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特表2022-552858柔軟な入力部を備えた円筒型二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】柔軟な入力部を備えた円筒型二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/186 20210101AFI20221213BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20221213BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/198 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/645 20210101ALI20221213BHJP
【FI】
H01M50/186
H01M10/04 W
H01M50/184 D
H01M50/193
H01M50/198
H01M50/107
H01M50/531
H01M50/627
H01M50/645
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523240
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2020017773
(87)【国際公開番号】W WO2021125654
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169530
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヒョン ヘン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011FF02
5H011GG02
5H011HH02
5H023AS02
5H023CC11
5H023CC19
5H023CC27
5H028AA01
5H028AA06
5H028BB01
5H028BB03
5H028BB07
5H028BB10
5H028CC08
5H028CC12
5H028EE06
5H043BA11
5H043CA12
5H043EA22
5H043EA53
5H043HA11E
(57)【要約】
本発明は、具体的に、金属缶から製造された円筒型二次電池の底部にホールを設け、前記ホールをゴムなどの柔軟な素材で密封した円筒型二次電池に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の底部及び前記底部の円周に連結される円柱形の外壁からなる円筒状缶と、
前記円筒状缶に収容され、正極と負極との間に分離膜が介在されて巻き取られた構造のゼリーロール型電極組立体と、
前記円筒状缶を密封するキャップアセンブリーとを含む円筒型二次電池であって、
前記円筒状缶の底部の一部に貫通孔が形成され、前記貫通孔は密封部によって密封される、円筒型二次電池。
【請求項2】
前記底部は、前記円筒型二次電池の内側に凹んでいる曲面形状を有する、請求項1に記載の円筒型二次電池。
【請求項3】
前記底部の中心は、平坦部を含む、請求項2に記載の円筒型二次電池。
【請求項4】
前記底部は、外周辺から中心に行くほど前記凹んでいる曲面の曲率半径が増加する、請求項2に記載の円筒型二次電池。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記円筒状缶の底部において負極タブが溶接された部位を除いた中心部に配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の円筒型二次電池。
【請求項6】
前記貫通孔は、円形を有する、請求項5に記載の円筒型二次電池。
【請求項7】
前記密封部は、高分子樹脂からなる、請求項1から6のいずれか一項に記載の円筒型二次電池。
【請求項8】
前記高分子樹脂は、熱可塑性高分子樹脂である、請求項7に記載の円筒型二次電池。
【請求項9】
前記高分子樹脂は、弾性体である、請求項7に記載の円筒型二次電池。
【請求項10】
前記密封部は、中央部の半径が外周辺部より小さいプラグ形態を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の円筒型二次電池。
【請求項11】
前記プラグ形態は、前記円筒型二次電池の内部に入る部分は半径が次第に大きくなってから急激に小さくなる段が形成された形態である、請求項10に記載の円筒型二次電池。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の円筒型二次電池の製造方法であって、
1)円筒型二次電池の底部に貫通孔を形成する段階と、
2)電極組立体を収容した後、電池キャップアセンブリーを組み立てる段階と、
3)前記2)の段階において組み立てられた円筒型電池の底部が上部になるように配置する段階と、
4)前記貫通孔を通じて電解液を注入し、前記円筒型電池の活性化または初期充放電を遂行する段階と、
5)前記貫通孔を密封部で密封する段階と、
を含む、円筒型二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記4)の段階と前記5)の段階との間に追加電解液を注入する段階をさらに含む、請求項12に記載の円筒型二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記5)の段階において、前記密封する段階は、中央部の半径が外周辺部より小さいプラグを使って密封する、請求項12または13に記載の円筒型二次電池の製造方法。
【請求項15】
