(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(54)【発明の名称】抗CD47及び抗CD20による血液癌の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20221212BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221212BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20221212BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20221212BHJP
A61K 31/7068 20060101ALI20221212BHJP
A61K 31/282 20060101ALI20221212BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20221212BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20221212BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A61K45/00 ZNA
A61P35/00
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/02
A61K31/7068
A61K31/282
C07K16/28
C12N15/13
A61P43/00 121
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523452
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020057886
(87)【国際公開番号】W WO2021087064
(87)【国際公開日】2021-05-06
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517054604
【氏名又は名称】フォーティ セブン, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Forty Seven, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, マーク ピン
(72)【発明者】
【氏名】マウテ, ロイ ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ジエ
(72)【発明者】
【氏名】タキモト, クリス ヒデミ ミズフネ
(72)【発明者】
【氏名】アゴラム, バラジ
(72)【発明者】
【氏名】ワイスマン, アーヴィング エル.
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
4C206
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA65
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB271
4C084ZC412
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4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書では、対象におけるB細胞の存在又は非存在に基づいて、治療を受けるための対象の適格性を決定し、続いて抗CD20抗体などの追加の薬剤と併用して抗CD47治療剤を用いて適格な対象を治療するための方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における血液癌の治療方法であって、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤を投与することと、(b)抗CD20抗体を前記対象に投与することと、を含み、工程(a)及び(b)を実施する前に、B細胞が前記対象に存在していることが決定されるか、又は決定されている、方法。
【請求項2】
対象における血液癌の治療方法であって、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることと、
(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤、及び(ii)抗CD20抗体を、前記対象に投与すること又は投与されていることと、を含む、方法。
【請求項3】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定が、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、酵素結合免疫スポット、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていることを含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体を前記対象に投与する前に、B細胞が前記対象に存在することの前記決定を前提として、前記対象を治療の候補者であると決定することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD19+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
CD19+B細胞の前記閾値量が、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
CD19+B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
CD19+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
CD19+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD20+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
CD20+B細胞の前記閾値量が、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
CD20+B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD20+B細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
CD20+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
CD20+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
CD19+B細胞の前記閾値量が、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞のうち、いずれか1つである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
CD20+B細胞の前記閾値量が、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD20+B細胞、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞のうち、いずれか1つである、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象が閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたことを決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記閾値期間が、少なくとも4週間である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記閾値期間が、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記対象において前記抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることは、前記対象が抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有していることを決定すること又は決定されていることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記抗CD20療法剤の前記閾値濃度が、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される前記検出アッセイが、イムノアッセイ、ELIspot、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
以前に投与された抗CD20療法剤がリツキシマブを含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
B細胞が、前記対象から得られたサンプルを使用して、前記対象に存在すると決定されるか又は決定されている、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記対象から得られた前記サンプルが、末梢血サンプルである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記抗CD47剤が、SIRPα試薬を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記SIRPα試薬が、CD47に結合するSIRPαの一部を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記SIRPα試薬が、高親和性SIRPα試薬である、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗CD47剤が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記抗CD47剤が、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記抗CD47剤が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記血液癌が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記対象が、再発性又は難治性DLBCLを有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記対象が、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されている、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記血液癌が、濾胞性リンパ腫(FL)である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記血液癌が、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記抗CD47剤が、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、又は30mgの用量で投与される、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記抗CD47剤が静脈内投与される、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、前記抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mg抗体の1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで前記対象に投与される、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで前記対象に更に投与される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記後続サイクルが、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記初回サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項46~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記2回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項47~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記3回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項48~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記後続サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項49~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記抗CD20抗体が、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m
2のいずれか1つの用量で前記対象に投与される、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD47剤が、前記抗CD20抗体の前に前記対象に投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD20抗体が、前記抗CD47剤の前に対象に投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
化学療法剤を前記対象に投与することを更に含む、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記化学療法剤が、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記抗CD20抗体が、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記抗CD20抗体が、配列番号137の可変重鎖配列を含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記抗CD20抗体が、配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記抗CD20抗体がFc領域を含み、前記Fc領域は、配列番号140のC
H2配列及び配列番号141のC
H3配列を含む、請求項1~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む、請求項1~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
対象における血液癌の治療方法であって、前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることであって、前記決定は、前記対象が、リンパ球の総量のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、ことと、
マグロリマブを投与すること;と、
前記対象にリツキシマブを投与することと、を含み、
前記対象は、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されているヒト対象であり、
前記血液癌は、再発性又は難治性DLBCLであり、
マグロリマブを投与することは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲のプライミング用量のマグロリマブを投与することと、(2)体重1kg当たり30mgで週間用量のマグロリマブを8週間投与することと、(3)以降体重1kg当たり30mgで隔週用量のマグロリマブを投与することと、を含み、
リツキシマブを投与することは、(1)体表面積1m
2当たり375mgで週間用量のリツキシマブを4週間投与することと、その後、(2)体表面積1m
2当たり375mgで毎月リツキシマブを投与することと、を含む、方法。
【請求項68】
方法であって、
対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたかどうかに基づいて、B細胞が血液癌を有する前記対象に存在するかどうかを決定することであって、前記対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されていることは、B細胞が前記対象に存在することを示す、ことを含み、
前記対象におけるB細胞の存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、
前記対象におけるB細胞の非存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す、方法。
【請求項69】
方法であって、
血液癌を有する対象からサンプルを得ることと、
前記対象から得られたサンプルでアッセイを実施することによってB細胞が存在するかどうかを決定することと、を含み、
前記対象におけるB細胞の存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、
前記対象におけるB細胞の非存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す、方法。
【請求項70】
前記対象から得られた前記サンプルが、末梢血サンプルである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
方法であって、
血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す情報を含むデータセットを取得すること又は取得されていることであって、前記血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す前記情報は、
前記対象におけるB細胞の量、
前記対象における全リンパ球中のB細胞の割合、
前記対象が直近に抗CD20療法剤を投与された日数、
前記対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在、のうちの1つを含む、ことと、
前記データセットを使用して、B細胞が前記血液癌を有する対象に存在することを決定することと、
前記血液癌を有する対象に治療を施すことと、を含む、方法。
【請求項72】
前記データセットを取得すること又は取得されていることは、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、ELIspot、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていることを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記データセット内の前記情報は、前記対象から得られたサンプル中のB細胞の量、又は前記対象から得られたサンプル中のB細胞の割合のうちのいずれか1つを含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記情報を、B細胞の閾値量と比較することを含む、請求項71又は72に記載の方法。
【請求項74】
B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのB細胞である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
B細胞の前記閾値量が、少なくとも、B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のB細胞である、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のB細胞である、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記B細胞が、CD19+B細胞又はCD20+B細胞のうちの1つである、請求項71~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記B細胞が、CD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方である、請求項71~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記データセット内の前記情報は、前記対象が以前に抗CD20療法剤を投与された期間を含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記対象が以前に抗CD20療法剤を投与された前記期間が閾値期間を超えるかどうかを決定することを含む、請求項71~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記閾値期間が、少なくとも4週間である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記閾値期間が、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記データセット内の前記情報は、前記対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在を含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定することを含む、請求項71~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記対象における抗CD20療法剤が存在していないことを決定することは、前記対象が前記抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有することを決定すること又は決定されていることを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記抗CD20療法剤の前記閾値濃度が、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される前記検出アッセイが、イムノアッセイ、酵素結合免疫スポット、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
以前に投与された抗CD20療法剤がリツキシマブを含む、請求項80~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記血液癌が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記血液癌が、再発性又は難治性DLBCLである、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記対象が、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されている、請求項68~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記血液癌が、濾胞性リンパ腫(FL)である、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記血液癌が、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記治療を施すことが、CD47とSIRPα,との間の結合を阻害する抗CD47剤を投与することと、前記対象に抗CD20抗体を投与することと、を含む、請求項71~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記抗CD47剤が、SIRPα試薬を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記SIRPα試薬が、CD47に結合するSIRPαの一部を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記SIRPα試薬が、高親和性SIRPα試薬である、請求項95又は96に記載の方法。
【請求項98】
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項99】
前記抗CD47剤が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記抗CD47剤が、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む、請求項98又は99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記抗CD47剤が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む、請求項98~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記対象が、以前に抗CD20療法剤で治療されており、前記対象への、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤の投与及び抗CD20抗体の投与は、前記対象が以前に抗CD20療法剤で治療されてから28日後以降にそれぞれ実施される、請求項93~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記抗CD47剤が、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、又は30mgの用量で投与される、請求項93~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記抗CD47剤が静脈内投与される、請求項93~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項93~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、前記抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mgの1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで前記対象に投与される、請求項93~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで前記対象に更に投与される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記後続サイクルが、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記初回サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項106~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記2回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項107~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記3回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項108~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記後続サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項109~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記抗CD20抗体が、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m
2のいずれか1つの用量で前記対象に投与される、請求項93~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD47剤が、前記抗CD20抗体の前に前記対象に投与される、請求項93~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD20抗体が、抗CD47剤の前に前記対象に投与される、請求項93~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
化学療法剤を前記対象に投与することを更に含む、請求項68~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記化学療法剤が、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、請求項93~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記抗CD20抗体が、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項93~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記抗CD20抗体が、配列番号137の可変重鎖配列を含む、請求項93~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記抗CD20抗体が、配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項93~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記抗CD20抗体がFc領域を含み、前記Fc領域は、配列番号140のC
H2配列及び配列番号141のC
H3配列を含む、請求項93~123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項93~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む、請求項93~125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記血液癌が、B細胞血液悪性腫瘍である、請求項1~126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記血液癌が、CD20+癌である、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法であって、抗CD47抗体を静脈内に及び抗CD20抗体を、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、方法。
【請求項130】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法であって、抗CD47抗体を静脈内に及び抗CD20抗体を、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、80mg~800mgの範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)少なくとも2400mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、方法。
【請求項131】
前記抗CD47抗体がマグロリマブを含む、請求項129又は130に記載の方法。
【請求項132】
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、請求項129~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項129~132のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年10月31日に出願された米国特許仮出願第62/928,988号、及び2020年5月28日に出願された米国特許仮出願第63/031,418号の利益を主張するものであり、これらの各々は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2020年10月22日に作成された当該ASCIIコピーは、FSI-007_P2F_SL.txtと名付けられ、158,904バイトのサイズである。
【背景技術】
【0003】
CD47は、自然免疫系による食作用から癌細胞を回避させる主要な分子として特定されている。CD47は、癌幹細胞を含む癌細胞が、内因性の食作用促進性(prophagocytic)「eat me」シグナルの発現を制する重要な手段であると思われる。正常細胞から癌細胞への進行は、プログラム細胞死(PCD)及びプログラム細胞除去(PCR)を引き起こす遺伝子及び/又は遺伝子発現の変化を必要とし得る。癌進行のステップの多くは、PCDの複数のメカニズムを破壊し、抗貪食性シグナルであるCD47の発現は、重要なチェックポイントを表し得る。
【0004】
CD47発現は、以下の原発性悪性腫瘍、すなわち、頭頸部、黒色腫、乳房、肺、卵巣、膵臓、結腸、膀胱、前立腺、平滑筋肉腫、神経膠芽腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠腫、リンパ腫、白血病、及び多発性骨髄腫を含む多数の多様なヒト腫瘍型由来の多くの癌細胞の表面上で増加する。マウス異種移植試験では、CD47遮断抗体が、様々な血液悪性腫瘍及びいくつかの固形腫瘍由来の癌細胞の食作用及び排除を可能にすることによって、ヒトの癌増殖及び転移を阻害することが示されている。
【0005】
CD47は、マクロファージ及び樹状細胞を含む食細胞で発現している、SIRPαのリガンドとして機能する。SIRPαがCD47結合によって活性化されると、シグナル伝達カスケードを開始し、食作用の阻害をもたらす。このようにして、CD47は、食細胞にドミナントな阻害性シグナルを送達することによって抗貪食性シグナルとして機能する。
【0006】
癌を有するヒトのCD47を遮断する抗体の効果的な送達のための方法は、臨床的に興味深いものであり、本明細書で提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示されるのは、抗CD47剤及び抗CD20剤(例えば、抗CD20抗体)を含む治療を使用して、対象における血液癌を治療するための方法である。様々な実施形態では、対象は、対象におけるB細胞の存在を確認することによって治療を受けるのに適格であると決定される。治療を受けるのに適格であると決定された患者は、治療を受けるのに不適格であると決定された患者よりも治療に良好に応答する可能性がより高い。様々な実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍例えば、CD20+癌を有する。
【0008】
本明細書に開示されるのは、対象における血液癌の治療方法であって、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤を投与することと、(b)抗CD20抗体を対象に投与することと、を含み、工程(a)及び(b)を実施する前に、対象におけるB細胞の存在が決定されるか、又は決定されている、方法である。更に、本明細書に開示されるのは、対象における血液癌の治療方法であって、B細胞が対象に存在することを決定すること又は決定されていることと、(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤及び(ii)抗CD20抗体を対象に投与すること又は投与されていることと、を含む、方法である。様々な実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍例えば、CD20+癌を有する。
【0009】
様々な実施形態では、B細胞が対象に存在することの決定は、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、酵素結合免疫スポット、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていることを含む。
【0010】
様々な実施形態では、本方法は、抗CD47剤及び抗CD20抗体を対象に投与する前に、B細胞が対象に存在することの決定を前提として、対象を治療の候補者であると決定することを更に含む。様々な実施形態では、B細胞が対象に存在することの決定は、対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む。
【0011】
様々な実施形態では、対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、対象がCD19+B細胞の閾値量を超えていると決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、CD19+B細胞の閾値量は、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である。様々な実施形態では、CD19+B細胞の閾値量は、リンパ球の総集団のうちCD19+B細胞が少なくとも5パーセントである。様々な実施形態では、CD19+B細胞の閾値量は、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞である。様々な実施形態では、CD19+B細胞の閾値量は、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞である。
【0012】
様々な実施形態では、B細胞が対象に存在することの決定は、対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、対象がCD20+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、CD20+B細胞の閾値量は、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である。様々な実施形態では、CD20+B細胞の閾値量は、リンパ球の総集団のうちCD20+B細胞が少なくとも5パーセントである。様々な実施形態では、CD20+B細胞の閾値量は、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞である。様々な実施形態では、CD20+B細胞の閾値量は、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞である。
【0013】
様々な実施形態では、B細胞が対象に存在することの決定は、対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることは、対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の閾値量を超えていると決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、CD19+B細胞の閾値量は、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうちCD19+B細胞が少なくとも5パーセント、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞のうち、いずれか1つである。様々な実施形態では、CD20+B細胞の閾値量は、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうちCD20+B細胞が少なくとも5パーセント、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞のうち、いずれか1つである。
【0014】
様々な実施形態では、B細胞が対象に存在することの決定は、対象が閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたことを決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、閾値期間は、少なくとも4週間である。様々な実施形態では、閾値期間は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である。
【0015】
様々な実施形態では、B細胞が対象に存在することの決定は、対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、対象における抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることは、対象が抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有していることを決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、抗CD20療法剤の閾値濃度は、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である。様々な実施形態では、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイは、イムノアッセイ、ELIspot、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである。
【0016】
様々な実施形態では、以前に投与された抗CD20療法剤はリツキシマブを含む。様々な実施形態では、B細胞は、対象から得られたサンプルを使用して、対象に存在すると決定されるか、又は決定されている。様々な実施形態では、対象から得られたサンプルは、末梢血サンプルである。
【0017】
様々な実施形態では、抗CD47剤は、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、SIRPα試薬例えば、SIRPα-Fc融合タンパク質を含む。様々な実施形態では、SIRPα試薬は、CD47に結合するSIRPαの一部を含む。様々な実施形態では、SIRPα試薬は、高親和性SIRPα試薬である。様々な実施形態では、抗CD47剤は、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む。様々な実施形態では、抗SIRPα剤は、FSI-189(GS-0189)、ES-004、BI765063、ADU1805、AL008、及びCC-9525のうちの少なくとも1つを含む抗SIRPα抗体である。
【0018】
様々な実施形態では、血液癌は、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)である。様々な実施形態では、対象は、再発性又は難治性DLBCLを有する。様々な実施形態では、対象は、以前に少なくとも2種類の療法で治療されている。様々な実施形態では、血液癌は濾胞性リンパ腫(FL)である。様々な実施形態では、血液癌は、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである。
【0019】
様々な実施形態では、抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、30、46、60、又は100mgの用量で投与される。様々な実施形態では、抗CD47剤は静脈内投与される。様々な実施形態では、抗CD20抗体は静脈内投与される。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0020】
様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mg又は1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで対象に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、後続サイクルは、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は静脈内投与される。様々な実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍、例えば、CD20+癌、例えば、低悪性度又は中悪性度リンパ腫、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(再発性又は難治性を含む)、濾胞性リンパ腫(FL)(再発性、難治性、又は無症候性を含む)、非ホジキンリンパ腫(NHL)(再発性又は難治性を含む)、辺縁帯リンパ腫(例えば、節外性辺縁帯リンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)(再発性又は難治性を含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ性白血病(再発性又は難治性を含む)、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、double hit lymphoma(例えば、MYC及びBCL2又はBCL6の一方又は両方の転座を有するhigh grade B cell lymphoma)、myc転座リンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例えば、フィラデルフィア染色体陰性急性リンパ性白血病)、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、新規又は形質転換を伴ったDLBCL、又は、活性化B細胞(ABC)、胚中心B細胞(GCB)、若しくは非胚中心B細胞(non-GCB)DLBCLを有する。いくつかの実施形態では、対象は、NHL、例えば、(i)低グレード若しくは高リスクNHL、又は(ii)濾胞性(例えば、巨大腫瘤あり、巨大腫瘤なし、若しくは進行性濾胞性)又は非濾胞性NHLのうちの一方又は両方を有する。いくつかの実施形態では、対象は、再発型又は難治型のB細胞血液悪性腫瘍を有する。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0021】
様々な実施形態では、初回サイクルは、体表面積1m2当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、2回目のサイクルは、体表面積1m2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、3回目のサイクルは、体表面積1m2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、後続サイクルは、体表面積1m2当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m2のいずれか1つの用量で対象に投与される。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0022】
様々な実施形態では、抗CD47剤及び抗CD20抗体が両方とも対象に投与される日に、抗CD47剤が、抗CD20抗体の前に対象に投与される。様々な実施形態では、抗CD47剤及び抗CD20抗体が両方とも対象に投与される日に、抗CD20抗体が、抗CD47剤の前に対象に投与される。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0023】
様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、抗CD47抗体は、少なくとも80mg、又は80mg~800mgの範囲(例えば、80mg~400mg、例えば、80mg~200mg、例えば、80mg、100mg、160mg、200mg、240mg、320mg、400mg)の1日目のプライミング用量と、少なくとも2400mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで対象に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、少なくとも2400mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、少なくとも2400mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、少なくとも2400mgの隔週用量を含む、後続サイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、後続サイクルは、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は静脈内投与される。様々な実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍、例えば、CD20+癌、例えば、低悪性度又は中悪性度リンパ腫、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(再発性又は難治性を含む)、濾胞性リンパ腫(FL)(再発性、難治性、又は無症候性を含む)、非ホジキンリンパ腫(NHL)(再発性若しくは難治性、又は無症候性を含む)、辺縁帯リンパ腫(例えば、節外性辺縁帯リンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)(再発性又は難治性を含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ性白血病、再発性又は難治性を含む)、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、double hit lymphoma(例えば、MYC及びBCL2又はBCL6の一方又は両方の転座を有するhigh grade B cell lymphoma)、myc転座リンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例えば、フィラデルフィア染色体陰性急性リンパ性白血病)、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、新規又は形質転換を伴ったDLBCL、又は、活性化B細胞(ABC)、胚中心B細胞(GCB)、若しくは非胚中心B細胞(non-GCB)DLBCLを有する。いくつかの実施形態では、対象は、NHL、例えば、(i)低グレード若しくは高リスクNHL、又は(ii)濾胞性(例えば、巨大腫瘤あり、巨大腫瘤なし、若しくは進行性濾胞性)又は非濾胞性NHLのうちの一方又は両方を有する。いくつかの実施形態では、対象は、再発型又は難治型のB細胞血液悪性腫瘍を有する。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0024】
様々な実施形態では、初回サイクルは、体表面積1m2当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、2回目のサイクルは、体表面積1m2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、3回目のサイクルは、体表面積1m2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、後続サイクルは、体表面積1m2当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m2のいずれか1つの用量で対象に投与される。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0025】
様々な実施形態では、抗CD47剤及び抗CD20抗体が両方とも対象に投与される日に、抗CD47剤が、抗CD20抗体の前に対象に投与される。様々な実施形態では、抗CD47剤及び抗CD20抗体が両方とも対象に投与される日に、抗CD20抗体が、抗CD47剤の前に対象に投与される。
【0026】
様々な実施形態では、方法は、化学療法剤を対象に投与することを更に含む。様々な実施形態では、化学療法剤は、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である。
【0027】
様々な実施形態では、抗CD20抗体は、リツキシマブである。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、配列番号137の可変重鎖配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、配列番号142の可変軽鎖配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、Fc領域を含み、Fc領域は、配列番号140のCH2配列及び配列番号141のCH3配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、Fab又はscFvを含み、Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、Fab又はscFvを含み、Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む。
【0028】
更に、本明細書に開示されるのは、対象における血液癌を治療する方法であって、この方法は、B細胞が対象に存在することを決定すること又は決定されていることであって、この決定が、対象が、リンパ球の総量のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、ことと、マグロリマブを投与することと、対象にリツキシマブを投与することと、を含み、対象は、以前に少なくとも2種類の療法で治療されているヒト対象であり、血液癌、例えば、B細胞血液悪性腫瘍、例えば、CD20+癌は、再発性又は難治性DLBCLであり、マグロリマブを投与することは、1日目に、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲のプライミング用量のマグロリマブを投与することと、(2)体重1kg当たり30mgで週間用量のマグロリマブを8週間投与することと、(3)以降体重1kg当たり30mgで隔週用量のマグロリマブを投与することと、を含み、リツキシマブを投与することは、(1)体表面積1m2当たり375mgで週間用量のリツキシマブを4週間投与することと、その後、(2)体表面積1m2当たり375mgで毎月リツキシマブを投与することと、を含む。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0029】
更に、本明細書に開示されるのは、対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたかどうかに基づいて、B細胞が血液癌を有する対象に存在するかどうかを決定することであって、対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されていることは、B細胞が対象に存在することを示す、ことを含む、方法であって、対象におけるB細胞の存在は、対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、対象におけるB細胞の非存在は、対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す。
【0030】
更に、本明細書に開示されるのは、血液癌を有する対象からサンプルを得ることと、対象から得られたサンプルでアッセイを実施することによってB細胞が存在するかどうかを決定することと、を含む、方法であって、対象におけるB細胞の存在は、対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、対象におけるB細胞の非存在は、対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す。様々な実施形態では、対象から得られたサンプルは、末梢血サンプルである。
【0031】
更に、本明細書に開示されるのは、血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す情報を含むデータセットを取得すること又は取得されていることであって、血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す情報は、対象におけるB細胞の量、対象における全リンパ球中のB細胞の割合、対象が直近に抗CD20療法剤を投与された日数、対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在、のうちの1つを含む、ことと、データセットを使用して、B細胞が血液癌を有する対象に存在することを決定することと、血液癌を有する対象に治療を施すことと、を含む、方法である。様々な実施形態では、データセットを取得すること又は取得されていることは、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、ELIspot、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていることを含む。様々な実施形態では、データセット内の情報は、対象から得られたサンプル中のB細胞の量、又は対象から得られたサンプル中のB細胞の割合のうちのいずれか1つを含み、B細胞が対象に存在することを決定することは、情報を、B細胞の閾値量と比較することを含む。
【0032】
様々な実施形態では、B細胞の閾値量は、リンパ球の総集団のうちB細胞が少なくとも5パーセントである。様々な実施形態では、B細胞の閾値量は、B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの少なくとも検出限界である。様々な実施形態では、B細胞の閾値量は、マイクロリットル当たり少なくとも1個のB細胞である。様々な実施形態では、B細胞の閾値量は、マイクロリットル当たり少なくとも40個のB細胞である。様々な実施形態では、B細胞は、CD19+B細胞又はCD20+B細胞のうちの1つである。様々な実施形態では、B細胞は、CD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方である。
【0033】
様々な実施形態では、データセット内の情報は、対象が以前に抗CD20療法剤を投与された期間を含み、B細胞が対象に存在することを決定することは、対象が以前に抗CD20療法剤を投与された期間が閾値期間を超えるかどうかを決定することを含む。様々な実施形態では、閾値期間は、少なくとも4週間である。様々な実施形態では、閾値期間は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である。
【0034】
様々な実施形態では、データセット内の情報は、対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在を含み、B細胞が対象に存在することを決定することは、対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定することを含む。様々な実施形態では、対象における抗CD20療法剤が存在していないことを決定することは、対象が抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有することを決定すること又は決定されていることを含む。様々な実施形態では、抗CD20療法剤の閾値濃度は、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である。様々な実施形態では、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイは、イムノアッセイ、酵素結合免疫スポット、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである。様々な実施形態では、以前に投与された抗CD20療法剤はリツキシマブを含む。
【0035】
様々な実施形態では、血液癌は、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)である。様々な実施形態では、血液癌は、再発性又は難治性DLBCLである。様々な実施形態では、対象は、以前に少なくとも2種類の療法で治療されている。様々な実施形態では、血液癌、例えば、B細胞血液悪性腫瘍、例えば、CD20+癌は、濾胞性リンパ腫(FL)である。様々な実施形態では、血液癌は、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである。
【0036】
様々な実施形態では、治療を施すことは、CD47とSIRPα,との間の結合を阻害する抗CD47剤を投与することと、対象に抗CD20抗体を投与することと、を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、SIRPα試薬を含む。様々な実施形態では、SIRPα試薬は、CD47に結合するSIRPαの一部を含む。様々な実施形態では、SIRPα試薬は、高親和性SIRPα試薬である。様々な実施形態では、抗CD47剤は、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む。様々な実施形態では、抗CD47剤は、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む。様々な実施形態では、抗SIRPα剤は、FSI-189(GS-0189)、ES-004、BI765063、ADU1805、及びCC-9525のうちの少なくとも1つを含む抗SIRPα抗体である。
【0037】
様々な実施形態では、対象は、以前に抗CD20療法剤で治療されており、対象への、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤の投与及び抗CD20抗体の投与は、対象が以前に抗CD20療法剤で治療されてから28日後以降にそれぞれ実施される。様々な実施形態では、抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、30、45、60、又は100mgの用量で投与される。様々な実施形態では、抗CD47剤は静脈内投与される。様々な実施形態では、抗CD20抗体は静脈内投与される。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0038】
様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mg又は1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで対象に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで対象に更に投与される。様々な実施形態では、後続サイクルは、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は静脈内投与される。様々な実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍、例えば、CD20+癌、低悪性度又は中悪性度リンパ腫、例えば、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(再発性又は難治性を含む)、濾胞性リンパ腫(FL)(再発性、難治性、又は無症候性を含む)、非ホジキンリンパ腫(NHL)(再発性又は難治性を含む)、辺縁帯リンパ腫(例えば、節外性辺縁帯リンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)(再発性又は難治性を含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ性白血病、再発性又は難治性を含む)、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、double hit lymphoma(例えば、MYC及びBCL2又はBCL6の一方又は両方の転座を有するhigh grade B cell lymphoma)、myc転座リンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例えば、フィラデルフィア染色体陰性急性リンパ性白血病)、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、新規又は形質転換を伴ったDLBCL、又は、活性化B細胞(ABC)、胚中心B細胞(GCB)、若しくは非胚中心B細胞(non-GCB)DLBCLを有する。いくつかの実施形態では、対象は、NHL、例えば、(i)低グレード若しくは高リスクNHL、又は(ii)濾胞性(例えば、巨大腫瘤あり、巨大腫瘤なし、若しくは進行性濾胞性)又は非濾胞性NHLのうちの一方又は両方を有する。いくつかの実施形態では、対象は、再発型又は難治型のB細胞血液悪性腫瘍を有する。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0039】
様々な実施形態では、初回サイクルは、体表面積1m2当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、2回目のサイクルは、体表面積1m2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、3回目のサイクルは、体表面積1m2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、後続サイクルは、体表面積1m2当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m2のいずれか1つの用量で対象に投与される。様々な実施形態では、抗CD47剤及び抗CD20抗体が両方とも対象に投与される日に、抗CD47剤が、抗CD20抗体の前に対象に投与される。様々な実施形態では、抗CD47剤及び抗CD20抗体が両方とも対象に投与される日に、抗CD20抗体が、抗CD47剤の前に対象に投与される。様々な実施形態では、方法は、化学療法剤を対象に投与することを更に含む。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0040】
様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、抗SIRPα抗体である。様々な実施形態では、抗SIRPα抗体は、少なくとも10mg、少なくとも30mg、又は少なくとも100mgのうちのいずれか1つの用量で、2週間毎に9ヶ月間、対象に投与される。様々な実施形態では、抗SIRPα抗体は、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも400mg、又は少なくとも800mgのうちのいずれか1つの用量で、2週間毎に9ヶ月間、対象に投与される。様々な実施形態では、抗SIRPα抗体は、体表面積1m2当たり375mgの抗CD20抗体と併用して投与される。いくつかの実施形態では、抗SIRPα抗体は静脈内投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は静脈内投与される。様々な実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍、例えば、CD20+癌、低悪性度又は中悪性度リンパ腫、例えば、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(再発性又は難治性を含む)、濾胞性リンパ腫(FL)(再発性、難治性、又は無症候性を含む)、非ホジキンリンパ腫(NHL)(再発性又は難治性を含む)、辺縁帯リンパ腫(例えば、節外性辺縁帯リンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)(再発性又は難治性を含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ性白血病、再発性又は難治性を含む)、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、double hit lymphoma(例えば、MYC及びBCL2又はBCL6の一方又は両方の転座を有するhigh grade B cell lymphoma)、myc転座リンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例えば、フィラデルフィア染色体陰性急性リンパ性白血病)、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、新規又は形質転換を伴ったDLBCL、又は、活性化B細胞(ABC)、胚中心B細胞(GCB)、若しくは非胚中心B細胞(non-GCB)DLBCLを有する。いくつかの実施形態では、対象は、NHL、例えば、(i)低グレード若しくは高リスクNHL、又は(ii)濾胞性(例えば、巨大腫瘤あり、巨大腫瘤なし、若しくは進行性濾胞性)又は非濾胞性NHLのうちの一方又は両方を有する。いくつかの実施形態では、対象は、再発型又は難治型のB細胞血液悪性腫瘍を有する。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0041】
様々な実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤は、抗SIRPα抗体である。様々な実施形態では、抗SIRPα抗体は、少なくとも3mg又は少なくとも10mgの1日目のプライミング用量と、少なくとも100mg又は少なくとも200mgの15日目に開始する9ヶ月間の隔週用量と、を含む、初回サイクルで対象に投与される。様々な実施形態では、抗SIRPα抗体は、体表面積1m2当たり375mgの15日目に開始する9ヶ月間の抗CD20抗体と併用して投与される。いくつかの実施形態では、抗SIRPα抗体は静脈内投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は静脈内投与される。様々な実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍、例えば、CD20+癌、低悪性度又は中悪性度リンパ腫、例えば、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(再発性又は難治性を含む)、濾胞性リンパ腫(FL)(再発性、難治性、又は無症候性を含む)、非ホジキンリンパ腫(NHL)(再発性又は難治性を含む)、辺縁帯リンパ腫(例えば、節外性辺縁帯リンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)(再発性又は難治性を含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ性白血病、再発性又は難治性を含む)、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、double hit lymphoma(例えば、MYC及びBCL2又はBCL6の一方又は両方の転座を有するhigh grade B cell lymphoma)、myc転座リンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例えば、フィラデルフィア染色体陰性急性リンパ性白血病)、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、新規又は形質転換を伴ったDLBCL、又は、活性化B細胞(ABC)、胚中心B細胞(GCB)、若しくは非胚中心B細胞(non-GCB)DLBCLを有する。いくつかの実施形態では、対象は、NHL、例えば、(i)低グレード若しくは高リスクNHL、又は(ii)濾胞性(例えば、巨大腫瘤あり、巨大腫瘤なし、若しくは進行性濾胞性)又は非濾胞性NHLのうちの一方又は両方を有する。いくつかの実施形態では、対象は、再発型又は難治型のB細胞血液悪性腫瘍を有する。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0042】
様々な実施形態では、化学療法剤は、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である。
【0043】
様々な実施形態では、抗CD20抗体は、リツキシマブである。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、配列番号137の可変重鎖配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、配列番号142の可変軽鎖配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、Fc領域を含み、Fc領域は、配列番号140のCH2配列及び配列番号141のCH3配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、Fab又はscFvを含み、Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、Fab又はscFvを含み、Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む。
【0044】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、及び添付の図面に関してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】ある実施形態による、血液癌対象の抗CD47治療を受けるための適格性を決定する例示的なフロープロセスである。
【0046】
【
図2】再発性/難治性B細胞非ホジキンリンパ腫患者におけるリツキシマブと併用したHu5F9-G4の第1b/2相試験の試験デザインスキームを示す。マグロリマブのプライミング用量(1mg/kg)を利用して、オンターゲットな貧血を軽減し、標準的な3+3のデザインにおいて、リツキシマブと併用して10~30mg/kgの維持用量の用量漸増を行う。
【0047】
【
図3】CD20+B細胞の存在の代用としてのCD19+B細胞の割合及びリツキシマブの使用を示す。
【0048】
【
図4】第1b/2相試験の患者間の奏効率に影響を与える特定された変数を示す。
【0049】
【
図5】CD19 B細胞に対して陰性である患者における最良総合効果を示す棒グラフである。
【0050】
【
図6】患者末梢血中のCD19+B細胞の割合に基づく患者の最良総合効果を示すプロットである。
【0051】
【
図7】患者末梢血中のCD19+B細胞の絶対数に基づく患者の最良総合効果を示すプロットである。
【0052】
【
図8】CD19+B細胞の存在に関する適格性基準を適用する前後の第1b/2相試験に含まれる患者の奏効率を示す。
【0053】
【
図9】患者におけるCD20+B細胞の存在又は非存在に基づくびまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は濾胞性リンパ腫を有する患者の最良総合効果を示す円グラフを示す。
【0054】
【
図10】第1b/2相試験に含まれる部分集団の患者の奏効率を示し、ここで、部分集団の患者の各々は、CD20+B細胞の存在を有すると推定される。
【0055】
【
図11A】CD20+B細胞の存在又は非存在の直接的測定として使用することができる、CD20 H-スコアを説明する結果を示す。
【
図11B】CD20+B細胞の存在又は非存在の直接的測定として使用することができる、CD20 H-スコアを説明する結果を示す。
【0056】
【
図12A】免疫組織化学的検査を使用して確認されたCD20+CD19+又はCD20-CD19+プロファイルのいずれかを有する2例の患者の結果を示す。
【
図12B】免疫組織化学的検査を使用して確認されたCD20+CD19+又はCD20-CD19+プロファイルのいずれかを有する2例の患者の結果を示す。
【0057】
【
図13】患者が直近に抗CD20治療を受けた日数に基づく患者の最良総合効果を示す。
【0058】
【
図14A】抗CD20治療、例えばリツキシマブを伴う治療後のCD20発現の低減を示す。
【
図14B】抗CD20治療、例えばリツキシマブを伴う治療後のCD20発現の低減を示す。
【0059】
【
図15A】スクリーニング時及び治療後の個々のDLBCL患者におけるCD20発現の変化を示す。
【
