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特表2022-552808GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子と、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子と、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/58 20060101AFI20221213BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 31/135 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A61K31/58
A61P25/24
A61P43/00 121
A61K31/135
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520657
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 US2020053951
(87)【国際公開番号】W WO2021067702
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/909,323
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522014219
【氏名又は名称】プラクシス プレシジョン メディシンズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロヤ カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ ゾーイ
(72)【発明者】
【氏名】レッディ キラン
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA12
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA16
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA52
4C086NA05
4C086ZA12
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA29
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA36
4C206MA79
4C206MA86
4C206NA05
4C206ZA12
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子と、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との組み合わせ、ならびにそのような組み合わせを使用して、鬱病および不安などの気分障害を治療する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気分障害または情動障害を治療するための組成物であって、
a)治療有効量のGABA-A PAMと、
b)治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記GABA-A PAMが、化合物1
【化1】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記NMDA拮抗薬が、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記NMDA拮抗薬が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記化合物1の薬学的に許容される塩が、臭化水素酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、および酒石酸塩からなる群から選択される、請求項2~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、それを必要とする患者への投与時に、約500ng*h/ml~約2500ng*h/mlの化合物1の平均定常状態血漿AUC(0~24)時間を提供する、請求項2~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、それを必要とする患者への投与時に、約50ng/mL~約500ng/mlの化合物1の定常状態血漿Cmaxを提供する、請求項2~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、それを必要とする患者への投与時に、500ng/mlの化合物1を超過しない定常状態血漿Cmaxを提供する、請求項2~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が経口剤形である、請求項2~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が鼻腔用スプレーである、請求項2~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、約5~約120mgの化合物1を含む、請求項2~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、約1mg~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項2~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
気分障害または情動障害を治療するためのキットであって、
a)治療有効量のGABA-A PAMを含む組成物と、
b)治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を含む組成物と、を含む、キット。
【請求項14】
前記GABA-A PAMが、化合物1
【化2】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記NMDA拮抗薬が、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項13または14に記載のキット。
【請求項16】
前記NMDA拮抗薬が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項13または14に記載のキット。
【請求項17】
前記化合物1の薬学的に許容される塩が、臭化水素酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、および酒石酸塩からなる群から選択される、請求項14~16のいずれか一項に記載のキット。
【請求項18】
前記組成物(a)が、それを必要とする患者への投与時に、約500ng*h/ml~約2500ng*h/mlの化合物1の平均定常状態血漿AUC(0~24)時間を提供する、請求項14~17のいずれか一項に記載のキット。
【請求項19】
前記組成物(a)が、それを必要とする患者への投与時に、約50ng/mL~約400ng/mlの化合物1の定常状態血漿Cmaxを提供する、請求項14~18のいずれか一項に記載のキット。
【請求項20】
前記組成物(a)が、それを必要とする患者への投与時に、500ng/mlの化合物1を超過しない定常状態血漿Cmaxを提供する、請求項14~19のいずれか一項に記載のキット。
【請求項21】
前記組成物(a)が経口剤形である、請求項14~20のいずれか一項に記載のキット。
【請求項22】
前記組成物(b)が注射剤形である、請求項14~20のいずれか一項に記載のキット。
【請求項23】
前記組成物(a)が、約5~約120mgの化合物1を含む、請求項14~22のいずれか一項に記載のキット。
【請求項24】
前記組成物(b)が経口剤形である、請求項14~21のいずれか一項に記載のキット。
【請求項25】
前記組成物(b)が鼻腔用スプレーである、請求項14~21のいずれか一項に記載のキット。
【請求項26】
前記組成物(b)が、約1~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15または17~25のいずれか一項に記載のキット。
【請求項27】
前記組成物(b)が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項25に記載のキット。
【請求項28】
治療有効量のGABA-A PAMと、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを投与することを含む、適応障害の治療を、それを必要とする患者において行う方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月2日に出願された米国出願第62/909,323号の優先権を主張するものであり、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子と、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との組み合わせ、ならびにそのような組み合わせを使用して、鬱病および不安などの気分障害を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大鬱病性障害は、人口の大部分に影響を及ぼし、世界保健機関によれば、世界中で能力障害の原因第1位となっている。MDDを治療するためのFDAが承認した療法(SSRIおよびSNRIなど)の多くは、有効性の発現に相当な遅延(数週)があり、治療失敗率が高い。例えば、MDD患者の約33%が、複数の治療レジメンにもかかわらず、完全な症候寛解を達成できない。現行薬剤の有効性の欠如および有効性の遅発性は、自殺リスクの高い患者集団にとって特に問題である。このため、大鬱病性障害に対する即効性で効果的な治療が必要である。
【0004】
3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-21-(1′-イミダゾリル)-5α-プレグナン-20-オン(化合物1)は、合成神経活性ステロイドである。その主な分子標的はγ-アミノ酪酸A型(GABA-A)受容体であり、ここでこれは、チャネル機能の陽性アロステリック調節因子(PAM)として作用する。化合物1の構造式を以下に示す。
【化1】
【0005】
GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子(GABA-A PAM)、特に神経活性ステロイドGABA-A PAMは、麻酔、癲癇、産後鬱病、および大鬱病において臨床的有効性を示している。
【0006】
一部の文献は、NMDA拮抗薬であるケタミンが、ある特定の形態の鬱病を治療するために使用され得ることを示唆している。しかしながら、鬱病の治療のためにFDAが承認したケタミン含有薬物製品はない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、数あるなかでも、治療有効量のGABA-A PAM(例えば、神経活性ステロイド)と、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を、それを必要とする患者に投与することによって、鬱病(例えば、大鬱病性障害、自殺の危険性を伴う大鬱病性障害、臨床的鬱病、産後(postnatalまたはpostpartum)鬱病、治療抵抗性産後鬱病、閉経周辺期鬱病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型鬱病、メランコリー型鬱病、精神病性大鬱病(PMD)、緊張型鬱病、季節性情動障害(SAD)、持続性鬱病性障害(気分変調)、二重抑鬱症、抑鬱性パーソナリティ障害(DPD)、反復性短期鬱病(RBD)、軽度鬱病性障害、双極性障害または躁鬱病、自殺の危険性を伴う双極性鬱病、心的外傷後ストレス障害、慢性病状による鬱病、別の病状に起因する鬱病性障害、治療抵抗性鬱病、不応性鬱病、物質・医薬品誘発性鬱病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴う鬱病)を治療する方法を提供する。別の態様では、本発明は、治療有効量のGABA-A PAMと、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を、それを必要とする患者に投与することによって、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、局限性恐怖症、および場面緘黙症から選択される気分障害または情動障害を治療する方法を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、鬱病の治療を必要とする患者は、大鬱病性障害(MDD)を有する患者である。いくつかの実施形態では、患者は重度のMDDを有する。いくつかの実施形態では、鬱病の治療を必要とする患者は、他の療法に不応性である鬱病(すなわち、治療抵抗性鬱病)を有する患者である。
【0009】
一態様では、本開示は、治療有効量のGABA-A PAM(例えば、神経活性ステロイド)と、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを、それを必要とする患者に投与することによる疼痛の方法を提供する。
【0010】
一態様では、本開示は、治療有効量のGABA-A PAMと、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを含有する医薬組成物を提供する。別の態様では、本開示は、治療有効量のGABA-A PAMを含有する医薬組成物と、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を含有する医薬組成物とを含む医薬キットを提供する。本開示により提供されるキットおよび組成物は、気分障害および情動障害の治療に有用である。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態では、GABA-A PAMは、化合物1またはその薬学的に許容される塩であり、NMDA拮抗薬は、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態では、GABA-A PAMは、化合物1またはその薬学的に許容される塩であり、NMDA拮抗薬は、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0013】
定義
「約」という用語は、数値の直前にあるとき、範囲(例えば、その値のプラスまたはマイナス10%)を意味する。例えば、「約50」は45~55を意味してもよく、「約25,000」は22,500~27,500を意味してもよい、などとなるが、本開示の文脈が別途示す場合、またはそのような解釈と矛盾する場合を除く。例えば、「約49、約50、約55、...」などの数値のリストにおいて、「約50」は、先行する値と後続する値との間の間隔の半分未満に及ぶ範囲、例えば、49.5超から52.5未満を意味する。さらに、「約(値)未満」または「約(値)超」という語句は、本明細書に提供される「約」という用語の定義に照らして理解されるべきである。同様に、「約」という用語は、ひと続きの数値または値の範囲に先行するとき(例えば、「約10、20、30」または「約10~30」)、それぞれ、そのひと続きにあるすべての値、または範囲の終点を指す。
【0014】
本開示全体をとおして、様々な特許、特許出願、および刊行物が参照される。これらの特許、特許出願、および刊行物の開示は、それらの全体が、本開示の日付において当業者に既知である最新技術をより十分に説明するために、すべての目的で、参照により本開示に組み込まれる。引用された特許、特許出願、および刊行物と本開示との間に何らかの矛盾がある場合には、本開示が適用される。
【0015】
便宜上、本明細書、実施例、および特許請求の範囲において用いられるある特定の用語を、ここにまとめる。別途定義されない限り、本開示で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0016】
本明細書で使用される「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、化合物または化合物の薬学的に許容される塩もしくはエステル、あるいは化合物または化合物の薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物のいずれかを患者に直接投与することを指す。
【0017】
本明細書で使用される「担体」という用語は、担体、賦形剤、および希釈剤を含み、物質、組成物、またはビヒクル、例えば、1つの器官、または身体の一部から、別の器官または身体の一部への医薬品の運搬または輸送に関与する、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料を意味する。
【0018】
「大鬱病性障害」という用語は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM-5)に定義される大鬱病性障害を意味するように本開示において使用される。「中等度の大鬱病性障害」という用語は、症状の数、症状の強度、および/または機能不全が、「軽度」および「重度」についてDSM-5で指定されているものの間である、大鬱病性障害を意味するように本開示において使用される。「重度の大鬱病性障害」という用語は、症状の数が、診断を下すのに必要とされる症状の数を過度に超え、症状の強度がひどい苦痛を伴い管理不可能であり、症状が社会的および職業的な機能を著しく妨げる、大鬱病性障害を意味するように本開示において使用される。
【0019】
「障害」という用語は、別途示されない限り、疾患、状態、または疾病を意味するように本開示において使用され、またこれらの用語と交換可能に使用される。
【0020】
「有効量」および「治療有効量」という用語は、本開示において交換可能に使用され、患者に投与されると意図される結果を達成することができる化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくはエステルの量を指す。例えば、有効量のGABA-A PAM(またはNMDA拮抗薬)は、患者において少なくとも1つの鬱病の症状を低減するために必要な量である。「有効量」または「治療有効量」を含む実際の量は、障害の重症度、患者のサイズおよび健康状態、ならびに投与経路を含むがこれらに限定されない、ある数の状態に左右されることになる。当業者であれば、医療技術分野で既知の方法を使用して適切な量を容易に決定することができる。
【0021】
本明細書で使用される「閉経周辺期」という語句は、早期および後期の閉経期移行段階ならびに早期の閉経後期を指す。
【0022】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という語句は、妥当な効果対リスク比に見合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な、健全な医学的判断の範囲内にある、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
【0023】
本明細書で使用される「塩」という用語は、遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される薬学的に許容される塩を包む。塩の性質は、それが薬学的に許容されるものである限り、重要ではない。「塩」という用語はまた、水和物などの付加塩の溶媒和物、ならびに付加塩の多形を含む。好適な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸から調製することも、有機酸から調製することもできる。
【0024】
患者に関して本明細書で使用される「治療すること」という用語は、患者の障害の少なくとも1つの症状を改善することを指す。治療することは、障害を治癒、改善、または少なくとも部分的に向上させることであり得る。
【0025】
本明細書で使用される「治療効果」という用語は、本方法および/または本組成物によってもたらされる望ましいまたは有益な効果を指す。例えば、鬱病を治療するための方法は、本方法により患者における鬱病の少なくとも1つの症状が低減される場合に、治療効果をもたらす。
【発明の詳細な説明】
【0026】
大鬱病性障害(MDD)は、能力障害を引き起こし、生活の質を減退させ、限られた医療資源を枯渇させ、罹患率および死亡率を増加させ、物質乱用率および自殺率を増加させる、一般的な精神疾病である。米国およびオーストラリアにおけるMDDの発生率は、それぞれ、約7%(American Psychiatric Association.(2013).Diagnostic and statistical manual of mental disorders (5th ed.).Arlington,VA:American Psychiatric Publishing)および5%(Australian Bureau of Statistics.(2008).National Survey of Mental Health and Wellbeing:Summary of results,2007,cat no.4326.0.Canberra:ABS)である。MDD患者のための現在の治療選択肢は限定されており、これらには、セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)およびセロトニンノルエピネフリン取り込み阻害剤(SNRI)が含まれる。しかしながら、SSRIおよびSNRIは、MDDを治療するという文脈で有効性の発現に相当な遅延(数週)があり、治療失敗率が高い。例えば、MDD患者の約33%が、複数の治療レジメンにもかかわらず、完全な症候寛解を達成できない(Rush AJ,et al.Acute and longer-term outcomes in depressed outpatients requiring one or several treatment steps:a STAR*D report.Am J Psychiatry.2006;163:1905-1917.)。
【0027】
GABA作動系の障害は、鬱病および不安の発症に関係している。相次ぐ前臨床および臨床上の証拠は、GABA-A機能低下が、鬱病および不安の病態生理に役割を果たすという仮説を裏付ける(Luscher B,Shen Q,Sahir N.The GABAergic deficit hypothesis of major depressive disorder.Mol Psychiatry.2011;16(4):383-406)。この仮説を裏付けるものとして、GABA作動性機能を強化する薬物が、気分障害の治療にいくらかの臨床的有益性を示している。例えば、GABA-A受容体の陽性アロステリック調節因子(PAM)であるベンゾジアゼピンは、不安障害の治療に非常に有効である。
【0028】
神経活性ステロイド(NAS)は、GABA-A受容体のアロステリック調節を介して神経生理学的機能に影響を及ぼす化合物(合成および天然)のファミリーである。内因性NASであるアロプレグナノロンおよびプレグナノロンは、気分障害において調節されなくなり、不安および鬱病の動物モデルにおいて前臨床上の有効性を示すGABA-A PAMである。NASは、ベンゾジアゼピンまたは内因性作動薬GABAとは異なるGABA-A受容体上の結合部位に結合する(Hosie AM,Wilkins ME,Da Silva HMA,Smart TG.Endogenous neurosteroids regulate GABA-A receptors through two discrete transmembrane sites.Nature.2006;444(7118):486-489.)。ベンゾジアゼピンは、主にシナプスに局在するガンマサブユニットを含有するGABA-A受容体のみを増強する。対照的に、NASは、GABA-A受容体のより大きな割合に存在するアルファおよびベータサブユニットに結合し、シナプス部位とシナプス外部位との両方で広範な活性を生じさせる。
【0029】
グルタミン酸作動性N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬であるケタミンの急速な抗鬱作用が、静脈内による0.1、0.5、および0.75mg/kgの用量で臨床的に示されている。ケタミンは、静脈内による0.5mg/kgの用量で投与されるのが最も一般的であり、40分の注入セッションにわたって投与される。ケタミンは、S(+)-ケタミンおよびR(-)-ケタミンという2つの鏡像異性体のラセミ混合物である。ケタミンは、高用量で解離麻酔を引き起こし、全身麻酔として使用することができる。しかしながら、鬱病の治療のためにU.S.Food and Drug Administrationが承認したケタミン含有薬物製品はない。
【0030】
一態様では、本発明は、有効量のGABA-A受容体陽性アロステリック調節因子と、有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投与を、そのような治療を必要とする患者に行うことを含む、鬱病を治療する方法を提供する。別の態様では、本発明は、有効量のGABA-A受容体陽性アロステリック調節因子と、有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投与を、そのような治療を必要とする患者に行うことを含む、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、局限性恐怖症、および場面緘黙症から選択される気分障害または情動障害を治療する方法を提供する。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態によると、GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子は、化合物1またはその薬学的に許容される塩であり、NMDA拮抗薬は、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態によると、GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子は、化合物1またはその薬学的に許容される塩であり、NMDA拮抗薬は、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0033】
GABA-A受容体陽性アロステリック調節因子
