200は、ノズル本体1203と、ファン組立体1000の本体1100からの空気流を受け入れるように配置された空気入口1204と、ファン組立体1000から空気流を放出するように配置された一対の空気出口1201、1202と、を備える。次に、ファン組立体100は、更に、ファン本体1100に対してノズル本体1203を振動させるための振動機構を備える。ノズル振動機構は、駆動部材を駆動するように配置された振動モータ1110と、駆動部材によって駆動されて回転軸の周りで回転するように配置された被駆動部材とを備え、被駆動部材は、ノズル本体1203上に設けられ、振動モータ1110と駆動部材とは両者ともファン組立体1000の本体1100上に設けられている。従って、図4は、ノズル振動機構の特定の実施形態の斜視図を示している。図示の実施形態では、駆動部材はピニオン1114を含み、その場合、被駆動部材は弧状のラックまたはリングギア1205を含み、ラック1205はピニオン1114に設けられた歯と噛み合う一組の歯を含む。具体的には、駆動部材は、直線状で回転軸に平行に整列された半径方向に突出した歯を有する平歯車またはストレートカット歯車を含み、被駆動部材は、直線状で回転軸に平行に整列された複数の半径方向に突出した歯を有するスパーラックまたはストレートカットラックを含む。
【0033】
図示の実施形態では、ノズル本体1203は、切断された球体の一般的な形状を有しており、第1の切断によりノズル1200の円形面が形成され、第2の切断によりノズル1200の円形ベースが形成される。ノズル1200の空気入口1204は、次に、ノズル1200のベースに設けられる一方、第1の空気出口1201および第2の空気出口1202は、ノズル1200の面上で直径方向に対向している。次に、ノズル1200は、ノズル本体1203内に、空気入口1204と第1および第2の空気出口1201、1202の両方との間に延在する内部空気通路1206を更に備える。従って、第1の空気出口1201から放出される第1の流出空気流および第2の空気出口1202から放出される第2の流出空気流は、それぞれ、空気入口1204を通ってノズル1200に入る流入空気流の少なくとも一部を含む。
【0034】
上記のように、図1図4に示される実施形態では、ファン本体1100はベース1104を含み、ノズル1200は、空気出口1201、1202がベース1204に対して振動するように、ファン本体1100に対して振動するように配置される。従って、コントローラ1209は、ノズル振動機構を制御することによって、ベース1104に対する空気出口1201、1202の振動を制御するように構成されている。特に、コントローラ1109は、ファン組立体1000の本体1100に駆動部材を提供するピニオン1114を駆動するように配置された振動モータ1110を制御するように構成されている。ノズル振動機構を制御する場合、コントローラ1109は、4つの異なる振動モードのうちのいずれかを実施するように構成されており、ファン組立体1000のユーザからユーザインタフェースを介して受信した命令に応答して、コントローラ1109がこれらの4つのモードのうちの1つで動作する。具体的には、4つの振動モードは、振動が発生しない静止モードと、全ての振動に対して振動速度が一定である従来の振動モードと、振動速度が連続する振動間で変化するが振動の大きさが一定である第1の風合成モードと、振動速度および振動の大きさの両方が連続する振動間で変化する第2の風合成モードと、を含む。特に、第1および第2の風合成モードの両方において、コントローラ1109は、所定の振動速度の範囲内から各振動に使用される振動速度をランダムに選択することによって、振動毎の振動速度をランダムに変化させるように構成される。
【0035】
図5および図6は、本発明によるファン組立体2000の更なる実施形態の外観図である。図5は、ファン組立体2000の等角図を示しており、図6は、ファン組立体2000の正面図を示している。次に、図7は、ファン組立体2000の断面側面図を示している。
【0036】
ファン組立体2000は、ファン組立体を通る空気流を生成するように配置された空気流発生器を含む本体またはスタンド2100と、ファン本体2100に取り付けられ、ファン組立体2000から空気流を放出するように配置されたノズル2200とを備える。次に、ファン本体2100は、空気流発生器によって空気流が本体2100に引き込まれる空気入口2101と、ファン本体2100からノズル2200内に空気流を放出するための、空気流発生器の下流の空気出口/通気口2102とを備える。次に、ノズル2200は、第1の空気出口2201および第2の空気出口2202を含み、これらはそれぞれ、ファン組立体2000からの空気流の少なくとも一部を放出するように配置されている。
【0037】
