(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】脊椎インプラントシステムおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520879
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 US2020053786
(87)【国際公開番号】W WO2021071739
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506298792
【氏名又は名称】ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】キーン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】デービス,ダレン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ホール,ジョン・アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL08
4C160LL24
4C160LL33
4C160LL42
4C160LL62
(57)【要約】
脊椎インプラントは、組織を貫通するように構成された第1の部材と、第2の部材とを含む。第2の部材は、手術器具と係合可能なアバットメントと、手術器具の可動アームと係合可能な少なくとも1つの周辺捕捉要素と、を有する。システム、脊椎構造物、手術器具、および方法が、開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎インプラントであって、
組織を貫通するように構成された第1の部材と、
手術器具と係合可能なアバットメントと、前記手術器具の可動アームと係合可能な少なくとも1つの周辺捕捉要素と、を含む第2の部材と、を備える、脊椎インプラント。
【請求項2】
前記アバットメントが、近位面および先細りの遠位面を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項3】
前記近位面が、前記手術器具との同一平面係合のために構成されている、請求項2に記載の脊椎インプラント。
【請求項4】
前記近位面が、前記手術器具の前記第2の部材に対する並進を制限するための停止部を含む、請求項2に記載の脊椎インプラント。
【請求項5】
前記第2の部材が、前記手術器具と係合可能なヘッドを含み、前記ヘッドが、前記少なくとも1つの周辺捕捉要素を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項6】
前記ヘッドが、前記アバットメントの近位面から延在する、請求項5に記載の脊椎インプラント。
【請求項7】
前記ヘッドが、四角形の断面構成を含む、請求項5に記載の脊椎インプラント。
【請求項8】
前記少なくとも1つの捕捉要素が、複数の凹部を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項9】
前記少なくとも1つの捕捉要素が、前記第2の部材の周囲に相対的アライメントで配設された複数の離間した凹部を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項10】
前記少なくとも1つの捕捉要素が、前記第2の部材のヘッドの周囲で、等距離に離間している複数のディボットを含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項11】
前記可動アームが、捕捉配向と解放配向との間で、前記第2の部材との係合のために前記手術器具に対して回転可能である、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項12】
前記部材と接続可能な椎弓形成術プレートをさらに備える、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項13】
手術器具であって、
近位端と遠位端との間に延在するシャフトであって、前記遠位端が、脊椎インプラントの近位面との係合のために構成され、かつ前記脊椎インプラントの配設のために構成された非円形の開口部を含む、シャフトと、
前記シャフトに沿って延在し、かつ捕捉配向と解放配向との間で前記脊椎インプラントの少なくとも1つの捕捉要素と係合するために、前記シャフトに対して可動であるアームと、を備える、手術器具。
【請求項14】
前記開口部が、四角形の構成を含む、請求項13に記載の手術器具。
【請求項15】