図15B】スクリーニング時及び治療後の個々のDLBCL患者におけるCD20発現の変化を示す。
【0060】
【
図16】患者が直前に抗CD20治療を受けた期間と患者に存在するCD19B細胞の絶対数との間の相関関係を示す。
【0061】
【
図17】患者が直前に抗CD20治療を受けた期間と患者に存在するCD19B細胞の割合との間の相関関係を示す。
【0062】
【
図18】患者におけるリツキシマブ濃度(例えば、リツキシマブ薬物動態の尺度)と患者に存在するCD19B細胞の割合との間の相関関係を示す。
【0063】
【
図19】患者におけるリツキシマブの有無と患者に存在するCD19B細胞の割合との間の相関関係を示す。
【0064】
【
図20】患者におけるリツキシマブ濃度と患者に存在するCD19B細胞の存在又は非存在との間の相関関係を示す。
【0065】
【
図21A】Hu5F9-G4投与(Q1W)から隔週Hu5F9-G4投与(Q2W)への移行後の、経時的なCD45+末梢血細胞におけるHu5F9-G4によるCD47受容体占有を示す。
【0066】
【
図21B】毎週Hu5F9-G4投与(Q1W)から隔週Hu5F9-G4投与(Q2W)への移行後の、経時的なCD45+骨髄細胞におけるHu5F9-G4によるCD47受容体占有を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本明細書に開示されるのは、対象においてB細胞が存在することの決定に基づいて、対象が治療に適格であることを決定することによって血液癌を有する対象を治療し、更に、抗CD47剤(例えば、マグロリマブ)単独で、又は抗CD20剤(例えば、リツキシマブ)などの1つ以上の追加の薬剤と併用して、対象を治療する方法である。
【0068】
本発明の方法及び組成物の説明の前に、本発明は、言うまでもなく変化し得るため、記載される特定の方法又は組成物に限定されないことを理解されたい。本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、制限されることを意図せず、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ制限されることが理解されるべきである。
【0069】
ある範囲の値が提供される場合、その間の各値(文脈により明確に示されない限り、その範囲の上限値と下限値との間の下限値の単位の10分の1まで)も、具体的に開示されると理解される。記載された範囲内の任意の記載された値又はその間の値と、他に記載された範囲内の任意の記載された値又はその間の値との間の、それぞれより小さい範囲は、本発明内に包含される。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、独立してその範囲に含まれるか、又は除外される場合があり、いずれかの限界値又は両限界値がより小さい範囲に含まれる、又はいずれも含まれない各範囲もまた、記載された範囲から任意の限界値が具体的に除外され得るものとして、やはり本発明の範囲に含まれるものとする。記載された範囲が限界値の一方又は両方を含む場合、これらの含まれた限界値の一方又は両方を除外する範囲もやはり本発明に含まれるものとする。
【0070】
特段の記載がない限り、本明細書で用いられる全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野における当業者が一般に解釈するのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又は同等の任意の方法及び材料を、本発明を実施又は試験するために使用することが可能であるが、いくつかの可能性のあり、かつ好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及される全ての刊行物は、刊行物が引用されていることに関連して方法及び/又は材料を開示及び説明するために参照により本明細書に組み込まれる。本開示は、矛盾がある限り、組み込まれた刊行物の任意の開示に優先することが理解される。
【0071】
本開示を読むことによって当業者には明白となるように、本明細書に記載し例示される個々の実施形態はそれぞれ、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離されるか、又はそれらの特徴と組み合わされ得る、別個の構成要素及び特徴を有する。説明したいずれの方法も、説明した事象の順序で、又は論理的に可能な他の任意の順序で実施することができる。
【0072】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「and」、及び「the」という単数形は、別途文脈で明確に示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「細胞」への言及は、複数のこのような細胞を含み、「ペプチド」への言及は、当業者などに公知の1つ以上のペプチド及びその等価物、例えばポリペプチドへの言及を含む。
【0073】
本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日前にそれらを開示するためだけに提供される。本明細書のいかなるものも、本発明が先行発明によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に記載される刊行物の日付は実際に公開された日付とは異なる可能性があり、これは別個に確認を要する場合がある。
定義
【0074】
「抗CD47剤」又は「CD47遮断を提供する薬剤」という用語は、CD47(例えば、標的細胞上)のSIRPαなどのCD47リガンド(例えば、食細胞上)への結合を低減する任意の薬剤を指す。好適な抗CD47試薬の非限定的な例としては、高親和性SIRPαポリペプチド、抗SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチド、及び抗CD47抗体又は抗体断片を非限定的に含む、SIRPα試薬が挙げられる。いくつかの実施形態では、好適な抗CD47剤(例えば、抗CD47抗体、SIRPα試薬など)は、CD47に特異的に結合し、CD47のSIRPαへの結合を低減する。いくつかの実施形態では、対象の抗CD47抗体は、CD47に特異的に結合し、1つの細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を低減する。いくつかの実施形態では、好適な抗CD47抗体は、結合時にCD47を活性化しない。いくつかの抗CD47抗体は、CD47のSIRPαへの結合を低減させず、そのような抗体は、「非遮断性抗CD47抗体」と称され得る。「抗CD47剤」である好適な抗CD47抗体は、「CD47遮断抗体」と称され得る。好適な抗体の非限定的な例としては、クローンB6H12、5F9、8B6、及びC3(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる、2012年1月19日公開の国際公開第2011/143624号に記載される)が挙げられる。好適な抗CD47抗体は、そのような抗体の完全ヒト型、ヒト化型、又はキメラ型を含む。ヒト化抗体(例えば、Hu5f9-G4)は、それらの低い抗原性のため、ヒトにおけるインビボ適用で特に有用である。同様に、イヌ化抗体及びネコ化抗体などは、それぞれ、イヌ、ネコ、及び他の種における適用で特に有用である。目的の抗体としては、ヒト化抗体、又はイヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体、及びそれらのバリアントが挙げられる。
【0075】
いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、結合時にCD47を活性化しない。
【0076】
CD47が活性化されると、アポトーシス(すなわち、プログラム細胞死)に類似するプロセスが起こり得る(Manna and Frazier,Cancer Research,64,1026-1036,Feb.1 2004)。したがって、いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、CD47発現細胞の細胞死を直接誘導しない。
【0077】
いくつかの病原体(例えば、ポックスウイルス、粘液腫ウイルス、シカポックスウイルス、豚痘ウイルス、山羊痘ウイルス、羊痘ウイルスなど)は、感染を可能にする病原性因子として機能するCD47類似体(すなわち、CD47模倣物)(例えば、M128Lタンパク質)を発現し(Cameron et al.,Virology.2005 Jun 20;337(1):55-67)、いくつかの病原体は、宿主細胞内の内因性CD47の発現を誘発する。したがって、CD47類似体を発現する病原体に感染した細胞は、排他的に、又は内因性CD47と組み合わせて、病原体が提供するCD47類似体を発現し得る。この機構は、内因性CD47のレベルを増加させて、又はそれを増加させることなく、感染細胞におけるCD47発現を(CD47類似体の発現を介して)増加させることを可能にする。いくつかの実施形態では、抗CD47剤(例えば、抗CD47抗体、SIRPα試薬、SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチドなど)は、CD47類似体(すなわち、CD47模倣物)のSIRPαへの結合を低減することができる。場合によっては、好適な抗CD47剤(例えば、SIRPα試薬、抗CD47抗体など)は、CD47類似体(すなわち、CD47模倣物)に結合して、CD47類似体のSIRPαへの結合を低減することができる。場合によっては、好適な抗CD47剤(例えば、抗SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチドなど)は、SIRPαに結合することができる。SIRPαに結合する好適な抗CD47剤は、SIRPαを活性化しない(例えば、SIRPα発現食細胞中)。病原体がCD47類似体を提供する病原体である場合、抗CD47剤は、本明細書で提供される方法のいずれかで使用することができる。言い換えれば、本明細書で使用される場合、「CD47」という用語は、CD47及びCD47類似体(すなわち、CD47模倣物)を包含する。
【0078】
SIRPα試薬は、認識可能な親和性でCD47に結合するのに十分なSIRPαの部分(シグナル配列と膜貫通ドメインとの間に通常存在する)又は、結合活性を保持するその断片を含む。好適なSIRPα試薬は、天然タンパク質であるSIRPαとCD47との間の相互作用を低減(例えば、遮断、阻止など)する。SIRPα試薬は、通常、少なくともSIRPαのd1ドメインを含む。いくつかの実施形態では、SIRPα試薬は、例えば、インフレームで第2のポリペプチドと融合された融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、例えば、融合タンパク質が循環から急速に除去されないように、融合タンパク質のサイズを増加させることができる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域の一部又は全体である。Fc領域は、高親和性SIRPα試薬によって提供される「don’t eat me」シグナルの遮断を増強する、「eat me」シグナルを提供することによって食作用を助ける。他の実施形態では、第2のポリペプチドは、Fcと実質的に同様である任意の好適なポリペプチドであり、例えば、増加したサイズ、多量体化ドメイン、及び/又はIg分子との追加の結合若しくは相互作用を提供する。
【0079】
いくつかの実施形態では、対象の抗CD47剤は、SIRPα由来ポリペプチド及びその類似体を含む「高親和性SIRPα試薬」である。高親和性SIRPα試薬は、国際出願PCT/US13/21937号及び国際公開第2013/109752(A1)号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。高親和性SIRPα試薬は、天然SIRPαタンパク質の多様体である。一部の実施形態では、高親和性SIRPα試薬は可溶性であり、ポリペプチドはSIRPα膜貫通ドメインを欠き、野生型SIRPα配列に対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含み、ここで、アミノ酸変化は、例えば、オフレートを少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも500分の1、又はそれ以上減少することによって、CD47に結合するSIRPαポリペプチドの親和性を増加させる。
【0080】
高親和性SIRPα試薬は、認識可能な親和性、例えば高親和性でCD47に結合するのに十分なSIRPαの部分(シグナル配列と膜貫通ドメインとの間に通常存在する)又は、結合活性を保持するその断片を含む。高親和性SIRPα試薬は、通常、親和性を高めるために修飾アミノ酸残基を有するSIRPαの少なくともd1ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本発明のSIRPαバリアントは、例えば、インフレームで第2のポリペプチドと融合された融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、例えば、融合タンパク質が循環から急速に除去されないように、融合タンパク質のサイズを増加させることができる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域の一部又は全体である。親和性の増加をもたらすアミノ酸変化はd1ドメインに局在しており、したがって、高親和性SIRPα試薬は、d1ドメイン内の野生型配列に対して少なくとも1つのアミノ酸変化を備えたヒトSIRPαのd1ドメインを含む。このような高親和性SIRPα試薬は、任意選択で、追加のアミノ酸配列、例えば抗体Fc配列、天然タンパク質又はその断片、通常はd1ドメインに隣接する断片の残基150~374を含むがこれらに限定されない、d1ドメイン以外の野生型ヒトSIRPαタンパク質の部分などを含む。高親和性SIRPα試薬は、単量体又は多量体、すなわち、二量体、三量体、及び四量体などであってもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、対象の抗CD47剤は、SIRPαに特異的に結合する抗体(すなわち、抗SIRPα抗体)であり、1つの細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を低減する。好適な抗SIRPα抗体は、SIRPαの活性化が食作用を阻害するため、SIRPαを介したシグナル伝達を活性化又は刺激することなく、SIRPαに結合できる。代わりに、好適な抗SIRPα抗体は、正常細胞よりも感染細胞の優先的な食作用を促進する。他の細胞(非感染細胞)に対してより高いレベルのCD47を発現するそれらの細胞(例えば、感染細胞)は、優先的に貪食される。したがって、好適な抗SIRPα抗体は、SIRPαに特異的に結合し(食作用を阻害するのに十分なシグナル伝達応答を活性化/刺激せずに)、SIRPαとCD47との間の相互作用を遮断する。好適な抗SIRPα抗体は、そのような抗体の完全ヒト型、ヒト化型、又はキメラ型を含む。ヒト化抗体は、それらの低い抗原性のため、ヒトにおけるインビボ適用で特に有用である。同様に、イヌ化抗体及びネコ化抗体などは、それぞれ、イヌ、ネコ、及び他の種における適用で特に有用である。目的の抗体としては、ヒト化抗体、又はイヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体、及びそれらのバリアントが挙げられる。
【0082】
本明細書で使用される場合、「抗体」は、特定の抗原(例えば、CD47)と免疫学的に反応する免疫グロブリン系分子への言及を含み、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方を含む。この用語はまた、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)及びヘテロコンジュゲート抗体などの遺伝子操作された形態を含む。「抗体」という用語はまた、抗原結合能力を有する断片(、例えば、Fab’、F(ab’)2、Fab、Fv、及びrIgG、を含む抗体の抗原結合形態を含む。この用語はまた、組換え単鎖Fvフラグメント(scFv)を指す。抗体という用語はまた、二価又は二重特異性分子、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディも含む。抗体という用語の追加の説明は、以下に見出される。
【0083】
本明細書で使用される場合、「抗CD47抗体」は、CD47(例えば、標的細胞上)のSIRPαなどのCD47リガンド(例えば、食細胞上)への結合を低減する任意の抗体を指す。非限定的な例は、以下により詳細に記載されており、Hu5F9-G4を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、対象の抗CD47剤は、CD47に特異的に結合する抗体(すなわち、CD47抗体)であり、1つの細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を低減する。いくつかの実施形態では、好適な抗CD47抗体は、結合時にCD47を活性化しない。好適な抗体の非限定的な例としては、クローンB6H12、5F9、8B6、及びC3(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる、国際公開第2011/143624号に記載される)が挙げられる。好適な抗CD47抗体は、抗体の完全ヒト型、ヒト化型、又はキメラ型を含む。ヒト化抗体(例えば、hu5F9-G4)は、それらの低い抗原性のため、ヒトにおけるインビボ適用で特に有用である。同様に、イヌ化抗体及びネコ化抗体などは、それぞれ、イヌ、ネコ、及び他の種における適用で特に有用である。目的の抗体としては、ヒト化抗体、又はイヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体、及びそれらのバリアントが挙げられる。
【0084】
本明細書で使用される場合、「Hu5F9-G4」、「5F9」、及び「マグロリマブ」は、互換的に使用され、血液癌を治療するために、以下に記載されるように対象、個体、又は患者に投与され得る抗CD47抗体の例を指す。
【0085】
本発明の目的のための「患者」は、ヒト及び他の動物の両方、特にペット及び実験動物を含む哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギなどを含む。したがって、方法は、ヒトの治療及び獣医学的用途の両方に適用可能である。一実施形態では、患者は、哺乳動物、好ましくは霊長類である。他の実施形態では、患者はヒトである。
【0086】
「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用され、治療について評価されている、及び/又は治療されている哺乳動物を指す。ある実施形態では、哺乳動物はヒトである。「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、癌を有する個体を含むが、これに限定されない。対象はヒトであってよいが、他の哺乳動物、特にヒト疾患の実験モデルとして有用な哺乳動物、例えば、マウス、ラットなども含まれる。
【0087】
患者に関する「サンプル」という用語は、血液及び生物学的起源の他の液体サンプル、生検検体又は組織培養物などの固体組織サンプル、並びにそれらに由来する細胞及びその子孫を包含する。この定義はまた、試薬による処理、洗浄、又は癌細胞などの特定の細胞集団の濃縮などによって、それらの調達後に任意の方法で操作されていたサンプルも含む。この定義はまた、特定のタイプの分子、例えば、核酸、ポリペプチドなどについて濃縮されたサンプルも含む。「生体サンプル」という用語は、臨床サンプルを包含し、また、外科的切除によって得られた組織、生検によって得られた組織、培養中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、組織サンプル、臓器、骨髄、血液、血漿、血清なども含む。「生体サンプル」は、患者の癌細胞から得られたサンプル、例えば、患者の癌細胞から得られるポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドを含むサンプル(例えば、ポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドを含む、細胞溶解物又は他の細胞抽出物)、並びに、患者由来の癌細胞を含むサンプルを含む。患者由来の癌細胞を含む生体サンプルは、非癌性細胞も含み得る。
【0088】
「診断」という用語は、分子又は病状、疾患若しくは状態の特定、例えば、乳癌、前立腺癌、又は他のタイプの癌の分子サブタイプの特定を指すために本明細書で使用される。
【0089】
「予後」という用語は、リンパ腫などの腫瘍性疾患の再発、転移拡散、及び薬物耐性などの癌起因性死又は進行の可能性の予測を指すために本明細書で使用される。「予測」という用語は、観察、経験、又は科学的推論に基づく、予想又は推定の行為を指すために本明細書で使用される。一例では、医師は、原発腫瘍の外科的除去及び/又は化学療法後、癌の再発を伴わずに特定の期間にわたって患者が生存する可能性を予測することができる。
【0090】
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」などの用語は、効果を得る目的で、薬剤を投与すること、又は医療行為を実施することを指す。この効果は、疾患及び/又は疾患の症状の部分的又は完全な治癒をもたらすことに関して治療的であり得る。本明細書で使用される場合、「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける腫瘍の治療を含み得、非限定的に、疾患を阻害すること、すなわち、その進行を阻止すること、疾患を緩和すること、すなわち、疾患の退縮を引き起こすことを含む。
【0091】
治療は、軽減、寛解、症状の減少若しくは疾患状態を患者により許容可能にすること、悪化若しくは衰退速度の遅延、又は、悪化の最終点をより減衰させることなどの任意の客観的又は主観的パラメータを含む、癌の治療又は改善における成功の任意の兆候を指す。症状の治療又は寛解は、医師による検査の結果など、客観的又は主観的なパラメータに基づき得る。「治療効果」という用語は、対象における疾患、疾患の症状、又は疾患の副作用の低減、排除、又は予防を指す。
【0092】
「併用して」、「併用療法」、及び「併用製品」とは、特定の実施形態では、本明細書に記載の薬剤の患者への同時投与を指す。併用して投与される場合、各成分は、同時に、又は異なる時点において任意の順序で連続的に投与することができる。したがって、各成分は、所望の治療効果を提供するために、別々にかつ十分に接近して投与することができる。
【0093】
本明細書に開示される方法における活性剤の「同時投与」は、薬剤が同時に治療効果を有する時間における試薬との投与を意味する。そのような同時投与は、薬剤の同時(すなわち、同じ時間)、事前、又は後続投与を含み得る。
【0094】
本明細書で使用される場合、「相関」又は「相関する」などという用語は、2つの事象のインスタンス間の統計的関連性を指し、このとき事象として、数、データセットなどが挙げられる。例えば、事象が数を含む場合、正の相関(本明細書では「直接相関」とも称する)は、一方が増加するにつれて、他方も増加することを意味する。負の相関(本明細書では「逆相関」とも称する)は、一方が増加するにつれて、他方が減少することを意味する。
【0095】
「投与単位」又は「用量」は、治療される特定の個体のための単位投与量として適した物理的に異なる単位を指す。各単位は、医薬的担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された活性化合物の所定量を含み得る。投与単位形態に対する規格は、(a)活性化合物の固有の特性及び達成されるべき特定の治療効果、並びに、(b)そのような活性化合物を配合する当分野で固有の制限によって決定され得る。
【0096】
「治療有効量」とは、疾患を治療するために対象に投与されるとき、その疾患の治療をもたらすのに十分である量を意味する。
抗体
【0097】
本明細書に記載される方法は、抗体の投与、すなわち、抗CD47抗体の投与、及びいくつかの実施形態では、追加の抗体の投与を含む。抗体の選択は、選択性、親和性、細胞傷害性などを含む、様々な基準に基づき得る。抗体に「特異的に(又は選択的に)結合する」、「特異的に(又は選択的に)免疫反応する」という語句は、タンパク質又はペプチドを指す場合、不均一なタンパク質及び他の生物学的物質の集団において、タンパク質の存在を決定する結合反応を指す。したがって、指定されたイムノアッセイ条件下では、指定された抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10~100倍超で、特定のタンパク質配列に結合する。一般に、本発明の抗体は、エフェクター細胞(ナチュラルキラー細胞又はマクロファージなど)の存在下で標的細胞の表面上の抗原に結合する。エフェクター細胞上のFc受容体は、結合抗体を認識する。
【0098】
特定の抗原と免疫学的に反応性の抗体は、ファージ又は類似のベクター内の組換え抗体のライブラリの選択などの組換え方法によって、又は抗原若しくは抗原をコードするDNAを用いて動物を免疫化することによって、生成され得る。ポリクローナル抗体を調製する方法は、当業者に既知である。抗体は、代替的に、モノクローナル抗体であり得る。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法を使用して調製することができる。ハイブリドーマ法において、適切な宿主動物は、典型的には免疫剤を用いて免疫され、その免疫剤に特異的に結合する抗体を産生するか、又は産生することができるリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫化してもよい。次いで、リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの好適な融合剤を使用して不死化細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する。
【0099】
ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリを含む、当該技術分野で既知の様々な技術を使用して生成することができる。同様に、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジェニック動物、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子を部分的又は完全に不活性化したマウスに導入することによって作製することができる。誘発を行うと、ヒト抗体産生が観察され、これは、遺伝子再構成、会合、及び抗体レパートリーなど、全ての点でヒトで見られるものと非常によく似ている。
【0100】
抗体はまた、様々なペプチダーゼでの消化によって生成される多くの十分に特徴付けられた断片として存在する。つまり、ペプシンは、以下の抗体のヒンジ領域のジスルフィド結合を消化して、F(ab)’2を生成し、これは、Fabの二量体であり、それ自体は、ジスルフィド結合によって、VH-CH1に結合した軽鎖である。F(ab)’2は、穏やかな条件下で還元され、ヒンジ領域内のジスルフィド結合を破壊でき、それにより、F(ab)’2二量体をFab’単量体に変換する。Fab’単量体は、ヒンジ領域の一部を有する本質的にFabである。様々な抗体断片が完全な抗体の消化に関して定義されるが、当業者は、そのような断片が、化学的又は組換えDNA法の使用によるもののいずれかで、デノボ合成され得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、抗体という用語はまた、抗体全体の修飾によって産生された抗体断片、又は組換えDNA法を用いてデノボ合成されたもの(例えば、単鎖Fv)、又はファージディスプレイライブラリを使用して特定されるもののいずれかを含む。
【0101】
「ヒト化抗体」は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する免疫グロブリン分子である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種、例えば、マウス、ラット、又はウサギのCDRからの残基(ドナー抗体)により置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体中にも、インポートされたCDR又はフレームワーク配列にも見られない残基を含み得る。一般的には、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むこととなる。同可変ドメイン中、全て又は実質的に全てのCDR領域は、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全て又は実質的に全てのフレームワーク(FR)領域は、ヒト免疫グロブリン共通配列のフレームワーク領域である。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンのFcのうち少なくとも一部分を含む。
【0102】
目的の抗体は、ADCC(抗体依存性細胞傷害)、ADCP(抗体依存性細胞貪食)、又は補体依存性細胞傷害性(CDC)を誘導する能力について試験され得る。抗体関連ADCC活性は、溶解細胞からの標識又は乳酸デヒドロゲナーゼの放出の検出、又は低下した標的細胞生存率の検出(例えば、アネキシンアッセイ)のいずれかを通じて監視及び定量化することができる。アポトーシスのアッセイは、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ介在ジゴキシゲニン-11-dUTPニック末端標識(TUNEL)アッセイによって行うことができる(Lazebnikら、Nature:371、346(1994))。細胞毒性は、Roche Applied Science(Indianapolis,Ind.)の細胞毒性検出キットなどの当該技術分野で既知の検出キットによって直接検出することもできる。
【0103】
いくつかの実施形態では、目的の抗体のFc領域又はFcドメインは、抗結合分子の血清半減期の増加を促進するアミノ酸修飾を含む。抗体の半減期を増加させる変異が記載されている。一実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、252位でのメチオニンからチロシンへの置換(EU番号付け)、254位でのセリンからトレオニンへの置換(EU番号付け)、及び256位でのトレオニンからグルタミン酸への置換(EU番号付け)を含む。例えば、米国特許第7,658,921号を参照されたい。「YTE変異体」と命名されたこのタイプの変異体は、同じ抗体の野生型バージョンと比較して、4倍増加した半減期を呈する(Dall’Acquaら、「J Biol Chem」第281巻:第23514~24頁(2006年);Robbieら、「Antimicrob Agents Chemotherap.」第57巻(第12号):第6147~6153頁(2013年))。特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、251~257位、285~290位、308~314位、385~389位、及び428~436位でのアミノ酸残基の1つ、2つ、3つ又はそれ以上のアミノ酸置換を含むIgG定常ドメインを含む(EU番号付け)。あるいは、M428L及びN434S(「LS」)置換は、多重特異性抗原結合分子の薬物動態学的半減期を増加させることができる。他の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、M428L及びN434S置換(EU番号付け)を含む。他の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、T250Q及びM428L(EU番号付け)変異を含む。他の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、H433K及びN434F(EU番号付け)変異を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、エフェクター活性を増加させる、例えば、改善されたFcγIIIa結合及び増加された抗体依存性細胞傷害(ADCC)を有する翻訳後修飾及び/又はアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDE修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D及びI332E)を含む。一部の実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDEL修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D、I332E及びA330L)を含む。一部の実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDEA修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D、I332E及びG236A)を含む。一部の実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDEAL修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D、I332E、G236A及びA330L)を含む。例えば、米国特許第7,317,091号、同第7,662,925号、同第8,039,592号、同第8,093,357号、同第8,093,359号、同第8,383,109号、同第8,388,955号、同第8,735,545号、同第8,858,937号、同第8,937,158号、同第9,040,041号、同第9,353,187号、同第10,184,000号、及び同第10,584,176号を参照されたい。エフェクター活性を増加させる、例えば、FcγIIIa結合を改善し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を増加させた追加のアミノ酸修飾としては、非限定的に、第1のFcドメイン上のF243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S298A/E333A/K334A、又はL234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及び第2のFcドメイン上のD270E/K326D/A330M/K334Eが挙げられる(EU番号付け)。C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)を増加させるアミノ酸変異には、S267E/H268F/S324T又はK326W/E333Sが含まれるが、これらに限定されない(EU番号付け)。エフェクター活性を増強するFc領域変異は、例えば、Wang,et al.,Protein Cell(2018)9(1):63-73、及びSaunders,Front Immunol.(2019)10:1296に概説されている。
【0105】
他の実施形態では、抗体又はその抗原結合性フラグメントは、修飾されたグリコシル化を有し、これは、例えば、翻訳後に、又は遺伝子操作によって導入することができる。一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性フラグメントは、例えば、抗体又はその抗原結合性フラグメントに存在するグリコシル化部位において脱フコシル化される。ほとんどの承認されたモノクローナル抗体はIgG1イソタイプであり、ここで2つのN結合型二分岐複合型オリゴ糖がFc領域に結合している。Fc領域は、FcγRファミリーの白血球受容体との相互作用を通じてADCCのエフェクター機能を発揮する。脱フコシル化モノクローナル抗体は、抗体のFc領域中のオリゴ糖がいずれのフコース糖単位も有さないように操作されたモノクローナル抗体である。
抗CD47剤
【0106】
本明細書に記載される方法は、抗CD47剤などの治療薬の投与を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、抗CD47抗体である。
【0107】
CD47は、単一のIg様ドメイン及び5つの膜貫通領域を有する、広く発現した膜貫通糖タンパク質であって、SIRPαのNH2末端V様ドメインを介して媒介される結合を伴うSIRPαの細胞リガンドとして機能する。SIRPαは、主に、マクロファージ、顆粒球、骨髄樹状細胞(dendritic cell:DC)、マスト細胞、及び造血幹細胞を含むそれらの前駆体を含む、骨髄系細胞で発現される。CD47結合を媒介するSIRPα上の構造決定基は、Lee et al.(2007)J.Immunol.179:7741-7750、Hatherley et al.(2008)Mol Cell.31(2):266-77、Hatherley et al.(2007)J.B.C.282:14567-75によって論じられており、CD47結合におけるSIRPαシス二量体化の役割は、Lee et al.(2010)J.B.C.285:37953-63によって論じられている。正常細胞の食作用を阻害するCD47の役割と一致して、造血幹細胞(HSC)及び前駆細胞において、移行期の直前又は最中に一時的に上方調節され、これらの細胞におけるCD47レベルがインビボで貪食される確率を決定するという証拠がある。
【0108】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、ヒトIgG Fc領域、例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4定常領域を含む。一実施形態では、IgG Fc領域は、IgG4定常領域である。IgG4ヒンジは、アミノ酸置換S241Pによって安定化され得る(本明細書に参照により具体的に組み込まれる、Angal et al.(1993)Mol.Immunol.30(1):105-108参照)。
【0109】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、CD47への結合についてHu5F9-G4と競合する。いくつかの実施形態では、抗CD47は、Hu5F9-G4と同じCD47エピトープに結合する。
【0110】
いくつかの実施形態では、抗体は、Biacoreアッセイによって測定されるとき、約1、1~6、1~5、1~4、1~3、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10×10^-9M以下のKDでヒトCD47に結合する。
【0111】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、体重1kg当たり10~30、20~30、10、20、又は30mgの抗体の用量で投与される。
【0112】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、90%以上の受容体飽和度、任意選択的に90~100、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の受容体飽和度をもたらし、任意選択的に、受容体飽和度は、フローサイトメトリー又は同等のアッセイを使用して測定される。
【0113】
抗CD47抗体は、薬学的に許容される賦形剤を用いて医薬組成物中に配合することができる。
【0114】
抗CD47抗体は静脈内投与され得る。
【0115】
抗CD47剤は、SIRPα又はその一部を含むSIRPα剤を含み得る。例えば、抗CD47剤は、SIRPα系Fc融合体を含み得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれるKipp Weiskopf,et al.Science 341,88(2013)を参照されたい。
【0116】
抗CD47剤は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2014/094122号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2014/094122号に開示されている、配列番号3、25、又は26の配列を含み得、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0117】
抗CD47剤は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2017/177333号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2017/177333号に開示されている、配列番号3又は8の配列を含み得、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
抗CD47剤は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2016/023040号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2016/023040号に開示されている、配列番号78~85、98~104、107~113、116~122、135~137、又は152~159の配列を含み得、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
抗CD47剤は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2017/027422号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2017/027422号に開示されている、配列番号3~34の配列を含み得、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
追加の抗CD47剤として、抗CD47 mAbs(Vx-1004)、抗ヒトCD47 mAbs(CNTO-7108)、CC-90002、CC-90002-ST-001、ヒト化抗CD47抗体(Hu5F9-G4、マグロリマブ)、NI-1701、NI-1801、RCT-1938、ALX-148、TTI-621、RRx-001、DSP-107、VT-1021、TTI-621、TTI-622、IMM-02、Lemzoparlimab、及びSGN-CD47M.が挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、二重特異性抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、二重特異性抗CD47抗体を含む。CD47を標的とする二重特異性抗体の例としては、IBI-322(CD47/PD-L1)、IMM-0306(CD47/CD20)、TJ-L1C4(CD47/PD-L1)、HX-009(CD47/PD-1)、PMC-122(CD47/PD-L1)、PT-217,(CD47/DLL3)、IMM-26011(CD47/FLT3)、IMM-0207(CD47/VEGF)、IMM-2902(CD47/HER2)、BH29xx(CD47/PD-L1)、IMM-0306(CD47/CD20)、IMM-2502(CD47/PD-L1)、HMBD-004B(CD47/BCMA)、HMBD-004A(CD47/CD33)が挙げられるが、これらに限定されない。追加の単一特異性及び二重特異性抗CD47抗体として、IBI-188、TJC-4、SHR-1603、HLX-24、LQ-001、IMC-002、ZL-1201、IMM-01、B6H12、GenSci-059、TAY-018、PT-240、1F8-GMCSF、SY-102、及びKD-015が挙げられるが、これらに限定されない。
CD47抗体
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、抗CD47抗体Hu5F9-G4の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、Hu5f9-G4の配列と少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一の配列(軽鎖、重鎖、可変軽鎖ドメイン、可変重鎖ドメイン、及び/又はCDR)を有する抗CD47抗体の投与を含む。表1は、Hu5f9-G4抗体重鎖及び軽鎖の配列(それぞれ、配列番号50及び51)、Kabat CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号52~57及び146)、IMGT CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号147~152)、Chothia CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号153~158)、Honegger CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号159~164)、並びに可変重鎖及び軽鎖配列(配列番号144及び145)を含む。更に好適な抗CD47抗体としては、クローンB6H12、5F9、8B6、C3、及びhuC3(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる、国際公開第2011/143624号に記載される)が挙げられる。5F9可変重鎖ドメインは、配列番号58として提供されており、5F9可変軽鎖ドメインは、配列番号59として提供されている。HuB6H12可変重鎖ドメインは、配列番号60として提供されており、HuB6H12可変軽鎖ドメインは、配列番号61として提供されている。8B6可変重鎖ドメインは、配列番号62として提供されており、HuB6H12可変軽鎖ドメインは、配列番号63として提供されている。C3可変重鎖ドメインは、配列番号64として提供されており、C3可変軽鎖ドメインは、配列番号65として提供されている。HuC3可変重鎖ドメインは、配列番号66及び67として提供されており、HuC3可変軽鎖ドメインは、配列番号68及び69として提供されている。抗CD47抗体は、配列番号50の重鎖配列及び配列番号51の軽鎖配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号58のVH配列及び配列番号59のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号60のVH配列及び配列番号61のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号62のVH配列及び配列番号63のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号64のVH配列及び配列番号65のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号66又は67のVH配列及び配列番号68又は69のVL配列を含み得る。
【0123】
2014年5月22日公開の米国特許出願公開第20140140989号、及び2013年8月15日公開の国際公開第2013119714号(この両方はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)において、抗CD47抗体重鎖可変領域は、配列番号5~30として開示されており、抗CD47抗体軽鎖可変領域は、配列番号31~47として開示されている。好適な抗CD47可変重鎖ドメインは、配列番号70~95として提供されており、抗CD47可変軽鎖ドメインは、配列番号96~112として提供されている。抗CD47抗体は、配列番号70~95のVH配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号96~112のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号70~95のVH配列及び配列番号96~112のVL配列を含み得る。
【0124】
抗CD47抗体は、配列番号113~115のVH配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号116~118のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号113~115のVH配列及び配列番号116~118のVL配列を含み得る。
【0125】
【0126】
追加のCD47抗体は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第199727873号、同第199940940号、同第2002092784号、同第2005044857号、同第2009046541号、同第2010070047号、同第2011143624号、同第2012170250号、同第2013109752号、同第2013119714号、同第2014087248号、同第2015191861号、同第2016022971号、同第2016023040号、同第2016024021号、同第2016081423号、同第2016109415号、同第2016141328号、同第2016188449号、同第2017027422号、同第2017049251号、同第2017053423号、同第2017121771号、同第2017194634号、同第2017196793号、同第2017215585号、同第2018075857号、同第2018075960号、同第2018089508号、同第2018095428号、同第2018137705号、同第2018233575号、同第2019027903号、同第2019034895号、同第2019042119号、同第2019042285号、同第2019042470号、同第2019086573号、同第2019108733号、同第2019138367号、同第2019144895号、同第2019157843号、同第2019179366号、同第2019184912号、同第2019185717号、同第2019201236号、同第2019238012号、同第2019241732号、同第2020019135号、同第2020036977号、同第2020043188号、及び同第2020009725号に記載されている。
抗SIRPα剤
【0127】
本明細書に記載される方法は、抗SIRPα剤の投与を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα剤は、SIRPα阻害剤である。そのような阻害剤として、AL-008、RRx-001、及びCTX-5861が挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα剤は、抗SIRPα抗体である。そのような抗体として、FSI-189、ES-004、BI765063、ADU1805、及びCC-95251が挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα剤は、SIRPαに特異的に結合する抗SIRPα抗体である。いくつかの態様では、SIRPαは、ヒトSIRPαである。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗SIRPα抗体は、SIRPαの細胞外ドメインに特異的に結合する。SIRPαは、任意の好適な標的細胞の表面上に発現され得る。いくつかの実施形態では、標的細胞はプロフェッショナル抗原提示細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞はマクロファージである。抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプに対して汎特異的であり得る。抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプに特異的であり得る。
【0132】
特定の実施形態では、抗体は、1H9である。特定の実施形態では、抗体は、3C2である。
【0133】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、1つ以上のSIRPαのリガンドへのSIRPαの結合を阻害する。
【0134】
特定の態様では、抗体は、SIRPγに結合しない。特定の態様では、抗体は、SIRPγに実質的に結合しない。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体断片は、SIRPαへの結合について1H9及び/又は3C2と競合する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体の断片は、そのような抗体と同じSIRPαのエピトープに結合する。
【0136】
いくつかの態様では、本明細書に開示される抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプに対して汎特異的である。1H9などの本明細書に開示される抗体は、V1、V2、及びV1/V5のうちの1つ以上を含む複数のヒトSIRPαアイソタイプに結合することができる。例示的なV1配列は、配列番号48に示されている。例示的なV2配列は、配列番号49に示されている。Polymorphism in Sirpa modulates engraftment of human hematopoietic stem cells.Nature Immunology,8;1313,2007も参照されたい。本明細書に開示される抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプV1及びV2の各々に結合することができる。本明細書に開示される抗体は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV1に結合することができる。本明細書に開示される抗体は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV2に結合することができる。本明細書に開示される抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプV1/V5(ヘテロ接合型)に結合することができる。1H9などの本明細書に開示される抗体は、V1、V2、及びV1/V5のうちの各々を含む複数のヒトSIRPαアイソタイプに結合することができる。そのような抗体は、ヒト化及び/又はそのような抗体のFc操作されたバージョンを含む、1H9及び3C2を含み得る。1H9は、ヒトSIRPαアイソタイプV1及びV2の各々に結合することができる。1H9は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV1に結合することができる。1H9は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV2に結合することができる。1H9は、ヒトSIRPαアイソタイプV1/V5(ヘテロ接合型)に結合することができる。1H9は、V1、V2、及びV1/V5のうちの各々を含む複数のヒトSIRPαアイソタイプに結合することができる。ヒトSIRPαバリアントへの結合は、PCR及び/又はフローサイトメトリーを含む当該技術分野で既知のアッセイを使用して測定することができる。例えば、所与のサンプルの遺伝子型を同定してSIRPの状態を決定し、SIRPへの結合をフローサイトメトリーを使用して決定することができる。
【0137】
特定の態様では、抗体は、ヒトSIRPαへの結合について、1H9及び3C2から選択される抗体と競合する。特定の態様では、抗体は、1H9又は3C2によって結合されるものと同じヒトSIRPαエピトープに結合する。特定の態様では、抗体は、1H9又は3C2によって結合されるものと重複するヒトSIRPαエピトープに結合する。特定の態様では、抗体は、1H9又は3C2によって結合されるものと異なるヒトSIRPαエピトープに結合する。
【0138】
特定の態様では、抗体は、ヒトSIRPαへの結合について、KWar抗体と競合しない。
【0139】
特定の態様では、抗体は、ヒトSIRPαへの結合について、KWar抗体と部分的に競合する。
【0140】
特定の態様では、抗体は、ヒトCD47のヒトSIRPαへの結合を阻害する。
【0141】
特定の態様では、抗体は、ヒトSP-AのヒトSIRPαへの結合を阻害する。
【0142】
特定の態様では、抗体は、ヒトSP-DのヒトSIRPαへの結合を阻害する。
【0143】
特定の態様では、抗体は、アカゲザルSIRPαに結合する。
【0144】
特定の態様では、抗体は、カニクイザルSIRPαに結合する。
【0145】
いくつかの実施形態では、SIRPα抗体は、本明細書で提供される例示的な抗体、例えば、1H9及び/又は3C2と競合する抗体である。いくつかの態様では、本明細書で提供される例示的な抗体と競合する抗体は、本明細書で提供される例示的な抗体と同じエピトープに結合する。
【0146】
いくつかの実施形態では、対象の抗CD47剤は、SIRPa由来ポリペプチド及びその類似体を含む、高親和性SIRPa試薬である。
【0147】
追加の抗SIRPα剤、阻害剤、及び抗体は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第200140307号、同第2002092784号、同第2007133811号、同第2009046541号、同第2010083253号、同第2011076781号、同第2013056352号、同第2015138600号、同第2016179399号、同第2016205042号、同第2017178653号、同第2018026600号、同第2018057669号、同第2018107058号、同第2018190719号、同第2018210793号、同第2019023347号、同第2019042470号、同第2019175218号、同第2019183266号、同第2020013170号、及び同第2020068752号に記載されている。
SIRPα抗体
【0148】
いくつかの実施形態では、抗体は、Biacoreアッセイによって測定されるとき、約1、1~6、1~5、1~4、1~3、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10×10-9M以下のKDでヒトSIRPαに結合する。
【0149】
抗体は、配列番号1に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号2に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号3に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号4に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号5に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号6に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0150】
抗体は、配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列を含み得る。
【0151】
抗体は、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を含み得る。
【0152】
抗体は、配列番号9に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号10に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号11に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号12に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号13に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号14に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0153】
抗体は、配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含み得る。
【0154】
抗体は、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を含み得る。
【0155】
抗体は、配列番号21に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号22に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号23に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号24に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号25に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号26に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0156】
抗体は、配列番号27のVH配列及び配列番号28のVL配列を含み得る。
【0157】
抗体は、配列番号29に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号30に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号31に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号32に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号33に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号34に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0158】
抗体は、配列番号35のVH配列及び配列番号36のVL配列を含み得る。
【0159】
特定の態様では、抗体は、1H9の1つ以上のCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、1H9の全てのCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、1H9の1つ以上の可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、1H9の各可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、1H9の重鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、1H9の軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、1H9の重鎖及び軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、1H9である。
【0160】
特定の態様では、抗体は、3C2の1つ以上のCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、3C2の全てのCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、3C2の1つ以上の可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、3C2の各可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、3C2の重鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、3C2の軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、3C2の重鎖及び軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、3C2である。
【0161】
特定の態様では、抗体は、9B11の1つ以上のCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、9B11の全てのCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、9B11の1つ以上の可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、9B11の各可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、9B11の重鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、9B11の軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、9B11の重鎖及び軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、9B11である。
【0162】
特定の態様では、抗体は、7E11の1つ以上のCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、7E11の全てのCDRを含み得る。特定の態様では、抗体は、7E11の1つ以上の可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、7E11の各可変配列を含み得る。特定の態様では、抗体は、7E11の重鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、7E11の軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、7E11の重鎖及び軽鎖を含み得る。特定の態様では、抗体は、7E11である。
【0163】
抗SIRPα抗体重鎖可変ドメインも、配列番号119~125として提供されている。抗SIRPα抗体軽鎖可変ドメインも、配列番号126~128として提供されている。2019年5月5日公開の米国特許出願公開第20190127477号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)において、抗SIRPα抗体重鎖可変領域は、配列番号24、25、26、27、28、29、及び30として開示されており、抗SIRPα抗体軽鎖可変領域は、配列番号31、32、及び33として開示されている。
【0164】
2018年11月1日公開の米国特許出願公開第20180312587号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)において、抗SIRPα抗体重鎖可変領域は、配列番号7、10、14、16、18、30、75、78、80、82、84、86、及び88として開示されており、抗SIRPα抗体軽鎖可変領域は、配列番号8、20、22、24、26、28、32、76、90、92、94、96、98、100、及び104として開示されている。
【0165】
2019年9月26日公開の国際公開第2019183266(A1)号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)において、抗SIRPα抗体重鎖可変領域は、配列番号26、81、83として開示されており、抗SIRPα抗体軽鎖可変領域は、配列番号25、39~41として開示されている。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、配列番号1~36に提供される例示的な配列と、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、配列番号1~36に提供される配列を含み、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のアミノ酸置換を有している。いくつかの態様では、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、本段落に記載される抗体は、本明細書では「バリアント」と称する。いくつかの実施形態では、そのようなバリアントは、例えば、親和性成熟、部位特異的突然変異誘発、ランダム突然変異誘発、又は本明細書に既知の若しくは本明細書に記載の任意の他の方法によって、本明細書に提供される配列に由来する。いくつかの実施形態では、そのようなバリアントは、本明細書で提供される配列に由来しないが、例えば、抗体を得るために本明細書で提供される方法に従ってデノボで単離され得る。
抗CD20抗体
【0167】
本明細書に記載される方法は、抗CD20抗体の投与を含む。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、本明細書に記載の抗CD47抗体又は抗SIRPα剤と協働して投与される。同時投与され得る抗CD20剤又は抗体の例としては、IGN-002、PF-05280586、リツキシマブ(Rituxan/Biogen Idec)、オファツムマブ(Arzerra/Genmab)、オビヌツズマブ(Gazyva/Roche Glycart Biotech)、アレムツズマブ、ベルツズマブ、IMMU-106(Immunomedicis)、オクレリズマブ(Ocrevus/Biogen Idec;Genentech)、オカラツズマブ、LY2469298(Applied Molecular Evolution)及びウブリツキシマブ、LFB-R603(LFB Biotech.;rEVO Biologics)、IGN-002、PF-05280586が挙げられるが、これらに限定されない。
【0168】
抗CD20抗体は、CD20への結合について、リツキシマブと競合し得る。
【0169】
抗CD20抗体は、リツキシマブと同じCD20エピトープに結合することができる。リツキシマブは、CD20上のアミノ酸170~173、及び182~185に結合する。Binder et al.,The epitope recognized by rituximab.Blood(2006)108(6):1975-1978を参照されたい。
【0170】
抗CD20抗体は、リツキシマブを含むか、又はリツキシマブからなり得る。
【0171】
抗CD20抗体は、CD20への結合について、オブヌツズマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、ベルツズマブ、オカラツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、ヨード131トシツモマブ、リツキシマブのバイオシミラー(blitzima、ritemvia、tuxella)、又はウブリツキシマブと競合し得る。
【0172】
抗CD20抗体は、オブヌツズマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、ベルツズマブ、オカラツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、ヨード131トシツモマブ、リツキシマブのバイオシミラー(blitzima、ritemvia、tuxella)、又はウブリツキシマブと同じCD20エピトープに結合することができる。
【0173】
抗CD20抗体は、オブヌツズマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、ベルツズマブ、オカラツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、ヨード131トシツモマブ、リツキシマブのバイオシミラー(blitzima、ritemvia、tuxella)、又はウブリツキシマブを含むか、又はこれらからなり得る。
【0174】
抗CD20抗体は、活性Fc又は野生型FcなどのFcを含み得る。抗CD20抗体は、ADCC、ADCP、及びCDCのうちの少なくとも1つが可能なFcを含み得る。抗CD20抗体は、野生型Fcと比較してADCC、ADCP、及び/又はCDC活性の増加をもたらす1つ以上の修飾を含むFcを含む。例示的なFc変異を以下の表2に示す。
【0175】
【0176】
抗CD20抗体は、リツキシマブ、オブヌツズマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、ヨード131トシツモマブ、リツキシマブのバイオシミラー(blitzima、ritemvia、tuxella)、又はウブリツキシマブに対して、CD20に対する高い結合親和性を有し得る。
【0177】
抗CD20抗体は、375mg/m2の抗体用量で対象に投与することができる。抗CD20抗体は、1週間に1回、2週毎に1回、1ヶ月に1回、4週毎に1回、8週毎に1回、又は2ヶ月毎に1回、任意選択的に各関連時点において375mg/m2の抗体用量で投与することができる。
【0178】
抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、同時に又は連続的に投与することができ、任意選択的に、抗CD20抗体は、抗CD47抗体の前に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、抗CD47抗体の投与後に投与される。
【0179】
抗CD20抗体は、薬学的に許容される賦形剤を用いて医薬組成物中に配合することができる。抗CD20抗体及び抗CD47抗体を一緒に製剤化することができる。
【0180】
抗CD20抗体は静脈内投与され得る。
【0181】
いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、以下の表3に示されるリツキシマブの配列と少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一の配列(軽鎖、重鎖、可変軽鎖ドメイン、可変重鎖ドメイン、及び/又はCDR)を有する。表3は、リツキシマブ抗体の重鎖及び軽鎖(それぞれ、配列番号:129及び130)並びにVH及びVL CDR(配列番号:131~136)の配列を含む。表3は、リツキシマブ可変重鎖、定常重鎖(例えば、CH1、CH2、CH3)、ヒンジ、可変軽鎖、及び定常軽鎖を更に示す。抗CD20抗体は、配列番号129の重鎖配列及び配列番号130の軽鎖配列を含み得る。抗CD20抗体は、配列番号137のVH配列及び配列番号142のVL配列を含み得る。抗CD20抗体は、配列番号138のCH1配列、配列番号139のヒンジ配列(ヒンジ配列が、CH1及びCH2配列を連結する場所)、配列番号140のCH2配列、及び配列番号141のCH3配列のうち、1つ以上を含み得る。抗CD20抗体は、配列番号143の定常軽鎖を含み得る。抗CD20抗体は、配列番号131~136に記載される配列のCDRのうち1つ以上を含み得る。抗CD20抗体は、配列番号131~136に記載される配列のCDRを含み得る。抗CD20抗体は、配列番号137に記載される配列のCDRのうち1つ以上を含み得る。抗CD20抗体は、配列番号142に記載される配列のCDRのうち1つ以上を含み得る。抗CD20抗体は、配列番号137に記載されるV領域配列のCDRを含み得る。抗CD20抗体は、配列番号142に記載されるV領域配列のCDRを含み得る。
【0182】
様々な実施形態では、抗CD20抗体は、Fc領域を含み得、これは、配列番号140のCH2配列及び配列番号141のCH3配列を含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、抗原結合性フラグメント(Fab)を含み得る。様々な実施形態では、抗CD20Fabは、配列番号137の可変重鎖配列、配列番号138のCH1配列、配列番号142の可変軽鎖配列、及び配列番号143の定常軽鎖配列を含み得る。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、単鎖可変フラグメント(scFv)を含み得る。様々な実施形態では、scFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含み得る。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、F(ab)’2断片を含み得る。様々な実施形態では、抗CD20F(ab)’2断片は、配列番号137の可変重鎖配列、配列番号138のCH1配列、配列番号142の可変軽鎖配列、配列番号143の定常軽鎖配列、及び配列番号139のヒンジ配列を含み得る。