前記5)の段階において、前記密封する段階は、熱可塑性高分子を前記貫通孔に注入して、前記円筒状缶に溶接される負極タブ部位を塗布して密封する、請求項12または13に記載の円筒型二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年12月18日付の韓国特許出願第2019-0169530号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は柔軟な入力部を備えた円筒型二次電池に関する。具体的には、金属缶で製造された円筒型二次電池の底部にホールを設け、前記ホールを熱可塑性高分子またはゴムなどの柔軟な素材を使って密封した円筒型二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は電池ケースの形状によって区分される。電極組立体が円筒形または角形の金属缶に内装されている円筒型電池及び角型電池、及び電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ形ケースに内装されているパウチ型電池に大別することができる。
【0004】
電池ケースに内装される電極組立体は、正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に介在された分離膜からなる構造を有する充放電の可能な発電素子である。電極組立体は、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻き取ったゼリーロール型、及び所定大きさを有する多数の正極と負極との間に分離膜を介在した状態で順次積層したスタック型に分類される。その中でゼリーロール型電極組立体は、製造が容易であり、重量当たりエネルギー密度が高い利点を有する。
【0005】
ゼリーロール型電極組立体は円筒状金属缶に内装されて円筒型二次電池を構成することができる。電気自動車などのように高容量の二次電池が必要な分野では円筒型二次電池が広く使われている。
【0006】
パウチ型電池とは違い、円筒型二次電池は、二次電池を組み立てた後、活性化過程を遂行する。円筒型二次電池が組み立てられれば、外部ケースを成す缶が密封状態になる。電池の活性化過程には必然的に気体が発生し、パウチ型電池は、発生する気体などを外部に排出した後、最終密封を遂行する。二次電池は、発生した気体を円滑に排出することができる別途の排出口を備えていなかった。
【0007】
円筒型二次電池は既に初めから内圧が増加している状態で使用し始める。継続的な使用による内圧の増加によって内部電解液が外部に揮発する程度が他種の電池に比べて大きく、よって寿命の短縮、性能低下の問題が発生する。
【0008】
特許文献1は電解液注入口を含む円筒型電池に関するもので、正極/分離膜/負極構造の電極組立体が円筒状缶に内装されている構造を有する二次電池であり、缶の開放上端部にはキャップアセンブリーが搭載され、缶の外側面には使用者が電解液を注入するための少なくとも一つ以上の開口部が穿孔されており、前記開口部には電解液注入ピンが貫通することができる密封部材が押し込まれ、外部から密閉されている。
【0009】
特許文献1は、円柱の側面という点のため、1)均一な位置に穿孔をすることが容易でなく、2)また、側面に穿孔することも技術的に注意が必要であり、3)さらに、側面部に設けられたホールを密封するためには、当該形状に対応する別途の支持部を製造しなければならない。仮に、鉄板に予め穿孔し、延伸することで缶を製造すれば、穿孔された部位によって均一に延伸されないから、缶を製造した後に穿孔するしかない。4)また、側面に生成された支持部などによって、いくつかの缶型二次電池を組み合わせて電池モジュールを製造するとき、支持部の段部にかかるか、または同じ形状にパッキングすることが困難であるという問題点がある。5)別途の支持部によって支持しても、密封部材が円柱の側面に結合されるため、密封部材にかかる負荷が均一でないか対称な状態にならない問題もある。6)さらに、特許文献1は密封素材について具体的に開示していない点でも問題がある。
【0010】
特許文献2は、正極と負極とが絶縁板を挟んで構成される電極部と、電極部の正極と連結されるキャップアセンブリーと、電極部の負極と連結され、電極部が挿入される缶と、缶に設けられる電解液注入装置とを含む二次電池に関するものである。
【0011】
特許文献2の電解液注入装置は、缶に形成された注入孔と、缶に設けられ、電池の内部と連結される複数の供給孔が形成された胴体と、胴体内に挿入され、注入孔と供給孔との連結及び遮断を遂行するバルブ部材と、バルブ部材に一定した力を加える加圧部材とから構成される。加圧部材としてはスプリングを用いる。
【0012】
特許文献2は、缶の底部にスプリングの弾性を用いた開閉装置を付け加えたが、1)スプリングという物理的な弾性部を備えるために占める容積が大きくなり、2)物理的に動く構成によって電解液が染み込む根本的な問題が発生することがあり、3)取付けが複雑であるという欠点がある。
【0013】
電池の容量を最大限に増やすための技術が切実に要求される状況で、開閉装置によって実際の使用容積が減少するので、特許文献2が非常に制限的に使われるか、弱点が多い技術であることを容易に把握することができる。
【0014】
このように、円筒型二次電池が持っている初期密封及び活性化による根本的な電解液の早い蒸発、寿命減少、電池性能低下の問題を効果的で経済的に解決することができる技術の開発が必要である。また、二次電池の活用度が段々増加している電池モジュールまたは電池パックも、従来の缶型電池を代替することができるように、外形の変形を最小化することも必要な条件である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国公開特許第2018-0010389号公報
