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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】動物の医療検査のための検査装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/021 20060101AFI20221214BHJP
   A61B 5/0295 20060101ALI20221214BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20221214BHJP
   A01K 29/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A61B5/021
A61B5/0295
A61B5/026 120
A01K29/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522869
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2020079040
(87)【国際公開番号】W WO2021074292
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】19203832.1
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19203875.0
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】505258715
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim Vetmedica GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】アンリカー ウルス
(72)【発明者】
【氏名】バーゲナー マルコ
(72)【発明者】
【氏名】カウト クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ローサー パスカル マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】サン-ジスラン ミシェル ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィース ビート
(72)【発明者】
【氏名】フレート-ジャム ジャニーヌ
(72)【発明者】
【氏名】フォルベルガー ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ハーグ-ディアガルテン ジルケ
(72)【発明者】
【氏名】ポロツェック ダクマー
(72)【発明者】
【氏名】ラフメル ダニエラ カタリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ツィマリング タニヤ マルグリット
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA11
4C017AA19
4C017AC16
4C017AC28
4C017BC14
4C017FF08
(57)【要約】
本発明は、動物、特に脚を有する動物、特に好ましくはネコ亜科の動物の医療検査、特に血圧測定のための検査装置に関する。この検査装置は、動物の動脈血流の光学的検査のための、特にフォトプレチスモグラフィーを実行するためのセンサデバイスを有する。この目的のために、センサデバイスは、電磁放射の放出のための少なくとも1つのエミッタと、エミッタによって放出された放射線の検出のための少なくとも1つの検出器とを有する。好ましくは、センサデバイスは、複数のエミッタ及び複数の検出器を有し、エミッタ及び検出器は、周期的な構造で配置される。代替的に又は追加的に、センサデバイスは、センサデバイスの検出領域の境界を定める制限デバイスを有し、境界のセンサデバイスからの距離が、0.5mmより大きく及び/又は5mm未満であるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物(T)、特に脚(2)を有する動物(T)、特に好ましくはネコ亜科の動物(T)の医療検査、特に血圧(BP)の測定のための検査装置(1)であって、
前記動物(T)の動脈血流(BF)の光学的検査のための、特にフォトプレチスモグラフィーを実行するためのセンサデバイス(4)を備え、前記センサデバイス(4)が、電磁放射線(R)を放出するための少なくとも1つのエミッタ(5)と、前記エミッタ(5)によって放出された前記放射線(R)を検出するための少なくとも1つの検出器(6)と、を有する、
検査装置(1)において、
前記センサデバイス(4)が複数のエミッタ(5)と複数の検出器(6)とを有し、前記エミッタ(5)及び前記検出器(6)が周期的な構造で配置されており、及び/又は、
前記センサデバイス(4)が、前記センサデバイス(4)の感知領域(12)の境界(G)を定める制限デバイス(8)を有し、前記センサデバイス(4)からの前記境界(G)の距離(X)が、0.5mmより大きく及び/又は5mm未満となるようにする、
ことを特徴とする、検査装置(1)。
【請求項2】
前記センサデバイス(4)が、複数の、特に少なくとも9個のエミッタ(5)と、複数の、特に少なくとも4個の検出器(6)とを有し、好ましくは、複数の、特に少なくとも4個の前記エミッタ(5)が、前記各検出器(6)と関連付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記エミッタ(5)及び前記検出器(6)が、等距離に及び/又は縦列及び横列を有するマトリクス状に配置され、前記マトリクスが、2又は3以上の縦列及び/又は2又は3以上の横列を有し、好ましくは前記縦列及び横列の前記エミッタ(5)及び前記検出器(6)が、交互に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2による検査装置。
【請求項4】
前記制限デバイス(8)が、前記エミッタ(5)の放射角度(9A)及び/又は前記検出器(6)の検出角度(10A)を90°未満、好ましくは約60°に制限する、ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記制限デバイス(8)が、前記エミッタ(5)によって放出される放射線(R)に対して不透明な障壁(13)を有し、前記障壁は、エミッタ(5)と検出器(6)との間に配置されて、前記センサデバイス(4)からの前記感知領域(12)の境界(G)の距離(X)が0.5mmより大きく及び/又は5mm未満であるように、前記エミッタ(5)の放射領域(9)及び/又は前記検出器(6)の検出領域(10)を制限する、ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記制限デバイス(8)の高さ(HB)及び幅(BB)、前記エミッタ(5)及び前記検出器(6)からの前記制限デバイス(8)の距離(DB)、並びに前記検出器(6)からの前記エミッタ(5)の距離(D)は、前記センサデバイス(4)からの前記感知領域(12)の境界(G)の距離(X)が0.5mmより大きく及び/又は5mm未満であるように、前記エミッタ(5)の放射領域(9)及び/又は前記検出器(6)の検出領域(10)が重なり合うように互いに一致されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記検査装置(1)が、心拍曲線(KG)を記録するための少なくとも1つの検出素子、特に電極(15)を有し、好ましくは前記検出素子の1つ、特に前記電極(15)の1つは、前記検出素子、特に前記電極(15)によって心拍曲線(KG)を記録することができ、前記センサデバイス(4)によって光学検査を同時に行うことができるように、前記動物(T)の脚(2)を前記センサデバイス(4)の上に位置付けることができるように配置される、請求項1~6の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項8】
前記センサデバイス(4)が、前記エミッタ(5)によって放出される放射線(R)に対して透明であるカバー(14)を有し、前記電極(15、15A)が、前記エミッタ(5)及び前記検出器(6)から外方に面する前記カバー(14)の側部に配置される、ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記検査装置(1)が、前記エミッタ(5)と前記検出器(6)との間の前記エミッタ(5)と前記検出器(6)によって定められる平面に対して垂直な投影で及び/又は前記障壁(13)と反対側に配置される電極(15、15A)を備え、及び/又は前記電極(15)が、前記エミッタ(5)によって放出される放射線(R)に対して透明である、ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記センサデバイス(4)が、30を上回る、好ましくは60を上回る、及び/又は500未満の、好ましくは200未満のエミッタ(5)を含み、及び/又は前記センサデバイス(4)が、20を上回る、好ましくは40を上回る、及び/又は500未満の、好ましくは200未満の検出器(6)を含む、ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記エミッタ(5)及び/又は前記検出器(6)の面積密度、及び/又は前記エミッタ(5)と前記検出器(6)の共通の面積密度が、0.5/cm2を上回る、好ましくは1/cm2を上回る、特に2/cm2を上回る、及び/又は40/cm2未満、好ましくは20/cm2未満、特に10/cm2である、ことを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項12】
前記エミッタ(5)が同じ波長の放射線(R)を放出するように設計され、前記検出器(6)が同じ波長で検出するように設計されている、ことを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項13】
前記エミッタ(5)が、900nmを上回る及び/又は1100nm未満、好ましくは約940nm及び/又は1050nmの波長を有する赤外線及び/又は放射線(R)を放出するように設計されている、ことを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項14】
前記検査装置(1)は、前記動物(T)又は前記脚(2)が検査中にその上に置かれる、前記動物(T)又は前記脚(2)のための支持体として、特にプレート又はマットとして設計されており、前記センサデバイス(4)は前記支持体に一体化されている、ことを特徴とする請求項1~13の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項15】
脚(2)を有する動物(T)、特にネコ亜科の動物(T)、特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に血圧(BP)の測定のための検査装置(1)であって、好ましくは前記検査装置(1)が、請求項1~14の何れか1項に従って設計されており、前記検査装置(1)が、前記動物(T)の少なくとも1つの脚(2)のための支持体として設計されており、前記検査装置(1)が、前記動物(T)の動脈血流(BF)の光学的検査、特にフォトプレチスモグラフィーを行うためのセンサデバイス(4)を有する、検査装置(1)において、
前記センサデバイス(4)は、赤外線領域の電磁放射(R)による検査のために設計されており、及び/又は
前記検査装置(1)は、心拍曲線(KG)を記録するため少なくとも1つの検出素子、好ましくは少なくとも2つの電極(15、15A、15B、15C)を有し、及び/又は
前記検査装置(1)は、少なくとも1つのティッシュ電極を備え、及び/又は
前記検査装置(1)は、スケール(18)を備える又は形成している、
ことを特徴とする検査装置。
【請求項16】
前記センサデバイス(4)が、複数のエミッタ(5)及び検出器(6)を備え、好ましくは、前記複数のエミッタ(5)が同じ波長で放出するように適合され、前記検出器(6)が同じ波長で検出するように適合されている、請求項1~15の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項17】
1又は2又は3以上の前記エミッタ(5)と共に検出器(6)が各々、センサ(7)を形成し、前記センサデバイス(4)が、動脈血流(BF)に関する情報を含む複数の曲線(K)、特にフォトプレチスモグラムを同時に記録するように設計されている複数のセンサ(7)を有する、請求項1~16のうちの何れか1項に記載の検査装置
【請求項18】
前記電極(15、15A、15B)が、5cmを上回る及び/又は20cm未満の距離(DE)に配置されている、請求項1~17の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項19】
前記検査装置(1)が、参照電極又は集電電極(15、15C)と2つの更なる電極(15、15A、15B)とを備える、請求項1~18の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項20】
前記電極(15、15A、15B、15C)のうちの1つは、動脈血流(BF)に関する情報を含む曲線(K)、特にフォトプレチスモグラムを記録するための前記センサデバイス(4)上に前記動物(T)の脚(2)が位置するときに、前記電極(15、15A、15B、15C)が同時に接触するように配置されている、請求項1~19の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項21】
前記検査装置(1)が、少なくとも実質的に平坦、マット状、及び/又はプレート状である、請求項1~20の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項22】