前記遠位端が、前記開口部を画定する、先細りの表面を含む、請求項13に記載の手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、筋骨格障害の治療のための医療デバイスに関し、より具体的には、脊椎を治療するための手術システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、脊椎すべり症、狭窄、脊柱後弯症、脊柱側弯症および他の湾曲異常、腫瘍、ならびに骨折などの脊椎障害は、外傷、疾患、ならびに損傷および加齢によって引き起こされた変性状態を含む要因から生じ得る。脊椎障害は、典型的には、疼痛、神経損傷、および可動性の部分的または完全な喪失を含む症状をもたらす。
【0003】
薬物療法、リハビリテーション、および運動等の非外科的治療は効果的であり得るが、これらの障害に付随する症状を緩和できない場合がある。これらの脊椎障害の外科的治療は、矯正、癒合、固定、椎間板切除術、椎弓切除術、椎弓形成術、および移植可能な人工関節を含む。例えば、外科的治療は、治療された領域に安定性を提供するためにプレートおよび骨留め具などのインプラントを用いることができる、椎弓形成術を含み得る。これらのインプラントは、治癒が起こっている間に損傷または欠陥のある領域から離れるように応力の方向を変更して、適切なアライメントを復元し、椎骨部材を全体的に支えることができる。外科的治療中に、プレートおよび骨留め具は、手術部位に送達することができる。手術器具は、例えば、プレートを1つ以上の椎骨部材の外部に取り付けるための留め具を係合するために用いられる。本開示は、これらの従来技術に勝る改善について記載する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において、脊椎インプラントが、提供される。脊椎インプラントは、組織を貫通するように構成された第1の部材を備える。第2の部材は、手術器具と係合可能なアバットメントと、手術器具の可動アームと係合可能な少なくとも1つの周辺捕捉要素と、を含む。いくつかの実施形態において、システム、脊椎構造物、方法、および手術器具が、開示される。
【0005】
一実施形態において、手術器具が提供される。手術器具は、近位端と遠位端との間に延在するシャフトを備える。遠位端は、脊椎インプラントのアバットメントとの係合のために構成される。開口部が、遠位端に配設され、かつ脊椎インプラントの一部分の配設のために構成される。可動アームは、シャフトに沿って延在し、かつ脊椎インプラントとともに配設された少なくとも1つの周辺捕捉要素と係合するように構成される。
【0006】
一実施形態において、脊椎インプラントシステムが提供される。脊椎インプラントシステムは、組織を貫通するように構成された第1の部材と、アバットメントおよび少なくとも1つの周辺捕捉要素を含む第2の部材と、を含む脊椎インプラントを備える。手術器具は、近位端と遠位端との間に延在するシャフトを含む。遠位端は、アバットメントとの係合のために構成される。開口部は、遠位端に配設され、かつ第2の部材の一部分の配設のために構成される。可動アームは、シャフトに沿って延在し、少なくとも1つの周辺捕捉要素と係合する捕捉配向と解放配向との間の回転のために構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、以下の図面を伴う具体的な説明からより容易に明らかになるであろう。
【0008】
【
図1】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の側面図である。
【
図4】
図1に示される構成要素の分割側面図である。
【
図5】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の側面図である。
【
図6】
図5に示される構成要素の分割斜視図である。
【
図8】
図7に示される構成要素の線Y-Yに沿った分割断面図である。
【
図9】
図5に示される構成要素の分割側面図である。
【
図10】
図9に示される構成要素の線Z-Zに沿った軸方向断面図である。
【
図11】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の分割断面図である。
【
図12】椎骨に配設された、本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
手術システムの例示的な実施形態について、筋骨格障害の治療のための医療デバイスの観点から、より具体的には、脊椎を治療するための手術システムおよび方法の観点から考察する。いくつかの実施形態において、本開示のシステムおよび方法は、椎弓形成術の手技で用いられる。
【0010】
いくつかの実施形態において、本手術システムは、手術器具、例えば、脊椎インプラントのヘッドの、例えば、骨ねじとの接続のために構成された自己保持型ねじドライバを備える。いくつかの実施形態において、ドライバは、骨ねじを保持し、かつ手術部位への挿入中の係合解除を退け、および/または防止するように構成される。いくつかの実施形態において、ドライバは、骨ねじを保持し、かつ組織との係合のために適用されたトルク中に骨ねじからの係合解除を退け、および/または防止するように構成される。いくつかの実施形態において、骨ねじが組織と係合された後、ドライバは、骨ねじから容易に取り外される。いくつかの実施形態において、骨ねじは、脊椎構造物、例えば、患者の解剖学的構造を有する椎弓形成術プレートを固定するために利用される。
