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特表2022-552801オレフィンブロックコポリマーとともにリサイクルポリオレフィンを使用した付加製造、およびそれから造形された物品
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  • 特表-オレフィンブロックコポリマーとともにリサイクルポリオレフィンを使用した付加製造、およびそれから造形された物品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】オレフィンブロックコポリマーとともにリサイクルポリオレフィンを使用した付加製造、およびそれから造形された物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 37/14 20060101AFI20221213BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20221213BHJP
   D01F 8/06 20060101ALI20221213BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20221213BHJP
   C08K 11/00 20060101ALI20221213BHJP
   C08F 295/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B32B37/14 A
B32B27/32 Z
D01F8/06
C08L23/00
C08K11/00
C08F295/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022520558
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 US2020054499
(87)【国際公開番号】W WO2021071889
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/913,762
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ゴリン、クレイグ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】リー、チュン
(72)【発明者】
【氏名】タクレ、ピユシュ
(72)【発明者】
【氏名】ツォン、ヨンチャオ
【テーマコード(参考)】
4F100
4J002
4J026
4L041
【Fターム(参考)】
4F100AA01B
4F100AA01C
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100AK03B
4F100AK03C
4F100AK05
4F100AK05B
4F100AK05C
4F100AK06
4F100AK06B
4F100AK06C
4F100AL02
4F100AL02B
4F100AL02C
4F100AL07B
4F100AL07C
4F100AT00A
4F100BA03
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB00B
4F100CB00C
4F100DG01
4F100DG01B
4F100DG01C
4F100DG10B
4F100DG10C
4F100EH17
4F100EH17B
4F100EH17C
4F100JA06
4F100JB16B
4F100JB16C
4F100JL16
4F100JL16B
4F100JL16C
4F100YY00B
4F100YY00C
4J002BB03W
4J002BB15X
4J002BP02X
4J002FD016
4J026HD03
4J026HD04
4J026HE01
4L041BA05
4L041BA06
4L041BA46
4L041BC04
4L041BD03
4L041CA40
(57)【要約】
(i)熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量%のポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量%のオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、熱可塑性材料を提供することであって、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%の混入物を含む、提供することと、(ii)当該熱可塑性材料を、ノズルを通して加熱および吐出して、基材上に堆積された押出物を形成することと、(iii)所定のパターンで基材とノズルとの間に水平変位が存在するように、熱可塑性材料を吐出しながら基材、ノズル、またはそれらの組み合わせを移動させ、基材上に材料の初期層を形成することと、(iv)ステップ(ii)および(iii)を繰り返して、初期層上に接着した材料の後続の層を形成することと、(v)任意選択でステップステップ(ii)および(iii)を繰り返して、追加の後続の層を形成することと、を含む、方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造物品を形成するための付加製造の方法であって、
(I)熱可塑性材料であって、前記熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、前記熱可塑性材料を提供することであって、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、提供することと、
(ii)前記熱可塑性材料を、ノズルを通して加熱および吐出して、基材上に堆積された押出物を形成することと、
(iii)所定のパターンで前記基材と前記ノズルとの間に水平変位が存在するように、前記熱可塑性材料を吐出しながら前記基材、前記ノズル、またはそれらの組み合わせを移動させ、前記基材上に前記材料の初期層を形成することと、
(iv)ステップ(ii)および(iii)を繰り返して、前記初期層上に接着した前記材料の後続の層を形成することと、
(v)任意選択でステップステップ(ii)および(iii)を繰り返して、前に形成された後続の層に接着された追加の後続の層を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の前記ポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の前記混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記混入物の量は、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、前記ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アイソタクチックポリプロピレンブロックは、前記オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、前記ポリエチレンリッチブロックである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリエチレンリッチブロックは、前記ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記ブロック複合材料または前記結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記付加製造物品は、プロトタイプである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記熱可塑性材料は、前記ノズルに引き込まれ、かつ前記ノズル内で溶融されるフィラメントに形成される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
互いに接着された少なくとも2つの層から構成された付加製造物品であって、少なくとも1つの層は、熱可塑性材料であって、前記熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、前記熱可塑性材料から構成され、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、付加製造物品。
【請求項14】
付加製造に有用なフィラメントであって、熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含み、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、フィラメント。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月11日に出願された米国出願第62/913,762号の利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野は、熱可塑性ポリマー材料(例えば、ペレット、粉末、またはフィラメントの形態)が、加熱(例えば、溶融)によって軟化され、例えば、ノズルを通して前進および加熱され、プラテン上に堆積されるフィラメントを使用して押し出される付加製造の方法である。(一般的に、融解フィラメント造形またはFFFと呼ばれる)。
【背景技術】
【0003】
熱可塑性ポリマー(典型的にはナイロン)の付加製造はよく知られている。例えば、一般的にプラスチックジェット印刷とも呼ばれる融解フィラメント造形(FFF)は、ノズルに引き込まれ、加熱され、溶融され、次いで押し出される熱可塑性フィラメントを使用することによって3次元(3D)部品を形成するために使用されている。押し出されたフィラメントは、冷却時に一緒に融解する(例えば、米国特許第5,121,329号を参照)。この技術は、フィラメントの溶融および押し出しを必要とするため、材料は熱可塑性ポリマー(典型的にはナイロン)および複雑な装置に限定されていた。
【0004】
低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリオレフィン(PP)、および/またはそれらの組み合わせなどのポリオレフィンを、重要なまたは主要なまたは主な成分として含むポストコンシューマリサイクルストリームなどのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン(PCRPO)ストリームの有用性を見出すことが望まれている。しかしながら、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリプロピレンなどの特定の配向で結晶形成を示すポリマーも、FFFなどの付加製造中、反りやすく、適切に印刷されない傾向がある。これらの問題は、より大きな部品(例えば、2平方インチを超える断面積)を形成しようとすると特に深刻になる可能性がある。PCRPOストリームの使用はまた、ストリーム内の混入物の存在を含む組成の変動により、付加製造でも問題を有する可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
付加製造の方法であって、
(i)5~75重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマーを含む熱可塑性材料を提供することと、
(ii)当該熱可塑性材料を、ノズルを通して加熱および吐出して、基材上に堆積された押出物を形成することと、
(iii)所定のパターンで基材とノズルとの間に水平変位が存在するように、熱可塑性材料を吐出しながら基材、ノズル、またはそれらの組み合わせを移動させ、基材上に材料の初期層を形成することと、
(iv)ステップ(ii)および(iii)を繰り返して、初期層上に接着した材料の連続層を形成して、付加製造部品を形成することと、を含む、方法が、本明細書に開示されている。
【0006】
一緒に接着された少なくとも2つの層から構成された付加製造物品であって、少なくとも1つの層は、5~75重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマーを含む、付加製造物品も開示されている。
【0007】
付加製造に有用なフィラメントであって、5~75重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマーを含む複数の層を含むフィラメントを含む、フィラメントも開示されている。
【0008】
改良された付加製造法は、物品のラピッドプロトタイピングに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の方法によって造形された本発明の付加製造物品の側面図である。
図2】本発明の方法で形成される初期層の押出物の端面図である。
図3】本発明の方法の完成した初期層の端面図である。
図4】本発明の方法による付加製造物品の一例の写真である。
図5】本発明の方法による付加製造物品の一例の写真である。
図6】印刷試験の失敗がどのように見えるかを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
方法
付加製造方法は、熱可塑性組成物を加熱し、連続層に押し出して物品を構築する任意の適切な装置および方法を使用することができる。例えば、当技術分野で知られているようなFFF付加製造は、加熱する、吐出する、繰り返す、および任意選択で除去する方法ステップのステップを含むことができる。本方法は、以前に作製され、次いで既知のFFF印刷装置に装填されたフィラメントを利用することができる。代替的に、フィラメントは、熱可塑性組成物のペレットを利用することができる。代替的に、熱可塑性組成物の成分を供給し、溶融ブレンドしてから、押し出すことができる。熱可塑性材料は、機器内で(例えば、ノズルで)加熱して、軟化(例えば、溶融)され、以下のような付加製造を形成しながら、従来の方法で押出物として押し出すことができる。
【0011】
図1図3を参照すると、この方法は、ノズルアセンブリ110に取り付けられたノズル100を通して熱可塑性材料を加熱し、吐出することを含む。材料を吐出すると、基材150上に初期層130および連続層140を形成する押出物120を形成する。ノズルアセンブリ110は、基材に直交するように描かれているが、押出物を形成するための任意の有用な角度に設定することができ、押出物120およびノズルアセンブリ110は鈍角を形成し、押出物120は基材に対して平行である。さらに、図1図3に示すように、ノズルアセンブリ110は、例えば、ノズル100の開口の形状を再配向させて、基材150と異なる関係を有する押出物120を生成するために、その長手方向軸の周りに回転させることができる。
【0012】
基材150とノズルアセンブリ110との相対運動も示されているが、基材150、ノズルアセンブリ110、またはそれらの両方を移動させて、任意の水平方向または垂直方向の相対運動を生じさせることができることが理解される。動作は所定の様式で行われ、これは任意の知られたCAD/CAM方法および装置、例えば、当技術分野において周知のもの、および容易に入手可能なロボットまたはコンピュータ化された工作機械のインタフェースによって達成され得る。そのようなパターン形成は、例えば、米国特許第5,121,329号に記載されている。
【0013】
押出物120は、連続的に吐出されてもよく、または中断されて初期層130および連続層140を形成してもよい。中断された押出物120が望ましい場合、ノズルは、材料の流れを遮断するためのバルブ(図示せず)を備えてもよい。そのようなバルブ機構は、パターンと関連して任意のCAD/CAM方法により容易に制御することができる任意の知られた電気機械バルブなどの任意の好適なものであってもよい。中断は、隙間160を作成する可能性があり、これは、隙間として残るか、またはノズルからのその後の堆積において同じまたは異なる押出物120で充填される可能性がある。
【0014】
接着性を改善するために、基材は、ポリプロピレンテープまたはポリエチレンテープなどの適合性のある材料のコーティングまたはフィルムを有し得る。
【0015】
2つ以上のノズルアセンブリ110を用いて、付加製造部品内に複合構造または勾配構造を作製することができる。同様に、米国特許第5,503,785号に記載されているように、より複雑な幾何構造を形成させるため、後に除去され得る支持構造を吐出するように第2のノズルアセンブリ110が使用されてもよい。支持体材料は、支持体を追加し、容易に除去することができる任意のもの、例えば、ワックスなどの当技術分野において知られているものであってもよい。
【0016】
熱可塑性材料
本方法は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン(PCRPO)組成物およびオレフィンブロックコポリマー組成物を含む熱可塑性材料を使用する。
【0017】
PCRPO
ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン(PCRPO)組成物は、消費者向け製品もしくは容器、または産業スクラップに由来する。PCRPO組成物の供給源には、例えば、ボトルキャップおよびクロージャ、牛乳、水またはオレンジジュースの容器、洗剤ボトル、オフィスオートメーション機器(プリンタ、コンピュータ、コピー機など)、白物家電(冷蔵庫、洗濯機など)、家電製品(テレビ、ビデオカセットレコーダ、ステレオなど)、自動車のシュレッダーダスト(シュレッドされた自動車および金属リサイクル業者によって「シュレッド」された他の金属が豊富な製品から金属のほとんどが選別された後に残る混合材料)、包装廃棄物、家庭廃棄物、ロトモールド部品(カヤック/冷却器)、建築廃棄物、産業用成形および押出スクラップが含まれ得る。
【0018】
PCRPO組成物は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのポリオレフィンを含む。PCRPO組成物は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の総重量に基づいて、最大99.9重量パーセント、または最大99.5重量パーセント、または最大99重量パーセント、または最大98重量パーセント、または最大97重量パーセント、または最大96重量パーセント、または最大95重量パーセント、または最大90重量パーセントのポリオレフィンを含むことができる。
【0019】
PCRPO中のポリオレフィンは、リサイクルストリームに見出される任意のポリオレフィンであり得る。例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MDPE、ULDPE、ポリプロピレン(PP)、官能化ポリエチレン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせ。
【0020】
「LDPE」という用語はまた、「高圧エチレンポリマー」、または「高分岐ポリエチレン」とも称され得、ポリマーが、過酸化物(例えば、参照により組み込まれる、US4,599,392を参照されたい)などの、フリーラジカル開始剤を使用して、14,500psi(100MPa)を上回る圧力で、オートクレーブまたは管状反応器中で、部分的または完全に、ホモ重合または共重合されることを意味するように定義される。LDPE樹脂は、典型的には、0.916~0.935g/cmの範囲内の密度を有する。
【0021】
「LLDPE」という用語は、伝統的なチーグラー・ナッタ触媒系およびクロム系触媒、ならびにビス-メタロセン触媒(「m-LLDPE」と称されることもある)および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されないシングルサイト触媒を使用して作製される樹脂の両方を含み、かつ直鎖状、実質的に直鎖状、または不均質なポリエチレンコポリマーまたはホモポリマーを含む。LLDPEは、LDPEほど長くない鎖分岐を含有し、米国特許第5,272,236号、米国特許第5,278,272号、米国特許第5,582,923号、および米国特許第5,733,155号でさらに定義される実質的に直鎖状エチレンポリマー、米国特許第3,645,992号にあるものなどの均一に分岐した直鎖状エチレンポリマー組成物、米国特許第4,076,698号に開示されるプロセスに従って調製されたものなどの不均一に分岐したエチレンポリマー、ならびに/または(US3,914,342またはUS5,854,045に開示されるものなどの)それらのブレンドを含む。LLDPEは、当該技術分野において既知である任意の種類の反応器または反応器構成を使用して、気相、液相、もしくはスラリー重合、またはそれらの任意の組み合わせによって作製することができる。
【0022】
「MDPE」という用語は、0.926~0.935g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。「MDPE」は、典型的には、クロムもしくはチーグラー・ナッタ触媒を使用して、またはビスメタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むがこれらに限定されないシングルサイト触媒を使用して作製され、典型的には、2.5を超える分子量分布(「MWD」)を有する。
【0023】
「HDPE」という用語は、一般にチーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはビス-メタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されることはないシングルサイト触媒を用いて調製される、約0.935g/cm超~約0.970g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。
【0024】
「ULDPE」という用語は一般に、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはビス-メタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むがこれらに限定されないシングルサイト触媒を用いて調製される、0.880~0.912g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。
【0025】
「ポリプロピレン」とは、プロピレンモノマーから誘導された単位を50重量%より多く含むポリマーを意味する。これは、ポリプロピレンホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマーから誘導された単位を意味する)を含む。当該技術分野で知られているポリプロピレンの一般的な形態としては、ホモポリマーポリプロピレン(hPP)、ランダムコポリマーポリプロピレン(rcPP)、インパクトコポリマーポリプロピレン(hPP+、少なくとも1つのエラストメリック耐衝撃性改良剤)(ICPP)または高耐衝撃性ポリプロピレン(HIPP)、高溶融強度ポリプロピレン(HMS-PP)、イソタクチックポリプロピレン(iPP)、シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
「官能化ポリオレフィン」は、炭素および水素以外の原子を含むポリオレフィンであり、例えば、官能化ポリオレフィンは、ヒドロキシル、アミン、アルデヒド、エポキシド、エトキシレート、カルボン酸、エステル、無水物基、またはそれらの組み合わせで修飾され得る。一般に、官能化ポリオレフィンは、エチレン/アクリル酸コポリマー(例えば、PRIMACOR(商標)(SK Globalの商標NUCREL(商標)(The Dow Chemical Companyの商標)、およびESCOR(商標)(ESCORはExxon Corporationの商標である)の商品名で販売されているポリマー)、エチレン/メタクリル酸コポリマー(例えば、NUCREL(商標)の商品名で販売されているポリマー)、無水マレイン酸修飾ポリオレフィン(例えば、LICOCENE(商標)(Clariant AG Corporationの商標)、EPOLENE(商標)(EPOLENEはWestlake Chemical Corporationの商標)、およびMORPRIME(商標)(Rohm and Hass Chemicals LLCの商標)の商品名で販売されているポリマー)を含むプロトン化(-COOH)または非プロトン化(-COO-)酸基または酸性塩などの官能基を含む。酢酸ビニルで修飾されたもの(ELVAX、Dow Chemical Companyからの)、アクリレートで修飾されたもの(DuPontから入手可能なELVALOY)、およびAMPLIFY(Dow))などのエチレンエステルコポリマー。同様に、官能化ポリオレフィンの後続のアイオノマーは、Zn、Na、Mg、またはKなどの金属からのカチオンによる中和によって形成され、例としては、Dow Chemical Companyから入手可能なSURLYNがある。
【0027】
PCRPO組成物は、主に、PCRPO組成物が由来する物品およびそのような物品の使用から生じる混入物を含む。そのような混入物の例には、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0028】
混入物の量は、少なくとも0.1、または0.5、または少なくとも1、または少なくとも2、または少なくとも3、または少なくとも4、または少なくとも5、または少なくとも10重量パーセントであり得る。混入物の量は、総重量またはPCRPO組成物に基づいて、最大50、または最大40、または最大30、または最大25、または最大20、または最大15、または最大10、または最大5重量パーセントの混入物の総量であり得る。混入物が、例えば、ナイロン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルキレンビニルアルコール(例えば、エチレンビニルアルコール(EVOH)など)などの他のポリマー材料を含む場合、より大量の混入物が発生し得る。