本開示によると、1つ以上のGABA-A受容体陽性アロステリック調節因子(GABA-A PAM)を、1つ以上のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と組み合わせて、気分障害および情動障害を治療するために使用される組成物およびキットを提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上のGABA-A PAMを、1つ以上のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と組み合わせて、疼痛を治療するために使用される組成物およびキットを提供する。
【0034】
GABA-A PAMは、当業者には既知である。以下の開示は、GABA-A PAMの選択に関するガイダンス、ならびに本開示の組成物、キット、および方法における使用に好適なGABA-A PAMの非限定的な例を提供する。
【0035】
本方法で用いられるGABA-A PAMは、GABA-A PAMまたはその薬学的に許容される塩を薬学的に許容される担体と組み合わせることによって、医薬組成物の一部を形成することができる。加えて、組成物は、アジュバント、賦形剤、希釈剤、放出改変剤、および安定剤からなる群から選択される添加剤を含み得る。組成物は、即時放出製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、または徐放製剤であり得る。
【0036】
本開示の組成物、キット、および方法における使用に好適なGABA-A PAMは、シナプスおよび/またはシナプス外GABA-A受容体の強力な(3μM未満)調節因子であり、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と組み合わせて投与されると相乗効果を呈し、鬱病の前臨床モデルにおける鬱病および/または不安表現型を防止または逆転させる化合物である。いくつかの実施形態では、好適なGABA-A PAMは、NMDA拮抗薬と組み合わせて投与されると、ケタミンおよび/もしくは他のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の副作用プロファイルを悪化させず、さらには軽減する可能性がある(例えば、不安および/または解離徴候を減少させる)。
【0037】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMは、ベンゾジアゼピン、神経活性ステロイド、PF-06372865(7-エチル-4-〔3-(4-エチルスルホニル-2-メトキシフェニル)-4-フルオロフェニル〕イミダゾ〔4,5-c〕ピリダジン)、ガボキサドール、およびエチホキシンからなる群から選択される。
【0038】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMはベンゾジアゼピンである。いくつかの実施形態では、ベンゾジアゼピンは、ミダゾラム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、およびアジナゾラムからなる群から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMは神経活性ステロイドである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、プレグナノロン、アロプレグナノロン、アロテトラヒドロデオキシコルチコステロン、ガナキソロン、アルファキソロン、アルファドロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、アルテシン、レナノロン、SAGE-324、SAGE-217(3α-ヒドロキシ-3β-メチル-21-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1’-イル)-19-ノル-5β-プレグナン-20-オン)、および全体が参照により本明細書に援用される米国公開第2017/0240589号に記載のいずれかの神経活性ステロイドからなる群から選択される。
【0040】
好ましい実施形態では、GABA-A PAMは、3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-21-(1′-イミダゾリル)-5α-プレグナン-20-オン(化合物1)またはその薬学的に許容される塩である。化合物1の構造式を以下に示す。
【化2】
【0041】
化合物1は、臨床段階神経活性ステロイド(アロプレグナノロン、ガナキソロン、SAGE-217、アルファキソロン)と類似した高い効力を有する神経活性ステロイドGABA-A PAMである。
【0042】
化合物1の合成は、米国公開第2004/034002号および同第2009/0118248号に記載されている。化合物1の遊離塩基の結晶多形は、米国公開第2006/0074059号に記載されている。化合物1を含有する医薬組成物は、すべての目的で全体が参照により本明細書に援用される米国公開第2009/0131383号に記載されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示の製剤および方法に使用されるGABA-A PAMは、化合物1またはその薬学的に許容される塩である。化合物1の塩およびその多形は、全体が参照により本明細書に援用される米国仮出願第62/725,805号に記載されている。いくつかの実施形態では、本開示の製剤および方法に使用される化合物1の薬学的に許容される塩は、臭化水素酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、塩酸塩、トシル酸塩、グルクロン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、硫酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、アスコルビン酸塩、シュウ酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩、マロン酸塩、アミノサリチル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ゲンチジン酸塩、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、ジクロロ酢酸塩、サイクラミン酸塩、およびエタン-1,2-ジスルホン酸塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1臭化水素酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1クエン酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1 L-リンゴ酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1メシル酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1リン酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1 L(+)-酒石酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1塩酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1トシル酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1グルクロン酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1エタンスルホン酸塩である。
【0044】
NMDA拮抗薬/NMDA陰性アロステリック調節因子/NMDA部分作動薬/NMDA開口チャネル阻害薬:
本開示によると、1つ以上のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を、1つ以上のGABA-A PAMと組み合わせて、気分障害および情動障害を治療するために使用される組成物およびキットを提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を、1つ以上のGABA-A PAMと組み合わせて、疼痛を治療するために使用される組成物およびキットを提供する。
【0045】
NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、当業者には既知である。以下の開示は、NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の選択についてのガイダンス、ならびに本開示の組成物、キット、および方法における使用に好適なNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の非限定的な例を提供する。
【0046】
本方法で用いられるNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、およびNMDA部分作動薬、またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と組み合わせることによって、医薬組成物の一部を形成することができる。加えて、組成物は、アジュバント、賦形剤、希釈剤、放出改変剤、および安定剤からなる群から選択される添加剤を含み得る。組成物は、即時放出製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、または徐放製剤であり得る。
【0047】
本開示の組成物、キット、および方法における使用に好適なNMDA陰性アロステリック調節因子(NAM)は、NMDA受容体上のアロステリック結合部位に結合し、内因性共作動薬であるグルタミン酸およびグリシンに応答してNMDA受容体の活性を低減させる化合物である。
【0048】
本開示の組成物、キット、および方法における使用に好適なNMDAオルソステリック(競合的)拮抗薬は、グルタミン酸結合部位またはグリシン共作動薬結合部位のいずれかに結合し、内因性共作動薬であるグルタミン酸およびグリシンに応答してNMDA受容体の活性を低減させる化合物である。
【0049】
本開示の組成物、キット、および方法における使用に好適なNMDA受容体部分作動薬は、NMDA受容体のオルソステリック(すなわち、グルタミン酸またはグリシン結合部位)またはアロステリック部位に結合し、内因性作動薬結合とは独立して受容体を部分的に活性化する化合物である。
【0050】
好適な開口チャネル阻害薬は、チャネルが開口し活性化された状態でない限りアクセスできないチャネルの中央孔に位置する結合部位に結合する化合物である。
【0051】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬またはNMDA陰性アロステリック調節因子は、ケタミン、R-ケタミン、エスケタミン、メタドン、D-メタドン、BMT-108908((R)-1-(4-フルオロベンジル)-3-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)ピロリジン-2-オン)、フルピルチンラジプロジル、プリラルフィナミドデキストロメトルファン、AZD-8108、AZD-6423、NYX-2925((2S,3R)-3-ヒドロキシ-2-((R)-5-イソブチリル-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)ブタンアミド))、NYX-783、NYX-458、ラニセミン、AZD 6423、トラキソプロジル、イフェンプロジル、リスレネムダズ(CERC-301)、EVT-101(5-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-3-((2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ピリダジン)、4-クロロキヌレニン、メマンチン、アマンタジン、メトキシエタミン、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン、フェンシクリジン、およびリルゾールからなる群から選択される。
【0052】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬またはNMDA陰性アロステリック調節因子は、ケタミン、R-ケタミン、エスケタミン、メタドン、D-メタドン、BMT-108908((R)-1-(4-フルオロベンジル)-3-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)ピロリジン-2-オン)、フルピルチンラジプロジル、プリラルフィナミドデキストロメトルファン、ラニセミン、トラキソプロジル、イフェンプロジル、リスレネムダズ(CERC-301)、EVT-101(5-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-3-((2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ピリダジン)、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン、フェンシクリジン、およびメマンチンからなる群から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬は、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬は、塩酸ケタミンである。
【0054】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬は、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬は、塩酸エスケタミンである。
【0055】
いくつかの実施形態では、NMDA部分作動薬は、ラパスチネル、AGN-241751、およびd-シクロセリンからなる群から選択される。
【0056】
製剤/キット
本発明の方法は、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、滅菌非経口溶液、または懸濁液(例えば、筋肉内(IM)、皮下(SC)、および静脈内(IV))、経皮パッチ剤、および経口溶液または懸濁液、ならびに好適な量の本開示のGABA-A PAM、および/またはNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、もしくはNMDA部分作動薬を含有する油水エマルションなどの単位剤形にある、患者、例えばヒトへの投与のための様々な製剤を用いることができる。
【0057】
経口医薬剤形は、固体または液体のいずれであることもできる。好適な固体剤形の非限定的なリストには、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、フィルム(例えば、口腔フィルム)、および混合散剤が含まれる。経口錠剤のタイプには、例えば、圧縮されたチュアブルトローチおよび錠剤が含まれ、これらは、腸溶コーティング、糖コーティング、またはフィルムコーティングされ得る。カプセル剤は、硬質または軟質のゼラチンカプセル剤であってもよく、一方で顆粒剤および散剤は、当業者に既知の他の成分の組み合わせとともに、非沸騰形態または沸騰形態で提供されてもよい。いくつかの実施形態では、本経口剤形は、経口崩壊錠を含んでもよい。
【0058】
錠剤に利用される薬学的に許容される担体には、結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、および湿潤剤が含まれる。
【0059】
液体経口剤形には、水溶液、エマルション、懸濁液、非沸騰顆粒剤から再構成された溶液および/または懸濁液、ならびに沸騰顆粒剤から再構成された沸騰調製物が含まれる。液体鼻腔剤形には、水溶液および懸濁液が含まれる。
【0060】
水溶液には、例えば、エリキシル剤およびシロップ剤が含まれる。エマルションは、水中油型または油中水型のいずれであってもよい。エリキシル剤は、透明で甘味のある水アルコール調製物である。エリキシル剤に使用される薬学的に許容される担体には、溶媒が含まれる。シロップ剤は、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液であってもよく、防腐剤を含有してもよい。エマルションは、1つの液体が別の液体全体にわたって細球の形態で分散している二相系である。エマルションに使用される薬学的に許容される担体は、非水性の液体、乳化剤、および防腐剤である。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁剤および防腐剤を使用することができる。再構成されて液体経口剤形となる、非沸騰顆粒剤に使用される薬学的に許容される物質は、希釈剤、甘味料、および湿潤剤を含み得る。再構成されて液体経口剤形となる、沸騰顆粒剤に使用される薬学的に許容される物質は、有機酸および二酸化炭素源を含み得る。着色剤および香味剤は、上記の剤形のすべてに使用することができる。
【0061】
一態様では、本開示は、(a)治療有効量のGABA-A PAMと、(b)治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを含む、気分障害または情動障害を治療するための組成物を提供する。そのような実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とは、同じ組成物中にある。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示は、GABA-A PAMが化合物1
【化3】
またはその薬学的に許容される塩であり、NMDA拮抗薬がケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、組成物を提供する。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、約5mg~約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を含有し、この量には、間のすべての範囲を含めて、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgが含まれる。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を含有する。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、約1mg~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含有し、この量には、間のすべての範囲を含めて、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgが含まれる。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含有する。
【0067】
いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩とを含む本開示の組成物は、経口剤形である。いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩とを含む本開示の組成物は、非経口剤形である。いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩とを含む本開示の組成物は、皮下剤形である。いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩とを含む本開示の組成物は、筋肉内剤形である。いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩とを含む本開示の組成物は、経鼻剤形である。
【0068】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物は、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬について、組成物からの異なる放出速度を提供する。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、組成物から即時に放出され、GABA-A PAMは、投与の少なくとも約6時間後に放出される(すなわち、GABA-A PAMは遅延放出性であり、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、即時放出性である)。ある特定のさらなる実施形態では、遅延放出期間の後、GABA-A PAMは、少なくとも約4時間にわたって放出される(すなわち、GABA-A PAMは持続放出性である)。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、投与の約1~約8時間後に、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の治療的に有効な血漿レベル(本明細書に記載されるとおり)がもたらされ、投与の約8~約12時間後に、GABA-A PAMの治療的に有効な血漿レベル(本明細書に記載されるとおり)がもたらされる。前述の放出プロファイルを達成するのに好適な固定用量の混合組成物は、当業者に既知であり、多層錠剤、多粒子製剤、分割錠剤、浸透圧錠剤などを含む。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によると、本発明の組成物の投与を、それを必要とする患者に行うことで、鬱病を治療するための化合物1の治療的に有効な血漿レベルがもたらされる。本発明の他の実施形態によると、本発明の組成物およびキットの投与を、それを必要とする患者に行うことで、鬱病を治療するためのケタミンの治療的に有効な血漿レベルがもたらされる。化合物1およびケタミンの血漿レベルは、定常状態血漿レベル、AUC、CmaxおよびCminなどの当業者に既知の薬物動態パラメータを使用して表され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関する化合物1の平均定常状態AUC0~24h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物によってもたらされる化合物1の治療的に有効な平均定常状態AUC0~24hレベルは、約50ng*hr/mL~約2300ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、300ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約500ng*hr/mL、約600ng*hr/mL、約700ng*hr/mL、約800ng*hr/mL、約900ng*hr/mL、約1000ng*hr/mL、約1100ng*hr/mL、約1200ng*hr/mL、約1300ng*hr/mL、約1400ng*hr/mL、約1500ng*hr/mL、約1600ng*hr/mL、約1700ng*hr/mL、約1800ng*hr/mL、約1900ng*hr/mL、約2000ng*hr/mL、約2100ng*hr/mL、約2200ng*hr/mL、および約2300ng*hr/mLが含まれる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、約500ng*h/ml~約2500ng*h/mlの化合物1の平均定常状態AUC0~24hがもたらされる。他の実施形態では、本開示の組成物は、化合物1の平均定常状態AUC0~24hが、本明細書に提供される化合物1の平均定常状態AUC0~24h値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関する化合物1の定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約5ng/mL~約500ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、約400ng/mL、約410ng/mL、約420ng/mL、約430ng/mL、約440ng/mL、約150ng/mL、約460ng/mL、約470ng/mL、約480ng/mL、約490ng/mL、約400ng/mL、および約500ng/mLが含まれる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、約50ng/mL~約400ng/mlの化合物1の定常状態血漿Cmaxがもたらされる。他の実施形態では、本開示の組成物は、化合物1の定常状態血漿Cmaxが、本明細書に提供される化合物1の定常状態血漿Cmax値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、500ng/mLを超過しない化合物1の定常状態血漿Cmaxがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約500ng/mLを超過せず、これには、約500ng/mL未満、約475ng/mL未満、約450ng/mL未満、425ng/mL未満、約400ng/mL未満、約375ng/mL未満、約350ng/mL未満、約325ng/mL、および約300ng/mL未満が含まれる。
