(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】改善された閉鎖手段を有する充電器およびエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/95 20200101AFI20221214BHJP
【FI】
A24F40/95
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522287
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020079285
(87)【国際公開番号】W WO2021074433
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC33
4B162AC34
4B162AD16
4B162AD27
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置を充電するための充電器に関する。充電器は、充電されるエアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定するハウジングを備える。空洞は開口部を有する。少なくとも一つの電気接点が、空洞内に位置する。カバーは、開口部に対して、開位置と閉位置との間でスライド可能である。カバーの内表面は、カバーが閉位置にある時に空洞に面し、カバーの内表面の少なくとも一部分は、カバーが閉位置にある時に空洞内へ、または空洞に向かって傾斜する、プロファイル係合部材を画定する。カバーは、閉位置において、充電器と充電器内に受容されるエアロゾル発生装置との間の電気的連通が維持されることを確実にする。本発明はさらに、充電器およびエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システム、ならびにエアロゾル発生システムを使用する方法に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置を充電するための充電器であって、
充電される前記エアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定するハウジングであって、前記空洞が開口部を有する、ハウジングと、
前記空洞内に位置する少なくとも一つの電気接点と、
開位置と閉位置との間で前記開口部に対してスライド可能なカバーであって、前記カバーが前記閉位置にある時、前記カバーの内表面が前記空洞に面する、カバーと、を備え、
前記カバーの前記内表面の少なくとも一部分が、前縁および後縁を有するプロファイル係合部材を画定し、
前記プロファイル係合部材が、前記カバーが前記閉位置にある時、前記空洞内へ、または前記空洞に向かって傾斜し、前記傾斜が、前記プロファイル係合部材の前記前縁から前記後縁へと向かう方向に増加する、充電器。
【請求項2】
前記プロファイル係合部材が、前記カバーが前記閉位置にある時に、前記空洞内に受容されたエアロゾル発生装置を付勢して前記少なくとも一つの電気接点と係合させるように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項3】
前記プロファイル係合部材は、前記カバーが前記閉位置にある時に、前記空洞内に、または前記空洞に向かって突出し、前記プロファイル係合部材の前記突出は、前記プロファイル係合部材の前記前縁から前記後縁へと向かう方向に増加する、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項4】
前記カバーを前記開位置から前記閉位置へとスライドさせることが、前記プロファイル係合部材を前記空洞開口部との重複関係へと移動させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項5】
前記プロファイル係合部材の前記前縁部が、前記カバーが前記開位置から前記閉位置へとスライドするにつれて、最初に前記カバー開口部との重複関係へと移動する、請求項4に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項6】
前記プロファイル係合部材がカム面であり、前記空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の表面がカムライダーである、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項7】
前記少なくとも一つの電気接点が、前記カバーが前記閉位置にある時に、前記空洞内に受容されるエアロゾル発生装置に対して前記空洞開口部の方向に力を加えるように構成された弾性要素である、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項8】
前記カバーが前記閉位置にある時に、前記空洞内に受容されるエアロゾル発生装置を前記空洞開口部の方向に付勢するように構成されたエアロゾル発生装置リリース機構をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項9】
前記充電器の前記ハウジングが、その上で前記カバーがスライド可能である面を備え、前記カバーを前記開位置から前記閉位置へスライドさせる時に、前記カバーの前記内表面が前記ハウジングの前記面を超えてスライドしない、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項10】
前記充電器が、作動部材と、前記充電器の前記ユーザーによる前記作動部材の操作に応答して、前記カバーを前記閉位置から前記開位置へスライドさせる手段と、をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項11】
前記作動部材がスライダであり、前記カバーをスライドさせる前記手段が、前記スライダと前記カバーとの間の機械的リンケージである、請求項10に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項12】
前記作動部材がボタンまたはスイッチであり、前記カバーをスライドさせる前記手段が、アクチュエータおよび前記アクチュエータと前記カバーとの間の機械的リンケージを含み、前記作動部材が、前記充電器のユーザーによる前記作動部材の操作に応答して、電気信号をアクチュエータに送信するように構成される、請求項10に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項13】
前記カバーが前記閉位置に向かって付勢される、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を充電するための充電器。
【請求項14】
エアロゾル発生装置を充電するための充電器およびエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムであって、
前記充電器は、前記エアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定するハウジングであって、前記空洞が開口部を有するハウジングと、
前記空洞内に位置する少なくとも一つの電気接点と、開位置と閉位置との間で前記開口部に対してスライド可能なカバーであって、前記カバーが前記閉位置にある時に前記カバーの内表面が前記空洞に面し、前記カバーの前記内表面の少なくとも一部分が、前縁および後縁を有するプロファイル係合部材を画定し、前記プロファイル係合部材が、前記カバーが前記閉位置にある時に、前記空洞内へ、または前記空洞に向かって傾斜し、前記傾斜が、前記プロファイル係合部材の前記前縁から前記後縁へと向かう方向に増加する、カバーと、を備え、
前記エアロゾル発生装置が前記空洞内に受容される時、前記プロファイル係合部材は、前記カバーが前記閉位置にある時に、前記エアロゾル発生装置を付勢して前記少なくとも一つの電気接点と係合させるように構成される、エアロゾル発生システム。
【請求項15】
エアロゾル発生装置を充電するための充電器およびエアロゾル発生装置を含む前記エアロゾル発生システムを使用する方法であって、
前記充電器は、前記エアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定するハウジングであって、前記空洞が開口部を有するハウジングと、
前記空洞内に位置する少なくとも一つの電気接点と、
