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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】コラプシブルカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20221214BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20221214BHJP
   A61M 60/13 20210101ALI20221214BHJP
   A61M 60/139 20210101ALI20221214BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61M25/00 610
A61M25/00 510
A61M60/13
A61M60/139
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520193
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020053029
(87)【国際公開番号】W WO2021067169
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/908,199
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ファントゥッツィ グレン アール.
【テーマコード(参考)】
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C077FF04
4C077JJ08
4C077PP08
4C077PP09
4C077PP12
4C077PP14
4C267AA15
4C267BB06
4C267BB12
4C267BB19
4C267CC08
4C267DD02
4C267GG04
4C267GG05
4C267GG06
4C267GG08
4C267GG10
(57)【要約】
血管内システムは、固定直径のルーメンを有するイントロデューサシース(104)、第一の医療デバイス(102)、および近位端と、第一の医療デバイスに結合された遠位端と有するカテーテル(106)を含む。カテーテルがイントロデューサシース内に配置されると、カテーテルの外周とルーメンの内周との間に環状ギャップが形成される。カテーテルは、カテーテルおよび環状ギャップのサイズが可変性であるように異なる寸法形態(y、z)をとるように構成されている。カテーテルのサイズの可変性が、別の医療デバイスをルーメン内の環状ギャップに通すことを可能にする。カテーテルは、第二の医療デバイスが隣接して通されるとき受動的に形態を変化させる場合もあり、または医師の管理の下で能動的機構によって形態を変化させる場合もある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一および第二の医療デバイスを患者の血管系に挿入するための血管内システムであって、
固定された内径および内周を有するルーメンを含む、血管系に経皮的に挿入されるように構成された、イントロデューサシース;
第一の医療デバイス;および
近位端および遠位端を有するカテーテルであって、該遠位端が、該第一の医療デバイスに結合され、該カテーテルが、該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されたとき第一または第二の寸法を調節可能にとるように構成された外周を有し、それにより、該カテーテルが、該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されて、該カテーテルの該外周と該イントロデューサシースの該ルーメンの該内周との間に環状ギャップを残すことができる、カテーテル
を含む、システム。
【請求項2】
カテーテルの外周が第二の寸法をとる間の環状ギャップが、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズとなるように、カテーテルが構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
カテーテルの外周が第二の寸法をとる間の環状ギャップが、該カテーテルの該外周が第一の寸法をとる間の該環状ギャップよりも大きくなるように、該カテーテルが構成されている、請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
カテーテルの外周が、
第二の医療デバイスが環状ギャップ内にあるときには第二の寸法をとり、かつ
該第二の医療デバイスが該環状ギャップ中にないときには第一の寸法をとる
ように構成されている、請求項2または3記載のシステム。
【請求項5】
第一の医療デバイスが血液ポンプをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項記載のシステム。
【請求項6】
第二の医療デバイスが経皮的冠動脈インターベンションデバイスを含む、請求項2~5のいずれか一項記載のシステム。
【請求項7】
カテーテルが内層および外層を含む、請求項1~6のいずれか一項記載のシステム。
【請求項8】
内層または外層の少なくとも一方がカテーテルに取り外し可能に取り付けられている、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
外層が軟質であり、かつ内層が硬質である、請求項7または8記載のシステム。
【請求項10】
カテーテルの外周が、内層を取り外した後に第一の寸法から第二の寸法へと変化するように構成されている、請求項7~9のいずれか一項記載のシステム。
【請求項11】
内層が軟質であり、かつ外層が硬質である、請求項7または8記載のシステム。
【請求項12】
カテーテルの外周が、外層を取り外した後に第一の寸法から第二の寸法へと変化するように構成されている、請求項7、8、または11のいずれか一項記載のシステム。
【請求項13】
内層または外層が、近位方向に取り外されるように構成されている、請求項10または12記載のシステム。
【請求項14】
内層または外層が、該内層または該外層の取り外しを可能にする少なくとも1つのピールアウェイスリットを含む、請求項8~13のいずれか一項記載のシステム。
【請求項15】
第二の医療デバイスがイントロデューサシースに導入されるとき、該第二の医療デバイスがカテーテルの外面に対して法線力を加え、該法線力が該カテーテルの外周を第二の寸法へと強制する、請求項2~14のいずれか一項記載のシステム。
【請求項16】
カテーテルがポリマーを含む、請求項2~15のいずれか一項記載のシステム。
【請求項17】
ポリマーが、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリオレフィンエラストマー、無水マレイン酸グラフトポリマー、スチレンブタジエンスチレン、ポリプロピレン系エラストマー、スチレンブタジエンコポリマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性加硫物、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、芳香族ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンエーテル、アセテート、ブチレート、プロピオネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルテレフタレート、アセタール、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシポリマー、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンペルフルオロメチルビニルエーテル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、液晶ポリマー、およびポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つを含む、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
カテーテルが、該カテーテルの外周を第一の寸法から第二の寸法へと可逆的に変形させるように構成されたカテーテルフレームを含む、請求項1~5のいずれか一項記載のシステム。
【請求項19】
カテーテルフレームの外周を覆い、かつ該カテーテルフレームの外面周辺にコーティングを形成する、ポリマー層
をさらに含む、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
カテーテルフレームが、収縮および拡張するように構成され、
該カテーテルフレームの収縮が、第一の寸法から第二の寸法への変化を含み、かつ
該カテーテルフレームの拡張が、該第二の寸法から該第一の寸法への変化を含み;
