(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】癌の治療及び/又は予防的治療のための薬剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4545 20060101AFI20221214BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221214BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221214BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A61K31/4545
A61P35/00
A61K45/00
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522075
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 SE2020050978
(87)【国際公開番号】W WO2021076033
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517238684
【氏名又は名称】ベリーナ ファーマ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】オルソン ハカン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC27
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び/又は予防的治療に使用されるデスロラタジンを開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び/又は予防的治療に使用するためのデスロラタジン。
【請求項2】
前記癌が、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌及びホジキン病からなる群から選択される1つ又はいくつかである、請求項1に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項3】
前記癌が、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、大腸癌及びホジキン病からなる群から選択される1つ又はいくつかである、請求項1に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項4】
デスロラタジンの1日用量が、1日仮想平均維持量(DDD)に対応する、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項5】
前記デスロラタジンの1日用量が、1日あたり2.5~45mg、好ましくは1日あたり5~20mgの間、より好ましくは1日あたり約5mgである、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項6】
治療期間が、少なくとも50日間、例えば少なくとも100日間、例えば少なくとも200日間、例えば少なくとも1年間、例えば少なくとも3年間である、請求項1~5のいずれか1項に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項7】
患者が、以前に前記癌と診断されて治療され、デスロラタジン治療の使用により前記癌の再発を減らす、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項8】
前記治療及び/又は予防的治療が、少なくとも1つの追加の癌治療との併用治療である、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項9】
前記追加の癌治療が、放射線療法、化学療法、ホルモン治療及び免疫療法から選択される少なくとも1つの治療である、請求項8に記載の使用するためのデスロラタジン。
【請求項10】
前記併用治療が、デスロラタジンと組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤による治療である、請求項8に記載の使用するためのデスロラタジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に癌の治療の分野に関する。より具体的には、本発明は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び予防的治療のための薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