【0029】
PCRPOは、少なくとも100、または少なくとも150、または少なくとも200mm/24.6cmのサンプルのゲル指数(200ミクロン)を有することができる。例えば、24.6cmの単位サンプル量は、各ゲル測定で検査することができる。検査は、光源を有するゲルカウンタ、ライン走査カメラ(例えば、光学制御システム(OCS)FSA100カメラ(25um解像度))、およびイメージングプロセッサを使用して行うことができる。ゲルカウンタは、フィルムが光源とカメラの間を通過する透過モードで構成することができる。分析には、フィルムサンプルを光源で照らすことが含まれ得る。カメラは、フィルムを透過した光の強度を測定することができる。フィルムに存在するゲルは、光を屈折または遮断し、カメラに到達する光の量を減らす。このようにして、ゲルのデジタル化された画像を作成することができる。デジタル化されたゲルの面積は、ピクセル数を合計することで決定することができ、それは含む。ゲルの直径は、同等の面積を有する円の直径を計算することによって割り当てられる。24.6cmのサンプル体積は、厚さ76ミクロンのフィルムの0.323mの検査面積に対応する。各測定において、直径200ミクロン未満のすべてのゲルの総面積が決定される。そのような測定を50回実行することができる。総ゲル面積の平均値は、測定の総回数(例えば、50)に基づいて計算され、検査されたサンプル(例えば、24.6立方センチメートルのサンプル)の体積当たりのmmで表される。バージンポリオレフィン樹脂のゲル指数は、通常、サンプルの約10mm/24.6cm未満である。PCRPOは、混入のため、また材料が物品にされ、使用され、回収されたため、より高いゲル指数を有する。処理とは、材料が以前に少なくとも2回または少なくとも3回の加熱および冷却の熱サイクルを経たことを意味する。
【0030】
PCRPOは、190°Cおよび2.16kgで、少なくとも0.1、または少なくとも0.2、または少なくとも0.3、または少なくとも0.4、または少なくとも0.5g/10分から、最大40、または最大30、または最大20、または最大10、または最大5、または最大2g/10分までの、ASTM1238-13に準拠したメルトインデックス(以下に定義)を有することができる。
【0031】
オレフィンブロックコポリマー。
本組成物は、オレフィンブロックコポリマー組成物をさらに含む。
【0032】
最も広い意味で、オレフィンブロックコポリマーは、別々の触媒およびシャトリング剤を使用して作製され、2つの異なるオレフィンモノマー、モノマー混合物、またはそれらの組み合わせのブロックコポリマーを形成するポリマーである。形成されるオレフィンブロックコポリマーは、オレフィンブロックコポリマーを作製するために使用されるモノマーのホモポリマーの一部またはモノマーの混合物などの作製されるポリマー製品中にいくつかの他のポリマーを有し得る。これらの方法は、知られており、例えば、米国特許第8,822,598号、同第8,686,087号、同第9,511,567号、同第8,822,598号、および同第9,243,090号に記載されている。
【0033】
オレフィンブロックコポリマーは、2つ以上のオレフィンコモノマーから構成される。好ましくは、オレフィンブロックコポリマーは、重合形態で、プロピレンおよびエチレンならびに/または1つ以上のC4-20α-オレフィンコモノマーを含む。
【0034】
オレフィンブロックコポリマー組成物は、本明細書においてブロック複合材料(BC)および結晶性ブロック複合材料(CBC)と称される次の複合材料中にブロックコポリマーを含むことができる。
【0035】
例えば、「ブロック複合材料」(「BC」)は、
(i)10モル%から90モル%未満のエチレン含有量を有するエチレン系ポリマー(EP)(軟質コポリマー)と、
(ii)アルファ-オレフィン含有量が90モル%を超えるアルファ-オレフィン系ポリマー(AOP)(硬質コポリマー)と、
(iii)エチレンブロック(EB)およびアルファ-オレフィンブロック(AOB)を有するブロックコポリマーと、を含むことができ、
ブロックコポリマーのエチレンブロック(軟質ブロック/軟質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(i)のエチレン系ポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーのアルファ-オレフィンブロック(硬質ブロック/硬質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(ii)のアルファ-オレフィン系ポリマーと同じ組成である。「同じ組成」という用語は、同一のモノマーおよびコモノマー含有量、同一の構造、ならびに同一の物理的特性を有する2つの成分を指す。エチレン系ポリマーおよびアルファ-オレフィン系ポリマーの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じとなる。好適なα-オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C3、C4、C5、C6、およびC8α-オレフィンなどのC3~C10α-オレフィンが挙げられる。特定の実施形態では、α-オレフィンは、プロピレンである。さらなる実施形態では、AOBおよびEBはiPP-EPジブロックコポリマーであり得る。
【0036】
「硬質」ブロック(硬質セグメントとも称される)は、モノマー(例えば、プロピレン)が90モル%以上の量で存在する重合単位の高度に結晶性のブロックを指す。言い換えれば、硬質ブロック/セグメント中のコモノマー含有量(例えば、エチレン含有量)は、10モル%以下である。いくつかの実施形態では、硬質セグメントは、すべてまたは実質的にすべてのプロピレン単位(iPP-アイソタクチックポリプロピレン-コポリマーまたはホモポリマーブロックなど)を含む。一方、「軟質」ブロック/セグメントは、モノマー(例えば、エチレン)が、10モル%~90モル%未満の量で存在する、重合単位の、アモルファス、実質的にアモルファスまたはエラストマーなブロックを指す。言い換えれば、軟質ブロック/セグメントのコモノマー含有量(例えば、プロピレン含有量)は10モル%超である。
【0037】
BCは、BCの総重量に基づいて、25重量%、または30重量%~50重量%、または55重量%、または60重量%、または70重量%の総エチレン含有量を有することができる。BCの総重量の残りの部分は、プロピレンなどの少なくとも1つのC3~C10α-オレフィンに由来する単位によって占められてもよい。BCは、BCの総重量に基づいて、50重量%以上のプロピレンに由来する単位を含有するプロピレン系ポリマーであり得る。
【0038】
BCは、(i)10モル%~90モル%未満のエチレン含有量を有する軟質コポリマーと、(ii)90モル%以上のプロピレン含有量を有する硬質コポリマーと、(iii)軟質ブロック(すなわち、軟質セグメント)および硬質ブロック(すなわち、硬質セグメント)を有するブロックコポリマー(例えば、ジブロック)と、を含むことができ、ブロックコポリマーの硬質ブロックは、ブロック複合材料の硬質コポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーの軟質ブロックは、ブロック複合材料の軟質コポリマーと同じ組成である。軟質コポリマーおよび硬質コポリマーの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じとなる。
【0039】
BCは、(i)10重量%より多く86重量%未満のエチレン含有量を有する軟質コポリマーと、(ii)80重量%より多く最大100重量%のプロピレン含有量を有する硬質コポリマーと、(iii)軟質ブロック(すなわち、軟質セグメント)および硬質ブロック(すなわち、硬質セグメント)を有するブロックコポリマー(例えば、ジブロック)と、を含むことができ、ブロックコポリマーの硬質ブロックは、BCの硬質コポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーの軟質ブロックは、BCの軟質コポリマーと同じ組成である。軟質コポリマーおよび硬質コポリマーの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じとなる。
【0040】
BCでは、硬質ブロックは、重合α-オレフィン単位(例えば、プロピレン)の高度結晶性ブロックを指す。硬質ブロックでは、モノマー(すなわち、プロピレン)は、硬質ブロックの重量に基づいて、80重量%超(例えば、85重量%超、90重量%超、および/または95重量%超)の量で存在し得る。硬質ブロックの残りの部分は、硬質ブロックの重量に基づいて、20重量%未満(例えば、15重量%未満、および/または10重量%未満)の量のコモノマー(例えば、エチレン)であってもよい。実施形態では、硬質ブロックは、iPP(アイソタクチック)ホモポリマーブロック、または10重量%未満のエチレンを含むiPPコポリマーブロックなどの、すべてまたは実質的にすべてのプロピレン単位を含む。例示的な実施形態では、軟質ブロックは、重合エチレン単位のアモルファス、実質的にアモルファス、またはエラストマーなブロックを指す。軟質ブロックでは、モノマー(すなわち、エチレン)は、軟質ブロックの重量に基づいて、20重量%を超えて90重量%未満(例えば、40重量%~89重量%、45重量%~85重量%、および/または50重量%~80重量%)の量で存在し得る。軟質ブロックの残りの部分は、コモノマー(例えば、プロピレン)であり得る。
【0041】
ブロック複合材料は、30~70重量%の硬質ブロックおよび30~70重量%の軟質ブロックを有するブロックコポリマーを含むことができる。言い換えれば、ブロック複合材料は、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、30~70重量%の硬質ブロックおよび30~70重量%の軟質ブロックを有するブロックコポリマーを含むことができる。
【0042】
BCのブロックコポリマーは、式(EP)-(iPP)を有すことができ、EPは、重合したエチレンおよびプロピレンモノマー単位の軟質ブロック(例えば、50~80重量%のエチレンおよび残りの部分のプロピレン)を表し、iPPは、アイソタクチックプロピレンホモポリマーまたはアイソタクチックプロピレンコポリマーの硬質ブロック(例えば、10重量%未満のエチレンおよび残りの部分のプロピレン)を表す。
【0043】
ブロックコポリマーの相対量の例示的測定は、以下でさらに検討されるように、ブロック複合材料指数(BCI)と称される。BCについてのBCIは、0より大きく、1.0未満である。BCは、ゼロ超、または0.1超、または0.2超、または0.3超~0.4、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8、または0.9、または1.0のブロック複合材料指数(BCI)を有することができる。BCは、0超~0.4、または0.1~0.3、または0.4のBCIを有することができる。別の実施形態では、BCは、0.4超~1.0、または0.4、もしくは0.5、もしくは0.6~0.7、もしくは0.9、もしくは1.0のBCIを有する。BCは、0.7、または0.8、または0.9~1.0のBCIを有することができる。
【0044】
BCは、10,000g/モル、または35,000g/モル、または50,000g/モル、または80,000g/モル~200,000g/モル、または300,000g/モル、または500,000g/モル、または1,000,000g/モル、または2,500,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有することができる。BCの分子量分布(Mw/Mn)または多分散度は、5未満、または1、もしくは1.5~4、もしくは5であり得る。
【0045】
BCのメルトフローレート(MFR)は、ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、または3g/10分~10g/10分、または15g/10分、または20g/10分、または60g/10分、または100g/10分、または1,000g/10分であり得る。
【0046】
BCの密度は、0.850g/cc、または0.860g/cc、または0.865g/cc~0.890g/cc、または0.895g/cc、または0.900g/cc、または0.910g/cc、または0.920g/ccであり得る。
【0047】
BCは、第1の溶融ピーク(Tm1BC)および第2の溶融ピーク(Tm2BC)の2つの溶融ピークを示すことができる。BCは、35℃超、または90℃超、または100℃超、または40℃、または100℃~150℃である第2の溶融ピーク(Tm2BC)を有することができる。
【0048】
Tm1BCとTm2BCとの差は、40℃以上であり得る。Tm1BCとTm2BCとの差は、40℃超、または50℃超、または60℃超であり得る。
【0049】
BCは、BCの総重量に基づいて、
(i)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のEPと、
(ii)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のAOPと、
(iii)5重量%、または50重量%~99重量%のブロックコポリマーと、を含有することができる。
【0050】
EP、AOP、およびブロックコポリマーの重量パーセントの和は100%に等しい。
【0051】
BCのブロックコポリマーは、5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%の下限値~70重量%、または75重量%、または90重量%、または95重量%の上限値のエチレンブロック(EB)、および95重量%、または90重量%、または75重量%、または70重量%の上限値~30重量%、または25重量%、または10重量%、または5重量%の下限値のアルファ-オレフィンブロック(AOB)を含有することができる。
【0052】
実施形態では、BCは、BCの総重量に基づいて、
(i)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のEPと、
(ii)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のiPPと、
(iii)5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%、または50重量%の下限値~70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%の上限値のブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり、
このブロック複合材料は、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)EPは、EPの総重量に基づいて、50重量%、もしくは55重量%、もしくは60重量%の下限値~65重量%、もしくは70重量%、もしくは75重量%、もしくは80重量%の上限値のエチレンおよび逆量のプロピレン、または20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは35重量%の下限値~40重量%、もしくは45重量%、もしくは50重量%の上限値のプロピレンを含有する、ならびに/または
(b)EPは、EPの総モル数に基づいて、10モル%、もしくは20モル%、もしくは30モル%、もしくは40モル%、もしくは50モル%、もしくは60モル%、もしくは65モル%、もしくは70モル%、もしくは73モル%の下限値~75モル%、もしくは80モル%、もしくは85モル%、もしくは89モル%の上限値の重合エチレン単位および逆量の重合プロピレン単位、または11モル%、もしくは15モル%、もしくは20モル%、もしくは25モル%の下限値~27モル%、もしくは30モル%、もしくは35モル%、もしくは40モル%、もしくは50モル%、もしくは60モル%、もしくは70モル%、もしくは80モル%、もしくは90モル%の上限値の重合プロピレン単位を含有する、ならびに/または
(c)iPPは、iPPの総重量に基づいて、100重量%、もしくは99.5重量%、もしくは99重量%の上限値~95重量%、もしくは90重量%、もしくは85重量%、もしくは80重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%、もしくは65重量%、60重量%、もしくは55重量%の下限値のプロピレンおよび逆量のエチレン、または0重量%、もしくは0.5重量%の下限値~1重量%、もしくは5重量%、もしくは10重量%、もしくは15重量%、もしくは20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは35重量%、もしくは40重量%、もしくは45重量%の上限値のエチレンを含有する、ならびに/または
(d)iPPは、iPPの総モル数に基づいて、90モル%、もしくは91モル%、もしくは92モル%、もしくは93モル%、もしくは94モル%、もしくは95モル%、もしくは96モル%、もしくは97モル%、もしくは98モル%~99モル%の下限値の重合プロピレン単位および逆量の重合エチレン単位、または1モル%~2モル%、もしくは3モル%、もしくは4モル%、もしくは5モル%、もしくは6モル%、もしくは7モル%、もしくは8モル%、もしくは9モル%、もしくは10モル%の重合エチレン単位を含有する、ならびに/または
(e)ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、5重量%、もしくは10重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%の下限値~70重量%、もしくは75重量%、もしくは90重量%、もしくは95重量%の上限値のEBおよび逆量の、または95重量%、もしくは90重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%の上限値~30重量%、もしくは25重量%、もしくは10重量%、もしくは5重量%の下限値のiPPブロックを含有する、ならびに/または
(f)0.1、もしくは0.2、もしくは0.3、もしくは0.4~0.5、もしくは0.6、もしくは0.7、もしくは0.8、もしくは0.9、もしくは1.0のBCI、ならびに/または
(g)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、もしくは5g/10分、もしくは10g/10分、もしくは15g/10分、もしくは18g/10分の下限値~20g/10分、もしくは30g/10分、もしくは50g/10分、もしくは1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(h)50,000g/モル、もしくは80,000g/モル、もしくは100,000g/モルの下限値~150,000g/モル、もしくは200,000g/モル、もしくは300,000g/モル、もしくは500,000g/モル、もしくは1,000,000g/モルの上限値の重量平均分子量(Mw)、ならびに/または
(i)1.0、もしくは1.5、もしくは2.0、もしくは2.5、もしくは3.0、もしくは3.5、もしくは3.7~3.8、もしくは4.0、もしくは4.5、もしくは5.0のMw/Mn、ならびに/または
(h)1グラム当たり20ジュール(J/g)、もしくは25J/g、もしくは30J/g、もしくは35J/g、もしくは50J/g、もしくは60J/g、もしくは70J/g、もしくは75J/g、もしくは80J/gの下限値~85J/g、もしくは90J/g、もしくは95J/g、もしくは100J/g、もしくは125J/gの上限値の融解熱(または溶融エンタルピー)、ならびに/または
(j)70℃、もしくは75℃、もしくは80℃、もしくは85℃の下限値~90℃、もしくは95℃、もしくは100℃の上限値の結晶化温度Tc、ならびに/または
(k)100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃、もしくは135℃の下限値~138℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1BC、ならびに/または
(l)35℃、もしくは40℃の下限値~45℃、もしくは50℃、もしくは60℃の上限値の第2のピークTm2BC、ならびに/または
(m)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1BCとTm2BCとの差、ならびに/または
(n)BCの総重量に基づいて、20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは33重量%の下限値~35重量%、もしくは40重量%、もしくは45重量%、もしくは50重量%の上限値のエチレン総含有量。BCは、上記の特性(a)~(n)のすべてを有することができる。
【0053】
BCは、
(i)エチレン含有量が10モル%~90モル%未満のエチレン系ポリマーと、
(ii)プロピレン含有量が90モル%超のプロピレン系ポリマーと、
(iii)エチレンブロックおよびプロピレンブロックを含むブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得、
(iii)ブロックコポリマーのエチレンブロックは、(i)エチレン系ポリマーと同じ組成であり、(iii)ブロックコポリマーのプロピレンブロックは、(ii)プロピレン系ポリマーと同じ組成であり、
BCは、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有することができる:
(a)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、もしくは5g/10分、もしくは10g/10分、もしくは15g/10分、もしくは18g/10分の下限値~20g/10分、もしくは30g/10分、もしくは50g/10分、もしくは1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(b)2つの溶融ピークを示す、および/または
(C)100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃、もしくは135℃の下限値~138℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1BC、ならびに/または
(d)35℃、もしくは40℃~45℃、もしくは50℃、もしくは60℃の第2のピークTm2BC、ならびに/または
(e)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1BCとTm2BCとの差。BCは、上記の特性(a)~(e)のすべてを有することができる。
【0054】
ブロック複合材料は、上記の本明細書で検討される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0055】
「結晶性ブロック複合材料」(「CBC」)という用語は、以下の3つのポリマー成分:
(i)結晶性エチレン系ポリマー(CEP)中の重合モノマー単位の総モル数に基づいて、90モル%以上のエチレン含有量を有する結晶性エチレン系ポリマー(CEP)(本明細書ではCBCのソフトポリマーとも称される)と、
(ii)結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)中の重合モノマー単位の総モル数に基づいて、90モル%を超えるアルファ-オレフィン含有量を有する結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)(本明細書ではCBCのハードポリマーとも称される)と、
(iii)結晶性エチレンブロック(CEB)と結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)とを含むブロックコポリマーと、を含有するポリマーを指し、
結晶性エチレンブロックは、成分(i)の結晶性エチレン系ポリマー(CEP)と同じまたは同様のTmを有し、
結晶性アルファ-オレフィンブロックは、成分(ii)の結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)と同じまたは同様のTmを有し、
「同じまたは類似」という句は、≦5℃、または≦4℃、または≦3℃、または≦2℃の絶対Tm差を指す。
【0056】
「結晶性ブロック複合材料」(「CBC」)は、
(i)90モル%以上のエチレン含有量を有する結晶性エチレン系ポリマー(CEP)(本明細書では軟質ポリマーとも称される)と、
(ii)90モル%超のアルファ-オレフィン含有量を有する結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)(本明細書では硬質ポリマーとも称される)と、
(iii)結晶性エチレンブロック(CEB)および結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を含むブロックコポリマーと、を含むことができ、
