(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】保持部を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 42/60 20200101AFI20221213BHJP
A24F 42/10 20200101ALI20221213BHJP
【FI】
A24F42/60
A24F42/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022519812
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020076601
(87)【国際公開番号】W WO2021063772
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ボナデイ アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ランチ アントニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ラヌッチ キリアン
(72)【発明者】
【氏名】マルザック サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】パイネンブルク ヨハネス ペトルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ウィス ハンス ピーター
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA24
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB32
4B162AC06
4B162AC12
(57)【要約】
熱源およびエアロゾル形成基体とともに使用するエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、上流端と下流端の間に延びる長軸方向の表面を有する細長い本体を備える。細長い本体は、細長い本体の下流端にある開口部と、熱源およびエアロゾル形成基体を受容するための空洞とを備える。空洞は、細長い本体の長軸方向の表面内の開口を通してアクセス可能である。空洞の上流端は閉鎖されていて、空洞の下流端は開口部と流体連通している。エアロゾル発生装置は、開口が開放している開放位置と、開口が閉鎖部材の第一の部分によって閉鎖されている体験位置との間で細長い本体に対して移動可能な閉鎖部材をさらに備える。エアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
上流端と下流端の間に延びる長軸方向の表面を有する細長い本体であって、
前記細長い本体の前記下流端にある開口部と、
熱源およびエアロゾル形成基体を受容するための空洞であって、開口を通してアクセス可能であり、前記空洞の前記上流端が閉鎖していて、かつ前記空洞の前記下流端が前記開口部と流体連通している、空洞と、を備える細長い本体と、
前記開口が開放している開放位置と、前記開口が閉鎖部材の第一の部分によって閉鎖されている体験位置との間で前記細長い本体に対して移動可能な閉鎖部材と、を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記開口が、前記細長い本体の前記長軸方向の表面内に位置する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記閉鎖部材が、前記開放位置と前記体験位置の間で前記エアロゾル発生装置の前記長軸方向軸を中心として前記細長い本体に対して回転可能である、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記閉鎖部材の前記第一の部分に、少なくとも一つの空気吸込み口が提供されていて、これによって前記体験位置において、空気が前記少なくとも一つの空気吸込み口を通して前記空洞の中に通ることができる、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記閉鎖部材の前記第一の部分の前記上流端に配置された少なくとも一つの上流空気吸込み口と、前記閉鎖部材の前記第一の部分の前記下流端に配置された少なくとも一つの下流空気吸込み口とを備える、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記閉鎖部材が、前記閉鎖部材の第二の部分によって前記開口が閉鎖されている消火位置にさらに移動可能であり、前記閉鎖部材の前記第二の部分が実質的に空気不透過性である、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記空洞が、熱源を受容するための上流セクションと、エアロゾル形成基体を受容するための下流セクションとを備え、前記上流セクションと前記下流セクションがバリアによって分割されている、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記バリアが前記閉鎖部材に固定されている、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記バリアが、前記空洞の前記上流セクション内に配置された熱源から、前記空洞の前記下流セクション内のエアロゾル形成基体に熱を伝導するための熱伝導性材料を含む、請求項7または請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記閉鎖部材が、熱源を支持するために前記空洞の中に延びる少なくとも一つの閉鎖部材支持体をさらに備える、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記細長い本体が、熱源を支持するための少なくとも一つの細長い本体支持体を備え、前記細長い本体支持体が延びた位置と後退した位置の間で移動可能であり、前記少なくとも一つの細長い本体支持体が前記後退した位置においてよりも、前記延びた位置において前記空洞の中にさらに延びる、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記体験位置から前記開放位置への前記閉鎖部材の移動が、前記延びた位置から前記後退した位置への前記細長い本体支持要素の移動を作動させ、かつ前記開放位置から前記体験位置への前記閉鎖部材の移動が、前記後退した位置から前記延びた位置への前記細長い本体支持要素の移動を作動させる、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
エアロゾル形成基体を支持するために前記空洞の前記下流端に配置された圧縮要素をさらに備え、前記圧縮要素が、延びた位置と後退した位置の間で前記エアロゾル発生装置の前記長軸方向軸に沿って移動可能であり、前記圧縮要素が前記後退した位置においてよりも、前記延びた位置において前記空洞の中にさらに延びる、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記体験位置から前記開放位置への前記閉鎖部材の移動が、前記延びた位置から前記後退した位置への前記圧縮要素の移動を作動させ、かつ前記開放位置から前記体験位置への前記閉鎖部材の移動が、前記後退した位置から前記延びた位置への前記圧縮要素の移動を作動させる、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の装置と、
前記空洞内に配置された熱源と、
前記空洞内に配置されたエアロゾル形成基体と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。本発明は特に、熱源およびエアロゾル形成基体とともに使用するエアロゾル発生装置に関する。本発明はまた、エアロゾル発生装置と、熱源と、エアロゾル形成基体とを備えるエアロゾル発生システムにも関する。
【背景技術】
【0002】
数多くの代替的なエアロゾル発生物品が当該技術分野で提案されてきた。こうした代替的なエアロゾル発生物品の一つの目的は、可燃性紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成されるタイプのある特定の煙成分の量を低減させることである。一つの周知のタイプのエアロゾル発生物品において、可燃性熱源であってもよい熱源から、熱源に隣接して位置するエアロゾル形成基体への熱の伝達によってエアロゾルが発生される。エアロゾル発生中に、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、またエアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。これらは時に加熱式エアロゾル発生物品として知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
