(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】寒天マトリックスを有する耐熱性チュアブル経口投与剤形およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 29/238 20160101AFI20221213BHJP
A23L 29/256 20160101ALI20221213BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20221213BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20221213BHJP
A23L 33/16 20160101ALI20221213BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20221213BHJP
A23L 33/125 20160101ALI20221213BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20221213BHJP
A61K 9/68 20060101ALI20221213BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20221213BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20221213BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20221213BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20221213BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A23L29/238
A23L29/256
A23L33/105
A23L33/15
A23L33/16
A23L33/10
A23L33/125
A23L33/135
A61K9/68
A61K47/36
A61K45/00
A61P3/02
A61P1/00
A61P9/00
A61P5/00
A61P15/00
A61P25/00
A61P19/00
A61P21/00
A61P33/14
A61P11/00
A61P29/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513917
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 IB2019057350
(87)【国際公開番号】W WO2021038280
(87)【国際公開日】2021-03-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522077546
【氏名又は名称】プロキャップス ソシエダッド アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】オカンポ サルガド アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス マリン レディ エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】バーナル ガルシア グスタヴォ アドルフォ
(72)【発明者】
【氏名】カノ カブレラ フアン カルロス
【テーマコード(参考)】
4B018
4B041
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4B018MD03
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(57)【要約】
本発明は、チュアブル経口投与剤形、例えば、心地良い香味およびテクスチャーを有するガムを形成するための方法を定義する。特に、本発明は、経口投与剤形を形成する方法であって、寒天-寒天およびローカストビーンガムのゲル化剤を水和する第1のステップ;寒天マトリックスの構成成分を混合する第2のステップ;活性成分を混合する第3のステップ;混合物を調理する第4のステップ;香味を付ける第5のステップ;成型およびゲル化する第6のステップ;ならびに離型、脱脂および乾燥させる第7のステップを含む方法を含む。本発明による経口投与剤形はまた、ローカストビーンガムなどのガムおよび/または糖と合わせた寒天-寒天マトリックス;グリセロール;イヌリン;香味剤;クエン酸;コーティング;ならびに組成物を完成させるための水を含み、活性成分を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チュアブル経口剤形態を成形する方法であって、
(i)寒天-寒天およびローカストビーンガムのゲル化剤を水和する第1の段階であって、均質な混合物が得られるまで、組成物の総質量の0.1%~4.0%の間、特に0.2%~2.0%の間、より具体的には0.3%~1.8%の間のローカストビーンガムと合わせた寒天-寒天を、6%~10%の間の範囲の量の甘味剤と混合し、次いである量の水を添加し、混合物の溶解が完了するまで撹拌することを含む第1の段階;
(ii)寒天マトリックスの構成成分を組み込む第2の段階であって、第1の段階(i)の混合物に、全組成物の1%~3%の間の量のグリセリンが、全組成物の7%~12%の間の量のイヌリン液体および全組成物の5%~10%の間の量のイヌリン粉末と合わせて添加され、任意に全組成物の20%~28%の間の量の甘味剤と混合され、次いで、完全に溶解するまで撹拌される第2の段階;
(iii)活性成分を組み込む第3の段階であって、均質な混合物が得られるまで、ある量の活性成分および任意に全組成物の7%~10%の間の量の甘味剤が前もって混合され、続いて第2の段階(ii)の混合物に添加され、それが完全に組み込まれるまで撹拌される第3の段階;
(iv)第3の段階(iii)で得た混合物を、80℃~100℃の間の温度で30±5分間調理する第4の段階であって、固体が72°~74°の間のBrixを備えなければならない第4の段階;ならびに