ブロックコポリマーの結晶性エチレンブロック(CEB)(軟質ブロック/軟質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(i)の結晶性エチレン系ポリマー(CEP)と同じ組成であり、ブロックコポリマーの結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)(硬質ブロック/硬質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(ii)の結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)と同じ組成である。CEPおよびCAOPの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じになる。連続プロセスで製造される場合、CBCは、1.7、または1.8~3.5、または5、または10、または15の多分散度指数(PDI)を有する。そのようなCBCは、例えば、すべてが2011年12月22日に公開された米国特許出願公開第2011/0313106号、同第2011/0313108号、および同第2011/0313108号、ならびに2014年3月20日に公開されたPCT公開第WO2014/043522(A1)に記載されており、これらはそれぞれ、CBCの説明、CBCを作製するプロセス、およびCBCを分析する方法に関して、参照により本明細書に組み込まれる。好適なα-オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C3、C4、C5、C6、およびC8α-オレフィンなどのC3~C10α-オレフィンが挙げられる。特定の実施形態では、α-オレフィンは、プロピレンである。
【0057】
「結晶性エチレン系ポリマー」(「CEP」)は、任意のコモノマー含有量が10モル%以下、または0モル%~5モル%、もしくは7モル%、もしくは10モル%である少なくとも90モル%の重合エチレン単位を含有する。結晶性エチレン系ポリマーは、75℃以上、または90℃以上、または100℃以上の対応する融点を有する。
【0058】
「結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー」(「CAOP」)は、結晶性α-オレフィン系ポリマー(プロピレン)の総重量に基づいて、モノマー(例えば、プロピレン)が90モル%超、93モル%超、または95モル%超、または98モル%超の量で存在する、重合α-オレフィン単位を含有する高結晶性ポリマーである。実施形態では、重合α-オレフィン単位はポリプロピレンである。CAOP中のコモノマー(例えば、エチレン)含有量は、10モル%未満、または7モル%未満、または5モル%未満、または2モル%未満である。プロピレン結晶化度のCAOPは、80℃以上、または100℃以上、または115℃以上、または120℃以上の対応する融点を有する。実施形態では、CAOPは、すべての、または実質的にすべてのプロピレン単位を含む。
【0059】
CAOPで使用できる他の適切なα-オレフィン単位(プロピレンに加えて)の非限定的な例は、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、および1-オクテンなどの4個~10個の炭素原子を含有するものである。好適なジオレフィンの非限定的な例として、イソプレン、ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、ジシクロペンタジエン、メチレン-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネンなど、または前述のα-オレフィン単位のうちの少なくとも1つを含有する組み合わせである。
【0060】
CBCのブロックコポリマーは、結晶性エチレンブロック(CEB)および結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を含有する。結晶性エチレンブロック(CEB)において、エチレンモノマーは、CEBの総モル数に基づいて、90モル%超、または93モル%超、または95モル%超、または90モル%超の量で存在する。実施形態では、結晶性エチレンブロック(CEB)ポリマーは、ポリエチレンである。ポリエチレンは、CEBの総モル数に基づいて、90モル%超、93モル%超、または95モル%超の量で存在する。CEB中に何らかのコモノマーが存在する場合、それは、CEBの総モル数に基づいて、10モル%未満、または5モル%未満の量で存在する。
【0061】
CAOBは、4個~10個の炭素原子を含む他のα-オレフィン単位と共重合しているポリプロピレンブロックを含む。適切なα-オレフィンの非限定的な例が上に提供されている。ポリプロピレンは、CAOBの総モル数に基づいて、90モル%以上、または93モル%超、または95モル%超の量でCAOB中に存在する。CAOB中のコモノマー含有量は、CAOB中の総モル数に基づいて、10モル%未満、または7モル%未満、または5モルパーセント未満である。プロピレン結晶化度のCAOBは、80℃以上、または100℃以上、または115℃以上、または120℃以上の対応する融点を有する。実施形態では、CAOBは、すべての、または実質的にすべてのプロピレン単位を含む。
【0062】
CBCは、プロピレン、1-ブテン、または4-メチル-1-ペンテン、および1つ以上のコモノマーを含有することができる。CBCは、重合形態で、プロピレンおよびエチレン、ならびに/もしくは1つ以上のC4-20α-オレフィンコモノマー、ならびに/もしくは1つ以上の追加の共重合性コモノマーを含有することができるか、またはCBCは、4-メチル-1-ペンテンおよびエチレン、ならびに/もしくは1つ以上のC4-20α-オレフィンコモノマーを含有するか、またはCBCは、1-ブテンおよびエチレン、プロピレンならびに/もしくは1つ以上のC5~C20α-オレフィンコモノマー、ならびに/もしくは1つ以上の追加の共重合性コモノマーを含有する。追加の好適なコモノマーは、ジオレフィン、環状オレフィン、および環状ジオレフィン、ハロゲン化ビニル化合物、ならびにビニリデン芳香族化合物から選択される。モノマーはプロピレンであり得、コモノマーはエチレンであり得る。
【0063】
CBCは、CBCの総重量に基づいて、50重量%以上のプロピレンに由来する単位を含有するプロピレン系ポリマーであり得る。
【0064】
CBC中のコモノマー含有量を、核磁気共鳴(NMR)分光法に基づく技術などの任意の好適な技術を使用して測定することができる。
【0065】
CBCは、第1の溶融ピーク(Tm1CBC)および第2の溶融ピーク(Tm2CBC)の2つの溶融ピークを示すことができる。CBCは、100℃超、または120℃超、または125℃超である第2の溶融ピーク(Tm2CBC)を有することができる。実施形態では、CBCは、100℃、または120℃、または125℃~220℃、または250℃の第2の溶融ピーク(Tm2CBC)を有する。
【0066】
Tm1CBCとTm2CBCとの差は、40℃以上であり得る。Tm1CBCとTm2CBCとの差は、40℃超、または50℃超、または60℃超であり得る。
【0067】
CBCは、ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分~30g/10分、または50g/10分、または1,000g/10分のメルトフローレート(MFR)を有することができる。
【0068】
CBCは、10,000g/モル、または35,000g/モル、または50,000g/モルの下限値~200,000g/モル、または300,000g/モル、または1,000,000g/モル、または2,500,000g/モルの上限値の重量平均分子量(Mw)を有することができる。
【0069】
CBCは、ゼロ超、または0.1超、または0.2超、または0.3超~0.4、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8、または0.9、または1.0の結晶性ブロック複合材料指数(CBCI)を有することができる。CBCは、0.4超~1.0、または0.4、もしくは0.5、もしくは0.6~0.7、もしくは0.9、もしくは1.0のCBCIを有することができる。CBCは、0.7、または0.8、または0.9~1.0のCBCIを有することができる。
【0070】
CBCは、結晶性ブロック複合材料の総重量に基づいて、(i)0.5重量%~79重量%、または95重量%のCEPと、(ii)0.5重量%~79重量%、または95重量%のCAOPと、(iii)5重量%、または50重量%~99重量%のブロックコポリマーとを含有することができる。
【0071】
CEP、CAOP、およびブロックコポリマーの重量パーセントの和は、100%に等しい。
【0072】
CBCのブロックコポリマーは、5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%の下限値~70重量%、または75重量%、または90重量%、または95重量%の上限値の結晶性エチレンブロック(CEB)、および95重量%、または90重量%、または75重量%、または70重量%の上限値~30重量%、または25重量%、または10重量%、または5重量%の下限値の結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を含有することができる。
【0073】
CBCは、(i)結晶性エチレン/プロピレンコポリマー(CEP)であるCEPと、(ii)アイソタクチック結晶性プロピレンホモポリマー(iPP)であるCAOPと、(iii)iPPブロック(CAOB)およびEPブロック(CEB)を含有するブロックコポリマーと、を含有することができ、ブロックコポリマーは、式(2):(CEP)-(iPP)式(2)のジブロックを含む。
【0074】
CBCは、CBCの総重量に基づいて、
(i)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のCEPと、
(ii)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のiPPと、
(iii)5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%、または50重量%の下限値~70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%の上限値のブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得、
この結晶性ブロック複合材料は、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)CEPは、CEPの総重量に基づいて、85重量%、もしくは89重量%~92重量%、もしくは95重量%、もしくは99重量%のエチレンおよび逆量のプロピレン、または1重量%、もしくは5重量%、もしくは8重量%~11重量%、もしくは15重量%のプロピレンを含有する、ならびに/または
(b)CEPは、CEPの総モル数に基づいて、90モル%、もしくは91モル%、もしくは92モル%~95モル%、もしくは96モル%、もしくは97モル%、もしくは98モル%、もしくは99モル%の重合エチレン単位および逆量の重合プロピレン単位、または1モル%、もしくは2モル%、もしくは3モル%、もしくは4モル%、もしくは5モル%~8モル%、もしくは9モル%、もしくは10モル%の重合プロピレン単位を含有する、ならびに/または
(c)iPPは、iPPの総重量に基づいて、100重量%、もしくは99.5重量%、もしくは99重量%の上限値~95重量%、もしくは90重量%、もしくは85重量%、もしくは80重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%、もしくは65重量%、60重量%、もしくは55重量%の下限値のプロピレンおよび逆量のエチレン、または0重量%、もしくは0.5重量%の下限値~1重量%、もしくは5重量%、もしくは10重量%、もしくは15重量%、もしくは20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは35重量%、もしくは40重量%、もしくは45重量%の上限値のエチレンを含有する、ならびに/または
(d)iPPは、iPPの総モル数に基づいて、90モル%、もしくは91モル%、もしくは92モル%、もしくは93モル%、もしくは94モル%、もしくは95モル%、もしくは96モル%、もしくは97モル%、もしくは98モル%の下限値~99モル%の重合プロピレン単位および逆量の重合エチレン単位、または1モル%~2モル%、もしくは3モル%、もしくは4モル%、もしくは5モル%、もしくは6モル%、もしくは7モル%、もしくは8モル%、もしくは9モル%、もしくは10モル%の上限値の重合エチレン単位を含有する、ならびに/または
(e)ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、5重量%、もしくは10重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%の下限値~50重量%、もしくは70重量%、もしくは75重量%、もしくは90重量%、もしくは95重量%の上限値のEBおよび逆量の、または95重量%、もしくは90重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%、もしくは50重量%の上限値~30重量%、もしくは25重量%、もしくは10重量%、もしくは5重量%の下限値のiPPブロックを含有する、ならびに/または
(f)0.1、もしくは0.2、もしくは0.3、もしくは0.4、もしくは0.5、もしくは0.6の下限値~0.7、もしくは0.8、もしくは0.9、もしくは1.0の上限値のCBCI、ならびに/または
(g)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、または5g/10分、または10g/10分、または15g/10分、または20g/10分、または23g/10分の下限値~40g/10分、または50g/10分、または1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(h)50,000g/モル、もしくは70,000g/モル、もしくは80,000g/モル、もしくは100,000g/モルの下限値~130,000g/モル、もしくは150,000g/モル、もしくは200,000g/モル、もしくは300,000g/モル、もしくは500,000g/モル、もしくは1,000,000g/モルの上限値の重量平均分子量(Mw)、ならびに/または
(i)1.0、もしくは1.5、もしくは2.0、もしくは2.5、もしくは3.0、もしくは3.5、もしくは3.7、もしくは3.8、もしくは4.0の下限値~4.3、もしくは4.5、もしくは5.0の上限値のMw/Mn、ならびに/または
(j)20J/g、もしくは25J/g、もしくは30J/g、もしくは35J/g、もしくは50J/g、もしくは60J/g、もしくは70J/g、もしくは75J/g、もしくは80J/g、もしくは85J/g、もしくは90J/g、もしくは92J/gの下限値~100J/g、もしくは110J/g、もしくは115J/g、もしくは125J/gの上限値の融解熱(または溶融エンタルピー)、ならびに/または
(k)70℃、もしくは75℃、もしくは80℃、もしくは85℃、もしくは90℃の下限値~95℃、もしくは100℃の結晶化温度Tc、ならびに/または
(l)100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃の下限値~136℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1CBC、ならびに/または
(m)90℃、もしくは95℃、もしくは100℃、もしくは103℃の下限値~105℃、もしくは110℃、もしくは115℃、もしくは120℃、もしくは125℃、もしくは130℃、もしくは140℃、もしくは150℃の上限値の第2のピークTm2CBC、ならびに/または
(n)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1CBCとTm2CBCとの差、ならびに/または
(o)CBCの総重量に基づいて、20重量%、もしくは25重量%、もしくは28重量%~47重量%、もしくは50重量%、もしくは55重量%、もしくは60重量%、もしくは70重量%のエチレン総含有量。CBCは上記の特性(a)~(o)のすべてを有することができる。
【0075】
結晶性ブロック複合材料は、
(i)エチレン含有量が90モル%超の結晶性エチレン系ポリマーと、
(ii)プロピレン含有量が90モル%超の結晶性プロピレン系ポリマーと、
(iii)結晶性エチレンブロックおよび結晶性プロピレンブロックを含むブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得、
(iii)ブロックコポリマーの結晶性エチレンブロックは、(i)結晶性エチレン系ポリマーと同じ組成であり、(iii)ブロックコポリマーの結晶性プロピレンブロックは、(ii)結晶性プロピレン系ポリマーと同じ組成であり、
CBCは、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、または5g/10分、または10g/10分、または15g/10分、または18g/10分の下限値~20g/10分、または30g/10分、または50g/10分、または1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(b)2つの溶融ピークを示す、および/または
(c)100℃、もしくは100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃の下限値~136℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1CBC、ならびに/または
(d)90℃、もしくは95℃、もしくは100℃、もしくは103℃の下限値~105℃、もしくは110℃、もしくは115℃、もしくは120℃、もしくは125℃、もしくは130℃、もしくは140℃、もしくは150℃の上限値の第2のピークTm2CBC、ならびに/または
(e)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1CBCとTm2CBCとの差。さらなる実施形態では、CBCは、上記の特性(a)~(e)のすべてを有する。
【0076】
結晶性ブロック複合材料は、本明細書で検討される2つ以上の変形例を含み得る。
【0077】
前述のBCおよびCBCのポリマーを含む、本明細書に開示されるポリマーの各々の成分の和は、100モル%になることが理解される。
【0078】
好ましいBCは、重合したプロピレンから構成されるものである。望ましくは、PPブロックコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)系ブロックおよびEPコポリマー系ブロックから構成されるものである。ブロックセグメント組成は、約10~90重量パーセントまたは好ましくは30~70重量%のEPブロックおよび対応する90~10重量パーセントまたは好ましくは70~30重量パーセントのiPPブロックの範囲であり得、EPブロックは、少なくとも約60%、80%~約90重量%のエチレンが全体の平均であり、残りがプロピレンである。ブロック内で言及されているエチレンおよびプロピレンは、ポリマーに組み込まれた後のこれらの残留物を意味すると当然理解されている。そのようなPPブロックコポリマーは、商標INTUNEで、The Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
【0079】
追加の成文
熱可塑性材料は、顔料、充填剤(例えば、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、炭素繊維、ガラス繊維)、潤滑剤、滑り剤、または難燃剤などの特定の任意選択の追加成文をさらに含むことができる。組み合わされたそのようなすべての任意選択の追加成文の量は、好ましくは、熱可塑性材料の総重量に基づいて、30重量パーセント未満、または20重量パーセント未満、または10重量パーセント未満、5重量パーセント未満である。使用する場合、追加の任意選択の追加成文は、熱可塑性材料の総重量に基づいて、0.1重量パーセントまたは1重量パーセントから存在し得る。追加の成文のいずれかは、熱可塑性材料の総重量に基づいて、0.1、または1重量パーセント~25未満、または20未満、15未満、または10未満、または5重量パーセント未満の量で個別に存在し得る。特に、組成物は、25未満、または20未満、または15未満、または10未満、または5重量パーセント未満の量の繊維状充填剤繊維状充填剤および無機充填剤を有することができる(別々および組み合わされた)。シリコーン液などの潤滑剤、またはフルオロポリマーなどのポリマー加工助剤(例えば、3M Dynamar(商標)ポリマー加工添加剤)は、2%未満、1%未満、または0.1%未満の量で存在し得る。
【0080】
物品
上記の方法で作製された物品は、一緒に接着された少なくとも2つの層を含み、少なくとも1つの層は、本明細書に記載の熱可塑性材料を含む。物品は、複数の層を含むことができ、層の少なくとも一部分は、本明細書に記載されるような熱可塑性材料を含む。物品は、複数の層を含むことができ、すべての層は、本明細書に記載されるような熱可塑性材料を含む。物品は、本明細書に記載の複数の層または熱可塑性材料と、例えば、ワックスおよびセルロースベースのポリマーを含む当技術分野で知られているものなどの除去され得る別のポリマーの支持層とを含むことができる。
【0081】
試験方法
ASTM D-1238-13(230℃、2.16kg)に従って、メルトフローレート(MFR)を測定することができる。結果をグラム/10分で報告する。ASTM D-1238-13(190℃、2.16kg)に従って、メルトインデックス(MI)を測定することができる。結果をグラム/10分で報告する。
【0082】
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範囲の温度にわたるポリマーの溶融、結晶化、およびガラス転移挙動を測定することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)およびオートサンプラーを装備するTA Instruments Q1000 DSCを使用して、この分析を行った。試験中、50ml/分の窒素パージガス流量を使用した。各サンプルを薄いフィルムへと約190℃で溶融プレスし、次いで溶融したサンプルを室温(約25℃)まで空冷した。3~10mg、直径6mmの試験片を冷却したポリマーから取り出し、重さを量り、軽量のアルミニウム皿(50mg)に置き、圧着して閉じた。次いで、その熱的特性を決定するために分析を行った。
【0083】
サンプルの熱挙動は、サンプルの温度を上下させて、熱流量対温度プロファイルを作成することによって決定した。熱履歴を除去するために、まず、サンプルを180℃まで急速に加熱し、3分間等温保持した。次に、サンプルを10℃/分の冷却速度で-80℃に冷却し、-80℃で3分間等温保持した。次いで、サンプルを、10℃/分の加熱速度で180℃(これは「第2の加熱」勾配である)に加熱した。冷却曲線および第2の加熱曲線が記録された。決定した値は、外挿される溶融開始Tおよび外挿される結晶化開始Tである。融解熱(H)(溶融エンタルピーとしても知られている)およびピーク溶融温度は、第2の加熱曲線から報告した。溶融転移の開始と終了との間のベースラインを最初に引くことによって、融点TをDSC加熱曲線から決定した。次いで、溶融ピークの低温側のデータに接線を描いた。この線が、ベースラインと交差する場所が、外挿された融解開始(T)である。これは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,277-278(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)で説明されている通りである。融点はピーク温度である。
【0084】
13C核磁気共鳴(NMR)
サンプル調製:クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中0.025Mであったテトラクロロエタン-d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物、およそ2.6gを、10mmのNMRチューブ内のサンプル0.21gに添加することによって、サンプルを調製した。チューブおよびその内容物を135℃~140℃に加熱することにより、サンプルを溶解し、均質化した。
【0085】
データ取得パラメータ:Bruker Dual DULの高温CryoProbeを装備するBruker 400MHz分光計を使用してデータを収集した。データファイルあたり320回の過渡応答、7.3秒のパルス繰り返し遅延(6秒の遅延+1.3秒の取得時間)、90度のフリップ角、および120℃のサンプル温度での逆ゲート付きデカップリングを使用して、データを取得した。すべての測定を、固定様式の非回転サンプルに対して実施した。加熱した(125℃)NMRサンプル交換器に挿入する直前にサンプルを均質化し、データ取得前に7分間プローブ中で熱平衡化した。25000Hzの分光幅および65Kデータポイントのファイルサイズを使用して、取得を行った。NMRを、例えば、以下で検討されるように、結晶性ブロック複合材料指数またはブロック複合材料指数に関して、ポリマー全体のエチレンの総重量パーセント、キシレン可溶性画分中のエチレンの重量パーセントを決定するために使用する。
【0086】
分子量のためのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