癌治療は、過去数十年で非常に進歩したが、いくつかの癌は、依然として手術不可能であり、また代替治療が高い生存率を提供することができない。そのような癌の1つは膵臓癌であり、この5年間に生存率はまだ10%未満である。また、癌は放射線療法及び化学療法に耐性がある可能性があるため、従来の癌治療の成功率は低くなる可能性がある。しかしながら、このような癌は、他の治療の影響を受けやすい(susceptible)可能性がある。
【0003】
これらの状況から、癌患者の抗腫瘍免疫応答を促進することを目的とした療法などの代替療法の研究が最近急増している。しかしながら、全ての患者が新規な治療に応答(respond)するわけではなく、癌の再発には依然として問題がある。
【0004】
このように、癌治療のための新規な治療と予防策を開発する必要がまだある。
【発明の概要】
【0005】
上述した不利な点を考慮して、本発明の1つの目的は、癌、特に肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び/又は予防的治療に使用されるデスロラタジン(desloratadine)を提供することである。
【0006】
本発明において可能であるこれら及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態の以下の説明から明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】デスロラタジンを服用している患者と服用していない患者の癌特異的生存率を示すフォレストプロット(Forest plot)である。
【
図2】クレマスチン(clemastine)を服用している患者と服用していない患者の癌特異的生存率を示すフォレストプロットである。
【
図3】ロラタジン(loratadin)を服用している患者と服用していない患者の癌特異的生存率を示すフォレストプロットである。
【
図4】セチリジン(cetirizine)を服用している患者と服用していない患者の癌特異的生存率を示すフォレストプロットである。
【
図5】エバスチン(ebastine)を服用している患者と服用していない患者の癌特異的生存率を示すフォレストプロットである。
【
図6】フェキソフェナジン(fexofenadine)を服用している患者と服用していない患者の癌特異的生存率を示すフォレストプロットである。
【
図7】デスロラタジン(desloratadine)を服用している前立腺癌患者と服用していない前立腺癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図8】デスロラタジンを服用している胃癌患者と服用していない胃癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図9】デスロラタジンを服用している卵巣癌患者と服用していない卵巣癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図10】デスロラタジンを服用している腎臓癌患者と服用していない腎臓癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図11】デスロラタジンを服用している子宮癌患者と服用していない子宮癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図12】デスロラタジンを服用している大腸癌患者と服用していない大腸癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図13】デスロラタジンを服用している膵臓癌患者と服用していない膵臓癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図14】デスロラタジンを服用している肺癌患者と服用していない肺癌患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図15】デスロラタジンを服用している脳腫瘍患者と服用していない脳腫瘍患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図16】デスロラタジンを服用している非ホジキンリンパ腫患者と服用していない非ホジキンリンパ腫患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図17】デスロラタジンを服用しているホジキン病患者と服用していないホジキン病患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【
図18】デスロラタジンを服用している急性白血病患者と服用していない急性白血病患者の癌特異的生存率を示す生存率プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明は、癌の治療及び予防的治療に使用される医薬組成物に適用可能な本発明の実施形態に焦点を合わせている。
【0009】