可燃性熱源およびエアロゾル形成基体を含む加熱式エアロゾル発生物品において、可燃性熱源は、可燃性熱源がエアロゾル発生物品の残りの部分から分離するのを回避するために、エアロゾル形成基体にしっかりと取り付けられなければならない。可燃性熱源は、エアロゾル発生物品の製造から、およびエアロゾル発生物品の搬送中、使用中、および場合によっては廃棄中に、エアロゾル形成基体にしっかりと取り付けられたままでなければならない。可燃性熱源の燃焼を阻害する可能性があるため可燃性熱源を完全に覆うことはできないので、可燃性熱源をエアロゾル発生物品の残りの部分にしっかりと取り付けることは困難である場合がある。
【0004】
熱源がエアロゾル発生物品の残りの部分から分離するのを防止するために、エアロゾル発生物品の残りの部分への可燃性熱源のしっかりとした取り付けを提供することが望ましい場合がある。
【0005】
周知のエアロゾル発生物品の熱源は、少なくとも部分的に露出される場合がある。これは、熱源が他の材料と接触することによって引き起こされる特性への熱損傷のリスクにつながる場合がある。一部の状況において、熱源が接触する材料に点火するリスクがある場合がある。隣接する材料の点火を喫煙物品が引き起こす傾向の一つの尺度は、発火傾向である。その発火傾向を減少させる特徴を有しないエアロゾル発生物品と比較してその発火傾向を減少させる特徴を有する、または紙巻たばこの発火傾向よりも高くない発火傾向を有する、低い発火傾向を有するエアロゾル発生物品を提供することが望ましい場合がある。
【0006】
さらに、一部の周知の加熱式エアロゾル発生物品は、消費者の体験をカスタマイズする機会を消費者に提供しない。例えば、消費者が特定のエアロゾル形成基体を使用することを望む場合、消費者は、その基体を含むエアロゾル発生物品全体を購入しなければならない。加えて、周知のエアロゾル発生物品において、熱源およびエアロゾル形成基体が使用中に消費される一方で、冷却要素およびスペーサー要素などの他の要素、ならびに熱伝導部材は典型的に、一回の使用後にエアロゾル発生物品の残りの部分とともに廃棄される。ユーザー体験が消費者によって容易にカスタマイズ可能なエアロゾル発生物品を提供することが望ましい場合がある。ある特定の構成要素、特に消費されていない構成要素が再使用されうるエアロゾル発生物品を提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上流端と下流端の間に延びる長軸方向の表面を有する細長い本体を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。
【0008】
細長い本体は下流端に開口部を備えてもよい。これは有利なことに、装置内で発生した任意のエアロゾルが装置を離れることを可能にしてもよい。下記により詳細に記載の通り、下流端開口部はマウスピースを形成してもよい。別の方法として、下流開口部は、別個のマウスピースを受容するように構成されてもよい。
【0009】
細長い本体は、熱源およびエアロゾル形成基体を受容するための空洞を備えてもよく、空洞は開口を通してアクセス可能である。開口は、細長い本体の長軸方向の表面内にあってもよい。空洞の上流端は閉鎖されていて、空洞の下流端はマウスピースと流体連通している。これは、熱源およびエアロゾル形成基体がエアロゾル発生装置内に受容されることを可能にする。装置は再使用されてもよく、無駄をより少なくすることにつながる。加えて、空洞は任意のエアロゾル形成基体を受容してもよいため、ユーザーは自身の選んだエアロゾル形成基体を空洞の中に挿入することによって、自身の体験をカスタマイズすることができる。エアロゾル形成基体内で発生したエアロゾルは、空洞から開口部を通して装置の下流端に通ることができる。
【0010】
エアロゾル発生装置は、細長い本体に対して移動可能な閉鎖部材を備えてもよい。閉鎖部材は、開口が開放している開放位置と、開口が閉鎖部材の第一の部分によって閉鎖されている体験位置との間で移動可能であってもよい。体験位置において、開口は、空洞内に受容された熱源およびエアロゾル形成基体が開口を通して空洞から取り除かれることができないように、閉鎖部材の第一の部分によって閉鎖されている。従って、閉鎖部材の第一の部分は、体験位置において開口を完全に閉じる必要がない。その代わりに、閉鎖部材の第一の部分は、空洞内に受容された熱源およびエアロゾル形成基体が開口を通して空洞から取り除かれるのを防止するのに十分な量のみ、空洞を体験位置において閉じる必要がある。閉鎖部材の提供は有利なことに、熱源およびエアロゾル形成基体を空洞内にしっかりと保持することを可能にする。これは、熱源およびエアロゾル形成基体のうちの一つ以上が、エアロゾル発生装置から分離されることを防止する場合がある。閉鎖部材の提供はまた、空洞内に保持された熱源が、使用中に他の任意の表面と接触することも防止する場合がある。これは有利なことに、使用時に低い発火傾向を有する装置につながる場合がある。
【0011】
開放位置はまた、第一の位置と呼ばれてもよい。
【0012】
体験位置はまた、第二の位置と呼ばれてもよい。体験位置において、空洞内に受容された熱源は使用時に、エアロゾルを発生するために、空洞内に受容されたエアロゾル形成基体を加熱してもよく、このエアロゾルはその後、開口部から排出される場合がある。
【0013】
本発明の好ましい一実施形態において、上流端と下流端の間に延びる長軸方向の表面を有する細長い本体を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。細長い本体は、細長い本体の下流端にて開口部を備える。細長い本体は、熱源およびエアロゾル形成基体を受容するための空洞を備え、空洞は開口を通してアクセス可能である。開口は、細長い本体の長軸方向の表面内にあってもよい。空洞の上流端は閉鎖されていて、空洞の下流端は開口部と流体連通している。エアロゾル発生装置は、開口が開放している開放位置と、開口が閉鎖部材の第一の部分によって閉鎖されている体験位置との間で細長い本体に対して移動可能な閉鎖部材をさらに備える。
【0014】
本発明のエアロゾル発生装置は、新しい熱源およびエアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つを空洞の中に挿入することによって複数回使用されてもよい。これは有利なことに、エアロゾル発生装置の毎回の使用での無駄がより少なくなる場合がある。加えて、エアロゾル形成基体を受容するための空洞の提供は有利なことに、ユーザーが自身の選んだエアロゾル形成基体を空洞の中に挿入することによって、自身の体験をカスタマイズすることを可能にする場合がある。加えて、空洞内に熱源およびエアロゾル形成基体を受容することは有利なことに、熱源およびエアロゾル形成基体のしっかりとした保持を確実にする場合がある。
【0015】
さらに、閉鎖部材の提供はまた、熱源を外部材料および表面から分離してもよく、これは有利なことに、使用時にエアロゾル発生装置の発火傾向を減少させる場合がある。
【0016】
閉鎖部材は、体験位置において閉鎖部材が開口を見えなくするように、空洞の外側に配置されてもよい。好ましい一実施形態において、閉鎖部材は、空洞内に少なくとも部分的に配置されてもよい。これは有利なことに、エアロゾル発生装置の外部表面上により少ない可動部品しかないことを意味し、これはエアロゾル発生装置を、より頑丈で損傷を受けにくいものにする場合がある。加えて、閉鎖部材が金属などの熱伝導性材料を含む場合、空洞内に配置された閉鎖部材の提供は有利なことに、エアロゾル発生装置の外表面の温度を低減するのに役立つ場合がある。
【0017】
空洞は、任意の数の熱源およびエアロゾル形成基体を受容するようにサイズ設定されてもよい。空洞は、単一の熱源および単一のエアロゾル形成基体を受容するようにサイズ設定されてもよいことが好ましい。別の方法として、空洞は、二つ以上のエアロゾル形成基体を受容するようにサイズ設定されてもよい。例えば、空洞は、二つ、三つ、四つ、またはそれよりも多くのエアロゾル形成基体を受容するようにサイズ設定されてもよい。これは有利なことに、異なるエアロゾル形成基体の特定の組み合わせを空洞の中に挿入することによって、消費者が自身の体験をカスタマイズすることを可能にする場合がある。
【0018】
細長い本体の下流端開口部は、マウスピースを形成してもよい。下流端のマウスピースは、これを容易にするために、細長い本体の残りの部分と比較して減少した直径を有してもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が使用されていない時にマウスピースの外側に配置されている取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。
【0019】
別の方法として、下流開口部は、別個の取り外し可能なマウスピースを受容するように構成されてもよい。例えば、下流開口部は、フィルターを受容するように構成されてもよい。
【0020】
