(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】ラップアラウンド電極を形成するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/40 20060101AFI20221213BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221213BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G09F9/40 301
G09F9/30 330
G09F9/30 310
G09F9/00 338
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520453
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 US2020052132
(87)【国際公開番号】W WO2021071672
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヤー-ホイ
(72)【発明者】
【氏名】レヴェック ジュニア,ダニエル ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジェン-ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ルゥ
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA23
5C094BA27
5C094DA02
5C094DB05
5C094EB01
5C094FB12
5C094JA08
5G435AA17
5G435BB04
5G435BB05
5G435KK05
(57)【要約】
実施の形態は、広く、表示装置に関し、より詳しくは、基板の第一面から第二面に延在する電極を有するディスプレイまたは表示タイルに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示タイルにおいて、
第一面および第二面を有する基板であって、該基板の外周囲の少なくとも一部に沿って該第一面と該第二面との間に延在する側面を有する基板、および
前記基板の第一面上の第1の接触位置から前記側面を周り前記第二面上の第2の接触位置まで延在する電極であって、該電極に対して垂直に、該第一面に対して平行に測定される該電極の断面幅は、200マイクロメートル以下であり、該第一面から該電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さは、200ナノメートル以上である、電極、
を備えた表示タイル。
【請求項2】
前記表示タイルが、
前記第二面上またはその近くに配置された回路、および
前記第一面上またはその近くに配置された電気素子、
をさらに含み、
前記電極が、前記回路を前記電気素子と電気的に接続する、請求項1記載の表示タイル。
【請求項3】
前記回路が行ドライバーであり、前記電気素子が画素素子である、請求項2記載の表示タイル。
【請求項4】
前記画素素子が、LED、マイクロLED、LCD表示素子、OLED表示素子、CMOS素子、およびトランジスタ素子からなる群より選択される、請求項3記載の表示タイル。
【請求項5】
前記第一面から前記電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される前記電極の最小厚さが、5マイクロメートル以上である、請求項1から4いずれか1項記載の表示タイル。
【請求項6】
前記基板がガラス系基板である、請求項1から5いずれか1項記載の表示タイル。
【請求項7】
前記第一面に垂直であり、該第一面と前記第二面との間に延在する線に沿った距離として測定される、前記側面の厚さが、三(3)ミリメートル以下である、請求項1から6いずれか1項記載の表示タイル。
【請求項8】
前記電極が、98パーセント超の純度の純金属から形成される、請求項1から7いずれか1項記載の表示タイル。
【請求項9】
前記純金属が、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、または銅(Cu)と、銀(Ag)と、金(Au)と、ニッケル(Ni)との任意の組合せからなる群より選択される、請求項8記載の表示タイル。
【請求項10】
マルチ基板デバイスを製造する方法において、
少なくとも、基板の第一面、該基板の第二面、および該基板の外周囲の一部に沿って該第一面と該第二面との間に延在する該基板の側面を覆って導体材料を堆積させる工程、および
前記基板の第一面から前記側面を周り前記第二面まで延在する前記導体材料の一部をレーザ除去して、該第一面上の第1の接触位置を該第二面上の第2の接触位置に電気的に接続する該導体材料から形成された複数の電極を残す工程、
を有してなる方法。
【請求項11】
前記電極に対して垂直に、前記第一面に対して平行に測定される該電極の断面幅が、200マイクロメートル以下であり、該第一面から該電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さが、2マイクロメートル以下である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、
前記第二面上またはその近くに回路を形成する工程、および
前記第一面上またはその近くに電気素子を接続する工程、
をさらに含み、
前記電極が、前記回路を前記電気素子に電気的に接続する、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記回路が行ドライバーであり、前記電気素子は画素素子である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記画素素子が、LED、マイクロLED、LCD表示素子、OLED表示素子、CMOS素子、およびトランジスタ素子からなる群より選択される、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記第一面から前記電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さが3マイクロメートル以上であるように該電極にメッキ材料をメッキする工程、
をさらに含む、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2019年10月10日に出願された米国仮特許出願第62/913369号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
実施の形態は、広く、表示装置に関し、より詳しくは、基板の第一面から第二面に延在する電極を有するディスプレイまたは表示タイルに関する。
【背景技術】
【0003】
多数の個々の表示タイルを、タイルドディスプレイ(tiled display)と呼ばれることもある、単一大型ディスプレイに統合することができる。例えば、多数の表示タイルからなるビデオウォールが、影響力のある関与と非常に素晴らしい眺めで知られており、小売業環境、制御室、空港、テレビ局のスタジオ、ホールおよびスタジアムを含む様々な状況に使用されている。
【0004】
表示タイルの設計は、タイルドディスプレイの解像度および性能に影響を与える。
図1は、タイルドディスプレイを形成するために他の表示タイルと結合できる従来技術の表示タイル50を示す。表示タイル50は、第一面55および外周囲56を有する第1の基板52を備える。表示タイル50は、画素素子58の行60および画素素子58の列70を含む。画素素子58の各行60は、行電極62および画素素子58の複数の列70により接続され、画素素子58の各列70は列電極72により接続されている。表示タイル50は、画素素子58の行60を駆動する少なくとも1つの行ドライバー65および画素素子58の列70を駆動する少なくとも1つの列ドライバー75をさらに備える。従来技術の表示タイル50において、行ドライバー65および列ドライバー75は、画素素子の同じ側の第一面55上に位置しており、行ドライバー65および列ドライバー75を覆うベゼル(図示せず)が必要でする。
【0005】
美的理由のために、フラットパネルディスプレイの製造業者は、ディスプレイ上の画像を取り囲むベゼルのサイズを最小にすることによって、画像視聴面積を最大にし、より審美的に満足のいく外観を提供しようと試みている。しかしながら、この最小化には実際的な限界があり、現行のベゼルサイズは、3ミリメートルから10ミリメートル程度の幅である。
【0006】
ベゼルがわずかしかまたは全くない表示タイルからなるタイルドディスプレイを実現するために産業界で努力が払われてきた。ベゼルなし表示タイルにより、もどかしい黒色間隙の必要がないタイルドディスプレイの膨大な形態が可能になる。ベゼルなし表示タイルを実現するために、画素素子を表示タイルのエッジに近接近させることが有利であり得る。これらの画素素子は、表示タイル基板の前面に位置付け、制御電子回路を背面に位置付けることができる。その結果、表示タイル基板の前面と背面を電気的に相互接続する必要がある。
【0007】
ガラスから製造された表示タイル基板にそのような相互接続を行う方法の1つは、金属化されたガラス貫通ビア(「TGV」)によるものである。そのようなTGVを使用して、ゼロベゼルマイクロLEDディスプレイを製造することができるが、TGVは、少なくとも、各穴のレーザ損傷(連続工程)と、その後のエッチングを含む現行の方法を使用して、製造するのにかなり費用がかかる。次に、このビアは、金属化のためにさらに加工する必要がある。
【0008】
TGVの実装は、全体の製造工程順序に課題を提示する。タイル基板の前面に薄膜トランジスタ(TFT)アレイを有するようにする場合、ガラスビアをいつ製造し、金属化するかに関して問題が生じる。TFTアレイの製造は、伝統的に、無垢なガラス表面に行われるので、エッチングおよび金属化は、TFTの製造後に最もうまく行われるであろう。その結果、そのアレイは、エッチングから保護されなければならず、金属化技術に適合しなければならない。それに加え、TGVを先に形成すると、CuがTFTデバイスに拡散し、デバイス性能を低下させてしまうであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、少なくとも上述した理由のために、マルチタイルディスプレイを製造するための進歩したシステムおよび方法が、当該技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施の形態は、広く、表示装置に関し、より詳しくは、基板の第一面から第二面に延在する電極を有するディスプレイまたは表示タイルに関する。
【0011】
この要約は、いくつかの実施の形態の概要のみを提供する。「1つの実施の形態において」、「1つの実施の形態によれば」、「様々な実施の形態において」、「1つ以上の実施の形態において」、「特別な実施の形態において」などの句は、概して、その句に続く特定の特性、構造、または特徴が、少なくとも1つ実施の形態に含まれ、複数の実施の形態に含まれることもあることを意味する。重要なことに、そのような句は、必ずしも、同じ実施の形態を称する訳ではない。多くの他の実施の形態が、以下の詳細な説明、付随の特許請求の範囲、および添付図面からより完全に明白になるであろう。
【0012】
ここに記載された様々な実施の形態のさらなる理解は、明細書の残りの部分に記載されている図面に関して実現されるであろう。図面において、同様の構成要素を称するために、いくつかの図面に亘り同じ参照番号が使用される。ある場合には、下付き文字からなる下位のラベルは、多くの同様の構成要素の内の1つを示すために、参照番号に関連している。既存の下位のラベルに指定されずに、参照番号を参照する場合、そのような多数の同様の構成要素の全てを称する意図がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】サイド電極を使用して、いくつかの実施の形態によるラップアラウンド(wrap-around)電極により接続された表示タイルの反対面にある1つ以上の列/行駆動回路に接続された、表示タイルの片面にある画素素子を備えた表示タイルの概略上面斜視図