図示の実施形態では、ファン組立体2000の本体2100は、ほぼ円筒形の本体下部2104に取り付けられたほぼ円筒形の本体上部2103を備える。ファン組立体2000の本体上部2103は、側壁を有する円筒形ハウジング/ケーシング2105を含む。次に、ファン組立体2000の本体2100への空気入口2101は、ケーシング2105の側壁に形成された一列の開口部を含む。図示の実施形態では、ファン組立体2000の本体2100への空気入口2101は、ケーシング2105の側壁に形成された一列の開口部を含むが、しかしながら、空気入口2101は、代替的に、側壁に形成された窓内に取り付けられた1つ以上のグリルまたはメッシュを含むことができる。次に、本体上部2103の上端は、空気流が本体2100からノズル2200内に放出される空気出口/通気口2102を提供する一方、本体下部2104の下端は、ベース2106を提供し、そのベース2106上にファン組立体2000が載置されている。
【0038】
空気流発生器は、ファン本体2100内に配置されている。図示の実施形態では、空気流発生器は、ファン本体2100の内部の上端に向けて支持される羽根車ハウジング2107内に収容される電動羽根車によって提供される。特に、空気流発生器は、モータ2110から外方に延在する回転軸2109に接続された羽根車2108を備える。特に、羽根車2108は、混流羽根車の形態であり、モータ2110は、DCブラシレスモータである。ファン組立体2000の本体上部2103はまた、空気入口2101の上流の取り外し可能なフィルタ組立体2300を支持するように配置されており、それにより、電動羽根車によって空気入口2101を通って引き込まれる空気流がファン組立体2000の本体2100に入る前に濾過される。次に、本体上部2103は、ファン組立体2000の本体2100からフィルタ組立体2300を保持および解放するための機構2111も備えている。
【0039】
次に、ノズル2200は、空気出口2102上のファン本体2100上に取り付けられ、ファン本体2100の空気出口2102から排出される空気流を受け入れるように配置されている。ノズル2200は、ノズル本体2203と、ファン組立体2000の本体2100からの空気流を受け入れるように配置された空気入口2204と、ファン組立体2000から空気流を放出するように配置された一対の空気出口2201、2202とを備える。図示の実施形態では、ノズル2200は、更に、ノズル本体2203とファン本体2100の上端との間に延在するネック/ベース2205を含み、ノズル2200のベース2205の外面は、本体上部2103の外縁とほぼ同一平面上にある。従って、ノズル2200のベース2205は、ファン本体2100の上面に設けられたファン組立体2000の任意の構成要素を覆う/包囲するハウジングを提供する。特に、ファン組立体200の様々な機能を制御するように構成されたコントローラ2112を含む、ファン組立体2000の様々な電子部品は、ノズル2000のベース2205内に配置される。図示の実施形態では、コントローラ2112は、空気流発生器および各振動モータ2206、2207との電子インタフェースを有する回路基板に取り付けられた電子部品を含む。例えば、コントローラ2112の電子部品は、中央処理装置またはマイクロプロセッサのようなプロセッサおよびメモリを含むことができる。その場合、メモリは、プロセッサが直接アクセスできるランダムアクセスメモリ(RAM)のような一次記憶装置と、プロセッサによって実装される任意のコンピュータプログラム/ソフトウェアアプリケーションのような、任意のデータ用の二次記憶装置との両方を含むことができる。
【0040】
図示の実施形態では、ファン本体2100は、ファン組立体2000のベース2106を含み、ノズル本体2203は、ファン本体2100に対して固定されている。次に、ノズル2200の第1の空気出口2201および第2の空気出口2202は、空気出口2201、2202がベース2106に対して振動するように、ノズル本体2203に対して振動するように配置されている。特に、第1の空気出口2201および第2の空気出口2202は、ノズル本体2203に対して独立して回転するように配置されており、それにより、ファン本体2100に対してノズル本体2203を回転させることなく、空気出口2201、2202のそれぞれによって放出される空気流の部分の方向を変更することができる。従って、コントローラ2112は、第1の空気出口振動機構および第2の空気出口振動機構を独立して制御することによって、ファン組立体2000のベース2106に対する空気出口2201、2202の振動を制御するように配置されている。特に、コントローラ2112は、第1の空気出口2201を回転させるように配置された第1の振動モータ2206と、第2の空気出口2202を回転させるように配置された第2の振動モータ2207とを独立して制御するように構成されている。
【0041】
図示の実施形態では、ノズル本体2203は、多くの場合、スタジアムまたはディスコレクタングル形状と呼ばれる細長い環状形状を有しており、その幅(ノズル2200の側壁の間を延在する方向に測定した場合)よりも大きい高さ(ノズル2200の上端からノズル2200の下端に延在する方向に測定した場合)を有する対応する形状のボア2208および中心軸(X)を画定する。従って、ノズル本体2203は、各々がボア2208のそれぞれの細長い側面に隣接する2つの平行な直線状の側部2209、2210と、直線部2209、2210の上端を結合する上部湾曲部2211と、直線部2209、2210の下端を結合する下部湾曲部2212とを備える。
【0042】