ポリマー層が、該カテーテルフレームとともに拡張しかつしぼむように構成されている、
請求項18または19記載のシステム。
【請求項21】
カテーテルが、
収縮または拡張するための偏りを加えて構成され、かつ近位端と遠位端との間で縦方向に延びている、複数のストランド
を含む、請求項18~20のいずれか一項記載のシステム。
【請求項22】
カテーテルフレームが収縮および拡張するときに、ストランドが互いに対してスライドすることを許すように、カテーテルが構成されている、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
コーティングが、カテーテルフレームの内面周辺に延びている、請求項19~21のいずれか一項記載のシステム。
【請求項24】
カテーテルフレームが、第一の複数のストランドで形成された網目状メッシュを含み、該第一の複数のストランドが、該カテーテルフレームの長さに沿ってらせん方向に巻かれている、請求項18~23のいずれか一項記載のシステム。
【請求項25】
カテーテルフレームが第二の複数のストランドを含み、該第二の複数のストランドが、長さに沿って反時計回りの方向に巻かれている、請求項24記載のシステム。
【請求項26】
第一の寸法が約9Fr~約10Frであり、第二の寸法が、約7Frよりも大きくかつ約9Frよりも小さい、請求項1~25のいずれか一項記載のシステム。
【請求項27】
カテーテルの第一の部分が、イントロデューサシースのルーメン内にあり、該カテーテルの第二の部分が、該イントロデューサシースの該ルーメン内にない、請求項1~26のいずれか一項記載のシステム。
【請求項28】
カテーテルの第二の部分が第一の寸法にとどまる間、該カテーテルの第一の部分が該第一の寸法から第二の寸法へと変化する、請求項27記載のシステム。
【請求項29】
第二の寸法が、カテーテルおよび第二の医療デバイスがイントロデューサシースのルーメン内で互いに隣接して収まることを可能にする、請求項2~28のいずれか一項記載のシステム。
【請求項30】
第一の寸法および第二の寸法が、カテーテルの断面の長さの測定値である、請求項1~29のいずれか一項記載のシステム。
【請求項31】
カテーテルの断面が円形であり、第一および第二の寸法が円形の断面の直径である、請求項30記載のシステム。
【請求項32】
カテーテルの断面が円形ではなく、第一および第二の寸法が、ある方向における断面の幅である、請求項30記載のシステム。
【請求項33】
2つの医療デバイスを患者の血管系に挿入するための方法であって、
固定された内径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを血管系に経皮的に挿入する工程、および
カテーテルの遠位端に結合された第一の医療デバイスを該イントロデューサシースに通して導入する工程であって、該カテーテルが、
近位端と、
該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されたとき第一または第二の寸法を調節可能にとるように構成された外周であって、それにより、該カテーテルが、該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されて、該カテーテルの該外周と該イントロデューサシースの該ルーメンの内周との間に環状ギャップを残すことができる、外周と
を有する、工程
を含む、方法。
【請求項34】
第二の医療デバイスを環状ギャップ内に導入する工程をさらに含み、
カテーテルの外周が第二の寸法をとる間、該環状ギャップは、その中に該第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズとなる、
請求項33記載の方法。
【請求項35】
カテーテルの外周が第二の寸法をとるときの環状ギャップが、該カテーテルの該外周が第一の寸法をとるときの該環状ギャップよりも大きい、請求項33または34記載の方法。
【請求項36】
カテーテルの外周が、
第二の医療デバイスが環状ギャップ内にあるときには第二の寸法をとり、
該第二の医療デバイスが該環状ギャップ中にないときには第一の寸法をとる
ように構成されている、請求項34または35記載の方法。
【請求項37】
第一の医療デバイスが血液ポンプをさらに含む、請求項33~36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
第二の医療デバイスが、経皮的冠動脈インターベンションデバイスを含む、請求項34~37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
第二の医療デバイスをイントロデューサシースから抜き取る工程をさらに含み、
該第二の医療デバイスが該イントロデューサシースから近位方向に後退するにつれて、カテーテルの外周が第二の寸法から第一の寸法へと変化する、
請求項34~38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
カテーテルが内層および外層を含む、請求項33~39のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
内層または外層の少なくとも一方が、カテーテルに取り外し可能に取り付けられている、請求項40記載の方法。
【請求項42】
外層が軟質であり、かつ内層が硬質である、請求項40または41記載の方法。
【請求項43】
カテーテルの外周が、内層を取り外した後に第一の寸法から第二の寸法へと変化するように構成されている、請求項40~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
内層が軟質であり、かつ外層が硬質である、請求項40または41記載の方法。
【請求項45】
カテーテルの外周が、外層を取り外した後に第一の寸法から第二の寸法へと変化するように構成されている、請求項40、41、または44のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
内層または外層が、近位方向に取り外されるように構成されている、請求項43または45記載の方法。
【請求項47】
内層または外層が、該内層または該外層の取り外しを可能にする少なくとも1つのピールアウェイスリットを含む、請求項41~46のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
第二の寸法が、カテーテルおよび第二の医療デバイスがイントロデューサシースのルーメン内で互いに隣接して収まることを可能にする、請求項34~47のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
第二の医療デバイスがイントロデューサシースに導入されるとき、該第二の医療デバイスがカテーテルの外面に対して法線力を加え、該法線力が該カテーテルの外周を第二の寸法へと強制する、請求項35~48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
カテーテルの外周を第一の寸法から第二の寸法へと変化させる工程をさらに含み、
該カテーテルの該外周が該第二の寸法をとる間、環状ギャップは、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズとなる、
請求項33または35~38のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
第二の医療デバイスを環状ギャップ内に導入する工程をさらに含む、請求項50記載の方法。
【請求項52】
カテーテルが、該カテーテルの外周を第一の寸法から第二の寸法へと可逆的に変形させるように構成されたカテーテルフレームを含む、請求項50または51記載の方法。
【請求項53】
カテーテルフレームの外周を覆い、かつ該カテーテルフレームの外面周辺にコーティングを形成する、ポリマー層
をさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項54】
カテーテルフレームが、収縮および拡張するように構成され、
該カテーテルフレームの収縮が、第一の寸法から第二の寸法への変化を含み、かつ
該カテーテルフレームの拡張が、該第二の寸法から該第一の寸法への変化を含み;
ポリマー層が、該カテーテルフレームとともに拡張しかつしぼむように構成されている、
請求項52または53記載の方法。
【請求項55】
カテーテルが、
収縮または拡張するための偏りを加えて構成され、かつ近位端と遠位端との間で縦方向に延びている、複数のストランド
を含む、請求項52~54のいずれか一項記載の方法。
【請求項56】
カテーテルフレームが収縮および拡張するときに、ストランドが互いに対してスライドすることを許すように、カテーテルが構成されている、請求項55記載の方法。
【請求項57】
コーティングが、カテーテルフレームの内面周辺に延びている、請求項53~56のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