【0183】
表3は、リツキシマブ抗体の重鎖及び軽鎖の配列を含む。
【表3】
併用療法のための追加の薬剤
【0184】
様々な実施形態では、血液悪性腫瘍の治療に適切な、小分子、抗体、養子細胞療法、及びキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)、チェックポイント阻害剤、及びワクチンなどの追加の薬剤を、本明細書に記載の抗CD47剤と併用して投与することができる。血液悪性腫瘍のための追加の免疫療法剤は、Dong S et al,J Life Sci(Westlake Village).2019 June;1(1):46-52、及びCuesta-Mateos C Et al,Front.Immunol.8:1936.doi:10.3389/fimmu.2017.01936に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0185】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上の追加の治療薬、例えば、阻害性免疫チェックポイント遮断薬若しくは阻害剤、刺激性免疫チェックポイント刺激物質、アゴニスト、若しくは活性化剤、化学療法剤、抗癌剤、放射線療法剤、抗新生物剤、抗増殖剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫療法剤、治療用抗原結合分子(任意のフォーマットの単一及び多重特異性抗体及びその断片(例えば、DART(登録商標)、Duobodies(登録商標)、BiTEs(登録商標)、BiKEs、TriKEs、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、scFvs、Fabs、Fab誘導体を含むが、これらに限定されない)、二重特異性抗体、非免疫グロブリン抗体ミメティック(例えば、アドネクチン、アフィボディ分子、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、ペプチドアプタマー、アルマジロ反復タンパク質(ARM)、アトリマー、アビマー、設計アンキリン反復タンパク質(DARPins(登録商標))、フィノマー、ノッチン、クニッツドメインペプチド、モノボディ、及びナノCLAMPを含むが、これらに限定されない)、抗体薬物コンジュゲート(ADC))、抗体ペプチドコンジュゲート)、腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子修飾剤若しくはエディタ、キメラ抗原受容体(CAR)を含む細胞(例えば、T細胞免疫療法剤、NK細胞免疫療法剤、若しくはマクロファージ免疫療法剤、遺伝子操作されたT細胞受容体(TCR-T)を含む細胞を含む)、又はこれらの任意の組み合わせと、組み合わされる。
【0186】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、標的(例えば、ポリペプチド又はポリヌクレオチド)の阻害剤、アゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、モジュレーター、刺激物質、遮断剤、活性化剤、又は抑制剤を非限定的に含む、1つ以上の追加の治療薬と組み合わされ、標的としては、アベルソンマウス白血病ウイルス性癌遺伝子ホモログ1遺伝子(ABL1などのABL)、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC1/2など)、活性化CDCキナーゼ(ACK1などのACK)、アデノシンデアミラーゼ、アデノシン受容体(A2B、A2a、A3など)、アデニル酸シクラーゼ、ADPリボシルシクラーゼ-1、副腎皮質ホルモン受容体(ACTH)、Aerolysin、AKT1遺伝子、Alk-5タンパク質キナーゼ、アルカリホスファターゼ、α1アドレナリン受容体、α2アドレナリン受容体、α-ケトグルタレートデヒドロゲナーゼ(KGDH)、アミノペプチダーゼN、AMP活性化タンパク質キナーゼ、アナポプラスチックリンパ腫キナーゼ(ALK1などのALK)、アンドロゲン受容体、アンジオポエチン(リガンド-1、リガンド-2など)、アンジオテンシノーゲン(AGT)遺伝子、マウスチモマウイルス性癌遺伝子ホモログ1(AKT)タンパク質キナーゼ(AKT1、AKT2、AKT3など)、アポリポタンパク質A-I(APOA1)遺伝子、アポトーシス誘発因子、アポトーシス誘発因子、アポトーシスタンパク質(1、2など)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK1などのASK)、アルギナーゼ(I)、アルギニンデイミナーゼ、アロマターゼ、アステロイドホモログ1(ASTE1)遺伝子、毛細血管拡張性運動失調症及びRad 3関連(ATR)セリン/スレオニン-タンパク質キナーゼ、オーロラタンパク質キナーゼ(1、2など)、Axlチロシンキナーゼ受容体、4-1BBリガンド(CD137L)、バキュロウイルスIAPリピート含有5(BIRC5)遺伝子、バシギン、B細胞リンパ腫2(BCL2)遺伝子、Bcl2結合成分3、Bcl2タンパク質、BCL2L11遺伝子、BCR(ブレークポイントクラスター領域)タンパク質及び遺伝子、βアドレナリン受容体、βカテニン、Bリンパ球抗原CD19、Bリンパ球抗原CD20、Bリンパ球細胞接着分子、Bリンパ球刺激因子リガンド、骨形成タンパク質-10リガンド、骨形成タンパク質-9リガンドモジュレーター、Brachyuryタンパク質、Bradykinin受容体、B-Rafプロトオンコジーン遺伝子(BRAF)、Brc-Ablチロシンキナーゼ、ブロモドメイン及び外部ドメイン(BET)ブロモドメイン含有タンパク質(BRD2、BRD3、BRD4)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、カルモジュリン、カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CAMKIIなどのCaMK)、癌精巣抗原2、癌精巣抗原NY-ESO-1、癌/精巣抗原1B(CTAG1)遺伝子、カンナビノイド受容体(CB1、CB2など)、炭酸脱水酵素、カゼインキナーゼ(CKI、CKIIなどのCK)、カスパーゼ(カスパーゼ-3、カスパーゼ-7、カスパーゼ-9など)、カスパーゼ8アポトーシス関連システインペプチダーゼCASP8-FADD様調節因子、カスパーゼ動員ドメインタンパク質-15、Cathepsin G、CCR5遺伝子、CDK活性化キナーゼ(CAK)、チェックポイントキナーゼ(CHK1、CHK2など)、ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体(CCR2、CCR4、CCR5、CCR8など)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)受容体(CXCR4、CXCR1、CXCR3、及びCXCR2など)、ケモカインCC21リガンド、コレシストキニンCCK2受容体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、c-Kit(チロシン-プロテインキナーゼキナーゼ又はCD117)、CISH(サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質)、クローディン(6、18など)、CD4、CD27、CD29、CD30、CD33、CD37、CD40、CD40リガンド受容体、CD40リガンド、CD40LG遺伝子、CD44、CD45、CD47、CD49b、CD51、CD52、CD55、CD58、CD66e(CEACAM6)、CD70遺伝子、CD74、CD79、CD79b、CD79B遺伝子、CD80、CD95、CD99、CD117、CD122、CDw123、CD134、CDw137、CD158a、CD158b1、CD158b2、CD223、CD276抗原などの分化抗原群(CD);クラスタリン(CLU)遺伝子、クラスタリン、c-Met(肝細胞増殖因子受容体(HGFR))、補体C3、結合組織増殖因子、COP9シグナロソームサブユニット5、CSF-1(コロニー刺激因子1受容体)、CSF2遺伝子、CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4)受容体、C型レクチンドメインタンパク質9A(CLEC9A)、サイクリンD1、サイクリンG1、サイクリン依存性キナーゼ(CDK、例えばCDK1、CDK12、CDK1B、CDK2-9)、シクロオキシゲナーゼ(COX1、COX2など)、CYP2B1遺伝子、システインパルミトイルトランスフェラーゼヤマアラシ、シトクロムP450 11B2、シトクロムP450 17、シトクロムP450 17A1、シトクロムP450 2D6、シトクロムP450 3A4、シトクロムP450レダクターゼ、サイトカインシグナル-1、サイトカインシグナル-3、細胞質イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、シトシンデアミナーゼ、シトシンDNAメチルトランスフェラーゼ、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質-4、DDR2遺伝子、DEADボックスヘリカーゼ6(DDX6)、細胞死受容体5(DR5、TRAILR2)、細胞死受容体4(DR4、TRAILR1)、デルタ様タンパク質リガンド(3、4など)、デオキシリボヌクレアーゼ、脱ユビキチン化酵素(DUB)、Dickkopf-1リガンド、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ、ジペプチジルペプチダーゼIV、ジスコイジンドメイン受容体(DDR、例えばDDR1)、ジアシルグリセロールキナーゼζ(DGKZ)、DNA結合タンパク質(HU-βなど)、DNA依存性タンパク質キナーゼ、DNAジャイレース、DNAメチルトランスフェラーゼ、DNAポリメラーゼ(αなど)、DNAプライマーゼ、dUTPピロホスファターゼ、L-ドパクロムトートメラーゼ、E3ユビキチン-タンパク質リガーゼ(RNF128、CBL-Bなど)、棘皮動物微小管様タンパク質4、EGFRチロシンキナーゼ受容体、エラスターゼ、伸長因子1α2、伸長因子2、エンドグリン、エンドヌクレアーゼ、小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP、例えばERAP1、ERAP2)、エンドプラスミン、エンドシアリン、エンドスタチン、エンドセリン(ET-A、ET-Bなど)、zesteホモログのエンハンサー2(EZH2)、エフリン(EPH)チロシンキナーゼ(Epha3、Ephb4など)、エフリンB2リガンド、上皮増殖因子、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子、エピジェン、上皮細胞接着分子(EpCAM)、Erb-b2(v-erb-b2トリ赤芽球性白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ2)チロシンキナーゼ受容体、Erb-b3チロシンキナーゼ受容体、Erb-b4チロシンキナーゼ受容体、E-セレクチン、エストラジオール17βデヒドロゲナーゼ、エストロゲン受容体(α、βなど)、エストロゲン関連受容体、真核細胞翻訳開始因子5A(EIF5A)遺伝子、エクスポーチン1、細胞外シグナル関連キナーゼ(1、2など)、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)、低酸素誘導性因子プロリルヒドロキシラーゼ(HIF-PH又はEGLN)、活性化因子(Xa、VIIaなど)、ファルネソイドx受容体(FXR)、Fasリガンド、脂肪酸シンターゼ(FASN)、フェリチン、FGF-2リガンド、FGF-5リガンド、線維芽細胞増殖因子(FGF、例えばFGF1、FGF2、FGF4)、フィブロネクチン、接着斑キナーゼ(FAK、例えばFAK2)、葉酸ヒドロラーゼ前立腺特異的膜抗原1(FOLH1)、葉酸受容体(αなど)、葉酸、葉酸トランスポーター1、FYNチロシンキナーゼ、塩基性アミノ酸対開裂酵素(FURIN)、β-グルクロニダーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ、ガレクチン-3、ガングリオシドGD2、グルココルチコイド、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質GITR受容体、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII、グルタミナーゼ、グルタチオンS-トランスフェラーゼP、グリコーゲンシンターゼキナーゼ(GSK、例えば3-β)、グリピカン3(GPC3)、ゴナドトロピン放出ホルモン(GNRH)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)受容体、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)リガンド、増殖因子受容体結合タンパク質2(GRB2)、Grp78(78kDaのグルコース制御タンパク質)カルシウム結合タンパク質、分子シャペロンgroEL2遺伝子、ヘムオキシゲナーゼ1(HO1)、ヘムオキシゲナーゼ2(HO2)、熱ショックタンパク質(27、70、90α、βなど)、熱ショックタンパク質遺伝子、耐熱性エンテロトキシン受容体、ヘッジホッグタンパク質、ヘパラナーゼ、肝細胞増殖因子、HERV-H LTR関連タンパク質2、ヘキソースキナーゼ、ヒスタミンH2受容体、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(DOT1L)、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC、例えば1、2、3、6、10、11)、ヒストンH1、ヒストンH3、HLAクラスI抗原(A-2α)、HLAクラスII抗原、HLAクラスI抗原αG(HLA-G)、非古典的HLA、ホメオボックスタンパク質NANOG、HSPB1遺伝子、ヒト白血球抗原(HLA)、ヒトパピローマウイルス(E6、E7など)タンパク質、ヒアルロン酸、ヒアルロニダーゼ、低酸素誘導因子-1α(HIF1α)、Imprinted Maternally Expressedトランスcript(H19)遺伝子、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1(MAP4K1)、チロシン-タンパク質キナーゼHCK、I-κ-Bキナーゼ(IKK、例えばIKKbe)、IL-1α、IL-1β、IL-12、IL-12遺伝子、IL-15、IL-17、IL-2遺伝子、IL-2受容体αサブユニット、IL-2、IL-3受容体、IL-4、IL-6、IL-7、IL-8、免疫グロブリン(G、G1、G2、K、Mなど)、免疫グロブリンFc受容体、免疫グロブリンγFc受容体(I、III、IIIAなど)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO、例えばIDO1及びIDO2)、インドールアミンピロール2,3-ジオキシゲナーゼ1阻害因子、インスリン受容体、インスリン様増殖因子(1、2など)、インテグリンα-4/β-1、インテグリンα-4/β-7、インテグリンα-5/β-1、インテグリンα-V/β-3、インテグリンα-V/β-5、インテグリンα-V/β-6、細胞間接着分子1(ICAM-1)、インターフェロン(α、α2、β、γなど)、インターフェロン誘導性タンパク質absent inメラノーマ 2(AIM2)、インターフェロンI型受容体、インターロイキン1リガンド、インターロイキン13受容体α2、インターロイキン2リガンド、インターロイキン-1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)、インターロイキン-2、インターロイキン-29リガンド、インターロイキン35(IL-35)、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH1、IDH2など)、ヤヌスキナーゼ(JAK、例えばJAK1、JAK2)、Jun N末端キナーゼ、カリクレイン関連ペプチダーゼ3(KLK3)遺伝子、キラー細胞Ig様受容体、キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)、キネシン様タンパク質KIF11、カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(KRAS)遺伝子、キスペプチン(KiSS-1)受容体、KIT遺伝子、v-kit Hardy-Zuckerm
an 4ネコ肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(KIT)チロシンキナーゼ、ラクトフェリン、ラノステロール-14脱メチル化酵素、LDL受容体関連タンパク質-1、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーBメンバー1(ILT2)、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーBメンバー2(ILT4)、ロイコトリエンA4ヒドロラーゼ、リステリオリジン、L-セレクチン、黄体ホルモン受容体、リアーゼ、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG-3)、リンパ球抗原75、リンパ球機能抗原-3受容体、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK)、リンホタクチン、Lyn(Lck/Yes新型)チロシンキナーゼ、リジン脱メチル化酵素(KDM1、KDM2、KDM4、KDM5、KDM6、A/B/C/Dな)、リゾホスファチジン酸-1受容体、リソソーム関連膜タンパク質ファミリー(LAMP)遺伝子、リジルオキシダーゼホモログ2、リジルオキシダーゼタンパク質(LOX)、5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)、造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)、肝細胞増殖因子受容体(MET)遺伝子、マクロファージコロニー刺激因子(MCSF)リガンド、マクロファージ遊走阻止因子、MAGEC1遺伝子、MAGEC2遺伝子、主要ヴォールトタンパク質、MAPK活性化プロテインキナーゼ(MK2など)、Mas関連G-タンパク質共役受容体、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP、例えばMMP2、MMP9)、Mcl-1分化タンパク質、Mdm2 p53結合タンパク質、Mdm4タンパク質、Melan-A(MART-1)メラノーマ抗原、メラニン形成細胞タンパク質Pmel 17、メラニン形成細胞刺激ホルモンリガンド、メラノーマ抗原ファミリーA3(MAGEA3)遺伝子、メラノーマ関連抗原(1、2、3、6など)、膜銅アミンオキシダーゼ、メソセリン、METチロシンキナーゼ、代謝調節型グルタミン酸受容体1、メタロレダクターゼSTEAP1(前立腺の6回膜貫通上皮抗原1)、メタスチン、メチオニンアミノペプチダーゼ-2、メチルトランスフェラーゼ、ミトコンドリア3ケトアシルCoAチオラーゼ、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK、例えばMEK1、MEK2)、mTOR(ラパマイシンの機械的標的(セリン/スレオニンキナーゼ)、mTOR複合体(1、2など)、ムチン(1、5A、16など)、mut Tホモログ(MTH、例えばMTH1)、Myc癌原遺伝子タンパク質、骨髄系細胞白血病1(MCL1)遺伝子、ミリストイル化アラニンリッチプロテインキナーゼC基質(MARCKS)タンパク質、NAD ADPリボシルトランスフェラーゼ、ナトリウム利尿ペプチド受容体C、神経接着分子1、ニューロキニン1(NK1)受容体、ニューロキニン受容体、ニューロピリン2、NFκB活性化タンパク質、NIMA関連キナーゼ9(NEK9)、一酸化窒素シンターゼ、NK細胞受容体、NK3受容体、NKG2 A B活性化NK受容体、NLRP3(NACHT LRR PYDドメインタンパク質3)調節因子、ノルアドレナリントランスポーター、Notch(Notch-2受容体、Notch-3受容体、Notch-4受容体など)、核赤血球2関連因子2、核因子(NF)κB、ヌクレオリン、ヌクレオフォスミン、ヌクレオフォスミン-未分化リンパ腫キナーゼ(NPM-ALK)、2オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ、2,5-オリゴアデニル酸シンテターゼ、O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ、オピオイド受容体(δなど)、オルニチンデカルボキシラーゼ、オロト酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、オーファン核内ホルモン受容体NR4A1、オステオカルシン、破骨細胞分化因子、オステオポンチン、OX-40(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4 TNFRSF4、又はCD134)受容体、P3タンパク質、p38キナーゼ、p38 MAPキナーゼ、p53腫瘍抑制タンパク質、副甲状腺ホルモンリガンド、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR、例えばα、δ、γ)、P-糖タンパク質(1など)、ホスファターゼテンシンホモログ(PTEN)、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)、ホスホイノシチド-3キナーゼ(PI3K、例えばα、δ、γ)、ホスホリラーゼキナーゼ(PK)、PKN3遺伝子、胎盤増殖因子、血小板由来増殖因子(PDGF、例えばα、β)、血小板由来増殖因子(PDGF、例えばα、β)、多面的薬物耐性トランスポーター、プレキシンB1、PLK1遺伝子、ポロ様キナーゼ(PLK)、ポロ様キナーゼ1、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP、例えばPARP1、PARP2及びPARP3、PARP7、及びモノ-PARP)、メラノーマで優先的に発現する抗原(PRAME)遺伝子、プレニル結合タンパク質(PrPB)、Probable転写因子PML、プロゲステロン受容体、プログラム細胞死1(PD-1)、プログラム細胞死リガンド1阻害因子(PD-L1)、プロサポシン(PSAP)遺伝子、プロスタノイド受容体(EP4)、プロスタグランジンE2シンターゼ、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、プロテアソーム、タンパク質E7、タンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ、プロテインキナーゼ(PK、例えばA、B、C)、タンパク質チロシンキナーゼ、タンパク質チロシンホスファターゼβ、癌原遺伝子セリン/スレオニン-タンパク質キナーゼ(PIM、例えばPIM-1、PIM-2、PIM-3)、P-セレクチン、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、プリン受容体P2Xリガンド感受性イオンチャネル7(P2X7)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ、ピルビン酸キナーゼ(PYK)、5-α-レダクターゼ、Rafプロテインキナーゼ(1、Bなど)、RAF1遺伝子、Ras遺伝子、Ras GTPアーゼ、RET遺伝子、Retチロシンキナーゼ受容体、網膜芽細胞腫関連タンパク質、レチノイン酸受容体(γなど)、レチノイドX受容体、Rheb(脳内に濃縮したRasホモログ)GTPアーゼ、Rho(Rasホモログ)関連プロテインキナーゼ2、リボヌクレアーゼ、リボヌクレオチドレダクターゼ(M2サブユニットなど)、リボソームタンパク質S6キナーゼ、RNAポリメラーゼ(I、IIなど)、Ron(Recepteur d’Origine Nantais)チロシンキナーゼ、ROS1(ROS癌原遺伝子1、受容体チロシンキナーゼ)遺伝子、Ros1チロシンキナーゼ、Runt関連転写因子3、γ-セクレターゼ、S100カルシウム結合タンパク質A9、筋小胞体カルシウムATPアーゼ、カスパーゼの第2のミトコンドリア由来活性化(SMAC)タンパク質、分泌されたfrizzled関連タンパク質-2、分泌されたホスホリパーゼA2、セマフォリン-4D、セリンプロテアーゼ、セリン/スレオニンキナーゼ(STK)、セリン/スレオニン-タンパク質キナーゼ(TBK、例えばTBK1)、シグナル伝達及び転写(STAT、例えばSTAT-1、STAT-3、STAT-5)、シグナルリンパ球活性化分子(SLAM)ファミリーメンバー7、前立腺の6回膜貫通上皮抗原(STEAP)遺伝子、SLサイトカインリガンド、スムーズンド(SMO)受容体、ヨウ化ナトリウムコトランスポーター、リン酸ナトリウムコトランスポーター2B、ソマトスタチン受容体(1、2、3、4、5など)、ソニックジホッグタンパク質、セブンレスの息子(SOS)、特異的タンパク質1(Sp1)転写因子、スフィンゴミエリンシンターゼ、スフィンゴシンキナーゼ(1、2など)、スフィンゴシン-1-リン酸受容体-1、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)、SRC遺伝子、Srcチロシンキナーゼ、Stabilin-1(STAB1)、STAT3遺伝子、ステロイドスルファターゼ、インターフェロン刺激因子遺伝子(STING)受容体、インターフェロン刺激因子遺伝子タンパク質、間質細胞由来因子1リガンド、SUMO(低分子ユビキチン様修飾因子)、スーパーオキシドジスムターゼ、サイトカインシグナル調節因子の抑制因子(SOCS)、サバイビンタンパク質、シナプシン3、シンデカン-1、シヌクレインα、T細胞表面糖タンパク質CD28、tank結合キナーゼ(TBK)、TATAボックス結合タンパク質関連因子RNAポリメラーゼIサブユニットB(TAF1B)遺伝子、T細胞CD3糖タンパク質ζ鎖、T細胞分化抗原CD6、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(TIM-3)、T細胞表面糖タンパク質CD8、Tecタンパク質チロシンキナーゼ、Tekチロシンキナーゼ受容体、テロメラーゼ、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)遺伝子、テネイシン、3’末端修復エキソヌクレアーゼ1(TREX1)、3’末端修復エキソヌクレアーゼ2(TREX2)、トロンボポエチン受容体、チミジンキナーゼ、チミジンホスホリラーゼ、チミジル酸シンターゼ、チモシン(α1など)、甲状腺ホルモン受容体、甲状腺刺激ホルモン受容体、組織因子、TNF関連アポトーシス誘導リガンド、TNFR1関連デスドメインタンパク質、TNF関連アポトーシス誘導性リガンド(TRAIL)受容体、TNFSF11遺伝子、TNFSF9遺伝子、Toll様受容体(TLR、例えば1-13)、トポイソメラーゼ(I、II、IIIなど)、転写因子、トランスフェラーゼ、トランスフェリン(TF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)、トランスフォーミング増殖因子β(TGFB)及びこれらのアイソフォーム、TGFβ2リガンド、トランスフォーミング増殖因子TGF-β受容体キナーゼ、トランスグルタミナーゼ、転座関連タンパク質、膜貫通糖タンパク質NMB、Trop-2カルシウムシグナルトランスデューサー、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG)遺伝子、トロホブラスト糖タンパク質、トロポミオシン受容体キナーゼ(Trk)受容体(TrkA、TrkB、TrkCなど)、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)、トリプトファン5-ヒドロキシラーゼ、チューブリン、腫瘍壊死因子(TNF、例えばα、β)、腫瘍壊死因子13C受容体、腫瘍増殖座2(TPL2)、腫瘍タンパク質53(TP53)遺伝子、腫瘍抑制候補2(TUSC2)遺伝子、腫瘍特異的ネオ抗原、チロシナーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、チロシンキナーゼ(TK)、チロシンキナーゼ受容体、免疫グロブリン様及びEGF様ドメインを有するチロシンキナーゼ(TIE)受容体、チロシンプロテインキナーゼABL1阻害因子、ユビキチン、ユビキチンカルボキシルヒドロラーゼアイソザイムL5、ユビキチンチオエステラーゼ-14、ユビキチン抱合酵素E2I(UBE2I、UBC9)、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ7(USP7)、ウレアーゼ、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子、ウテログロビン、バニロイドVR1、血管細胞接着タンパク質1、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、T細胞活性化のV-ドメインIg抑制因子(VISTA)、VEGF-1受容体、VEGF-2受容体、VEGF-3受容体、VEGF-A、VEGF-B、ビメンチン、ビタミンD3受容体、癌原遺伝子チロシンプロテインキナーゼ、Mer(Merチロシンキナーゼ受容体修飾因子)、YAP(Yes関連タンパク質調節因子、Wee-1タンパク質キナーゼ、ウェルナー症候群RecQ様ヘリカーゼ(WRN)、ウィルムス腫瘍抗原1、ウィルムス腫瘍タンパク質、WWドメイン含有転写制御タンパク質1(TAZ)、X連鎖アポトーシス抑制タンパク質、ジンクフィンガータンパク質転写因子、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0187】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、作用機序によって分類され得る1つ以上の追加の治療薬と組み合わされ、機序の群は次のとおりである:ピリミジン類似体であるフロクスウリジン、カペシタビン、シタラビン、CPX-351(リポソーム化シタラビン、ダウノルビシン)、及びTAS-118などの代謝拮抗薬/抗癌剤;フェノキシベンザミン塩酸塩(注射剤、褐色細胞腫)などのα1アドレナリン受容体/α2アドレナリン受容体アンタゴニスト;ニルタミドなどのアンドロゲン受容体アンタゴニスト;HKT-288などの抗カドヘリン抗体;抗ロイシンリッチリピート含有15(LRRC15)抗体、例えばABBV-085。ARGX-110; アンジオテンシン受容体遮断薬、一酸化窒素ドナー;AEG35156、IONIS-KRAS-2.5Rx、EZN-3042、RX-0201、IONIS-AR-2.5Rx、BP-100(プレキシゲベルセン)、IONIS-STAT3-2.5Rxなどのアンチセンスオリゴヌクレオチド;MEDI3617及びLY3127804などの、抗アンジオポエチン(ANG)-2抗体;AMG-780などの抗ANG-1/ANG-2抗体;エマクツマブ、LY3022855、AMG-820、FPA-008(カビラリズマブ)などの抗CSF1R抗体;TRC105(カロツキシマブ)などの抗エンドグリン抗体;CDX-3379、HLX-02、セリバンツマブなどの抗Erbb抗体;HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、トラスツズマブのバイオシミラー、マルゲツキシマブ、MEDI4276、BAT-8001、ペルツズマブ(Perjeta)、RG6264、ZW25(細胞外ドメイン2及び4を標的化する二重特異性HER2指向抗体)などの抗HER2抗体;Cancer Discov.2019 Jan;9(1):8;PMID:30504239);IMMU-114などの抗HLA-DR抗体;JNJ-56022473などの抗IL-3抗体;MK-4166、MEDI1873、FPA-154、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323などの、抗TNF受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18、GITR;NCBI遺伝子ID:8784)抗体;並びに、例えば、国際公開第2017/096179号、同第2017/096276号、同第2017/096189号;及び、同第2018/089628号に記載されるもの;KB-004などの抗EphA3抗体;オトレルツズマブ(TRU-016)などの抗CD37抗体;LY3076226、B-701などの抗FGFR-3抗体;GAL-F2などの抗FGFR-2抗体;ALXN-1210などの抗C5抗体;VB4-845などの抗EpCAM抗体;RG-7813などの抗CEA抗体;BAY-1834942、NEO-201(CEACAM 5/6)などの、抗癌胎児性抗原関連細胞接着分子6(CEACAM6、CD66C)抗体;APN-301などの抗GD2抗体;CJM-112などの抗インターロイキン17(IL-17)抗体;カナキヌマブ(ACZ885)、VPM087などの抗インターロイキン-1β抗体、TX-250などの、抗炭酸脱水酵素9(CA9、CAIX)抗体;ガチポツズマブ、Mab-AR-20.5などの、抗ムチン1(MUC1)抗体;MDX-1097などの抗KMA抗体;PAT-SC1などの抗CD55抗体;ABBV-399などの抗c-Met抗体;ATL-101などの抗PSMA抗体;VX-15などの抗CD100抗体;フィクラツズマブなどの抗EPHA3抗体;BION-1301などの抗APRIL抗体;RG7461などの抗線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)/IL-2R抗体;RG7386などの抗線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)/TRAIL-R2抗体;BMS-986012などの抗フコシル-GM1抗体;HuMax-Inflamなどの抗IL-8(インターロイキン-8)抗体;ンドグロズマブなどの抗ミオスタチン阻害剤;ロバルピツズマブテシリンなどの抗デルタ様タンパク質リガンド3(DDL3)抗体;ムシズマブなどの抗DLL4(δ様リガンド4)抗体;AB-16B5などの抗クラステリン抗体;PF-06647263などの抗エフリン-A4(EFNA4)抗体;BMS-986148、抗MSLN-MMAEなどの抗メソセリン抗体;リファスツズマブなどの抗リン酸ナトリウムコトランスポーター2B(NaP2B)抗体;SAR439459などの抗TGFb抗体;ABBV-151、LY3022859、NIS793、XOMA089などの抗形質転換増殖因子β(TGF-β)抗体;プリン類似体、葉酸アンタゴニスト(プララトレキサートなど)、クラドリビン、ペントスタチン、フルダラビン、及び関連する阻害剤;ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン)及びタキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)などの微小管阻害剤、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロン、ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))、及びエピポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)などの天然産物を含む抗増殖/抗有糸分裂剤;アクチノマイシン、アムサクリン、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、DEBDOX、エピルビシン、イホスファミド、メルファラン、メクロレタミン(merchlorethamine)、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ニトロソウレア、プロカルバジン、タキソール、タキソテール、テニポシド、エトポシド、及びトリエチレンチオホスホラミドなどのDNA損傷剤;アデシタビン(SGI-110)、ASTX727などのDNA低メチル化剤;ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリマイシン(ミトラマイシン)などの抗生物質;L-アスパラギンを全身に代謝し、それら自体のアスパラギンを合成する能力を有さない細胞を除去する、L-アスパラギナーゼなどの酵素;PNT2258などのBcl-2を標的化するDNAiオリゴヌクレオチド;パノビノスタット及びロミデプシンなどの潜伏ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を活性化又は再活性化する薬剤;クリサンタスパーゼ(Erwinase(登録商標))及びGRASPA(ERY-001、ERY-ASP)、カラスパルガーゼペゴル、ペグアスパルガーゼなどのアスパラギナーゼ刺激因子;エヌトレクチニブ、TPX-0005などのpan-Trk、ROS1及びALK阻害剤;アレクチニブ、セリチニブ、アレセンサ(RG7853)、ALUNBRIG(登録商標)(ブリガチニブ)などの未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤;ナイトロジェンマスタードシクロホスファミド及び類似体(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルニトロソウレア(例えば、カルムスチン)及び類似体、ストレプトゾシン、及びトリアジン(例えば、ダカルバジン)などの抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤;葉酸類似体(メトトレキサート)などの抗増殖/抗有糸分裂性代謝拮抗物質;白金配位錯体(例えば、シスプラチン、オキシロプラチニム、及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、及びアミノグルテチミド;ホルモン、ホルモン類似体(例えば、エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、及びニルタミド)、及びアロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾール及びアナストロゾール);抗血小板剤;ヘパリン、合成ヘパリン塩、及びトロンビンの他の阻害剤などの抗凝固剤;組織プラスミノーゲン活性化剤、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アスピリン、ジピリダモル、チクロピジン、及びクロピドグレルなどの線維素溶解剤;抗移動剤;抗分泌剤(例えば、ブレベルジン(breveldin));タクロリムス、シロリムス、アザチオプリン、及びミコフェノレートなどの免疫抑制剤;増殖因子阻害剤、及び血管内皮増殖因子阻害剤;FPA14などの線維芽細胞増殖因子阻害剤;メトホルミン塩酸塩などのAMP活性化プロテインキナーゼ刺激剤;ダラツムマブ(DARZALEX(登録商標))などのADPリボシルサイクラーゼ-1阻害剤;ミファムルチド(リポソーム化)などのカスパーゼ動員ドメインタンパク質-15刺激剤;MK-7690(ビクリビロック)などのCCR5ケモカインアンタゴニスト;TAK-931などのCDC7プロテインキナーゼ阻害剤;ODM-209などのコレステロール側鎖切断酵素阻害剤;Cefesone(テガフール+ギメラシル+オテラシルカリウム)などのジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ/オロト酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ阻害剤;クロファラビンなどのDNAポリメラーゼ/リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤;PNT2258、AZD-9150などのDNA干渉オリゴヌクレオチド;バゼドキシフェンなどのエストロゲン受容体調節剤;TRI-CYCLEN LO(ノルエチンドロン+エチニルエストラジオール)などのエストロゲン受容体アゴニスト/プロゲステロン受容体アンタゴニスト;FH-MCVA2TCRなどのHLAクラスI抗原A-2α調節剤;MART-1 F5 TCR操作PBMCなどのHLAクラスI抗原A-2α/MART-1黒色腫抗原調節剤;PF-06881894などのヒト顆粒球コロニー刺激因子;リュープロレリン酢酸塩、リュープロレリン酢酸塩持続放出デポー(ATRIGEL)、トリプトレリンパモ酸塩、ゴセレリン酢酸塩などのGNRH受容体アゴニスト;エラゴリクス、レルゴリクス、デガレリクスなどのGNRH受容体アンタゴニスト;anlotinibなどのエンドプラスミン調節剤;オメプラゾール、エソメプラゾールなどのH+K+ATPアーゼ阻害剤;cavatak(V-937)などのICAM-1/CD55調節剤;SAR441000などのIL-15/IL-12調節剤;グセルクマブなどのインターロイキン23A阻害剤;CC-90011などのリジン特異的ヒストン脱メチル酵素1阻害剤;MEDI1191などのIL-12Mrna;RGT-100などのRIG-I調節剤;SB-9200、及びIR-103などのNOD2調節剤;レボノルゲストレルなどのプロゲステロン受容体アゴニスト;CC-92480、CC-90009などのタンパク質セレブロン調節剤;イベルドミドなどのタンパク質セレブロン調節剤/DNA結合タンパク質イカロス阻害剤/ジンクフィンガー結合タンパク質アイオロス阻害剤;アリトレチノイン、ベキサロテン(経口製剤)などのレチノイドX受容体調節剤;GSK-3145095などのRIP-1キナーゼ阻害剤;AZD9833などの選択的エストロゲン受容体分解剤;TAK-981などのSUMO阻害剤;エルトロンボパグなどのトロンボポエチン受容体アゴニスト;レボチロキシンナトリウムなどの甲状腺ホルモン受容体アゴニスト;タソネルミンなどのTNFアゴニスト;CC-95251などのチロシンホスファターゼ基質1阻害剤;ネラチニブ、ツカチニブ(ONT-380)などのHER2阻害剤;テセバチニブなどのEGFR/ErbB2/Ephb4阻害剤;TAK-788などのEGFR/HER2阻害剤;DZD-9008などのEGFRファミリーチロシンキナーゼ受容体阻害剤;バリチニブなどのEGFR/ErbB-2阻害剤;PF-06747775、EGF816(ナザルチニブ)、ASP8273、ACEA-0010、BI-1482694などの変異選択的EGFR阻害剤;MM-310などのepha2阻害剤;MAK683などのポリコームタンパク質(EED)阻害剤;プララトレキサートなどのDHFR阻害剤/葉酸トランスポーター1調節剤/葉酸受容体アンタゴニスト;ペメトレキセド二ナトリウムなどのDHFR/GARトランスホルミラーゼ/チミミジル酸シンターゼ/トランスフェラーゼ阻害剤;ラリメチニブなどのp38 MAPキナーゼ
阻害剤;MS203、PF-06939999、GSK3368715、GSK3326595などのPRMT阻害剤;オパガニブなどのスフィンゴシンキナーゼ2(SK2)阻害剤;オマベロキソロン(RTA-408)などの核赤血球2関連因子2刺激因子;LOXO-195、ONO-7579などのトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害剤;GO-203-2Cなどのムチン1阻害剤;BIO-11006などのMARCKSタンパク質阻害剤;アルフォリチキソリンなどの葉酸アンタゴニスト;GR-MD-02などのガレクチン-3阻害剤;RX-5902などのリン酸化P68阻害剤;ofranergene obadenovecなどのCD95/TNF調節剤;INCB-053914などのpan-PIMキナーゼ阻害剤;EGEN-001、タボキノゲンテルセプラスミドなどのIL-12遺伝子刺激因子;TAS-116、PEN-866などの熱ショックタンパク質HSP90阻害剤;MP-0250などのVEGF/HGFアンタゴニスト;ベバシズマブのバイオシミラーなどのVEGFリガンド阻害剤;ラムシルマブなどのVEGF受容体アンタゴニスト/VEGFリガンド阻害剤;VEGF-1/VEGF-2/VEGF-3受容体アンタゴニスト;例えば、フルキンチニブ;HLA-A2402/HLA-A0201制限エピトープペプチドワクチンなどのVEGF-1/VEGF-2受容体調節剤;アフリベルセプトなどの胎盤成長因子リガンド阻害剤/VEGF-Aリガンド阻害剤;ASN-002などのSYKチロシンキナーゼ/JAKチロシンキナーゼ阻害剤;ラロトレクチニブ硫酸塩などのTrkチロシンキナーゼ受容体阻害剤;CS-12912などのJAK3/JAK1/TBK1キナーゼ阻害剤;AD-IL24などのIL-24アンタゴニスト;BMS-986299などのNLRP3(NACHT LRR PYDドメインタンパク質3)修飾因子;RGT-100などのRIG-Iアゴニスト;トプサリシンなどのエロリジン刺激物質;HM-30181AなどのP糖タンパク質1阻害剤;ARRY-382、BLZ-945などのCSF-1アンタゴニスト;JTX-1811、I-309、SB-649701、HG-1013、RAP-310などのCCR8阻害剤;SEL-403などの抗メソセリン抗体;アグラチマゲンベサデノベクアグラチマゲンベサデノベクなどのチミジンキナーゼ刺激因子;PCM-075、オンバンセルチブなどのPolo様キナーゼ1阻害剤;ペボネジスタット(MLN-4924)、TAS-4464などのNAE阻害剤;アバドミド(CC-122)などの多面経路調節剤;ペボネジスタットなどのアミロイドタンパク質結合タンパク質-1阻害剤/ユビキチンリガーゼ調節剤;チオストレプトプトンなどのFoxM1阻害剤;TAK-243などのUBA1阻害剤;VAL-201などのSrcチロシンキナーゼ阻害剤;VDA-1102などのVDAC/HK阻害剤;ロヒニチブ、eFT226などのElf4a阻害剤;ad-p53などのTP53遺伝子刺激物質;トレチノインなどのレチノイン酸受容体アゴニスト;SY-1425などのレチノイン酸受容体α(RARα)阻害剤;YC8-02などのSIRT3阻害剤;オラプテストペゴル(NOX-A12)などの間質細胞由来因子1リガンド阻害剤;MDNA-55などのIL-4受容体修飾因子;ペグジラリギナーゼなどのアルギナーゼI刺激因子;イリノテカン塩酸塩、OnivydeなどのトポイソメラーゼI阻害剤;PEG-SN38(フィルテカンペゴル)などのトポイソメラーゼI阻害剤/低酸素誘導因子-1α阻害剤;PT-2977、PT-2385などの低酸素誘導性因子-1α阻害剤;proleukin(アルデスロイキン、IL-2)などのCD122(IL-2受容体)アゴニスト;ペグ化IL-2(例えば、NKTR-214);IL-2の修飾されたバリアント(例えば、THOR-707);NKTR-262などのTLR7/TLR8アゴニスト;DS-0509、GS-9620、LHC-165、TMX-101(イミキモド)などのTLR7アゴニスト;ケベトリンなどのp53腫瘍抑制タンパク質刺激因子;ALRN-6924などのMdm4/Mdm2 p53結合タンパク質阻害剤;フィラネシブ(ARRY-520)などのキネシンスピンドルタンパク質(KSP)阻害剤;FPT-155などのCD80-fc融合タンパク質阻害剤;KO-539などのメニン及び混合形質型白血病(MLL)阻害剤;RGX-104などの肝臓x受容体アゴニスト;ペグイロデカキン(AM-0010)などのIL-10アゴニスト;ボロラニブなどのVEGFR/PDGFR阻害剤;CA-4948などのIRAK4阻害剤;OPN-305などの抗TLR-2抗体;CBP-501などのカルモジュリン修飾因子;
【0188】
レラコリラント(CORT-125134)などのグルココルチコイド受容体アンタゴニスト;BI-891065などの、カスパーゼ(SMAC)タンパク質阻害剤の第2のミトコンドリア由来活性化因子;LTX-315などのラクトフェリン修飾因子;PLX-9486などのKIT癌原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(KIT)阻害剤;BLU-285、DCC-2618などの、血小板由来成長因子受容体α(PDGFRA)/KIT癌原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(KIT)変異体特異的アンタゴニスト/阻害剤;エルタネクソルなどのエクスポーチン1阻害剤;STNM-01などのCHST15遺伝子阻害剤;OPS-201などのソマトスタチン受容体アンタゴニスト;MTL-501などのCEBPA遺伝子刺激物質;MTG-201などのDKK3遺伝子修飾因子;SX-682などのケモカイン(CXCR1/CXCR2)阻害剤;MSC2363318Aなどのp70s6k阻害剤;M8891、APL-1202などのメチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)阻害剤;GSK-3326595などのアルギニンN-メチルトランスフェラーゼ5阻害剤;CX-2029(ABBV-2029)などのCD71調節剤;AZD0156、AZD1390などのATM(毛細血管拡張性運動失調症)阻害剤;GDC-0575、LY2606368(プレキサセルチブ)、SRA737、RG7741(CHK1/2)などのCHK1阻害剤;BL-8040、LY2510924、ブリキサホル(TG-0054)、X4P-002、X4P-001-IO、プレリキサホルなどのCXCR4アンタゴニスト;GSK2816126などのEXH2阻害剤;ORY-1001、IMG-7289、INCB-59872、GSK-2879552などのKDM1阻害剤;AZD-5069などのCXCR2アンタゴニスト;MSC2490484A(ネディセルチブ)、VX-984、AsiDNA(DT-01)などのDNA依存性プロテインキナーゼ阻害剤;LXS-196、ソトラスタウリンなどのプロテインキナーゼC(PKC)阻害剤;フルベストラント(Faslodex(登録商標))、RG6046、RG6047、RG6171、エラセストラント(RAD-1901)、SAR439859、及びAZD9496などの選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(SERD);H3B-6545などの選択的エストロゲン受容体共有結合アンタゴニスト(SERCAs);GTX-024、ダロルタミドなどの選択アンドロゲン受容体調節剤(SARM);ガルニセルチブ、LY3200882などの形質転換成長因子-β(TGF-β)キナーゼアンタゴニスト;国際公開第2019/103203号に記載されているTGF-β阻害剤;PF-06952229などのTGFβ受容体1阻害剤;ABT-165(DLL4/VEGF)、MM-141(IGF-1/ErbB3)、MM-111(Erb2/Erb3)、JNJ-64052781(CD19/CD3)、PRS-343(CD-137/HER2)、AFM26(BCMA/CD16A)、JNJ-61186372(EGFR/cMET)、AMG-211(CEA/CD3)、RG7802(CEA/CD3)、ERY-974(CD3/GPC3)vancizumab(アンジオポエチン/VEGF)、PF-06671008(カドヘリン/CD3)、AFM-13(CD16/CD30)、APVO436(CD123/CD3)、フロテツズマブ(CD123/CD3)、REGN-1979(CD20/CD3)、MCLA-117(CD3/CLEC12A)、MCLA-128(HER2/HER3)、JNJ-0819、JNJ-7564(CD3/ヘム)、AMG-757(DLL3-CD3)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、FS-118(LAG-3/PD-L1)MGD-019(PD-1/CTLA-4)、KN-046(PD-1/CTLA-4)、MEDI-5752(CTLA-4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、XmAb-20717(PD-1/CTLA-4)、AK-104(CTLA-4/PD-1)、AMG-420(BCMA/CD3)、BI-836880(VEFG/ANG2)、JNJ-63709178(CD123/CD3)、MGD-007(CD3/gpA33)、MGD-009(CD3/B7H3)、AGEN1223、IMCgp100(CD3/gp100)、AGEN-1423、ATOR-1015(CTLA-4/OX40)、LY-3415244(TIM-3/PDL1)、INHIBRX-105(4-1BB/PDL1)、ファリシマブ(VEGF-A/ANG-2)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、XmAb-13676(CD3/CD20)、TAK-252(PD-1/OX40L)、TG-1801(CD19/CD47)、XmAb-18087(SSTR2/CD3)、カツマキソマブ(CD3/EpCAM)、SAR-156597(IL4/IL13)、EMB-01(EGFR/cMET)、REGN-4018(MUC16/CD3)、REGN-1979(CD20/CD3)、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、ナビシキシズマブ(DLL4/VEGF)、GRB-1302(CD3/Erbb2)、バヌシズマブ(VEGF-A/ANG-2)、GRB-1342(CD38/CD3)、GEM-333(CD3/CD33)、IMM-0306(CD47/CD20)、RG6076、MEDI5752(PD-1/CTLA-4)、LY3164530(MET/EGFR)などの二重特異性抗体;CPI-613などのα-ケトグルタレートデヒドロゲナーゼ(KGDH)阻害剤;セリネクソル(KPT-330)などのXPO1阻害剤;エナシデニブ(AG-221)などのイソクエン酸デヒドロゲナーゼ2(IDH2)阻害剤;AG-120、及びAG-881(IDH1及びIDH2)、IDH-305、BAY-1436032などのIDH1阻害剤;イボシデニブなどのIDH1遺伝子阻害剤;SL-401などのインターロイキン-3受容体(IL-3R)修飾因子;ペガルギミナーゼ(ADI-PEG-20)などのアルギニンデイミナーゼ刺激因子;クラウジキシマブなどのクラウジン-18阻害剤;CWP-291などのβ-カテニン阻害剤;PF-04136309、CCX-872、BMS-813160(CCR2/CCR5)などのケモカイン受容体2(CCR)阻害剤;ONX-0801などのチミジレート合成酵素阻害剤;ロルラチブなどのALK/ROS1阻害剤;G007-LKなどのタンキラーゼ阻害剤;PY159などの骨髄細胞に発現されるトリガー受容体1(TREM1、NCBI遺伝子ID:54210);PY314などの骨髄細胞に発現されるトリガー受容体2(TREM2、NCBI遺伝子ID:54209);CMG-097、HDM-201などのMdm2 p53結合タンパク質阻害剤;PIM447などのc-PIM阻害剤;Yeliva(登録商標)(ABC294640)などのスフィンゴシンキナーゼ-2(SK2)阻害剤;サパシタビンなどのDNAポリメラーゼ阻害剤;エリブリンメシル酸塩などの細胞周期/微小管阻害剤;AMG-337、サボリチニブ、チバンチニブ(ARQ-197)、カプマチニブ、及びテポチニブ、ABT-700、AG213、AMG-208、JNJ-38877618(OMO-1)、メリスチニブ、HQP-8361などのc-MET阻害剤;BMS-817378、TAS-115などのc-Met/VEGFR阻害剤;BMS-777607などのc-Met/RON阻害剤;-レバスチニブ、アシミニブ、ポナチニブ(ICLUSIG(登録商標))などのBCR/ABL阻害剤;eFT-508などのMNK1/MNK2阻害剤;LAE-201などのシトクロムP450 11B2/シトクロムP450 17/AKTプロテインキナーゼ阻害剤;ミトタンなどのシトクロムP450 3A4刺激剤;CC-90011などのリシン特異的デメチラーゼ-1(LSD1)阻害剤;ペキシダルチニブ(PLX3397)などのCSF1R/KIT及びFLT3阻害剤;キザルチニブ塩酸塩などのFlt3チロシンキナーゼ/Kitチロシンキナーゼ阻害剤、及びPDGF受容体アンタゴニスト;バンデタニブなどのキナーゼ阻害剤;GMI-1271などのEセレクチンアンタゴニスト;トレチノインなどの分化誘導因子;オシメルチニブ(AZD-9291)、セツキシマブなどの上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤;アドリアマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、DaunoXome、Caelyx、エノピシド、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、イリノテカン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ソブゾキサン、トポテカン、イリノテカン、MM-398(リポソームイリノテカン)、ボサロキシン及びGPX-150、アルドキソルビシン、AR-67、マベレルチニブ、AST-2818、アビチニブ(ACEA-0010)、イロフルベン(MGI-114)などのトポイソメラーゼ阻害剤;コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロンなどのコルチコイド;増殖因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;DFP-10917などのヌクレオシド類似体;BGB-324(ベムセンチニブ)、SLC-0211などのAxl阻害剤;ギルテリチニブなどのAxl/Flt3阻害剤;ブロモドメイン及び末端外モチーフ(BET)タンパク質の阻害剤(ABBV-744、BRD2(NCBI遺伝子ID:6046)、BRD3(NCBI遺伝子ID:8019)、BRD4(NCBI遺伝子ID:23476)、及びブロモドメイン精巣特異的タンパク質(BRDT;NCBI遺伝子ID:676)を含む)、INCB-054329、INCB057643、TEN-010、AZD-5153、ABT-767、BMS-986158、CC-90010、GSK525762(モリブレシブ)、NHWD-870、ODM-207、GSK-2820151、GSK-1210151A、ZBC246、ZBC260、ZEN3694、FT-1101、RG-6146、CC-90010、CC-95775、ミベブレシブ、BI-894999、PLX-2853、PLX-51107、CPI-0610、GS-5829など;オラパリブ(MK7339)、ルカパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ、ABT-767、BGB-290、フルゾレパリ(SHR-3162)、ニラパリブ(JNJ-64091742)、ベンダムスチン塩酸塩などのPARP阻害剤;2X-121(e-7499)などのPARP/タンキラーゼ阻害剤;IMP-4297、SC-10914、IDX-1197、HWH-340、CK-102、シムミパリブ;イキサゾミブ(NINLARO(登録商標))、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、マリゾミブ、ボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害剤;CB-839(テラグレナスト)、ビス-2-(5-フェニルアセトアミド-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)エチル硫化物(BPTES)などのグルタミナーゼ阻害剤;メトホルミン、フェネフォーミンなどのミトコンドリア複合体I阻害剤;ペプチドワクチンTG-01(RAS)、GALE-301、GALE-302、ネリペピムト-s、SurVaxM、DSP-7888、TPIV-200、PVX-410、VXL-100、DPX-E7、ISA-101、6MHP、OSE-2101、ガリンペピムト-S、SVN53-67/M57-KLH、IMU-131、ペプチドサブユニットワクチン(急性リンパ芽球性白血病、University Children’s Hospital Tuebingen)などのワクチン;CRS-207/GVAX、アクサリモジン・フィロリスバック(ADXS11-001)などの細菌性ベクターワクチン
;nadofaragene firadenovecなどのアデノウイルスベクターワクチン;自己Gp96ワクチン;CVactm、tapuldencel-T、eltrapuldencel-T、SL-701、BSK01TM、rocapuldencel-T(AGS-003)、DCVAC、CVac(商標)、stapuldencel-T、eltrapuldencel-T、SL-701、BSK01(商標)、ADXS31-142、自家樹状細胞ワクチン(転移性悪性黒色腫、皮内/静脈内、Universitatsklinikum Erlangen)などの樹状細胞ワクチン;タリモジンラヘルパレプベク、pexastimogene devacirepvec、GL-ONC1、MG1-MA3、パルボウイルスH-1、ProstAtak、エナデノチュシレブ、MG1MA3、ASN-002(TG-1042)などの腫瘍溶解性ワクチン;CVAC-301、CMP-001、CreaVax-BC、PF-06753512、VBI-1901、TG-4010、ProscaVax(商標)などの治療ワクチン;Vigil(登録商標)(IND-14205)、Oncoquest-Lワクチンなどの腫瘍細胞ワクチン;PVS-RIPOなどの弱毒性組換え血清型1ポリオウイルスワクチン;Adagloxad simolenin;MEDI-0457;DPV-001腫瘍由来オートファゴソームリッチがんワクチン;CV-9209、LV-305などのRNAワクチン;MEDI-0457、MVI-816、INO-5401などのDNAワクチン;MVA-p53などのp53を発現する修飾されたワクシニアウイルスAnkaraワクチン;DPX-Survivac;BriaVax(商標);GI-6301;GI-6207;GI-4000;IO-103;AGEN-2017、GEN-010、NeoVax、RG-6180、GEN-009、PGV-001(TLR-3アゴニスト)、GRANITE-001、NEO-PV-01などのネオ抗原ペプチドワクチン;PhosphoSynVax(商標)などの熱ショックタンパク質を標的とするペプチドワクチン、Vitespen(HSPPC-96-C)、アルドキソルビシンを含有するNANT結腸直腸癌ワクチン、自家腫瘍細胞ワクチン+全身性CpG-B+IFN-α(癌)、IO-120+IO-103(PD-L1/PD-L2ワクチン)、HB-201、HB-202、HB-301、TheraT(登録商標)*系ワクチン;ポリICLC(NSC-301463)などのTLR-3アゴニスト/インターフェロン誘導因子; ナパブバカシン(BBI-608)などのSTAT-3阻害剤;CB-5083などのATPアーゼp97阻害剤;Odomzo(登録商標)(ソノデギブ、旧LDE-225)、LEQ506、ビスモデギブ(GDC-0449)、BMS-833923、グラスデギブ(PF-04449913)、LY2940680、及びイトラコナゾールなどの平滑化(SMO)受容体阻害剤;インターフェロンα-2b、インターフェロンα-2aバイオシミラー(Biogenomics)、ropegインターフェロンα-2b(AOP-2014、P-1101、PEG IFN α-2b)、マルチフェロン(アルファナチベ、Viragen)、インターフェロンα1b、ロフェロン-A(Roferon-A)(カンフェロン(Canferon)、Ro-25-3036)、インターフェロンα-2aフォローオンバイオ後続品(Biosidus)(インムタグ(Inmutag)、Inter 2A)、インターフェロンα-2Bバイオ後続品(Biosidus-ビオフェロン(Bioferon)、シトフェロン(Citopheron)、ガナパー(Ganapar)、Beijing Kawin Technology-カフェロン(Kaferon))、アルファフェロン(Alfaferone)、PEG化インターフェロンα-1b、pegインターフェロンα-2bバイオ後続品的(Amega)、組換えヒトインターフェロンα-1b、組換えヒトインターフェロンα-2a、組換えヒトインターフェロンα-2b、ベルツズマブ-IFNα2b共役体、Dynavax(SD-101)、及びインターフェロンα-n1(Humoferon、SM-10500、スミフェロン)などのインターフェロンαリガンド調節剤;インターフェロンγ(OH-6000、Ogamma100)などのインターフェロンγリガンド調節剤;テルトモチド(GV-1001、HR-2802、Riavax)及びイメテルスタット(GRN-163、JNJ-63935937)などのテロメラーゼ調節剤;テモゾロミド(CCRG-81045)、デシタビン、グアデシタビン(S-110、SGI-110)、KRX-0402、RX-3117、RRx-001、及びアザシチジン(CC-486)などのDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;ピキサントロン及びソブゾキサンなどのDNAジャイレース阻害剤;アムルビシンなどのDNAジャイレース阻害剤/トポイソメラーゼII阻害剤;ABT-263、ベネトクラックス(ABT-199)、ABT-737、RG7601、及びAT-101などのBcl-2ファミリータンパク質阻害剤;novitoclaxなどのBcl-2/Bcl-XL阻害剤;LY3039478(クレニガアセタット)、タレクスツマブ(抗Notch2/3)、BMS-906024などのNotch阻害剤;PEGPH-20などのヒアルロニダーゼ刺激物質;Herceptin HylectaなどのErbb2チロシンキナーゼ受容体阻害剤/ヒアルロニダーゼ刺激剤;SM-04755、PRI-724、WNT-974などのWnt経路阻害剤;PF-03084014、MK-0752、RO-4929097などのγ-セクレターゼ阻害剤;BP1001などのGrb-2(増殖因子受容体結合タンパク質-2)阻害剤;ONC201、ABBV-621などのTRAIL経路誘導化合物;SCB-313などのTRAIL調節剤;VS-4718、デファクチニブ、GSK2256098などの接着斑キナーゼ阻害剤;サリデギブ、ソノデギブ(LDE225)、グラスデギブなどのヘッジホッグ阻害剤;アリセルチブ(MLN-8237)、及びAZD-2811、AMG-900、バラセルチブ、ENMD-2076などのオーロラキナーゼ阻害剤;ブリブジン、アタトルセンなどのHSPB1調節剤(熱ショックタンパク質27、HSP27);BAY-937、AZD6738、AZD6783、VX-803、VX-970(ベルゾセルチブ)及びVX-970などのATR阻害剤;AUY922、オナレスピブ(AT13387)、SNX-2112、SNX5422などのHsp90阻害剤;DS-3032b、RG7775、AMG-232、HDM201、及びイダザヌツリン(RG7388)などのマウス二重微小染色体(mdm2)癌遺伝子阻害剤;ウレルマブ、ウトミルマブ(PF-05082566)、AGEN2373、ADG-106、BT-7480、QL1806などのCD137アゴニスト;ADU-S100(MIW-815)、SB-11285、MK-1454、SR-8291、AdVCA0848、GSK-532、SYN-STING、MSA-1、SR-8291、GSK3745417などのSTINGアゴニスト;FGF-401、INCB-054828、BAY-1163877、AZD4547、JNJ-42756493、LY2874455、Debio-1347などのFGFR阻害剤;TVB-2640などの脂肪酸シンターゼ(FASN)阻害剤;A6などのCD44結合剤;LB-100などのタンパク質ホスファテアーゼ(phosphatease)2A(PP2A)阻害剤;セビテロンネル(VT-464)、ASN-001、ODM-204、CFG920、酢酸アビラテロンなどのCYP17阻害剤;IRX4204などのRXRアゴニスト;タラデギブ、パチデギブ、ビスモデギブなどのヘッジホッグ/平滑化(hh/Smo)アンタゴニスト;Imprime PGGなどの補体C3調節剤;ALT-803、NKTR-255、インターロイキン-15/Fc融合タンパク質、AM-0015、NIZ-985、及びhetIL-15などのIL-15アゴニスト;タゼメトスタット、CPI-1205、GSK-2816126、PF-06821497などのEZH2(zesteホモログのエンハンサー2)阻害剤;pelareorep、CG-0070、MV-NIS療法、HSV-1716、DS-1647、VCN-01、ONCOS-102、TBI-1401、tasadenoturev(DNX-2401)、vocimagene amiretrorepvec、RP-1、CVA21、Celyvir、LOAd-703、OBP-301、IMLYGIC(登録商標)などの腫瘍溶解性ウイルス;pinometostat(EPZ-5676)などのDOT1L(ヒストンメチルトランスフェラーゼ)阻害剤;コレラトキシン、リシン、シュードモナス・エクソトキシン、百日咳菌アデニル酸シクラーゼトキシン、ジフテリアトキシン、及びカスパーゼ活性化因子などのトキシン;BC-819などのDNAプラスミド;ボラセルチブ(PLK1)などのPLK1、2、及び3のPLK阻害剤;AZD-1775(アダボセルチブ)などのWEE1阻害剤;AT13148、KD025などのRhoキナーゼ(ROCK)阻害剤;ASTX660、debio-1143、ビリナパント、APG-1387、LCL-161などのアポトーシス阻害タンパク質(IAP)阻害剤;ルルビネクテジン(PM-1183)、CX-5461などのRNAポリメラーゼ阻害剤;PM-184、BAL-101553(リサバンブリン)、及びOXI-4503、フルオラパシン(AC-0001)、プリナブリン、ビンフルニンなどのチューブリン阻害剤;G100、GSK1795091、及びPEPA-10などのToll様受容体4(TLR-4)アゴニスト;プリチデプシンなどの伸長因子1α2阻害剤;デニロイキンジフチトクスなどの伸長因子2阻害剤/インターロイキン-2リガンド/NAD ADPリボシルトランスフェラーゼ刺激剤;APG-101、APO-010、アスネルセプトなどのCD95阻害剤;DSP-7888などのWT1阻害剤;H3B-8800などのスプライシング因子3Bサブユニット1(SF3B1)阻害剤;LYC-55716などのレチノイドZ受容体ガンマ(RORγ)アゴニスト;並びに、SER-401、EDP-1503、MRx-0518などのマイクロバイオーム調節剤。
【0189】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、以下の阻害剤又はアンタゴニストを含む1つ以上の追加の治療薬と同時投与される:骨髄細胞白血病配列1(MCL1)アポトーシス調節因子(NCBI遺伝子ID:4170);マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1(MAP4K1)(造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)とも呼ばれる、NCBI遺伝子ID:11184));ジアシルグリセロールキナーゼα(DGKA、DAGK、DAGK1、又はDGK-α;NCBI遺伝子ID:1606);5’-ヌクレオチダーゼエクト(NT5E又はCD73;NCBI遺伝子ID:4907);エクトヌクレオシド三リン酸ジホスホ加水分解酵素1(ENTPD1又はCD39;NCBI遺伝子ID:593);トランスフォーミング成長因子β1(TGFB1又はTGFβ;NCBI遺伝子ID:7040);ヘムオキシゲナーゼ1(HMOX1、HO-1、又はHO1;NCBI遺伝子ID:3162);ヘムオキシゲナーゼ2(HMOX2、HO-2、又はHO2;NCBI遺伝子ID:3163);血管内皮成長因子A(VEGFA又はVEGF;NCBI遺伝子ID:7422);erb-b2受容体チロシンキナーゼ2(ERBB2、HER2、HER2/neu、又はCD340;NCBI遺伝子ID:2064)、上皮成長因子受容体(EGFR、ERBB、ERBB1、又はHER1;NCBI遺伝子ID:1956);ALK受容体チロシンキナーゼ(ALK、CD246;NCBI遺伝子ID:238);ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ1(PARP1;NCBI遺伝子ID:142);ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ2(PARP2;NCBI遺伝子ID:10038);TCDD誘導性ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(TIPARP、PARP7;NCBI遺伝子ID:25976);サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4;NCBI遺伝子ID:1019);サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6;NCBI遺伝子ID:1021);TNF受容体スーパーファミリーメンバー14(TNFRSF14、HVEM、CD270;NCBI遺伝子ID:8764);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);X結合アポトーシス阻害剤(XIAP、BIRC4、IAP-3;NCBI遺伝子ID:331);バキュロウイルスIAP反復含有2(BIRC2、cIAP1;NCBI遺伝子ID:329);バキュロウイルスIAP反復含有3(BIRC3、cIAP2;NCBI遺伝子ID:330);バキュロウイルスIAP反復含有5(BIRC5、生存;NCBI遺伝子ID:332);C-Cモチーフケモカイン受容体2(CCR2、CD192;NCBI遺伝子ID:729230);C-Cモチーフケモカイン受容体5(CCR5、CD195)、NCBI遺伝子ID:1234);C-Cモチーフケモカイン受容体8(CCR8、CDw198;NCBI遺伝子ID:1237);C-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2、CD182;NCBI遺伝子ID:3579);C-X-Cモチーフケモカイン受容体3(CXCR3、CD182、CD183;NCBI遺伝子ID:2833);C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4、CD184;NCBI遺伝子ID:7852);アルギナーゼ(ARG1(NCBI遺伝子ID:383)、ARG2(NCBI遺伝子ID:384))、炭酸脱水酵素(CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632))、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)、分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)及び/又は可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053);分泌型ホスホリパーゼA2(例えば、PLA2G1B(NCBI遺伝子ID:5319);PLA2G7(NCBI遺伝子ID:7941)、PLA2G3(NCBI遺伝子ID:50487)、PLA2G2A(NCBI遺伝子ID:5320);PLA2G4A(NCBI遺伝子ID:5321);PLA2G12A(NCBI遺伝子ID:81579); PLA2G12B(NCBI遺伝子ID:84647);PLA2G10(NCBI遺伝子ID:8399);PLA2G5(NCBI遺伝子ID:5322);PLA2G2D(NCBI遺伝子ID:26279);PLA2G15(NCBI遺伝子ID:23659));インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1;NCBI遺伝子ID:3620);インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ2(IDO2;NCBI遺伝子ID:169355);低酸素誘導因子1サブユニットα(HIF1A;NCBI遺伝子ID:3091);アンジオポエチン1(ANGPT1;NCBI遺伝子ID:284);内皮TEKチロシンキナーゼ(TIE-2、TEK、CD202B;NCBI遺伝子ID:7010);ヤヌスキナーゼ1(JAK1;NCBI遺伝子ID:3716);カテニンβ1(CTNNB1;NCBI遺伝子ID:1499);ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9;NCBI遺伝子ID:9734)、及び/又は5’-3’エキソリボヌクレアーゼ1(XRN1;NCBI遺伝子ID:54464)。
【0190】
様々な実施形態では、血液悪性腫瘍の治療に適切な、小分子、抗体、養子細胞療法、及びキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)、チェックポイント阻害剤、及びワクチンなどの追加の薬剤を、本明細書に記載の抗CD47剤及び抗CD20剤と併用して投与することができる。
