(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】ワイヤロック機構とワイヤロック機構を制御する制御ユニットとを備えた鉄筋結束装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/12 20060101AFI20221213BHJP
B21F 15/06 20060101ALI20221213BHJP
B65B 13/18 20060101ALI20221213BHJP
B65B 13/28 20060101ALI20221213BHJP
B25B 25/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
E04G21/12 105E
B21F15/06
B65B13/18 F
B65B13/28
B25B25/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525016
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 SE2020051030
(87)【国際公開番号】W WO2021086253
(87)【国際公開日】2021-05-06
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268591
【氏名又は名称】ハスクバーナ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヨンソン、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】レルブロ、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】グスタフソン、レンナルト
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルソン、トーケル
【テーマコード(参考)】
3C031
3E052
4E070
【Fターム(参考)】
3C031BB01
3E052AA42
3E052BA18
3E052CA18
3E052CB05
3E052CB07
3E052FA09
3E052HA09
3E052JA01
3E052KA20
3E052LA08
4E070AA01
4E070BA18
(57)【要約】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)であって、ロック機構(200、300、400、500、600、700)は、ワイヤ(230)の両側のそれぞれに係合してワイヤ(230)を解放可能にロック位置に保持するよう配置された保持部材(210、310)および対向保持部材(220、320)を含む。保持部材(210、310)によってワイヤ(230)に加えられる保持力は、保持面(A2)に対して垂直である。保持部材(210、310)は、偏心アーム(240、340)の第1端部に支持され、偏心アーム(240、340)は、第1シャフト(250、350)に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心(255、355)を中心に回転(R1)する。保持部材(210、310)は、第1軸(A1)に沿って偏心アーム回転中心(255、355)から距離(D)に配置され、ロック位置にある場合、第1軸(A1)は保持面(A2)と鋭角(A)を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)であって、
前記ロック機構は、ワイヤ(230)の自由端を受け取り前記ワイヤ(230)の両側に係合して前記ワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材(210、310)および対向保持部材(220、320)を備え、
前記保持部材(210、310)によって前記ワイヤ(230)に加えられる保持力(F1)は、保持面(A2)に対して垂直であり、
前記保持部材(210、310)は、偏心アーム(240、340)の第1端部に支持され、
前記偏心アーム(240、340)は、第1シャフト(250、350)に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心(255、355)を中心に回転(R1)し、
前記保持部材(210、310)は、第1軸(A1)に沿って前記偏心アーム回転中心(255、355)から距離(D)に配置され、
前記ロック位置にある場合、前記第1軸(A1)は保持面(A2)と鋭角(A)を形成し、
前記保持部材(210、310)および前記対向保持部材(220、330)のうちの少なくとも一方は、回転可能に支持された歯車を備える、ワイヤロック機構。
【請求項2】
前記保持部材(310)は、
第2シャフト(313)に回転可能に支持された第1歯車と、
前記ロック位置にある場合に前記第1歯車をロックするよう構成された止め部(312)とを備える、請求項1に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項3】
前記止め部(312)に対して、前記第1歯車をロックする位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項2に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項4】
前記第1歯車は、前記ロック位置にある場合に前記ワイヤ(230)と係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分(311)を有する歯を備える、請求項2または3に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項5】
前記対向保持部材(320)は、第3シャフト(323)に回転可能に支持された第2歯車を備える、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項6】
前記偏心アーム(240、340)に対して、前記ロック位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項7】
第1方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、前記保持部材(210、310)を前記対向保持部材(220、320)から離間させる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項8】
第1方向とは反対の第2方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第2アクチュエータを備えることで、前記保持部材(210、310)を前記ロック位置に移動させる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項9】
前記第1アクチュエータおよび/または第2アクチュエータは、ソレノイド装置を備える、請求項7または8に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項10】
前記偏心アーム(240、340)および前記対向保持部材(220、320)は、接合部材(510、610)に支持され、
前記接合部材(510、610)は、第4シャフト(520、620)に回転可能に支持されることで、前記ワイヤ(230)に作用する引張力(F2)に応じてロック機構本体(530)に対して回転する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(500、600)。
【請求項11】
制御アーム部(360)を備え、
前記制御アーム部(360)は、シリンダカム(420)と係合する係合面(410)を備え、
前記制御アーム部(360)は、ロック機構本体(530)が所定の角度に回転する際に、前記止め部(312)を解放するよう構成されることで、前記第1歯車(310)を自由回転状態にし、かつ前記ワイヤ(230)を前記ワイヤロック機構から解放する、請求項2に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項12】