(v)香味を付ける第5の段階であって、第4の段階(iv)で調理したペーストを香味付けタンクに移動し、0.1%~1%の間、特に0.2%~0.4%の間の量の黒色ニンジンを、0.1%~1%の間、特に0.4%~0.8%の間の量の香味剤および0.23%~0.29%の間の量のクエン酸と合わせて添加することを含む第5の段階
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
(vi)成型およびゲル化する第6の段階であって、第5の段階(v)の混合物が、75℃~89℃の間の温度で型に堆積され、ゲル化のためのその温度が、2℃~8℃の間の温度に下げられる第6の段階;ならびに
(vii)離型、脱脂および乾燥させる第7の段階であって、離型し、これに続いて脱脂し、次いでチュアブル経口剤形態を、30±3℃の温度および25±5%の相対湿度で、スツールまたは乾燥バスケット内に分散させることにより乾燥させることを含む第7の段階
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のチュアブル経口剤形態を成形する方法。
【請求項3】
(viii)甘味をつけ、包装する第8の段階であって、乾燥チュアブル経口剤形態が甘味付け装置に導入され、コーティングが完了するまで甘味剤が添加され、このために、水蒸気が275Pa~413Paの間に調節され、スピードが1~5Kg単位/分および甘味剤の量が6%~10%の間であり、一度甘味がついたら、これらが検査およびパックされる第8の段階
をさらに含むことを特徴とする、請求項1および2に記載のチュアブル経口剤形態を成形するための方法。
【請求項4】
香味が、香味料および芳香料の組合せならびにワックスベースのコーティングに分けられることを特徴とする、請求項1、2および3に記載のチュアブル経口剤形態を成形するための方法。
【請求項5】
香味料が、イチゴ、スイカ、マンゴー、レモン、ペパーミント、オレンジ、パッションフルーツ、バナナ、ココナッツ、アセロラ、ブルーベリー、スグリ、タンジェリン、パパイヤ、グレープフルーツ、アサイー、カモミールおよびショウガまたはこれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項4に記載のチュアブル経口剤形態を成形する方法。
【請求項6】
活性成分が、ビタミン、ミネラル、天然植物および薬草製品;ならびに活性医薬成分、例えば、消化系および代謝系、循環器系、尿生殖器系およびホルモン系、筋骨格系、神経系のレベルにおいて治療的特性を有する薬物、抗寄生虫剤、呼吸器系において治療的特性を有する薬物、鎮痛剤および解熱剤、ならびにこれらの組合せから選択することができることを特徴とする、請求項5に記載のチュアブル経口剤形態を成形する方法。
【請求項7】
活性成分が、ビタミン、例えば、ビタミンD2、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDおよびその誘導体および/または類似体、ビタミンE、B複合体ビタミン、例えば、ビタミンB1、B3、B5、B9およびB12、ならびにビタミンK2;プロバイオティクス;果実抽出物;植物抽出物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄、セレン、クロム、リン、カリウム、銅から選択されるミネラル;EPAおよびDHAから選択されるオメガ3脂肪酸;葉酸、ヨウ素、ビオチン、コリン、ショウガ、ルテイン、クランベリーおよびアセロラ、またはこれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項1、2および3に記載のチュアブル経口剤形態を成形するための方法。
【請求項8】
甘味剤が、有機糖、ショ糖、タピオカシロップおよびイヌリンに基づく糖を含むことを特徴とする、請求項1、2および3に記載のチュアブル経口剤形態を成形するための方法。
【請求項9】
甘味剤が甘味剤を含むことを特徴とする、請求項1、2および3に記載のチュアブル経口剤形態を成形するための方法。
【請求項10】
第7の段階(vii)の乾燥において、チュアブル経口剤形態の単位が、トンネル乾燥機内で、相対湿度25±5%の条件で、30±3℃の間の温度および層流空気速度0.15m
3/秒で、単層に分散されることを特徴とする、請求項1、2および3に記載のチュアブル経口剤形態を成形するための方法。
【請求項11】
組成物の総質量の0.1%~4.0%の範囲のローカストビーンガムと合わせた寒天-寒天ゲル化剤;組成物の総質量の6%~30%の間の範囲の甘味剤;組成物の総質量の1%~3%の間の範囲のグリセリン;組成物の総質量の7%~12%の間の範囲の液体イヌリン;組成物の総質量の5%~10%の間の範囲の粉末状イヌリン;組成物の総質量の0.1%~1%の間の範囲の香味剤;組成物の総質量の0.1%~0.5%の間の範囲のクエン酸;組成物の総質量の0.5%~3%の間の範囲のワックスベースのコーティング;組成物の総質量の0.1%~1%の範囲の黒色ニンジンを、活性成分ならびに組成物を完成させるための水と合わせた組成物を含むことを特徴とする、チュアブル経口剤形態。
【請求項12】
香味が、香味料および芳香料の組合せおよびワックスベースのコーティングに分けられることを特徴とする、請求項11に記載の経口チュアブル形態。
【請求項13】
香味料が、イチゴ、スイカ、マンゴー、レモン、ペパーミント、オレンジ、パッションフルーツ、バナナ、ココナッツ、アセロラ、ブルーベリー、スグリ、マンダリン、パパイヤ、グレープフルーツ、アサイー、カモミールおよびショウガまたはこれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項12に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項14】
甘味剤が、有機糖、ショ糖、タピオカシロップおよびイヌリンに基づく糖を含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項15】
甘味剤が甘味剤を含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項16】
活性成分が、ビタミン、ミネラル、天然植物および薬草製品;ならびに活性医薬成分、例えば、消化系および代謝系、循環器系、尿生殖器系およびホルモン系、筋骨格系、神経系のレベルにおいて治療的特性を有する薬物、抗寄生虫剤、呼吸器系において治療的特性を有する薬物、鎮痛剤および解熱剤、またはこれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項17】