【0191】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、fms関連受容体チロシンキナーゼ3(FLT3);FLK2;STK1;CD135;FLK-2;NCBI遺伝子ID:2322)のアゴニストと組み合わされる。FLT3アゴニストの例として、CDX-301及びGS-3583が挙げられるが、これらに限定されない。
【0192】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD19剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD19剤又は抗体の例としては、MOR00208、XmAb5574(Xencor)、AFM-11、イネビリズマブ、MEDI 551(Cellective Therapeutics);MDX-1342(Medarexand)及びブリナツモマブ(Amgen)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0193】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD22剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD22剤又は抗体の例としては、エプラツズマブ、AMG-412、IMMU-103(Immunomedics)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0194】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD30剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD30剤又は抗体の例としては、ブレンツキシマブベドチン(Seattle Genetics)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD33剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD33剤又は抗体の例としては、CIK-CAR.CD33;CD33CART、AMG-330(CD33/CD3)、AMG-673(CD33/CD3)、GEM-333(CD3/CD33)、及びIMGN-779が挙げられるが、これらに限定されない。
【0196】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD37剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD37剤又は抗体の例としては、BI836826(Boehringer Ingelheim)、Otlertuzumab、及びTRU-016(Trubion Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0197】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD38剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD38剤又は抗体の例としては、CD38、例えばT-007、UCART-38;Darzalex(Genmab)、ダラツムマブ、JNJ-54767414(Darzalex/Genmab)、イサツキシマブ、SAR650984(ImmunoGen)、MOR202、MOR03087(MorphoSys)、TAK-079;及び抗CD38-attenukine、例えばTAK573が挙げられるが、これらに限定されない。
【0198】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD52剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD52剤又は抗体の例としては、抗CD52抗体、例えばアレムツズマブ(Campath/University of Cambridge)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0199】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD98(4F2、FRP-1)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD98剤又は抗体の例としては、IGN523(Igenica)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD157(BST-1)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD157剤又は抗体の例としては、OBT357、MEN1112(Menarini;Oxford BioTherapeutics)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗DKK-1剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗DKK-1剤又は抗体の例としては、BHQ880(MorphoSys;Novartis)、及びDKN-01、LY-2812176(Eli Lilly)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0202】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗GRP78(BiP)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗GRP78剤又は抗体の例としては、PAT-SM6(OncoMab GmbH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0203】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗NOTCH1剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗NOTCH1剤又は抗体の例としては、Brontictuzumab、OMP-52M51(OncoMed Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0204】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗ROR1剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗ROR1剤又は抗体の例としては、マパツズマブ、TRM1、HGS-1012(Cambridge Antibody Technology)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0205】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗SLAMF7(CS1、CD319)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗SLAMF7剤又は抗体の例としては、エロツズマブ、HuLuc63、BMS-901608(Empliciti/PDL BioPharma)、モガムリズマブ(KW-0761)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0206】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗TNFRSF10A(DR4;APO2;CD261;TRAILR1;TRAILR-1)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗TNFRSF10A剤又は抗体の例としては、マパツズマブ、TRM1、HGS-1012(Cambridge Antibody Technology)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0207】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗トランスフェリン受容体(TFRC、CD71)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗トランスフェリン受容体剤又は抗体の例としては、E2.3/A27.15(University of Arizona)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗EPHA3剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗EPHA3剤又は抗体の例としては、Ifabotuzumab、KB004(Ludwig Institute for Cancer Research)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0209】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CCR4剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CCR4剤又は抗体の例としては、モガムリズマブ、KW-0761(Poteligeo/Kyowa Hakko Kirin Co.)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0210】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CXCR4剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CXCR4剤又は抗体の例としては、BMS-936564、MDX-1338(Medarex)、及びPF-06747143(Pfizer)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0211】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗BAFF剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗BAFF剤又は抗体の例としては、タバルマブ、LY2127399(Eli Lilly)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0212】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗BAFF受容体(BAFF-R)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗BAFF-R剤又は抗体の例としては、VAY736(MorphoSys、Novartis)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0213】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗RANKL剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗RANKL剤又は抗体の例としては、デノスマブ、AMG-162(Prolia;Ranmark;Xgeva/Amgen)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0214】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL-6剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL-6剤又は抗体の例としては、シルツキシマブ、CNTO-328(Sylvant/Centocor)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0215】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL-6受容体(IL-6R)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL-6R剤又は抗体の例としては、トシリズマブ、R-1569(Actemra/Chugai Pharmaceutical、Osaka University)、又はAS-101(CB-06-02、IVX-Q-101)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0216】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL3RA(CD123)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL3RA(CD123)抗体の例としては、CSL360(CSL)、Talacotuzumab、JNJ-56022473、CSL362(CSL)、XmAb14045(Xencor)、KHK2823(Kyowa Hakko Kirin Co.)、APVO436(CD123/CD3)、フロテツズマブ(CD123/CD3)、JNJ-63709178(CD123/CD3)、及びXmAb-14045(CD123/CD3)(Xencor)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0217】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL2RA(CD25)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL2RA剤又は抗体の例としては、バシリキシマブ、SDZ-CHI-621(Simulect/Novartis)、及びダクリズマブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0218】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IGF-1R(CD221)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IGF-1R剤又は抗体の例としては、ガニツマブ、AMG-479(Amgen)、ガニツマブ、AMG-479(Amgen)、ダロツズマブ、MK-0646(Pierre Fabre)、及びAVE1642(ImmunoGen)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0219】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗GM-CSF(CSF2)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗GM-CSF剤又は抗体の例としては、レンジルマブ、KB003(KaloBios Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0220】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗HGF剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗HGF剤又は抗体の例としては、フィクラツズマブ、AV-299(AVEO Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0221】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD44剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD44剤又は抗体の例としては、RG7356、RO5429083(Chugai Biopharmaceuticals;Roche)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0222】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗VLA-4(CD49d)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗VLA-4剤又は抗体の例としては、ナタリズマブ、BG-0002-E(Tysabri/Elan Corporation)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0223】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗ICAM-1(CD54)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗ICAM-1剤又は抗体の例としては、BI-505(BioInvent International)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0224】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗VEGF-A剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗VEGF-A剤又は抗体の例としては、ベバシズマブ(Avastin/Genentech;Hackensack University Medical Center)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0225】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗エンドシアリン(CD248、TEM1)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗エンドシアリン剤又は抗体の例としては、Ontecizumab、MORAB-004(Ludwig Institute for Cancer Research;Morphotek)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0226】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD79剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD79剤又は抗体の例としては、ポラツズマブ、DCDS4501A、RG7596(Genentech)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0227】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IDH剤又は抗体の例としては、IDH1阻害剤のイボシデニブ(Tibsovo;Agios)及びIDH2阻害剤のエナシデニブ(Idhifa;Celgene/Agios)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0228】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、サシツズマブなどの腫瘍関連カルシウム信号トランスデューサー2(TACSTD2)(NCBI遺伝子ID:4070;EGP-1、EGP1、GA733-1、GA7331、GP50、M1S1、TROP2)を標的とする抗体と組み合わされる。
【0229】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、TTX-080などの抗主要組織適合遺伝子複合体、クラスI、G(HLA-G;NCBI遺伝子ID:3135)抗体と組み合わされる。
【0230】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、JTX-8064又はMK-4830などの抗白血球免疫グロブリン様受容体B2(LILRB2、別名、CD85D、ILT4;NCBI遺伝子ID:10288)抗体と組み合わされる。
TNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーのアゴニスト又は活性化因子
【0231】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のTNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバー、例えば、TNFRSF1A(NCBI遺伝子ID:7132)、TNFRSF1B(NCBI遺伝子ID:7133)、TNFRSF4(OX40、CD134;NCBI遺伝子ID:7293)、TNFRSF5(CD40;NCBI遺伝子ID:958)、TNFRSF6(FAS、NCBI遺伝子ID:355)、TNFRSF7(CD27、NCBI遺伝子ID:939)、TNFRSF8(CD30、NCBI遺伝子ID:943)、TNFRSF9(4-1BB、CD137、NCBI遺伝子ID:3604)、TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1、NCBI遺伝子ID:8797)、TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2、NCBI遺伝子ID:8795)、TNFRSF10C(CD263、TRAILR3、NCBI遺伝子ID:8794)、TNFRSF10D(CD264、TRAILR4、NCBI遺伝子ID:8793)、TNFRSF11A(CD265、RANK、NCBI遺伝子ID:8792)、TNFRSF11B(NCBI遺伝子ID:4982)、TNFRSF12A(CD266、NCBI遺伝子ID:51330)、TNFRSF13B(CD267、NCBI遺伝子ID:23495)、TNFRSF13C(CD268、NCBI遺伝子ID:115650)、TNFRSF16(NGFR、CD271、NCBI遺伝子ID:4804)、TNFRSF17(BCMA、CD269、NCBI遺伝子ID:608)、TNFRSF18(GITR、CD357、NCBI遺伝子ID:8784)、TNFRSF19(NCBI遺伝子ID:55504)、TNFRSF21(CD358、DR6、NCBI遺伝子ID:27242)、及びTNFRSF25(DR3、NCBI遺伝子ID:8718)のうちの、1つ以上のアゴニストと組み合わされる。
【0232】
同時投与され得る例示的な抗TNFRSF4(OX40)抗体としては、MEDI6469、MEDI6383、MEDI0562(タボリキシズマブ)、MOXR0916、PF-04518600、RG-7888、GSK-3174998、INCAGN1949、BMS-986178、GBR-8383、ABBV-368、並びに、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2016179517号、同第2017096179号、同第2017096182号、同第2017096281号、及び同第2018089628号に記載の抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0233】
同時投与され得る例示的な抗TNF受容体スーパーファミリーメンバー10b(TNFRSF10B、DR5、TRAILR2)抗体としては、DS-8273、CTB-006、INBRX-109、及びGEN-1029が挙げられるが、これらに限定されない。
【0234】
同時投与され得る抗TNFRSF5(CD40)抗体の例としては、セリクレルマブ(RO7009789)、mitazalimab(別名、vanalimab)、ADC-1013、JNJ-64457107)、RG7876、SEA-CD40、APX-005M、及びABBV-428、ABBV-927、及びJNJ-64457107が挙げられるが、これらに限定されない。
【0235】
同時投与され得る抗TNFRSF7(CD27)の例としては、バリルマブ(CDX-1127)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0236】
同時投与され得る抗TNFRSF9(4-1BB、CD137)抗体の例としては、ウレルマブ、ウトミルマブ(PF-05082566)、AGEN2373、ADG-106、BT-7480、及びQL1806が挙げられるが、これらに限定されない。
【0237】
同時投与され得る抗TNFRSF17(BCMA)の例としては、GSK-2857916が挙げられるが、これらに限定されない。
【0238】
同時投与され得る抗TNFRSF18(GITR)抗体の例としては、MEDI1873、FPA-154、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323、並びに国際公開第2017096179号、同第2017096276号、同第2017096189号、及び同第2018089628号に記載の抗体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片、共標的化TNFRSF4(OX40)及びTNFRSF18(GITR)は、同時投与される。そのような抗体は、例えば、国際公開第2017/096179号及び同第2018/089628号に記載されており、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0239】
同時投与され得る抗TRAILR1、抗TRAILR2、抗TRAILR3、抗TRAILR4抗体の例としては、ABBV-621が挙げられるが、これらに限定されない。
【0240】
同時投与され得るTNFRSFファミリーメンバーを標的とする二重特異性抗体の例としては、PRS-343(CD-137/HER2)、AFM26(BCMA/CD16A)、AFM-13(CD16/CD30)、REGN-1979(CD20/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、INHIBRX-105(4-1BB/PDL1)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、XmAb-13676(CD3/CD20)、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、及びIMM-0306(CD47/CD20)、及びAMG-424(CD38.CD3)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0241】
同時投与され得るPVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R)の阻害剤の例としては、COM-701が挙げられるが、これらに限定されない。
【0242】
同時投与され得るIg及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633)の阻害剤の例としては、BMS-986207、RG-6058、AGEN-1307、COM-902、エチギリマブ、チラゴルマブ(別名、MTIG-7192A、RG-6058、RO7092284)、AGEN1777、IBI-939、AB154、MG1131及びEOS884448(EOS-448)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0243】
同時投与され得るA型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM-3)の阻害剤の例としては、TSR-022、LY-3321367、MBG-453、INCAGN-2390、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、LY-3415244(TIM-3/PDL1)、及びRG7769(PD-1/TIM-3)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0244】
同時投与され得るリンパ球活性化3(LAG-3、CD223)の阻害剤の例としては、レラトリマブ(ONO-4482)、LAG-525、MK-4280、REGN-3767、INCAGN2385、TSR-033、MGD-013(PD-1/LAG-3)、及びFS-118(LAG-3/PD-L1)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0245】
リリルマブ(IPH-2102)、IPH-4102などの、抗キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1;KIR;NCBI遺伝子ID:3811)モノクローナル抗体の例。
【0246】
同時投与され得る抗NKG2aの例としては、モナリズマブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0247】
同時投与され得る抗V-set免疫調節受容体(VSIR、B7H5、VISTA)抗体の例としては、HMBD-002、及びCA-170(PD-L1/VISTA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0248】
同時投与され得る抗CD70抗体の例としては、AMG-172が挙げられるが、これらに限定されない。
【0249】
同時投与され得る抗ICOS抗体の例としては、JTX-2011、GSK3359609が挙げられるが、これらに限定されない。
【0250】
同時投与され得る抗ICOSアゴニストの例としては、ICOS-L.COMP(Gariepy,J.et al.106th Annu Meet Am Assoc Immunologists(AAI)(May 9-13,San Diego)2019,Abst 71.5)が挙げられるが、これらに限定されない。
免疫チェックポイント阻害剤
【0251】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、又はCTLA4のタンパク質性(例えば、抗体若しくはその断片、又は抗体ミメティック)阻害剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、又はCTLA4の小有機分子阻害剤を含む。
【0252】
同時投与され得るCTLA4の阻害剤の例としては、イピリムマブ、トレメリムマブ、BMS-986218、AGEN1181、AGEN1884、BMS-986249、MK-1308、REGN-4659、ADU-1604、CS-1002、BCD-145、APL-509、JS-007、BA-3071、ONC-392、AGEN-2041、JHL-1155、KN-044、CG-0161、ATOR-1144、PBI-5D3H5、BPI-002、HBM-4003、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、及びAK-104(CTLA4/PD-1)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0253】
同時投与され得るPD-L1(CD274)又はPD-1(PDCD1)の阻害剤/抗体の例としては、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ピディリズマブ、AMG-404、AMP-224、MEDI0680(AMP-514)、スパルタリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、CK-301、PF-06801591、BGB-A317(ティスレリズマブ)、GEN-1046(PD-L1/4-1BB)、GLS-010(WBP-3055)、AK-103(HX-008)、AK-105、CS-1003、HLX-10、MGA-012、BI-754091、AGEN-2034、JS-001(トリパリマブ)、JNJ-63723283、genolimzumab(CBT-501)、LZM-009、BCD-100、LY-3300054、SHR-1201、SHR-1210(camrelizumab)、Sym-021、ABBV-181、PD1-PIK、BAT-1306、(MSB0010718C)、CX-072、CBT-502、TSR-042(ドスタルマブ)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155、KN-035、IBI-308(シンチリマブ)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、MDX1105-01、GS-4224、GS-4416、INCB086550、MAX10181、並びに、多特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、RO-7247669(PD-1/LAG-3)、FS-118(LAG-3/PD-L1)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、AK-104(CTLA4/PD-1)、M7824(PD-L1/TGFβ-ECドメイン)、CA-170(PD-L1/VISTA)、CDX-527(CD27/PD-L1)、LY-3415244(TIM-3/PDL1)、RG7769(PD-1/TIM-3)、及びINBRX-105(4-1BB/PDL1)、GNS-1480(PD-L1/EGFR)、RG-7446(Tecentriq、アテゾリズマブ)、ABBV-181、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標)、BMS-936558、MDX-1106)、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標)、MK-3477、SCH-900475、ランブロリズマブ、CAS登録番号1374853-91-4)、ピディリズマブ、PF-06801591、BGB-A317(ティスレリズマブ)、GLS-010(WBP-3055)、AK-103(HX-008)、CS-1003、HLX-10、MGA-012、BI-754091、REGN-2810(セミプリマブ)、AGEN-2034、JS-001(トリパリマブ)、JNJ-63723283、genolimzumab(CBT-501)、LZM-009、BCD-100、LY-3300054、SHR-1201、SHR-1210(camrelizumab)、Sym-021、ABBV-181、AK-105、PD1-PIK、BAT-1306、BMS-936559、アテゾリズマブ(MPDL3280A)、デュルバルマブ(MEDI-4736)、アベルマブ、CK-301、(MSB0010718C)、MEDI-0680、CX-072、CBT-502、PDR-001(スパルタリズマブ)、PDR001+Tafinlar(登録商標)+Mekinist(登録商標)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155、KN-035、IBI-308(シンチリマブ)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、MDX1105-01、及びthose described、例えば、国際公開第2018/195321号、同第2020/014643号、同第2019/160882号、及び同第2018/195321号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0254】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤は、MCL1アポトーシス調節因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1、TM、EAT、MCL1L、MCL1S、Mcl-1、BCL2L3、MCL1-ES、bcl2-L-3、mcl1/EAT、NCBI遺伝子ID:4170)の阻害剤と組み合わされる。MCL1阻害剤の例としては、AMG-176、AMG-397、S-64315、及びAZD-5991、483-LM、A-1210477、UMI-77、JKY-5-037、並びに国際公開第2018183418号、同第2016033486号、同第2017147410号に記載されたものが挙げられる。
Toll様受容体(TLR)アゴニスト
【0255】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、Toll様受容体(TLR)のアゴニスト、例えば、TLR1(NCBI遺伝子ID:7096)、TLR2(NCBI遺伝子ID:7097)、TLR3(NCBI遺伝子ID:7098)、TLR4(NCBI遺伝子ID:7099)、TLR5(NCBI遺伝子ID:7100)、TLR6(NCBI遺伝子ID:10333)、TLR7(NCBI遺伝子ID:51284)、TLR8(NCBI遺伝子ID:51311)、TLR9(NCBI遺伝子ID:54106)、及び/又はTLR10(NCBI遺伝子ID:81793)のアゴニストと組み合わされる。同時投与され得るTLR7アゴニストの例としては、DS-0509、GS-9620、LHC-165、TMX-101(イミキモド)、GSK-2245035、レシキモド、DSR-6434、DSP-3025、IMO-4200、MCT-465、MEDI-9197、3M-051、SB-9922、3M-052、Limtop、TMX-30X、TMX-202、RG-7863、RG-7795、並びに米国特許出願公開第20100143301号(Gilead Sciences)、同第20110098248号(Gilead Sciences)、及び同第20090047249号(Gilead Sciences)、同第20140045849号(Janssen)、同第20140073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、同第2014/076221号(Janssen)、同第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第20140350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第20080234251号(Array Biopharma)、同第20080306050号(Array Biopharma)、同第20100029585号(Ventirx Pharma)、同第20110092485号(Ventirx Pharma)、同第20110118235号(Ventirx Pharma)、同第20120082658号(Ventirx Pharma)、同第20120219615号(Ventirx Pharma)、同第20140066432号(Ventirx Pharma)、同第20140088085号(Ventirx Pharma)、同第20140275167号(Novira Therapeutics)、及び同第20130251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得るTLR7/TLR8アゴニストは、NKTR-262である。同時投与され得るTLR8アゴニストの例としては、E-6887、IMO-4200、IMO-8400、IMO-9200、MCT-465、MEDI-9197、モトリモド、レシキモド、GS-9688、VTX-1463、VTX-763、3M-051、3M-052、並びに米国特許出願公開第20140045849号(Janssen)、同第20140073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、同第2014/076221号(Janssen)、同第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第20140350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第20080234251号(Array Biopharma)、同第20080306050号(Array Biopharma)、同第20100029585号(Ventirx Pharma)、同第20110092485号(Ventirx Pharma)、同第20110118235号(Ventirx Pharma)、同第20120082658号(Ventirx Pharma)、同第20120219615号(Ventirx Pharma)、同第20140066432号(Ventirx Pharma)、同第20140088085号(Ventirx Pharma)、同第20140275167号(Novira Therapeutics)、及び同第20130251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る例示的なTLR9アゴニストとしては、AST-008、CMP-001、IMO-2055、IMO-2125、リテニモド、MGN-1601、BB-001、BB-006、IMO-3100、IMO-8400、IR-103、IMO-9200、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、DV-1179、AZD-1419、レフトリモド(leftolimod)(MGN-1703)、CYT-003、CYT-003-QbG10、及びPUL-042が挙げられるが、これらに限定されない。TLR3アゴニストの例としては、リンタトリモド、ポリ-ICLC、RIBOXXON(登録商標)、Apoxxim、RIBOXXIM(登録商標)、IPH-33、MCT-465、MCT-475、及びND-1.1が挙げられる。
【0256】
TLR8阻害剤の例としては、E-6887、IMO-8400、IMO-9200及びVTX-763が挙げられるが、これらに限定されない。
【0257】
TLR8アゴニストの例としては、MCT-465、モトリモド、GS-9688及びVTX-1463が挙げられるが、これらに限定されない。
【0258】
TLR9阻害剤の例としては、AST-008、IMO-2055、IMO-2125、lefitolimod、litenimod、MGN-1601及びPUL-042が挙げられるが、これらに限定されない。
【0259】
NKTR-262、IMO-4200、MEDI-9197(telratolimod)、レシキモドなどのTLR7/TLR8アゴニストの例;
【0260】
TLRアゴニストの例としては、lefitolimod、チルソトリモド、リンタトリモド、DSP-0509、AL-034、G-100、コビトリモド、AST-008、モトリモド、GSK-1795091、GSK-2245035、VTX-1463、GS-9688、LHC-165、BDB-001、RG-7854、telratolimodが挙げられるが、これらに限定されない。
【0261】
いくつかの実施形態では、治療薬は、インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING)である。いくつかの実施形態では、STING受容体アゴニスト又は活性化剤は、ADU-S100(MIW-815)、SB-11285、MK-1454、SR-8291、AdVCA0848、GSK-532、SYN-STING、MSA-1、SR-8291、5,6-ジメチルキサンテノン-4-酢酸(DMXAA)、サイクリックGAMP(cGAMP)、及びサイクリックジAMPからなる群から選択される。
TCRシグナル伝達調節因子
【0262】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、T細胞受容体(TCR)シグナル伝達調節因子の1つ以上のアゴニスト又はアンタゴニストと組み合わされる。TCRを介したT細胞の活性化は、胸腺細胞の発生及びエフェクターT細胞の機能に不可欠である。TCR活性化は、サイトカイン産生、細胞生存、増殖、及び分化を調節することによって細胞の運命を最終的に決定するシグナル伝達カスケードを促進する。TCRシグナル伝達調節因子の例には、CD2(表面抗原分類2、LFA-2、T11、LFA-3受容体)、CD3(表面抗原分類3)、CD4(表面抗原分類4)、CD8(表面抗原分類8)、CD28(表面抗原分類28)、CD45(PTPRC、B220、GP180)、LAT(T細胞の活性化のためのリンカー、LAT1)、Lck、LFA-1(ITGB2、CD18、LAD、LCAMB)、Src、Zap-70、SLP-76、DGKα、CBL-b、CISH、HPK1が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る表面抗原分類3(CD3)のアゴニストの例としては、MGD015が挙げられるが、これらに限定されない。
【0263】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、阻害性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤と、及び/又は1つ以上の刺激性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の刺激物質、活性化剤、又はアゴニストと、組み合わされる。阻害性免疫チェックポイントの遮断又は阻害は、T細胞又はNK細胞活性化を積極的に調節し、腫瘍環境内のがん細胞の免疫逃避を防止することができる。刺激性免疫チェックポイントの活性化又は刺激は、がん治療における免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強することができる。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、T細胞応答を調節する(例えば、Xuら、「J Exp Clin Cancer Res.」(2018年)第37巻第110頁)。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、NK細胞応答を調節する(例えば、Davis,et al.,Semin Immunol.(2017)31:64-75及びChiossone,et al.,Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688に概説される)。
【0264】
免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CD27、CD70;CD40、CD40LG;CD47、CD48(SLAMF2)、膜貫通ドメイン及び免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2、CD28H)、CD84(LY9B、SLAMF5)、CD96、CD160、MS4A1(CD20)、CD244(SLAMF4);CD276(B7H3);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、B7H5、VISTA);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3);ナチュラルキラー細胞傷害性受容体3リガンド1(NCR3LG1、B7H6);HERV-H LTR関連2(HHLA2、B7H7);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L);TNFRSF8(CD30)、TNFSF8(CD30L);TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1)、TNFRSF9(CD137)、TNFSF9(CD137L);TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2)、TNFRSF10(TRAIL);TNFRSF14(HVEM、CD270)、TNFSF14(HVEML);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA));TNFRSF17(BCMA、CD269)、TNFSF13B(BAFF);TNFRSF18(GITR)、TNFSF18(GITRL);MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA);MHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB);CD274(PDL1、PD-L1);プログラム細胞死1(PDCD1、PD-1、PD-1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152);CD80(B7-1)、CD28;ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112);CD226(DNAM-1);ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有4(TIMD4;TIM4);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM-3);ガレクチン9(LGALS9);リンパ球活性化3(LAG-3、CD223);シグナル伝達リンパ球活性化分子ファミリーメンバー1(SLAMF1、SLAM、CD150);リンパ球抗原9(LY9、CD229、SLAMF3);SLAMファミリーメンバー6(SLAMF6、CD352);SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7、CD319);UL16結合タンパク質1(ULBP1);UL16結合タンパク質2(ULBP2);UL16結合タンパク質3(ULBP3);レチノイン酸初期転写物1E(RAET1E;ULBP4);レチノイン酸初期転写物1G(RAET1G;ULBP5);レチノイン酸初期転写物1L(RAET1L;ULBP6);リンパ球活性化3(CD223);キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR);キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314);キラー細胞レクチン様受容体C2(KLRC2、CD159c、NKG2C);キラー細胞レクチン様受容体C3(KLRC3、NKG2E);キラー細胞レクチン様受容体C4(KLRC4、NKG2F);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1。
【0265】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤と組み合わされる。例示的なT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CD274(PDL1、PD-L1);プログラム細胞死1リガンド2(PDCD1LG2、PD-L2、CD273);プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152);CD276(B7H3);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、B7H5、VISTA);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3);TNFRSF14(HVEM、CD270)、TNFSF14(HVEML);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA));PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);リンパ球活性化3(LAG-3、CD223);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM-3);ガレクチン9(LGALS9);キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);並びに、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1)。様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化剤と組み合わされる。例示的なT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、以下を含むが、これらに限定されない:CD27、CD70;CD40、CD40LG;誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L);TNFRSF9(CD137)、TNFSF9(CD137L);TNFRSF18(GITR)、TNFSF18(GITRL);CD80(B7-1)、CD28;ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112);CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4)、ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155)。例えば、Xu,et al.,J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110を参照されたい。
【0266】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤と組み合わされる。例示的なNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A);並びに、キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1、CD94)。
【0267】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化剤と組み合わされる。例示的なNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、以下を含むが、これらに限定されない:CD16、CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314);SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7)。例えば、Davis,et al.,Semin Immunol.(2017)31:64-75、Fang,et al.,Semin Immunol.(2017)31:37-54、及びChiossone,et al.,Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688を参照されたい。
アデノシン生成及びシグナル伝達
【0268】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、A1R、A2AR、A2BR、A3R、CD73、CD39、CD26のアゴニスト又はアンタゴニスト、例えば、ナモデノソン(CF102)などのアデノシンA3受容体(A3R)アゴニスト;AB928などのA2aR/A2bRアンタゴニスト;MEDI-9447(オレクルマブ)、CPX-006、IPH-53、BMS-986179、NZV-930、CPI-006などの抗CD73抗体;AB-680、PSB-12379、PSB-12441、PSB-12425、CB-708、及び国際公開第19173692号に記載されるものなどのCD73阻害剤;PBF-1662などのCD39/CD73阻害剤;TTX-030などの抗CD39抗体;CPI-444、AZD-4635、プレラデナント、PBF-509などのアデノシンA2A受容体アンタゴニスト;並びに、ペントスタチン、クラドリビンなどのアデノシンデアミナーゼ阻害剤と組み合わされる。
二重特異性T細胞誘導因子(Bi-Specific T-Cell Engager)
【0269】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、二重特異性T細胞誘導因子(例えば、Fcを有しない)、又は抗CD3二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)と組み合わされる。同時投与され得る例示的な抗CD3二重特異的抗体又はBiTEとしては、AMG-160(PSMA/CD3)、AMG-212(PSMA/CD3)、AMG-330(CD33/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、AMG-427(FLT3/CD3)、AMG-562(CD19/CD3)、AMG-596(EGFRvIII/CD3)、AMG-701(BCMA/CD3)、AMG-757(DLL3/CD3)、JNJ-64052781(CD19/CD3)、AMG-211(CEA/CD3)、BLINCYTO(登録商標)(CD19/CD3)、RG7802(CEA/CD3)、ERY-974(CD3/GPC3)、huGD2-BsAb(CD3/GD2)、PF-06671008(カドヘリン/CD3)、APVO436(CD123/CD3)、ERY974、フロテツズマブ(CD123/CD3)、GEM333(CD3/CD33)、GEMoab(CD3/PSCA)、REGN-1979(CD20/CD3)、REGN-5678(PSMA/CD28)、MCLA-117(CD3/CLEC12A)、JNJ-0819、JNJ-7564(CD3/ヘム)、JNJ-63709178(CD123/CD3)、MGD-007(CD3/gpA33)、MGD-009(CD3/B7H3)、IMCgp100(CD3/gp100)、XmAb-14045(CD123/CD3)、XmAb-13676(CD3/CD20)、XmAb-18087(SSTR2/CD3)、カツマキソマブ(CD3/EpCAM)、REGN-4018(MUC16/CD3)、RG6026、RG6076、RG6194、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、GRB-1302(CD3/Erbb2)、GRB-1342(CD38/CD3)、PF-06863135(BCMA/CD3)、SAR440234(CD3/CDw123)が挙げられる。必要に応じて、抗CD3結合二重特異性分子は、Fcを有してもよく、又は有しなくてもよい。同時投与され得る例示的な二重特異性T細胞誘導因子は、CD3及び本明細書に記載の腫瘍関連抗原(例えば、CD19(例えば、ブリナツモマブ);CD33(例えば、AMG330);CEA(例えば、MEDI-565);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)が含まれる)を標的とする(Gohilら、「Oncoimmunology.」(2017年5月17日);6(7):e1326437);PD-L1(Hornら、「Oncotarget.」(2017年8月3日);8(35):第57964~57980頁);並びに、EGFRvIII(Yangら、「Cancer Lett.」(2017年9月10日);第403巻:第224~230頁)。
二重及び三重特異性ナチュラルキラー(NK)細胞誘導因子
【0270】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、二重特異性NK細胞誘導因子(bi-specific NK-cell engager:BiKE)若しくは三重特異性NK細胞誘導因子(tri-specific NK-cell engager:TriKE)(例えば、Fcを有しない)、又はNK細胞活性化受容体に対する二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)、例えば、CD16A、C型レクチン受容体(CD94/NKG2C、NKG2D、NKG2E/H、及びNKG2F)、自然細胞傷害性受容体(NKp30、NKp44、及びNKp46)、キラー細胞C型レクチン様受容体(NKp65、NKp80)、Fc受容体FcγR(抗体依存性細胞傷害を媒介)、SLAMファミリー受容体(例えば、2B4、SLAM6、及びSLAM7)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)(KIR-2DS、及びKIR-3DS)、DNAM-1、並びにCD137(41BB)と組み合わされる。同時投与され得る例示的な抗CD16二重特異性抗体、BiKE、又はTriKEとしては、AFM26(BCMA/CD16A)及びAFM-13(CD16/CD30)が挙げられる。必要に応じて、抗CD16結合二重特異性分子は、Fcを有してもよく、又は有しなくてもよい。同時投与され得る例示的な二重特異性NK細胞誘導因子は、CD16及び本明細書に記載の1つ以上の腫瘍関連抗原(例えば、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD123、EGFR、EpCAM、ガングリオシドGD2、HER2/neu、HLAクラスII、及びFOLR1が含まれる)を標的とする。BiKE及びTriKEについては、例えば、Felicesら、「Methods Mol Biol.」(2016年)第1441巻:第333~346頁;Fangら、「Semin Immunol.」(2017年)第31巻第37~54頁を参照されたい。
造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)阻害剤
【0271】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP4K1、HPK1;NCBI遺伝子ID:11184)の阻害剤と組み合わされる。造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)の阻害剤の例としては、国際公開第2018183956号、同第2018183964号、同第2018167147号、同第2018183964号、同第2016205942号、同第2018049214号、同第2018049200号、同第2018049191号、同第2018102366号、同第2018049152号、同第2020092528号、同第2020092621号、及び同第2016090300号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)阻害剤
【0272】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ASK阻害剤、例えば、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5;ASK1、MAPKKK5、MEKK5;NCBI遺伝子ID:4217)の阻害剤と組み合わされる。ASK1阻害剤の例としては、国際公開第2011/008709号(Gilead Sciences)及び同第2013/112741号(Gilead Sciences)に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤
【0273】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK、AGMX1、AT、ATK、BPK、IGHD3、IMD1、PSCTK1、XLA;NCBI遺伝子ID:695)の阻害剤と組み合わされる。BTK阻害剤の例としては、(S)-6-アミノ-9-(1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イル)-7-(4-フェノキシフェニル)-7H-プリン-8(9H)-オン、アカラブルチニブ(ACP-196)、BGB-3111、CB988、HM71224、イブルチニブ(Imbruvica)、M-2951(エボブルチニブ)、M7583、チラブルチニブ(ONO-4059)、PRN-1008、スペブルチニブ(CC-292)、TAK-020、ベカブルチニブ、ARQ-531、SHR-1459、DTRMWXHS-12、TAS-5315、Calquence+AZD6738、Calquence+danvatirsenが挙げられるが、これらに限定されない。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤
【0274】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1、CDC2;pCDC28A;P34CDC2;NCBI遺伝子ID:983);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2、CDKN2;p33(CDK2);NCBI遺伝子ID:1017);サイクリン依存性キナーゼ3(CDK3;NCBI遺伝子ID:1018);サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4、CMM3;PSK-J3;NCBI遺伝子ID:1019);サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6、MCPH12;PLSTIRE;NCBI遺伝子ID:1021);サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7、CAK;CAK1;HCAK;MO15;STK1;CDKN7;p39MO15;NCBI遺伝子ID:1022);サイクリン依存性キナーゼ9(CDK9、TAK;C-2k;CTK1;CDC2L4;PITALRE;NCBI遺伝子ID:1025)の阻害剤と組み合わされる。CDK1、2、3、4、6、7、及び/又は9の阻害剤としては、アベマシクリブ、アルボシジブ(HMR-1275、フラボピリドール)、AT-7519、ジナシクリブ、イブランセ、FLX-925、LEE001、パルボシクリブ、リボシクリブ、リゴセルチブ、セリネクソル、UCN-01、SY1365、CT-7001、SY-1365、G1T38、ミリシクリブ、トリラシクリブ、PF-06873600、AZD4573、及びTG-02が挙げられるが、これらに限定されない。
ジスコイジンドメイン受容体(DDR)阻害剤
【0275】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ1(DDR1、CAK、CD167、DDR、EDDR1、HGK2、MCK10、NEP、NTRK4、PTK3、PTK3A、RTK6、TRKE;NCBI遺伝子ID:780);及び/又はジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ2(DDR2、MIG20a、NTRKR3、TKT、TYRO10、WRCN;NCBI遺伝子ID:4921)の阻害剤と組み合わされる。DDR阻害剤の例としては、ダサチニブ、並びに国際公開第2014/047624号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2009-0142345号(Takeda Pharmaceutical)、同第2011-0287011号(Oncomed Pharmaceuticals)、国際公開第2013/027802号(Chugai Pharmaceutical)、及び同第2013/034933号(Imperial Innovations)に開示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤
【0276】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ヒストンデアセチラーゼ、例えば、ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9、HD7、HD7b、HD9、HDAC、HDAC7、HDAC7B、HDAC9B、HDAC9FL、HDRP、MITR;遺伝子ID:9734)の阻害剤と組み合わされる。HDAC阻害剤の例としては、アベキシノスタット、ACY-241、AR-42、BEBT-908、ベリノスタット、CKD-581、CS-055(HBI-8000)、CUDC-907(フィメピノスタット)、エンチノスタット、モセチノスタット、パノビノスタット、プラシノスタット、キシノスタット(JNJ-26481585)、レスミノスタット、リコリノスタット、ロミデプシン、SHP-141、TMB-ADC、バルプロ酸(VAL-001)、ボリノスタット、チノスタムスチン、レメチノスタット、エンチノスタット、ロミデプシン、ツシジノスタットが挙げられるが、これらに限定されない。
インドレアミン-ピロール-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)阻害剤;
【0277】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1、NCBI遺伝子ID:3620)の阻害剤と組み合わされる。IDO1阻害剤の例としては、BLV-0801、エパカドスタット、F-001287、GBV-1012、GBV-1028、GDC-0919、インドキシモッド、NKTR-218、NLG-919系ワクチン、PF-06840003、ピラノナフトキノン誘導体(SN-35837)、レスミノスタット、SBLK-200802、BMS-986205、及びshIDO-ST、EOS-200271、KHK-2455、LY-3381916が挙げられるが、これらに限定されない。
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
【0278】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ヤヌスキナーゼ1(JAK1、JAK1A、JAK1B、JTK3;NCBI遺伝子ID:3716);ヤヌスキナーゼ2(JAK2、JTK10、THCYT3;NCBI遺伝子ID:3717);及び/又は、ヤヌスキナーゼ3(JAK3、JAK-3、JAK3_HUMAN、JAKL、L-JAK、LJAK;NCBI遺伝子ID:3718)の阻害剤と組み合わされる。JAK阻害剤の例としては、AT9283、AZD1480、バリシチニブ、BMS-911543、フェドラチニブ、フィルゴチニブ(GLPG0634)、ガンドチニブ(LY2784544)、INCB039110(イタシチニブ)、レスタウルチニブ、モメロチニブ(CYT0387)、NS-018、パクリチニブ(SB1518)、ペフィシチニブ(ASP015K)、ルキソリチニブ、トファシチニブ(旧タソシチニブ)、INCB052793、及びXL019が挙げられるが、これらに限定されない。
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤
【0279】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、マトリックスメタロペプチダーゼ(MMP)の阻害剤、例えば、MMP1(NCBI遺伝子ID:4312)、MMP2(NCBI遺伝子ID:4313)、MMP3(NCBI遺伝子ID:4314)、MMP7(NCBI遺伝子ID:4316)、MMP8(NCBI遺伝子ID:4317)、MMP9(NCBI遺伝子ID:4318);MMP10(NCBI遺伝子ID:4319);MMP11(NCBI遺伝子ID:4320);MMP12(NCBI遺伝子ID:4321)、MMP13(NCBI遺伝子ID:4322)、MMP14(NCBI遺伝子ID:4323)、MMP15(NCBI遺伝子ID:4324)、MMP16(NCBI遺伝子ID:4325)、MMP17(NCBI遺伝子ID:4326)、MMP19(NCBI遺伝子ID:4327)、MMP20(NCBI遺伝子ID:9313)、MMP21(NCBI遺伝子ID:118856)、MMP24(NCBI遺伝子ID:10893)、MMP25(NCBI遺伝子ID:64386)、MMP26(NCBI遺伝子ID:56547)、MMP27(NCBI遺伝子ID:64066)、及び/又はMMP28(NCBI遺伝子ID:79148)の阻害剤と組み合わされる。MMP9阻害剤の例としては、マリマスタット(BB-2516)、シペマスタット(Ro 32-3555)、GS-5745(アンデカリキシマブ)、及び国際公開第2012/027721号(Gilead Biologics)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
RAS及びRAS経路阻害剤
【0280】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、KRAS癌原遺伝子、GTPアーゼ(KRAS;別名、NS;NS3;CFC2;RALD;K-Ras;KRAS1;KRAS2;RASK2;KI-RAS;C-K-RAS;-RAS2A;K-RAS2B;K-RAS4A;K-RAS4B;c-Ki-ras2; NCBI遺伝子ID:3845);NRASがん原遺伝子、GTPアーゼ(NRAS;別名、NS6;CMNS;NCMS;ALPS4;N-ras;NRAS1;NCBI遺伝子ID:4893);HRasがん原遺伝子、GTPアーゼ(HRAS;別名、CTLO;KRAS;HAMSV;HRAS1;KRAS2;RASH1;RASK2;Ki-Ras;p21ras;C-H-RAS;c-K-ras;H-RASIDX;c-Ki-ras C-BAS/HAS;C-HA-RAS1;NCBI遺伝子ID:3265);の阻害剤と組み合わされる。Ras阻害剤は、ポリヌクレオチド(例えば、転写阻害剤)レベル又はポリペプチド(例えば、GTPアーゼ酵素阻害剤)レベルのいずれかで、Rasを阻害することができる。いくつかの実施形態では、阻害剤は、Ras経路における1つ以上のタンパク質を標的とし、例えば、EGFR、Ras、Raf(A-Raf、B-Raf、C-Raf)、MEK(MEK1、MEK2)、ERK、PI3K、AKT、及びmTORのうちの1つ以上を阻害する。
【0281】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、KRASの阻害剤と組み合わされる。KRAS阻害剤の例としては、KRpep-2(Ac-RRCPLYISYDPVCRR-NH2)(配列番号167)及びKRpep-2d(Ac-RRRRCPLYISYDPVCRRRR-NH2)(配列番号168)を含む、AMG-510、COTI-219、MRTX-1257、ARS-3248、ARS-853、WDB-178、BI-3406、BI-1701963、ARS-1620(G12C)、SML-8-73-1(G12C)、化合物3144(G12D)、Kobe0065/2602(RasGTP)、RT11、MRTX-849(G12C)及びK-Ras(G12D)選択的阻害性ペプチドが挙げられる。
【0282】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、KRAS mRNAの阻害剤と組み合わされる。例示的なKRASmRNA阻害剤としては、抗KRAS U1アダプタ、AZD-4785、siG12D-LODER(商標)、及びsiG12Dエキソソームが挙げられる。
【0283】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、MEKの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なMEK阻害剤としては、ビニメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、RG-7304、セルメチニブ、トラメチニブ、及びセルメチニブが挙げられる。
【0284】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、AKTの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なAKT阻害剤としては、RG7440、MK-2206、イパタセルチブ、アフレセルチブ、AZD5363、及びARQ-092、カピバセルチブ、トリシリビン、ABTL-0812(PI3K/Akt/mTOR)が挙げられる。
【0285】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、Rafの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なRaf阻害剤、BGB-283(Raf/EGFR)、HM-95573、LXH-254、LY-3009120、RG7304、TAK-580、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ(LGX818)、PLX8394。RAF-265(Raf/VEGFR)、ASN-003(Raf/PI3K)。
