(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】加圧焼結装置、構成部品封入装置等の構成部品加工装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522314
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 NL2020050638
(87)【国際公開番号】W WO2021075966
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520483903
【氏名又は名称】ボシュマン テクノロジーズ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】BOSCHMAN TECHNOLOGIES B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】デ ベイヤー, ヨハネス コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ボシュマン, フランシスカス ヘラルドゥス ヨハネス
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044PP16
5F044PP19
(57)【要約】
構成部品加工装置は、例えば、半導体ダイ、基板、冷却プレート、パッケージ、インバータケーシング、スペーサなどを含む構成部品を保持するための構成部品保持位置を定め、各構成部品保持位置に関連付けられた変位可能部材を備える。各変位可能部材は、関連する構成部品保持位置に保持された構成部品に力を加えることを可能にするように構成および設計される。構成部品加工装置は、使用中に、構成部品保持位置に保持された個別の構成部品に変位可能部材によって加えられる力によって誘起される歪みを受けやすい、ファイバブラッググレーティング(FBG)歪みセンサを有する、少なくとも1つの装置部分を備える。FBG歪みセンサは、使用中に変位可能部材によって個別の構成部品に加えられる力によって誘起される個別の装置部分の歪みを測定することを可能にするように、個別の装置部分に機械的に取り付けられるように構成および配置される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば、半導体ダイ、基板、冷却プレート、パッケージ、インバータケーシング、スペーサなどを含む構成部品(10)を保持するための少なくとも1つの構成部品保持位置を定める構成部品加工装置(100)であって、各構成部品保持位置に関連付けられた少なくとも1つの変位可能部材(125)を備え、各変位可能部材が、関連する構成部品保持位置に保持された構成部品に力を加えることを可能にするように構成および配置されており、
前記構成部品加工装置が、使用中に、前記構成部品保持位置に保持された個別の構成部品に前記少なくとも1つの変位可能部材によって加えられる力によって誘起される歪みを受けやすい、ファイバブラッググレーティング(FBG)歪みセンサ(210)を有する、少なくとも1つの装置部分を備え、前記FBG歪みセンサが、使用中に、前記少なくとも1つの変位可能部材によって個別の構成部品に加えられる力によって誘起される個別の装置部分の歪みを測定することを可能にするように、個別の装置部分に機械的に取り付けられるように構成および配置されている、構成部品加工装置(100)。
【請求項2】
前記FBG歪みセンサ(210)を有する前記少なくとも1つの装置部分のうちの少なくとも1つが、ファイバブラッググレーティング(FBG)温度センサ(220)を有し、前記FBG温度センサが、個別の装置部分の歪みを受けにくくしながら、個別の装置部分の温度を測定することを可能にするように、個別の装置部分と熱的に接触するように構成および配置されており、特に、前記FBG温度センサが、個別の装置部分から機械的に分離されて配置されている、請求項1に記載の構成部品加工装置。
【請求項3】
前記FBG歪みセンサ(210)が、常圧焼結プロセスによって個別の装置部分に機械的に取り付けられている、請求項1または2に記載の構成部品加工装置。
【請求項4】
前記FBG歪みセンサ(210)および個別の装置部分の適用可能な部分の少なくとも一方が、銀または金などの貴金属、任意に銀または金焼結ペーストもしくは膜を含む材料でコーティングされた後に、前記FBG歪みセンサと個別の装置部分との間に常圧焼結接合をもたらすために加熱されている、請求項3に記載の構成部品加工装置。
【請求項5】
前記FGB歪みセンサ(210)が、個別の装置部分に設けられたチャネル(125.1)内に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成部品加工装置。