カテーテルフレームが、第一の複数のストランドで形成された網目状メッシュを含み、該第一の複数のストランドが、該カテーテルフレームの長さに沿ってらせん方向に巻かれている、請求項52~57のいずれか一項記載の方法。
【請求項59】
カテーテルフレームが第二の複数のストランドを含み、該第二の複数のストランドが、長さに沿って反時計回りの方向に巻かれている、請求項58記載の方法。
【請求項60】
第一の寸法および第二の寸法が、カテーテルの断面の長さの測定値である、請求項34~59のいずれか一項記載の方法。
【請求項61】
カテーテルの断面が円形であり、第一および第二の寸法が円形の断面の直径である、請求項60記載の方法。
【請求項62】
カテーテルの断面が円形ではなく、第一および第二の寸法が、ある方向における断面の幅である、請求項61記載の方法。
【請求項63】
第一の寸法が9Fr~10Frであり、第二の寸法が、7Frよりも大きくかつ9Frよりも小さい、請求項34~62のいずれか一項記載の方法。
【請求項64】
血液ポンプおよび経皮的冠動脈インターベンションデバイスを患者の血管系に挿入するための血管内システムであって、
固定された内径および内周を有するルーメンを含む、血管系に経皮的に挿入されるように構成された、イントロデューサシース;
血液ポンプ;および
近位端および遠位端を有するカテーテルであって、該遠位端が血液ポンプに結合され、該カテーテルが、該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されたとき第一または第二の寸法を調節可能にとるように構成された外周を有し、それにより、該カテーテルが、該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されて、該カテーテルの該外周と該イントロデューサシースの該ルーメンの該内周との間に環状ギャップを残すことができる、カテーテル
を含む、システム。
【請求項65】
カテーテルの外周が第二の寸法をとる間の環状ギャップが、その中に経皮的冠動脈インターベンションデバイスを通すことを可能にするようなサイズとなるように、該カテーテルが構成されている、請求項64記載のシステム。
【請求項66】
血液ポンプおよび経皮的冠動脈インターベンションデバイスを患者の血管系に挿入するための方法であって、
固定された内径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを血管系に経皮的に挿入する工程;および
カテーテルの遠位端に結合された血液ポンプを該イントロデューサシースに通して導入する工程であって、該カテーテルが、
近位端と;
該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されたとき第一または第二の寸法を調節可能にとるように構成された外周であって、それにより該カテーテルが、該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されて、該カテーテルの該外周と該イントロデューサシースの該ルーメンの該内周との間に環状ギャップを残すことができる、外周と
を有する、工程
を含む、方法。
【請求項67】
経皮的冠動脈インターベンションデバイスを環状ギャップ内に導入する工程をさらに含み、
カテーテルの外周が第二の寸法をとる間、該環状ギャップは、その中に該経皮的冠動脈インターベンションデバイスを通すことを可能にするようなサイズとなる、
請求項66記載の方法。
【請求項68】
2つの医療デバイスを患者の血管系に挿入するための方法であって、
固定された内径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを血管系に経皮的に挿入する工程;
第一の医療デバイスを該イントロデューサシースに導入する工程であって、該第一の医療デバイスが該イントロデューサシース内に配置されるとき、該第一の医療デバイスの外周と該イントロデューサシースの該ルーメンの該内周との間に固定サイズの環状ギャップが形成されるようなサイズである外周を、該第一の医療デバイスが有する、工程;および
カテーテルの遠位端に結合された第二の医療デバイスを該環状ギャップ内に導入する工程
を含み、
該カテーテルが、第一または第二の寸法をとるように構成されている、方法。
【請求項69】
2つの医療デバイスを患者の血管系に挿入するための方法であって、
固定された内径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを血管系に経皮的に挿入する工程;
カテーテルの遠位端に結合された第一の医療デバイスを該イントロデューサシースに通して導入する工程であって、該カテーテルが、
近位端と、
該カテーテルが該イントロデューサシースの該ルーメン内に配置されるとき、該カテーテルの外周と該イントロデューサシースの該ルーメンの該内周との間に環状ギャップが存在するような第一の寸法を有する外周と
を含む、工程;
環状ギャップを増大させて第二の医療デバイスをその中に通すことを可能にするように、該カテーテルの該外周を、該第一の寸法から第二の寸法へと変化させる工程;および
第二の医療デバイスを該環状ギャップに通して導入する工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、2019年9月30日に出願された米国特許仮出願第62/908,199号の優先権の恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
現在、高リスク経皮的冠動脈インターベンション(HRPCI)を実施する医師は、機械的循環補助を使用することを計画する場合、動脈系へのアクセスのために2つの別々の場所を使用する。第一のアクセスポイントは、右大腿動脈、橈骨動脈、または上腕動脈へのPCI機器挿入のためであり、第二のポイントは、左大腿動脈への血液ポンプ挿入のためである。2つのアクセスポイントを使用するとき、医師は、2つの挿入を実施するためにさらなる時間を費やすこと、処置中に合併症の機会の増大、アクセスに必要なイントロデューサおよび閉鎖デバイスの増加、ならびに血管の問題を抱えた患者などの特定の患者を処置することができない可能性の増大をはじめとする、いくつかの欠点に直面する。末梢動脈疾患などの血管の問題は両大腿動脈に存在する可能性があり、一部のシナリオは橈骨または上腕アクセスを妨げる。また、一部の患者は、例えば、慢性完全閉塞病変(CTO)をも処置しなければならない場合、第三のアクセスポイントを要することもある。ダブルアクセスの問題はまた、静脈的状況、例えば、血管ポンプが一般に肺動脈カテーテル法(PAC)とともに使用される状況、および大口径処置、例えば経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)または血管内動脈瘤修復術(EVAR)が反対側の造影剤注入カテーテルを必要とする処置にも当てはまる。
【0003】
シングルアクセスポイント介入を実施するための現在の技術は、第一のデバイスをピールアウェイシースに通して配置したのち、ピールアウェイシース内で第二のデバイスを第一のデバイスの隣に進ませることを含む。この技術の課題は、第二のデバイスの操作中は医師が第一のデバイスの位置を維持することができないこと、1つのデバイス挿入だけを予定したイントロデューサ弁からの不十分な止血、およびピールアウェイシースハブが破損する危険性の増大を含む。場合によっては、イントロデューサシース弁は、第二のデバイスを挿入する前に、血液ポンプカテーテルの隣で針で穿刺される。シース弁をその中心以外で穿刺することは、弁の止血性を損ない、著しい失血などの術中合併症の危険性の増大を招くおそれがある。一例において、Abiomed, Inc.製の9フレンチ(Fr)のImpella(登録商標)血液ポンプおよびカテーテルの導入の場合には、14フレンチ(Fr)のピールアウェイシースが血管系に挿入される。ポンプが起動し、作動しはじめると、医師は、針を使用してイントロデューサシースの止血弁中に穴を穿孔し、ワイヤを弁に通して送り、次いで、PCIのためのハブを有する長い7Frのイントロデューサシースを送る。この例示的な手法は限定的であり、それは、14Frピールアウェイシースは内径および破断線を有し、医師は、第二の7Frシースを挿入するとき、ピールアウェイシースの分解を回避するために、壁の厚さおよび利用可能な残り空間を注意深く考慮しなければならないからである。
【0004】
複数のデバイスを血管系に挿入するためのシングルアクセス手法を可能にするデバイスを有することが望ましい。シングルアクセス手法は、複数の医療デバイスを1つの大口径イントロデューサシースに供することにより、いくつかの利点を有する。シングルアクセスシステムは、アクセスを1つの無菌フィールドへと最小化し、したがって汚染の危険性、手術部位の感染、および他の手術関連の合併症を低減する。シングルアクセスシステムはまた、好都合に、管理すべきアクセス部位の数を減らし、一回の明確に定められた処置を可能にする。限られた直径の単一の標準的なイントロデューサシースを使用して2つのデバイスの挿入を実施するために、解決手段への1つの手法は、デバイスの集合的サイズを、少なくともシースの直径に一致するまで減少させることを含むであろう。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書のシステムおよび方法は、医療デバイスをコラプシブルカテーテルに結合することにより、複数の医療デバイスをイントロデューサシースに通して患者の血管系へシングルアクセスポイント挿入することを可能にする。コラプシブルカテーテルは、固定直径のイントロデューサシース内に配置されると、他の医療デバイスがイントロデューサシース内に通され、カテーテルに隣接することを可能にする。