本明細書に記載されている分子量および分子量分布は、ポリスチレン標準に対して較正されたGPCによって決定することができる。例えば、Agilent TechnologyからのユニットおよびPolymerChar(Valencia,Spain)などの高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを使用した。濃度検出器は、Polymer Char Incからの赤外線検出器(IR-5)であった。データ収集は、GPCOne(PolymerChar)を使用して実行した。担体溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)であった。システムは、Agilent製のオンライン溶媒脱気デバイスを装備していた。カラム区画は、150℃で操作した。カラムは、4つのMixed A LS 30cm、20ミクロンのカラムであった。溶媒は、約200ppmの2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)を含有する窒素パージしたTCBであった。流量は、1.0mL/分であり、注入量は200μlであった。「2mg/mL」のサンプル濃度は、Nパージして予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)中にサンプルを160℃で2.5時間にわたって穏やかに撹拌しながら溶解させることによって調製された。
【0087】
20個の狭分子量分布ポリスチレン標準物質を用いることによって、GPCカラム設定を較正した。標準物質の分子量(MW)は、580g/モル~8,400,000g/モルの範囲で、標準物質は、6つの「カクテル」混合物中に含有された。各標準物質の混合物は、個々の分子量間で少なくとも一桁の間隔を有した。各PS標準物質の同等のポリプロピレン分子量は、以下の等式を使用して、ポリプロピレン(Th.G.Scholte,N.L.J.Meijerink,H.M.Schoffeleers,& A.M.G.Brands,J.Appl.Polym.Sci.,29,3763-3782(1984))およびポリスチレン(E.P.Otocka,R.J.Roe,N.Y.Hellman,& P.M.Muglia,Macromolecules,4,507(1971))についての報告されたMark-Houwink係数とともに計算された。
【0088】
高温液体クロマトグラフィー(HTLC)
高温液体クロマトグラフィー(HTLC)実験方法の計測手段を、公開されたD.Lee et al.,J.Chromatogrの方法に従って実行した。A 2011,1218,7173の方法に従って行った。2つのShimadzu(Columbia,MD,USA)LC-20ADポンプを使用して、それぞれデカンおよびトリクロロベンゼン(TCB)を送達した。各ポンプを、10:1の固定分流器(部品番号:620-PO20-HS、Analytical Scientific Instruments Inc.,CA,USA)に接続した。分流器は、製造業者によれば、H2O中0.1mL/分で1500psi(10.34MPa)の圧力降下を有した。両方のポンプの流量を、0.115mL/分に設定した。分流後、小流を、収集された溶媒を30分超の間計量することによって決定すると、デカンおよびTCBの両方については0.01mL/分であった。収集された溶出液の体積は、室温での溶媒の質量および密度によって決定された。小流をHTLCカラムに送達して、分離した。主流を溶媒貯蔵器に送り返した。50-μLの混合機(Shimadzu)を分流器の後に接続して、Shimadzuポンプからの溶媒を混合させた。次いで、混合溶媒を、Waters(Milford,MA,USA)GPCV2000のオーブン内の注入器に送達した。Hypercarb(商標)カラム(2.1×100mm、粒径5μm)を、注入器と10ポートVICIバルブ(Houston,TX,USA)との間に接続した。バルブは、2つの60-μLのサンプルループを備えていた。このバルブを使用して、第1次元(D1)HTLCカラムから第2次元(D2)SECカラムへの連続的なサンプル溶出を行った。Waters GPCV2000のポンプおよびPLgel Rapid(商標)-Mカラム(10×100mm、粒径5μm)を、D2サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)のVICIバルブに接続した。文献(Y.Brun & P.Foster,J.Sep.Sci.2010,33,3501)に記載されているように、接続には対称構成を使用した。二重角光散乱検出器(PD2040、Agilent,Santa Clara,CA,USA)およびIR5赤外線吸収検出器をSECカラムの後に接続し、濃度、組成および分子量を測定した。
【0089】
HTLCのための分離:バイアルを160℃で2時間穏やかに振盪することによって、およそ30mgを8mLのデカン中に溶解させた。デカンは、ラジカル捕捉剤として400ppmのBHT(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)を含有した。次いで、サンプルバイアルを注入用GPCV2000のオートサンプラーに移した。オートサンプラー、注入器、HypercarbカラムおよびPLgelカラムの両方、10ポートVICIバルブ、ならびにLS検出器およびIR5検出器の両方の温度を、分離を通して140℃に維持した。
【0090】
注入前の初期条件は次のとおりであった:HTLCカラムの流量は0.01mL/分であった;D1 Hypercarbカラムの溶媒組成は100%デカンであった;SECカラムの流量は室温で2.51mL/分であった;D2 PLgelカラムの溶媒組成は100%TCBであった;D2 SECカラムの溶媒組成は、分離全体を通して変化しなかった。
【0091】
サンプル溶液の311-μLアリコートを、HTLCカラムに注入した。注入により、以下に説明する勾配が引き起こされた。
0~10分、100%デカン/0%TCB、
10分~651分、TCBは、0%TCBから80%TCBまで直線的に増加した。
【0092】
注入はまた、EZChrom(商標)クロマトグラフィーデータシステム(Agilent)を使用して、15°角度(LS15)での光散乱シグナルの収集、ならびにIR5検出器からの「測定」および「メチル」シグナル(IR測定およびIRメチル)を引き起こした。検出器からのアナログシグナルを、SS420Xアナログ/デジタル変換器を介してデジタルシグナルに変換した。収集周波数は10Hzであった。注入により、10ポートVICIバルブの切り替えも引き起こした。バルブのスイッチを、SS420X変換器からのリレーシグナルによって制御した。バルブは、3分毎に切り替わった。クロマトグラムを、0分~651分に収集した。各クロマトグラムは、651/3=217 SECクロマトグラムからなった。
【0093】
勾配分離の後、0.2mLのTCBおよび0.3mLのデカンを使用して、次の分離のためにHTLCカラムを洗浄および再平衡化した。この工程の流量は、0.2mL/分であり、混合機に連結したShimadzu LC-20 ABポンプによって送達された。
【実施例
【0094】
材料:
PCRPO:
・Avangard Natura(商標)150PCR(大量のLDPE_(融点:108℃(示差走査熱量測定(DSC)による、密度0.922~0.94グラム/立方センチメートル(g/cc)、ASTM D1238によるメルトフロー指数(MI)0.8145g/10分、1.85灰分)を含むことが多いフレキシブル包装廃棄物ストリームから収集)
・ENVISION ECOPRIME(商標)HDPEリッチストリーム(ゲル指数(200ミクロン)296.2)、DSCによる融点133℃、密度0.9657g/cc、MI0.764g/10分。
【0095】
オレフィンブロックコポリマー
ブロックコポリマーCBC1は、以下の特徴を有して使用される。
【表1】
・重量%PP-上記のHTLC分離によって測定されたCBCまたはBC中のプロピレンポリマーの重量パーセント。
・Mw-上記のようにGPCによって決定されたKg/モル単位のCBCまたはBCの重量平均分子量。
・Mw/Mn-上記のようにGPCによって決定されたCBCまたはBCの分子量分布。
・総重量%C-NMRによって決定されたCBCまたはBC中のエチレンの重量パーセント、残りはプロピレンである。
・Tm(℃)ピーク1(ピーク2)-DSCからの第2の加熱曲線によって決定されたピーク溶融温度。ピーク1は、CEB/CEP(CBCの場合)または(BC)の場合EB/EPの溶融を指し、ピーク2は、CEBまたはCEPの溶融を指す。
・Tc(℃)-DSC冷却スキャンによって決定されたピーク結晶化温度。
【0096】
ブロックコポリマーは、付加重合条件下で、付加重合性モノマーまたはモノマーの混合物を、少なくとも1つの付加重合触媒、少なくとも1つの共触媒、および鎖シャトリング剤を含む組成物と接触させることを含むプロセスによって調製することができ調製され得、当該プロセスは、定常状態重合条件下で操作される2つ以上の反応器中、またはプラグ流重合条件下で操作される反応器の2つ以上の区域中で、異なるプロセス条件下で、成長するポリマー鎖のうちの少なくともいくつかを形成することを特徴とする。用語「シャトリング剤」は、重合条件下で少なくとも2つの活性触媒部位の間でポリマーイル交換を引き起こすことができる化合物または化合物の混合物を指す。すなわち、ポリマー断片の移動は、活性触媒部位のうちの1つ以上に対しておよびそれらからの両方で起こる。シャトリング剤とは対照的に、「連鎖移動剤」は、ポリマー鎖の成長の停止を引き起こし、触媒から移動剤への成長ポリマーの1回の移動に相当する。好ましい実施形態において、結晶性ブロック複合材料は、ブロック長の可能性が最も高い分布を有するブロックポリマーの画分を含む。
【0097】
CBC1の製造に有用である好適なプロセスは、例えば、2008年10月30日に公開された米国特許出願公開第2008/0269412号に見出され得る。特に、重合は、触媒成分、モノマー、ならびに任意選択で溶媒、アジュバント、捕捉剤、および重合助剤が1つ以上の反応器または区画に連続的に供給され、そこからポリマー生成物が連続的に除去される連続的な重合、好ましくは連続的な溶液重合として実施されることが望ましい。この文脈において使用される場合、「連続的」および「連続的に」という用語の範囲内にあるのは、反応物質の断続的な添加および規則的または不規則な小間隔での生成物の除去が存在し、そのため経時的に、全体的なプロセスが実質的に連続的であるそれらのプロセスである。連鎖シャトリング剤は、第1の反応器または区域の出口、あるいは第1の反応器の出口の少し前、あるいは第1の反応器もしくは区域と、第2のまたはその後の任意の反応器もしくは区域との間を含む重合中の任意の時点で添加され得る。直列に連結された反応器または区域のうちの少なくとも2つの間のモノマー、温度、圧力、または他の重合条件の差異に起因して、同じ分子内におけるコモノマー含有量、結晶化度、密度、立体規則性、位置規則性、または他の化学的もしくは物理的差異などの異なる組成のポリマーセグメントは、異なる反応器または区域で形成される。各セグメントまたはブロックのサイズは、連続ポリマー反応条件によって決定され、好ましくは最も蓋然性の高いポリマーサイズ分布をなす。
【0098】
2つの反応器または帯域内で結晶性エチレンブロック(CEB)および結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を有するブロックポリマーを生成する場合、第1の反応器もしくは帯域内でCEBを、第2の反応器もしくは帯域内でCAOBを、または第1の反応器もしくは帯域内でCAOBを、および第2の反応器もしくは帯域内でCEBを生成することが可能である。新鮮な連鎖シャトリング剤を添加した第1反応器または帯域内でCEBを生成する方がより有利であり得る。CEBを生成する反応器または帯域内のエチレンの存在のレベルが増加すると、その反応器または帯域内で、CAOBを生成する帯域または反応器内よりもはるかに高い分子量がもたらされる可能性がある。新鮮な連鎖シャトリング剤は、CEBを生成する反応器または帯域内のポリマーのMWを低減させるため、したがって、CEBセグメントとCAOBセグメントとの間の長さが全体的に良好な平衡になる。
【0099】
反応器または帯域を直列で操作する場合、一方の反応器がCEBを生成し、他方の反応器がCAOBを生成するように、多様な反応条件を維持することが必要である。溶媒およびモノマーリサイクル系を通る第1の反応器から第2の反応器へ(直列)、または第2の反応器から第1の反応器へのエチレンのキャリーオーバーは、好ましくは最小化される。このエチレンを除去するための多くの可能なユニット操作が存在するが、エチレンは高級アルファオレフィンよりも揮発性が高いため、1つの簡単な方法は、CEBを生成する反応器の溶出物の圧力を低減させ、エチレンを蒸発分離させることによる蒸発ステップによって未反応エチレンの大部分を除去することである。例示的なアプローチは、追加のユニット操作を回避し、エチレンのCEB反応器にわたる転化率が100%に近づくように、高級アルファオレフィンに対するエチレンのはるかに大きな反応性を利用することである。アルファオレフィン転化率を高レベル(90~95%)に維持することによって、反応器にわたるモノマーの全体的な転化率を制御することができる。
【0100】
結晶性ブロック複合材料を形成するのに使用するための例示的な触媒および触媒前駆体には、例えば、国際公開第WO2005/090426号に開示されるような金属錯体が含まれる。他の例示的な触媒は、米国特許出願公開第2006/0199930号、同第2007/0167578号、および同第2008/0311812号、米国特許第7,355,089号、ならびに国際公開第WO2009/012215号にも開示されている。
【0101】
必要に応じて、結晶性ブロック複合材料(CBC1)は、示差走査熱量測定(DSC)、C13核磁気共鳴(NMR)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、および高温液体クロマトグラフィー(HTLC)分別を特徴とし得る。これらは、米国特許出願公開第US2011/0082257号、同第US2011/0082258号、および同第US2011/0082249号(すべて2011年4月7日公開)により詳細に説明されており、これらは、分析方法の説明に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
手順
配合は、135℃でJSW2軸スクリュー押出機を使用する、当技術分野で知られている標準的な方法によって行われる。
【0103】
フィラメントは、Noztek Proフィラメント押出機を使用する、当技術分野で知られている標準的な方法によって形成される。簡単に言えば、ペレットをデスクトップ単軸スクリュー押出機に供給した。押出機を140℃に加熱し、スクリューを毎分15回転(RPM)で回転させた。ポリマー溶融物を1.75mmのノズルを通して押し出して、3Dプリンタに供給することができるフィラメントを生成した。
【0104】
3D印刷:部品は、Hyrel 3D,Norcross,Georgia(USA)から市販されているHyrelシステム30Mで印刷した。小さな3次元六角柱(寸法1.5cmx5mmまたは1.5cmx5cm、層の高さ0.2mm、100%の直線インフィルを印刷した。プリンターベッドの温度は、95℃であり、ノズルの温度は、180~240℃の範囲であった。
【0105】
組成物は、配合によって調製され(2つの材料が使用される場合のみ)、フィラメントにされ、次いで、表1に示すように、様々な量のOBCおよびPCRPOを使用して上記のように印刷される。OBCが20重量パーセント以下のサンプルは、押し出しに失敗したか、または印刷に失敗した。サンプル1は正常に印刷され、図4に示されている。サンプル4は正常に印刷されて物品になり、図5に示されている。図6は、押し出すことはできたが、印刷中の極端な反りのために正常に印刷することができなかった、すなわち、連続層をそれ以上追加することができなかった材料の例を示す。

【表2】
【0106】
本開示は、以下の態様を包含する:
【0107】
態様1。付加製造物品を形成するための付加製造の方法であって、(i)熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量%のポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量%のオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、熱可塑性材料を提供することであって、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、提供することと、(ii)当該熱可塑性材料を、ノズルを通して加熱および吐出して、基材上に堆積された押出物を形成することと、(iii)所定のパターンで基材とノズルとの間に水平変位が存在するように、熱可塑性材料を吐出しながら基材、ノズル、またはそれらの組み合わせを移動させ、基材上に材料の初期層を形成することと、(iv)ステップ(ii)および(iii)を繰り返して、初期層上に接着した材料の後続の層を形成することと、(v)任意選択でステップステップ(ii)および(iii)を繰り返して、前に形成された後続の層に接着した追加の後続の層を形成することと、を含む、方法。
態様2。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、態様1に記載の方法。
態様3。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中のポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様4。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様5。混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様6。オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様7。アイソタクチックポリプロピレンブロックは、オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、ポリエチレンリッチブロックである、態様6に記載の方法。
態様8。ポリエチレンリッチブロックは、ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、態様6または7に記載の方法。
【0108】
態様9。ブロック複合材料または結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、態様6~8のいずれか一つに記載の方法。
態様10。熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様11。付加製造物品は、プロトタイプである、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様12。熱可塑性材料は、ノズルに引き込まれ、かつノズル内で溶融されるフィラメントに形成される、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様13。先行態様のいずれか一つに記載の方法によって作製された物品。
態様14。互いに接着された少なくとも2つの層から構成された付加製造物品であって、少なくとも1つの層は、熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、熱可塑性材料から構成され、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、付加製造物品。
態様15。混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様14に記載の物品。
態様16熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様14または15に記載の物品。
態様17プロトタイプである態様14~16のいずれか一つに記載の物品。
態様18:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、態様14~17のいずれか一つに記載の物品。
態様19:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中のポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様14~18のいずれか一つに記載の物品。
態様20:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様14~19のいずれか一つに記載の物品。
態様21:混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様14~20のいずれか一つに記載の物品。
態様22:オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、態様14~21のいずれか一つに記載の物品。
態様23:アイソタクチックポリプロピレンブロックは、オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、ポリエチレンリッチブロックである、態様22に記載の物品。
態様23。ポリエチレンリッチブロックは、ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、態様21または22に記載の物品。
態様24。ブロック複合材料または結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、態様21~23のいずれか一つに記載の物品。
態様25。熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様14~24のいずれか一つに記載の物品。
態様26。付加製造に有用なフィラメントであって、熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含み、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、フィラメント。
態様27。混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様26に記載のフィラメント。
態様28。20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様26または27に記載のフィラメント。
態様29:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、態様26~28のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様30。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中のポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様26~29のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様31:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様26~30のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様32:混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様26~31のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様33:オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、態様26~32のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様34。アイソタクチックポリプロピレンブロックは、オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、ポリエチレンリッチブロックである、態様33に記載のフィラメント。
態様35。ポリエチレンリッチブロックは、ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、態様33または34に記載のフィラメント。
態様36。ブロック複合材料または結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、態様33~35のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様37:熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様26~36のいずれか一つに記載のフィラメント。
【0109】
組成物、方法、および物品は、本明細書に開示される任意の適切な材料、ステップ、または成分を代替的に含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的になり得る。組成物、方法、および物品は、追加的または代替的に、組成物、方法、および物品の機能または目的を達成するために必要ではない任意の材料(または種)、ステップ、または成分を含まない、または実質的に含まないように、製剤化することができる。
【0110】