前記スケール(18)及び/又は前記検査装置(1)が、体脂肪を測定するように設計されており、好ましくは、前記検査装置(1)は、前記体脂肪測定を考慮して前記動物(T)の血圧(BP)を測定するように設計されている、請求項1~21の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項23】
前記検査装置(1)が載置面(3)を有し、ネコ亜科の動物(T)、特に飼い猫が、前記支持面(3)上に完全に載ることができ、及び/又は前記載置面(3)が、20cmを上回る、好ましくは40cmを上回る、及び/又は80cm未満、好ましくは60cm未満の幅(B)及び/又は40cmを上回る、好ましくは60cmを上回る、及び/又は120cm未満、好ましくは80cm未満の長さ(L)を有する、請求項1~22の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項24】
前記検査装置(1)が、拡張期血圧(BP)の測定用に設計され及び/又は好適である、請求項1~23の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項25】
脚(2)を有する動物(T)、特にネコ亜科の動物(T)、特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に血圧(BP)の測定のための方法であって、
前記動物(T)は、特に請求項1~24の何れか1項に従って設計された検査装置(1)上で、前記動物(T)の脚(2)が前記検査装置(1)のセンサデバイス(4)上に載るように位置付けられ、
前記動物(T)の動脈血流(BF)、特にフォトプレチスモグラムに関する情報を含む曲線(K)が、前記センサデバイス(4)により記録され、
前記曲線(K)を記録するために、赤外線領域の電磁放射(R)による反射測定が行われ、
及び/又は
前記動物(T)の心拍曲線(KG)が、前記検査装置(1)により記録され、
及び/又は
少なくとも1つのティッシュ電極によって信号が記録され、
及び/又は
前記動物(T)が、前記検査装置(1)により体重測定される、
方法。
【請求項26】
前記曲線(K)により曲線特徴、特に脈波伝播時間が決定され、前記血圧(BP)が、前記曲線特徴、特に前記脈波伝播時間に基づいて、好ましくは経験的に決定された相関関数により決定される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記曲線(K)及び前記心拍曲線(KG)が同時に記録され、前記心拍曲線(KG)は、心拍に対応する曲線セクション(KA)に前記曲線(K)を切り分けるのに使用される、請求項25又は26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記動物(T)及び/又は前記動物(T)の脚(2)の存在及び/又は位置決めが、前記検査装置(1)によって、特に前記センサデバイス(4)、前記電極(15)及び/又は前記スケール(18)で測定された信号を評価することによって決定される、請求項25~27の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記スケール(18)及び/又は前記検査装置(1)によって体脂肪測定が行われ、好ましくは前記動物(T)の血圧が、前記体脂肪測定と好ましくは前記スケール(18)によって測定された体重を考慮して決定される、請求項25~28の何れか1項に記載の方法。
【請求項30】
拡張期血圧(BP)が決定される、請求項25~29の何れか1項に記載の方法。
【請求項31】
動脈血流(BF)の光学的検査のためのセンサデバイス(4)と、心拍曲線(KG)を記録するための少なくとも1つの検出素子、特に電極(15)とを有し、前記センサデバイス(4)及び/又は前記検出素子又は前記電極(15)に対して自由に移動可能である動物(T)の血圧(BP)を測定する、請求項1~24の何れか1項に従って好ましくは設計された検査装置(1)の使用方法。
【請求項32】
脚(2)を有する動物(T)、特にネコ亜科の動物(T)、特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に血圧(BP)の測定のため、請求項1~24の何れか1項に従って設計された検査装置(1)の使用方法であって、
好ましくは、前記検査装置(1)が、動脈血流(BF)の光学的検査のためのセンサデバイス(4)と、心拍曲線(KG)を記録するための少なくとも1つの検出素子、特に電極(15)とを有し、前記検査装置(1)が、前記センサデバイス(4)及び/又は前記電極(15)又は前記検出素子に対して自由に移動可能である動物(T)の血圧(BP)を測定するように設計されている、使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の医療検査のための検査装置に関し、特に請求項1の前文によれば、動物の医療検査のための方法及び検査装置の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、本発明の目的は、猫又は犬などのペットの非侵襲的な血圧測定を可能にすること、又は簡略化することである。ヒトの場合、非侵襲的な血圧測定には、腕の周りに装着する膨張式のカフが用いられることが多い。しかしながら、カフを用いて血圧を測定することは、犬、特に猫にとって問題がないわけではなく、これは、これらの動物はこのような検査に慣れておらず、特に猫にとってはカフを装着するのが難しい可能性があることに起因する。一方、カフの装着は、動物にとってストレスを伴い、このストレスが測定結果の誤りとなる可能性があるので、可能であれば避けたいものである。
【0003】
しかしながら、本発明は、猫又は犬などのペットへの適用に限定されるものではなく、原理的に、あらゆる種類の動物、特に人間にも用いることができる。更に、本発明は、血圧測定に限定されるものではなく、一般に、医療検査、特に光学的、非侵襲的及び/又は経皮的検査、特に好ましくはフォトプレチスモグラフィー及び/又はパルスオキシメトリ用に設計又は適合される。
【0004】
カフを用いた血圧測定に加えて、非侵襲的に血圧を測定する他の方法は、従来技術として既に知られている。
【0005】
WO85/03211A1は、動脈血圧測定方法に関するものであり、心電計によって心拍を測定し、フォトプレチスモグラフィーによって動脈血流を測定するものである。次いで、血圧は、心拍と、これによって引き起こされてフォトプレチスモグラフィーによって測定される動脈の脈波との間の時間間隔から決定される。これは、血圧が、心拍とこれによって引き起こされる動脈の脈波との間の時間スパンに相関していることを利用することによって行われる。
【0006】
心拍と結果として生じる動脈の脈波との間の時間は、脈波伝播時間とも呼ばれる。
【0007】
WO89/08424A1は、ヒトの血圧を連続的に測定する方法に関するものである。3つの血圧量(収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)のうちの1つを決定するために、使用する血圧量の関数としての脈波伝播時間を示すプローブ固有の較正曲線を利用して、脈波伝播時間が連続的に測定される。脈波伝播時間を測定するために、患者の心臓の上に2つの電極を置いて、センサがイヤクリップで耳垂に取り付けられて、ECGが記録される。センサの小型光源が耳垂から照射され、血圧に比例して変化する耳垂の透過率が、フォトダイオードにより測定される。時間的な透過率曲線は、ECG信号によって登録された収縮期に対する耳垂への脈波の到達を示す。従って、心臓と耳垂の間の距離に対する脈波伝播時間が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第85/03211A1号
【特許文献2】国際公開第89/08424A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、信頼性が高く正確で高速及び/又は非侵襲的な、特にカフを使用しない犬又は猫などの動物の医療検査、特に血圧測定が可能となり、検査又は測定が動物にとってできるだけ快適となる解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、請求項1又は15に記載の検査装置、請求項25に記載の方法、或いは請求項31又は32に記載の使用方法によって解決される。更なる有利な開発は、従属請求項の主題である。
【0011】
本発明は、特に、動物の医療検査のための検査装置に関する。この検査装置は、特に血圧測定、特に拡張期血圧測定のために設計されている。
【0012】
更に、検査装置は、好ましくは、脚を有する動物、好ましくは、ネコ上科(猫様)又はイヌ上科(犬様)の動物、特にネコ科(猫)又はイヌ科(犬)の動物、特に好ましくはネコ亜科(小型猫)又はイヌ亜科(真性犬)の動物、この族では特にイヌ族(狼様及びジャッカル様)の動物、特に好ましくは飼い猫又は飼い犬の検査に対して構成され及び/又は適切である。
【0013】
しかしながら、原理上は、本発明による検査装置は、代替的又は追加的に、あらゆる動物、特にヒトの医療検査、特に血圧測定に適している。
【0014】
検査装置は、動物の動脈血流を光学的に検査するためのセンサデバイスを有する。好ましくは、検査装置は、動物の血流を経皮的及び/又は非侵襲的に検査するように設計されている。特に好ましくは、センサデバイス及び/又は検査装置は、フォトプレチスモグラフィーを行うように設計されている。
【0015】
動物の検査のために、好ましくは、動脈血流をセンサデバイスを用いて検査できるように、動物の体の一部、特に脚をセンサデバイスの上又は上方に位置付けることが意図されている。好ましくは、本明細書において、身体の一部又は脚は、センサデバイスに対して固定されておらず、及び/又は身体の一部又は脚は、本明細書において、センサデバイスに対して自由に移動することができる。これにより、検査は、動物にとって極めて快適で、従ってストレスのないものにすることができる。例えば、動物の固定又は動物に対する手動操作によって引き起こされるストレス下では、血圧が急激且つ有意に変化する可能性があることが示されているので、これは、血圧測定の正確及び/又は有意義な結果に有利である。このため、検査中又は血圧測定中に動物にストレスがかかる場合、測定結果の誤認識につながる。
【0016】
センサデバイスは、電磁放射線を放出するための少なくとも1つのエミッタと、エミッタによって放出された放射線を検出するための少なくとも1つの検出器とを有する。電磁放射線は、好ましくは、赤外光及び/又は紫外線を含む光である。
【0017】
第1の態様によれば、センサデバイスは、繰り返し構造又は反復構造、特に周期的構造に配置された複数のエミッタ及び複数の検出器を有する。これは、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。特に、これにより、センサデバイスによってより大きな面積又は領域が検出又は測定可能とすることができ、脚の異なる点における複数の特に同時の測定が可能となり、及び/又はセンサデバイス上に脚を配置する際に一定の自由度があるようになる。更に、これにより、検査中にセンサデバイスに対する脚の動きを許容又は可能にすることができる。このようにして、動物にとって快適な、従ってストレスのない検査を行うことができる。これは、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。
【0018】
独立して実現することもできる別の態様によれば、センサデバイスは、センサデバイスの感知領域の境界を定める制限デバイスを有し、センサデバイスの感知領域の境界のセンサデバイスからの距離が、0.5mmよりも大きい及び/又は5mm未満となるようにする。このようにして、動脈血流の信頼性の高い検査が可能となり、脚への最小の侵入深さを達成することができ、及び/又は検出器が脚の外側面からの反射を測定することを回避することができる。
【0019】
好ましくは、センサデバイスは、複数のエミッタ及び複数の検出器を有する。ここで、センサデバイスは、少なくとも4つの検出器及び/又は少なくとも9つのエミッタを有することが好ましい。特に好ましくは、複数、特に少なくとも又は厳密には4つのエミッタが、各検出器に割り当てられる。これは、信頼性が高く正確な検査、特に血圧測定をもたらす。
【0020】
エミッタ及び検出器は、列と行を有するマトリクス状に配置されていることが好ましい。ここで、エミッタ及び検出器は、等距離に配置されていることが好ましい。マトリクスは、好ましくは、2よりも多い列及び/又は行を有する。特に好ましくは、エミッタ及び検出器は、列と行に交互に配置される。言い換えれば、マトリクスの縁部に配置されたエミッタ及び検出器を除いて、列及び行の両方において、エミッタは、それぞれの場合において2つの検出器の間に配置され、検出器は、それぞれの場合において2つのエミッタの間に配置される。このことは、信頼性の高い正確な検査、特に血圧測定をもたらす。
【0021】
制限デバイスは、好ましくは、エミッタの放出角度及び/又は検出器の検出角度を90°未満、好ましくは約60°に制限する。この目的のために、制限デバイスは、障壁として設計することができる。しかしながら、制限デバイスは、光学レンズを有するか又は光学レンズによって形成され、対応する放出角及び/又は検出角度が、レンズによる集束又は散乱によって達成されることも可能である。
【0022】
制限デバイスは、好ましくは、エミッタによって放射される放射線に対する障壁を有するか、又は障壁によって形成される。障壁は、エミッタと検出器との間に配置され、このようにしてエミッタの放射領域及び/又は検出器の検出領域を制限して、センサデバイスの感知領域が形成されるようにし、その境界は、センサデバイスから0.5mmより大きく及び/又は5mm未満の距離にある。このようにして、脚の表面から散乱された光が遮断され、及び/又は遮られ、及び/又は少なくとも本質的に検出器に到達しないこと、及び/又はエミッタによって放出されて検出器によって検出される放射線の最小浸透深度を確保することが達成され得る。
【0023】
