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特表2022-552776セラミックヒーター及びその製造方法
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  • 特表-セラミックヒーター及びその製造方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】セラミックヒーター及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/06 20060101AFI20221213BHJP
   H05B 3/12 20060101ALI20221213BHJP
   H05B 3/74 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H05B3/06 B
H05B3/12 A
H05B3/74
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513843
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 KR2020000275
(87)【国際公開番号】W WO2021080088
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0131087
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520139620
【氏名又は名称】ミコ セラミックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ホ
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QA05
3K092QB02
3K092QB26
3K092QB31
3K092QB74
3K092RF03
3K092RF11
3K092RF27
3K092TT11
3K092VV40
(57)【要約】
本発明は、信頼性が向上したセラミックヒーターに関し、メッシュタイプの高周波電極と、該高周波電極の下面に接触する電極ロッド連結部材とを備えるヒーター胴体部;及び、前記ヒーター胴体部の下部に装着され、前記ヒーター胴体部を支持するヒーター支持部を含み、前記電極ロッド連結部材は、前記高周波電極の一表面に面接触することを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュタイプ(mesh type)の高周波電極と、該高周波電極の下面に接触する電極ロッド連結部材とを備えるヒーター胴体部;及び
前記ヒーター胴体部の下部に装着され、前記ヒーター胴体部を支持するヒーター支持部を含み、
前記電極ロッド連結部材は、前記高周波電極の一表面に面接触(area contact)することを特徴とするセラミックヒーター。
【請求項2】
前記高周波電極は、第1方向に配列された複数の金属ワイヤーと第2方向に配列された複数の金属ワイヤーとが相互直交して形成されることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【請求項3】
前記高周波電極は、前記電極ロッド連結部材と面接触する水平断面部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【請求項4】
前記水平断面部は、前記高周波電極の一表面を加工して形成されることを特徴とする、請求項3に記載のセラミックヒーター。
【請求項5】
前記高周波電極の一表面を加工した厚さは、前記高周波電極の全厚さの1/5~1/2であることを特徴とする、請求項4に記載のセラミックヒーター。
【請求項6】
前記高周波電極の一表面を加工する方式としては研磨(polishing)方式又は圧延(rolling)方式が用いられることを特徴とする、請求項4に記載のセラミックヒーター。
【請求項7】
前記水平断面部は、前記電極ロッド連結部材の接触面の面積と同一であるか或いはより大きく形成されることを特徴とする、請求項3に記載のセラミックヒーター。
【請求項8】
前記水平断面部は、前記電極ロッド連結部材の位置に対応して形成されることを特徴とする、請求項3に記載のセラミックヒーター。
【請求項9】
前記電極ロッド連結部材は、ろう付け(brazing)工程によって前記高周波電極の水平断面部に付着することを特徴とする、請求項3に記載のセラミックヒーター。
【請求項10】
前記高周波電極と前記電極ロッド連結部材との面接触面積は、あらかじめ定められた臨界値以上であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックヒーター及びその製造方法に関し、より具体的には、信頼性が向上したセラミックヒーター及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置又はディスプレイ装置は、誘電体層及び金属層を含む多数の薄膜層をガラス基板、フレキシブル基板又は半導体ウエハー基板上に順次に積層後にパターニングする方式で製造される。それらの薄膜層は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition,CVD)工程又は物理気相蒸着(Physical Vapor Deposition,PVD)工程によって基板上に順次に蒸着される。前記CVD工程には、低圧力化学気相蒸着(Low Pressure CVD,LPCVD)工程、プラズマ強化化学気相蒸着(Plasma Enhanced CVD,PECVD)工程、有機金属化学気相蒸着(Metal Organic CVD,MOCVD)工程などがある。