前記シリンダカム(420)と係合する前記係合面(410)は、前記シリンダカム(420)を横断するよう構成された円柱状のローラを備える、請求項11に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項13】
前記ロック位置にある場合に前記第2歯車をロックするよう構成された止め部を備える、請求項5に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)を備えるワイヤ結束装置(100)。
【請求項15】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)を制御するよう構成された制御ユニット(800)であって、
前記制御ユニットは、
前記ワイヤロック機構を中立位置(P1)からワイヤインフィードモードの位置(P2)に遷移(S1)させ、
前記ワイヤ結束装置(100)によりワイヤ供給を制御(S2)して、前記ワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)においてワイヤ(230)を受け取り、
前記ワイヤロック機構を前記ワイヤインフィードモード(P2)からロック位置(P3)に遷移(S3)させ、
ロック機構本体(530)を回転(S4)させて前記ワイヤ(230)に結び目を形成し、
前記ワイヤを、所定の回転角で前記ワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)から解放(S5)するよう構成される、制御ユニット。
【請求項16】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)であって、
前記ロック機構は、ワイヤ(230)の両側に係合して前記ワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材(210、310)および対向保持部材(220、320)を備え、
前記保持部材(210、310)および前記対向保持部材(220、320)は、接合部材(510、610)に支持され、
前記接合部材(510、610)は、第4シャフト(520、620)に回転可能に支持されることで、前記ワイヤ(230)に作用する引張力(F2)に応じてロック機構本体(530)に対して回転する、ワイヤロック機構。
【請求項17】
前記保持部材(210、310)によって前記ワイヤ(230)に加えられる保持力(F1)は、保持面(A2)に対して垂直であり、
前記保持部材(210、310)は、偏心アーム(240、340)の第1端部に支持され、
前記偏心アーム(240、340)は、第1シャフト(250、350)に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心(255、355)を中心に回転(R1)し、
前記保持部材(210、310)は、第1軸(A1)に沿って前記偏心アーム回転中心(255、355)から距離(D)に配置され、
前記ロック位置にある場合、前記第1軸(A1)は保持面(A2)と鋭角(A)を形成する、請求項16に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項18】
前記保持部材(310)は、第2シャフト(313)に支持された第1歯車と、
前記ロック位置にある場合に前記第1歯車をロックするよう構成された止め部(312)とを備える、請求項16または17に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項19】
前記止め部(312)に対して、前記第1歯車をロックする位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項18に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項20】
前記第1歯車は、前記ロック位置にある場合に前記ワイヤ(230)と係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分(311)を有する歯を備える、請求項18または19に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項21】
前記対向保持部材(320)は、第3シャフト(323)に回転可能に支持された第2歯車を備える、請求項18乃至20のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項22】
前記偏心アーム(240、340)に対して、前記ロック位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項17乃至21のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項23】
第1方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、前記保持部材(210、310)を前記対向保持部材(220、320)から離間させる、請求項17乃至22のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項24】
第1方向とは反対の第2方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第2アクチュエータを備えることで、前記保持部材(210、310)を前記ロック位置に移動させる、請求項17乃至23のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項25】
前記偏心アーム(240、340)および前記対向保持部材(220、320)は、接合部材(510、610)に支持され、
前記接合部材(510、610)は、第4シャフト(520、620)に回転可能に支持されることで、前記ワイヤ(230)に作用する引張力(F2)に応じてロック機構本体(530)に対して回転する、請求項17乃至24のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(500、600)。
【請求項26】
制御アーム部(360)を備え、前記制御アーム部(360)は、シリンダカム(420)と係合する係合面(410)を備え、
前記制御アーム部(360)は、ロック機構本体(530)が所定の角度に回転する際に、前記止め部(312)を解放するよう構成されることで、前記第1歯車(310)を自由回転状態にし、かつ前記ワイヤ(230)を前記ワイヤロック機構から解放する、請求項18に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項27】
前記シリンダカム(420)と係合する前記係合面(410)は、前記シリンダカム(420)を横断するよう構成された円柱状のローラを備える、請求項26に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項28】
前記ロック位置にある場合に前記第2歯車をロックするよう構成された止め部を備える、請求項21に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項29】
請求項16乃至28のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)を備えるワイヤ結束装置(100)。
【請求項30】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)であって、
前記ロック機構は、ワイヤ(230)の両側に係合して前記ワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材(210、310)および対向保持部材(220、320)を備え、
前記保持部材(310)は、第2シャフト(313)に支持された第1歯車と、前記ロック位置にある場合に前記第1歯車をロックするよう構成された止め部(312)とを備え、
前記ロック機構は、制御アーム部(360)をさらに備え、
前記制御アーム部(360)は、シリンダカム(420)と係合する係合面(410)を備え、
前記制御アーム部(360)は、ロック機構本体(530)が所定の角度に回転する際に、前記止め部(312)を解放するよう構成されることで、前記第1歯車(310)を自由回転状態にし、かつ前記ワイヤ(230)を前記ワイヤロック機構から解放する、ワイヤロック機構。
【請求項31】