好ましくは、制限デバイスの高さ及び/又は幅、隣接又は関連するエミッタ及び隣接又は関連する検出器からの制限デバイスの距離、並びにエミッタと検出器の間の距離は、エミッタの放射領域と検出器の検出領域が、センサデバイスからの検出領域の境界の距離が0.5mmより大きく及び/又は5mm未満であるように重なり合うように互いに適合される。
【0024】
検査装置は、好ましくは、心拍曲線、特に心電図を記録するための1又は2以上の電極を有する。好ましくは、電極の少なくとも1つは、電極によって動物の脚で心拍曲線を記録することができると同時に、センサデバイスによってこの脚で光学検査を実施できるように配置される。これは、正確且つ迅速な検査、特に血圧測定がもたらされる。更に、電極を動物に固定する必要がなく、及び/又は動物が電極に対して自由に動けるので、動物にとってより快適な検査が可能となり、ひいては動物に与えるストレスが軽減される。これ、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。
【0025】
センサデバイスは、好ましくは、エミッタによって放出される放射線に対して透明であるカバーを有する。これにより、センサデバイスは、損傷及び/又は汚染から保護することができる。
【0026】
特に好ましくは、特に心拍曲線を記録するための電極が、エミッタ及び検出器から外方に面するカバーの側部に配置されることが好ましい。これにより、心拍曲線の記録と、1又は同じ脚上のセンサデバイスによる光学的検査とを同時に行うことができる。
【0027】
ここで、電極は、エミッタ及び検出器の間及び/又はこれらからオフセットして、カバーに垂直な投影及び/又は障壁の反対側に配置されていることが特に好ましい。電極は、マスクとして、障壁又はその一部を形成するか、又はエミッタ及び/又は検出器によってカバーされないか又は感知されない領域内に配置することができる。代替的又は追加的に、電極は、エミッタによって放出される放射線に対して透明とすることができる。これにより、同じ脚でセンサデバイスを使用して心拍曲線の記録と光学検査を同時に行うことが可能になる。これにより検査が簡素化され、動物にとってより快適なものとなり、すなわち、動物にかかるストレスが少なくなる。これは、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。
【0028】
センサデバイスは、好ましくは、30を上回る、好ましくは60を上回る、及び/又は500未満、好ましくは200未満のエミッタを有する。代替的に又は追加的に、センサデバイスは、20を上回る、好ましくは40を上回る、及び/又は500未満、好ましくは200未満の検出器を有する。これは、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。特に、これは、センサ面積を増加させ、検査を行うことができるように、及び/又は検査中にセンサデバイスに対して脚を動かしても検査を行うことができるように、動物の脚をセンサデバイス上に配置することを容易にする。言い換えれば、センサデバイス及び/又は検査装置は、好ましくは、検査中に動物の移動を可能にする又は許可するように、及び/又は信頼性が高く正確な検査、特に血圧測定を可能にするように、及び/又は動きアーチファクトを低減、回避及び/又は補償するように設計される。これにより、動物にとって検査がより快適なものとなり、動物に与えるストレスが少なくなる。これは、正確な又は信頼できる検査、特に血圧測定をもたらす。
【0029】
好ましくは、エミッタの面積密度、検出器の面積密度、及び/又はエミッタ及び検出器の共通の面積密度は、0.5/cm2を上回る、好ましくは1/cm2を上回る、特に2/cm2を上回る、及び/又は40/cm2未満、好ましくは20/cm2未満、特に10/cm2未満である。これは、信頼性の高い正確な血圧測定をもたらす。
【0030】
エミッタは、同じ波長の放射線を放出するように設計され、検出器は、同じ波長で検出するように設計されていることが好ましい。特に、エミッタが同一構造であること、及び/又は検出器が同一構造であることが好ましい。これにより、異なる検出器又はセンサが、同等の信号又は同じ種類の信号を、好ましくは異なる位置から、特にセンサデバイスに沿って互いにオフセットされた位置から記録することが可能となる。特に、この方法では、異なる検出器及び/又はセンサによって記録された信号は、基本的に同じ又は類似の情報を含む。これは、検査中の動物が動いているときでも、信頼性が高く正確な検査、特に血圧測定をもたらす。これにより、動物にとってより快適な検査が可能となり、従って、動物に与えるストレスが軽減される。これは、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。
【0031】
好ましくは、エミッタは、赤外線放射及び/又は780nmを上回る、好ましくは900nmを上回る、及び/又は1400nm未満、好ましくは1100nm未満、特に約940nm及び/又は1050nmの波長を有する放射を放出するように設計されている。赤外線は知覚されないので、これにより、検査、特に血圧測定が動物にとって極めて快適なものとなることができる。更に、赤外線放射の使用は、色素の濃い又は暗色の脚又は肉球を有する動物にとって驚くほど有利であることが証明されている。
【0032】
検査装置は、少なくとも本質的に平坦で、マット状及び/又はプレート状、及び/又はマット及び/又はプレートの形態であることが好ましい。これは、猫及び犬のような動物の検査に特に有利であることが証明されている。特に、カフを使用しない非侵襲的な検査、特に血圧測定が可能となる。従って、動物にとって極めて快適でストレスのない検査が可能になる。これは、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。
【0033】
独立して実現することもできる別の態様によれば、検査装置は、動物の少なくとも1つの脚のための支持体として、特に動物全体の支持体として設計されている。特に好ましくは、検査装置又は支持体は、動物、特に飼い猫又は飼い犬が検査中に支持体上に完全に位置することができるように、及び/又は支持体に対して自由に移動可能であるように設計されている。これにより、検査は、動物にとって特に快適で、従ってストレスのないものにすることができる。例えば動物の固定又は動物に対する手動の操作によって引き起こされるストレス下では、血圧が迅速且つ著しく変化する可能性があることが分かっているので、これは、血圧測定の正しい及び/又は有意義な結果のために有利である。従って、検査中又は血圧測定中に動物にストレスがかかった場合、結果が歪められる。
【0034】
検査装置は、動物の動脈血流を光学的に検査するためのセンサデバイスを有する。好ましくは、検査装置は、血流及び/又は動物の経皮的及び/又は非侵襲的な検査のために設計されている。特に好ましくは、センサデバイス及び/又は検査装置は、フォトプレチスモグラフィーを行うために設計されている。
【0035】
動物の検査のために、好ましくは、動脈血流をセンサデバイスを用いて検査できるように、動物の身体の一部、特に脚をセンサデバイスの上又は上方に位置付けることが意図される。好ましくは、身体の一部又は脚は、センサデバイスに対して固定されておらず、及び/又は身体の一部又は脚は、センサデバイスに対して自由に移動することができる。これにより、検査は、動物にとって極めて快適で、従ってストレスのないものにすることができる。例えば、動物の固定又は動物に対する手動操作によって引き起こされるストレス下では、血圧が急激且つ有意に変化する可能性があることが示されているので、これは、検査中又は血圧測定中に動物にストレスがかかる場合、測定結果の誤認識につながる。
【0036】
好ましくは、センサデバイスは、赤外線領域の電磁放射による検査のために設計されている。これは、特に、色素の濃い又は暗色の脚又は肉球を有する動物にとって特に有利であることが証明されている。
【0037】
独立して実現することもできる別の態様によれば、検査装置は、動物の心臓の活動を検出するために少なくとも2つ、好ましくは3つの検出素子を有する。検出素子は、好ましくは、心拍曲線を記録するための電極によって形成される。これは、血圧の簡単な測定をもたらす。しかしながら、原理的には、検出素子はまた、心拍曲線又は同様のものを記録するためマイクロフォンによって形成することもできる。
【0038】
独立して実現することもできる別の態様によれば、検査装置は、少なくとも1つのティッシュ電極を有する。これは、金属電極の使用と比較して、猫などの動物の検査において有利であることが証明されている。特に猫は、金属電極に対してしばしば刺激的に反応し、対照的に、ティッシュ電極の使用は、検査装置による検査を猫にとってより快適なものにすることができ、従って動物にとって誘起されるストレスが少ないことが示されている。このことは、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定をもたらす。
【0039】
独立して実現することもできる別の態様によれば、検査装置は、スケール(scale、はかり)を有するか、又はスケールを形成する。これにより、血圧測定の精度を向上させることができる。
【0040】
好ましくは、1又は2以上のエミッタと共に検出器が、各々1つのセンサを形成し、センサデバイスが複数のセンサを有するようにする。センサは、動脈血流、特に光電式容積脈波に関する情報を含む複数の曲線を同時に記録するように設計されている。これにより、迅速で信頼性の高い正確な血圧測定をもたらす。
【0041】
電極は、5cmを上回る及び/又は20cm未満の距離に配置されるのが好ましい。このようにして、検査装置は、犬及び/又は猫に特に良好に適合されており、犬又は猫にとってできるだけ快適な検査が行われ、迅速に検査を行うことができるようになる。
【0042】
検査装置は、好ましくは、参照電極又は集電電極と、2つの更なる電極とを有する。これは、心拍曲線の正確で信頼性の高い記録に有利である。
【0043】
検査装置は、好ましくは、載置面を有する。好ましくは、ネコ亜科又はイヌ科の動物、特に飼い猫又は犬は、載置面に完全に載ることができる。好ましくは、載置面は、20cmを上回る、好ましくは40cmを上回る、及び/又は80cm未満、好ましくは60cm未満の幅、及び/又は40cmを上回る、好ましくは60cmを上回る、及び/又は120cm未満、好ましくは80cm未満の長さを有する。これにより、検査は、動物にとって特に快適で、従ってストレスのないものとすることができる。これは、正確な又は信頼できる検査、特に血圧測定をもたらす。
【0044】
スケール及び/又は検査装置は、体脂肪測定用に設計されていることが好ましい。特に、検査装置は、体脂肪の測定を考慮して動物の血圧を測定するように設計されている。体脂肪を測定することにより、特に血圧をより厳密には測定することができる。
【0045】
独立して実現することもできる別の態様によれば、本発明は、脚を有する動物、特にネコ亜科又はイヌ科の動物、特に好ましくは飼い猫又は飼い犬の医療検査、特に血圧測定のための方法に関し、動物の脚が検査装置のセンサデバイス上に載っているように、動物を検査装置上に位置付けられる。センサデバイスによって、動物の動脈血流、特に光電式容積脈波に関する情報を含む曲線が記録される。このようにして、医療検査、特に血圧測定は、動物にとって特に快適で、従ってストレスのないものにすることができる。これは特に、好ましくは、センサ、電極、クリップ又は同様のものなどの医療検査用の何れかの手段を動物に装着又は固定せずに、動物が検査装置上で又は検査装置に対して自由に動けるようにすることによって実現される。これにより、正確で信頼性の高い検査、特に血圧測定がもたらされる。
【0046】
本方法の第1の態様によれば、曲線を記録するために、赤外線領域の電磁放射による反射測定が行われる。反射測定は、センサデバイス上に脚を置くことだけを必要とし、カフ又はクリップの場合のように脚を固定すること、或いは装置を脚に当てて配置する必要がないので、反射測定は特に有利であることが判明している。これにより、動物にとって特に快適な検査を行うことができる。反射測定では、エミッタ及び検出器が、脚の同じ側に配置されていることが好ましく、エミッタによって放出された光は、脚の中で反射及び/又は散乱し、従って検出器に到達する。しかしながら、原理上は、エミッタ及び検出器が脚の両側に配置されて、脚を透過した光が検出器で記録される、透過型測定も可能である。更に、赤外線放射は、動物に知覚されず、従って、検査を特に快適なものにすることができるので、赤外線放射の使用は、犬及び猫にとって特に有利であることが証明されている。
【0047】
独立して実現可能な本方法の別の態様によれば、動物の心拍曲線、特に心電図は、検査装置によって記録される。これは、特に正確で信頼性の高い血圧測定をもたらす。
【0048】
独立して実現可能な本方法の更なる態様によれば、信号が、少なくとも1つのティッシュ電極によって記録される。ティッシュ電極の使用は、猫などの動物にとって特に好都合であることが証明されている。
【0049】
独立して実現可能な本方法の別の態様によれば、検査装置によって動物の体重が測定される。これによって、血圧測定の精度を向上させることができる。
【0050】
好ましくは、曲線特徴、特に脈波伝播時間が、曲線によって決定され、血圧は、曲線特徴又は脈波伝播時間に基づいて、好ましくは経験的に決定された相関関数によって測定される。
【0051】
曲線及び心拍曲線は、好ましくは同時に記録され、特に心拍曲線は、曲線を心拍に対応するセクションに切り分けるのに使用される。これは、脈波伝播時間及び/又は血圧の正確な測定をもたらす。
【0052】
好ましくは、検査装置上の動物の存在及び/又は動物の位置は、検査装置によって、特に電極、センサデバイス、力センサ及び/又は天秤を用いて測定された信号を評価することによって決定される。例えば、動物の脚がセンサデバイスの上方に位置するかどうか、及び/又はどの位置に位置付けられるか、及び/又はセンサデバイスによって記録された信号が動物の動脈血流に関する情報を含むように脚が位置付けられるかどうかは、センサデバイスによって決定することができる。代替的又は追加的に、電極によって、例えば抵抗測定によって、動物が正しく位置付けられているかどうか、特に電極が例えば脚に接触しているかどうかを決定することができる。最後に、スケールによって測定された体重はまた、動物が既に検査装置上に位置付けられていたかどうか、及び/又は動物が完全に検査装置上に存在するかどうかについての情報を提供する。