活性成分が、ビタミン、例えば、ビタミンD2、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDおよびその誘導体および/または類似体、ビタミンE、B-複合体ビタミン、例えば、ビタミンB1、B3、B5、B9およびB12、ならびにビタミンK2;プロバイオティクス;果実抽出物;植物抽出物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄、セレン、クロム、リン、カリウム、銅から選択されるミネラル;EPAおよびDHAから選択されるオメガ3脂肪酸;葉酸、ヨウ素、ビオチン、コリン、ショウガ、ルテイン、クランベリーおよびアセロラ、またはこれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項18】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、クエン酸マグネシウム、および任意にカルシウムおよびビタミンD、ならびに組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項19】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲の粉末のイヌリン;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、クエン酸マグネシウム、メラトニンおよびチャボトケイソウ、ならびに組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項20】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、ピリドキシンHCI、ビタミンB6、ビタミンB12およびチョウセンニンジン抽出物の混合物、ならびに組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態
【請求項21】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、クエン酸マグネシウム、メラトニンおよびチャボトケイソウの混合物、ならびに組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項22】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、レモンバームおよびL-テアニンの混合物、ならびに組成物を完成させるための水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項23】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、サフランおよびビタミンD3の混合物、ならびに組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項24】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、アスコルビン酸、クエン酸亜鉛および任意にセイヨウニワトコ、ビタミン、ミネラル、葉酸またはこれらの組合せの混合物、ならびに組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項25】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、プロバイオティクス、例えば、バチルスコアグランスおよび果実および植物抽出物、ならびに任意にビタミン、ミネラル、ビオチン、コリン、ヨウ素、ルテイン、アセロラおよびこれらの組合せの混合物、ならびに組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【請求項26】
ローカストビーンガムと合わせた1%~1.5%の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の範囲の糖;1%~3%の範囲のグリセリン;7%~10%の間の範囲の液体イヌリン;6%~8%の範囲のイヌリン粉末;1%の範囲の香味剤;0.5%の範囲のクエン酸;1.5%の範囲のコーティング;0.3%の範囲の黒色ニンジンを、オメガ3脂肪酸と合わせて含むことを特徴とする、請求項11に記載のチュアブル経口剤形態。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、ゼラチンの特徴と類似した特徴ならびに心地良いテクスチャーおよび味覚を有する、ガムなどのチュアブル経口剤形態を成形するための方法である。
特に、本発明は、経口剤形態を成形する方法であって、寒天-寒天およびローカストビーンガムのゲル化剤を水和する第1の段階;寒天マトリックスの構成成分を組み込む第2の段階;活性成分を組み込む第3の段階;混合物を調理する第4の段階;香味を付ける第5の段階;成型およびゲル化する第6の段階;ならびに離型、脱脂および乾燥して、そのテクスチャーにより困難なく咀嚼および服用できる寒天-寒天マトリックスおよびローカストビーンガムを有する組成物を提供する第7の段階を含む方法、を含む。
同様に、本発明による経口剤形態は、寒天-寒天マトリックスを、ローカストビーンガムなどのガムおよび/または糖;グリセリン;イヌリン;香味料;クエン酸;コーティング、ならびに組成物を完成させるための水と組み合わせて含み、この組成物は活性成分を含む。
成形形態は、架橋の問題を回避する栄養補給または医薬品の性質の活性成分をベースとする組成物を組み込んでおり、それにより、40℃より高い融点を有する活性成分を組み込み得る。
【0002】
同様に、本発明の形態はまた、完全菜食主義者または文化により動物起源の物質を摂取しない人々における活性成分の取込みに適したチュアブル経口剤形態を含む。
チュアブル経口剤形態は、寒天マトリックスから作製され、この寒天マトリックスでは、テクスチャーが、いかなるタイプの患者によっても咀嚼および服用できるように改変されている。
寒天マトリックスチュアブル経口剤形態は、例えば、包装、輸送および周辺温度に基づく改変により強いゴム状テクスチャーを提供する。