開位置と閉位置との間で前記開口部に対してスライド可能なカバーであって、前記カバーが前記閉位置にある時に前記カバーの内表面が前記空洞に面し、前記カバーの前記内表面の少なくとも一部分が、前縁および後縁を有するプロファイル係合部材を画定し、前記プロファイル係合部材が、前記カバーが前記閉位置にある時に、前記空洞内へ、または前記空洞に向かって傾斜し、前記傾斜が、前記プロファイル係合部材の前記前縁から前記後縁へと向かう方向に増加する、カバーと、を備え、
前記方法が、
前記カバーが前記開位置にある時に、前記エアロゾル発生装置を前記充電器の前記空洞に挿入することと、
カバーを前記開位置から前記閉位置へとスライドさせることと、を含み、
前記閉位置において、前記カバーの前記プロファイル係合部材は、前記エアロゾル発生装置を付勢して前記少なくとも一つの電気接点と係合させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善された閉鎖手段を有するエアロゾル発生物品を受容するための充電器、充電器を含むエアロゾル発生システム、およびエアロゾル発生システムを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的に作動するエアロゾル発生システムは一般に、エアロゾル形成基体およびアトマイザーを備え、アトマイザーは、エアロゾル形成基体内の揮発性化合物を霧状にしてユーザーによる吸入のためのエアロゾルを形成するように動作する。通常、電気的に作動するエアロゾル発生システムはまた、電力をアトマイザーに供給するための電力供給源を含むエアロゾル発生装置も備える。アトマイザーは、電気的に作動する加熱手段、例えば電気ヒーターとし得る。
【0003】
一部のシステムでは、エアロゾル発生装置は、固体エアロゾル形成基体、例えば均質化したたばこを含む基体を含む、エアロゾル発生物品を受けるように構成される。これらのシステムにおいて、装置は典型的にアトマイザーを備え、アトマイザーは、物品が装置とアトマイザーに接続される再充電可能電池の形態である電源とに受容される時に、エアロゾル形成基体を加熱するように配設されている。
【0004】
一部の電気的に作動するエアロゾル発生システムは、使用中でない時にエアロゾル発生装置を取り外し可能に受容し、再充電するための、別個の充電器を備える。典型的には、エアロゾル発生装置は頻繁に使用される。例えば、エアロゾル発生装置は、一日に数回使用されうる。したがって、ユーザーは、一日を通して頻繁に、エアロゾル発生装置を充電器に挿入して取り外す。
【0005】
一部のエアロゾル発生システムでは、充電器はカバーをさらに含む。カバーは、エアロゾル発生装置が充電器によって受容され得る開位置、およびエアロゾル発生装置が埃から保護される閉位置から移動可能であってもよい。
【0006】
充電器は通常、電気接点を備える。エアロゾル発生装置もまた、通常、電気接点を備える。充電器内に受容されたエアロゾル発生装置が再充電されるために、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が充電器内に受容された時に、エアロゾル発生装置の電気接点が充電器の電気接点と電気的に接続されるように、充電器内に配置されるべきである。閉位置では、カバーはまた、ユーザーが充電器内のエアロゾル発生装置の位置を変更することを防止する。しかし、充電器が特定の配向で格納される場合、または装置のユーザーによって落下される場合、電気的接続は一貫して維持されないことがある。エアロゾル発生装置が充電器内に受容されている間に電気的接続が一貫して維持されない場合、エアロゾル発生装置は適切に再充電されない場合がある。このリスクは、エアロゾル発生システムが携帯式のシステムである場合に特に高い。さらに、カバーが意図せずに、閉位置から開位置へと押し出されるリスクがある。
【0007】
さらに、多くのエアロゾル発生システムでは、カバーは、開位置において、典型的には損傷するリスクがある。これは、カバーが開位置にある時に充電器から突出する場合に特に当てはまる。例えば、カバーは、回転軸の周りで移動可能であってもよく、閉位置では、カバーは、充電器の表面に実質的に平行であり、かつ隣接している。回転軸の周りを回転させた場合、カバーは開位置で、充電器の表面に実質的に垂直である。充電器がこのような方法で垂直に突出すると、カバーが損傷するリスクがある。
【0008】
充電器と、充電器内に受容されるエアロゾル発生装置との間の電気的接続を確保することによって、信頼性のある効率的な充電を可能にする充電器を提供することが望ましい。エアロゾル発生システムの使用頻度を考慮すると、装置のユーザーによって迅速かつ簡単に操作可能な充電器を提供することが望ましい。また、堅牢なカバーを備えた充電器を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
本開示では、エアロゾル発生装置を充電するための充電器が提供されている。充電器は、ハウジングを含み得る。ハウジングは、充電されるエアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定し得る。空洞は開口部を有してもよい。少なくとも一つの電気接点が、空洞内に位置してもよい。充電器はまた、カバーを含んでもよい。カバーは、開口部に対して、開位置と閉位置との間でスライド可能であってもよい。カバーの内表面は、カバーが閉位置にある時、空洞に面してもよい。カバーの内表面の少なくとも一部分は、プロファイル係合部材を画定しうる。プロファイル係合部材は、前縁および後縁を有してもよい。プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時、空洞の中へ、または空洞に向かって傾斜してもよい。傾斜は、プロファイル係合部材の前縁から後縁へ向かう方向に増加してもよい。
【0010】
一例では、エアロゾル発生装置を充電するための充電器は、充電されるエアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定するハウジングであって、空洞は開口部を有し、少なくとも一つの電気接点が空洞内に位置する、ハウジングと、開位置と閉位置との間で開口部に対してスライド可能なカバーであって、カバーが閉位置にある時には、カバーの内表面は空洞に面する、スライド可能なカバーと、を含み、カバーの内表面の少なくとも一部分は、前縁および後縁を有するプロファイル係合部材を画定し、プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時には、空洞内へ、または空洞に向かって傾斜し、傾斜は、プロファイル係合部材の前縁から後縁へと向かう方向に増加する。
【0011】
カバーが開位置にある時、エアロゾル発生装置は、空洞内の充電器によって受容され得る。カバーが閉位置にある時、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置は、周囲の埃および汚れから保護される。閉位置では、カバーはまた、ユーザーが充電器内のエアロゾル発生装置の位置を変更することを防止する。充電器の少なくとも一つの電気接点と、充電器内に受容されるエアロゾル発生装置との間の電気的接触が確保される。こうした充電器は、有利には、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の、信頼性が高く効率的な充電を可能にする。さらに、スライド可能なカバーは、有利には堅牢である。
【0012】
カバーが閉位置にある時、空洞内へ、または空洞に向かって傾斜しているプロファイル係合部材は、有利には、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の係合を可能にする。エアロゾル発生装置を係合することによって、プロファイル係合部材は、有利には、エアロゾル発生装置を空洞内の所定の位置に保持する。所定の位置では、エアロゾル発生装置は、充電器と電気的に接続してもよい。プロファイル係合部材のエアロゾル発生装置との係合は、有利には、充電器の配向に関係なく、また、例えば充電器が落下した場合など、充電器に突然の力が加わる場合に、エアロゾル発生装置と充電器との間の電気的接続を確実なものにし得る。
【0013】
エアロゾル発生装置と充電器との間の電気的接続は、エアロゾル発生装置が空洞内に位置する少なくとも一つの電気接点と接触した状態で保持される時に達成され得る。特に、電気的連通は、エアロゾル発生装置上の少なくとも一つの電気接点が、空洞内に位置する少なくとも一つの電気接点と接触した状態で保持される時に達成され得る。
【0014】