【0053】
スケール及び/又は検査装置により、体脂肪測定が行われることが好ましい。特に好ましくは、動物の血圧は、体脂肪測定を考慮して、好ましくはスケールで測定された動物の体重を同時に考慮して決定される。体脂肪を考慮することにより、特に、血圧をより正確でより信頼性高く測定することにつながる。
【0054】
更なる態様によれば、本発明は、脚を有する動物、特にネコ亜科又はイヌ科の動物、特に好ましくは飼い猫又は飼い犬の医療検査、特に血圧測定のための検査装置の使用に関する。
【0055】
その結果、本発明は、動物の血圧を測定することを可能にし、特に、経験上、特に飼い犬や飼い猫の場合と同様に、動物の体の操作に関して高い移動衝動及び/又は低いストレス耐性を有する動物においても血圧を測定することが可能になる。
【0056】
ここで、従来、血圧測定は常に動物に大きなストレスを与えていた。本発明は、動物が固定され、及び/又はセンサ技術が動物に固定される既知の手法とは全く異なる方法でこの問題を解決する。本発明は、動きの制限を必要とするのではなく、少なくとも基本的には動きの自由を制限しない手段を組み合わせることで、予測できない驚くべき方法で解決策を提供する。動物を固定する代わりに、検査中に動物の可能な動きによって起こり得る測定上の問題を技術的に解決される。特に、いわゆる動きアーチファクト、すなわち、動きによって引き起こされる測定の不正確さ及び測定誤差が排除され及び/又は補償される。
【0057】
この目標を達成するために、異なる手段が記載及び/又は適用され、これらは個々に実現することができるが、互いに干渉し合うため、相乗的な方法で特に信頼性が高く均等にストレスの少ない血圧測定を可能にする。
【0058】
従って、一方では、好ましくは、動物の位置、特に脚の位置が厳密に与えられないことが意図されている。その代わりに、複数のセンサが使用され、測定に適したセンサを選択することができる。
【0059】
これは、好ましくは更なる手段と組み合わされ、その各々は、測定された曲線から最終的に曲線特徴を決定し、特に曲線特徴に基づいて血圧を測定するために、個別に実装されて、特に有利な方法で組み合わせることができる。
【0060】
特に有利であり更なる手段の幾つかの基礎となるものは、同時に決定された心拍曲線に基づいて、信号又は曲線を曲線セクションに細分化又は切り分けることである。提案されたほとんどの措置の別の基礎は、曲線セクション間の平均化である。
【0061】
更に、特に適切な曲線セクションの選択、及び/又は曲線特徴及び/又はフィルタ手段及び/又は統計的方法について決定された幾つかの代替結果からの選択も存在する。特に、これら及び詳細に説明される更なる手段は、曲線特徴の有意義な決定及びそこから得られる信頼性の高い血圧測定を達成するためには、センサデバイス上又はセンサデバイスにおいて1又は複数の脚を単純に置くこと及び/又は動物を検査装置上に置くことで十分であるということを導き出す。これは、以前はこの形態では不可能であったように思われる。
【0062】
本発明の意味における「動物」は、好ましくは脊椎動物、特に哺乳類、特に好ましくは陸生哺乳類である。特に、本発明の意味の範囲内で「動物」という用語は、ヒトも含む。好ましくは、検査される動物は、脚を有する。好ましくは、検査される動物は、ネコ上科(猫様)又はイヌ上科(犬様)の動物、特にネコ科(猫)又はイヌ科(犬)の動物、特に好ましいくはネコ亜科(小型猫)又はイヌ亜科(真性犬)の族の動物であり、この族では特にイヌ族(狼様及びジャッカル様)の動物、特に好ましいのが飼い猫又は飼い犬である。
【0063】
本発明の意味での「エミッタ」は、好ましくは、特に光学及び/又は赤外線範囲の電磁放射を放出する、又は放出するように設計された構造体である。好ましくは、エミッタは、発光ダイオード、レーザーダイオード、又は一般に光発生素子によって形成される。しかしながら、エミッタはまた、少なくともエミッタの位置に関する限り、光ファイバによって導かれた光が出る光ファイバの端部によって形成されることも可能である。見方によっては、関連する光源と導光体の組み合わせがエミッタである。従って、原理的には、本発明の意味での「エミッタ」という用語は、広義に理解されることが好ましい。
【0064】
本発明の意味での「検出器」は、好ましくは、特に光及び/又は赤外線領域における電磁放射を検出するように設計された構造体である。好ましくは、検出器は、フォトダイオードによって形成される。しかしながら、原理上は、検出器はまた、特にエミッタによって放出される電磁放射の検出のために設計された別の構造、例えば光電陰極、フォトセル、CCDセンサ又は同様のものによって形成することも可能である。検出器はまた、導光体によって導かれた光が入射することができる一方端を有する導光体を有することができる。この場合、少なくとも検出器の位置に関する限り、導光体の端部は検出器である。
【0065】
本発明の意味におけるエミッタの「放射領域」は、好ましくは、エミッタによって放出された放射線が到達又は到達し得る領域である。好ましくは、エミッタは、ある特定の方向、例えば、ある角度範囲に放射線を放出する。従って、放射領域は、好ましくは、1又は2以上の放射角度によって定義又は制限される。放射領域は、本質的に円錐形とすることができる。
【0066】
本発明の意味における検出器の「検出領域」は、好ましくは、放射線が検出器に到達又は到達し得る領域である。検出領域は、好ましくは、1又は2以上の検出角度によって定義又は制限される。検出領域は、本質的に円錐形とすることができる。
【0067】
本発明の意味での「センサ」は、好ましくは、少なくとも1つのエミッタと少なくとも1つの検出器との組み合わせである。特に、1又は2以上のエミッタと共に検出器は、本発明の意味でのセンサを形成する。センサは、好ましくは、厳密には1つの検出器と少なくとも1つのエミッタとを備える。エミッタは、検出器が感知できる波長を有する電磁放射を放出するように設計され、及び/又はこの電磁放射を検出することができる。
【0068】
本発明の意味でのセンサの「センサ領域」は、好ましくは、センサによって検出/感知可能な領域、又はセンサによって測定を行うことが可能な領域である。特に、センサ領域は、センサのエミッタの放射領域と検出器の検出領域とが重なり合う領域である。センサ領域は、連続した領域によって、又は複数の分断された領域又は分離された領域によって形成することができる。
【0069】
本発明の意味における「センサデバイス」は、好ましくは、1又は2以上のセンサを有するデバイスである。特に、センサデバイスは、動物の身体部分の光学的検査のためのデバイスである。センサデバイスは、特に、フォトプレチスモグラフィーを実行するように設計されている。
【0070】
本発明の意味におけるセンサデバイスの「感知領域」は、好ましくは、センサデバイス及び/又はエミッタ及び/又は検出器によって検出可能/感知可能な領域である。感知領域は、特に、エミッタの放射領域と検出器の検出領域とが重なり合う領域である。好ましくは、感知領域は、重なり合う1又は2以上の放射領域と1又は2以上の検出領域とによって形成される。感知領域は、連結することができ、或いは、複数の別個の領域によって形成することができる。特に、感知領域は、本質的に円錐形の放射領域及び検出領域の1又は2以上の重なり合う領域によって形成することができる。
【0071】
本発明の意味でのエミッタ及び/又は検出器の「周期的」配置は、エミッタ及び/又は検出器が、少なくとも実質的に等間隔で繰り返される構造で配置される配置であることが好ましい。このような周期性は、特に互いに直交する1又は2以上の方向に存在することができる。
【0072】
本発明の意味での「光学的検査」は、好ましくは、動物の身体部分が、人間に見える光学的範囲及び/又は赤外線範囲、特に380nmから~1400nmの波長の電磁放射線で照射され、身体部分によって反射及び/又は散乱された放射線及び/又は身体部分を透過した放射線が検出器によって測定される検査である。光学的検査は、好ましくは、リフレクトメトリック検査である。次いで、反射、散乱及び/又は透過した放射線から、例えば動脈血流に関して結果を導き出すことができる。特に、定義された波長又は定義された波長範囲の電磁放射線が光学的検査に使用される。特に好ましくは、光学的検査は、身体の内部の非侵襲的及び/又は経皮的な検査である。
【0073】
本発明の意味における「フォトプレチスモグラフィー」は、動物の動脈血流を光学的に検査する方法である。特に、フォトプレチスモグラフィーは、非侵襲的な光学的検査のための方法であり、動物の身体部分が電磁放射線、特に人間に見える範囲及び/又は赤外線範囲で照射され、身体部分によって散乱及び/又は(特に拡散的に)反射及び/又は透過された放射線が、検出器を用いて測定される方法である。反射及び/又は散乱及び/又は透過、特に検出器の方向に反射又は透過された電磁放射の割合は、とりわけ、動脈血流、特に動脈血の体積及び/又は動脈血の酸素飽和度に依存する。好ましくは、動脈血流の変動及び/又は動脈血の体積の変化及び/又は酸素飽和度の変化は、検出器によって測定される信号を変化させ、測定信号及び/又は測定信号の経過における変動によって、動脈血流について結果を導き出すことができるようになる。従って、パルスオキシメトリはまた、本発明の意味での(拡張)フォトプレチスモグラフィーである。
【0074】
本発明の意味において、パルスオキシメトリは、少なくとも1つのフォトプレチスモグラフィーを含む。パルスオキシメトリでは、血液中の酸素含有量が決定され、ここで、酸素含有量を決定するために2つのフォトプレチスモグラフィーが特に同時に実施され、これらの2つのフォトプレチスモグラフィーには、異なる波長が使用される。2つの波長における異なる吸収率から、血液の酸素飽和度が決定することができる。
【0075】
本発明の意味での「フォトプレチスモグラム」は、特に、フォトプレチスモグラフィーの実行中に記録又は測定される曲線である。
【0076】
しかしながら、従来技術から、例えば血液中の酸素含有量を決定するため、フォトプレチスモグラフィーを表さない又は含まない光学的検査も知られている。特に、脳オキシメトリー及び組織オキシメトリーの方法は、フォトプレチスモグラフィーを含まない。これらの方法はまた、特に使用される電磁放射の波長に起因して、動脈血流の検査に適していない。
【0077】
本発明の意味での「心拍曲線」は、好ましくは、動物の心臓の活動を表す曲線である。特に好ましくは、心拍曲線は、電気的に、特に動物の皮膚に接触させる電極によって記録され、及び/又は心電図である。しかしながら、原理的には、心拍曲線を記録するための他の方法も考えられ、例えば、心拍曲線が心音図であるように、インピーダンス心拍曲線又は音響記録である。
【0078】
本発明の意味での「検出素子」は、好ましくは、動物の心臓の活動を検出するための素子である。検出素子は、特に、心拍曲線を記録するのに適しているか、又は設計されている。検出素子は、好ましくは、電極によって形成される。しかしながら、検出素子はまた、マイクロフォン又は他の音センサ又は同様のものによって形成されるか、或いはこれ/これらを有することができる。
【0079】
本発明の意味での「動脈血流」とは、好ましくは、動脈を通る血液の流れである。動脈は、特に、心臓から離れた位置に血液を導く血管である。特に、動脈血流は、被検査動物の血流である。
【0080】
本発明の意味での「血圧」とは、好ましくは、血管、特に被検動物の血管における血液の圧力(面積あたりの力)である。血管は、好ましくは動脈である。好ましくは、血圧は、大動脈の血圧である。血圧は、収縮期血圧、拡張期血圧及び/又は平均血圧とすることができる。特に、本発明の関連において、驚くべきことに、提案された方法及び/又は検査装置が、拡張期血圧測定にも使用できることが示されている。しかしながら、これは必須ではない。
【0081】
本発明の意味での「曲線」は、好ましくは、検出器又はセンサによって測定された信号の時間経過である。用語「曲線」はまた、(一緒になって)コースを表すか又は対応する個々のデータ点のようなデータ技術的な等価物を含む。曲線は、好ましくは、幾つかの心拍にわたる時間的経過である。
【0082】
本発明の意味での「曲線セクション」は、好ましくは、曲線のセクション又は部分、すなわち、特に、検出器又はセンサによって測定された信号の時間経過でもある。特に、曲線セクションは、心拍に対応する曲線のセクションであり、特に心拍の時間に始まり、好ましくはその後の心拍の時間に終了する。
【0083】
本発明の意味での「動脈血流に関する情報を含む曲線」とは、特に、動脈血流、特に脈波の到来、動脈内の血液量の変化、動脈内の血液の酸素飽和度の変化又は同様のものに関する結果を導き出すことができる曲線である。フォトプレチスモグラムは、動脈血流に関する情報を含む曲線の特に好ましい例である。
【0084】
本発明の意味での「曲線特徴」は、好ましくは、特に動脈血流に関する情報を含む、曲線及び/又は曲線のセクションの特徴である。曲線特徴は、好ましくは、脈波伝播時間及び/又は血圧に関連する特徴であり、及び/又は脈波伝播時間及び/又は血圧に相関する特徴である。特に、曲線特徴は、これにより血圧を測定することができる特徴である。曲線特徴は、特に好ましくは、曲線及び/又は曲線セクションのコース及び/又は形態に対応する、及び/又は曲線及び/又は曲線セクションの形態に関する情報を含む、曲線及び/又は曲線セクションの特徴である。例えば、曲線特徴は、(絶対)極値の位置、(絶対)極値間の距離、(最大)勾配の位置又は絶対値、極値及び/又は曲線の1次及び/又は2次微分のゼロ点間の距離、又は曲線のフーリエ変換の特徴とすることができる。
【0085】
特に好ましくは、曲線の特徴は、脈波伝播時間に対応する。
【0086】