経口チュアブル形態は、熱帯の国で重要な40℃の温度での十分な安定性を有することで、これらの条件下でその構造を保ち、同時に、咀嚼するのにソフトなテクスチャーも保っているので、服用しやすい代替手段を一般消費者に提供する。
さらに、経口チュアブル形態は、優れた香味を放出しながら平均体温で融解する。
したがって、咀嚼しやすい、服用可能な安定した製品を形成する、ショートテクスチャー加工したチュアブル経口剤形態が提供される。
【0003】
中でも、経口剤形態はまた、解剖学的治療薬化学分類システム(ATC)に含まれる薬理学的物質および薬物のインデックスにおいて想定されているものすべてを除外するわけではなく、活性のある栄養成分、例えば、ビタミン、ミネラル、天然産物、植物および薬草、ならびに活性医薬成分、例えば、消化系および代謝系のレベル、循環器系、尿生殖器系およびホルモン系、筋骨格系、神経系において治療的特性を有する薬物、抗寄生虫剤、呼吸器系において治療的特性を有する薬物、鎮痛剤および解熱剤を含む。
工業的に加工することができ、かつ2年の貯蔵寿命の間、安定性を有するマトリックスを提供するために、本発明によるチュアブル経口剤形態の寒天マトリックスは、上述の構成成分の混合物においてバランスを達成する配合を含む。
したがって、本発明は、望ましい量の活性成分を供給することが可能な、優れたテクスチャー、視覚的形状および香味を持つ経口剤形態を提供するので、栄養または健康領域に適用可能である。
【背景技術】
【0004】
服用が簡単な製品に栄養素を添加することは、19世紀初期まで遡った時代から開始された慣習であり、この時期にフランスの化学者Boussingaultは、南アメリカの甲状腺腫を予防するためにヨウ素をテーブル塩に添加することを推奨した。
1918年には、デンマークで、マーガリンが濃縮ビタミンAで強化され、1931年には米国において、全乳がビタミンDで強化された。穀物に関しては、朝食用シリアルの強化が20世紀半ば、具体的には1941年に開始された。
強化食品という名の下で製造されたもう一つの最初の製品は、より高いタンパク質の取込みを達成するための、ベースとなる穀粉と魚粉との混合物であり、別の食品強化プロセスは、ヨウ素をミルクに添加して、風土病地域において甲状腺機能低下症の問題を防止することであった。
【0005】
消費者は、自分達の健康および健全な生活状態にとって有益な、機能的要素を彼らの食生活に提供するような食物を摂取する必要があることを次第に意識するようになった。したがって、現在必要なのは、ヒト身体に必要な栄養所要量をもたらすのを補助する、補強された形態の良好な栄養分である。
ラテンアメリカでは、一般的に、子供の栄養不良は、社会経済的レベルに関わらず、人口の大部分に影響を与えている、繰り返される社会問題である。栄養不足は、身体に必要な十分な栄養素(中でも、タンパク質、ビタミン、ミネラルおよび抗酸化物質)を有する食物を摂取しないことで主に引き起こされる。
一部のラテンアメリカの国、例えば、コロンビアでは、1~4才の間の小児の32.2%および5~12才の間の小児の37.6%が栄養不足による貧血を患い(Instituto Colombiano de Bienestar Familiar ICBF、2005)、小児は一般的にバランスのとれた食事を提供する食物を摂取していないことにより、ビタミン不足であることもまた判明した。
【0006】
異なる感覚特性を有するいくつかの経口剤形態の服用が知られているが、これらの大部分は、その外観、味覚およびテクスチャーから、消費者によって拒絶されている。
例えば、Aoki、Miwaらによる欧州特許EP1074183において開示されているように、最新技術は進歩している。この特許は、0.3~1.2質量%の寒天、0.01~0.6質量%のキサンタンガムおよび0.01~0.6質量%のローカストビーンガムをゲル化剤として含有する食用ゼラチンを例示しており、この食用ゼラチンは、ある方法で得た果肉のような顆粒およびテクスチャーを有することを特徴としており、この方法では、キサンタンガムのローカストビーンガムに対する比が1対4~4対1で、キサンタンガムおよびローカストビーンガムの総量を超える量の寒天中で、ゲル化剤を混合し、混合物を加熱して溶液を得、その後この溶液を冷却してゲルを得、生成したゲルを凍結し、解凍して、ガムを得る。この開発は、ガムの構造および成型において実現可能ではあるが、動物起源のゼラチンをベースとして作製されており、その起源、外観、味覚およびテクスチャーによりすべてのタイプの消費者に適したものではない。
【0007】
別の技術開発は、Farber、Michaelらによる米国特許第7067150号で定義されており、この特許は、機能性材料、例えば、薬物、栄養補助食品、植物およびビタミンに対する経口送達システムを開示している。
送達システムは、服用可能なマトリックスを含み、このマトリックスの中で機能性材料は実質的に均一および完全に分散され、機能性材料の分解は最小化されており、マトリックスは、1種または複数の炭水化物;1種または複数の糖、糖シロップおよび/または糖アルコール;ゼラチンを含む1種または複数の親水コロイド;1種または複数の多価アルコール;一価カチオンまたは二価カチオンの1種または複数の供給源、ならびに水を含む。
マトリックス中の炭水化物と親水コロイドの組合せは、デリバリーシステムが溶媒の構成成分を容易に保持し、したがって、マトリックスの他の構成成分から溶媒が分離することを防止することを確実にする。
この発明はまた、送達システムを調製および使用するための方法を提供する。この開発はまた、動物起源のゼラチン中の経口剤形態のマトリックスをベースとするので、すべてのタイプの消費者に適しているわけではない。
前記従来の技術に示されている通り、より多数の消費者に受け入れられる経口剤形態の中に、ゼラチンから作製されたガムがあり、これらのガムは、これらのゲル化特性により、医薬品または栄養補助食品形態の配合において好ましい代替手段である。ゲル化特性を有する適切なゼラチン代替物は、デンプン、カラギーナムおよび寒天である。
【0008】
寒天は、植物起源の有効なゲル化剤であり、サクサクとしたテクスチャーを有する非粘着性ゲルを生成することが可能である。寒天は、テングサ(Gelidium)、キリンサイ(Euchema)およびオゴノリ(Gracilaria)を含む紅藻から作製され、特別な特性を有し、他のゲル化剤とは異なり、様々な使用に適用可能である。
