(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】組織画像の動的更新
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20221214BHJP
【FI】
A61B34/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522860
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020079273
(87)【国際公開番号】W WO2021074422
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バイドロン トーレ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】カイン ショーン ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ティエンファラパ ポール
(57)【要約】
コントローラ122は、命令を保存するメモリ12220と、命令を実行するプロセッサ12210とを含む。命令を実行すると、コントローラ122は、第1のモダリティで組織の術前画像を取得し(S405)、第1のモダリティでの組織の術前画像を、組織に付着されたセンサ195~199のセットと位置合わせし(S425)、センサ195~199のセットから、センサ195~199のセットの位置についての電子信号のセットを受信すること(S435)を含むプロセスを実装する。プロセスはさらに、電子信号のセットのうちの各セットについて、センサ195~199のセットの位置の幾何学的配置を計算し(S440)、センサ195~199のセットからの電子信号のセット間の、センサ195~199のセットの位置の幾何学的配置の変化に基づいて、センサ195~199のセットの移動を計算すること(S450)を含む。センサ195~199のセットの移動に基づいて、組織内の変化を反映するために、術前画像が更新される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターベンション医療処置中に組織の画像を動的に更新するためのコントローラであって、
命令を保存するメモリと、
前記命令を実行するプロセッサと、
含み、
前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記コントローラに、
第1のモダリティで前記組織の術前画像を取得し、
前記第1のモダリティでの前記組織の前記術前画像を、前記インターベンション医療処置のために前記組織に付着されたセンサのセットと位置合わせし、
前記センサのセットから、前記センサのセットの位置についての電子信号のセットを受信し、
前記電子信号のセットのうちの各セットについて、前記センサのセットの前記位置の幾何学的配置を計算し、
前記センサのセットからの前記電子信号のセット間の、前記センサのセットの前記位置の前記幾何学的配置の変化に基づいて、前記センサのセットの移動を計算し、
前記センサのセットの前記移動に基づいて、前記組織内の変化を反映するために、前記術前画像を更新画像に更新することを含む、
プロセスを実装させる、コントローラ。
【請求項2】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記電子信号のセットのうちの各セットに第1のアルゴリズムを適用して、前記センサのセットの前記移動を計算することを含み、前記センサのセットから受信した前記電子信号のセットは、リアルタイムで送られる前記センサのセットの位置の位置ベクトルを含み、前記センサのセットの各々は、ジャイロスコープ又は加速度計のうちの少なくとも1つが含まれている慣性センサを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記術前画像に第2のアルゴリズムを適用して、前記センサのセットの前記移動に基づいて、前記組織内の前記変化を反映するために、前記術前画像を前記更新画像に更新することを含む、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記第1のモダリティでの前記術前画像を、第2のモダリティでの前記組織の画像と位置合わせすることを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記組織の画像の分析に基づいて、前記センサのセットのうちの少なくとも1つのセンサの配置を最適化することを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記センサのセットを含むカメラ画像に基づいて、前記センサのセットのうちの各センサの初期位置を算出し、
前記カメラ画像を、前記センサのセットに対して位置合わせすることを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記センサのセットからの電子信号のセット間の、前記センサのセットの前記幾何学的配置の変化に基づいて、前記センサのセットの前記移動が計算される前に、前記第1のモダリティでの前記組織の前記術前画像が、前記センサのセットと位置合わせされる、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記組織の前記術前画像又は前記組織の前記更新画像のうちの少なくとも1つに関して、前記センサのセットの前記幾何学的配置に基づいて前記組織の3次元モデルを生成し、
前記センサのセットからの前記電子信号の複数のセットのうちの各々に基づいて、前記組織の前記3次元モデルを更新し、
前記術前画像を更新することで、前記組織の現在の状態を反映する、前記術前画像の更新された仮想レンダリングを作成することを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記センサのセットから前記電子信号のセットを受信する前に、前記センサのセットのうちの各センサの3つの軸の各々からの位置情報を記録することを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記移動における振動性の動きの周波数に基づいて、前記インターベンション医療処置中のアクティビティを特定することを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項11】
インターベンション医療処置中に組織の画像を動的に更新する装置であって、
命令、及び、第1のモダリティで取得した前記組織の術前画像を保存するメモリと、
前記命令を実行して、前記第1のモダリティでの前記組織の前記術前画像を、前記インターベンション医療処置のために前記組織に付着されたセンサのセットと位置合わせするプロセッサと、
入力インターフェースと、
を含み、
前記入力インターフェースを介して、前記センサのセットから、前記センサのセットの位置についての電子信号のセットが受信され、
前記プロセッサは、前記電子信号のセットのうちの各セットについて、前記センサのセットの前記位置の幾何学的配置を計算し、且つ、前記センサのセットからの前記電子信号のセット間の、前記センサのセットの前記位置の前記幾何学的配置の変化に基づいて、前記センサのセットの移動を計算し、
前記装置は、前記術前画像を、前記センサのセットの前記移動に基づいて、前記組織内の変化を反映する更新画像に更新し、且つ、前記センサのセットからの電子信号の各セットについて、前記更新画像を表示するためにディスプレイを制御する、装置。
【請求項12】
前記移動が所定の閾値を超えたとの決定に基づいて、触覚フィードバックを提供するフィードバックインターフェースをさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
インターベンション医療処置中に組織の画像を動的に更新するためのシステムであって、前記システムは、
組織に付着されたセンサであって、前記センサに給電する電源、前記センサの移動を感知する慣性電子構成要素、及び前記センサの前記移動を示す電子信号を送信する送信器を含む、センサと、
命令を保存するメモリ、及び前記命令を実行するプロセッサを含むコントローラと、
を含み、
前記コントローラは、前記プロセッサによって実行されると、
第1のモダリティで前記組織の術前画像を取得し、
前記第1のモダリティでの前記組織の前記術前画像を前記センサと位置合わせし、
前記センサから、前記センサによって感知された移動のついての電子信号を受信し、
前記電子信号に基づいて、前記センサの幾何学的配置を計算し、
前記幾何学的配置に基づいて、前記組織の変化を反映するために、前記術画像を更新することを含む、
プロセスを実装する、システム。
【請求項14】
前記センサはさらに、
前記電源、前記慣性電子構成要素、及び前記送信器を囲む滅菌保護ケースと、
前記組織に付着するための生体適合性の接着剤と、
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記電源は、前記インターベンション医療処置中に受け取る光又は音によってエネルギー付与される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記センサは、前記組織内にある、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記電子信号に第1のアルゴリズムを適用して、前記センサの前記移動を計算することを含み、前記センサから受信した前記電子信号は、リアルタイムで送られる前記センサの位置の位置ベクトルを含み、前記センサは、ジャイロスコープ又は加速度計のうちの少なくとも1つが含まれている慣性センサを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記術前画像に第2のアルゴリズムを適用して、前記センサの前記移動に基づいて、前記組織内の変化を反映するために、前記術前画像を前記更新画像に更新することを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記第1のモダリティでの前記術前画像を、第2のモダリティでの前記組織の画像と位置合わせすることを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサが前記命令を実行すると実装される前記プロセスはさらに、
前記組織の画像の分析に基づいて、前記センサの配置を最適化することを含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] インターベンション医療処置は、患者の身体に対する侵襲的な処置である。外科手術は、インターベンション医療処置の一例であり、ある種のがんを含むいくつかの疾患の治療法として選択される。がん外科手術において、がん組織(腫瘍)を含む臓器は、柔らかくて可撓性があり、また、容易に扱えることが多い。がん組織を含む臓器の術前画像を使用して、がん外科手術におけるがん組織の外科的切除(除去)を計画する。例えば、外科医などの臨床医は、術前画像で臓器上のがん組織の部位を特定し、術前画像に基づいて、がん組織への経路を頭の中で計画できる。外科手術中、臨床医は、臓器を押す、臓器を引っ張る、臓器を切断する、臓器を焼灼する、及び臓器を切開するなどして解剖学的構造を操作して、がん組織への計画された経路をたどり始める。がん組織を含む臓器が非常に柔らかい場合、これらの操作により臓器が歪むため、臓器の解剖学的構造は、臓器の術前画像に比べて異なる。
【0002】
[0002] さらに、脳や肺などのいくつかの臓器は、身体に穴を開けたときに圧力が変化することにより、形状が大きく偏位又は変化する。脳偏位は頭蓋骨に穴が作成されると起こる。肺外科手術では、胸腔内に穴が作成されると肺が虚脱する。このため、がん組織を含む3次元(3D)解剖学的構造は、圧力差や解剖学的構造の操作によって変化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] がん組織を含む3次元解剖学的構造の変化は、臨床医を混乱させる可能性があり、実際に、臨床医は、術前画像や当初の外科手術計画に対する見解を再構築しなければならない場合がある。再構築するには、臨床医は、解剖学的構造を移動、伸縮、反転、及び回転させて既知のランドマークを特定する必要があり、このような追加の操作によって、術前画像に比べて解剖学的構造がさらに変化し、その結果、全体で方向がわからなくなることがある。本明細書で説明する組織画像の動的更新は、これらの課題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示の態様によれば、インターベンション医療処置中に組織の画像を動的に更新するためのコントローラは、命令を保存メモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。プロセッサによって実行されると、命令は、コントローラに、第1のモダリティで組織の術前画像を取得し、第1のモダリティでの組織の術前画像を、インターベンション医療処置のために組織に付着されたセンサのセットと位置合わせすることを含むプロセスを実装させる。プロセッサが命令を実行すると実装されるプロセスはまた、センサのセットから、センサのセットの位置についての電子信号のセットを受信し、電子信号のセットの各セットについて、センサのセットの位置の幾何学的配置を計算することを含む。プロセッサが命令を実行すると実装されるプロセスはさらに、センサのセットからの電子信号のセット間の、センサのセットの位置の幾何学的配置の変化に基づいて、センサのセットの移動を計算し、センサのセットの移動に基づいて、組織内の変化を反映するために、術前画像を更新画像に更新することを含む。