本明細書で使用される場合、用語「プロファイル係合部材」は、カバーが閉位置にある時にエアロゾル発生装置の表面と接触することによって、充電器の空洞内に受容されたエアロゾル発生装置の表面と係合するように構成される、カバーの内表面の一部分に関する。プロファイル係合部分は、カバーのいずれかの中間位置(すなわち、開位置と閉位置との間の位置)でエアロゾル発生装置を係合し、カバーが中間位置から閉位置へとスライドする時に、エアロゾル発生装置と係合したままであってもよい。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「カバーの内表面」は、充電器のハウジングに面するカバーの表面を意味する。カバーが閉位置にある時、この内表面は、充電器のハウジング内に画定される空洞に面する。
【0016】
プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時に、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置を付勢して、少なくとも一つの電気接点と係合させるように構成され得る。これにより、有利には、エアロゾル発生装置と充電器との間の電気的連通が保持されることを確実にする。エアロゾル発生装置を付勢し、充電器の少なくとも一つの電気接点と接触させることによって、少なくとも一つの接点とエアロゾル発生装置との間の電気抵抗を著しく減少させ得る。これにより、エアロゾル発生装置の効率的な充電を確保し得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、用語「付勢する(urges)」または「付勢すること(urging)」とは、一つの構成要素によって別の構成要素に力が加えられることを意味する。
【0018】
プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時、空洞内に、または空洞に向かって突出してもよい。プロファイル係合部材の突出は、プロファイル係合部材の前縁から後縁へと向かう方向に増加してもよい。これは、プロファイル係合部材の傾斜が、前縁から後縁にかけて、空洞内へ、または空洞に向かって増加することによるものである。
【0019】
好ましくは、前縁は、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置と係合するのに十分であるほどに、空洞内へ、または空洞に向かって延在しなくてもよい。したがって、カバーが開位置から閉位置へスライドする時、プロファイル係合部材は、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置と直ちに係合しない。カバーが閉位置に向かってスライドし続けるにつれて、プロファイル係合部分は、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置と係合する程度まで、空洞内へ、または空洞に向かって突出してもよく、その後、エアロゾル発生装置を次第に付勢して、少なくとも一つの電気接点と係合させる。この構成は、有利には、プロファイル係合部材のエアロゾル発生装置との円滑な係合をもたらす。
【0020】
カバーを開位置から閉位置へスライドさせることによって、プロファイル係合部材を空洞との重複関係に移動させ得る。この重複関係では、プロファイル係合部材は、有利には、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置と相互作用し、係合することができる。プロファイル係合部材の前縁は、カバーが開位置から閉位置へとスライドするにつれて、最初に空洞との重複関係に移動しうる。
【0021】
プロファイル係合部材の傾斜は、前縁から後縁まで、空洞内へ、または空洞に向かって直線的に増加し得る。別の方法として、傾斜は、非直線的に増加し得る。例えば、傾斜の増加の変化率は、前縁から後縁まで増加し得る。こうしたカバーの、空洞内または空洞へ向かう増加する突出は、最初は緩やかでもよく、その後、カバーが開位置からスライドするにつれてより急速に増加してもよい。非直線的な傾斜は、傾斜の増加率が低いうちに、プロファイル係合部材の円滑な係合をもたらすよう構成されてもよい。係合後、エアロゾル発生装置は、空洞内に急速に付勢され、電気的接続を確保し得る。このように、プロファイル係合部分の傾斜の非直線的な増加は、開位置から閉位置へのカバーの移動に必要な距離を減少させ得る。
【0022】
全体を通して、カバーが開位置から閉位置へとスライド可能であることが言及されているが、カバーは同様に閉位置から開位置へとスライド可能である。
【0023】
充電器の少なくとも一つの電気接点は、弾性要素であることが好ましい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「弾性要素」という用語は、かけられた力によって変形または湾曲しうるが、かけられた力が除去された後で、その元の位置または状態に戻る能力がある要素に関連する。弾性要素に向かって移動する構成要素によってかけられた力によって弾性要素が変形または湾曲した時、弾性要素はその構成要素を弾性要素から離れるように移動させる反力を発生する。弾性要素の例としては、螺旋ばねおよび片持ちばねが挙げられる。
【0025】
少なくとも一つの電気接点は、カバーが閉位置にある時に、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置に対して空洞開口部の方向に力を加えるように構成された、弾性要素であってもよい。カバーが閉位置にある時、弾性要素によって加えられる力は有利に、エアロゾル発生装置をカバーに対して、特にカバーのプロファイル係合部材に対して付勢する。カバーが閉位置にある時、これは有利には、エアロゾル発生装置と充電器との間の電気的連通を確実にする。
【0026】
充電器は、エアロゾル発生装置リリース機構を備えてもよい。エアロゾル発生装置リリース機構は、空洞内に位置してもよい。エアロゾル発生装置リリース機構は、弾性要素を備えてもよい。エアロゾル発生装置リリース機構は、カバーが閉位置にある時に、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置を空洞開口部の方向に付勢するように構成され得る。エアロゾル発生装置リリース機構は、カバーが開位置にある時に、エアロゾル発生装置を付勢して少なくとも部分的に空洞から出すように構成され得る。エアロゾル発生装置を付勢して空洞から出すことによって、装置のユーザーは、より簡単にエアロゾル発生装置を充電器から取り外すことができる。
【0027】
これは、ユーザーが把持することのできるエアロゾル発生装置の領域が提供され得るためである。装置のユーザーは、この領域をつかみ、相互作用することができる。
【0028】
エアロゾル発生リリース機構は、充電器の空洞内に位置する螺旋ばねまたは片持ちばねの形態である、弾性要素であってもよい。
【0029】
充電装置は、一次電源を備え得る。一次電源は、充電器の少なくとも一つの電気接点に電気的に結合可能であってもよい。エアロゾル発生装置は、二次電源を備え得る。二次電源は、エアロゾル発生装置の少なくとも一つの電気接点に電気的に結合可能であってもよい。
【0030】
一次電源および二次電源は、任意の適切なタイプの電力供給源を含み得る。一次電源および二次電源は、電池およびコンデンサーのうち一つ以上を含み得る。一次電源および二次電源はリチウムイオン電池を含み得る。一次電源および二次電源は、再充電可能な電力供給源であり得る。一次電源および二次電源は同一であってもよい。一次電源および二次電源は異なっていてもよい。一次電源は、エアロゾル発生装置の二次電源よりも大きなサイズを有しえる。充電器およびエアロゾル発生装置が電気的に接続されている時、これは、一次電源と第二の電源との間の電気的連通を可能にし得る。一次電源と二次電源との間の電気的連通によって、一次電源を使用して二次電源を再充電することが可能となり得る。したがって、プロファイル係合部材がエアロゾル発生装置と充電器との間の接続を確保することは、有利には、エアロゾル発生装置が充電器内に受容されカバーが閉位置にある時に、一次電源が二次電源を再充電することを確実にする。
【0031】
充電器の空洞は、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の寸法に実質的に対応する寸法を有してもよい。空洞は、開口部から閉端部まで延びる、細長い空洞であることが好ましい。空洞の、その開口部からその閉端部までの長さは、好ましくは、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の長さと実質的に類似する。充電器の空洞内に受容されるエアロゾル発生装置は、空洞内に受容された時、空洞の開口部の外または上方に延在し得る。空洞の外または上方へのこの延在は、充電器の少なくとも一つの電気接点がエアロゾル発生装置を空洞の外へと付勢することによるものであり得る。
【0032】
