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  • 特表-ターボ分子真空ポンプ 図1
  • 特表-ターボ分子真空ポンプ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】ターボ分子真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 19/04 20060101AFI20221213BHJP
   F04D 29/70 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
F04D19/04 G
F04D29/70 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520168
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2020076796
(87)【国際公開番号】W WO2021063805
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】1910941
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511148259
【氏名又は名称】ファイファー バキユーム
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】神原 久徳
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ヴァレンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジル リシエ
【テーマコード(参考)】
3H130
3H131
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB28
3H130AB52
3H130AC02
3H130BA41A
3H131AA02
3H131BA03
3H131CA38
(57)【要約】
ターボ分子真空ポンプ(1)は、ステータ(2)と、前記ステータ(2)内で回転の軸(I-I)を中心に回転するように構成されたロータ(3)と、前記真空ポンプ(1)の吸入オリフィス(6)に向かうまたはそれから離れる軸方向変位によって、前記真空ポンプ(1)の入口コンダクタンスを変更するように構成された調整弁(13)とを備えている。前記吸入オリフィス(6)に面する前記調整弁(13)の表面(15)は、凹型の形状を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(2)と、
前記ステータ(2)内で回転の軸(I-I)を中心に回転するように構成されたロータ(3)と、
真空ポンプ(1)の吸入オリフィス(6)に向かうまたはそれから離れる軸方向変位によって、前記真空ポンプ(1)の入口コンダクタンスを変更するように構成された調整弁(13)とを備えたターボ分子真空ポンプにおいて、
前記吸入オリフィス(6)に面する前記調整弁(13)の表面(15)が凹型の形状であることを特徴とするターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項2】
前記表面(15)の前記凹型の形状が円錐形であることを特徴とする請求項1に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項3】
前記表面(15)の前記凹型の形状が凹曲面であることを特徴とする請求項1に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項4】
前記表面(15)の周囲のみが湾曲または傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項5】
前記調整弁(13)の前記表面(15)の曲率角(α)が2°~20°の範囲、例えば5°~10°であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項6】
前記調整弁(13)の前記凹型の形状の前記表面(15)が粒子トラップ(19)を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項7】
前記ステータ(2)は、前記吸入オリフィス(6)の側面に配置された入口環状フランジ(7)を備えており、前記入口環状フランジは、前記入口コンダクタンスを変更するために前記調整弁(13)と協調するように構成され、かつ、筐体(11)に接続されることが意図されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項8】
前記入口環状フランジ(7)の内壁(17)が前記回転の軸(I-I)を中心に回転したフレア形状を有することを特徴とする、請求項7に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項9】
前記入口環状フランジ(7)の前記内壁(17)の前記フレア形状がテーパー状であることを特徴とする、請求項8に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項10】
前記内壁(17)の傾斜角(γ)が前記曲率角(α)に等しいことを特徴とする、請求項8又は9のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項11】