【特許文献2】韓国公開実用新案第1998-0021641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものであり、円筒型二次電池が持っている初期密封及び活性化による根本的な電解液の早い蒸発、寿命減少、電池性能低下の問題を効果的で経済的に解決することができる技術を提供することを目的とする。
【0017】
このために、本発明は円筒型二次電池の活性化の後に密封することができる円筒型二次電池を提供しようとする。具体的には、本発明は、1)密封を遂行した後にも追加の電解液を供給することができ、2)密封の性能が優秀であり、3)従来の電池モジュールまたは電池パックに使われてもケースの変形による互換性問題がほとんどなく、4)製造が容易で経済的であり、5)技術導入によって従来の二次電池の容量を減少させない新規の柔軟な入力部を備えた円筒型二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような目的を達成するための本発明による円筒型二次電池は、円形の底部及び底部の円周に連結される円柱形の外壁からなる円筒状缶と、前記円筒状缶に収容され、正極と負極との間に分離膜が介在されて巻き取られた構造のゼリーロール型電極組立体と、前記円筒状缶を密封するキャップアセンブリーとを含む円筒型二次電池であって、前記円筒状缶の底部の一部に貫通孔が形成され、前記貫通孔は密封部によって密封される。
【0019】
前記底部は、円筒型二次電池の内側に凹んでいる曲面形状を有することができ、前記底部の中心は平坦部を含むことができる。
【0020】
前記底部は、外周辺から中心に行くほど前記凹んでいる曲面の曲率半径が増加することができる。
【0021】
前記貫通孔は、前記円筒状缶の底部において中心部に配置されることができ、詳細には負極タブが溶接された部位を除いた中心部に配置されることができる。
【0022】
貫通孔の具体的な形状は制限されない。例えば、前記貫通孔の形態は保存的な円形を有することができ、必要に応じてその他の多様な形態を有することができる。
【0023】
前記密封部は高分子樹脂からなることができる。円筒型二次電池の前記高分子樹脂は熱可塑性高分子樹脂または熱硬化性高分子樹脂であることができ、詳細には熱可塑性高分子樹脂であることができる。具体的には、前記高分子樹脂は弾性体であることができる。
【0024】
前記密封部の非制限的例として、中央部の半径が外周辺部より小さいプラグ形を有することができる。
【0025】
前記プラグ形態は、前記円筒型二次電池の内部に入る部分は半径が次第に大きくなってから急激に小さくなる段が形成された形態であることができる。
【0026】
本発明は、他の様態として、円筒型二次電池の製造方法を提供する。前記円筒型二次電池の製造方法は、
1)円筒型二次電池の底部に貫通孔を形成する段階と、
2)電極組立体を収容した後、電池キャップアセンブリーを組み立てる段階と、
3)段階2)の組み立てられた円筒型電池の底部が上部になるように配置する段階と、
4)前記貫通孔を通じて電解液を注入し、前記円筒型電池の活性化または初期充放電を遂行する段階と、
5)前記貫通孔を密封部で密封する段階とを含むことができる。
【0027】
本発明は、前記段階4)と段階5)との間に追加電解液を注入する段階をさらに含むことができ、前記段階5)の密封する段階は、中央部の半径が外周辺部より小さいプラグを使って密封することができる。
【0028】
前記段階5)の密封する段階は、熱可塑性高分子を前記貫通孔に注入して、前記円筒状缶に溶接される負極タブ部位を塗布して密封することができる。
【0029】
本発明は前記の課題解決手段の多様な組合せによっても提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来の一般的な円筒型二次電池の垂直断面図である。
図2】本発明の一実施例による貫通孔を備えた円筒型二次電池及び貫通孔が密封された円筒型二次電池の断面図である。
図3】本発明による貫通孔を備えた3種の円筒型二次電池の下部の断面図である。
図4】本発明による密封部の斜視図である。
図5】本発明による貫通孔を密封部で密封することを例示する図である。
図6】本発明による円筒型二次電池の組立過程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0032】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
本発明を図面に基づいて詳細な実施例とともに説明する。
【0034】
図1は従来の一般的な円筒型二次電池の垂直断面図を示す。図1を参照すると、円筒型二次電池100は、円筒状缶120の内部に電極組立体110が収納され、上部にはキャップアセンブリー130が位置し、クリンピングガスケット133によって円筒型二次電池100が密封される。
【0035】
キャップアセンブリー130は、トップキャップ131の外周を取り囲み、トップキャップの下側に位置するベンティング部材132と、ベンティング部材132の中心部と接触するとともにベンティング部材132の下側に位置する電流遮断部材135とを含む。電流遮断部材135の外周辺には、ベンティング部材132と電流遮断部材135が前記ベンティング部材132の中心部以外の部分で接触することを防止するための下部ガスケット134が位置する。
【0036】
電流遮断部材135の下面には電極組立体110の正極タブ111が付着され、キャップアセンブリー130が正極端子の役割を果たし、円筒状缶120の底部には負極タブ112が溶接で結合される。
【0037】
図2は本発明の一実施例による貫通孔を備えた円筒型二次電池200及び貫通孔が密封された円筒型二次電池200の断面図である。
【0038】