本明細書に開示されるすべての範囲は、端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせ可能である(例えば、「最大25重量%、より具体的には、5重量%~20重量%」の範囲には、「5重量%~25重量%」などの範囲の端点およびすべての中間値が含まれる)。さらに、提供される下限値および上限値は、自由に組み合わせて、範囲を提供することができる。例えば、少なくとも1、または少なくとも2、または少なくとも3、および最大10、または最大8、または最大5を組み合わせて、1~10、または1~8、または1~5、または2~10、または2~8、または2~5、または3~10、または3~8、または3~5にすることができる。「組み合わせ」には、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などが含まれる。「第1」、「第2」などの用語は、順序、数量、または重要性を示すのではなく、ある要素を別の要素と区別するために使用される。「a」および「an」および「the」という用語は、本明細書中で指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限りは、単数形および複数形の両方を包含するものと解釈されるべきである。「または」は、特に明記されない限り「および/または」を意味する。「いくつかの実施形態」、「実施形態」などへの本明細書全体での言及は、実施形態に関連して記載される特定の要素が、本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態に存在する場合も存在しない場合もあることを意味する。さらに、記載された要素は、様々な実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよいことを理解されたい。「それらの組み合わせ」は、自由であり、列挙された成分または特性の少なくとも1つを、任意選択で、列挙されていない同様のまたは同等の成分または特性とともに含む任意の組み合わせを含む。
【0111】
本明細書で特に明記されない限り、すべての試験規格は、本出願の出願日時点で、または優先権が主張される場合は、試験規格が記載される最も早い優先権出願の出願日の時点で、効力を有する最新の規格である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月11日に出願された米国出願第62/913,762号の利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野は、熱可塑性ポリマー材料(例えば、ペレット、粉末、またはフィラメントの形態)が、加熱(例えば、溶融)によって軟化され、例えば、ノズルを通して前進および加熱され、プラテン上に堆積されるフィラメントを使用して押し出される付加製造の方法である。(一般的に、融解フィラメント造形またはFFFと呼ばれる)。
【背景技術】
【0003】
熱可塑性ポリマー(典型的にはナイロン)の付加製造はよく知られている。例えば、一般的にプラスチックジェット印刷とも呼ばれる融解フィラメント造形(FFF)は、ノズルに引き込まれ、加熱され、溶融され、次いで押し出される熱可塑性フィラメントを使用することによって3次元(3D)部品を形成するために使用されている。押し出されたフィラメントは、冷却時に一緒に融解する(例えば、米国特許第5,121,329号を参照)。この技術は、フィラメントの溶融および押し出しを必要とするため、材料は熱可塑性ポリマー(典型的にはナイロン)および複雑な装置に限定されていた。
【0004】
低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリオレフィン(PP)、および/またはそれらの組み合わせなどのポリオレフィンを、重要なまたは主要なまたは主な成分として含むポストコンシューマリサイクルストリームなどのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン(PCRPO)ストリームの有用性を見出すことが望まれている。しかしながら、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリプロピレンなどの特定の配向で結晶形成を示すポリマーも、FFFなどの付加製造中、反りやすく、適切に印刷されない傾向がある。これらの問題は、より大きな部品(例えば、2平方インチを超える断面積)を形成しようとすると特に深刻になる可能性がある。PCRPOストリームの使用はまた、ストリーム内の混入物の存在を含む組成の変動により、付加製造でも問題を有する可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
付加製造の方法であって、
(i)5~75重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマーを含む熱可塑性材料を提供することと、
(ii)当該熱可塑性材料を、ノズルを通して加熱および吐出して、基材上に堆積された押出物を形成することと、
(iii)所定のパターンで基材とノズルとの間に水平変位が存在するように、熱可塑性材料を吐出しながら基材、ノズル、またはそれらの組み合わせを移動させ、基材上に材料の初期層を形成することと、
(iv)ステップ(ii)および(iii)を繰り返して、初期層上に接着した材料の連続層を形成して、付加製造部品を形成することと、を含む、方法が、本明細書に開示されている。
【0006】
一緒に接着された少なくとも2つの層から構成された付加製造物品であって、少なくとも1つの層は、5~75重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマーを含む、付加製造物品も開示されている。
【0007】
付加製造に有用なフィラメントであって、5~75重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマーを含む複数の層を含むフィラメントを含む、フィラメントも開示されている。
【0008】
改良された付加製造法は、物品のラピッドプロトタイピングに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の方法によって造形された本発明の付加製造物品の側面図である。
図2】本発明の方法で形成される初期層の押出物の端面図である。
図3】本発明の方法の完成した初期層の端面図である。
図4】本発明の方法による付加製造物品の一例の写真である。
図5】本発明の方法による付加製造物品の一例の写真である。
図6】印刷試験の失敗がどのように見えるかを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
方法
付加製造方法は、熱可塑性組成物を加熱し、連続層に押し出して物品を構築する任意の適切な装置および方法を使用することができる。例えば、当技術分野で知られているようなFFF付加製造は、加熱する、吐出する、繰り返す、および任意選択で除去する方法ステップのステップを含むことができる。本方法は、以前に作製され、次いで既知のFFF印刷装置に装填されたフィラメントを利用することができる。代替的に、フィラメントは、熱可塑性組成物のペレットを利用することができる。代替的に、熱可塑性組成物の成分を供給し、溶融ブレンドしてから、押し出すことができる。熱可塑性材料は、機器内で(例えば、ノズルで)加熱して、軟化(例えば、溶融)され、以下のような付加製造を形成しながら、従来の方法で押出物として押し出すことができる。
【0011】
図1図3を参照すると、この方法は、ノズルアセンブリ110に取り付けられたノズル100を通して熱可塑性材料を加熱し、吐出することを含む。材料を吐出すると、基材150上に初期層130および連続層140を形成する押出物120を形成する。ノズルアセンブリ110は、基材に直交するように描かれているが、押出物を形成するための任意の有用な角度に設定することができ、押出物120およびノズルアセンブリ110は鈍角を形成し、押出物120は基材に対して平行である。さらに、図1図3に示すように、ノズルアセンブリ110は、例えば、ノズル100の開口の形状を再配向させて、基材150と異なる関係を有する押出物120を生成するために、その長手方向軸の周りに回転させることができる。
【0012】
基材150とノズルアセンブリ110との相対運動も示されているが、基材150、ノズルアセンブリ110、またはそれらの両方を移動させて、任意の水平方向または垂直方向の相対運動を生じさせることができることが理解される。動作は所定の様式で行われ、これは任意の知られたCAD/CAM方法および装置、例えば、当技術分野において周知のもの、および容易に入手可能なロボットまたはコンピュータ化された工作機械のインタフェースによって達成され得る。そのようなパターン形成は、例えば、米国特許第5,121,329号に記載されている。
【0013】
押出物120は、連続的に吐出されてもよく、または中断されて初期層130および連続層140を形成してもよい。中断された押出物120が望ましい場合、ノズルは、材料の流れを遮断するためのバルブ(図示せず)を備えてもよい。そのようなバルブ機構は、パターンと関連して任意のCAD/CAM方法により容易に制御することができる任意の知られた電気機械バルブなどの任意の好適なものであってもよい。中断は、隙間160を作成する可能性があり、これは、隙間として残るか、またはノズルからのその後の堆積において同じまたは異なる押出物120で充填される可能性がある。
【0014】
接着性を改善するために、基材は、ポリプロピレンテープまたはポリエチレンテープなどの適合性のある材料のコーティングまたはフィルムを有し得る。
【0015】
2つ以上のノズルアセンブリ110を用いて、付加製造部品内に複合構造または勾配構造を作製することができる。同様に、米国特許第5,503,785号に記載されているように、より複雑な幾何構造を形成させるため、後に除去され得る支持構造を吐出するように第2のノズルアセンブリ110が使用されてもよい。支持体材料は、支持体を追加し、容易に除去することができる任意のもの、例えば、ワックスなどの当技術分野において知られているものであってもよい。
【0016】
熱可塑性材料
本方法は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン(PCRPO)組成物およびオレフィンブロックコポリマー組成物を含む熱可塑性材料を使用する。
【0017】
PCRPO
ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン(PCRPO)組成物は、消費者向け製品もしくは容器、または産業スクラップに由来する。PCRPO組成物の供給源には、例えば、ボトルキャップおよびクロージャ、牛乳、水またはオレンジジュースの容器、洗剤ボトル、オフィスオートメーション機器(プリンタ、コンピュータ、コピー機など)、白物家電(冷蔵庫、洗濯機など)、家電製品(テレビ、ビデオカセットレコーダ、ステレオなど)、自動車のシュレッダーダスト(シュレッドされた自動車および金属リサイクル業者によって「シュレッド」された他の金属が豊富な製品から金属のほとんどが選別された後に残る混合材料)、包装廃棄物、家庭廃棄物、ロトモールド部品(カヤック/冷却器)、建築廃棄物、産業用成形および押出スクラップが含まれ得る。
【0018】
PCRPO組成物は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのポリオレフィンを含む。PCRPO組成物は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の総重量に基づいて、最大99.9重量パーセント、または最大99.5重量パーセント、または最大99重量パーセント、または最大98重量パーセント、または最大97重量パーセント、または最大96重量パーセント、または最大95重量パーセント、または最大90重量パーセントのポリオレフィンを含むことができる。
【0019】
PCRPO中のポリオレフィンは、リサイクルストリームに見出される任意のポリオレフィンであり得る。例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MDPE、ULDPE、ポリプロピレン(PP)、官能化ポリエチレン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせ。
【0020】
「LDPE」という用語はまた、「高圧エチレンポリマー」、または「高分岐ポリエチレン」とも称され得、ポリマーが、過酸化物(例えば、参照により組み込まれる、US4,599,392を参照されたい)などの、フリーラジカル開始剤を使用して、14,500psi(100MPa)を上回る圧力で、オートクレーブまたは管状反応器中で、部分的または完全に、ホモ重合または共重合されることを意味するように定義される。LDPE樹脂は、典型的には、0.916~0.935g/cmの範囲内の密度を有する。
【0021】
「LLDPE」という用語は、伝統的なチーグラー・ナッタ触媒系およびクロム系触媒、ならびにビス-メタロセン触媒(「m-LLDPE」と称されることもある)および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されないシングルサイト触媒を使用して作製される樹脂の両方を含み、かつ直鎖状、実質的に直鎖状、または不均質なポリエチレンコポリマーまたはホモポリマーを含む。LLDPEは、LDPEほど長くない鎖分岐を含有し、米国特許第5,272,236号、米国特許第5,278,272号、米国特許第5,582,923号、および米国特許第5,733,155号でさらに定義される実質的に直鎖状エチレンポリマー、米国特許第3,645,992号にあるものなどの均一に分岐した直鎖状エチレンポリマー組成物、米国特許第4,076,698号に開示されるプロセスに従って調製されたものなどの不均一に分岐したエチレンポリマー、ならびに/または(US3,914,342またはUS5,854,045に開示されるものなどの)それらのブレンドを含む。LLDPEは、当該技術分野において既知である任意の種類の反応器または反応器構成を使用して、気相、液相、もしくはスラリー重合、またはそれらの任意の組み合わせによって作製することができる。
【0022】
「MDPE」という用語は、0.926~0.935g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。「MDPE」は、典型的には、クロムもしくはチーグラー・ナッタ触媒を使用して、またはビスメタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むがこれらに限定されないシングルサイト触媒を使用して作製され、典型的には、2.5を超える分子量分布(「MWD」)を有する。
【0023】
「HDPE」という用語は、一般にチーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはビス-メタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されることはないシングルサイト触媒を用いて調製される、約0.935g/cm超~約0.970g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。
【0024】
「ULDPE」という用語は一般に、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはビス-メタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むがこれらに限定されないシングルサイト触媒を用いて調製される、0.880~0.912g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。
【0025】
「ポリプロピレン」とは、プロピレンモノマーから誘導された単位を50重量%より多く含むポリマーを意味する。これは、ポリプロピレンホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマーから誘導された単位を意味する)を含む。当該技術分野で知られているポリプロピレンの一般的な形態としては、ホモポリマーポリプロピレン(hPP)、ランダムコポリマーポリプロピレン(rcPP)、インパクトコポリマーポリプロピレン(hPP+、少なくとも1つのエラストメリック耐衝撃性改良剤)(ICPP)または高耐衝撃性ポリプロピレン(HIPP)、高溶融強度ポリプロピレン(HMS-PP)、イソタクチックポリプロピレン(iPP)、シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
「官能化ポリオレフィン」は、炭素および水素以外の原子を含むポリオレフィンであり、例えば、官能化ポリオレフィンは、ヒドロキシル、アミン、アルデヒド、エポキシド、エトキシレート、カルボン酸、エステル、無水物基、またはそれらの組み合わせで修飾され得る。一般に、官能化ポリオレフィンは、エチレン/アクリル酸コポリマー(例えば、PRIMACOR(商標)(SK Globalの商標NUCREL(商標)(The Dow Chemical Companyの商標)、およびESCOR(商標)(ESCORはExxon Corporationの商標である)の商品名で販売されているポリマー)、エチレン/メタクリル酸コポリマー(例えば、NUCREL(商標)の商品名で販売されているポリマー)、無水マレイン酸修飾ポリオレフィン(例えば、LICOCENE(商標)(Clariant AG Corporationの商標)、EPOLENE(商標)(EPOLENEはWestlake Chemical Corporationの商標)、およびMORPRIME(商標)(Rohm and Hass Chemicals LLCの商標)の商品名で販売されているポリマー)を含むプロトン化(-COOH)または非プロトン化(-COO-)酸基または酸性塩などの官能基を含む。酢酸ビニルで修飾されたもの(ELVAX、Dow Chemical Companyからの)、アクリレートで修飾されたもの(DuPontから入手可能なELVALOY)、およびAMPLIFY(Dow))などのエチレンエステルコポリマー。同様に、官能化ポリオレフィンの後続のアイオノマーは、Zn、Na、Mg、またはKなどの金属からのカチオンによる中和によって形成され、例としては、Dow Chemical Companyから入手可能なSURLYNがある。
【0027】
PCRPO組成物は、主に、PCRPO組成物が由来する物品およびそのような物品の使用から生じる混入物を含む。そのような混入物の例には、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0028】
混入物の量は、少なくとも0.1、または0.5、または少なくとも1、または少なくとも2、または少なくとも3、または少なくとも4、または少なくとも5、または少なくとも10重量パーセントであり得る。混入物の量は、総重量またはPCRPO組成物に基づいて、最大50、または最大40、または最大30、または最大25、または最大20、または最大15、または最大10、または最大5重量パーセントの混入物の総量であり得る。混入物が、例えば、ナイロン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルキレンビニルアルコール(例えば、エチレンビニルアルコール(EVOH)など)などの他のポリマー材料を含む場合、より大量の混入物が発生し得る。
【0029】
PCRPOは、少なくとも100、または少なくとも150、または少なくとも200mm/24.6cmのサンプルのゲル指数(200ミクロン)を有することができる。例えば、24.6cmの単位サンプル量は、各ゲル測定で検査することができる。検査は、光源を有するゲルカウンタ、ライン走査カメラ(例えば、光学制御システム(OCS)FSA100カメラ(25um解像度))、およびイメージングプロセッサを使用して行うことができる。ゲルカウンタは、フィルムが光源とカメラの間を通過する透過モードで構成することができる。分析には、フィルムサンプルを光源で照らすことが含まれ得る。カメラは、フィルムを透過した光の強度を測定することができる。フィルムに存在するゲルは、光を屈折または遮断し、カメラに到達する光の量を減らす。このようにして、ゲルのデジタル化された画像を作成することができる。デジタル化されたゲルの面積は、ピクセル数を合計することで決定することができ、それは含む。ゲルの直径は、同等の面積を有する円の直径を計算することによって割り当てられる。24.6cmのサンプル体積は、厚さ76ミクロンのフィルムの0.323mの検査面積に対応する。各測定において、直径200ミクロン未満のすべてのゲルの総面積が決定される。そのような測定を50回実行することができる。総ゲル面積の平均値は、測定の総回数(例えば、50)に基づいて計算され、検査されたサンプル(例えば、24.6立方センチメートルのサンプル)の体積当たりのmmで表される。バージンポリオレフィン樹脂のゲル指数は、通常、サンプルの約10mm/24.6cm未満である。PCRPOは、混入のため、また材料が物品にされ、使用され、回収されたため、より高いゲル指数を有する。処理とは、材料が以前に少なくとも2回または少なくとも3回の加熱および冷却の熱サイクルを経たことを意味する。
【0030】
PCRPOは、190°Cおよび2.16kgで、少なくとも0.1、または少なくとも0.2、または少なくとも0.3、または少なくとも0.4、または少なくとも0.5g/10分から、最大40、または最大30、または最大20、または最大10、または最大5、または最大2g/10分までの、ASTM1238-13に準拠したメルトインデックス(以下に定義)を有することができる。
【0031】
オレフィンブロックコポリマー。
本組成物は、オレフィンブロックコポリマー組成物をさらに含む。
【0032】
最も広い意味で、オレフィンブロックコポリマーは、別々の触媒およびシャトリング剤を使用して作製され、2つの異なるオレフィンモノマー、モノマー混合物、またはそれらの組み合わせのブロックコポリマーを形成するポリマーである。形成されるオレフィンブロックコポリマーは、オレフィンブロックコポリマーを作製するために使用されるモノマーのホモポリマーの一部またはモノマーの混合物などの作製されるポリマー製品中にいくつかの他のポリマーを有し得る。これらの方法は、知られており、例えば、米国特許第8,822,598号、同第8,686,087号、同第9,511,567号、同第8,822,598号、および同第9,243,090号に記載されている。
【0033】
オレフィンブロックコポリマーは、2つ以上のオレフィンコモノマーから構成される。好ましくは、オレフィンブロックコポリマーは、重合形態で、プロピレンおよびエチレンならびに/または1つ以上のC4-20α-オレフィンコモノマーを含む。
【0034】
オレフィンブロックコポリマー組成物は、本明細書においてブロック複合材料(BC)および結晶性ブロック複合材料(CBC)と称される次の複合材料中にブロックコポリマーを含むことができる。
【0035】
例えば、「ブロック複合材料」(「BC」)は、
(i)10モル%から90モル%未満のエチレン含有量を有するエチレン系ポリマー(EP)(軟質コポリマー)と、
(ii)アルファ-オレフィン含有量が90モル%を超えるアルファ-オレフィン系ポリマー(AOP)(硬質コポリマー)と、
(iii)エチレンブロック(EB)およびアルファ-オレフィンブロック(AOB)を有するブロックコポリマーと、を含むことができ、
ブロックコポリマーのエチレンブロック(軟質ブロック/軟質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(i)のエチレン系ポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーのアルファ-オレフィンブロック(硬質ブロック/硬質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(ii)のアルファ-オレフィン系ポリマーと同じ組成である。「同じ組成」という用語は、同一のモノマーおよびコモノマー含有量、同一の構造、ならびに同一の物理的特性を有する2つの成分を指す。エチレン系ポリマーおよびアルファ-オレフィン系ポリマーの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じとなる。好適なα-オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C3、C4、C5、C6、およびC8α-オレフィンなどのC3~C10α-オレフィンが挙げられる。特定の実施形態では、α-オレフィンは、プロピレンである。さらなる実施形態では、AOBおよびEBはiPP-EPジブロックコポリマーであり得る。
【0036】
「硬質」ブロック(硬質セグメントとも称される)は、モノマー(例えば、プロピレン)が90モル%以上の量で存在する重合単位の高度に結晶性のブロックを指す。言い換えれば、硬質ブロック/セグメント中のコモノマー含有量(例えば、エチレン含有量)は、10モル%以下である。いくつかの実施形態では、硬質セグメントは、すべてまたは実質的にすべてのプロピレン単位(iPP-アイソタクチックポリプロピレン-コポリマーまたはホモポリマーブロックなど)を含む。一方、「軟質」ブロック/セグメントは、モノマー(例えば、エチレン)が、10モル%~90モル%未満の量で存在する、重合単位の、アモルファス、実質的にアモルファスまたはエラストマーなブロックを指す。言い換えれば、軟質ブロック/セグメントのコモノマー含有量(例えば、プロピレン含有量)は10モル%超である。
【0037】
BCは、BCの総重量に基づいて、25重量%、または30重量%~50重量%、または55重量%、または60重量%、または70重量%の総エチレン含有量を有することができる。BCの総重量の残りの部分は、プロピレンなどの少なくとも1つのC3~C10α-オレフィンに由来する単位によって占められてもよい。BCは、BCの総重量に基づいて、50重量%以上のプロピレンに由来する単位を含有するプロピレン系ポリマーであり得る。
【0038】