【
図5a】いくつかの実施の形態によるラップアラウンドエッジ電極の詳細図
【
図5b】いくつかの実施の形態によるラップアラウンドエッジ電極の詳細図
【
図5c】いくつかの実施の形態によるラップアラウンドエッジ電極の詳細図
【
図6】それぞれの表示タイル上にサイド電極を収容するために、互いから十分な距離だけ間隔が空けられた多数の表示タイルを備えたディスプレイの上面透視図
【
図7】レーザ除去過程を使用してラップアラウンド電極を形成するための、いくつかの実施の形態による方法を示す流れ図
【
図8a】
図7の方法の最初の段階での表示タイルを示す図
【
図8b】
図7の方法の次の段階での表示タイルを示す図
【
図8c】
図7の方法の次の段階での表示タイルを示す図
【
図8d】
図7の方法の次の段階での表示タイルを示す図
【
図8e】
図7の方法の次の段階での表示タイルを示す図
【
図8f】
図7の方法の次の段階での表示タイルを示す図
【
図8g】
図7の方法の次の段階での表示タイルを示す図
【
図9】レーザ除去過程および材料付加過程を使用してラップアラウンドエッジ電極を形成するための、いくつかの実施の形態による方法を示す流れ図
【
図11a】表示タイルが垂直の向きで中に配置されたメッキ浴を示す図
【
図11b】表示タイルが水平の向きで中に配置されたメッキ浴を示す図
【
図12】レーザ除去過程および材料付加過程を使用してラップアラウンドエッジ電極を形成するための、他の実施の形態による別の方法を示す流れ図
【
図14】レーザ除去過程および材料付加過程を使用してラップアラウンドエッジ電極を形成するための、他の実施の形態によるさらに別の方法を示す流れ図
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態は、広く、表示装置に関し、より詳しくは、基板の第一面から第二面に延在する電極を有するディスプレイまたは表示タイルに関する。
【0015】
様々な実施の形態は、多数の表示タイルから形成されたディスプレイを製造する方法を提供する。表示タイルの各々は、表示タイルのエッジを包み込み、表示タイルの片面にある回路を表示タイルの別の面にある電気回路と電気的に接続する電極を備える。電極の形成には、表示タイルの基板上に形成された材料のレーザ除去が含まれる。
【0016】
他の実施の形態は、基板および電極を備えた表示タイルを提供する。この基板は、第一面と第二面、および基板の外周囲の一部に沿って第一面と第二面との間に延在する側面を有する。その電極は、基板の第一面上の第1の接触位置から側面を周り第二面上の第2の接触位置まで延在する。電極に対して垂直に、第一面に対して平行に測定される電極の断面幅は、200マイクロメートル以下であり、第一面から電極の反対の面まで第一面に垂直に測定される電極の最小厚さは、200ナノメートル以上である。ある場合には、第一面から電極の反対の面まで第一面に垂直に測定される電極の最小厚さは、5マイクロメートル以上である。様々な場合において、第一面から電極の反対の面まで第一面に垂直に測定される電極の最小厚さは、8マイクロメートル以上である。
【0017】
上述した実施の形態のある場合には、表示タイルは、第二面上またはその近くに配置された回路、および第一面上またはその近くに配置された電気素子をさらに備える。電極は、その回路をその電気素子と電気的に接続する。ある場合には、回路は行ドライバーであり、電気素子は画素素子である。様々な場合において、画素素子は、LED、マイクロLED、LCD表示素子、OLED表示素子、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)素子、またはトランジスタ素子である。
【0018】
上述した実施の形態の様々な場合において、基板はガラス系基板である。上述した実施の形態のある場合には、第一面に垂直な線に沿って、第一面と第二面との間に延在する距離として測定される側面の厚さは、3ミリメートル以下である。上述した実施の形態のある場合には、電極は純金属から形成される。いくつかの実施の形態において、金属堆積は、純粋な銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、またはそれらの組合せをスパッタリングする工程を含む。他の場合には、純金属は、Ti/Cu、TiW/Cu、TiN/Cu、Cr/Cuなどの二重層構造であり、式中、Ti、TiW、TiNまたはCrは、純金属と基板との間の接着層である。
【0019】
さらに他の実施の形態は、マルチ基板(multi-substrate)デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、少なくとも、基板の第一面、基板の第二面、および基板の外周囲の一部に沿って第一面と第二面との間に延在する基板の側面を覆って導体材料を堆積させる工程、および基板の第一面から側面を周り第二面まで延在する導体材料の一部をレーザ除去して、第一面上の第1の接触位置を第二面上の第2の接触位置に電気的に接続する導体材料から形成された複数の電極を残す工程を有してなる。
【0020】
上述した実施の形態のある場合には、電極に対して垂直に、第一面に対して平行に測定される電極の断面幅は、200マイクロメートル以下であり、第一面から電極の反対の面まで第一面に垂直に測定される電極の最小厚さは、200ナノメートル以下である。上述した実施の形態の様々な場合において、前記方法は、第二面上またはその近くに回路を形成し、第一面上またはその近くに電気素子を接続する各工程をさらに含む。電極は、回路を電気素子に電気的に接続する。ある場合には、回路は行ドライバーであり、電気素子は画素素子である。様々な場合において、画素素子は、LED、マイクロLED、LCD表示素子、またはOLED表示素子である。
【0021】
上述した実施の形態の様々な場合において、前記方法は、第一面から電極の反対の面まで第一面に垂直に測定される電極の最小厚さが3マイクロメートル以上であるように電極にメッキ材料をメッキする工程をさらに含む。そのようなメッキは、電気メッキ、無電解メッキ、または電気メッキと無電解メッキの組合せのいずれであってもよい。ある場合には、第一面から電極の反対の面まで第一面に垂直に測定される電極の最小厚さは、5マイクロメートル以上である。様々な場合において、第一面から電極の反対の面まで第一面に垂直に測定される電極の最小厚さは、8マイクロメートル以上である。上述した実施の形態のある場合には、基板は、例えば、ガラスまたはガラスセラミックなどのガラス系基板である。他の場合には、基板は、セラミック、サファイア、シリコン、高分子、または印刷回路板(PCB)系基板である。上述した実施の形態の様々な場合において、メッキ材料は純金属である。いくつかの実施の形態において、金属堆積は、純粋な銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、またはそれらの組合せをスパッタリングする工程を含む。他の場合には、純金属は、Ti/Cu、TiW/Cu、TiN/Cu、Cr/Cuなどの二重層構造であり、式中、Ti、TiW、TiNまたはCrは、純金属と基板との間の接着層である。
【0022】
またさらなる実施の形態は、マルチ基板デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、基板の第一面、基板の第二面、および基板の外周囲の一部に沿って第一面と第二面との間に延在する基板の側面の少なくとも一部を覆って導体材料を形成する工程、第一面、第二面、および側面の各々の少なくとも一部を覆って保護層を形成する工程、複数の電極の間の開放区域に対応する保護層の部分をレーザ除去する工程、およびエッチングして、レーザ除去する工程によって露出された区域から導体材料を除去して、複数の電極の各々が、基板の第一面上の第1の接触位置から側面を周り第二面上の第2の接触位置まで延在するように複数の電極を残す工程を有してなる。
【0023】
上述した実施の形態のある場合には、基板の第一面、基板の第二面、および基板の側面の少なくとも一部を覆って導体材料を形成する工程は、金属スパッタリングおよび金属メッキの組合せを含む。ある場合には、金属メッキは、電気メッキ、無電解メッキ、または電気メッキと無電解メッキの組合せである。
【0024】
さらに追加の実施の形態は、マルチ基板デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、基板の第一面、基板の第二面、および基板の外周囲の一部に沿って第一面と第二面との間に延在する基板の側面の少なくとも一部を覆って保護層を形成する工程、複数の電極の間の開放区域に対応する保護層の部分をレーザ除去する工程、基板の第一面、基板の第二面、および基板の側面の前記一部の少なくとも一部を覆って導体材料を形成する工程、および保護層を除去して、導体材料から形成された複数の電極を残す工程を有してなる。その複数の電極の各々は、基板の第一面上の第1の接触位置から側面を周り第二面上の第2の接触位置まで延在する。
【0025】
図2~4を見ると、第一面155、第一面155と反対の第二面157、および第一面155と第二面157との間のエッジ面154を含む第1の基板152を備え、エッジ面154が表示タイルの外周囲156を画成している、表示タイル150が示されている。
【0026】
1つ以上の実施の形態による、ここに記載された表示タイル150は、どの適切な材料の基板152、例えば、表示タイルを製造するのに適した任意の所望のサイズおよび/または形状を有する高分子基板、プリント基板、金属、ガラス系、セラミック、サファイア、またはシリコン基板を含んでも差し支えない。第一面155および第二面157は、特定の実施の形態において、平面または実質的に平面、例えば、実質的に平らであることがある。第一面155および第二面157は、様々な実施の形態において、平行または実質的に平行であることがある。いくつかの実施の形態による基板152は、
図2~4に示されるように4つのエッジを含んでも、4より多いエッジを含んでも、例えば、多辺多角形であってもよい。他の実施の形態において、表示タイル150は、4より少ないエッジを含む、例えば、三角形であってもよい。非限定例として、基板152は、長方形、正方形、または4つのエッジを有する菱形シートを有することがあるが、1つ以上の曲線部分またはエッジを有するものを含む、他の形状および形態が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
【0027】
特定の実施の形態において、基板152は、約3mm以下の厚さd1を有することがある。いくつかの実施の形態において、厚さd1は、0.01mmと三(3)mmの間である。いくつかの実施の形態において、厚さd1は、0.1mmと2.5mmの間である。様々な実施の形態において、厚さd1は、0.3mmと二(2)mmの間である。いくつかの実施の形態において、厚さd1は、0.3mmと1.5mmの間である。いくつかの実施の形態において、厚さd1は、0.3mmと一(1)mmの間である。いくつかの実施の形態において、厚さd1は、0.3mmと0.7mmの間である。いくつかの実施の形態において、厚さd1は、0.3mmと0.5mmの間である。
【0028】