図2を参照すると、本発明による円筒型二次電池200は、円形の底部及び前記底部の円周に連結される円柱形の外壁から構成された円筒状缶220と、円筒状缶220に収容され、正極、負極及び前記正極と負極との間に介在される分離膜が巻き取られた構造のゼリーロール型電極組立体210と、円筒状缶220を密封するキャップアセンブリー230とを含む。円筒状缶220の底部の一部に貫通孔250が形成され、前記貫通孔250は密封部260によって密封される。
【0039】
図3は本発明による貫通孔を備えた3種の円筒型二次電池の下部断面図である。
【0040】
図3を参照すると、二次電池の底部は平たい形態(図3の一番目の図)であるか、内側に凹んでいる曲面を成すことができ、外周辺から中心に行くほど前記凹んでいる曲面の曲率半径が増加することができる(図3の二番目の図)。もしくは、前記底部の中心部が平たい平坦部を含むことができる(図3の三番目の図)。
【0041】
図2及び図3で、前記貫通孔250は円筒状缶220の底部において負極タブ212が溶接された部位を除いた中心部に配置されていることが分かる。
【0042】
図4は本発明による密封部の斜視図である。
【0043】
図4を参照すると、密封部260、264は高分子樹脂からなることができる。具体的には、密封部260、264は熱可塑性高分子樹脂または熱硬化性高分子樹脂であることができ、詳細には熱可塑性高分子樹脂であることができる。また、前記高分子樹脂は弾性体であることができる。
【0044】
図4で、上側に示した密封部260は中央部の半径が外周辺部より小さいプラグ状を有し、下側に図式化した密封部264は、円筒型二次電池200の内部に入る部分の半径が次第に大きくなってから急激に小さくなる段が形成されることができる。
【0045】
図5は本発明による貫通孔を密封部で密封することを例示する図である。図5を参照すると、密封部260を挿入して密封することができる(図5の上側に示した図)。もしくは、密封する段階で熱可塑性高分子を前記貫通孔250に注入して、負極タブ212が前記円筒状缶220に溶接された部位を塗布して密封部262を形成することができる。
【0046】
図6は本発明による円筒型二次電池の組立過程を示す模式図である。
【0047】
本発明の円筒型二次電池の組立過程は次のようである。
【0048】
円筒型二次電池の底部に貫通孔を形成する段階、電極組立体を収容した後、電池キャップアセンブリーを組み立てる段階(図6の1)、キャップアセンブリーが組み立てられた円筒型二次電池の底部が上部に位置し、キャップアセンブリーが下側に位置するように円筒型二次電池を回転させて配置し、前記貫通孔を通して電解液を注入した後、前記円筒型二次電池の活性化または初期充放電を遂行する段階(図6の2)、及び前記貫通孔を密封部で密封する段階(図6の3)によって最終円筒型二次電池が完成される(図6の4)。
【0049】
また、本発明は、前記円筒型二次電池を含む電池パックを提供することができる。
【0050】
具体的には、前記電池パックは、高温安全性、長いサイクル特性、高いレート特性などが要求されるデバイスの電源として使われることができる。このようなデバイスの詳細な例としては、モバイル電子機器(mobile device)、ウェアラブル電子機器(wearable device)、電池的モーターによって動力を受けて動く動力工具(power tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)などを含む電気車;電気自動車(E-bike)、電気スクーター(E-scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(electric golf cart);電力貯蔵装置(Energy Storage System)などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0051】
このようなデバイスの構造及び製作方法は当該分野に公知となっているので、本明細書ではそれについての詳細な説明は省略する。
【0052】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上で説明したように、本発明は、円筒型電池の底部に貫通孔を設け、これを高分子樹脂またはゴムなどで密封するので、密封した後にも注射器などを用いて追加の電解液を供給することができる。
【0054】
また、二次電池の底部の形態が内側に凹んでいる形状を有するので、内圧が高くてもめったに変形されなく、底部の中心部が凹んでいる形状であるので、内圧が均一に分散されて密封性が優れる。
【0055】
また、円筒型二次電池の底部の中央部に密封部が付加されるので、従来の電池モジュールまたは電池パックに使われても、ケースの変形による互換性の問題がほとんどない。
【0056】
また、円筒型二次電池の底部に穿孔して密封部を付け加えることにより、穿孔自体を容易で早く遂行することができるので経済的である。
【0057】
また、密封部の厚さを最小化して付け加えるので、従来の二次電池の容量を低下させないという利点がある。
【0058】
また、密封部の素材として熱可塑性高分子またはゴムを使うので、缶の内部に一部を注入して密封する場合、前記熱可塑性高分子またはゴムが缶の内部の底に溶接されている負極タブの溶接部位を取り囲むことにより、大きな外部衝撃及び振動を受ける自動車用に使われても缶内部の溶接部位が取れることを防止することができる効果がある。
【符号の説明】
【0059】
100、200 円筒型二次電池
110、210 電極組立体
111 正極タブ
112、212 負極タブ
120、220 円筒状缶
130、230 キャップアセンブリー
131 トップキャップ
132 ベンティング部材
133 クリンピングガスケット
134 下部ガスケット
135 電流遮断部材
250 貫通孔
260、262、264 密封部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】