【0005】
[0005] 本開示の別の態様によれば、インターベンション医療処置中に組織の画像を動的に更新する装置は、命令、及び、第1のモダリティで取得した前記組織の術前画像を保存するメモリを含む。この装置はまた、命令を実行して、第1のモダリティでの組織の術前画像を、インターベンション医療処置のために組織に付着されたセンサのセットと位置合わせするプロセッサを含む。この装置はさらに、入力インターフェースを含み、この入力インターフェースを介して、センサのセットから、センサのセットの位置についての電子信号のセットが受信される。プロセッサは、電子信号のセットのうちの各セットについて、センサのセットの位置の幾何学的配置を計算し、センサのセットからの電子信号のセット間の、センサのセットの位置の幾何学的配置の変化に基づいて、センサのセットの移動を計算する。この装置は、術前画像を、センサのセットの移動に基づいて、組織内の変化を反映する更新画像に更新し、且つ、センサのセットからの電子信号の各セットについて、更新画像を表示するためにディスプレイを制御する。
【0006】
[0006] 本開示のさらに別の態様によれば、インターベンション医療処置中に組織の画像を動的に更新するためのシステムは、センサと、コントローラとを含む。センサは、組織に付着されており、センサに給電する電源、センサの移動を感知及び処理する慣性電子構成要素、及びセンサの移動を示す電子信号を送信する送信器を含む。コントローラは、命令を保存メモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。プロセッサによって実行されると、コントローラは、第1のモダリティで組織の術前画像を取得し、第1のモダリティでの組織の術前画像をセンサと位置合わせすることを含むプロセスを実装する。プロセッサが命令を実行すると実装されるプロセスはまた、センサから、センサによって感知される移動についての電子信号を受信し、電子信号に基づいて、センサの幾何学的配置を計算することを含む。プロセッサが命令を実行すると実装されるプロセスはさらに、幾何学的配置に基づいて、組織の変化を反映するために、術前画像を更新することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007] 実施形態の例は、以下の詳細な説明を、添付の図面図とともに読むと、最もよく理解される。様々な特徴が、必ずしも縮尺どおりに描画されているわけではないことを強調する。実際には、考察を明確にするために、寸法は任意に増減されている。適用可能及び実用的である場合は、同様の参照符号は、同様の要素を指す。
【0008】
【
図1A】[0008]
図1Aは、代表的な実施形態による組織画像を動的に更新するためのシステムの簡略化された概略ブロック図である。
【
図1B】[0009]
図1Bは、代表的な実施形態による組織画像を動的に更新するためのコントローラを示す。
【
図1C】[0010]
図1Cは、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサの動作の進行を示す。
【
図1D】[0011]
図1Dは、代表的な実施形態による
図1Cのセンサの動作の進行についての組織画像の動的更新の方法を示す。
【
図2A】[0012]
図2Aは、代表的な実施形態による組織画像の動的更新の別の方法を示す。
【
図2B】[0013]
図2Bは、代表的な実施形態による
図2Aの組織画像の動的更新の方法のためのセンサの移動を示す。
【
図3】[0014]
図3は、代表的な実施形態による組織画像を動的に更新するためのセンサを示す。
【
図4】[0015]
図4は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新の別の方法を示す。
【
図5】[0016]
図5は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサの別の動作の進行を示す。
【
図6】[0017]
図6は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新における組織上のセンサの配置を示す。
【
図7】[0018]
図7は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新の別の方法を示す。
【
図8】[0019]
図8は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサ配置を示す。
【
図9】[0020]
図9は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサの別の動作の進行を示す。
【
図10】[0021]
図10は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新においてセンサをモニタリングする装置用のユーザインターフェースを示す。
【
図11】[0022]
図11は、別の代表的な実施形態による組織画像の動的更新方法が実装され得る一般的なコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0023] 以下の詳細な説明において、限定ではなく説明のために、特定の詳細を開示する代表的な実施形態を記載して、本教示による実施形態の完全な理解を提供する。代表的な実施形態の説明が不明瞭にならないように、既知のシステム、デバイス、材料、操作方法、及び製造方法の説明は省略され得る。しかしながら、当業者の範囲内にあるシステム、デバイス、材料、及び方法は、本教示の範囲内であり、また、代表的な実施形態に従って使用され得る。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり、限定であることを意図したものではない。定義された用語は、本教示の技術分野で一般的に理解され、受け入れられている、定義された用語の技術的及び科学的な意味を加えるものである。
【0010】
[0024] 本明細書では、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語を使用して、様々な要素又は構成要素を説明しているが、これらの要素又は構成要素は、これらの用語によって限定されないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素又は構成要素を別の要素又は構成要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で考察される第1の要素又は構成要素は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の要素又は構成要素と呼ばれてもよい。
【0011】
[0025] 本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の用語は、コンテキストが明確に指示していない限り、単数形及び複数形の両方を含むことを目的としている。さらに、本明細書で使用される場合、用語「含む」、「含んでいる」、及び/又は同様の用語は、規定された特徴、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在又は追加を除外するものではない。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語には、関連するリスト項目のうちの1つ以上のうちの任意のもの及びすべての組み合わせが含まれる。
【0012】
[0026] 特に明記されていない限り、要素又は構成要素が、別の要素又は構成要素に「接続される」、「結合される」、又は「隣接する」と言われた場合、その要素又は構成要素は、他の要素又は構成要素に直接接続又は結合されていても、又は、介在する要素又は構成要素が存在していてもよいことを理解されたい。つまり、これらの及び類似した用語は、2つの要素又は構成要素を接続するために、1つ以上の中間要素又は構成要素を使用できる場合を包含する。しかしながら、要素又は構成要素が別の要素又は構成要素に「直接接続」されていると言われた場合、これには、2つの要素又は構成要素が、中間若しくは介在要素又は構成要素なしで、相互に接続される場合のみが包含される。
【0013】
[0027] 本開示は、その様々な態様、実施形態、及び/又は特定の特徴、サブ構成要素のうち1つ以上を通じて、以下に具体的に示す利点のうちの1つ以上をもたらすことを目的としている。限定ではなく説明のために、特定の詳細を開示する実施形態の例を記載して、本教示による実施形態の完全な理解を提供する。しかしながら、本明細書に開示された特定の詳細から逸脱した本開示に一致する他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にとどまる。
【0014】
[0028] 本明細書で説明するように、例えば、圧力差や組織の操作による組織の変形を追跡し、この追跡を使用して組織の術前画像を更新して、組織の外科手術状態と整合させることができる。組織の変形は、センサの位置及び/又は移動に関するデータ、並びに組織の対応する場所を提供するセンサを使用して追跡される。センサの位置及び/又は移動の追跡を使用して、組織の術前画像を組織の更新画像にモーフィングする。組織の更新画像は、臨床医がインターベンション医療処置中に、解剖学的構造をより適切に可視化するために使用される。更新画像を通して見る解剖学的構造は、実際の外科手術状態とよりよく一致するため、治療を改善させ得る。
【0015】
[0029]
図1Aは、代表的な実施形態による組織画像を動的に更新するためのシステム100の簡略化された概略ブロック図である。
【0016】
[0030]
図1Aに示すように、システム100は、インターベンション用画像源110、コンピュータ120、ディスプレイ130、第1のセンサ195、第2のセンサ196、第3のセンサ197、第4のセンサ198、及び第5のセンサ199を含む。システム100は、本明細書で説明する組織画像の動的更新システムの一部又はすべての構成要素を含み得る。システム100は、
図1C、
図1D、
図2A、
図4、及び
図7に関連して以下に説明される代表的な実施形態の方法及びプロセスの一部又はすべての態様を実装し得る。
【0017】
[0031] インターベンション用画像源110は、例えば、細長い形状を有し、且つ病的組織の検査、生検、及び/又は切除(除去)のために、胸腔(心臓を含む)内で使用可能である胸腔鏡などの内視鏡であり得る。本教示の範囲を逸脱することなく、他のタイプの内視鏡が組み込まれていてもよい。また、インターベンション用画像源110は、CTシステム、CBCTシステム、X線システム、又は胸腔鏡などの内視鏡の別の代替物でもよい。インターベンション用画像源110は、胸膜腔(肺を含む)及び胸腔内のビデオ支援胸部手術(VATS)において使用されてもよい。インターベンション用画像源110は、有線接続を介して、及び/又はブルートゥース(登録商標)又は5Gなどのワイヤレス接続を介して、内視鏡ビデオなどのインターベンション用画像をコンピュータ120に送る。インターベンション用画像源110は、外科手術の対象となる臓器の組織をイメージングするために使用されるが、本明細書で説明する術前画像は、CTイメージングによって術前画像が取得され、インターベンション用画像源110が内視鏡である場合など、インターベンション用画像源110とは無関係に存在していてもよい。
【0018】
[0032] コンピュータ120は、少なくともコントローラ122を含むが、以下に説明する
図11のコンピュータシステム1100などにおいて見られるように、電子デバイスの任意の又はすべての要素を含んでいてもよい。例えば、コンピュータ120は、インターベンション用画像源110及びディスプレイ130とインターフェースで連結するために、ポート又は他のタイプの通信インターフェースを含む。コントローラ122は、少なくとも、ソフトウェア命令を格納するメモリと、本明細書で説明する様々なプロセスの一部又はすべての態様を直接又は間接的に実装するソフトウェア命令を実行するプロセッサとを含む。コンピュータ120は、本明細書で説明する組織画像を動的更新するコンピュータの一部又はすべての構成要素を含み得る。コンピュータ120は、
図1C、
図1D、
図2A、
図4、及び
図7に関連して以下に説明される代表的な実施形態の方法及びプロセスの一部又はすべての態様を実装し得る。
【0019】