【0073】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するケタミンの平均定常状態AUC0~6h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物によってもたらされるケタミンの治療的に有効な平均定常状態AUC0~6hレベルは、約50ng*hr/mL~約500ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約75ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約125ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約175ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約225ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、約275ng*hr/mL、約300ng*hr/mL、約320ng*hr/mL、約350ng*hr/mL、約375ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約425ng*hr/mL、約450ng*hr/mL、約475ng*hr/mL、および約500ng*hr/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物は、ケタミンの定常状態血漿AUC0~6hが、本明細書に提供されるケタミンの定常状態血漿AUC0~6h値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するノルケタミン(ケタミンおよびエスケタミンの代謝産物)の平均定常状態AUC0~6h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物によってもたらされるノルケタミンの治療的に有効な平均定常状態AUC0~6hレベルは、約50ng*hr/mL~約500ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約75ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約125ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約175ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約225ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、約275ng*hr/mL、約300ng*hr/mL、約320ng*hr/mL、約350ng*hr/mL、約375ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約425ng*hr/mL、約450ng*hr/mL、約475ng*hr/mL、および約500ng*hr/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物は、ノルケタミンの定常状態血漿AUC0~6hが、本明細書に提供されるノルケタミンの定常状態血漿AUC0~6h値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するケタミンの定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物によってもたらされるケタミンの治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約5ng/mL~約400ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、および約400ng/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物は、ケタミンの定常状態血漿Cmaxが、本明細書に提供されるケタミンの定常状態血漿Cmax値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するノルケタミン(ケタミンおよびエスケタミンの代謝産物)の定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物によってもたらされるノルケタミンの治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約5ng/mL~約400ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、および約400ng/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物は、ノルケタミンの定常状態血漿Cmaxが、本明細書に提供されるノルケタミンの定常状態血漿Cmax値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0077】
一態様では、本開示は、(a)治療有効量のGABA-A PAMを含む組成物と、(b)治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を含む組成物とを含む、気分障害または情動障害を治療するためのキットを提供する。そのような実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とは、別個の組成物中にある。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示は、GABA-A PAMが化合物1
【化4】
またはその薬学的に許容される塩であり、NMDA拮抗薬がケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、キットを提供する。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示のキットは、約5mg~約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を含有する組成物(a)を含み、この量には、間のすべての範囲を含めて、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgが含まれる。
【0080】
いくつかの実施形態では、本開示のキットは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を含有する組成物(a)を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本開示のキットは、約1mg~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含有する組成物(b)を含み、この量には、間のすべての範囲を含めて、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgが含まれる。
【0082】
いくつかの実施形態では、本開示のキットは、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含有する組成物(b)を含む。
【0083】
本開示のキットのいくつかの実施形態では、組成物(b)は鼻腔用スプレーである。本開示のキットのいくつかの実施形態では、組成物(b)は、静脈内投与に好適な溶液である。本開示のキットのいくつかの実施形態では、組成物(b)は、舌下投与に好適なフィルムである。
【0084】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(a)により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関する化合物1の平均定常状態AUC0~24h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物(a)によってもたらされる化合物1の治療的に有効な平均定常状態AUC0~24hレベルは、約50ng*hr/mL~約2300ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、100ng*hr/mL、150ng*hr/mL、200ng*hr/mL、250ng*hr/mL、300ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約500ng*hr/mL、約600ng*hr/mL、約700ng*hr/mL、約800ng*hr/mL、約900ng*hr/mL、約1000ng*hr/mL、約1100ng*hr/mL、約1200ng*hr/mL、約1300ng*hr/mL、約1400ng*hr/mL、約1500ng*hr/mL、約1600ng*hr/mL、約1700ng*hr/mL、約1800ng*hr/mL、約1900ng*hr/mL、約2000ng*hr/mL、約2100ng*hr/mL、約2200ng*hr/mL、および約2300ng*hr/mLが含まれる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(a)により、約500ng*h/ml~約2500ng*h/mlの化合物1の平均定常状態AUC0~24hがもたらされる。他の実施形態では、本開示のキットの組成物(a)は、化合物1の平均定常状態AUC0~24hが、本明細書に提供される化合物1の平均定常状態AUC0~24h値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(a)により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関する化合物1の定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物(a)によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約5ng/mL~約500ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、10ng/mL、20ng/mL、30ng/mL、40ng/mL、50ng/mL、60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、約400ng/mL、約410ng/mL、約420ng/mL、約430ng/mL、約440ng/mL、約150ng/mL、約460ng/mL、約470ng/mL、約480ng/mL、約490ng/mL、約400ng/mL、および約500ng/mLが含まれる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(a)により、約50ng/mL~約400ng/mlの化合物1の定常状態血漿Cmaxがもたらされる。
【0086】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(a)により、500ng/mLを超過しない化合物1の定常状態血漿Cmaxがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物(a)によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約500ng/mLを超過せず、これには、約500ng/mL未満、約475ng/mL未満、約450ng/mL未満、425ng/mL未満、約400ng/mL未満、約375ng/mL未満、約350ng/mL未満、約325ng/mL、および約300ng/mL未満が含まれる。他の実施形態では、本開示のキットの組成物(a)は、化合物1の定常状態血漿Cmaxレベルが、本明細書に提供される化合物1の定常状態血漿Cmaxレベルのうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(b)により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するケタミンの平均定常状態AUC0~6h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物(b)によってもたらされるケタミンの治療的に有効な平均定常状態AUC0~6hレベルは、約50ng*hr/mL~約500ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約75ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約125ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約175ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約225ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、約275ng*hr/mL、約300ng*hr/mL、約320ng*hr/mL、約350ng*hr/mL、約375ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約425ng*hr/mL、約450ng*hr/mL、約475ng*hr/mL、および約500ng*hr/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物(b)は、ケタミンの定常状態血漿AUC0~6hが、本明細書に提供されるケタミンの定常状態血漿AUC0~6h値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(b)により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するノルケタミン(ケタミンおよびエスケタミンの代謝産物)の平均定常状態AUC0~6h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物(b)によってもたらされるノルケタミンの治療的に有効な平均定常状態AUC0~6hレベルは、約50ng*hr/mL~約500ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約75ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約125ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約175ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約225ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、約275ng*hr/mL、約300ng*hr/mL、約320ng*hr/mL、約350ng*hr/mL、約375ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約425ng*hr/mL、約450ng*hr/mL、約475ng*hr/mL、および約500ng*hr/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物(b)は、ノルケタミンの定常状態血漿AUC0~6hが、本明細書に提供されるノルケタミンの定常状態血漿AUC0~6h値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物(b)により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するケタミンの定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物(b)によってもたらされるケタミンの治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約5ng/mL~約400ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、および約400ng/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物(b)は、ケタミンの定常状態血漿Cmaxが、本明細書に提供されるケタミンの定常状態血漿Cmax値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと、本開示の組成物により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するノルケタミン(ケタミンおよびエスケタミンの代謝産物)の定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者にそれを行うと本発明の組成物(b)によってもたらされるノルケタミンの治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約5ng/mL~約400ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、および約400ng/mLが含まれる。他の実施形態では、本開示の組成物は、ノルケタミンの定常状態血漿Cmaxが、本明細書に提供されるノルケタミンの定常状態血漿Cmax値のうちのいずれかの80%~125%以内である組成物を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1の塩を含む組成物およびキットを提供する。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、化合物1臭化水素酸塩、化合物1クエン酸塩、化合物1 L-リンゴ酸塩、化合物1メシル酸塩、化合物1リン酸塩、化合物1 L(+)-酒石酸塩、化合物1塩酸塩、化合物1トシル酸塩、化合物1グルクロン酸塩、または化合物1エタンスルホン酸塩である。
【0092】
併用療法
本開示の組成物は、本明細書に記載される方法において、唯一の活性医薬品成分(例えば、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬)または唯一の活性抗鬱剤成分として投与することができると同時に、他の実施形態では、これらは、鬱病に対して治療的に有効であること、ならびに/またはGABA-A PAM、および/もしくはNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、NMDA開口チャネル阻害薬、またはNMDA部分作動薬性成分の抗鬱効果を相補することが知られている1つ以上の成分と組み合わせて使用することもできる。
【0093】
例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、GABA-A PAMおよびNMDA拮抗薬を、1つ以上の追加の抗抗鬱剤と併せて用いることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、例えば同時処方または個別投与される追加の抗鬱剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1つ以上の選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤、三環系抗鬱薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、ミルタザピン、ブプロピオン、ラモトリギン、非定型抗精神病薬、またはそれらの組み合わせと併せて投与される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、電気痙攣療法(ECT)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、経頭蓋磁気刺激(TMS)と組み合わせて投与される。
【0095】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1つ以上の選択的セロトニン再取り込み阻害剤と併せて投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の選択的セロトニン再取り込み阻害剤は、フルオキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、セルトラリン、およびパロキセチンからなる群から選択される。
【0096】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1つ以上のセロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤と併せて投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上のセロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤は、ベンラファキシンおよびデュロキセチンからなる群から選択される。
【0097】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1つ以上の三環系抗鬱薬と併せて投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の三環系抗鬱薬は、アミトリプチリン、イミプラミン、およびノルトリプチリンからなる群から選択される。
【0098】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1つまたはモノアミンオキシダーゼ阻害剤と併せて投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上のモノアミンオキシダーゼ阻害剤は、フェネルジンおよびトラニルシプロミンからなる群から選択される。
【0099】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAM、およびNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1つ以上の非定型抗精神病薬と併せて投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の非定型抗精神病薬は、ルラシドン、アリピプラゾール、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、クロザピン、イロペリドン、パリペリドン、アセナピン、およびオランザピン/フルオキセチンからなる群から選択される。
【0100】
投薬
本発明は、有効量のGABA-A PAMと、有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを、それを必要とする患者に投与することによって、鬱病を治療するための方法を提供する。有効量は、鬱病症状を排除もしくは有意に低減するか、またはそれらの症状を軽減する(例えば、治療前に存在する症状と比較して、抑鬱気分などの症状を低減する)のに十分な量である。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示は、有効量のGABA-A PAMと、有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを、それを必要とする患者に投与することによって、疼痛を治療するための方法を提供する。有効量は、疼痛症状を排除もしくは有意に低減するか、またはそれらの症状を軽減する(例えば、治療前に存在する症状と比較して、急性疼痛などの症状を低減する)のに十分な量である。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示は、有効量のGABA-A PAMと、有効量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを、それを必要とする患者に投与することによって、適応障害を治療するための方法を提供する。有効量は、適応障害症状を排除もしくは有意に低減するか、またはそれらの症状を軽減する(例えば、治療前に存在する症状と比較して、抑鬱気分および/または不安などの症状を低減する)のに十分な量である。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを投与すると、統計的に有意な治療効果がもたらされる。一実施形態では、統計的に有意な治療効果は、米国の1つ以上の規制当局、例えばFDA、または他国(オーストラリアなど)によって提供される1つ以上の標準または基準に基づいて決定される。別の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、規制当局が承認した臨床試験の設定および/または手順から得られた結果に基づいて決定される。
【0104】
いくつかの実施形態では、統計的に有意な治療効果は、少なくとも約20、50、60、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、または2000の患者集団に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、統計的に有意な治療効果は、無作為化および二重盲検の臨床試験の設定から得られたデータに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、統計的に有意な治療効果は、p値が約0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01以下であるデータに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、統計的に有意な治療効果は、信頼区間が約95%、96%、97%、98%、または99%以上であるデータに基づいて決定される。
【0105】
いくつかの実施形態では、統計的に有意な治療効果は、GABA-A PAM(例えば、化合物1)と、NMDA拮抗薬(例えば、ケタミン)、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを、任意選択で標準ケアと組み合わせて用いて治療された患者の無作為化二重盲検臨床試験によって決定される。いくつかの実施形態では、統計的に有意な治療効果は、無作為化臨床試験によって、ハミルトン鬱病評価尺度(HAM-D)を主要有効性評価基準として使用し、任意選択で鬱病評価のために一般的に受け入れられる任意の他の基準と組み合わせて決定される。
【0106】
概して、統計解析には、規制当局、例えば、米国のFDA、または欧州もしくは任意の他の国によって許可された任意の好適な方法が含まれ得る。いくつかの実施形態では、統計解析には、非層別解析、例えばKaplan-Meier、Jacobson-Truax、Gulliken-Lord-Novick、Edwards-Nunnally、Hageman-Arrindel、および階層線形モデリング(HLM)からのログランク解析、ならびにコックス回帰解析が含まれる。
【0107】
鬱病状態の患者における鬱病の低減は、様々な方法によって決定することができる。いくつかの実施形態では、投薬レジメンの有効性は、ハミルトン鬱病評価尺度(HAM-D)を介した評価によって決定することができる。いくつかの実施形態では、投薬レジメンの有効性は、モンゴメリ・アスベルグ鬱病評価尺度値(MADRS)を介した評価によって決定することができる。さらにいくつかの他の実施形態では、投薬レジメンの有効性は、HAM-D、MADRS、ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)、臨床全般印象(CGI)下位尺度スコア(すなわち、病気の重症度下位尺度(CGI-S)、全般改善下位尺度(CGI-I)、または有効性指数下位尺度)鬱病の症状質問票(SDQ)、ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)、またはそれらの任意の組み合わせを介した評価によって決定することができる。
【0108】