【0003】
このようなCVD装置及びPVD装置には、ガラス基板、フレキシブル基板、半導体ウエハー基板などを支持し、所定の熱を印加するためのヒーターが配置される。前記ヒーターは、支持基板上に形成された薄膜層のエッチング工程(etching process)とフォトレジスト(photoresist)の焼成工程などにも、基板加熱のために用いられている。前記CVD装置及びPVD装置に設置されるヒーターは、正確な温度制御、半導体素子の配線微細化及び半導体ウエハー基板の精密な熱処理の要求からセラミックヒーター(Ceramic Heater)が広く用いられている。
【0004】
図1Aは、従来技術によるセラミックヒーターの構成を示す図である。図1Aに示すように、セラミックヒーター1は、半導体製造工程においてウエハー(wafer)などのような基板を支持し、前記基板を工程温度、例えばCVD工程又はPVD工程を行うための温度に加熱するために用いられてよい。
【0005】
従来のセラミックヒーター1は、円形の板状構造を有するセラミック本体10と、該セラミック本体10の下部に装着されるセラミック支持部20とで構成される。ここで、前記セラミック本体10は、プラズマ生成の際に、セラミックヒーター1に充電された電流を接地(ground)に放電させる高周波電極(又は、接地電極)11、基板を加熱するための熱エネルギーを生成する発熱体13、高周波電極11と接地ロッド21とを電気的に連結する第1ロッド連結部材12、及び発熱体13と発熱体ロッド23とを電気的に連結する第2ロッド連結部材14を含む。前記セラミック支持部20は、高周波電極11を接地に連結する接地ロッド21と、発熱体13を外部電源(図示せず)に連結する発熱体ロッド23とを含む。
【0006】
このようなセラミックヒーター1に埋設された高周波電極11は、プラズマ接地(Plasma ground)として働き得るように高融点の金属材質で形成され、一般的には、垂直方向に配列されたワイヤータイプのモリブデン(Mo)金属と水平方向に配列されたワイヤータイプのモリブデン(Mo)金属とが相互交差して織物形態のメッシュタイプ(Mesh Type)に作製される。このようなメッシュタイプを有する高周波電極11の一領域に第1ロッド連結部材12が接触する。
【0007】
ところが、図1Bに示すように、従来のセラミックヒーター1の高周波電極11は、第1ロッド連結部材12の接触面と点接触(point contact)するように形成される。すなわち、高周波電極11を構成するワイヤータイプ(すなわち、円形)のモリブデン金属は、第1ロッド連結部材12の接触面と点接触することになる。このような点接触によって接触抵抗が大きく増加するが、これによって接触地点で所定の熱が発生し、高周波電極11と第1ロッド連結部材12との間に欠陥発生(例えば、クラック発生)を招いてしまう。
【0008】
しかも、近年、半導体工程の製品処理量(Throughput)の増加に伴って使用周波数が益々高まっているが、このとき、誘電体内に蓄積された電荷の速い移動が必須である。このため、高周波電極11と第1ロッド連結部材12との間に接触抵抗を最小化する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述の問題及び他の問題を解決することを目的とする。さらに他の目的は、信頼性が向上したセラミックヒーター及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
さらに他の目的は、電極ロッド連結部材が高周波電極の一表面に面接触するセラミックヒーター及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の又は他の目的を達成するために、本発明の一側面によれば、メッシュタイプ(mesh type)の高周波電極と、該高周波電極の下面に接触する電極ロッド連結部材とを備えるヒーター胴体部;及び、前記ヒーター胴体部の下部に装着され、前記ヒーター胴体部を支持するヒーター支持部を含み、前記電極ロッド連結部材は、前記高周波電極の一表面に面接触(area contact)することを特徴とするセラミックヒーターを提供する。
【0012】
より好ましくは、前記高周波電極は、第1方向に配列された複数の金属ワイヤーと第2方向に配列された複数の金属ワイヤーとが相互直交して形成されることを特徴とする。また、前記高周波電極は、電極ロッド連結部材と面接触する水平断面部を備えることを特徴とする。また、前記高周波電極と電極ロッド連結部材との面接触面積は、あらかじめ定められた臨界値以上であることを特徴とする。
【0013】
より好ましくは、前記水平断面部は、高周波電極の一表面を加工して形成されることを特徴とする。ここで、前記高周波電極の一表面を加工した厚さは、該当高周波電極の全厚さの1/5~1/2であることを特徴とする。また、前記高周波電極の一表面を加工する方式としては研磨(polishing)方式又は圧延(rolling)方式が用いられることを特徴とする。
【0014】