【請求項6】
前記FGB温度センサ(220)が、個別の装置部分に設けられたチャネル(125.1)内に配置されている、請求項2に従属する請求項3~5のいずれか一項に記載の構成部品加工装置。
【請求項7】
前記チャネル(125.1)が、個別の装置部分の側面に設けられた溝である、請求項5または6に記載の構成部品加工装置。
【請求項8】
個別の装置部分が、前記チャネル(125.1)を提供する互いに対応する溝(125.1a)が設けられた互いに当接する側面を有する2つのサブ装置部分を含む、請求項7に記載の構成部品加工装置。
【請求項9】
前記FBG歪みセンサ(210)を有する前記少なくとも1つの装置部分が、前記少なくとも1つの変位可能部材(125)のうちの1つまたは複数を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の構成部品加工装置。
【請求項10】
前記FBG歪みセンサ(210)を有する前記少なくとも1つの装置部分が、前記構成部品のための支持体の支持部を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の構成部品加工装置。
【請求項11】
単一の個別の装置部分に設けられた前記FBG歪みセンサ(210)および前記FBG温度センサ(220)が、単一の光ファイバ(200)内に含まれる、請求項2に従属する請求項3~10のいずれか一項に記載の構成部品加工装置。
【請求項12】
前記構成部品加工装置が、
構成部品を保持するための前記少なくとも1つの構成部品保持位置を定める構成部品保持ツール部(110)と、
前記少なくとも1つの変位可能部材(125)を備える少なくとも1つの加圧ツール部(120)と、を備え、
前記構成部品加工装置が、動作中に、個別の構成部品保持位置に保持された前記少なくとも1つの構成部品(10)に前記少なくとも1つの変位可能部材によって力を加えるために、互いに対して配置された前記構成部品保持ツール部および前記加圧ツール部を有するか、または有することができるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の構成部品加工装置。
【請求項13】
前記構成部品保持ツール部(110)が、前記少なくとも1つの構成部品(10)を支持する、キャリア基板、リードフレーム、冷却プレート、インバータケーシングなどの下地要素(11)を保持するように構成されている、請求項12に記載の構成部品加工装置。
【請求項14】
前記構成部品加工装置が、前記構成部品保持ツール部(110)の両側に配置された上部加圧ツール部(120T)および底部加圧ツール部(120B)を備え、前記上部加圧ツール部および前記底部加圧ツール部それぞれの対向する変位可能部材(125T,125B)によって、前記構成部品ツール部上の個別の構成部品保持位置に保持された前記少なくとも1つの構成部品のそれぞれに個別の1つの構成部品の対向する両側で力を加えることを可能にする、請求項12または13に記載の構成部品加工装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の構成部品加工装置である、加圧焼結装置。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載の構成部品加工装置である、構成部品封入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、半導体ダイ、基板、冷却プレート、パッケージ、インバータケーシング、スペーサなどを備える構成部品を保持するための少なくとも1つの構成部品保持位置を定める構成部品加工装置に関し、各構成部品保持位置に関連する少なくとも1つの変位可能部材を備え、各変位可能部材は、関連する構成部品保持位置に保持された構成部品に力を加えることを可能にするように構成および配置される。構成部品加工装置は、例えば、加圧焼結装置または構成部品封入装置とすることができる。
【背景技術】
【0002】