図示の実施形態では、ノズル本体2203は、ノズル2200の中央ボア2208の周囲に延在する細長い環状ケーシング2213を備える。ノズルケーシング2213は、ノズル2200の空気入口2204から第1および第2の空気出口2201、2202に空気を運搬するように配置された内部通路2214を画定する。ケーシング2213によって画定される内部通路2214は、第1および第2の部分を含むと見なすことができ、この第1および第2の部分は、それぞれ内部ボア2208の周りで反対方向に延在し、それにより、空気入口2204を介してノズル2200に入る空気が、ノズル本体2203の下部湾曲部2212に入り、各々がノズル本体2203の直線部2209、2210のそれぞれに流入する、2つの空気流に分割される。
【0043】
次に、ノズル本体2203の平行な側部2209、2210はそれぞれ、別個の細長い、ノズルの出口部分を形成し、これらの出口部分は、側部2209、2210のほぼ全長に沿って延在している。次に、各出口部分は、ノズル2200から空気流の一部を放出するように配置された操作可能/操縦可能な空気出口2201、2202を含み、各空気出口2201、2202は、ノズルケーシング2213に対して独立して回転するように配置されている。従って、ノズル2200により、第1および第2の空気出口2201、2202の各々によって放出される空気流の部分の方向を、ファン本体2100の任意の部分に対してノズル本体2203を回転させることなく変更することができる。
【0044】
図8は、図5のノズル2200の上面断面図である。図示の実施形態では、第1および第2の空気出口2201、2202はそれぞれ、ノズル本体2203の対応する出口/側部によって画定される、細長い、前向き開口部と、その開口部内に配置されており、出口本体2215、2216の長手方向軸(Y)を中心に開口部内で回転するように配置された、一般に円筒形の、細長い排気/出口本体2215、2216とを含む。次に、各出口本体2215、2216には、出口本体2215、2216の幅を貫通する空気出口スロットまたはチャネル2217、2218が設けられており、従って、空気が出口本体2215、2216を介してノズル2200から流出することが可能となる。従って、対応する開口部内で各出口本体2215、2216を回転させることにより、ノズル本体2203に対する対応する空気出口チャネル2217、2218の向きが変化し、それにより、出口本体2215、2216から放出される空気流も同様に向きを変える。従って、ノズルの第1および第2の空気出口2201、2202はそれぞれ、細長く、操作可能であり、ノズル2200の前部の中央ボア2208の細長い各側面に配置されている。
【0045】
図示の実施形態では、第1および第2の空気出口2201、2202はそれぞれ、一般に円筒形であり、従って円形の断面を有する出口本体2215、2216を備え、この出口本体2215、2216では、空気出口チャネル2217、2218が直線状であり、出口本体2215、2216を通って径方向に延在している。次に、これらの操作可能な空気出口2201、2202は、出口本体2215、2216の湾曲した外面の一部が、ノズル本体2203の側部2209、2210の対応する開口部を介して外方に突出するように配置されており、空気出口チャネル2217、2218の入口端部は、ノズル本体2203の対応する側部2209、2210の内部に配置された出口本体2215、2216の部分に設けられており、空気出口チャネル2217、2218の出口端部は、ノズル本体2203の側部2209、2210の対応する開口部を通して露出されている出口本体2215、2216の部分に設けられている。次に、空気出口チャネル2217、2218の入口端部には、ノズル2200の内部通路2214内を流れる空気を空気出口チャネル2217、2218に誘導するのを助けるベルマウスが設けられている。従って、操作可能な第1および第2の空気出口2201、2202はそれぞれ、振動範囲(θR)(即ち、最大の振動の大きさ)を有するように配置されており、この振動範囲(θR)にわたって、対応する出口本体2215、2216を通ってノズル2200から放出される空気流を変化させることができる。
【0046】
図9は、図4図7に示されるファン組立体2000の第1および第2の空気出口2201、2202の両方と使用するのに適した出口本体および出口振動機構の特定の実施形態の側面図を示す一方、図10は、図9の出口本体および出口振動機構の分解図を示している。図示の実施形態では、細長い出口本体2215、2216の一端は、振動モータ2206、2207の動作により、出口本体2215、2216がノズル本体2203の側部2209、2210の対応する細長い開口部内で回転するように、振動モータ2206、2207の軸に取り付けられている。次に、出口本体2215、2216の対向端部は、ベアリング2219内に配置されている。従って、操作可能な空気出口2201、2202の各々から放出される空気流の方向は、対応する振動モータ2206、2207を制御して、空気出口チャネル2217、2218の角度方向を調整することによって変更可能である。次に、コントローラ2112は、第1の空気出口2201の出口本体2215を回転させるように配置された第1の振動モータ2206と、第2の空気出口2202の出口本体2216を回転させるように配置された第2の振動モータ2207とを独立して制御するように構成されている。