【0011】
いくつかの実施形態において、本開示の手術システムは、例えば、変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、脊椎すべり症、狭窄、脊柱側弯症および他の湾曲異常、脊柱後弯症、腫瘍、および骨折等の脊椎障害を治療するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、本開示のシステムは、診断および治療に関連するものを含む、他の骨および骨質に関連する用途に用いられてもよい。いくつかの実施形態において、開示されるシステムは、代替的に、腹臥位もしくは仰臥位にある患者の外科的治療に用いられてもよく、および/または前方、後方、後方正中線、直接側方、後外側、および/もしくは前外側アプローチを含む脊椎に対する、ならびに他の身体領域における様々な外科的アプローチを用いる。本開示のシステムはまた、代替的に、脊柱の腰部、頸部、胸部、仙骨部、および骨盤部を治療するための手技とともに用いられてもよい。本開示のシステムはまた、例えば、トレーニング、検査、およびデモンストレーションにおいて等、動物、骨モデル、および他の非生体基質にも使用することができる。
【0012】
本開示のシステムは、本開示の一部を形成する添付の図面に関連して把握される実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本出願は、本明細書に記載されるおよび/または示される特定のデバイス、方法、条件、またはパラメータに限定されず、本明細書で使用される専門用語は、例として特定の実施形態を説明するためのものであり、限定的であることを意図するものではないことを理解されたい。いくつかの実施形態において、添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、「and」および「the」は複数形を含み、文脈上明らかに別段の指示がない限り、特定の数値への言及は、少なくともその特定の値を含む。範囲は、「約」または「およそ」1つの特定の値から、かつ/または「約」または「およそ」別の特定の値までとして本明細書で表され得る。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、かつ/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を使用することによって、値が近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。また、例えば、水平、垂直、上部、上方、下方、下部、左および右等の全ての空間的基準は、例示のみを目的としており、本開示の範囲内で変動し得ることも理解されたい。例えば、「上方」および「下方」という言及は相対的であり、他のものに対する文脈でのみ使用され、必ずしも「上方」および「下方」ではない。
【0013】
添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、疾患または状態を「治療すること」またはその「治療」は、疾患または状態の兆候または症状を緩和しようとして、1つ以上の薬物を患者(ヒト、健康なもしくは別様に他の哺乳動物)に投与すること、移植可能なデバイスを用いること、ならびに/あるいは、例えば、膨隆部分もしくは椎間板ヘルニアおよび/または骨棘を除去するために使用される顕微鏡視下ヘルニア摘出術用器具等の疾患を治療する器具を用いることを含み得る手技を行うことを指す。緩和は、疾患または状態の兆候または症状が出現する前、およびそれらが出現した後に起こり得る。したがって、治療することまたは治療は、疾患または望ましくない状態を予防することまたはその予防(例えば、疾患の素因があり得るが、まだ罹患していると診断されていない患者において疾患が発症するのを防ぐこと)を含む。さらに、治療することまたは治療は、兆候または症状の完全な緩和を必要とせず、治癒を必要とせず、具体的には、患者にわずかな影響しか与えない手技を含む。治療は、疾患を抑制すること、例えば、その発症を阻止すること、または疾患を軽減すること、例えば、疾患の退行を誘発することを含み得る。例えば、治療は、急性もしくは慢性炎症を軽減すること、疼痛を緩和することおよび軽減すること、ならびに手術における補助として、新しい靭帯、骨、および他の組織の再成長を誘発すること、ならびに/または任意の修復手技を含み得る。また、添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、「組織」という用語は、特に別段の言及がない限り、軟組織、靭帯、腱、軟骨および/または骨を含む。