表示タイルを製造するために使用されるガラス系基板は、表示装置に使用するための当該技術分野に公知のどのガラス系材料から作られても差し支えない。例えば、ガラス系基板は、アルミノケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルカリホウケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、アルカリアルミノホウケイ酸塩、ソーダ石灰、または他の適切なガラスから作られることがある。ガラス基板としての使用に適した市販のガラスの非限定例としては、例えば、Corning IncorporatedからのEAGLE XG(登録商標)、Lotus(商標)、Willow(登録商標)、およびAstra(商標)ガラスが挙げられる。
【0029】
表示タイル150の第一面155は、画素素子158の複数の行160および画素素子158の複数の列170に配列された一連の画素素子158を備えている。画素素子158の各行160は行電極162により接続され、画素素子158の各列170は列電極172により接続されている。交差する画素素子の行160と列170は、同じ画素素子158の内のいくつかを含むことが理解されよう。それゆえ、別々の二組の画素素子158があるのではなく、両方とも、別々の行と列の電極に接続された画素素子158を含有する画素素子158のアレイが1つある。1つ以上の実施の形態による表示タイルは、画素素子158の行160を電気的に作動させる少なくとも1つの行ドライバー165および画素素子158の列170を作動させる少なくとも1つの列ドライバー175を備え、行ドライバー165および列ドライバー175は、第一面155と反対に位置付けられている。
図2~4に示された実施の形態において、行ドライバー165および列ドライバー175は、基板152の第二面157上に位置付けられている。他の実施の形態において、行ドライバー165および列ドライバー175は、別の基板(図示せず)または他の適切な構造など、第一面155と反対に配置された別の構造上に位置付けることができる。いくつかのそのような場合において、電気接点が、基板の第一面155と反対に位置付けられ、次に、フレックスコネクタ、半田接続部、または他の適切な方法の使用のいずれかにより、行と列のドライバーに電気的に接続されている。ある面から、行または列ドライバーに最終的に接続される反対面の電気接点までの電気的接合は、その行または列ドライバーへの電気的結合と考えられる。
【0030】
行ドライバー165および列ドライバー175は、行電極162および列電極172に接続され、画素素子158を作動させることが、認識されるであろう。複数の行電極コネクタ164が提供され、各行電極コネクタ164は、エッジ面154の周りに巻かれ、行電極162、画素素子158の行162および行ドライバー165を電気的に接続する。図示された表示タイルは、複数の列電極コネクタ174をさらに備え、各列電極コネクタ174は、エッジ面154の周りに巻かれ、列電極172、画素素子158の列170および列ドライバー175を電気的に接続する。図示された実施の形態において、各行ドライバー165は、行電極の3つの行160を画素素子158に接続するのが示されており、各列ドライバーは、列電極172の4つの列170を画素素子158に接続するのが示されている。この配置は説明目的のためだけであり、本開示は、行ドライバー、列ドライバーのどの特定の数または行ドライバーと列ドライバーによりそれぞれ駆動される行電極と列電極の数にも限定されないことが理解されよう。例えば、電極コネクタは、特定のディスプレイ設計およびレイアウトに基づいて、ただ1つまたは多数のエッジ面154上に存在し得る。さらに、本開示は、画素素子158のどの特定の数または基板152の第一面155上の画素素子158の配置にも限定されない。マトリクスバックプレーン設計が記載されているが、代わりの構成も可能である。行と列のマトリクスで記載された電気バックプレーン回路は、パッシブマトリクスまたはアクティブマトリクス設計のいずれであっても差し支えない。アクティブマトリクスである場合、薄膜トランジスタアレイが、第一面、第二面、または基板の両面上のいずれに存在しても差し支えない。あるいは、ディスプレイバックプレーンは、画素と直接通信するドライバーまたはマイクロドライバー集積回路(IC)を含んでも差し支えない。これらのドライバーまたはマイクロドライバーICは、第一面、第二面、または基板の両面上、もしくは基板の第二面に電気的に接続された別の基板上に位置付けることができる。
【0031】
行電極コネクタ164および列電極コネクタ174を提供するために、どの適切なコネクタタイプを使用しても差し支えない。また、電極コネクタの全てが、同じタイプまたは設計のものである必要はない。1つ以上の実施の形態において、少なくとも1つの行電極コネクタ164および少なくとも1つの列電極コネクタ174は、例えば、
図7に関して下記に述べられる過程を使用して形成される薄型電極を含む。様々な実施の形態において、少なくとも1つの行電極コネクタ164および少なくとも1つの列電極コネクタ174は、例えば、
図9に関して下記に述べられる過程を使用して形成される厚型電極を含む。いくつかの実施の形態において、少なくとも1つの行電極コネクタ164および少なくとも1つの列電極コネクタ174は、例えば、
図12に関して下記に述べられる過程を使用して形成される厚型電極を含む。
【0032】
図5a~5bを見ると、基板306のエッジの周りに延在して、基板152の互いに反対の表面を接続する多数の導体304を含む表示タイル150のエッジの一部の端部
図300および上面
図301が示されている。行電極コネクタ164および/または列電極コネクタ174の1つ以上を実装するために、これらの導体304が使用されることがある。図から分かるように、導体304は、導体幅(Wc)および導体厚さ(T)を示す。導体厚さ(T)は、
図5cに示されるように、面155、157に沿った厚さ(T
面)、エッジ154に沿った厚さ(T
エッジ)、および角での厚さ(T
角)とさらに詳細に述べることができる。厚さ(T)の測定が、T
面、T
エッジ、またはT
角に具体的に言及されずに述べられる場合、その測定は、T
角を指す。導体304は、他の導体304からの間隔(S)だけ隔てられている。
【0033】
いくつかの実施の形態において、間隔(S)は、200マイクロメートル(200μm)以下である。他の実施の形態において、間隔(S)は、100マイクロメートル(100μm)以下である。またさらなる実施の形態において、間隔(S)は、5マイクロメートル(5μm)以下である。また追加の実施の形態において、間隔(S)は、1マイクロメートル(1μm)以下である。いくつかの実施の形態において、間隔(S)は、250(250nm)以下である。様々な実施の形態において、間隔(S)は、120ナノメートル(120nm)以下である。
【0034】
いくつかの実施の形態において、導体厚さ(T)は、2マイクロメートル(2μm)以下である。そのような厚さを示す電極は、ここでは「薄型電極」と称される。様々な実施の形態において、導体厚さ(T)は、1マイクロメートル(1μm)以下である。他の実施の形態において、導体厚さ(T)は、600ナノメートル(600nm)以下である。他の実施の形態において、導体厚さ(T)は、400ナノメートル(400nm)以下である。さらに他の実施の形態において、導体厚さ(T)は、200ナノメートル(200nm)以下である。
【0035】
他の実施の形態において、導体厚さ(T)は、2マイクロメートル(2μm)超である。そのような厚さを示す電極は、ここでは「厚型電極」と称される。様々な実施の形態において、導体厚さ(T)は、4マイクロメートル(4μm)以上である。さらなる実施の形態において、導体厚さ(T)は、6マイクロメートル(6μm)以上である。いくつかの実施の形態において、導体厚さ(T)は、10マイクロメートル(10μm)以上である。
【0036】
いくつかの実施の形態において、導体幅(Wc)は、200マイクロメートル(200μm)以下である。他の実施の形態において、導体幅(Wc)は、100マイクロメートル(100μm)以下である。またさらなる実施の形態において、導体幅(Wc)は、5マイクロメートル(5μm)以下である。さらに追加の実施の形態において、導体幅(Wc)は、1マイクロメートル(1μm)以下である。いくつかの実施の形態において、導体幅(Wc)は、250ナノメートル(250nm)以下である。様々な実施の形態において、導体幅(Wc)は、120ナノメートル(120nm)以下である。
【0037】
図5cを見ると、1つの電極304の詳細
図302が示されており、ここでは、面155、157(T
面)およびエッジ154(T
エッジ)に沿った厚さが、面155、157とエッジ154との間の移行部での厚さ(T
角)より大きい。いくつかの実施の形態において、T
面は、T
角の二百パーセント(200パーセント)以下である。他の実施の形態において、T
面は、T
角の百五十パーセント(150パーセント)以下である。さらに他の実施の形態において、T
面は、T
角の百二十五パーセント(125パーセント)以下である。さらに追加の実施の形態において、T
面は、T
角の百十五パーセント(115パーセント)以下である。いくつかの実施の形態において、T
エッジは、T
角の二百五十パーセント(250パーセント)以下である。他の実施の形態において、T
エッジは、T
角の百六十パーセント(160パーセント)以下である。さらに他の実施の形態において、T
エッジは、T
角の百二十五パーセント(125パーセント)以下である。さらに追加の実施の形態において、T
エッジは、T
角の百十五パーセント(115パーセント)以下である。T
角は、垂直/水平メッキに応じて、T
面より薄いか厚いかのいずれでもよい。一般に、T
角がより厚いと、電気的不連続性が減少し得るが、厚さが厚すぎる場合には、高い応力が生じるであろう。
【0038】
図6を見ると、それぞれの表示タイル上にサイド電極を収容するために互いに十分な距離だけ間隔が空けられた多数の表示タイル250を備えたディスプレイ400(すなわち、タイルドディスプレイ)の上面透視図が示されている。各表示タイル250は、幅(Dx)および高さ(Dy)を示す。表示タイル250の各々は、次の表示タイルから間隔(Da)だけ隔てられている。Daの非ゼロ値は、表示タイル間の移行部での増加した画素ピッチ(すなわち、隣接する画素間の距離)をもたらす。距離Daを減少させることにより、表示タイル間の移行部での画素ピッチおよび全表示域(すなわち、非有効表示域と有効表示域の合計)に対する非有効表示域の比が減少する。距離Daをほぼゼロに減少させることによって、上述した比はゼロに近づき、そのようなディスプレイを使用した場合、よりよい視覚的経験が与えられる。
【0039】
例えば、導体304が表示タイルの隣接する二辺を包み込むように、表示タイル250が
図5a~5cの表示タイルに準拠して製造されている場合、間隔Daは、表示タイルの端部での電極の厚さ(T
エッジ)よりわずかに大きい程度まで減少させることができる。別の例として、導体304が表示タイルの全ての面を包み込むように、表示タイル250が
図5a~5cの表示タイルに準拠して製造されている場合、間隔Daは、表示タイルの端部での電極の厚さ(T
エッジ)の2倍をわずかに超える程度まで減少させることができる。
【0040】
ディスプレイ400は、以下に限られないが、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、マイクロLED、電気泳動ディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、および有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含むどのタイプのディスプレイであっても差し支えない。いくつかの実施の形態において、ディスプレイはLEDであり、画素素子は、少なくとも1つの表示タイル250のエッジ面の五百(500)マイクロメートル以内に配置されたマイクロLEDである。いくつかの実施の形態において、ディスプレイはLEDであり、画素素子は、少なくとも1つの表示タイル250のエッジ面の四百(400)マイクロメートル以内に配置されたマイクロLEDである。様々な実施の形態において、ディスプレイはLEDディスプレイであり、画素素子は、少なくとも1つの表示タイル250のエッジ面の三百(300)マイクロメートル以内に配置されたマイクロLEDである。いくつかの実施の形態において、ディスプレイはLEDディスプレイであり、画素素子は、少なくとも1つの表示タイル250のエッジ面の二百(200)マイクロメートル以内に配置されたマイクロLEDである。様々な実施の形態において、ディスプレイはLEDディスプレイであり、画素素子は、少なくとも1つの表示タイル250のエッジ面の百(100)マイクロメートル以内に配置されたマイクロLEDである。いくつかの実施の形態において、ディスプレイは、LEDディスプレイであり、画素素子は、少なくとも1つの表示タイル250のエッジ面の二十(20)マイクロメートル以内に位置するマイクロLEDである。