細長い本体は任意の材料を含んでもよい。細長い本体は断熱材料を含むことが好ましい。これは有利なことに、使用中にエアロゾル発生装置の外部表面が過度に高温になることを防止する場合がある。例えば、細長い本体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、またはポリカーボネートなどの高分子材料を含んでもよい。細長い本体はセラミック材料を含んでもよい。
【0021】
閉鎖部材は任意の材料を含んでもよい。閉鎖部材は耐熱材料を含むことが好ましい。これは有利なことに、使用時に熱源に近接して配置される場合がある閉鎖部材への損傷を防止する場合がある。閉鎖部材は熱伝導性材料を含むことが好ましい。これは有利なことに、空洞内に配置された熱源からエアロゾル形成基体への十分な熱伝達を確実にする場合がある。これは有利なことに、エアロゾル形成基体によるエアロゾルの発生を改善する場合がある。閉鎖部材は金属材料を含んでもよい。閉鎖部材はアルミニウムを含んでもよい。
【0022】
細長い本体の長軸方向の表面にある開口を通して空洞がアクセス可能であるように、閉鎖部材は使用時に、細長い本体に対して開放位置に移動される。熱源およびエアロゾル形成基体は空洞の中に挿入されている。熱源およびエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の上流に配置された熱源と軸方向で整列している。その後、閉鎖部材は、開口が閉鎖部材の第一の部分によって閉鎖されている体験位置の中に移動される。その後、熱源は可燃性熱源である場合、点火される。これは、任意の適切な手段によって行われてもよく、その実施例を下記に考察する。可燃性熱源からの熱は、エアロゾルが形成されるエアロゾル形成基体に伝達される。エアロゾルは次いで、空洞から細長い本体の下流端にある開口部へと通り、ここでエアロゾル発生装置から出ることができる。エアロゾル形成基体が消費され、可燃性熱源が消火されると、閉鎖部材は、開口が開放されているように、体験位置から開放位置に移動される。消費された熱源およびエアロゾル形成基体はその後、開口を通して空洞から取り除かれてもよい。
【0023】
エアロゾル発生装置は、任意の熱源とともに使用するのに適していてもよい。空洞は、任意の熱源を受容するのに適していてもよい。熱源は単回使用の熱源であってもよい。熱源は複数回使用の熱源であってもよい。熱源は可燃性熱源、化学的熱源、電気的熱源、または他の任意の熱源であってもよい。空洞は、可燃性熱源を受容するのに適していることが好ましい。
【0024】
熱源およびエアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つは、二回以上使用されるように構成されてもよい。例えば、熱源は、複数の異なる場面で熱を提供するように構成されてもよく、場合によっては、連続的な異なるエアロゾル形成基体を加熱するように構成されてもよい。熱源は、エアロゾル発生装置の耐用期間にわたって使用されるように構成されてもよい。この場合、熱源は空洞内に永久的に保持されてもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は、複数の異なる場面で、場合によっては複数の連続的な熱源からの熱を使用して、エアロゾルを発生するように構成されてもよい。本発明に関連して本明細書で使用される「長軸方向」および「軸方向」という用語は、エアロゾル発生装置の対向する上流端と下流端の間、またエアロゾル発生装置の構成要素の対向する上流端と下流端の間の方向を記述するために使用される。従って、「長軸方向の表面」は、エアロゾル発生装置の構成要素の対向する上流端と下流端の間に延びるエアロゾル発生装置の構成要素の外表面である。エアロゾル発生装置の「長軸方向軸」は、エアロゾル発生装置の長軸方向に平行な軸である。
【0025】
本発明に関連して本明細書で使用される「上流」および「前方」、ならびに「下流」および「後方」という用語は、使用中にエアロゾル発生装置を通して空気が流れる方向に関連して、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生装置は近位端を備え、この近位端を通してエアロゾルは使用時に、ユーザーに送達するために装置から出る。エアロゾル発生装置の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。使用時に、ユーザーはエアロゾル発生装置の口側端を吸う。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生装置の遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生装置の近位端とエアロゾル発生装置の遠位端との間のこれらの相対的位置に基づいて互いの上流または下流にあると記述されてもよい。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の前方は、エアロゾル発生装置の上流端に最も近い端にある部分である。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の後方は、エアロゾル発生装置の下流端に最も近い端にある部分である。
【0026】
閉鎖部材は、細長い本体に対して任意の方向に移動可能であってもよい。閉鎖部材は、開放位置と体験位置の間でエアロゾル発生装置の長軸方向軸に沿って摺動してもよい。閉鎖部材は、ヒンジ接続によって細長い本体に結合されてもよく、これによって、閉鎖部材は開放位置において、細長い本体の長軸方向の表面から離れるように旋回して開口を開く。
【0027】
好ましい一実施形態において、閉鎖部材は、開放位置と体験位置の間でエアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能であってもよい。
【0028】
閉鎖部材がエアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として回転可能であることは有利なことに、エアロゾル発生装置の全長または外形を変化させることなく、閉鎖部材が開放位置と体験位置の間で移動することを可能にする。
【0029】
閉鎖部材が開放位置と体験位置の間でのみ移動可能である場合、閉鎖部材は、開放位置と体験位置の間で約180度回転してもよい。
【0030】
閉鎖部材は実質的に円筒状であってもよく、閉鎖部材の第一の部分は円筒の円筒状表面の一部分を形成する。円筒の一部分は開放していてもよく、円筒の開放部分は開口と整列して、開放位置を容易にしてもよい。
【0031】
閉鎖部材の第一の部分には、少なくとも一つの空気吸込み口が提供されてもよく、これによって体験位置において、空気は少なくとも一つの空気吸込み口を通して空洞の中に通ることができる。
【0032】
閉鎖部材の第一の部分における少なくとも一つの空気吸込み口の提供は、空気が空洞に入ることを可能にする。これは有利なことに、空洞内に配置された熱源の点火および持続的な燃焼を容易にし、ここで熱源は可燃性熱源である。さらに、空洞の中に通る空気はまた有利なことに、エアロゾル形成基体から細長い本体の下流端にある開口部へのエアロゾルの発生および移動を容易にする場合がある。
【0033】
少なくとも一つの空気吸込み口は、閉鎖部材の第一の部分の上流端に配置された少なくとも一つの上流空気吸込み口と、閉鎖部材の第一の部分の下流端に配置された少なくとも一つの下流空気吸込み口とを備えてもよい。
【0034】
熱源とエアロゾル形成基体の両方は、空気の供給を必要とする場合があるため、少なくとも一つの上流空気吸込み口と、少なくとも一つの下流空気吸込み口との提供は有利なことに、十分な空気が熱源とエアロゾル形成基体の両方にアクセスすることができることを確実にしてもよい。
【0035】
少なくとも一つの上流空気吸込み口は、熱源を受容するように構成された空洞の部分に隣接するように位置してもよい。少なくとも一つの下流空気吸込み口は、エアロゾル形成基体を受容するように構成された空洞の部分に隣接するように位置してもよい。
【0036】
少なくとも一つの上流空気吸込み口は、任意の数の個別の空気吸込み口を備えてもよい。少なくとも一つの下流空気吸込み口は、任意の数の個別の空気吸込み口を備えてもよい。個別の空気吸込み口は、任意のサイズであってもよい。少なくとも一つの上流入口および少なくとも一つの下流空気吸込み口の数およびサイズは、適切な総空気吸込み口面積を提供するように選ばれてもよい。少なくとも一つの上流空気吸込み口の総空気吸込み口面積は、熱源が可燃性熱源である場合に熱源の点火および持続的な燃焼を容易にするために、十分な空気が熱源に到達するのを可能にするように選択されてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口の総空気吸込み口面積は、熱源を覆う閉鎖部材の部分の総面積の少なくとも約20パーセントであってもよい。例えば、少なくとも一つの空気吸込み口の総空気吸込み口面積は、熱源を覆う閉鎖部材の部分の総面積の少なくとも約40パーセント、少なくとも約50パーセント、少なくとも約60パーセント、少なくとも約70パーセント、または少なくとも約80パーセントであってもよい。少なくとも一つの下流空気吸込み口の総空気吸込み口面積は、十分な空気がエアロゾル形成基体に到達してエアロゾルを発生することを可能にするように選択されてもよい一方で、許容可能な引き出し抵抗を依然として提供する。少なくとも一つの上流空気吸込み口の総空気吸込み口面積は、少なくとも一つの下流空気吸込み口の総空気吸込み口面積よりも大きくてもよい。これは、可燃性熱源の点火および持続的な燃焼を促進するために必要とされる空気の量が、エアロゾル形成基体においてエアロゾルを発生するために、かつ許容可能な引き出し抵抗を提供するために必要とされる空気の量よりも大きい場合があるためでありうる。
