(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】OSSベースの自動特徴検出及び機器特性評価
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20221214BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A61B34/20
G01B11/24 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522859
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020079291
(87)【国際公開番号】W WO2021074437
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バイドロン トーレ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】フレックスマン モリー ララ
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA51
2F065FF48
2F065LL02
(57)【要約】
本開示の様々な実施形態には、オーバー・ザ・ワイヤ機器40内を移動可能な光学式形状感知ガイドワイヤ30を使用し、オーバー・ザ・ワイヤ機器40の自律的機器位置合わせを制御するための光学式形状感知位置合わせコントローラ20をさらに使用する光学式形状感知位置合わせシステムが含まれている。動作時、光学式形状感知位置合わせコントローラ20は、オーバー・ザ・ワイヤ機器40内の光学式形状感知ガイドワイヤ30の移動の光学式形状感知から、光学式形状感知ガイドワイヤ30の1つ以上の感知特徴(例えば、形状、曲率、温度、振動、ひずみなど)を自動的に検出し、次に、光学式形状感知ガイドワイヤ30の感知特徴の自動検出から、オーバー・ザ・ワイヤ機器40の1つ以上の位置合わせ特性(例えば、機器タイプ、長さ、直径、色、ハブタイプ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位、処置タイプなど)を自動的に決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーバー・ザ・ワイヤ機器内で移動可能である光学式形状感知ガイドワイヤと、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の自律的機器位置合わせを制御するための光学式形状感知位置合わせコントローラと、
を含み、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の前記光学式形状感知ガイドワイヤの移動の光学式形状感知から、前記光学式形状感知ガイドワイヤの少なくとも1つの感知特徴を自動的に検出すること、及び
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定すること、
のうちの少なくとも1つを行う、光学式形状感知位置合わせシステム。
【請求項2】
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性は、ハブであり、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記ハブを自動的に特定する、請求項1に記載の光学式形状感知位置合わせシステム。
【請求項3】
前記ハブは、ハブテンプレートを含み、
前記ハブが前記オーバー・ザ・ワイヤ機器に取り付けられているときに、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記ハブを自動的に特定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記ハブの中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの移動の前記光学式形状感知を、複数の事前定義されたハブテンプレートと比較し、且つ
前記ハブプレートに対してベスト形状マッチを有する、前記事前定義されたハブテンプレートのうちの1つを選択する前記光学式形状感知位置合わせコントローラを含む、請求項2に記載の光学式形状感知位置合わせシステム。
【請求項4】
前記ハブが前記オーバー・ザ・ワイヤ機器に取り付けられていないときに、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記ハブを自動的に特定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知を、複数の事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器の各々の形状と比較し、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知に対してベスト形状マッチを有する、前記事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器のうちの1つを選択し、且つ
前記事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器のうちの前記選択した1つに関連する前記ハブを特定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラを含む、請求項2に記載の光学式形状感知位置合わせシステム。
【請求項5】
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知の曲率の分析に基づいて、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の長さを測定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラを含む、請求項1に記載の光学式形状位置合わせシステム。
【請求項6】
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記長さを測定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記光学式形状感知ガイドワイヤの曲率を、前記光学式形状感知ガイドワイヤに沿った基準の位置に対してプロットし、且つ、
前記曲率の最高ピークに対応する、前記光学式形状感知ガイドワイヤに沿った前記基準の位置から、前記基準に対する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記長さを測定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラを含む、請求項5に記載の光学式形状感知位置合わせシステム。
【請求項7】
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記長さを測定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記光学式形状感知ガイドワイヤの曲率を、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の前記光学式形状感知ガイドワイヤの様々な位置に対してプロットし、且つ、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の遠位先端を示す前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記曲率に対応する、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の前記光学式形状感知ガイドワイヤの位置から、基準に対する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記長さを測定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラを含む、請求項5に記載の光学式形状感知位置合わせシステム。
【請求項8】
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記長さを測定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知を、複数の事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器形状とマッチさせ、且つ
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状検知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知に対してベスト形状マッチを有する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記複数の事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器形状のうちの1つから、基準に対する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記長さを測定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラを含む、請求項5に記載の光学式形状感知位置合わせシステム。