[0033] コンピュータ120は、ブルートゥース(登録商標)などのワイヤレスプロトコルを使用して又は別の適切な通信プロトコルによって、第1のセンサ195、第2のセンサ196、第3のセンサ197、第4のセンサ198、及び第5のセンサ199と通信する。第1のセンサ195~第5のセンサ199は、イメージングする臓器(肺など)に取り付けられる。本明細書のいくつかの実施形態では、5つのセンサを示しているが、組織画像の動的更新は、5つのセンサに限定されない。例えば、センサのセットには、わずか1つのセンサが含まれていても、5つ以上ものセンサが含まれていてもよい。単一のセンサの代表的な例は、以下の
図3に示され且つ
図3に関して説明され、また、送信器330を含む。したがって、コンピュータ120は、トランシーバなどのブルートゥース(登録商標)インターフェースを含む場合もあれば、そのようなブルートゥース(登録商標)インターフェースが接続されている場合もある。例えば、ブルートゥース(登録商標)インターフェースをコンピュータ120のポートにつなぐことができる。コンピュータ120はまた、別のポート又は他のタイプのインターフェースにつながれたワイヤを介してディスプレイ130に接続することもできる。コンピュータ120はまた、ディスプレイ130、及びカメラなどの他の機器に、追加のポート又は他のタイプのインターフェースによって接続することもできる。
【0020】
[0034] コントローラ122は、ソフトウェア命令を保存するメモリと、命令を実行するプロセッサとの組み合わせを含む。コントローラ122は、以下の
図1Bにあるように、コンピュータ120又はシステム100の外部にあるメモリ及びプロセッサを有するスタンドアロン構成要素として実装できる。さらに、コントローラ122は、スマートモニタ内若しくはそれとともに、又はMRIシステム若しくはX線システムを含む医用イメージング用システムなどの専用医用システム内若しくはそれとともになど、他のデバイス及びシステム内若しくはそれらとともに実装できる。コントローラ122は、ソフトウェアを実行することによって、
図1C、
図1D、
図2A、
図4、及び
図7に関連して以下に説明される代表的な実施形態の方法及びプロセスの一部又はすべての態様を実装できる。コンピュータ120のコントローラ122は、第1のセンサ195、第2のセンサ196、第3のセンサ197、第4のセンサ198、及び第5のセンサ199を含む5つのセンサのデータに基づいて、術前画像の更新を実行できる。
【0021】
[0035] 例えば、コントローラ122は、コンピュータ120につながれたメモリスティック若しくはドライブ、又はコンピュータ120のインターネット接続を介して、組織の術前画像を取得できる。コントローラ122は、ブルートゥース(登録商標)接続を介して、第1のセンサ195、第2のセンサ196、第3のセンサ197、第4のセンサ198、及び第5のセンサ199から電子信号のセットを受信し、センサに対して組織の術前画像を位置合わせする。コントローラ122による位置合わせは、臓器上のセンサ(複数可)からの電子信号の最初のセットに基づいている。その後、コントローラ122は、電子信号の後続のセットに反映されているセンサの位置の変化に基づいて術前画像を更新する。コントローラ122は、ディスプレイ130で、インターベンション用画像源110からの内視鏡画像などのインターベンション用画像上に、更新された術前画像を重ね合わせる。或いは、コントローラ122は、術前画像と、インターベンション用画像源110からのインターベンション用画像との2つの別個の画像表示を生成してもよい。
【0022】
[0036] ディスプレイ130は、インターベンション医療処置が行われる環境にあるインターベンション用画像源110及び/又は任意の他のイメージング機器から得られる内視鏡画像又は他のインターベンション用画像を表示するビデオディスプレイである。ディスプレイ130は、ビデオをカラー又は白黒で表示するモニタ又はテレビであってもよい。ディスプレイ130は、内視鏡画像を表示するための特殊なインターフェースか、又は術前状態から一連の更新を通じて組織の内視鏡画像などのビデオを表示する別のタイプの電子インターフェースであってもよい。ディスプレイ130には、オペレータから直接入力を受け付けるタッチスクリーン機能が含まれている場合がある。また、ディスプレイ130は、術前画像と術前画像に基づいて更新された画像とを、例えば、セクションで内視鏡画像に術前画像を重ね合わせることによって表示する。或いは、ディスプレイ130は、内視鏡画像と、術前画像/更新画像とを並べて表示してもよい。別の実施形態では、ディスプレイ130は、コンピュータ120に接続された2台以上の別個の物理ディスプレイを含み、内視鏡画像と術前画像/更新画像は、コンピュータ120に接続され且つコントローラ122によって制御される別個の物理ディスプレイに表示される。
【0023】
[0037] 第1のセンサ195、第2のセンサ196、第3のセンサ197、第4のセンサ198、及び第5のセンサ199は、物理特性及び動作特性の点で実質的に同一である。第1のセンサ195~第5のセンサ199の各々には、センサデータが送信されるたびに送信される一意の識別情報が提供されている。また、第1のセンサ195~第5のセンサ199の各々は、ジャイロスコープ、加速度計、コンパス、及び/又は共通の3次元座標系におけるセンサの位置を特定するために使用できる任意の他の構成要素を含む。また、第1のセンサ195~第5のセンサ199の各々は、ジャイロスコープ、加速度計、コンパス、及び/又は他の構成要素からの示度に基づいてセンサデータを生成するために命令を実行するマイクロプロセッサを含む。
図3に、第1のセンサ195、第2のセンサ196、第3のセンサ197、第4のセンサ198、及び第5のセンサ199を表すセンサの一実施形態を示し、以下に説明する。
【0024】
[0038]
図1Bは、代表的な実施形態による組織画像を動的に更新するためのコントローラを示す。
【0025】
[0039] コントローラ122は、メモリ12220、プロセッサ12210、及びバス12208を含み、バス12208は、メモリ12220とプロセッサ12210とを接続する。コントローラ122は、
図1C、
図1D、
図2A、
図4、及び
図7に関連して以下に説明される代表的な実施形態の方法及びプロセスの一部又はすべての態様を実装するための構成要素を含む。コントローラ122は、コントローラ122が、
図1Aのコンピュータ120内の又はそこに接続された構成要素であるとは限らない点で、
図1Bではスタンドアロンデバイスとして示されている。例えば、コントローラ122は、システム・オン・チップ(SoC)などのチップセットとして提供される。しかし、コントローラ122は、或いは、コンピュータ120のポートにつながれたアダプタなどの周辺機器構成要素として、コンピュータ120に接続することもできる。また、コントローラ122は、
図1Aのディスプレイ130、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、又は本明細書に説明するインターベンション医療処置中に存在する医用機器などの他の機器内に実装されていても、又は直接接続されていてもよい。
【0026】
[0040] プロセッサ12210については、以下の
図11のコンピュータシステム1100のプロセッサの説明によってより詳細に説明する。プロセッサ12210は、
図1C、
図1D、
図2A、
図4、及び
図7に関連して以下に説明される代表的な実施形態の方法及びプロセスの一部又はすべての態様を実装するためにソフトウェア命令を実行する。
【0027】
[0041] メモリ12220については、以下の
図11のコンピュータシステム1100のメモリの説明によってより詳細に説明する。メモリ12220には、命令と、第1のモダリティで取得した組織の術前画像とが保存される。メモリ12220には、本明細書で説明する方法及びプロセスの一部又はすべての態様を実装するようにプロセッサ12210が実行するソフトウェア命令が保存される。
【0028】
[0042] また、メモリ12220には、組織画像の動的更新の対象となる組織の術前画像が保存されていてもよい。組織の術前画像は、MRI、CT、CBCT、又はX線画像によってなど、第1のモダリティで取得される。組織の術中画像は、
図1Aのインターベンション用画像源110を介してなど、第2のモダリティで取得される。バス12208は、プロセッサ12210とメモリ12220とを接続する。
【0029】
[0043] また、コントローラ122は、臨床医にデータを送り返すためのフィードバックインターフェースなど、1つ以上のインターフェース(図示せず)を含んでいてもよい。更に又は或いは、
図1Aのコンピュータ120の別の要素、
図1Aのディスプレイ130、又はコントローラ122に接続された別の装置が、臨床医にデータを送り返すためのフィードバックインターフェースなど、1つ以上のインターフェース(図示せず)を含んでいてもよい。コントローラ122を介して臨床医に提供されるフィードバックの例としては、振動やトーンなどの触覚フィードバックがある。このフィードバックは、組織の移動が所定の閾値を超えたことを臨床医に警告する。移動の閾値は、並進及び/又は回転に関するものである。移動の閾値を超えると、臨床医のための警告がトリガされる。
【0030】
[0044]
図1Cは、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサの動作の進行を示す。
【0031】
[0045]
図1Cにおけるセンサの動作の進行は、組織画像の動的更新のための臨床ワークフローにおいて、慣性センサがどのように使用されるかを表している。
図1Cでは、臓器は肺であるが、本明細書で説明する組織画像の動的更新は、適用として肺に限定されない。
【0032】
[0046]
図1Cに示すように、S110において、第1のセンサ195~第5のセンサ199は、臓器(肺)の軟組織上に配置される。様々な実施形態では、本教示の範囲を逸脱することなく、5つよりも多い又は少ないセンサを使用することができる。5つのセンサを使用して、臓器の組織の変形を追跡する。5つのセンサの各々は、ジャイロスコープ及び/又は加速度計が内蔵された小型の慣性センサである。5つのセンサは、関心領域の周りの場所にある臓器の軟組織に付着されているか、又は他の方法で取り付けられている。
【0033】
[0047] S120において、5つのセンサは、術前画像に対して位置合わせされる。位置合わせでは、5つのセンサの3次元座標系を術前画像の異なる3次元座標系に整合させて、共通の原点や軸のセットを共有することなどによって、共通の3次元座標系が提供される。位置合わせを行うと、5つのセンサの現在位置が、術前画像の臓器内又は臓器上の対応する部位に整合される。術前画像は、例えば、光学画像、磁気共鳴画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、又はX線画像である。術前画像は、S110で5つのセンサを配置する直前又は直後に撮影されたものであってよい。
【0034】
[0048] S130において、5つのセンサは、データのストリーミングを開始する。5つのセンサの各々は、個別に信号を発信し、集合的にこれらの信号は、5つのセンサの位置の位置ベクトルを含む電子信号のセットである。5つのセンサは、各セット間の5つのセンサの移動を反映する電子信号のセットを反復的に発信する。位置ベクトルの各々は、S120での位置合わせ後の5つのセンサ及び術前画像の共通の3次元座標系での3つの座標を含む。
【0035】
[0049] S130でのストリーミングは、ブルートゥース(登録商標)によって行われてもよく、同じ手術室内など、5つのセンサの近くにある受信器(図示せず)で受信される。5つのセンサからストリーミングデータを受信した受信器は、上記の
図1Aのコントローラ122に、ストリーミングデータを処理のために直接提供する。或いは、受信器は、コントローラ122を含むデバイス又はシステム(
図1Aのコンピュータ120、又はシステム100の別の構成要素など)に、ストリーミングデータを処理のために直接提供してもよい。受信器は、
図1Aのコンピュータ120の一構成要素であり得る。或いは、受信器は、コンピュータ120に直接又は間接的に接続された周辺機器であってもよい。
【0036】
[0050] S130で各センサからストリーミングされるデータには、上記のセンサの位置の位置ベクトルと、センサ固有の識別番号などのセンサの識別情報が含まれている。例えば、第1のセンサ195~第5のセンサ199の各々は、位置ベクトル及び識別番号をストリーミングする。共通の3次元座標系における位置ベクトルの座標は、ジャイロスコープ、加速度計、コンパス、及び/又は各センサの1つ以上の他の構成要素からの示度に基づいている。5つのセンサの各センサからの位置ベクトル及び任意の他のデータは、S130でのストリーミングを介してリアルタイムで送られる。
【0037】
[0051] S140において、術前画像が更新されて、臓器の組織の現在の状態が反映される。S140での更新は、5つのセンサからのデータに基づいており、5つのセンサからのデータ内の位置ベクトルから認識されるセンサの移動を反映する。S140での更新は、術前画像を、漸進的な一連の更新画像にモーフィングするために反復的に実行される。「更新画像」との用語は、本明細書で使用される場合、元の術前画像から始まる更新の任意の反復を指す。S140で実行される各更新は、更新画像の新しい反復をもたらす。