【0037】
例えば、少なくとも一つの上流空気吸込み口は一連の細長いスリットを備えてもよく、その一方で少なくとも一つの下流空気吸込み口は、一連のより短いスリットまたは実質的に円形の穿孔を備えてもよい。
【0038】
別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの上流空気吸込み口は、幾つかの列の穿孔を備えてもよく、その一方で少なくとも一つの下流空気吸込み口は、より少ない列の穿孔を備えてもよい。
【0039】
閉鎖部材は、閉鎖部材の第二の部分によって開口が閉鎖されている消火位置にさらに移動可能であり、閉鎖部材の第二の部分は実質的に空気不透過性である。
【0040】
消火位置はまた、第三の位置と呼ばれてもよい。
【0041】
実質的に空気不透過性である閉鎖部材の第二の部分の提供は、開口を通して空洞の中へと空気が通るのを防止しうる。これは結果として、空洞内に受容された熱源に空気がアクセスする可能性を防止してもよく、従って有利なことに、熱源が可燃性熱源である場合、使用後に熱源を消火する手段を提供する場合がある。これは、熱源のその後の取り除きおよび廃棄をより安全かつより便利にする場合がある。
【0042】
閉鎖部材の第二の部分は、完全に空気不透過性である必要がない。閉鎖部材の第二の部分は、可燃性熱源への空気の供給を制限して可燃性熱源を消火するために、十分に空気不透過性であることを必要とするのみである。その結果、「実質的に空気不透過性」という表現は、閉鎖部材の第二の部分が空洞内に保持された可燃性熱源を消火するのに十分に空気不透過性でなければならないということを意味することを当業者は理解するであろう。
【0043】
使用時に、エアロゾル形成基体が消費されると、閉鎖部材は体験位置から、閉鎖部材の第二の部分が開口を閉鎖する消火位置にさらに移動されてもよい。これは、可燃性熱源への空気の供給を防止または阻止することによって、可燃性熱源を消火してもよい。可燃性熱源が消火されると、閉鎖部材は、消火位置から開放位置に移動されて、消火された可燃性熱源および消費されたエアロゾル形成基体を空洞から取り除くことを可能にする場合がある。
【0044】
エアロゾル発生装置は、閉鎖部材が消火位置を通過することなく、体験位置から開放位置に移動するのを防止するように構成されてもよい。これは有利なことに、空洞内に受容された可燃性熱源が空洞から取り除かれる前に消火されることを確実にするために役立つ場合がある。
【0045】
閉鎖部材が細長い本体に対して回転可能である場合、閉鎖部材が細長い本体に対して一方向に回転することのみを可能にする機構が提供されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、閉鎖部材が細長い本体に対して一方向に回転することのみを可能にするラチェット機構を備えてもよい。これは有利なことに、閉鎖部材が体験位置と開放位置の間の消火位置を通過することを確実にしうる。
【0046】
別の方法として、閉鎖部材は、細長い本体に対して両方向に回転可能であってもよい。
【0047】
閉鎖部材の第一の部分に少なくとも一つの空気吸込み口が提供されている実施形態において、閉鎖部材の第二の部分は、閉鎖部材の第一の部分よりも空気に対する透過性が低いことが好ましい。
【0048】
一部の実施形態において、閉鎖部材の第二の部分は、完全に空気不透過性である。
【0049】
閉鎖部材が、開放位置と体験位置の間でエアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能である場合、閉鎖部材は、開放位置および体験位置のうちの少なくとも一つと消火位置との間のエアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能であってもよい。閉鎖部材は、開放位置、体験位置、および消火位置の三つすべての間で、エアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能であってもよいことが好ましい。この場合、閉鎖部材は、開放位置、体験位置、および消火位置のうちの任意の二つの間で約120度回転されてもよい。
【0050】
閉鎖部材は、閉鎖部材の第一の部分が円筒の円筒状表面の一部分を形成する実質的に円筒状の部材である。円筒の一部分は開放していてもよく、円筒の開放部分は開放位置において開口と整列してもよい。閉鎖部材の第二の部分は、円筒の円筒状表面の一部分を形成してもよい。閉鎖部材の第一の部分、閉鎖部材の第二の部分、および閉鎖部材の開放部分は一緒に、円筒の円筒状の表面を画定してもよく、各々は円筒の円筒状の表面のおよそ120度を占めてもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置は、閉鎖部材を開放位置、体験部分、および消火位置のうちの少なくとも一つに固定するための少なくとも一つの係止機構を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、閉鎖部材を開放位置、体験部分、および消火位置の各々に固定するための少なくとも一つの係止機構を備えることが好ましい。
【0052】
少なくとも一つの係止機構の提供は、ユーザーが異なる位置の間で閉鎖部材を確実に移動することをより簡単にする。少なくとも一つの係止部材は、ボールキャッチを備えてもよい。
【0053】
閉鎖部材は、ユーザーが細長い本体に対して閉鎖部材を容易に移動することを可能にする閉鎖部材ハンドルを備えてもよい。閉鎖部材ハンドルは、細長い本体の上流端の上流に延びてもよい。これは、ユーザーが閉鎖部材ハンドルに容易にアクセスすることを可能にする場合がある。
【0054】
閉鎖部材が、開放位置と体験位置の間でエアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能である場合、閉鎖部材ハンドルもまた、開放位置と体験位置の間でエアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能である。
【0055】
閉鎖部材ハンドルは、細長い本体とほぼ同じ直径を有する円筒を備えてもよい。
【0056】
エアロゾル発生装置は、可燃性熱源を点火するための点火手段をさらに備えてもよい。
【0057】
点火手段の提供は有利なことに、熱源が可燃性熱源である場合、空洞内部に配置された熱源をユーザーが点火するための好都合なやり方を提供する場合がある。
【0058】
点火手段は任意の点火手段であってもよい。例えば、点火手段は、電気点火手段または化学点火手段であってもよい。点火手段はユーザーによって動作可能であってもよく、これによってユーザーは、空洞内に受容された可燃性熱源をいつ点火するかを選んでもよい。
【0059】
点火手段は、エアロゾル発生装置内のどこに位置してもよい。点火手段の少なくとも一部分は、空洞内に配置された可燃性熱源と接触または近接近しうるように、空洞内に位置してもよいことが好ましい。空洞内に位置する点火手段の一部分は、空洞の上流端に位置することが好ましい。これは有利なことに、空洞内に受容された熱源が容易に点火されることを可能にし、その一方で空洞内に受容されたエアロゾル形成基体が点火手段によって点火されるか、またはそうでなければ損傷されるリスクを低減する。
【0060】
点火手段は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能な高摩擦表面を備えてもよい。
【0061】
これは有利なことに、電気または燃料を必要としない比較的に単純な再使用可能な点火手段を提供してもよい。高摩擦表面は、これが擦れる表面が存在しないと炎を発生することができないため、これは比較的に安全でもある。
【0062】
点火手段の高摩擦表面は、空洞内に受容された熱源と直接接触しうるように、空洞内部に配置されてもよい。
【0063】
点火手段が高摩擦表面を備える場合、可燃性熱源は可燃性熱源の表面の少なくとも一部分上に、点火可能な組成物を備えてもよい。点火可能な組成物は、高摩擦表面に対して可燃性熱源を擦るまたは打ち付けることによって点火される能力を有する場合がある。点火可能な組成物は、リンまたは三硫化四リン(P4S3)、一つ以上の酸化剤(塩化カリウムなど)、および随意に硫黄のうちの少なくとも一つを含んでもよい。点火可能な組成物は、一つ以上の研磨材料(粉末ガラスまたはシリカなど)、一つ以上の充填剤、一つ以上の結合剤(デンプンなど)、一つ以上の中和剤(酸化亜鉛など)、一つ以上の着色剤、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含んでもよい。