図6に示されたようなタイル状ディスプレイの代わりに、表示装置内に1つの個別の基板を使用することができる。
【0041】
図7を見ると、流れ
図700は、レーザ除去過程を使用して、ラップアラウンドエッジ電極を形成するいくつかの実施の形態による方法を示している。流れ
図700にしたがうと、表示基板の上面および/または下面に構造が形成される(ブロック702)。その構造は、コア回路およびラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分を含む。コア回路およびラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分は、当該技術分野で公知のどの適切な技術を使用して形成されてもよい。
【0042】
この表示基板は、どの適切な材料、例えば、表示タイルを製造するのに適した任意の所望のサイズおよび/または形状を有する、高分子基板、印刷回路板、金属、またはガラス系基板から製造されてもよい。いくつかの実施の形態において、その基板は、以下に限られないが、長方形、正方形、または四辺を有する菱形であってよいが、1つ以上の曲線部分または辺を有するものを含む、他の形状および形態が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。様々な実施の形態において、その基板は、約3mm以下の厚さd1を有することがある。いくつかの実施の形態において、基板の厚さは、0.01mmと三(3)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.1mと2.5mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと二(2)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと1.5mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと一(1)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.7mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.5mmの間である。
【0043】
いくつかの実施の形態において、前記基板はガラス系基板である。例えば、そのようなガラス系基板は、アルミノケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルカリホウケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、アルカリアルミノホウケイ酸塩、ソーダ石灰、または他の適切なガラスから作られることがある。ガラス基板としての使用に適した市販のガラスの非限定例としては、例えば、Corning Incorporatedからの「EAGLE XG」、「Lotus」、「Willow」、および「Astra」ガラスが挙げられる。
【0044】
そのコア回路としては、以下に限られないが、基板の上面および下面の一方または両方の中央領域に形成されたか配置された、列駆動回路、行駆動回路、発光ダイオード、および導電相互接続が挙げられるであろう。ある場合には、コア回路の少なくとも一部を形成するために、薄膜トランジスタ技術が使用される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、コア回路に組み込める様々な回路および/または相互接続が認識されるであろう。様々なラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分が、基板の周囲に形成され、コア回路内の接触位置から基板のエッジまで延在する。
図8aを見ると、基板の中央領域にあるコア回路820および周囲のラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分810を有する表示タイル800の一例が示されている。
【0045】
図7に戻ると、表面電極部分を保護するために、表示基板の外周囲に第1の保護層が形成される(ブロック704)。第1の保護層は、表面電極部分を露出するための材料の最終的な除去を含む様々な過程中に表面電極部分を保護することのできるどの材料から作られてもよい。さらに、第1の保護層の材料の施用は、当該技術分野で公知のどの適切な施用過程を使用して行われてもよい。いくつかの実施の形態において、表面電極部分を保護するために、基板の周囲にポリイミド(PI)テープが施される。他の実施の形態において、表面電極部分を保護するために、基板の周囲に、PI、ポリウレタン(PU)、および/または環状オレフィン共重合体の1つ以上の組合せが施される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態にしたがって第1の保護層を形成するために使用できる様々な材料および施用過程が認識されるであろう。
図8bを見ると、中央領域にあるコア回路820および第1の保護層811で覆われた表面電極部分(図示せず)を有する表示タイル801の一例が示されている。
【0046】
図7に戻ると、加工中にコア回路、相互接続、および他の構造を保護するために、基板のコア構造を覆って、第2の保護層が形成される(ブロック706)。第2の保護層は、第1の保護層の材料および第2の保護層の材料の最終的な除去を含む様々な過程中にコア構造を保護することのできるどの材料から作られてもよい。さらに、第2の保護層の材料の施用は、当該技術分野で公知のどの適切な施用過程を使用して行われてもよい。いくつかの実施の形態において、標準的な薄膜トランジスタ保護材料が、コア構造を覆って堆積される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態にしたがって第2の保護層を形成するために使用である様々な材料および施用過程が認識されるであろう。
図8cを見ると、第2の保護層821で覆われたコア回路(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル802の一例が示されている。いくつかの実施の形態において、第2の保護層は、コア構造および第1の保護層の少なくとも一部の両方を覆うことに留意すべきである。
【0047】
図7を見ると、第1の保護層が除去されて、表面電極部分が露出される(ブロック708)。これは、コア構造を覆う第2の保護層を残しつつ、表示基板を、第1の保護層を除去する化学および/または機械過程に曝すことによって行われる。例えば、第1の保護層がPIテープである場合、第1の保護層の除去は、PIテープを表示タイルから剥がすことによって行われる。第2の保護層が第1の保護層を少なくとも部分的に覆っている場合、第1の保護層の除去により、第1の保護層を覆って配置された第2の保護層の部分が除去される。
図8dを見ると、第2の保護層821により覆われたコア回路(図示せず)および露出された表面電極部分810を持つ基板を有する表示タイル803の一例が示されている。
【0048】
図7に戻ると、表示タイルの全表面を覆って金属が堆積される(ブロック710)。金属を堆積させるどの過程を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、金属堆積は、純粋な銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、またはそれらの組合せをスパッタリングする工程を含む。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態に関して使用できる様々な金属または他の導体材料、および/または選択された金属または他の導体材料で表示タイルを覆うために使用できる様々な過程が認識されるであろう。
図8eを見ると、堆積された金属830で覆われたコア回路(図示せず)および表面電極部分(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル804の一例が示されている。堆積された金属830は、表示タイルの全ての面を覆っている。
【0049】
図7に戻ると、ラップアラウンドエッジ電極を画成するために、堆積された金属の一部のレーザ除去が行われる(ブロック712)。そのようなレーザ除去は、表示タイルの周囲に沿って行われ、表示装置の第一面から表示装置のエッジを周り、表示装置の第二面まで延在する、ラップアラウンド電極が望ましくない区域からの全ての金属または他の導体材料の除去を含む。いくつかの実施の形態において、レーザ除去のこの過程は、表示タイルをレーザエネルギー源に対して三次元で動かせるように、表示タイルをレーザエネルギー源に対して搭載することによって行われる。このレーザエネルギーの金属への施用により、金属が取り除かれ、ある場合には、その金属の下にある基板の一部も取り除かれる。
図8fを見ると、第2の保護層821により覆われたコア回路(図示せず)および/またはコア部分831を覆って残っている堆積された金属およびレーザにより画成されたラップアラウンドエッジ電極840を持つ基板を有する表示タイル805の一例が示されている。ラップアラウンドエッジ電極840は、表示タイル805の一面から、表示タイル805のエッジを周り、表示タイル805の反対面まで延在する。いくつかの実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極840の厚さは、2マイクロメートル(2μm)以下である。様々な実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極840の厚さは、1マイクロメートル(1μm)以下である。他の実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極840の厚さは、600ナノメートル(600nm)以下である。他の実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極840の厚さは、400ナノメートル(400nm)以下である。さらに他の実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極840の厚さは、200ナノメートル(200nm)以下である。
【0050】