癌は、その種類、部位のため、又は複数の腫瘍があるため、手術不可能になる可能性がある。そのような例の1つは、進行した膵臓癌である。そのような癌の場合、癌を制御するのを助けるために他の治療が必要とされる。癌を縮小し、その成長を遅らせるために、化学療法、時には化学放射線療法が提供されるのが一般的である。放射線療法及び化学療法の両方に対して耐性が高いことがわかっている癌の場合、従来の癌治療の成功率は低い可能性がある。悲しいことに、これらのいくつかの癌の場合、死亡率も非常に高い。したがって、そのような癌に効果を示す新規な治療が必要とされている。
【0010】
表1は、2016年の時点までリストされた癌と診断されたスウェーデンの癌患者の5年間の生存率をまとめたものである(スウェーデン国立衛生委員会)。いくつかの癌は高度に治療可能であるが、5年間の生存率が30%未満の癌がまだいくつかある。
【0011】
【0012】
そのような新規な治療の1つは、免疫原性治療であり、チェックポイント療法など、癌患者の抗腫瘍免疫応答を促進することを目的とした療法である。人の免疫系には、健康な細胞を殺すのを防ぐ一連のブレーキ又は―チェックポイント―がある。時には、癌細胞はブレーキ又はチェックポイントを利用して人の防御系から隠れ、正常な細胞にほとんど見せかけている(disguise)。そうすれば、人の免疫系はその癌細胞を侵入者と見なさない。これらの薬物は、人の免疫系が癌を問題として見なし、癌と戦うのを助ける。チェックポイント阻害剤は、多くの異なる癌に関して臨床試験中であり、現在、転移性黒色腫(metastatic melanoma)、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、頭頸部癌、ホジキンリンパ腫などの癌の患者を対象に試験が行われている。
【0013】
これらの免疫療法のうち、免疫チェックポイントTリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)及びプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)を標的とする中和抗体は、特に成功したと称賛されている。これらの抗体は、疾患の転帰を劇的に改善し、現在多くの国で臨床的に承認されている。しかしながら、進行期の患者の大多数は応答しないか又は再発し、そして疾患を治療するための「魔法の弾丸」(“magic bullet”)探しは続いている。
【0014】
データベースマイニングは、治療結果の目に見えない傾向を見つけるための非常に強力なツールであることが証明されている。スウェーデンの薬物処方箋登録室は、2005年以降、薬局で処方された医薬品、消耗品及び食品又は同等物に関するデータを保有する。処方箋の数は年間約1億である。登録簿は毎月新しい情報で更新される。スウェーデンの癌登録室は、1958年に設立され、スウェーデンの全人口を対象としている。スウェーデンでは、毎年約5万人の癌の悪性症例が登録されている。全ての医療供給者は、新たに検出された癌の症例を登録室に報告することが義務付けられている。臨床検査、形態学的検査、その他の臨床検査で診断された全ての癌の症例及び剖検で診断された症例について、レポートを送信する必要がある。したがって、これらの登録簿は、国際標準から見たデータベースマイニングの非常に優れた基礎を提供する。
【0015】
WO2016/116438では、乳癌の生存率の改善に関連する治療を探しているときに、H1受容体拮抗薬、特にデスロラタジン又はエバスチンを使用した治療が乳癌の生存率に肯定的な効果(positive effect)をもたらすことが明らかにされた。研究の時点では、癌に対する一般的な影響が見られず、乳癌に対する特定の効果(specific effect)のみが見られた。
【0016】
現在、スウェーデンで使用されている6つの主要なH1抗ヒスタミン薬(セチリジン、クレマスチン、デスロラタジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラタジン)が、全国的な登録簿に基づく研究で癌特異的及び全体的な死亡率に及ぼす影響が調査されている。Cox回帰モデル、並びに年齢、性別(性の代用として)及び腫瘍の状態に関する患者の異なる部分群を使用して、診断前後の抗ヒスタミン薬の使用を分析した。
【0017】
研究がスウェーデンの全人口で行われたため、結果は頑健(robust)である。異なる癌に対する異なる抗ヒスタミン薬の生存効果は、
図1~6に示される。
【0018】
驚くべきことに、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌及びホジキン病など、多様な種類の腫瘍にデスロラタジンを使用することで、強力な延命効果が見られた。他の種類の腫瘍、例えば脳腫瘍、子宮癌、リンパ造血系悪性腫瘍では効果が観察されなかった。
図1に、デスロラタジンの延命効果を示す。
【0019】
図1~6に見られるように、データは、抗ヒスタミン薬間で非常に多様であり、これは、抗ヒスタミン薬の主な目的がヒスタミン―1受容体(H-1)を遮断することであるが、抗ヒスタミン薬がそれらの間で実質的に異なる生物学的効果を有することを示している。