【0014】
以下の考察は、本開示の原理による、手術器具、脊椎構造物、インプラント、関連する構成要素を含む手術システム、および手術システムを用いる方法の説明を含む。代替の実施形態も開示される。添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を詳細に参照する。
図1~
図11を参照すると、手術システム、例えば、脊椎インプラントシステム10の構成要素が示される。
【0015】
脊椎インプラントシステム10の構成要素は、金属、合成ポリマー、セラミックおよび骨材料、ならびに/またはそれらの複合材料を含む、医療用途に好適な生物学的に許容される材料から製造することができる。例えば、脊椎インプラントシステム10の構成要素は、個別にまたは集合的に、ステンレス鋼合金、アルミニウム、市販の純チタン、チタン合金、グレード5チタン、超弾性チタン合金、コバルトクロム合金、超弾性金属合金(例えば、ニチノール、GUM METAL(登録商標)等の超弾塑性金属)、リン酸カルシウム等のセラミックおよびその複合材料(例えば、SKELITE(商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、およびポリエーテルケトン(PEK)を含むポリアリールエーテルケトン(PAEK)等の熱可塑性物質、カーボンPEEK複合材料、PEEK-BaSO4ポリマーゴム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、布地、シリコーン、ポリウレタン、シリコーンポリウレタンコポリマー、ポリマーゴム、ポリオレフィンゴム、ヒドロゲル、半硬質および硬質材料、エラストマー、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、エラストマー複合材料、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エポキシを含む硬質ポリマー、自家移植片、同種移植片、異種移植片もしくはトランスジェニック皮質および/または皮質海綿骨を含む骨材料、ならびに組織成長因子または分化因子、例えば、金属とカルシウム系セラミックの複合材料等の部分吸収性材料、PEEKとカルシウム系セラミックの複合材料、PEEKと吸収性ポリマーの複合材料、例えば、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)-TCP、硫酸カルシウム等のカルシウム系セラミック等の完全吸収性材料、あるいは、ポリアエチド、ポリグリコリド、ポリチロシンカーボネート、ポリカロプラエトヘ、およびそれらの組み合わせ等の他の吸収性ポリマー等の材料から製造することができる。
【0016】
脊椎インプラントシステム10の構成要素はまた、個別にまたは集合的に、上述の材料の2つ以上の組み合わせなどの異種材料から製造されてもよい。脊椎インプラントシステム10の構成要素は、モノリシックに形成され得るか、一体的に接続され得るか、または本明細書に記載されるように、留める要素および/もしくは器具を含み得る。
【0017】
脊椎インプラントシステム10は、例えば、患者の身体内の手術部位、例えば、脊椎の一部において、組織を操作する、器具および/または脊椎構造物の構成要素を送達ならびに導入するために、経皮法、低観血的、および観血的手術法を含む、低侵襲的手技で用いることができる。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントシステム10は、本明細書に記載されるように、例えば、椎弓形成術手技において、脊椎障害に苦しむ患者を治療して、安定化および減圧を提供するために用いることができる。
【0018】
本明細書に記載の脊椎インプラントシステム10は、
図1~
図11に示されるように、脊椎インプラント、例えば、手術器具、例えば、手術ドライバ14と係合可能な骨ねじ12を含む。手術ドライバ14は、外科的手技、例えば、椎弓形成術プレート300のインプラントにおいて、組織との係合中に骨ねじ12を保持するように構成される(
図12)。
【0019】
骨ねじ12は、
図1に示されるように、部材、例えば、シャフト16を含む。シャフト16は、近位端18と遠位端20との間に延在する。シャフト16は、端部18、20の間に円筒形の断面構成を有する。いくつかの実施形態において、シャフト16の一部分は、例えば、楕円形、四角形、三角形、正方形、多角形、不規則、均一、不均一、オフセット、千鳥状、および/または先細りなどの代替的な断面構成を有し得る。シャフト16は、軸X1を画定する。
【0020】
シャフト16は、その外面上にねじ山形態を含む。いくつかの実施形態において、ねじ山形態は、シャフト16がその全長に沿ってねじ止めされるように延在し得る。いくつかの実施形態において、シャフト16のすべてまたは一部分のみが、例えば、粗い、ねじ山状、弧状、起伏のある、多孔質、半多孔質、くぼみのある、研磨された、および/またはざらつきのある、などの様々な表面構成を有し得る。