プロファイル係合部材は、カム面であってもよい。空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の表面は、カムライダーであってもよい。特に、エアロゾル発生装置の上面は、カムライダーであってもよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「カム面」は、第二の構成要素の一部分に接触するように構成された第一の構成要素の表面を指す。本明細書で使用される場合、用語「カムライダー」は、カム面に接触するように構成された第二の構成要素の一部分を指す。カム面およびカムライダーは、第一の構成要素の運動が、カム面とカムライダーとの間の接触を通して第二の構成要素に移動するように構成される。典型的には、カム面は、カムライダーを通過する。
【0034】
カム面としてのプロファイル係合部材は、カムライダーとしてのエアロゾル発生装置に、カバーのスライド運動を移動するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、カバーが開位置から閉位置へ移動するにつれて、プロファイル係合部材の傾斜に追従する、またはそれに運ばれてもよい。プロファイル係合部材が空洞内、または空洞に向かって傾斜するにつれて、エアロゾル発生装置は、カバーが開位置から閉位置へ移動する時に空洞に向かう方向へと押し入れられる。これは有利には、エアロゾル発生装置を空洞内の電気接点に対して付勢する。
【0035】
エアロゾル発生装置は、プロファイル係合部材がそのエアロゾル発生装置と係合した後にのみ、プロファイル係合部材によって運ばれ得る。
【0036】
カバーは、開位置と閉位置との間でスライドする際、スライド平面内で移動し得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「スライド平面」は、カバーが閉位置、開位置、または閉位置と開位置との間の中間位置にある時に、カバーの位置する平面を指す。デカルト座標系でx方向およびy方向が定義されるスライド平面。カバーは、x方向およびy方向に実質的に延在してもよい。カバーは、x軸に沿った方向でスライド可能であってもよい。言い換えれば、カバーは一直線上にスライド可能であってもよい。
【0038】
プロファイル係合部材の傾斜の方向は、スライド平面から外れてもよい。プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時、空洞に向かってスライド平面から外れて傾斜してもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「スライド平面から外れる」とは、プロファイル係合部材の傾斜の非ゼロ成分が、スライド平面によって定義されるx方向およびy方向の両方に直交する方向にあることを意味する。言い換えれば、プロファイル係合部材の傾斜の非ゼロ成分は、スライド平面によって定義されるデカルト座標系においてz方向にある。
【0040】
空洞は、長軸方向軸を画定してもよい。長軸方向軸は、エアロゾル発生装置を空洞へ挿入する方向と平行であってもよい。長軸方向軸は、上記で定義されるz方向と平行であってもよい。したがって、空洞内へ、または空洞に向かって傾斜するプロファイル係合部材は、z軸に向かって傾斜する。
【0041】
カバーは、スライド平面に実質的に平行に延在する外表面を含み得る。外表面は、カバーの内表面と対向する側面上に位置付けられてもよい。カバーの内表面は、カバーが閉位置にある時に空洞内または空洞に向かって傾斜しない部分を備えてもよい。カバーの内表面のこの部分は、スライド平面に実質的に平行に延在し得る。カバーの内表面のこの部分は、カバーの外表面に実質的に平行に延在し得る。
【0042】
充電器のハウジングは、前部壁、後部壁、底部壁、上部壁、第一の側壁および第二の側壁を含み得る。充電器のハウジングは、平行六面体の形状を有してもよい。
【0043】
「前方」、「後方」、「上」、「下」、「側」、「上部」、「底部」、「左」、「右」という用語、および充電器とエアロゾル発生装置の構成要素の相対的位置を描写するために使用されるその他の用語は、空洞の開口部が上部端でエアロゾル発生装置を受けるように構成されている直立位置にある充電器のことを意味する。空洞は、上部端内で形成されてもよい。上述したスライド平面は、上部端と実質的に平行であってもよい。カバーは、上部端に対して左から右にスライドしてもよい。「長軸方向」という用語は、底部から上部への方向またはその逆の方向を指す。
【0044】
スライド可能なカバーは有利に堅牢である。スライド可能なカバーは、充電器のハウジング内に形成されたレールに取り付けられてもよい。レールは、充電器の上面に平行に延在してもよい。カバーは、レールに嵌合されてもよい。
【0045】
充電器のハウジングは、カバーがその上でスライド可能な面を備えてもよい。カバーを開位置から閉位置へスライドさせる時、カバーの内表面はハウジングの面を超えてスライドしなくてもよい。カバーは、開位置にある時に装置から突出しなくてもよく、そのため、カバーが損傷するリスクを増大させる位置がない。ハウジングの面は、上述したスライド平面と実質的に平行な平面にあってもよい。こうした配置は、有利に堅牢である。
【0046】
充電器は、作動部材を含んでもよい。充電器は、充電器のユーザーによる作動部材の操作に応答して、カバーを開位置から閉位置へとスライドさせる手段を含んでもよい。カバーを操作する作動部材を提供することにより、充電器を開閉するプロセスが簡略化され、ユーザーにとってより快適なものとなる。例えば、充電器ハウジング上の作動部材は、有利には、充電器を片手で保持しているユーザーが、その同じ手を使用して作動部材を操作することができるように位置付けられてもよい。これは、カバー自体を移動させるよりも快適である場合がある。作動部材は、充電器ハウジングの前側面上に位置付けられてもよい。
【0047】
作動部材は、スライダであってもよい。カバーをスライドさせる手段は、スライダとカバーとの間の機械的リンケージであってもよい。機械的リンケージは、スライダの運動をカバーに直接伝達しうる。機械的リンケージは、スライダをカバーに直接接続する剛直なシャフトであってもよい。
【0048】
代替的には、作動部材は、ボタンまたはスイッチであってもよい。カバーをスライドさせるための手段は、アクチュエータと、アクチュエータとカバーとの間の機械的リンケージとを含み得る。作動部材は、充電器のユーザーによる作動部材の操作に応答して、アクチュエータに電気信号を送信するように構成されてもよい。アクチュエータは、カバーを開位置から閉位置へ移動させるように構成されたリニアアクチュエータであってもよい。
【0049】
カバーをスライドさせるための手段は、充電器のユーザーが作動部材を操作することなくカバーが閉位置から開位置にスライド可能になるのを防止するように構成された、ロック機構を備えてもよい。ロック機構は、例えば、充電器がユーザーのポケットに格納されている場合などに、ユーザーが誤ってカバーを閉位置から開位置に押しやることを有利に防止する。
【0050】
ロック機構は、カバーが閉位置にある時にカバーを係合してカバーがスライド可能になるのを防止するように、および充電器のユーザーによる作動部材の操作に応答してカバーを係合解除するように構成される、ロックピンを備えてもよい。ロックピンは、カバーをスライドさせるための手段がカバーを閉位置から開位置へ移動させる時に、カバーを係合解除し得る。カバーをスライドさせるための手段は、ロックピンを係合解除するカムを最初に移動させてもよい。作動部材によって操作されるロックピンは、有利には、ユーザーがカバーのロックを解除することと、カバーをスライドさせることとの両方を、一つの動作で行うことを可能にする。
【0051】
カバーは、閉位置に向かって付勢されてもよい。カバーは、ばねの第一の端部でカバーに、およびばねの第二の端部で充電器のハウジングに取り付けられたばねによって、閉位置に付勢され得る。カバーが閉位置に付勢されることは、有利には、カバーの位置が閉位置に向かって付勢されることを意味する。カバーが開位置にある時はいつでも、ユーザーが作動要素を操作する必要なく、付勢力によってカバーを付勢して閉位置に戻すことができる。これにより、有利には、ユーザーが不注意によりカバーを開位置に放置することを防止する。また有利には、例えば、充電器がユーザーのポケットに格納されている時に、カバーが不注意により強制的に開けられる場合、カバーが自動的に再び閉じることを意味する。