より好ましくは、前記水平断面部は、電極ロッド連結部材の位置に対応して形成されることを特徴とする。また、前記電極ロッド連結部材は、ろう付け(brazing)工程によって高周波電極の水平断面部に付着することを特徴とする。また、前記水平断面部は、電極ロッド連結部材の接触面の面積と同一であるか或いはより大きく形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の少なくとも一つの実施例によれば、高周波電極の一表面を加工して前記高周波電極と電極ロッド連結部材とが面接触するように結合させることにより、前記高周波電極と電極ロッド連結部材との接触抵抗を減少させることができ、その結果、セラミックヒーターの信頼性を向上させることができるという長所がある。
【0016】
また、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、セラミックヒーター製造工程の際に、焼結過程で電極ロッドが移動することを防止するために高周波電極と電極ロッド連結部材とを結合させるための真空用バインダー(binder)の使用を要求しないので、前記真空用バインダーの使用に起因する局部的な抵抗上昇を効果的に除去することができるという長所がある。
【0017】
ただし、本発明の実施例に係るセラミックヒーター及びその製造方法によって達成できる効果は、以上で言及したものに制限されず、言及していない別の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】従来技術によるセラミックヒーターの構成を示す図である。
図1B図1Aに示したA部分を拡大して示す図である。
図2】本発明の一実施例に係るセラミックヒーターの外形を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係るセラミックヒーターの構成を示す断面図である。
図4図3に示したB部分を拡大して示す図である。
図5図3のセラミックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するフローチャートである。
図6図3のセラミックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するために参照される図である。
図7A】本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図7B】本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図7C】本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図7D】本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本明細書に開示される実施例を詳細に説明するが、図面符号に関係なく、同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付し、それに関す重複説明は省略する。以下、本発明に係る実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターン又は構造物が基板、各層(膜)、領域、パッド又はパターン「の上/上(on)」又は「の下/下(under)」に形成されると記載される場合、「の上/上(on)」と「の下/下(under)」は、「直接(directly)」又は「他の層を介在して(indirectly)」形成されるものを含む。また、各層の「の上/上」又は「の下/下」は、図面を基準として説明する。図面中、各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために、誇張、省略又は概略して示されている。なお、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0020】
また、本明細書に開示される実施例を説明するにおいて、関連する公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示される実施例の要旨を曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示される実施例の容易な理解を可能にするためのものに過ぎず、添付の図面によって本明細書に開示の技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0021】
本発明は、信頼性が向上したセラミックヒーター及びその製造方法を提案する。また、本発明は、電極ロッド連結部材が高周波電極の一表面に面接触するセラミックヒーター及びその製造方法を提案する。以下、本明細書で説明する「接触」は、少なくとも二つの構成要素が互いに当接していることを意味し、「接地」は、特定の構成要素が地面(ground)に電気的に連結されることを意味する。また、本明細書で説明する「付着」は、少なくとも二つの構成要素を互いに付けることを意味し、「結合」は、二つ以上の構成要素を一つの構成要素にすることを意味する。したがって、本明細書で説明する「付着」は「結合」の下位概念であり得る。
【0022】
以下では、本発明の様々な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図2は、本発明の一実施例に係るセラミックヒーターの外形を示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施例に係るセラミックヒーターの構成を示す断面図であり、図4は、図3に示したB部分を拡大して示す図である。
【0024】