【0047】
第1および第2の空気出口振動機構を制御する場合、コントローラ2112は、4つの異なる振動モードのうちのいずれかを実施するように構成されており、コントローラ2112は、ユーザインタフェースを介してファン組立体2000のユーザから受信した命令に応答して、これらの4つのモードのうちの1つで動作する。具体的には、4つの振動モードは、振動が発生しない静止モードと、全ての振動に対して振動速度が一定である従来の振動モードと、振動速度が連続する振動間で変化するが振動の大きさが一定である第1の風合成モードと、振動速度および振動の大きさの両方が連続する振動間で変化する第2の風合成モードと、を含む。特に、第1および第2の風合成モードの両方において、コントローラ2112は、所定の振動速度の範囲内から振動毎に使用される振動速度をランダムに選択することによって、振動毎に振動速度をランダムに変化させるように構成される。
【0048】
ファン組立体2000を操作するために、ユーザは、ユーザインタフェースのボタンを押す。ユーザインタフェースは、ファン組立体2000自体に、関連する遠隔制御(図示せず)に、および/または、ファン組立体と無線で通信するタブレットまたはスマートフォン(図示せず)等の無線コンピューティングデバイス上に、提供され得る。ユーザによるこの動作は、コントローラ2112に伝達され、それに応答して、コントローラ2112は、ファンモータ2110を起動して、羽根車2108を回転させる。羽根車2108の回転により、空気流が、フィルタ組立体2300を介して空気入口2101を通してファン本体2100内に引き込まれる。ユーザは、ユーザインタフェースを操作することによって、ファンモータ2110の速度を、引いては、空気が空気入口2101を介して本体内に引き込まれる速度を制御することができる。空気流は、ファン組立体12000の本体2100の開口した上端にてフィルタ組立体2300、空気入口2101、羽根車ハウジング2107、および通気口2102を順次通過して、ノズル2200のベース2205に配置された空気入口2204を介して、ノズル2200の内部通路2214に入る。内部通路2214内では、空気流は、2つの空気流に分割され、この空気流は、それぞれ、ノズル本体2203の各別の直線部2209、2210内にて、ノズル2200のボア2208の周りを反対の角度方向に通過する。空気流が内部通路2214を通過するとき、空気は、第1の空気出口2201および第2の空気出口2202の両方を通して放出される。
【0049】
上述の個々の項目を単独で、あるいは図面に示したまたは明細書に記載した他の項目と組み合わせて使用できること、並びに、互いに同じ節にまたは互いに同じ図面に記載した項目を互いに組み合わせて使用する必要はないことが理解されよう。更に、「手段」という表現は、必要に応じてアクチュエータまたはシステムまたはデバイスに置き換えることができる。加えて、「を備える」または「から構成される」という言及によって、いかなる意味でも限定を意図するものではなく、読者は適宜に本明細書および特許請求の範囲を解釈すべきである。
【0050】
更に、上記のように好ましい実施形態に関して本発明を説明してきたが、これらの実施形態は例示的なものにすぎないことを理解されたい。当業者は、本開示を考慮して、変更形態および代替形態を作成することができ、それらは添付の特許請求の範囲に含まれると考えられる。例えば、当業者は、上記の発明が自立式ファン組立体だけでなく、他のタイプの環境制御ファン組立体にも等しく適用可能であり得ることを理解するであろう。例として、このようなファン組立体は、自立式ファン組立体、天井取付型または壁面取付型のファン組立体、および車載ファン組立体のいずれでもよい。
【0051】
更に、上記の実施形態では、ファン組立体は、ファン組立体の本体に取り付けられたノズルを含むが、これは必須ではない。特に、代替的な実施形態では、ノズルを必要としないように、ファン組立体の1つ以上の空気出口がファン組立体の本体に設けられてもよい。次に、ファン本体は、空気出口がベースに対して振動するように、ベースに対して振動するように配置されるであろう。同様に、上記の実施形態では、ファン本体は、ファン本体がベースに対して固定されるようにファン組立体のベースを含むが、代替的な実施形態では、ファン本体をベースに取り付けることができる。次に、ファン本体をベースに固定して取り付けてもよく、任意の空気出口の振動は、空気出口自体の振動または空気出口を含むノズルの振動のいずれかを必要とする。あるいは、ファン本体は、ファン本体または別個のノズルに設けられた任意の空気出口もベースに対して振動するように、ベースに対して振動するように配置され得る。
【0052】
更に、上記の実施形態のそれぞれにおいて、ファン組立体は、2つの空気出口を有するノズルを含む。しかしながら、代替的な実施形態では、ファン組立体は、単一の空気出口のみ、または2つより多くの空気出口を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】