【0052】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する装置を意味する。特定の実施形態では、エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して揮発性化合物の放出を促進し得る。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品、またはエアロゾル形成基体を含むカートリッジと相互作用し得る。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル形成基体」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。本明細書に記載のエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、可視または不可視であってもよく、またベイパー(蒸気)(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態にある物質の微粒子)ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。
【0054】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。
【0055】
エアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことがより好ましい。
【0056】
別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は、たばこ非含有エアロゾル形成材料を含んでもよい。
【0057】
エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち一つまたは複数を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートのうち一つまたは複数を含みうる。
【0058】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよく、それらは固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこ揮発性風味化合物または非たばこ揮発性風味化合物を含む一つ以上のカプセルを含有してもよく、このようなカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶融してもよい。
【0059】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートの形態を取ってもよい。固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。
【0060】
固体エアロゾル形成基体は、担体の表面全体の上に堆積されてもよく、代替的に、使用中に不均一な風味送達を提供するために、あるパターンで堆積されてもよい。
【0061】
エアロゾル形成基体が液体である場合、エアロゾル発生物品またはカートリッジは、液体基体を保持するための手段を備え得る。エアロゾル形成基体は別の方法として、その他任意の種類の基体、例えば、ガス基体、ゲル基体、または様々な基体タイプの任意の組み合わせとし得る。
【0062】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0063】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル形成体」は、使用時にエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明するために使用される。
【0064】
適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0065】
好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリン)またはその混合物である。
【0066】
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。
【0067】
エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準でおよそ5%~およそ30%のエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
【0068】
好ましい一実施形態において、エアロゾル形成基体は乾燥重量基準でおよそ20%のエアロゾル形成体の含有量を有する。
【0069】
本開示では、充電器およびエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムもまた提供され、充電器は、エアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定するハウジングであって、空洞は開口部を有するハウジングと、空洞内に位置する少なくとも一つの電気接点と、開位置と閉位置との間で開口部に対してスライド可能なカバーであって、カバーが閉位置にある時には、カバーの内表面は空洞に面する、スライド可能なカバーと、を含み、カバーの内表面の少なくとも一部分が、前縁および後縁を有するプロファイル係合部材を画定し、プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時には、空洞内へ、または空洞に向かって傾斜し、傾斜は、プロファイル係合部材の前縁から後縁に向かう方向に増加し、エアロゾル発生装置が空洞内に受容される時、カバーが閉位置にある場合には、プロファイル係合部材がエアロゾル発生装置を付勢して少なくとも一つの電気接点と係合させるように構成される。
【0070】
上述の充電器の特徴は、エアロゾル発生システムの充電器に適用され得る。
【0071】
充電器のカバーが開位置にある時、エアロゾル発生装置は、空洞内の充電器によって受容され得る。カバーが閉位置にある時、エアロゾル発生装置は、周囲の埃および汚れから保護される。閉位置では、カバーはまた、ユーザーが充電器内のエアロゾル発生装置の位置を変化させることを防止し、充電器の少なくとも一つの電気接点とエアロゾル発生装置との間の電気的接触を確保する。こうした充電器は、有利には、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の、信頼性が高く効率的な充電を可能にする。
【0072】
エアロゾル発生装置を付勢して少なくとも一つの電気接点と係合させることは、エアロゾル発生装置と充電器との間の電気的連通が保持されることを確実にする。
【0073】
充電器の少なくとも一つの電気接点は、弾性要素とし得る。弾性要素は、カバーが閉位置にある時、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置に、空洞開口部の方向に力を加えるように構成され得る。
【0074】
充電器は、エアロゾル発生装置リリース機構を備えてもよい。エアロゾル発生装置リリース機構は、空洞内に位置してもよい。エアロゾル発生装置リリース機構は、弾性要素を備えてもよい。
【0075】
カバーを開位置から閉位置へスライドさせることによって、プロファイル係合部材を空洞との重複関係に移動させ得る。
【0076】
プロファイル係合部材の前縁は、カバーが開位置から閉位置へとスライドするにつれて、最初に空洞と重複する関係に移動し得る。
【0077】
充電装置は、一次電源を備え得る。一次電源は、充電器の少なくとも一つの電気接点に電気的に結合可能であってもよい。エアロゾル発生装置は、二次電源を備え得る。二次電源は、エアロゾル発生装置の少なくとも一つの電気接点に電気的に結合可能であってもよい。一次電源と二次電源との間の電気的連通によって、一次電源を使用して二次電源を再充電することが可能となり得る。したがって、プロファイル係合部材がエアロゾル発生装置と充電器との間の接続を確保することは、有利には、エアロゾル発生装置が充電器内に受容されカバーが閉位置にある時に、一次電源が二次電源を再充電することを確実にする。
【0078】
充電器の空洞は、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の寸法に実質的に対応する寸法を有してもよい。空洞の、その開口部からその閉端部までの長さは、好ましくは、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の長さと実質的に類似する。
【0079】
プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時、空洞内に、または空洞に向かって突出してもよい。
【0080】
プロファイル係合部材は、カム面であってもよく、空洞内に受容されるエアロゾル発生装置の表面は、カムライダーであってもよい。