本発明の意味での「脈波伝播時間」は、好ましくは、脈波が血管系の距離を移動するのに必要な時間である。ここで、心拍に起因して心臓を起点として動脈を通過する圧力波を脈波と表す。この圧力波の速度は、特に、血液が動脈を流れるときの流速よりも速い。脈波伝播時間は、多くの場合、「PTT」と略記される。特に、本発明において、脈波伝播時間という用語は、心拍と、この心拍によって引き起こされる脈波が動脈の特定の位置に到達するまでの時間、すなわち、脈波が心臓から動脈の位置までの距離を移動するのに必要な時間を含む。しかしながら、好ましくは、脈波伝播時間という用語はまた、脈波が第1の場所に到達するまでの時間距離と第2の場所に到達するまでの時間距離を含む。
【0087】
本発明の意味での「脈波伝播速度」は、好ましくは、脈波が移動した距離と、この距離を移動するために脈波が必要とする脈波伝播時間との間の商である。脈波伝播速度は、しばしば「PWV」と略記される。
【0088】
本発明の意味での「経皮的」検査は、好ましくは、皮膚を介した検査である。光学的経皮検査では、身体内部は、好ましくは、(人間にとって)光学的に可視な範囲及び/又は赤外線範囲の電磁放射で皮膚を介して照射され、その散乱、透過及び/又は反射部分が検出される。
【0089】
本発明の意味の範囲内で「非侵襲的」検査とは、好ましくは、検査される動物が損傷又は傷つけられない検査である。
【0090】
上述した態様及び特徴、並びに特許請求の範囲及び以下の記載から得られる更なる態様及び特徴は、互いに独立して且つ異なる組み合わせで実現することができる。
【0091】
本発明の更なる利点、特徴、特性及び態様は、特許請求の範囲及び図面に基づく好ましい実施形態の以下の説明からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1】本発明による検査装置の概略上面図である。
図2】動物がその上に置かれている状態の本発明による検査装置の概略斜視図である。
図3】第1の実施形態によるセンサデバイスの概略上面図である。
図4】第2の実施形態によるセンサデバイスの概略上面図である。
図5】センサデバイスを通る概略断面図である
図6】電極がその上に配置された状態のセンサデバイスの概略分解斜視図である。
図7】脚がその上に配置されたセンサデバイスの概略断面図である。
図8】検査装置のブロック図様概略図である。
図9】心拍曲線と動脈血流に関する情報を含む曲線の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
一部で縮尺通りではない概略図では、同一又は類似の部品には同じ参照符号が使用されており、繰り返しの説明が省略される場合でも、対応する又は同等の特性及び利点を得ることができる。
【0094】
図1は、検査装置1の概略上面図である。
【0095】
検査装置1は、好ましくは、動物Tの、特に脚2を有する動物T、好ましくはネコ亜科の動物T、特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に血圧BPを測定するように設計されている。
【0096】
しかしながら、原理上は、検査装置1は、あらゆる動物T、特に人間、特に血圧BPを測定することができる動物Tの医療検査に好適である。検査装置1を用いた検査では、動物Tが脚又は同様のものを有している場合には特に有利である。
【0097】
しかしながら、検査装置1は、他の動物T、特に家畜、例えばイヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット又は同様のもの等の医療検査、特に血圧BPの測定のために設計され、及び/又は適することもでき、及び/又はこれらの動物Tの検査のために特に適合させることもできる。
【0098】
血圧BPは、収縮期血圧、拡張期血圧及び/又は平均血圧の何れであってもよい。特に、提案された方法及び/又は検査装置が、拡張期血圧BPの測定にも使用できることが、本発明の関連において意外にも示されている。しかしながら、これは必須ではない。
【0099】
図2において、本発明による検査装置1が、動物Tを配置した状態で概略斜視図で示されている。
【0100】
好ましくは、検査装置1は、動物Tの少なくとも1つの脚2又は身体の他の部分、特に脚に類似する部分、例えば手又は指のための支持体として設計されている。
【0101】
特に好ましくは、検査装置1及び/又は支持体は、検査される動物Tが検査装置1及び/又は支持体上に完全に配置及び/又は位置決めできるように、特にこのように動物Tの全ての脚が検査装置1上に位置決めできるように設計されている。しかしながら、これは必須ではない。原理的には、検査装置1は、1又は2以上の脚2のみが検査装置1上に配置又は位置決めできるように設計することも可能である。
【0102】
検査装置1は、プレート又はマットとして、又はマット状もしくはプレート状として、或いはマット又はプレートの形態で設計されるのが好ましい。特に、プレート又はマットは、その幅及び長さが高さの倍数を超える装置であると理解される。プレートは、好ましくは、少なくとも実質的に剛性のある装置であると理解される。マットは、好ましくは、少なくとも部分的に柔軟な装置であると理解される。例えば、検査装置1がマットとして設計されている場合、検査装置1は、少なくとも部分的にロール可能及び/又は折り畳み可能とすることができる。
【0103】
好ましくは、検査装置1は、載置面3を有する。動物T、特に飼い犬、飼い猫、又は同等かそれよりも小さい別の動物Tは、好ましくは完全に載置面3上に置くことができる。
【0104】
好ましくは、検査装置1及び/又は載置面3は、少なくとも本質的に平坦及び/又は平面である。
【0105】
好ましくは、検査装置1は、一方の上面に載置面3を有し、及び/又は載置面3は、検査装置1又はその一部の上面によって形成される。
【0106】
載置面3は、その使用位置にあり、特に検査中に、好ましくは少なくとも実質的に水平面であるか又は水平面を形成する。使用位置は、検査のために動物Tを検査装置1上に置くことができる検査装置1の好ましい位置である。使用位置は、特に図2に示されている。
【0107】
検査装置1及び/又は載置面3は、好ましくは、20cmを上回る、好ましくは40cmを上回る、及び/又は80cm未満、好ましくは60cm以下の幅Bを有する。
【0108】
検査装置1及び/又は載置面3は、好ましくは、40cmを上回る、好ましくは60cmを上回る、及び/又は120cm未満、好ましくは80cm未満の長さLを有する。原理的には、検査装置1及び/又は載置面3の異なる幅B及び/又は異なる長さLも考えられる。
【0109】
好ましくは、検査中に検査装置1が片側のみに脚2及び/又は身体部分に接触し、及び/又は片側のみで静止又は配置されることが意図される。従って、検査装置1は、動物T及び/又はその脚2と片側で接触するように設計されるのが好ましい。
【0110】
検査装置1は、好ましくは、固定手段及び/又は締結手段を有していない。好ましくは、検査装置1は、脚2を留めるように設計されていない。好ましくは、検査装置1は、脚2に取り付けるためのクリップがなく、また脚2に適用するためのカフ、或いはセンサ又は電極などの検査手段を動物Tに取り付ける、固定する、又は締結するための他の固定手段又は締結手段を有していない。対照的に、検査装置1が接触面及び載置面3を有しており、これによって脚2又は身体部分がデバイスの上に置いた又は配置されたときに検査を行うことができることが好ましい。
【0111】
動物Tの支持体及び/又は載置面3としての検査装置1の設計は、動物Tにとって検査を特に快適にし、従ってストレスのないものにする。好ましくは、動物Tを検査装置1に固定して検査を行うこと、又はセンサ又は同様のもの等の検査装置1の一部を動物Tに取り付ける又は固定することは意図されていない。このような方法は動物Tにストレスを生じるので、動物Tにとって検査は不快であり、加えてストレスによって血圧BPが影響を受けることが示されている。これに対し、本発明による検査装置1を設計することにより、動物Tにとって極めて快適で、ストレスのない検査を行うことができる。
【0112】
好ましくは、検査装置1又は載置面3は、動物Tが検査装置1及び/又は載置面3上で自由に移動できるように設計される。
【0113】
以下でより詳細に説明する検査装置1の設計、特にセンサデバイス4及び/又は電極15の設計及び/又は配置によって、動物Tの検査、特に信頼性の高い及び/又は正確な血圧測定が、動物Tの固定を回避しながら可能となり、又は動物Tの固定なしに行うことができ、又は検査装置1による検査の間に動物Tが移動する場合に行うことができ又は可能となることが達成されている。
【0114】
検査装置1は、好ましくは、センサデバイス4を有する。センサデバイス4は、動物Tの動脈血流BFの光学的検査のために、特に動物Tの動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kを記録するように設計されている。特に、センサデバイス4は、フォトプレチスモグラフィーを実行するように、及び/又はフォトプレチスモグラムを記録するように、設計されている。
【0115】
動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kは、図9に一例として示されているが、後で詳細に説明する。
【0116】
センサデバイス4及び/又は検査装置1は、好ましくは、検査中に動物Tの移動を可能又は許容するように、及び/又は信頼性が高く正確な検査、特に血圧測定を可能にするように、及び/又は動きアーチファクトを低減、回避及び/又は補償するように設計されている。
【0117】
検査装置1は、好ましくは、載置面3の領域にセンサデバイス4を有する。従って、脚2又は身体部分が表面上に置かれたときに、センサデバイス4による検査を実行することができる。
【0118】
センサデバイス4は、特に動物Tが検査装置1及び/又は載置面3上に位置する場合、動物Tの脚2がセンサデバイス4の位置に、上方に及び/又はその近傍に位置することができるように、検査装置1に配置又は検査装置1に一体化されることが好ましい。図1に示す例では、センサデバイス4は、動物Tの左前脚2が何の問題もなく且つ動物Tにとって心地よい及び/又は自然な位置でセンサデバイス4の上方に位置できるように配置されている。しかしながら、センサデバイス4は、他の位置に設けることもできる。
【0119】
図2及び図7は、一例として、センサデバイス4による検査中の脚2の位置決めを示している。センサデバイス4による検査のために、脚2は、好ましくは、脚2の1又は好ましくは複数の肉球がセンサデバイス4、特にカバー14及び/又は電極15に接触するように、位置決めされる。
【0120】
また、検査装置1は、複数の、特に2つのセンサデバイス4、例えば検査対象の動物Tの左前脚2用のセンサデバイス4と右前脚2用のセンサデバイス4とを有することができる。この場合、センサデバイス4は、好ましくは、類似又は同一の設計である。これは、特に図2に示されている。
【0121】
センサデバイス4は、好ましくは、動脈血流BFの反射的測定のために設計される。
【0122】
センサデバイス4は、電磁放射線R(特に紫外線及び/又は赤外線を含む光)を放射する少なくとも1つのエミッタ5と、好ましくはエミッタ6によって放出される電磁放射線R(特に紫外線及び/又は赤外線を含む光)を検出する少なくとも1つの検出器6とを有する。
【0123】
エミッタ5は、好ましくは、発光ダイオード又はレーザーダイオードとして設計される。
【0124】
検出器6は、好ましくは、フォトダイオードとして設計される。
【0125】
好ましくは、エミッタ5は、特にエミッタ5に割り当てられたMOSFETによって、別々に、活性化及び/又は不活性化及び/又はスイッチオン及び/又はオフすることができる。
【0126】
図3及び図4は、異なる実施形態におけるセンサデバイス4の概略上面図の一例を示す。図3及び図4によるセンサデバイス4は、基本的に同一又は類似の設計であり、主にエミッタ5及び検出器6の数のみ異なる。
【0127】
好ましくは、センサデバイス4は、複数のエミッタ5と複数の検出器6とを有する。しかしながら、原理的には、センサデバイス4はまた、厳密に1つのエミッタ5と厳密に1つの検出器6、又は厳密に1つのエミッタ5と複数の検出器6、又は複数のエミッタ5と厳密に1つの検出器6とを有することができる。
【0128】
しかしながら、好ましくは、センサデバイス4は、少なくとも9個、図1及び図3に示す例では厳密に9個のエミッタ5及び/又は少なくとも4個、図1及び図3に示す例では厳密に4個の検出器6と、を有する。
【0129】
エミッタ5及び検出器6は、同一平面上に配置されるのが好ましい。
【0130】
エミッタ5及び検出器6は、好ましくは、繰り返し及び/又は反復構造で配置される。特に好ましくは、エミッタ5及び検出器6は、周期的又は周期的構造で配置される。
【0131】
好ましくは、エミッタ5及び検出器6は、(仮想)横列及び縦列を有する又は横列及び縦状のマトリクスの形態、又はマトリクス状もしくはアレイ状で配置される。好ましくは、マトリクス又はアレイは、3以上の横列及び/又は3以上の縦列を有する。
【0132】
言い換えれば、エミッタ5及び検出器6は、好ましくは、1又は2以上の列で、特に直線的な列で配置される。好ましくは、エミッタ5及び検出器6は、複数の平行な列及び互いに横方向に、特に垂直に延びる複数の列を形成し、特に列は、(仮想)マトリクス又は(仮想)アレイの縦列及び横列を形成する。
【0133】
換言すると、エミッタ5及び検出器6は、特に均一な格子状に配置されるのが好ましい。
【0134】
エミッタ5及び検出器6は、好ましくは交互に配置される。好ましくは、エミッタ5及び検出器6は、特に直線的な列で1又は2以上を形成し、エミッタ5及び検出器6は、各列において交互に配置される。列はまた、湾曲していてもよく、及び/又は脚2のような有機的な形状を模倣することができる。
【0135】
特に好ましくは、エミッタ5及び検出器6は、(仮想)マトリクスの横列だけでなく縦列においても交互に配置される。
【0136】
好ましくは、(場合によっては、センサデバイス4及び/又は横列及び/又はマトリクスの最も外側にある及び/又は縁部に配置されているエミッタ5及び/又は検出器6を除いて)検出器6は各々、複数のエミッタ5によって(直接)囲まれており、及び/又はエミッタ5は各々、複数の検出器6によって(直接)囲まれている。
【0137】