図2図4を参照すると、本発明の一実施例に係るセラミックヒーター100は、半導体ウエハー、ガラス基板、フレキシブル基板などのような様々な目的の熱処理対象体を支持し、当該熱処理対象体をあらかじめ定められた温度に加熱する半導体装置である。
【0025】
セラミックヒーター100は、熱処理対象体(図示せず)を安定に支持しながら熱を伝達するヒーター胴体部110と、前記ヒーター胴体部110の下部に装着されるヒーター支持部120とを含む。一方、図示してはいないが、ヒーター胴体部110とヒーター支持部120との間には接着層(図示せず)が形成されてよい。
【0026】
ヒーター胴体部110は、あらかじめ定められた形状を有する板状構造物で形成されてよい。一例として、前記ヒーター胴体部110は、円形の板状構造物で形成されてよく、必ずしもこれに制限されない。
【0027】
ヒーター胴体部110の上部には、ウエハーのような熱処理対象体が安定して実装可能なように、所定の段差で凹んだ構造を有するポケット領域(又は、キャビティ領域)111が形成されてよい。前記ポケット領域に該当するヒーター胴体部110の上面は、優れた平坦度を有するように形成されてよい。これは、チャンバー内に設置された熱処理対象体が片方に傾くことなく水平に配置されるようにするためである。
【0028】
ヒーター胴体部110は、熱伝導性に優れたセラミック材質で形成された複数のセラミック板(図示せず)で構成され、前記複数のセラミック板に対して圧縮焼結工程を行って成形されてよい。ここで、前記セラミック材質は、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、BxCy、BN、SiO、SiC、YAG、ムライト(Mullite)、AlFのうち少なくとも一つの物質であってよく、より好ましくは、窒化アルミニウム(AlN)であってよい。
【0029】
ヒーター胴体部110は、高周波電極112、前記高周波電極112の下面に接触する第1ロッド連結部材113、前記高周波電極112の下に配置される発熱体114、及び前記発熱体114の下面に接触する第2ロッド連結部材115を含むことができる。
【0030】
高周波電極(又は、接地電極)112は、ヒーター胴体部110の上部に埋め立てられ、円形のプレート状に形成されてよい。前記高周波電極112は、プラズマ強化化学気相蒸着のための電極層であって、選択的に、RF電源に連結されるか或いは接地されてよい。
【0031】
高周波電極112は、メッシュタイプ(mesh type)、シートタイプ(sheet type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されてよく、より好ましくは、メッシュタイプで形成されてよい。前記高周波電極112がメッシュタイプで形成された場合に、前記高周波電極112は、垂直方向に配列された複数のワイヤータイプ金属と水平方向に配列された複数のワイヤータイプ金属とが相互交差して織物の形態に製造されてよい。
【0032】
高周波電極112は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AlN)又はそれらの合金で形成されてよく、より好ましくは、モリブデン(Mo)で形成されてよい。
【0033】
高周波電極112の厚さは0.1~0.5mmでよく、より好ましくは0.2mmでよい。また、高周波電極112の直径は300~350mmでよく、より好ましくは320mmでよい。
【0034】
このような高周波電極112は、RF(Radio Frequency)接地機能及び静電チャック(Electrostatic Chuck)機能のいずれか一機能を選択的に果たすことができる。ここで、‘RF接地機能’とは、ウエハー沈着工程時に、チャンバー中のプラズマによってヒーター胴体部110に帯電した電流を外部接地に放電させる機能を意味する。そして、‘静電チャック機能’とは、電場(electric field)を用いてウエハーなどのような熱処理対象体をヒーター胴体部110の上面に密着させる機能を意味する。
【0035】
このような高周波電極112の一領域には、電極ロッド連結部材113と面接触する水平断面部130が形成されてよい。高周波電極112の一領域に形成される水平断面部120の位置は、前記高周波電極112に接触する電極ロッド連結部材113の埋立位置によって可変してよい。
【0036】
発熱体114は、ヒーター胴体部110の下部に埋め立てられ、熱処理対象体の形状に対応する形状に形成されてよい。前記発熱体114は、高周波電極112の下部に当該高周波電極112から一定の距離だけ離隔して配置されてよい。
【0037】
発熱体114は、熱処理対象体の位置に対応するヒーター胴体部110に埋め立てられてよい。また、発熱体114は、熱処理対象体を全体的に均一に加熱するために、位置に従って加熱温度を均一に制御できるだけでなく、熱処理対象体に熱が伝達される距離が略全ての位置で一定に維持されるように、前記熱処理対象体と平行にヒーター胴体部110に埋め立てられてよい。
【0038】
発熱体114は、発熱線(又は、抵抗線)による板状コイル状又は平坦なプレート状に形成されてよい。また、発熱体114は、精密な温度制御のために多層構造で形成されてよい。
【0039】
このような発熱体114は、半導体製造工程において円滑な蒸着工程及びエッチング工程のために、ヒーター胴体部110の上部面に位置する熱処理対象体を一定の温度に加熱する機能を果たす。
【0040】
第1ロッド連結部材(又は、電極ロッド連結部材)113は高周波電極112の下部面に接触し、前記高周波電極112と第1ロッド121とを電気的に連結する機能を果たす。