BCは、(i)10モル%~90モル%未満のエチレン含有量を有する軟質コポリマーと、(ii)90モル%以上のプロピレン含有量を有する硬質コポリマーと、(iii)軟質ブロック(すなわち、軟質セグメント)および硬質ブロック(すなわち、硬質セグメント)を有するブロックコポリマー(例えば、ジブロック)と、を含むことができ、ブロックコポリマーの硬質ブロックは、ブロック複合材料の硬質コポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーの軟質ブロックは、ブロック複合材料の軟質コポリマーと同じ組成である。軟質コポリマーおよび硬質コポリマーの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じとなる。
【0039】
BCは、(i)10重量%より多く86重量%未満のエチレン含有量を有する軟質コポリマーと、(ii)80重量%より多く最大100重量%のプロピレン含有量を有する硬質コポリマーと、(iii)軟質ブロック(すなわち、軟質セグメント)および硬質ブロック(すなわち、硬質セグメント)を有するブロックコポリマー(例えば、ジブロック)と、を含むことができ、ブロックコポリマーの硬質ブロックは、BCの硬質コポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーの軟質ブロックは、BCの軟質コポリマーと同じ組成である。軟質コポリマーおよび硬質コポリマーの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じとなる。
【0040】
BCでは、硬質ブロックは、重合α-オレフィン単位(例えば、プロピレン)の高度結晶性ブロックを指す。硬質ブロックでは、モノマー(すなわち、プロピレン)は、硬質ブロックの重量に基づいて、80重量%超(例えば、85重量%超、90重量%超、および/または95重量%超)の量で存在し得る。硬質ブロックの残りの部分は、硬質ブロックの重量に基づいて、20重量%未満(例えば、15重量%未満、および/または10重量%未満)の量のコモノマー(例えば、エチレン)であってもよい。実施形態では、硬質ブロックは、iPP(アイソタクチック)ホモポリマーブロック、または10重量%未満のエチレンを含むiPPコポリマーブロックなどの、すべてまたは実質的にすべてのプロピレン単位を含む。例示的な実施形態では、軟質ブロックは、重合エチレン単位のアモルファス、実質的にアモルファス、またはエラストマーなブロックを指す。軟質ブロックでは、モノマー(すなわち、エチレン)は、軟質ブロックの重量に基づいて、20重量%を超えて90重量%未満(例えば、40重量%~89重量%、45重量%~85重量%、および/または50重量%~80重量%)の量で存在し得る。軟質ブロックの残りの部分は、コモノマー(例えば、プロピレン)であり得る。
【0041】
ブロック複合材料は、30~70重量%の硬質ブロックおよび30~70重量%の軟質ブロックを有するブロックコポリマーを含むことができる。言い換えれば、ブロック複合材料は、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、30~70重量%の硬質ブロックおよび30~70重量%の軟質ブロックを有するブロックコポリマーを含むことができる。
【0042】
BCのブロックコポリマーは、式(EP)-(iPP)を有すことができ、EPは、重合したエチレンおよびプロピレンモノマー単位の軟質ブロック(例えば、50~80重量%のエチレンおよび残りの部分のプロピレン)を表し、iPPは、アイソタクチックプロピレンホモポリマーまたはアイソタクチックプロピレンコポリマーの硬質ブロック(例えば、10重量%未満のエチレンおよび残りの部分のプロピレン)を表す。
【0043】
ブロックコポリマーの相対量の例示的測定は、以下でさらに検討されるように、ブロック複合材料指数(BCI)と称される。BCについてのBCIは、0より大きく、1.0未満である。BCは、ゼロ超、または0.1超、または0.2超、または0.3超~0.4、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8、または0.9、または1.0のブロック複合材料指数(BCI)を有することができる。BCは、0超~0.4、または0.1~0.3、または0.4のBCIを有することができる。別の実施形態では、BCは、0.4超~1.0、または0.4、もしくは0.5、もしくは0.6~0.7、もしくは0.9、もしくは1.0のBCIを有する。BCは、0.7、または0.8、または0.9~1.0のBCIを有することができる。
【0044】
BCは、10,000g/モル、または35,000g/モル、または50,000g/モル、または80,000g/モル~200,000g/モル、または300,000g/モル、または500,000g/モル、または1,000,000g/モル、または2,500,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有することができる。BCの分子量分布(Mw/Mn)または多分散度は、5未満、または1、もしくは1.5~4、もしくは5であり得る。
【0045】
BCのメルトフローレート(MFR)は、ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、または3g/10分~10g/10分、または15g/10分、または20g/10分、または60g/10分、または100g/10分、または1,000g/10分であり得る。
【0046】
BCの密度は、0.850g/cc、または0.860g/cc、または0.865g/cc~0.890g/cc、または0.895g/cc、または0.900g/cc、または0.910g/cc、または0.920g/ccであり得る。
【0047】
BCは、第1の溶融ピーク(Tm1BC)および第2の溶融ピーク(Tm2BC)の2つの溶融ピークを示すことができる。BCは、35℃超、または90℃超、または100℃超、または40℃、または100℃~150℃である第2の溶融ピーク(Tm2BC)を有することができる。
【0048】
Tm1BCとTm2BCとの差は、40℃以上であり得る。Tm1BCとTm2BCとの差は、40℃超、または50℃超、または60℃超であり得る。
【0049】
BCは、BCの総重量に基づいて、
(i)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のEPと、
(ii)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のAOPと、
(iii)5重量%、または50重量%~99重量%のブロックコポリマーと、を含有することができる。
【0050】
EP、AOP、およびブロックコポリマーの重量パーセントの和は100%に等しい。
【0051】
BCのブロックコポリマーは、5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%の下限値~70重量%、または75重量%、または90重量%、または95重量%の上限値のエチレンブロック(EB)、および95重量%、または90重量%、または75重量%、または70重量%の上限値~30重量%、または25重量%、または10重量%、または5重量%の下限値のアルファ-オレフィンブロック(AOB)を含有することができる。
【0052】
実施形態では、BCは、BCの総重量に基づいて、
(i)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のEPと、
(ii)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のiPPと、
(iii)5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%、または50重量%の下限値~70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%の上限値のブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり、
このブロック複合材料は、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)EPは、EPの総重量に基づいて、50重量%、もしくは55重量%、もしくは60重量%の下限値~65重量%、もしくは70重量%、もしくは75重量%、もしくは80重量%の上限値のエチレンおよび逆量のプロピレン、または20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは35重量%の下限値~40重量%、もしくは45重量%、もしくは50重量%の上限値のプロピレンを含有する、ならびに/または
(b)EPは、EPの総モル数に基づいて、10モル%、もしくは20モル%、もしくは30モル%、もしくは40モル%、もしくは50モル%、もしくは60モル%、もしくは65モル%、もしくは70モル%、もしくは73モル%の下限値~75モル%、もしくは80モル%、もしくは85モル%、もしくは89モル%の上限値の重合エチレン単位および逆量の重合プロピレン単位、または11モル%、もしくは15モル%、もしくは20モル%、もしくは25モル%の下限値~27モル%、もしくは30モル%、もしくは35モル%、もしくは40モル%、もしくは50モル%、もしくは60モル%、もしくは70モル%、もしくは80モル%、もしくは90モル%の上限値の重合プロピレン単位を含有する、ならびに/または
(c)iPPは、iPPの総重量に基づいて、100重量%、もしくは99.5重量%、もしくは99重量%の上限値~95重量%、もしくは90重量%、もしくは85重量%、もしくは80重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%、もしくは65重量%、60重量%、もしくは55重量%の下限値のプロピレンおよび逆量のエチレン、または0重量%、もしくは0.5重量%の下限値~1重量%、もしくは5重量%、もしくは10重量%、もしくは15重量%、もしくは20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは35重量%、もしくは40重量%、もしくは45重量%の上限値のエチレンを含有する、ならびに/または
(d)iPPは、iPPの総モル数に基づいて、90モル%、もしくは91モル%、もしくは92モル%、もしくは93モル%、もしくは94モル%、もしくは95モル%、もしくは96モル%、もしくは97モル%、もしくは98モル%~99モル%の下限値の重合プロピレン単位および逆量の重合エチレン単位、または1モル%~2モル%、もしくは3モル%、もしくは4モル%、もしくは5モル%、もしくは6モル%、もしくは7モル%、もしくは8モル%、もしくは9モル%、もしくは10モル%の重合エチレン単位を含有する、ならびに/または
(e)ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、5重量%、もしくは10重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%の下限値~70重量%、もしくは75重量%、もしくは90重量%、もしくは95重量%の上限値のEBおよび逆量の、または95重量%、もしくは90重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%の上限値~30重量%、もしくは25重量%、もしくは10重量%、もしくは5重量%の下限値のiPPブロックを含有する、ならびに/または
(f)0.1、もしくは0.2、もしくは0.3、もしくは0.4~0.5、もしくは0.6、もしくは0.7、もしくは0.8、もしくは0.9、もしくは1.0のBCI、ならびに/または
(g)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、もしくは5g/10分、もしくは10g/10分、もしくは15g/10分、もしくは18g/10分の下限値~20g/10分、もしくは30g/10分、もしくは50g/10分、もしくは1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(h)50,000g/モル、もしくは80,000g/モル、もしくは100,000g/モルの下限値~150,000g/モル、もしくは200,000g/モル、もしくは300,000g/モル、もしくは500,000g/モル、もしくは1,000,000g/モルの上限値の重量平均分子量(Mw)、ならびに/または
(i)1.0、もしくは1.5、もしくは2.0、もしくは2.5、もしくは3.0、もしくは3.5、もしくは3.7~3.8、もしくは4.0、もしくは4.5、もしくは5.0のMw/Mn、ならびに/または
(h)1グラム当たり20ジュール(J/g)、もしくは25J/g、もしくは30J/g、もしくは35J/g、もしくは50J/g、もしくは60J/g、もしくは70J/g、もしくは75J/g、もしくは80J/gの下限値~85J/g、もしくは90J/g、もしくは95J/g、もしくは100J/g、もしくは125J/gの上限値の融解熱(または溶融エンタルピー)、ならびに/または
(j)70℃、もしくは75℃、もしくは80℃、もしくは85℃の下限値~90℃、もしくは95℃、もしくは100℃の上限値の結晶化温度Tc、ならびに/または
(k)100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃、もしくは135℃の下限値~138℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1BC、ならびに/または
(l)35℃、もしくは40℃の下限値~45℃、もしくは50℃、もしくは60℃の上限値の第2のピークTm2BC、ならびに/または
(m)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1BCとTm2BCとの差、ならびに/または
(n)BCの総重量に基づいて、20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは33重量%の下限値~35重量%、もしくは40重量%、もしくは45重量%、もしくは50重量%の上限値のエチレン総含有量。BCは、上記の特性(a)~(n)のすべてを有することができる。
【0053】
BCは、
(i)エチレン含有量が10モル%~90モル%未満のエチレン系ポリマーと、
(ii)プロピレン含有量が90モル%超のプロピレン系ポリマーと、
(iii)エチレンブロックおよびプロピレンブロックを含むブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得、
(iii)ブロックコポリマーのエチレンブロックは、(i)エチレン系ポリマーと同じ組成であり、(iii)ブロックコポリマーのプロピレンブロックは、(ii)プロピレン系ポリマーと同じ組成であり、
BCは、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有することができる:
(a)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、もしくは5g/10分、もしくは10g/10分、もしくは15g/10分、もしくは18g/10分の下限値~20g/10分、もしくは30g/10分、もしくは50g/10分、もしくは1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(b)2つの溶融ピークを示す、および/または
(C)100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃、もしくは135℃の下限値~138℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1BC、ならびに/または
(d)35℃、もしくは40℃~45℃、もしくは50℃、もしくは60℃の第2のピークTm2BC、ならびに/または
(e)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1BCとTm2BCとの差。BCは、上記の特性(a)~(e)のすべてを有することができる。
【0054】
ブロック複合材料は、上記の本明細書で検討される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0055】
「結晶性ブロック複合材料」(「CBC」)という用語は、以下の3つのポリマー成分:
(i)結晶性エチレン系ポリマー(CEP)中の重合モノマー単位の総モル数に基づいて、90モル%以上のエチレン含有量を有する結晶性エチレン系ポリマー(CEP)(本明細書ではCBCのソフトポリマーとも称される)と、
(ii)結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)中の重合モノマー単位の総モル数に基づいて、90モル%を超えるアルファ-オレフィン含有量を有する結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)(本明細書ではCBCのハードポリマーとも称される)と、
(iii)結晶性エチレンブロック(CEB)と結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)とを含むブロックコポリマーと、を含有するポリマーを指し、
結晶性エチレンブロックは、成分(i)の結晶性エチレン系ポリマー(CEP)と同じまたは同様のTmを有し、
結晶性アルファ-オレフィンブロックは、成分(ii)の結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)と同じまたは同様のTmを有し、
「同じまたは類似」という句は、≦5℃、または≦4℃、または≦3℃、または≦2℃の絶対Tm差を指す。
【0056】
「結晶性ブロック複合材料」(「CBC」)は、
(i)90モル%以上のエチレン含有量を有する結晶性エチレン系ポリマー(CEP)(本明細書では軟質ポリマーとも称される)と、
(ii)90モル%超のアルファ-オレフィン含有量を有する結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)(本明細書では硬質ポリマーとも称される)と、
(iii)結晶性エチレンブロック(CEB)および結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を含むブロックコポリマーと、を含むことができ、
ブロックコポリマーの結晶性エチレンブロック(CEB)(軟質ブロック/軟質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(i)の結晶性エチレン系ポリマー(CEP)と同じ組成であり、ブロックコポリマーの結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)(硬質ブロック/硬質セグメント)は、ブロック複合材料の成分(ii)の結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)と同じ組成である。CEPおよびCAOPの量の間の組成分割は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間のものと同じまたは本質的に同じになる。連続プロセスで製造される場合、CBCは、1.7、または1.8~3.5、または5、または10、または15の多分散度指数(PDI)を有する。そのようなCBCは、例えば、すべてが2011年12月22日に公開された米国特許出願公開第2011/0313106号、同第2011/0313108号、および同第2011/0313108号、ならびに2014年3月20日に公開されたPCT公開第WO2014/043522(A1)に記載されており、これらはそれぞれ、CBCの説明、CBCを作製するプロセス、およびCBCを分析する方法に関して、参照により本明細書に組み込まれる。好適なα-オレフィンの非限定的な例としては、例えば、C3、C4、C5、C6、およびC8α-オレフィンなどのC3~C10α-オレフィンが挙げられる。特定の実施形態では、α-オレフィンは、プロピレンである。
【0057】
「結晶性エチレン系ポリマー」(「CEP」)は、任意のコモノマー含有量が10モル%以下、または0モル%~5モル%、もしくは7モル%、もしくは10モル%である少なくとも90モル%の重合エチレン単位を含有する。結晶性エチレン系ポリマーは、75℃以上、または90℃以上、または100℃以上の対応する融点を有する。
【0058】
「結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー」(「CAOP」)は、結晶性α-オレフィン系ポリマー(プロピレン)の総重量に基づいて、モノマー(例えば、プロピレン)が90モル%超、93モル%超、または95モル%超、または98モル%超の量で存在する、重合α-オレフィン単位を含有する高結晶性ポリマーである。実施形態では、重合α-オレフィン単位はポリプロピレンである。CAOP中のコモノマー(例えば、エチレン)含有量は、10モル%未満、または7モル%未満、または5モル%未満、または2モル%未満である。プロピレン結晶化度のCAOPは、80℃以上、または100℃以上、または115℃以上、または120℃以上の対応する融点を有する。実施形態では、CAOPは、すべての、または実質的にすべてのプロピレン単位を含む。
【0059】
CAOPで使用できる他の適切なα-オレフィン単位(プロピレンに加えて)の非限定的な例は、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、および1-オクテンなどの4個~10個の炭素原子を含有するものである。好適なジオレフィンの非限定的な例として、イソプレン、ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、ジシクロペンタジエン、メチレン-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネンなど、または前述のα-オレフィン単位のうちの少なくとも1つを含有する組み合わせである。
【0060】
CBCのブロックコポリマーは、結晶性エチレンブロック(CEB)および結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を含有する。結晶性エチレンブロック(CEB)において、エチレンモノマーは、CEBの総モル数に基づいて、90モル%超、または93モル%超、または95モル%超、または90モル%超の量で存在する。実施形態では、結晶性エチレンブロック(CEB)ポリマーは、ポリエチレンである。ポリエチレンは、CEBの総モル数に基づいて、90モル%超、93モル%超、または95モル%超の量で存在する。CEB中に何らかのコモノマーが存在する場合、それは、CEBの総モル数に基づいて、10モル%未満、または5モル%未満の量で存在する。
【0061】
CAOBは、4個~10個の炭素原子を含む他のα-オレフィン単位と共重合しているポリプロピレンブロックを含む。適切なα-オレフィンの非限定的な例が上に提供されている。ポリプロピレンは、CAOBの総モル数に基づいて、90モル%以上、または93モル%超、または95モル%超の量でCAOB中に存在する。CAOB中のコモノマー含有量は、CAOB中の総モル数に基づいて、10モル%未満、または7モル%未満、または5モルパーセント未満である。プロピレン結晶化度のCAOBは、80℃以上、または100℃以上、または115℃以上、または120℃以上の対応する融点を有する。実施形態では、CAOBは、すべての、または実質的にすべてのプロピレン単位を含む。
【0062】
CBCは、プロピレン、1-ブテン、または4-メチル-1-ペンテン、および1つ以上のコモノマーを含有することができる。CBCは、重合形態で、プロピレンおよびエチレン、ならびに/もしくは1つ以上のC4-20α-オレフィンコモノマー、ならびに/もしくは1つ以上の追加の共重合性コモノマーを含有することができるか、またはCBCは、4-メチル-1-ペンテンおよびエチレン、ならびに/もしくは1つ以上のC4-20α-オレフィンコモノマーを含有するか、またはCBCは、1-ブテンおよびエチレン、プロピレンならびに/もしくは1つ以上のC5~C20α-オレフィンコモノマー、ならびに/もしくは1つ以上の追加の共重合性コモノマーを含有する。追加の好適なコモノマーは、ジオレフィン、環状オレフィン、および環状ジオレフィン、ハロゲン化ビニル化合物、ならびにビニリデン芳香族化合物から選択される。モノマーはプロピレンであり得、コモノマーはエチレンであり得る。
【0063】
CBCは、CBCの総重量に基づいて、50重量%以上のプロピレンに由来する単位を含有するプロピレン系ポリマーであり得る。
【0064】
CBC中のコモノマー含有量を、核磁気共鳴(NMR)分光法に基づく技術などの任意の好適な技術を使用して測定することができる。
【0065】
CBCは、第1の溶融ピーク(Tm1CBC)および第2の溶融ピーク(Tm2CBC)の2つの溶融ピークを示すことができる。CBCは、100℃超、または120℃超、または125℃超である第2の溶融ピーク(Tm2CBC)を有することができる。実施形態では、CBCは、100℃、または120℃、または125℃~220℃、または250℃の第2の溶融ピーク(Tm2CBC)を有する。
【0066】
Tm1CBCとTm2CBCとの差は、40℃以上であり得る。Tm1CBCとTm2CBCとの差は、40℃超、または50℃超、または60℃超であり得る。
【0067】
CBCは、ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分~30g/10分、または50g/10分、または1,000g/10分のメルトフローレート(MFR)を有することができる。
【0068】
CBCは、10,000g/モル、または35,000g/モル、または50,000g/モルの下限値~200,000g/モル、または300,000g/モル、または1,000,000g/モル、または2,500,000g/モルの上限値の重量平均分子量(Mw)を有することができる。
【0069】