前記内壁(17)の傾斜角(γ)が2°~20°の範囲、例えば5°~10°であることを特徴とする、請求項8~10のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項12】
前記入口環状フランジ(7)が150mmまたは350mmの直径(D)を有することを特徴とする、請求項8~11のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項13】
前記入口環状フランジ(7)の前記内壁(17)が粒子トラップ(19)を有することを特徴とする、請求項8~12のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【請求項14】
前記ステータ(2)の外側に配置され、前記調整弁(13)を変位させるように構成された、少なくとも1個のアクチュエータ(14)を備えていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のターボ分子真空ポンプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ分子真空ポンプに係り、特に、圧力が調整弁によって制御される半導体部品の製造装置の筐体をポンピングするためのターボ分子真空ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
筐体内で高真空を生成するには、ターボ分子タイプの真空ポンプを使用する必要がある。このポンプは、ステータと、その中で高速回転、例えば毎分9万回転以上で回転する、ロータとで構成されている。
【0003】
ターボ分子真空ポンプは、特に、半導体部品の製造プロセスで採用されており、筐体内を、可能な限り粒子の少ない非常にクリーンな環境の高真空に維持する。実際、大気中に浮遊している複数の粒子、または筐体内で発生するプロセスによって生成された複数の粒子は、シリコンウェハー上での電子回路の生成を妨げる可能性がある。したがって、良好な生産性を保証するには、筐体内の粒子濃度を非常に低い閾値に制限することが不可欠である。 製造される製品の形状の精細度は小さくなり続けるので、これはさらに重要となる。
【0004】
これらの筐体内の圧力を制御するために、ターボ分子真空ポンプの吸込側に配置された「振り子」弁と呼ばれる、可変コンダクタンスの調整弁が一般的に使用されている。この弁のフラットディスクは、真空ポンプの入口に平行な平面内で変位するため、真空ポンプの入口表面を多かれ少なかれ覆っている。この弁の開放度により、ポンプの流量を変化させ、それにより筐体内の圧力を変化させることができる。ただし、ケーシング内のこの弁の動きは、特にシールにおいて、摩擦を生じ複数の粒子の形成の原因となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この弁によって生成され、または筐体内で発生するプロセスによって生成されたこれら複数の粒子は、吸入されて排出口へ排出される代わりに、高速で回転するターボ分子真空ポンプのブレードの衝突を受ける可能性がある。その後、これらの粒子はブレードで跳ね返り、そして筐体内に戻り電子回路が形成されるシリコンウェハーを汚染する可能性がある。
【0006】
一部のターボ分子真空ポンプには、統合された調整弁が含まれていることが知られている。これらの装置では、弁は、ポンプの吸入オリフィスに向かうまたはそれから離れるように、軸方向に作動させることができる。振り子弁と比較して、これらの装置は、ポンプ搬送の流れをより均一に筐体へ排出し、開位置でのコンダクタンスを低下させずに、複数の粒子の生成を少なくするという利点を提供する。
確かに、統合された弁の摩擦面は、振り子弁のケーシング内でスライドするディスクと比較して減少している。さらに、吸入オリフィスに面して軸方向に変位できる一体型弁は、スクリーンを形成する。このスクリーンは、ターボ分子真空ポンプのブレードでの跳ね返りによる、粒子の筐体への戻りを減らすことを可能にする。
【0007】
本発明の目的の1つは、圧力が調整弁によって制御される筐体内、特に半導体部品の製造装置の筐体内における、複数の粒子のポンピングを改善することができる、ターボ分子真空ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明の主題は、ステータと、前記ステータ内で回転の軸(I-I)を中心に回転するように構成されたロータと、吸入オリフィスに向かうまたはこれから離れる軸方向変位によって前記真空ポンプの入口コンダクタンスを変更するように構成された調整弁とを備えたターボ分子真空ポンプにおいて、前記吸入オリフィスに面する前記調整弁の表面が凹型の形状を有することに特徴がある。
【0009】
真空ポンプのラジアルブレードに衝突され前記調整弁で跳ね返される複数の粒子の殆どが、凹型の形状をした吸入オリフィスに面して配置されたこの調整弁の表面において、吸入オリフィスの中心へ再度向きが変えられる。これにより、複数の粒子が筐体へ戻る可能性が低くなる。
【0010】
さらに、ターボ分子真空ポンプのラジアルブレードの変位速度は、中心までの半径距離に比例する。跳ね返る粒子を回転の軸の方向へガイドすることにより、粒子の運動エネルギーが減少し、複数回の跳ね返りの可能性が減少する。
【0011】
ターボ分子真空ポンプは、単独でまたは組み合わせて、以下に定義される1つまたは複数の特徴を備えることができる。