【0020】
他の抗ヒスタミン薬と比較して、デスロラタジンは、全ての受容体を遮断する全ての組織で生物学的利用能を有する。しかしながら、免疫系における他の効果(effect)は、骨髄抑制細胞、樹状細胞、及びTh-1応答からTh-2応答への変換に対する効果として説明されている。この研究で見られた効果は、免疫系の他の部分が影響を受ける可能性があることを示唆している。
【0021】
驚くべきことに、以前、免疫チェック遮断(チェックポイント遮断免疫療法(checkpoint blockade immunotherapy))に応答した多くの腫瘍に効果が見られる。
【0022】
チェックポイント遮断免疫療法は、胃癌、腎臓癌、大腸癌、肺癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌、黒色腫、乳癌、鼻咽頭癌を含む様々な悪性腫瘍の治療に有望であることが示されている。
【0023】
また、免疫チェック遮断治療と同様に、他の種類の癌、例えば脳腫瘍、子宮癌及びリンパ造血系悪性腫瘍では、影響が見られないか又はわずかな効果が見られる。
【0024】
非使用者の生存曲線と平行になる生存曲線は、(チェックポイント遮断と同様に)治癒的療法の可能性を示唆している。
【0025】
非常に明確な正と負のオーバーラップがあるため、チェックポイント遮断免疫療法に応答する癌は、デスロラタジン治療に応答することが示唆されている。
【0026】
1つの可能性は、研究結果がTリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)/プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)又はPD-L1経路と一致していることである。これは、いくつかが免疫チェックポイント遮断に応答することが知られている異なる種類の腫瘍間の効果によって裏付けられている。CTLA-4は、免疫応答の初期、主にリンパ節でT細胞の増殖を調節すると考えられるが、PD-1は、免疫応答の後期、主に末梢組織でT細胞を抑制し、このリンパ節及び末梢組織は、癌治療のための抗腫瘍免疫応答の免疫細胞活性化の信頼できる標的であることが分かっている。
【0027】
したがって、一実施形態では、デスロラタジンは、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び/又は予防的治療及び/又は治療に使用されるために提供される。更に、デスロラタジンは、チェックポイント遮断免疫療法に応答することが知られている他の癌の予防及び/又は治療に使用されるために提供される。チェックポイント遮断免疫療法は、Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)/プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)及び/又はPD-L1経路に影響を与え、及び/又はそれを阻害する免疫療法である可能性がある。
【0028】
更なる実施形態では、デスロラタジンを含む医薬組成物は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び/又は予防的治療に使用されるために提供され、この組成物はデスロラタジンを含む。更に、このような組成物は、チェックポイント遮断免疫療法に応答することが知られている他の癌の予防及び/又は予防的治療に使用されるために提供される。チェックポイント遮断免疫療法は、Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)/プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)及び/又はPD-L1経路に影響を与え、及び/又はそれを阻害する免疫療法である可能性がある。
【0029】
一実施形態では、治療される癌は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌及びホジキン病からなる群から選択される。一実施形態では、治療される癌は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、大腸癌及びホジキン病からなる群から選択される。
【0030】
この研究における非応答腫瘍には、リンパ造血系組織又は脳に由来する腫瘍が含まれる。これは、異なるリンパ系を持つリンパエフェクター細胞組織又は脳に影響を与える疾患が無応答であることを示している。
【0031】
一実施形態では、癌は、リンパエフェクター細胞組織又は脳に関連しない癌である。
【0032】
表1に見られるように、これらの癌のいくつかは、実際に患者にとって非常に重く、胃癌に罹っている患者の5年間の生存可能性は、わずか25%(2016年(表1))であり、デスロラタジンが上記癌の治療に使用される場合、この可能性は30%増加する(