【0021】
骨ねじ12は、アバットメント32およびヘッド34を含む、部材30を含む。アバットメント32は、
図1に示されるように、近位面36および先細りの遠位面38を含む。表面38は、近位面36から近位端18まで延在する。近位面36は、例えば、軸X1に対して垂直に横方向に延在する。いくつかの実施形態において、近位面36は、軸X1に対して他の角度配向、例えば、鋭角または鈍角で延在する。近位面36は、本明細書に記載されるように、手術ドライバ14の一部分との同一平面係合のために構成される。近位面36は、本明細書に記載されるように、ヘッド34に対して手術ドライバ14の並進を制限するための停止部を画定する。例えば、近位面36は、本明細書に記載されるように、手術ドライバ14が、ヘッド34とともに配設された捕捉要素を通過して並進することを退け、および/または防止して、骨ねじ12を保持する。
【0022】
ヘッド34は、近位面36から延在する。いくつかの実施形態において、ヘッド34は、ヘッド34が近位面36に対して垂直になるように軸X1に沿って延在する。いくつかの実施形態において、ヘッド34は、近位面36に対して平行または他の角度配向、例えば、鋭角または鈍角に延在する。ヘッド34は、近位端40と遠位端42との間に延在する。ヘッド34は、
図3に示されるように、周囲Pを画定する壁44を有する四角形の断面構成を含む。壁44は、縁部46で合流する。いくつかの実施形態において、ヘッド34は、例えば、楕円形、四角形、三角形、正方形、多角形、不規則、均一、不均一、オフセット、千鳥状、および/または先細りなどの代替的な断面構成を有し得る。
【0023】
ヘッド34は、複数の周辺捕捉要素、例えば、ディボット50を含む。ディボット50は、本明細書に記載されるように、可動アーム、例えば、手術ドライバ14の片持ち梁のタング120との係合のために構成される。ディボット50は、各々、
図1、
図2および
図4に示されるように、各縁部46に配設された凹部を含む。ディボット50は、
図4に示されるように、周囲長Pの周囲に相対的なアライメントで等間隔に離間し、かつ配設される。いくつかの実施形態において、ヘッド34は、手術ドライバ14の可動アームとの係合のための1つまたは複数の捕捉要素を含み得る。例えば、ヘッド34は、単一のディボットを含み得る。いくつかの実施形態において、手術ドライバ14は、ヘッド34との係合のために、本明細書に記載されるように、1つまたは複数の可動アームを含み得る。
【0024】
ディボット52は、各々、斜面54を画定する表面を含む。斜面54は、
図4に示されるように、近位端40から遠位端42に下降するように配向される。手術ドライバ14の骨ねじ12との係合中、斜面54は、本明細書に記載されるように、タング120のプロング122をディボット50に整列すること、および/または誘導することを容易にして、骨ねじ12を捕捉する。手術ドライバ14の骨ねじ12からの係合解除中、斜面54は、タング120のヘッド34との解放可能な係合を容易にする。例えば、タング120が斜面54に沿って並進する際、斜面54の傾斜は、タング120の付勢を乗り越えて、ディボット50からのタング120の解放を容易にする。
【0025】
ディボット52は、各々、斜面56を画定する表面を含む。斜面56は、
図4に示されるように、近位端40から遠位端42に傾斜するように配向される。斜面56は、ヘッド34に対するプロング122の並進を制限することを容易にする。
【0026】
ヘッド34は、傾斜表面、例えば、近位端40に配設された斜面60を含む。斜面60は、
図4に示されるように、近位端40から遠位端42に傾斜するように配向される。斜面60および斜面54は、縁部46に沿ったアライメントで配設され、頂点62で交わる。本明細書に記載されるように、手術ドライバ14の骨ねじ12との係合中、斜面60は、ヘッド34との係合を容易にして、骨ねじ12を捕捉する。例えば、タング120が斜面60に沿って並進する際、斜面60および頂点62の傾斜は、タング120の付勢を乗り越え、タング120が手術ドライバ14のシャフト100から広がるように構成される。手術ドライバ14の骨ねじ12からの係合解除中、斜面60は、タング120のヘッド34との解放可能な係合を容易にする。例えば、タング120が斜面54に沿って並進する際、斜面54および頂点62の傾斜は、タング120の付勢を乗り越え、ヘッド34からのタング120の解放を容易にする。
【0027】
シャフト100は、
図5に示されるように、近位端102と遠位端104との間に延在する。シャフト100は、軸X2を画定する。近位端102は、骨ねじ12の組織との係合を容易にするため、ハンドルおよび/または電動ドリルなどのアクチュエータとの接続のために構成される。遠位端104は、