そのようなレーザ除去加工を使用すると、他の手法と比べた場合、微細な線幅および間隔が作られる。いくつかの実施の形態において、100マイクロメートル(100μm)以下のラップアラウンドエッジ電極間の間隔が達成される。他の実施の形態において、50マイクロメートル(50μm)以下のラップアラウンドエッジ電極間の間隔が達成される。またさらなる実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、5マイクロメートル(5μm)以下のラップアラウンドエッジ電極間の間隔が達成される。さらに追加の実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、1マイクロメートル(1μm)以下のラップアラウンドエッジ電極間の間隔が達成される。いくつかの実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、250ナノメートル(250nm)以下のラップアラウンドエッジ電極間の間隔が達成される。様々な実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、120ナノメートル(120nm)以下のラップアラウンドエッジ電極間の間隔が達成される。いくつかの実施の形態において、100マイクロメートル(100μm)以下のラップアラウンドエッジ電極の幅が達成される。他の実施の形態において、50マイクロメートル(50μm)以下のラップアラウンドエッジ電極の幅が達成される。さらに他の実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、5マイクロメートル(5μm)以下のラップアラウンドエッジ電極の幅が達成される。さらに追加の実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、1マイクロメートル(1μm)以下のラップアラウンドエッジ電極の幅が達成される。いくつかの実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、250ナノメートル(250nm)以下のラップアラウンドエッジ電極の幅が達成される。様々な実施の形態において、二光子吸収を利用するフェムト秒(fs)レーザが使用される場合、120ナノメートル(120nm)以下のラップアラウンドエッジ電極の幅が達成される。さらに、そのようなレーザ除去加工を使用すると、100マイクロメートル(100μm)を越える寸法に通常制限されるペン分配と比べた場合、より小さいラップアラウンドエッジ電極の幅およびより高純度の金属が提供される。レーザアブレーション後、アブレーション区域にある金属残留物を完全に除去するのを補助するために、湿式洗浄過程が必要になるかもしれない。
【0051】
図7に戻ると、コア回路および/または構造を持つ表示タイルの中央部分を露出するために、第2の保護層(およびそれを覆っている金属層)が除去される(ブロック714)。これは、表示タイルを、第2の保護層の材料に選択的に影響するように設計された溶剤に曝露することによって行われることがある。ある場合には、第2の保護層の材料が、完全に架橋したまたは部分的に架橋したPU(ポリウレタン)などの重合体である場合、溶剤は、第2の保護層の材料を膨潤させ、その重合体を表示タイルから除去する、アルコール、アセトン、または水である。ある場合には、ラップアラウンドエッジ電極がある区域から金属を除去するために行われるレーザアブレーションは、溝が残されるようにある量の下層の表示基板を除去し続けた。これらの溝は、施用された溶剤が、堆積された金属により覆われた第2の保護層の下を動く能力をさらに向上させる。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、第2の保護層を除去するために使用できる様々な除去材料および/または除去過程が認識されるであろう。
図8gを見ると、露出されたコア回路820およびラップアラウンドエッジ電極840を持つ基板を有する表示タイル806の一例が示されている。
【0052】
図7に関して述べられた過程の代替例として、第2の保護層の形成(すなわち、ブロック706)および第1の保護層の除去(すなわち、ブロック708)の後にラップアラウンドサイド電極を形成するために、薄膜トランジスタ加工が使用されることがある。そのような手法において、第2の保護層の重合体は、レーザ除去の区域を減少させる(すなわち、ブロック712)。これにより、ラップアラウンドエッジ電極が望ましい区域において、金属に選択的な溶剤の施用により、金属の比較的迅速な除去が可能になる。
【0053】
図9を見ると、流れ
図900は、レーザ除去過程を使用して、ラップアラウンドエッジ電極を形成するいくつかの実施の形態による方法を示している。流れ
図900にしたがうと、表示基板の上面および/または下面に構造が形成される(ブロック902)。その構造は、コア回路およびラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分を含む。コア回路およびラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分は、当該技術分野で公知のどの適切な技術を使用して形成されてもよい。
【0054】
この表示基板は、どの適切な材料、例えば、表示タイルを製造するのに適した任意の所望のサイズおよび/または形状を有する、高分子基板、印刷回路板、金属、ガラス系、セラミック、サファイア、またはシリコン基板から製造されてもよい。いくつかの実施の形態において、その基板は、以下に限られないが、長方形、正方形、または四辺を有する菱形であってよいが、1つ以上の曲線部分または辺を有するものを含む、他の形状および形態が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。様々な実施の形態において、その基板は、約3mm以下の厚さd1を有することがある。いくつかの実施の形態において、基板の厚さは、0.01mmと三(3)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.1mと2.5mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと二(2)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと1.5mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと一(1)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.7mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.5mmの間である。
【0055】
いくつかの実施の形態において、前記基板はガラス系、セラミック、サファイア、Si、高分子、印刷回路板(PCB)系基板である。例えば、そのようなガラス系基板は、アルミノケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルカリホウケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、アルカリアルミノホウケイ酸塩、ソーダ石灰、または他の適切なガラスから作られることがある。ガラス基板としての使用に適した市販のガラスの非限定例としては、例えば、Corning Incorporatedからの「EAGLE XG」、「Lotus」、「Willow」、および「Astra」ガラスが挙げられる。
【0056】
そのコア回路としては、以下に限られないが、基板の上面および下面の一方または両方の中央領域に形成されたか配置された、列駆動回路、行駆動回路、発光ダイオード、および導電相互接続が挙げられるであろう。ある場合には、コア回路の少なくとも一部を形成するために、薄膜トランジスタ技術が使用される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、コア回路に組み込める様々な回路および/または相互接続が認識されるであろう。様々なラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分が、基板の周囲に形成され、コア回路内の接触位置から基板のエッジまで延在する。
図10aを見ると、基板の中央領域にあるコア回路1020および周囲のラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分1010を有する表示タイル1000の一例が示されている。
【0057】
図9に戻ると、表面電極部分を保護するために、表示基板の外周囲に第1の保護層が形成される(ブロック904)。第1の保護層は、表面電極部分を露出するための材料の最終的な除去を含む様々な過程中に表面電極部分を保護することのできるどの材料から作られてもよい。さらに、第1の保護層の材料の施用は、当該技術分野で公知のどの適切な施用過程を使用して行われてもよい。いくつかの実施の形態において、表面電極部分を保護するために、基板の周囲にポリイミド(PI)テープが施される。他の実施の形態において、表面電極部分を保護するために、基板の周囲に、PI、ポリウレタン(PU)、および/または環状オレフィン共重合体の1つ以上の組合せが施される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態にしたがって第1の保護層を形成するために使用できる様々な材料および施用過程が認識されるであろう。
図10bを見ると、中央領域にあるコア回路1020および第1の保護層1011で覆われた表面電極部分(図示せず)を有する表示タイル1001の一例が示されている。
【0058】
図9に戻ると、加工中にコア回路、相互接続、および他の構造を保護するために、基板のコア構造を覆って、第2の保護層が形成される(ブロック906)。第2の保護層は、第1の保護層の材料および第2の保護層の材料の最終的な除去を含む様々な過程中にコア構造を保護することのできるどの材料から作られてもよい。さらに、第2の保護層の材料の施用は、当該技術分野で公知のどの適切な施用過程を使用して行われてもよい。いくつかの実施の形態において、標準的な薄膜トランジスタ保護材料が、コア構造を覆って堆積される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態にしたがって第2の保護層を形成するために使用である様々な材料および施用過程が認識されるであろう。
図10cを見ると、第2の保護層1021で覆われたコア回路(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル1002の一例が示されている。いくつかの実施の形態において、第2の保護層は、コア構造および第1の保護層の少なくとも一部の両方を覆うことに留意すべきである。
【0059】
図9を見ると、第1の保護層が除去されて、表面電極部分が露出される(ブロック908)。これは、コア構造を覆う第2の保護層を残しつつ、表示基板を、第1の保護層を除去する化学および/または機械過程に曝すことによって行われる。例えば、第1の保護層がPIテープである場合、第1の保護層の除去は、PIテープを表示タイルから剥がすことによって行われる。第2の保護層が第1の保護層を少なくとも部分的に覆っている場合、第1の保護層の除去により、第1の保護層を覆って配置された第2の保護層のどの部分も除去される。
図10dを見ると、第2の保護層1021により覆われたコア回路(図示せず)および露出された表面電極部分1010を持つ基板を有する表示タイル1003の一例が示されている。
【0060】
図9に戻ると、薄い金属コーティング(すなわち、厚さが2マイクロメートル(2μm)以下)を生じるために、表示タイルの全表面を覆って金属が堆積される(ブロック910)。金属を堆積させるどの過程を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、金属堆積は、純粋な銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、またはそれらの組合せをスパッタリングする工程を含む。他の場合には、純金属は、Ti/Cu、TiW/Cu、TiN/Cu、Cr/Cuなどの二重層構造であり、式中、Ti、TiW、TiNまたはCrは、純金属と基板との間の接着層である。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態に関して使用できる様々な金属または他の導体材料、および/または選択された金属または他の導体材料で表示タイルを覆うために使用できる様々な過程が認識されるであろう。