さらに別の実施形態では、投薬レジメンの有効性は、MADRS、HAM-A、CGI-S、CGI-I、SDQ、PSQI、またはそれらの任意の組み合わせなどの副次的有効性エンドポイントと関連付けた主要有効性エンドポイントとしての合計HAM-D値を介した評価によって決定することができる。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択され、鬱病は、大鬱病性障害、自殺の危険性を伴う大鬱病性障害、臨床的鬱病、産後(postnatalまたはpostpartum)鬱病、治療抵抗性産後鬱病、閉経周辺期鬱病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型鬱病、メランコリー型鬱病、精神病性大鬱病(PMD)、緊張型鬱病、季節性情動障害(SAD)、持続性鬱病性障害(気分変調)、二重抑鬱症、抑鬱性パーソナリティ障害(DPD)、反復性短期鬱病(RBD)、軽度鬱病性障害、双極性障害または躁鬱病、自殺の危険性を伴う双極性鬱病、心的外傷後ストレス障害、慢性病状による鬱病、別の病状に起因する鬱病性障害、治療抵抗性鬱病、不応性鬱病、物質・医薬品誘発性鬱病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴う鬱病から選択される。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、大鬱病性障害の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの量は、中等度の大鬱病性障害の治療をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの量は、重度の大鬱病性障害の治療をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの量は、合計HAM-D値が少なくとも22である患者における重度の大鬱病性障害の治療をもたらすように選択される。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、他の治療に不応性である鬱病(すなわち、治療抵抗性鬱病)の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、他の抗鬱療法に部分的に応答性である鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、大鬱病のための補助治療をもたらすように選択される。本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、SSRIによる治療に部分的に応答性である鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬による治療に部分的に応答性である鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、ケタミンによる治療に部分的に応答性である鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0113】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、他の抗鬱療法に部分的に応答性であるMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、他の抗鬱療法に部分的に応答性であるMDD患者は、現在の症状発現において以前の抗鬱療法(1~3回の過程)に対して不十分な応答を有しており、8週の将来的抗鬱療法に対して不十分な応答を示している、MDDのためのDSM-IV基準を満たす成人患者である。将来的治療に対する不十分な応答は、17項目版のハミルトン鬱病評価尺度(HAM-D)で50%未満の改善、14の最小HAM-Dスコア、および最小限の改善以下である臨床全般印象改善評価として定義される。前の治療に対する不十分な応答は、最小有効用量以上での少なくとも6週の抗鬱療法後に患者によって知覚される、50%未満の改善として定義される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、他の抗鬱療法に部分的に応答性である中等度のMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、他の抗鬱療法に部分的に応答性である重度のMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、SSRIによる治療に部分的に応答性であるMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、SSRIによる治療に部分的に応答性である中等度のMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、SSRIによる治療に部分的に応答性である重度のMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0114】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、患者を実質的な鎮静状態にしない(すなわち、MDDが、治療された患者を実質的に鎮静状態にすることなく治療される)鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、患者を実質的に鎮静状態にしないMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、患者を実質的に鎮静状態にしない中等度のMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、患者を実質的に鎮静状態にしない重度のMDDの治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0115】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の治療有効用量が、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とが同時投与されない場合の、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との治療有効用量の約25%未満である(すなわち、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との用量が、単剤療法により治療効果をもたらすのに必要とされる有効用量と比較して25%低減され得るように、相乗効果がある)ように、選択される。
【0116】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬はケタミンであり、GABA-A PAMとケタミンとの投薬頻度および投与当たりの投薬量は、鬱病の治療に治療効果をもたらし、ケタミン投与の不安および解離性症状を軽減する(例えば、MDDが、ケタミン投与に伴って観察されることがある不安および解離性症状を伴わずにまたはそれらの実質的な減少を伴って治療される)ように、選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMとケタミンとの投薬頻度および投与当たりの投薬量は、MDDの治療に治療効果をもたらし、ケタミンの不安および解離性症状を軽減するように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMとケタミンとの投薬頻度および投与当たりの投薬量は、中等度のMDDの治療に治療効果をもたらし、ケタミンの不安および解離性症状を軽減するように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMとケタミンとの投薬頻度および投与当たりの投薬量は、重度のMDDの治療に治療効果をもたらし、ケタミンの不安および解離性症状を軽減するように選択される。
【0117】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬はケタミンであり、GABA-A PAMとケタミンとの投薬頻度および投与当たりの投薬量は、治療された患者がケタミンの抗鬱効果に慣れることを防止するように選択される。
【0118】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMとNMDA拮抗薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、以前にNMDA拮抗薬で治療されたが、当該治療に忍容性を有しなかった患者における鬱病の治療に治療効果をもたらすものであり、GABA-A PAMとNMDA拮抗薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、治療された患者がGABA-A PAMとNMDA拮抗薬とによる治療に忍容性を有するように選択される。
【0119】
患者の鎮静レベルは、当業者に既知の方法を使用して測定することができる。例えば、鎮静レベルは、Modified Observer’s Assessment of Alertness/Sedation Scale(G.Schmidt,et al.,Comparative Evaluation of the Datex-Ohmeda S/5 Entropy Module and the Bispectral Index(登録商標)Monitor during Propofol-Remifentanil Anesthesia.Anesthesiology 2004;101:1283-90)またはStanford Sleepiness Scale(Quantification of Sleepiness:A New Approach.Psychophysiology 第10巻,第4版,431-436頁,1973年7月)を使用して測定することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、Modified Observer’s Assessment of Alertness/Sedation Scale(MOAS/S)が少なくとも4.0の鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、MOAS/Sスコアが4の鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、MOAS/Sスコアが5の鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0121】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、Stanford Sleepiness Scale Scoreが3.0未満の鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、Stanford Sleepiness Scale Scoreが2の鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、Stanford Sleepiness Scale Scoreが1の鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の投薬頻度および投与当たりの投薬量は、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および場面緘黙症から選択される気分障害または情動障害の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0123】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、閉経周辺期の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、閉経周辺期鬱病の治療に治療効果をもたらすように選択される。閉経周辺期鬱病を診断する方法は、当業者には既知であり、例えば、Pauline M.Maki,et al.Guidelines for the Evaluation and Treatment of Perimenopausal Depression:Summary and Recommendations.Journal of Women’s Health(DOI:10.1089/jwh.2018.27099.mensocrec)に示されているものである。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、閉経周辺期不安の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、閉経周辺期興奮の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0124】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、閉経期不安または閉経後不安の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0125】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、閉経期興奮または閉経後興奮の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0126】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、鬱病の急性治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、鬱病の急性治療に治療効果をもたらすように選択され、鬱病の急性治療後は、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とはそれ以上投与されず、第2の抗鬱剤の投薬頻度および投薬量は、鬱病の慢性治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0127】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、鬱病の急性治療に治療効果をもたらすように選択され、鬱病の急性治療後は、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投薬量は、鬱病の慢性治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の急性治療のためのGABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との1日投薬は、鬱病の慢性治療のためのGABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との1日投薬よりも大きい。
【0128】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、鬱病の再発を防止するように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、鬱病の寛解を維持するように選択される。
【0129】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMは、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約18週間、約24週間、および約50週間、投与される。
【0130】
いくつかの実施形態では、少なくとも約5mgまたは約5mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約10mgまたは約10mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約15mgまたは約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約20mgまたは約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約25mgまたは約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約30mgまたは約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約35mgまたは約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約40mgまたは約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約45mgまたは約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約50mgまたは約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約55mgまたは約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約60mgまたは約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約65mgまたは約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約70mgまたは約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約75mgまたは約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約80mgまたは約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約85mgまたは約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約90mgまたは約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約95mgまたは約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約100mgまたは約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約105mgまたは約105mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約110mgまたは約110mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約115mgまたは約115mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約120mgまたは約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。
【0131】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約18週間、約24週間、および約50週間、投与される。いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬は、1週間に1回、2週間に1回、4週間に1回制で、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約18週間、約24週間、および約50週間、投与される。
【0132】
いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬は、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも約1mgまたは約1mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約5mgまたは約5mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約10mgまたは約10mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約15mgまたは約15mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約20mgまたは約20mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約25mgまたは約25mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約30mgまたは約30mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約35mgまたは約35mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約40mgまたは約40mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約45mgまたは約45mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約50mgまたは約50mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約55mgまたは約55mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約60mgまたは約60mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約65mgまたは約65mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約70mgまたは約70mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約75mgまたは約75mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約80mgまたは約80mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約85mgまたは約85mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約90mgまたは約90mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約95mgまたは約95mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約100mgまたは約100mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約105mgまたは約105mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約110mgまたは約110mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約115mgまたは約115mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約120mgまたは約120mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約125mgまたは約125mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約130mgまたは約130mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約135mgまたは約135mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約140mgまたは約140mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約145mgまたは約145mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約150mgまたは約150mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約155mgまたは約155mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約160mgまたは約160mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約165mgまたは約165mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約170mgまたは約170mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約175mgまたは約175mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約180mgまたは約180mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約185mgまたは約185mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約190mgまたは約190mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約195mgまたは約195mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約200mgまたは約200mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約205mgまたは約205mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約210mgまたは約210mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約215mgまたは約215mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約220mgまたは約220mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約225mgまたは約225mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約230mgまたは約230mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約235mgまたは約235mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約240mgまたは約240mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約245mgまたは約245mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約250mgまたは約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回制で、少なくとも1週間、投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のケタミン用量は、1週間に1回または1週間に2回、少なくとも1か月間、投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のケタミン用量は、1か月に1回または1か月に2回、少なくとも1か月間、投与される。