【0081】
カバーは、開位置と閉位置との間でスライドする際、スライド平面内で移動し得る。
【0082】
充電器は、作動部材を含んでもよい。充電器は、充電器のユーザーによる作動部材の操作に応答して、カバーを開位置から閉位置へとスライドさせる手段を含んでもよい。
【0083】
作動部材は、スライダであってもよい。カバーをスライドさせる手段は、スライダとカバーとの間の機械的リンケージであってもよい。
【0084】
代替的には、作動部材は、ボタンまたはスイッチであってもよい。カバーをスライドさせる手段は、アクチュエータと、アクチュエータとカバーとの間の機械的リンケージとを含む。
【0085】
カバーは、閉位置に向かって付勢されてもよい。カバーは、ばねの第一の端部でカバーに、およびばねの第二の端部で充電器のハウジングに取り付けられたばねによって、閉位置に付勢され得る。
【0086】
本開示では、充電器およびエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムを使用する方法が提供され、充電器は、エアロゾル発生装置を受容するための空洞を画定するハウジングであって、空洞が開口部を有するハウジングと、空洞内に位置する少なくとも一つの電気接点と、および、開位置と閉位置との間で開口部に対してスライド可能なカバーであって、カバーが閉位置にある時に、カバーの内表面が空洞に面するスライド可能なカバーと、を備え、
【0087】
カバーの内表面の少なくとも一部分は、前縁および後縁を有するプロファイル係合部材を画定し、プロファイル係合部材は、カバーが閉位置にある時、空洞内へ、または空洞に向かって傾斜し、傾斜は、プロファイル係合部材の前縁から後縁へと向かう方向に増加し、方法は、
【0088】
カバーが開位置にある時、エアロゾル発生装置を充電器の空洞内に挿入することと、カバーを開位置から閉位置へとスライドさせることと、を含み、
【0089】
閉位置において、カバーのプロファイル係合部材は、エアロゾル発生装置を付勢して少なくとも一つの電気接点と係合させる。
【0090】
方法は、エアロゾル発生装置を空洞に挿入する前に、カバーを閉位置から開位置へとスライドさせるステップを含み得る。
【0091】
エアロゾル発生装置が空洞内に受容され、カバーが閉位置にある間、充電器はエアロゾル発生装置を充電してもよい。充電器内のコントローラは、充電器の一次電源を、充電器の少なくとも一つの電気接点と結合させてもよい。少なくとも一つの電気接点と係合しているエアロゾル発生装置は、少なくとも一つの電気接点と、例えばエアロゾル発生装置上の少なくとも一つの電気接点を介して、電気的に連通してもよい。したがって、エアロゾル発生装置内に位置する二次電源は、充電器の一次電源によって充電されてもよい。エアロゾル発生装置の充電は、充電器のコントローラによって制御されてもよい。
【0092】
方法はまた、ユーザーが、充電器内に受容されたエアロゾル発生装置を使用したい時に、カバーを閉位置から開位置へとスライドさせるステップを含んでもよい。
【0093】
充電器は、エアロゾル発生装置リリース機構を備えてもよい。カバーが開位置にスライドする時、エアロゾル発生装置リリース機構は、エアロゾル発生装置を充電器の空洞から外へ付勢してもよい。これは有利には、エアロゾル発生装置の一部分を付勢して空洞から出し得る。エアロゾル発生システムのユーザーは、この部分を使用して、エアロゾル発生装置を空洞から引き出してもよい。
【0094】
カバーを開位置から閉位置へ(またはその逆)スライドさせる工程は、ユーザーが充電器のカバーを直接操作することを含んでもよい。代替的に、充電器は、スライダ、スイッチ、またはボタンの形態の作動部材を備えてもよく、その操作はカバーを操作する。作動部材の操作により、カバーを開位置から閉位置へスライドさせ得る。
【0095】
カバーは、閉位置に向かって付勢されてもよい。エアロゾル発生装置を装置の空洞に挿入する工程は、付勢要素に対する力をカバーに加え、カバーを開位置に保持する工程を含み得る。この力は、ユーザーによってカバー上に直接にかけられてもよい。あるいは、力は、カバーをスライドさせるための手段を介してかけられてもよい。カバーを開位置から閉位置へスライドさせる工程は、カバーが付勢要素により閉位置に自動的に移動するように、カバーを開位置に保持している力を除去することを含み得る。
【0096】
一実施例または一実施形態に関して説明される特徴はまた、その他の態様および実施形態にも適用できる場合がある。例えば、上記のエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生システムに関して記述される特徴はまた、上記のエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生システムを使用する方法と併せて使用されてもよい。
【0097】
具体的な実施形態について、ここで図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】
図1は、エアロゾル発生物品、エアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置を充電するための充電装置を含む、既知の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明による、開位置と閉位置との間でスライド可能なカバーを備える充電器の斜視図を示す。
図2aは、開位置にあるカバーを示す。
図2bは、閉位置にあるカバーを示す。
【
図3】
図3は、充電器の空洞内に受容されたエアロゾル発生装置を有する、
図2の充電器の断面概略図を示す。
図3aは、開位置にあるカバーを示す。
図3bは、閉位置にあるカバーを示す。
図3cは、開位置と閉位置との間の中間位置にあるカバーを示す。
【
図4】
図4は、
図2に示すものと類似した充電器の実施形態の斜視図を示す。
図4の実施形態では、充電器は、スライダの形態である作動部材をさらに含む。
図4aは、開位置にあるカバーを示す。
図4bは、閉位置にあるカバーを示す。
【
図5】
図5は、
図4の充電器の断面概略図を示し、スライダとカバーとの間の機械的リンケージを示す。
図5では、エアロゾル発生装置は、充電器の空洞内に受容されている。
図5aは、開位置にあるカバーを示す。
図5bは、閉位置にあるカバーを示す。
【
図6】
図6は、カバーを開位置から閉位置へと移動させるためにリニアアクチュエータが使用される、充電器の別の実施形態の断面概略図を示す。
図6aは、開位置にあるカバーを示す。
図6bは、閉位置にあるカバーを示す。
【
図7】
図7は、
図2および4に示すものと類似した充電器の実施形態の斜視図を示す。
図7に示す実施形態では、充電器は、カバーを閉位置に付勢するように構成される付勢要素をさらに含む。
図7aは、開位置にあるカバーを示す。
図7bは、閉位置にあるカバーを示す。
【
図8】
図8は、エアロゾル発生装置リリース機構を含む充電器の断面概略図を示し、カバーは開位置において示されている。
【
図9】
図9は、充電器およびエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムを使用する方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0099】
図1は、既知の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。既知の電気的に作動するエアロゾル発生システムは、充電器1、エアロゾル発生装置20およびエアロゾル発生物品30を備える。
【0100】
充電器1は、従来的な紙巻たばこのパケットの一般的なサイズおよび形状を有するハウジング2を含む。リチウムイオン電池3および電気回路4は、充電器1内に収容される。充電器1は、エアロゾル発生装置20を受けるための概して環状の円筒形の空洞5をさらに含む。空洞5はハウジング2によって画定される。電気接点(図示せず)は、空洞5に受けられたエアロゾル発生装置を充電装置1の電池3に電気的に接続するために、空洞5の閉端部に配置される。
【0101】
エアロゾル発生装置20は実質的に環状の円筒形であり、従来型の葉巻たばこの一般的な寸法を有する。装置20の長さは空洞5の長さと実質的に同一であり、装置20の直径は空洞5の直径よりわずかに小さく、その結果、装置20は空洞5に厳密に嵌合する。エアロゾル発生装置20は、エアロゾル発生物品を受けるための開口する空洞21を近位端に含む。エアロゾル発生装置20は、装置のハウジングに収容された電池(図示せず)と、エアロゾル発生物品30が空洞21に受けられる時にエアロゾル発生物品30の少なくとも一部を加熱するための、空洞21内に配置された電気ヒーター(図示せず)とをさらに含む。