図5に示されるように、近位面36との係合のために構成された遠位面106を含む。遠位面106は、開口部110を画定する表面108を含む。開口部110は、開口部110が、嵌合係合におけるヘッド34の配設のために構成されるように、例えば、四角形の構成を含む、非円形である。いくつかの実施形態において、開口部100は、例えば、楕円形、四角形、三角形、正方形、多角形、不規則、均一、不均一、オフセット、千鳥状、および/または先細りなどの代替的な断面構成を有し得る。表面108は、
図6に示されるように、遠位面106から近位端102に向かって傾斜するように配向されて、ヘッド34を開口部110に整列させ、および/または誘導する面取り表面を含む。開口部110は、縁部46とのアライメントのために構成された角部114を含み、そのため、ディボット50は、プロング122との係合のために整列する。
【0028】
タング120は、
図9に示されるように、軸X2に対して平行なシャフト100に沿って延在する。タング120は、隙間Gが、シャフト100とタング120との間に配設され、タング120がシャフト100に対して回転可能であるようなリビングヒンジを形成するように延在する。隙間Gは、
図11に示されるように、ヘッド34の一部分を受容するために、開口部110と連通して配設される。プロング122は、タング120の遠位端に配設される。プロング122は、プロング122が骨ねじ12を捕捉するために配向されるように、フック構成で内側に突出する。タング120は、シャフト100に対して回転可能であって、プロング122を捕捉配向と解放配向との間に配向する。捕捉配向では、タング120は、軸X2に対して平行に配設され、プロング122は、ディボット50とともに配設される。解放配向では、タング120は、本明細書に記載されるように、軸X2を横切って回転されて、プロング122をディボット50から係合解除する。
【0029】
例えば、手術ドライバ14は、ヘッド34が開口部110に隣接して配設されるように、骨ねじ12に対して位置決めされる。タング120は、軸X2に対して平行に配設される。ヘッド34は、
図11の矢印Aによって示される方向において、開口部110に挿入される。表面108は、ヘッド34を開口部110に整列させ、および/または誘導し、そのため縁部46は、角部114とともに配設される。斜面60の表面は、プロング122と係合する。プロング122は、斜面60に沿って頂点62に向かって並進する。斜面60に沿い、かつ頂点62上のプロング122の並進は、タング120の付勢を乗り越え、タング120を、
図11の矢印Bによって示される方向において、外向きに回転し、および/または広げさせる。プロング122は、斜面54に沿ってディボット50に並進する。タング120の弾性付勢は、タング120に、
図11の矢印Cによって示される方向に、軸X2に向かって回転して、骨ねじ12を捕捉させる。プロング122がディボット50に並進する際、遠位面106は、近位面36との隣接係合に並進して、ヘッド34に対する手術ドライバ14のさらなる並進を退ける、および/または防止する。斜面56は、プロング122のさらなる並進を退け、および/または防止する。
【0030】
骨ねじ12を解放するために、手術ドライバ14は、例えば、
図11の矢印Dによって示される方向において並進されるように操作される。プロング122は、ディボット50から斜面54に沿って頂点62に向かって並進する。頂点62上のプロング122の並進は、タング120の付勢を乗り越え、タング120を、
図11の矢印Bによって示される方向において、外向きに回転し、および/または広げさせる。プロング122は、斜面60に沿って並進して、手術ドライバ14から骨ねじ12を解放する。タング120の弾性付勢は、タング120に、
図11の矢印Cによって示される方向において、軸X2に向かって回転させる。
【0031】
組み立て、操作、および使用において、本明細書に記載のシステムおよび方法と同様の脊椎インプラントシステム10は、例えば、
図12に示されるように、椎骨Vを含む、患者の脊椎の椎弓形成術治療などの外科的手技で用いられる。手術システムはまた、例えば、椎間板切除術、椎弓切開術、椎弓切除術、神経根収縮術、椎間孔拡大術、椎間関節切除術、減圧術、および脊髄、核、または椎間板の置換などの他の外科的手技で用いられ得る。例えば、椎弓形成術の手技は、脊柱管を取り囲み、かつ画定する1つ以上の骨の椎骨構造を変更するために用いられ得る。例えば、椎骨Vの椎骨レベルV1、V2、およびV3は、切断され、および/または弱められて、管を開放し、かつ脊髄のための追加のスペースを提供することができる。一実施形態において、脊椎インプラントシステム10は、適切な治癒のために椎骨レベルV1、V2、およびV3を安定化させる。
【0032】