図1)。一実施形態では、デスロラタジンは、胃癌の治療及び/又は予防的治療に使用される。
【0033】
同様に、大腸癌に罹っている患者の5年間の生存可能性は、わずか約65%(2016年(表1))であり、デスロラタジンが上記癌の治療に使用される場合、この可能性は15%増加する(
図1)。一実施形態では、デスロラタジンは、大腸癌の治療及び/又は予防的治療に使用される。
【0034】
同様に、膵臓癌に罹っている患者の5年間の生存可能性は、わずか約8%(2016年(表1))であり、デスロラタジンが上記癌の治療に使用される場合、この可能性は35%増加する(
図1)。多くの場合、進行した膵臓癌が手術不可能であるため、これは非常に歓迎すべきニュースである。一実施形態では、デスロラタジンは、膵臓癌の治療及び/又は予防的治療に使用される。
【0035】
同様に、肺癌に罹っている患者の5年間の生存可能性は、わずか約20%(2016年(表1))であり、デスロラタジンが上記癌の治療に使用される場合、この可能性は15%増加する(
図1)。一実施形態では、デスロラタジンは、肺癌の治療及び/又は予防的治療に使用される。
【0036】
同様に、腎臓癌に罹っている患者の5年間の生存可能性は、わずか約75%(2016年(表1))であり、デスロラタジンが上記癌の治療に使用される場合、この可能性は30%増加する(
図1)。一実施形態では、デスロラタジンは、腎臓癌の治療及び/又は予防的治療に使用される。
【0037】
同様に、卵巣癌に罹っている患者の5年間の生存可能性は、約55%(2016年(表1))であり、デスロラタジンが上記癌の治療に使用される場合、この可能性は17%増加する(
図1)。一実施形態では、デスロラタジンは、卵巣癌の治療及び/又は予防的治療に使用される。
【0038】
同様に、ホジキン病に罹っている患者の5年間の生存可能性は、わずか約86%(2016年(表1))であり、デスロラタジンが上記癌の治療に使用される場合、この可能性は17%増加する(
図1)。一実施形態では、デスロラタジンは、ホジキン病の治療及び/又は予防的治療に使用される。
【0039】
一実施形態では、癌は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌及びホジキン病からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの癌である。
【0040】
重要なことに、未治療の生存曲線と並行して追跡調査された生存曲線は、上記癌に対するデスロラタジンの使用に対して10~20%の治癒効果を示唆している。これらの癌の生存曲線は、
図7~18のように見られる。再発する傾向があるほとんどの癌は、治療後の最初の2年間ほどで再発する。5年間後、再発する可能性は更に低くなる。いくつかの種類の癌では、10年間後に患者の医者は、患者が治癒した、と言うかもしれない。これらの生存曲線では、未治療の患者の曲線は、デスロラタジンで治療された患者の曲線と徐々に平行になり、これは、試験の継続時間中(>12年間)、効果が永続的(つまり、患者が実質的(essentially)に治癒した)であることを示している。
【0041】
一実施形態では、治療は、上記癌と診断された患者に対して最大30%の治癒効果、例えば、上記癌と診断された患者に対して10~20%の治癒効果を有する。
【0042】
興奮すべきことに、影響を受けたいくつかの癌、例えば、膵臓癌及び胃癌に対して、非外科的療法が生存率を大幅に改善するのは初めてである。5年間の生存率がわずか約8%である膵臓癌(表1)の場合、デスロラタジンに関するデータは、驚くべきものであり、一部の患者に治癒効果の可能性があることを示している。
【0043】
一実施形態では、治療は、膵臓癌及び胃癌に対して非外科的療法である。
【0044】
デスロラタジンは、第2世代のH1-抗ヒスタミン薬である。第2世代のH1-抗ヒスタミン薬は、中枢神経系H1受容体及びコリン作動性受容体とは対照的に、末梢H1受容体に対してより選択的な新薬である。これらのH1-抗ヒスタミン薬は非常に極性のある化合物であり、これは、これらのH1-抗ヒスタミン薬が血液脳関門(blood-brain-barrier(BBB))を通過せず、主に中枢神経系の外側で作用することを意味する。また、デスロラタジンは、最小限の副作用を有する。デスロラタジンは継続的に使用され続け、大人及び子供に同様に処方され、安全性があるため、処方箋なしで広く利用可能である。デスロラタジンが安全で普通の薬物であるという事実により、デスロラタジンは、リパーパシング目的(repurposing purpose)のための優れた候補になる。また、副作用がめったにないため、新たな癌を発症する危険因子の高い患者、又は再発のリスクが高い癌の治療を受けた患者に対して予防的治療が可能である。
【0045】
一実施形態によれば、デスロラタジン治療及び/又は予防的治療は、新たな癌を発症する危険因子の高い患者、又は再発のリスクが高い癌の治療を受けた患者に使用される。