CBCは、ゼロ超、または0.1超、または0.2超、または0.3超~0.4、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8、または0.9、または1.0の結晶性ブロック複合材料指数(CBCI)を有することができる。CBCは、0.4超~1.0、または0.4、もしくは0.5、もしくは0.6~0.7、もしくは0.9、もしくは1.0のCBCIを有することができる。CBCは、0.7、または0.8、または0.9~1.0のCBCIを有することができる。
【0070】
CBCは、結晶性ブロック複合材料の総重量に基づいて、(i)0.5重量%~79重量%、または95重量%のCEPと、(ii)0.5重量%~79重量%、または95重量%のCAOPと、(iii)5重量%、または50重量%~99重量%のブロックコポリマーとを含有することができる。
【0071】
CEP、CAOP、およびブロックコポリマーの重量パーセントの和は、100%に等しい。
【0072】
CBCのブロックコポリマーは、5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%の下限値~70重量%、または75重量%、または90重量%、または95重量%の上限値の結晶性エチレンブロック(CEB)、および95重量%、または90重量%、または75重量%、または70重量%の上限値~30重量%、または25重量%、または10重量%、または5重量%の下限値の結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を含有することができる。
【0073】
CBCは、(i)結晶性エチレン/プロピレンコポリマー(CEP)であるCEPと、(ii)アイソタクチック結晶性プロピレンホモポリマー(iPP)であるCAOPと、(iii)iPPブロック(CAOB)およびEPブロック(CEB)を含有するブロックコポリマーと、を含有することができ、ブロックコポリマーは、式(2):(CEP)-(iPP)式(2)のジブロックを含む。
【0074】
CBCは、CBCの総重量に基づいて、
(i)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のCEPと、
(ii)0.5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%の下限値~40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または79重量%、または95重量%の上限値のiPPと、
(iii)5重量%、または10重量%、または25重量%、または30重量%、または50重量%の下限値~70重量%、または80重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%の上限値のブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得、
この結晶性ブロック複合材料は、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)CEPは、CEPの総重量に基づいて、85重量%、もしくは89重量%~92重量%、もしくは95重量%、もしくは99重量%のエチレンおよび逆量のプロピレン、または1重量%、もしくは5重量%、もしくは8重量%~11重量%、もしくは15重量%のプロピレンを含有する、ならびに/または
(b)CEPは、CEPの総モル数に基づいて、90モル%、もしくは91モル%、もしくは92モル%~95モル%、もしくは96モル%、もしくは97モル%、もしくは98モル%、もしくは99モル%の重合エチレン単位および逆量の重合プロピレン単位、または1モル%、もしくは2モル%、もしくは3モル%、もしくは4モル%、もしくは5モル%~8モル%、もしくは9モル%、もしくは10モル%の重合プロピレン単位を含有する、ならびに/または
(c)iPPは、iPPの総重量に基づいて、100重量%、もしくは99.5重量%、もしくは99重量%の上限値~95重量%、もしくは90重量%、もしくは85重量%、もしくは80重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%、もしくは65重量%、60重量%、もしくは55重量%の下限値のプロピレンおよび逆量のエチレン、または0重量%、もしくは0.5重量%の下限値~1重量%、もしくは5重量%、もしくは10重量%、もしくは15重量%、もしくは20重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%、もしくは35重量%、もしくは40重量%、もしくは45重量%の上限値のエチレンを含有する、ならびに/または
(d)iPPは、iPPの総モル数に基づいて、90モル%、もしくは91モル%、もしくは92モル%、もしくは93モル%、もしくは94モル%、もしくは95モル%、もしくは96モル%、もしくは97モル%、もしくは98モル%の下限値~99モル%の重合プロピレン単位および逆量の重合エチレン単位、または1モル%~2モル%、もしくは3モル%、もしくは4モル%、もしくは5モル%、もしくは6モル%、もしくは7モル%、もしくは8モル%、もしくは9モル%、もしくは10モル%の上限値の重合エチレン単位を含有する、ならびに/または
(e)ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、5重量%、もしくは10重量%、もしくは25重量%、もしくは30重量%の下限値~50重量%、もしくは70重量%、もしくは75重量%、もしくは90重量%、もしくは95重量%の上限値のEBおよび逆量の、または95重量%、もしくは90重量%、もしくは75重量%、もしくは70重量%、もしくは50重量%の上限値~30重量%、もしくは25重量%、もしくは10重量%、もしくは5重量%の下限値のiPPブロックを含有する、ならびに/または
(f)0.1、もしくは0.2、もしくは0.3、もしくは0.4、もしくは0.5、もしくは0.6の下限値~0.7、もしくは0.8、もしくは0.9、もしくは1.0の上限値のCBCI、ならびに/または
(g)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、または5g/10分、または10g/10分、または15g/10分、または20g/10分、または23g/10分の下限値~40g/10分、または50g/10分、または1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(h)50,000g/モル、もしくは70,000g/モル、もしくは80,000g/モル、もしくは100,000g/モルの下限値~130,000g/モル、もしくは150,000g/モル、もしくは200,000g/モル、もしくは300,000g/モル、もしくは500,000g/モル、もしくは1,000,000g/モルの上限値の重量平均分子量(Mw)、ならびに/または
(i)1.0、もしくは1.5、もしくは2.0、もしくは2.5、もしくは3.0、もしくは3.5、もしくは3.7、もしくは3.8、もしくは4.0の下限値~4.3、もしくは4.5、もしくは5.0の上限値のMw/Mn、ならびに/または
(j)20J/g、もしくは25J/g、もしくは30J/g、もしくは35J/g、もしくは50J/g、もしくは60J/g、もしくは70J/g、もしくは75J/g、もしくは80J/g、もしくは85J/g、もしくは90J/g、もしくは92J/gの下限値~100J/g、もしくは110J/g、もしくは115J/g、もしくは125J/gの上限値の融解熱(または溶融エンタルピー)、ならびに/または
(k)70℃、もしくは75℃、もしくは80℃、もしくは85℃、もしくは90℃の下限値~95℃、もしくは100℃の結晶化温度Tc、ならびに/または
(l)100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃の下限値~136℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1CBC、ならびに/または
(m)90℃、もしくは95℃、もしくは100℃、もしくは103℃の下限値~105℃、もしくは110℃、もしくは115℃、もしくは120℃、もしくは125℃、もしくは130℃、もしくは140℃、もしくは150℃の上限値の第2のピークTm2CBC、ならびに/または
(n)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1CBCとTm2CBCとの差、ならびに/または
(o)CBCの総重量に基づいて、20重量%、もしくは25重量%、もしくは28重量%~47重量%、もしくは50重量%、もしくは55重量%、もしくは60重量%、もしくは70重量%のエチレン総含有量。CBCは上記の特性(a)~(o)のすべてを有することができる。
【0075】
結晶性ブロック複合材料は、
(i)エチレン含有量が90モル%超の結晶性エチレン系ポリマーと、
(ii)プロピレン含有量が90モル%超の結晶性プロピレン系ポリマーと、
(iii)結晶性エチレンブロックおよび結晶性プロピレンブロックを含むブロックコポリマーと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり得、
(iii)ブロックコポリマーの結晶性エチレンブロックは、(i)結晶性エチレン系ポリマーと同じ組成であり、(iii)ブロックコポリマーの結晶性プロピレンブロックは、(ii)結晶性プロピレン系ポリマーと同じ組成であり、
CBCは、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)ASTM1238-13に準拠して、230℃および2.16kgで、0.1g/10分、または5g/10分、または10g/10分、または15g/10分、または18g/10分の下限値~20g/10分、または30g/10分、または50g/10分、または1,000g/10分の上限値のメルトフローレート(MFR)、ならびに/または
(b)2つの溶融ピークを示す、および/または
(c)100℃、もしくは100℃、もしくは110℃、もしくは120℃、もしくは130℃の下限値~136℃、もしくは140℃、もしくは145℃、もしくは150℃の上限値の第1のピークTm1CBC、ならびに/または
(d)90℃、もしくは95℃、もしくは100℃、もしくは103℃の下限値~105℃、もしくは110℃、もしくは115℃、もしくは120℃、もしくは125℃、もしくは130℃、もしくは140℃、もしくは150℃の上限値の第2のピークTm2CBC、ならびに/または
(e)40℃超、もしくは50℃超、もしくは60℃超である、Tm1CBCとTm2CBCとの差。さらなる実施形態では、CBCは、上記の特性(a)~(e)のすべてを有する。
【0076】
結晶性ブロック複合材料は、本明細書で検討される2つ以上の変形例を含み得る。
【0077】
前述のBCおよびCBCのポリマーを含む、本明細書に開示されるポリマーの各々の成分の和は、100モル%になることが理解される。
【0078】
好ましいBCは、重合したプロピレンから構成されるものである。望ましくは、PPブロックコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)系ブロックおよびEPコポリマー系ブロックから構成されるものである。ブロックセグメント組成は、約10~90重量パーセントまたは好ましくは30~70重量%のEPブロックおよび対応する90~10重量パーセントまたは好ましくは70~30重量パーセントのiPPブロックの範囲であり得、EPブロックは、少なくとも約60%、80%~約90重量%のエチレンが全体の平均であり、残りがプロピレンである。ブロック内で言及されているエチレンおよびプロピレンは、ポリマーに組み込まれた後のこれらの残留物を意味すると当然理解されている。そのようなPPブロックコポリマーは、商標INTUNEで、The Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
【0079】
追加の成文
熱可塑性材料は、顔料、充填剤(例えば、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、炭素繊維、ガラス繊維)、潤滑剤、滑り剤、または難燃剤などの特定の任意選択の追加成文をさらに含むことができる。組み合わされたそのようなすべての任意選択の追加成文の量は、好ましくは、熱可塑性材料の総重量に基づいて、30重量パーセント未満、または20重量パーセント未満、または10重量パーセント未満、5重量パーセント未満である。使用する場合、追加の任意選択の追加成文は、熱可塑性材料の総重量に基づいて、0.1重量パーセントまたは1重量パーセントから存在し得る。追加の成文のいずれかは、熱可塑性材料の総重量に基づいて、0.1、または1重量パーセント~25未満、または20未満、15未満、または10未満、または5重量パーセント未満の量で個別に存在し得る。特に、組成物は、25未満、または20未満、または15未満、または10未満、または5重量パーセント未満の量の繊維状充填剤繊維状充填剤および無機充填剤を有することができる(別々および組み合わされた)。シリコーン液などの潤滑剤、またはフルオロポリマーなどのポリマー加工助剤(例えば、3M Dynamar(商標)ポリマー加工添加剤)は、2%未満、1%未満、または0.1%未満の量で存在し得る。
【0080】
物品
上記の方法で作製された物品は、一緒に接着された少なくとも2つの層を含み、少なくとも1つの層は、本明細書に記載の熱可塑性材料を含む。物品は、複数の層を含むことができ、層の少なくとも一部分は、本明細書に記載されるような熱可塑性材料を含む。物品は、複数の層を含むことができ、すべての層は、本明細書に記載されるような熱可塑性材料を含む。物品は、本明細書に記載の複数の層または熱可塑性材料と、例えば、ワックスおよびセルロースベースのポリマーを含む当技術分野で知られているものなどの除去され得る別のポリマーの支持層とを含むことができる。
【0081】
試験方法
ASTM D-1238-13(230℃、2.16kg)に従って、メルトフローレート(MFR)を測定することができる。結果をグラム/10分で報告する。ASTM D-1238-13(190℃、2.16kg)に従って、メルトインデックス(MI)を測定することができる。結果をグラム/10分で報告する。
【0082】
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範囲の温度にわたるポリマーの溶融、結晶化、およびガラス転移挙動を測定することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)およびオートサンプラーを装備するTA Instruments Q1000 DSCを使用して、この分析を行った。試験中、50ml/分の窒素パージガス流量を使用した。各サンプルを薄いフィルムへと約190℃で溶融プレスし、次いで溶融したサンプルを室温(約25℃)まで空冷した。3~10mg、直径6mmの試験片を冷却したポリマーから取り出し、重さを量り、軽量のアルミニウム皿(50mg)に置き、圧着して閉じた。次いで、その熱的特性を決定するために分析を行った。
【0083】
サンプルの熱挙動は、サンプルの温度を上下させて、熱流量対温度プロファイルを作成することによって決定した。熱履歴を除去するために、まず、サンプルを180℃まで急速に加熱し、3分間等温保持した。次に、サンプルを10℃/分の冷却速度で-80℃に冷却し、-80℃で3分間等温保持した。次いで、サンプルを、10℃/分の加熱速度で180℃(これは「第2の加熱」勾配である)に加熱した。冷却曲線および第2の加熱曲線が記録された。決定した値は、外挿される溶融開始Tおよび外挿される結晶化開始Tである。融解熱(H)(溶融エンタルピーとしても知られている)およびピーク溶融温度は、第2の加熱曲線から報告した。溶融転移の開始と終了との間のベースラインを最初に引くことによって、融点TをDSC加熱曲線から決定した。次いで、溶融ピークの低温側のデータに接線を描いた。この線が、ベースラインと交差する場所が、外挿された融解開始(T)である。これは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,277-278(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)で説明されている通りである。融点はピーク温度である。
【0084】
13C核磁気共鳴(NMR)
サンプル調製:クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中0.025Mであったテトラクロロエタン-d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物、およそ2.6gを、10mmのNMRチューブ内のサンプル0.21gに添加することによって、サンプルを調製した。チューブおよびその内容物を135℃~140℃に加熱することにより、サンプルを溶解し、均質化した。
【0085】
データ取得パラメータ:Bruker Dual DULの高温CryoProbeを装備するBruker 400MHz分光計を使用してデータを収集した。データファイルあたり320回の過渡応答、7.3秒のパルス繰り返し遅延(6秒の遅延+1.3秒の取得時間)、90度のフリップ角、および120℃のサンプル温度での逆ゲート付きデカップリングを使用して、データを取得した。すべての測定を、固定様式の非回転サンプルに対して実施した。加熱した(125℃)NMRサンプル交換器に挿入する直前にサンプルを均質化し、データ取得前に7分間プローブ中で熱平衡化した。25000Hzの分光幅および65Kデータポイントのファイルサイズを使用して、取得を行った。NMRを、例えば、以下で検討されるように、結晶性ブロック複合材料指数またはブロック複合材料指数に関して、ポリマー全体のエチレンの総重量パーセント、キシレン可溶性画分中のエチレンの重量パーセントを決定するために使用する。
【0086】
分子量のためのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
本明細書に記載されている分子量および分子量分布は、ポリスチレン標準に対して較正されたGPCによって決定することができる。例えば、Agilent TechnologyからのユニットおよびPolymerChar(Valencia,Spain)などの高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを使用した。濃度検出器は、Polymer Char Incからの赤外線検出器(IR-5)であった。データ収集は、GPCOne(PolymerChar)を使用して実行した。担体溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)であった。システムは、Agilent製のオンライン溶媒脱気デバイスを装備していた。カラム区画は、150℃で操作した。カラムは、4つのMixed A LS 30cm、20ミクロンのカラムであった。溶媒は、約200ppmの2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)を含有する窒素パージしたTCBであった。流量は、1.0mL/分であり、注入量は200μlであった。「2mg/mL」のサンプル濃度は、Nパージして予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)中にサンプルを160℃で2.5時間にわたって穏やかに撹拌しながら溶解させることによって調製された。
【0087】
20個の狭分子量分布ポリスチレン標準物質を用いることによって、GPCカラム設定を較正した。標準物質の分子量(MW)は、580g/モル~8,400,000g/モルの範囲で、標準物質は、6つの「カクテル」混合物中に含有された。各標準物質の混合物は、個々の分子量間で少なくとも一桁の間隔を有した。各PS標準物質の同等のポリプロピレン分子量は、以下の等式を使用して、ポリプロピレン(Th.G.Scholte,N.L.J.Meijerink,H.M.Schoffeleers,& A.M.G.Brands,J.Appl.Polym.Sci.,29,3763-3782(1984))およびポリスチレン(E.P.Otocka,R.J.Roe,N.Y.Hellman,& P.M.Muglia,Macromolecules,4,507(1971))についての報告されたMark-Houwink係数とともに計算された。
【0088】
高温液体クロマトグラフィー(HTLC)
高温液体クロマトグラフィー(HTLC)実験方法の計測手段を、公開されたD.Lee et al.,J.Chromatogrの方法に従って実行した。A 2011,1218,7173の方法に従って行った。2つのShimadzu(Columbia,MD,USA)LC-20ADポンプを使用して、それぞれデカンおよびトリクロロベンゼン(TCB)を送達した。各ポンプを、10:1の固定分流器(部品番号:620-PO20-HS、Analytical Scientific Instruments Inc.,CA,USA)に接続した。分流器は、製造業者によれば、H2O中0.1mL/分で1500psi(10.34MPa)の圧力降下を有した。両方のポンプの流量を、0.115mL/分に設定した。分流後、小流を、収集された溶媒を30分超の間計量することによって決定すると、デカンおよびTCBの両方については0.01mL/分であった。収集された溶出液の体積は、室温での溶媒の質量および密度によって決定された。小流をHTLCカラムに送達して、分離した。主流を溶媒貯蔵器に送り返した。50-μLの混合機(Shimadzu)を分流器の後に接続して、Shimadzuポンプからの溶媒を混合させた。次いで、混合溶媒を、Waters(Milford,MA,USA)GPCV2000のオーブン内の注入器に送達した。Hypercarb(商標)カラム(2.1×100mm、粒径5μm)を、注入器と10ポートVICIバルブ(Houston,TX,USA)との間に接続した。バルブは、2つの60-μLのサンプルループを備えていた。このバルブを使用して、第1次元(D1)HTLCカラムから第2次元(D2)SECカラムへの連続的なサンプル溶出を行った。Waters GPCV2000のポンプおよびPLgel Rapid(商標)-Mカラム(10×100mm、粒径5μm)を、D2サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)のVICIバルブに接続した。文献(Y.Brun & P.Foster,J.Sep.Sci.2010,33,3501)に記載されているように、接続には対称構成を使用した。二重角光散乱検出器(PD2040、Agilent,Santa Clara,CA,USA)およびIR5赤外線吸収検出器をSECカラムの後に接続し、濃度、組成および分子量を測定した。
【0089】
HTLCのための分離:バイアルを160℃で2時間穏やかに振盪することによって、およそ30mgを8mLのデカン中に溶解させた。デカンは、ラジカル捕捉剤として400ppmのBHT(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)を含有した。次いで、サンプルバイアルを注入用GPCV2000のオートサンプラーに移した。オートサンプラー、注入器、HypercarbカラムおよびPLgelカラムの両方、10ポートVICIバルブ、ならびにLS検出器およびIR5検出器の両方の温度を、分離を通して140℃に維持した。
【0090】
注入前の初期条件は次のとおりであった:HTLCカラムの流量は0.01mL/分であった;D1 Hypercarbカラムの溶媒組成は100%デカンであった;SECカラムの流量は室温で2.51mL/分であった;D2 PLgelカラムの溶媒組成は100%TCBであった;D2 SECカラムの溶媒組成は、分離全体を通して変化しなかった。
【0091】
サンプル溶液の311-μLアリコートを、HTLCカラムに注入した。注入により、以下に説明する勾配が引き起こされた。
0~10分、100%デカン/0%TCB、
10分~651分、TCBは、0%TCBから80%TCBまで直線的に増加した。
【0092】
注入はまた、EZChrom(商標)クロマトグラフィーデータシステム(Agilent)を使用して、15°角度(LS15)での光散乱シグナルの収集、ならびにIR5検出器からの「測定」および「メチル」シグナル(IR測定およびIRメチル)を引き起こした。検出器からのアナログシグナルを、SS420Xアナログ/デジタル変換器を介してデジタルシグナルに変換した。収集周波数は10Hzであった。注入により、10ポートVICIバルブの切り替えも引き起こした。バルブのスイッチを、SS420X変換器からのリレーシグナルによって制御した。バルブは、3分毎に切り替わった。クロマトグラムを、0分~651分に収集した。各クロマトグラムは、651/3=217 SECクロマトグラムからなった。
【0093】
勾配分離の後、0.2mLのTCBおよび0.3mLのデカンを使用して、次の分離のためにHTLCカラムを洗浄および再平衡化した。この工程の流量は、0.2mL/分であり、混合機に連結したShimadzu LC-20 ABポンプによって送達された。
【実施例
【0094】
材料:
PCRPO:
・Avangard Natura(商標)150PCR(大量のLDPE_(融点:108℃(示差走査熱量測定(DSC)による、密度0.922~0.94グラム/立方センチメートル(g/cc)、ASTM D1238によるメルトフロー指数(MI)0.8145g/10分、1.85灰分)を含むことが多いフレキシブル包装廃棄物ストリームから収集)
・ENVISION ECOPRIME(商標)HDPEリッチストリーム(ゲル指数(200ミクロン)296.2)、DSCによる融点133℃、密度0.9657g/cc、MI0.764g/10分。
【0095】