【0006】
例示的な局面において、血管内システムは、固定内径のルーメンを有するイントロデューサシース;第一の医療デバイス;および近位端と、第一の医療デバイスに結合された遠位端と、固定内径のルーメン内に配置されたとき第一または第二の寸法をとるように構成された外周とを有するカテーテルを含む。カテーテルは、シースのルーメン内に配置され、カテーテルの外周とシースのルーメンの内周との間に環状ギャップを残すことができ、それにより環状ギャップのサイズは、第一および第二の寸法を有するカテーテルの外周のおかげで可変性である。カテーテルの特定の寸法形態において、環状ギャップは、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズである。第一の医療デバイスは血液ポンプであってもよく、第二の医療デバイスは、PCIデバイス、別のカテーテル、または別のイントロデューサシースであってもよい。カテーテルは、カテーテルに取り外し可能に取り付けられた軟質層および硬質層で構成され得、硬質層が取り外されたのちサイズを変えることができるようになっている。硬質層は、医師または操作者がカテーテルを血管系内に挿入し、その中に配置することを可能にし得る。硬質層が取り外されたのち、軟質層は変形して、第二の医療デバイスを、それが環状ギャップ内で隣接して収まるように受け入れることができる。あるいはまた、カテーテルは、医師によって能動的に動かされてしぼむまたは拡張することができるカテーテルフレームで構成されてもよい。カテーテルフレームは、網目状メッシュを形成し得る複数のストランドと、ポリマーコーティングとで構成され得る。この例示的な局面の少なくとも1つの利点は、カテーテルが、一般的に使用されるイントロデューサシースおよびカテーテルの脇に沿ってシース内に導入され得る医療デバイスと適合性であることである。この例示的な局面の少なくとも1つの他の利点は、カテーテルに結合された医療デバイスを配置するとき、およびさらなる医療デバイスをカテーテルの脇に沿って導入するとき、医師の裁量でカテーテルを操作できることである。
【0007】
別の局面において、医療デバイスを1つのイントロデューサシースに通して患者の血管系に導入する方法は、シースの固定サイズ内に複数のデバイスのサイズを受け入れるためのカテーテルを使用する。固定内径のルーメンを有するイントロデューサシースは、患者の血管系の中へ経皮的に挿入されて、血管内医療デバイスのためのアクセスポイントを提供する。カテーテルに結合された第一の医療デバイスが、ルーメンを通して挿入される。第一の医療デバイスは血液ポンプであってもよい。カテーテルが固定内径のルーメン内に配置されるとき、カテーテルの外周は、第一または第二の寸法を調節可能にとるように構成されている。カテーテルは、シースのルーメン内に配置され、カテーテルの外周とシースのルーメンの内周との間に環状ギャップを残すことができる。カテーテルの特定の寸法形態において、環状ギャップは、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズである。方法はさらに、第二の医療デバイスを環状ギャップに通して導入する工程を含み得る。第二の医療デバイスは、PCIデバイス、別のカテーテル、または別のイントロデューサシースであってもよい。いくつかの実施形態において、第二のデバイスが隣接して挿入されるとき、カテーテルの外周は受動的に寸法を変える。他の実施形態において、カテーテルは、第二の医療デバイスを隣接して挿入する前に、医師が能動的に動かして変形させなければならない。さらなる実施形態において、方法は、イントロデューサシースを血管系に導入する工程、動かされると寸法を変えることができるカテーテルに結合された第一の医療デバイスを導入する工程、環状ギャップを増大させるようにカテーテルを変化させる工程、および第二の医療デバイスを環状ギャップに通して導入する工程を含む。いくつかの実施形態においては、第二の医療デバイスが、カテーテルに結合された第一の医療デバイスよりも前にルーメン内に導入され、カテーテルが第二の医療デバイスに隣接して挿入されるにつれて、カテーテルの外周は寸法を変える。この局面の少なくとも1つの利点は、カテーテルをイントロデューサシースに通して導入する前、その間、またはその後に、医師が、カテーテルを自らの裁量で操作する能力を与えられることである。この局面の少なくとも1つの他の利点は、複数の医療デバイスの使用により、1つのアクセスポイントを通して複数の医学的問題に対処できることである。この局面はまた、例えば、患者の手術時に発生する合併症に対処するために別の医療デバイスが必要であるとき、医師が必要に応じてカテーテルを操作して別の医療デバイスを同じアクセスポイントに通して収まることが可能になる。
【0008】
前記および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考察することによって明らかになる。図中、全体を通して類似の符番が類似の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、例示的な実施形態にしたがって、医療デバイスに結合され、シース内に配置された第一の形態にあるカテーテルを示す。図1Bは、例示的な実施形態にしたがって、医療デバイスに結合され、シース内に配置された第二の形態にあるカテーテルと、シース内で隣接して配置された別の医療デバイスとを示す。
図2】例示的な実施形態にしたがって、硬質の内層および軟質の外層を有するカテーテルを示す。
図3】例示的な実施形態にしたがって、軟質の内層および硬質の内層を有するカテーテルを示す。
図4】例示的な実施形態にしたがって、カテーテルの収縮および拡張のためのコートされた網目構造を含むカテーテルフレームを示す。
図5】例示的な実施形態にしたがって、コラプシブルカテーテルの導入のフローチャートを示す。
図6】例示的な実施形態にしたがって、コラプシブルカテーテルに結合された血液ポンプと、PCIデバイスとを1つのイントロデューサシースに通して導入する場合のフローチャートを示す。
図7】例示的な実施形態にしたがって、コラプシブルカテーテルに結合された医療デバイスを、先に導入された医療デバイスの隣に導入する場合のフローチャートを示す。
図8】例示的な実施形態にしたがって、コラプシブルカテーテルに結合された医療デバイスを導入し、カテーテルの形態を変化させ、別の医療デバイスをカテーテルの脇に沿って導入する場合のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本明細書に記載されるシステム、方法、およびデバイスの全面的理解を提供するために、特定の例示的態様を詳細に説明する。本明細書に記載される態様および特徴は、血管内カテーテル術と関連する使用に関して具体的に記載されるが、以下に概説されるすべての構成要素および他の特徴は、任意の適切なやり方で互いに組み合わされてもよく、カテーテルを要する他のタイプの処置に適合され、適用されてもよいことが理解されよう。
【0011】
近位という語は、カテーテルの使用中、相対的に操作者に近い側のカテーテル上の場所を意味すると理解されるべきであり、遠位という語は、カテーテルの使用中、相対的に操作者から遠い側のカテーテル上の場所を意味すると理解されるべきである。上流という語は、カテーテルが患者の血管内に配置されているとき、血管内の血流中で相対的に上流側にある、カテーテル上の場所を意味すると理解されるべきである。下流という語は、カテーテルが患者の血管内に配置されているとき、血管内の血流中で相対的に下流側にある、カテーテル上の場所を意味すると理解されるべきである。医師という語は、記載されるシステムまたは方法の使用における任意の医師、医者、または操作者を意味すると理解されるべきである。
【0012】
図1Aおよび1Bは、2つの医療デバイスをイントロデューサシースに通して患者の血管系へと経皮的に挿入するために構成されている血管内システム100を示す。サイズが可変性であるカテーテルが第一の医療デバイスに結合され、第二の医療デバイスが、そのカテーテルの脇に沿ってイントロデューサシース内に収まる。システムの断面は、第二の医療デバイスが導入されている場合と、それが導入されていない場合とで、カテーテルのサイズの変化を示す。
【0013】