使用中、椎骨Vの患部を治療するために、医師は、組織の切開および開創によるなどの任意の適切な手法で、椎骨Vを含む手術部位に到達する。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントシステム10は、観血的手術、低観血的手術、低侵襲手術、および経皮的外科移植を含む任意の既存の手術方法または技法において使用することができ、それによって、椎骨Vは、その領域に保護された通路を提供するミニ切開、またはスリーブを通してアクセスされる。一度、手術部位へのアクセスが取得されると、脊椎障害を治療するために特定の外科的手技が行われる。ついで、脊椎インプラントシステム10を使用して、外科的治療を増強する。脊椎インプラントシステム10は、事前に組み立てられたデバイスとして送達もしくは移植することができるか、またはその場で組み立てることができる。脊椎インプラントシステム10は、その場で、完全にまたは部分的に修正されるか、除去されるか、または交換され得る。いくつかの実施形態において、インプラントシステムの構成要素の1つまたはすべては、手動操作、画像誘導外科的ナビゲーション、および/またはフリーハンド技法を介して、手術部位に送達することができる。
【0033】
患者の身体に切開が施され、切断器具(図示せず)が、患者の身体内の隣接する椎骨レベルV1に、脊椎インプラントシステム10の構成要素の送達のための手術経路を作成する。
【0034】
椎弓形成術プレート300は、椎弓L1およびL2に隣接する組織への取り付けに関して椎骨レベルV1への取り付けのためのアライメントで位置決めされる。パイロット穴または同様のものは、椎弓L1で穿孔され、プレート300は、アパーチャ302が椎弓L1内のパイロット穴とアライメントして位置決めされ、かつアパーチャ304が椎弓L2のパイロット穴とアライメントして位置決めされるように配設される。プレート300を位置決めすると、骨ねじ12は、プレート300を組織に取り付けるために利用される。
【0035】
手術ドライバ14は、骨ねじ12と係合する。ヘッド34は、開口部110に挿入され、表面108は、縁部46が角部114とともに配設されるように、ヘッド34を開口部110に整列させ、および/または誘導する。斜面60の表面は、プロング122と係合して、プロング122を斜面60に沿って頂点62に向かって並進させる。タング120は、プロング122が頂点62上を並進する際、回転し、および/または広がる。プロング122は、斜面54に沿ってディボット50に並進する。タング120の弾性付勢は、タング120に軸X2に向かって回転して、骨ねじ12を捕捉させる。プロング122がディボット50に並進する際、遠位面106は、近位面36との隣接係合に並進して、ヘッド34に対する手術ドライバ14のさらなる並進を退け、および/または防止する。斜面56は、プロング122のさらなる並進を退け、および/または防止する。骨ねじ12は、組織と係合する。ドライバ12は、組織でシャフト16を操作、固定、駆動、トルク、または挿入するために利用される。
【0036】
骨ねじ12は、手術ドライバ14を操作することによって解放される。プロング122は、ディボット50から斜面54に沿って頂点62に向かって並進する。本明細書に記載されるように、プロング122の頂点62上の並進は、タング120が回転し、および/または広がって、手術ドライバ14から骨ねじ12を解放させる。
【0037】
手技が完了すると、手術器具、および脊椎インプラントシステム10の非移植構成要素は、取り外され、かつ切開は、閉鎖される。脊椎インプラントシステム10の構成要素の1つ以上は、ポリマー等の放射線透過性材料でできていてもよい。X線、蛍光透視法、CT、または他の撮像法で識別するために、放射線マーカーが含まれてもよい。いくつかの実施形態では、外科的ナビゲーション、顕微手術および画像誘導技術を使用して、脊椎インプラントシステム10の援助により、脊椎の劣化または損傷に到達し、表示し、修復することができる。
【0038】
一実施形態において、脊椎インプラントシステム10は、脊椎インプラントシステム10の構成要素および/もしくは表面の中、上、または周囲に、配設、包装、被覆、または積層され得る薬剤を含む。いくつかの実施形態において、薬剤は、例えば、椎骨との固定要素の固定を強化するための骨移植片等の骨成長促進材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、薬剤は、HAコーティングであり得る。いくつかの実施形態において、薬剤は、例えば、疼痛、炎症、および変性を治療するために、持続放出を含む放出のための1つ以上の治療薬および/または薬理作用のある物質を含み得る。
【0039】
本明細書に開示された実施形態に様々な変更が加えられ得ることが理解されるであろう。したがって、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に様々な実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲および趣旨内での他の修正を想定するであろう。
【国際調査報告】