【請求項9】
オーバー・ザ・ワイヤ機器の自律的機器位置合わせを制御するための光学式形状感知位置合わせコントローラであって、
少なくとも1つのプロセッサによる実行のための命令がエンコードされている非一時的機械可読ストレージ媒体を含み、
前記非一時的機械可読ストレージ媒体は、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の前記光学式形状感知ガイドワイヤの移動の光学式形状感知から、前記光学式形状感知ガイドワイヤの少なくとも1つの感知特徴を自動的に検出し、
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定するための前記命令を含む、光学式形状感知位置合わせコントローラ。
【請求項10】
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性は、ハブであり、
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記命令は、
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記ハブを自動的に特定するための命令を含む、請求項9に記載の光学式形状感知位置合わせコントローラ。
【請求項11】
前記ハブは、ハブテンプレートを含み、
前記ハブが前記オーバー・ザ・ワイヤ機器に取り付けられているときに、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記ハブを自動的に特定するための前記命令は、
前記ハブの中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの移動の前記光学式形状感知を、複数の事前定義されたハブテンプレートと比較し、
前記ハブプレートに対してベスト形状マッチを有する、前記事前定義されたハブテンプレートのうちの1つを選択するための命令を含む、請求項10に記載の光学式形状感知位置合わせコントローラ。
【請求項12】
前記ハブが前記オーバー・ザ・ワイヤ機器に取り付けられていないときに、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記ハブを自動的に特定するための前記命令は、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知を、複数の事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器の各々の形状と比較し、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知に対してベスト形状マッチを有する、前記事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器のうちの1つを選択し、
前記事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器のうちの前記選択した1つに関連する前記ハブを特定するための命令を含む、請求項10に記載の光学式形状感知位置合わせコントローラ。
【請求項13】
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記光学式形状感知ガイドワイヤの曲率を、前記光学式形状感知ガイドワイヤに沿った基準の位置に対してプロットし、
前記曲率の最高ピークに対応する、前記光学式形状感知ガイドワイヤに沿った前記基準の位置から、前記基準に対する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の長さを測定するための命令を含む、請求項10に記載の光学式形状感知位置合わせコントローラ。
【請求項14】
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記光学式形状感知ガイドワイヤの曲率を、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の前記光学式形状感知ガイドワイヤの様々な位置に対してプロットし、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の遠位先端を示す前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記曲率に対応する、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の前記光学式形状感知ガイドワイヤの位置から、基準に対する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の長さを測定するための命令を含む、請求項10に記載の光学式形状感知位置合わせコントローラ。
【請求項15】
前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記光学式形状感知位置合わせコントローラは、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知を、複数の事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器形状とマッチさせ、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状検知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知に対してベスト形状マッチを有する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記複数の事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器形状のうちの1つから、基準に対する前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の長さを測定するための命令を含む、請求項10に記載の光学式形状感知位置合わせコントローラ。
【請求項16】
オーバー・ザ・ワイヤ機器の自律的機器位置合わせを制御するための光学式形状感知位置合わせコントローラによって実行可能な光学式形状感知位置合わせ方法であって、
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の光学式形状感知ガイドワイヤの移動を制御するステップと、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器内の前記光学式形状感知ガイドワイヤの移動の光学式形状感知から、前記光学式形状感知ガイドワイヤの少なくとも1つの感知特徴を自動的に検出するステップと、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定するステップと、
を含む、光学式形状感知位置合わせ方法。
【請求項17】
前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性は、ハブであり、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記ステップは、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記ハブを自動的に特定するステップを含む、請求項16に記載の光学式形状感知位置合わせ方法。
【請求項18】
前記ハブは、ハブテンプレートを含み、
前記ハブが前記オーバー・ザ・ワイヤ機器に取り付けられているときに、前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記ステップは、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記ハブの中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの移動の前記光学式形状感知を、複数の事前定義されたハブテンプレートと比較するステップと、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記ハブプレートに対してベスト形状マッチを有する、前記事前定義されたハブテンプレートのうちの1つを選択するステップと、
を含む、請求項17に記載の光学式形状感知位置合わせ方法。
【請求項19】