【0064】
他の実施形態において、点火可能な組成物は、硫黄、一つ以上の酸化剤(塩素酸カリウムなど)、および随意に硫化アンチモン(III)(Sb2S3)を含んでもよい。
【0065】
点火手段の高摩擦表面は、赤リンを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、点火手段の高摩擦表面は、擦り面を備えてもよい。
【0066】
点火手段は、点火手段ハンドルを備えてもよい。点火手段ハンドルは有利なことに、ユーザーが点火手段を起動するための好都合なやり方を提供してもよい。点火手段ハンドルは、細長い本体の上流端の上流に延びてもよい。これは、ユーザーが点火手段ハンドルに容易にアクセスすることを可能にする場合がある。エアロゾル発生装置が閉鎖部材ハンドルを備える場合、点火手段ハンドルはまた、閉鎖部材ハンドルの上流端の上流に延びてもよい。
【0067】
点火手段ハンドルは、閉鎖部材ハンドル内の中央チャネルを通して点火手段の高摩擦表面に接続されてもよい。
【0068】
点火手段ハンドルは、エアロゾル発生装置の上流端を形成してもよい。
【0069】
点火手段ハンドルは、細長い本体とほぼ同じ直径を有する円筒を備えてもよい。
【0070】
点火手段は、細長い本体に対して点火手段ハンドルを回転することによって、エアロゾル発生装置の長軸方向軸を中心として細長い本体に対して回転可能であってもよい。点火手段は、細長い本体と閉鎖部材の両方と無関係に回転可能であってもよい。
【0071】
点火手段は、細長い本体の長軸方向軸に沿って細長い本体に対して移動可能であってもよい。
【0072】
これは、熱源が可燃性熱源である場合に熱源が点火されると、点火手段が可燃性熱源から離れるように移動させることを可能にする場合がある。これは有利なことに、可燃性熱源が点火されると、点火手段が可燃性熱源の持続的な燃焼を阻害するのを防止する場合がある。これはまた有利なことに、点火手段、特に点火手段の高摩擦表面が、可燃性熱源の寸法の可能性のある変化にもかかわらず、空洞内に受容された可燃性熱源と接触することができることを確実にする場合がある。
【0073】
エアロゾル発生装置は、点火手段を上流方向に、かつ空洞内に保持された可燃性熱源から離れさせて付勢するように構成されたばねをさらに備えてもよい。
【0074】
使用時に、可燃性熱源が空洞の中に挿入され、かつ閉鎖部材が体験位置に移動された後に、点火手段ハンドルはばねに対して押されて、点火手段が移動して可燃性熱源と接触する。点火手段ハンドルはその後、細長い本体に対して回転され、高摩擦表面を可燃性熱源の上流端に対して回転させる。これは可燃性熱源の点火を引き起こす。可燃性熱源が点火されると、点火手段ハンドルが解放され、点火手段は、ばねによって可燃性熱源から離れて付勢される。
【0075】
空洞は、熱源を受容するための上流セクションと、エアロゾル形成基体を受容するための下流セクションとを備えてもよく、上流セクションと下流セクションはバリアによって分割されている。
【0076】
空洞を上流セクションと下流セクションへと分割するバリアの提供は有利なことに、燃焼および分解生成物、化学反応の化学反応物または副産物、ならびに空洞の上流セクション内に受容された熱源の使用中に形成された他の物質が、エアロゾル形成基体を通して引き出されてユーザーに送達される空気に入るのを実質的に防止または阻止する場合がある。これは、熱源が可燃性熱源であり、可燃性熱源の点火または燃焼を補助する一つ以上の添加剤を含む場合に、特に有利である場合がある。
【0077】
さらに、バリアの提供は有利なことに、熱源が可燃性熱源と直接接触する場合に生じる場合がある、エアロゾル形成基体に対する燃焼または熱損傷を実質的に防止する場合がある。
【0078】
さらに、バリアの提供は有利なことに、ユーザーによる吸煙中に熱源の活性化、または燃焼、またはその他の発熱増大を実質的に防止または阻止する場合がある。これは可燃性熱源に特に関連する。これは、ユーザーによる吸煙中のエアロゾル形成基体の温度の急上昇を実質的に防止または阻止する。可燃性熱源の燃焼の活性化を防止または阻止すること、およびエアロゾル形成基体における過剰な温度上昇を防止または阻止することなどによって、激しい吸煙状態下でのエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解は有利なことに、回避される場合がある。加えて、ユーザーの吸煙状態が主流エアロゾルの組成物に及ぼす影響は有利なことに、最小化または低減される場合がある。
【0079】
さらに、熱源が上述の点火手段を使用する可燃性熱源である場合、バリアの提供は、熱源の点火中に熱源がエアロゾル形成基体と接触することを防止する場合がある。点火手段ハンドルが押され、点火手段が熱源と接触する際に、バリアの提供は、熱源が下流に押されて、エアロゾル形成基体と接触することを防止する。これは有利なことに、熱源の上流端と点火手段の高摩擦表面との間の十分な摩擦を可能にして、可燃性熱源が点火することを可能にする。これはまた有利なことに、熱源がエアロゾル形成基体の中に押されるのを防止し、それによってエアロゾル形成基体への損傷を防止する場合がある。
【0080】
バリアは任意の材料から形成されてもよい。バリアは気体不透過性材料を含むことが好ましい。上記に提示の通り、これは有利なことに、可燃性熱源からエアロゾル形成基体に気体が移動されることを防止する場合がある。
【0081】
バリアは熱伝導性材料を含むことが好ましい。熱伝導性材料は、空洞の上流セクション内に配置された熱源から、空洞の下流セクション内のエアロゾル形成基体に熱を伝導するためであってもよい。熱伝導性材料を含むバリアの提供は有利なことに、熱源からエアロゾル形成基体への十分な熱伝達を確実にする場合がある。これは有利なことに、エアロゾル形成基体によるエアロゾルの発生を改善する場合がある。
【0082】
バリアはアルミニウムを含んでもよい。バリアはアルミニウムディスクを備えてもよい。アルミニウムディスクは任意の厚さを有してもよい。例えば、アルミニウムディスクは約10マイクロメートル~約30マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0083】
バリアは閉鎖部材に固定されてもよい。
【0084】
閉鎖部材に固定されたバリアの提供は有利なことに、損傷を受けることなく繰り返し使用できることを確実にする適所にバリアを固定してもよい。さらに、閉鎖部材に固定されたバリアの提供は、閉鎖部材が開放位置と体験位置と消火位置との間で移動する際に、バリアが閉鎖部材とともに移動することを意味する。これは有利なことに、閉鎖部材が異なる位置の間で移動する際に、バリアが熱源またはエアロゾル形成基体に対して擦れないことを意味する場合がある。
【0085】
閉鎖部材は、熱源を支持するために空洞の中に延びる少なくとも一つの閉鎖部材支持体をさらに備えてもよい。
【0086】
少なくとも一つの閉鎖部材支持体の提供は有利なことに、熱源が空洞内に受容されている時に、熱源を適所に固定する場合がある。これはまた、熱源を空洞の内部表面から離れるように保持してもよい。これは有利なことに、熱源が可燃性熱源である場合、空気が熱源のすべての側面にアクセスし、可燃性熱源の持続的な燃焼を容易にすることを可能にする場合がある。
【0087】
少なくとも一つの閉鎖部材支持体は、閉鎖部材に直接または間接的に取り付けられてもよい。エアロゾル発生装置が、閉鎖部材に固定されたバリアを備える場合、少なくとも一つの閉鎖部材支持体は、閉鎖部材の代わりにバリアに取り付けられてもよい。
【0088】
少なくとも一つの閉鎖部材支持体は、閉鎖部材が開放位置にある時に細長い本体の長軸方向の表面内の開口を遮らないように位置してもよいことが好ましい。その結果、少なくとも一つの閉鎖部材支持体は、閉鎖部材の第一の部分および閉鎖部材の第二の部分のうちの少なくとも一つから延びてもよい。
【0089】
少なくとも一つの閉鎖部材支持体は、閉鎖部材の第一の部分から延びる第一の閉鎖部材支持体と、閉鎖部材の第二の部分から延びる第二の閉鎖部材支持体とを備えてもよい。第一の閉鎖部材支持体および第二の閉鎖部材支持体の提供は有利なことに、熱源をより頑丈に固定する一方で、閉鎖部材が開放位置にある時に開口を通して熱源を取り除くことを依然として可能にする。
【0090】
少なくとも一つの閉鎖部材支持体は、閉鎖部材の第一の部分および第二の部分のうちの少なくとも一つから空洞の中に延びる少なくとも一つの板ばねを備えてもよい。
【0091】
細長い本体は、熱源を支持するための少なくとも一つの細長い本体支持体を備えてもよく、細長い本体支持体は、延びた位置と後退した位置の間で移動可能であり、少なくとも一つの細長い本体支持体は後退した位置においてよりも、延びた位置において空洞の中にさらに延びる。