寒天から作製されたガムは、消費者の新しい要求事項の最前部に位置する非常にダイナミックな市場を相手とし、そこでの消費者の現在の動向は、検証可能な製品(非GMO、有機、ハラル、コーシャ)を特徴とし、したがって、植物由来の材料は、動物起源の任意の製品と比較してより多くの検証されるべき能力を有する。他のタイプの評価要素として、宗教グループ、少数民族グループ、ベジタリアン/完全菜食主義者に基づく消費者、患者および/または消費者の必要性に関連する健康上の理由が挙げられる。
さらに、中でも、寒天の安定性および性能、熱または湿気に対する低い感受性、架橋を回避するその能力、pHに対する低い感受性、ならびに外からの水の移動の減少に対する利点、ならびに高い機械的強度、官能特性の利点、例えば、無味、無臭、鮮やかさ/光沢、ならびに容易な咀嚼および服用など、一般消費者が生成プロセスを好み、その受け入れを促進させるような物理的特性および化学的特性により、寒天は一般に好まれる代替手段としての位置を確立している。
他方で、現代において、すなわち、ストレス、疲労、困難就眠が人々の最も大きな問題の1つであり、ミネラルおよびビタミンがこの必要性を満たす自然の代替手段である時代において、服用が容易なビタミン、ミネラル、植物ベースの栄養補助食品組成物または単に医薬品活性成分を供給する必要性は極めて重要である。
【0009】
さらに、片頭痛の減少、結腸直腸がんになる確率の低下、骨におけるカルシウム吸収および便秘の改善に著しい影響を示す、いくつかの臨床実験およびメタ分析実験が行われてきた。食習慣の変化および食物中のマグネシウム含有量の低減により、人々のマグネシウムの日常の取込みは不足しており、これに対して補助は有益である。
チュアブル形態は、植物に基づくビタミン、ミネラル、栄養補助食品組成物または摂取が容易な医薬品の性質の実際の活性成分の投与のための一つの解決策である。
ガムなどのチュアブル形態は、食物補助食品として、いかなる時でも摂取することができ、水を必要とせず、容易に飲み込めるので、心地良い、利用可能な、好都合な代替手段である。しかし、40℃より上の融点を有する活性成分に対して、市販されているチュアブルゲル形態は実現的な代替手段ではない。
したがって、解決すべき別の重要な問題は、植物起源のゲルに基づくチュアブル経口剤形態を形成することに加えて、ゼラチンベースの調製物に非常に一般的な架橋問題を克服し、40℃より高い融点を有する活性成分を一体的に組み込むことができるマトリックスも含む、植物起源のチュアブル経口ゲル形態を作り出すことであり、これは、市販のチュアブルゲル形態では選択肢が得られない。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の第1の目的は、従来の技術の欠点を回避することである。
より詳細には、本発明の主要な目的は、寒天などの植物起源のマトリックスを用いてチュアブル経口剤形態を生成し、その官能特性によって消費者が良い経験が得られるような、栄養特性または薬学的特性を有する天然化合物または合成化合物を前記マトリックス内に配合することである。
特に、ゼラチン調製物において非常に一般的な架橋問題を克服し、これによって40℃より上の融点を有する活性成分を組み込むことができる、動物起源のゼラチンと類似の特徴を有する、植物起源のマトリックスを有する経口剤形態。
【0011】
同様に重要な目的は、完全菜食主義者または文化により動物起源の物質を摂取しない人々における活性成分の取込みに適したチュアブル経口剤形態を形成することであり、このチュアブル経口剤形態のテクスチャーは、いかなるタイプの患者でも咀嚼および服用することが可能なように改変されている。
別の重要な目的は、例えば、包装、輸送、周辺温度に基づく改変により、熱帯の国において重要な安定な強いゴム状テクスチャーを提供する寒天マトリックスチュアブル経口剤形態を含み、したがって、チュアブル経口剤形態は、その形状を保持し、同時に、摂取のために咀嚼時にはソフトテクスチャーを保持し、体温で溶融して、優れた香味を放出する。
特に本発明の目的は、寒天-寒天およびローカストビーンガムのゲル化剤を水和する第1の段階;寒天マトリックスの構成成分を組み込む第2の段階;活性成分を組み込む第3の段階;混合物を調理する第4の段階;香味を付ける第5の段階;成型およびゲル化する第6の段階;ならびに離型、脱脂および乾燥させる第7の段階を含むチュアブル経口剤形態を成形するための方法である。
【0012】
ローカストビーンガムなどのガムおよび/または糖と合わせた寒天-寒天マトリックス;グリセリン;イヌリン;香味料;クエン酸;コーティング、ならびに組成物を完成させるための水を含み、この組成物は、解剖学的治療薬化学分類システム(ATC)に含まれる薬理学的物質および薬物のインデックスにおいて想定されているすべてのものを除外するわけではなく、ビタミン、ミネラル、天然植物および薬草製品からの活性成分;ならびに薬学的活性成分、例えば、消化系および代謝系、循環器系、尿生殖器系およびホルモン系、筋骨格系、神経系のレベルにおいて治療的特性を有する薬物、抗寄生虫剤、呼吸器系において治療的特性を有する薬物、鎮痛剤および解熱剤を含む、チュアブル経口剤形態を形成することもまた重要な目的である。
本発明の基礎と考えられる新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載されており、その追加の利点は、好ましい実施形態を有する以下の詳細な説明でより良く理解される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的は、ローカストビーンガムなどのガムおよび/または糖と合わせた寒天-寒天マトリックス;グリセリン;イヌリン;香味料;クエン酸;コーティング、ならびに組成物を完成させるための水を有し、この組成物がビタミン、ミネラル、天然植物および薬草製品由来の活性成分ならびに薬学的活性成分を含む、チュアブル経口剤形態である。
特に、本発明は、40°より上の融点を有する活性成分を組み込むことができるような、栄養補助食品または薬学的性質の活性成分に基づく組成物を提供するための、植物起源のマトリックスを有する経口剤形態を含む。