前記ハブが前記オーバー・ザ・ワイヤ機器に取り付けられていないときに、前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記ステップは、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の光学式形状感知を、複数の事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器の各々の形状と比較するステップと、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知に対してベスト形状マッチを有する、前記事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器のうちの1つを選択するステップと、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記事前定義されたオーバー・ザ・ワイヤ機器のうちの前記選択した1つに関連する前記ハブを特定するステップと、
を含む、請求項17に記載の光学式形状感知位置合わせ方法。
【請求項20】
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記少なくとも1つの感知特徴の前記自動検出から、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の前記少なくとも1つの位置合わせ特性を自動的に決定する前記ステップは、
前記光学式形状感知位置合わせコントローラを介して、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の中を通る前記光学式形状感知ガイドワイヤの前記移動の前記光学式形状感知の曲率の分析に基づいて、前記オーバー・ザ・ワイヤ機器の長さを測定するステップを含む、請求項17に記載の光学式形状感知位置合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光学式形状感知に関する。本開示は、特に、光学式形状感知ガイドワイヤの特徴を自動的に検出し、且つ光学式形状感知ガイドワイヤが内部で移動するオーバー・ザ・ワイヤ機器の特性を自動的に決定するためのベースとしての光学式形状感知に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式形状感知(Optical Shape Sensing:OSS)は、外科的介入中の機器の位置特定及びナビゲーションのために、マルチコア光ファイバに沿った光を使用する。関与する原理は、特性レイリー(Rayleigh)後方散乱又は制御されたグレーティングパターン(例えば、ファイバブラッググレーティング)によって定義された光ファイバ内の分布ひずみ測定を利用する。光ファイバに沿った形状は、センサに沿った特定の点(ローンチ又はz=0と知られている)から始まり、その後の形状の位置及び向きはその点を基準にしている。
【0003】
光学式形状感知ファイバを医療機器に統合することで、低侵襲処置中の機器のライブガイダンスを提供できる。統合されたファイバは、解剖学的ターゲットへのナビゲーションのために、例えば、形状感知されたガイドワイヤにロードされるカテーテルである機器全体の位置と方向を提供する。これにより、形状感知されたガイドワイヤは、解剖学的ターゲットの術前コンピュータ断層撮影画像おけるカテーテルのオーバレイを容易にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低侵襲処置中の医療機器の空間的追跡をサポートするためには、医療機器の位置合わせ特性を把握しておく必要がある。医療機器のこのような位置合わせ特性は、低侵襲処置のワークフローの中断を最小限に抑えて決定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オーバー・ザ・ワイヤ(Over-the-Wire:OTW)機器の空間的追跡を伴う多数の及び様々なアプリケーションに関して、本開示は、該アプリケーションのワークフローの中断を最小限に抑えるようなやり方で、光学式形状感知(OSS)ガイドワイヤを介してOTW機器の正確で堅牢な空間的追跡に必要な所要の機器特性評価を自動的に決定するための、又は注釈付け、レポート作成、ドキュメンテーションなどのためのコントローラ、システム、及び方法について説明する。このようなアプリケーションの例には、血管アプリケーション(例えば、カテーテル、シース、配置システムを介する)、管腔内アプリケーション(例えば、内視鏡を介する)、及び整形外科アプリケーション(例えば、kワイヤ及びスクリュードライバを介する)が含まれるが、これらに限定されない。
【0006】
本開示は、
(1)本開示のOSS位置合わせコントローラ、
(2)本開示のOSS位置合わせコントローラを組み込んだOSS位置合わせシステム、及び
(3)本開示のOSS位置合わせコントローラを利用したOSS位置合わせ方法、として具体化できる。
【0007】
様々な実施形態において、本開示のOSS位置合わせシステムには、OTW機器内で移動可能なOSSガイドワイヤが含まれ、また、OTW機器の自律的機器位置合わせを制御するためのOSS位置合わせコントローラが更に含まれる。
【0008】
動作時、OSS位置合わせコントローラは、(1)オーバー・ザ・ワイヤ機器内のOSSガイドワイヤの移動の光学式形状感知から、OSSガイドワイヤの1つ以上の感知特徴(例えば、形状、曲率、温度、振動、ひずみ、ねじれ、アルファなど)を自動的に検出し、(2)OSSガイドワイヤの感知特徴の自動検出から、OTW機器の1つ以上の位置合わせ特性(例えば、タイプ、長さ、直径、色、ハブ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位など)を自動的に決定する。
【0009】
本開示のOSS位置合わせコントローラの様々な実施形態には、OSSガイドワイヤ内で移動可能なOTW機器の自律的機器位置合わせを制御するために、1つ以上のプロセッサによる実行のための命令がエンコードされている非一時的機械可読ストレージ媒体が含まれる。
【0010】
非一時的機械可読ストレージ媒体は、(1)OTW機器内のOSSガイドワイヤの移動の光学式形状感知から、OSSガイドワイヤの1つ以上の感知特徴(例えば、形状、曲率、温度、振動、ひずみなど)を自動的に検出し、(2)OSSガイドワイヤの感知特徴の自動検出から、OTW機器の1つ以上の位置合わせ特性(例えば、タイプ、長さ、直径、色、ハブ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位など)を自動的に決定するための命令を含む。
【0011】
本開示のOSS位置合わせ方法の様々な実施形態は、OSSガイドワイヤ内で移動可能なOTW機器の自律的機器位置合わせを制御するために、OSS位置合わせコントローラを利用する。
【0012】
OSS位置合わせ方法は、(1)OTW機器内のOSSガイドワイヤの移動の光学式形状感知から、OSSガイドワイヤの1つ以上の感知特徴(例えば、形状、曲率、温度、振動、ひずみ、ねじれ、アルファなど)を自動的に検出し、(2)OSSガイドワイヤの感知特徴の自動検出から、OTW機器の1つ以上の位置合わせ特性(例えば、機器タイプ、長さ、直径、色、ハブタイプ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位など)を自動的に決定する光学式形状感知位置合わせ特定コントローラを伴う。
【0013】
本開示の上記の実施形態及び他の実施形態、並びに本開示の様々な構造及び利点は、添付の図面とともに読まれる本開示の様々な実施形態についての以下の詳細な説明から更に明らかとなろう。詳細な説明及び図面は、限定ではなく、本開示の例示に過ぎず、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示は、以下の図を参照して、例示的な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
【
図1】
図1は、本開示によるOSS位置合わせシステムの例示的な実施形態を示す。
【
図2】
図2は、本開示によるOSS位置合わせ方法の例示的な実施形態を示す。
【
図3】
図3は、本開示による
図2のOSS位置合わせ方法の第1の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【
図4】
図4は、本開示による自動ハブ検出方法の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【
図5A】
図5Aは、本開示による例示的なグラフィカル自動ハブ検出を示す。
【
図5B】
図5Bは、本開示による例示的なグラフィカル自動ハブ検出を示す。
【
図6】
図6は、本開示による自動OTW機器測定方法の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【
図7】
図7は、本開示によるOSSピーク測定方法の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、本開示による例示的なOSSピーク測定を示す。
【
図9】
図9は、本開示によるOSS遠位曲率測定方法の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【
図10】
図10は、本開示による例示的なOSS遠位曲率測定を示す。
【
図11】