【0041】
第1ロッド連結部材113は、メッシュタイプを有する高周波電極112の一表面と面接触(area contact)するように形成されてよい。そのために、図4に示すように、高周波電極112の一表面を機械工程装備又は化学工程装備で加工して水平断面部130を形成させることができる。このとき、前記高周波電極112の一表面を加工した厚さは、前記高周波電極112の全厚さの1/5~1/2であってよい。また、前記高周波電極112の一表面に形成された水平断面部130の面積は、第1ロッド連結部材113の接触面の面積と同一であるか或いはそれよりも大きく形成されてよい。
【0042】
このような水平断面部130を形成するために高周波電極112の一表面を加工する方式には研磨(polishing)方式、プレッシング(pressing)方式又は圧延(rolling)方式などがあり、必ずしもこれに制限されない。
【0043】
本明細書で説明する点接触(point contact)は、高周波電極を構成する複数のワイヤータイプ(すなわち、円形)金属と第1ロッド連結部材の一面とが接触することを意味し、面接触(area contact)は、高周波電極を構成する複数のワイヤータイプ金属の少なくとも一部分が水平断面を有するように加工され、当該金属の水平断面と第1ロッド連結部材の一面とが接触することを意味する。ただし、セラミックヒーターの製造工程の際に、高周波電極と第1ロッド連結部材との理想的な点接触が具現し難いため、点接触と面接触との区別が少し曖昧であることがあるが、以下、本実施例では、高周波電極と第1ロッド連結部材との接触面積が第1臨界値以下である場合に、当該構成要素間の接触を「点接触」と定義する。また、高周波電極と第1ロッド連結部材間の接触面積が第2臨界値以上である場合に、当該構成要素間の接触を「面接触」と定義する。ここで、第1臨界値と第2臨界値は互いに同一に或いは異なるように設定できる。一例として、高周波電極と第1ロッド連結部材との接触面積が第1ロッド連結部材の断面積の10%~60%である場合を面接触(area contact)と定義し、前記接触面積が第1ロッド連結部材113の断面積の10%未満である場合を点接触(point contact)と定義することができる。
【0044】
高周波電極112の一表面に形成された水平断面部130に第1ロッド連結部材113を付着させることができる。このとき、前記第1ロッド連結部材113はろう付け(brazing)工程で高周波電極112に付着してよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0045】
このような第1ロッド連結部材113と高周波電極112との面接触により、前記第1ロッド連結部材113と高周波電極112間の接触抵抗(contact resistor)は大幅に減少する。
【0046】
第2ロッド連結部材(又は、発熱体ロッド連結部材)115は、発熱体114の下部面に接触し、前記発熱体114と第2ロッド123とを電気的に連結する機能を果たす。
【0047】
第1及び第2ロッド連結部材113,115は、電気伝導性に優れた金属物質で形成されてよい。一例として、前記第1及び第2ロッド連結部材113,115は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AlN)又はそれらの合金で形成されてよく、より好ましくは、モリブデン(Mo)で形成されてよい。
【0048】
ヒーター支持部120はヒーター胴体部110の下部に装着され、前記ヒーター胴体部110を支持する役割を担う。これにより、前記ヒーター支持部120はヒーター胴体部110と結合し、全体的にT字状を有するセラミックヒーター100を構成する。
【0049】
ヒーター支持部120は、中空の内部を有する円筒の管(tube)の形態に形成されてよい。これは、ヒーター支持部120を通じてヒーター胴体部110の高周波電極112及び発熱体114に連結される複数のロッド121,123を設置するためである。
【0050】
ヒーター支持部120は、ヒーター胴体部110と同一であるセラミック材質で形成されてよい。一例として、前記ヒーター支持部120は、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、BxCy、BN、SiO、SiC、YAG、ムライト(Mullite)、AlFのうち少なくとも一つの物質で形成されてよく、より好ましくは、窒化アルミニウム(AlN)で形成されてよい。
【0051】
第1ロッド(又は、電極ロッド)121はヒーター支持部120の内部に設置され、第1ロッド連結部材113と外部接地(図示せず)とを電気的に連結する機能を果たすことができる。これにより、ヒーター胴体部110に埋め立てられた高周波電極112は、第1ロッド121を介してRF電源又は外部接地と電気的に連結され得る。
【0052】
第2ロッド(又は、発熱体ロッド)123は、ヒーター支持部120の内部に設置され、第2ロッド連結部材115と外部電源装置(図示せず)とを電気的に連結する機能を果たすことができる。これにより、ヒーター胴体部110に埋め立てられた発熱体114は、第2ロッド123を介して外部電源装置と電気的に連結され得る。
【0053】
第1及び第2ロッド121,123は、電気伝導性に優れた金属物質で形成されてよい。一例として、前記第1及び第2ロッド121,123は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)又はそれらの合金で形成されてよく、より好ましくは、ニッケル(Ni)で形成されてよい。