【0038】
[0052] S150において、S130でストリーミングされたデータから、5つのセンサの基準位置が取得される。5つのセンサは、S120にて共通の3次元座標系で術前画像に対して位置合わせされているため、S150での基準位置は、S140で更新された更新画像と同じ座標空間で取得される。
【0039】
[0053] S150で基準位置を取得した後、プロセスはS140に戻り、再び術前画像を反復的に更新する。つまり、S150で取得した基準位置は、S140の次の反復で使用され、術前画像がさらに更新される。S140及びS150が実行されている際も、5つのセンサは、S130で継続的にデータをストリーミングする。S140及びS150のプロセスは、術前画像を更新して更新画像にし、次に術前画像の次の更新のために5つのセンサの基準位置を再び新たに取得することを含むループで実行される。前述のように、S130でのストリーミングは、S140及びS150のプロセスが最初に実行されて、次にループで実行される間、常に実行される。第1のセンサ195~第5のセンサ199の位置は、S130で第1のセンサ195~第5のセンサ199からストリーミングされる新たに受信されるデータに基づいて、毎回、S150で新たに取得され、最新の更新画像の術前画像は、S140で新たに更新される。したがって、臓器の組織が移動すると、各センサの対応する位置ベクトルがリアルタイムで取得され、術前画像がリアルタイムで更新される。
【0040】
[0054]
図1Dは、代表的な実施形態による
図1Cのセンサの動作の進行についての組織画像の動的更新の方法を示す。
【0041】
[0055]
図1Dの方法のステップは、参照番号で示される
図1Cのセンサの動作の進行のステップに対応している。S110において、センサは臓器の軟組織上に配置される。S120において、センサはコンピュータ断層撮影(CT)システム又はX線システムからの術前画像など、臓器の術前画像に対して位置合わせされる。S130において、センサからセンサデータがストリーミングされる。後続のステップS140及びS150がループで実行されている際も、センサデータは、S130で継続的にストリーミングされる。S140において、術前画像が更新画像に更新されて、組織の現在の状態が反映される。S150において、センサの基準位置が取得される。S150で取得された基準位置は、S120での位置合わせに基づくセンサ及び術前画像の共通の3次元座標系内にある。S150の後、
図1Dの方法は、S130でセンサデータが継続的にストリーミングされている際に、S140とS150との間のループで実行される。ループの各反復では、S140での術前画像の更新の以前の反復の結果が、S150での基準位置として示され、センサのセットからの次の電子信号ストリームのセットに基づいて再び更新される。
【0042】
[0056]
図1Cのセンサの動作の進行で示され且つ
図1Dの方法に関して説明されたように、術前画像と、臓器の組織の現在の状態との不一致は、臓器の術前画像に対して位置合わせされているセンサの移動に基づいて臓器の術前画像を更新することで修正できる。S130でストリーミングされたセンサからの位置ベクトルを使用して、3次元空間におけるセンサのリアルタイムモデルを作成できる。このモデルを使用して、S140で術前画像を更新画像にモーフィングできる。センサ位置の幾何学的配置のリアルタイムモデリングにより、術前画像を更新して臓器の組織の現在の状態を反映できるため、術前画像と、臓器の組織の現在の状態との不一致が解消される。モーフィングの実行方法の例を以下に説明する。
【0043】
[0057]
図2Aは、代表的な実施形態による組織画像の動的更新の別の方法を示す。
【0044】
[0058]
図2Aの方法は、S201において、各センサ(n)の初期位置を、3つの次元(x、y、z)で決定することから開始する。S201での決定は、各センサ(n)(例えば、第1のセンサ195~第5のセンサ199)によって実行されるか、及び/又は各センサ(n)からのセンサ情報を処理するプロセッサによって実行される。S202において、各センサ(n)の3つの軸の各々に対する初期方位(Θ、Φ、Ψ)が決定される。S202での決定もまた、各センサ(n)によって実行されるか、及び/又は各センサ(n)からのセンサ情報を処理するプロセッサによって実行される。3つの次元の各々は、他の2つの次元を含む平面に対して垂直となる。例えば、第1の平面は、y方向及びz方向を含むように形成され、x方向は第1の平面に垂直となる。第2の平面は、x方向及びz方向を含むように形成され、y方向は第2の平面に垂直となる。第3の平面は、x方向及びy方向を含むように形成され、z方向は第3の平面に垂直となる。
【0045】
[0059] S203において、有線接続やワイヤレス接続などの通信接続を介して画像データを受信するなど、画像データが取得される。S203で取得する画像データは、センサがその上に又はそこに配置される軟組織を含む術前画像データである。S203で取得する画像データは、臓器を含む解剖学的構造のもので、CTイメージングによって取得されたものであってもよい。S203は、センサが臓器に又はその上に配置される前、したがって、S201及びS202の前に実行され得る。S203はまた、センサが臓器に又はその上にすでに配置された状態で、したがって、S201及びS202の後に実行されてもよい。
【0046】
[0060] S205において、各センサ(n)の初期位置及び初期方位のデータが、S203で取得した画像データとともに保存される。センサデータ及び画像データは、
図1Bのメモリ12220などのメモリに一緒に保存され、
図1Bのプロセッサ12210などのプロセッサで処理される。
【0047】
[0061] S210において、各センサについて、前のセンサデータと現在のセンサデータとの間での位置及び/又は方位の変化を反映する変換ベクトルが計算される。変換ベクトルには、各センサの3つのすべての次元(x、y、z)及び3つのすべての方位(Θ、Φ、Ψ)の示度差が含まれている。初期位置及び初期方位に基づいて計算される第1の変換は、比較可能な前の示度がないため、移動を示さない。しかしながら、各センサの次元及び方位の後続の各示度は、直前の示度又は他の以前の示度と比較可能になる。S210で計算される変換ベクトルには、例えば、各センサの示度間の各次元及び各方位の変化についての6つの値が含まれている。変換ベクトルは、示度間の各センサの移動を反映する。
【0048】
[0062] S215において、
図2Aの方法は、センサ位置と、術前画像又は直前の更新画像からの画像位置との間の分布マップを定義することを含む。分布マップは、センサ及び画像の現在の反復の共通の3次元座標系におけるセンサ位置をマップする。第1の分布マップは、術前画像に対する初期センサ位置を示し、後続の分布マップは、更新画像に対する現在のセンサ位置を示す。また、分布マップは、術前画像又は直前の更新画像に対する、各センサ(n)の以前の位置から、センサ(n)の現在の位置への各センサ(n)の移動も示し得る。
【0049】
[0063] S220において、術前画像又は直前の更新画像からの画像データに、変換ベクトルが適用される。変換ベクトルの適用では、以前のセンサ位置から現在のセンサ位置へのセンサの移動に基づいて、術前画像又は直前の更新画像が調整される。以前のセンサ位置から離れる術前画像及び直前の更新画像の調整は、センサの移動に応じて調整される。しかしながら、術前画像又は直前の更新画像の移動には、術前画像又は直前の更新画像の1ピクセル以上の移動が含まれる場合がある。例えば、変換ベクトルは、術前画像又は直前の更新画像のピクセルのフィールド全体に適用可能である。ピクセルのフィールドは、1つのセンサ(n)のみを使用して移動を追跡する場合など、均一に移動できる。フィールド内のピクセルは、3つの軸に対して最も近い2つ、3つ、又は4つのセンサ(n)の方向(x、y、z)及び方位(Θ、Φ、Ψ)の各々における最も近い2つ、3つ、又は4つのセンサ(n)の各々の移動の平均値に基づいてなど、不均一に移動することもできる。フィールド内のピクセルは、3つの軸に対して最も近い2つ、3つ、又は4つのセンサ(n)の方向(x、y、z)及び方位(Θ、Φ、Ψ)の各々における最も近い2つ、3つ、又は4つのセンサ(n)の各々の移動の加重平均値に基づいてなど、不均一に移動することもできる。例えば、ピクセルの移動を決定するときに、最も近いセンサの移動は、他のセンサの移動と比較して、不均衡に重み付けされる。
【0050】
[0064] センサへの近接性に基づいて画像内のピクセル位置を調整するコンテキストにおいて理解されるように、センサの数が多いほど、モデルからもたらされる更新画像の空間分解能が高くなる。したがって、使用されるセンサの数は、(i)少ないセンサでは、低空間分解能、低精度、及びより簡素な処理と、(ii)より多くのセンサを実装するためのコスト及び複雑さとのトレードオフを反映する。例えば、センサの数を最適化して、過剰な計算能力を必要とせずに、また、不必要に遮るように臓器の表面を覆うこと無く、変形全体に関して高いレベルの確実性を提供できる。組織画像の動的更新の処理要件には、センサのセットの移動の識別と、センサのセットによる移動を示す電子信号の各セットについて、術前画像及び更新画像を反復的にモーフィングするためのより複雑な画像処理との両方が含まれる。
【0051】
[0065] S225において、センサデータから決定されたセンサの移動を反映する、更新画像の新しい画像データが生成される。更新画像は、S220での変換ベクトルの適用に基づいており、術前画像又は直前の更新画像の、S220での変換ベクトルに基づいて移動された各ピクセルのピクセル値を含む。術前画像又は直前の更新画像のほとんどのピクセルでは、S225で生成される新しい画像データは、例えば、最も近いセンサからの示度の平均又は加重平均に基づいているセンサの移動から決定される組織移動の影響を推定するものである。
【0052】
[0066] S230において、S225からもたらされるモーフィングされた画像データが表示される。S230からのモーフィングされた画像データはまた、S205において保存される。モーフィングされた画像データは、例えば、
図1Aのディスプレイ130に、内視鏡ビデオと一緒に又はそれに重ねて表示される。
【0053】
[0067] S240において、各センサ(n)が新しい信号を発信する。新しい信号には、各センサの位置及び方位に関する新しい情報が含まれている。S241において、S240で発信された新しい信号から、各センサ(n)の各方向(x、y、z)の位置が取得される。S242において、S240で発信された新しい信号に基づいて、3つの軸に対する各センサ(n)の方位(Θ、Φ、Ψ)が取得される。
【0054】
[0068] S250において、現在のセンサデータが生成される。S250で生成された現在のセンサデータは、S205で保存され、また、S210での変換ベクトルの計算のためにフィードバックされる。S250には、S201及びS202と同じ決定が含まれるが、センサデータの後続の示度に対するものである。したがって、S250には、各センサ(n)の3次元での位置(x、y、z)の決定、及び各センサ(n)の3つの軸の各々に対する方位(Θ、Φ、Ψ)の決定が含まれる。S250での決定は、各センサ(n)によって実行されるか、及び/又は、各センサ(n)からのセンサ情報を処理するプロセッサによって実行される。S250での現在のセンサデータの各生成は、S201及びS202で初期位置及び初期方位が生成された後に行われるため、
図2Aの方法がS250からS210に戻ると、S250で現在の示度と比較して、変換ベクトルを計算するための各センサの座標及び方位の示度の以前のセットがある。したがって、S250を最初に実行した後、変換ベクトルは、S201及びS202からの初期位置及び方位と、S250での現在のセンサデータの初期生成との間で計算される。S210で計算された変換ベクトルは、3つの軸に対する位置(x、y、z)及び方位(Θ、Φ、Ψ)の変化を反映する。
【0055】
[0069]
図2Bは、代表的な実施形態による
図2Aの組織画像の動的更新の方法のためのセンサの移動を示す。
【0056】
[0070]
図2Bの「1」とラベル付けされたモデルは、
図2AのS250(又はS201)に対応している。このモデルは、現在のセンサ位置及び方位に基づいて生成された現在のセンサデータに対応している。
【0057】
[0071]
図2Bの「2」とラベル付けされたモデルは、
図2AのS210に対応している。このモデルは、前のセンサデータと、S250で生成された現在のセンサデータとの間で計算された変換ベクトルに対応している。このモデルに示すように、各センサは、前の位置から現在の位置にシフトしている。S220において、センサの移動を使用して、術前画像又は更新画像の最後の反復をモーフィングする。
【0058】
[0072]
図2Bの「3」とラベル付けされたモデルは、