【0102】
エアロゾル発生物品30は、捲縮したたばこシートの集合体を含むエアロゾル形成基体(図示せず)と、エアロゾル形成基体と背中合わせに配置されたロッドの形態のフィルター(図示せず)とを含む。エアロゾル発生物品30は、装置20の空洞21の直径と実質的に等しい直径と空洞21よりも長い長さを有し、その結果、物品30が装置20の空洞21に受けられる時、従来的な紙巻きたばこと同様に、フィルターが空洞21から外側に延び、ユーザーにより吸入され得る。
【0103】
使用時、ユーザーは物品30を装置20の空洞21内に挿入し、装置20をオンして電気ヒーターを起動する。電気ヒーターは、エアロゾル形成基体の揮発性化合物が放出され、霧状にされてエアロゾルを形成するように、物品30のエアロゾル形成基体を加熱する。ユーザーは、物品30のマウスピースを吸い、加熱されたエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルを吸入する。装置20の使用後、物品30は廃棄のために装置20から取り外されてもよく、装置20は保管のため、および装置20の電池の充電のために、充電器1内に配置されてもよい。
【0104】
図2は、本発明による充電器100の斜視図を示す。充電器100は、充電器ハウジング102およびカバー110を備える。充電器ハウジング102は、平行六面体の形状を有する。充電器ハウジング102内には、エアロゾル発生装置を受容するための空洞120が画定される。空洞120は、空洞壁122と、充電器ハウジング102の上面104に画定される空洞開口部124とを含む。充電器はまた、空洞内に位置する二つの電気接点(
図2に図示せず)と、再充電可能電池の形態である電源(図示せず)とを含む。再充電可能電池は、空洞内に位置する電気接点に結合可能である。
【0105】
充電器ハウジング102は、空洞120のいずれかの側に位置する、充電器ハウジング102の上面104のわずかに上方に延在するレール112を画定する。カバー110は、カバーがレール112に沿ってスライド可能であるように、レール112に取り付けられる。レールのいずれかの端部にあるストッパー(図示せず)は、カバー110がレール112の端部を超えてスライドすることを防止するので、カバー110が充電器ハウジング102の上面104を超えてスライドすることを防止する。
図1に見られるように、カバー110は、カバーの開位置または閉位置のいずれにおいても、上面を超えて突出しない。
【0106】
カバー110は、
図2aに示される開位置と
図2bに示される閉位置との間でスライド可能である。開位置では、空洞120は、エアロゾル発生装置が空洞120内で充電器100によって受容され得るようにアクセス可能である。閉位置では、カバー100は、空洞開口部124に面することによって空洞120を閉鎖する。空洞を閉じることは、空洞120を埃から保護し、ユーザーが充電器100の空洞120内に受容されたエアロゾル発生装置の位置を変更することを防止する。充電器ハウジング102は、受容されたエアロゾル発生装置のケースとして機能し、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置を保護する。また、カバー110は、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置と、空洞120内に位置する充電器の電気接点(
図2には図示せず)との間の電気的接触を確保するように機能する。これは、
図3に関連させて以下でより詳細に説明される。
【0107】
図3は、空洞120内に受容されたエアロゾル発生装置300を有する、充電器100の断面図を示す。
図3aは、開位置にあるカバー110を示し、
図3bは、閉位置にあるカバー110を示す。カバー110は、内表面310を備え、その一部分がプロファイル係合部材312を画定する。プロファイル係合部材312は、前縁314および後縁316を含む。
図3bに示すように、プロファイル係合部材312は、カバーが閉位置にある時、空洞に向かって傾斜する。プロファイル係合部材312の傾斜は、前縁314から後縁316へと向かう方向に増加する。
【0108】
エアロゾル発生装置は、二つの電気接点302、303を含む。エアロゾル発生装置はまた、再充電可能電池の形態である電源(図示せず)を備える。エアロゾル発生装置の再充電可能電池は、二つの電気接点302および303と電気的に結合可能である。
【0109】
二つの電気接点304および305は、充電器の空洞内に位置する。エアロゾル発生装置の電気接点302および303は、エアロゾル発生装置が空洞内に受容されるとき、充電器の接点304および305と位置合わせされる。充電器の電気接点とエアロゾル発生装置の電気接点との間の電気的接続がある場合、充電器の再充電可能電池を使用して、エアロゾル発生装置の再充電可能電池を再充電することができる。再充電可能電池を確実に充電するためには、電気的接続は一定でなければならない。
【0110】
電気接点304および305は、片持ちばねの形態の弾性要素である。
【0111】
図3aに示すように、電気接点は、空洞の閉端部から空洞開口部の方向に、上方に延在する。カバー110が開いている場合、充電器が直立している限り、エアロゾル発生装置300は電気接点304および305上に載置される。エアロゾル発生装置300は、空洞の長さ(空洞の閉端部から空洞開口部まで)と実質的に同じ長さを有する。しかしながら、電気接点304および305が上方へと延伸しているがために、空洞内に受容され、電気接点304および305上に載置されたエアロゾル発生装置は、カバーが開位置にある時には、空洞322の開口部の位置よりも上に延在する。
【0112】
カバーが開位置にある時、電気接点302と304および303と305との間の電気的連通は確保されず、したがって一定でない場合がある。例えば、充電器100が直立位置で格納されない場合、または揺動または落下される場合、充電器の電気接点と装置の電気接点との間の電気的連通は維持されない可能性が高い。
【0113】
カバー110が閉位置にある時、電気接点302と304および303と305との間の電気的連通が確保される。これは、閉位置では、カバー110のプロファイル係合部材312が、空洞120内に受容されたエアロゾル発生装置300の上面322と係合するためである。係合は、例えば、充電器が落下した場合など、充電器の配向および充電器に加えられる任意の突然の力に関係なく、エアロゾル発生装置300が充電器の電気接点304および305と電気的に連通することを確実にする。言い換えれば、係合は、充電器の電気接点302および303と、エアロゾル発生装置の電気接点304および305との間の接触が維持されることを確実にする。
【0114】
電気的連通が確保されるのは、カバーが閉位置にある時に、プロファイル係合部材312が、エアロゾル発生装置を充電器の接点304および305と係合するように付勢するためである。プロファイル係合部材312は、エアロゾル発生装置の上面322上に力を加え、空洞内へ、電気接点304および305の方向かつそれらの接点に対して、装置を押し込む。加えられた力は、電気接点304および305を変形させ、エアロゾル発生装置300を付勢して電気接点から離れさせようとする反力を生成する(すなわち、エアロゾル発生装置を空洞120から押し戻す反力)。カバーが閉位置にある時、電気接点304および305によって加えられる力は、エアロゾル発生装置をカバーに対して、特にカバーのプロファイル係合部材に対して付勢する。これにより、エアロゾル発生装置300と充電器の電気接点304および305との間の接触が確実になる。
【0115】
図3に示す実施形態では、プロファイル係合部材312は、まず、カバーの中間位置(すなわち、開位置と閉位置との間の位置)で、空洞120内に受容されたエアロゾル発生装置300の上面322と係合するように構成される。この中間位置は、
図3cに示されている。
図2に関連して説明されるように、カバー110は、レール112上の開位置との閉位置との間でスライド可能である。カバーがレール112に沿って閉位置に向かってスライドするにつれて、プロファイル係合部材312は空洞120と重複する関係に移動する。最初に空洞120との重複関係に移動するのは、前縁314である。プロファイル係合部材312の傾斜により、プロファイル係合部材312は、カバーが開位置から閉位置へ移動するにつれて、空洞に向かってますます突出することになる。
図3cに示す中間位置では、プロファイル係合部材312と空洞120との重複関係は、プロファイル係合部材が空洞に向かって十分に突出しており、まずエアロゾル発生装置300の上面322に接触し、係合するようなものとなっている。こうした配置は、プロファイル係合部分とエアロゾル発生装置との間の円滑な係合をもたらす。