特に好ましくは、複数のエミッタ5が各検出器6に割り当てられるか、又はその逆である。これにより、好ましくは、エミッタ5及び/又は検出器6の複数使用が可能となる。
【0138】
エミッタ5と検出器6とは、特に、エミッタ5によって放出された放射線Rが特に脚2における散乱又は反射の後に検出器6に到達するか又は到達できるように配置されている場合に、互いに割り当てられる。特に好ましくは、これらのエミッタ5は、この検出器6に対して最小の距離Dを有する、及び/又はこの検出器6に(直接)隣接する検出器6に割り当てられている。同様に、特に、これらの検出器6は、このエミッタ5に対して最小の距離Dを有するエミッタ5、及び/又はこのエミッタ5に(直接)隣接するエミッタ5に割り当てられる。
【0139】
エミッタ5と検出器6との間の距離Dは、特に、エミッタ5又はその発光面の中心点又は幾何学的中心と、検出器6又はその検出面の中心点又は幾何学的中心との間の距離として理解される。好ましくは、エミッタ5及び検出器6は、図1図4の異なるサイズの矩形によっても示されるように、異なるサイズの構成要素及び/又は矩形構成要素によって形成され、エミッタ5及び検出器6は、図3に点で示されるこれらの構成要素の中心点又は幾何学的重心が互いから同じ距離Dを有するように配置されている。
【0140】
好ましくは、検出器6に割り当てられたエミッタ5は、検出器6まで同じ距離Dを有する。同様に、これはまた、エミッタ5に割り当てられた検出器6にも適用される。
【0141】
図示の例では、厳密に4つのエミッタ5が各検出器6に割り当てられ、及び/又は厳密に4つの検出器6が各エミッタ5に割り当てられている。検出器6に割り当てられたエミッタ5は、好ましくは、検出器6の周りに対称的に配置され、及び/又は検出器6から等距離Dに配置され、及び/又はその逆もまた同様である。
【0142】
好ましくは、エミッタ5及び検出器6は、互いに等距離又は等距離Dで配置される。言い換えれば、検出器6は、各場合において横列の2つの隣接するエミッタ5に対して及び/又は各場合においてマトリクスの4つの隣接するエミッタ5に対して同じ距離Dを有する。
【0143】
互いに直接隣接して配置されたエミッタ5と検出器6との間の距離Dは、特に縦列又は横列において、好ましくは1mmを上回る、特に2mmを上回る、特に好ましくは4mmを上回る、及び/又は20mm未満、特に15mm未満、特に好ましくは10mm未満、極めて特に好ましくは5mm~7mmである。
【0144】
好ましくは、センサデバイス4のエミッタ5は、同じ設計又は種類である。特に好ましくは、センサデバイス4のエミッタ5は、同一の構造であり、及び/又は同一の波長又は同一の波長範囲の発光に設計されている。
【0145】
好ましくは、センサデバイス4の検出器6は、同じ設計又は種類である。特に好ましくは、検出器6は、特にエミッタ5によって放出される同じ放射線R又は波長での検出のために同一の構造及び/又は設計である。
【0146】
センサデバイス4は、好ましくは、赤外線領域の電磁放射線Rによる検査のために設計される。特に好ましくは、エミッタ5は、赤外線の放射のために設計され、及び/又は検出器6は、赤外線の検出のために設計される。
【0147】
赤外線は、特に、780nm~1400nmの波長を有する電磁波Rである。
【0148】
好ましくは、エミッタ5は、900nmを上回る及び/又は1200nm又は1100nm未満の波長を有する電磁放射線Rの放射のために設計されている。特に好ましくは、エミッタ5は、920nmを上回る及び/又は960nm未満、特に(およそ)940nmの波長を有する電磁放射線Rの放射のために設計される。しかしながら、代替的又は追加的に、エミッタ5又はエミッタ5のサブセットが、1030nmを上回る及び/又は1070nm未満、特に(およそ)1050nmの波長を有する電磁放射線Rを放出するように設計されることも可能である。
【0149】
検出器6は、好ましくは、エミッタ5によって放出された放射線Rを検出するように設計される。
【0150】
好ましくは、センサデバイス4は、少なくとも1つの、好ましくは複数のセンサ7を有する。センサ7は、少なくとも1つのエミッタ5と少なくとも1つの検出器6を有するか、又はこのように形成される。特に好ましくは、センサ7は、厳密には1つの検出器6と複数のエミッタ5、図3及び図4に示す例では厳密には4つのエミッタ5とを有する。
【0151】
好ましくは、センサ7のエミッタ5は、センサ7の検出器6を中心として対称的に配置され、及び/又はセンサ7のエミッタ5は、センサ7の検出器6に対して同じ距離Dを有する。
【0152】
特に、センサデバイス4は、同じタイプ又は種類、特に同一の構造である複数のセンサ7を有する。特に好ましくは、センサデバイス4の全てのセンサ7は同一である。しかしながら、ここで、他の解決策も可能である。例えば、センサデバイス4は、2又は3以上の異なる種類のセンサ7を有することができ、センサデバイス4は、各タイプの複数のセンサ7を有する。異なるタイプのセンサ7は、例えば、エミッタ5及び/又は検出器6の数、エミッタ5によって放出される放射線Rの波長、検出器6からのエミッタ5の距離、又は同様のものが異なることができる。
【0153】
図3に示す図示の例では、センサデバイス4は、厳密に4つのセンサ7を有し、4つのセンサ7のうちの1つが図2において点線で示されている。また、図4では、幾つかのセンサ7が破線で示されている。
【0154】
好ましくは、エミッタ5が複数のセンサ7に割り当てられ、及び/又はエミッタ5が各々、複数のセンサ7の一部を形成する(センサデバイス4の最外縁部に配置されるエミッタ5とは別である)。特に、各エミッタ5は、横列又は縦列の隣接する検出器6及び/又は最小距離Dを有する検出器6に割り当てられる。図示の例では、エミッタ5(縁部に配置されたエミッタ5とは別)は、4つの検出器6各々に割り当てられている。
【0155】
図示の実施形態では、複数のエミッタ5が各検出器6に割り当てられ、これらのエミッタ5(最外のエミッタ5又は縁部に配置されたエミッタ5を除く)は、順番に各々複数の検出器6に割り当てられる。これにより、特に同じ種類又はタイプの複数のセンサ7が形成され、エミッタ5(最外のエミッタ5又は縁部に配置されたエミッタ5を除く)は、複数のセンサ7の各部である。図3に示す例では、センサデバイス4の中央に配置されたエミッタ5は、4つの検出器6の各々に割り当てられる。図3において最上部、最下部、最左部、最右部に配置されたエミッタ5は、各々1つの検出器6にのみ割り当てられる。図3の残りの4つのエミッタ5は、各々2つの検出器6に割り当てられる。このようにして、特に同じ種類又はタイプの4つのセンサ7が、図3において形成される。
【0156】
図3は、センサデバイス4の基本設計、又はエミッタ5、検出器6及び/又はセンサ7の基本配置を示しているが、センサデバイス4は、好ましくは、一例として図4に示すように、かなり多数のエミッタ5、検出器6及び/又はセンサ7を有する。このようにして、大きなセンサ領域を実現することができるので、検査及び/又は血圧測定のための脚2の正確な位置決めは決定的ではなく、センサデバイス4によってより大きな領域を検査することができる。これにより、動物Tの脚2を固定する必要がないので、動物Tの検査中のストレスが軽減され、より迅速で、より正確な、より信頼性のある、動物Tにとってできるだけ快適な検査、特に血圧測定を実現できることになる。
【0157】
センサデバイス4は、好ましくは30を上回る、特に60を上回る、及び/又は500未満の、好ましくは200未満の、より好ましくは100未満の、特に100未満、特に好ましくは約80のエミッタ5を有する。
【0158】
好ましくは、センサデバイス4は、20を上回る、好ましくは40を上回る、及び/又は500未満、好ましくは200未満、特に100未満、特に好ましくは約60の検出器6を有する。
【0159】
好ましくは、複数のエミッタ5と共に検出器6がセンサ7を形成するので、センサ7の数は、検出器6の数に対応する。しかしながら、複数の検出器6と共にエミッタ5がセンサ7を形成する場合、センサ7の数は、好ましくは、エミッタ5の数に対応する。
【0160】
センサデバイス4及び/又はエミッタ5と検出器6のマトリクスは、好ましくは10cm2を上回る、特に20cm2を上回る、特に好ましくは30cm2を上回る、極めて特に好ましくは40cm2を上回る、及び/又は200cm2未満、好ましくは150cm2未満、より好ましくは100cm2未満、特に80cm2以下の面積を有する。
【0161】
好ましくは、エミッタ5の面積密度、検出器6の面積密度、センサ7の面積密度、及び/又はエミッタ5と検出器6の共通の面積密度は、0.5/cm2を上回る、好ましくは1/cm2を上回る、特に2/cm2を上回る、及び/又は40/cm2未満、好ましくは20/cm2未満、特に10/cm2未満である。ここで、面積あたりのエミッタ5及び/又は検出器6及び/又はセンサ7の数は、特に面積密度と表記される。
【0162】
センサデバイス4、エミッタ5、検出器6及び/又はセンサ7の数、配置、面積及び/又は面積密度は、好ましくは、センサなどの検査手段に対して動物Tの脚2を固定することなく、信頼性が高く正確な検査、特にフォトプレチスモグラフィー及び/又は血圧BPの測定を行うことを可能にするので、検査中に動物Tがセンサデバイス4に対して自由に動くことが可能になる。これにより、動物Tにとって特に快適でストレスのない検査となり、測定精度を向上させる。
【0163】
エミッタ5及び/又は検出器6は、好ましくは各々、複数のグループに分けられ、又は好ましくは複数のグループを形成し、これらは特に互いに別個のものであり、及び/又は別個に接続される。
【0164】
好ましくは、エミッタ5は、2つのグループに分けられ、及び/又はエミッタ5が2つのグループを形成する。
【0165】
好ましくは、検出器6は、5つのグループに分割され、及び/又は検出器6は、5つのグループを形成する。
【0166】
グループ内のエミッタ5及び/又はグループ内の検出器6は、好ましくは、直列に接続又は相互接続される。
【0167】
図5は、センサデバイス4を通る概略断面図である。
【0168】
図6は、センサデバイス4を概略分解図で示している。
【0169】
センサデバイス4は、好ましくは、制限デバイス8を有する。
【0170】
この時点で、制限デバイス8並びに関連する特徴及び利点は、原理上は、センサデバイス4の上述した設計とは独立して実現可能であることに留意されたい。特に、制限デバイス8はまた、厳密には1つのエミッタ5及び厳密には1つの検出器6を有するセンサデバイス4に対しても有利とすることができる。その結果、以下では、用語「エミッタ」及び「検出器」は、好ましくは単数形で使用される。もちろん、この説明は、複数のエミッタ5及び/又は複数の検出器6を有するセンサデバイス4の設計、特に上記のように設計されたセンサデバイス4にも適用される。
【0171】
制限デバイス8は、好ましくは、エミッタ5の放射領域9、検出器6の検出領域10、センサ7のセンサ領域11、及び/又はセンサデバイス4の感知領域12を決定、規定、及び/又は制限するように設計されている。特に、制限デバイス8は、エミッタ5及び/又は検出器6のためのアパーチャとして設計される。
【0172】
この目的のために、図示の例の制限デバイス8は、以下でより詳細に説明する障壁13を有するか、又はこれにより形成される。しかしながら、代替的又は追加的に、制限デバイス8は、特に放射線Rを集束することによって放射領域9及び/又は検出領域10の対応する制限をもたらす、図示しない1又は2以上のレンズ、特に集束レンズを有することができる。
【0173】
エミッタ5の放射領域9は、一般に、エミッタ5によって放射線Rを放出することができる範囲である。例えば、エミッタ5の放射領域9は、少なくとも本質的に円錐形である、及び/又は1又は(特に非円錐形の放射領域9の場合には)複数のエミッション角9aによって定めることができる。
【0174】
検出器6の検出領域10は、一般に、放射線Rが検出器6に到達することができる範囲、及び/又は放射線Rが検出器6で検出することができる範囲である。例えば、検出器6の検出領域10は、少なくとも本質的に円錐形である、及び/又は1又は(特に非円錐形の検出領域10の場合)複数の検出角度10aによって定めることができる。
【0175】
好ましくは、エミッタ5及び/又は検出器6は、必然的に、ある特定の放射領域9又は検出領域10をそれぞれ有する。好ましくは、この自然の放射領域9及び/又は検出領域10は、制限デバイス8によってそれぞれ制限又は限定されるか、或いは制限デバイス8がこの目的のために設計される。従って、本発明の意味での「放射領域」及び「検出領域」という用語は、好ましくは、制限デバイス8によって定義又は制限された放射領域9又は検出領域10を指し、エミッタ5又は検出器6の自然放射領域9又は検出領域10それ自体を指すのではない。
【0176】
放射領域9は、図5において、エミッタ5を起点とするV字型の点線で示されている。点線は放射領域9の境界を表し、特に制限デバイス8によって定められている。特に、放射領域9は、線によって囲まれ又は制限された領域である。
【0177】
検出領域10は、図5において、検出器6を起点とするV字型の点線で示されている。点線は、検出領域10の境界を表し、特に制限デバイス8が定められている。特に、検出領域10は、線によって囲まれた又は制限された領域である。
【0178】
エミッタ5の放射領域9は、好ましくは、(仮想)線、特に図5に一点鎖線で示される線によって制限され、この線は、エミッタ5の放射領域の中心点又は幾何学的中心起点としてセンサデバイス4から出ることができる光線の最外光線の光路を表すものである。特に、線は、放射領域9のエッジ又は境界を表している。特に、放射領域9は、線によって囲まれた又は制限された領域である。
【0179】
図5に示すように、制限デバイス8が障壁13によって実現される場合、これらの最外ビームは、中心点又は幾何学的中心起点として制限デバイス8によって遮断されないビームであるので、図5のこれらのビームを表す線は、制限デバイス8又は障壁13の縁部又はコーナーと接触している。
【0180】