図2AのS215に対応している。このモデルは、現在のセンサ位置と、術前画像又は更新画像の最後の反復の画像の位置との間に定義された分布マップに対応している。つまり、このモデルは、術前画像又は更新画像の最後の反復の画像に比較して、センサの更新された位置を示す。これは、術前画像又は更新画像の最後の反復が、センサの最近の移動に基づいてまだモーフィングされていないからである。
【0059】
[0073]
図2Bの「4」とラベル付けされたモデルは、
図2AのS220に対応している。このモデルは、術前画像又は更新画像の最後の反復の画像の画像データに適用される変換ベクトルに対応している。センサの変換ベクトルを使用して、例えば、3つの方向の各方向及び3つの方位の各方位における最も近いセンサの移動の平均又は加重平均を使用するなどして、術前画像又は更新画像の最後の反復から個々のピクセルを更新する。矢印は、組織の移動方向を大まかに示している。最新バージョンの術前画像又は更新画像からの各ピクセルの移動は、3つの方向の各々(x、y、z)におけるセンサに対するピクセルの近接度によって重み付けされる。その結果、ピクセルが任意のセンサに近いほど、そのセンサの移動はピクセルの移動をより強く反映する。臓器の組織は、個々の点での移動に加えて全体として移動するため、術前画像からの更新の各反復は、臓器の組織の位置のスムーズな変化として現れる。
【0060】
[0074] 本明細書で説明する実施形態では、主に肺外科手術を使用事例として使用しているが、組織画像の動的更新は、肝臓や腎臓の外科手術など、変形性の高い組織を伴う他の処置にも同様に適用される。さらに、本明細書に示す実施形態では、主に臓器の表面にセンサを配置することを説明しているが、いくつかの実施形態では、ルーメンアクセス又は経皮的針アクセスを介して、センサを臓器内に配置することもできる。例えば、以下に説明する
図7の実施形態に示すように、内部センサを、肺の気管支内に使用することができる。別の例として、腎臓の血管の中を通して内部センサを導入することもできる。
【0061】
[0075] 臓器の表面上のセンサは、画像でより簡単に検出できる一方で、臓器の内部にあるセンサは、センサが腫瘍、血管、及び気道に近接していることから、これらの構造の位置をより適切に特定できる。代わりに、表面上のセンサは、表面特徴に相関させることができる。これは、MRI、CT、CBCT、又はX線などの他のモダリティで表面特徴が検出可能である場合に有益で、モダリティ間での位置合わせを容易にする。肺の裂溝は、表面センサの1つの可能な使用を表す。
【0062】
[0076]
図3は、代表的な実施形態による組織画像を動的に更新するためのセンサを示す。
【0063】
[0077]
図3に示すように、センサ300は、粘着性パッド310、バッテリ320、送信器330、及びASIC340(特定用途向け集積センサ)を含む。センサ300は、外科的使用のための慣性センサの一例である。センサ300は、使い捨てであっても、再利用可能であってもよい。さらに、センサ300は、生体適合性であり得る滅菌保護ケース(図示せず)で密閉されていてもよい。このような滅菌保護ケースは、バッテリ320、送信器330、ASIC340、及びセンサ300内に提供される他の構成要素を囲んで密閉する。
【0064】
[0078] 粘着性パッド310は、生体適合性のある接着剤であり、センサ300を臓器又は他の関心領域に付着させる。粘着性パッド310は、センサ300の他の構成要素を囲んで密閉する滅菌保護ケース(図示せず)の表面に付着される。或いは、粘着性パッド310は、滅菌保護ケースの下面を形成してもよい。粘着性パッド310は、センサ300を臓器又は他の関心領域に取り付けるための機構を表している。センサ300を組織に取り付けるために使用される粘着性パッド310に代わるものとして、縫合糸を受けるための通し穴や、ステープルを受けるための機構があり、これは、
図3のセンサ300を組織に直接取り付ける。
【0065】
[0079] バッテリ320は、例えば使い捨てコイン型バッテリなど、センサ300の電源として機能する。バッテリ320は、送信器330、ASIC340、及び他の構成要素を含むセンサ300の1つ以上の構成要素に給電する。バッテリ320に代わるものとして、外部源から電力を受け取る機構がある。例えば、センサ300に提供されるフォトダイオードは、インターベンション用画像源110からの光など、外部源から給電される。フォトダイオード及びコンデンサなどの蓄電デバイスを含む電源は、インターベンション用画像源110からの光によってエネルギー付与され得る。例えば、センサ300内のフォトダイオードに衝突したインターベンション用画像源110からの光を使用して、センサ300のコンデンサを充電し、コンデンサからの電力を、センサ300の他の機能に使用できる。センサ300に給電するさらなる方法としては、外部エネルギー源をセンサ300の電源に変換する方法がある。例えば、電気メスツールから熱を取り込む方法や、超音波トランスデューサから音波を取り込む方法がある。
【0066】
[0080] 送信器330は、センサ300の位置及び方位データを送信するためのデータ送信器である。例えば、送信器330はブルートゥース(登録商標)送信器である。
【0067】
[0081] ASIC340は、任意の他の位置及び回転機能に必要な任意の他の回路要素とともに回路基板に実装されるジャイロスコープ回路などの回路を含む。ASIC340は、センサ300の絶対位置及び/又は相対位置を決定するためのデータを収集する。ASIC340は、ジャイロスコープと電子機器基板とを組み合わせたものであってもよい。センサ300の絶対位置及び/又は相対位置を決定するためにセンサ300内で使用され得るさらなる構成要素には、加速度計及びコンパスがあり、これらは、ASIC340の電子機器基板上に集積され得る。
【0068】
[0082] 組織画像の動的更新のいくつかの実施形態において、センサ300の1つのインスタンス化を使用できる。他の実施形態では、センサ300の複数のインスタンス化を使用できる。ある構成で一緒に提供されるセンサ300の複数のインスタンス化は、センサ300の複数のインスタンス化の各々に提供されるロジックによって、構成の共通座標系の原点及び軸を調整させるなど、自己調整できる。センサ300の複数のインスタンス化の構成の共通の座標系は、術前画像との位置合わせのために使用できる。センサ300の複数のインスタンス化の各々に提供されるロジックには、マイクロプロセッサ(図示されず)及びメモリ(図示されず)が含まれていてもよい。他の実施形態では、ある構成で一緒に提供されるセンサ300の複数のインスタンス化は、単独の
図1Bのコントローラ122によって、又はシステム100内の
図1Aのコントローラ122によってなど、外部から調整できる。
【0069】
[0083]
図4は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新の別の方法を示す。
【0070】
[0084]
図4の方法は、S405において、第1のモダリティで組織の術前画像を取得することから開始する。組織の術前画像は、組織画像の動的更新が実行される医療インターベンションの直前に取得されても、医療インターベンションよりずっと前に実行されてもよい。術前画像は、例えば、CT画像であり、したがって、第1のモダリティはCTイメージングである。メモリ12220などのメモリには、第1のモダリティで取得した組織の術前画像が、プロセッサ12210で実行するソフトウェア命令などの命令とともに保存されている。或いは、第1のモダリティで取得した組織の術前画像を第1のメモリに保存し、ソフトウェア命令を第2のメモリに保存することもできる。
【0071】
[0085] S410において、組織画像の分析に基づいて、センサのセットのうちの少なくとも1つのセンサの配置が最適化される。センサのセットには、本明細書で説明する組織画像の動的更新のインスタンス化の全体のための1つ以上のセンサが含まれている。センサが1つしかない場合、センサを配置する場所は、1つのセンサを配置する医療インターベンションの状況に基づいて最適化される。例えば、少量の組織だけを除去する場合は、単一のセンサを組織の隣に配置できる。或いは、複数のセンサがある場合は、S410において、ある構成で複数のセンサの配置が最適化される。複数のセンサを使用することで、更新画像が精緻化されるが、処理要件が大きくなる。例えば、複数のセンサは、臓器から除去する組織塊の周りに配置できる。
【0072】
[0086] S410での最適化は、医療インターベンションにおけるセンサ配置の以前のインスタンス化に適用された機械学習に基づいている。例えば、機械学習は、センサ配置の以前のインスタンス化が実行された地理的に多様な場所から画像及び詳細を受信する中央サービスにおいて適用されていてもよい。機械学習は、データセンターなど、クラウドでも適用されていてもよい。最適化は、機械学習の結果に基づいて、例えば、S410でのセンサの最適化された配置が使用される医療インターベンションの状況に合わせて具体的に生成又は取得されたアルゴリズムを使用することによって、S410で適用される。S410での最適化のためのアルゴリズムには、医療インターベンションのタイプ、医療インターベンションに関与する医療従事者、医療インターベンションを受ける患者の特性、医療インターベンションに関与する組織の以前の医用画像、及び/又は最適なセンサ配置と見なされるものを変化させ得る他のタイプの詳細に基づくカスタマイズされたルールが含まれ得る。
【0073】
[0087] S415において、
図4の方法は、センサのセットのうちの各センサの3つの軸の各々からの位置情報を記録することを含む。位置情報は、同じ共通の3次元座標系を反映している。センサのセットは、例えば、共通の原点及び3つの軸を設定するために自己調整される。センサのセットのうちの1つ以上のセンサは、他のセンサからの信号から、信号強度を測定して、他のセンサの各方向における相対距離を決定する能力を備えている。或いは、センサのセットは、例えば、単独の
図1Bのコントローラ122によって、又は
図1Aのシステム100内のコントローラによって、原点及び3つの軸を設定するように外部から調整することもできる。例えば、コントローラ122に接続されたアンテナなどによって、信号強度を外部から受信し、各方向の信号成分を使用して、センサのセットのうちの各センサの各方向の相対距離を決定できる。
【0074】
[0088] センサのセットが自己調整される実施形態では、センサのセットのうちの1つを、共通の3次元座標系の共通原点として設定できる。センサのセットが自己調整される場合、センサには、ソフトウェア命令を保存するメモリや命令を実行するプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)などのロジックが提供できる。いくつかの実施形態では、センサ自体に、センサの座標系を提供する電磁追跡などを介する位置追跡用の回路が含まれている。この場合、センサのセットは、インターベンション処置の前に、又はインターベンション処置中の位置合わせステップとして、互いに整合される。ある実施形態では、センサのセットは、互いに特定の所定の方位を維持する所定のパターンで配置される。例えば、第1のセンサは常に左上葉に配置され、第2のセンサは常に肺の左下葉に配置され、第3のセンサは移動の影響を受けない領域に配置される。この実施形態では、センサの標準的な配置パターンによって、画像内に既知の位置を有する固定センサを基準にする均一な開始位置が確実にされる。自己調整の場合、各センサは、共通の3次元座標系における位置を認識している。
【0075】
[0089] コントローラ122などによって、外部から調整した場合、センサは、共通の3次元座標系における位置を認識する必要がなく、代わりにコントローラ122に位置の並進及び回転変化を報告するだけでよい。コントローラ122などによって、外部から調整した場合、センサのセットにおける各センサは、その初期位置をそれ自身の3次元座標系における原点として使用でき、コントローラ122は、センサから受信した各センサデータセットを調整して、各センサの元の場所を、センサに設定されている共通の3次元座標系の原点からオフセットする。
図1Cの動作の進行を例として、
図1Cの5つのセンサの各々は、加速度計によるY方向としての重力、Z方向としてのコンパスによる真北、並びにY方向及びZ方向を含む平面に垂直なX方向の導出の示度に基づいてなど、同じタイプの示度から導出されるそれ自体の座標系を有する。したがって、記録された位置情報は、センサのセットのうちの各センサの同等の初期座標を示す場合がある。したがって、センサのセットからのセンサデータは、例えば、単独の
図1Bのコントローラ122によって、又は
図1Aのシステム100内のコントローラによって、共通の3次元座標系に対して調整される。
【0076】
[0090] S420において、