【0054】
以上、詳述したように、本発明の一実施例に係るセラミックヒーターは、高周波電極の一表面を加工して前記高周波電極と電極ロッド連結部材とが面接触するように結合させることにより、前記高周波電極と電極ロッド連結部材間の接触抵抗を効果的に減少させることができる。
【0055】
図5は、図3のセラミックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するフローチャートであり、図6は、図3のセラミックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するために参照される図である。
【0056】
図5及び図6を参照すると、本発明の一実施例に係るセラミックヒーター100を構成するヒーター胴体部の全体的な形状に対応する成形モールド(又は、収納モールド)510と、該成形モールド510に充填されたセラミック粉末に圧力を印加する加圧モールド520とを準備することができる(S510)。
【0057】
第1セラミック粉末を成形モールド510に充填して第1セラミック粉末層610を形成することができる(S520)。高周波電極(図示せず)が埋設されたセラミック成形体620をあらかじめ加工しておき、成形モールド510内の第1セラミック粉末層610の上部に積層することができる(S530)。このとき、前記セラミック成形体620は、所定の圧力で加圧されて形状が保持できる成形体の形態で提供されてよい。
【0058】
その後、第2セラミック粉末を成形モールド510内のセラミック成形体620の上部に充填して第2セラミック粉末層630を形成することができる(S540)。そして、螺旋形態又はメッシュ形態の板状構造を有する発熱体640をあらかじめ加工しておき、第2セラミック粉末層630の上部に埋設することができる(S550)。
【0059】
その後、第3セラミック粉末を成形モールド510内の発熱体640の上部に充填して第3セラミック粉末層650を形成することができる(S560)。前記第1~第3セラミック粉末は、窒化アルミニウム(AlN)粉末を含むことができ、選択的に、約0.1~10%、より好ましくは約1~5%の酸化イットリウム(Y)を含むことができる。
【0060】
第1セラミック粉末層610、セラミック成形体620、第2セラミック粉末層630、発熱体640及び第3セラミック粉末層650を順次に積層した後、加圧モールド520を用いて所定の圧力で加圧すると同時に高い温度の熱を提供して前記セラミック粉末層を焼結させることで、ヒーター胴体部600を成形することができる(S570)。一例として、前記ヒーター胴体部600は、約0.01~0.3ton/cmの圧力及び約1600~1950℃の温度で圧縮焼結してよい。
【0061】
以下では、上述したヒーター胴体部600を構成する要素のうち、RF接地機能を果たし得るセラミック成形体620の製造方法について詳しく説明する。
【0062】
図7A図7Dは、本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
【0063】
図7Aを参照すると、第1方向に配列された複数の金属ワイヤーと第2方向に配列された複数の金属ワイヤーとが相互直交して織物の形態に形成されたメッシュタイプの高周波電極710を製造することができる。このとき、前記複数の金属ワイヤーは、電気伝導性に優れたモリブデン(Mo)で形成されてよい。
【0064】
図7Bを参照すると、第1ロッド連結部材730と接触する高周波電極710の上面を機械工程装備又は化学工程装備で加工(例えば、研磨(polishing)、プレッシング(pressing)又は圧延(rolling))して水平断面部720を形成させることができる。このとき、前記高周波電極710の上面に形成された水平断面部720の面積は、第1ロッド連結部材730の接触面の面積と同一であるか或いはそれよりも大きく形成されてよい。
【0065】
図7Cを参照すると、高周波電極710の上面に形成された水平断面部720上に第1ロッド連結部材730を付着させることができる。これにより、高周波電極710に形成された水平断面部720と第1ロッド連結部材730とが面接触する。
【0066】
図7Dを参照すると、成形モールド(図示せず)内に配置された高周波電極710及び第1ロッド連結部材730の周辺にセラミック粉末を充填し、前記成形モールド内に積層された構造物をホットプレス(hot press)工程で焼結することで、セラミック成形体700を製造する。
【0067】
以上、詳述したように、本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法は、高周波電極と第1ロッド連結部材とを結合させるための真空用バインダー(binder)の使用を要求しないので、前記真空用バインダーの使用に起因する局部的な抵抗上昇を効果的に除去することができる。
【0068】
一方、以上では本発明の具体的な実施例に関して説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で、様々な変形が可能であることは勿論である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施例に制限されず、後述する特許請求の範囲及びそれと均等なものによって定められるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
【国際調査報告】