前記シリンダカム(420)と係合する前記係合面(410)は、前記シリンダカム(420)を横断するよう構成された円柱状のローラを備える、請求項30に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項32】
前記保持部材(210、310)によって前記ワイヤ(230)に加えられる保持力(F1)は、保持面(A2)に対して垂直であり、
前記保持部材(210、310)は、偏心アーム(240、340)の第1端部に支持され、
前記偏心アーム(240、340)は、第1シャフト(250、350)に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心(255、355)を中心に回転(R1)し、
前記保持部材(210、310)は、第1軸(A1)に沿って前記偏心アーム回転中心(255、355)から距離(D)に配置され、
前記ロック位置にある場合、前記第1軸(A1)は保持面(A2)と鋭角(A)を形成する、請求項30または31に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項33】
前記止め部(312)に対して、前記第1歯車をロックする位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項30乃至32のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項34】
前記第1歯車は、前記ロック位置にある場合に前記ワイヤ(230)と係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分(311)を有する歯を備える、請求項30乃至33のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項35】
前記対向保持部材(320)は、第3シャフト(323)に回転可能に支持された第2歯車を備える、請求項30乃至34のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項36】
前記偏心アーム(240、340)に対して、前記ロック位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項32乃至35のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項37】
第1方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、前記保持部材(210、310)を前記対向保持部材(220、320)から離間させる、請求項32乃至36のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項38】
第1方向とは反対の第2方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第2アクチュエータを備えることで、前記保持部材(210、310)を前記ロック位置に移動させる、請求項32乃至37のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項39】
前記偏心アーム(240、340)および前記対向保持部材(220、320)は、接合部材(510、610)に支持され、
前記接合部材(510、610)は、第4シャフト(520、620)に回転可能に支持されることで、前記ワイヤ(230)に作用する引張力(F2)に応じてロック機構本体(530)に対して回転する、請求項32乃至38のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(500、600)。
【請求項40】
前記ロック位置にある場合に前記第2歯車をロックするよう構成された止め部を備える、請求項35に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項41】
請求項30乃至40のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)を備えるワイヤ結束装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、補強筋(鉄筋)を結んで、例えばコンクリートおよび他の固化可能な材料を補強する鉄筋構造を形成するワイヤ結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは圧縮下では強固だが、その引張強度は比較的弱いことがある。したがって、鉄筋は、コンクリート構造物を強化するためによく使用されることで、コンクリートの引張強度を大幅に向上させる。
【0003】
最も一般的な種類の鉄筋は炭素鋼であり、通常、変形パターンのある熱間圧延丸棒で構成される。他の容易に入手可能な種類は、ステンレス鋼、およびガラス繊維、炭素繊維、または玄武岩繊維製の複合棒を含む。鋼製補強筋は、主に塩水環境において、また陸上の建築においても腐食の影響に耐えるように設計されたエポキシ樹脂で被覆されてもよい。
【0004】
鉄筋要素は通常、鋼線で要素を結ぶことによって鉄筋構造または格子に接続される。エポキシ被覆または亜鉛メッキされた鉄筋を結ぶために、エポキシ被覆されたまたは亜鉛メッキされたワイヤが通常は使用される。ワイヤは、腐食を防ぐために樹脂等で被覆されてもよい。
【0005】
大きな鉄筋構造では鉄筋要素間の接続点が多数あるため、ワイヤ結束を自動化することが望まれている。
特許文献1は、鉄筋を結ぶワイヤ自動結束装置を開示している。
【0006】
鉄筋が堅く接続され、ワイヤ結び目が張られていることが重要である。自動ワイヤ結束装置を使用する場合、特にワイヤ上の水、氷、および/または油のためにワイヤが滑りやすい場合、十分に堅い結び目を作成することが困難な場合がある。さらなる問題は、ワイヤがワイヤ長さに沿って変化する不均一な太さを有するかどうかに関係する。その理由は、これが例えば、自動ワイヤ結束装置のロック機構の較正を複雑にするからである。
【0007】
改良された鉄筋ワイヤ自動結束装置が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の目的は、改良された鉄筋ワイヤ自動結束装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、少なくとも部分的に、鉄筋ワイヤ結束装置のワイヤロック機構によって達成される。ロック機構は、ワイヤの自由端を受け取りワイヤの両側に係合してワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材および対向保持部材を備える。保持部材によってワイヤに加えられる保持力は、保持面に対して垂直である。保持部材は、偏心アームの第1端部に支持されている。偏心アームは、第1シャフトに回転可能に支持されて、偏心アーム回転中心を中心に回転する。保持部材は、第1軸に沿って偏心アーム回転中心からの距離に配置され、ロック位置にある場合、第1軸は保持面と鋭角を形成する。保持部材および対向保持部材のうちの少なくとも一方は、回転可能に支持された歯車を備える。
【0011】
このようにして、滑りやすいワイヤであっても、結び目の形成中に堅く保持される。偏心アームの配置によって、ワイヤがロック機構から引き出される際に保持力が増大する。しかしながら、保持部材を対向保持部材から分離することによって、制御された方法でワイヤを解放することができる。
【0012】
態様によれば、保持部材は、第2シャフトに回転可能に支持された第1歯車と、ロック位置にある場合に第1歯車をロックするよう構成された止め部とを備える。したがって、ワイヤを正確に解放することができ、ワイヤは、例えば、保持パッド等を削らないので、ワイヤが解放される際のワイヤ削りの蓄積量は限られる。
【0013】
態様によれば、第1歯車は、ロック位置にある場合にワイヤと係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分を有する歯を備える。円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分は、鈍角の歯は鋭角の歯のようにはワイヤに食い込まないので、ワイヤがロック機構によって保持される場合の結び目形成中のワイヤ破断のリスクを低減する。
【0014】