図10eを見ると、堆積された金属1030で覆われたコア回路(図示せず)および表面電極部分(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル1004の一例が示されている。堆積された金属1030は、表示タイルの全ての面を覆っている。
【0061】
図9に戻ると、ラップアラウンドエッジ電極を画成するために、表示基板の周りにある堆積された金属の一部のレーザ除去が行われる(ブロック912)。このレーザ除去により、画成されたラップアラウンドエッジ電極にほぼ垂直に延在する金属配線が残り、結果として、ラップアラウンドエッジ電極の間に電気的接続が生じる。そのようなレーザアブレーションにより、先に堆積された金属層の厚さとほぼ等しい薄い電極が残る。そのようなレーザ除去は、表示タイルの周囲に沿って行われ、表示装置の第一面から表示装置のエッジを周り、表示装置の第二面まで延在する、ラップアラウンド電極が望ましくない区域からの全ての金属または他の導体材料の除去を含む。いくつかの実施の形態において、レーザ除去のこの過程は、表示タイルをレーザエネルギー源に対して三次元で動かせるように、表示タイルをレーザエネルギー源に関連して搭載することによって行われる。このレーザエネルギーの金属への施用により、金属が取り除かれ、ある場合には、その金属の下にある基板の一部も取り除かれる。
図10fを見ると、第2の保護層1021により覆われたコア回路(図示せず)および/またはコア部分1031を覆って残っている堆積された金属、レーザにより画成されたラップアラウンドエッジ電極1040、およびそのラップアラウンドエッジ電極1040を電気的に接続する金属配線1041を持つ基板を有する表示タイル1005の一例が示されている。ラップアラウンドエッジ電極1040は、表示タイル1005の一面から、表示タイル1005のエッジを周り、表示タイル1005の反対面まで延在する。いくつかの実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1040の厚さは、2マイクロメートル(2μm)以下である。様々な実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1040の厚さは、1マイクロメートル(1μm)以下である。他の実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1040の厚さは、600ナノメートル(600nm)以下である。他の実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1040の厚さは、400ナノメートル(400nm)以下である。さらに他の実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1040の厚さは、200ナノメートル(200nm)以下である。
【0062】
表示基板の全面を厚い金属層(すなわち、厚さが2マイクロメートル(2μm)以上)で覆うために、電気メッキまたは無電解メッキのいずれかが施される(ブロック914)。電気メッキが行われる場合、メッキのために電極に帯電させるために、ラップアラウンドエッジ電極を電気的に接続する金属配線が使用される。
【0063】
そのような電気メッキは、表示基板が水平または垂直の向きのいずれかでメッキ浴中に吊り下げられるメッキ浴内で行われることがある。
図11aを見ると、メッキ浴1180が示されており、その中で、表示基板1150がキャリア1106に取り付けられ、2つの電極1102、1104の間に垂直の向きでメッキ溶液1108中に吊り下げられている。
図11bを見ると、メッキ浴1190が示されており、その中で、表示基板1150が、中央に空洞を有するキャリア1106に取り付けられ、2つの電極1102、1104の間に水平の向きでメッキ溶液1108中に吊り下げられている。
【0064】
ある場合の電気メッキ中、角でのラップアラウンドエッジ電極の厚さ(
図5cのT
角)の差は、エッジ面(
図5cのT
エッジ)または面(
図5cのT
面)でのラップアラウンドエッジ電極の厚さより著しくは小さくないことが保証される。角の厚さ(T
角)が小さいすぎる場合、後のエッチング過程後、またはラップアラウンドエッジ電極に電流を流した後に、不連続性が生じることがある。実験データにより、表示基板がメッキ浴中に垂直の向きで吊り下げられた場合に、厚さの差が最大であることが示されている。この向きにおいて、表面の厚さ(T
面)は、角の厚さ(T
角)の百五十(150)パーセントであり得、エッジ面での厚さ(T
エッジ)は、角の厚さ(T
角)の二百二十五(225)パーセントであり得る。対称的に、水平の向きにおいて、表面の厚さ(T
面)は、角の厚さ(T
角)の百二十(120)パーセント未満であり得、エッジ面での厚さ(T
エッジ)は、角の厚さ(T
角)の百二十(120)パーセント未満であり得る。
【0065】
図9に戻ると、ラップアラウンドエッジ電極を接続した金属配線のレーザ除去が示されている(ブロック916)。無電解メッキが行われる場合、金属配線は含まれないので、無電解メッキを利用する過程では、この過程は行われない。この除去過程では、隣接するラップアラウンドエッジ電極の間に配置された全ての金属が除去され、互いから電気的に絶縁された隣接するエッジ電極が残る。ある場合には、この過程は、ラップアラウンドエッジ電極の間に位置する基板のいくらかをさらに取り除いて、後の過程において溶剤が第2の保護層の下を動くための通路を残す。
図10gを見ると、残っている堆積された金属部分1031により覆われたコア回路(図示せず)、および厚いラップアラウンドエッジ電極1042を持つ基板を有する表示タイル1006の一例が示されている。金属配線1041が除去されていることに留意のこと。様々な実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1042の厚さは、3マイクロメートル(3μm)以上である。いくつかの実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1042の厚さは、4マイクロメートル(4μm)以上である。さらなる実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1042の厚さは、5マイクロメートル(5μm)以上である。いくつかの実施の形態において、ラップアラウンドエッジ電極1042の厚さは、10マイクロメートル(10μm)以上である。
【0066】
図9に戻ると、第3の保護層のレーザ除去により露出された全金属を除去するために、表示タイルにウェットエッチングが行われる(ブロック918)。銅エッチングについて、酢酸、過酸化水素(H
2O
2)との混合リン酸(HPO
3)、または過酸化水素(H
2O
2)との混合硫酸(H
2SO
4)、もしくはHClとの混合FeCl
3が施される。チタンエッチングについて、緩衝酸化物エッチング(buffer oxide etching)(BOE)、または希釈HF、または混合過酸化水素、リン酸水素ナトリウムおよびフルオロケイ酸ナトリウムが使用される。このエッチングにより、表示タイルの周囲に画成された厚いラップアラウンドエッジ電極が残される。次に、第2の保護層および第3の保護層が除去される(ブロック920)。第2と第3の保護層が高分子層である場合、超音波処理の有無にかかわらず、例えば、アルコール、アセトン、または水などの溶剤を使用することができる。
図10hを見ると、コア回路1020および厚いラップアラウンドエッジ電極を持つ基板を有する表示タイル1007の一例が示されている。
【0067】
図12を見ると、流れ
図1200は、レーザ除去過程を使用して、ラップアラウンドエッジ電極を形成するいくつかの実施の形態による方法を示している。流れ
図1200にしたがうと、表示基板の上面および/または下面に構造が形成される(ブロック1202)。その構造は、コア回路およびラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分を含む。コア回路およびラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分は、当該技術分野で公知のどの適切な技術を使用して形成されてもよい。
【0068】
この表示基板は、どの適切な材料、例えば、表示タイルを製造するのに適した任意の所望のサイズおよび/または形状を有する、高分子基板、印刷回路板、金属、ガラス系、セラミック、サファイア、またはシリコン基板から製造されてもよい。いくつかの実施の形態において、その基板は、以下に限られないが、長方形、正方形、または四辺を有する菱形であってよいが、1つ以上の曲線部分または辺を有するものを含む、他の形状および形態が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。様々な実施の形態において、その基板は、約3mm以下の厚さd1を有することがある。いくつかの実施の形態において、基板の厚さは、0.01mmと三(3)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.1mと2.5mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと二(2)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと1.5mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと一(1)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.7mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.5mmの間である。
【0069】
いくつかの実施の形態において、前記基板はガラス系基板である。例えば、そのようなガラス系基板は、アルミノケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルカリホウケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、アルカリアルミノホウケイ酸塩、ソーダ石灰、または他の適切なガラスから作られることがある。ガラス基板としての使用に適した市販のガラスの非限定例としては、例えば、Corning Incorporatedからの「EAGLE XG」、「Lotus」、「Willow」、および「Astra」ガラスが挙げられる。
【0070】
そのコア回路としては、以下に限られないが、基板の上面および下面の一方または両方の中央領域に形成されたか配置された、列駆動回路、行駆動回路、発光ダイオード、および導電相互接続が挙げられるであろう。ある場合には、コア回路の少なくとも一部を形成するために、薄膜トランジスタ技術が使用される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、コア回路に組み込める様々な回路および/または相互接続が認識されるであろう。様々なラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分が、基板の周囲に形成され、コア回路内の接触位置から基板のエッジまで延在する。
図13aを見ると、基板の中央領域にあるコア回路1320および周囲のラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分1310を有する表示タイル1300の一例が示されている。
【0071】