寒天マトリックスチュアブル経口剤形態は、例えば、包装、輸送、周辺温度に基づく改変により、熱帯の国で重要な40℃の温度で安定した強いゴム状テクスチャーを提供し、したがって、チュアブル経口剤形態は、その形状を保持し、同時に、摂取のために咀嚼時には滑らかなテクスチャーを保持し、体温で溶融して、優れた香味を放出する。
【0014】
したがって、咀嚼および嚥下が容易な製品を形成する、ショートテクスチャー加工したチュアブル経口剤形態が形成される。寒天は、いくつかの種のテングサ、キリンサイおよびオゴノリ属の藻の細胞壁から得られる非分枝の多糖であり、種に応じた特性および色をもたらす。
化学的には、寒天はガラクトースサブユニットのポリマーであり、2種類の多糖:アガロペクチンおよびアガロースの混合の結果である。寒天における多糖は、藻の細胞壁構造の一部である。水の存在下で、寒天はゼラチン状の特性を有し、細菌学において培地として広く使用されている。
【0015】
しかし、本発明は、栄養補助食品または薬学的活性成分を含むことができる組成物にゼラチンの特徴をもたらすマトリックスの開発のために寒天を使用することを目標とする。ガムに関しては、樹脂の物質であり、粘着性の特徴を有する、水に溶解する多糖であり、高分子量を有し、複雑な構造を有する。その粘稠度は固体であるが、粘稠度はその起源、プロセス条件により様々であってよく、特に弾性により特徴付けられ、ガムは、ゲルを形成し、粘度を増加させるという特性を有し、したがって、これらの乳化、安定化および増粘特性により、食物および医薬品業界において広く使用されている。食物および薬学的使用のためのガムの一部の例として、これらの分類内で両業界において利用可能および適用可能な他のタイプのガムの中でも、これらに限定されないが、海洋性植物から抽出したガム(例えば、寒天およびアルギン酸塩)、陸生植物の種子から抽出したガム、陸上植物からの浸出液として得たガム(例えば、アラビアガム、トラガントガム、イナゴマメガム)、微生物学的プロセスから得たガム、例えばキサンタンガムが挙げられる。本発明に対して注目されるイナゴマメガムは、共補助剤薬剤としての役割を果たすが、寒天との混合物のゲル強度を強めるわけではなく、その過程でゼラチンに類似するように寒天の構造を改変させ、噛んだ時に短い構造が生じるようにする。
【0016】
本発明のために、寒天-寒天などのゲル化剤と、ローカストビーンガムなどのガムとの組合せから経口チュアブル形態の製造が開発された。イナゴマメ木のガムは80℃から水に可溶化し、その一方で寒天は75℃で水に可溶化し、両方の融点は92℃(a.s.l.2,600mで)において生じ、そのゲル化は75℃で開始する。寒天-寒天とローカストビーンガムとの組合せは、商標AGARO ID 300(登録商標)で提供されている。
固体がこれらゲル化剤を含有する混合物中で増加するにつれて、ゲル化温度も増加する。ゲル化が開始するポイントの重要性は、プロセスが混合物の運動を含む場合、高温で形成し始めるゲルが剪断され、最終生成物がより柔軟なテクスチャーで存在することであり、ゲル強度は低く、シネレシスの確率は高くなる。
様々なタイプの天然または人工甘味剤が経口チュアブル形態に対して使用されている。このような天然甘味剤は、ショ糖、タピオカシロップおよびイヌリンに基づく糖を含み、ならびに甘味剤はステビアなどを含むが、ただし、これらの甘味剤は寒天ベースゲル化剤のマトリックスの安定化を達成するものとする。
糖ベースの甘味剤、例えば、ショ糖、タピオカシロップおよびイヌリンは、その最適な操作性および感覚特性を有する固いゲル構造が可能となる。マトリックスの構成成分の間の平衡および活性成分とのそれらの相互作用は、安定したゲルマトリックスを得るために必要不可欠である。他のタイプの甘味剤は、制限のある人々、例えば糖尿病の人々に適している。
【0017】
一般的に、活性成分は、解剖学的治療薬化学分類システム(ATC)に含まれる薬理学的物質および薬物のインデックスにおいて想定されているすべてを除外するわけではなく、ビタミン、ミネラル、天然植物および薬草製品;ならびに活性医薬成分、例えば、消化系および代謝系のレベル、循環器系、尿生殖器系およびホルモン系、筋骨格系、神経系において治療的特性を有する薬物、抗寄生虫剤、呼吸器系において治療的特性を有する薬物、鎮痛剤および解熱剤から選択することができる。
本発明の経口チュアブル形態を形成するための特に任意の適切な活性成分の中でも、とりわけビタミン、例えば、ビタミンD2、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDおよびその誘導体および/または類似体、ビタミンE、ビタミンB複合体、例えば、ビタミンB1、B3、B5、B9およびB12、ならびにビタミンK2。
本発明の経口チュアブル形態はまた、中でも、プロバイオティクス、果実抽出物、植物抽出物、ミネラル、例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄、セレン、クロム、リン、カリウム、銅;オメガ3脂肪酸、例えば、EPAおよびDHA、葉酸、ヨウ素、ビオチン、コリン、ショウガ、ルテイン、ブルーベリーおよびアセロラを含むことができる。
【0018】
本発明の経口チュアブル形態はまた、サフラン抽出物およびビタミンD3、例えば、コレカルシフェロールの組合せ;ピリドキシンHCI、シアノコバラミン、およびチョウセンニンジン抽出物の組合せ;クエン酸マグネシウム、メラトニンおよびチャボトケイソウ(Passiflora incarnata L.)の組合せ;レモンバーム(melissa officinalis)およびL-テアニンの組合せ;サフラン(iridaceae Crocus sativus L.)およびコレカルシフェロールの組合せ;ならびに、アスコルビン酸、クエン酸亜鉛およびセイヨウニワトコ(sambucus nigra)を含むことができる。
【0019】
したがって、本発明の方法は以下を含む:(i)寒天-寒天およびローカストビーンガムのゲル化剤を水和する第1の段階であって、均質な混合物が得られるまで、組成物の総質量の0.1%~4.0%の間、特に0.2%~2.0%の間、より具体的には0.3%~1.8%の間のローカストビーンガム(AGAROID 300(登録商標))と合わせた寒天-寒天を、6%~10%の間の範囲の量の甘味剤と混合し、次いである量の水を添加し、混合物が完全に溶解するまで撹拌することを含む第1の段階;