制限デバイス8が、障壁13の代わりに又はこれに加えて、レンズを有するか又はレンズによって形成される場合、これらの最外の光線は、エミッタ5の発光面の中心点又は幾何学的中心からレンズの最外縁部を通過する光線である。
【0181】
検出器6の検出領域10は、好ましくは、(仮想)線、特に図5に一点鎖線で示される線によって制限され、この線は、センサデバイス4の外部から検出器6の検出面、特にその中心点又は幾何学的中心に到達することができる光線のうち最外の光線の光路を表すものである。特に、線は、検出領域10のエッジ又は境界を表している。特に、検出領域10は、線によって囲まれた又は制限された領域である。
【0182】
図5に示すように、制限デバイス8が障壁13によって実現される場合、これらの最外光線は、制限デバイス8によって遮断されず、従って検出器6の検出面の中心点又は幾何学的中心に到達できる光線であるので、これらの光線を表す図5の線は、制限デバイス8又は障壁13のリム又は縁部又はコーナーに接触する。
【0183】
制限デバイス8が、障壁13の代わりに又はこれに加えて、レンズを有するか又はレンズによって形成される場合、これらの最外の光線は、センサデバイス4の外側からレンズの最外縁部を通過して検出器6の検出面の中心点又は幾何学的中心に到達することができる光線である。
【0184】
好ましくは、発光角度9Aは、放射領域9の境界を表す(仮想、特にセンサデバイス4が延びる外の)線間の角度である。これは、特に図5に示されている。
【0185】
好ましくは、検出角度10Aは、検出領域10の境界を表す(仮想の、特にセンサデバイス4が延びる外の)線間の角度である。これは、特に、図5に示されている。
【0186】
放射領域9及び検出領域10の上記の定義において、理想化された手法が選択され、放射領域又は検出領域の中心点又は幾何学的中心が参照されたが、実際には点状から逸脱して、(極めて小さくとも)拡張領域を形成している。これにより、実際にはエミッタ5からの放射線Rはまた、上記で定義された放射領域9の外側の領域にも到達することができ、及び/又は上記で定義された検出領域10の外側からの放射線Rは、特に散乱光として検出器6に到達できることが可能となる。しかしながら、放射領域9及び検出領域10の上記の定義は、これによって影響を受けないままである。更に、上記で定義された放射領域9及び検出領域10はまた、実際には、エミッタ5によって放出される放射線Rの大部分が放出される領域、及び/又は放射線Rが検出器6に到達することができる領域を表す。
【0187】
センサ7のセンサ領域11は、一般に、センサ7で検査又は感知することができる領域である。好ましくは、センサ領域11に位置する物体のみが、センサ7によって検査することができる。特に、センサ7のセンサ領域11は、センサ7のエミッタ5の放射領域9とセンサ7の検出器6の検出領域10とが重なり合う領域である。
【0188】
図5において、例として、矢印は、放射線Rがエミッタ5から検出器6にどのように通過することができるかを示している。矢印は、エミッタ5によって放出されて検出領域10に、従って放射領域9と検出領域10とが重なり合う領域、及び図示しない物体によって検出器6の方向に散乱又は反射されてこのようにして検出器6に到達する光ビームの経路を極めて概略的に示している。
【0189】
原理的には、ここで選ばれた理想化された見方から逸脱して、実際には、上記で定義したセンサ領域11の外側の物体が、センサ7によって少なくとも部分的に検出又は検知可能であることが可能である。一方では、これは、既に上述したように、実際には少量の放射線Rが定義された放射領域9の外側の領域にも到達することができる、及び/又は定義された検出領域10の外側からの放射線Rも検出器6に到達することができるということにより行うことができる。しかしながら他方では、例えば物体における多重散乱の場合、物体又は物体の一部が、定義されたセンサ領域11の外側に位置するセンサ7で検出されることも起こり得る。
【0190】
センサデバイス4の感知領域12は、センサデバイス4で検査及び/又は検知/感知することができる範囲である。特に、感知領域12は、放射領域9、検出領域10及び/又はセンサ領域11を含み、又はこれによって形成される。
【0191】
好ましくは、感知領域12は、センサデバイス4のセンサ7のセンサ領域11の合計/全体である。
【0192】
感知領域12は、連続/連結領域によって形成することができる。これは、センサデバイス4のセンサ7のセンサ領域11が重なり合っている場合である。
【0193】
しかしながら、感知領域12が接続されていない、又は、別々の又は接続されていない領域もしくはセンサ領域11によって形成されていることも可能である。これは、センサ7のセンサ領域11の少なくとも一部が、他のセンサ領域11と重なり合っていない場合である。
【0194】
感知領域12は、好ましくは、境界Gを有する。境界Gは、好ましくは、センサ領域11の縁部又は縁部全体によって形成される。境界Gは、特に、放射領域9と検出領域10とが交差する点又は線である。これは、特に、図5に示されている。
【0195】
感知領域12及び/又はその境界Gは、好ましくは、センサデバイス4からの距離Xを有する。特に、検査中にエミッタ5によって放出され及び/又は検出器6によって検出される放射線Rの脚2への(最小)浸透深さを達成又は確保することができる。特に、この最小浸透深さ又は距離Xは、脚2の表面から反射又は散乱された光が検出器6に到達することを防止する。これにより、検査の精度及び信頼性、特に血圧測定が改善される。
【0196】
距離Xは、好ましくは、センサデバイス4からの感知領域12又はその境界線Gの最小距離である。好ましくは、特に図5から分かるように、感知領域12の境界Gは、センサデバイス4に対して直線的又は平行に延びていない。図5に示すような断面図では、境界線Gは特にジグザグに延びている。これは特に、センサ7のセンサ領域11が、好ましくはセンサデバイス4からの距離が増加するに伴ってV字形に(断面で)増加することに起因するものである。その結果、感知領域12は、好ましくは、センサデバイス4の異なる位置でセンサデバイス4から異なる距離を有し、距離Xは、これらの異なる距離のうち最小のものである。
【0197】
制限デバイス8は、好ましくは、センサデバイス4からの感知領域12の境界Gの距離Xが、0.5mmを上回る、好ましくは1mmを上回る、及び/又は10mm未満、好ましくは5mm未満、特に3mm未満となるように設計される。
【0198】
制限デバイス8は、好ましくは、(特に図5に示す断面平面において)エミッタ5の放射角度9A及び/又は検出器6の検出角度10Aを90°未満、好ましくは75°未満、特に約60°に制限する。図5に示す断面平面は、エミッタ5と検出器6のマトリクスによって定義される平面に対して垂直であり、マトリクスの横列又は縦列に沿ってエミッタ5と検出器6を交差させる。
【0199】
制限デバイス8は、好ましくは、1又は2以上の障壁13によって形成される。障壁13は、エミッタ5と検出器6との間に配置される。好ましくは、障壁13は、各検出器6と、それぞれの隣接するエミッタ5との間に配置される。
【0200】
障壁13は、エミッタ5によって放出される放射線Rに対して、特に赤外線に対して不透過性である。
【0201】
しかしながら、原理的には、制限デバイス8はまた、障壁13とは異なる方法で実現することができる。例えば、エミッタ5によって放出される放射線Rを集束又は散乱させ、このようにして放射領域9及び/又は放射角度9Aを定めるように設計又は配置された1又は2以上のレンズをエミッタ5に割り当てることができる。代替的又は追加的に、1又は2以上のレンズは、対応する方法で検出器6に割り当てることができ、これらは、検出器6によって検出されるべき放射線Rをバンドル又は散乱するように設計又は配置され、このようにして検出領域10及び/又は検出角度10Aが定義されるようにする。
【0202】
障壁13は、好ましくは、センサデバイス4からの検出範囲8の境界Gの上述の距離Xに達するように、又は実現されるように、配置又は設計される。
【0203】
制限デバイス8又は障壁13の寸法、特にその高さHB及び/又は幅BB、並びにエミッタ5及び検出器6からの制限デバイス8又は障壁13の距離DB及び検出器6からのエミッタ5の距離Dは、好ましくは、エミッタ5の放射領域9及び検出器6の検出領域10が重なり合い、センサデバイス4からの感知領域12の境界Gの上記距離X及び/又は上記放射角度9A及び/又は検出角度10Aに到達又は実現するように互いに一致させる。
【0204】
好ましくは、障壁13は、複数の機能を果たし、及び/又は特にこれらの機能を実現する複数のセクション13B、13Cを有する。
【0205】
障壁13の機能は、好ましくは、特に、エミッタ5によって放出された放射線Rが直接或いは中間散乱及び/又は反射なしに検出器6に到達できないような方法で、検出器6からエミッタ5を遮蔽することである。この目的のために、障壁13は、好ましくは、遮蔽セクション13bを有する。従って、遮蔽セクション13Bは、好ましくは、検出器6をエミッタ5から遮蔽するように、又はエミッタ5から検出器6への直接クロストークを防止するように設計される。遮蔽セクション13Bは、好ましくは、エミッタ5と検出器6との間に配置される。シールド部13Bは、好ましくは、エミッタ5の主放射方向に対して少なくとも実質的に平行に、及び/又はエミッタ5及び検出器6によって形成される平面に対して横方向に、特に少なくとも実質的に垂直に延びる。
【0206】
障壁13の別の機能は、既に上述したように、放射領域9、検出領域10、センサ領域11及び/又は感知領域12を制限することが好ましい。言い換えれば、障壁13及び/又はその一部は、好ましくは、エミッタ5及び/又は検出器6のためのアパーチャを表す。この目的のために、障壁13は、好ましくは、アパーチャセクション13Cを有する。アパーチャセクション13Cは、好ましくは、エミッタ5の放射領域9及び/又は検出器6の検出領域10が、特に上述した方法で限定又は制限されるように設計及び/又は配置されている。アパーチャセクション13Cは、好ましくはアパーチャを形成する。特に、アパーチャセクション13Cは、好ましくは、エミッタ5の主放射方向に対して横方向に、好ましくは少なくとも実質的に垂直に、及び/又はエミッタ5及び検出器6によって形成される平面に対して少なくとも実質的に平行に延びる。
【0207】
遮蔽セクション13B及びアパーチャ13Cは、一体部品で設計され、及び/又は同じ構成要素の異なるセクションによって形成されるのが好ましい。特に、アパーチャセクション13Cは、遮蔽セクション13Bよりも広くすることができ、その結果、図5に示すように、障壁13のT字型断面が得られる。しかしながら、これは必須ではない。
【0208】
制限デバイス8及び/又は障壁13、特にアパーチャセクション13Cは、好ましくは、1mmを上回る、特に2mmを上回る、及び/又は5mm未満、特に4mm未満の幅BBを有する。更に、制限デバイス8及び/又は障壁13は、好ましくは、1mmを上回る、好ましくは2mmを上回る、及び/又は5mm未満、特に4mm未満の高さHBを有する。
【0209】
好ましくは、障壁13は、エミッタ5によって放出され及び/又は検出器6によって検出された放射線Rに対して透明及び/又は半透明である領域13Aを形成又は制限する。これらの透明領域13Aは、各々、エミッタ5及び検出器6に対応して配置されているので、センサデバイス4においてエミッタ5及び検出器6それぞれの上方に位置し、透明領域13Aの間に位置する材料又は透明領域13Aを囲む材料は、制限デバイス8及び/又は障壁13を形成する。これは、図5及び図6に例として示されている。
【0210】
検査装置1及び/又はセンサデバイス4は、好ましくは、障壁要素13Dを有する。好ましくは、障壁要素13Dは、1又は複数の障壁13を有するか又は形成する。
【0211】
障壁要素13Dは、好ましくは、透明領域13Aを有する、一体部品、特に平坦及び/又はプレート状の部品である。
【0212】
透明領域13Aは、好ましくは、障壁要素13Dの貫通孔によって形成される。しかしながら、原理上は、代替的又は追加的に、透明領域13Aが、エミッタ5によって放出され及び/又は検出器6によって検出される放射線Rに対して透明な材料、例えばガラス、プレキシガラス又は同様のものによって形成されるか、又はこれらを含むことが可能である。
【0213】
図6では、透明領域13Aは矩形で示されている。しかしながら、これとは逸脱して、透明領域13Aは特に円形とすることができる。
【0214】
制限デバイス8及び/又は障壁13及び/又は障壁要素13D及び/又は透明領域13Aは、好ましくは、エミッタ5及び/又は検出器6に対応するグリッド又は格子、特に格子アパーチャを形成する。
【0215】
好ましくは、センサデバイス4は、エミッタ5によって放出され及び/又は検出器6によって検出される放射線Rに対して透明であるカバー14を有する。カバー14は、ガラス、プレキシガラス、透明プラスチック又は同様のもので作ることができる。
【0216】
好ましくは、カバー14は、センサデバイス4を完全に、連続的に、及び/又は隙間なく覆う。
【0217】
カバー14は、好ましくは、センサデバイス4及び/又はエミッタ5及び/又は検出器6を、汚損及び/又は損傷から保護するように設計される。カバー14は、好ましくは、脚2を支持するために、少なくとも実質的に平坦な及び/又は均一な、特に滑らかな表面を形成するか、又は有する。
【0218】
好ましくは、カバー14は、制限デバイス8又は障壁13の上に載り、及び/又は特に直接これに隣接している。しかしながら、制限デバイス8及び/又は障壁13がカバー14を有するか又は形成すること、及び/又はカバー14が制限デバイス8及び/又は障壁13及び/又は障壁要素13Dに一体化されていることもまた可能である。特に、透明領域13Aが透明材料によって形成されるか又は透明材料を含む場合、カバー14は、障壁13及び/又は障壁要素13Dによって同時に形成することができ、及び/又は追加のカバー14を省くことができる。
【0219】
好ましくは、センサデバイス4及び/又はカバー14は、検査装置1、特に検査装置1の上面及び/又は載置面3と同一平面上にあり、及び/又はセンサデバイス4及び/又はカバー14は、載置面3及び/又は上面から突出しない。