図12に戻ると、表面電極部分を保護するために、表示基板の外周囲に第1の保護層が形成される(ブロック1204)。第1の保護層は、表面電極部分を露出するための材料の最終的な除去を含む様々な過程中に表面電極部分を保護することのできるどの材料から作られてもよい。さらに、第1の保護層の材料の施用は、当該技術分野で公知のどの適切な施用過程を使用して行われてもよい。いくつかの実施の形態において、表面電極部分を保護するために、基板の周囲にポリイミド(PI)テープが施される。他の実施の形態において、表面電極部分を保護するために、基板の周囲に、PI、ポリウレタン(PU)、および/または環状オレフィン共重合体の1つ以上の組合せが施される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態にしたがって第1の保護層を形成するために使用できる様々な材料および施用過程が認識されるであろう。
図13bを見ると、中央領域にあるコア回路1320および第1の保護層1311で覆われた表面電極部分(図示せず)を有する表示タイル1301の一例が示されている。
【0072】
図12に戻ると、加工中にコア回路、相互接続、および他の構造を保護するために、基板のコア構造を覆って、第2の保護層が形成される(ブロック1206)。第2の保護層は、第1の保護層の材料および第2の保護層の材料の最終的な除去を含む様々な過程中にコア構造を保護することのできるどの材料から作られてもよい。さらに、第2の保護層の材料の施用は、当該技術分野で公知のどの適切な施用過程を使用して行われてもよい。いくつかの実施の形態において、標準的な薄膜トランジスタ保護材料が、コア構造を覆って堆積される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態にしたがって第2の保護層を形成するために使用である様々な材料および施用過程が認識されるであろう。
図13cを見ると、第2の保護層1321で覆われたコア回路(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル1302の一例が示されている。いくつかの実施の形態において、第2の保護層は、コア構造および第1の保護層の少なくとも一部の両方を覆うことに留意すべきである。
【0073】
図12を見ると、第1の保護層が除去されて、表面電極部分が露出される(ブロック1208)。これは、コア構造を覆う第2の保護層を残しつつ、表示基板を、第1の保護層を除去する化学および/または機械過程に曝すことによって行われる。例えば、第1の保護層がPIテープである場合、第1の保護層の除去は、PIテープを表示タイルから剥がすことによって行われる。第2の保護層が第1の保護層を少なくとも部分的に覆っている場合、第1の保護層の除去により、第1の保護層を覆って配置された第2の保護層のどの部分も除去される。
図13dを見ると、第2の保護層1321により覆われたコア回路(図示せず)および露出された表面電極部分1310を持つ基板を有する表示タイル1303の一例が示されている。
【0074】
図12に戻ると、薄い金属コーティング(すなわち、厚さが2マイクロメートル(2μm)以下)を生じるために、表示タイルの全表面を覆って金属が堆積される(ブロック1210)。金属を堆積させるどの過程を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、金属堆積は、純粋な銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、またはそれらの組合せをスパッタリングする工程を含む。他の場合には、純金属は、Ti/Cu、TiW/Cu、TiN/Cu、Cr/Cuなどの二重層構造であり、式中、Ti、TiW、TiNまたはCrは、純金属と基板との間の接着層である。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態に関して使用できる様々な金属または他の導体材料、および/または選択された金属または他の導体材料で表示タイルを覆うために使用できる様々な過程が認識されるであろう。
図13eを見ると、堆積された金属1330で覆われたコア回路(図示せず)および表面電極部分(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル1304の一例が示されている。堆積された金属1330は、表示タイルの全ての面を覆っている。
【0075】
図12に戻ると、表示基板の全面を厚い金属層(すなわち、厚さが2マイクロメートル(2μm)以上)で覆うために、電気メッキまたは無電解メッキのいずれかが施される(ブロック1212)。
図13fを見ると、メッキされた金属1331で覆われたコア回路(図示せず)および表面電極部分(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル1305の一例が示されている。メッキされた金属1331は、表示タイルの全ての面を覆っている。
【0076】
図12に戻ると、表示基板の全面を覆う第3の保護層が形成される(ブロック1214)。いくつかの実施の形態において、第3の保護層の材料は、エッチング過程中に高いエッチング耐性を示す有機材料である。
図13gを見ると、第3の保護層1360で覆われたコア回路(図示せず)および表面電極部分(図示せず)を持つ基板を有する表示タイル1305の一例が示されている。第3の保護層1360は、表示タイルの全ての面を覆っている。
【0077】
図12に戻ると、表示基板の周囲にラップアラウンドエッジ電極の位置を規定するために、第3の保護層の一部のレーザ除去が行われる(ブロック1216)。そのようなレーザ除去は、表示タイルの周囲に沿って行われ、表示装置の第一面から、表示装置のエッジを周り、表示装置の第二面まで延在する、ラップアラウンド電極が望ましくない区域からの第3の保護層の全ての除去を含む。いくつかの実施の形態において、レーザ除去のこの過程は、表示タイルをレーザエネルギー源に対して三次元で動かせるように、表示タイルをレーザエネルギー源に関連して搭載することによって行われる。金属にレーザエネルギーを施すと、第3の保護層の材料が取り除かれる。
図13hを見ると、第3の保護層1360で覆われたコア回路(図示せず)およびラップアラウンドエッジ電極が望ましくない、厚く堆積された金属1331の露出部分1312を持つ基板を有する表示タイル1307の一例が示されている。
【0078】
第3の保護層のレーザ除去によって露出された全金属を除去するために、表示タイルにウェットエッチングが行われる(ブロック1218)。銅エッチングについて、酢酸、過酸化水素(H
2O
2)との混合リン酸(HPO
3)、または過酸化水素(H
2O
2)との混合硫酸(H
2SO
4)、もしくはHClとの混合FeCl
3が施される。チタンエッチングについて、緩衝酸化物エッチング(BOE)、または希釈HF、または混合過酸化水素、リン酸水素ナトリウムおよびフルオロケイ酸ナトリウムが使用される。このエッチングにより、表示タイルの周囲に画成された厚いラップアラウンドエッジ電極が残される。
図13iを見ると、第3の保護層1360で覆われたコア回路(図示せず)および表示タイルの周囲に画成された厚いラップアラウンドエッジ電極1313を持つ基板を有する表示タイル1308の一例が示されている。
図12に戻ると、第3の保護層および第2の保護層が除去される(ブロック1220)。第2と第3の保護層が高分子層である場合、超音波処理の有無にかかわらず、例えば、アルコール、アセトン、または水などの溶剤を使用することができる。
図13jを見ると、コア回路1020および表示タイルの周囲に画成された厚いラップアラウンドエッジ電極1313を持つ基板を有する表示タイル1309の一例が示されている。
【0079】
図14を見ると、流れ
図1400は、レーザ除去過程を使用して、ラップアラウンドエッジ電極を形成するいくつかの実施の形態による方法を示している。流れ
図1400にしたがうと、表示基板の上面および/または下面にコア回路が形成される(ブロック1402)。コア回路は、当該技術分野で公知のどの適切な技術を使用して形成してもよい。
【0080】
この表示基板は、どの適切な材料、例えば、表示タイルを製造するのに適した任意の所望のサイズおよび/または形状を有する、高分子基板、印刷回路板、金属、ガラス系、セラミック、サファイア、またはシリコン基板から製造されてもよい。いくつかの実施の形態において、その基板は、以下に限られないが、長方形、正方形、または四辺を有する菱形であってよいが、1つ以上の曲線部分または辺を有するものを含む、他の形状および形態が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。様々な実施の形態において、その基板は、約3mm以下の厚さd1を有することがある。いくつかの実施の形態において、基板の厚さは、0.01mmと三(3)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.1mと2.5mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと二(2)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと1.5mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと一(1)mmの間である。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.7mmの間である。様々な実施の形態において、基板厚さは、0.3mmと0.5mmの間である。
【0081】
いくつかの実施の形態において、前記基板はガラス系基板である。例えば、そのようなガラス系基板は、アルミノケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルカリホウケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、アルカリアルミノホウケイ酸塩、ソーダ石灰、または他の適切なガラスから作られることがある。ガラス基板としての使用に適した市販のガラスの非限定例としては、例えば、Corning Incorporatedからの「EAGLE XG」、「Lotus」、「Willow」、および「Astra」ガラスが挙げられる。
【0082】
そのコア回路としては、以下に限られないが、基板の上面および下面の一方または両方の中央領域に形成されたか配置された、列駆動回路、行駆動回路、発光ダイオード、および導電相互接続が挙げられるであろう。ある場合には、コア回路の少なくとも一部を形成するために、薄膜トランジスタ技術が使用される。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、コア回路に組み込める様々な回路および/または相互接続が認識されるであろう。様々なラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分が、基板の周囲に形成され、コア回路内の接触位置から基板のエッジまで延在する。
図15aを見ると、基板の中央領域にあるコア回路1520および周囲のラップアラウンドエッジ電極の表面電極部分1510を有する表示タイル1500の一例が示されている。
【0083】
図14に戻ると、表示基板の全表面を覆って、保護層が形成される(ブロック1404)。
図15bを見ると、表示タイルの全表面を覆って形成された保護層1560と共に中央領域にコア回路(図示せず)を含む基板を有する表示タイル1501の一例が示されている。
【0084】
図14に戻ると、表示基板の周囲にラップアラウンドエッジ電極の位置を規定するために、保護層の一部のレーザ除去が行われる(ブロック1406)。電気メッキを後の過程で使用すべき場合、このレーザ除去により、規定されたラップアラウンドエッジ電極にほぼ垂直に延在する金属配線が残り、結果として、ラップアラウンドエッジ電極の間に電気的接続が生じる。そのようなレーザ除去は、表示タイルの周囲に沿って行われ、表示装置の第一面から、表示装置のエッジを周り、表示装置の第二面まで延在し、ラップアラウンド電極が望ましくない区域からの保護層の全ての除去を含む。いくつかの実施の形態において、レーザ除去のこの過程は、表示タイルをレーザエネルギー源に対して三次元で動かせるように、表示タイルをレーザエネルギー源に関連して搭載することによって行われる。このレーザエネルギーの金属への施用により、保護層の材料が取り除かれる。