態様によれば、対向保持部材は、第3シャフトに回転可能に支持された第2歯車を備える。第2歯車の歯により、異なる太さのワイヤを保持する機構の能力が上がる。鋭角はまた、2つの歯車がワイヤをロック位置に保持するので、第2歯車の歯によってよりアグレッシブに形成できる。第2歯車は、ワイヤ削りの蓄積をさらに減少させる。
【0015】
態様によれば、ワイヤロック機構は、第1方向に偏心アーム回転中心を中心に偏心アームを回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、保持部材を対向保持部材から離間させる。このようにして、ワイヤが保持部材および対向保持部材とより容易に当接係止が可能なため、結束動作が単純化される。
【0016】
態様によれば、ワイヤロック機構は、第1方向とは反対の第2方向に偏心アーム回転中心を中心に偏心アームを回転させるよう配置された第2アクチュエータを備えることで、保持部材をロック位置に移動させる。第2のアクチュエータは、機構の効率的な制御を可能にし、特に、第2のアクチュエータにより機構はロック位置になることができる。
【0017】
態様によれば、第1アクチュエータおよび/または第2アクチュエータは、ソレノイド装置を備える。ソレノイド装置は、例えば制御ユニットにより電気的に制御することが可能な費用効果の高い制御手段である。
【0018】
態様によれば、偏心アームおよび対向保持部材は、接合部材に支持され、接合部材は、第4シャフトに回転可能に支持されることで、ワイヤに作用する引張力に応じてロック機構本体に対して回転する。このようにして、ワイヤの結果的な結び目はより堅くなる。これは、ロック機構が結び目の結束動作中にワイヤに作用する引張力と位置を合わせることが可能であることで、結び目の堅さに悪影響を与えるワイヤの曲がりを最小限に抑えるからである。
【0019】
態様によれば、ワイヤロック機構は、制御アーム部を備える。制御アーム部は、シリンダカムと係合する係合面を備える。それによって、制御アーム部は、ロック機構本体が所定の角度に回転する際に、止め部を解放するよう構成されることで、第1歯車を自由回転状態にし、かつワイヤをワイヤロック機構から解放する。制御アーム部およびシリンダカムにより、非常に正確なタイミングでの解放動作が可能になる。この正確なタイミングにより、結び目形成が簡素化され、結び目を結ぶ際のワイヤ破断のリスクが低減される。正確なタイミングにより、最小限の緩みで堅い結び目を形成可能であることは利点である。
【0020】
態様によれば、シリンダカムと係合する係合面は、シリンダカムを横断するよう構成された円柱状のローラを備える。ローラが摩擦を減らすことは利点である。
上記の利点に関連するワイヤ結束装置および制御ユニットも本明細書に開示される。
【0021】
一般に、請求項で使用されるすべての用語は、本明細書で別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「要素、装置、部品、手段、工程等」へのすべての言及は、別段で明記されていない限り、要素、装置、部品、手段、工程等の1つ以上の例を指すものとして非限定的に解釈される。本明細書に開示される方法の工程は、別段で明記されていない限り、開示される通りの順序で実行されなくてもよい。本発明のさらなる特徴および効果は、添付の特許請求の範囲および以下の説明を検討すると明らかになるであろう。当業者は、本発明の異なる特徴を組み合わせることで、本発明の範囲から逸脱することなく、以下に記載される以外の実施形態を作成し得ると理解できる。
【0022】
本開示は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図5】回転可能なワイヤロック機構を模式的に示す。
【
図6】例示的な回転可能なワイヤロック機構を示す。
【
図7】本体と組み立てられた例示的なワイヤロック機構を示す。
【
図10】ワイヤインフィードモードでの例示的なロック機構を示す。
【
図11】ワイヤロックモードでの例示的なロックメカニズムを示す。
【
図12】ワイヤの張力をかけている間の例示的なロック機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の特定の態様を示す添付の図面を参照して、本発明を以下により詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化され得るので、本明細書に記載の実施形態および態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が網羅的かつ充分であるので、本発明の範囲が当業者に完全に伝わるように例として記載される。詳細の説明において、同じ符号は同じ要素を指す。
【0025】
本発明は、本明細書に記載されおよび図面に示されている実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者は、添付の特許請求の範囲内で多くの変更および修正を行うことが可能であることを認識するであろう。
【0026】
図1は、鉄筋構造を固定するワイヤ結び目を結ぶワイヤ結束装置100を示している。ワイヤ結束装置は、ワイヤの自由端を装置の結束ヘッド101の開口部から送り出す110よう配置されている。ワイヤは、ワイヤ結束ヘッド101から送り出される前に巻かれるので、結束ヘッド101内での巻きによって、円弧状の形状をとる。特許文献1は、ワイヤ結束ヘッドから射出する際に円弧状の形状に延びるようにワイヤを巻くことについて開示している。したがって、鉄筋結束ワイヤを巻く巻き機構については、本明細書ではこれ以上詳細に検討しない。
【0027】
本明細書では、ワイヤは自由端を有する。これは、結束ヘッド101から送り出され、その後に結束ヘッドに受け戻されるワイヤの端であり、ワイヤスプールまたは他のワイヤ保持手段に残されたワイヤの端ではない。
【0028】
ワイヤは円弧状の軌跡に沿って延びて鉄筋(
図1に図示せず)を取り囲み、鉄筋は結束される。ワイヤはその後に結束ヘッド101に受け戻され120、そこで以下に詳細が検討されるワイヤロック機構によって保持される。
【0029】
次に、ワイヤ結束ヘッド101に含まれるワイヤロック機構本体は、ワイヤ結束ヘッド軸Hを中心に回転130することで、ワイヤに結び目を形成する。ワイヤ結束装置100はまた、ワイヤを切断するよう配置されている。
【0030】
トリガ140を使う作業者がワイヤ結束装置を作動すると、全体の作業は順番に自動的に実行される。ワイヤの長さは、ワイヤ結束装置のスプールコンパートメント160に含まれるスプール150に記憶される。したがって、ワイヤ結束装置100は、鉄筋構造の結束を便利にかつ効率的に可能にする。
【0031】
鉄筋を結ぶ際には、結び目の形成中にワイヤロック機構によってワイヤを固定的に保持するのが難しい場合があるという問題がある。ワイヤは、例えば、油、水、氷等により滑りやすくなるので、ロック機構内で滑る可能性がある。そのような滑りはしばしば緩い結び目に繋がるが、緩い結び目が多過ぎると、堅固でない組み立てられた補強構造になりかねないので望ましくない。また、ワイヤが滑ると、滑る際にロック機構によって削られたり摩耗したりするため、ワイヤ結束ヘッド内にワイヤ粒子を蓄積させる傾向がある。
【0032】
また、結束作業における正確なタイミングでワイヤが解放される必要がある。そうしないと、ワイヤは間違ったタイミングで切れかねないので、結び目が失敗する可能性がある。これは、ワイヤ結束ヘッドの回転130中にワイヤの張力が増加するためである。十分な解放タイミング精度を達成することが困難な場合がある。
【0033】
図2は、装置100などの鉄筋ワイヤ結束装置のワイヤロック機構200を示す。ロック機構は、ワイヤ230の自由端を受け取りワイヤ230の両側に係合してワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材210および対向保持部材220を備える。通常、保持部材210および対向保持部材220は、ワイヤ230の両側に係合するよう配置される。しかしながら、保持部材は、対向保持部材に対して斜めにワイヤに係合してよいので、このことは必須ではない。
【0034】
ワイヤ230をロック位置に保持することで、ワイヤは引張力F2に抗うことが可能になり、大きく滑ることなくワイヤをワイヤ結束ヘッドから引き抜ける。ワイヤに作用する引張力F2は、例えば、ワイヤ結束装置100のワイヤ供給機構を逆方向に動かすことによって生成される。
【0035】