図11は、本開示によるOSS形状マッチング測定方法の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【
図12】
図12は、本開示による例示的なOSS形状マッチング測定を示す。
【
図13】
図13は、本開示による
図2のOSS位置合わせ方法の第2の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【
図14】
図14は、本開示によるOSS位置合わせコントローラの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、(1)オーバー・ザ・ワイヤ(OTW)機器内の光学式形状感知(OSS)ガイドワイヤの移動の光学式形状感知から、OSSガイドワイヤの1つ以上の感知特徴(例えば、形状、曲率、温度、振動、ひずみ、ねじれ、アルファなど)を自動的に検出し、(2)OSSガイドワイヤの感知特徴の自動検出から、OTW機器の1つ以上の位置合わせ特性(例えば、タイプ、長さ、直径、色、ハブ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位など)を自動的に決定することによって、OTW機器の空間的追跡を伴うアプリケーション中の機器位置合わせを向上させる。
【0017】
本開示の説明及び請求のために、次のとおり定義する:
(1)「光学式形状感知(OSS)」、「OSSガイドワイヤ」、「オーバー・ザ・ワイヤ(OTW)機器」、「ハブ」、「ハブテンプレート」、「自律的(及びその時制)」、「自動的(及びその時制)」を含むが、これらに限定されない当技術分野の用語は、本開示の技術分野で知られているように且つ本開示で例示的に説明されているように解釈されるものとする。
(2)より具体的には、「OSSガイドワイヤ」という用語は、本開示の技術分野で知られている且つ以下で想到されているように、ワイヤ、ばねなどを広く包含しており、OTW機器の空間的位置決めを誘導するための光学式形状感知を組み込んでいる。
(3)OTW装置の例には、カテーテル、配置システム、シースが含まれるが、これらに限定されない。
(4)より具体的には、「ハブ」という用語は、本開示の技術分野で知られている且つ以下で想到されているように、OSSガイドワイヤを介するOTW機器の光学式形状感知を参照するための任意の物体を広く包含する。ハブの例には、ユニカス(unicath)ハブ、ルアーロックハブ、オーバー・カテーテルハブ、止血バルブハブ、ガイドワイヤトルクハブ、イントロデューサハブが含まれるが、これらに限定されない。
(5)より具体的には、「ハブテンプレート」という用語は、ハブ内で形成されたOSSガイドワイヤの形状プロファイル、曲率プロファイル、又はひずみプロファイルを広く包含する。
(6)「自律的機器位置合わせ」という用語は、本開示で例示的に説明されているように、OTW機器の空間的追跡に関連するOTW機器の位置合わせ特性を決定する目的でコントローラが実行する1つ以上の自律的な操作を広く包含する。
(7)「自動的」という用語は、本開示で例示的に説明されているように、OTW機器内のOSSガイドワイヤの移動の光学式形状検知に依存する、コントローラが実行する1つ以上の自律的な操作を広く包含する。
(8)「感知特徴」という用語は、本開示の技術分野で知られているように、OSSガイドワイヤのインタロゲーションから得られるOSSガイドワイヤの特徴を広く包含する。感知特徴は、OSSガイドワイヤ自体、OSSガイドワイヤに特徴を誘導するハブ、又はOSSガイドワイヤに特徴を誘導するOTW機器から得られる。OSSガイドワイヤの感知特徴の例には、OSSガイドワイヤのセグメント又は全体の形状、曲率、温度、振動、及びひずみが含まれるが、これらに限定されない。
(9)「位置合わせ特性」という用語は、本開示の技術分野で知られているように、追跡目的のために、OTW機器とOSS機器との空間的位置合わせの変数又は位置合わせ特性として機能するOTW機器の特性を広く包含する。OTW機器の位置合わせ特性の例には、OTW機器の機器タイプ、長さ、直径、及び色と、OTW機器に関連付けられているハブタイプ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位、及び処置タイプとが含まれるが、これらに限定されない。
(10)「ルックアップテーブル」、即ち、「LUT」という用語は、処置前又は処置中に定義されるテンプレート及び機器特性のデータベースを包含する。このようなデータベースの例には、本開示の技術分野で知られているようなルックアップテーブル及び人工知能によって生成されるデータベースが含まれるが、これらに限定されない。
(11)「コントローラ」という用語は、本開示の技術分野で理解されているように、且つ本開示で例示的に説明されているように、本開示で例示的に説明されている本開示の様々な原理の適用を制御するための主回路基板及び/又は集積回路を有しているすべての構造的構成を広く包含する。
(12)「アプリケーションモジュール」という用語は、電子回路(例えば、電子構成要素及び/又はハードウェア)、及び/又は本開示で例示的に説明されているように本開示の特定のアプリケーションを実行するための実行可能プログラム(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体及び/又はファームウェアに保存された実行可能ソフトウェア)で構成されるコントローラに組み込まれている、又はコントローラからアクセス可能なアプリケーションを広く包含する。
(13)「信号」及び「データ」という用語は、本開示の技術分野で理解されているように、且つ本開示で例示的に説明されているように、本開示で以下に説明される本開示の様々な発明原理を適用することを支援して情報及び/又は命令を送信するためのあらゆる形態の検出可能な物理的量又はインパルス(例えば、電圧、電流、又は磁場強度)を広く包含する。本開示の様々な構成要素による信号/データ通信は、任意のタイプの有線又は有線データリンクを介した信号/データの送受信、及びコンピュータ使用可能/コンピュータ可読記憶媒体にアップロードされた信号/データの読み取りが含まれるが、これらに限定されない、本開示の技術分野で知られているような任意の通信方法を伴い得る。
【0018】
本開示を理解し易くするために、
図1及び
図2の以下の説明は、それぞれ、本開示によるOSS位置合わせシステム及びOSS位置合わせ方法の例示的な実施形態を教示している。本開示の技術分野の当業者は、
図1及び
図2の説明から、本開示を適用して、任意のタイプのOTW機器のために、本開示のOSS位置合わせシステム及びOSS位置合わせ方法の追加の実施形態を作成及び使用するやり方を理解するであろう。
【0019】
図1を参照すると、本開示のOSS位置合わせシステムは、OSS位置合わせコントローラ20及びOSSガイドワイヤ30を採用している。
【0020】
実際には、OSSガイドワイヤ30は、本開示の技術分野で知られているように、光ファイバが埋め込まれた光学式形状センサを有するガイドワイヤである。
【0021】
1つの例示的な実施形態では、光学式形状センサは、光ファイバブラッググレーティングセンサに基づいている。光ファイバブラッググレーティング(FBG)は、光の特定の波長を反射し、他のすべての波長を伝送する光ファイバの短いセグメントである。これは、ファイバコアに、波長固有の誘電体マイナー(dielectric minor)を生成する屈折率の周期的な変動を追加することで実現される。したがって、ファイバブラッググレーティングは、特定の波長を遮断するインライン光フィルタとして又は波長固有のリフレクタとして使用できる。
【0022】
特に、FBGセンサは、屈折率が変化する各界面でフレネル反射を使用する。一部の波長では、様々な周期の反射光が同相になっているため、反射では建設的干渉が存在し、結果として、伝送では相殺的干渉が存在する。ブラッグ波長は、温度だけでなくひずみにも敏感である。これは、ブラッググレーティングを光ファイバセンサの感知要素として使用できることを意味する。FBGセンサでは、測定値(例えば、ひずみ)がブラッグ波長のシフトを引き起こす。
【0023】
第2の例示的な実施形態では、光学式形状センサは、固有後方散乱に基づいている。このようなアプローチの1つは、標準のシングルモード通信ファイバでレイリー散乱(又は他の散乱)を使用する。レイリー散乱は、ファイバコアの屈折率の不規則変動の結果として発生する。これらの不規則変動は、グレーティング長さに沿った振幅及び位相の不規則変化を有するブラッググレーティングとしてモデル化できる。この効果をマルチコアファイバの単一長さ内で延在する3つ以上のコアで使用することで、関心表面の3D形状及びダイナミクスを追うことができる。
【0024】
OSSガイドワイヤ30の1つの利点は、様々なセンサ要素をファイバの長さに分散できることである。構造内に埋め込まれたファイバの長さに沿って、様々なセンサ(ゲージ)を有する3つ以上のコアに組み込むことで、通常は1mmを超える精度で、このような構造の3次元外形を正確に決定できる。ファイバの長さに沿って、様々な位置に多数のFBGセンサを設置できる。各FBGのひずみ測定から、構造の曲率をその位置で推測できる。多数の測定された位置から、全体の3次元外形を決定できる。