【0046】
一実施形態では、患者は、以前に上記癌と診断されて治療され、デスロラタジン治療により上記癌の再発を減らす。
【0047】
一実施形態では、治療は、診断前、例えば少なくとも100日間、例えば少なくとも3月間、例えば少なくとも6月間、例えば少なくとも1年間前から、そして癌診断後の例えば少なくとも100日間、例えば少なくとも3月間、例えば少なくとも6月間、例えば少なくとも1年間、例えば少なくとも2年間からである。
【0048】
データは、より長い期間の治療がより短い期間の治療よりも優れていることを示している(
図7~18に示されている)。また、長期間の使用であっても、デスロラタジンの使用によるリスクが非常に低く、副作用が非常に少ない。したがって、長期間の治療が望ましい。
【0049】
一実施形態では、治療期間は、少なくとも50日間、例えば少なくとも100日間、例えば少なくとも200日間、例えば少なくとも1年間、例えば少なくとも2年間、例えば少なくとも3年間、例えば少なくとも5年間である。
【0050】
この研究では、薬物の使用は、薬物処方箋に基づいて推定される。この情報は、特に複数の処方箋を持っている人にとって、かなり正確な使用を反映している。交絡因子(confounding factor)は、セチリジンとロラタジンの市販購入の可能性を示すが、これは見られる効果(seen effect)を薄めるだけである。しかしながら、この研究の期間中、デスロラタジン及びクレマスチンは両方とも処方薬であった。
【0051】
したがって、本発明の一実施形態では、デスロラタジンの1日用量は、1日仮想平均維持量(defined daily dose(DDD))に対応する。
【0052】
DDDは、世界保健機関(WHO)によって定義された薬物消費の統計的量である。
【0053】
5ミリグラムのデスロラタジンは、処方登録簿に一般的に処方されている1日用量であり、より高い1日用量が投与されている患者は、ごくわずかである。このように、この研究は、通常の投与計画における抗ヒスタミン薬治療からの明らかな利益を示しているが、他の投与計画、例えば、周術期治療のためのより高い用量も同様に可能である。
【0054】
したがって、本発明の一実施形態では、デスロラタジンの用量は、1日あたり2.5~45mg、好ましくは1日あたり5~20mgの間、最も好ましくは1日あたり5mgである。
【0055】
1日あたり45mgのデスロラタジンを使用した複数回投与研究では、更なる臨床的副作用が示されず(FASS、医療専門家向けのスウェーデン医薬品集)、高用量(high doses)のデスロラタジンの可能性が示されている。
【0056】
したがって、一実施形態では、デスロラタジンの用量は、1日あたり45~250mg、好ましくは1日あたり85~150mgの間、最も好ましくは1日あたり100mgである。
【0057】
この研究における大多数の患者は、外科的治療、化学療法又は放射線化学療法の治療などのいくつかの種類の癌治療を受けている。このように、この研究は、デスロラタジン治療が他の癌治療との併用治療であり得ることを示している。これは、外科的治療などの他の治療が可能であり、成功率が高い癌の形態に最も好ましい可能性がある。このような場合、癌の再発のリスクを最小限に抑えるためにこのような治療を他の治療法と組み合わせることがよくある。ここで、デスロラタジンは、副作用が非常に少なく、患者がこの医薬品を服用できる可能性が高いため、非常に望ましい選択肢を提示する。
【0058】
一実施形態では、治療は、少なくとも1つの追加の癌治療との併用治療である。更なる実施形態では、上記追加の癌治療は、放射線療法、化学療法、ホルモン治療及び免疫療法から選択される少なくとも1つの治療である。更なる実施形態では、追加の癌治療は、免疫療法である。
【0059】
残念ながら、いくつかの症状で有望な結果が得られるにもかかわらず、一部の患者のみがPD-1及びCTLA-4チェックポイント阻害剤に初期に応答する。免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は、約20~40%の患者で持続的な応答を示す。臨床的証拠は、かなりの割合の初期応答者が、治療後の数ヶ月間又は数年間で最終的に致命的な薬物耐性疾患を再発することを明らかにしている。ICIをより多くの患者に対してより効果的にするために、組み合わせアプローチが重要である。仮説は、組み合わせ効果が強力な相乗効果を引き出し、この相乗効果が、それぞれの部分の合計、すなわち単剤療法(monotherapy)の合計よりも強力(more potent)になるというものである。
【0060】
したがって、一実施形態では、上記併用治療は、デスロラタジンと組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤による治療である。
【0061】
このような阻害剤の例としては、PD-1阻害剤であるニボルマブ、ペムブロリズマブ及びセミプリマブ、PD-L1阻害剤であるアテゾリズマブ、アベルマブ及びデュルバルマブ、又はCTLA-4を標的とするイピリムマブが挙げられる。