前記表面の凹型の形状は、例えば円錐形または凹曲面である。
例示的な実施形態によれば、前記表面の周囲のみが湾曲または傾斜している。
調整弁の表面の曲率角は、例えば、2°~20°の範囲、例えば5°~10°である。
調整弁の凹形の表面には、粒子トラップを設けることができる。
ステータは、吸入オリフィスの側面に配置された入口環状フランジを備えることができ、この入口環状フランジは、入口コンダクタンスを変更するために調整弁と協調するように構成され、かつ、筐体に接続されることが意図されている。
【0012】
入口環状フランジの内壁は、回転の軸を中心に回転した、フレア形状とすることができる。
入口環状フランジの内壁のフレア形状は、例えばテーパー状である。
内壁の傾斜角は、例えば曲率角に等しい。
内壁の傾斜角度は、例えば、2°~20°の範囲、例えば、5°~10°である。
入口環状フランジの直径は、150mmまたは350mmにすることができる。
入口環状フランジの内壁には、粒子トラップを設けることができる。
【0013】
ターボ分子真空ポンプは、少なくとも1個のアクチュエータを備えることができる。このアクチュエータは、ステータの外側に配置され、調整弁を変位させるように構成されている。
本発明の他の特徴および利点は、限定的ではない例である、添付の図面を参照した以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ターボ分子真空ポンプの例示的な実施形態の、概略的な軸方向断面図である。
図2図1のターボ分子真空ポンプの調整弁を別の位置に配置した、同様の軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面には、同一の要素には同じ参照番号が付けられている。
以下の実施形態は、実施例である。以下の説明は1つまたは複数の実施形態に言及しているが、それは必ずしも各参照番号が同じ実施形態に関連すること、または特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するわけではない。異なる実施形態の単純な特徴を組み合わせたり、交換したりして、他の実施形態を提供することもできる。
【0016】
図1および図2は、ターボ分子真空ポンプ1の例示的な1つの実施形態を示している。
ターボ分子真空ポンプ1は、それ自体が知られているように、ステータ2と、ロータ3とを備え、ロータはステータ内で、回転の軸I-Iを中心に、例えば毎分3万回転を超える回転、例えば毎分9万回転以上の回転で、高速回転する。
【0017】
ターボ分子真空ポンプ1は、ターボ分子ステージ4と、分子ステージ5とを備えている。分子ステージ5は、ポンプ搬送されるガスの循環の方向において、ターボ分子ステージ4の下流に位置している。ポンプ搬送されるガスは、最初にターボ分子ステージ4を流れ、次に、分子ステージ5を流れ、次に、真空ポンプ1の排出オリフィス8を通って排出される。
ポンプ搬送されるガスが流入するターボ分子真空ポンプ1の吸入オリフィス6は、ターボ分子ステージ4の入口に配置されている。入口環状フランジ7は、例えば、吸入オリフィス6を取り囲んでおり、真空ポンプ1を筐体11に接続する。この筐体は、電子回路が製造されるシリコンウェハーを受け入れることが意図された半導体用筐体などである。図1に、半導体用筐体11の基板ホルダー18が概略的に表わされている。
【0018】
ロータ3は、一方では、ターボ分子ステージ4のステータ2の複数の固定ラジアルブレード9bに面して回転する1段または複数段のラジアルブレード9aを備えており、他方では、分子ステージ5のステータ2の複数のらせん溝に面して回転する1つのホルウェックスカート(Holweck skirt)10を備えている。
ロータ3およびステータ2の複数のラジアルブレード9a、9bは、圧送されたガス分子を分子ステージ5へガイドするように傾斜している。
ホルウェックスカート10は、滑らかなシリンダーによって形成されている。 ステータ2の複数のらせん状の溝は、ポンプ搬送されるガスを圧縮して排出オリフィス8へガイドすることを可能にする。
【0019】
ロータ3は、例えばホルウェックスカート10の下に配置された内部モータ12によって、ステータ2内で回転駆動される。パージガスを真空ポンプ1に注入して、排出物および/または内部モータ12を、パージおよび冷却することができる。ロータ3は、磁気軸受または機械的軸受によって横方向および軸方向にガイドされる。
ロータ3は、例えばアルミニウム材料から、単一部品(一体型)として製造されている。 ステータ2は、例えば、アルミニウム材料でできている。
【0020】
ターボ分子真空ポンプ1は、さらに、軸方向変位、すなわち、真空ポンプ1の吸入オリフィス6に向かいまたはそれから離れる、ロータ3の回転の軸I-Iに平行な変位によって、真空ポンプ1の入口コンダクタンスを変更するように構成された、調整弁13を備えている。
【0021】
調整弁13は円板形状であり、真空ポンプ1の吸入オリフィス6を閉じることができる。この調整弁13は、例えば、入口環状フランジ7と協働して、入口コンダクタンスを変更するように構成されている。
調整弁13の別の配置の例が、図2に、点線で概略的に表わされている。
調整弁13のこの構成は、特に、吸入オリフィス6を筐体11の内部容積へ可能な限り近づけることを可能にしている。さらに、吸入オリフィス6に向かって軸方向に変位することができる調整弁13は、スクリーンを形成し、このスクリーンにより、複数の粒子が真空ポンプ1のブレードでの跳ね返りを通して筐体11内へ戻るのを減らすことを可能にする。