【0025】
図1を引き続き参照すると、実際には、OSS位置合わせコントローラ20又は別のコントローラは、本開示の技術分野で知られているように、光源を含むか又は光源と連携する光学式インタロゲータとインターフェースし、これにより、コントローラ20(又は他のコントローラ)は、本開示の技術分野で知られているように、OSSガイドワイヤ30の感知特徴(例えば、OSSガイドワイヤ(30)のセグメント又は全体の形状、曲率、温度、振動、及びひずみ)を表すOSSガイドワイヤ30からの光信号を送受信するための光学式インタロゲータの動作を制御する。コントローラ20(又は他のコントローラ)は更に、本開示の技術分野で知られているように、受信した光学信号(すなわち、形状感知データ)に基づいて、OSSガイドワイヤ30の形状の再構成を制御する。
【0026】
図1を引き続き参照すると、本開示のOSS位置合わせシステムは更に、その近位端に(例えば、ルアーロックを介して)ハブ50が取り付けられているカテーテル40a、及び、その近位端に取り付け可能なハブ50(図示せず)を備えたカテーテル40bの形態のOTW機器を採用している。ハブ50は、本開示の技術分野で知られているように、ハブ本体に形成された固有のテンプレートを含んで、形状感知データを介してハブ本体内のOSSガイドワイヤ30の一部分を区別する。
【0027】
実際には、OTW機器は、本開示の技術分野で知られているように、配置システム及びシースを含むが、これらに限定されない代替の形態であってもよい。
【0028】
また、実際には、カテーテル40は、OSSガイドワイヤ30に、手動で又はロボットによってフロントロードされてもバックロードされてもよい。これにより、OSS位置合わせコントローラ20は、カテーテル40の空間的追跡に関連するカテーテル40の位置合わせ特性を決定する目的で、OSS位置合わせコントローラ20が実行する1つ以上の自律的な操作を伴うカテーテル40の機器位置合わせの決定を制御する。
【0029】
カテーテル40の位置合わせ特性の例には、カテーテル40のカテーテルタイプ、長さ、直径、及び色と、カテーテル40に関連付けられているハブタイプ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位、及び処置タイプとが含まれる。
【0030】
1つの例示的な実施形態では、カテーテル40の位置合わせ特性は、カテーテルに取り付けられた又は取り付け可能であるハブ50のタイプである。この位置合わせ特性を決定するために、OSS位置合わせコントローラ20は、本開示で更に説明されるように、ハブテンプレートの中を通るOSSガイドワイヤ30の移動の光学式形状感知から、又は、本開示で更に説明されるように、カテーテル40b内のOSSガイドワイヤ30の移動の光学式形状感知からカテーテル40bの機器タイプを自動的に検出することによって、OSSガイドワイヤ30に対するハブ50のハブテンプレートを自動的に検出するためのハブ検出モジュールを採用している。
【0031】
第2の例示的な実施形態では、カテーテル40の位置合わせ特性は、カテーテル40の長さである。この位置合わせ特性を決定するために、OSS位置合わせコントローラ20は、本開示で更に説明されるように、カテーテル40の中のOSSガイドワイヤ30の移動の光学式形状感知から、カテーテル40の長さの測定値を自動的に得るためのOTW機器測定器を採用している。
【0032】
図2を参照すると、OSSガイドワイヤ(例えば、
図1のOSSガイドワイヤ30)がOTW機器(例えば、
図1のカテーテル40)内を移動する際に実装される本開示のOSS位置合わせ方法60を表すステートマシン60が示されている。
【0033】
ステートマシン60の状態ST61では、本開示のOSS位置合わせコントローラ(例えば、
図1のコントローラ20)が、コマンド信号70aを介して、OTW機器内を移動するOSSガイドワイヤのインタロゲーションを制御する。
【0034】
ステートマシン60の状態ST62では、OSS位置合わせコントローラが、OSSガイドワイヤのインタロゲーションを介して生成されたOSSデータ71を処理して、本開示の技術分野で知られるように、OSSガイドワイヤの1つ以上の感知特徴(例えば、OSSガイドワイヤのセグメント又は全体の形状、曲率、温度、振動、及びひずみ)を検出する。
【0035】
ステートマシン60の状態ST63では、OSS位置合わせコントローラが、OSSガイドワイヤの検出された特徴を示す検出された特徴データ72を処理して、OTW機器の1つ以上の位置合わせ特性が、OSSガイドワイヤの検出された特徴から得られたものかどうかを評価する。
【0036】
OTW機器の1つ以上の位置合わせ特性が、OSSガイドワイヤの検出された特徴から得られる場合、OSS位置合わせコントローラは、OTW機器の空間的追跡を容易にするためのOTW機器の機器位置合わせ特性データ73(例えば、OTW機器の機器タイプ、長さ、直径、及び色と、OTW機器に関連付けられているハブタイプ、治療機器、解剖学的画像、解剖学的モデル、解剖学的部位、及び処置タイプ)を出力する。
【0037】
より具体的には、OSSガイドワイヤの検出された特徴を使用して、解剖学的部位の輪郭を描出できる。例えば、OSSガイドワイヤの検出された形状は、解剖学的部位の特定の形状に対応している場合があり、これにより、OSSガイドワイヤが解剖学的領域内を航行されているときにOSSガイドワイヤの形状を検出すると、該解剖学的部位におけるOSSガイドワイヤ(及びOTW機器)の位置決め及び/又は向きが特定される。
【0038】
OTW機器の1つ以上の位置合わせ特性が、OSSガイドワイヤの検出された特徴から得られない場合、OSS位置合わせコントローラは、コマンド信号70bを介して、OTW機器内で更に移動するOSSガイドワイヤのインタロゲーションを制御し、これにより、OTW機器の位置合わせ特性がOSSガイドワイヤの検出された特徴から得られるまで、状態ST61~ST63が繰り返される。本開示を更に理解し易くするために、
図3~
図13の以下の説明は、それぞれ、
図2によって示されたようにOTW機器の位置合わせ特性を獲得するためのベースとしてOSSガイドワイヤ特徴を検出するために、本開示による、
図1のOSS位置合わせシステム及び
図2のOSS位置合わせ方法の例示的な実施例を教示している。本開示の技術分野の当業者は、
図3~
図13の説明から、本開示を適用して、任意のタイプのOTW機器のために、
図1のOSS位置合わせシステム及び
図2のOSS位置合わせ方法の追加の実施形態を作成及び使用するやり方を理解するであろう。
【0039】
図3は、例えば、
図1のカテーテル40など、取り付けられているハブ内のOTW機器に特に適用できる、本開示のOSS位置合わせ方法を表すフローチャート100及び200を示している。
【0040】
図3を参照すると、フローチャート100及びフローチャート200は、取り付けられているハブ50に対するカテーテル40、又は取り付けられているハブに対する別のOTW機器の空間的追跡を定義する位置合わせ特性を決定するための、ユーザ操作及びコントローラ実行のワークフローを網羅している。
【0041】
大まかに述べると、ユーザ操作/コントローラ実行の第1のフェーズの実装は、OSSガイドワイヤ30がハブ50の中を通って移動する際にハブのテンプレートを検出して、ハブ50のタイプを決定するための、フローチャート100のステップS102及びステップS104、並びにフローチャート200のステップS202及びステップS204で構成されている。
【0042】
ユーザ操作/コントローラ実行の第2フェーズの実装は、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40の中を通って移動する際にカテーテル40を測定するための、フローチャート100のステップS106及びステップS108、並びにフローチャート200のステップS206及びステップS208で構成されている。
【0043】
フローチャート100及び200を開始する前に、多くの事前定義されたハブタイプ及び関連の固有のテンプレートからなるルックアップテーブル(LUT)203が定義される。これにより、本開示で更に説明されるように、検出されたハブテンプレートから、対応するハブタイプを調べることができる。実際には、様々なハブテンプレートに、可変の度合いの曲率又は異なる形状を有するユニカスハブが含まれている。
【0044】
更に、多くの事前定義されたカテーテル及び関連の形状又は曲率プロファイルからなるLUT207が定義される。これにより、検出されたカテーテルの形状又は曲率から、特定のタイプのカテーテルを調べることができる。例えば、LUT207には、いくつかの既知の機器(例えば、コブラ型カテーテル、SOSカテーテル、VS1カテーテルなど)の形状又は曲率プロファイルが含まれている。
【0045】
図3を引き続き参照すると、フローチャート100のステップS102は、ハブ50をカテーテル40に取り付けることを伴う第1のユーザ操作を含み、フローチャート100のステップS104は、ハブ50の中を通ってOSSガイドワイヤ30を手動又はロボットで移動させる第2のユーザ操作を含む。フローチャート100のステップS102及びS104は、カテーテル40に取り付けられたハブ50のタイプを自動検出するためのフローチャート200のステップS202及びステップS204を開始する。フローチャート200のステップS202及びS204は、次の入力のうちの1つ以上によって開始される。