保持部材210によってワイヤ230に加えられる保持力F1は、保持部材および対向保持部材の保持表面211、221との間に延びる保持面A2に対して垂直である。
ワイヤを解放可能に保持することで、結束作業中の所定の時点で保持力を減少することができるので、ワイヤがワイヤロック機構から解放される。
【0036】
必要に応じて、保持および/または対向保持部材のいずれかの保持表面211、221は、セレーションまたは例えばゴム被膜の弾性被膜などの摩擦増加手段を含む。保持部材210および/または対向保持部材220は、歯車として配置されてよく、以下で詳細に説明する。
【0037】
保持部材210は、偏心アーム240の第1端部に支持されている。偏心アーム240は、第1シャフト250に回転可能に支持されて、偏心アーム回転中心255を中心に方向R1に回転する。保持部材210は、偏心アーム回転中心255から第1軸A1に沿った距離Dに配置されている。したがって
図2に示されるように、偏心アーム240が偏心アーム回転中心255を中心に反時計回り方向に回転すると、保持力F1が発生する。ロック位置にある場合、第1軸A1は保持面A2と鋭角Aを形成する。
【0038】
偏心アーム240は、保持部材210および対向保持部材220とともに、引張力F2に応じてワイヤを保持する偏心ロック機構を形成する。引張力F2が増加すると、ワイヤ230と保持部材との間の摩擦により、偏心アーム240が
図2に示される方向R1に回転しようとする。この瞬間に、保持力F1が増加する。したがって、ワイヤは強く引っ張られるにつれて、ワイヤロック機構によってより堅く保持される。また、引張力F2が減少すると、保持力F1も減少する。偏心アーム回転中心255を中心に偏心アームを時計回りに、すなわち方向R1とは反対の方向に回転させることにより、ワイヤロック機構を開いてワイヤを解放することができる。
【0039】
保持部材210および対向保持部材220のうちの少なくとも一方は、回転可能に支持された歯車(
図2に破線の円で示される)を備える。この少なくとも1つの歯車は、異なる寸法のワイヤを保持することを可能にし、また歯車の回転により、ワイヤから材料を削り取ることなくワイヤを解放することを可能にする。
【0040】
保持部材210および対向保持部材220の一方のみが回転可能に支持された歯車を備える場合、他方は、例えば支持面等を備えてよい。回転可能に支持された歯車を含まない保持部材210は、偏心アーム240と、すなわち、偏心アーム240の一部と一体的に形成されてよい。
【0041】
図3は、ワイヤロック機構300の例示的な実施形態を示す。本明細書の保持部材は、第2シャフト313に回転可能に支持された第1歯車310と、ロック位置にある場合に第1歯車をロックするよう構成された止め部312とを備える。止め部312は偏心アーム340に支持されるので、第1歯車310と共に回転する。
【0042】
態様によれば、対向保持部材320は、第3シャフト323に回転可能に支持された第2歯車を備える。しかしながら、対向保持部材320はまた、例えば、ヒール、ブロック、または他の固定支持体を備え得ることが理解される。
【0043】
止め部は、第1歯車310の代わりに第2歯車320をロックするよう構成されても当然によい。歯車ごとに1つの止め部が配置されてもよい。
第2歯車の歯により、ワイヤの長さに沿って異なる太さのワイヤを保持する機構の能力が上がる。たとえば
図1に示す角度Aは、2つの歯車がワイヤをロック位置に保持するので、第2歯車の歯によってよりアグレッシブに形成できる。
【0044】
図3を参照すると、偏心アーム340を回転方向R1とは反対の方向に回転させることによって、保持部材310と対向保持部材320との間に隙間を作成することができる。すると、ワイヤ230は、保持部材と対向保持部材との間でより容易に受け取られる。
【0045】
必要に応じて、止め部312に対して、第1歯車をロックする位置に向かってばね荷重がかけられている。
対向保持部材を構成する第2歯車320は、自由に回転してよい。しかし、止め部312が第1歯車310と当接係止し、かつワイヤ230が第1歯車および第2歯車の両方に当接する間は、ロック機構300はロック位置にある。ワイヤに作用する引張力F2に応じて保持力F1が発生することで、ワイヤが例えば油や氷で滑りやすい場合でも、ワイヤを堅く保持する。
【0046】
態様によれば、第1歯車310は、ロック位置にある場合にワイヤ230と係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分311を有する歯を備える。鈍角の部分は、保持力F1が発生した場合に、歯車の歯によりワイヤに加えられる切断力またはせん断力からワイヤを保護する。
【0047】
いくつかの態様によれば、第2歯車320の歯の長さは、保持力F1により誤ってワイヤを切断しないように、ワイヤの太さに応じて設定される。
ワイヤロック機構の他の構成要素に対して、それぞれの初期位置に向かって付勢されるようにばね荷重がかけられてよい。ばね付勢は、例えば、捩りバネを使用して行われてよい。例えば、偏心アーム240、340に対して、ロック位置に向かってばね荷重がかけられてよい。また、止め部312に対して、第1歯車310との当接係止に向かってばね荷重がかけられてよい。
【0048】
代わりに、またはこれと組み合わせて、止め部に対して、第2歯車320との当接係止に向かってばね荷重がかけられてよい。第1歯車および第2歯車のいずれかまたは両方が、止め部によってロックされるように配置されてよいことがまた理解される。ロック位置にある場合に歯車をロックするよう構成された1つ、2つ、またはそれ以上の止め部があってもよい。
【0049】
一般に、ワイヤロック機構200、300の動作のために、ワイヤロック機構は、必要に応じて、第1方向(
図2および3の方向R1とは反対)に偏心アーム回転中心255、355を中心に偏心アーム240、340を回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、保持部材210、310を対向保持部材220、320から離間させる。
【0050】
ワイヤロック機構200、300は、必要に応じて、第1方向とは反対の第2方向R1に偏心アーム回転中心255、355を中心に偏心アーム240、340を回転させるよう配置された第2アクチュエータも備えることで、保持部材210、310をロック位置に移動させる。
【0051】
第1アクチュエータおよび/または第2アクチュエータはそれぞれ、例えば、偏心アームに力F3、F4を加えるよう構成されたソレノイド装置を備えてよい。特許文献1は、このようなアクチュエータを開示している。しかしながら、磁力に基づくアクチュエータ等の他のアクチュエータを使用することで、ワイヤロック機構を制御してもよい。
【0052】
図9乃至12を参照に以下でより詳細に検討されるように、
図3に示される制御アーム部360は、止め部312を係合および解放するために使用されてよい。制御アーム部360はまた、偏心アーム340をロック位置に向かって方向R1に回転させるために使用されてよい。ソレノイド装置を使用して、制御アーム部を押す、すなわち、力F4を加えてよい。
【0053】
上記のように、結束動作中にワイヤを破断しないように、正確なタイミングでワイヤロック機構からワイヤを解放することが好ましい。
図4は、制御アーム部360を備えるワイヤロック機構400の詳細を示す。制御アーム部360は、ロック機構本体530(
図7に示される)が所定の角度に回転する際に、シリンダカム420と係合する係合面410を備える。制御アーム部360は、止め部312を解放するよう構成されることで、第1歯車310を自由回転状態にし、かつワイヤ230をワイヤロック機構から解放する。
【0054】
図4および7を参照すると、シリンダカム420は、ワイヤロック機構400の解放の正確な制御を可能にする。カム幅W1、W2を変えることにより、制御アーム部360に加わる押す力F4は、結束動作中のロック機構本体の回転と正確に同期させることができる。ロック機構本体530は、カム幅W1が比較的小さい位置で開始するので、制御アーム部360に力411を加えない。幅はロック機構本体が回転するにつれて幅W2まで増加するので、制御アーム部は、止め部312の方向に移動して止めを解放することで、第1歯車310を解放する。
【0055】
ワイヤが解放された際に第1歯車および第2歯車が自由回転状態にあることは、ワイヤ230の保持部材による摩耗を最小限に抑えることでワイヤ結束ヘッド101内のワイヤ粒子の蓄積を防ぐので、有利である。