(ii)寒天マトリックスの構成成分を組み込む第2の段階であって、第1の段階(i)の混合物に、全組成物の1%~3%の間の量のグリセリンが、全組成物の7%~12%の間の量の液体イヌリンおよび全組成物の5%および10%の間の量のイヌリン粉末と合わせて添加され、任意に全組成物の20%~28%の間の量の甘味剤と混合され、次いで完全に溶解するまで撹拌される第2の段階;
(iii)活性成分を組み込む第3の段階であって、均質な混合物が得られるまで、ある量の活性成分および任意に、全組成物の7%~10%の間の量の甘味剤が前もって混合され、続いて第2の段階(ii)の混合物に添加され、それが完全に組み込まれるまで撹拌される第3の段階;
(iv)第3の段階(iii)で得た混合物を、80℃~100℃の間の温度で30±5分間調理する第4の段階であって、固体が72°および74°の間のBrixを備えなければならない第4の段階;ならびに
(v)香味を付ける第5の段階であって、第4の段階(iv)で調理したペーストを香味付けタンクに移動し、0.1%~1%の間、特に0.2%~0.4%の間の量の黒色ニンジンを、0.1%~1%の間、特に0.4%~0.8%の間の量の香味剤および0.23%~0.29%の間の量のクエン酸と合わせて添加することを含む第5の段階。
【0020】
構成成分を組み込む第2の段階に対して、グリセリンは、ソルビトールまたは転化シロップで置き換えることができる。同様に、イヌリンに対する代替手段として、同じ機能のため、ジャガイモデンプンを使用することも可能である。同様に、クエン酸の添加により、製品の香味のバランスがよくなり、この場合、酸は、添加した他のすべての構成成分が混合物に完全に組み込まれた後で、第5の段階で最後に添加する。
混合物を調製したら、最終経口剤形態の成形を開始すべきである。前記最終経口剤形態は、マーケティングのタイプまたは目的に基づいた形状および色を含むことができる。これは、小片と小片の接着を制御するための光沢、水分耐性および優れた潤滑をもたらす極めて安定したワックスベースのコーティングを必要とする。前記コーティングは、天然油およびワックスならびに/または甘味剤、マンニトールもしくは粉末状香味料のブレンドをベースとしたコーティングを含むことができ、組み合わせた追加の香味料と共に配合することができる。
したがって、方法は次いで以下のステップをさらに含む:
(vi)成型およびゲル化する第6の段階であって、第5の段階の混合物が、75℃~89℃の間の温度で型に堆積され、ゲル化のためのその温度が、2℃~8℃の間の温度に下げられる第6の段階、ならびに
(vii)離型、脱脂および乾燥させる第7の段階であって、離型し、これに続いて脱脂し、次いでチュアブル経口剤形態を、30±3℃の温度および25±5%の相対湿度で、乾燥ラックまたはバスケット内に分散させることにより乾燥させることを含む第7の段階。
【0021】
第6の段階において、クエン酸香味料への追加の機能は、第3の段階で添加した活性成分の溶解度を増加させることである。第6の段階のゲル化のため、型を冷却することは、様々な手段、例えば、冷却屋、空気トンネルなどを準備することを含み、これらの中で型は、穏やかにゆっくりとこれらの温度を低下させるように誘発される。第7の段階の脱脂のため、生成物を回転ドラム内に配置し、バスケット内の生成物を回転させて、チュアブル形態の表面の脂肪を均質化する。
第7の段階の乾燥のために、トンネル乾燥機は、相対湿度25±5℃、30±3℃の間の温度、および層流空気速度0.15m3/秒という特別な条件下で提供され得る。
任意に経口チュアブル形態はまた甘味を付けることもできる。この目的のために、本方法はまた以下を含む:
(viii)甘味をつけ、包装する第8の段階であって、乾燥チュアブル経口剤形態が甘味付け装置に導入され、コーティングが完了するまで甘味剤が添加され、このために、水蒸気が275Pa~413Paの間に調節され、スピードが1~5Kg単位/分および甘味剤の量が6%~10%の間であり、一度甘味がついたら、これらが検査および包装される第8の段階。
【0022】
上記の方法に基づき、ローカストビーンガムおよび/または糖と合わせた寒天-寒天マトリックスを含むチュアブル経口剤形態が得られ;これは、グリセリン;液体イヌリンおよび粉末イヌリン;活性成分、例えば、ビタミンまたはミネラル;香味料;クエン酸;コーティング、ならびに組成物を完成させるための水を含む。
堅さの特徴を有する本発明によるチュアブル経口剤形態を得るための重要なポイントは、これらは時間の経過と共にシネレシスを生じず、ひいてはプロセス全体にわたり以下の良好な挙動をとるということである:
-ゲル化剤の正しい水和。
-確立した調理時間および温度を達成する。
-システム内で推奨された温度を維持し、ゲル化およびゲル化プロセスによるその後の剪断を回避する。
-乾燥プロセスは、過剰の水が確立したレベルまで除去されるように、穏やかであり、同時に効率的でなければならない。
【0023】
各ステップにおいてこれらの注意事項に注意を払いながら手順に従うと、時間の経過と共に、固いおよび安定した生成物を得ることになる。こうして、チュアブル経口剤形態が形成され、寒天マトリックスを有する、マグネシウムから作製された組成物が得られ、そのテクスチャーは咀嚼可能であり、効果的に服用することができる。
寒天マトリックスチュアブル経口剤形の特性を示すパラメーターの1つは、堅さを示すゲルの強度である。一般的に、ゲル強度は溶液中の寒天の濃度に比例する。したがって、高いゲル強度を有する寒天が使用される場合、所望の硬度を有するチュアブル形態を少量の寒天から得ることができることが実験的に証明された。
したがって、経口チュアブル形態は、ローカストビーンガムと合わせた0.1%~4.0%の範囲の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の間の範囲の甘味剤;1%~3%の間の範囲のグリセリン;7%~12%の間の範囲の液体イヌリン;5%~10%の間の範囲のイヌリン粉末;0.1%~1%の間の範囲の香味剤;0.1%~0.5%の範囲のクエン酸;0.5%~3%の間の範囲のワックスベースのコーティング;0.1%~1%の範囲の黒色ニンジンを、0.1%~85%の間、好ましくは10%~60%の間、より好ましくは25%~35%の間の活性成分、ならびに組成物を完成させるための水と合わせた組成物を含むことができる。
【0024】