【0133】
本発明によると、化合物1は、1日1回または2回制で投与されて、鬱病(例えば、大鬱病性障害、自殺の危険性を伴う大鬱病性障害、臨床的鬱病、産後(postnatalまたはpostpartum)鬱病、治療抵抗性産後鬱病、閉経周辺期鬱病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型鬱病、メランコリー型鬱病、精神病性大鬱病(PMD)、緊張型鬱病、季節性情動障害(SAD)、持続性鬱病性障害(気分変調)、二重抑鬱症、抑鬱性パーソナリティ障害(DPD)、反復性短期鬱病(RBD)、軽度鬱病性障害、双極性障害または躁鬱病、自殺の危険性を伴う双極性鬱病、心的外傷後ストレス障害、慢性病状による鬱病、別の病状に起因する鬱病性障害、治療抵抗性鬱病、不応性鬱病、物質・医薬品誘発性鬱病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴う鬱病)、あるいは閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および場面緘黙症からなる群から選択される気分障害または情動障害の症状の効果的な緩和をもたらす。
【0134】
いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgである。
【0135】
いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、約5mg~約120mgであり、これには、間のすべての範囲を含めて、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgが含まれる。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、約15mg~約60mgである。
【0136】
いくつかの実施形態では、ケタミンは、1日1回または2回制で投与されて、鬱病(例えば、大鬱病性障害、自殺の危険性を伴う大鬱病性障害、臨床的鬱病、産後(postnatalまたはpostpartum)鬱病、治療抵抗性産後鬱病、閉経周辺期鬱病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型鬱病、メランコリー型鬱病、精神病性大鬱病(PMD)、緊張型鬱病、季節性情動障害(SAD)、持続性鬱病性障害(気分変調)、二重抑鬱症、抑鬱性パーソナリティ障害(DPD)、反復性短期鬱病(RBD)、軽度鬱病性障害、双極性障害または躁鬱病、自殺の危険性を伴う双極性鬱病、心的外傷後ストレス障害、慢性病状による鬱病、別の病状に起因する鬱病性障害、治療抵抗性鬱病、不応性鬱病、物質・医薬品誘発性鬱病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴う鬱病)、あるいは閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および場面緘黙症からなる群から選択される気分障害または情動障害の症状の効果的な緩和をもたらす。
【0137】
いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、約1mg~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgが含まれる。
【0138】
いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0139】
いくつかの実施形態では、ケタミンは、1週間に1回、2回、または3回制で投与されて、鬱病、あるいは閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および場面緘黙症からなる群から選択される気分障害または情動障害の症状の効果的な緩和をもたらす。
【0140】
いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1週用量(または週2回もしくは週3回用量)は、約1mg~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgが含まれる。
【0141】
いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1週用量(または週2回もしくは3回用量)は、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0142】
本明細書に記載の実施形態では、鬱病の治療(鬱病の急性治療および鬱病の慢性治療を含む)のための化合物1の用量およびケタミンまたはエスケタミンの用量に言及する。しかしながら、本開示では、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および場面緘黙症から選択される気分障害または情動障害の治療、ならびに疼痛の治療のための開示用量が企図される。
【0143】
いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約5mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約10mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約15mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約20mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約25mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約30mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約35mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約40mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約45mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約50mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約55mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約60mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約65mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約70mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約75mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約80mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約85mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約90mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約95mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約100mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約105mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約110mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約115mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約120mgである。
【0144】
いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約5mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約10mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約15mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約20mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約25mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約30mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約35mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約40mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約45mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約50mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約55mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約60mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約65mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約70mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約75mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約80mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約85mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約90mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約95mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約100mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約105mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約110mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約115mgである。いくつかの実施形態では、化合物1の合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約120mgである。
【0145】
いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約5mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約5mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約10mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約10mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約15mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約15mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約20mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約20mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約25mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約25mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約30mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約30mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約30mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約30mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約35mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約35mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約40mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約40mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約45mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約45mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約50mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約50mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約55mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約55mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約60mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約60mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約65mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約70mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約75mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約80mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約85mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約90mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約95mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約100mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約105mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約110mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約115mgの化合物1が選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約120mgの化合物1が選択される。
【0146】
以下の実施形態では、鬱病の治療のためのケタミンの合計1日用量が提供される。しかしながら、本開示では、記載する合計1日用量が、合計1週用量、合計隔週用量、および合計1月用量として投与される実施形態が企図される。
【0147】
いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約1mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約5mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約10mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約15mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約20mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約25mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約30mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約35mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約40mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約45mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約50mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約55mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約60mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約65mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約70mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約75mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約80mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約85mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約90mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約95mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約100mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約105mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約110mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約115mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約120mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約125mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約130mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約135mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約140mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約145mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約150mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約155mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約160mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約165mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約170mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約175mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約180mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約185mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約190mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約195mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約200mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約205mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約210mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約215mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約220mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約225mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約230mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約235mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約240mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約245mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約250mgである。
【0148】
いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約5mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約10mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約15mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約20mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約25mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約30mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約35mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約40mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約45mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約50mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約55mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約60mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約65mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約70mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約75mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約80mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約85mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約90mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約95mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約100mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約105mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約110mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約115mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約120mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約125mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約130mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約135mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約140mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約145mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約150mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約155mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約160mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約165mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約170mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約175mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約180mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約185mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約190mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約195mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約200mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約205mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約210mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約215mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約220mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約225mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約230mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約235mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約240mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約245mgである。いくつかの実施形態では、ケタミンの合計1日用量は、鬱病の治療のために、1日約250mgである。