図4の方法は、センサのセットを含むカメラ画像に基づいて、センサのセットのうちの各センサの初期位置を算出し、カメラ画像をセンサのセットに対して位置合わせすることを含む。各センサの初期位置は、S415での位置情報の記録を補助する又はそれに代わるものであってもよい。カメラ画像を提供するカメラは、2次元(2D)ビューを有する従来のカメラ、又は3次元ビューを有するステレオカメラであり得る。S420で算出された各センサの初期位置は、カメラのビューから定義された空間内に、センサの共通の3次元座標系の原点として設定される。S415とS420とが互いを補完する場合、S415で記録された位置情報の共通の3次元座標系を、S420で算出された各センサの初期位置の共通3次元座標系に合わせて調整できる。その結果、S420で算出された各センサの初期位置は、センサの第2の位置セットになり、S415からの記録された位置情報をS420での画像から算出された位置情報に対して位置合わせするために算出される。S415及びS420の共通の3次元座標系での位置合わせを向上させるために、又はカメラからセンサが見えない場合に、S420での算出のために2つ以上の画像が撮影される。カメラを別の位置に回すと、センサの位置を検出できる場合がある。2つの2次元カメラビューを逆投影法と合わせて使用すると、2次元画像内のセンサのセットのうちの各センサの3次元位置が特定される。S415に代わるものとして実行される場合、S420でカメラ画像に基づいて算出された初期位置の共通の3次元座標系を、センサのセットの共通の3次元座標系として課すことができる。共通の3次元座標系における座標及び3つの軸がセンサに通知される場合、センサからのセンサデータは、共通の3次元座標系における正確な位置及び回転情報になる。或いは、S420で算出された初期位置について、センサが共通の3次元座標系における座標及び/又は3つの軸を認識していない場合があり、この場合、単独の
図1Bのコントローラ122、又は
図1Aのシステム100内のコントローラが、センサデータの位置及び回転情報をセンサの共通の3次元座標系に調整できる。
【0077】
[0091] 組織が移動するにつれて、したがって、センサが移動するにつれて、センサの座標は、各センサからストリーミングされる慣性データを使用して調整される。S415及びS420の共通の3次元座標系間の位置合わせは、新しいカメラビューを取得することで、処置中に更新される。ステレオカメラを使用して、3D位置合わせを向上させることもできる。他の実施形態では、S420での初期センサ位置の算出に、電磁感知又はコンパスデータを使用してもよい。
【0078】
[0092] S425において、
図4の方法は、次に、第1のモダリティでの組織の術前画像を、インターベンション医療処置のために組織に付着されたセンサのセットと位置合わせすることを含む。位置合わせには、S415及びS420で/それらのために生成された共通の3次元座標系の一方又は両方と、術前画像の座標系とが関与する。位置合わせは、術前画像内のランドマークを、S415での論理制御又はS420でのカメラ画像から導出されたかに関わらず、以前に術前画像の対象となっていた組織内又は上のセンサの配置と整合させることによって実行される。
【0079】
[0093] S420で各センサの初期位置を算出し、カメラ画像をセンサのセットに対して位置合わせする際に、カメラ画像を術前画像に対して位置合わせすることもできる。S415、S420、及びS425に基づく位置合わせにさらに代わるものとして、位置合わせは、センサを組織上に配置し、そして術前画像を取得することによって実行できる。センサの位置及び方位は、画像内の解剖学的構造に関して術前画像から抽出できる。これにより、S420のように、臓器上のセンサを直接カメラで見る必要を回避できる。
【0080】
[0094] S425で位置合わせが行われると、センサの移動をもたらす組織の移動を、S415及び/又はS420で最初に設定されたセンサの共通の3次元座標系で追跡できる。コントローラ122は、各センサからセンサデータを受信している最中に、各センサからのセンサ情報を共通の3次元座標系に対して継続的に調整する。S425の位置合わせは、S415及び/又はS420でセンサに設定された共通の3次元座標系での初期座標の術前画像への割り当てをもたらす。
【0081】
[0095] S430において、
図4の方法は、第1のモダリティでの組織の術前画像を、第2のモダリティでの組織の画像と位置合わせすることを含む。
図1Cの動作の進行の例に戻ると、術前画像の座標系は、術前画像内で部分的又は完全に定義され、S425で位置合わせされると、センサのセットの共通の3次元座標系で設定される。例えば、術前画像内のランドマークの各々には、センサのセットの共通の3次元座標系での3つの方向及び3つの軸周りの回転の座標が割り当てられる。したがって、S425での位置合わせに基づいて、術前画像の座標系は、S420で設定されたセンサの共通の3次元座標系の座標系となる。
【0082】
[0096] S430では、1つ以上のセンサが解剖学的特徴に隣接して配置されたときに、X線又は内視鏡/胸腔鏡などによる1つ以上の第2のモダリティにおいて解剖学的特徴が検出可能である限り、センサは、1つ以上の第2のモダリティに対して位置合わせされる。第2のモダリティからの画像は、S415及び/又はS420で設定されたセンサの共通の3次元座標系での位置に位置合わせされる。例えば、気管支内センサが腫瘍に隣接して且つ少なくとも2つの他の気道内に配置されると、気管支内の位置及び他の2つの気道は、セグメントCT画像内で検出され、セグメントCT画像は、センサの共通の3次元座標系に対して位置合わせできる。さらに、S425及びS430での位置合わせは、センサの配置場所を事前に定義するか、過去の処置のデータを組み込むことによって、3つよりも少ないセンサで可能である。
【0083】
[0097] S435において、
図4の方法は、センサのセットから、センサのセットの位置についての電子信号のセットを受信することを含む。上記のように、電子信号は、共通の3次元座標系ですでに設定されているセンサデータを含むか、又は、例えば、
図1Bのコントローラ122によって、共通の3次元座標系に適合するように調整されてもよい。
【0084】
[0098] S440において、
図4の方法は、電子信号のセットのうちの各セットについて、センサのセットの位置の幾何学的配置を計算することを含む。幾何学的配置には、センサの共通の3次元座標系での個々のセンサ位置だけでなく、異なるセンサの位置間の座標の相対的な相違も含まれている。センサからの電子信号のセットは、コントローラ122におけるアルゴリズムに入力される。コントローラ122は、臓器の組織に対するセンサの幾何学的配置を継続的に計算する。
【0085】
[0099] S440で計算された幾何学的配置には、共通の3次元座標系での1つのセンサの位置決めだけでなく、共通の3次元座標系での各センサの経時的な移動も含まれている。また、幾何学的配置には、共通の3次元座標系での複数のセンサの各々の位位置決め、共通の3次元座標系での複数のセンサの相対的な位置決め、並びに複数のセンサの位置決め及び相対的な位置決めの経時的な移動が含まれていてもよい。
【0086】
[00100] S445において、
図4の方法は、センサのセットの幾何学的配置に基づいて、組織の3次元モデルを生成することを含む。
図4で生成された3次元モデルは、共通の3次元座標系でのセンサのセットの位置の初期の3次元モデルであり、対応する特徴を有している。例えば、3次元モデルは、センサの幾何学的配置の情報に制限され、術前画像を除外していてもよい。
【0087】
[00101] S450において、
図4の方法は、信号のセットの各セットに第1のアルゴリズムを適用することで、センサのセットからの電子信号のセット間の、センサのセットの位置の幾何学的配置の変化に基づいて、センサのセットの移動を計算することを含む。移動は、3つの方向の各々における移動についての3つの並進データセット、及び各軸周りの移動についての3つの回転データセットを含む変換ベクトルで報告される。センサを配置した後、移動は、医療インターベンション中に継続的に計算される。
【0088】
[00102] S455において、
図4の方法は、移動における振動性の動きの周波数に基づいて、インターベンション医療処置中のアクティビティを特定することを含む。S455で特定されるアクティビティは、パターン認識に基づいて特定され得る。例えば、センサの振動の特定の周波数が、医療処置中に発生する特定のタイプのアクティビティに対応することがわかっている。
【0089】
[00103] S460において、
図4の方法は、センサのセットからの電子信号のセットのうちの各セットに基づいて、組織の3次元モデルを更新することを含む。組織の3次元モデルは、S460で更新され、まず、S450で計算されたセンサの移動を示す。更新されたモデルは、共通の3次元座標系での各センサの現在位置を特定し、且つ各センサの1つ以上の以前の位置を特定して、各センサの経時的な相対的な移動を反映する。
【0090】
[00104] S465において、術前画像に第2のアルゴリズムを適用することで、術前画像を更新してセンサのセットの移動に基づいた組織の変化を反映することによって、術前画像の更新された仮想レンダリングが作成される。術前画像は、S465で更新されて、各ピクセルを術前画像の以前の反復からセンサの移動に対応する量だけ移動することで、術前画像をモーフィングする。個々のピクセルは、異なる方向に異なる量で移動する様々なセンサとの近接性に基づいて、異なる方向に異なる量だけ移動する。更新された仮想レンダリング内の各ピクセルの移動は、最も近いセンサの各方向における移動の平均又は加重平均に基づいて算出される。
【0091】
[00105]
図5は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサの別の動作の進行を示す。
【0092】
[00106]
図5では、5つのセンサが肺上に配置されている。5つのセンサには、第1のセンサ595、第2のセンサ596、第3のセンサ597、第4のセンサ598、及び第5のセンサ599が含まれている。肺は、本明細書に説明する組織画像の動的更新の対象となる臓器又は他の組織塊の一例にすぎない。5つのセンサは、接着、ステープル留め、又は縫合糸などで配置される。例えば、接着によって配置される場合、5つのセンサの各々は、各センサの底部に外科手術的に適合する接着剤を用いて軟組織に取り付けることができる。
【0093】
[00107]
図5では、5つのセンサは、CTイメージングなどの術前イメージングからの術前画像内で特定された腫瘍又は関心領域の周りに配置されている。変形可能な組織モデルが、センサの数及び場所に応じて異なる入力データのレベルに適応できるため、センサの正確な数及び場所は必ずしも重要ではない。
図5では、左側の画像は、虚脱した肺内の腫瘍の周りにある5つのセンサを示し、右側の画像は、肺が臨床医によって反転されたときの5つのセンサの背面を示している。本明細書に説明する組織画像の動的更新では、センサのセットが肺とともに反転するため、センサのモデルから肺の反転を検出できる。
図5の例では、第2のセンサ596及び第3のセンサ597は、左側の画像では見えるが、右側の画像では反転されている肺の組織上に配置されているため、右側の画像では見えない。
【0094】
[00108]
図6は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新における組織上のセンサの配置を示す。
【0095】
[00109]
図6では、5つのセンサが臓器上に配置されている。5つのセンサには、第1のセンサ695、第2のセンサ696、第3のセンサ697、第4のセンサ698、及び第5のセンサ699が含まれている。
図6の5つのセンサは、臓器の外側に付着されている。
図6の5つのセンサの各々の局所座標系を参照のために示している。各センサは、センサの内部位置を局所座標系の原点として使用する。5つのセンサの各々の3つの軸すべてからの位置情報は、例えば、各個別のセンサについて、ジャイロスコープによって記録され、例えば、手術室内の中央受信器にリアルタイムで戻される。
【0096】
[00110]
図6の5つのセンサの各々の場所はランダムに配置できるが、大量の動き/変形の影響を最も受けやすい組織部位を手動又は自動で特定することで、各センサの正確な場所を最適化することもできる。例えば、肺は、かなりの量のコラーゲンを含むより大きな気道の近くで最も剛性があるが、辺縁部では最も変形性がある。したがって、肺の場合は、5つのセンサのうちの1つ以上を、肺の辺縁部の近くに取り付けることが賢明である。正確な場所は、術前画像に適用されたアルゴリズムから若しくは外科手術的ビュー(眼又はカメラ)から決定できるか、又は両方の何らかの組み合わせである。
【0097】
[00111]
図7は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新の別の方法を示す。
【0098】
[00112]
図7の方法は、例えば、以下で説明する
図8のように、慣性マーカーを気管支内に配置するのに適したワークフローである。このワークフローでは、画像誘導用にセンサの場所を準備する。
【0099】
[00113]
図7の方法は、S710において、術前のCT、MR、又はCBCTスキャンを取ることから開始する。S720において、
図7の方法は、解剖学的特徴について術前画像をセグメント化することを含む。セグメント化は、