【0092】
細長い本体支持体の提供は有利なことに、熱源が空洞内に受容されている時に、熱源を適所に固定する場合がある。これはまた、熱源を空洞の内部表面から離れるように保持してもよい。これは有利なことに、熱源が可燃性熱源である場合、空気が熱源のすべての側面にアクセスし、熱源の持続的な燃焼を容易にすることを可能にする場合がある。
【0093】
エアロゾル発生装置がまた、少なくとも一つの閉鎖部材支持体も含む場合、細長い本体支持体は、閉鎖部材が体験位置および消火位置のうちの少なくとも一つにある時に、少なくとも一つの閉鎖部材支持体に対して空洞の反対側に位置してもよい。細長い本体支持体は、閉鎖部材が体験位置および消火位置の各々にある時に、少なくとも一つの閉鎖部材支持体に対して空洞の反対側に位置してもよいことが好ましい。これは有利なことに、体験位置と消火位置の両方において少なくとも一つの閉鎖部材支持体と、少なくとも一つの細長い本体支持体との間に、空洞内に受容された熱源がしっかりと保持されることを可能にする。
【0094】
少なくとも一つの細長い要素支持体は、開口に対して空洞の実質的に反対側上に配置されてもよい。これは有利なことに、空洞内に受容された熱源を空洞から容易に取り除くことを可能にする場合がある。
【0095】
延びた位置において、細長い本体支持体は、空洞内に配置された熱源と接触してもよい。後退した位置において、細長い支持部材は、空洞内に配置された熱源と接触しなくてもよい。これは有利なことに、熱源を空洞内にしっかりと保持することを可能にする一方で、必要とされる時に熱源を取り除くことを可能にする場合がある。
【0096】
少なくとも一つの細長い本体支持要素は、開口と実質的に反対側の空洞の内表面から延びる板ばねを備えてもよい。
【0097】
体験位置から開放位置への閉鎖部材の移動は、延びた位置から後退した位置への細長い本体支持要素の移動を作動させてもよく、開放位置から体験位置への閉鎖部材の移動は、後退した位置から延びた位置への細長い本体支持要素の移動を作動させてもよい。
【0098】
これは有利なことに、少なくとも一つの細長い本体支持要素を、追加的な作動手段を必要とすることなく、延びた位置から後退した位置に移動する好都合なやり方を提供する場合がある。
【0099】
従って、細長い本体支持体は、エアロゾル発生装置が体験位置にある時に、延びた位置にあるように、またエアロゾル発生装置が開放位置にある時に、後退した位置にあるように構成されてもよい。別の方法として、または追加的に、細長い本体支持体は、閉鎖部材が消火位置にある時に、延びた位置にあるように構成されてもよい。
【0100】
閉鎖部材が、消火位置または体験位置から開放位置に移動する際に、閉鎖部材の第一の部分または第二の部分は、少なくとも一つの細長い本体支持体と接触してもよく、またそれを延びた位置から後退した位置の中に押してもよい。
【0101】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を支持するために空洞の下流端に配置された圧縮要素をさらに備えてもよく、圧縮要素は、延びた位置と後退した位置の間でエアロゾル発生装置の長軸方向軸に沿って移動可能であり、圧縮要素は後退した位置においてよりも、延びた位置において空洞の中にさらに延びる。
【0102】
空洞の下流端での圧縮要素の提供は有利なことに、使用中に、空洞内に配置されたエアロゾル形成基体を適所にしっかりと保持する場合がある。エアロゾル発生装置が空洞内にバリアを備える場合、圧縮要素が延びた位置にある時に、エアロゾル形成基体は圧縮要素とバリアの間に保持されてもよい。これは有利なことに、特にバリアが熱伝導性材料を含む場合に、熱源からエアロゾル形成基体への効率的な熱伝達を改善する場合がある。
【0103】
後退した位置への圧縮要素のその後の移動は有利なことに、空洞へのエアロゾル形成基体の簡単な挿入と、空洞からのエアロゾル形成基体の簡単な取り除きとを容易にする場合がある。
【0104】
圧縮要素は、エアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルが、空洞から細長い本体の下流端にある開口部へと通過することができる管腔を備えてもよい。
【0105】
体験位置から開放位置への閉鎖部材の移動は、延びた位置から後退した位置への圧縮要素の移動を作動させてもよく、開放位置から体験位置への閉鎖部材の移動は、後退した位置から延びた位置への圧縮要素の移動を作動させてもよい。
【0106】
これは有利なことに、追加的な作動手段を必要とすることなく、圧縮要素を延びた位置から後退した位置に移動させる好都合なやり方を提供する場合がある。
【0107】
圧縮要素は、エアロゾル発生装置が体験位置にある時に、延びた位置にあるように、かつエアロゾル発生装置が開放位置にある時に、後退した位置にあるように構成されてもよい。別の方法として、または追加的に、圧縮要素は、閉鎖部材が消火位置にある時に、延びた位置にあるように構成されてもよい。
【0108】
エアロゾル発生装置は、圧縮要素を延びた位置の中に付勢するように構成されたばねを備えてもよい。閉鎖部材が体験位置または消火位置にある時に、ばねは圧縮要素を延びた位置の中に付勢してもよい。閉鎖部材が開放位置の中に移動された時、閉鎖部材の一部分はばねに対して押して、圧縮要素を延びた位置から後退した位置に移動させてもよい。
【0109】
本発明によると、本発明によるエアロゾル発生装置と、空洞内に配置された熱源と、空洞内に配置されたエアロゾル形成基体とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。
【0110】
熱源は任意の熱源であってもよい。熱源は可燃性熱源であってもよい。
【0111】
可燃性熱源は固体の熱源であることが好ましく、また炭素、ならびにアルミニウム、マグネシウム、一つ以上の炭化物、一つ以上の窒化物、およびこれらの組み合わせを含有する炭素ベースの材料を含むがこれらに限定されない任意の適切な可燃性燃料を含んでもよい。加熱式喫煙物品のための固体の可燃性熱源、およびこうした熱源を製造するための方法は当業界で周知であり、例えば米国特許第5,040,552号および同第5,595,577号に記載されている。典型的に、加熱式喫煙物品のための周知の固体の可燃性熱源は炭素ベースであり、すなわち主要な可燃性材料として炭素を含む。可燃性熱源は可燃性炭素質熱源であってもよい。可燃性熱源は、衛生的な理由からラップを備えてもよい。ラップは紙を含んでもよい。
【0112】
本発明に関連して本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる、揮発性化合物の加熱に伴い放出する能力を有する基体を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生システムのエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、可視または不可視であってもよく、またベイパー(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態の微粒子)、ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。
【0113】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される、揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含むロッドであってもよい。
【0115】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、例えば薬草の葉、植物、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ状より糸、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。例えば、固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成材料は、紙またはその他のラッパー内に包含され、かつプラグの形態を有してもよい。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含むプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられる。
【0116】
エアロゾル形成基体は精油を含んでもよい。精油は、エアロゾル形成基体によって発生されたエアロゾルの味に風味を付与しうる風味剤を提供する場合がある。適切な精油としては、オイゲノール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルが挙げられるがこれらに限定されない。好ましい精油はオイゲノールである。