図15cを見ると、保護層1560で覆われたコア回路(図示せず)およびラップアラウンドエッジ電極が望ましい露出部分1512を持つ基板を有する表示タイル1502の一例が示されている。
【0085】
図14に戻ると、薄い金属コーティング(すなわち、厚さが2マイクロメートル(2μm)以下)を生じるために、表示タイルの全表面を覆って金属が堆積される(ブロック1408)。金属を堆積させるどの過程を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、金属堆積は、純粋な銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、またはそれらの組合せをスパッタリングする工程を含む。他の場合には、純金属は、Ti/Cu、TiW/Cu、TiN/Cu、Cr/Cuなどの二重層構造であり、式中、Ti、TiW、TiNまたはCrは、純金属と基板との間の接着層である。ここに与えられた開示に基づいて、当業者には、異なる実施の形態に関して使用できる様々な金属または他の導体材料、および/または選択された金属または他の導体材料で表示タイルを覆うために使用できる様々な過程が認識されるであろう。後で、表示基板の全面を厚い金属層(すなわち、厚さが2マイクロメートル(2μm)以上)で覆うために、金属メッキまたは無電解メッキのいずれかが施される。電気メッキに使用するために、金属配線が含まれる場合、その金属配線はレーザアブレーションにより除去される。
【0086】
図14に戻ると、保護層が除去される(ブロック1412)。保護層が高分子層である場合、超音波処理の有無にかかわらず、例えば、アルコールおよびアセトンなどの溶剤を使用することができる。
図15dを見ると、コア回路1520および表示タイルの周囲に画成された厚いラップアラウンドエッジ電極1513を持つ基板を有する表示タイル1509の一例が示されている。
【0087】
結論として、エッジ電極に関する様々な新規のシステム、装置、方法および配置。1つ以上の実施の形態の詳細な説明が先に与えられてきたが、本開示の精神と異ならずに、様々な代替案、改変、および等価物が当業者に明白であろう。したがって、先の説明は、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、その範囲は、付随の特許請求の範囲によって定義される。
【0088】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0089】
実施形態1
表示タイルにおいて、
第一面および第二面を有する基板であって、該基板の外周囲の少なくとも一部に沿って該第一面と該第二面との間に延在する側面を有する基板、および
前記基板の第一面上の第1の接触位置から前記側面を周り前記第二面上の第2の接触位置まで延在する電極であって、該電極に対して垂直に、該第一面に対して平行に測定される該電極の断面幅は、200マイクロメートル以下であり、該第一面から該電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さは、200ナノメートル以上である、電極、
を備えた表示タイル。
【0090】
実施形態2
前記表示タイルが、
前記第二面上またはその近くに配置された回路、および
前記第一面上またはその近くに配置された電気素子、
をさらに含み、
前記電極が、前記回路を前記電気素子と電気的に接続する、実施形態1に記載の表示タイル。
【0091】
実施形態3
前記回路が行ドライバーであり、前記電気素子が画素素子である、実施形態2に記載の表示タイル。
【0092】
実施形態4
前記画素素子が、LED、マイクロLED、LCD表示素子、OLED表示素子、CMOS素子、およびトランジスタ素子からなる群より選択される、実施形態3に記載の表示タイル。
【0093】
実施形態5
前記第一面から前記電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される前記電極の最小厚さが、5マイクロメートル以上である、実施形態1に記載の表示タイル。
【0094】
実施形態6
前記第一面から前記電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される前記電極の最小厚さが、8マイクロメートル以上である、実施形態1に記載の表示タイル。
【0095】
実施形態7
前記基板がガラス系基板である、実施形態1に記載の表示タイル。
【0096】
実施形態8
前記第一面に垂直であり、該第一面と前記第二面との間に延在する線に沿った距離として測定される、前記側面の厚さが、三(3)ミリメートル以下である、実施形態1に記載の表示タイル。
【0097】
実施形態9
前記電極が、98パーセント超の純度の純金属から形成される、実施形態1に記載の表示タイル。
【0098】
実施形態10
前記純金属が、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、または銅(Cu)と、銀(Ag)と、金(Au)と、ニッケル(Ni)との任意の組合せからなる群より選択される、実施形態9に記載の表示タイル。
【0099】
実施形態11
マルチ基板デバイスを製造する方法において、
少なくとも、基板の第一面、該基板の第二面、および該基板の外周囲の一部に沿って該第一面と該第二面との間に延在する該基板の側面を覆って導体材料を堆積させる工程、および
前記基板の第一面から前記側面を周り前記第二面まで延在する前記導体材料の一部をレーザ除去して、該第一面上の第1の接触位置を該第二面上の第2の接触位置に電気的に接続する該導体材料から形成された複数の電極を残す工程、
を有してなる方法。
【0100】
実施形態12
前記電極に対して垂直に、前記第一面に対して平行に測定される該電極の断面幅が、200マイクロメートル以下であり、該第一面から該電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さが、2マイクロメートル以下である、実施形態11に記載の方法。
【0101】
実施形態13
前記方法が、
前記第二面上またはその近くに回路を形成する工程、および
前記第一面上またはその近くに電気素子を接続する工程、
をさらに含み、
前記電極が、前記回路を前記電気素子に電気的に接続する、実施形態11に記載の方法。
【0102】
実施形態14
前記回路が行ドライバーであり、前記電気素子は画素素子である、実施形態13に記載の方法。
【0103】
実施形態15
前記画素素子が、LED、マイクロLED、LCD表示素子、OLED表示素子、CMOS素子、およびトランジスタ素子からなる群より選択される、実施形態13に記載の方法。
【0104】
実施形態16
前記第一面から前記電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さが3マイクロメートル以上であるように該電極にメッキ材料をメッキする工程、
をさらに含む、実施形態11に記載の方法。
【0105】
実施形態17
前記メッキする工程が、電気メッキおよび無電解メッキからなる群より選択されるメッキ過程を使用して行われる、実施形態16に記載の方法。
【0106】
実施形態18
前記第一面から前記電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さが5マイクロメートル以上である、実施形態16に記載の方法。
【0107】
実施形態19
前記第一面から前記電極の反対の面まで該第一面に垂直に測定される該電極の最小厚さが8マイクロメートル以上である、実施形態16に記載の方法。
【0108】
実施形態20
前記基板がガラス系基板である、実施形態16に記載の方法。
【0109】
実施形態21
前記メッキ材料が純金属である、実施形態16に記載の方法。
【0110】
実施形態22
前記純金属が、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、または銅(Cu)と、銀(Ag)と、金(Au)と、ニッケル(Ni)との任意の組合せからなる群より選択される、実施形態16に記載の方法。
【0111】
実施形態23
マルチ基板デバイスを製造する方法において、
基板の第一面、該基板の第二面、および該基板の外周囲の一部に沿って該第一面と該第二面との間に延在する該基板の側面の少なくとも一部を覆って導体材料を形成する工程、
前記第一面、前記第二面、および前記側面の各々の少なくとも一部を覆って保護層を形成する工程、
複数の電極の間の開放区域に対応する前記保護層の部分をレーザ除去する工程、および
エッチングして、前記レーザ除去する工程によって露出された区域から前記導体材料を除去する工程であって、該複数の電極の各々が、前記基板の第一面上の第1の接触位置から前記側面を周り前記第二面上の第2の接触位置まで延在する工程、
を有してなる方法。
【0112】
実施形態24
前記基板の第一面、該基板の第二面、および該基板の側面の前記少なくとも一部を覆って導体材料を形成する工程が、金属スパッタリングおよび金属メッキの組合せを含む、実施形態23に記載の方法。
【0113】
実施形態25
前記金属メッキが、電気メッキおよび無電解メッキからなる群より選択される、実施形態24に記載の方法。
【0114】
実施形態26
マルチ基板デバイスを製造する方法において、
基板の第一面、該基板の第二面、および該基板の外周囲の一部に沿って該第一面と該第二面との間に延在する該基板の側面の少なくとも一部を覆って保護層を形成する工程、
複数の電極の間の開放区域に対応する前記保護層の部分をレーザ除去する工程、
前記基板の第一面、該基板の第二面、および該基板の側面の前記一部の少なくとも一部を覆って導体材料を形成する工程、および
前記保護層を除去して、前記導体材料から形成された複数の電極を残す工程であって、該複数の電極の各々は、前記基板の第一面上の第1の接触位置から前記側面を周り前記第二面上の第2の接触位置まで延在する工程、
を有してなる方法。
【0115】
実施形態27
前記基板の第一面、該基板の第二面、および該基板の側面の前記一部の少なくとも一部を覆って前記導体材料を形成する工程が、金属スパッタリングおよび金属メッキの組合せを含む、実施形態26に記載の方法。
【0116】
実施形態28
前記金属メッキが、電気メッキおよび無電解メッキからなる群より選択される、実施形態27に記載の方法。
【符号の説明】
【0117】
50、150、250、800~806、1000~1007、1300~1309、1500、1501、1503、1504 表示タイル
52、152、306 基板
55、155 第一面
56、156 外周囲
58、158 画素素子
60、160 行
62、162 行電極
65、165 行ドライバー
70、170 列
72、172 列電極
75、175 列ドライバー
154 エッジ面
157 第二面
304 導体
400 ディスプレイ
810、1010、1310 表面電極部分
811、1011、1560 保護層
820、1020、1320、1520 コア回路
821、1021 第2の保護層
830、1030、1330 堆積された金属
831、1031 コア部分に残っている堆積された金属
840、1040、1042、1313 ラップアラウンドエッジ電極
1041 金属配線
1102、1104 電極
1106 キャリア
1150 表示基板
1180、1190 メッキ浴
1311 第1の保護層
1312、1512 露出部分
1321 第2の保護層
1331 厚く堆積された金属、メッキされた金属
1360 第3の保護層
【国際調査報告】