オレフィンブロックコポリマー
ブロックコポリマーCBC1は、以下の特徴を有して使用される。
【表1】
・重量%PP-上記のHTLC分離によって測定されたCBCまたはBC中のプロピレンポリマーの重量パーセント。
・Mw-上記のようにGPCによって決定されたKg/モル単位のCBCまたはBCの重量平均分子量。
・Mw/Mn-上記のようにGPCによって決定されたCBCまたはBCの分子量分布。
・総重量%C-NMRによって決定されたCBCまたはBC中のエチレンの重量パーセント、残りはプロピレンである。
・Tm(℃)ピーク1(ピーク2)-DSCからの第2の加熱曲線によって決定されたピーク溶融温度。ピーク1は、CEB/CEP(CBCの場合)または(BC)の場合EB/EPの溶融を指し、ピーク2は、CEBまたはCEPの溶融を指す。
・Tc(℃)-DSC冷却スキャンによって決定されたピーク結晶化温度。
【0096】
ブロックコポリマーは、付加重合条件下で、付加重合性モノマーまたはモノマーの混合物を、少なくとも1つの付加重合触媒、少なくとも1つの共触媒、および鎖シャトリング剤を含む組成物と接触させることを含むプロセスによって調製することができ調製され得、当該プロセスは、定常状態重合条件下で操作される2つ以上の反応器中、またはプラグ流重合条件下で操作される反応器の2つ以上の区域中で、異なるプロセス条件下で、成長するポリマー鎖のうちの少なくともいくつかを形成することを特徴とする。用語「シャトリング剤」は、重合条件下で少なくとも2つの活性触媒部位の間でポリマーイル交換を引き起こすことができる化合物または化合物の混合物を指す。すなわち、ポリマー断片の移動は、活性触媒部位のうちの1つ以上に対しておよびそれらからの両方で起こる。シャトリング剤とは対照的に、「連鎖移動剤」は、ポリマー鎖の成長の停止を引き起こし、触媒から移動剤への成長ポリマーの1回の移動に相当する。好ましい実施形態において、結晶性ブロック複合材料は、ブロック長の可能性が最も高い分布を有するブロックポリマーの画分を含む。
【0097】
CBC1の製造に有用である好適なプロセスは、例えば、2008年10月30日に公開された米国特許出願公開第2008/0269412号に見出され得る。特に、重合は、触媒成分、モノマー、ならびに任意選択で溶媒、アジュバント、捕捉剤、および重合助剤が1つ以上の反応器または区画に連続的に供給され、そこからポリマー生成物が連続的に除去される連続的な重合、好ましくは連続的な溶液重合として実施されることが望ましい。この文脈において使用される場合、「連続的」および「連続的に」という用語の範囲内にあるのは、反応物質の断続的な添加および規則的または不規則な小間隔での生成物の除去が存在し、そのため経時的に、全体的なプロセスが実質的に連続的であるそれらのプロセスである。連鎖シャトリング剤は、第1の反応器または区域の出口、あるいは第1の反応器の出口の少し前、あるいは第1の反応器もしくは区域と、第2のまたはその後の任意の反応器もしくは区域との間を含む重合中の任意の時点で添加され得る。直列に連結された反応器または区域のうちの少なくとも2つの間のモノマー、温度、圧力、または他の重合条件の差異に起因して、同じ分子内におけるコモノマー含有量、結晶化度、密度、立体規則性、位置規則性、または他の化学的もしくは物理的差異などの異なる組成のポリマーセグメントは、異なる反応器または区域で形成される。各セグメントまたはブロックのサイズは、連続ポリマー反応条件によって決定され、好ましくは最も蓋然性の高いポリマーサイズ分布をなす。
【0098】
2つの反応器または帯域内で結晶性エチレンブロック(CEB)および結晶性アルファ-オレフィンブロック(CAOB)を有するブロックポリマーを生成する場合、第1の反応器もしくは帯域内でCEBを、第2の反応器もしくは帯域内でCAOBを、または第1の反応器もしくは帯域内でCAOBを、および第2の反応器もしくは帯域内でCEBを生成することが可能である。新鮮な連鎖シャトリング剤を添加した第1反応器または帯域内でCEBを生成する方がより有利であり得る。CEBを生成する反応器または帯域内のエチレンの存在のレベルが増加すると、その反応器または帯域内で、CAOBを生成する帯域または反応器内よりもはるかに高い分子量がもたらされる可能性がある。新鮮な連鎖シャトリング剤は、CEBを生成する反応器または帯域内のポリマーのMWを低減させるため、したがって、CEBセグメントとCAOBセグメントとの間の長さが全体的に良好な平衡になる。
【0099】
反応器または帯域を直列で操作する場合、一方の反応器がCEBを生成し、他方の反応器がCAOBを生成するように、多様な反応条件を維持することが必要である。溶媒およびモノマーリサイクル系を通る第1の反応器から第2の反応器へ(直列)、または第2の反応器から第1の反応器へのエチレンのキャリーオーバーは、好ましくは最小化される。このエチレンを除去するための多くの可能なユニット操作が存在するが、エチレンは高級アルファオレフィンよりも揮発性が高いため、1つの簡単な方法は、CEBを生成する反応器の溶出物の圧力を低減させ、エチレンを蒸発分離させることによる蒸発ステップによって未反応エチレンの大部分を除去することである。例示的なアプローチは、追加のユニット操作を回避し、エチレンのCEB反応器にわたる転化率が100%に近づくように、高級アルファオレフィンに対するエチレンのはるかに大きな反応性を利用することである。アルファオレフィン転化率を高レベル(90~95%)に維持することによって、反応器にわたるモノマーの全体的な転化率を制御することができる。
【0100】
結晶性ブロック複合材料を形成するのに使用するための例示的な触媒および触媒前駆体には、例えば、国際公開第WO2005/090426号に開示されるような金属錯体が含まれる。他の例示的な触媒は、米国特許出願公開第2006/0199930号、同第2007/0167578号、および同第2008/0311812号、米国特許第7,355,089号、ならびに国際公開第WO2009/012215号にも開示されている。
【0101】
必要に応じて、結晶性ブロック複合材料(CBC1)は、示差走査熱量測定(DSC)、C13核磁気共鳴(NMR)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、および高温液体クロマトグラフィー(HTLC)分別を特徴とし得る。これらは、米国特許出願公開第US2011/0082257号、同第US2011/0082258号、および同第US2011/0082249号(すべて2011年4月7日公開)により詳細に説明されており、これらは、分析方法の説明に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
手順
配合は、135℃でJSW2軸スクリュー押出機を使用する、当技術分野で知られている標準的な方法によって行われる。
【0103】
フィラメントは、Noztek Proフィラメント押出機を使用する、当技術分野で知られている標準的な方法によって形成される。簡単に言えば、ペレットをデスクトップ単軸スクリュー押出機に供給した。押出機を140℃に加熱し、スクリューを毎分15回転(RPM)で回転させた。ポリマー溶融物を1.75mmのノズルを通して押し出して、3Dプリンタに供給することができるフィラメントを生成した。
【0104】
3D印刷:部品は、Hyrel 3D,Norcross,Georgia(USA)から市販されているHyrelシステム30Mで印刷した。小さな3次元六角柱(寸法1.5cmx5mmまたは1.5cmx5cm、層の高さ0.2mm、100%の直線インフィルを印刷した。プリンターベッドの温度は、95℃であり、ノズルの温度は、180~240℃の範囲であった。
【0105】
組成物は、配合によって調製され(2つの材料が使用される場合のみ)、フィラメントにされ、次いで、表1に示すように、様々な量のOBCおよびPCRPOを使用して上記のように印刷される。OBCが20重量パーセント以下のサンプルは、押し出しに失敗したか、または印刷に失敗した。サンプル1は正常に印刷され、図4に示されている。サンプル4は正常に印刷されて物品になり、図5に示されている。図6は、押し出すことはできたが、印刷中の極端な反りのために正常に印刷することができなかった、すなわち、連続層をそれ以上追加することができなかった材料の例を示す。
【表2】
【0106】
本開示は、以下の態様を包含する:
【0107】
態様1。付加製造物品を形成するための付加製造の方法であって、(i)熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量%のポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量%のオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、熱可塑性材料を提供することであって、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、提供することと、(ii)当該熱可塑性材料を、ノズルを通して加熱および吐出して、基材上に堆積された押出物を形成することと、(iii)所定のパターンで基材とノズルとの間に水平変位が存在するように、熱可塑性材料を吐出しながら基材、ノズル、またはそれらの組み合わせを移動させ、基材上に材料の初期層を形成することと、(iv)ステップ(ii)および(iii)を繰り返して、初期層上に接着した材料の後続の層を形成することと、(v)任意選択でステップステップ(ii)および(iii)を繰り返して、前に形成された後続の層に接着した追加の後続の層を形成することと、を含む、方法。
態様2。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、態様1に記載の方法。
態様3。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中のポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様4。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様5。混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様6。オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様7。アイソタクチックポリプロピレンブロックは、オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、ポリエチレンリッチブロックである、態様6に記載の方法。
態様8。ポリエチレンリッチブロックは、ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、態様6または7に記載の方法。
【0108】
態様9。ブロック複合材料または結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、態様6~8のいずれか一つに記載の方法。
態様10。熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様11。付加製造物品は、プロトタイプである、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様12。熱可塑性材料は、ノズルに引き込まれ、かつノズル内で溶融されるフィラメントに形成される、先行態様のいずれか一つに記載の方法。
態様13。先行態様のいずれか一つに記載の方法によって作製された物品。
態様14。互いに接着された少なくとも2つの層から構成された付加製造物品であって、少なくとも1つの層は、熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、熱可塑性材料から構成され、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、付加製造物品。
態様15。混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様14に記載の物品。
態様16熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様14または15に記載の物品。
態様17プロトタイプである態様14~16のいずれか一つに記載の物品。
態様18:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、態様14~17のいずれか一つに記載の物品。
態様19:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中のポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様14~18のいずれか一つに記載の物品。
態様20:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様14~19のいずれか一つに記載の物品。
態様21:混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様14~20のいずれか一つに記載の物品。
態様22:オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、態様14~21のいずれか一つに記載の物品。
態様23:アイソタクチックポリプロピレンブロックは、オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、ポリエチレンリッチブロックである、態様22に記載の物品。
態様23。ポリエチレンリッチブロックは、ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、態様21または22に記載の物品。
態様24。ブロック複合材料または結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、態様21~23のいずれか一つに記載の物品。
態様25。熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様14~24のいずれか一つに記載の物品。
態様26。付加製造に有用なフィラメントであって、熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含み、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、フィラメント。
態様27。混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様26に記載のフィラメント。
態様28。20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様26または27に記載のフィラメント。
態様29:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、態様26~28のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様30。ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中のポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様26~29のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様31:ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、態様26~30のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様32:混入物の量は、ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、態様26~31のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様33:オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、態様26~32のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様34。アイソタクチックポリプロピレンブロックは、オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、ポリエチレンリッチブロックである、態様33に記載のフィラメント。
態様35。ポリエチレンリッチブロックは、ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、態様33または34に記載のフィラメント。
態様36。ブロック複合材料または結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、態様33~35のいずれか一つに記載のフィラメント。
態様37:熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、態様26~36のいずれか一つに記載のフィラメント。
【0109】
組成物、方法、および物品は、本明細書に開示される任意の適切な材料、ステップ、または成分を代替的に含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的になり得る。組成物、方法、および物品は、追加的または代替的に、組成物、方法、および物品の機能または目的を達成するために必要ではない任意の材料(または種)、ステップ、または成分を含まない、または実質的に含まないように、製剤化することができる。
【0110】
本明細書に開示されるすべての範囲は、端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせ可能である(例えば、「最大25重量%、より具体的には、5重量%~20重量%」の範囲には、「5重量%~25重量%」などの範囲の端点およびすべての中間値が含まれる)。さらに、提供される下限値および上限値は、自由に組み合わせて、範囲を提供することができる。例えば、少なくとも1、または少なくとも2、または少なくとも3、および最大10、または最大8、または最大5を組み合わせて、1~10、または1~8、または1~5、または2~10、または2~8、または2~5、または3~10、または3~8、または3~5にすることができる。「組み合わせ」には、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などが含まれる。「第1」、「第2」などの用語は、順序、数量、または重要性を示すのではなく、ある要素を別の要素と区別するために使用される。「a」および「an」および「the」という用語は、本明細書中で指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限りは、単数形および複数形の両方を包含するものと解釈されるべきである。「または」は、特に明記されない限り「および/または」を意味する。「いくつかの実施形態」、「実施形態」などへの本明細書全体での言及は、実施形態に関連して記載される特定の要素が、本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態に存在する場合も存在しない場合もあることを意味する。さらに、記載された要素は、様々な実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよいことを理解されたい。「それらの組み合わせ」は、自由であり、列挙された成分または特性の少なくとも1つを、任意選択で、列挙されていない同様のまたは同等の成分または特性とともに含む任意の組み合わせを含む。
【0111】
本明細書で特に明記されない限り、すべての試験規格は、本出願の出願日時点で、または優先権が主張される場合は、試験規格が記載される最も早い優先権出願の出願日の時点で、効力を有する最新の規格である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造物品を形成するための付加製造の方法であって、
(I)熱可塑性材料であって、前記熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、前記熱可塑性材料を提供することであって、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、提供することと、
(ii)前記熱可塑性材料を、ノズルを通して加熱および吐出して、基材上に堆積された押出物を形成することと、
(iii)所定のパターンで前記基材と前記ノズルとの間に水平変位が存在するように、前記熱可塑性材料を吐出しながら前記基材、前記ノズル、またはそれらの組み合わせを移動させ、前記基材上に前記材料の初期層を形成することと、
(iv)ステップ(ii)および(iii)を繰り返して、前記初期層上に接着した前記材料の後続の層を形成することと、
(v)任意選択でステップステップ(ii)および(iii)を繰り返して、前に形成された後続の層に接着された追加の後続の層を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィンは、少なくとも100mm/24.6cmのゲル指数(200ミクロン)を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の前記ポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化ポリオレフィン、および前述のポリマーのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物中の前記混入物は、非オレフィンポリマー、酸化ポリオレフィン、無機材料、接着剤材料、紙、油残留物、食品残留物、およびそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記混入物の量は、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物の5重量パーセント未満である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記オレフィンブロックコポリマー組成物は、ブロック複合材料、結晶性ブロック複合材料、またはブロックオレフィンコポリマーを中に有する混合物を含み、前記ブロックオレフィンコポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンブロックおよびポリエチレンリッチブロックを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アイソタクチックポリプロピレンブロックは、前記オレフィンブロックコポリマーの10モル%~90モル%、好ましくは30モル%~70モル%であり、残存する残りが、前記ポリエチレンリッチブロックである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリエチレンリッチブロックは、前記ポリエチレンリッチブロックの総モル数に基づいて、平均して少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%のエチレンを含み、残りがプロピレンである、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記ブロック複合材料または前記結晶性ブロック複合材料は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定された、0.1~0.9、好ましくは0.2~0.8のブロック複合材料指数を有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
熱可塑性物質は、20重量パーセント未満、好ましくは5重量パーセント未満の繊維状充填剤および無機材料を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記付加製造物品は、プロトタイプである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記熱可塑性材料は、前記ノズルに引き込まれ、かつ前記ノズル内で溶融されるフィラメントに形成される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも80重量パーセント、好ましくは少なくとも85重量パーセントのポリオレフィンを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
互いに接着された少なくとも2つの層から構成された付加製造物品であって、少なくとも1つの層は、熱可塑性材料であって、前記熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含む、前記熱可塑性材料から構成され、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、付加製造物品。
【請求項15】
付加製造に有用なフィラメントであって、熱可塑性材料の総重量に基づいて、5~75重量パーセント、好ましくは20~60重量パーセントのポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物、および25~95重量パーセントのオレフィンブロックコポリマー組成物を含み、前記ポストコンシューマリサイクルポリオレフィン組成物は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のポリオレフィン、および少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%の混入物を含む、フィラメント。
【国際調査報告】