【0046】
1つの例示的な実施形態では、ユーザ入力301は、ハブ50がカテーテル40に取り付けられており、OSSガイドワイヤ30がハブ50に挿入されようとしていることをコントローラ20に示す。ユーザ入力301は、視覚的、口頭、及び/又は手動の合図の形式であってもよい。
【0047】
第2の例示的な実施形態では、センサがハブ50に組み込まれる。センサは、カテーテル40へのハブ50の取り付けを感知するか、又は、OSSガイドワイヤ30がハブ50と接触していることを感知すると、センサ入力信号302をコントローラ20に送信する。更に、ステップS102及び/又はS104が行われたことを感知するために、テーブルや室内などで、他の機器に追加のセンサを組み込んでもよい。
【0048】
第3の例示的な実施形態では、コントローラ20(又は別のコントローラ)が、OSSガイドワイヤ30からの形状データを継続的に調べて、OSSガイドワイヤ30の遠位端における最小曲率の形成を検出するアルゴリズムを実行する。アルゴリズムが形状データの最小曲率を確認すると、アルゴリズム信号303によって、ステップS202がトリガされる。
【0049】
第4の例示的な実施形態では、X線、超音波、光学/カメラなどのイメージングから抽出されたイメージング情報304も使用して、カテーテル40が存在するときやハブ30が使用されている場合を特定できる。この特定は、ステップS202を開始するためのトリガとして使用される。
【0050】
ステップS202及びS204によって実装される第1のフェーズは、ステップS104においてOSSガイドワイヤがハブテンプレートの中を通って移動する際のステップS202におけるOSSガイドワイヤ30の形状感知データの継続的処理を伴う。これにより、ステップS204において、コントローラ20は、OSSガイドワイヤ30の現在の形状データを、LUT203内の事前定義されたハブテンプレートにマッチさせようとする。誤差が最も少ない事前定義されたハブテンプレートが、ベストマッチのハブとして定義され、そのハブタイプ(又は分類)が保存される。
【0051】
図4は、第1のフェーズの例示的な実施形態を示している。
【0052】
図4を参照すると、フローチャート400のステップS402において、図に示すように、ハブ50をカテーテル40に取り付け、ハブ50をOSSガイドワイヤ30にフロントロード又はバックロードした後に、ハブテンプレートの中を通るOSSガイドワイヤ30の移動を光学式形状感知する。ステップS402において、ユーザがボタンをクリックしてコントローラ20を初期化するか、或いは、コントローラ20は常に実行されていて、当技術分野で知られている信号処理及び信号最適化技術に基づいて、ハブ50がカテーテル40に接続されたことを検出できる。
【0053】
フローチャート400のステップS404において、コントローラ20は、OSSガイドワイヤ30の現在の形状データを、LUT203の事前定義されたハブテンプレートと比較する。これにより、誤差が最も少ない事前定義されたハブテンプレートが、検出されたハブテンプレートとして選択される。誤差関数は、次の式[1]に従う。
【数1】
【0054】
実際には、ハブテンプレートの下の領域は正規化される。正規化しなければ、大きいテンプレートよりも小さいテンプレートが優先される場合がある。
【0055】
テンプレートの位置は、ユーザに示される。誤ったテンプレート位置又はテンプレートが選択されている場合は、ユーザは、検索範囲を「ウィンドウ(window)」できる。検索範囲は、(軸方向のひずみにおける勾配を確認することによって)体の内側又は外側にあるOSSガイドワイヤ30の一部分、又はセンサの最遠位部分(最後の10cmなど)を排除するユーザ入力なしでウィンドウすることもできる。
【0056】
フローチャート400のステップS406でテンプレート位置が選択されると、フローチャート400のステップS408において、コントローラ20は、保存されているハブテンプレートと合致する領域の形状から実際のハブテンプレート曲率を獲得(抽出)する。
【0057】
図5Aは、ハブテンプレートの中を通って移動するOSSガイドワイヤ30の光学式形状感知された曲率にマッチした事前定義されたハブテンプレートを示し、
図5Bは、正しいマッチの拡大図を示している。
【0058】
図3を再び参照すると、フローチャート100のステップS106は、カテーテル40の中を通ってOSSガイドワイヤ30を手動又ロボットで移動させる第3のユーザ操作を含み、フローチャート100のステップS108は、ハブ50からOSSガイドワイヤ30の先端を手動又はロボットで伸張させる第4のユーザ操作を含む。フローチャート100のステップS106及びS108は、カテーテル40の長さを自動測定するためのフローチャート200のステップS206及びステップS208を開始する。
【0059】
図6は、第2のフェーズの例示的な実施形態を示している。
【0060】
図6を参照すると、フローチャート500のステップS502において、
図4に示すように、ハブテンプレートの中を通るOSSガイドワイヤ30の手動又はロボットによる移動を光学式形状感知した後に、図に示すように、カテーテル40の中を通るOSSガイドワイヤ30の手動又はロボットによる移動を光学式形状感知する。
【0061】
フローチャート500のステップS504において、カテーテル40の中を通るOSSガイドワイヤ30の移動を光学式形状感知するステップS502から、コントローラ20の検出器21が、ハブ50を基準としたカテーテル40の長さの測定値を自動的に得る。該光学式形状感知には、OSSガイドワイヤ30の遠位先端31とカテーテル40の遠位先端41との整列又は伸張を伴う。このために、コントローラ20の検出器21は、タイガーカテーテル、ジャッキーカテーテル、アンプラッツ(amplatz)レフトカテーテル、LCBカテーテル、RCBカテーテル、ジャドキンス(Judkins)レフトカテーテル、ジャドキンスライトカテーテル、多目的A2カテーテル、IMカテーテル、3Dリマ(lima)カテーテル、及びIM VB-1カテーテルを含むが、これらに限定されないカテーテル形状51aのデータベース209を含む。
【0062】
フローチャートのステップS506において、本開示の技術分野で知られているか又は以下で想到されているように、コントローラ20が、カテーテル40の形状の光学式形状感知再構成のために、測定されたカテーテル長さを獲得する。
【0063】
ここで、ステップS504の例示的な実施形態について説明する。
【0064】
図7は、本開示のOSSピーク測定方法を表すフローチャート510を示している。
図7を参照すると、フローチャート510のステップS512において、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40の近位端から開始し、カテーテル40の遠位先端41まで押されてそこを超えるまでの間の各時点でのOSSガイドワイヤ30の先端31の平均曲率を、コントローラ20が保存し、その平均先端曲率をハブ50の位置に対してプロットする。ステップS512において、OSSガイドワイヤ30の先端31がカテーテル40の遠位端の先端41に到達すると、その平均曲率が大きく急激に上昇し、続いてOSSガイドワイヤ30の先端31の平均曲率が急激に低下する。曲率のスパイクは、2つの機器30、40の先端31、41が整列した点を定義する。
【0065】
例えば、
図8は、OSSガイドワイヤ30の先端31がカテーテル40の遠位先端41に到達すると、その平均曲率が大きく急激に上昇し、続いてOSSガイドワイヤ30の先端31の平均曲率が急激に低下するプロットのグラフ151を示している。曲率のスパイクは、2つの機器30、40の先端31、41が整列した点を定義する。
【0066】
図7を再び参照すると、フローチャート510のステップS514において、コントローラ20が、平均先端曲率の低下についてプロットを継続的にモニタリングする。コントローラ20が平均先端曲率の低下を特定すると、フローチャート510のステップS516において、コントローラ20は、ピークにおいてユニカスハブインデックス位置を抽出して、カテーテル40の長さを定義できるように、この平均先端曲率のスパイクを使用する。ここから、現在のOTW機器又はハブを、事前定義された機器特性のルックアップテーブルとマッチさせることによって、追加の機器特性を獲得できる。
【0067】
図9は、本開示のOSS遠位曲率方法を表すフローチャート520を示している。
図9を参照すると、フローチャート500のステップS522において、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40の近位端から開始し、カテーテル40の遠位先端41まで押されてそこを超えるまでの間の各時点でのOSSガイドワイヤ30の遠位先端の曲率を、コントローラ20が保存し、その先端曲率をハブ50の位置に対してプロットする。各フレームで、曲率信号のピークが見つけられる。各ピークには、A、B、C、又は1、2、3などのラベルが付けられる。ラベルは、最初のデータフレームで初期化される。新しいフレームごとに、ラベルは、最後のピークに最も近いピークに適用される。このようにして、カテーテル40の特定の曲線にラベルが付けられ、OSSガイドワイヤ30を基準にした曲線の位置を常に特定できる。