【0062】
図1及び7~18に見られる改善には、予後の改善及び生存率の増加が含まれる。
【0063】
したがって、一実施形態では、治療は、上記癌と診断された患者の予後を改善しようとする。一実施形態では、治療は、上記癌と診断された患者の生存時間を長くしようとする。
【0064】
本明細書の文脈において、「療法」及び「治療」という用語は、反対の特定の症状がない限り、予防又は予防処置を含む。「治療的」及び「治療的に」という用語は、それに応じて解釈されるべきである。
【0065】
一実施形態によれば、治療はまた、前治療、すなわち予防的治療を含む。
【0066】
一実施形態によれば、「予防処置」又は「予防的」という用語は、反対の特定の症状がない限り、一次予防処置、二次予防処置、三次予防処置又は定期的予防処置(periodic prophylaxis)を含む。一次予防処置とは、初期疾患の予防的治療を指す。二次予防処置とは、既存の疾患の再発又は再活性化の発生率を低下させることを指す。三次予防処置とは、更なる損傷を軽減するために、疾患の発症後に開始される継続的な治療を指す。定期的予防処置とは、より短い期間で行われる周期的な予防的治療を指す。例えば、周術期治療(perioperational treatment)に使用されるデスロラタジン又はロラタジンであるH1受容体抗ヒスタミン薬は、既存の癌の再発又は再活性化の発生率を低下させるための二次予防処置に使用できる。
【0067】
したがって、本発明の一実施形態では、治療は、一次予防処置、二次予防処置、三次予防処置又は周期的予防処置に関係する。
【0068】
デスロラタジンは、本明細書に開示されているような疾患又は障害、例えば、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌を治療するための方法においても明らかに使用され得る。このような方法は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療が必要とされる対象に有効量のデスロラタジンを投与するステップを含む。
【0069】
明らかに、デスロラタジンは、本明細書に開示されるような治療、例えば、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び/又は予防的治療で使用される薬剤の製造にも使用できる。
【0070】
したがって、一実施形態は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌、ホジキン病、膀胱癌、肝臓癌及び/又は鼻咽頭癌の治療及び/又は予防的治療に使用されるデスロラタジン及び賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0071】
賦形剤は、医薬品の有効成分と一緒に製剤化される天然又は合成の物質である。目的には、安定化、膨張、薬物吸収の促進、粘度の低下又は溶解度の向上が含まれる。賦形剤はまた、活性物質の取り扱いを助けるために、製造プロセスに有用である可能性がある。適切な賦形剤の選択は、投与経路及び剤形、並びに有効成分及び他の要因にも依存する。本発明の一態様では、医薬組成物は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、ラクトース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ラクトース及びポリビニルピロリドンを含むリストから選択される賦形剤を含む。
【0072】
材料及び方法
癌登録簿と薬物処方箋登録簿及び死亡原因登録簿とを関連付けて、2005年~2014年の間に乳癌、前立腺癌、心臓腫瘍、膵臓癌、腎臓癌、大腸癌、肺癌、子宮癌、卵巣癌、脳腫瘍、黒色腫、リンパ腺癌及び骨髄癌に罹っている50万人を超える癌患者の生存率を研究した。デスロラタジン、ロラタジン、エバスチン、セチリジン、フェキソフェナジン、クレマスチンの主な使用者について生存率を研究した。
【0073】
2005年7月1日以降にスウェーデンで調剤と処方された全ての薬剤の記録であるスウェーデン処方薬登録簿を使用して、6つの主要な抗ヒスタミン薬の使用を確立した。登録簿に含まれるには、少なくとも2週間の処方箋が必要とされる。処方箋なしの抗ヒスタミン薬の使用、非調剤用量又は他のあまり一般的ではない種類の抗ヒスタミン薬の使用は、ここでは不使用と見なされる。1952年以降に全ての死が記録されているデータベースであるスウェーデン死亡原因登録簿から死亡原因を取得した。データは疑似匿名化され、本研究は地域倫理委員会によって承認された。
【0074】