中でも、本発明のチュアブル形態の香味料は以下を含むことができる:
ヒトによる摂取用に利用可能な香味料の中でも、イチゴ、スイカ、マンゴー、レモン、ペパーミント、オレンジ、パッションフルーツ、バナナ、ココナッツ、アセロラ、ブルーベリー、スグリ、マンダリン、パパイヤ、グレープフルーツ、アサイー、カモミールおよびショウガ。
同じように、果実抽出物は、様々な甘い果実、カンキツ類、液果類、果実の組合せ、および適切な香味特徴を有するすべての果実抽出物ならびに植物抽出物を含み得る。
活性成分は、解剖学的治療薬化学分類システム(ATC)に含まれる薬理学的物質および薬物のインデックスにおいて想定されているものすべてを除外するわけではなく、ビタミン、ミネラル、天然植物および薬草製品;ならびに活性医薬成分、例えば、消化系および代謝系のレベル、循環器系、尿生殖器系およびホルモン系、筋骨格系、神経系において治療的特性を有する薬物、抗寄生虫剤、呼吸器系において治療的特性を有する薬物、鎮痛剤および解熱剤から選択することができる。
活性成分は、特にビタミン、中でも例えば、ビタミンD2、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDおよびその誘導体および/または類似体、ビタミンE、B-複合体ビタミン、例えば、ビタミンB1、B3、B5、B9およびB12、ならびにビタミンK2を含むことができる。
活性成分はまた、中でも、プロバイオティクス、果実抽出物、植物抽出物、ミネラル、例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄、セレン、クロム、リン、カリウム、銅;オメガ3脂肪酸、例えば、EPAおよびDHA、葉酸、ヨウ素、ビオチン、コリン、ショウガ、ルテイン、ブルーベリーおよびアセロラを含むことができる。
【0025】
(実施例1)
実施例の例示における本発明によるチュアブル経口剤形態は、ローカストビーンガムと合わせた0.1%~4.0%の範囲の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の間の範囲の甘味剤;1%~3%の間の範囲のグリセリン;7%~12%の間の範囲の液体イヌリン;5%~10%の間の範囲のイヌリン粉末;0.1%~1%の間の範囲の香味剤;0.1%~0.5%の範囲のクエン酸;0.5%~3%の間の範囲のワックスベースのコーティング;0.1%~1%の範囲の黒色ニンジンを、表1の活性成分、および組成物を完成させるまでの水と合わせて含むことができる。
【表1】
【0026】
(実施例2)
実施例1の経口チュアブル形態の組成物は、表2の活性成分を含む。
【表2】
【0027】
(実施例3)
表3の活性成分を含む実施例1の経口チュアブル形態の組成物の別の例示。
【表3】
【0028】
(実施例4)
表4の脂肪酸に基づく活性成分を含む実施例1の経口チュアブル形態の組成物。
【表4】
【0029】
(実施例5)
表5のマグネシウムおよびビタミンに基づく活性成分を含む経口チュアブル形態の組成物。
【表5】
【0030】
(実施例6)
表6に基づく活性成分を含む実施例1の経口チュアブル形態の組成物。
【表6】
【0031】
(実施例7)
表7の活性成分を含む実施例1の経口チュアブル形態の組成物の別の例示。
【表7】
【0032】
(実施例8)
表8の活性成分の組合せを含む実施例1の経口チュアブル形態の組成物。
【表8】
【0033】
(実施例9)
多くの他のオプションの中でも、表9の活性成分を含む実施例1の経口チュアブル形態
【表9】
【0034】
(実施例10)
本実施例は、実施例1の形態の組成物を含み、表10の活性成分を含む寒天ガムのチュアブル経口組成物を開示する。
【表10】
【0035】
(実施例11)
実施例1の経口チュアブル形態の組成物であり、表11の活性成分を含む別の実施例。
【表11】
【0036】
(実施例12)
表12の活性成分を含む、実施例1のチュアブル経口組成物の実施例。
【表12】
【0037】
(実施例13)
表13の活性成分を含む、実施例1のチュアブル経口組成物の実施例。
【表13】
【0038】
(実施例14)
表14の活性成分を含む、実施例1のチュアブル経口組成物の別の実施例。
【表14】
【0039】
(実施例15)
表15の活性成分を含む、実施例1のチュアブル経口組成物の最後の実施例。
【表15】
この実施例15は、特に、ローカストビーンガムと合わせた0.1%~4.0%の範囲の寒天-寒天ゲル化剤;6%~30%の間の範囲の甘味剤;1%~3%の間の範囲のグリセリン;7%~12%の間の範囲の液体イヌリン;5%~10%の間の範囲のイヌリン粉末;0.1%~1%の間の範囲の香味剤;0.1%~0.5%の範囲のクエン酸;0.5%~3%の間の範囲のワックスベースのコーティング;0.1%~1%の範囲の黒色ニンジン;ならびに組成物を完成させるまでの水を、クエン酸マグネシウムと合わせた。
本実施例15は、特にマグネシウムを含む組成物を定義する。
マグネシウムは、ヒト身体において300種を超える生化学的機能に対して必要なミネラルであり、現在、毎日の食習慣におけるこのミネラルの不足が存在する。
【0040】
本発明について、20%のマグネシウムを超えなければならず、これは、通常最先端技術のガムでは、容量およびクエン酸マグネシウムの低溶解度により、極めて不安定なマトリックスを生じるが、本発明によるマトリックスは、28%~32%の間のクエン酸マグネシウムを効果的に含む寒天マトリックスチュアブル経口剤形態を構成し、これを達成した。
工業的に加工することができ、かつ2年の貯蔵寿命の間、安定性を有するマトリックスを提供するために、本発明による寒天マトリックスのチュアブル経口剤形態は、上述の構成成分の混合物においてバランスを達成する配合を含む。
【0041】
したがって、本発明は、望ましい量の活性成分を供給することが可能な、優れたテクスチャー、視覚的形状および香味料を有する経口剤形態を提供するので、栄養または健康の領域に適用可能である。
本発明の好ましい実施形態のいくつかのみを例として例示した。この点に関して、ゼラチンのような特徴、ならびに心地良いテクスチャーおよび味覚ならびに形状配置を有する寒天マトリックスチュアブル経口剤形態を製造するための方法は、本発明の標準的趣旨から逸脱することなく、特許請求の範囲に従い、複数の選択肢から選択することができることを認識されたい。
【国際調査報告】