[0002]構成部品の加圧焼結は、構成部品とその下地要素との間の良好な接合を達成するために、構成部品に圧力を加えながら(力を加えながら)行われる。半導体ダイおよび下地キャリアは、例えば、焼結によって互いに接合することができる。他の例は、パッケージ内のパワーICと、互いに接合されるインバータケーシングまたは冷却プレート、接合されるスペーサと基板などである。複数の種類の構成部品および下地要素は、加圧焼結プロセスによって互いに接合することができる。最初に、焼結される構成部品は、構成部品と下地要素との間に、銀ペースト、フィルム、分配された流体などの焼結ペースト、フィルム、分配された流体などを用いて、それらの下地要素上に配置される。その後、例えば、それぞれが関連する構成部品に圧力を加える変位可能部材を使用して圧力が加えられ、一般に、構成部品および下地要素が加熱される。変位可能なインサート(変位可能部材)を使用する加工装置が、国際公開第2014/123413号に開示されている。変位可能なインサート/部材は、焼結される構成部品の高さおよび凹凸の変化を可能にするが、構成部品に圧力を加えるため装置において他の方法で使用することもできる。変位可能なインサートは、下方向に圧力を加えるために構成部品の上方に配置することができ、上方向に圧力を加えるように構成部品の下に配置することができ、または変位可能なインサートによって両側から圧力を加えるために構成部品の上および下の両方に配置することができる。一般に、構成部品および要素は互いに圧着されているため、構成部品は下地要素とも呼ばれ、下地要素は構成部品とも呼ばれる。本明細書では、対応するサイズまたは位置によって変位可能なインサートに関連付けられた部品として構成部品を指すことが選択されている。いくつかの実施形態では、圧着される両方の部品は、構成部品または下地要素と呼ぶことができる。
【0003】
[0003]変位可能なインサートを使用することができる別のタイプの装置は、半導体ダイ、基板、冷却プレート、パッケージ、インバータケーシング、スペーサなどの構成部品、およびそのアセンブリをカプセル化またはパッケージ化するために使用される封入装置またはパッケージング装置に関する。構成部品は、装置の空間に保持され、封入材料が液体状態で空間に導入される。変位可能部材を使用して構成部品に圧力を加えて構成部品の表面積が封止材料と接触するのを防止しながら、封止材料を固化させることができる。これにより、構成部品の一部を露出させたまま、構成部品を封入材料によってカプセル化することができる。
【0004】
[0004]カプセル化または焼結される構成部品は、チップ、センサ、パワーIC、フリップチップ、MEMなどにさらに関係し得る。製造、故障および信頼性の分析および予測のために、焼結プロセス、封入プロセス、または加工の間に構成部品に圧力が加えられる任意の他のプロセス中に構成部品に加えられる圧力が知られているかまたは監視されていることが非常に重要である。特に、圧力を加えるために変位可能部材を使用する場合、加えられる圧力をリアルタイムで検証することが非常に重要である。力の発生に失敗することで、可動部材に不具合が生じることがある。変位可能部材は、例えば、プロセス手順中にスタックする場合がある。フィードバック制御の目的のために、リアルタイムに加えられる圧力を利用可能にすることも非常に重要であり得る。この目的のために適用されるセンサは、非常にコンパクトで、正確で、こうした高圧および/または高温の目先の条件に適していなければならない。現在適用されているセンサには、この点に関して欠点がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の目的は、改良された制御およびプロセス最適化、ならびに/または改良されたリスク制御を提供する構成部品加工装置を提供することである。
【0006】
[0006]本発明の別のまたは代替の目的は、良好な異常検出を備える構成部品加工装置を提供することである。
【0007】
[0007]本発明のさらに別のまたは代替の目的は、特に実際のプロセス領域、すなわち焼結または封入/成形領域に非常に近い圧力および任意に温度プロセス条件の正確かつ/または信頼性のある監視を提供する構成部品加工装置を提供することである。
【0008】
[0008]本発明のさらに別のまたは代替の目的は、特に実際のプロセス領域、すなわち焼結または封入/成形領域に非常に近い圧力および任意に温度プロセス条件をリアルタイムで測定することを可能にする構成部品加工装置を提供することである。
【0009】
[0009]上記の目的のうちの少なくとも1つは、例えば、半導体ダイ、基板、冷却プレート、パッケージ、インバータケーシング、スペーサなどを含む構成部品を保持するための少なくとも1つの構成部品保持位置を定める構成部品加工装置であって、各構成部品保持位置に関連付けられた少なくとも1つの変位可能部材を備える、構成部品加工装置によって達成され、各変位可能部材は、関連する構成部品保持位置に保持された構成部品に力を加えることを可能にするように構成および配置され、
構成部品加工装置は、使用中に構成部品保持位置(複数可)に保持された個別の構成部品(複数可)上の少なくとも1つの変位可能部材によって加えられた力によって誘起される歪みを受けやすい、ファイバブラッググレーティング(FBG)歪みセンサを有する、少なくとも1つの装置部分を備え、FBG歪みセンサは、使用中に少なくとも1つの変位可能部材によって個別の構成部品(複数可)に加えられる力によって誘起される個別の装置部分の歪みを測定することを可能にするように、個別の装置部分に機械的に取り付けられるように構成および配置される。