【0117】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、その固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶融してもよい。
【0118】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ状より糸、細片またはシートの形態を取ってもよい。固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するために、あるパターンで堆積されてもよい。
【0119】
エアロゾル形成基体は、紙またはその他のラッパーによって囲まれた加熱に反応して揮発性化合物を発する能力を有する材料を含むプラグまたはセグメントの形態であってもよい。エアロゾル形成基体がこうしたプラグまたはセグメントの形態である場合、任意のラッパーを含むプラグまたはセグメントの全体は、エアロゾル形成基体であると見なされる。
【0120】
熱源およびエアロゾル形成基体は、ラッパーによって接続されて、単一の消耗品要素を形成してもよい。これは有利なことに、空洞からの熱源およびエアロゾル形成基体の取り除きと、空洞内への熱源およびエアロゾル形成基体の挿入とをより好都合に行えるようにする。
【0121】
また当然のことながら、本発明のいずれかの態様において記述および定義された様々な特徴の特定の組み合わせは、独立して実施、供給、または使用することができる。
【0122】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【
図1】
図1は、開放位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の長軸方向断面図である。
【
図2】
図2は、開放位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の横断断面図である。
【
図3】
図3は、開放位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の平面図である。
【
図4】
図4は、体験位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の長軸方向断面図である。
【
図5】
図5は、体験位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の横断断面図である。
【
図6】
図6は、体験位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の平面図である。
【
図7】
図7は、消火位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の長軸方向断面図である。
【
図8】
図8は、消火位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の横断断面図である。
【
図9】
図9は、消火位置において閉鎖部材を有する本発明によるエアロゾル発生装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0124】
図において、同じ要素を指すために同じ参照番号が使用されている。
【0125】
エアロゾル発生装置100は細長い本体101を備える。細長い本体101は、概して細長い形状を有し、また上流端と下流端の間に延びる長軸方向の表面を含む。細長い本体101は、細長い本体101の下流端にて開口部103を含む。細長い本体101はまた、熱源105およびエアロゾル形成基体106を受容するための空洞102を含む。空洞102は、開口104を通してアクセス可能である。開口104は、細長い本体101の長軸方向の表面にある。空洞102の上流端は閉鎖されていて、空洞102の下流端は下流開口部103と流体連通している。細長い本体101は、開口104が開放している開放位置(または第一の位置)と、開口104が閉鎖部材120の第一の部分121によって閉鎖されている体験位置(または第二の位置)との間で細長い本体101に対して移動可能な閉鎖部材120をさらに備える。
【0126】
細長い本体101の下流端にある開口部103は、マウスピースとして働く。これを容易にするために、細長い本体101の下流端は、細長い本体の上流端と比較して減少した直径を有する。開口部103は、開口部103と空洞102の下流端との間に提供された気流チャネルによって、空洞102の下流端と流体連通している。エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生装置100が使用されていない時に、マウスピースおよび開口部103を保護するために取り外し可能なマウスピースカバー(図示せず)を備える。
【0127】
細長い本体101は、断熱高分子材料から形成されている。
【0128】
閉鎖部材120は、細長い本体101の空洞102内に受容されている下流セクションと、細長い本体101の上流端の上流に延びる上流セクションとを備える。
【0129】
閉鎖部材120は実質的に円筒状であり、また三つのほぼ等しいサイズの部分に半径方向で分割され、各々は実質的に円筒状の閉鎖部材120の曲面のおよそ120度を占める。閉鎖部材120は、三つのほぼ等しいサイズ部分の各々が開口104と整列しうるように、細長い本体101に対して回転可能である。
【0130】
閉鎖部材120の第一の部分121は曲面を備え、また空気が空洞の中に通ることができるように複数の空気吸込み口を備える。複数の空気吸込み口は、閉鎖部材の第一の部分121を通る複数の細長いスリットを備える。
【0131】
複数の空気吸込み口は、閉鎖部材120の第一の部分121の上流端に配置された複数の上流空気吸込み口111と、閉鎖部材の第一の部分の下流端に配置された複数の下流空気吸込み口112とを備える。複数の上流空気吸込み口111は、熱源105を受容するように構成された空洞の部分に隣接して配置されている。複数の下流空気吸込み口112は、エアロゾル形成基体106を受容するように構成された空洞の部分に隣接して配置されている。
図6に示す通り、複数の上流空気吸込み口111のサイズは、複数の下流空気吸込み口112のサイズよりも大きい。この結果は、エアロゾル形成基体106を受容するように構成された空洞の部分の中に通ることができるよりも多くの空気が、熱源105を受容するように構成された空洞の部分の中に通ることができる。閉鎖部材120の第一の部分121が開口104と整列している時、閉鎖部材120は、
図1、
図2、および
図3に示す体験位置にある。
【0132】
閉鎖部材120の第二の部分122は、曲面を備えるが、いかなる空気吸込み口も備えない。閉鎖部材120の第二の部分122は、実質的に空気不透過性である。閉鎖部材120の第二の部分122が開口104と整列している時、閉鎖部材は、
図7、
図8、および
図9に示す消火位置(または第三の位置)にある。
【0133】
閉鎖部材の第三の部分が開口104と整列している時、熱源105およびエアロゾル形成基体106が空洞102に挿入されてもよい、および空洞102から取り除かれてもよいように、閉鎖部材の第三の部分は開放されている。閉鎖部材120の第三の部分122が開口104と整列している時、閉鎖部材は、
図1、
図2、および
図3に示す開放位置にある。
【0134】
細長い本体101の上流端の上流に延びる閉鎖部材120のセクションは、細長い本体101に対して閉鎖部材120を回転させるために使用されてもよい閉鎖部材ハンドル107を備えてもよい。
【0135】
エアロゾル発生装置100は点火手段130をさらに備える。点火手段130は空洞102の上流端の中に延び、またその下流端にて擦り面131を備える。点火手段130は閉鎖部材120の上流端の上流に延び、その上流端にて点火手段ハンドル132を含む。点火手段は、細長い本体101の長軸方向軸を中心として閉鎖部材120に対して回転可能である。点火手段130はまた、細長い本体101の長軸方向軸に沿って細長い本体に対して移動可能である。点火手段130を上流方向に付勢するために、圧縮ばね133が提供されている。点火手段130は、閉鎖部材ハンドル107を通して空洞102の中に延びる。
【0136】
空洞102は、熱源105を受容するための上流セクション108と、エアロゾル形成基体106を受容するための空洞の下流セクション109とに分割されている。上流セクション108および下流セクション109は、バリア110によって分割されている。バリア110は、閉鎖部材120に固定されているアルミニウムディスクの形態である。
【0137】
閉鎖部材120は、空洞102の中に延びる閉鎖部材支持体113をさらに備える。閉鎖部材支持体113は、閉鎖要素120の内表面に取り付けられた二枚の板ばねを備える。閉鎖部材支持体113は、閉鎖部材の第三の部分の実質的に反対側に配置されている。
【0138】