【0056】
いくつかの態様によれば、シリンダカム420と係合する係合面410は、シリンダカム420を横断するよう構成された円柱状のローラを備える。ローラは摩擦を減らすので結び目の結束動作をより円滑にする。換言すれば、制御アーム部360は、ローラ軸受であってよい係合面410を備えている。制御アーム360は、軸361を中心に回動可能に配置されている。
【0057】
ワイヤ230は、結束動作中に不自然な円弧状の形状にならないことが重要である。不自然な円弧状の形状は、緩い結び目になる可能性があるからである。
図3を参照すると、ワイヤ230の引張力F2が保持面A2と位置が合っていない場合、このような円弧状の形状が生じる可能性がある。
図5を参照すると、この影響を低減するために、ワイヤロック機構は、ロック機構本体530に対して回転可能に配置されてよい。このように、ロック機構全体が、保持面A2を回転R2させて引張力F2の方向に位置を合わせることにより、ワイヤの引張力に応答する。ワイヤロック機構は、ワイヤを受け取るデフォルト位置に向かってばね荷重がかけられてよい。
【0058】
これに基づき、
図5および6は、本開示のいくつかの態様によるワイヤロック機構500、600を模式的に示している。偏心アーム340および対向保持部材320は、接合部材510、610に支持され、接合部材510、610は、第4シャフト520、620に回転可能に支持されることで、ワイヤ230に作用する引張力F2に応じてロック機構本体530に対して回転する。この回転機能は、
図2に示されるより一般的なロック機構200にも適用可能であることが理解される。
【0059】
図8は、方法と、該方法を実行するよう構成された制御ユニット800とを示すフローチャートである。制御ユニット800は、鉄筋ワイヤ結束装置100のワイヤロック機構200、300、400、500、600、700を制御するよう構成される。
【0060】
図9乃至12を参照して、制御ユニットは、ワイヤロック機構を中立位置P1からワイヤインフィードモードの位置P2に遷移S1させるよう構成される。上記のように、ワイヤロック機構に対して、
図9に示される中立位置P1に向かって、ばね荷重がかけられているか、または別の方法で付勢されてよい。偏心アーム340が回転することで保持部材310が対向保持部材320から離間され、止め部は、第1歯車と当接係止している。
【0061】
制御ユニットは、次にワイヤ結束装置100によりワイヤ供給を制御S2して、ワイヤロック機構200、300、400、500、600、700においてワイヤ230を受け取る。ワイヤは、ワイヤ結束ヘッドを出る前に巻かれているため、結束される鉄筋を取り囲む。
図10は、ワイヤインフィードモードP2でのワイヤロック機構を示す。偏心アーム340は、例えば、リンクアーム710に作用して力F3を生成するソレノイド装置によって回転する。ロック機構がワイヤインフィードモードP2にある場合、止め部312が解放される。この解放は、例えば、上記の制御アーム360によって行われてよい。ワイヤインフィードモードP2における歯車の自由回転状態により、ワイヤ230は、保持部材310と対向保持部材320との間を容易に通ることができる。
【0062】
次に、制御ユニットは、ワイヤロック機構をワイヤインフィードモードP2からロック位置P3に遷移S3させる。ワイヤは、保持部材310と対向保持部材320との間に保持される。ロック機構をロック位置P3に遷移させるために、例えば、ソレノイド装置および上記の制御アームによって、偏心アーム340が方向R1に回転する。
【0063】
次に、ロック機構は、ワイヤ230の引張力に応答して、方向R2に回転する。ワイヤの引張力は、ワイヤ結束装置のワイヤ供給機構を逆方向に動かすことによって生成される。この回転は、結び目を確実に堅くすることに役立つ。
【0064】
図12は、方向R2に回転した後の、回転モードP4でのロック機構を示す。回転後の第1軸A1はA1´で示され、回転後の保持面はA2´で示される。
次に、制御ユニットは、ロック機構本体530を回転S4 130させてワイヤ230に結び目を形成し、ワイヤは、所定の回転角でワイヤロック機構から解放S5される。
【0065】
上に開示された機能の多くは、互いに独立して実装されてよい。例えば、主に
図5および6を参照して、本明細書では、補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置100のワイヤロック機構500、600も開示される。ロック機構は、ワイヤ230の両側のそれぞれに係合してワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された保持部材210、310および対向保持部材220、320を含む。保持部材210、310によってワイヤ230に加えられる保持力F1は、保持面A2に対して垂直である。保持部材210、310は、偏心アーム240、340の第1端部に支持され、偏心アーム240、340は、第1シャフト250、350に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心255、355を中心に回転R1する。保持部材210、310は、第1軸A1に沿って偏心アーム回転中心255、355から距離Dに配置され、ロック位置にある場合、第1軸A1は保持面A2と鋭角Aを形成する。偏心アーム240、340および対向保持部材220、320は、接合部材510、610に支持される。接合部材510、610は、第4シャフト520、620に回転可能に支持されることで、ワイヤ230に作用する引張力F2に応じてロック機構本体530に対して回転する。
【0066】
主に
図5および6を参照して、本明細書では、補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置100のワイヤロック機構400、700も開示される。ロック機構は、ワイヤ230の両側のそれぞれに係合してワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された保持部材210、310および対向保持部材220、320を含む。保持部材210、310によってワイヤ230に加えられる保持力F1は、保持面A2に対して垂直である。保持部材210、310は、偏心アーム240、340の第1端部に支持され、偏心アーム240、340は、第1シャフト250、350に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心255、355を中心に回転R1する。保持部材210、310は、第1軸A1に沿って偏心アーム回転中心255、355から距離Dに配置され、ロック位置にある場合、第1軸A1は保持面A2と鋭角Aを形成する。ワイヤロック機構300、400、600、700は、制御アーム部360をさらに備え、制御アーム部360は、シリンダカム420と係合する係合面410を備える。それによって、制御アーム部360は、ロック機構本体530が所定の角度に回転する際に、ワイヤ230をワイヤロック機構400、700から解放するよう構成される。
【0067】
互いに独立して実施され得る上記に開示された他の例示的な特徴は、補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置100のワイヤロック機構200、300、400、500、600、700を含む。ロック機構は、ワイヤ230の両側に係合してワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された保持部材210、310および対向保持部材220、320を含む。保持部材210、310および対向保持部材220、320は、接合部材510、610に支持される。接合部材510、610は、第4シャフト520、620に回転可能に支持されることで、ワイヤ230に作用する引張力F2に応じてロック機構本体530に対して回転する。
【0068】
態様によれば、保持部材210、310によってワイヤ230に加えられる保持力F1は、保持面A2に対して垂直である。保持部材210、310は、偏心アーム240、340の第1端部に支持され、偏心アーム240、340は、第1シャフト250、350に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心255、355を中心に回転R1する。保持部材210、310は、第1軸A1に沿って偏心アーム回転中心255、355から距離Dに配置され、ロック位置にある場合、第1軸A1は保持面A2と鋭角Aを形成する。