【0286】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ERKの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なERK阻害剤としては、LTT-462、LY-3214996、MK-8353、ラボセルチニブ、GDC-0994、及びウリキセルチニブが挙げられる。
【0287】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、PI3Kの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なPI3K阻害剤としては、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、アルペリシブ、ブパルリシブ、ピチリシブ、エガネリシブ(IPI-549)が挙げられる。同時投与され得る例示的なPI3K/mTOR阻害剤としては、ダクトリシブ、オミパリシブ、ボクスタリシブ、ゲダトリシブ、GSK2141795、RG6114が挙げられる。
【0288】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、mTORの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なmTOR阻害剤としては、サパニセルチブ、ビスツセルチブ(AZD2014)、ME-344、シロリムス(経口ナノ非晶質製剤、癌)、TYME-88(mTOR/シトクロムP450 3A4)が挙げられる。
【0289】
ある特定の実施形態では、CDKN2A変異を有するRas駆動がん(例えば、NSCLC)は、MEK阻害剤セルメチニブとCDK4/6阻害剤パルボシクリブとの同時投与によって阻害され得る。例えば、Zhouら、「Cancer Lett.」(2017年11月1日);408:130-137を参照されたい。また、K-RAS及び変異体N-RASは、不可逆性ERBB1/2/4阻害剤ネラチニブによって減少させることができる。例えば、Boothら、「Cancer Biol Ther.」(2018年2月1日);19(2):132-137を参照されたい。
【0290】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、RASの阻害剤と組み合わされる。RAS阻害剤の例として、NEO-100、リゴサチブが挙げられる;
【0291】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、AMG-595、ネシツムマブ、ABBV-221、デパツキシズマブマホドチン(ABT-414)、トムゾツキシマブ、ABT-806、ベクティビックス、モドツキシマブ、RM-1929などのEGFRのアンタゴニストと組み合わされる。
【0292】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、タンパク質チロシンホスファターゼ非受容体タイプ11(PTPN11;BPTP3、CFC、JMML、METCDS、NS1、PTP-1D、PTP2C、SH-PTP2、SH-PTP3、SHP2;NCBI遺伝子ID:5781)の阻害剤と組み合わされる。SHP2阻害剤の例としては、TNO155(SHP-099)、RMC-4550、JAB-3068、RMC-4630、SAR442720、並びに国際公開第2018172984号及び同第2017211303号に記載されているものが挙げられる。
【0293】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ7(MAP2K7、JNKK2、MAPKK7、MEK、MEK 7、MKK7、PRKMK7、SAPKK-4、SAPKK4;NCBI遺伝子ID:5609)の阻害剤と組み合わされる。MEK阻害剤の例としては、アントロキノノール、ビニメチニブ、CK-127、コビメチニブ(GDC-0973、XL-518)、MT-144、セルメチニブ(AZD6244)、ソラフェニブ、トラメチニブ(GSK1120212)、ウプロセチブ+トラメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、LTT462、AS703988、CC-90003、レファメチニブ、TAK-733、CI-1040、RG7421が挙げられる。
【0294】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニット、例えば、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットα(PIK3CA、CLAPO、CLOVE、CWS5、MCAP、MCM、MCMTC、PI3K、PI3K-α、p110-α;NCBI遺伝子ID:5290);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットβ(PIK3CB、P110BETA、PI3K、PI3KBETA、PIK3C1;NCBI遺伝子ID:5291);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットγ(PIK3CG、PI3CG、PI3K、PI3Kγ、PIK3、p110γ、p120-PI3K;遺伝子ID:5494);及び/又は、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットδ(PIK3CD、APDS、IMD14、P110DELTA、PI3K、p110D、NCBI遺伝子ID:5293)の阻害剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、pan-PI3K阻害剤である。PI3K阻害剤の例としては、ACP-319、AEZA-129、AMG-319、AS252424、AZD8186、BAY 1082439、BEZ235、ビミラリシブ(PQR309)、ブパリシブ(BKM120)、BYL719(アルペリシブ)、カルボキシアミドトリアゾールオロテート(CTO)、CH5132799、CLR-457、CLR-1401、コパンリシブ(BAY 80-6946)、DS-7423、ダクトリシブ、デュベリシブ(IPI-145)、フィメピノスタット(CUDC-907)、ゲダトリシブ(PF-05212384)、GDC-0032、GDC-0084(RG7666)、GDC-0077、ピクチリシブ(GDC-0941)、GDC-0980、GSK2636771、GSK2269577、GSK2141795、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、INCB040093、INCB50465、IPI-443、IPI-549、KAR4141、LY294002、LY3023414、NERLYNX(登録商標)(ネラチニブ)、ネミラリシブ(GSK2269557)、オミパリシブ(GSK2126458、GSK458)、OXY111A、パヌリシブ(P7170、AK151761)、PA799、ペリフォシン(KRX-0401)、ピララリシブ(SAR245408;XL147)、メシル酸プキチニブ(XC-302)、SAR260301、セレタリシブ(UCB-5857)、セラベリシブ(INK-1117、MLN-1117、TAK-117)、SF1126、ソノリシブ(PX-866)、RG6114、RG7604、リゴセルチブナトリウム(ON-01910ナトリウム)、RP5090、テナリシブ(RP6530)、RV-1729、SRX3177、タセリシブ、TG100115、ウムブラリシブ(TGR-1202)、TGX221、ボクスタリシブ(SAR245409)、VS-5584、WX-037、X-339、X-414、XL499、XL756、ウォルトマンニン、ZSTK474、並びに国際公開第2005/113556号(ICOS)、同第2013/052699号(Gilead Calistoga)、同第2013/116562号(Gilead Calistoga)、同第2014/100765号(Gilead Calistoga)、同第2014/100767号(Gilead Calistoga)、及び同第2014/201409号(Gilead Sciences)に開示されている化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害剤
【0295】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、脾臓関連チロシンキナーゼ(SYK、p72-Syk、NCBI遺伝子ID:6850)の阻害剤と組み合わされる。SYK阻害剤の例としては、6-(1H-インダゾール-6-イル)-N-(4-モルホリノフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-アミン、BAY-61-3606、セルドゥラチニブ(PRT-062607)、エンストプレチニブ、フォスタマチニブ(R788)、HMPL-523、NVP-QAB 205 AA、R112、R343、タマチニブ(R406)、及び米国特許第8450321号(Gilead Connecticut)に記載されているもの、及び米国特許出願公開第2015/0175616号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)
【0296】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と組み合わされる。TKIは、上皮成長因子受容体(EGFR)並びに線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び血管内皮成長因子(VEGF)の受容体を標的にし得る。TKIの例としては、アキシチニブ、アファチニブ、ARQ-087(デラザンチニブ)、asp5878、AZD3759、AZD4547、ブスチニブ、ブリガチニブ、カボザンチニブ、セジラニブ、クレノラニブ、ダコミチニブ、ダサチニブ、ドビチニブ、E-6201、エルダフィチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ(ASP-2215)、FP-1039、HM61713、イコチニブ、イマチニブ、KX2-391(Src)、ラパチニブ、レスタウルチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、ニンテダニブ、ODM-203、オルムチニブ、オシメルチニブ(AZD-9291)、パゾパニブ、ポナチニブ、ポジオチニブ、キザルチニブ、ラドチニブ、ロシレチニブ、スルファチニブ(HMPL-012)、スニチニブ、ファミチニブ、L-リンゴ酸、(MAC-4)、ティボアニブ、TH-4000、tivoanib、及びMEDI-575(抗PDGFR抗体)、TAK-659、カボザンチニブが挙げられるが、これらに限定されない。
化学療法剤(標準治療)
【0297】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、化学療法剤又は抗新生物剤と組み合わされる。
【0298】
本明細書で使用する場合、「化学療法剤」又は「化学療法薬」(又は化学療法剤で治療する場合の「化学療法」)という用語は、がんの治療において有用な任意の非タンパク質性(例えば、非ペプチド性)化学化合物を包含することを意味する。化学療法剤の例には、限定されないが、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾデパ、カルボクオン、メチュレデパ、及びウレデパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメミロロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン、例えばブラタシン及びブラタシノン;合成類似体トポテカンを含むカンプトテシン;ブリオスタチン、カリスタチン;アドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含むCC-1065;クリプトフィシン、特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8;ドラスタチン;合成類似体KW-2189及びCBI-TMIを含むデュオカルマイシン;エリュテロビン;5-アザシチジン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、グルホスファミド、エボホスファミド、ベンダムスチン、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロルエタミンオキサイド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォレムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質(例えば、カルシフェマイシン、特にカリケアマイシンγII及びカリケアマイシンphiI1)、ジネマイシンAを含むジネマイシン、クロドロネートなどのビスホスホネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連するクロモタンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マーセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、及びゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デモプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;クラドリビン、ペントスタチン、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、及びチオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジンなどのピリミジン類似体、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストトラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎薬;フロリン酸などの葉酸補充剤;ラジウム-223、177-Lu-PSMA-617などの放射線治療薬、トリコテセン類、特にT-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、アブラキサン、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))、カバジタキセル、BIND-014、テセタキセルなどのタキソイド;シスプラチン及びカルボプラチン、NC-6004ナノプラチンなどのプラチナ類似体;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ヘストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルホルムチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロイコボリン;ロニダミン;メイタンシン及びアンサミトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;フルオロピリミジン;フォリン酸;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;多糖-K(PSK);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トラベクテジン、トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエミルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ(thiopeta);クロラムブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;バンクリスチン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DFMO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン;NUC-1031;FOLFOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン);FOLFIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン);FOLFOXIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカン)、FOLFIRINOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン)、並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体が含まれる。そのような薬剤を抗体又は本明細書に記載の任意の標的薬剤にコンジュゲート化して、抗体薬物コンジュゲート(ADC)又は標的化薬物コンジュゲートを作製することができる。
【0299】
また、「化学療法剤」の定義には、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)などの抗ホルモン剤、酵素アロマターゼの阻害剤、抗アンドロゲン、並びに腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体も含まれる。抗エストロゲン及びSERMの例としては、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(商標)を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン((FARESTON(登録商標))が挙げられる。酵素アロマターゼの阻害剤は、副腎でのエストロゲン産生を調節する。例としては、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGACE(登録商標))、エキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、アナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))が挙げられる。抗アンドロゲンの例としては、アパルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、フルタミド、ガレテロン、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン、ODM-201、APC-100、ODM-204が挙げられる。プロゲステロン受容体アンタゴニストの例には、オナプリストンが含まれる。
抗血管新生剤
【0300】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗血管新生剤と組み合わされる。同時投与できる抗血管新生剤としては、限定されないが、レチノイド酸及びその誘導体、2-メトキシエストラジオール、ANGIOSTATIN(登録商標)、ENDOSTATIN(登録商標)、レゴラフェニブ、ネクパラニブ、スラミン、スクアラミン、メタロプロテイナーゼ-1の組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ-2の組織阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤-1、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤-2、軟骨由来阻害剤、パクリタキセル(nab-パクリタキセル)、血小板因子4、硫酸プロタミン(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイ蟹の殻から調製)、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(sp-pg)、スタウロスポリン、l-アゼチジン-2-カルボン酸(LACA)などのプロリン類似体を含むマトリックス代謝の調節剤、シスヒドロキシプロリン、d,I-3,4-デヒドロプロリン、チアプロリン、α,α’-ジピリジル、β-アミノプロピオニトリルフマル酸塩、4-プロピル-5-(4-ピリジニル)-2(3h)-オキサゾロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン-血清、メタロプロテイナーゼ-3のニワトリ阻害剤(ChIMP-3)、キモスタチン、β-シクロデキストリンテトラデカ硫酸、エポネマイシン、フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d-ペニシラミン、β-1-抗コラゲナーゼ血清、アルファ-2-抗プラスミン、ビサントレン、ロベンザリットジナトリウム、n-2-カルボキシフェニル-4-クロロアントニル酸二ナトリウム又は「CCA」、サリドマイド、血管新生抑制ステロイド、カルボキシアミノイミダゾール、BB-94などのメタロプロテイナーゼ阻害剤、タスキニモドなどのS100A9阻害剤が挙げられる。他の抗血管新生剤には、抗体、好ましくは、β-FGF、α-FGF、FGF-5、VEGFアイソフォーム、VEGF-C、HGF/SF及びAng-1/Ang-2というこれらの血管新生成長因子に対するモノクローナル抗体が含まれる。
抗線維化剤
【0301】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗線維化剤と組み合わされる。同時投与できる抗線維化剤には、限定されないが、β-アミノプロピオニトリル(BAPN)などの化合物だけでなく、リシルオキシダーゼの阻害剤及びコラーゲンの異常な沈着に関連する疾患及び状態の治療におけるそれらの使用に関する米国特許第4965288号、様々な病理学的線維性状態の治療のためにLOXを阻害する化合物に関する米国特許第4997854号に開示された化合物が含まれ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。更なる例示的な阻害剤は、2-イソブチル-3-フルオロ-、クロロ-、又はブロモ-アリルアミンなどの化合物に関する米国特許第4943593号、同第5021456号、同第5059714号、同第5120764号、同第5182297号、2-(1-ナフチルオキシメミル)-3-フルオロアリルアミンに関する米国特許第5252608号、及び米国特許第2004-0248871号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0302】
例示的な抗線維化剤はまた、リジルオキシダーゼの活性部位のカルボニル基と反応する第一級アミン、より具体的には、カルボニルと結合した後、共鳴によって安定化された生成物を生成するもの、例えば、エミレンマミン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、及びそれらの誘導体;セミカルバジド及び尿素誘導体;BAPN又は2-ニトロエチルアミンなどのアミノニトリル;2-ブロモ-エチルアミン、2-クロロエチルアミン、2-トリフルオロエチルアミン、3-ブロモプロピルアミン及びp-ハロベンジルアミンなどの不飽和又は飽和ハロアミン、並びにセレノホモシステインラクトンという第一級アミンを含む。
【0303】
他の抗線維化剤は、細胞に浸透する又は浸透しない銅キレート剤である。例示的な化合物には、リシルオキシダーゼによるリシル及びヒドロキシリシル残基の酸化的脱アミノ化に由来するアルデヒド誘導体をブロックする間接的阻害剤が含まれる。例としては、チオラミン、特にD-ペニシラミン、及びその類似体、例えば、2-アミノ-5-メルカプト-5-メチルヘキサン酸、D-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アセトアミドエチル)ジチオ)ブタン酸、p-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アミノエチル)ジチオ)ブタン酸、ナトリウム-4-(((p-1-ジメチル-2-アミノ-2-カルボキシエチル)ジチオ)ブタン硫酸塩、2-アセトアミドエチル-2-アセトアミドエタンチオールスルファネート、及びナトリウム-4-メルカプトブタンスルフィネート三水和物が挙げられる。
抗炎症剤
【0304】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗炎症剤と組み合わされる。抗炎症剤の例としては、アルギナーゼ(ARG1(NCBI遺伝子ID:383)、ARG2(NCBI遺伝子ID:384))、炭酸脱水酵素(CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632))、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)、分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)、可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)及び/又はマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8(MAP3K8、TPL2;NCBI遺伝子ID:1326)のうちの1つ以上の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、阻害剤は、二重阻害剤、例えば、COX-2/COX-1、COX-2/SEH、COX-2/CA、COX-2/5-LOXの二重阻害剤である。
【0305】
同時投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)の阻害剤の例としては、モフェゾラク、GLY-230、及びTRK-700が挙げられるが、これらに限定されない。
【0306】
同時投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)の阻害剤の例としては、ジクロフェナク、メロキシカム、パレコキシブ、エトリコキシブ、AP-101、セレコキシブ、AXS-06、ジクロフェナクカリウム、DRGT-46、AAT-076、メイスオシュリ、ルミラコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ、ザルトプロフェン、ニメスリド、アニトラザフェン、アプリコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、フルミゾール、フィロコキシブ、マコキシブ、NS-398、パミコグレル、パレコキシブ、ロベナコキシブ、ロフェコキシブ、ルテカルピン、チルマコキシブ、及びザルトプロフェンが挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る二重COX1/COX2阻害剤の例としては、HP-5000、ロルノキシカム、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナクナトリウム、ATB-346、HP-5000が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る二重COX-2/炭酸脱水酵素(CA)阻害剤の例としては、ポルマコキシブ及びイムレコキシブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0307】
同時投与され得る分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)の阻害剤の例としては、LY3023703、GRC27864、並びに国際公開第2015158204号、同第2013024898号、同第2006063466号、同第2007059610号、同第2007124589号、同第2010100249号、同第2010034796号、同第2010034797号、同第2012022793号、同第2012076673号、同第2012076672号、同第2010034798号、同第2010034799号、同第2012022792号、同第2009103778号、同第2011048004号、同第2012087771号、同第2012161965号、同第2013118071号、同第2013072825号、同第2014167444号、同第2009138376号、同第2011023812号、同第2012110860号、同第2013153535号、同第2009130242号、同第2009146696号、同第2013186692号、同第2015059618号、同第2016069376号、同第2016069374号、同第2009117985号、同第2009064250号、同第2009064251号、同第2009082347号、同第2009117987号、及び同第2008071173号に記載される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。メトホルミンは、COX2/PGE2/STAT3軸を抑制することが更に見出されており、同時投与することができる。例えば、Tongら、「Cancer Lett.」(2017年)第389巻:第23~32頁;及び、Liuら、「Oncotarget.」(2016年)第7巻(第19号):28235-46を参照されたい。
【0308】
同時投与され得る炭酸脱水酵素(例えば、CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632)のうち1つ以上)の阻害剤の例としては、アセタゾラミド、メタゾラミド、ドルゾラミド、ゾニサミド、ブリンゾラミド、及びジクロフェナミドが挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る二重COX-2/CA1/CA2阻害剤には、CG100649が含まれる。
【0309】
同時投与され得るアラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)の阻害剤の例としては、メクロフェナム酸ナトリウム、ジロートンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0310】
同時投与され得る可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)の阻害剤の例としては、国際公開第2015148954号に記載されている化合物が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得るCOX-2/SEHの二重阻害剤としては、国際公開第2012082647号に記載されている化合物が挙げられる。同時投与され得るSEH及び脂肪酸アミド加水分解酵素の二重阻害剤(FAAH;NCBI遺伝子ID:2166)としては、国際公開第2017160861号に記載されている化合物が挙げられる。
【0311】
同時投与され得るマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8の阻害剤の例(MAP3K8、腫瘍進行遺伝子座2、TPL2);NCBI遺伝子ID:1326)としては、GS-4875、GS-5290、BHM-078、並びに例えば、国際公開第2006124944号、同第2006124692号、同第2014064215号、同第2018005435号、Teliら、「J Enzyme Inhib Med Chem.」(2012)27(4):第558~70頁;Gangwallら、「Curr Top Med Chem.」(2013)13(9):第1015~35頁;Wuら、「Bioorg Med Chem Lett.」(2009)19(13):3485-8;Kailaら、「Bioorg Med Chem.」(2007)15(19):第6425~42頁;並びに、Huら、「Bioorg Med Chem Lett.」(2011)21(16):第4758~61頁に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍酸素化剤
【0312】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、腫瘍酸素化若しくは再酸素化を促進若しくは増加させるか、又は腫瘍低酸素を防止若しくは低減させる薬剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的な薬剤には、例えば、PT-2977、PT-2385などの低酸素誘導性因子1α(HIF-1α)阻害剤;ベバシズマブ、IMC-3C5、GNR-011、タニビルマブ、LYN-00101、ABT-165などのVEGF阻害剤;並びに/又は、例えば国際公開第2007/137767号、同第2007/139791号、同第2014/107171号、及び同第2016/149562号に記載されているOMX-302及びHNOXタンパク質などの、酸素キャリアタンパク質(例えば、ヘム一酸化窒素及び/又は酸素結合タンパク質(HNOX))が含まれる。
免疫療法剤
【0313】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、免疫療法剤と組み合わされる。同時投与され得る免疫療法剤の例としては、アバゴボマブ、ABP-980、アデカツムマブ、アフツムマブ、アレムツズマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アルシツノマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベバシズマブのバイオシミラー、ビバツズマブ、ブリナツマブ、ブレンツキシマブ、カンツズマブ、カツマキソマブ、CC49、セツキシマブ、シタツズマブ、シクスツムマブ、クリバツズマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、ダラツズマブ、デツモマブ、ジヌツキシマブ、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、ドゥシギツマブ、エクロメキシマブ、エミベツズマブ、エンシツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フツキシマブ、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツムマブ、イブリツモマブ、イゴボマブ、イムガツズマブ、インダツキシマブ、イノツモマブ、インテツムマブ、イピリムマブ(YERVOY(登録商標)、MDX-010、BMS-734016、及びMDX-101)、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ、ルカツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミンレツズマブ、ミツモマブ、モキセツモマブ、モキセツモマブパスードトクス、ナプツモマブ、ナルナツマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ノフェツモマブ、OBI-833、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ、オレゴボマブ、パニツムマブ、パルサツズマブ、パスドトクス、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、ピンツモマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サマリズマブ、サツモマブ、シブロツズマブ、シルツキシマブ、ソリトマブ、シムツズマブ、タカツズマブ、タプリツモマブ、テナツモマブ、テプロツムマブ、ティガツズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トラスツズマブのバイオシミラー、ツコツズマブ、ウビリツキシマブ、ベルツズマブ、ボルセツズマブ、ボツムマブ、ザルツムマブ、及び3F8が挙げられるが、これらに限定されない。リツキシマブは、辺縁帯リンパ腫、WM、CLL、及び小リンパ球性リンパ腫を含む、緩慢性B細胞がんを治療するために使用することができる。リツキシマブ及び化学療法剤の組み合わせは、特に有効である。
【0314】
例示された治療用抗体は、インジウム-111、イットリウム-90(90Yクリバツズマブ)、又はヨウ素131などの放射性同位体粒子で更に標識されてもよく、又は組み合わされてもよい。
【0315】
いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。同時投与され得る例示的なADCとしては、薬物コンジュゲート化抗体、そのフラグメント、又は上記及び本明細書に列挙されるタンパク質若しくは抗原を標的とする抗体ミメティックが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、表B)。同時投与され得る例示的なADCとしては、ゲムツズマブ、ブレンツキシマブ、トラスツズマブ、イノツズマブ、グレンバツムマブ、アネツマブ、ミルベツキシマブ、デパツキシズマブ、ロバルピツズマブ、バダスツキシマブ、ラベツズマブ、サシツズマブ、リファスツズマブ、indusatumab、polatzumab、ピナツズマブ、coltuximab、インダツキシマブ、ミラツズマブ、ロバルピツズマブ、ABBV-011、ABBV-2029、ABBV-321、ABBV-647、MLN0264(抗GCC、グアニル酸シクラーゼC)、T-DM1(トラスツズマブエムタンシン、Kadcycla);SYD985(抗HER2、デュオカルマイシン)、ミラツズマブドキソルビシン(hCD74-DOX)、DCDT2980S、ベランタマブマフォドチン(GSK2857916)、ポラツズマブベドチン(RG-7596)、SGN-CD70A、SGN-CD19A、イノツズマブオゾガマイシン(CMC-544)、ロルボツズマブメルタンシン、SAR3419、サシツズマブゴビテカン、エンホルツマブベドチン(ASG-22ME)、ASG-15ME、DS-8201((トラスツズマブデルウクテカン)、225Ac-リンツズマブ、U3-1402、177Lu-テトラキセタン-テツロマ、チソツマブベドチン、アネツマブラブタンシン、CX-2009、SAR-566658、W-0101、ABBV-085、ゲムツズマブオゾガマイシン、ABT-414、グレンバツムマブベドチン(CDX-011)、ラベツズマブゴビテカン(IMMU-130)、サクツズマブゴビテカン(IMMU-132)、リファスズマブベドチン、(RG-7599)、ミラツズマブドキソルビシン(IMMU-110)、インダツキシマブラブタンシン(BT-062)、ピナツズマブベドチン(RG-7593)、SGN-LIV1A、SGN-CD33A、SAR566658、MLN2704、SAR408701、ロバルブスピズマブテシリン、ABBV-399、AGS-16C3F、ASG-22ME、AGS67E、AMG172、AMG595、AGS-15E、BAY1129980、BAY1187982、BAY94-934(アネツマブラブタンシン)、GSK2857916、Humax-TF-ADC(チソツマブベドチン)、IMGN289、IMGN529、IMGN853(ミルベツキシマブソラブタンシン)、LOP628、PCA062、MDX-1203、MEDI-547、PF-06263507、PF-06647020、PF-06647263、PF-06664178、PF-06688992、PF-06804103、RG7450、RG7458、RG7598、SAR566658、SGN-CD33A、DS-1602、及びDS-7300、DS-6157、DS-6000、TAK-164、MEDI2228、MEDI7247、AMG575が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得るADCは、例えば、Lambertら、「Adv Ther」(2017年)第34巻:第1015~1035頁、及びde Goeij、「Current Opinion in Immunology」(2016年)第40巻:第14~23頁に記載されている。
【0316】
薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は抗体ミメティックにコンジュゲート化することができる、例示的な治療薬(例えば、抗がん剤又は抗新生物剤)としては、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)、カリチアマイシン、アンサミトシン、メイタンシン又はその類似体(例えば、メルタンシン/エムタンシン(DM1)、ラブタンシン/ソラブタンシン(DM4))、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)DNA架橋剤SC-DR002(D6.5)、デュオカルマイシン、微小管阻害剤(MTI)(例えば、タキサン、ビンカアルカロイド、エポチロン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)又はその二量体、及びデュオカルマイシン(A、B1、B2、C1、C2、D、SA、CC-1065)、並びに本明細書に記載の他の抗がん剤又は抗新生物剤が挙げられるが、これらに限定されない。
がん遺伝子療法及び細胞療法
【0317】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、癌遺伝子療法及び細胞療法と組み合わされる。がん遺伝子療法及び細胞療法は、変異又は改変された遺伝子を置換するための正常遺伝子のがん細胞への挿入;変異した遺伝子をサイレンシングする遺伝子修飾;がん細胞を直接死滅させるための遺伝的アプローチ;例えば、がん細胞に対する免疫応答を増強するために、患者自身の免疫系の大部分を置き換える、又はがん細胞を死滅させるために、若しくはがん細胞を発見及び死滅させるために、患者自身の免疫系(T細胞若しくはナチュラルキラー細胞)を活性化するように、設計された免疫細胞の注入;細胞活性を改変して、がんに対する内因性免疫応答性を更に変更するための遺伝的アプローチを含む。
細胞療法
【0318】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上の細胞療法と組み合わされる。例示的な細胞療法としては、免疫細胞の集団のうちの1つ以上の同時投与が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、T細胞、ガンマデルタT細胞、B細胞、サイトカイン誘導キラー(CIK)細胞、マクロファージ(MAC)細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、顆粒球、自然リンパ球系細胞、巨核球、単球、マクロファージ、血小板、胸腺細胞、骨髄細胞、及び/又は樹状細胞(DC)である。いくつかの実施形態では、細胞療法は、T細胞療法、例えば、α/βTCR T細胞、γ/δTCR T細胞、制御性T(Treg)細胞、及び/又はTRuC(商標)T細胞の集団を同時投与することを伴う。いくつかの実施形態では、細胞療法は、NK細胞療法、例えばNK-92細胞の同時投与を伴う。必要に応じて、細胞療法は、対象に対する自家、同系、又は同種の細胞の同時投与を伴い得る。
【0319】
一部の実施形態では、細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)TCRを発現するように操作された免疫細胞の同時投与を伴う。特定の実施形態では、免疫細胞の集団は、CARを発現するように操作され、ここで、CARは、腫瘍抗原結合ドメインを含む。他の実施形態では、免疫細胞の集団は、腫瘍細胞の表面に提示された腫瘍由来ペプチドを標的とするように操作されたT細胞受容体(TCR)を発現するように操作される。一実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)TCRを発現するように操作された免疫細胞は、T細胞である。別の実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)TCRを発現するように操作された免疫細胞は、NK細胞である。
【0320】
CARの構造に関して、いくつかの実施形態では、CARは、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、共刺激ドメイン、又は一次シグナル伝達ドメイン及び共刺激ドメインの両方を含む。いくつかの実施形態では、一次シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、共通FcRガンマ(FCERIG)、FcRベータ(FcイプシロンRlb)、CD79a、CD79b、FcガンマRIIa、DAP10、DAP12 4-1BB/CD137、活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、B7-H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD100(SEMA4D)、CD103、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD247、CD27、CD276(B7-H3)、CD28、CD29、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD30、CD4、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD7、CD84、CD8アルファ、CD8ベータ、CD96(Tactile)、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDS、CEACAM1、CRT AM、サイトカイン受容体、DAP-10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICAM-1、Igアルファ(CD79a)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGB1、KIRDS2、LAT、LFA-1、LFA-1、CD83に結合するリガンド、LIGHT、LIGHT、LTBR、Ly9(CD229)、Ly108)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1; CD1-1a/CD18)、MHCクラス1分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX-40、PAG/Cbp、プログラム死-1(PD-1)、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、SLAM(SLAMF1;CD150;IPO-3)、SLAMF4(CD244;2B4)、SLAMF6(NTB-A、SLAMF7、SLP-76、TNF受容体タンパク質、TNFR2、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1、若しくはVLA-6、又はフラグメント、切断、若しくはそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のタンパク質の機能的シグナル伝達ドメインを含む。
【0321】
一部の実施形態では、共刺激ドメインは、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、MYD88、B7-H3、CD83と特異的に結合するリガンド、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRFI)、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、ITGAE、CD103、ITGAL、CD1A(NCBI遺伝子ID:909)、CD1B (NCBI遺伝子ID:910)、CD1C(NCBI遺伝子ID:911)、CD1D(NCBI遺伝子ID:912)、CD1E(NCBI遺伝子ID:913)、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(CD18、LFA-1)、ITGB7、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46及びNKG2Dからなる群から選択される1つ以上のタンパク質の機能ドメインを含む。
【0322】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファ、ベータ、又はゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD3デルタ、CD3ガンマ、CD45、CD4、CD5、CD7、CD8アルファ、CD8ベータ、CD9、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CD16、CD18、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、CD19、CD19a、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD1A、CD1B、CD1C、CD1D、CD1E、ITGAE、CD103、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB1、ITGB2、ITGB7、CD29、ITGB2(LFA-1、CD18)、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(TACTILE)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、NKG2C活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、BTLA、CD247、CD276(B7-H3)、CD30、CD84、CDS、サイトカイン受容体、Fcガンマ受容体、GADS、ICAM-1、Igアルファ(CD79a)、インテグリン、LAT、CD83と結合するリガンド、LIGHT、MHCクラス1分子、PAG/Cbp、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、又はそれらの断片、切断若しくは組み合わせからなる群から選択されるタンパク質に由来する膜貫通ドメインを含む。
【0323】
一部の実施形態では、CARはヒンジドメインを含む。ヒンジドメインは、CD2、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD4、CD7、CD8アルファ、CD8ベータ、CD11a(ITGAL)、CD11b(ITGAM)、CD11c(ITGAX)、CD11d(ITGAD)、CD18(ITGB2)、CD19(B4)、CD27(TNFRSF7)、CD28、CD28T、CD29(ITGB1)、CD30(TNFRSF8)、CD40(TNFRSF5)、CD48(SLAMF2)、CD49a(ITGA1)、CD49d(ITGA4)、CD49f(ITGA6)、CD66a(CEACAM1)、CD66b(CEACAM8)、CD66c(CEACAM6)、CD66d(CEACAM3)、CD66e(CEACAM5)、CD69(CLEC2)、CD79A(B細胞抗原受容体複合体関連アルファ鎖)、CD79B(B細胞抗原受容体複合体関連ベータ鎖)、CD84(SLAMF5)、CD96(Tactile)、CD100(SEMA4D)、CD103(ITGAE)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD158A(KIR2DL1)、CD158B1(KIR2DL2)、CD158B2(KIR2DL3)、CD158C(KIR3DP1)、CD158D(KIRDL4)、CD158F1(KIR2DL5A)、CD158F2(KIR2DL5B)、CD158K(KIR3DL2)、CD160(BY55)、CD162(SELPLG)、CD226(DNAM1)、CD229(SLAMF3)、CD244(SLAMF4)、CD247(CD3-ゼータ)、CD258(LIGHT)、CD268(BAFFR)、CD270(TNFSF14)、CD272(BTLA)、CD276(B7-H3)、CD279(PD-1)、CD314(NKG2D)、CD319(SLAMF7)、CD335(NK-p46)、CD336(NK-p44)、CD337(NK-p30)、CD352(SLAMF6)、CD353(SLAMF8)、CD355(CRTAM)、CD357(TNFRSF18)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、LFA-1(CD11a/CD18)、NKG2C,DAP-10、ICAM-1、NKp80(KLRF1)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、LFA-1、SLAMF9、LAT、GADS(GrpL)、SLP-76(LCP2)、PAG1/CBP、CD83リガンド、Fcガンマ受容体、MHCクラス1分子、MHCクラス2分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体、又はTollリガンド受容体、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgE、IgM、又はそれらの断片若しくは組み合わせからなる群から選択されるるタンパク質に由来し得る。
【0324】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTCR若しくはCAR抗原結合ドメイン又は免疫療法剤(例えば、単一特異性若しくは多重特異性抗体又はその抗原結合断片、又は抗体ミメティック(antibody mimetic))は、腫瘍関連抗原(TAA)に結合する。いくつかの実施形態では、腫瘍関連抗原は、CD19;CD123;CD22;CD30;CD171;CS-1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319及び19A24とも呼ばれる);C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECLI);CD33;上皮成長因子受容体多様体III(EGFRvlll);ガングリオシドG2(GD2);ガングリオシドGD3(αNeuSAc(2-8)αNeuSAc(2-3)βDGaip(1-4)bDGIcp(1-1)Cer);ガングリオシドGM3(αNeuSAc(2-3)βDGaip(1-4)βDGIcp(1-1)Cer);GM-CSF受容体;TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA);Bリンパ球細胞接着分子;Tn抗原((Tn Ag)又は(GaINAcu-Ser/Thr));前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(RORI);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72);CD38;CD44v6;がん胎児性抗原(CEA);上皮細胞接着分子(EPCAM);B7H3(CD276);KIT(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Ra2又はCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体α(IL-11Ra);前立腺幹細胞抗原(PSCA);プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21);血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2);HLAクラスI抗原A-2アルファ;HLA抗原;ルイス(Y)抗原;CD24;血小板由来成長因子受容体β(PDGFR-β);ステージ特異的胎児性抗原-4(SSEA-4);CD20;デルタ様3(DLL3);葉酸受容体α;葉酸受容体ベータ、GDNFアルファ4受容体、受容体チロシンキナーゼ、ERBB2(Her2/neu);ムチン1、細胞表面結合(MUC1);APRIL受容体;ADPリボシルシクラーゼ-1;Ephb4チロシンキナーゼ受容体、DCAMKL1セリンスレオニンキナーゼ、アスパラギン酸ベータ-ヒドロキシラーゼ、上皮成長因子受容体(EGFR);神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2変異(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP);インスリン様成長因子1受容体(IGF-I受容体)、カルボニックアンヒドラーゼIX(CAIX);プロテアソーム(プロソーム、マクロペイン)サブユニット、β型、9(LMP2);糖タンパク質100(gp100);切断点クラスター領域(BCR)及びアベルソンマウス白血病ウイルスがん遺伝子ホモログ1(Abl)(bcr-abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質;チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2);エフリンA型受容体3(EphA3)、フコシルGM1;シアリルルイス接着分子(sLe);トランスグルタミナーゼ5(TGS5);高分子量-黒色腫関連抗原(HMWMAA);o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);葉酸受容体β;腫瘍内皮マーカ1(TEM1/CD248);腫瘍内皮マーカ7関連(TEM7R);前立腺Iの6つの膜貫通上皮抗原(STEAP1);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR);Gタンパク質共役型受容体クラスCグループ5、メンバーD(GPRCSD);IL-15受容体(IL-15);X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61);CD97;CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1型(PLAC1);globoHグリコセラミド(GloboH)の六糖部分;乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2);A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体β3(ADRB3);パネキシン3(PANX3);Gタンパク質共役型受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K9(LY6K);嗅覚受容体51E2(ORS IE2);TCRγ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1);がん/精巣抗原1(NY-ESO-1);がん/精巣抗原2(LAGE-la);黒色腫関連抗原1(MAGE-A1);黒色腫関連抗原3(MAGE-A3);黒色腫関連抗原4(MAGE-A4);T細胞受容体ベータ2鎖C;染色体12pに位置するETS転座多様体遺伝子6(ETV6-AML);精子タンパク質17(SPA17);X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie2);黒色腫がん精巣抗原-1(MADCT-1);黒色腫癌精巣抗原-2(MAD-CT-2);Fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53);p53変異体;プロスタイン;スルビビン;テロメラーゼ;前立腺がん腫瘍抗原-1(PCTA-1又はガレクチン8)、T細胞1によって認識される黒色腫抗原(MelanA又はMARTI);ラット肉腫(Ras)変異体;ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);肉腫転座切断点;黒色腫アポトーシス阻害剤(ML-IAP);ERG(膜貫通型プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子);N-アセチルグルコサミニル転移酵素V(NA17);ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリン-A1;サイクリンB1;v-mycトリ骨髄腫ウイルスがん遺伝子神経芽細胞腫由来ホモログ(MYCN);RasホモログファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);シトクロムP450 1B1(CYP IBI);CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又は刷り込み部位の調節因子の兄弟)、T細胞によって認識される扁平上皮がん抗原3(SART3);ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES I);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);キナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);ペプチドグリカン認識タンパク質、滑膜肉腫、X切断点2(SSX2);終末糖化産物用受容体(RAGE-I);腎ユビキタス1(RUI);腎ユビキタス2(RU2);レグマイン;ヒト乳頭腫ウイルスE6(HPV E6);ヒト乳頭腫ウイルスE7(HPV E7);腸内カルボキシルエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2);CD79a;CD79b CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIRI);IgA受容体のFc断片(FCAR又はCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2);CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF);C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2);ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)を含むEGF様モジュール;リンパ球抗原75(LY75);グリピカン-2(GPC2);グリピカン3(GPC3);Fc受容体様5(FCRL5);及び免疫グロブリンλ様ポリペプチド1(IGLL1)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、標的は、MHCに提示される腫瘍関連抗原のエピトープである。
【0325】
いくつかの実施形態では、腫瘍抗原は、CD150、5T4、ActRIIA、B7、TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA)、CA-125、CCNA1、CD123、CD126、CD138、CD14、CD148、CD15、CD19、CD20、CD200、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD261、CD262、CD30、CD33、CD362、CD37、CD38、CD4、CD40、CD40L、CD44、CD46、CD5、CD52、CD53、CD54、CD56、CD66a-d、CD74、CD8、CD80、CD92、CE7、CS-1、CSPG4、ED-Bフィブロネクチン、EGFR、EGFRvIII、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、ErbB3、ErbB4、FBP、HER1-HER2の組み合わせ、HER2-HER3の組み合わせ、HERV-K、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp120、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp41、HLA-DR、HLAクラスI抗原アルファG、HM1.24、K-Ras GTPアーゼ、HMW-MAA、Her2、Her2/neu、IGF-1R、IL-11Rアルファ、IL-13R-アルファ2、IL-2、IL-22R-アルファ、IL-6、IL-6R、Ia、Ii、L1-CAM、L1-細胞接着分子、ルイスY、Ll-CAM、MAGE A3、MAGE-A1、MART-1、MUC1、NKG2Cリガンド、NKG2Dリガンド、NYESO-1、OEPHa2、PIGF、PSCA、PSMA、ROR1、T101、TAC、TAG72、TIM-3、TRAIL-R1、TRAIL-R1(DR4)、TRAIL-R2(DR5)、VEGF、VEGFR2、WT-I、Gタンパク質共役受容体、アルファフェトプロテイン(AFP)、血管新生因子、外因性同族結合分子(ExoCBM)、癌遺伝子産物、抗葉酸受容体、c-Met、癌胎児性抗原(CEA)、サイクリン(D 1)、エフリンB2、上皮性腫瘍抗原、エストロゲン受容体、胎児アセチルコリンe受容体、葉酸結合タンパク質、gp100、B型肝炎表面抗原、エプスタインバー核抗原1、潜在膜タンパク質1、分泌タンパク質BARF1、P2X7プリン受容体、シンデカン-1、カッパ鎖、カッパ軽鎖、kdr、ラムダ鎖、リビン、黒色腫関連抗原、メソテリン、マウス二重微小染色体2ホモログ(MDM2)、ムチン16(MUC16)、変異p53、変異ras、壊死抗原、癌胎児性抗原、ROR2、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、tEGFR、テネイシン、P2-ミクロギオブイイン、Fc受容体様5(FcRL5)から選択される。
【0326】
細胞療法の例には、限定されないが、AMG-119、Algenpantucel-L、ALOFISEL(登録商標)、Sipuleucel-T、(BPX-501)rivogenlecleucel米国特許第9089520号、国際公開第2016100236号、AU-105、ACTR-087、活性化同種ナチュラルキラー細胞CNDO-109-AANK、MG-4101、AU-101、BPX-601、FATE-NK100、LFU-835造血幹細胞、Imilecleucel-T、baltaleucel-T、PNK-007、UCARTCS1、ET-1504、ET-1501、ET-1502、ET-190、CD19-ARTEMIS、ProHema、FT-1050治療による骨髄幹細胞療法、CD4CARNK-92細胞、SNK-01、NEXI-001、CryoStim、AlloStim、レンチウイルス形質導入huCART-meso細胞、CART-22細胞、EGFRt/19-28z/4-1BBL CART細胞、自家4H11-28z/fIL-12/EFGRtT細胞、CCR5-SBC-728-HSPC、CAR4-1BBZ、CH-296、dnTGFbRII-NY-ESOc259T、Ad-RTS-IL-12、IMA-101、IMA-201、CARMA-0508、TT-18、CMD-501、CMD-503、CMD-504、CMD-502、CMD-601、CMD-602、CSG-005、LAAPT細胞療法、PD-1ノックアウトT細胞療法(食道癌/NSCLC)、抗MUC1 CART細胞療法(食道癌/NSCLC)、抗MUC1 CART細胞療法+PD-1ノックアウトT細胞療法(食道癌/NSCLC)、抗KRAS G12D mTCRPBL、抗CD123 CART細胞療法、抗変異新抗原TCRT細胞療法、腫瘍ライセート/MUC1/スルビビンPepTivator負荷樹状細胞ワクチン、自家樹状細胞ワクチン(転移性悪性黒色腫、皮内/静脈内)、抗LeY-scFv-CD28-ゼータ CART細胞、PRGN-3005、iC9-GD2-CAR-IL-15 T-細胞、HSC-100、ATL-DC-101、MIDRIX4-LUNG、MIDRIXNEO、FCR-001、PLX幹細胞療法、MDR-101、GeniusVac-Mel4、ilixadencel、同種間葉系幹細胞療法、romyelocel L、CYNK-001、ProTrans、ECT-100、MSCTRAIL、dilanubicel、FT-516、ASTVAC-2、E-CEL UVEC、CK-0801、同種アルファ/ベータCD3+T細胞及びCD19+ B細胞枯渇幹細胞(血液疾患、TBX-1400、HLCN-061、臍帯由来Hu-PHEC細胞(血液悪性腫瘍/再生不良性貧血)、AP-011、apceth-201、apceth-301、SENTI-101、幹細胞療法(膵臓癌)、ICOVIR15-cBiTE、CD33HSC/CD33 CAR-T、PLX-Immune、SUBCUVAX、CRISPR同種ガンマデルタT細胞ベースの遺伝子療法(癌)、エクスビボCRISPR同種健康ドナーNK細胞ベースの遺伝子療法(癌)、エクスビボ同種人工多能性幹細胞由来NK細胞ベースの遺伝子療法(固形腫瘍)、及び抗CD20 CART細胞療法(非ホジキンリンパ腫)が含まれる。
腫瘍を標的とするための追加の薬剤
【0327】
腫瘍を標的とするための追加の薬剤としては、ET-1402、及びAFP-TCRなどのアルファ-フェトプロテイン調節剤;抗TEM8 CAR T細胞療法などの炭疽菌毒素受容体1調節剤;bb-2121(ide-cel)、bb-21217、JCARH125、UCART-BCMA、ET-140、MCM-998、LCAR-B38M、CART-BCMA、SEA-BCMA、BB212、ET-140、P-BCMA-101、AUTO-2(APRIL-CAR)、JNJ-68284528などのTNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA);抗CLL-1抗体(例えば、国際出願PCT/US/2017/025573号参照);KD-045などの抗PD-L1-CARタンク細胞療法;PD-L1 t-hANKなどの抗PD-L1 t-haNK;131I-BC8(lomab-B)などの抗CD45抗体;LJM716、GSK2849330などの抗HER3抗体;抗BCMA CAR T細胞療法、Descartes-011などのAPRIL受容体調節剤;二重抗BCMA/抗CD38 CAR T細胞療法などのADPリボシルシクラーゼ-1/APRIL受容体調節剤;CART-ddBCMA;CAR-NKp30及びCAR-B7H6などのB7ホモログ6;TBI-1501、CTL-119 huCART-19T細胞、liso-cel、JCAR-015米国特許第7446190号、JCAR-014、JCAR-017(国際公開第2016196388号、同第2016033570号、同第2015157386号)、アキシカブタゲンシロルユーセル(KTE-C19、Yescarta(登録商標))、KTE-X19、米国特許第7741465号、同第6319494号、UCART-19、EBV-CTL、Tチサゲンレクルユーセル-T(CTL019)、国際公開第2012079000号、同第2017049166号、CD19CAR-CD28-CD3zeta-EGFRt発現T細胞、CD19/4-1BBL武装化CART細胞療法、C-CAR-011、CIK-CAR.CD19、CD19CAR-28-ゼータT細胞、PCAR-019、MatchCART、DSCAR-01、IM19 CAR-T、TC-110などのBリンパ球抗原CD19;抗CD19 CAR T細胞療法(B細胞急性リンパ芽球性白血病、マレーシア国民大学);抗CD19 CAR T細胞療法(急性リンパ芽球性白血病/非ホジキンリンパ腫、ハイデルベルク大学病院)、抗CD19 CAR T細胞療法(IL-6発現抑制、がん、Shanghai Unicar-Therapy Bio-medicine Technology)、MB-CART2019.1(CD19/CD20)、GC-197(CD19/CD7)、CLIC-1901、ET-019003、抗CD19-STAR-T細胞、AVA-001、BCMA-CD19 cCAR(CD19/APRIL)、ICG-134、ICG-132(CD19/CD20)、CTA-101、WZTL-002、二重抗CD19/抗CD20 CAR T細胞(慢性リンパ性白血病/B細胞リンパ腫)、HY-001、ET-019002、YTB-323、GC-012(CD19/APRIL)、GC-022(CD19/CD22)、CD19CAR-CD28-CD3zeta-EGFRt発現Tn/mem;UCAR-011、ICTCAR-014、GC-007F、PTG-01、CC-97540;GC-007Gなどの同種抗CD19 CART細胞;APRIL受容体調節剤;SLAMファミリーメンバー7調節剤、BCMA-CS1 cCAR;ADCTA-SSI-Gなどの自家樹状細胞腫瘍抗原(ADCTA);ACTR707 ATTCK-20、PBCAR-20AなどのBリンパ球抗原CD20;LB-1905などのCD20 CARを発現する同種T細胞;TC-310などのBリンパ球抗原CD19/Bリンパ球抗原22;UCART-22、JCAR-018国際公開第2016090190号などのBリンパ球抗原22細胞接着;GSK-3377794、TBI-1301、GSK3537142などのNY-ESO-1調節剤;DC-Ad-GMCAIXなどのカルボニックアンヒドラーゼ;CaspaCIDe DLI、BPX-501などのカスパーゼ9自殺遺伝子;SB-728などのCCR5;レンチウイルスベクターCCR5 shRNA/TRIM5alpha/TARデコイ形質導入自家CD34陽性造血前駆細胞などのCCR5遺伝子阻害剤/TAT遺伝子/TRIM 5遺伝子刺激因子;MB-102、IM-23、JEZ-567、UCART-123などのCDw123;ICG-122などのCD4;CD5.28z CART細胞などのCD5調節剤;抗CD22 CARTなどの抗CD22;TT-11などの抗CD30;LB-1910などの二重抗CD33/抗CLL 1;BPX-201、MEDI5083などのCD40リガンド;同種CD56陽性CD3陰性ナチュラルキラー細胞(骨髄性悪性腫瘍)などのCD56;GC-197などのCD19/CD7調節剤;抗CD7 CAR T細胞療法(CD7陽性血液悪性腫瘍)などのT細胞抗原CD7調節剤;UniCAR02-T-CD123などのCD123調節剤;抗CD276 CARTなどの抗CD276;MG7-CARTなどのCEACAMタンパク質5調節剤;CSG-002などのクローディン6;LB-1904などのクローディン18.2;CLTX-CARTなどのクロロトキシン;CMD-003などのEBV標的;自家4H11-28z/fIL-12/EFGRt T細胞などのMUC16EGFR;PGN-514,PGN-201などのエンドヌクレアーゼ;TT-10などのエプスタインバーウイルス特異的Tリンパ球;TT-10Xなどのエプスタインバー核抗原1/潜在膜タンパク質1/分泌タンパク質BARF1調節剤;CST-102、CIDeCARなどのErbb2;4SCAR-GD2などのガングリオシド(GD2);ICS-200などのガンマデルタT細胞;葉酸加水分解酵素1(FOLH1、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII、PSMA;NCBI遺伝子ID:2346)、CIK-CAR.PSMA、CART-PSMA-TGFβRDN、P-PSMA-101など;TT-16、GLYCARなどのグリピカン-3(GPC3);PGN-236などのヘモグロビン;抗cMet RNA CAR Tなどの肝細胞増殖因子受容体;FH-MCVA2TCRなどのHLAクラスI抗原A-2アルファ調節剤;ADP-A2M4CD8などのHLAクラスI抗原A-2アルファ/黒色腫関連抗原4調節剤;FIT-001、NeoTCR-P1などのHLA抗原調節剤;KITE-439などのヒトパピローマウイルスE7タンパク質(例えば、国際出願PCT/US2015/033129号参照);AIC-100などのICAM-1調節剤;ACTR087などの免疫グロブリンガンマFc受容体III、DC-RTS-IL-12などのIL-12;JCAR-020などのIL-12アゴニスト/ムチン16;MB-101などのIL-13アルファ2;PRGN-3006、ALT-803などのIL-15受容体アゴニスト;インターロイキン-15/Fc融合タンパク質(例えば、XmAb24306);組換えインターロイキン-15(例えば、AM0015、NIZ-985);ペグ化IL-15(例えば、NKTR-255);CST-101などのIL-2;自家腫瘍細胞ワクチン+全身CpG-B+IFN-アルファ(がん)などのインターフェロンアルファリガンド;抗KRAS G12V mTCR細胞療法などのK-Ras GTPase;JCAR-023などの神経細胞接着分子L1 L1CAM(CD171);Ad5f35-LMPd1-2-形質導入自家樹状細胞などの潜在膜タンパク質1/潜在膜タンパク質2;MART-1 F5 TCR操作PBMCなどのMART-1黒色腫抗原調節剤;MAGE-A10C796T MAGE-A10 TCRなどの黒色腫関連抗原10;KITE-718などの黒色腫関連抗原3/黒色腫関連抗原6(MAGE A3/A6)(例えば、国際出願PCT/US2013/059608号参照);CSG-MESO、TC-210などのメソテリン;ICTCAR-052、Tn MUC-1 CAR-T、ICTCAR-053などのムチン1調節剤;CYAD-02などの抗MICA/MICB;NKR-2などのNKG2D;JCAR-024などのNtrkr1チロシンキナーゼ受容体;BPX-701などのPRAMET細胞受容体;MB-105などの前立腺幹細胞抗原調節剤;ATCG-427などのラウンドアバウトホモログ1調節剤;Tag-7遺伝子改変自家腫瘍細胞ワクチンなどのペプチドグリカン認識タンパク質調節剤;PSMA-CAR T細胞療法((レンチウイルスベクター、去勢抵抗性前立腺がん)などのPSMA;IC9-Luc90-CD828ZなどのSLAMファミリーメンバー7調節剤;DNR.NPC T細胞などのTGFベータ受容体調節剤;TT-12などのTリンパ球;ATL-001などのTリンパ球刺激因子;ICTCAR-051などのTSH受容体調節剤;LN-144、LN-145などの腫瘍浸潤リンパ球;及び/又は、JTCR-016、WT1-CTL、ASP-7517などのWilms腫瘍タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