【0068】
図10は、OSSガイドワイヤ30の遠位先端の曲率プロットの例示的なグラフ153を示している。色分けされた線は、OSSガイドワイヤ30の遠位先端がカテーテル40内の異なる位置80、81、及び82にある3つの異なる時点からのものである。番号が付けられた円は、曲率プロファイルの各ピークのラベルを示す。
【0069】
より具体的には、
図10は、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40内にまだあるときの第1の時点(青)を示している。この時点で、OSSガイドワイヤ30に曲線が特定され、該曲線に(1)というラベルが付けられる。OSSガイドワイヤ30がまだカテーテル40内にあり、更に少し奥にあるときの第2の時点(紫)では、曲線(1)は、OSSガイドワイヤ30上をより近位にシフトしている。これは続けられるため、曲線(1)は、最終的にはOSSガイドワイヤ30上のより近位になる。次の時点(ピンク)では、OSSガイドワイヤ30の先端がオーバー・ザ・ワイヤ先端を越え、新しい曲線(2)が現れる。このようにして、曲線を計算することができ、また、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40から出たときのための閾値を定義できる。
【0070】
図9を再び参照すると、フローチャート520のステップS524において、カテーテル40からのOSSガイドワイヤ30の出口点を特定する。出口点は、フローチャート520のステップS526において、カテーテル40の長さを定義する。
【0071】
図11は、本開示のOSS遠位曲率方法を表すフローチャート530を示している。
図11を参照すると、フローチャート530のステップS532において、コントローラ20が、OSSガイドワイヤ30の現在の再構成された形状を受信する。また、フローチャート530のステップS534において、測定器22が、OSSガイドワイヤ30の再構成を、多くの事前定義された曲線及び関連の長さからなるルックアップテーブルに保存されている事前定義されたカテーテルの曲線にマッチさせようとする。ステップS532及びS534は、コントローラ20が誤差の最も少ないマッチを特定するまでループで実行される。該マッチは、OSSガイドワイヤ30及びカテーテル40の先端と最もよく似ているOSSガイドワイヤ30の形状が整列したことを示す。フローチャート530のステップS536において、コントローラ20は、マッチした事前定義されたカテーテルの長さを、カテーテル40の長さとして獲得する。
【0072】
図12は、OSSガイドワイヤ30の現在再構成された形状140が、タイガーカテーテル141a、ジャッキーカテーテル141b、アンプラッツレフトカテーテル141c、LCBカテーテル141d、RCBカテーテル141e、ジャドキンスレフトカテーテル141f、ジャドキンスライトカテーテル141g、多目的A2カテーテル141h、IMカテーテル141i、3Dリマカテーテル141j、及びIM VB-1カテーテル141kからなるルックアップテーブルから多目的A2カテーテル141hにマッチされていることを示す。
【0073】
図13は、例えば、
図1のカテーテル40など、ハブが取り付けられていないOTW機器に特に適用できる、本開示のOSS位置合わせ方法を表すフローチャート110及び210を示している。
【0074】
図13を参照すると、フローチャート110及びフローチャート210は、カテーテル40又はハブが取り付けられていない別のOTW機器の空間的追跡を定義する位置合わせ特性を決定するための、ユーザ操作及びコントローラ実行のワークフローを網羅している。
【0075】
フローチャート110のステップS112は、カテーテル40の中を通ってOSSガイドワイヤ30を手動又ロボットで移動させる第1のユーザ操作を含み、フローチャート110のステップS114は、カテーテル40の遠位先端からOSSガイドワイヤ30の先端を手動又はロボットで伸張させる第2のユーザ操作を含む。フローチャート110のステップS112及びS114は、カテーテル40の長さを自動測定するためのフローチャート210のステップS212及びステップS214を開始する。
【0076】
フローチャート210のステップS212及びS214は、次の入力のうちの1つ以上によって開始される。
【0077】
1つの例示的な実施形態では、ユーザ入力301は、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40に挿入されようとしていることをコントローラ20に示す。ユーザ入力301は、視覚的、口頭、及び/又は手動の合図の形式であってもよい。
【0078】
第2の例示的な実施形態では、センサがカテーテル40に組み込まれる。センサは、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40と接触していることを感知すると、センサ入力信号302をコントローラ20に送信する。更に、ステップS112及び/又はS114が行われたことを感知するために、テーブルや室内などで、他の機器に追加のセンサを組み込んでもよい。
【0079】
第3の例示的な実施形態では、コントローラ20(又は別のコントローラ)が、OSSガイドワイヤ30からの形状データを継続的に調べて、OSSガイドワイヤ30の遠位端における最小曲率の形成を検出するアルゴリズムを実行する。アルゴリズムが形状データの最小曲率を確認すると、アルゴリズム信号303によって、ステップS212がトリガされる。
【0080】
第4の例示的な実施形態では、X線、超音波、光学/カメラなどのイメージングから抽出されたイメージング情報304も使用して、OSSガイドワイヤ30がカテーテル40に近接しているか又は接触していることを特定できる。この特定は、ステップS212を開始するためのトリガとして使用される。
【0081】
ステップS212及びS214には、ステップS102においてOSSガイドワイヤがカテーテル40の中を通って移動する際のステップS212におけるOSSガイドワイヤ30の形状感知データの継続的処理が伴う。これにより、ステップS214において、コントローラ20は、OSSガイドワイヤ30の現在の形状データをルックアップテーブル(LUT)213内の事前定義されたカテーテル形状にマッチさせようとする。誤差が最も少ない事前定義されたカテーテル形状が、ベストマッチのカテーテルタイプとして定義され、そのカテーテルタイプ(又は分類)が保存される。これにより、そこから、位置合わせ特性を得ることができる。
【0082】
ステップS214の一実施形態では、コントローラ20は、OSSガイドワイヤ30の現在の再構成された形状を受信し、OSSガイドワイヤ30の再構成を、多くの事前定義された曲線及び関連の特性(ハブのタイプを含む)からなるルックアップテーブルに保存されているカテーテルの事前定義された曲線とマッチさせようとする。コントローラ20は、誤差が最も少ないマッチを特定する。該マッチは、OSSガイドワイヤ30及びカテーテル40の先端と最もよく似ているOSSガイドワイヤ30の形状が整列したことを示す。また、コントローラ20は、マッチした事前定義されたカテーテル形状の位置合わせ特性を、カテーテル40の位置合わせ特性として獲得する。
【0083】
前述のように、
図12は、OSSガイドワイヤ30の現在再構成された形状140が、タイガーカテーテル141a、ジャッキーカテーテル141b、アンプラッツレフトカテーテル141c、LCBカテーテル141d、RCBカテーテル141e、ジャドキンスレフトカテーテル141f、ジャドキンスライトカテーテル141g、多目的A2カテーテル141h、IMカテーテル141i、3Dリマカテーテル141j、及びIM VB-1カテーテル141kからなるルックアップテーブルから多目的A2カテーテル141hにマッチされていることを示す。したがって、多目的A2カテーテル141hの位置合わせ特性が、カテーテル40の位置合わせ特性、特にカテーテル40に取り付けられるハブのタイプになる。
【0084】
本開示を更に理解し易くするために、
図14の以下の説明は、本開示によるOSS位置合わせコントローラの例示的な実施形態を教示している。本開示の技術分野の当業者は、
図14の説明から、本開示を適用して、本開示によるOSS位置合わせコントローラの追加の実施形態を作成及び使用するやり方を理解するであろう。
【0085】
図14を参照すると、OSS位置合わせコントローラ20(
図1)の例示的な実施形態20aは、1つ以上のシステムバス25を介して相互接続された1つ以上のプロセッサ21、メモリ22、ユーザインターフェース23、ネットワークインターフェース24、及びストレージ26を含む。
【0086】