【0116】
プロファイル係合部材312およびエアロゾル発生装置300は、
図3cに示す中間位置から
図3bに示す閉位置までカバースライドがする間、係合したままである。プロファイル係合部材312が空洞に向かってますます突出するにつれて、エアロゾル発生装置上に増大する力が加わり、エアロゾル発生装置を電気接点304および305と接触するように付勢する。次いで、電気接点304および305は、その延伸した状態から次第に変形させられるため、エアロゾル発生装置を空洞から押し戻すように付勢しながら、増大する反力を加える。
【0117】
プロファイル係合部材312は、カム面として機能し、エアロゾル発生装置300は、プロファイル係合部分の傾斜に従って、カムライダーとして機能する。プロファイル係合部材312の横断運動は、カバーが開位置から閉位置へとスライドするにつれて、エアロゾル発生装置の空洞内への長軸方向の運動へと移動する。
【0118】
これまで記載した実施形態では、カバー110は、ユーザーがカバーを直接操作する時に、開位置から閉位置へとスライド可能である。
図4は、カバーを直接操作するのではなく、ユーザーが代わりに作動部材を操作する場合における、充電器の実施形態の斜視図を示す。作動部材の操作は、開位置から閉位置へ(またはその逆)、カバーをスライドさせる。
【0119】
図4では、作動部材は、スライダタブ402および充電器ハウジングの細長い開口部404の形態である。スライダタブ402は、スライダタブ402をスライドさせることでカバー110をスライドさせるように、カバー110に連結される。スライダタブ402は、カバーが
図4aに示す開位置にある第一の位置から、カバーが
図4bに示す閉位置にある第二の位置まで、細長い開口部404に沿ってスライドすることができる。
【0120】
図5は、
図4の充電器の断面図を示し、スライダタブ402とカバー110との間のリンケージを示す。
図5aは、開位置にあるカバー110を示す。
図5bは、閉位置にあるカバーを示す。スライダタブ402とカバー110との間のリンケージは、シャフト502を介し、直接的な機械的リンケージである。スライダタブ402が移動すると、これによってカバーが移動する。充電器ハウジングは、中空空間504を画定する。シャフトは、スライダタブ402が操作された時に、この中空空間を通って移動することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、作動部材は、スライダタブと細長い開口部ではなく、ボタンまたはスイッチ(図示せず)である。ボタンまたはスイッチは、充電器ハウジング上に位置付けることができる。ユーザーは、ボタンまたはスイッチを操作し、充電器ハウジング内に位置するアクチュエータを作動させることができる。操作は、ボタンを押すか、またはスイッチを切り替えることによって行うことができる。ボタンを押すか、またはスイッチを切り替えると、コントローラ(図示せず)に信号が送信される。次に、コントローラは、この操作に応答して、カバーを開位置から閉位置へ移動するようにアクチュエータを制御する。
【0122】
図6は、リニアアクチュエータ602の形態であるアクチュエータを備え、かつピストンロッド604を備える充電器の断面図を示す。剛直なシャフト606の形態である直接的な機械的リンケージは、ピストンロッド604をカバー110と接続する。
図6aは、開位置にあるカバーを示す。
図6bは、閉位置にあるカバーを示す。リニアアクチュエータ602は、コントローラを介して、ボタンまたはスイッチから電気信号を受信するように構成される。ユーザーがボタンを押すか、またはスイッチを切り替える時、コントローラはリニアアクチュエータ602に、必要に応じてピストンロッド604を伸張または格納させる。これは、次に、カバーを開位置から閉位置へ、またはその逆へ、移動させる。リニアアクチュエータは、充電器の再充電可能電池(図示せず)に接続される。再充電可能電池は、リニアアクチュエータに電力を供給する。充電器ハウジングは、中空空間608を画定する。剛直なシャフト606は、スライダタブ502が操作された時、この中空空間を通って移動することができる。
【0123】
図7は、ばね702の形態である付勢要素を含む充電器の実施形態を示す。ばね702は、第一の端部704で充電器ハウジング102に取り付けられ、第二の端部706でカバー110に取り付けられる。
図7aは、開位置にある充電器のカバーを示す。カバーが開位置にある時、ばね702は圧縮される。
【0124】
言い換えれば、ばね702は、カバーが開位置にある時に変形する。したがって、ばねは、カバーに力を加え、カバーを閉位置に向けて付勢する。カバーが開位置、または開位置と閉位置との間の中間位置にある場合は常時、カバーは後方に向かって付勢される。これにより、充電器のユーザーが不注意でカバーを開位置にしたままにすることを防ぐ。カバーが誤って強制的に開放された場合、付勢要素は自動的にカバーを再び閉じる。
【0125】
図7bは、閉位置にある充電器のカバーを示す。閉位置では、ばね702は変形していない状態にある。あるいは、ばね702は、カバーが開放状態であるときよりも程度は小さいが、それでも変形され得る。この配設では、カバーが閉位置にある時にも、カバーは閉じたままであるように付勢される。これにより、カバーが誤って開けられることがより困難になる。
【0126】
図8は、エアロゾル発生装置リリース機構を含む充電器の断面概略図を示し、カバーは開位置において示されている。エアロゾル発生装置リリース機構は、電気接点304と305との間の空洞120内に位置する螺旋ばね802である。螺旋ばねは、カバーが開位置にある時、エアロゾル発生装置300を空洞120の外へ(すなわち、空洞開口部124の上方へ)付勢するように構成される。ばね802は、エアロゾル発生装置300の底面804を押す。エアロゾル発生装置を空洞から外に付勢することによって、装置のユーザーはより簡単に、充電器からエアロゾル発生装置を取り出し得る。これは、ユーザーが把持することのできるエアロゾル発生装置の一部分が提供されるためである。
【0127】
カバーが閉位置にある時、ばね802は圧縮され、エアロゾル発生装置は、先述の実施形態に関して記載したように、電気接点304および305に対して押される。しかしながら、装置のユーザーは、カバーを閉じるために、プロファイル係合部材312が空洞開口部と重複する関係へと移動できるよう、エアロゾル発生装置300をカバー110の位置より下に手動で押す必要がある。
【0128】
図9は、本開示によるエアロゾル発生システムを使用する方法を概説する流れ図である。
【0129】
ステップ902で、エアロゾル発生装置は、充電器の空洞内に受容される。これは、カバーが開位置にある時である。
【0130】
ステップ904で、ユーザーは、カバーを開位置から閉位置へとスライドさせる。既述したように、カバーは、開位置から閉位置へとスライドするにつれてエアロゾル発生装置と係合する。閉位置では、カバーはエアロゾル発生装置を付勢して、少なくとも一つの電気接点と係合させる。これにより、エアロゾル発生装置と充電器との間の電気的接続が確実になる。これにより、エアロゾル発生装置が充電器によって充電可能になる。カバーは閉じている時、空洞を保護し、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置を周辺環境からの埃から保護する。
【0131】
ステップ906で、ユーザーは、カバーを閉位置から開位置へとスライドさせる。ユーザーは、空洞内に受容されたエアロゾル発生装置にアクセスする(ステップ908に従う)ことができるように、これを行う。
【0132】
いくつかの実施形態では、カバーは閉じるよう付勢される。これらの実施形態では、移動可能な要素が、自動的に開位置から閉位置へと戻る。
【0133】
したがって、ステップ904は自動であってもよい。
【0134】
開位置では、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置リリース機構により空洞から外へ付勢される。エアロゾル発生装置を空洞から外へと付勢することによって、エアロゾル発生装置の一部分が空洞の外へ延びる。エアロゾル発生システムのユーザーは、この部分を使用して、エアロゾル発生装置を取り出す一助とすることができる。充電器がエアロゾル発生装置リリース機構を備える場合、ステップ904では、カバーを閉位置にスライドさせる前に、ユーザーがエアロゾル発生装置を空洞内に手動で押し込み、エアロゾル発生装置リリース機構を圧縮することが必要であり得る。
【国際調査報告】