図1Aは、第一の医療デバイス102と、イントロデューサシース104と、カテーテル106とを有する血管内システム100を示す。第一の医療デバイス102は、カテーテル106の遠位端に結合されている。カテーテル106は、図示するように、イントロデューサシース104のルーメン108を通って延びる。ルーメン108は固定された内径を有する。イントロデューサシース104は断面寸法Xを有する。この配置において、カテーテル106は、第一の形態にあり、第一の寸法Yを有する。カテーテル106がイントロデューサシース104のルーメン108内に配置されているが、カテーテル106の外周110とルーメン108の内周112との間には環状ギャップが存在する。カテーテル106はサイズが可変性であり、したがって、環状ギャップもまた、サイズが可変性である。
【0014】
イントロデューサシース104は、患者の血管系に経皮的に挿入されるように構成することができ、第一の医療デバイス102は、近位でイントロデューサシース104を通して挿入されたのち、血管系中に配置されるように構成することができる。一例において、第一の医療デバイス102は、血管系を経由して患者の心臓内に配置されるように構成された血液ポンプである。血液ポンプは、モータ、ロータ、ポンプハウジング、カニューレ、遠位開口部、および非外傷性延長部を含むことができる。いくつかの実施形態において、第一の寸法Yは8Fr~11Frである。いくつかの実施形態において、第一の寸法Yは9Fr~10Frである。いくつかの実施形態において、第一の寸法Yは9Frである。図1Aのシステムにおいて、環状ギャップは寸法A1を有することができ、いくつかの実施形態において、A1=X-Yである。例えば、寸法Yは、ゼロよりも大きくかつ寸法Xの値以下である値を有することができ、寸法A1は、ゼロ~寸法Xの値の範囲の値を有することができる。サイズ可変カテーテル106の少なくとも1つの利点は、ルーメン108内の環状ギャップが同じくサイズ可変性であり、例えば、カテーテル106の形態を変化させることによって環状ギャップのサイズを所望のサイズに調節して、新たな形態のカテーテル106の寸法がYに等しくないようにすることができることである。一例において、環状ギャップの所望のサイズは、第二の医療デバイスのサイズを受け入れることができる。
【0015】
図1Bは、第一の医療デバイス102と、イントロデューサシース104と、カテーテル106と、第二の医療デバイス114とを有する、血管内システム100を示す。第一の医療デバイス102は、カテーテル106の遠位端に結合されている。第一の医療デバイス102は、近位でイントロデューサシース104を通して挿入されたのち、血管系中に配置される。カテーテル106は、イントロデューサシース104のルーメン108内に配置されている。第二の医療デバイス114は、カテーテル106の脇に沿ってルーメン108内に配置され、そのため、カテーテル106の外周110とルーメン108の内周112との間に形成された環状ギャップ内に位置する。第二の医療デバイス114が環状ギャップ内に同時に配置されているとき、カテーテル106は、第二の形態にあり、第二の寸法Zを有する。
【0016】
第二の医療デバイス114は例えばPCIデバイスであってよい。いくつかの実施形態において、第二の医療デバイス114は、二次イントロデューサシースまたは二次カテーテルである。いくつかの実施形態において、第二の形態にある環状ギャップは、その中に第二の医療デバイス114を通すことを可能にするようなサイズである。さらなる実施形態において、カテーテル106が第一の形態にあるとき、第二の医療デバイス114は環状ギャップ内に収まることはできず、そのためカテーテル106は、第二の医療デバイス114の通過を許すために第二の形態になる。いくつかの実施形態において、第二の形態における環状ギャップは、第一の形態における環状ギャップよりも大きい。いくつかの実施形態において、カテーテル106は、第二の医療デバイス114が環状ギャップ内を通過するときに第二の形態になり、第二の医療デバイス114が環状ギャップ中にないときは第一の形態になる。
【0017】
いくつかの実施形態において、第二の寸法Zは7Fr~9Frである。いくつかの実施形態において、第二の寸法Zは7Frである。図1Bのシステムにおいて、環状ギャップは、寸法A2(A2=X-Z)を有することができ、図1Aのシステム中の環状ギャップの寸法とは異なる値を有することができる。例えば、第二の寸法Zは、ゼロよりも大きくかつXの値以下の値を有することができ、寸法A2は、ゼロ~Xの値の範囲の値を有することができる。
【0018】
カテーテル106は、例えば補剛ストランド、テンションワイヤ、網目状メッシュ、可変剛性のスリーブ、流動学的材料、膨張式要素、または空気式要素を含む、能動的または受動的機構により、第一の形態から第二の形態へと、またはその逆に変化することができる。寸法変化のための能動的機構を有するサイズ可変カテーテルの実施形態において、カテーテル106は、医師または操作者が動かすことによって形態を変化させる。受動的機構を有するサイズ可変カテーテルの実施形態においては、イントロデューサシース104のルーメン108内のカテーテル106に隣接して第二の医療デバイス114を導入することが、カテーテル106をその第二の形態へと強制し;第二の医療デバイスが、カテーテル106の外壁に対して法線力を加え、カテーテル106の形状または寸法形態を変形させ得る。
【0019】
特定の実施形態においては、カテーテル106の、ルーメン108内にある部分だけが第一の形態から第二の形態へと変化し、カテーテル106の、ルーメン108内にない残り部分は形態を変化させない。例えば、第一の医療デバイス102およびそれに結合されたカテーテル106は、カテーテル106の縦方向全長よりも短い縦方向長さによって画定されるカテーテル106の部分がイントロデューサシース104のルーメン108内にあり、カテーテル106の残りの長さがイントロデューサシース104の外側に配置されるようにイントロデューサシース104に通して導入され;第二の医療デバイス114がカテーテル106の脇に沿って導入されるとき、カテーテル106の、ルーメン108内にある部分だけが第一の形態から第二の形態への変化を受ける。
【0020】
いくつかの態様において、第一の寸法および第二の寸法は、カテーテルの断面の長さの測定値である。いくつかの態様において、カテーテルの断面は円形であり、第一および第二の寸法は円形の断面の直径である。いくつかの態様において、カテーテルの断面は円形ではなく、第一および第二の寸法は、ある方向における断面の幅である。
【0021】
図1A中、カテーテル106は、イントロデューサシース104のルーメン108内に配置されている。カテーテル106の外周110とイントロデューサシース104の内周112との間に環状ギャップが形成されている。この配置において、カテーテル106は、第一の形態にあり、第一の寸法Yを有し、イントロデューサシースは断面寸法Xを有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、第一の寸法Yはカテーテル106の断面のサイズの測定値である。さらなる実施形態において、断面は円形であり、第一の寸法Yは円形の断面の直径である;または、断面は円形ではなく、第一の寸法Yは、ある方向における断面の幅である。カテーテル106の断面は、長円形、円形、または何らかの不定形であり得る。代替的に、第一の寸法Yは、カテーテル106のサイズに関連する任意の選択された寸法であってもよい。
【0023】
図1B中、カテーテル106は、イントロデューサシース104のルーメン108内に配置されている。イントロデューサシース104は断面寸法Xを有する。カテーテル106の外周110とイントロデューサシース104の内周112との間に環状ギャップが形成されている。第二の医療デバイス114が、環状ギャップ内でカテーテル106に隣接して配置されている。この配置において、カテーテル106は、第二の形態にあり、第二の寸法Zを有し、Zは、第二の医療デバイス114が環状ギャップ内に配置されるよう、少なくともXよりも小さい。
【0024】
シース断面寸法Xは、単一のイントロデューサシース104内に収まることができるカテーテル106と第二の医療デバイス114との集合的サイズの限界を設定する。例えば、第二の医療デバイス114は断面寸法Sを有することができ、寸法Xは、Z+S≦Xになるように寸法ZおよびSを制約することができる。さらなる例において、第一の寸法Yと第二のデバイス寸法Sとの合計はシース寸法Xよりも大きく、カテーテル106と第二の医療デバイス114の両方が固定内径のルーメン108内に収まるためには、第二の寸法Zへのカテーテル106の調節が必要である状況を表す。いくつかの実施形態において、第二の寸法Zは、カテーテル106の断面の長さの測定値である。さらなる実施形態において、断面は円形であり、第二の寸法Zは円形の断面の直径である;または、断面は円形ではなく、第二の寸法Zは、ある方向における断面の幅である。カテーテル106の断面は、長円形、円形、または何らかの不定形であり得る。代替的に、第二の寸法Zは、カテーテル106のサイズに関連する任意の選択された寸法であってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、カテーテル106が第二の形態にあるときの環状ギャップは、第三の医療デバイスがルーメン108内でカテーテル106および第二の医療デバイス114に隣接して収まることを可能にするようなサイズとなる。さらなる実施形態において、カテーテル106が第二の形態にあるときの環状ギャップは、複数のデバイスがルーメン108内でカテーテル106に隣接して収まることを可能にするようなサイズとなる。