本発明者らは黒色腫患者における抗ヒスタミン薬の診断前及び累積的診断後の使用の両方を分析した。診断前の使用は、常用の代用であり、ここでは、診断前の6ヶ月間及び診断後の6ヶ月間以内の使用として定義され、この間に各個体が使用する主な抗ヒスタミン薬(調剤された1日仮想平均維持量又はDDDの観点から)が特定された。時間スケールを年単位での生存時間又は打ち切られる時間(time to even or censoring in years)としてCox回帰モデルを使用して分析した。年齢およびジェンダー(性別の代用として)に基づく群(group)に対して部分群分析(subgroup analyses)を行った。
【0075】
累積的診断後の抗ヒスタミン薬使用分析では、時変共変量を考慮したCox回帰モデルにより、抗ヒスタミン薬使用者の死亡率を非使用者の死亡率と比較し、診断以降の生存時間を年単位で測定した。これにより、1人の個体が異なる抗ヒスタミン薬の非使用者と使用者の両方としてデータを提供することができるようになった。DDD+one3の対数変換後に累積的DDDの影響を評価した。診断時の患者の年齢、腫瘍のサイズ及びリンパ節の状態(それぞれ、T及びNの状態)についてCox回帰分析を層別化した。Tamimら及びRichardsonらによって説明されているようにラグタイム分析を実行した。RバージョンXXX6を使用して統計分析を実行した。両側P値を使用し、比例ハザード性を評価するためにシェーンフィールド残差に基づく試験を行い、疾患特異的死亡率と全体的な死亡率の両方について、認められた。
【0076】
まず、この研究では、処方箋を使用しており、個体が部分的に薬を服用していない可能性があり、異なる抗ヒスタミン薬は、2012~2014年にかけて特許の有効期限が切れているため、日和見の使用(opportunistic use)によって効果が部分的に低下する可能性がある。本発明者らは、使用された主な種類の抗ヒスタミン薬を評価し、小群(minor group)は複数の種類の抗ヒスタミン薬を使用した(<10%)。病期、社会経済的要因、腫瘍療法及び予後腫瘍要因に関する情報は、国内登録簿に存在しない。スウェーデンでは剖検率が低いため、5%未満の疾患特異的死亡率は過小評価されている可能性がある。
【0077】
結果
以下に、研究の結果を要約する。本発明者らは、デスロラタジンの使用が、年齢、性別、腫瘍の状態に関係なく、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、大腸癌の生存率(及び以前に示される乳癌)に一貫して有益な効果をもたらしたが、子宮癌及び脳腫瘍、並びにリンパ造血系疾患に対して効果がないことを発見した。これは、
図1にフォレストプロットとしてプロットされている。他のH1-抗ヒスタミン薬(セチリジン、クレマスチン、エバスチン、フェキソフェナジン及びロラタジン)のフォレストプロットも
図2~6に示されている。
【0078】
ロラタジンの使用者では、卵巣癌の方は生存率が高い。セチリジンの使用者は、膵臓癌、胃癌及び卵巣癌でより良い生存率を示している。エバスチンの使用により乳癌の生存率を向上させるが、全ての種類の腫瘍では、フェキソフェナジンは重要ではない。
【0079】
クレマスチンの使用者は、一貫してより悪い生存率を示している。
【0080】
生存曲線は
図7~18のように提供されている。ロラタジンの場合、ほとんどの生存曲線は、非使用者と平行になり、長期間の治癒効果を示唆している。
【0081】
これらの図は、癌とそれに対応するハザード比(HR)を示している。非使用者と比較した場合、ハザード比が1.0未満であれば、高い生存率を示し、ハザード比が1.0を超えれば、低い生存率を示す。信頼区間(95%CI)は、効果の測定に関して不確実性のレベルを示す。95%信頼区間は、実行された100件の研究のうちの95件で信頼区間が真の値をカバーすることを意味する。p値は、確率であり、小さいp値は強力な証拠に対応する。P<0.05は、群間の統計的に有意な差を示す。
【0082】
本発明は、特定の実施形態を参照して上記に説明されたが、本明細書に記載の特定の形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上記特定の実施形態以外の他の実施形態は、これらの添付の特許請求の範囲内で等しく可能であり、例えば上記の実施形態とは異なる。
【0083】
特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。更に、個別にリストされているが、複数の手段、要素又は方法のステップは、例えば、単一のユニット又はプロセッサによって実施され得る。更に、個々の特徴は、異なる請求項に含まれてもよいが、これらはおそらく有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能及び/又は有利ではないことを意味しない。また、単数の参照番号は複数を排除しない。「1」、「1つ」、「第1」、「第2」などの用語は、複数を除外するものではない。特許請求の範囲内の参照記号は、単に例を明確にするものとして提供されており、いかなる方法でも特許請求の範囲の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】