【0069】
態様によれば、保持部材310は、第2シャフト313に支持された第1歯車と、ロック位置にある場合に第1歯車をロックするよう構成された止め部312とを備える。
態様によれば、止め部312に対して、第1歯車をロックする位置に向かってばね荷重がかけられている。
【0070】
態様によれば、第1歯車は、ロック位置にある場合にワイヤ230と係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分311を有する歯を備える。
【0071】
態様によれば、対向保持部材320は、第3シャフト323に回転可能に支持された第2歯車を備える。
態様によれば、偏心アーム240、340に対して、ロック位置に向かってばね荷重がかけられている。
【0072】
態様によれば、ワイヤロック機構は、第1方向に偏心アーム回転中心255、355を中心に偏心アーム240、340を回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、保持部材210、310を対向保持部材220、320から離間させる。
【0073】
態様によれば、ワイヤロック機構は、第1方向とは反対の第2方向に偏心アーム回転中心255、355を中心に偏心アーム240、340を回転させるよう配置された第2アクチュエータを備えることで、保持部材210、310をロック位置に移動させる。
【0074】
態様によれば、偏心アーム240、340および対向保持部材220、320は、接合部材510、610に支持され、接合部材510、610は、第4シャフト520、620に回転可能に支持されることで、ワイヤ230に作用する引張力F2に応じてロック機構本体530に対して回転する。
【0075】
態様によれば、ワイヤロック機構は、制御アーム部360を備え、制御アーム部360は、シリンダカム420と係合する係合面410を備える。それによって、制御アーム部360は、ロック機構本体530が所定の角度に回転する際に、止め部312を解放するよう構成されることで、第1歯車310を自由回転状態にし、かつワイヤ230をワイヤロック機構から解放する。
【0076】
態様によれば、シリンダカム420と係合する係合面410は、シリンダカム420を横断するよう構成された円柱状のローラを備える。
態様によれば、ワイヤロック機構300、400、600、700は、ロック位置にある場合に第2歯車をロックするよう構成された止め部を備える。
【0077】
本明細書では、補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置100のワイヤロック機構200、300、400、500、600、700も開示される。ロック機構は、ワイヤ230の両側に係合してワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された保持部材210、310および対向保持部材220、320を含む。保持部材310は、第2シャフト313に支持された第1歯車と、ロック位置にある場合に第1歯車をロックするよう構成された止め部312とを備え、ロック機構は、制御アーム部360をさらに備える。制御アーム部360は、シリンダカム420と係合する係合面410を備える。それによって、制御アーム部360は、ロック機構本体530が所定の角度に回転する際に、止め部312を解放するよう構成されることで、第1歯車310を自由回転状態にし、かつワイヤ230をワイヤロック機構から解放する。
【0078】
態様によれば、シリンダカム420と係合する係合面410は、シリンダカム420を横断するよう構成された円柱状のローラを備える。
態様によれば、保持部材210、310によってワイヤ230に加えられる保持力F1は、保持面A2に対して垂直である。保持部材210、310は、偏心アーム240、340の第1端部に支持され、偏心アーム240、340は、第1シャフト250、350に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心255、355を中心に回転R1する。保持部材210、310は、第1軸A1に沿って偏心アーム回転中心255、355から距離Dに配置され、ロック位置にある場合、第1軸A1は保持面A2と鋭角Aを形成する。
【0079】
態様によれば、止め部312に対して、第1歯車をロックする位置に向かってばね荷重がかけられている。
態様によれば、第1歯車は、ロック位置にある場合にワイヤ230と係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分311を有する歯を備える。
【0080】
態様によれば、対向保持部材320は、第3シャフト323に回転可能に支持された第2歯車を備える。
態様によれば、偏心アーム240、340に対して、ロック位置に向かってばね荷重がかけられている。
【0081】
態様によれば、ワイヤロック機構は、第1方向に偏心アーム回転中心255、355を中心に偏心アーム240、340を回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、保持部材210、310を対向保持部材220、320から離間させる。
【0082】
態様によれば、ワイヤロック機構は、第1方向とは反対の第2方向に偏心アーム回転中心255、355を中心に偏心アーム240、340を回転させるよう配置された第2アクチュエータを備えることで、保持部材210、310をロック位置に移動させる。
【0083】
態様によれば、偏心アーム240、340および対向保持部材220、320は、接合部材510、610に支持され、接合部材510、610は、第4シャフト520、620に回転可能に支持されることで、ワイヤ230に作用する引張力F2に応じてロック機構本体530に対して回転する。
【0084】
態様によれば、ワイヤロック機構は、ロック位置にある場合に第2歯車をロックするよう構成された止め部を備える。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)であって、
前記ロック機構は、ワイヤ(230)の自由端を受け取り前記ワイヤ(230)の両側に係合して前記ワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材(210、310)および対向保持部材(220、320)を備え、
前記保持部材(210、310)によって前記ワイヤ(230)に加えられる保持力(F1)は、保持面(A2)に対して垂直であり、
前記保持部材(210、310)は、偏心アーム(240、340)の第1端部に支持され、
前記偏心アーム(240、340)は、第1シャフト(250、350)に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心(255、355)を中心に回転(R1)し、
前記保持部材(210、310)は、第1軸(A1)に沿って前記偏心アーム回転中心(255、355)から距離(D)に配置され、
前記ロック位置にある場合、前記第1軸(A1)は保持面(A2)と鋭角(A)を形成し、
前記保持部材(210、310)および前記対向保持部材(220、330)のうちの少なくとも一方は、回転可能に支持された歯車を備える、ワイヤロック機構。
【請求項2】
前記保持部材(310)は、
第2シャフト(313)に回転可能に支持された第1歯車と、
前記ロック位置にある場合に前記第1歯車をロックするよう構成された止め部(312)とを備える、請求項1に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項3】
前記対向保持部材(320)は、第3シャフト(323)に回転可能に支持された第2歯車を備える、請求項
2に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項4】
前記偏心アーム(240、340)に対して、前記ロック位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項5】
第1方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第1アクチュエータを備えることで、ワイヤインフィードモードにおいて、前記保持部材(210、310)を前記対向保持部材(220、320)から離間させる、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項6】