【0010】
[0010]FBG歪みセンサは、実際のプロセス条件下で信頼性が高く正確な歪み測定を実現しながら、処理装置の基本的な機能的態様を損なうことなく、個別の装置部分への統合を可能にする。FBG歪みセンサからの測定信号は、それらの機械的連結に起因する個別の装置部分およびFBG歪みセンサの歪みに依存するので、歪みセンサと呼ばれる。歪み測定は、変位可能部材(複数可)によって個別の構成部品(複数可)に加えられる力に明確に依存することが示されている。FBGセンサは、非常にコンパクトで正確であり、加圧焼結および構成部品パッケージ化またはカプセル化などのプロセスに適用可能な圧力および温度でのプロセス条件に適している。
【0011】
[0011]一実施形態では、FBG歪みセンサを有する少なくとも1つの装置部分のうちの少なくとも1つは、ファイバブラッググレーティング(FBG)温度センサを有し、FBG温度センサは、個別の装置部分における歪みを受けにくくしながら、個別の装置部分の温度を測定することを可能にするように、個別の装置部分と熱的に接触するように構成および配置され、特にFBG温度センサは、個別の装置部分から機械的に分離されて配置される。
【0012】
[0012]FBG温度センサからの測定信号は、それらの熱接触に起因して個別の装置部分の温度およびFBG温度センサに依存するが、個別の装置部分からのFBG温度センサの機械的分離に起因する個別の装置部分の歪みには依存しないので、FBG温度センサは温度センサと呼ばれる。さらに、個別の装置部分の温度を測定することにより、プロセス温度を監視し、FBG歪みセンサの温度変化による影響に対するFBG歪みセンサからの測定信号を補正することができる。後者は、FBG歪みセンサによる個別の装置部分の歪み測定を可能にし、これは、少なくとも大部分が温度に依存せず、少なくとも主として歪みに依存する。
【0013】
[0013]一実施形態では、FBG歪みセンサは、FBGセンサと個別の装置部分との間に信頼性の高い機械的接合をもたらす常圧焼結プロセスによって前述の個別の装置部分に機械的に取り付けられている。焼結接合をもたらす常圧焼結プロセスは、FBGセンサの測定特性に影響を及ぼすことが示されている。
【0014】
[0014]一実施形態では、FBG歪みセンサおよび前述の個別の装置部分の適用可能な部分のうちの少なくとも一方は、銀または金などの貴金属、任意に銀または金焼結ペーストを含む材料でコーティングされた後に、FBG歪みセンサと前述の個別の装置部分との間に常圧焼結接合をもたらすために加熱されている。
【0015】
[0015]一実施形態では、FGB歪みセンサは、前述の個別の装置部分に設けられたチャネル内に配置される。
【0016】
[0016]一実施形態では、FGB温度センサは、前述の個別の装置部分に設けられたチャネル内に配置される。
【0017】
[0017]一実施形態では、チャネルは、前述の個別の装置部分の側面に設けられた溝である。
【0018】
[0018]一実施形態では、前述の個別の装置部分は、チャネルを提供する互いに対応する溝が設けられた互いに当接する側面を有する2つのサブ装置部分を含む。
【0019】
[0019]一実施形態では、FBG歪みセンサを有する少なくとも1つの装置部分は、少なくとも1つの変位可能部材のうちの1つまたは複数を備える。
【0020】
[0020]一実施形態では、FBG歪みセンサを有する少なくとも1つの装置部分は、構成部品のための支持体の支持部を備える。
【0021】
[0021]一実施形態では、単一の個別の装置部分に設けられたFBG歪みセンサおよびFBG温度センサは、単一の光ファイバ内に含まれる。
【0022】
[0022]一実施形態では、構成部品加工装置は、
構成部品を保持するための少なくとも1つの構成部品保持位置を定める構成部品保持ツール部と、
少なくとも1つの変位可能部材を備える少なくとも1つの加圧ツール部と、を備え、
構成部品加工装置は、動作中に、少なくとも1つの変位可能部材によって個別の構成部品保持位置(複数可)に保持された前記少なくとも1つの構成部品に力を加えるために、互いに対して配置された構成部品保持ツール部および加圧ツール部を有するように、または有することができるように構成されている。
【0023】
[0023]加圧ツール部は、構成部品保持ツール部上に保持された構成部品(複数可)に力を加える(圧力を及ぼす/加えることに相当する)ことを可能にするので、加圧ツール部と呼ばれる。