MCL1アポトーシス調節物質、BCL2ファミリーメンバー(MCL1)阻害剤
【0328】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、MCL1アポトーシス調節因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1、TM;EAT;MCL1L;MCL1S;Mcl-1;BCL2L3;MCL1-ES;bcl2-L-3;mcl1/EAT;NCBI遺伝子ID:4170)の阻害剤と組み合わされる。MCL1阻害剤の例としては、AMG-176、AMG-397、S-64315、及びAZD-5991、483-LM、A-1210477、UMI-77、JKY-5-037、並びに国際公開第2018183418号、同第2016033486号、同第2019222112号、同第2017147410号に記載されたものが挙げられる。
サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH)阻害剤
【0329】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH;CIS;G18;SOCS;CIS-1;BACTS2;NCBI遺伝子ID:1154)の阻害剤と組み合わされる。CISH阻害剤の例としては、国際公開第2017100861号、同第2018075664号及び同第2019213610号に記載されているものが挙げられる。
遺伝子エディタ
【0330】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、遺伝子エディタと組み合わされる。同時投与され得る例示的な遺伝子編集系には、CRISPR/Cas9系、ジンクフィンガーヌクレアーゼ系、TALEN系、ホーミングエンドヌクレアーゼ系(例えば、ARCUS)、及びホーミングメガヌクレアーゼ系が含まれるが、これらに限定されない。
不特定の標的を有する他の薬物
【0331】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ヒト免疫グロブリン(10%液体製剤)、Cuvitru(ヒト免疫グロブリン(20%溶液)、レボホリナート二ナトリウム、IMSA-101、BMS-986288、IMUNO BGC Moreau RJ、R-OKY-034F、GP-2250、AR-23、カルシウムレボホリナート、ポルフィマーナトリウム、RG6160、ABBV-155、CC-99282、カルムスチンを有するポリフェプロザン20、Veregen、ガドキセト酸二ナトリウム、ガドブトロール、ガドテル酸メグルミン、ガドテリドール、99mTc-セスタミビ、ポマリドミド、pacibanil、及び/又は、バルルビシンと組み合わされる。
例示的な併用療法
リンパ腫又は白血病併用療法
【0332】
一部の化学療法剤は、リンパ腫又は白血病の治療に適する。これらの薬剤には、アルデスロイキン、アルボシジブ、アミフォスチン三水和物、アミノカンプトテシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、ベータアレチン、BMS-345541ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、PS-341)、ブリオスタチン1、ブルスルファン、カンパス-1H、カルボプラチン、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、クロラムブシル、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン)、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クルクミン、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、DT-PACE(デキサメタゾン、サリドマイド、シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、及びエトポシド)、エンザスタウリン、エポエチンアルファ、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、及びリツキシマブ)、フェンレチニド、フィルグラスチム、フラボピリドール、フルダラビン、FR(フルダラビン及びリツキシマブ)、ゲルダナマイシン(17 AAG)、hyperCVAD(超分画シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキサート及びシタラビン)、ICE(イフォスファミド、カルボプラチン、及びエトポシド)、イホスファミド、イリノテカン塩酸塩、インターフェロンアルファ-2 b、イキサベピロン、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、ポマリドマイド(POMALYST(登録商標)/IMNOVID(登録商標))リンホカイン活性化キラー細胞、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシル、及びプレドニゾロン)、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オバトクラックス(GX15-070)、オブリメルセン、酢酸オクトレオチド、オメガ3脂肪酸、Omr-IgG-am(WNIG、Omrix)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ(PD0332991)、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペリフォシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンアルファ、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、R-CHOP(リツキシマブ及びCHOP)、R-CVP(リツキシマブ及びCVP)、R-FCM(リツキシマブ及びFCM)、R-ICE(リツキシマブ及びICE)、R MCP(リツキシマブ及びMCP)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、サルグラモスチム、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CCl-779)、サリドマイド、治療用同種リンパ球、チオテパ、ティピファルニブ、ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、SAHA(スベラニロヒドロキサム酸、又はスベロイル、アニリド、及びヒドロキサム酸)、ベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))、ベネトクラクス(ABT-199)が含まれる。
【0333】
1つの修正アプローチは、モノクローナル抗体が、インジウム-111、イットリウム-90、及びヨウ素-131などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射線免疫療法である。併用療法の例には、ヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))、及びCHOPを伴うBEXXAR(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。
【0334】
上記の療法は、幹細胞移植又は治療を補充又は組み合わせてもよい。治療処置としては、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害剤療法、全身照射、幹細胞の注入、幹細胞支持を伴う骨髄切除、インビトロで治療された末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素技術、低LETコバルト-60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法、及び非骨髄切除性同種異系造血幹細胞移植が挙げられる。
非ホジキンリンパ腫の併用療法
【0335】
非ホジキンリンパ腫(NHL)、特にB細胞起源のリンパ腫の治療には、モノクローナル抗体の使用、標準的な化学療法アプローチ(例えば、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、MCP(ミトキサントロン、クロランブシル、プレドニゾン)、いずれも任意選択でリツキシマブ(R)などを含む)、放射線免疫療法、及びそれらの組み合わせ、特に抗体療法と化学療法との統合が含まれる。
【0336】
NHL/B細胞がんの治療用の非コンジュゲート型モノクローナル抗体の例には、リツキシマブ、アレムツズマブ、ヒト又はヒト化抗CD20抗体、ルミリキシマブ、抗TNF関連アポトーシス誘導リガンド(抗TRAIL)、ベバシズマブ、ガリキシマブ、エプラツズマブ、SGN-40、及び抗CD74が含まれる。
【0337】
NHL/B細胞がんの治療に使用される実験的な抗体薬剤の例には、オファツムマブ、ha20、PRO131921、アレムツズマブ、ガリキシマブ、SGN-40、CHIR-12.12、エプラツズマブ、ルミリキシマブ、アポリズマブ、ミラツズマブ、及びベバシズマブが含まれる。
【0338】
NHL/B細胞がんに対する化学療法の標準レジメンの例には、CHOP、FCM、CVP、MCP、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、R-FCM、R-CVP、及びR-MCPが含まれる。
【0339】
NHL/B細胞がんに対する放射線免疫療法の例には、イットリウム90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))及びヨウ素131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))が含まれる。
マントル細胞リンパ腫の併用療法
【0340】
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療には、CHOP、hyperCVAD、FCMなどの併用化学療法が含まれる。これらのレジメンにモノクローナル抗体リツキシマブを補充して、R-CHOP、hyperCVAD-R及びR-FCMの併用療法を形成することもできる。MCLを治療するために、上記の治療法のいずれかを幹細胞移植又はICEと組み合わせることができる。
【0341】
MCLを治療する代替アプローチは免疫療法である。1つの免疫療法は、リツキシマブなどのモノクローナル抗体を使用する。もう1つは、個々の患者の腫瘍の遺伝的構造に基づくGTOP-99などのがんワクチンを使用する。
【0342】
MCLを治療するための修正アプローチは、モノクローナル抗体がヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))及びイットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射線免疫療法である。別の例では、BEXXAR(登録商標)はCHOPによる連続治療で使用される。
【0343】
MCLを治療する他のアプローチには、自家幹細胞移植と高用量化学療法の併用、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)又はPS-341)などのプロテアソーム阻害剤の投与、又は特にリツキシマブと組み合わせたサリドマイドなどの抗血管新生剤の投与が含まれる。
【0344】
別の治療アプローチは、他の化学療法剤と組み合わせて、Bcl-2タンパク質の分解を引き起こし、オブリメルセンなどの化学療法に対するがん細胞の感受性を高める薬物を投与することである。
【0345】
更なる治療アプローチは、mTOR阻害剤の投与を含み、これは、細胞増殖の阻害、更に細胞死につながり得る。非限定的な例は、シロリムス、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI-779)、CC-115、CC-223、SF-1126、PQR-309(ビミラリシブ)、ボクスタリシブ、GSK-2126458、及びテムシロリムスとRITUXAN(登録商標)、VELCADE(登録商標)、又は他の化学療法剤との併用である。
【0346】
MCLに対する他の最近の療法が開示されている。そのような例には、フラボピリドール、パルボシクリブ(PD0332991)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、スチリルスルホン、オバトクラックス(GX15-070)、TRAIL、抗TRAILデスレセプターDR4及びDR5抗体、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCl-779)、エベロリムス(RAD001)、BMS-345541、クルクミン、SAHA、サリドマイド、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、及びゲルダナマイシン(17 AAG)が含まれる。
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症の併用療法
【0347】
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症(WN)の治療に使用される治療薬には、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アルボシジブ、アミフォスチン三水和物、アミノカンプトテシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、自家ヒト腫瘍由来HSPPC-96、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、βアレチン、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カムパス-1H、カルボプラチン、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、シスプラチン、クロファラビン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン塩酸塩、DT-PACE、エンザスタウリン、エポエチンα、エプラツズマブ(hLL2-抗CD22ヒト化抗体)、エトポシド、エベロリムス、フェンレチニド、フィルグラスチム、フルダラビン、イブルチニブ、イホスファミド、インジウム-111モノクローナル抗体MN-14、ヨウ素-131トシツモマブ、イリノテカン塩酸塩、イキサベピロン、リンホカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モノクローナル抗体CD19(チサゲンレクロイセル-T、CART-19、CTL-019など)、モノクローナル抗体CD20、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オブリメルセン、オクトレオチド酢酸塩、オメガ3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペントスタチン、ペリフォシン、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンアルファ、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、サルグラモスチム、クエン酸シルデナフィル(VIAGRA(登録商標))、シンバスタチン、シロリムス、タクロリムス、タネスピマイシン、サリドマイド、治療用同種リンパ球、チオテパ、ティピファルニブ、トシツモマブ、ウロクプルマブ、ベルツズマブ、硫酸ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、ボリノスタット、WT1 126-134ペプチドワクチン、WT-1アナログペプチドワクチン、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン、イットリウム-90ヒト化エプラツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0348】
WMの治療に使用される治療処置の例には、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害療法、全身照射、幹細胞注入、幹細胞サポートによる骨髄切除、インビトロ治療による末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、低LETコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法及び骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植が含まれる。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫併用療法
【0349】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療に使用される治療薬には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、抗CD20モノクローナル抗体、エトポシド、ブレオマイシン、WMのために列挙された多くの薬剤、並びにICE及びRICEなどのそれらの任意の組み合わせが含まれる。
慢性リンパ球白血病併用療法
【0350】
慢性リンパ球白血病(CLL)の治療に使用される治療薬の例には、クロラムブシル、シクロホスファミド、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、プレドニゾロン、アレムツズマブ、WMのために列挙された多くの薬剤、CVP、R-CVP、ICE、R-ICE、FCR、FRという一般的な併用レジメンを含む併用化学療法及び化学免疫療法が含まれる。
骨髄線維症の併用療法
【0351】
骨髄線維症阻害剤には、ヘッジホッグ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、及びチロシンキナーゼ阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。ヘッジホッグ阻害剤の非限定的な例は、サリデギブ及びビスモデギブである。HDAC阻害剤の例には、プラシノスタット及びパノビノスタットが含まれるが、これらに限定されない。チロシンキナーゼ阻害剤の非限定的な例は、レスタウルチニブ、ボスチニブ、イマチニブ、ラドチニブ、及びカボザンチニブである。
過剰増殖性障害併用療法
【0352】
過剰増殖性障害を治療するために、ゲムシタビン、nab-パクリタキセル、及びゲムシタビン/nab-パクリタキセルをJAK阻害薬及び/又はPI3Kδ阻害薬と併用することができる。
癌
【0353】
「癌」、「新生物」、及び「腫瘍」という用語は、本明細書では互換的に使用されて、自律的で未制御な成長を呈する細胞を指し、それらは細胞増殖に対する制御を顕著に損失していることを特徴とする異常な成長表現型を示す。本出願において検出、分析、又は治療の対象とする細胞として、前癌性(例えば、良性)、悪性、前転移性、転移性、及び非転移性細胞が挙げられる。実質的に全ての組織の癌は既知である。「癌量」という語句は、対象における癌細胞又は癌体積の量を指す。したがって、癌量を低減させるとは、対象における癌細胞又は癌体積の数値を低下させることを指す。本明細書で使用される「癌細胞」という用語は、癌細胞であるか、又は癌細胞、例えば、癌細胞のクローンに由来する任意の細胞を指す。細胞腫、肉腫、神経膠芽腫、黒色腫、リンパ腫、骨髄腫などの固形腫瘍、及び白血病などの循環癌などの多くの種類の癌が、当業者に既知である。
【0354】
癌の「病理」には、患者の健康を損なう全ての現象が含まれる。これには、異常な又は制御不能な細胞の成長、転移、隣接する細胞の正常な機能との干渉、異常なレベルでのサイトカイン又は他の分泌産物の放出、炎症又は免疫学的応答の抑制又は悪化、腫瘍、前悪性腫瘍、悪性腫瘍、周囲又は遠隔組織又は器官、例えばリンパ節の浸潤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0355】
本明細書で使用される場合、「癌再発」及び「腫瘍再発」という用語、及びその文法的変化型は、癌の診断後の腫瘍性細胞又は癌性細胞の更なる成長を指す。特に、癌性組織において更なる癌性細胞成長が生じる場合、再発が起こり得る。「腫瘍拡散」は同様に、腫瘍の細胞が局所的又は遠隔の組織及び器官に播種するときに生じ、したがって、腫瘍拡散は腫瘍転移を包含する。「腫瘍浸潤」は、腫瘍成長が局所的に広がって、正常な器官機能の圧迫、破壊、又は予防によって関与する組織の機能を損なう場合に発生する。
【0356】
本明細書で使用される場合、「転移」という用語は、元の癌性腫瘍の器官に直接接続されていない器官又は身体部分における癌性腫瘍の成長を指す。転移は、元の癌性腫瘍の器官に直接接続されていない器官又は身体部分における検出不可能な量の癌性細胞の存在である、微小転移を含むと理解されるであろう。転移はまた、元の腫瘍部位からの癌細胞の出発、並びに身体の他の部分への癌細胞の移動及び/又は浸潤などのプロセスのいくつかの工程として定義することができる。
【0357】
いくつかの実施形態では、患者は、変異負荷が低い。いくつかの実施形態では、患者は、変異負荷が高い。当該技術分野で知られているように、癌の型は、平均的又は特定の程度の変異で変化し得、ここで、より高いレベルの突然変異は、ネオ抗原の発現の増加に関連している。例えば、上記のVogelstein et al.,(2013)を参照されたい。変異負荷が低いとは、腫瘍当たり平均で、又は個々の腫瘍の特定の数で最大約10、最大約20、最大約30、最大約40、最大約50の非同義変異を有する癌種であり得る。変異負荷が高いとは、腫瘍当たり約50超、約75超、約100超、約125超、約150超の非同義変異を有する癌種であり得る。
CD20+癌
【0358】
本明細書では、CD20+癌を有する個体を治療するか、又は対象におけるそのような癌のサイズを低減するための方法であって、対象に対して治療有効量の抗CD47抗体と、任意選択的に、対象に対して治療有効量の抗CD20剤などの対象に対する少なくとも1つの追加の薬剤と、を投与することを含む、方法が提供される。
【0359】
いくつかの実施形態では、CD20+癌は、B細胞癌である。いくつかの実施形態では、対象は、B細胞血液悪性腫瘍を有する。いくつかの実施形態では、CD20+癌は、低悪性度又は中悪性度リンパ腫である。いくつかの実施形態では、対象は、B細胞癌を有する。B細胞癌は、非ホジキンリンパ腫(NHL)を含み得る。いくつかの実施形態では、NHLは、低グレード又は高リスクNHLである。いくつかの実施形態では、NHLは濾胞性(例えば、巨大腫瘤あり、巨大腫瘤なし、若しくは進行性濾胞性)又は非濾胞性NHLである。
【0360】
NHLは、低悪性度リンパ腫を含み得る。低悪性度リンパ腫は、濾胞性リンパ腫(FL)を含み得る。低悪性度リンパ腫は、辺縁帯リンパ腫を含み得る。
【0361】
NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含み得る。NHLは、新規DLBCL又は形質転換を伴ったDLBCLなどのDLBCLのサブタイプを更に含み得る。DLBCLは、活性化B細胞、胚中心B細胞、及びdouble hit lymphomaなどの起源の異なる細胞に由来し得る。
【0362】
CD20+癌は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(再発性又は難治性を含む)、濾胞性リンパ腫(FL)(再発性、難治性、又は無症候性を含む)、非ホジキンリンパ腫(NHL)(再発性又は難治性を含む)、辺縁帯リンパ腫(例えば、節外性辺縁帯リンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)(再発性又は難治性を含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ性白血病、再発性又は難治性を含む)、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、double hit lymphoma(例えば、MYC及びBCL2又はBCL6の一方又は両方の転座を有するhigh grade B cell lymphoma)、myc転座リンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例えば、フィラデルフィア染色体陰性急性リンパ性白血病)、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)を含み得る。本明細書に開示されるものなどの所与のCD20+癌サブタイプは、組織病理学、フローサイトメトリー、分子分類、1つ以上の同等のアッセイ、又はそれらの組み合わせに基づいて分類することができる。
【0363】
CD20+癌は、double hit lymphoma(例えば、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を有する高グレードC細胞リンパ腫)を含み得る。CD20+癌は、myc転座リンパ腫を含み得る。
アッセイ
【0364】
いくつかの態様では、B細胞(例えば、CD19又はCD20 B細胞)の存在又は非存在は、アッセイによって決定され得る。B細胞が非存在であることは、CD19/CD20特異的タンパク質(例えば、CD19及びCD20)を検出するアッセイを使用して検出することができる。更に、抗体(例えば、抗CD47抗体(例えば、マグロリマブ)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)などの抗体治療)の血清レベルも、アッセイによって定量することができる。
【0365】
例示的なアッセイには、免疫組織化学、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、又はRNAプロファイリング若しくはRNA配列決定、マイクロアレイ分析、若しくは他の遺伝子発現プロファイリング法による遺伝子発現が含まれ得る。B細胞の存在/非存在を測定するために使用することができるアッセイの追加の例として、DNAアッセイ(全ゲノム又はエクソーム配列決定を含む)、マイクロアレイ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、RT-PCR、サザンブロット、ノーザンブロット、抗体結合アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、タンパク質アッセイ、ウエスタンブロット、比濁分析、比濁法、クロマトグラフィー、質量分析、イムノアッセイ(例えば、非限定的に、RIA、免疫蛍光法、免疫化学発光法、免疫電気化学発光法、又は競合イムノアッセイ、及び免疫沈降が含まれる)が挙げられる。アッセイの更なる例としては、B細胞耐性パネル、免疫グロブリン配列決定、又は酵素結合免疫スポット(ELIspot)アッセイを挙げることができる。アッセイからの情報は、定量的であり、本発明のコンピュータシステムに送信され得る。情報はまた、パターン又は蛍光観察などの定性的である場合もあり、ユーザによって、又はリーダ若しくはコンピュータシステムによって自動的に、定量的尺度に変換され得る。ある実施形態では、対象はまた、人種、伸長、体重、年齢、性別、眼色、毛髪色、家族の病歴、及び臨床因子などのユーザに有用であり得る任意の他の情報などの、アッセイ情報以外の情報を提供することができる。
【0366】
タンパク質検出アッセイは、サンプル由来の所与のタンパク質(例えば、抗CD47抗体又は抗CD20抗体)の発現レベルを検出するために使用されるアッセイである。タンパク質検出アッセイは、一般に当該技術分野で既知であり、イムノアッセイ、タンパク質結合アッセイ、抗体ベースのアッセイ、抗原結合タンパク質ベースのアッセイ、タンパク質ベースのアレイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、タンパク質アレイ、ブロット、ウエスタンブロット、比濁分析、比濁法、クロマトグラフィー、質量分析、酵素活性、並びに、RIA、免疫蛍光法、免疫化学発光法、免疫電気化学発光法、免疫電気泳動、競合イムノアッセイ、及び免疫沈降から選択されるイムノアッセイを含み得る。抗体の血清レベルを測定するために使用できる例示的なアッセイ例として、ELISA、イムノアッセイ、ELIspot、フルオロスポット、フローサイトメトリー、ウエスタンブロット、分光測定(例えば、液体クロマトグラフィー-質量分析)、又は表面プラズモン共鳴が挙げられる。
【0367】
変化した核酸によってコードされるポリペプチドに特異的に結合する上記の抗体、又は変化していない核酸によってコードされるポリペプチドに特異的に結合する抗体、又は核酸によってコードされる特定のスプライシングバリアントに特異的に結合する抗体を使用するタンパク質ベースの分析を用いて、試験サンプル中の、特定のスプライシングバリアント又は多型若しくは変化した核酸によってコードされるポリペプチドの存在、又は、試験サンプル中の、特定のスプライシングバリアント又は非多型若しくは変化していない核酸によってコードされるポリペプチドの非存在を同定することができる。多型若しくは変化した核酸によってコードされるポリペプチドの存在、又は非多型若しくは変化していない核酸によってコードされるポリペプチドの非存在は、冠状動脈疾患に対する感受性の特徴である。
【0368】
一態様では、試験サンプル中の核酸によってコードされるポリペプチドのレベル又は量は、対照サンプル中の核酸によってコードされるポリペプチドのレベル又は量と比較される。対照サンプル中のポリペプチドのレベル又は量よりも高い又は低い試験サンプル中のポリペプチドのレベル又は量は、その差が統計学的に有意であると、核酸によってコードされるポリペプチドの発現の変化を示し、特徴的である。あるいは、試験サンプル中の核酸によってコードされるポリペプチドの組成は、対照サンプル中の核酸によってコードされるポリペプチドの組成(例えば、異なるスプライシングバリアントの存在)と比較される。対照サンプル中のポリペプチドの組成と比較するとき、試験サンプル中のポリペプチドの組成が異なると、特徴的である。別の態様では、ポリペプチドのレベル又は量及び組成の両方が、試験サンプルと対照サンプル中で評価され得る。対照サンプルと比較して、試験サンプル中のポリペプチドの量又はレベルが異なること、対照サンプルと比較して、試験サンプル中の組成が異なること、又は、量若しくはレベルの差及び組成の違いの両方があることは、増加又は減少のいずれにおいて、対象が抗CD47抗体で治療されるべきか否かを示す。
【0369】
更に、当業者はまた、上記の方法が一般に、多型を含まないマーカの検出にも使用され得ることを理解するであろう。いくつかの態様では、アッセイのためにサンプルを採取する対象は、活性化B細胞(ABC)DLBCLを有する。いくつかの態様では、アッセイのためにサンプルを採取する対象は、胚中心B細胞(GCB)DLBCLを有する。いくつかの態様では、対象は、(正常)対照と比較してCD47の発現が増加し、抗CD47抗体が対象に投与され、任意選択的に、対象は、ABC又は非胚中心B細胞(GCB)DLBCLを有する。ABC又はGCB状態の決定は、例えば、遺伝子発現プロファイリングによって行うことができる。
【0370】
アッセイを更に実施して、対象に提供される治療薬(例えば、抗CD47抗体又は抗CD20抗体)の有効用量を決定することができる。そのようなアッセイの一例は、結合剤、例えば、抗CD47抗体(Ab)による占有レベルを測定する、受容体占有率(RO)アッセイである。CD47のROのレベルを測定する目的は、CD47結合剤の用量、CD47受容体飽和度、及び薬理学的効果の間の関係を決定することである。経時的な受容体占有率は、所望の薬理学的効果をもたらすために必要な薬物の量又は曝露期間に関する有用な情報を提供し得る。このアッセイを使用して、サロゲート細胞、例えば、CD45陰性(-)赤血球(RBC)及びCD45陽性(+)白血球(WBC)、又は他の細胞集団、例えば、骨髄若しくは組織生検により得られた組織細胞においてCD47のROを測定することによって、体内の全ROを決定することができる。ROアッセイは、CD47結合及び又は遮断療法のために、標的細胞、例えば、RBC、白血病細胞又は固形腫瘍細胞におけるCD47のROの決定にも使用できる。
【0371】
目的とするのは、所望の薬理学的効果と相関するCD47受容体占有率の閾値を決定するための、このアッセイの使用である。この閾値は、エクスビボ(インビトロ)で行われるアッセイ、又はインビボ投与/治療中のサンプルの分析によって決定することができる。
【0372】
アッセイの一実施形態では、対象とする細胞の細胞におけるCD47結合標準曲線が、様々な濃度の蛍光色素コンジュゲート抗体を使用することによって作製される。受容体占有率は、標的細胞を異なる濃度の非標識抗体と共にインキュベートし、次いで、細胞をインビトロ貪食についてアッセイするか、又は、標準曲線に基づいて、飽和濃度の標識抗体と共にインキュベートし、フローサイトメトリーによって結合について分析することによって測定される。受容体占有率を以下のように計算した。
%RO=100-((MFI試験-MFI未染色)/(MFI飽和STD-MFI不飽和))×100
【0373】
他の実施形態では、アッセイは、患者に定義された用量の抗体を注入し、通常は抗体の注入前後に患者から組織サンプル、例えば血液サンプルを得ることによって行われる。組織サンプルを、飽和濃度の標識抗体と共にインキュベートし、フローサイトメトリーによって分析する。分析は、例えば、赤血球、白血球、癌細胞などでゲーティングされ得る。
【0374】
RBCにおいて少なくとも約80%飽和のCD47を達成するプライミング用量は、貧血の代償を誘導し、後続用量における貧血の程度を低減するのに十分であることが見出された。ヒトでは、プライミング用量は、上記で論じたように、すなわち約0.5mg/kg~約5mg/kg、例えば1mg/kgであることが見出されている。いくつかの実施形態では、受容体占有率アッセイを、候補となるCD47結合剤を用いて実施し、RBCにおいて少なくとも約50%の飽和度、少なくとも約60%の飽和度、少なくとも約70%の飽和度、少なくとも約80%の飽和度、少なくとも約90%の飽和度、少なくとも約95%の飽和度、少なくとも約99%の飽和度、又はそれ以上を提供するプライミング用量のレベルを決定する。
【0375】
いくつかの実施形態では、受容体占有率アッセイを実施し、候補となる抗CD47剤、例えば、CD47、SIRPαポリペプチドなどに結合する抗体の適切なプライミング用量を決定する。
使用方法
【0376】
治療用量の抗CD47剤で対象を治療するための方法が提供される。例えば、方法は、CD20+癌を有するヒト対象を治療すること、又は、ヒト対象のCD20+癌のサイズを減少させることであって、(a)体重1kg当たり10mg以上の抗体の用量で抗CD47抗体を対象に投与することと、(b)抗CD20抗体を対象に投与することと、を含む、ことを含み得る。様々な実施形態では、抗CD47抗体及び抗CD20抗体を対象に投与する前に、方法は、対象が抗体治療を受けるのに適格であることを意味し得る、B細胞が対象に存在することを決定することを更に含む。
【0377】
方法は、プライマー剤を対象に投与する工程と、続いて治療有効用量の抗CD47剤を対象に投与する工程と、を含み得る。いくつかの実施形態では、治療有効用量を投与する工程は、プライマー剤の投与を開始して、少なくとも約3日(例えば、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、又は少なくとも約10日)後に行われる。この期間は、例えば、個体による増強された網状赤血球産生を提供するのに十分である。
【0378】
治療有効用量の抗CD47剤の投与は、多くの異なる方法で達成することができる。場合によっては、プライマー剤が投与された後、2種類以上の治療有効用量が投与される。治療有効用量の適切な投与は、単回用量の投与を伴い得るか、又は1日1回、週2回、週1回、2週毎に1回、月1回、年1回などの用量の投与を伴い得る。場合によっては、治療有効用量は、2つ以上の漸増濃度(すなわち、増加する用量)の用量として投与され、このとき、(i)全ての用量は治療用量であるか、又は(ii)最初に治療用量以下の用量を1回(又は2回以上の治療用量以下の用量)が投与され、当該漸増によって治療用量が達成される。漸増濃度(すなわち、用量増加)を例示するための1つの非限定的な例として、治療有効用量を週1回投与することができ、治療用量以下の用量(例えば、10mg/kg、例えば、5mg/kg、4mg/kg、3mg/kg、2mg/kg、1mg/kg未満の用量)で始め、後続の各用量は、特定の増分ずつ(例えば、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kgずつ)増加させ、治療用量(例えば、15mg/kg、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg)に達することができ、その時点で、投与を停止するか、又は、1つ以上の追加の治療用量(例えば、継続的治療用量、漸増治療用量、例えば、15mg/kg、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kgの用量)で継続し得る。漸増濃度(すなわち、用量増加)を例示するための別の非限定的な例として、治療有効用量を週1回投与することができ、1つ以上の比較的低い治療用量(例えば、10mg/kg、15mg/kg、30mg/kgの用量)で始め、後続の各用量は、特定の増分ずつ(例えば、10mg/kg又は15mg/kgずつ)、又は可変の増分ずつ増加させ、比較的高い治療用量(例えば、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg、100mg/kgなど)に達することができ、その時点で、投与を停止するか、又は、継続し得る(例えば、1つ以上の継続的治療用量又は漸増、例えば、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg、100mg/kgなどの用量)。いくつかの実施形態では、治療有効用量の投与は連続注入であり得、用量は、経時的に変更され得る(例えば、漸増)。
【0379】
投与量及び頻度は、患者における抗CD47剤の半減期に応じて変化し得る。当業者は、このようなガイドラインが活性剤の分子量に対して、例えば、抗体断片の使用において、抗体コンジュゲートの使用において、SIRPα試薬の使用において、可溶性CD47ペプチドの使用においてなどで、調整されることを理解するであろう。投与量もまた、局所投与、例えば、鼻腔内、吸入など、又は全身投与、例えば、筋肉内(i.m.)、腹腔内(i.p.)、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)などにおいて変化し得る。
【0380】
プライミング用量を含むがこれに限定されないCD47結合剤の初回用量は、注入直後の期間にわたって赤血球凝集をもたらし得る。理論に束縛されるものではないが、多価CD47結合剤の初回用量は、薬剤に結合したRBCの架橋を引き起こし得ると考えられる。本発明の特定の実施形態では、CD47結合剤は、初回用量で、並びに、高い局所濃度のRBC及び薬剤が存在する血液学的微小環境である可能性を低下させる時間及び/又は濃度にわたって、任意選択的に後続用量で、患者に注入される。
【0381】
いくつかの実施形態では、CD47結合剤の初回用量は、少なくとも約2時間、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の時間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、初回用量は、約2.5時間~約6時間、例えば、約3時間~約4時間の時間にわたって注入される。いくつかのそのような実施形態では、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、例えば、約0.1mg/mL~約0.25mg/mLである。
【0382】
他の実施形態では、CD47結合剤の初回用量、例えば、プライミング用量は、連続注入、例えば、浸透圧ポンプ、送達パッチなどによって投与され、用量は、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間の時間にわたって投与される。多くのそのようなシステムは、当該技術分野で既知である。例えば、DUROS技術は、ピストンによって分離された二区画システムを提供する。区画のうちの1つは、過剰な固体NaClを用いて具体的に配合された浸透圧エンジンからなり、送達期間全体を通して存在し、一定の浸透圧勾配をもたらす。それはまた、一方の端部の半透膜からなり、この膜を通して水が浸透圧エンジン内に引き込まれ、組織液と浸透圧エンジンとの間に大きく一定の浸透圧勾配を確立する。他の区画は、薬物溶液からなり、浸透圧勾配によって薬物が放出される開口部を有する。これは、ヒトに移植されたときに部位特異的及び全身的な薬物送達を提供するのに役立つ。移植の好ましい部位は、上腕の内側に皮下留置される。
【0383】
プライミング剤の投与に続いて、網状赤血球産生の増加に有効な期間を可能にし、抗CD47剤の治療用量が投与される。治療用量は、多くの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、プライマー剤が投与された後、例えば週1回の投与スケジュールで2種類以上の治療有効用量が投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47剤は、2種類以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。プライミング用量後に赤血球凝集が低減される。
【0384】
追加の薬剤は、抗CD47剤の有効性を高めることができる。抗CD47抗体は、追加の薬剤と併用して、又はその前に投与することができる。
【0385】
本明細書に記載の抗CD47抗体と追加の薬剤との組み合わせは、これらの療法に応答する腫瘍サブタイプを有する患者に投与される。これらの腫瘍は、本明細書に記載されるように、より高い変異頻度によって定義され得、より多くの腫瘍抗原をもたらし、したがってより免疫原性である。いくつかの実施形態では、併用療法で治療された患者は、免疫活性化剤又はチェックポイント阻害剤による治療に応答するが、これは、特定の潜在的に応答性である腫瘍サブタイプ内の患者の約25%の部分集団を表す。いくつかの実施形態では、個体は、白金療法感受性又は耐性であり得る。
【0386】
いくつかの実施形態では、対象とする方法は、プライマー剤を対象に投与する工程と、続いて治療有効用量の抗CD47抗体及び追加の薬剤を対象に投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、治療有効用量を投与する工程は、プライマー剤の投与を開始して、少なくとも約3日(例えば、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、又は少なくとも約10日)後に行われる。この期間は、例えば、個体による増強された網状赤血球産生を提供するのに十分である。
【0387】
治療有効用量の抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤の投与は、多くの異なる方法で達成することができる。場合によっては、プライマー剤が投与された後、2種類以上の治療有効用量が投与される。治療有効用量の適切な投与は、単回用量の投与を伴い得るか、又は1日1回、週2回、週1回、2週毎に1回、月1回、年1回などの用量の投与を伴い得る。場合によっては、治療有効用量は、2つ以上の漸増濃度(すなわち、増加する用量)の用量として投与され、このとき、(i)全ての用量は治療用量であるか、又は(ii)最初に治療用量以下の用量を1回(又は2回以上の治療用量以下の用量)が投与され、当該漸増によって治療用量が達成される。漸増濃度(すなわち、用量増加)を例示するための1つの非限定的な例として、治療有効用量を週1回投与することができ、治療用量以下の用量(例えば、5mg/kgの用量)で始め、後続の各用量は、特定の増分ずつ(例えば、5mg/kgずつ)、又は可変の増分ずつ増加させ、治療用量(例えば、30mg/kg)に達することができ、その時点で、投与を停止するか、又は、継続し得る(例えば、継続的治療用量、例えば、30mg/kgの用量)。漸増濃度(すなわち、用量増加)を例示するための別の非限定的な例として、治療有効用量を週1回投与することができ、治療用量(例えば、10mg/kgの用量)で始め、後続の各用量は、特定の増分ずつ(例えば、10mg/kgずつ)、又は可変の増分ずつ増加させ、治療用量(例えば、30mg/kg、100mg/kgなど)に達することができ、その時点で、投与を停止するか、又は、継続し得る(例えば、継続的治療用量、例えば、30mg/kg、100mg/kgなどの用量)。いくつかの実施形態では、治療有効用量の投与は連続注入であり得、用量は、経時的に変更され得る(例えば、漸増)。
【0388】
投与量及び頻度は、患者における抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤の半減期に応じて変化し得る。当業者は、このようなガイドラインが活性剤の分子量に対して、例えば、抗体断片の使用において、抗体コンジュゲートの使用において、SIRPα試薬の使用において、可溶性CD47ペプチドの使用においてなどで、調整されることを理解するであろう。投与量もまた、局所投与、例えば、鼻腔内、吸入など、又は全身投与、例えば、i.m.、i.p.、i.v.、s.c.などにおいて変化し得る。
【0389】
本発明の特定の実施形態では、抗CD47抗体は、初回用量で、並びに、高い局所濃度のRBC及び薬剤が存在する血液学的微小環境である可能性を低下させる時間及び/又は濃度にわたって、任意選択的に後続用量で、患者に注入される。
【0390】
本発明のいくつかの実施形態では、抗CD47抗体の初回用量は、少なくとも約2時間、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の時間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、初回用量は、約2.5時間~約6時間、例えば、約3時間~約4時間の時間にわたって注入される。いくつかのそのような実施形態では、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、例えば、約0.1mg/mL~約0.25mg/mLである。
更なる併用療法
【0391】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗体は、少なくとも1つの追加の治療薬と共に投与される。任意の好適な追加の治療薬は、本明細書で提供される抗体と共に投与され得る。
【0392】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、免疫刺激剤を含む。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、免疫細胞の阻害性受容体、又はそのリガンドのシグナル伝達を遮断する薬剤である。いくつかの態様では、阻害性受容体又はリガンドは、PD-1又はPD-L1である。いくつかの態様では、薬剤は、抗PD-1抗体(例えば、ペンブロリズマブ又はニボルマブ)、及び抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、薬剤は、ペンブロリズマブである。いくつかの態様では、薬剤は、ニボルマブである。いくつかの態様では、薬剤は、アテゾリズマブである。
【0393】
表4は、アテゾリズマブの重鎖及び軽鎖配列を含む。
【表4】
【0394】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤である。いくつかの態様では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する追加の治療薬は、抗体、ペプチド模倣体、及び小分子から選択される。いくつかの態様では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する追加の治療薬は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ティスレリズマブ、セミプリマブ、BMS-936559、スルファモノメトキシン1、スルファメチゾール2、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する追加の治療薬は、例えば、参照によりその全体が組み込まれる、Weinmann et al.,Chem Med Chem,2016,14:1576(DOI:10.1002/cmdc.201500566)に記載されているような、そのような活性を有する当該技術分野で既知の任意の治療薬である。いくつかの実施形態では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤は、本明細書で提供される抗体と同じ医薬組成物中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤は、本明細書で提供される抗体とは異なる医薬組成物中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤は、本明細書で提供される抗体の投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤は、本明細書で提供される抗体の投与後に投与される。いくつかの実施形態では、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤は、本明細書で提供される抗体と同時に投与されるが、薬剤及び抗体は、別個の医薬組成物で投与される。
【0395】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤を含む。Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、ベネトクラックス、ナビトクラックス、及び/又はAZD0466又は他のものを含み得る。いくつかの実施形態では、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、本明細書で提供される抗体と同じ医薬組成物中に製剤化される。いくつかの実施形態では、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、本明細書で提供される抗体とは異なる医薬組成物中に製剤化される。いくつかの実施形態では、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、本明細書で提供される抗体の投与に先立って投与される。いくつかの実施形態では、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、本明細書で提供される抗体の投与後に投与される。いくつかの実施形態では、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤は、本明細書で提供される抗体と同時に投与されるが、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤及び抗体は、別個の医薬組成物で投与される。
【0396】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、1つ以上の化学療法剤を含む。例示的な化学療法剤としては、代謝拮抗抗悪性腫瘍薬(例えば、フルオロウラシル、クラドリビン、メトトレキサート、メルカプトプリン、ペメトレキセド、ゲムシタビン、カペシタビン、ヒドロキシ尿素、フルダラビン、プララトレキサート、ネララビン、クロファラビン、デシタビン、シタラビン、及びフロクスウリジン)、アルキル化剤(例えば、ベンダムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、ブスルファン、ダカルバジン、テモゾロミド、アルトレタミン、及びthitepa)、及び白金抗悪性腫瘍薬(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、及びオキサリプラチン)が挙げられる。
対象の状態、適格性、及び治療
【0397】
抗CD47剤及び抗CD20剤を投与される癌を有する対象は、特定の状態を有し得る。この状態を使用して、治療薬の投与を受ける対象の適格性を決定することができる。いくつかの実施形態では、適格であると決定される対象は、不適格であると決定された異なる対象と比較して、両方の薬剤の投与から利益を得る可能性が高い。
【0398】
参照する
図1は、ある実施形態による、治療を受けるための血液癌対象110の適格性を決定する例示的なフロープロセスである。血液癌対象110は、自分の状態について評価され、治療を受ける血液癌対象の適格性が決定される(120)。
【0399】
対象の状態の一般的な例としては、対象においてB細胞が存在又は非存在かどうか、対象が現在有する癌の種類、対象が受けた前治療の回数、対象が特定の治療に対して再発性又は難治性であるかどうか、対象がCAR-T治療を受けることができるかどうか、対象が直近の治療(例えば、抗CD20治療)を受けてからの期間を挙げることができる。
【0400】
1つの特定の例として、血液癌対象の状態は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種類、又は10種類超の事前癌療法に対して、再発性又は難治性であることであり得る。対象の状態の追加の例には、対象がリツキシマブに対して難治性であり得ることが含まれる。対象は、リツキシマブに耐性があり得る。リツキシマブ難治性状態は、あらゆる事前のリツキシマブ含有レジメンに応答しない、若しくはレジメン中に進行する、又は、最後のリツキシマブ投与の6ヶ月以内に進行することであり得る。リツキシマブ難治性状態は、直近のリツキシマブ含有レジメンに応答しない、若しくはレジメン中に進行する、又は、最後のリツキシマブ投与の6ヶ月以内に進行することであり得る。
【0401】
いくつかの態様では、対象の状態は、対象が濾胞性リンパ腫(FL)を有し、かつ/又は、以前に少なくとも2種類の全身療法を受けていることを含む。いくつかの態様では、対象は、濾胞性リンパ腫(FL)を有し、リツキシマブ含有レジメンの後に再発するか、又はそれに対して難治性である。
【0402】
いくつかの態様では、対象の状態は、対象が再発性又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫を有し、かつ/又は、2種類以上の全身療法の受けたことがあることを含む。いくつかの態様では、対象は、第一選択療法に対して難治性、又は、第二選択療法である救済レジメン若しくは自家造血肝細胞移植に対して再発性若しくは難治性の、新規又は形質転換を伴った大細胞型B細胞リンパ腫を有する。いくつかの態様では、対象は、大細胞型B細胞リンパ腫を有し、リツキシマブ含有レジメンを含む2種類以上の全身療法後に再発するか、又は難治性である。
【0403】
いくつかの態様では、対象の状態は、対象におけるB細胞の存在又は非存在である。いくつかの実施形態では、対象の状態は、CD19+B細胞の存在である。いくつかの実施形態では、対象の状態は、CD20+B細胞の存在である。いくつかの実施形態では、対象の状態は、CD19+及びCD20+B細胞の両方の存在である。
【0404】
図1に戻ると、血液癌対象の状態を用いて、血液癌対象の適格性が決定される(120)。
図1は、血液癌対象の適格性を決定すること(120)が、血液癌対象におけるB細胞の存在を決定すること(115A)を含む、一実施形態を示す。一実施形態では、対象がB細胞の存在を有すると決定された場合、対象は、治療を受けるのに適格である。対照的に、対象がB細胞の存在を有さないと決定された場合、対象は治療を受けるのに不適格である。いくつかの実施形態では、血液癌対象の適格性を決定すること(120)は、対象の状態の別の部分(例えば、対象の癌の種類、前療法の回数、対象が特定の治療に対して再発性又は難治性であるかどうか)は、確立された適格性基準(例えば、臨床試験に登録するための基準)を満たすか同化を決定することを更に含み得る。例として、B細胞の存在を有するという適格性基準を満たすことに加えて、適格な患者は、少なくとも2種類の事前療法を受け、DLBCLを有し、4週間以上前に最後の抗CD20治療を受けている。
【0405】
一実施形態では、B細胞の存在又は非存在は、対象からサンプルを採取し、得られたサンプルに対し上記のようなアッセイを実施することによって決定することができる。そのようなアッセイは、対象から得られたサンプル中のB細胞の数を直接測定することができる。B細胞の量は、対象におけるB細胞の総量、リンパ球の総量中のB細胞の割合、又はサンプル1マイクロリットル当たりのB細胞の量として表すことができる。いくつかの実施形態では、B細胞の存在又は非存在は、組織生検(例えば、癌組織の生検)を行い、B細胞の存在又は非存在の定性的分析を実施することによって決定することができる。例として、B細胞(例えば、CD19又はCD20 B細胞)の免疫組織化学的(IHC)染色を行うことができる。IHC染色組織切片を、(例えば、病理医によって)定性的に分析することができ、以後Hスコアと称されるスコを割り当てることができ、このスコアは、B細胞の存在又は非存在を示す。
【0406】
次いで、B細胞の量を使用して、対象におけるB細胞の存在又は非存在に関する決定を行うことができる。一実施形態では、B細胞の量は、閾値と比較される。B細胞の量が閾値を超える場合、B細胞は対象に存在すると決定される。B細胞の量が閾値未満である場合、B細胞は対象に存在しないと決定される。一例として、B細胞の量がリンパ球の総量中のB細胞の割合として表される場合、閾値は5パーセントであり得る。リンパ球の総量は、CD45などのマーカによって測定することができる。別の例として、B細胞の量がサンプル1マイクロリットル当たりのB細胞の量として表される場合、閾値は1マイクロリットル当たりB細胞1個であり得る。いくつかのシナリオでは、閾値は、1マイクロリットル当たりB細胞40個であり得る。いくつかの実施形態では、閾値は、B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界又は定量限界に基づいて設定される。したがって、これらの実施形態では、アッセイがB細胞を確実に検出することができる場合(例えば、検出限界又は定量限界超)、B細胞は対象に存在すると見なされる。
【0407】
いくつかの実施形態では、B細胞の存在又は非存在は直接測定されない。代わりに、B細胞の存在又は非存在のサロゲートを測定する。そのようなサロゲート測定値は、血液癌対象110におけるB細胞の存在又は非存在を決定する(115A)ための情報である。B細胞の存在又は非存在のサロゲートの例には、対象が直近に受けた抗CD20療法の期間、対象が直近に受けた抗CD20療法剤の濃度、及び、現在の対象における抗CD20療法剤の濃度が含まれる。
【0408】
サロゲートマーカを使用して対象におけるB細胞の存在又は非存在を決定するために、サロゲートの測定値を閾値と比較する。特定のサロゲート測定値及びサロゲート測定値が閾値を超えるか超えないかに応じて、対象におけるB細胞の存在又は非存在が決定される。
【0409】
例えば、サロゲート測定値は、対象が直近に受けた抗CD20療法の期間、したがって、閾値期間以上前に対象が最後の抗CD20療法剤を投与されている場合、B細胞が対象に存在する。閾値期間内に対象が最後の抗CD20療法剤を投与されている場合、B細胞は対象には存在しない。対象がこれまで抗CD20療法を受けていない場合、B細胞が対象に存在するか、又はB細胞が存在するかどうかを決定するための異なる測定が行われる。様々な実施形態では、閾値期間は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、又は少なくとも28週間である。様々な実施形態では、閾値期間は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である。いくつかの実施形態では、閾値期間は、2~28週間、4~24週間、6~22週間、8~20週間、9~19週間、10~18週間、11~17週間、12~18週間、13~17週間、又は14~16週間である。
【0410】
別の例として、サロゲート測定値は、現在の対象における抗CD20療法剤の濃度であり、したがって、対象が閾値を超える抗CD20療法剤の濃度を有する場合、B細胞は対象に存在しない。対象が閾値を下回る抗CD20療法剤の濃度を有する場合、B細胞は対象に存在する。様々な実施形態では、対象における抗CD20療法剤の閾値量は、抗CD20療法剤の濃度を決定するために使用される検出限界又は定量限界に基づく。したがって、これらの実施形態では、アッセイが抗CD20療法剤を確実に検出できる場合(例えば、抗CD20療法剤の濃度が検出限界を超える、又は定量限界を超える)、抗CD20療法剤は対象に存在すると見なされる。
【0411】
図1に戻ると、適格な対象(例えば、B細胞の存在を有すると決定された対象)が治療される。様々な実施形態では、血液癌対象に治療を提供すること(135)は、抗CD47療法剤(例えば、マグロリマブ)を投与すること(125)を含む。いくつかの実施形態では、血液癌対象110に治療を提供すること(135)は、抗CD20療法剤(例えば、リツキシマブ)を投与すること(130)を含む。いくつかの実施形態では、血液癌対象110に治療を提供すること(135)は、抗CD47療法剤を投与すること(125)及び抗CD20療法剤を投与すること(130)の両方を含む。そのような治療薬は、以下で更に詳細に論じられるように、特定の投与サイクルに従って更に投与され得る。治療後、応答について対象を監視し(140)、必要に応じて、追加の治療サイクルを受けることができる。
【0412】
様々な実施形態では、不適格な対象(例えば、B細胞の存在を有さないと決定された対象)は、治療を受けない。いくつかの実施形態では、不適格な対象は、抗CD47及び/又は抗CD20抗体の投与を含まない代替治療を受ける。
B細胞の存在に関する免疫組織化学的分析
【0413】
様々な実施形態では、対象におけるB細胞の存在又は非存在は、免疫組織化学分析によって決定される。組織生検(例えば、癌生検)を患者から採取し、CD19又はCD20などのB細胞マーカについて免疫染色することができる。免疫染色された組織切片をB細胞マーカについて撮像して、対象の組織におけるB細胞の存在又は非存在を決定することができる。
【0414】
様々な実施形態では、免疫染色された組織切片を分析して、B細胞の存在又は非存在を表すスコア(Hスコアとも称される)を計算する。様々な実施形態では、免疫染色された組織切片のスコア付けは、病理医によって行われる。
【0415】
様々な実施形態では、Hスコアは、組織内のB細胞染色の強度に基づいてスコア付けされ得る。例えば、組織内の細胞は、より低い染色強度を有する組織内の異なる細胞に割り当てられた低値と比較して、染色強度が高い場合、高値に割り当てることができる。様々な実施形態では、各値を有する細胞の割合を計算し、次いで細胞の割合を値によって重み付けして、その値の細胞の割合のスコアを生成する。異なる値にわたるスコアを組み合わせて、対象のHスコアを生成することができる。
【0416】
例として、0がB細胞染色がないことを表し、3が最大B細胞染色強度を表すとき、細胞は、0、1、2、又は3の値に割り当てることができる。各染色強度レベルにおける細胞の割合を計算し、次式、すなわち、[1×(スコア1の細胞%)+2×(スコア2の細胞%)+3×(スコア3の細胞%)]を使用してHスコアを割り当てる。ここで、Hスコアは、0~300の範囲であり得る。
【0417】
Hスコアを使用して、対象がB細胞の存在又は非存在を有するかどうかを決定することができる。一実施形態では、対象のHスコアは、閾値Hスコアと比較される。対象のHスコアが閾値Hスコアを超える場合、対象はB細胞の存在を有すると見なされる。対象のHスコアが閾値Hスコアを下回る場合、対象はB細胞の非存在を有すると見なされる。様々な実施形態では、閾値Hスコアは、最大可能Hスコア値の10、20、30、40、50、60、70、80、又は90%である。例えば、Hスコアが0~300の範囲であり得る場合、300は最大可能Hスコア値であり、閾値Hスコアは30、60、90、120、150、180、210、240、又は270であり得る。
投薬
【0418】
本明細書に記載される方法は、治療有効用量の組成物、すなわち、治療有効用量の抗CD47抗体(例えば、マグロリマブ)の、及び任意選択的に抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)などの追加の薬剤の投与を含む。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαの一方又は両方を標的とする。
【0419】
組成物は、上記のように、標的細胞を実質的に排除するのに十分な量で患者に投与される。これを達成するのに十分な量は、全生存率の改善を提供し得る「治療有効用量」として定義される。組成物の単回又は複数回投与は、必要とされ、患者に許容される投与量及び頻度に応じて施されうる。治療に使用される特定の用量は、哺乳動物の病状及び病歴、並びに年齢、体重、性別、投与経路、効率などの他の要因に依存し得る。
【0420】
癌の治療のための本発明の組み合わせ薬剤の有効用量は、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、患者がヒト若しくは動物であるか、投与される他の薬剤、及び治療が予防的若しくは治療的であるかどうかを含む、多くの異なる因子に応じて変化する。通常、患者はヒトであるが、非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマなどのコンパニオンアニマル、ウサギ、マウス、ラットなどの実験動物も治療され得る。治療用量は、安全性及び有効性を最適化するために設定され得る。
【0421】
抗CD47抗体の治療有効用量は、使用される特定の薬剤に依存し得るが、通常、約20mg/kg体重以上(例えば、約20mg/kg以上、約25mg/kg以上、約30mg/kg以上、約35mg/kg以上、約40mg/kg以上、約45mg/kg以上、約50mg/kg以上、又は約55mg/kg以上、又は約60mg/kg以上、又は約65mg/kg以上、又は約70mg/kg以上)、又は約20mg/kg~約70mg/kg(例えば、約20mg/kg~約67.5mg/kg、又は約20mg/kg~約60mg/kg)である。
【0422】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治療有効用量は、20、30、45、60、又は67.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治療有効用量は、20~60mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治療有効用量は、20~67.5mg/kgである。
【0423】
抗CD47抗体の用量は、一定用量であり得る。例えば、特定の対象の体重に関係なく、一定用量を投与することができる。あるいは、一定用量は、特定の重量範囲、例えば、100kg以下の第1の範囲、又は100kg超の第2の範囲内にある特定の対象の体重に基づいて投与され得る。一定用量は、例えば、1000~5000、2000~4000、2000~3500、2400~3500、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000mg、又はそれらの間のmg数であり得る。
【0424】
抗CD20抗体の治療有効用量は、使用される特定の薬剤に依存し得るが、体表面積m2当たり約100mg抗体以上(例えば、約100mg/m2以上、約125mg/m2以上、約150mg/m2以上、約175mg/m2以上、約200mg/m2以上、約225mg/m2以上、約250mg/m2以上、約275mg/m2以上、約300mg/m2以上、約325mg/m2以上、約350mg/m2以上、約375mg/m2以上、約400mg/m2以上、約425mg/m2以上、約450mg/m2以上、約475mg/m2以上、又は約500mg/m2以上)、又は、約300mg/m2~約450mg/m2(例えば、約325mg/m2~約425mg/m2、又は約350mg/m2~約400mg/m2)であり得る。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の治療有効用量は、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m2である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の治療有効用量は、好ましくは375mg/m2である。
【0425】
抗CD20抗体の用量は、一定用量であり得る。例えば、特定の対象の体重に関係なく、一定用量を投与することができる。あるいは、一定用量は、特定の対象の性別、例えば、男性(平均体表面積1.9m2)についての第1の範囲、及び女性(平均体表面積1.6m2)についての第2の範囲に基づいて投与され得る。一定用量は、例えば、500~2000、600~1900、700~1800、800~1700、900~1600、1000~1700、1100~1600、1200~1500、1300~1400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000mg、又はそれらの間のmg数であり得る。
【0426】
投与される組成物の特定の血清レベルを達成及び/又は維持するために必要な用量は、投与間隔の時間に比例し、投与される用量に反比例する。したがって、投与の頻度が増加するにつれて、必要な用量は減少する。投与戦略の最適化は、当業者によって容易に理解され、実施されるであろう。例示的な治療レジメンは、2週毎に1回、又は1ヶ月に1回、又は3~6ヶ月毎に1回の投与を伴う。本発明の治療物は、通常、複数回投与される。単回投与間の間隔は、週、月、又は年であり得る。間隔はまた、患者における治療物の血中レベルを測定することによって示されるように不規則であり得る。あるいは、本発明の治療物は、持続放出製剤として投与することができ、その場合、より少ない投与頻度で使用される。投与量及び頻度は、患者におけるポリペプチドの半減期に応じて変化する。
【0427】
「維持用量」は、治療有効用量であることを意図した用量である。例えば、治療有効用量を決定するための実験では、複数の異なる維持用量が異なる対象に投与され得る。したがって、維持用量の一部は治療有効用量であり得、他のものは治療用量以下であり得る。
【0428】
予防用途では、比較的低い投与量が、長期間にわたって比較的頻度が低い間隔で投与され得る。一部の患者は、生涯治療を受け続ける。他の治療用途では、比較的短い間隔で比較的高い投与量が、疾患の進行が低減又は終了するまで、好ましくは患者が疾患の症状の部分的又は完全な改善を示すまで使用されることがある。その後、患者に予防レジメンを投与することができる。
【0429】
更に他の実施形態では、本発明の方法は、癌腫、血液癌、黒色腫、肉腫、神経膠腫などを含む癌の腫瘍増殖、腫瘍転移、又は腫瘍浸潤を治療するか、低減するか、又は予防することを含む。予防用途では、医薬組成物又は薬剤は、疾患の生化学的、組織学的及び/又は行動的症状、併発症、その疾患の発生中に呈示される中間の病理学的表現型を含む、疾患のリスクの排除若しくは低減、重篤度の低下、又は発生の遅延を生じさせるのに十分な量で、疾患の影響を受けやすい、又はそうでなければ疾患のリスクがある患者に投与される。
【0430】
本明細書に記載の組み合わせ薬剤の毒性は、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順によって、例えば、LD50(集団の50%に対する致死用量)又はLD100(集団の100%に対する致死用量)を決定することによって、決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数である。これらの細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータは、ヒトでの使用において毒性が見られない投与量範囲を配合する際に使用することができる。本明細書に記載のタンパク質の投与量は、毒性がほとんど又は全くない有効用量を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。実際の配合物、投与経路、及び投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択することができる。
プライマー剤及びプライミング用量
【0431】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、プライマー剤は、治療有効用量の抗CD47抗体を個体に投与する前に投与される。好適なプライマー剤としては、赤血球造血刺激剤(ESA)、及び/又はプライミング用量の抗CD47抗体が挙げられる。プライミング剤の投与に続いて、網状赤血球産生の増加に有効な期間を可能にし、抗CD47抗体の治療用量が投与される。投与は、本明細書に参照により具体的に組み込まれる、同時係属特許出願USSN14/769,069号に記載されている方法に従ってなされ得る。
【0432】
いくつかの実施形態では、本発明の薬剤の組み合わせの投与は、有効用量の患者のヘマトクリットを増加させる薬剤、例えば、エリスロポエチン刺激剤(ESA)と組み合わされる。例えば、Aranesp・・(ダルベポエチンアルファ)、Epogen・NF/Procrit・NF(エポエチンアルファ)、Omontys・(ペギネサチド)、Procrit・などのそのような薬剤が、当該技術分野において既知であり、使用される。
【0433】
用語「プライミング用量」又は本明細書で使用される場合、治療有効用量がRBCの顕著な喪失(ヘマトクリットの減少又はヘモグロビンの減少)をもたらさないように、治療有効用量の抗CD47剤の投与について対象をプライミングする抗CD47剤の用量を指す。抗CD47剤の特定の適切なプライミング用量は、使用される薬剤の性質及び多数の対象特異的因子(例えば、年齢、体重など)に応じて変化し得る。抗CD47剤の好適なプライミング用量の例としては、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約4mg/kg、約0.5mg/kg~約3mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約4mg/kg、約1mg/kg~約3mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kgが挙げられる。いくつかの実施形態では、プライミング用量は、好ましくは1mg/kgである。