各プロセッサ21は、メモリ22又はストレージに保存されている命令を実行可能であるか、又はデータを処理可能である、本開示の技術分野で知られているか又は以下で想到されている任意のハードウェアデバイスであり得る。非限定的な例では、プロセッサ21は、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の同様のデバイスを含み得る。
【0087】
メモリ22は、L1、L2、又はL3キャッシュ又はシステムメモリを含むが、これらに限定されない、本開示の技術分野で知られているか又は以下で想到されている様々なメモリを含み得る。非限定的な例では、メモリ22は、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的RAM(DRAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、又は他の同様のメモリデバイスを含み得る。
【0088】
ユーザインターフェース23は、管理者などのユーザとのやり取りを可能にするための、本開示の技術分野で知られているか又は以下で想到されている1つ以上のデバイスを含み得る。いくつかの非限定的な例では、ユーザインターフェースは、ネットワークインターフェース24を介してリモート端末に提示され得るコマンドラインインターフェース又はグラフィカルユーザインターフェースを含み得る。
【0089】
ネットワークインターフェース24は、イメージングシステム(図示せず)及び追加の追跡システム(図示せず)(例えば、電磁追跡システム)との通信を可能にするための、本開示の技術分野で知られているか又は以下で想到されている1つ以上のデバイスを含み得る。非限定的な例では、ネットワークインターフェース24は、イーサネット(登録商標)プロトコルに従って通信するネットワークインターフェースカード(NIC)を含み得る。更に、ネットワークインターフェース24は、TCP/IPプロトコルに従って通信するためのTCP/IPスタックを実装していてもよい。ネットワークインターフェース26の様々な代替又は追加のハードウェア若しくは構成は明らかであろう。
【0090】
ストレージ26は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光学ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイス、又は同様のストレージ媒体を含むが、これらに限定されない、本開示の技術分野で知られているか又は以下で想到されている1つ以上の機械可読ストレージ媒体を含み得る。様々な非限定的な実施形態では、ストレージ26は、プロセッサ21による実行のための命令又はプロセッサ21が作用し得るデータを保存し得る。例えば、ストレージ26は、ハードウェアの様々な基本動作を制御するためのベースのオペレーティングシステムを保存し得る。また、ストレージ26は、特徴検出器28a及び特性マネージャ28bをアプリケーションモジュールとして、本開示で前述したように特徴検出及び位置合わせ特性決定の様々な機能を実装するための実行可能ソフトウェア/ファームウェアの形式で保存する。また、ストレージ26は、本開示の技術分野で知られているか又は以下で想到されているOSSインタロゲーションアプリケーションモジュール(図示せず)及び/又はOSS再構成アプリケーションモジュール(図示せず)を保存し得る。更に、ストレージ26は、本開示で前述したルックアップテーブル(例えば、事前定義されたOTW形状)を保存し得る。
【0091】
実際には、OSS位置合わせコントローラ20aは、スタンドアロンワークステーション(例えば、デスクトップ、ラップトップ、パッド、又はスマートフォン)に組み込むことも、OSSシステムのワークステーション又はサーバに組み込むこともできる。
【0092】
図1~
図14を参照すると、本開示の技術分野の当業者は、OSSガイドワイヤの特徴を自動的に検出して、多数及び様々な用途に適用可能であるOSSガイドワイヤ又は他の追跡機器によるOTW機器の正確で堅牢な空間的追跡のために必要な所要のOTW機器の位置合わせ特性を自動的に決定することを含むが、これに限定されない本開示の多くの恩恵を受けることができよう。決定された機器特性は、視覚化プロパティの呼び出し、処置の注釈付け、重要な情報の記録、ドキュメンテーション、又は処置精度を向上させるための機器/イメージングプロパティの設定のために使用され得る(が、これらに限定されない)。
【0093】
更に、本開示で説明されている例示的な実施形態は、OSSガイドワイヤの特徴を検出してOTW機器の機器特性(例えば、カテーテルの長さ)を定義する方法を教示している。本開示と同じ原理の中で、OSSガイドワイヤの特徴を検出して、解剖学的部位の輪郭を描出できる。例えば、OSSガイドワイヤ(又はOSSガイドワイヤ及びOTW機器)の特定の形状は、解剖学的部位によって引き起こされる。OSSガイドワイヤ(及びOTW機器)の検出された形状及び解剖学的部位が事前定義されたLUTに保存され得る。その結果、後続の処置中において、この特徴の検出は、LUTを介して、解剖学的部位又は特定のタイプの処置を決定することを容易にする。
【0094】
また、当業者は、本明細書に提供されている教示内容に鑑みて、本開示/明細書に説明されている及び/又は図に示されている構造、要素、構成要素などが、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組み合わせで実装され、且つ単一の要素又は複数の要素においてくみあわされ得る機能を提供し得ることを理解するであろう。例えば、図に示された/例示された/描写された様々な構造、要素、構成要素などの機能は、専用ハードウェアだけでなく、追加の機能のための適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアを使用して提供され得る。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、又は複数の個別のプロセッサ(そのうちのいくつかは共有されていても多重化されていてもよい)によって提供され得る。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に意味すると解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、メモリ(例えば、ソフトウェアを保存するための読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、不揮発性ストレージなど)、及びプロセスを実行又は制御できる(又は設定可能な)事実上すべての手段及び/又は機械(ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、その組み合わせなどを含む)を暗黙的に含み得るが、これらに限定されない。
【0095】
更に、本発明の原理、態様、及び実施形態だけでなく、それらの具体例を詳述する、本明細書におけるすべての記述は、その構造的及び機能的な均等物を包含することを意図している。また、そのような均等物には、現在知られている均等物だけでなく、将来開発される均等物(例えば、構造に関係なく、同じ機能又は実質的に同様の機能を実行できるように開発された要素)の両方が含まれることを意図している。したがって、例えば、当業者は、本明細書に提供されている教示内容に鑑みて、本明細書で提示される任意のブロック図は、本発明の原理を具体化する例示的なシステム構成要素及び/又は回路の概念図を表すことができることを理解するであろう。同様に、当業者は、本明細書に提供されている教示内容に鑑みて、任意のフローチャート、フロー図などが、コンピュータ可読ストレージ媒体において実質的に表現され得、したがって、コンピュータ、プロセッサ、又は処理能力を有する他のデバイスが明示的に示されているか否かに関わらず、それらによって実行される様々なプロセスを表し得ることを理解するであろう。
【0096】
本開示の様々な及び多数の発明の好適且つ例示的な実施形態(これらの実施形態は、限定ではなく例示を意図している)を説明した上で、図を含む本明細書で提供されている教示内容を鑑みて、当業者が修正及び変更を行い得ることに留意されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態の範囲内で、本開示の好適且つ例示的な実施形態に変化を加えることができることを理解されたい。
【0097】
また、本開示に従って、デバイス/システムを組み込む及び/又は実装するか、又はデバイス内/デバイスとともに使用される/実装される、対応する及び/又は関連するシステムもまた、本開示の範囲内であると企図及び想定されることも企図されている。また、本開示に従って、デバイス及び/又はシステムを製造する及び/又は使用するための対応する及び/又は関連する方法もまた、本開示の範囲内であると企図及び想定されている。
【0098】
開示された実施形態の他の変形は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素やステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを意味するものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】