細長い本体101は、細長い本体支持体114をさらに備える。細長い本体支持体114は、開口104に対して実質的に対向して配置されていて、かつ細長い本体101の内表面に取り付けられていて、かつ空洞102の中に延びる。細長い本体支持体114は、延びた位置と後退した位置の間で移動可能である。細長い本体支持体114は後退した位置においてよりも、延びた位置において空洞102の中にさらに延びる。細長い本体101に対する閉鎖部材120の向きは、細長い本体支持体114が、延びた位置または後退した位置にあるかどうかを決定する。閉鎖部材120が体験位置および消火位置にある時に、細長い本体支持体114は、閉鎖部材120の第三のセクションを通過することができるため、延びた位置にある。閉鎖部材120が開放位置にある時に、細長い本体支持体114は、閉鎖部材120の第二の部分122によって遮られているため、後退した位置にある。細長い本体支持体114は板ばねを備える。
【0139】
エアロゾル発生装置100は、空洞102の下流端に配置された圧縮要素115をさらに備える。圧縮要素は、延びた位置と後退した位置の間でエアロゾル発生装置100の長軸方向軸に沿って移動可能であり、圧縮要素は後退した位置においてよりも、延びた位置において空洞102の中にさらに延びる。
【0140】
細長い本体101に対する閉鎖部材120の向きは、圧縮要素115が、延びた位置または後退した位置にあるかどうかを決定する。閉鎖部材120が体験位置および消火位置にある時に、圧縮要素115は延びた位置にある。閉鎖部材120が開放位置にある時に、圧縮要素115は後退した位置にある。閉鎖部材120が体験位置および消火位置にある時に、ばね(図示せず)は、圧縮要素115を延びた位置の中に付勢する。
【0141】
使用時に、閉鎖部材120は開放位置に定置されている。熱源105は、空洞102の上流セクション108の中に挿入されていて、エアロゾル形成基体106は、空洞102の下流セクション109の中に挿入されている。
【0142】
熱源は可燃性の炭素質熱源105であり、また第一の端面上に点火可能な組成物を含む。熱源が空洞の中に挿入されている時、第一の端面は上流に向けられている。
【0143】
開放位置において、圧縮要素115は後退した位置にある。閉鎖部材120はその後、閉鎖部材ハンドル107を使用して約120度回転されて、閉鎖部材120を体験位置に移動する。体験位置にあると、熱源105は閉鎖部材支持体113と細長い本体支持体114との間に保持される。
【0144】
体験位置において、圧縮要素115は延びた位置にあり、またエアロゾル形成基体をバリア110に対して保持する。
【0145】
点火手段130はその後、擦り面131が熱源105の上流端と接触するまで、点火手段ハンドル132を使用して下流方向に押される。次いで点火手段130は、点火手段ハンドルを使用して回転される。これは可燃性熱源105を点火する。
【0146】
空気が上流空気吸込み口111を通過して、可燃性熱源の持続的な燃焼を確実にするのに十分な空気を提供する。可燃性熱源105からの熱はアルミニウムバリア110によって、エアロゾルを放出するエアロゾル形成基体106に伝導される。エアロゾルは、下流開口部103を通して空洞102の下流セクション109の中に通る気流に同伴される。次いでエアロゾルは、気流チャネルを通して開口部103に引き出されて、エアロゾル発生装置100の外に引き出される。
【0147】
体験が終了すると、閉鎖部材120はその後、体験位置から消火位置にさらに120度回転される。閉鎖部材122の第二の部分は、空気が空洞102に入るのを防止し、熱源105を消火する。消火位置において、熱源105は閉鎖部材支持体113と細長い本体支持体114との間に保持される。消火位置において、圧縮要素115は延びた位置にあり、エアロゾル形成基体をバリア110に対して保持する。
【0148】
可燃性熱源105が消火されると、閉鎖部材120は消火位置から、開口104と整列した閉鎖部材120の第三の部分を有する開放位置に、さらに120度回転される。使用された可燃性熱源105およびエアロゾル形成基体106はその後、空洞102から取り除かれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
上流端と下流端の間に延びる長軸方向の表面を有する細長い本体であって、
前記細長い本体の前記下流端にある開口部と、
熱源およびエアロゾル形成基体を受容するための空洞であって、開口を通してアクセス可能であり、前記空洞の前記上流端が閉鎖していて、かつ前記空洞の前記下流端が前記開口部と流体連通している、空洞と、を備える細長い本体と、
前記開口が開放している開放位置と、前記開口が閉鎖部材の第一の部分によって閉鎖されている体験位置との間で前記細長い本体に対して移動可能な閉鎖部材であって、前記開口が、前記細長い本体の前記長軸方向の表面内に位置する、閉鎖部材と、を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記閉鎖部材が、前記開放位置と前記体験位置の間で前記エアロゾル発生装置の前記長軸方向軸を中心として前記細長い本体に対して回転可能である、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記閉鎖部材の前記第一の部分に、少なくとも一つの空気吸込み口が提供されていて、これによって前記体験位置において、空気が前記少なくとも一つの空気吸込み口を通して前記空洞の中に通ることができる、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記閉鎖部材の前記第一の部分の前記上流端に配置された少なくとも一つの上流空気吸込み口と、前記閉鎖部材の前記第一の部分の前記下流端に配置された少なくとも一つの下流空気吸込み口とを備える、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記閉鎖部材が、前記閉鎖部材の第二の部分によって前記開口が閉鎖されている消火位置にさらに移動可能であり、前記閉鎖部材の前記第二の部分が実質的に空気不透過性である、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記空洞が、熱源を受容するための上流セクションと、エアロゾル形成基体を受容するための下流セクションとを備え、前記上流セクションと前記下流セクションがバリアによって分割されている、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記バリアが前記閉鎖部材に固定されている、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記バリアが、前記空洞の前記上流セクション内に配置された熱源から、前記空洞の前記下流セクション内のエアロゾル形成基体に熱を伝導するための熱伝導性材料を含む、請求項6または請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記閉鎖部材が、熱源を支持するために前記空洞の中に延びる少なくとも一つの閉鎖部材支持体をさらに備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記細長い本体が、熱源を支持するための少なくとも一つの細長い本体支持体を備え、前記細長い本体支持体が延びた位置と後退した位置の間で移動可能であり、前記少なくとも一つの細長い本体支持体が前記後退した位置においてよりも、前記延びた位置において前記空洞の中にさらに延びる、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記体験位置から前記開放位置への前記閉鎖部材の移動が、前記延びた位置から前記後退した位置への前記細長い本体支持要素の移動を作動させ、かつ前記開放位置から前記体験位置への前記閉鎖部材の移動が、前記後退した位置から前記延びた位置への前記細長い本体支持要素の移動を作動させる、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
エアロゾル形成基体を支持するために前記空洞の前記下流端に配置された圧縮要素をさらに備え、前記圧縮要素が、延びた位置と後退した位置の間で前記エアロゾル発生装置の前記長軸方向軸に沿って移動可能であり、前記圧縮要素が前記後退した位置においてよりも、前記延びた位置において前記空洞の中にさらに延びる、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記体験位置から前記開放位置への前記閉鎖部材の移動が、前記延びた位置から前記後退した位置への前記圧縮要素の移動を作動させ、かつ前記開放位置から前記体験位置への前記閉鎖部材の移動が、前記後退した位置から前記延びた位置への前記圧縮要素の移動を作動させる、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の装置と、
前記空洞内に配置された熱源と、
前記空洞内に配置されたエアロゾル形成基体と、を備える、エアロゾル発生システム。
【国際調査報告】