図6の臓器などの解剖学的特徴などの構造の表面を表したもので、例えば、構造の表面上の3次元(3D)座標の点のセットで構成されており、三角形の平面セグメントが、3つの点の隣接するグループを接続することによって定義され、これにより、構造全体が交差しない三角形の平面のメッシュで覆われる。
【0100】
[00114] S730において、ターゲットへの経路のための基準として、S720からの解剖学的構造のセグメント化された表現を使用して、センサがターゲットへ気管支内を誘導される。S740において、センサは、ターゲット部位に配置される。S750において、センサの場所がイメージングデータに対して位置合わせされる。上記のように、
図7の方法は、例えば、
図8のように、慣性センサを気管支内に配置するのに適したワークフローである。
【0101】
[00115]
図8は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサ配置を示す。
【0102】
[00116]
図8の例では、センサ895は単一の慣性センサであり、外科手術前又はその最中に、気道を通じて肺の気管支内に導入される。センサ895は、可能な限り腫瘍の近く、又は主要な気道、血管、若しくは他の明白な解剖学的特徴の近くに配置することが有利である。センサ895を配置することで、センサ895の位置をターゲット解剖学的構造に対して直接特定できる。
【0103】
[00117]
図8のセンサ895の配置手順では、気管支内ナビゲーションに既存の方法を利用でき、また、気管支鏡検査、X線、CT、又は電磁(EM)追跡で誘導される気管支内カテーテルを含む。センサ895の初期位置は、センサ895の位置の連続追跡に使用するための胸腔鏡又は別のタイプの内視鏡に対して位置合わせされる。センサ895は、センサ895を所定の位置に置いたままにすることによって(それにより、組織サポートに依存する)、センサ895をバーブで固定することによって、センサ895を組織にクリップ留めすることによって、及び/又は例えば、接着剤を使用してセンサ895を組織に付着させることによって、解剖学的構造に取り付けられる。
図8の例では、センサ895を配置すると、加速度計など、センサ895の構成要素からの方位及び動きなどの示度に基づいて、肺組織の術中状態が解釈される。
【0104】
[00118] センサ895の追跡からのデータには、センサ895の方位が含まれている。また、このデータを使用して、センサ895を配置した時点での(基準座標系としての)重力に対するセンサ895の方位を記録するなどによって、肺モデルをモーフィングする。肺表面の対応する初期方位が保存される。初期方位はまた、胸腔鏡画像から視覚的に測定することも、過去の処置から近似することもできる。その結果、センサ895の追跡からのデータを使用して、関連の組織の方位の変化を追跡できる。センサ895からの方位測定値はまた、ライブビデオでの肺又は組織の追跡の生物物理モデルなどの他の情報源と組み合わせて、センサ895の位置を手術中に決定することもできる。
【0105】
[00119] また、センサ895の追跡からのデータを使用して、肺又は別の臓器がいつ反転されたのかを決定することもできる。この例では、センサ895の加速度計の方位を使用して、肺が反転されているかどうか、つまり、肺組織のどの表面が胸腔鏡ビューにおいて可視であるかを決定できる。例えば、センサ895の方位を使用して、肺の前部若しくは後部が可視であること、肺の下側若しくは上側が可視であること、及び/又は肺の側面若しくは内側が胸腔鏡ビューにおいて可視であることを決定できる。肺の位置決めを決定する機能は、肺のどの表面が可視であるかを臨床医に知らせる際に有用であり、さらに胸腔鏡上での/胸腔鏡のための画像処理アルゴリズムを補完するために使用できる。
【0106】
[00120] また、
図8のセンサ895の追跡からのデータを使用して、速度及び加速度を決定することもできる。センサ895の加速度計によって測定された動きプロファイルを使用して、解剖、切開、反転、伸縮、及び操作など、様々な外科手術的イベントに対応する動きパターンを見つけることができる。例えば、約0.5Hzの振動性の動きは、解剖が行われていることを示す。約10Hzのより高い周波数の動きは、ステープル留めが行われていることを示し得る。これらの動きパターンは、ライブビデオ又は機器追跡などの他の情報源とさらに組み合わせることで、外科手術的イベントの解釈を向上させる。
【0107】
[00121] 慣性センサのデータは、本明細書で説明するように、リアルタイムで使用される。例えば、加速度計データを慣性追跡のためにさらに解析して、リアルタイムで場所を決定できる。加速度計データは、すでに説明した情報のタイプと類似しており、様々な形態の外科手術誘導に組み込むことができる。例えば、加速度計データを使用して、加速度計の測定値に基づいて実際の肺に応じて変形する肺の仮想モデルを臨床医に示すことができる。腫瘍又は他の解剖学的特徴の部位を、センサ895の配置に応じて同時に重ね合わせることができる。別の例では、加速度計データを使用して、臨床医に実際の肺の視覚(ビデオなど)を示すと同時に、追跡対象のセンサ895及び/又は関連する解剖学的特徴の仮想表現を重ね合わせる。さらに別の例では、加速度計データを使用して、腫瘍がその初期の場所から移動した距離や、検出された外科手術的イベントのタイプなど、他の形式の情報や統計情報を臨床医に提示できる。この情報を記録して、解剖されたリンパ節の場所及び数を示すために使用できる。
【0108】
[00122] 上記の加速度計データの使用例では、センサ895は、単一の加速度計ベースのセンサであり、肺の外科手術に有利な誘導を作成するために使用される。単一センサソリューションは、導入がより簡単で、マルチセンサレンディションよりもコスト効率が高い。一方、マルチセンサソリューションには、変形可能な組織の忠実度の高い追跡や、複数の独立したセンサを使用する場合など、いくつかの利点がある。或いは、既知の固定構成にある複数のセンサを使用すると、画像ベースのセンサ検出を使用するなど、ユーザが明示的に位置合わせを行うことなく、センサを組織又は胸腔鏡に対して位置合わせすることができ、これにより、ワークフローが簡素化される。
【0109】
[00123]
図9は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新におけるセンサの別の動作の進行を示す。
【0110】
[00124]
図9では、センサの移動から検出された変形に基づいて、術前画像がモーフィングされる。センサが位置合わせ及び初期化され、センサの位置がリアルタイムで送信されると、センサの位置及び方位がアルゴリズムへの入力として機能する。アルゴリズムは、ターゲット臓器の術前CTボリューム又は3次元ボリュームから開始することによって機能する。これにより、モデルの静的基準又は開始場所が提供される。次に、センサからの入力データは、各センサの個別の位置ベクトルをリアルタイムで提供する。次に、位置ベクトルを使用して、術前モデルを変形し、したがって、3次元空間における組織の現在の状態を予測できる。この新しいモデルは、センサからデータが送信される速度と同じ速度でリフレッシュされる。
図9では、画像の変形は、本明細書で説明したアルゴリズムに基づいていてもよい。
図9は、ファントムの表面に3つの商用センサが取り付けられている実験の結果を示している。したがって、センサの追跡に基づいて3次元モデルがモーフィングされる。
【0111】
[00125]
図10は、代表的な実施形態による組織画像の動的更新においてセンサをモニタリングする装置用のユーザインターフェースを示す。
【0112】
[00126]
図10は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などのインターフェースを示している。このインターフェースは、リアルタイムで収集されたセンサデータを、反転され且つ様々な方位に回転されたファントムとして表示している。インターフェースの3つのインスタンス化は、B、C、及びDとラベル付けされ、各々が、3つの方向(x、y、z)における位置の示度、示度のタイムスタンプ、及び3つの軸に対する角度位置を示している。センサの方位は、緑、青、及び黄色などの色が変化する平面として可視化される。次に、これらの方位を使用して、組織の画像を、術前画像から開始し、更新画像の反復を通じてモーフィングする。
図10に、3つのセンサの各々からのデータを示す。これには、組織ファントムを反転した後のデータも含まれている。
【0113】
[00127] 代替実施形態では、移動が所定の閾値を超えた場合などに、インターフェースを介して触覚フィードバックが適用される。例えば、組織の反転又は回転に関する情報は、コントローラ122又はコンピュータ120の別の要素からフィードバックインターフェースを介して提供される触覚フィードバックによって臨床医に提供される。触覚フィードバックの例としては、センサが任意の1つの軸の周りの90度を超える回転を示す場合に、ウェアラブルデバイス又は外科手術ツールを介して臨床医に振動が送られる。フィードバックインターフェースの例としては、データ接続用のポートがある。データ接続を介して送られたデータに基づいて、フィードバックの触覚的な態様が物理的に出力される。閾値は手動又は自動で調整できる。他の形式のフィードバックには、外部特徴として又は胸腔鏡カメラビュー内で可視である光又は音などがある。
【0114】
[00128]
図11は、別の代表的な実施形態による組織画像の動的更新方法が実装され得る一般的なコンピュータシステムを示す。
【0115】
[00129]
図11の一般的なコンピュータシステムは、通信デバイス又はコンピュータデバイスの構成要素の完全なセットを示している。しかしながら、本明細書で説明する「コントローラ」は、メモリとプロセッサの組み合わせによってなど、
図11の構成要素のセットよりも少ない構成要素で実装することもできる。コンピュータシステム1100は、本明細書で説明するインタラクティブ内視鏡アノテーションシステムにおける1つ以上の構成要素装置の一部又はすべての要素を含む。しかしながら、このような装置のいずれも、コンピュータシステム1100について説明する要素のうちの1つ以上を含まなくてもよく、また、説明されていない他の要素を含んでいてもよい。
【0116】
[00130] コンピュータシステム1100は、コンピュータシステム1100に本明細書で開示する方法又はコンピュータベースの機能のうちの任意の1つ以上を実行させるために実行可能なソフトウェア命令のセットを含み得る。コンピュータシステム1100は、スタンドアロンデバイスとして動作したり、例えば、ネットワーク1101を使用して他のコンピュータシステムや周辺デバイスに接続したりすることができる。実施形態では、コンピュータシステム1100を使用して、実施形態について本明細書で説明したアナログ-デジタルコンバータ経由で受信したデジタル信号に基づいて論理処理を実行できる。
【0117】
[00131] ネットワーク化された展開では、コンピュータシステム1100は、サーバクライアントユーザネットワーク環境では、サーバ又はクライアントユーザコンピュータとして、或いは、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境では、ピアコンピュータシステムとして動作し得る。また、コンピュータシステム1100は、固定コンピュータ、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は、マシンが行う行為を指定する一連のソフトウェア命令(シーケンシャルなど)を実行可能である任意の他のマシンなど、様々なデバイスとして実装又は組み込むこともできる。コンピュータシステム1100は、追加のデバイスを含む統合システムにあるデバイスとして、又はそのデバイスに組み込むことができる。実施形態では、コンピュータシステム1100は、音声、ビデオ、又はデータ通信を提供する電子デバイスを使用して実装できる。さらに、コンピュータシステム1100は単数形で説明されているが、「システム」という用語は、1つ以上のコンピュータ機能を実行するために、1つ以上のソフトウェア命令セットを個別に又は共同で実行するシステム又はサブシステムの集合を含むものとする。
【0118】
[00132]
図11に示すように、コンピュータシステム1100は、プロセッサ1110を含む。コンピュータシステム1100のプロセッサは、有形、且つ非一時的である。本明細書で使用される場合、「非一時的」という用語は、状態の永遠の特性ではなく、一定期間持続する状態の特性として解釈される。「非一時的」という用語は、特に、搬送波又は信号やいつでもどこでも一時的にしか存在しないような他の形式の特性など、一瞬の特性を否定する。プロセッサは、製造品及び/又は機械部品である。コンピュータシステム1100のプロセッサは、本明細書における様々な実施形態において説明する機能を実行するように、ソフトウェア命令を実行する。コンピュータシステム1100のプロセッサは、汎用プロセッサであっても、特定用途向け集積回路(ASIC)の一部であってもよい。コンピュータシステム1100のプロセッサはまた、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサチップ、コントローラ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ステートマシン、又はプログラマブルロジックデバイスであってもよい。コンピュータシステム1100のプロセッサはまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルゲートアレイ(PGA)や、ディスクリートゲート及び/又はトランジスタロジックを含む別のタイプの回路などの論理回路であってもよい。コンピュータシステム1100のプロセッサは、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、又はその両方であってもよい。さらに、本明細書で説明するプロセッサはいずれも、複数のプロセッサ、パラレルプロセッサ、又はその両方を含んでいてもよい。単一のデバイス又は複数のデバイスに、複数のプロセッサが含まれていても、結合されていてもよい。