【0434】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、約0.5mg~約10mgの範囲、例えば、約0.5~約5mg/kgの抗体、任意選択的に、4mg/kg、3mg/kg、2mg/kg、又は1mg/kgの抗体のプライミング用量として、対象に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、約20~約67.5mg/kgの抗体の範囲、任意選択的に15~60mg/kgの抗体、任意選択的に30~60mg/kgの抗体、任意選択的に15mg/kgの抗体、20mg/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kgの抗体、60mg/kgの抗体、又は67.5mg/kgの抗体の用量として、対象に投与される。
【0435】
抗CD47抗体のプライミング用量は、一定のプライミング用量であり得る。例えば、特定の対象の体重に関係なく、一定のプライミング用量を投与することができる。あるいは、一定のプライミング用量は、特定の重量範囲、例えば、100kg以下の第1の範囲、又は100kg超の第2の範囲内にある特定の対象の体重に基づいて投与され得る。一定のプライミング用量は、例えば、10~200、50~100、80~800、80~400、80~200、70~90、75~85、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、240、300、320、400、500、600、700、又は800mg、又はそれらの間のmg数であり得る。
【0436】
本発明のいくつかの実施形態では、プライマー剤は、治療有効用量の抗CD47剤を個体に投与する前に投与される。好適なプライマー剤としては、赤血球造血刺激剤(ESA)、及び/又はプライミング用量の抗CD47剤が挙げられる。プライミング剤の投与に続いて、網状赤血球産生の増加に有効な期間を可能にし、抗CD47剤の治療用量が投与される。治療用量は、多くの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、プライマー剤が投与された後、2種類以上の治療有効用量が投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47剤は、2種類以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。
【0437】
本発明のいくつかの実施形態では、Hu-5F9G4の有効プライミング用量が提供され、ヒトの有効プライミング用量は、約1mg/kg、例えば、少なくとも約0.5mg/kg~約5mg/kg以下、少なくとも約0.75mg/kg~約1.25mg/kg以下、少なくとも約0.95mg/kg~約1.05mg/kg以下、及び約1mg/kgであり得る。
【0438】
本発明のいくつかの実施形態では、CD47結合剤の初回用量は、少なくとも約2時間、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の時間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、初回用量は、約2.5時間~約6時間、例えば、約3時間~約4時間の時間にわたって注入される。いくつかのそのような実施形態では、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、例えば、約0.1mg/mL~約0.25mg/mLである。
【0439】
いくつかの実施形態では、プライミング用量は、当技術分野で知られているように、注射、パッチ、浸透圧ポンプなどによって皮下経路を通して送達され得る。
【0440】
プライミング剤の投与に続いて、網状赤血球産生の増加に有効な期間を可能にし、抗CD47剤の治療用量が投与される。治療用量は、多くの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、プライマー剤が投与された後、例えば週1回の投与スケジュールで2種類以上の治療有効用量が投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47剤は、2種類以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。
【0441】
他の実施形態では、CD47結合剤の初回用量、例えば、プライミング用量は、連続注入、例えば、浸透圧ポンプ、送達パッチなどによって投与され、用量は、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間の時間にわたって投与される。多くのそのようなシステムは、当該技術分野で既知である。例えば、DUROS技術は、ピストンによって分離された二区画システムを提供する。区画のうちの1つは、過剰な固体NaClを用いて具体的に配合された浸透圧エンジンからなり、送達期間全体を通して存在し、一定の浸透圧勾配をもたらす。それはまた、一方の端部の半透膜からなり、この膜を通して水が浸透圧エンジン内に引き込まれ、組織液と浸透圧エンジンとの間に大きく一定の浸透圧勾配を確立する。他の区画は、薬物溶液からなり、浸透圧勾配によって薬物が放出される開口部を有する。これは、ヒトに移植されたときに部位特異的及び全身的な薬物送達を提供するのに役立つ。移植の好ましい部位は、上腕の内側に皮下留置される。
【0442】
プライミング剤の投与に続いて、網状赤血球産生の増加に有効な期間を可能にし、抗CD47抗体の治療用量が投与される。治療用量は、多くの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、プライマー剤が投与された後、例えば週1回の投与スケジュールで2種類以上の治療有効用量が投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47抗体は、2種類以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。プライミング用量後に赤血球凝集が低減される。
投与サイクル
【0443】
CD20+癌を有するヒト対象を治療する、又は、ヒト対象のCD20+癌のサイズを減少させる方法は、少なくとも1サイクルの、(a)体重1kg当たり10mg以上の抗体の用量で抗CD47抗体を対象に投与することと、(b)抗CD20抗体を対象に投与することと、を含み得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαの一方又は両方を標的とする。
【0444】
抗CD47抗体は、体重1kg当たり約20~約67.5mgの抗体の範囲、任意選択的に体重1kg当たり20~30mgの抗体、任意選択的に体重1kg当たり20mgの抗体、体重1kg当たり30mgの抗体、体重1kg当たり45mgの抗体、体重1kg当たり60mgの抗体、体重1kg当たり67.5mgの抗体の用量として、所与のサイクルで対象に投与することができる。
【0445】
いくつかの実施形態では、各単回投与間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、各単回投与間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、各単回投与間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、各単回投与間の間隔は、4週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単回投与間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単回投与間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単回投与間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単回投与間の間隔は、4週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9(例えば、Hu5F9-G4)の各単回投与間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9(例えば、Hu5F9-G4)の各単回投与間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9(例えば、Hu5F9-G4)の各単回投与間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9(例えば、Hu5F9-G4)の各単回投与間の間隔は、4週間である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の各単回投与間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の各単回投与間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の各単回投与間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の各単回投与間の間隔は、4週間である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の各単回投与間の間隔は、8週間である。いくつかの実施形態では、リツキシマブの各単回投与間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、リツキシマブの各単回投与間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、リツキシマブの各単回投与間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、リツキシマブの各単回投与間の間隔は、4週間である。いくつかの実施形態では、リツキシマブの各単回投与間の間隔は、8週間である。
【0446】
様々な実施形態では、抗CD47抗体の投与及び/又は抗CD20抗体の投与は、1回以上のサイクルで起こり得、例えば、初回サイクルは、第1の投与スキームを有し得、1つ以上の後続サイクルは、初回サイクルとは異なる(又は同じ)投与スキームを有し得る。様々な実施形態では、初回サイクルと2回目のサイクルの投与間隔は同じであり(例えば、抗CD47剤は1週間に1回投与される)、3回目のサイクルと更なる追加サイクルの投与間隔は、初回及び2回目のサイクルとは異なる(例えば、抗CD47剤は2週毎に1回投与される)。3回目のサイクルと追加のサイクルの投与間隔は、同じであり得る。例えば、抗CD47抗体は、毎週1回の抗体投与を含む初回サイクル、毎週1回の抗体投与を含む2回目のサイクル、2週毎に1回の抗体投与を含む3回目のサイクル、2週毎に1回の抗体投与を含む4回目のサイクル、及び、例えば、医師によって決定されるとき、必要に応じて2週毎に1回の抗体投与を含む追加のサイクルで、投与され得る。初回サイクル、2回目のサイクル、3回目のサイクル、及び追加のサイクルの継続期間は、4週間であり得る。
【0447】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルで対象に投与することができ、初回サイクルは、(1)毎週1回、ある用量の抗CD47抗体を投与することを含み、2回目のサイクルは、(2)毎週1回、ある用量の抗CD47抗体を投与することを含み、3回目のサイクルは、(3)2週毎に1回、ある用量の抗CD47抗体を投与することを含む。
【0448】
様々な実施形態では、抗CD20抗体は、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルで対象に投与することができ、初回サイクルは、(1)毎週1回、ある用量の抗CD20抗体を投与することを含み、2回目のサイクルは、(2)4週毎に1回、ある用量の抗CD20抗体を投与することを含み、3回目のサイクルは、(3)4週毎に1回、ある用量の抗CD20抗体を投与することを含む。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、追加のサイクルで対象に更に投与され得る。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、追加のサイクル中、4週毎に1回、又は8週毎に1回投与され得る。
【0449】
様々な実施形態では、抗CD47抗体のプライミング用量は、体重1kg当たり10mg以上の抗体の用量で対象に抗CD47抗体を投与する前に、所与のサイクルで対象に投与される。プライミング用量は、体重1kg当たり1mgの抗体であり得る。プライミング用量は、約3時間対象に投与することができる。
【0450】
特定の実施形態では、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、以下のサイクルに従って対象に投与される。
サイクル1(4週間)
- 1日目の1mg/kg抗CD47のプライミング用量
- 8日目に開始する30mg/kg抗CD47の週間用量
- 8日目に開始する375mg/m2リツキシマブ又は抗CD20抗体同等用量の週間用量
サイクル2(4週間)
- 30mg/kg抗CD47の週間用量
- 375mg/m2リツキシマブ又は抗CD20抗体同等用量の月間用量
サイクル3~5
- 隔週30mg/kg抗CD47
- 375mg/m2リツキシマブ又は抗CD20抗体同等用量の月間用量
サイクル6+(臨床的利益を失うまで継続)
- 隔週30mg/kg用量の抗CD47
- 375mg/m2リツキシマブ又は抗CD20抗体同等用量の隔月投与
【0451】
様々な実施形態では、初回サイクルは、抗CD47抗体のプライミング用量、続いて、抗CD47抗体の週間用量(例えば、毎週1回)を提供することを含む。抗CD47抗体の週間用量は、2回目のサイクルを通して投与することができる。2回目のサイクルに続いて、抗CD47抗体は、隔週用量によって3回目のサイクル中に投与することができる。様々な実施形態では、抗CD47抗体は、4回目及び5回目のサイクルによって投与を継続することができる。様々な実施形態では、抗CD47抗体は、治療反応が達成されるまで、後続サイクルで投与される。様々な実施形態では、抗CD20抗体はまた、初回サイクル、2回目のサイクル、3回目のサイクル、4回目のサイクル、5回目のサイクル、及びその後のサイクルの各々の間に投与され得る。様々な実施形態では、抗CD20抗体は、初回サイクルによって週間用量で、2回目、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって月間用量で、及びその後のサイクルで隔月用量で投与される。
【0452】
例として、抗CD47抗体は、1日目の体重1kg当たり1mgの抗体のプライミング用量と、続いて毎週1回(例えば、8日目、15日目など)の体重1kg当たり30mgの抗体の用量と、を含む、初回サイクルで対象に投与することができる。初回サイクルは、4週間継続し得る。抗CD20抗体は、375mg/m2の抗体用量で、毎週1回初回サイクルにおいて対象に投与することができる。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0453】
抗CD47抗体は、毎週1回体重1kg当たり30mgの抗体の投与を含む2回目のサイクルで投与され得る。2回目のサイクルは、4週間継続し得る。抗CD20抗体は、375mg/m2の抗体用量で、4週毎に1回(例えば、毎月)2回目のサイクルにおいて対象に投与することができる。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0454】
様々な実施形態では、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は各々、同じ日(例えば、8日目、15日目などの週間用量)で患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、両方の治療剤が患者に投与されるこれらの日において、抗CD20抗体は抗CD47抗体の投与前に投与される。他の実施形態では、両方の治療剤が患者に投与されるこれらの日において、抗CD47抗体は抗CD20抗体の投与前に投与され得る。
【0455】
抗CD47抗体は、2週毎に1回体重1kg当たり30mgの抗体の投与を含む3回目のサイクルで投与され得る。3回目のサイクルは、4週間継続し得る。抗CD20抗体は、375mg/m2の抗体用量で、4週毎に1回(例えば、毎月)3回目のサイクルにおいて対象に投与することができる。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0456】
様々な実施形態では、3回目のサイクルは、1回以上の追加のサイクルによって繰り返すことができる。一実施形態では、3回目のサイクルは、2回(例えば、4回目のサイクル及び5回目のサイクルにより)繰り返される。
【0457】
様々な実施形態では、抗CD47抗体は、2週毎に1回体重1kg当たり30mgの抗体の投与を含む6回目のサイクルで投与され得る。様々な実施形態では、6回目のサイクルは、375mg/m2の抗体の用量で、隔月1回抗CD20抗体を投与することを更に含む。6回目のサイクルは、設定した週であってよく、いくつかの実施形態では、患者が治療に応答するかどうかに依存し得る。例えば、患者が治療に応答すると、患者が臨床的利益を示した数週間後、6回目のサイクルを終了することができる。別の例として、6回目のサイクルで患者に治療を提供した後、患者が治療に対する臨床的応答を呈さない場合、6回目のサイクルを終了することができる。別の例として、6回目のサイクルで患者に治療を提供した後、治療の臨床的利益が失われる場合、6回目のサイクルを終了することができる。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0458】
追加のサイクルを使用することができる。例えば、少なくとも1つの追加のサイクル、任意選択的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は20超の追加サイクルを使用することができる。少なくとも1つの追加のサイクルの投与レジメンは、2回目のサイクルと同じであってよく、任意選択的に、投与レジメンの抗CD20抗体部分は、6回の総サイクルを完了した後に中止される。任意選択的に、所与のサイクルの抗CD20部分は、例えば、1ヶ月又は隔月当たり1回の投与プロトコルを続けることによって、6回の総サイクルの完了後に継続することができる。少なくとも1つの追加のサイクルは、4週間継続し得る。
【0459】
また、ヒト対象における癌を治療又は癌のサイズを縮小する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。癌は、CD20+癌、B細胞癌、非ホジキンリンパ腫(NHL)、低悪性度リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のうち、少なくとも1つであってよい。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0460】
また、ヒト対象におけるCD20+癌を治療又はCD20+癌のサイズを縮小する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、Hu5F9-G4である抗CD47抗体及びリツキシマブである抗CD20抗体を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。CD20+癌は、B細胞癌、非ホジキンリンパ腫(NHL)、低悪性度リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のうち、少なくとも1つであってよい。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0461】
また、CD20+癌を有するヒト対象を治療する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0462】
また、リンパ腫を有するヒト対象を治療する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0463】
また、NHLを有するヒト対象を治療する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0464】
また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有するヒト対象を治療する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0465】
また、低悪性度リンパ腫を有するヒト対象を治療する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0466】
また、濾胞性リンパ腫(FL)を有するヒト対象を治療する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
【0467】
また、辺縁帯リンパ腫を有するヒト対象を治療する方法も本明細書に開示され、この方法は、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルで、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及び抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を対象に投与することを含み、初回サイクルは、(1)0時点目(例えば、T0又は1日目)に、体重1kg当たり1mg~10mgの範囲(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)抗体である抗CD47抗体のプライミング用量を投与することと、(2)T0の1週間後に開始する、毎週1回の体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を、11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の追加の(任意選択的な)負荷用量を伴って投与することと、(3)毎週1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含み、2回目のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体は、続いて、3回目、4回目、及び5回目のサイクルによって投与され得る。様々な実施形態では、3回目、4回目、及び5回目のサイクルは各々、(1)隔週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50mg)の用量の抗CD47抗体を投与することと、(2)毎月1回、375mg/m2の用量の抗CD20抗体を投与することと、を含む。抗CD47及び抗CD20抗体の追加のサイクル(例えば、6回目、7回目、8回目、9回目、10回目等)は、限定することなく、又は例えば、臨床的利益が低下する若しくは失われるか、又は観察されなくなるまで提供され得る。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。到達し、サイクル6を超えて開始するとき、抗CD20抗体を、代わりに8週毎に1回、375mg/m2の用量で対象に投与することができる。一般に、抗CD47抗体及び抗CD20抗体は、対象が、例えばCR又は死亡によって臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。抗CD20抗体は、リツキシマブであり得る。様々な実施形態では、方法は、CD47又はSIRPαを標的とする。
投与
【0468】
本明細書に記載される方法では、組成物、例えば、抗CD47抗体及び任意選択的に追加の薬剤は、対象に投与される。組成物は、非経口、局所、静脈内、腹腔内(intra-abdominal,)、腫瘍内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、腹腔内(intraperitoneal)、鼻腔内、又は筋肉内投与によって投与することができる。典型的な投与経路は、静脈内又は腫瘍内であるが、他の経路は、等しく効果的であり得る。
【0469】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤は、腹腔内投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤は、静脈内投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤は、腫瘍内投与される。一実施形態では、抗CD47抗体のプライミング用量が投与され、プライミング用量は皮下に送達される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び追加の薬剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び追加の薬剤は、連続的に投与される。
【0470】
活性剤は、宿主における癌細胞の枯渇に対して相加効果又は相乗効果をもたらすために、一定期間内に投与される。投与方法として、全身投与、腫瘍内投与などが挙げられるが、これらに限定されない。通常、抗CD47抗体は、追加の薬剤の約45日、約30日、約21日、約14日、約10日、約8日、約7日、約6日、約5日、約4日、約3日、約2日、約1日の期間以内、又は実質的に同じ日に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、追加の薬剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、追加の薬剤の後に投与される。薬剤は、両方の薬剤の血清レベルが同時に治療レベルにあるような投与スケジュールである場合、組み合わされると考えられ得る。癌細胞集団の枯渇に必要な場合、投与を繰り返すことができる。
【0471】
本明細書に開示される1つ以上の抗体は、医療専門家、任意選択的に医師によって投与することができる。
【0472】
本明細書に開示される1つ以上の抗体は、対象によって投与することができる。
臨床的エンドポイント
【0473】
本明細書に記載される方法は、ベースラインと比較して少なくとも1つの改善されたエンドポイントをもたらす。
【0474】
本明細書に開示される方法は、対象における客観的奏効率(OR)をもたらし得る。客観的奏効率は、Cheson、Lugano、又は同様のNHL奏功基準によって定義されるとき、部分奏効又は完全寛解である。
【0475】
本明細書に開示される方法は、対象における疾患制御をもたらし得る。疾患制御は、安定+客観的奏効率である。
【0476】
本明細書に開示される方法は、対象における部分奏効(PR)をもたらし得る。PRは、腫瘍病変の完全消失を伴わない、画像基準(CT又はPET/CT)による少なくとも50%の腫瘍の収縮である。PET/CT基準によると、PRは上記のとおりであり、又はベースライン及び任意のサイズの残留質量と比較する、代謝取り込みの低減によるものである(Lugano基準、Cheson et al.,JCO 2014)。
【0477】
本明細書に開示される方法は、対象における完全奏効(CR)をもたらし得る。Cheson et al.,JCO 2014。
【0478】
本明細書に開示される方法は、対象において安定(SD)をもたらし得る。Cheson et al.,JCO 2014。
【0479】
本明細書に開示される方法は、ベースラインが抗CD47抗体の投与前に決定されるとき、ベースラインに対する対象の癌のサイズを低減することができる。
【0480】
本明細書に開示される方法は、対象におけるリツキシマブに対する不応性の回復をもたらし得る。
医薬組成物
【0481】
本明細書に記載される方法は、抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤を含む医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗CD47及び追加の薬剤の両方を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗CD47及び追加の薬剤のうち一方を含む。したがって、抗CD47及び追加の薬剤の逐次投与は、第1の医薬組成物を別々に投与し、次いでその後、第2の医薬組成物を投与することによって達成することができる。
【0482】
典型的には、組成物は、溶液又は懸濁液のいずれかとして注射剤として調製され、注射前に液体溶媒に溶解若しくは懸濁するのに好適な固体形態も、調製され得る。調製物はまた、上述のように、増強されたアジュバント効果のために、ポリラクチド、ポリグリコリド、又はコポリマーなどのリポソーム又はマイクロ粒子中に乳化又はカプセル化され得る。Langer,Science 249:1527,1990 and Hanes,Advanced Drug Delivery Reviews 28:97-119,1997。本発明の薬剤は、有効成分の持続放出又はパルス放出を可能にするように製剤化され得る、デポー注射又は埋込用製剤の形態で投与することができる。医薬組成物は、一般に、無菌、実質的に等張、及び米国食品医薬品局の全ての製造管理および品質管理に関する基準(GMP)の規制に完全に準拠して製剤化される。
【0483】
医薬組成物は、投与方法に応じて様々な単位剤形で投与することができる。例えば、経口投与に好適な単位剤形には、粉末、錠剤、丸剤、カプセル剤、及びロゼンジ剤が挙げられるが、これらに限定されない。経口投与の際、本発明の組成物を消化から保護すべきであることが認識されている。これは、典型的には、分子に酸及び酵素加水分解耐性を付与する組成物と混合すること、又は、リポソーム若しくは保護バリアなどの適切な耐性担体中に分子を封じ込めることのいずれかによって、達成される。消化保護剤の手段は、当該技術分野において周知である。
【0484】
投与のための組成物は、一般に、薬学的に許容される担体、好ましくは水性担体に溶解された抗体又は他の除去剤を含む。様々な水性担体、例えば、緩衝生理食塩水などを使用することができる。これらの溶液は無菌であり、一般に望ましくない物質を含まない。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌することができる。組成物は、pH調節剤及び緩衝剤、毒性調節剤などのような生理学的条件に近づけるのに必要な薬学的に許容される補助物質、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含み得る。これらの製剤中の活性剤の濃度は様々に変更することができ、選択された具体的な投与方法及び患者のニーズに従って、主に流体体積、粘度、体重などに基づいて選択されるであろう(例えば、Remington’s Pharmaceutical Science(第15版、1980)及びGoodman & Gillman、The Pharmacological Basis of Therapeutics(Hardmanら編、1996))。
【0485】
「薬学的に許容される賦形剤」は、一般に安全で、毒性がなく、望ましい医薬組成物を調製するのに有用であり、獣医学的使用並びにヒト薬学的使用に許容可能な賦形剤を含む、賦形剤を意味する。そのような賦形剤は、固体、液体、半固体、又はエアロゾル組成物の場合、気体であり得る。
【0486】
「薬学的に許容される塩及びエステル」とは、薬学的に許容され、所望の薬理学的特性を有する塩及びエステルを意味する。そのような塩には、化合物中に存在する酸性プロトンが無機塩基又は有機塩基と反応することができる塩が形成され得る塩が含まれる。好適な無機塩としては、アルカリ金属、例えば、ナトリウム及びカリウム、マグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムと形成されるものが挙げられる。好適な有機塩としては、アミン塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、Nメチルグルカミンなどの有機塩基と形成されるものが挙げられる。そのような塩には、無機酸(例えば、塩酸及び臭化水素酸)及び有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸、並びに、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸などのアルカン及びアレーンスルホン酸)と形成される酸付加塩も含まれる。薬学的に許容されるエステルには、化合物中に存在するカルボキシ、スルホニルオキシ、及びホスホノキシ基、例えば、C1~6アルキルエステルから形成されるエステルが含まれる。2つの酸性基が存在する場合、薬学的に許容される塩又はエステルは、一酸-一塩若しくはエステル、又は、二塩若しくはエステルであり得、同様に、3つ以上の酸性基が存在する場合、そのような基の一部又は全部が、塩化又はエステル化され得る。本発明で名付けられた化合物は、非塩化又は非エステル化形態で、又は、塩化及び/若しくはエステル化形態で存在することができ、かかる化合物の命名は、元の(非塩化及び非エステル化)化合物並びに薬学的に許容される塩及びエステルの両方を含むことが意図される。また、本発明で命名された特定の化合物は、2つ以上の立体異性体形態で存在してもよく、そのような化合物の命名は、そのような立体異性体の全ての単一の立体異性体及び全ての混合物(ラセミ体又はそうでないもの)を含むことが意図されている。
【0487】
「薬学的に許容される」、「生理学的に許容される」、及びそれらの文法的変形の用語は、組成物、担体、希釈剤、及び試薬を指すとき、互換的に使用され、組成物の投与を妨げる程度に望ましくない生理学的効果を生成することなく、物質がヒトに投与することができることを表す。
キット
【0488】
また、本明細書には、活性剤、例えば、抗CD47抗体及び任意選択的に追加の薬剤と、それらの製剤と、使用説明書と、を含む、キットも記載される。追加の薬剤は、リツキシマブなどの抗CD20剤であり得る。キットは、典型的には、キットの内容物の使用目的を示すラベルを含む。ラベルという用語には、キットに添付される、又はキットと共に供給される、又は別の方法でキットに付随する任意の書き込み、又は記録された材料が含まれる。
【0489】
本明細書に開示される様々な方法において使用するためのキットも提供される。対象とするキットには、プライマー剤及び抗CD47剤が含まれる。いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上のプライマー剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上の抗CD47剤を含む。いくつかの実施形態では、プライマー剤は、剤形(例えば、プライミング剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、プライマー剤は、2つ以上の異なる剤形(例えば、2つ以上の異なるプライミング剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、剤形(例えば、治療有効剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、2つ以上の異なる剤形(例えば、2つ以上の異なる治療有効剤形)で提供される。キットの文脈において、プライマー剤及び/又は抗CD47剤は、任意の便利な包装(例えば、スティックパック、用量パックなど)中に、液体又は固体形態で提供され得る。
【0490】
上記の成分に加えて、対象とするキットは、(特定の実施形態では)対象とする方法を実施するための説明書を更に含み得る。これらの説明書は、様々な形態で対象とするキットにおいて存在してもよく、そのうちの1つ以上はキット中に存在してもよい。これらの説明書が存在することができる1つの形態は、好適な媒体又は被印刷物上に印刷された情報、例えば、キット包装中、添付文書中などの情報が印刷される紙としてである。これらの説明書の更に別の形態は、コンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、フラッシュドライブなどであり、その上に情報が記録されている。存在し得るこれらの説明書の更に別の形態は、削除されたサイトにおいて情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
配列
【0491】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載の配列、例えば、本明細書に記載の重鎖、軽鎖、及び/又はCDR配列を有する抗体の投与を含む。投与される抗体の配列は、例えば、本明細書に記載の配列と少なくとも95、96、97、98、99、又は100%同一であり得る。
【0492】
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈における「同一性」パーセントという用語は、以下に記載される配列比較アルゴリズム(例えば、当業者が入手可能なBLASTP及びBLASTN又は他のアルゴリズム)のうちの1つを使用するとき、又は目視によって検査するとき、比較して最大に一致するようにアライメントした際、同一のヌクレオチド又はアミノ酸残基の特定の割合を有する2つ以上の配列又は部分配列を指す。用途に応じて、「同一性」パーセントは、比較される配列の領域にわたって、例えば、機能的ドメインにわたって存在し得るか、あるいは、比較される2つの配列の全長にわたって存在することができる。
【0493】
配列比較のために、典型的には、1つの配列が参照配列として作用し、その配列が試験配列と比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じて、サブシーケンス座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
【0494】
比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズム、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズム、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似検索方法、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、又は目視検査(一般的に、上記Ausubel et al.を参照されたい)によって行うことができる。
【0495】
配列同一性パーセント及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズムであり、Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)に記載されている。BLAST分析を行うソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(<www.ncbi.nlm.nih.gov/>)を通じて公的に入手可能である。
【実施例】
【0496】
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の実施例である。実施例は、例示のみを目的として提供されており、いかなる方法でも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。用いられる数(例えば、量、温度など)に関する正確性を確保することを試みたが、当然のことながら、若干の実験誤差及び偏差を考慮すべきである。
【0497】
本発明の実施は、特に指示がない限り、当技術分野の範囲内で、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術、及び薬理学の従来の方法を用いる。そのような技術は、文献において完全に説明されている。例えば、T.E.Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties(W.H.Freeman and Company,1993)、A.L.Lehninger,Biochemistry(Worth Publishers,Inc.,current addition)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd Edition,1989)、Methods In Enzymology(S.Colowick and N.Kaplan eds.,Academic Press,Inc.)、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition(Easton,Pennsylvania:Mack Publishing Company,1990)、Carey and Sundberg Advanced Organic Chemistry 3rd Ed.(Plenum Press)Vols A and B(1992)を参照されたい。
実施例1:再発性/難治性B細胞非ホジキンリンパ腫を有するヒト患者におけるリツキシマブと併用したHu5F9-G4。
序論
【0498】
非ホジキンリンパ腫(NHL)は、米国及び欧州において最も一般的な癌であり、毎年それぞれ70,000人及び93,000人超の新規症例が診断されている。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、再発率が高く、長期生存率が乏しいNHLの中悪性度サブタイプである。更に、再発か、又はリツキシマブに対して難治性である低悪性度リンパ腫を有する患者には、利用可能な治療選択肢が少ない。これらの満たされていない高い医療ニーズに対処するために、新規の効果的な治療法が必要である。Hu5F9-G4は、抗食細胞表面タンパク質であるCD47を標的とするモノクローナル抗体である。非臨床試験では、この抗体によるCD47シグナル伝達の遮断が、マクロファージによる食作用を促進することによって、NHLなどのヒト腫瘍細胞を排除することが実証されている。更なる非臨床試験では、抗CD47抗体がリツキシマブなどのFc受容体活性化抗癌抗体と相乗作用できることが示されている。Hu5F9-G4と、抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブとの併用療法は、NHLの非臨床モデルにおいていずれかの薬剤単独と比較して相乗的な抗癌応答を実証した。
【0499】
この第1b/2相試験は、再発性/難治性B細胞NHLを有する患者におけるリツキシマブと併用したHu5F9-G4の安全性及び忍容性及び投与戦略を確立する。Hu5F9-G4及びリツキシマブは両方とも静脈内投与された。最初に、この試験は、十分なリツキシマブ用量と併用して、Hu5F9-G4の低減した開始用量を利用した。後続用量コホートでは、Hu5F9-G4の用量を漸増した。更に、この抗体併用による、予備的抗癌活性について検討した。
図2は、再発性/難治性B細胞非ホジキンリンパ腫患者におけるリツキシマブと併用したHu5F9-G4の第1b/2相試験の試験デザインスキームを示す。
患者適格性
【0500】
組み入れ基準は以下の通りとした。
1. 18歳以上の成人
2. 第1b相のみ:免疫組織化学的(IHC)又はフローサイトメトリーによってCD20を発現しているB細胞NHL、少なくとも2種類の前治療に対して再発性又は難治性
3. DLBCL第2相コホート:IHC又はフローサイトメトリーによってCD20を発現している組織学的に確認された新規又は形質転換を伴ったDLBCL、第一選択療法に対して難治性、又は、第二選択療法である救済レジメン若しくは自家造血肝細胞移植に対して再発性若しくは難治性
4. 低悪性度リンパ腫第2相コホート:IHC又はフローサイトメトリーによってCD20を発現している組織学的に確認された辺縁帯又は濾胞性リンパ腫(グレード1~3a)、少なくとも2種類の前治療に対して再発性又は難治性
5. Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)スコア0~2
6. リンパ腫のLugano分類による応答について測定可能又は評価可能な疾患
7. 臨床検査値、血球数:
○ヘモグロビン≧9.5g/dL
○絶対好中球数(ANC)≧1.0×109/mL
○血小板≧50×109/mL
8. 臨床検査値、肝機能:
○アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)<5×正常上限(ULN)
○ビリルビン≦1.5×又は3.0×ULN、及び患者がジルベール症候群又は遺伝的に同等の既往を有する場合、主に非抱合型
9. 臨床検査値、腎機能:
○血清クレアチニン≦1.5×ULN、又は糸球体濾過率(GFR)計算値>40mL/分/1.73m2
10. 妊娠の可能性がある女性は、登録前30日以内及びHu5F9-G4の初回投与72時間以内の尿又は血清妊娠検査陰性。
11. 妊娠の可能性がある女性は、試験中及びリツキシマブ最終投与の12ヶ月後又はHu5F9-G4最終投与の4ヶ月後のいずれか遅い方まで、1種類の非常に効果的な避妊方法を使用する意思があること
12. パートナーが妊娠の可能性がある女性の場合、男性は、試験中及びリツキシマブ最終投与の12ヶ月後又はHu5F9-G4最終投与の4ヶ月後のいずれか遅い方まで、1種類の効果的な避妊方法を使用する意思があること
13. 対象はインフォームドコンセントを提示している
14. 試験プロトコルに説明されている通院及び手技に準拠する意思があり、準拠可能であること
15. 第2相のみ:治験責任医師によって実行不可能(理由としては、生検に利用可能な腫瘍組織の欠如及び患者安全性の懸念が挙げられるが、これらに限定されない)と定められない限り、1回の必須の治療前及び1回の治療中の腫瘍生検に同意する意思があること
【0501】
除外基準は以下の通りとした。
1. 活動性脳転移を有する患者。(少なくとも3週間コルチコステロイド療法が行われず、安定的に治療されている中枢神経系[CNS]病変を有する患者は、活動性とは見なされない。)
2. Hu5F9-G4投与前2週間以内又は少なくとも4×半減期以内(最大4週間まで、いずれか長い方)の化学療法、ホルモン療法、又は治験薬などの事前抗癌療法。全ての状況において、必要な最大ウォッシュアウト期間は、Hu5F9-G4の最初の投与日前4週間を超えない。低用量ステロイド(経口プレドニゾン又は同等物、1日当たり≦20mg)、局所的非CNS放射線療法、前立腺癌に対するLHRHアゴニストを用いた既存の事前ホルモン療法、及びビスホスホネート及びRANKL阻害剤による治療は、除外基準ではない。
3. 既知の活性又は慢性B型若しくはC型肝炎感染、又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)。
4. 赤血球(RBC)輸血依存、スクリーニング前4週間の2単位を超えるRBC輸血を要するものとして定義される。RBC輸血は、スクリーニング中、及びヘモグロビンの組み入れ基準を満たすため登録前に許可される。
5. 直近3ヶ月間の溶血性貧血又はエヴァンス症候群の病歴。
6. 直接抗グロブリン試験(DAT)陽性。
7. CD47又はシグナル調節タンパク質アルファ(SIRPα)標的化剤による前治療。
8. 治療された基底細胞若しくは限局性扁平上皮皮膚癌、限局性前立腺癌、又は、患者が除外基準2に定義されるような抗癌治療を実施されていない他の悪性腫瘍を除く、二次癌。
9. 活性物質、マウスタンパク質、又は以下に記載されるに対するリツキシマブの他の賦形剤のいずれかに対する過敏症:RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ)処方情報
http://www.gene.com/download/pdf/rituxan_prescribing.pdf; MabThera(登録商標)(リツキシマブ)処方情報 http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/000165/WC500025821.pdf。各リンクは、2017年4月27日現在である。
10. 治験責任医師及び治験依頼者によって評価されるとき、試験への参加においてリスク対ベネフィット比を実質的に増加させる顕著な医学的疾患又は状態。これには、直近6ヶ月以内の急性心筋梗塞、不安定狭心症、コントロール不良の糖尿病、顕著な活動性感染、重度の免疫不全状態、及びうっ血性心不全New York Heart Association(NYHA)クラスII~IVが挙げられるが、これらに限定されない。
11. 精神疾患又は物質乱用の病歴は、プロトコル要件への準拠又はインフォームドコンセントの提示能力を妨げる可能性が高い。
12. 妊娠中又は授乳中。
試験目的
【0502】
主要目的
【0503】
(1)リツキシマブと併用したHu5F9-G4の安全性及び忍容性、並びに第2相用量の設定の検討。
【0504】
(2)第2相における、全奏効率(ORR)によって測定される、低悪性度リンパ腫及びDLBCL患者におけるリツキシマブと併用したHu5F9-G4の有効性の評価。
【0505】
副次的目的
【0506】
(1)第1b相及び第2相における、リツキシマブと併用したHu5F9-G4の薬物動態(PK)プロファイルの評価。
【0507】
(2)第1b相及び第2相における、リツキシマブと併用したHu5F9-G4の免疫原性の評価。
【0508】
(3)第2相における、奏功期間、最良総合効果、無増悪生存期間、及び全生存率によって測定される、低悪性度リンパ腫及びDLBCLにおけるリツキシマブと併用したHu5F9-G4の有効性の評価。
【0509】
(4)リンパ腫のLYRIC基準による奏効率の評価。
【0510】
探索的目的
【0511】
(1)リツキシマブと併用したHu5F9-G4の免疫細胞有効性及び腫瘍浸透のバイオマーカの評価。
【0512】
(2)NHLの分子サブタイプにおける有効性の評価。
エンドポイント
【0513】
主要
【0514】
(1)用量制限毒性(DLT)(第1b相のみ)及びNCI CTCAE、バージョン4.03による有害事象(AE)。
【0515】
(2)第2相:リンパ腫のLugano分類による客観的奏効率。
【0516】
副次的
【0517】
(1)第1b相及び第2相:リツキシマブと併用したHu5F9-G4の濃度対時間測定値及びPKパラメータ、最大血漿濃度(Cmax)、最高濃度到達時間(Tmax)、終末相半減期(t1/2)、曲線下面積(AUC)、クリアランス(CL)、及び消失相における分布容積(Vz)を含む。
【0518】
(2)第1b相及び第2相:Hu5F9-G4及びリツキシマブに対する抗薬物抗体。
【0519】
(3)第2相:奏効期間(DOR)、最良総合効果(BOR)、無増悪生存期間(PFS)、及び全生存率(OS)。
【0520】
(4)リンパ腫のLugano基準による客観的奏効率。
【0521】
探索的
【0522】
(1)末梢RBC及び白血球(WBC)、並びに適用可能な場合にリンパ腫細胞における、CD47受容体占有率。
【0523】
(2)循環サイトカインプロファイル、循環T細胞におけるT細胞受容体配列、循環白血球のマスサイトメトリー(CyTOF)/フローサイトメトリー、及びT細胞活性化試験が可能性として挙げられるが、これらに限定されない、Hu5F9-G4生物学的活性の薬力学的マーカ。
【0524】
(3)腫瘍生検を受ける患者では、腫瘍細胞のHu5F9-G4飽和度、並びに、マクロファージ及びT細胞腫瘍浸潤が挙げられるが、これらに限定されない、腫瘍微小環境の変化。
【0525】
(4)腫瘍生検を受ける患者では、抗癌剤応答性と、DLBCLの細胞起源、並びにBCL2、BCL6、及びMYC変異/発現状態が挙げられるが、これらに限定されない、NHLの分子サブタイプとの相関。
介入及び送達方法
【0526】
Hu5F9-G4は、CD47に対するヒト化モノクローナル抗体であり、リツキシマブは、CD20に対するキメラモノクローナル抗体である。両方の薬物を静脈内投与した。Hu5F9-G4は、全ての第1b相サイクルにおいて1、8、15、及び22日目に投与され、一方、リツキシマブは、初回サイクルの8、15、及び22日目に、続いてサイクル2~6の1日目に投与された。
介入期間と評価
【0527】
第1b相/第2相:試験の第1b相部分において、標準的な3+3用量漸増デザインでHu5F9-G4及びリツキシマブで患者を治療した。最大耐量(MTD)の決定に使用されるDLT安全性評価を、最初の4週間以内に実施した。応答評価は、疾患が進行するまで2サイクル(8週間)ごとに行われた。リツキシマブは、合計6サイクル投与され、一方、Hu5F9-G4治療は、疾患が進行しない患者について、6サイクルを超えて延長した、又は延長する。
患者数
【0528】
第1b相:患者計9~18人
【0529】
用量レベルにつき:
【0530】
レベル1:3~6人
【0531】
レベル2:3~6人
【0532】
レベル3:3~6人
【0533】
第2相:患者48人(低悪性度リンパ腫患者24人、DLBCL患者24人)
【0534】
試験計:患者57~66人(第2相におけるステージ2への進行を想定)
Hスコア
【0535】
Hスコアは、患者におけるB細胞の存在又は非存在の尺度として計算した。組織生検(例えば、癌生検)を患者から採取し、CD19又はCD20などのB細胞マーカについて免疫染色した。免疫染色された組織切片を、Hスコアを決定するためB細胞マーカについて撮像した。Hスコアを決定するための例示的な方法は、CD20+B細胞の存在非存在を参照して以下に記載される。
【0536】
Hスコアは、次のようにスコア付けすることができる:1)0~3+のスケールで2+又は+3のスコア、0は、B細胞染色がなく、3+は、最大B細胞染色を表す;2)又はHスコアを使用して、CD20膜染色強度(0、1+、2+、又は3+)が固定フィールド内の各細胞について決定される、半定量的スコア。各染色強度レベルにおける細胞の割合を計算し、次式、すなわち、[1×(スコア1の細胞%)+2×(スコア2の細胞%)+3×(スコア3の細胞%)]を使用してHスコアを割り当てる。Hスコアは、0~300の範囲であり得る。Hスコアを導出するための同様の方法が使用され得る。高Hスコアのカットオフは、B細胞の存在に利用される。低CD20発現は、0又は1+のスコアでスコア付けされ得る。それにより、対象におけるB細胞の存在の欠如を確立するために、低Hスコアのカットオフが利用される。
奏効率に影響を与える変数の遡及的分析
【0537】
異なる変数を分析して、第1b相試験に登録されたDLBCL患者と第2相試験に登録されたDLBCL患者との間の異なる奏効率を決定した。変数は以下を含む:ベースラインでのCD19細胞数、ベースラインでの総リンパ球数に対するCD19細胞数パーセント、ベースラインでの総リンパ球数、直近の抗CD20療法からの月数、ベースラインにおける患者のリツキシマブ濃度、ベースラインにおける腫瘍量、ヘモグロビン数、好中球数、血小板数、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)状態、ベースラインでの乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の量、及びベースラインでのアルブミンの量。
【0538】
更に、臨床的にCD20+B細胞データを収集しなかったが、CD20+B細胞の存在/非存在が分析のための追加の変数として機能するように、CD19+B細胞及びリツキシマブ濃度についての患者データを、CD20+B細胞の存在又は非存在の代用として使用した。
【0539】
図3は、CD20+B細胞の存在の代用としてのCD19+B細胞の割合及びリツキシマブの使用を示す。具体的には、
図3に310として示される、高リツキシマブ濃度(例えば、10
3ng/mL超)、かつ限定されたCD19+B細胞(例えば、0.01%未満のCD19+B細胞)を有する患者を、CD20+B細胞を有さないとして分類した。
図3に320として示される、低リツキシマブ濃度(例えば、10ng/mL未満)、かつ高CD19+B細胞(例えば、1%超のCD19+B細胞)を有する患者を、CD20+B細胞を有するものとして分類した。
図3に330として示される、中リツキシマブ濃度(1~500ng/mL)、かつある程度のCD19+B細胞(0.01%超のCD19+B細胞)を有する患者を、CD20+B細胞を有するものとして分類した。
図3に340として示される、高リツキシマブ濃度(例えば、500ng/mL超)、かつある程度のCD19+B細胞(0.01%超のCD19+B細胞)を有する患者を、CD20+B細胞を有するものとして分類した。
【0540】
各変数について、第1b相試験及び第2相試験に登録されたDLBCL患者において、変数と客観的奏効率(完全奏効及び部分奏功の両方を含む)との間の関係をモデル化したロジスティック回帰法を使用して、単変量分析を行った。
改良した患者適格性基準を用いて計画された試験
【0541】
改訂された適格性基準は、新しい登録DLBCL患者コホートで実施される。新たに改訂された適格性基準を使用する推定された20人の患者の中間解析を実施して、後続の80人の患者を登録するかどうかを確認する。エンドポイントは、客観的奏効率(完全奏効又は部分奏功)と奏功期間に基づく。
【0542】
中間解析のDLBCL患者は、2回以上の前治療を受けている。以下の表5は、20人の患者の中間解析及び後続の治療に含まれる患者を選択するための追加的に改訂されたプロトコル基準を示す。
【表5】
実施例2:ヒトの結果
患者奏効率
【0543】
一般に、第1b相試験に登録されたDLBCL患者は、第2相試験に登録された患者と比較して、マグロリマブ及びリツキシマブの併用治療により良好に応答した。表6は、2019年5月15日時点の、第1b相及び第2相試験の両方におけるマグロリマブ及びリツキシマブの併用で治療された患者において観察された抗腫瘍活性の要約を示す。
【表6】
【0544】
具体的には、表6に示されるように、第1b相の試験に登録されたDLBCL患者のうち、21人中10人(48%)の患者は客観的奏効率を示した(7人は完全奏効であり、3人は部分奏効である)。しかくすると、第2相の試験に登録されたDLBCL患者のうち、38人中11人(29%)の患者のみが客観的奏効率を示した(2人は完全奏効であり、9人は部分奏効である)。
【0545】
更に、第1b相試験に登録されたDLBCL患者のうち、4人(19%)は安定を示し、7人(33%)は進行を示した。第2相試験に登録された3人の患者(8%)は安定を示したが、第2相試験に登録された患者の有意に高い割合は、進行(患者38人中24人、63%)を示した。
【0546】
更に、第1b相試験では、DLBCL患者のフォローアップ中央値は13.8ヶ月であった。対照的に、第2相試験では、DLBCL患者のフォローアップ中央値は3.7ヶ月と有意に減少した。
奏効率に影響を与える変数の遡及的分析
【0547】
第1b相及び第2相試験に登録された患者間の奏効率の有意な差を考慮し、単変量分析を異なる変数において実施し、奏効率の差を生じさせた推定原因を判定した。
【0548】
図4は、第1b/2相試験の患者間の奏効率に影響を与える特定された変数を示す。具体的には、ベースラインでのCD19細胞数、ベースラインでのリンパ球に対するCD19細胞数パーセント、直近の抗CD20療法からの月数、及び対象のリツキシマブ濃度に関する変数が、併用マグロリマブ及びリツキシマブ療法に対する患者の応答に統計学的に有意に関連していることが見出された。
【0549】
特に、ベースラインでのCD19細胞数、ベースラインでのリンパ球に対するCD19細胞数パーセント、及び直近の抗CD20療法からの月数に関する変数の各々が、患者の客観的奏効率と直接相関関係を示した。ベースラインでの対象におけるリツキシマブ濃度は、患者の客観的奏効率と逆相関した。
CD19+B細胞の存在
【0550】
CD19+B細胞の存在の変数を更に検討し、客観的奏効率を示した患者との関連性を決定した。
図5は、CD19+B細胞に対して陰性である患者における最良総合効果を示す棒グラフである。CD19 B細胞データが利用可能であった患者において、6人の患者がCRを示し、7人の患者がPRを示し、4人の患者はSDを示し、23人の患者はPDを示した。CRを示す6人の患者のうち0人はCD19+B細胞について陰性であり、PRを示す7人の患者のうち0人はCD19+B細胞について陰性であり、SDを示す4人の患者のうち2人はCD19+B細胞に対して陰性であり、PDを示す23人の患者のうち12人はCD19+B細胞に対して陰性であった。これらの結果は、B細胞について陰性であった患者がSD又はPDを不均衡に示したことを示している。
【0551】
図6は、患者末梢血中のCD19+B細胞の割合に基づく患者の最良総合効果を示すプロットである。具体的には、
図6は、第1b相又は第2相試験に登録された個々の患者の末梢血中の全リンパ球に対するCD19+B細胞の割合、並びにそれらの個々の患者の各々についての最良総合効果を示す。一般に、末梢血中の全リンパ球に対するCD19+B細胞の割合がより高い患者は、より低い割合のCD19+B細胞を有する患者と比較して、より良好に応答した(例えば、CR又はPR)。
【0552】
具体的には、CRを呈した患者は、全リンパ球に対して平均~7.5%のCD19+B細胞を有した。PRを呈した患者は、全リンパ球に対して平均~5.5%のCD19+B細胞を有した。SD又はPDを呈した患者は、全リンパ球に対して平均~2%のCD19+B細胞を有した。CR及びPR患者の各々における平均CD19+B細胞集団は、PD患者の平均CD19+B細胞集団と比較して統計学的に有意であった。特に、
図6に610として示される、PDを示した患者の大きな集団は、CD19+B細胞を有しなかった。特に、
図6に615として示される4人の患者は、CR又はPRを呈し、これは、前治療(リツキシマブ)由来の長期間のB細胞枯渇に起因する可能性がある。
【0553】
図7は、患者末梢血中のCD19+B細胞の絶対数に基づく患者の最良総合効果を示すプロットである。具体的には、
図7は、第1b相又は第2相試験に登録された個々の患者のCD19+B細胞の絶対数(1マイクロリットル当たりの細胞数)、並びにそれらの個々の患者の各々についての最良総合効果を示す。
図6に示される結果から引き出された結論と同様に、CD19+B細胞の絶対数がより高い患者は、CD19+B細胞の絶対数がより低い患者と比較して、より良好に応答した(例えば、CR又はPR)。
【0554】
具体的には、CRを呈した患者は、1マイクロリットル当たり平均~75個のCD19+B細胞を有した。PRを呈した患者は、1マイクロリットル当たり平均~42個のCD19+B細胞を有した。SDを呈した患者は、1マイクロリットル当たり平均~5%のCD19+B細胞を有した。PDを呈した患者は、1マイクロリットル当たり平均~39%のCD19+B細胞を有した。注目すべきことに、PDを示した患者は、広範囲の絶対数のCD19+B細胞(1マイクロリットル当たり0個から最大~600個の細胞まで)を有した。CR患者におけるCD19+B細胞の絶対数は、PD患者におけるCD19+B細胞の絶対数と比較して統計学的に有意であった。
【0555】
図8は、CD19+B細胞の存在に関する適格性基準を適用する前後の第1b/2相試験に含まれる患者の奏効率を示す。「未選択データ」という標題の列は、CD19+B細胞の存在について考慮することなく、第1b相及び第2相試験に登録された患者の集団(N=42)を指す。「CD19+B細胞陽性患者」という標題の列は、CD19+B細胞が存在する患者の集団のサブセット(N=28)を表す。B細胞の存在は、検出限界を超えるB細胞の検出として定義した。したがって、適格性基準が第1b/2相試験に登録された患者に遡及的に適用された場合、42人の患者のうち14人が除外される。除外された患者のうち、全てがSD又はPDを示した。具体的には、CD19+B細胞の存在に関する適格性基準の遡及的な適用は、ORRを示した患者の割合を33%から最大50%まで増加させた。更に、CD19+B細胞の存在に関する適格性基準の遡及的な適用は、CR及びPRを示した患者の割合を、それぞれ14%から21%まで、及び19%から29%まで増加させた。これは、患者がCD19+B細胞の存在を有することを必要とする適格性基準が、併用マグロリマブ及びリツキシマブ療法に良好に応答する可能性が高い患者を特定するのに有望であり得ることを示唆している。
CD20+B細胞の存在
【0556】
図9は、患者におけるCD20+B細胞の存在又は非存在に基づくびまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は濾胞性リンパ腫を有する患者の最良総合効果を示す円グラフを示す。両方の疾患について、CD20 B細胞を欠いた患者(
図9でCD20-で示される)は、SD又はPDのいずれかを示した。反対に、CD20+B細胞が存在する患者は、より多様な奏効率を示した。
【0557】
具体的には、CD20+B細胞の存在を有する17人のDLBCL患者のうち、患者の25%超がCR又はPRのいずれかを示した。更に、CD20+B細胞の存在を有する21人の濾胞性リンパ腫患者のうち、患者の50%超がCR又はPRのいずれかを示した。これは、CD20+B細胞の存在に関する適格性基準が、併用マグロリマブ及びリツキシマブ療法に応答する可能性が高い患者を特定し得ることを示唆している。
【0558】
図10は、CD20+B細胞の存在に関する適格性基準を適用する前後の第1b/2相試験に含まれる患者の客観的奏効率を示す。「未選択データ」という標題の列は、CD20+B細胞の存在について考慮することなく、第1b相及び第2相試験に登録された患者の集団(N=42)を指す。「CD20+B細胞陽性患者」という標題の列は、CD20+B細胞が存在すると推定された(例えば、上記のCD19+B細胞及びリツキシマブ濃度の代理データによって推定)患者の集団のサブセット(N=16)を表す。CD20+B細胞の存在に関する適格性基準が第1b/2相試験に登録された患者に遡及的に適用された場合、42人の患者のうち26人が除外される。
【0559】
CD20+B細胞の存在に関する適格性基準の遡及的な適用は、ORRを示した患者の割合を33%から最大62.5%まで増加させた。更に、CD20+B細胞の存在に関する適格性基準の遡及的な適用は、CR及びPRを示した患者の割合を、それぞれ14%から25%まで、及び19%から37.5%まで増加させた。これは、患者がCD20+B細胞の存在を有することを必要とする適格性基準が、併用マグロリマブ及びリツキシマブ療法に良好に応答する可能性が高い患者を特定するのに有望であり得ることを示唆している。
【0560】
図11A及び
図11Bは、CD20+B細胞の存在又は非存在の直接的測定として使用される、CD20 H-スコアを説明する結果を示す。具体的には、
図11Aは、スクリーニング(例えば、試験登録及び治療薬投与に先立つ適格性スクリーニング)時のDLBCL患者のCD20 Hスコアを示す。
図11Bは、スクリーニング時の全てのNHL患者のCD20 Hスコアを示す。総CD45+細胞の0.2%以下のCD20+B細胞のカットオフを用いて、CD20陰性症例を定義した。
図11A及び
図11Bの両方において、CD20 Hスコアが高い患者はCD20+B細胞の存在を有し、CD20 Hスコアが低い患者はCD20+B細胞が存在しなかった。より具体的には、
図11Aでは、CD20+B細胞を有するDLBCL患者は、~200の平均CD20 Hスコアを有し、これはCD20+B細胞を欠くDLBCL患者の対応するHスコアと有意に異なっていた。
図11Bでは、CD20+B細胞を有するNHL患者は、~180の平均CD20 Hスコアを有し、これはCD20+B細胞を欠くNHL患者の対応するHスコアと有意に異なっていた。これは、CD20+B細胞の存在に関する適格性基準が実施された場合、CD20Hスコアを使用して、CD20+B細胞の存在又は非存在を直接予測できることを示す。
CD19+及びCD20+B細胞の両方の存在
【0561】
図12A及び
図12Bは、免疫組織化学的検査(IHC)を使用して確認されたCD20+CD19+又はCD20-CD19+プロファイルのいずれかを有する2例の患者の結果を示す。CD20及びCD19 B細胞の存在は、上記のように、腫瘍生検のIHC染色及びHスコアを計算することによって決定した。
【0562】
図12Aは、マグロリマブ及びリツキシマブの併用療法に対した部分奏効を示したDLBCL患者における、CD20及びCD19 B細胞の両方の陽性IHC染色を示す。対照的に、
図12Bは、別のDLBCL患者における、CD20 B細胞の陰性IHC染色及びCD19 B細胞の陽性IHC染色を示す。ここで、このDLBCL患者は、マグロリマブ及びリツキシマブの併用療法に対して進行を示した。総合すると、
図12A及び
図12Bは、CD20-/CD19+プロファイルを有する患者が、異なるプロファイルを有する他の患者と比較して、マグロリマブ+リツキシマブ併用療法に対する応答性が乏しい場合があることを示す。
直近の抗CD20治療の期間
【0563】
直近の抗CD20治療の期間は、併用療法に対する患者応答の直接予測因子として使用することができ、及び/又は、CD19+B細胞又はCD20+B細胞のいずれかの存在又は非存在のサロゲート測定値として使用することができる。
【0564】
図13は、y軸上に直近の抗CD20治療からの日数(対数スケール)と、x軸上の患者応答(例えば、CR、PR、SD、PD)を示す。一般に、直近の抗CD20治療からの日数が長いほど、SD又はPDとは対照的に、患者がCR又はPRを示す可能性が高い。具体的には、
図13に示されるように、CR又はPRを示した患者は、直近の抗CD20治療から平均~750~800日であった。比較すると、SDを示した患者は、直近の抗CD20治療から~200日であり、PDを示した患者は、直近の抗CD20治療から~120日であった。これは、直近の抗CD20治療の期間が、マグロリマブ及びリツキシマブの併用療法に対する患者応答の直接予測因子であり得ることを示す。
【0565】
図14A及び
図14Bは、抗CD20治療、例えばリツキシマブを伴う治療後のCD20発現の低減を示す。具体的には、
図14Aは、スクリーニング時及び治療2ヶ月後にDLBCL患者(患者24-014)から採取された組織切片のCD20免疫組織化学染色を示す。治療後の組織におけるCD20免疫組織化学染色の強度は、スクリーニング時の組織におけるCD20染色と比較して低減し、抗CD20治療に起因する可能性が高い。更に、
図14Bは、スクリーニング時(例えば、「pre-tx」)及び治療後(例えば、「post-tx」)のCD20+発現の定量化された割合を示す。ここでは、細胞の50%超がスクリーニング時にCD20+であり、細胞の40%未満が治療後にCD20+であった。この差は統計学的に有意である。
【0566】
図15A及び
図15Bは、スクリーニング時及び治療後の個々のDLBCL患者におけるCD20発現の変化を示す。
図15Aは、DLBCL患者の大部分が、治療後にCD20を発現した細胞の割合の低減を経験したことを示す。
図15Bは同様に、DLBCL患者の大部分が、CD20+B細胞の存在の測定値である、CD20 Hスコアの低減を経験したことを示す。
【0567】
総合すると、
図14A/14B及び15A/15Bは、抗CD20を含む治療の結果としてCD20の発現が低下し、したがって、
図13に示されるように、CD20 B細胞の経時的な補充を考慮すると、直近の抗CD20治療からの日数が大きいほど、改善された転帰につながる可能性が高いことを示す。
【0568】
図16は、患者が直前に抗CD20治療を受けた期間と患者に存在するCD19B細胞の絶対数との間の相関関係を示す。一般に、直近の抗CD20治療からの月数とCD19+B細胞の絶対数(1マイクロリットル当たりの細胞数)との間には直接相関がある。
図17は、患者が直前に抗CD20治療を受けた期間と患者に存在するCD19B細胞の割合との間の相関関係を示す。ここで、直近の抗CD20治療からの月数と全リンパ球に対するCD19+B細胞の割合との間には直接相関がある。特に、
図16及び
図17の両方では、CD19 B細胞が回復していない、1~10ヶ月の患者のサブ集団が存在する。これらの患者は、CD19 B細胞が補充されるまでに、10ヶ月超を必要とする場合がある。以下の表7は、CD19 B細胞の存在又は非存在が判定された患者における、直近の抗CD20治療からの月数に関連する統計データを提供する。検出限界のカットオフを使用して、CD19+B細胞の存在/非存在を区別した。
【表7】
【0569】
総合すると、これらの結果は、直近の抗CD20治療の期間が、マグロリマブ及びリツキシマブの併用治療に応答する可能性が低い患者を除外する適格性基準として使用できることを示唆する。一例として、適格性基準は、少なくとも4週間前に抗CD20治療を直近で受けた患者とすることができる。
対象におけるリツキシマブ濃度
【0570】
ベースラインでの対象における抗CD20療法剤(例えば、リツキシマブ)の濃度は、CD19+B細胞などのB細胞の存在又は非存在のサロゲート測定値として使用することができる。
図17~19の各々は、CD19+B細胞の存在のサロゲート測定値として、対象におけるリツキシマブの濃度の使用を支持する結果を説明している。
【0571】
図18は、患者におけるリツキシマブ濃度(例えば、リツキシマブ薬物動態の尺度)と患者に存在するCD19+B細胞の割合との間の相関関係を示す。
図18に1810として示される、かなりの割合の患者は、リツキシマブの血清レベルが低く(~1
ng/mL)、かつCD19+B細胞の割合が高かった(10
0~10
1%B細胞)。
図18に1820として示される、第2の集団の患者は、リツキシマブの血清レベルが高く(10
2~10
5ng/mL)、CD19+B細胞の割合が若干低かった(10
-2~10
0%B細胞)。更に、
図18に1830として示される、第3の集団の患者は、リツキシマブのレベルが高く(10
2~10
5ng/mL)、CD19+B細胞の割合が低かった(~10
-3%B細胞)。したがって、第1の集団1810、第2の集団1820、及び第3の集団1830において、リツキシマブ濃度の減少は、患者におけるCD19+B細胞の割合の実質的な増加をもたらす。
【0572】
図19は、患者におけるリツキシマブの有無と患者に存在するCD19B細胞の割合との間の相関関係を示す。具体的には、患者は、各患者における血清リツキシマブのレベルに基づいて、「陰性」カテゴリ及び「陽性」カテゴリに分類された。検出限界のカットオフを使用して、CD19 B細胞の存在又は非存在を区別した。「陰性」カテゴリに分類された患者は、~4%のCD19+B細胞の平均割合を有し、「陽性」カテゴリに分類された患者は、0.01%のCD19+B細胞の平均割合を有した。N/Aカテゴリは、利用可能なCD19測定を行っていない患者を指す。
【0573】
図20は、患者におけるリツキシマブ濃度と患者に存在するCD19B細胞の存在又は非存在との間の相関関係を示す。患者は、「非存在」カテゴリ及び「存在」カテゴリに分類された。検出限界のカットオフを使用して、CD19 B細胞の存在又は非存在を区別した。「非存在」カテゴリに分類された患者は、~10
4pg/μLの平均リツキシマブ濃度を有し、「存在」カテゴリに分類された患者は、~10
2pg/μLの平均リツキシマブ濃度を有した。
【0574】
以下の表8は、リツキシマブ陽性又は陰性のいずれかのうちの1つ、及びCD19+B細胞非存在又はCD19+B細胞存在カテゴリのいずれかのうちの1つにおける患者の分類を示す。
【表8】
【0575】
総合すると、これらの結果は、患者におけるリツキシマブ濃度が、マグロリマブ及びリツキシマブの併用治療に応答する可能性が低い患者を除外する適格性基準として使用できることを示唆する。例えば、適格性基準は、ベースライン又はスクリーニング時の患者におけるリツキシマブ濃度を1ng/mL、10ng/mL、又は100ng/mL未満とすることができる。
【0576】
本発明は、好ましい実施形態及び様々な代替の実施形態を参照して特に示され説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更をその中で行うことができることが、当業者によって理解されるであろう。
【0577】
本明細書の本文内で引用された全ての参考文献、発行された特許及び特許出願は、全ての目的のために、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
実施例3:Q1W対Q2WのHu5F9-G4投与レジメンにおける抗体受容体占有率
【0578】
図21Aは、Hu5F9-G4投与(Q1W)から隔週Hu5F9-G4投与(Q2W)への移行後の、経時的なCD45+末梢血細胞におけるHu5F9-G4によるCD47受容体占有を示す。受容体占有率は、定常状態のQWレベルの一部として表される。
図21Bは、毎週Hu5F9-G4投与(Q1W)から隔週Hu5F9-G4投与(Q2W)への移行後の、経時的なCD45+骨髄細胞におけるHu5F9-G4によるCD47受容体占有を示す。受容体占有率は、定常状態のQWレベルの一部として表される。
【0579】