【0026】
図1Aおよび1Bに示され、説明されたシステムの少なくとも1つの利点は、サイズ可変カテーテル106の使用により、第二の医療デバイス114を、固定直径のルーメン108内でカテーテル106の脇に沿って配置することが可能になることである。医療デバイス102および114の両方の挿入のために、1つのイントロデューサシース104のみを使用することにより、システムは、複数の血管内デバイスのシングルアクセス導入の必要性に対処する。この解決手段は、好都合にも、血管内アクセスに関連する合併症およびアクセス部位を管理するために必要な閉鎖デバイスの数を最小限にする。
【0027】
図2は、硬質の内層216および軟質の外層218を含むカテーテル206の軸方向断面を示し、カテーテル206は、図1Aおよび1Bのカテーテル106などのサイズ可変カテーテルの一例である。層216および218は、カテーテル206の近位端から遠位端へ延びる。硬質の内層216は、カテーテル206または軟質の外層218に取り外し可能に取り付けられている。カテーテル206は図1Aおよび1Bのカテーテル106であり得る。カテーテル206が、例えば図1Aおよび1Bのイントロデューサシース104中に配置されるとき、硬質の内層216を近位方向に取り外すことができる。硬質の内層216の取り外しは、カテーテル206が第一の形態から第二の形態へ、例えば、図1Aおよび1Bのカテーテル106に関連して記載された第一の形態から第二の形態へ変化することを可能にする。カテーテル206の遠位端に結合された医療デバイス、例えば図1Aおよび1Bの第一の医療デバイス102を導入している間、医師がカテーテル206を操縦および操作することができるように、硬質の内層216は構成されている。
【0028】
硬質の内層216および軟質の外層218の少なくとも一方は、ポリマーで構成することができる。ポリマーは、硬質または軟質であるのに適した剛性を有するように選択することができる。いくつかの態様において、ポリマーは、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリオレフィンエラストマー、無水マレイン酸グラフトポリマー、スチレンブタジエンスチレン、ポリプロピレン系エラストマー、スチレンブタジエンコポリマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性加硫物、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、芳香族ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンエーテル、アセテート、ブチレート、プロピオネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルテレフタレート、アセタール、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシポリマー、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンペルフルオロメチルビニルエーテル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、液晶ポリマー、およびポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つを含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、硬質の内層216は、近位方向への硬質の内層216の取り外しを可能にする少なくとも1つのピールアウェイスリットを含む。他の実施形態において、硬質の内層216は、ロック機構によってカテーテル206に取り外し可能に取り付けられ、硬質の内層216の近位端をねじって機構をロック解除し、硬質の内層216を近位方向にカテーテル206の外へスライドさせることによって、硬質の内層216を取り外すことができる。カテーテル206は、イントロデューサシース内に配置されてカテーテル206とイントロデューサシースとの間に環状ギャップを形成するように構成することができる。いくつかの実施形態において、硬質の内層216はカテーテル206から取り外され、第二の医療デバイス、例えば図1Aおよび1Bの第二の医療デバイス114が固定サイズのルーメン、例えば図1Aおよび1Bのイントロデューサシース104中ルーメン108内でカテーテル206に隣接して導入され、この第二の医療デバイスが軟質の外層218に対して法線力を加えると、軟質の外層は、法線力によって第二の形態へと強制されて、カテーテルと医療デバイスの両方が固定サイズのルーメン内に収まる。硬質の内層216がカテーテル206に取り付けられているとき、カテーテル206は元の形態から変化せず、それは、カテーテル206およびその遠位側に結合された医療デバイスの挿入、操縦、および配置にとって最適である。カテーテル206の少なくとも1つの利点は、層216と218との剛性の差により、医師が、手術中に硬質の内層216を取り外して、残る軟質の外層218を変形させることによって、カテーテル206のサイズを操作して、第二の医療デバイスを環状ギャップに通して収まるように、イントロデューサシース内の環状ギャップのサイズを変化させることを可能にすることである。
【0030】
図3は、軟質の内層320および硬質の外層322を含むカテーテル306の軸方向断面を示し、カテーテル306は、図1Aおよび1Bのカテーテル106などのサイズ可変カテーテルの一例である。層320および322は、カテーテル306の近位端から遠位端へ延びる。硬質の外層322は、カテーテル306または軟質の内層320に取り外し可能に取り付けられている。カテーテル306は、図1Aおよび1Bのカテーテル106であり得る。カテーテル306が、例えば図1Aおよび1Bのイントロデューサシース104中に配置されるとき、硬質の外層322を近位方向に取り外すことができる。硬質の外層322の取り外しは、カテーテル306が第一の形態から第二の形態へ、例えば、図1Aおよび1Bのカテーテル106に関連して記載された第一の形態と第二の形態へ変化することを可能にする。硬質の外層322は、カテーテル306の遠位端に結合された医療デバイス、例えば図1Aおよび1Bの第一の医療デバイス102の導入中に医師がカテーテル306を操縦および操作することを可能にするように構成されている。
【0031】
硬質の外層322および軟質の内層320の少なくとも一方は、ポリマーで構成することができる。ポリマーは、硬質または軟質であるのに適した剛性を有するように選択されることができる。いくつかの実施形態において、硬質の外層322は、近位方向への硬質の外層322の取り外しを可能にする少なくとも1つのピールアウェイスリットを含む。他の実施形態において、硬質の外層322は、ロック機構によってカテーテル306に取り外し可能に取り付けられ、硬質の外層322の近位端をねじって機構をロック解除し、硬質の外層322を近位方向にカテーテル306の外へスライドさせることによって、硬質の外層322を取り外すことができる。カテーテル306は、イントロデューサシース内に配置されてカテーテル306とイントロデューサシースとの間に環状ギャップを形成するように構成することができる。いくつかの実施形態において、硬質の外層322はカテーテル306から取り外され、医療デバイス、例えば図1Aおよび1Bの第二の医療デバイス114が、固定サイズのルーメン、例えば図1Aおよび1Bのイントロデューサシース104中ルーメン108内で、カテーテル306に隣接して導入され、この医療デバイスが軟質の内層320に対して法線力を加えると、軟質の内層は、法線力によって第二の形態へと強制されて、カテーテルと医療デバイスの両方が固定サイズのルーメン内に収まるようになる。硬質の外層322がカテーテル306に取り付けられているとき、カテーテル306は元の形態から変化せず、それは、カテーテル306およびその遠位側に結合された医療デバイスの挿入、操縦、および配置にとって最適であるといえる。カテーテル306の少なくとも1つの利点は、層320と322との剛性の差により、医師が、手術中に硬質の外層322を取り外して、残る軟質の内層320を変形させることによってカテーテル306のサイズを操作して、第二の医療デバイスを環状ギャップに通して収まるように、イントロデューサシース内の環状ギャップのサイズを変化させることを可能にすることである。
【0032】