【0149】
いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約5mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約5mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約10mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約10mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約15mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約15mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約20mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約20mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約25mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約25mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約30mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約30mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約30mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約30mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約35mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約35mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約40mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約40mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約45mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約45mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約50mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約50mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約55mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約55mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約60mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約60mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約65mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約70mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約75mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約80mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約85mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約90mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約95mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約100mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約105mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約110mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約115mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約120mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約125mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約125mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約130mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約130mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約135mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約135mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約140mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約140mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約145mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約145mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約150mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約150mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約155mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約155mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約160mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約160mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約165mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約165mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約170mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約170mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約175mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約175mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約180mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約180mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約185mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約185mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約190mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約190mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約195mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約195mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約200mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約200mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約205mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約205mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約210mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約210mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約215mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約215mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約220mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約220mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約225mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約225mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約230mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約230mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約230mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約230mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約235mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約235mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約240mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約240mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約245mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約45mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日1回約250mgのケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1日2回約250mgのケタミンが選択される。
【0150】
いくつかの実施形態では、GABA-A PAMは、化合物1またはその薬学的に許容される塩であり、NMDA拮抗薬は、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、エスケタミンは、1週間に1回制、または1週間に2回制、または隔週制で投与されて、鬱病(例えば、大鬱病性障害、自殺の危険性を伴う大鬱病性障害、臨床的鬱病、産後(postnatalまたはpostpartum)鬱病、治療抵抗性産後鬱病、閉経周辺期鬱病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型鬱病、メランコリー型鬱病、精神病性大鬱病(PMD)、緊張型鬱病、季節性情動障害(SAD)、持続性鬱病性障害(気分変調)、二重抑鬱症、抑鬱性パーソナリティ障害(DPD)、反復性短期鬱病(RBD)、軽度鬱病性障害、双極性障害または躁鬱病、自殺の危険性を伴う双極性鬱病、心的外傷後ストレス障害、慢性病状による鬱病、別の病状に起因する鬱病性障害、治療抵抗性鬱病、不応性鬱病、物質・医薬品誘発性鬱病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴う鬱病)、あるいは閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および場面緘黙症からなる群から選択される気分障害または情動障害の症状の効果的な緩和をもたらす。
【0151】
いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの合計1週用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約100mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの合計1週用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約160mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの合計1週用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約100mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの合計1週用量は、鬱病の治療のために、少なくとも1日約160mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの合計隔週(すなわち、1週間おきの投薬)用量は、鬱病の治療のために、少なくとも約50mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの合計隔週(すなわち、1週間おきの投薬)用量は、鬱病の治療のために、少なくとも約80mgである。
【0152】
いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの用量は、鬱病の治療のために、1週間に1回約56mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの用量は、鬱病の治療のために、1週間に1回約84mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの用量は、鬱病の治療のために、1週間に2回約56mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの用量は、鬱病の治療のために、1週間に2回約84mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの用量は、鬱病の治療のために、1週間おきに1回約56mgである。いくつかの実施形態では、鼻腔内投与されるエスケタミンの用量は、鬱病の治療のために、1週間おきに1回約84mgである。
【0153】
いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1週間に1回鼻腔内投与される約56mgのエスケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1週間に1回鼻腔内投与される約84mgのエスケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1週間に2回鼻腔内投与される約56mgのエスケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1週間に2回鼻腔内投与される約84mgのエスケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1週間おきに1回鼻腔内投与される約56mgのエスケタミンが選択される。いくつかの実施形態では、鬱病の実質的な低減をもたらすために、1週間おきに1回鼻腔内投与される約84mgのエスケタミンが選択される。
【0154】
いくつかの実施形態によると、本開示の方法によってもたらされる鬱病の実質的な低減には、患者が鬱病の実質的な低減を経験する前に所定の時間間隔(例えば、少なくとも1週間)の治療が必要となる(すなわち、患者が鬱病の実質的な低減を経験する前に誘導期がある)。いくつかの実施形態では、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、または少なくとも8週間の治療後に、患者は、治療前と比較して鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、少なくとも1週間の治療後に、患者は、治療前と比較して鬱病の実質的な低減を経験する。この実施形態によると、鬱病の実質的な低減は、本明細書に記載される方法(例えば、治療前と比較した合計ハミルトン鬱病評価尺度(HAM-D)値の低下、治療前と比較したモンゴメリ・アスベルグ鬱病評価尺度値の改善など)のいずれかを使用して表されてもよい。
【0155】
いくつかの実施形態によると、本開示の方法によってもたらされる鬱病の実質的な低減は、第1の治療後に、患者によって経験される(すなわち、患者が鬱病の実質的な低減を経験する前に誘導期がない)。この実施形態によると、鬱病の実質的な低減は、本明細書に記載される方法(例えば、治療前と比較した合計ハミルトン鬱病評価尺度(HAM-D)値の低下、治療前と比較したモンゴメリ・アスベルグ鬱病評価尺度値の改善など)のいずれかを使用して表されてもよい。
【0156】
HAM-Dは、17項目からなる鬱病評価尺度であり、8項目は5段階評価(0~4の範囲)で採点され、9項目は3段階評価(0~2の範囲)で採点される。17項目の合計スコアは、0~50の範囲であり、スコアが高いほど、鬱病がより深刻であることが示される。17項目の合計スコアを使用して、鬱病の重症度を分類する:正常(合計スコア0~7)、軽度鬱病(合計スコア8~13)、中等度鬱病(合計スコア14~18)、重度鬱病(合計スコア19~22)。したがって、合計スコアまたは個々の項目のスコアの減少は、改善を示す。Hamilton,M.A Rating Scale for Depression,Journal of Neurology,Neurosurgery,and Psychiatry.(1960)23,56-62頁。
【0157】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較した合計ハミルトン鬱病評価尺度(HAM-D)値の少なくとも約30%の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約30%~約100%の範囲、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のHAM-D値の低下を特徴とする。
【0158】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したHAM-D値の少なくとも1点の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約1点~約20点の範囲、例えば約1点、約2点、約3点、約4点、約5点、約6点、約7点、約8点、約9点、約10点、約11点、約12点、約13点、約14点、約15点、約16点、約17点、約18点、約19点、および約20点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約2点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約3点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約4点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約5点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約6点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約7点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約8点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約9点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約10点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約11点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約12点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約13点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約14点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約15点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約16点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約17点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約18点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約19点のHAM-D値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約20点のHAM-D値の低下を特徴とする。
【0159】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したHAM-D重症度分類の少なくとも1カテゴリーの変化を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したHAM-D重症度分類の1カテゴリーの変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したHAM-D重症度分類の2カテゴリーの変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したHAM-D重症度分類の3カテゴリーの変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、当該治療後のHAM-D値に従った寛解(すなわち、7以下の合計HAM-D値)を特徴とする。
【0160】
モンゴメリ・アスベルグ鬱病評価尺度(MADRS)は、各々0~6で評価される10項目からなる鬱病評価尺度である。10項目は、鬱病性疾病の中核症状を表す。10項目の合計スコアは0~60の範囲である。合計スコアまたは個々の項目の減少は、改善を示す(Montgomery S.A.and Åsberg M.A,New Depression Scale Designed to be Sensitive to Change,Br.J.Psychiatry.(1979)Apr;134,382-9頁)。