抗体受容体占有率(RO)を、1週間に1回投与(Q1W)及び2週間に1回投与(Q2W)レジメンにおいて評価した。患者に、全てのサイクルについてHu5F9-G4を1週間に1回(全てQ1W)、又はサイクル1及び2について週に1回、次いでサイクル3以降で2週間に1回(Q2W)投与した。CD47抗体受容体占有率(RO)を、末梢血及び骨髄で評価し、Q1W対Q2W投与に対して比較した。一次患者血液又は骨髄細胞を、Hu5F9-G4反応性蛍光抗IgG4抗体で染色し、続いてフローサイトメトリーによって定量化した。占有レベルは、抗IgG4抗体染色の前に添加された未標識Hu5F9-G4の飽和量と一致する患者サンプルによって定義される、最大シグナルのパーセントとして計算した。Q2W投与のデータを、Q1WのROレベルに対して補正した。
【0580】
患者は、サイクル1及びサイクル2中に最大占有率を急速に達成した(Q1W投与、図示せず)。サイクル3以降に変更したQ2W後に、同様のCD47抗体ROを、末梢血(
図21A)又は骨髄(
図21B)の両方で観察した。両方の図について、点は、サイクル3以降に経時的に採取され、患者Q1W ROレベルに対して補正した患者サンプルにおける抗体占有レベルを示し、中間線は最もフィットする線形回帰を示し、上部及び下部の線は、95%信頼区間を示す。したがって、Hu5F9-G4 Q2W投与(すなわち、2週間に1回の投与)は、Q1W投与(すなわち、週に1回の投与)と同様のCD47受容体占有率をもたらした。
【0581】
本発明は、好ましい実施形態及び様々な代替の実施形態を参照して特に示され説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更をその中で行うことができることが、当業者によって理解されるであろう。
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
【表9-5】
【表9-6】
【表9-7】
【表9-8】
【表9-9】
【表9-10】
【表9-11】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2022-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47
剤と、(b)抗CD20抗体
とを含
む、対象における血液癌を治療するための組み合わせ物であって、(a)及び(b)
の投与の前に、B細胞が前記対象に存在していることが決定されるか、又は決定されている、
組み合わせ物。
【請求項2】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、抗CD20抗体とを含む、対象における血液癌の治療方法
において使用するための組み合わせ物であって、
前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることと、
前記組み合わせ物を、前記対象に投与すること又は投与されていることと、を含む、
組み合わせ物。
【請求項3】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定が、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、酵素結合免疫スポット、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていることを含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項4】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体を前記対象に投与する前に、B細胞が前記対象に存在することの前記決定を前提として、前記対象を治療の候補者であると決定することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項5】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項6】
前記対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD19+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項5に記載の
組み合わせ物。
【請求項7】
CD19+B細胞の前記閾値量が、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、請求項6に記載の
組み合わせ物。
【請求項8】
CD19+B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞である、請求項6に記載の
組み合わせ物。
【請求項9】
CD19+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞である、請求項6に記載の
組み合わせ物。
【請求項10】
CD19+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞である、請求項6に記載の
組み合わせ物。
【請求項11】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項12】
前記対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD20+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項11に記載の
組み合わせ物。
【請求項13】
CD20+B細胞の前記閾値量が、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、請求項11に記載の
組み合わせ物。
【請求項14】
CD20+B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD20+B細胞である、請求項11に記載の
組み合わせ物。
【請求項15】
CD20+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞である、請求項11に記載の
組み合わせ物。
【請求項16】
CD20+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞である、請求項11に記載の
組み合わせ物。
【請求項17】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項18】
前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、請求項17に記載の
組み合わせ物。
【請求項19】
CD19+B細胞の前記閾値量が、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞のうち、いずれか1つである、請求項18に記載の
組み合わせ物。
【請求項20】
CD20+B細胞の前記閾値量が、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD20+B細胞、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞のうち、いずれか1つである、請求項18又は19に記載の
組み合わせ物。
【請求項21】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象が閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたことを決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項22】
前記閾値期間が、少なくとも4週間である、請求項21に記載の
組み合わせ物。
【請求項23】
前記閾値期間が、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である、請求項21に記載の
組み合わせ物。
【請求項24】
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項25】
前記対象において前記抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることは、前記対象が抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有していることを決定すること又は決定されていることを含む、請求項24に記載の
組み合わせ物。
【請求項26】
前記抗CD20療法剤の前記閾値濃度が、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である、請求項25に記載の
組み合わせ物。
【請求項27】
前記抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される前記検出アッセイが、イムノアッセイ、ELIspot、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである、請求項26に記載の
組み合わせ物。
【請求項28】
以前に投与された抗CD20療法剤がリツキシマブを含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項29】
B細胞が、前記対象から得られたサンプルを使用して、前記対象に存在すると決定されるか又は決定されている、請求項1~28のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項30】
前記対象から得られた前記サンプルが、末梢血サンプルである、請求項29に記載の
組み合わせ物。
【請求項31】
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項32】
前記抗CD47剤が、SIRPα試薬を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項33】
前記SIRPα試薬が、CD47に結合するSIRPαの一部を含む、請求項32に記載の
組み合わせ物。
【請求項34】
前記SIRPα試薬が、高親和性SIRPα試薬である、請求項32又は33に記載の
組み合わせ物。
【請求項35】
前記抗CD47剤が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項36】
前記抗CD47剤が、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項37】
前記抗CD47剤が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項38】
前記血液癌が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、請求項1~37のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項39】
前記対象が、再発性又は難治性DLBCLを有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項40】
前記対象が、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されている、請求項39に記載の
組み合わせ物。
【請求項41】
前記血液癌が、濾胞性リンパ腫(FL)である、請求項1~37のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項42】
前記血液癌が、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである、請求項1~37のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項43】
前記抗CD47剤が、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、又は30mgの用量で投与される、請求項1~42のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項44】
前記抗CD47剤が静脈内投与される、請求項1~43のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項45】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項1~44のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項46】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、前記抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mg抗体の1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで前記対象に投与される、請求項1~45のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項47】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項46に記載の
組み合わせ物。
【請求項48】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項47に記載の
組み合わせ物。
【請求項49】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで前記対象に更に投与される、請求項48に記載の
組み合わせ物。
【請求項50】
前記後続サイクルが、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される、請求項49に記載の
組み合わせ物。
【請求項51】
前記初回サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項46~50のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項52】
前記2回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項47~51のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項53】
前記3回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項48~52のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項54】
前記後続サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項49~53のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項55】
前記抗CD20抗体が、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m
2のいずれか1つの用量で前記対象に投与される、請求項1~50のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項56】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD47剤が、前記抗CD20抗体の前に前記対象に投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項57】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD20抗体が、前記抗CD47剤の前に対象に投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項58】
化学療法剤
が前記対象に
更に投与
される、請求項1~57のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項59】
前記化学療法剤が、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である、請求項58に記載の
組み合わせ物。
【請求項60】
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、請求項1~59のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項61】
前記抗CD20抗体が、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~60のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項62】
前記抗CD20抗体が、配列番号137の可変重鎖配列を含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項63】
前記抗CD20抗体が、配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項1~62のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項64】
前記抗CD20抗体がFc領域を含み、前記Fc領域は、配列番号140のC
H2配列及び配列番号141のC
H3配列を含む、請求項1~63のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項65】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項66】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む、請求項1~65のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項67】
マグロリマブ及びリツキシマブを含む、対象における血液癌の治療方法
において使用するための組み合わせ物であって、前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることであって、前記決定は、前記対象が、リンパ球の総量のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、ことと、
マグロリマブを投与すること;と、
前記対象にリツキシマブを投与することと、を含み、
前記対象は、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されているヒト対象であり、
前記血液癌は、再発性又は難治性DLBCLであり、
マグロリマブを投与することは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲のプライミング用量のマグロリマブを投与することと、(2)体重1kg当たり30mgで週間用量のマグロリマブを8週間投与することと、(3)以降体重1kg当たり30mgで隔週用量のマグロリマブを投与することと、を含み、
リツキシマブを投与することは、(1)体表面積1m
2当たり375mgで週間用量のリツキシマブを4週間投与することと、その後、(2)体表面積1m
2当たり375mgで毎月リツキシマブを投与することと、を含む、
組み合わせ物。
【請求項68】
方法であって、
対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたかどうかに基づいて、B細胞が血液癌を有する前記対象に存在するかどうかを決定することであって、前記対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されていることは、B細胞が前記対象に存在することを示す、ことを含み、
前記対象におけるB細胞の存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、
前記対象におけるB細胞の非存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す、方法。
【請求項69】
方法であって
、
対象から得られたサンプルでアッセイを実施することによって
、前記対象においてB細胞が存在するかどうかを決定することと、を含み、
前記対象におけるB細胞の存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、
前記対象におけるB細胞の非存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す、方法。
【請求項70】
前記対象から得られた前記サンプルが、末梢血サンプルである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
コンピュータシステムで実行される方法であって、
血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す情報を含むデータセットを
、コンピュータシステムによって取得すること又は取得されていることであって、前記血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す前記情報は、
前記対象におけるB細胞の量、
前記対象における全リンパ球中のB細胞の割合、
前記対象が直近に抗CD20療法剤を投与された日数、
前記対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在、のうちの1つを含む、ことと、
前記データセットを使用して、B細胞が前記血液癌を有する対象に存在することを
、コンピュータシステムによって決定することと、
前記血液癌を有する対象に治療
が施
されるかどうかを、コンピュータシステムによって決定することと、を含む、方法。
【請求項72】
前記データセッ
トは、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、ELIspot、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていること
によって得られたデータセットを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記データセット内の前記情報は、前記対象から得られたサンプル中のB細胞の量、又は前記対象から得られたサンプル中のB細胞の割合のうちのいずれか1つを含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記情報を、B細胞の閾値量と比較することを含む、請求項71又は72に記載の方法。
【請求項74】
B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのB細胞である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
B細胞の前記閾値量が、少なくとも、B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のB細胞である、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のB細胞である、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記B細胞が、CD19+B細胞又はCD20+B細胞のうちの1つである、請求項71~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記B細胞が、CD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方である、請求項71~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記データセット内の前記情報は、前記対象が以前に抗CD20療法剤を投与された期間を含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記対象が以前に抗CD20療法剤を投与された前記期間が閾値期間を超えるかどうかを決定することを含む、請求項71~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記閾値期間が、少なくとも4週間である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記閾値期間が、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記データセット内の前記情報は、前記対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在を含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定することを含む、請求項71~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記対象における抗CD20療法剤が存在していないことを決定することは、前記対象が前記抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有することを決定すること又は決定されていることを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記抗CD20療法剤の前記閾値濃度が、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される前記検出アッセイが、イムノアッセイ、酵素結合免疫スポット、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
以前に投与された抗CD20療法剤がリツキシマブを含む、請求項80~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記血液癌が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記血液癌が、再発性又は難治性DLBCLである、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記対象が、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されている、請求項68~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記血液癌が、濾胞性リンパ腫(FL)である、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記血液癌が、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである、請求項68~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記治療を施すことが、CD47とSIRP
αとの間の結合を阻害する抗CD47剤を投与することと、前記対象に抗CD20抗体を投与することと、を含む、請求項71~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記抗CD47剤が、SIRPα試薬を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記SIRPα試薬が、CD47に結合するSIRPαの一部を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記SIRPα試薬が、高親和性SIRPα試薬である、請求項95又は96に記載の方法。
【請求項98】
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項99】
前記抗CD47剤が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記抗CD47剤が、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む、請求項98又は99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記抗CD47剤が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む、請求項98~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記対象が、以前に抗CD20療法剤で治療されており、前記対象への、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤の投与及び抗CD20抗体の投与は、前記対象が以前に抗CD20療法剤で治療されてから28日後以降にそれぞれ実施される、請求項93~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記抗CD47剤が、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、又は30mgの用量で投与される、請求項93~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記抗CD47剤が静脈内投与される、請求項93~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項93~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、前記抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mgの1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで前記対象に投与される、請求項93~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで前記対象に更に投与される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで前記対象に更に投与される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記後続サイクルが、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記初回サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項106~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記2回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項107~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記3回目のサイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項108~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記後続サイクルが、体表面積1m
2当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む、請求項109~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記抗CD20抗体が、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m
2のいずれか1つの用量で前記対象に投与される、請求項93~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD47剤が、前記抗CD20抗体の前に前記対象に投与される、請求項93~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD20抗体が、抗CD47剤の前に前記対象に投与される、請求項93~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記療法または治療が、化学療法剤
を更に含む、請求項68~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記化学療法剤が、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、請求項93~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記抗CD20抗体が、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項93~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記抗CD20抗体が、配列番号137の可変重鎖配列を含む、請求項93~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記抗CD20抗体が、配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項93~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記抗CD20抗体がFc領域を含み、前記Fc領域は、配列番号140のC
H2配列及び配列番号141のC
H3配列を含む、請求項93~123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む、請求項93~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む、請求項93~125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記血液癌が、B細胞血液悪性腫瘍である、請求項1~
67のいずれか一項に記載の組み合わせ物、または請求項68~126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記血液癌が、CD20+癌である、請求項127に記載の
組み合わせ物または方法。
【請求項129】
抗CD47抗体及び抗CD20抗体を含む、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法
において使用するための組み合わせ物であって、
前記抗CD47抗体を静脈内に及び
前記抗CD20抗体を、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、
組み合わせ物。
【請求項130】
抗CD47抗体及び抗CD20抗体を含む、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法
において使用するための組み合わせ物であって、
前記抗CD47抗体を静脈内に及び
前記抗CD20抗体を、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、80mg~800mgの範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)少なくとも2400mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、
組み合わせ物。
【請求項131】
前記抗CD47抗体がマグロリマブを含む、請求項129又は130に記載の
組み合わせ物。
【請求項132】
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、請求項129~131のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項133】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項129~132のいずれか一項に記載の
組み合わせ物。
【請求項134】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤を含む、対象における血液癌を治療するための組成物であって、前記組成物は、抗CD20抗体と組み合わせて前記対象に投与されることを特徴とし、前記投与の前に、B細胞が前記対象に存在していることが決定されるか、又は決定されている、組成物。
【請求項135】
抗CD20抗体を含む、対象における血液癌を治療するための組成物であって、前記組成物は、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と組み合わせて前記対象に投与されることを特徴とし、前記投与の前に、B細胞が前記対象に存在していることが決定されるか、又は決定されている、組成物。
【請求項136】
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤を含む、対象における血液癌の治療方法において使用するための組成物であって、前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることと、
前記組成物を、抗CD20抗体と組み合わせて前記対象に投与すること又は投与されていることと、を含む、組成物。
【請求項137】
抗CD20抗体を含む、対象における血液癌の治療方法において使用するための組成物であって、前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることと、
前記組成物を、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と組み合わせて前記対象に投与すること又は投与されていることと、を含む、組成物。
【請求項138】
マグロリマブを含む、対象における血液癌の治療方法において使用するための組成物であって、前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることであって、前記決定は、前記対象が、リンパ球の総量のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、ことと、
前記マグロリマブを、リツキシマブと組み合わせて前記対象に投与することと、を含み、
前記対象は、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されているヒト対象であり、
前記血液癌は、再発性又は難治性DLBCLであり、
マグロリマブを投与することは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲のプライミング用量のマグロリマブを投与することと、(2)体重1kg当たり30mgで週間用量のマグロリマブを8週間投与することと、(3)以降体重1kg当たり30mgで隔週用量のマグロリマブを投与することと、を含み、
リツキシマブを投与することは、(1)体表面積1m
2
当たり375mgで週間用量のリツキシマブを4週間投与することと、その後、(2)体表面積1m
2
当たり375mgで毎月リツキシマブを投与することと、を含む、組成物。
【請求項139】
リツキシマブを含む、対象における血液癌の治療方法において使用するための組成物であって、前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることであって、前記決定は、前記対象が、リンパ球の総量のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、ことと、
前記リツキシマブを、マグロリマブと組み合わせて前記対象に投与することと、を含み、
前記対象は、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されているヒト対象であり、
前記血液癌は、再発性又は難治性DLBCLであり、
マグロリマブを投与することは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲のプライミング用量のマグロリマブを投与することと、(2)体重1kg当たり30mgで週間用量のマグロリマブを8週間投与することと、(3)以降体重1kg当たり30mgで隔週用量のマグロリマブを投与することと、を含み、
リツキシマブを投与することは、(1)体表面積1m
2
当たり375mgで週間用量のリツキシマブを4週間投与することと、その後、(2)体表面積1m
2
当たり375mgで毎月リツキシマブを投与することと、を含む、組成物。
【請求項140】
抗CD47抗体を含む、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法において使用するための組成物であって、前記方法は、前記抗CD47抗体を、抗CD20抗体と組み合わせて静脈内に、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、組成物。
【請求項141】
抗CD20抗体を含む、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法において使用するための組成物であって、前記方法は、前記抗CD20抗体を、抗CD47抗体と組み合わせて静脈内に、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、組成物。
【請求項142】
抗CD47抗体を含む、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法において使用するための組成物であって、前記方法は、前記組成物を、抗CD20抗体と組み合わせて静脈内に、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、80mg~800mgの範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)少なくとも2400mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、組成物。
【請求項143】
抗CD20抗体を含む、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法において使用するための組成物であって、前記方法は、前記組成物を、抗CD47抗体と組み合わせて静脈内に、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、80mg~800mgの範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)少なくとも2400mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、及び添付の図面に関してよりよく理解されるであろう。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
対象における血液癌の治療方法であって、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤を投与することと、(b)抗CD20抗体を前記対象に投与することと、を含み、工程(a)及び(b)を実施する前に、B細胞が前記対象に存在していることが決定されるか、又は決定されている、方法。
(項目2)
対象における血液癌の治療方法であって、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることと、
(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤、及び(ii)抗CD20抗体を、前記対象に投与すること又は投与されていることと、を含む、方法。
(項目3)
B細胞が前記対象に存在することの前記決定が、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、酵素結合免疫スポット、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていることを含む、項目1~2のいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体を前記対象に投与する前に、B細胞が前記対象に存在することの前記決定を前提として、前記対象を治療の候補者であると決定することを更に含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記対象がCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD19+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
CD19+B細胞の前記閾値量が、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、項目6に記載の方法。
(項目8)
CD19+B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞である、項目6に記載の方法。
(項目9)
CD19+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞である、項目6に記載の方法。
(項目10)
CD19+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞である、項目6に記載の方法。
(項目11)
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記対象がCD20+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD20+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
CD20+B細胞の前記閾値量が、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、項目11に記載の方法。
(項目14)
CD20+B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD20+B細胞である、項目11に記載の方法。
(項目15)
CD20+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞である、項目11に記載の方法。
(項目16)
CD20+B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞である、項目11に記載の方法。
(項目17)
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることを含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方を有すると決定すること又は決定されていることは、前記対象がCD19+B細胞及びCD20+B細胞を閾値量を超えて有すると決定すること又は決定されていることを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
CD19+B細胞の前記閾値量が、CD19+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD19+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD19+B細胞のうち、いずれか1つである、項目18に記載の方法。
(項目20)
CD20+B細胞の前記閾値量が、CD20+B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのCD20+B細胞、マイクロリットル当たり少なくとも1個のCD20+B細胞、又はマイクロリットル当たり少なくとも40個のCD20+B細胞のうち、いずれか1つである、項目18又は19に記載の方法。
(項目21)
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象が閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたことを決定すること又は決定されていることを含む、項目1~20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記閾値期間が、少なくとも4週間である、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記閾値期間が、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である、項目21に記載の方法。
(項目24)
B細胞が前記対象に存在することの前記決定は、前記対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることを含む、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記対象において前記抗CD20療法剤が存在していないことを決定すること又は決定されていることは、前記対象が抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有していることを決定すること又は決定されていることを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記抗CD20療法剤の前記閾値濃度が、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される前記検出アッセイが、イムノアッセイ、ELIspot、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである、項目26に記載の方法。
(項目28)
以前に投与された抗CD20療法剤がリツキシマブを含む、項目21~27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
B細胞が、前記対象から得られたサンプルを使用して、前記対象に存在すると決定されるか又は決定されている、項目1~28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記対象から得られた前記サンプルが、末梢血サンプルである、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、項目1~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記抗CD47剤が、SIRPα試薬を含む、項目1~31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記SIRPα試薬が、CD47に結合するSIRPαの一部を含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記SIRPα試薬が、高親和性SIRPα試薬である、項目32又は33に記載の方法。
(項目35)
前記抗CD47剤が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む、項目1~34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記抗CD47剤が、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む、項目1~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記抗CD47剤が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む、項目1~36のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記血液癌が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、項目1~37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記対象が、再発性又は難治性DLBCLを有する、項目1~38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記対象が、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されている、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記血液癌が、濾胞性リンパ腫(FL)である、項目1~37のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記血液癌が、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである、項目1~37のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記抗CD47剤が、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、又は30mgの用量で投与される、項目1~42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記抗CD47剤が静脈内投与される、項目1~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、項目1~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、前記抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mg抗体の1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで前記対象に投与される、項目1~45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで前記対象に更に投与される、項目46に記載の方法。
(項目48)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで前記対象に更に投与される、項目47に記載の方法。
(項目49)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで前記対象に更に投与される、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記後続サイクルが、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記初回サイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む、項目46~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記2回目のサイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、項目47~51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記3回目のサイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、項目48~52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記後続サイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む、項目49~53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記抗CD20抗体が、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m
2
のいずれか1つの用量で前記対象に投与される、項目1~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD47剤が、前記抗CD20抗体の前に前記対象に投与される、項目1~55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD20抗体が、前記抗CD47剤の前に対象に投与される、項目1~55のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
化学療法剤を前記対象に投与することを更に含む、項目1~57のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記化学療法剤が、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、項目1~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記抗CD20抗体が、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む、項目1~60のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記抗CD20抗体が、配列番号137の可変重鎖配列を含む、項目1~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記抗CD20抗体が、配列番号142の可変軽鎖配列を含む、項目1~62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記抗CD20抗体がFc領域を含み、前記Fc領域は、配列番号140のC
H2
配列及び配列番号141のC
H3
配列を含む、項目1~63のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む、項目1~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む、項目1~65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
対象における血液癌の治療方法であって、前記方法は、
B細胞が前記対象に存在することを決定すること又は決定されていることであって、前記決定は、前記対象が、リンパ球の総量のうち少なくとも5パーセントのCD19+B細胞を有すると決定すること又は決定されていることを含む、ことと、
マグロリマブを投与すること;と、
前記対象にリツキシマブを投与することと、を含み、
前記対象は、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されているヒト対象であり、
前記血液癌は、再発性又は難治性DLBCLであり、
マグロリマブを投与することは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲のプライミング用量のマグロリマブを投与することと、(2)体重1kg当たり30mgで週間用量のマグロリマブを8週間投与することと、(3)以降体重1kg当たり30mgで隔週用量のマグロリマブを投与することと、を含み、
リツキシマブを投与することは、(1)体表面積1m
2
当たり375mgで週間用量のリツキシマブを4週間投与することと、その後、(2)体表面積1m
2
当たり375mgで毎月リツキシマブを投与することと、を含む、方法。
(項目68)
方法であって、
対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されたかどうかに基づいて、B細胞が血液癌を有する前記対象に存在するかどうかを決定することであって、前記対象が直近に閾値期間を超えて以前に抗CD20療法剤を投与されていることは、B細胞が前記対象に存在することを示す、ことを含み、
前記対象におけるB細胞の存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、
前記対象におけるB細胞の非存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す、方法。
(項目69)
方法であって、
血液癌を有する対象からサンプルを得ることと、
前記対象から得られたサンプルでアッセイを実施することによってB細胞が存在するかどうかを決定することと、を含み、
前記対象におけるB細胞の存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が高いことを示し、
前記対象におけるB細胞の非存在は、前記対象が、1)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤と、2)リツキシマブと、を含む、治療に応答する可能性が低いことを示す、方法。
(項目70)
前記対象から得られた前記サンプルが、末梢血サンプルである、項目69に記載の方法。
(項目71)
方法であって、
血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す情報を含むデータセットを取得すること又は取得されていることであって、前記血液癌を有する対象におけるB細胞の存在を示す前記情報は、
前記対象におけるB細胞の量、
前記対象における全リンパ球中のB細胞の割合、
前記対象が直近に抗CD20療法剤を投与された日数、
前記対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在、のうちの1つを含む、ことと、
前記データセットを使用して、B細胞が前記血液癌を有する対象に存在することを決定することと、
前記血液癌を有する対象に治療を施すことと、を含む、方法。
(項目72)
前記データセットを取得すること又は取得されていることは、フローサイトメトリー、B細胞耐性パネル、ELISA、免疫組織化学的顕微鏡検査、RNAプロファイリング、RNA配列決定、RNAアレイ系検出、RT-PCR、ノーザンブロット、免疫グロブリン配列決定、ウエスタンブロット、ELIspot、又は免疫蛍光顕微鏡検査から選択される少なくとも1つのアッセイを実施すること又は実施されていることを含む、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記データセット内の前記情報は、前記対象から得られたサンプル中のB細胞の量、又は前記対象から得られたサンプル中のB細胞の割合のうちのいずれか1つを含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記情報を、B細胞の閾値量と比較することを含む、項目71又は72に記載の方法。
(項目74)
B細胞の前記閾値量が、リンパ球の総集団のうち少なくとも5パーセントのB細胞である、項目73に記載の方法。
(項目75)
B細胞の前記閾値量が、少なくとも、B細胞の存在を決定するために使用されるアッセイの検出限界である、項目73に記載の方法。
(項目76)
B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも1個のB細胞である、項目73に記載の方法。
(項目77)
B細胞の前記閾値量が、マイクロリットル当たり少なくとも40個のB細胞である、項目73に記載の方法。
(項目78)
前記B細胞が、CD19+B細胞又はCD20+B細胞のうちの1つである、項目71~77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
前記B細胞が、CD19+B細胞及びCD20+B細胞の両方である、項目71~77のいずれか一項に記載の方法。
(項目80)
前記データセット内の前記情報は、前記対象が以前に抗CD20療法剤を投与された期間を含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記対象が以前に抗CD20療法剤を投与された前記期間が閾値期間を超えるかどうかを決定することを含む、項目71~79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記閾値期間が、少なくとも4週間である、項目80に記載の方法。
(項目82)
前記閾値期間が、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28週間である、項目80に記載の方法。
(項目83)
前記データセット内の前記情報は、前記対象における抗CD20療法剤の存在又は非存在を含み、B細胞が前記対象に存在することを決定することは、前記対象において抗CD20療法剤が存在していないことを決定することを含む、項目71~82のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
前記対象における抗CD20療法剤が存在していないことを決定することは、前記対象が前記抗CD20療法剤の閾値濃度を下回って有することを決定すること又は決定されていることを含む、項目83に記載の方法。
(項目85)
前記抗CD20療法剤の前記閾値濃度が、抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される検出アッセイの定量限界である、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記抗CD20療法剤の存在を検出するために使用される前記検出アッセイが、イムノアッセイ、酵素結合免疫スポット、フルオロスポット、フローサイトメトリー系アッセイ、ウエスタンブロット、LC質量分析、又は表面プラズモン共鳴のうちの1つである、項目85に記載の方法。
(項目87)
以前に投与された抗CD20療法剤がリツキシマブを含む、項目80~86のいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
前記血液癌が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、項目68~87のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
前記血液癌が、再発性又は難治性DLBCLである、項目68~87のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
前記対象が、以前に少なくとも2種類の治療法で治療されている、項目68~89のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
前記血液癌が、濾胞性リンパ腫(FL)である、項目68~87のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記血液癌が、非ホジキンリンパ腫、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫未分類型、B細胞急性リンパ芽球性白血病、又は移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のうちの1つである、項目68~87のいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
前記治療を施すことが、CD47とSIRPα,との間の結合を阻害する抗CD47剤を投与することと、前記対象に抗CD20抗体を投与することと、を含む、項目71~92のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記抗CD47剤が、SIRPα試薬を含む、項目93に記載の方法。
(項目96)
前記SIRPα試薬が、CD47に結合するSIRPαの一部を含む、項目95に記載の方法。
(項目97)
前記SIRPα試薬が、高親和性SIRPα試薬である、項目95又は96に記載の方法。
(項目98)
前記抗CD47剤が、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を含む、項目93に記載の方法。
(項目99)
前記抗CD47剤が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体を含む、項目98に記載の方法。
(項目100)
前記抗CD47剤が、マグロリマブ(Hu5F9-G4)を含む、項目98又は99のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記抗CD47剤が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む、項目98~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
前記対象が、以前に抗CD20療法剤で治療されており、前記対象への、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗CD47剤の投与及び抗CD20抗体の投与は、前記対象が以前に抗CD20療法剤で治療されてから28日後以降にそれぞれ実施される、項目93~101のいずれか一項に記載の方法。
(項目103)
前記抗CD47剤が、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、又は30mgの用量で投与される、項目93~102のいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
前記抗CD47剤が静脈内投与される、項目93~103のいずれか一項に記載の方法。
(項目105)
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、項目93~104のいずれか一項に記載の方法。
(項目106)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、抗CD47抗体であり、前記抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも1mgの1日目のプライミング用量と、体重1kg当たり少なくとも30mgの8日目に開始する4週間の週間用量と、を含む、初回サイクルで前記対象に投与される、項目93~105のいずれか一項に記載の方法。
(項目107)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの4週間の週間用量を含む、2回目のサイクルで前記対象に更に投与される、項目106に記載の方法。
(項目108)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、3回目のサイクルで前記対象に更に投与される、項目107に記載の方法。
(項目109)
CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する前記抗CD47剤は、体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量を含む、後続サイクルで前記対象に更に投与される、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記後続サイクルが、限定することなく、又は臨床的利益が低減若しくは消滅するか、又は観察されなくなるまで、1回以上の追加のサイクルとして繰り返される、項目109に記載の方法。
(項目111)
前記初回サイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の抗CD20抗体を更に含む、項目106~110のいずれか一項に記載の方法。
(項目112)
前記2回目のサイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、項目107~111のいずれか一項に記載の方法。
(項目113)
前記3回目のサイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の抗CD20抗体を更に含む、項目108~112のいずれか一項に記載の方法。
(項目114)
前記後続サイクルが、体表面積1m
2
当たり375mgの隔月用量の抗CD20抗体を更に含む、項目109~113のいずれか一項に記載の方法。
(項目115)
前記抗CD20抗体が、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/m
2
のいずれか1つの用量で前記対象に投与される、項目93~110のいずれか一項に記載の方法。
(項目116)
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD47剤が、前記抗CD20抗体の前に前記対象に投与される、項目93~115のいずれか一項に記載の方法。
(項目117)
前記抗CD47剤及び前記抗CD20抗体が両方とも前記対象に投与される日に、前記抗CD20抗体が、抗CD47剤の前に前記対象に投与される、項目93~115のいずれか一項に記載の方法。
(項目118)
化学療法剤を前記対象に投与することを更に含む、項目68~117のいずれか一項に記載の方法。
(項目119)
前記化学療法剤が、ゲムシタビン、オキサリプラチン、又はゲムシタビンとオキサリプラチンの組み合わせ(GEMOX)である、項目118に記載の方法。
(項目120)
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、項目93~119のいずれか一項に記載の方法。
(項目121)
前記抗CD20抗体が、配列番号131~136の配列を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの相補性決定領域(CDR)を含む、項目93~120のいずれか一項に記載の方法。
(項目122)
前記抗CD20抗体が、配列番号137の可変重鎖配列を含む、項目93~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目123)
前記抗CD20抗体が、配列番号142の可変軽鎖配列を含む、項目93~122のいずれか一項に記載の方法。
(項目124)
前記抗CD20抗体がFc領域を含み、前記Fc領域は、配列番号140のC
H2
配列及び配列番号141のC
H3
配列を含む、項目93~123のいずれか一項に記載の方法。
(項目125)
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号137の可変重鎖配列及び配列番号142の可変軽鎖配列を含む、項目93~124のいずれか一項に記載の方法。
(項目126)
前記抗CD20抗体がFab又はscFvを含み、前記Fab又はscFvは、配列番号131~136の配列を含む、項目93~125のいずれか一項に記載の方法。
(項目127)
前記血液癌が、B細胞血液悪性腫瘍である、項目1~126のいずれか一項に記載の方法。
(項目128)
前記血液癌が、CD20+癌である、項目127に記載の方法。
(項目129)
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法であって、抗CD47抗体を静脈内に及び抗CD20抗体を、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、体重1kg当たり少なくとも30mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)体重1kg当たり少なくとも30mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、方法。
(項目130)
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を治療する方法であって、抗CD47抗体を静脈内に及び抗CD20抗体を、少なくとも3回の異なるサイクルで前記対象に投与することを含み、
前記初回サイクルは、(1)1日目に、80mg~800mgの範囲のプライミング用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)8日目に開始して4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの週間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記2回目のサイクルは、(1)4週間、少なくとも2400mgの週間用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含み、
前記3回目のサイクルは、(1)少なくとも2400mgの隔週用量の前記抗CD47抗体を投与することと、(2)体表面積1m
2
当たり375mgの月間用量の前記抗CD20抗体を投与することと、を含む、方法。
(項目131)
前記抗CD47抗体がマグロリマブを含む、項目129又は130に記載の方法。
(項目132)
前記抗CD20抗体がリツキシマブを含む、項目129~131のいずれか一項に記載の方法。
(項目133)
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、項目129~132のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】