【0022】
例示的な実施形態によれば、真空ポンプ1は、さらに、調整弁13を変位させるように構成された少なくとも1個のアクチュエータ14を備えている。この少なくとも1個のアクチュエータ14は、例えば、ステータ2の外側に配置されている。
例えば、入口環状フランジ7の周りに均等に分散された、例えば、直径方向に対をなす、2個または4個のアクチュエータ14のように、複数個のアクチュエータ14がある。
ステータ2の外側に配置されたアクチュエータ14、および、軸方向に変位させることができる調整弁13は、特に、複数の粒子の形成の原因となり得る摩擦現象を制限することを可能にする。調整弁13はまた、保守のために分解するのが容易である。
【0023】
吸入オリフィス6に面して配置された、調整弁13の表面15は凹型の形状を有する。
表面15の凹型の形状は、例えば、凹曲面である、すなわち、凹型の形状の頂点が回転の軸I-Iと一致し、その表面15の全体にわたって湾曲している。
別の実施例によれば、表面15の凹型の形状は円錐形である。
別の実施例によれば、表面15の周囲のみがテーパー状などに湾曲または傾斜して、凹形の形状を有する表面15を形成し、この表面15の中心部は、例えば、平坦である。
【0024】
凹型の形状を有する吸入オリフィス6に対面して配置された調整弁13の表面15により、真空ポンプ1のラジアルブレード9aに衝突された複数の粒子16は、調整弁13の上で跳ね返えされ、その殆どが、再度、その向きを吸入オリフィス6の中心へ変えられる。これにより、複数の粒子16が筐体11内へ戻る可能性が減少する。
【0025】
さらに、ターボ分子真空ポンプ1のラジアルブレード9aの変位速度は、前記中心までの半径距離に比例する。跳ね返る粒子16を回転の軸I-I方向へガイドすることにより、粒子16の運動エネルギーが減少するため、粒子が複数回跳ね返ることの確率が低減する。
凹型の形状の頂点に接する平面と、この頂点と表面15の縁とを通る直線とで形成される、調整弁13の表面15の曲率角αは、例えば、2°~20°の範囲内、例えば5°~10°である(図1)。この曲率角αの値は、典型的な半導体用筐体11の形状において、調整弁13の表面15に衝突する複数の粒子16を真空ポンプ1の吸入オリフィス6の方向へガイドすることを可能にする。
【0026】
例示的な実施形態によれば、入口環状フランジ7の内壁17は、テーパー状など、回転の軸I-Iを中心に回転した、フレア形状を有する。漏斗状の内壁17は、それに当たる複数の粒子16を、それ自体が複数の粒子をターボ分子真空ポンプ1の吸入オリフィス6に向かって跳ね返るようにガイドする調整弁13の表面15の方向へガイドする。
テーパー状の内壁17の傾斜角γは、曲率角αに等しいのが、有利である。傾斜角γは、例えば、2°~20°の範囲、例えば5°~10°である。 傾斜角γのこれらの値は、典型的な半導体用筐体11の形状において、内壁17に衝突する複数の粒子16を調整弁13の表面15の方向へガイドすることを可能にする。
【0027】
例えば、入口環状フランジ7の直径Dは、150mmまたは350mmとなるように構成されている。したがって、ターボ分子真空ポンプ1は、電子回路が製造されるシリコンウェハーを受け入れることが意図された半導体用筐体11の直径と、実質的に同じ直径を有する。これにより、筐体と真空ポンプの間の接続によるポンプ能力の損失を制限し、筐体11内でポンピングを均一にすることが可能になる。
例示的な実施形態によれば、調整弁13の凹型の形状の表面15は、粒子トラップ19を有している。したがって、複数の粒子は、粒子トラップ19によって吸着されるか、または粒子トラップ19と接触することにより、それらの運動エネルギーを著しく低減させられる。
【0028】
粒子トラップ19は、例えば、例えばアルミニウムなどの金属材料で作られた、例えば調整弁13の本体を少なくとも部分的に覆う、例えば接着剤コーティングを含んでいる。そして、凹型の形状は、調整弁13の本体によってその輪郭が決められ、前記接着剤コーティングはこの本体の形状に沿っている。
【0029】
別の実施例によれば、粒子トラップ19は、多孔質セラミックを含んでいる。この場合、凹型の形状は、多孔質セラミックおよび/または調整弁13の本体によってその輪郭が決められる。
入口環状フランジ7の内壁17が、粒子トラップ19を有するように構成することもできる。
【0030】
前記したように、粒子トラップ19は、例えば、入口環状フランジ7の本体を少なくとも部分的に覆う接着剤コーティングを含んでいる。
内壁17のフレア形状は、入口環状フランジ7の本体によってその輪郭が決められ、前記接着剤コーティングはこの本体の形状に沿っている。
別の実施例によれば、粒子トラップ19は、多孔質セラミックを含んでいる。この場合、フレア形状は、多孔質セラミックおよび/または内壁17の本体によってその輪郭が決められる。
【符号の説明】
【0031】
1 ターボ分子真空ポンプ
2 ステータ
3 ロータ
4 ターボ分子ステージ
5 分子ステージ
6 吸入オリフィス
7 入口環状フランジ
8 排出オリフィス
9a (回転する)ラジアルブレード
9b 固定ラジアルブレード
10 ホルウェックスカート
11 筐体
12 内部モータ
13 調整弁
14 アクチュエータ
15 表面
16 粒子
17 内壁
18 基板ホルダー
19 粒子トラップ
図1
図2
【国際調査報告】