図4は、収縮部分および拡張部分を有するカテーテル406の一区分を示し、カテーテル406は、図1Aおよび1Bのカテーテル106などのサイズ可変カテーテルの一例である。カテーテル406の収縮および拡張は、いずれもカテーテル406の近位端から遠位端へと縦方向に延びる第一の複数のストランド426および第二の複数のストランド428を含むカテーテルフレーム424ならびにカテーテルフレーム424の外面周辺にコーティングを形成するポリマー層430によって可能になる。カテーテルフレーム424は、第一の形態から第二の形態へと可逆的に変形するように構成されている。第一の形態から第二の形態への変形はカテーテルフレーム424の収縮であり、第二の形態から第一の形態への逆変形はカテーテルフレーム424の拡張である。第一の複数のストランド426は、カテーテルフレーム424の長さに沿ってらせん方向に巻かれ得、第二の複数のストランド428は、長さに沿って反時計回りの方向に巻かれ得る。第一および第二の複数のストランド426および428は、収縮または拡張するための偏りを加えて構成され、ストランドは、カテーテルフレーム424が収縮および拡張するときに互いに対してスライドするように構成されてもよい。ポリマーコーティング430は、カテーテルフレーム424とともに拡張しかつしぼむように構成されており、カテーテルフレーム424の内面周辺に延びている。
【0033】
いくつかの態様において、ポリマーコーティング430は、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリオレフィンエラストマー、無水マレイン酸グラフトポリマー、スチレンブタジエンスチレン、ポリプロピレン系エラストマー、スチレンブタジエンコポリマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性加硫物、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、芳香族ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンエーテル、アセテート、ブチレート、プロピオネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルテレフタレート、アセタール、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシポリマー、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンペルフルオロメチルビニルエーテル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、液晶ポリマー、およびポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つを含む。
【0034】
カテーテル406は、第一の医療デバイス、例えば第一の医療デバイス102に結合され、イントロデューサシース、例えばイントロデューサシース104に通して患者の血管系に挿入されるような、図1Aおよび1Bのカテーテル106の例であり得る。一例において、医師は、カテーテルフレーム424を拡張または収縮させることにより、カテーテル406のサイズを操作することができ、そのためカテーテル406の外周とイントロデューサシースの内周との間に形成される環状ギャップもまた、サイズにおいて可変である。カテーテルフレーム424は、第一および第二の形態の間での変形のための能動的機構を表し得る。いくつかの実施形態において、医師は、カテーテルフレーム424を近位方向に動かして収縮または拡張させることにより、カテーテル406を能動的に変形させてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルが、カテーテルフレーム424が拡張状態にある第一の形態にあるとき、カテーテル406およびカテーテル406の遠位端に結合された第一の医療デバイスは、イントロデューサシースに通して患者の血管系に挿入される。さらなる実施形態において、カテーテル406は、医師によって動かされて、カテーテルフレーム424が収縮状態へとしぼむ第二の形態へと変形し、ここで環状ギャップは、その変形によって拡大する。拡大した環状ギャップは、イントロデューサシース内でカテーテル406に隣接して第二の医療デバイスを挿入することを可能にするようなサイズとなり得る。いくつかの実施形態においては、血液ポンプがカテーテル406の遠位端に結合され、第二の形態における環状ギャップは、PCI機器をカテーテル406と同じイントロデューサシース内に挿入することを可能にするようなサイズとなる。カテーテルフレーム424は、第一および第二の複数のストランド426および428によって形成された網目状メッシュを含み得る。いくつかの実施形態において、カテーテルフレーム424は第一の複数のストランド426のみを含む。さらなる実施形態において、カテーテルフレーム424は、第一の複数のストランド426のみによって形成された網目状メッシュを含む。例えば、複数のストランド426および428は、ポリマー、金属、または柔軟性を有する他の材料で構成することができる。カテーテル406の少なくとも1つの利点は、第二の医療デバイスがカテーテル406の脇に沿って配置されているか、配置されていないかにかかわらず、カテーテルフレーム424が医師によって選択的に動かされて拡張または収縮することができることである。カテーテル406の設計から生じるさらなる利点は、複数の部品へのカテーテル406の分離を必要としない、デバイスの簡潔な構築である。
【0035】
図5は、コラプシブルカテーテルに結合された医療デバイスをイントロデューサシースに通して患者の血管系に導入する例示的な方法500を説明するフローチャートを示す。方法500は工程502および504を含む。工程502は、固定された直径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを、患者の血管系に経皮的に挿入することを含む。工程504は、カテーテルの遠位端に結合された第一の医療デバイスをイントロデューサシースに通して導入することを含む。カテーテルは、遠位端と、近位端と、カテーテルがイントロデューサシース内に配置されたときカテーテルの外周とイントロデューサシースのルーメンの内周との間に環状ギャップが形成されるようなサイズである外周とを含む。カテーテルは、固定直径のルーメン内に配置されたときに第一または第二の形態をとるように構成され、カテーテルは、第一の形態における第一の寸法および第二の形態における第二の寸法を有する。例えば、この方法は、図1Aおよび1Bに示すシステムに適用され得、その場合、方法は、イントロデューサシース104を血管系に経皮的に挿入し、カテーテル106に結合された第一の医療デバイス102をイントロデューサシース104に通して導入し、外周110と内周112との間に環状ギャップを形成することを含むであろう。方法500におけるカテーテルは、カテーテル206、306、または406であってもよい。
【0036】
方法500はさらに、第二の医療デバイスを環状ギャップ内に導入することを含む第三の工程を含み、第二の形態における環状ギャップは、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズとなる。いくつかの実施形態において、第二の形態における環状ギャップは、第一の形態における環状ギャップよりも大きい。図2および3のカテーテル206または306を使用する方法500のいくつかの実施形態において、カテーテルは、第二の医療デバイスが環状ギャップ内を通過するときには第二の形態になり、第二の医療デバイスが環状ギャップ中にないときには第一の形態になることができる。第一の医療デバイスは血液ポンプであってよく、第二の医療デバイスはPCIデバイスであってよい。方法500のカテーテル、例えば図4のカテーテル406が能動的収縮および拡張に適している他の実施形態において、方法500はさらに、カテーテルを第一の形態から第二の形態へと変化させることを含む第三の工程を含んでよく、第二の形態における環状ギャップは、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズとなる。図4のカテーテル406を使用する方法500の実施形態において、医師は、カテーテルをイントロデューサシースに挿入する前またはその後で、カテーテルを動かしてその形態を変化させてもよい。さらなる実施形態において、方法500はさらに、第二の医療デバイスを環状ギャップ内に導入することを含む第四の工程を含む。方法500の少なくとも1つの利点は、医師が、単一のイントロデューサシースを通して患者の血管系に導入された少なくとも2つの医療デバイスを操作して、アクセス部位の管理および閉鎖を一回の明確に定められた処置へと減らすことができることである。
【0037】