【0024】
[0024]一実施形態では、構成部品保持ツール部は、少なくとも1つの構成部品を支持する、キャリア基板、リードフレーム、冷却プレート、インバータケーシングなどの下地要素を保持するように構成される。
【0025】
[0025]一実施形態では、構成部品加工装置は、構成部品保持ツール部の両側に配置された上部加圧ツール部および底部加圧ツール部を備え、上部加圧ツール部および底部加圧ツール部それぞれの対向する変位可能部材によって、構成部品ツール部上の個別の構成部品保持位置に保持された少なくとも1つの構成部品のそれぞれ1つに前述のそれぞれの1つの構成部品の対向する両側で力を加えることを可能にする。
【0026】
[0026]別の態様では、本発明は、加圧焼結装置を提供し、加圧焼結装置は、上述の構成部品加工装置である。
【0027】
[0027]別の態様では、本発明は、構成部品封入装置を提供し、構成部品封入装置は、上述の構成部品加工装置である。構成部品封入装置は、(構成部品)パッケージング装置とも呼ばれる。
【0028】
[0028]本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的かつ非排他的な実施形態による本発明の説明から明らかになるであろう。これらの実施形態は、保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の他の代替形態および同等の実施形態を想起し、実施することができることを理解するであろう。本発明の実施形態は、添付の図面を参照して説明され、同様または同一の参照符号は、同様、同一または対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1a】加圧焼結装置の形態の本発明による構成部品加工装置の実施形態を示す図である。
【
図1b】加圧焼結装置の形態の本発明による構成部品加工装置の実施形態を示す別の図である。
【
図2a】
図1の装置の変位可能部材の実施形態を示す図である。
【
図2b】
図1の装置の変位可能部材の実施形態を示す別の図である。
【
図3a】
図1の装置の変位可能部材のさらに別の実施形態を示す図である。
【
図3b】
図1の装置の変位可能部材のさらに別の実施形態を示す別の図である。
【
図4a】その動作を概略的に説明するためのFBGセンサの一例を示す図である。
【
図4b】
図4aの例示的なFBGセンサに適用可能な入力光強度スペクトルを示す図である。
【
図4c】
図4aの例示的なFBGセンサに適用可能な反射光強度スペクトルを示す別の図である。
【
図4d】
図4aの例示的なFBGセンサに適用可能な透過光強度スペクトルを示す図である。
【
図5】加圧焼結装置の形態の本発明による構成部品加工装置のさらなる実施形態を示す図である。
【
図6】加圧焼結装置の形態の本発明による構成部品加工装置のさらなる実施形態を示す別の図である。
【
図7】加圧焼結装置の形態の本発明による構成部品加工装置のさらなる実施形態を示すさらに別の図である。
【
図8】構成部品パッケージングまたは封入装置の形態の本発明による構成部品加工装置のさらに別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0029]
図1aは、本発明の一実施形態による構成部品加工装置100を概略的に示す。
図1aに示される構成部品加工装置は、構成部品保持ツール部110と、変位可能部材(変位可能なインサート)125を有する加圧ツール部120とを備える加圧焼結装置である。構成部品保持ツール部には、構成部品10を支持する構成部品キャリアまたはリードフレームなどの、下地要素11が設けられている。各構成部品10と構成部品キャリア11との間には、焼結用ペースト12が存在する。
図1aの実施形態では、複数の構成部品を支持する1つの構成部品キャリアが下地要素として提供されている。装置レイアウトは、それらの構成部品キャリア上に支持された構成部品が所定の構成部品保持位置に設けられるようなものである。変位可能部材125の位置は、個別の構成部品保持位置に関連付けられている。
図1bの実施形態は、
図1aの実施形態とほぼ同じであるが、各構成部品10が別個の下地要素11上に設けられていることを示している。
【0031】
[0030]構成部品10を有する構成部品キャリア110が構成部品保持ツール部110上に設けられている間、構成部品保持ツール部110および加圧ツール部120は、一般に、互いから離れて移動されている。次いで、構成部品保持部110と加圧ツール部120とが互いに向かって移動される。それらは、加圧ツール部120の変位可能部材125がそれらのそれぞれの関連する構成部品10に接触するまで互いに向かって移動することができ、または両方のツール部110、120が互いに向かって移動して、変位可能部材125とそれらのそれぞれの関連する構成部品10との間に間隙を残すことができる。代替で、構成部品10を支持する構成部品キャリア11は、変位可能部材125と構成部品10との間に間隙を有しながら、静止構成部品保持ツール部110と加圧ツール部120との間に移動されてもよい。