【0161】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したモンゴメリ・アスベルグ鬱病評価尺度(MADRS)の少なくとも約30%の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約30%~約100%の範囲、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のMADRS値の低下を特徴とする。
【0162】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したMADRS値の少なくとも1点の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約1点~約5点の範囲、例えば、約1点、約2点、約3点、約4点、および約5点のMADRS値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約2点のMADRS値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約3点のMADRS値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約4点のMADRS値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約5点のMADRS値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、当該治療後のMADRS値に従った寛解(すなわち、12以下の合計MADRS値)を特徴とする。
【0163】
ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)は、不安気分、緊張、恐怖、不眠、知的(認知)機能、抑鬱気分、面接時の挙動、身体的(感覚)、心血管系、呼吸系、消化器系、尿生殖器系、自律神経系、および身体(筋肉)症状を評価する14項目からなる不安評価尺度である(Hamilton,M.The Assessment of Anxiety States by Rating,Br J Med Psychol.(1959);32(1),50-5頁)。各症状は、0(なし)から4(最大重症度)の尺度で評価される。合計スコアを使用して、不安の重症度を分類する:重症度軽度(合計スコア17未満)、重症度軽度から中等度(合計スコア18~24)、および中等度から重度(合計スコア25~30)。合計スコアは0~56の範囲であり、スコアが高いほど、重症度がより大きいことが示される。
【0164】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較した合計HAM-A値の少なくとも約30%の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約10%~約100%の範囲、例えば、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のHAM-A値の低下を特徴とする。
【0165】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したHAM-A値の少なくとも1点の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約1点~約5点の範囲、例えば、約1点、約2点、約3点、約4点、および約5点のHAM-A値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約2点のHAM-A値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約3点のHAM-A値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約4点のHAM-A値の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、約5点のHAM-A値の低下を特徴とする。
【0166】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したHAM-A重症度分類の少なくとも1カテゴリーの変化を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したHAM-A重症度分類の1カテゴリーの変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したHAM-A重症度分類の2カテゴリーの変化を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したHAM-A重症度分類の3カテゴリーの変化を特徴とする。
【0167】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、患者の鬱病の部分寛解を特徴とする鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、治療後、患者は、患者の鬱病の部分寛解を特徴とするMDDの実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、MMDの部分寛解は、直前の大鬱病症状発現の症状が存在するが、基準全部は満たされないか、またはそのような症状発現の終了後に大鬱病症状発現のいずれの顕著な症状もない期間が2か月未満続く場合(すなわち、DSM-5の部分寛解の定義)である。
【0168】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、患者の鬱病の完全寛解を特徴とする鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、治療後、患者は、患者の鬱病の完全寛解を特徴とするMDDの実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、完全寛解は、過去2か月間に、障害の顕著な兆候または症状がなかった場合(すなわち、DSM-5の完全寛解の定義)である。
【0169】
臨床全般印象(CGI)(Guy 1976(Guy W(1976),ECDEU Assessment Manual for Psychopharmacology,Revised.Rockville,MD:US Department of Health,Education and Welfare)は、CGI重症度(CGI-S)、CGI改善(CGI-I)、および有効性指標の3つの下位尺度からなる。CGI-Sは、患者の現在の精神疾病に対する臨床医の印象を評価する。治療担当臨床医は、患者の現在の精神疾病の重症度を、7段階評価で分類する:1(正常、まったく病気ではない)、2(境界型の精神病である)、3(軽度に病気である)、4(中等度に病気である)、5(顕著に病気である)、6(重度に病気である)、および7(最も極度に病気である患者である)。CGI-Iは、ベースラインからの参加者の改善(または悪化)を評価する。治療担当臨床医は、患者の病態をベースライン(例えば、抗鬱薬の投与前)と比較して、7段階評価で分類する:1(極めて大幅に改善した)、2(大幅に改善した)、3(わずかに改善した)、4(変化なし)、5(わずかに悪化した)、6(大幅に悪化した)、および7(極めて大幅に悪化した)。
【0170】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したCGI-S値の少なくとも1点の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したCGI-S値の1点の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したCGI-S値の2点の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したCGI-S値の3点の低下を特徴とする。
【0171】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較したCGI-I値の少なくとも1点の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したCGI-I値の1点の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したCGI-I値の2点の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較したCGI-I値の3点の低下を特徴とする。
【0172】
鬱病の症状質問票(SDQ)は、5つのサブスケール、SDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4、およびSDQ-5からなる44項目の自己報告尺度である。SDQ-1には、倦怠感、気分、および認知機能に関係する項目が含まれる。SDQ-2には、不安、興奮、苛立ち、および怒りに関係する項目が含まれる。SDQ-3には、自殺念慮に関係する項目が含まれる。SDQ-4では、睡眠の質の乱れが評価される。SDQ-5には、食欲および体重の変化についての項目が含まれる。SDQを使用して、鬱病のいくつかの亜型にわたって症状の重症度を評価する(Pedrelli,P.,et al.,Reliability and Validity of the Symptoms of Depression Questionnaire(SDQ),CNS Spectr.2014 Dec;19(6),535-546頁)。項目は6段階評価で評価される。各項目は、個人にとって正常であること(スコア=2)、正常よりも良いこと(スコア=1)、および正常よりも悪いこと(スコア=3~6)についての参加者の認識に基づいて評価される。合計スコアは0~264の範囲であり、スコアが高いほど、重症度が大きいことが示される。
【0173】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較した合計SDQ尺度値の少なくとも約10%の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約10%~約100%の範囲、例えば、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のSDQ尺度値の低下を特徴とする。
【0174】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較した、SDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4、およびSDQ-5から選択される少なくとも1つの下位尺度値の少なくとも約10%の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した、約10%~約100%の範囲、例えば、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%の、SDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4、およびSDQ-5から選択される少なくとも1つの下位尺度値の低下を特徴とする。
【0175】
ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)は、評価の前月の睡眠の質および障害を評価する19項目の自己報告尺度である(Buysse D.J.,The Pittsburgh Sleep Quality Index:a New Instrument for Psychiatric Practice and Research.Psychiatry Res.1989 May;28(2),193-213頁)。この尺度は、主観的な睡眠の質、睡眠潜時、睡眠持続時間、習慣的睡眠効率、睡眠障害、睡眠薬の使用、および日中の機能障害という、睡眠の質を「不良」と「良好」とで区別する7つの「成分」スコアを生成する。これら7つの成分のスコアの合計により、全般PSQIスコアが得られる。全般PSQIスコアが5以上であると、睡眠の質が不良であることが示される。
【0176】
いくつかの実施形態では、治療後、患者は、治療前と比較した全般PSQIスコアの少なくとも1点の低下を特徴とする、鬱病の実質的な低減を経験する。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した全般PSQIスコアの1点の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した全般PSQIスコアの2点の低下を特徴とする。いくつかの実施形態では、鬱病の低減は、治療前と比較した全般PSQIスコアの3点の低下を特徴とする。
【0177】
いくつかの実施形態では、鬱病を治療する方法には、化合物1の用量を、定常状態が患者において達成されるまで少なくとも約1週間漸増するステップがさらに含まれる。一実施形態では、漸増は、定常状態が患者において達成されるまで約2週間実施される。別の実施形態では、漸増は、定常状態が患者において達成されるまで約7日~約30日間実施される。別の実施形態では、漸増は、定常状態が患者において達成されるまで約12日~約20日間実施される。いくつかの実施形態では、漸増ステップの間、一定した1日用量の化合物1が提供される。さらなる実施形態では、一定した1日用量の化合物1が少なくとも2週間提供される。
【0178】
いくつかの実施形態では、上昇用量の化合物1は、漸増中、定常状態が患者において達成されるまで投与される。いくつかの実施形態では、上昇用量の化合物1は、漸増中、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgの有効量が患者において達成されるまで投与される。
【0179】
いくつかの実施形態では、鬱病を治療する方法には、ケタミンの用量を、治療有効用量が患者において達成されるまで漸増するステップがさらに含まれる。一実施形態では、漸増は、治療有効用量が患者において達成されるまで約3日間実施される。別の実施形態では、漸増は、治療有効用量が患者において達成されるまで約3日~約30日間実施され、これには、間のすべての範囲を含めて、約6日、約9日、約12日、約15日、約18日、約21日、約24日、約27日、および約30日間が含まれる。いくつかの実施形態では、漸増は、治療有効用量が患者において達成されるまで、約3日、約6日、約9日、約12日、約15日、約18日、約21日、約24日、約27日、または約30日間実施される。いくつかの実施形態では、漸増ステップの間、1日用量のケタミンは、治療有効用量が患者において達成されるまで約3日ごとに増加する。いくつかの実施形態では、1日用量のケタミンは、治療有効用量が患者において達成されるまで約3日ごとに約25mg増加する。
【0180】
いくつかの実施形態では、本開示では、(a)化合物1およびケタミンの初回用量を少なくとも1週間投与するステップと、(b)化合物1およびケタミンの維持用量を少なくとも1週間投与するステップとを含む、鬱病を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、初回用量は、維持1日用量よりも多い。ある特定の他の実施形態では、初回用量は、維持1日用量よりも少ない。いくつかの実施形態では、初回用量は2週間投与され、維持用量は少なくとも1か月間投与される。
【0181】
いくつかの実施形態では、化合物1およびケタミンの投与当たりの初回投薬頻度および投薬量は、鬱病の急性治療に治療効果をもたらすように選択され、化合物1およびケタミンの投与当たりの維持1日投薬頻度および投薬量は、鬱病の慢性治療に治療効果をもたらすように選択される。
【0182】
いくつかの実施形態では、化合物1およびケタミンの投与当たりの初回投薬頻度および投薬量は、鬱病の急性治療に治療効果をもたらすように選択され、化合物1およびケタミンの投与当たりの維持1日投薬頻度および投薬量は、鬱病の寛解を維持するように選択される。
【0183】
いくつかの実施形態では、化合物1およびケタミンの投与当たりの初回投薬頻度および投薬量は、鬱病の急性治療に治療効果をもたらすように選択され、化合物1およびケタミンの投与当たりの維持1日投薬頻度および投薬量は、鬱病の再発を防止するように選択される。
【0184】
いくつかの実施形態では、化合物1は、初回は1日1回投薬される。いくつかの実施形態では、化合物1は、初回は1日2回投薬される。いくつかの実施形態では、初回1日用量が維持1日用量よりも多いことを条件に、化合物1の初回1日用量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgであり、維持1日用量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、または約115mgである。
【0185】
いくつかの実施形態では、ケタミンは、初回は1日1回投薬される。いくつかの実施形態では、ケタミンは、初回は1日2回投薬される。いくつかの実施形態では、ケタミンは、初回は1週1回投薬される。いくつかの実施形態では、ケタミンは、初回は1月1回投薬される。いくつかの実施形態では、ケタミンの初回合計1日(または合計1週もしくは合計1月)用量は、初回用量が維持用量よりも多いことを条件に、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、または約250mgである。
【0186】
本発明のいくつかの実施形態によると、本発明の方法により、鬱病を治療するための化合物1およびケタミンの治療有効血漿レベルがもたらされる。化合物1およびケタミンの血漿レベルは、定常状態血漿レベル、AUC、CmaxおよびCminなどの当業者に既知の薬物動態パラメータを使用して表され得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、本方法により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関する化合物1の定常状態血漿レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約1ng/mL~約200ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約1ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL、約80ng/mL、約85ng/mL、約90ng/mL、約95ng/mL、約100ng/mL、約105ng/mL、約110ng/mL、約115ng/mL、約120ng/mL、約125ng/mL、約130ng/mL、約135ng/mL、約140ng/mL、約145ng/mL、約150ng/mL、約155ng/mL、約160ng/mL、約165ng/mL、約170ng/mL、約175ng/mL、約180ng/mL、約185ng/mL、約190ng/mL、約195ng/mL、および200ng/mlが含まれる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約50ng/ml~200ng/mlの範囲である。
【0188】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0189】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0190】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0191】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0192】
いくつかの実施形態では、本方法により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関する化合物1の平均定常状態AUC0~24h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされる化合物1の治療的に有効な平均定常状態AUC0~24hレベルは、約50ng*hr/mL~約2300ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、約300ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約500ng*hr/mL、約600ng*hr/mL、約700ng*hr/mL、約800ng*hr/mL、約900ng*hr/mL、約1000ng*hr/mL、約1100ng*hr/mL、約1200ng*hr/mL、約1300ng*hr/mL、約1400ng*hr/mL、約1500ng*hr/mL、約1600ng*hr/mL、約1700ng*hr/mL、約1800ng*hr/mL、約1900ng*hr/mL、約2000ng*hr/mL、約2100ng*hr/mL、約2200ng*hr/mL、および約2300ng*hr/mLが含まれる。
【0193】
いくつかの実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0194】
いくつかの実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0195】
いくつかの実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0196】
いくつかの実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0197】
いくつかの実施形態では、本方法により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関する化合物1の定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約5ng/mL~約500ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、約400ng/mL、約410ng/mL、約420ng/mL、約430ng/mL、約440ng/mL、約150ng/mL、約460ng/mL、約470ng/mL、約480ng/mL、約490ng/mL、約400ng/mL、および約500ng/mLが含まれる。
【0198】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約15mgである化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0199】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約30mgである化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態Cmax血漿レベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0200】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約45mgである化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0201】
いくつかの実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約60mgである化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することによってもたらされる。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回投与することによってもたらされる。
【0202】
いくつかの実施形態では、本方法により、500ng/mLを超過しない化合物1の定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされる化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約500ng/mLを超過せず、これには、約500ng/mL未満、約475ng/mL未満、約450ng/mL未満、425ng/mL未満、約400ng/mL未満、約375ng/mL未満、約350ng/mL未満、約325ng/mL、および約300ng/mL未満が含まれる。
【0203】
いくつかの実施形態では、本方法により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するケタミンの平均定常状態AUC0~6h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされるケタミンの治療的に有効な平均定常状態AUC0~6hレベルは、約50ng*hr/mL~約500ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約75ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約125ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約175ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約225ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、約275ng*hr/mL、300ng*hr/mL、約320ng*hr/mL、約350ng*hr/mL、約375ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約425ng*hr/mL、約450ng*hr/mL、約475ng*hr/mL、および約500ng*hr/mLが含まれる。
【0204】
いくつかの実施形態では、本方法により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するノルケタミン(ケタミンおよびエスケタミンの代謝産物)の平均定常状態AUC0~6h(ng*hr/mLを単位として表される)レベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされるノルケタミンの治療的に有効な平均定常状態AUC0~6hレベルは、約50ng*hr/mL~約500ng*hr/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約50ng*hr/mL、約75ng*hr/mL、約100ng*hr/mL、約125ng*hr/mL、約150ng*hr/mL、約175ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約200ng*hr/mL、約225ng*hr/mL、約250ng*hr/mL、約275ng*hr/mL、300ng*hr/mL、約320ng*hr/mL、約350ng*hr/mL、約375ng*hr/mL、約400ng*hr/mL、約425ng*hr/mL、約450ng*hr/mL、約475ng*hr/mL、および約500ng*hr/mLが含まれる。