【0119】
[00133] 本明細書で使用される「プロセッサ」には、プログラム又はマシン実行可能命令を実行できる電子構成要素が包含されている。「プロセッサ」を含むコンピューティングデバイスへの参照は、複数のプロセッサ又は処理コアを含む可能性があると解釈するべきである。例えば、プロセッサは、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサはまた、単一のコンピュータシステム内のプロセッサの集合体、又は複数のコンピュータシステムに分散されたプロセッサの集合体を指すこともある。「コンピューティングデバイス」という用語もまた、1つ以上のプロセッサを各々含むコンピューティングデバイスの集合体又はネットワークを指す場合もあると解釈されるべきである。多くのプログラムは、同じコンピューティングデバイス内にあるか、又は複数のコンピュータデバイス間に分散される複数のプロセッサによって実行されるソフトウェア命令を有する。
【0120】
[00134] さらに、コンピュータシステム1100は、メインメモリ1120とスタティックメモリ1130とを含み得る。コンピュータシステム1100のメモリは、バス1108を介して、互いに通信し得る。本明細書で説明するメモリは、データ及び実行可能なソフトウェア命令を保存可能な有形の記憶媒体であり、ソフトウェア命令がそこに保存されている間は非一時的である。本明細書で使用される場合、「非一時的」という用語は、状態の永遠の特性ではなく、一定期間持続する状態の特性として解釈される。「非一時的」という用語は、特に、搬送波又は信号やいつでもどこでも一時的にしか存在しないような他の形式の特性など、一瞬の特性を否定する。本明細書で説明するメモリは、製造品及び/又は機械部品である。本明細書で説明するメモリは、そこからコンピュータがデータ及び実行可能なソフトウェア命令を読み取ることができる、コンピュータ可読媒体である。本明細書で説明するようなメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、テープ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、又は当技術分野で知られている任意の他の形式の記憶媒体であり得る。メモリは、揮発性又は不揮発性、セキュア及び/又は暗号化、非セキュア及び/又は非暗号化であってもよい。
【0121】
[00135] メモリは、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサから直接アクセス可能である任意のメモリを含み得る。コンピュータメモリの例としては、RAMメモリ、レジスタ、及びレジスタファイルが挙げられるが、これらに限定されない。「コンピュータメモリ」又は「メモリ」への参照は、複数のメモリである場合もあると解釈されるべきである。例えば、メモリは、同じコンピュータシステム内の複数のメモリである場合がある。また、メモリは、複数のコンピュータシステム又はコンピュータデバイス間で分散される複数のメモリである場合もある。
【0122】
[00136] 図示するように、コンピュータシステム1100は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、ソリッドステートディスプレイ、又は陰極線管(CRT)などのビデオディスプレイユニット1150をさらに含み得る。さらに、コンピュータシステム1100は、キーボード/仮想キーボード、タッチ式入力画面、音声認識機能付き音声入力などの入力デバイス1160と、マウスやタッチ式入力画面又はパッドなどのカーソル制御デバイス1170とを含み得る。また、コンピュータシステム1100は、ディスクドライブユニット1180、スピーカやリモコンなどの信号生成デバイス1190、及びネットワークインターフェースデバイス1140を含んでいてもよい。
【0123】
[00137] 実施形態では、
図11に示すように、ディスクドライブユニット1180は、コンピュータ可読媒体1182を含み得、この媒体に、ソフトウェア命令1184(例えばソフトウェア)の1つ以上のセットが埋め込まれていてもよい。ソフトウェア命令1184のセットは、コンピュータ可読媒体1182から読み込まれることができる。さらに、ソフトウェア命令1184は、プロセッサによって実行されると、本明細書で説明する方法及びプロセスのうちの1つ以上を実行するために使用できる。実施形態では、ソフトウェア命令1184は、コンピュータシステム1100による実行中に、メインメモリ1120、スタティックメモリ1130、及び/又はプロセッサ1110内に完全に又は少なくとも部分的に存在していてもよい。
【0124】
[00138] 実施代替形態では、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックアレイ、及び他のハードウェア構成要素などの専用ハードウェア実装態様は、本明細書で説明する方法のうちの1つ以上を実装するように構築され得る。本明細書で説明する1つ以上の実施形態は、モジュール間で通信可能な関連制御信号及びデータ信号とともに、2つ以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュール又はデバイスを使用して機能を実装できる。したがって、本開示には、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアの実装態様が包含されている。本出願において、有形の非一時的なプロセッサ及び/又はメモリなどのハードウェアではなく、ソフトウェアのみを使用して実装される、又は実装可能であると解釈されるものは何もない。
【0125】
[00139] 本開示の様々な実施形態に従って、本明細書で説明する方法は、ソフトウェアプログラムを実行するハードウェアコンピュータシステムを使用して実施できる。さらに、非限定的な模範実施形態では、分散処理、構成要素/オブジェクト分散処理、及び並列処理などの実装が可能である。仮想コンピュータシステム処理を構築して、本明細書で説明する方法又は機能のうちの1つ以上を実装できる。また、本明細書で説明するプロセッサを使用して、仮想処理環境をサポートすることもできる。
【0126】
[00140] 本開示は、ソフトウェア命令1184を含むか、又は、伝播信号に応答してソフトウェア命令1184を受信して実行することにより、ネットワーク1101に接続されたデバイスがネットワーク1101を介して音声、ビデオ、又はデータを通信できるようにするコンピュータ可読媒体1182を企図している。さらに、ソフトウェア命令1184は、ネットワークインターフェースデバイス1140を介してネットワーク1101経由で送受信できる。
【0127】
[00141] したがって、組織画像の動的更新により、最初に生成されたときから基礎となる主題がどのように変化したかを反映するように、更新された術前画像を表すことができる。このようにすると、インターベンション医療処置に携わる外科医などの臨床医は、インターベンション医療処置中に、混乱や再構築の必要性が抑えられるように解剖学的構造を確認することができ、これにより、医療インターベンションのアウトカムが向上される。
【0128】
[00142] 組織画像の動的更新について、いくつかの模範的実施形態を参照して説明したが、これまで使用した言葉は、限定の言葉ではなく、説明及び例示の言葉であることが理解される。組織画像の動的更新の範囲及び趣旨から逸脱することなく、現在提示されている及び補正されている添付の特許請求の範囲内で、その態様において、変更を行ってもよい。組織画像の動的更新について、特定の手段、材料、及び実施形態を参照して説明したが、組織画像の動的更新は、開示された詳細に限定されることを意図したものではない。むしろ、組織画像の動的更新は、添付の特許請求の範囲にあるようなすべての機能的に同等の構造、方法、及び使用にまで拡張する。
【0129】
[00143] 例えば、組織画像の動的更新について、肺外科手術のコンテキストで主に説明したが、組織画像の動的更新は、変形性組織を追跡する任意の外科手術に適用できる。組織画像の動的更新は、変形性組織又は臓器を含むあらゆる処置で利用できる。これには、肺外科手術、乳房外科手術、結腸直腸外科手術、皮膚追跡、又は整形外科などの応用が含まれる。
【0130】
[00144] 本明細書では、特定の規格及びプロトコルを参照して、特定の実施形態で実装され得る構成要素及び機能について説明しているが、本開示は、そのような規格及びプロトコルに限定されない。例えば、ブルートゥース(登録商標)などの規格は、最先端の例を表すものである。このような規格は、基本的に同じ機能を有するより効率的な同等物に定期的に取って代わられる。したがって、同じ又は類似する機能を有する代用規格及びプロトコルは、同等のものと見なされる。
【0131】
[00145] 本明細書で説明する実施形態の説明図は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを目的としている。説明図は、本明細書で説明する開示のすべての要素及び特徴を完全に説明するものではない。他の多くの実施形態は、本開示を検討した際に、当業者には明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換や変更を行うことができるなど、他の実施形態を本開示から利用し、派生させることができる。さらに、説明図は、代表的に過ぎず、縮尺どおりではない場合がある。説明図中の特定の割合は誇張されている場合があり、他の割合は最小化されている場合がある。したがって、本開示及び図は、制限的ではなく、例示的なものとみなされるべきである。
【0132】
[00146] 本開示の1つ以上の実施形態は、「発明」という用語によって、便宜上のためだけに、かつ本出願の範囲を自発的に特定の発明又は発明概念に限定することを意図せずに、個別に及び/又は集合的に本明細書で参照され得る。また、本明細書には、特定の実施形態が例示及び説明されているが、同じ又は類似の目的を達成するように設計された後続の配置を、示されている特定の実施形態と置き換えることができることを理解すべきである。本開示は、様々な実施形態の任意のかつあらゆるその後の適応又は変化を対象とすることを意図している。上記の実施形態と、本明細書には具体的には説明されていない他の実施形態との組み合わせは、説明を検討した際に、当業者には明らかであろう。
【0133】
[00147] 本開示の要約書は、37C.F.R§1.72(b)に準拠するために提供されており、また、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないという理解の下に提出されている。また、上記の「発明を実施するための形態」では、本開示の合理化を目的として、様々な特徴を単一の実施形態にまとめたり、説明している可能性がある。本開示は、請求項に係る実施形態が各請求項で明示的に記載されているものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映しているとして解釈されるものではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、発明の主題は、開示された実施形態のいずれかのすべての特徴よりも少ないものを対象とする可能性がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各請求項は、請求項に係る個別の主題を定義するものとして自立している。
【0134】
[00148] 開示された実施形態の前述の説明は、当業者であれば誰でも、本開示で説明する概念を実践できるようにするために提供されている。したがって、上記の開示された主題は、制限的ではなく、例示的とみなされる。また、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲に該当する、すべてのそのような修正、増強、及び他の実施を対象とすることを目的としている。したがって、法律で認められる最大限の範囲において、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその同等物の許容される最も広範な解釈によって決定されるものとし、前述の詳細な説明によって制限又は限定されるものではない。
【国際調査報告】