【0032】
[0031]その後、変位可能部材125は、それぞれの関連する構成部品10に圧力を加える(圧力を加え、力を加えることは同等であると理解されるべきである)ために作動される。
図1に示す実施形態は、変位可能部材をそれぞれの関連する構成部品に向かって動かすために加圧される圧力室121を示す。代替的な実施形態は、例えば電気的作動などによって、変位可能部材125を変位させるための任意の他の手段を使用することができる。構成部品10は、一般に、焼結材料12を焼結し、構成部品10とそれらの構成部品キャリア11との間の接合を達成するために加熱される。加熱は、例えば、構成部品支持ツール部110、加圧ツール部120、および/または変位可能部材125に設けられた加熱要素によって、様々な方法で達成することができる。時間依存性の温度プロファイルを加圧焼結プロセス中に適用することができ、加えられる圧力を時間および/または温度に応じて設定することができる。
【0033】
[0032]各変位可能部材125には、光ファイバ200が設けられている。各光ファイバ200は、FBG歪みセンサ210およびFBG温度センサ220を備える。FBG歪みセンサ210は、関連する構成部品10に力を及ぼしながら、それぞれの変位可能部材125に誘起される歪みを測定するように構成および配置される。FBG温度センサは、それぞれの変位可能部材125の温度を測定するように構成および配置される。FBG歪みセンサ210およびFBG温度センサ220は、いずれも同じ種類のFBGセンサとすることができるが、変位可能部材125に設けられている点で異なっている。FBG歪みセンサ210は、変位可能部材125に機械的に取り付けられており、これは、変位可能部材の任意の機械的歪みがFBG歪みセンサ210にも誘起されることを意味する。FBG歪みセンサは、個別の構成部品10に力を加えることによって誘起される歪みがFBG歪みセンサによって測定可能であるように変位可能部材に設けられる。これは、FBG歪みセンサに設けられた格子が、変位可能部材に誘起される歪みに依存するFBG歪みセンサを用いた信号の測定を可能にするように向けられていることを意味する。ファイバ200におけるFBG歪みセンサ210の格子は、光ファイバに沿った格子周期を有する。したがって、格子周期は、個別の構成部品10に力を及ぼしながら変位可能部材125に誘起される歪みに応じて変化し、その結果、FBG歪みセンサ210を使用して測定される信号に関連する変動をもたらす。
【0034】
[0033]FBG歪みセンサ210を有する光ファイバ200の一部は、常圧焼結プロセスによって変位可能部材125に機械的に取り付けられている。
図2aおよび
図2bは、
図1の変位可能部材125の実施形態をより詳細に示す。溝の形態のチャネル125.1が、変位可能部材の一側面に作られている。FBG歪みセンサ210(を有するファイバ200の一部)と変位可能部材125との間の機械的取り付けを達成するために、FBG歪みセンサおよび/またはFBG歪みセンサ210が設けられる溝の部分は、銀焼結ペーストなどの焼結ペーストでコーティングされた後に、FBG歪みセンサが溝に入れられる。続いて、変位可能部材を加熱してペーストを焼結して固化させ、FBG歪みセンサと変位可能部材との間に機械的連結を提供する。
図2aおよび
図2bの実施形態は、光ファイバ200のレイアウトおよび案内において幾分異なっており、
図2bの実施形態は、光ファイバ200を横方向に案内するためのファイバガイド201を有する。
【0035】
[0034]
図3aおよび
図3bは、
図1に示す装置の変位可能部材のさらに別の実施形態を示す。変位可能部材125は、互いに当接する側に両方が溝125.1aを有する、2つの半体125aで形成されている。両方の溝125.1aは、両方の半体125aを合わせて変位可能部材125を形成するときにチャネル125.1を構成する。両方の半体を一緒にする前に、焼結ペーストが、FBG歪みセンサ210およびFBG歪みセンサが設けられるべき溝125.1aの部分の一方または両方の少なくとも一方に設けられる。FBG歪みセンサ(を有するファイバ200の一部)を溝125.1aの一方に入れ、両方の半体を合わせ、その後、変位可能部材を加熱して、FBGセンサと変位可能部材との間の機械的接合によって機械的取り付けを提供する。
図2a、
図2b、
図3aおよび