図6は、コラプシブルカテーテルに結合された血液ポンプとPCIデバイスとを、イントロデューサシースに通して患者の血管系に導入する例示的な方法600を説明するフローチャートを示す。方法600は、工程602、604、および606を含む。工程602は、固定された直径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを患者の血管系に経皮的に挿入することを含む。工程604は、カテーテルの遠位端に結合された血液ポンプをイントロデューサシースに通して導入することを含み、カテーテルは、遠位端と、近位端と、カテーテルがイントロデューサシース内に配置されたときカテーテルの外周とイントロデューサシースのルーメンの内周との間に環状ギャップが形成されるようなサイズである外周とを有する。カテーテルは、固定直径のルーメン内に配置されたとき第一または第二の形態をとるように構成され、第一の形態における第一の寸法および第二の形態における第二の寸法を有する。工程606は、PCIデバイスを環状ギャップ内に導入することを含み、第二の形態における環状ギャップは、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にするようなサイズとなる。方法600は、図1~4に示され、記載されたシステムに適用され得る。例えば、方法600のカテーテルは、イントロデューサシース104内に挿入されるカテーテル106、206、306、または406であり得る。第一の形態から第二の形態への変化は、図2~3に記載されるような受動的機構または図4に記載されるような能動的機構によって達成することができる。図2および3のカテーテル206または306を使用する方法600のいくつかの実施形態において、カテーテルは、第二の医療デバイスが環状ギャップ内を通過するときには第二の形態になり、PCIデバイスが環状ギャップ中にないときには第一の形態になる。カテーテル、例えば図4のカテーテル406が能動的収縮および拡張に適している他の実施形態において、方法600はさらに、カテーテルを第一の形態から第二の形態へと変化させることを含む第三の工程を含んでよく、第二の形態における環状ギャップは、その中にPCIデバイスを通すことを可能にするようなサイズとなる。図4のカテーテル406を使用する方法600の実施形態において、医師は、カテーテルをイントロデューサシースに挿入する前またはその後で、カテーテルを動かしてその形態を変化させてもよい。方法600の少なくとも1つの利点は、医師が、固定サイズのカテーテルの脇に沿うPCIデバイスの直径を受け入れることができない単一のイントロデューサシースを通して、サイズ可変カテーテルに結合された血液ポンプ補助を用いて高リスクHRPCIを実行し得ることである。
【0038】
図7は、コラプシブルカテーテルに結合された医療デバイスを、先に挿入された医療デバイスをすでに含むイントロデューサシースに通して導入する方法700を説明するフローチャートを示す。方法700は、工程702、704、および706を含む。工程702は、固定された直径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを、患者の血管系に経皮的に挿入することを含む。工程704は、第一の医療デバイスをイントロデューサシースに導入することを含み、第一の医療デバイスは、第一の医療デバイスがイントロデューサシース内に配置されたとき、カテーテルの外周とイントロデューサシースのルーメンの内周との間に固定サイズの環状ギャップが形成されるようなサイズである外周を有する。工程706は、カテーテルの遠位端に結合された第二の医療デバイスを環状ギャップ内に導入することを含み、カテーテルは、第一または第二の形態をとるように構成され、第一の形態における第一の寸法および第二の形態における第二の寸法を有し、第二の形態は、固定サイズの環状ギャップ内に収まるように構成されている。
【0039】
方法700で実現されるデバイスは、例えば、カテーテル106、206、306、または406およびイントロデューサシース104を使用する、図1~4に記載されたデバイスであり得る。カテーテルは、固定サイズの環状ギャップ内に挿入されるとき、第一の形態から第二の形態へと受動的に変形し得る。他の実施形態において、カテーテルは、能動的に動かされて、固定サイズの環状ギャップ内に収まるようなサイズである第二の形態へと変形してもよい。第一の医療デバイスはPCIデバイスであってよく、第二の医療デバイスは血液ポンプであってよい。方法700の少なくとも1つの利点は、サイズ可変カテーテルのおかげで、イントロデューサシースを通して第一の医療デバイスが第二の医療デバイスを伴うことができることである。例えば、医師は、イントロデューサシースを通してPCIを実行し得、そのとき、合併症が、PCIへの血液ポンプ補助を必要とする場合があると、医師は、別のアクセスポイントを切開することなく、サイズ可変カテーテルに結合された血液ポンプを導入することができる。
【0040】
図8は、例示的な実施形態にしたがって、コラプシブルカテーテルに結合された医療デバイスを導入し、カテーテルの形態を変化させ、別の医療デバイスをカテーテルの脇に沿って導入する方法800を説明するフローチャートを示す。方法800は、工程802、804、806、および808を含む。工程802は、固定された直径および内周を有するルーメンを含むイントロデューサシースを、血管系に経皮的に挿入することを含む。工程804は、カテーテルの遠位端に結合された第一の医療デバイスを、イントロデューサシースに通して導入することを含み、カテーテルは、近位端と、カテーテルが固定内径のルーメン内に配置されたときカテーテルの外周とシースルーメンの内周との間に環状ギャップが存在するような第一の寸法を有する外周とを含む。工程806は、カテーテルの外周を第一の寸法から第二の寸法へと変化させて、環状ギャップを増大させ、その中に第二の医療デバイスを通すことを可能にすることを含む。工程808は、第二の医療デバイスを環状ギャップに通して導入することを含む。
【0041】
方法800で実現されるデバイスは、例えば、カテーテル106または406およびイントロデューサシース104を使用する、図1Aおよび1Bならびに4に記載されたデバイスであり得る。カテーテルは、医師が能動的に変化させるかまたは動かして、第一の寸法を有する状態から第二の寸法を有する状態へと変化し、それにより、カテーテルとルーメンとの間に形成される環状ギャップが変化し得る。いくつかの実施形態において、第一の医療デバイスは血液ポンプである。いくつかの実施形態において、第二の医療デバイスは、PCIデバイス、第二のイントロデューサシース、または第二のカテーテルである。方法800の少なくとも1つの利点は、結合された第一の医療デバイスが患者の血管系内で使用されているときに、医師がカテーテルのサイズを選択的に変更することができ、血管系への第二のアクセス部位を切開することなく、第二の医療デバイスを導入することができることである。例えば、この利点は、第一の医療デバイスを使用する手術中に合併症が起こり、その合併症を治療するために第二の医療デバイスの導入が医師によって危急に求められる場合に有用であり得る。
【0042】
上述した内容は、本開示の原理を例示したものにすぎず、装置は、限定のためではなく例示のために提示される前記態様以外の態様によって実現することもできる。本明細書に開示される装置は、心臓ポンプの経皮挿入における使用に関して示されるが、止血を要する他の用途における装置に適用されてもよいことが理解されよう。
【0043】
本開示を考察したのち、当業者には変形および改変が思い浮かぶであろう。開示された特徴は、本明細書に記載された1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせおよび部分的組み合わせ(複数の従属的組み合わせおよび部分的組み合わせを含む)で実現されてもよい。上記様々な特徴は、それらの任意の構成要素を含め、他のシステムへと組み合わされてもよいし、一体化されてもよい。そのうえ、特定の特徴が省略されてもよいし、実現されなくてもよい。
【0044】
記載されたシステムおよび方法は、心臓ポンプシステムまたはAICなどの心臓ポンプシステムの制御装置上で局所的に実現されてもよい。心臓ポンプシステムはデータ処理装置を含み得る。本明細書に記載されたシステムおよび方法は、別個のデータ処理装置上で遠隔的に実現されてもよい。別個のデータ処理装置は、クラウドアプリケーションを介して心臓ポンプシステムに直接的または間接的に接続され得る。心臓ポンプシステムは、その別個のデータ処理装置とリアルタイム(または準リアルタイム)で通信し得る。
【0045】
一般に、本明細書に記載される主題および機能的動作の態様は、デジタル電子回路で実現することもでき、本明細書に開示される構造およびそれらの構造的等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで実現することもでき、それらの1つまたは複数の組み合わせで実現することもできる。
【0046】
変更、置換、および変形の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示された情報の範囲を逸脱することなく実施することができよう。本明細書において引用されたすべての参考文献は、全体として参照により組み入れられ、本出願の一部とされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】