第1方向とは反対の第2方向に前記偏心アーム回転中心(255、355)を中心に前記偏心アーム(240、340)を回転させるよう配置された第2アクチュエータを備えることで、前記保持部材(210、310)を前記ロック位置に移動させる、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項7】
前記偏心アーム(240、340)および前記対向保持部材(220、320)は、接合部材(510、610)に支持され、
前記接合部材(510、610)は、第4シャフト(520、620)に回転可能に支持されることで、前記ワイヤ(230)に作用する引張力(F2)に応じてロック機構本体(530)に対して回転する、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(500、600)。
【請求項8】
制御アーム部(360)を備え、
前記制御アーム部(360)は、シリンダカム(420)と係合する係合面(410)を備え、
前記制御アーム部(360)は、ロック機構本体(530)が所定の角度に回転する際に、前記止め部(312)を解放するよう構成されることで、前記第1歯車(310)を自由回転状態にし、かつ前記ワイヤ(230)を前記ワイヤロック機構から解放する、請求項2に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項9】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)を制御するよう構成された制御ユニット(800)であって、
前記制御ユニットは、
前記ワイヤロック機構を中立位置(P1)からワイヤインフィードモードの位置(P2)に遷移(S1)させ、
前記ワイヤ結束装置(100)によりワイヤ供給を制御(S2)して、前記ワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)においてワイヤ(230)を受け取り、
前記ワイヤロック機構を前記ワイヤインフィードモード(P2)からロック位置(P3)に遷移(S3)させ、
ロック機構本体(530)を回転(S4)させて前記ワイヤ(230)に結び目を形成し、
前記ワイヤを、所定の回転角で前記ワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)から解放(S5)するよう構成される、制御ユニット。
【請求項10】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)であって、
前記ロック機構は、ワイヤ(230)の両側に係合して前記ワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材(210、310)および対向保持部材(220、320)を備え、
前記保持部材(210、310)および前記対向保持部材(220、320)は、接合部材(510、610)に支持され、
前記接合部材(510、610)は、第4シャフト(520、620)に回転可能に支持されることで、前記ワイヤ(230)に作用する引張力(F2)に応じてロック機構本体(530)に対して回転する、ワイヤロック機構。
【請求項11】
前記保持部材(210、310)によって前記ワイヤ(230)に加えられる保持力(F1)は、保持面(A2)に対して垂直であり、
前記保持部材(210、310)は、偏心アーム(240、340)の第1端部に支持され、
前記偏心アーム(240、340)は、第1シャフト(250、350)に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心(255、355)を中心に回転(R1)し、
前記保持部材(210、310)は、第1軸(A1)に沿って前記偏心アーム回転中心(255、355)から距離(D)に配置され、
前記ロック位置にある場合、前記第1軸(A1)は保持面(A2)と鋭角(A)を形成する、請求項
10に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項12】
前記保持部材(310)は、第2シャフト(313)に支持された第1歯車と、
前記ロック位置にある場合に前記第1歯車をロックするよう構成された止め部(312)とを備える、請求項
10または
11に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項13】
制御アーム部(360)を備え、前記制御アーム部(360)は、シリンダカム(420)と係合する係合面(410)を備え、
前記制御アーム部(360)は、ロック機構本体(530)が所定の角度に回転する際に、前記止め部(312)を解放するよう構成されることで、前記第1歯車(310)を自由回転状態にし、かつ前記ワイヤ(230)を前記ワイヤロック機構から解放する、請求項
12に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項14】
補強筋、鉄筋、ワイヤ結束装置(100)のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)であって、
前記ロック機構は、ワイヤ(230)の両側に係合して前記ワイヤを解放可能にロック位置に保持するよう配置された、保持部材(210、310)および対向保持部材(220、320)を備え、
前記保持部材(310)は、第2シャフト(313)に支持された第1歯車と、前記ロック位置にある場合に前記第1歯車をロックするよう構成された止め部(312)とを備え、
前記ロック機構は、制御アーム部(360)をさらに備え、
前記制御アーム部(360)は、シリンダカム(420)と係合する係合面(410)を備え、
前記制御アーム部(360)は、ロック機構本体(530)が所定の角度に回転する際に、前記止め部(312)を解放するよう構成されることで、前記第1歯車(310)を自由回転状態にし、かつ前記ワイヤ(230)を前記ワイヤロック機構から解放する、ワイヤロック機構。
【請求項15】
前記シリンダカム(420)と係合する前記係合面(410)は、前記シリンダカム(420)を横断するよう構成された円柱状のローラを備える、請求項
14に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項16】
前記保持部材(210、310)によって前記ワイヤ(230)に加えられる保持力(F1)は、保持面(A2)に対して垂直であり、
前記保持部材(210、310)は、偏心アーム(240、340)の第1端部に支持され、
前記偏心アーム(240、340)は、第1シャフト(250、350)に回転可能に支持されることで、偏心アーム回転中心(255、355)を中心に回転(R1)し、
前記保持部材(210、310)は、第1軸(A1)に沿って前記偏心アーム回転中心(255、355)から距離(D)に配置され、
前記ロック位置にある場合、前記第1軸(A1)は保持面(A2)と鋭角(A)を形成する、請求項
14または
15に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)。
【請求項17】
前記止め部(312)に対して、前記第1歯車をロックする位置に向かってばね荷重がかけられている、請求項
14乃至
16のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項18】
前記第1歯車は、前記ロック位置にある場合に前記ワイヤ(230)と係合するよう構成された、円周方向に鈍角のおよび/または実質的に平坦な部分(311)を有する歯を備える、請求項
14乃至
17のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項19】
前記対向保持部材(320)は、第3シャフト(323)に回転可能に支持された第2歯車を備える、請求項
14乃至
18のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(300、400、600、700)。
【請求項20】
請求項
1乃至
19のいずれか一項に記載のワイヤロック機構(200、300、400、500、600、700)を備えるワイヤ結束装置(100)。
【国際調査報告】