図3bを参照して説明した焼結プロセスによって提供された接合は、FBG歪みセンサにいかなる歪みも与えないが、FBG歪みセンサ210と変位可能部材125との間の良好な機械的連結をもたらす。接合は、FBG歪みセンサと変位可能部材との間の熱的連結も提供する。
【0036】
[0035]FBG温度センサ220は、変位可能部材125に歪みを受けずに熱的に接触するように変位可能部材に設けられている。FBG温度センサ220は、変位可能部材125から機械的に隔離されて配置されている。
図2a、
図2b、
図3aおよび
図3bはまた、変位可能部材のチャネル125.1にも設けられるFBG温度センサ220を示している。図示の実施形態では、FBG温度センサ220(を有するファイバ200の一部)は、FBG歪みセンサ210の下のチャネル125.1に自在吊りで設けられている。FBG温度センサは、変位可能部材125によって密接に囲まれたチャネル125.1内にあるため、変位可能部材と熱放射接触しており、その位置で変位可能部材の温度を取得する。代替的な実施形態では、FBG温度センサ220は、機械的分離を提供するが良好な熱接触を提供し、装置100が動作するときに使用される温度に耐えることができる適切な材料を使用して変位可能部材に取り付けられてもよい。手元の温度で弾力性を維持する適切なキットは、その目的に適している可能性がある。
【0037】
[0036]
図4a~
図4dは、一般的なファイバブラッググレーティング(FBG)センサの動作原理を示す。
図4aは、FBGセンサを示し、FBGセンサは、他の図でFBG歪みおよび温度センサを示すために使用された同じ参照符号210、220で示されている。FBGセンサは、ファイバのコアの屈折率nの変化Δnの結果としてファイバ200に設けられた格子またはグリッドである。格子またはグリッドは、グリッド周期Λを有する。
図4bは、FBGセンサを使用する場合のFBGセンサのグリッド上の波長λの関数としての入力光Iのスペクトル強度SIを示す。入力光Iの一部は、
図4cに示すように、グリッド周期Λによって与えられるブラッグ波長λBで反射光Rとしてグリッドによって反射して戻される。透過光Tは、
図4dに示すように、ブラッグ波長λBでの透過光Tのスペクトル強度SIの下落として示される。ブラッグ波長λBは、グリッド周期Λに依存する。グリッド周期は、ファイバ200内のFBGセンサ210、220に誘起される歪みおよびFBGセンサの温度によって変化する。したがって、ブラッグ波長λBは、FBGセンサの歪みおよび温度に応じて変化する。したがって、ブラッグ波長λBの測定は、FBGセンサの歪みおよび温度の指標を提供する。FBGセンサの一般的な原理のみが開示されている。それらの動作はそのようなものとして知られている。それらの動作のいくつかの原理は、例えば、欧州特許第2811257号明細書および欧州特許第3144633号明細書に開示されている。
【0038】
[0037]FBG温度センサ220は、歪みを受けないように、それぞれの変位可能部材125に設けられている。したがって、FBG温度センサ220のブラッグ波長は、変位可能部材125および個別の構成部品10の温度の測定値を提供する。FBG歪みセンサ210は、FBG歪みセンサ210のブラッグ波長に影響を及ぼす変位可能部材125の歪みを受けるような変位可能部材125に設けられる。さらに、FBG歪みセンサ210は、変位可能部材125の温度にある。したがって、FBG歪みセンサ220のブラッグ波長は、FBG歪みセンサの歪みと温度の両方に依存する。FBG温度センサ220のブラッグ波長シフトから変位可能部材の温度が分かるため、温度変化による波長シフトに対しFBG歪みセンサ210のブラッグ波長シフトを補正することができ、それにより、FBG歪みセンサの信号読出しからFBG歪みセンサの歪みを判定することができる。構成部品加工プロセスおよび装置において温度が一定に保たれる場合、FBG歪みセンサおよび変位可能部材、またはFBG歪みセンサが使用される任意の他の機械部品の歪みを決定するために、FBG歪みセンサのみが必要とされる。
【0039】
[0038]
図5は、加圧焼結装置としての本発明による構成部品加工装置100の別の実施形態を示す。
図5の実施形態は、すべての変位可能部材125にFBG歪みセンサ210およびFBG温度センサ220が設けられているわけではないという点で、
図1の実施形態とは異なる。ただ1つの変位可能部材125が、FBG歪みセンサ210およびFBG温度センサ220を有するファイバ200を有するように示されている。FBG歪みおよび温度センサを有する1つの変位可能部材は、FBG歪みおよび温度センサが、戦略的位置、例えば、構成部品加工装置に使用される変位可能部材のアレイの角および/または中心でのみ変位可能部材に組み込まれる実施形態を表す。別の実施形態では、FBG歪みセンサおよび温度センサの両方が、戦略的位置にある1つまたは複数の変位可能な部材に使用されるが、他のいくつかの変位可能な部材は、FBG歪みセンサのみを有する。