【0205】
いくつかの実施形態では、本方法により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するケタミンの定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされるケタミンの治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約5ng/mL~約400ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、および約400ng/mLが含まれる。
【0206】
いくつかの実施形態では、本方法により、1つ以上の統計的に有意な治療効果と相関するノルケタミン(ケタミンおよびエスケタミンの代謝産物)の定常状態血漿Cmaxレベルがもたらされる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によってもたらされるノルケタミンの治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約5ng/mL~約400ng/mLの範囲であり、これには、間のすべての範囲を含めて、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、および約400ng/mLが含まれる。
【0207】
本発明のいくつかの実施形態によると、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、疼痛の治療に治療効果をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との投薬頻度および投与当たりの投薬量は、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、または疾患と関連付けられる疼痛(例えば、がん性疼痛、糖尿病性末梢神経障害と関連付けられる神経障害性疼痛)から選択される疼痛の治療に治療効果をもたらすように選択される。
【実施例
【0208】
本発明は、以下の実施例を参照することによりさらに例示される。しかしながら、これらの実施例は、上記の実施形態と同様に、例示的なものであり、本発明の範囲をいかようにも制限するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0209】
実施例1:
気分障害および/または情動障害の治療における化合物1およびケタミンの複合効果を測定するために、試験を実施する。具体的には、尾懸垂試験を使用して、個々のおよび組み合わせた化合物1およびケタミンの抗鬱有効性を評価する。各化合物は、個別に、マウスの尾懸垂試験において不動時間を減少させる。化合物1およびケタミンが別個の作用機序を介して抗鬱有効性を発揮することを考慮すると、亜最大用量の効果は相加的である。これらの2つの機序は、NMDA拮抗により興奮性入力が減少し、GABA-A PAMにより抑制性入力が増加することを理由に、気分に関連する脳回路内の興奮性/抑制性のバランスに関して相補的であるため、化合物1とケタミンとの組み合わせは、興奮性/抑制性のバランスに対して、抑制の方向により大きな効果を有する。その結果、個々に不動時間を約10~15%減少させる両方の化合物の最大用量は、組み合わせでは、不動時間をより大きく約30%減少させ、より優れた抗鬱効果を示す。化合物1およびケタミンの急性で持続的な抗鬱効果を考慮すると、組み合わせの効果は、投与後の急性期および24時間後の両方で明らかである。
【0210】
プロトコル:成体雄マウスを3つの群に分け、以下に記載するように化合物1、ケタミン、またはビヒクル対照を投薬する。
第1群:化合物1(腹腔内で0.1~10mg/kg)、
第2群:ケタミン(皮下で0.3~30mg/kg)、および
第3群:ビヒクル対照
投薬から30分後に、マウスを個々のチャンバ内で尾懸垂させる。マウスの挙動を監視し、6分間のセッション中の不動時間の長さを決定する。抗鬱効果は、化合物がビヒクル対照と比べて不動時間を有意に減少させるときに実証される。
【0211】
個々の化合物の抗鬱効果を決定した後、マウスの2つの追加のコホートに、亜最大用量のケタミン(皮下で0.3~3mg/kg)と、様々な用量の化合物1(腹腔内で0.1~3mg/kg)とを同時投与する。これらの組み合わせ不動時間に与える効果を個々の化合物の効果と比較して、相加的または相乗的な効果を測定する。1つのコホートを、投与から30分後の急性期に評価し、第2のコホートを投与から24時間後に評価する。
【0212】
実施例2:
気分障害および/または情動障害の治療における化合物1およびケタミンの複合効果を測定するために、試験を実施する。具体的には、強制水泳試験を使用して、個々のおよび組み合わせた化合物1およびケタミンの抗鬱有効性を評価する。各化合物は、個別に、マウスの強制水性試験において不動時間を減少させる。化合物1およびケタミンが別個の作用機序を介して抗鬱有効性を発揮することを考慮すると、亜最大用量の効果は相加的である。これらの2つの機序は、NMDA拮抗により興奮性入力が減少し、GABA-A PAMにより抑制性入力が増加することを理由に、気分に関連する脳回路内の興奮性/抑制性のバランスに関して相補的であるため、化合物1とケタミンとの組み合わせは、興奮性/抑制性のバランスに対して、抑制の方向により大きな効果を有する。その結果、個々に不動時間を約10~15%減少させる両方の化合物の最大用量は、組み合わせでは、不動時間をより大きく約30%減少させ、より優れた抗鬱効果を示す。化合物1およびケタミンの急性で持続的な抗鬱効果を考慮すると、組み合わせの効果は、投与後の急性期および24時間後の両方で明らかである。
【0213】
プロトコル:成体雄マウスを3つの群に分け、以下に記載するように化合物1、ケタミン、またはビヒクル対照を投薬する。
第1群:化合物1(腹腔内で0.1~10mg/kg)、
第2群:ケタミン(皮下で0.3~30mg/kg)、および
第3群:ビヒクル対照
投与から30分後、マウスを、底に達することができない水を入れた個々のビーカーの中に置く。最初は、マウスは水から出ようとするので非常に活発であるが、その後は不動となり、浮上したままいるために必要な最低限の運動しかしなくなる。マウスの挙動を監視し、6分間のセッション中の不動時間の長さを決定する。抗鬱効果は、化合物がビヒクル対照と比べて不動時間を有意に減少させるときに実証される。
【0214】
個々の化合物の抗鬱効果を決定した後、マウスの2つの追加のコホートに、亜最大用量のケタミン(皮下で0.3~3mg/kg)と、様々な用量の化合物1(腹腔内で0.1~3mg/kg)とを同時投与する。これらの組み合わせ不動時間に与える効果を個々の化合物の効果と比較して、相加的または相乗的な効果を測定する。1つのコホートを、投与から30分後の急性期に評価し、第2のコホートを投与から24時間後に評価する。
参照による組み込み
【0215】
本明細書に引用されるすべての参考文献、論文、出版物、特許、特許公報、および特許出願は、すべての目的でその全体が参照により組み込まれる。しかしながら、本明細書に引用されるいずれの参照、記事、刊行物、特許、特許公開、および特許出願の言及も、世界のいずれの国においても、それらが有効な先行技術を構成するか、または共通の一般知識の一部を形成するという承認またはいかなる形態の提案でもなく、またそのように受け取られるべきではない。
【0216】
実施形態
1.気分障害または情動障害を治療するための組成物であって、
a)治療有効量のGABA-A PAMと、
b)治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と、を含む、組成物。
2.GABA-A PAMが、化合物1
【化5】
またはその薬学的に許容される塩である、実施形態1に記載の組成物。
3.NMDA拮抗薬が、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1または2に記載の組成物。
4.NMDA拮抗薬が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1または2に記載の組成物。
5.化合物1の薬学的に許容される塩が、臭化水素酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、および酒石酸塩からなる群から選択される、実施形態2~4のいずれか1つに記載の組成物。
6.組成物が、それを必要とする患者への投与時に、約500ng*h/ml~約2500ng*h/mlの化合物1の平均定常状態血漿AUC(0~24)時間を提供する、実施形態2~5のいずれか1つに記載の組成物。
7.組成物が、それを必要とする患者への投与時に、約50ng/mL~約500ng/mlの化合物1の定常状態血漿Cmaxを提供する、実施形態2~6のいずれか1つに記載の組成物。
8.組成物が、それを必要とする患者への投与時に、500ng/mlの化合物1を超過しない定常状態血漿Cmaxを提供する、実施形態2~7のいずれか1つに記載の組成物。
9.組成物が経口剤形である、実施形態2~8のいずれか1つに記載の組成物。
10.組成物が鼻腔用スプレーである、実施形態2~8のいずれか1つに記載の組成物。
11.組成物が、約5~約120mgの化合物1を含む、実施形態2~9のいずれか1つに記載の組成物。
12.組成物が、約1mg~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項2~9のいずれか1つに記載の組成物。
13.気分障害または情動障害を治療するためのキットであって、
a)治療有効量のGABA-A PAMを含む組成物と、
b)治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬を含む組成物と、を含む、キット。
14.GABA-A PAMが、化合物1
【化6】
またはその薬学的に許容される塩である、実施形態13に記載のキット。
15.NMDA拮抗薬が、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態13または14に記載のキット。
16.NMDA拮抗薬が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態13または14に記載のキット。
17.化合物1の薬学的に許容される塩が、臭化水素酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、および酒石酸塩からなる群から選択される、実施形態14~16のいずれか1つに記載のキット。
18.組成物(a)が、それを必要とする患者への投与時に、約500ng*h/ml~約2500ng*h/mlの化合物1の平均定常状態血漿AUC(0~24)時間を提供する、実施形態14~17のいずれか1つに記載のキット。
19.組成物(a)が、それを必要とする患者への投与時に、約50ng/mL~約400ng/mlの化合物1の定常状態血漿Cmaxを提供する、実施形態14~18のいずれか1つに記載のキット。
20.組成物(a)が、それを必要とする患者への投与時に、500ng/mlの化合物1を超過しない定常状態血漿Cmaxを提供する、実施形態14~19のいずれか1つに記載のキット。
21.組成物(a)が経口剤形である、実施形態14~20のいずれか1つに記載のキット。
22.組成物(b)が注射剤形である、実施形態14~20のいずれか1つに記載のキット。
23.組成物(a)が、約5~約120mgの化合物1を含む、実施形態14~22のいずれか1つに記載のキット。
24.組成物(b)が経口剤形である、実施形態14~21のいずれか1つに記載のキット。
25.組成物(b)が鼻腔用スプレーである、実施形態14~21のいずれか1つに記載のキット。
26.組成物(b)が、約1~約250mgのケタミンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態15または17~25のいずれか1つに記載のキット。
27.組成物(b)が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態25に記載のキット。
28.治療有効量のGABA-A PAMと、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを投与することを含む、気分障害または情動障害の治療を、それを必要とする患者において行う方法。
29.気分障害または情動障害が、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および場面緘黙症からなる群から選択される、実施形態28に記載の方法。
30.気分障害または情動障害が鬱病である、実施形態28に記載の方法。
31.鬱病が、大鬱病性障害、自殺の危険性を伴う大鬱病性障害、臨床的鬱病、産後(postnatalまたはpostpartum)鬱病、治療抵抗性産後鬱病、閉経周辺期鬱病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型鬱病、メランコリー型鬱病、精神病性大鬱病(PMD)、緊張型鬱病、季節性情動障害(SAD)、持続性鬱病性障害(気分変調)、二重抑鬱症、抑鬱性パーソナリティ障害(DPD)、反復性短期鬱病(RBD)、軽度鬱病性障害、双極性障害または躁鬱病、自殺の危険性を伴う双極性鬱病、心的外傷後ストレス障害、慢性病状による鬱病、別の病状に起因する鬱病性障害、治療抵抗性鬱病、不応性鬱病、物質・医薬品誘発性鬱病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴う鬱病からなる群から選択される、実施形態30に記載の方法。
32.鬱病が大鬱病性障害である、実施形態31に記載の方法。
33.患者は、NMDA拮抗薬で以前に治療されたが、当該治療に忍容性がなく、治療された患者は、GABA-A PAMおよびNMDA拮抗薬での治療に忍容性がある、実施形態28~32のいずれか1つに記載の方法。
34.少なくとも1週間の投与後、患者が、当該投与の前と比較して、鬱病の実質的な低減を経験する、実施形態30~33のいずれか1つに記載の方法。
35.少なくとも1週間の投与後、患者が、合計ハミルトン鬱病評価尺度(HAM-D)値の少なくとも2点の低下を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
36.少なくとも1週間の投与後、患者が、HAM-D値の少なくとも50%の低下を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
37.少なくとも1週間の投与後、患者が、HAM-D重症度分類の少なくとも1カテゴリーの変化を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
38.少なくとも1週間の投与後、患者が、HAM-D寛解を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
39.少なくとも1週間の投与後、患者が、モンゴメリ・アスベルグ鬱病評価尺度(MADRS)値の少なくとも2点の低下を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
40.少なくとも1週間の投与後、患者が、MADRS値の少なくとも50%の低下を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
41.少なくとも1週間の投与後、患者が、MADRS寛解を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
42.少なくとも1週間の投与後、患者が、合計ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)値の少なくとも2点の低下を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
43.少なくとも1週間の投与後、患者が、HAM-A値の少なくとも50%の低下を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
44.少なくとも1週間の投与後、患者が、HAM-A重症度分類の少なくとも1カテゴリーの変化を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
45.少なくとも1週間の投与後、患者が、臨床全般印象(CGI)下位尺度スコアのうちの1つ以上において少なくとも1点の低下を特徴とする鬱病の減少を経験し、CGI下位尺度が、病気の重症度下位尺度(CGI-S)または全般改善下位尺度(CGI-I)から選択される、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
46.少なくとも1週間の投与後、患者が、鬱病の症状質問票(SDQ)合計尺度スコア、またはSDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4、およびSDQ-5のそれぞれの下位尺度のうちのいずれかにおいて、少なくとも約10%、20%、または30%の改善を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
47.少なくとも1週間の投与後、患者が、ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)全般スコアの少なくとも1点の低下を特徴とする鬱病の低減を経験する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
48.GABA-A PAMが、化合物1またはその薬学的に許容される塩、ガボキサドール、エチホキシン、ミダゾラム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム アジナゾラムプレグナノロン、アロプレグナノロン、アロテトラヒドロデオキシコルチコステロン、ガナキソロン、アルファキソロン、アルファドロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、アルテシン、レナノロン、PF-06372865(7-エチル-4-[3-(4-エチルスルホニル-2-メトキシフェニル)-4-フルオロフェニル]イミダゾ[4,5-c]ピリダジン)、SAGE-324、SAGE-217(3α-ヒドロキシ-3β-メチル-21-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1´-イル)-19-ノル-5β-プレグナン-20-オン)、およびUS2017/0240589(すべての目的で参照により本明細書に援用される)に記載される任意の神経活性ステロイドからなる群から選択される、実施形態28~47のいずれか1つに記載の方法。
49.GABA-A PAMが、化合物1またはその薬学的に許容される塩である、実施形態28~47のいずれか1つに記載の方法。
50.NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、ケタミン、R-ケタミン、エスケタミン、メタドン、D-メタドン、BMT-108908((R)-1-(4-フルオロベンジル)-3-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)ピロリジン-2-オン)、フルピルチンラジプロジル、プリラルフィナミドデキストロメトルファン、AZD-8108、AZD-6423、NYX-2925((2S,3R)-3-ヒドロキシ-2-((R)-5-イソブチリル-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)ブタンアミド))、NYX-783、NYX-458、ラニセミン、AZD 6423、トラキソプロジル、イフェンプロジル、リスレネムダズ(CERC-301)、EVT-101(5-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-3-((2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ピリダジン)、4-クロロキヌレニン、メマンチン、アマンタジン、メトキシエタミン、ラパスチネル、AGN-241751、d-シクロセリン、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン、フェンシクリジン、およびリルゾールからなる群から選択される、実施形態28~49のいずれか1つに記載の方法。
51.NMDA拮抗薬が、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態28~50のいずれか1つに記載の方法。
52.NMDA拮抗薬が、ケタミンまたはその薬学的に許容される塩であり、GABA-A PAMが、化合物1またはその薬学的に許容される塩である、実施形態28~50のいずれか1つに記載の方法。
53.NMDA拮抗薬が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態28~50のいずれか1つに記載の方法。
54.NMDA拮抗薬が、エスケタミンまたはその薬学的に許容される塩であり、GABA-A PAMが、化合物1またはその薬学的に許容される塩である、実施形態28~50のいずれか1つに記載の方法。
55.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と、GABA-A PAMとが、順次投与される、実施形態28~54のいずれか1つに記載の方法。
56.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、朝に投与され、GABA-A PAMが、晩に投与される、実施形態28~55のいずれか1つに記載の方法。
57.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と、GABA-A PAMとが、同時投与される、実施形態28~54のいずれか1つに記載の方法。
58.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬と、GABA-A PAMとが、同じ組成物中で投与される、実施形態28~54のいずれか1つに記載の方法。
59.GABA-A PAMが、1日1回投与される、実施形態28~58のいずれか1つに記載の方法。
60.GABA-A PAMが、1日2回投与される、実施形態28~58のいずれか1つに記載の方法。
61.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、約1週間に1回投与される、実施形態28~60のいずれか1つに記載の方法。
62.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、約2週間に1回投与される、実施形態28~60のいずれか1つに記載の方法。
63.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、約1か月に1回投与される、実施形態28~60のいずれか1つに記載の方法。
64.GABA-A PAMの投与により、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の平均定常状態血漿AUC0~24が、同用量のNMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬がGABA-A PAMを伴わずに投与されるときの平均定常状態血漿AUC0~24と比較して増加する、実施形態28~63のいずれか1つに記載の方法。
65.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の用量を減少させて、NMDA拮抗薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬の治療有効血漿レベルを提供することをさらに含む、実施形態64に記載の方法。
66.GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との治療有効用量が、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とが同時投与されないときに、GABA-A PAMと、NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬との治療有効用量を約25%下回る、実施形態28~65のいずれか1つに記載の方法。
67.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、注射剤形として投与される、実施形態28~53または59~66のいずれか1つに記載の方法。
68.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、経口剤形として投与される、実施形態28~53または59~66のいずれか1つに記載の方法。
69.NMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬が、鼻腔用スプレーとして投与される、実施形態28~53または59~66のいずれか1つに記載の方法。
70.NMDA拮抗薬が、エスケタミンであり、約54mgのエスケタミンまたはその薬学的に許容される塩が、1週間に1回または1週間に2回投与される、実施形態69に記載の方法。
71.NMDA拮抗薬が、エスケタミンであり、約84mgのエスケタミンまたはその薬学的に許容される塩が、1週間に1回または1週間に2回投与される、実施形態69に記載の方法。
72.方法が、治療有効量の実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物、または実施形態13~27のいずれか1つに記載のキットを投与することを含む、実施形態28~71のいずれかに記載の方法。
73.治療有効量のGABA-A PAMと、治療有効量のNMDA拮抗薬、NMDA開口チャネル阻害薬、NMDA陰性アロステリック調節因子、またはNMDA部分作動薬とを投与することを含む、適応障害の治療を、それを必要とする患者において行う方法。
74.適応障害が、抑鬱気分を伴う適応障害である、実施形態73に記載の方法。
75.適応障害が、不安を伴う適応障害である、実施形態73に記載の方法。
76.適応障害が、不安と抑鬱気分との混合を伴う適応障害である、実施形態73に記載の方法。
【国際調査報告】