【0040】
[0039]
図6は、加圧焼結装置としての本発明による構成部品加工装置100のさらに別の実施形態を示す。
図6の実施形態は、FBG歪みセンサ210およびFBG温度センサ220を有し、これらは両方とも、構成部品保持ツール部110内の単一の光ファイバ200内に設けられている。
図1を参照して開示されたのと同じ方法で、図の実施形態のFBG歪みおよび温度センサ210、220が使用される。しかしながら、すべての変位可能部材125によってそれらの関連する構成部品10に加えられるすべての統合された力の測定値が提供される。したがって、変位可能部材のうちの1つまたは複数の故障は、測定された歪みが、すべての変位可能部材がそれらの関連する構成部品に必要な力を加えるときに予想される歪みから逸脱するときに検出することができる。構成部品10用の構成部品保持ツール部110などの支持体内のFBG歪みおよび温度センサおよびいくつかの変位可能な部材のみにおけるFBG歪みおよび温度センサを有することなど、
図1、
図5、および
図6の実施形態の任意の適用可能な組み合わせも想定することができる。
図6の実施形態、および
図7の実施形態も、各構成部品10が、例えば冷却プレート上に加圧焼結されるパッケージされたインバータなどの別個の下地要素11上に設けられることを示している。
図6および
図7の実施形態のパッケージされたインバータおよび冷却プレートの両方は、本明細書の目的のために変位可能部材125に関連付けられた構成部品と考えることができる。
【0041】
[0040]
図7は、加圧焼結装置としての本発明による構成部品加工装置100のさらに別の実施形態を示す。
図7の構成部品加工装置100は、変位可能部材125を有する上部加圧ツール部120Tと、変位可能部材125を有する底部加圧ツール部120Bとを有する。上部加圧ツール部120Tおよび底部加圧ツール部120Bは、構成部品保持ツール部110の上方および下方それぞれに配置される。関連する上部変位可能部材125Tおよび関連する底部変位可能部材125Bによって、個別の構成部品保持位置に保持された構成部品10に圧力が加えられる。上部および底部変位可能部材を有することにより、構成部品10およびその下地要素12に対するより高度で正確な圧力(または力)制御が可能になる。
図7の実施形態は、いくつかの変位可能部材125T、125Bのみおよび構成部品保持ツール部110にFBG歪みセンサ210およびFBG温度センサ220を有する。
【0042】
[0041]
図8は、パッケージングまたは構成部品封入装置の形態の構成部品加工装置100のさらに別の実施形態を示す。構成部品10、例えば半導体ダイは、構成部品保持ツール部110上に保持されたそれぞれの下地要素11上に設けられる。コンタクトワイヤ15は、構成部品から下地要素の接触領域に設けられる。構成部品は、加圧ツール部120のそれぞれの変位可能部材125に関連付けられる個別の構成部品保持位置に保持される。動作中、加圧および構成部品保持ツール部120、110は、ツール部間に空洞130を画定するため一緒にされる。空洞130は、高温では流体であり、温度が低下すると固化するパッケージング材料で充填され、空洞130によって画定されるように構成部品10をカプセル化(パッケージ化)する。
図7は、構成部品封入装置のみを概略的に示している。例えば、欧州特許第2954550号明細書は、カプセル化方法および装置の実施形態を開示している。変位可能部材125は、それらの個別の構成部品を押圧して、構成部品の表面積がパッケージング材料によって覆われることを防止する。適切な材料膜は、一般に、構成部品10に面する変位可能部材125を含む加圧ツール部120の側面上に設けられてもよい。圧力は、変位可能部材125と構成部品10との間にカプセル化(パッケージ化)材料が来るのを防ぐのに十分であるべきである。変位可能部材によって加えられる力は、空洞130内の液体パッケージング材料の温度および圧力に応じて変化し得る。したがって、構成部品10は、パッケージされた構成部品を提供するためにその下地要素11に接合される。単一のファイバ200に設けられたFBG歪みセンサ210およびFBG温度センサ220は、
図1、
図2a、
図2b、
図3aおよび
図3bを参照して説明したような方法で、各変位可能部材上に配置されている。FBG歪みおよび温度センサ210、220はまた、
図5、
図6、および
図7を参照して開示されたように配置されてもよい。
【国際調査報告】