【0220】
特に好ましくは、センサデバイス4からの感知領域12の境界Gの距離Xは、カバー14からの感知領域12の境界Gの距離、特にエミッタ5及び/又は検出器6から外方に面するカバー14の側面からの距離であり、又はこれに対応するものである。
【0221】
カバー14は、耐傷性を有することが好ましい。
【0222】
好ましくは、検査装置1は、動物Tの心臓の活動を検出するための、特に心拍曲線KGを記録するための1又は2以上の検出素子を有する。
【0223】
心拍曲線KGは、好ましくは、心臓、特に検査装置1によって検査される動物Tの活動を表し、及び/又は心臓の活動に関する情報を含む。
【0224】
図9は、心拍曲線KGの一例を示す図である。
【0225】
特に、心拍又は心拍が発生した時刻は、心拍曲線KGから読み取るか、又は導き出すか、或いは決定することができる。
【0226】
心拍曲線KGは、好ましくは、心電図である。しかしながら、原理的には、心拍曲線KGはまた、インピーダンス心拍曲線、心音図、心弾動図又は同様のものとすることができる。
【0227】
検出素子は、好ましくは、電極15によって形成される。しかしながら、原理的には、検出素子はまた、1又は2以上のマイクロフォン又は他のサウンドセンサ又は同様のものによって形成することができ、又はこれらを備えることができる。
【0228】
好ましくは、検査装置1は、このように、少なくとも1つの電極15、好ましくは少なくとも2つの電極15を有する。図示の例では、検査装置1は、3つの電極15を有している。しかしながら、原理的には、検査装置1は、著しく多数の電極15を有することもできる。
【0229】
好ましくは、心拍曲線KGは、電極15によって記録することができ、及び/又は電極15は、心拍曲線KGを記録するように設計されており、特に心拍曲線KGは心電図である。
【0230】
電極15は、好ましくは、平坦及び/又は層状である。特に、電極15は、導電性材料からなる、又は導電性材料を有する。
【0231】
好ましくは、電極15の少なくとも1つは、ティッシュ電極として設計される。これは、図1において、電極15のハッチングで概略的に示されている。好ましくは、全ての電極15は、布電極として設計される。これは、検査が動物Tにとって特に快適なものとすることができるので、猫又は犬などの動物Tの検査に特に有利であることが判明している。特に、動物Tは、金属及び/又は光沢のある表面によって容易に刺激されることが判明しており、これは、ティッシュ電極を使用することによって回避することができる。
【0232】
以下では、少なくとも2つの電極15を良好に区別するために、第1の電極15A及び第2の電極15Bと表記する。電極15A、15Bは、同一であってもよいし、異なる設計であってもよい。
【0233】
従って、第1の電極15Aを参照した説明は、好ましくは、第2の電極15Bにも適用され、逆もまた同様である。
【0234】
好ましくは、電極15A,15Bは各々、動物Tの脚2に接触するように設計されている。特に好ましくは、第1の電極15Aは左前脚に接触し、第2の電極15Bは右前脚に接触するように設計される。
【0235】
任意選択的に、検査装置1は、第3の電極15Cを有する。第3の電極15Cは、好ましくは、参照電極又は集電電極として設計される。第3の電極15Cは、好ましくは、検査される動物Tの体の複数の部分、特に複数の脚2、特に動物Tの2つの後脚に同時に接触するように設計されている。
【0236】
電極15は、好ましくは、動物Tが検査装置1上に、特に座位又は横臥位などの動物Tにとって自然な姿勢で置かれたときに、動物Tの1つの脚2が電極15の1つに接触するように配置される。このようにすることで、動物Tにとって特に快適に検査を行うことができる。
【0237】
電極15の配置、サイズ及び設計は、好ましくは、検査される動物T、特に飼い猫の解剖学的構造に適合され、検査が動物Tにとって自然な、好ましくは快適な位置で行うことができるように、及び/又は動物Tが検査中に電極15に対して自由に動くことができるようにされる。
【0238】
電極15、特に第1の電極15A及び第2の電極15Bは、好ましくは2cmを上回る、特に5cmを上回る、及び/又は25cm未満、特に20cm未満、特に好ましくは15cm未満、極めて特に好ましくは約10cmの距離DEで配置される。
【0239】
2つの電極15間の距離DEは、特に、電極15又はその表面の中心点又は幾何学的中心間の距離DEと称される。これは、図1に概略的に示されている。
【0240】
電極15、特に第2の電極15Bからの第1の電極15Aの距離DEは、好ましくは固定され及び/又は可変ではない。言い換えれば、電極15は、好ましくは、互いから固定された距離DEで配置され、及び/又は互いに対して移動することができない。特に好ましくは、電極15、特に第2の電極15Bからの第1の電極15Aの距離DEは、図2に例示的に示すように、動物T、特に飼い猫又は飼い犬の自然な姿勢、特に座位及び/又は横臥位における前脚の距離に対応する。これにより、動物Tの検査は、動物Tにとって自然な位置で、従って快適な位置で行うことができる。これは、動物Tにとって特に快適な検査となる。
【0241】
(それぞれの)電極15A、15Bは、好ましくは、10cm2を上回る、特に15cm2を上回る、及び/又は100cm2未満、特に80cm2未満、特に好ましくは50cm2未満の面積を有する。
【0242】
第3の電極15Cは、好ましくは、50cm2を上回る、特に100cm2を上回る、及び/又は1000cm2未満、好ましくは500cm2未満、特に200cm2未満の面積を有する。
【0243】
第3の電極15Cは、第1の電極15A及び/又は第2の電極15Bよりも面積が大きいことが好ましく、特に第1の電極15A及び/又は第2の電極15Bの面積より2倍又は3倍より大きく、特に好ましくは4倍より大きい面積を有することが好ましい。
【0244】
好ましくは、第1の電極15Aは、脚2、特に左前脚又は右前脚において、第1の電極15Aによって心拍曲線KGを記録することができ、同時に光学検査を行うことができ、及び/又はセンサデバイス4によって曲線K、特にフォトプレチスモグラムを記録できるように配置されている。
【0245】
図7は、例証として、第1の電極15Aによって心拍曲線KGを記録することができると同時に光学的検査を行うことができ、及び/又はセンサデバイス4によって曲線Kを記録することができるように位置付けられた脚2を示している。
【0246】
言い換えれば、第1の電極15Aは、好ましくは、第1の電極15Aによって心拍曲線KGを記録することができると同時にセンサデバイス4によって同じ脚2に対して光学検査、特にフォトプレチスモグラフィーを行うことができるように、動物Tの脚2をセンサデバイス4の上に位置付けることができるように配置されている。
【0247】
この目的のために、第1の電極15Aは、好ましくは、センサデバイス4及び/又はエミッタ5及び/又は検出器6の直近に配置され、及び/又はセンサデバイス4に一体化される。好ましくは、センサデバイス4は、第1の電極15Aを有する。
【0248】
第1の電極15Aは、好ましくは、ティッシュ電極(tissue electrode)として設計される。
【0249】
ティッシュ電極とは、好ましくは、薄織物を有する、又は薄織物によって形成される電極である。特に、ティッシュ電極の場合、身体の一部と、特に脚2と接触する接触面は、薄織物を有するか、又は薄織物により形成される。薄織物は、好ましくは、導電性の薄織物、例えば、導電糸が組み込まれた薄織物及び/又は導電層でコーティングされた薄織物である。
【0250】
第1の電極15Aは、好ましくは、センサデバイス4上及び/又はカバー14上に、特に好ましくは、エミッタ5及び検出器6から外方に面するカバー14の側面上に配置される。これは、特に図5から図7に示されている。
【0251】
しかしながら、カバー14が設けられていない場合、第1の電極15Aはまた、制限デバイス8及び/又は障壁13上に直接配置され、及び/又はカバー14もしくはその一部を有するか、又は形成することもできる。
【0252】
第1の電極15Aは、好ましくは、エミッタ5と検出器6との間、及び/又はカバー14及び/又はエミッタ5及び検出器6によって形成される平面に対して垂直な投影で障壁13と反対側に(のみ)配置される。代替的に又は追加的に、電極15Aは、エミッタ5によって放出される放射線Rに対して透明である。これにより、センサデバイス4による動物T及び/又は脚2の光学的検査は、第1の電極15Aによって影響を受けない。
【0253】
好ましくは、第1の電極15Aは、一体部品で設計され、特に平坦なプレート状又はプレート形及び/又はマット状又はマット形のものである。
【0254】
第1の電極15Aは、好ましくは、エミッタ5によって放出され及び/又は検出器6によって検出される放射線Rに対して透明である領域16を有する。これらの透明な領域16は、エミッタ5及び検出器6に対応して配置されているので、これらは、エミッタ5及び検出器6の上方にそれぞれ(エミッタ5及び/又は検出器6の平面に及び/又はカバー14に垂直な投影で)位置する。
【0255】
これは、特に図5図6に示される。
【0256】
第1の電極15Aの透明領域13Aは、好ましくは、電極15Aの貫通孔によって形成されている。原理上は、代替的又は追加的に、透明領域16又は第1の電極15A全体が、エミッタ5によって放出される及び/又は検出器6によって検出される放射線Rに対して透明である材料によって形成されるか、又はこれを含むことが可能である。
【0257】
第1の電極15A及び/又は透明領域16は、好ましくは、エミッタ5及び/又は検出器6に対応する格子又はグリッドを形成する。
【0258】
特に、制限デバイス8及び/又は障壁13の代替又は追加として、電極15Aは、特に透明領域13A及びその間に配置された不透明材料によって、放射領域9及び/又は検出領域10を制限又は画定するように設計することができる。特に、第1の電極15Aは、エミッタ5及び/又は検出器6のための1又は2以上のアパーチャを形成するか又は有することができる。この意味で、電極15Aは、特に、制限デバイス8及び/又は障壁13又はその一部を形成又は有することができる。
【0259】
電極15は、特に、検査される飼い猫又は飼い犬もしくはその爪で引っ掻くことができないような耐傷性があるように設計されるのが好ましい。
【0260】
電極15は、接着、印刷、噴霧、蒸着(特に物理蒸着(PVD))、化学蒸着、特にプラズマ支援化学蒸着、選択的電気めっき、酸化インジウム錫コーティング、導電性粒子による透明キャリア材料のドープ又は同様のものによって、検査装置1及び/又はセンサデバイス4、特にカバー14又は障壁13に製造及び/又は適用することができる。
【0261】
任意選択的に、検査装置1は、位置決め補助具24を有する。位置決め補助具24は、検査のために動物T又は脚2の正しい位置決めを支援するように設計されている。特に、位置決め補助具24は、脚2又は複数の脚2、特に左前脚及び/又は右前脚を位置決めするための領域を示す又はマークするように設計されている。位置決め補助具24は、好ましくは、センサデバイス4の近くに配置され、及び/又は好ましくはセンサデバイス4の周囲を囲む。代替的に又は追加的に、電極15の1又は2以上の電極の位置は、位置決め補助具24によって示すことができる。
【0262】
位置決め補助具24は、好ましくは、検査装置1及び/又は載置面3の隆起部又は凹部によって形成される。位置決め補助具24は、例えば、漏斗状であるか、又は漏斗の形状を有することができる。
【0263】
しかしながら、位置決め補助具24はあくまで任意選択のものであり、必須ではない。
【0264】
任意選択的に、検査装置1はまた、図示されていない給餌場所を有することもでき、これによって、動物Tは、検査中に給餌されるか、又は給餌することができる。例えば、給餌場所は、餌用のボウル又はカップ及び/又は飲料用ボトルを有するか、又はこれらによって形成されることができる。
【0265】
検査装置1は、好ましくは、回路基板17、特にプリント回路基板(PCB)を有する。
【0266】
好ましくは、回路基板17は、センサデバイス4を保持し、及び/又はセンサデバイス4は、回路基板17上に配置される。
【0267】
好ましくは、回路基板17は、第1及び/又は第2の電極15A、15Bを保持するか、又は第1及び/又は第2の電極15A、15Bが回路基板17上に配置されている。任意選択的に、回路基板17は、更に第3の電極15Cも保持し、及び/又は第3の電極15Cも回路基板17上に配置される。
【0268】
回路基板17は、好ましくは、センサデバイス4、特にエミッタ5及び/又は検出器6及び/又はセンサ7、並びに電極15A、15Bの動作に、並びに検出器6及び/又は電極15によって測定された信号の評価に必要な周辺機器及び/又は電線路を有するか又は形成する。
【0269】
検査装置1は、好ましくは、スケール18を有する。スケール18は、好ましくは、電子スケール18である。
【0270】
スケール18は、好ましくは、検査装置1上に位置決め又は配置された動物Tの重量を測定するように設計される。
【0271】
検査装置1及び/又はスケール18は、好ましくは、体脂肪測定、すなわちスケール18上の動物Tの体脂肪率を決定するように設計される。体脂肪測定又は体脂肪率の決定は、好ましくは、生体インピーダンス測定を介して行われる。特に、電極15、15A、15B、15Cのうちの2又は3以上をこの目的のために使用することができる。
【0272】
検査装置1は、好ましくは、力センサ18Aを有する。力センサ18Aは、好ましくは、動物Tによって検査装置1に及ぼされる力、特に重力を測定又は検出するように設計される。
【0273】
力センサ18Aは、スケール18の一部を形成するか、又はスケール18に一体化することができるが、スケール18の代わりとして又はスケール18に加えて設けることもできる。
【0274】
力センサ18Aは、例えば、ピエゾ素子又は歪みゲージ又は同様のものとして設計することができる。
【0275】
検査装置1はまた、特に同じ種類又はタイプの複数の力センサ18Aを有することができる。好ましくは、1又は2以上の力センサ18Aが、センサデバイス4の下、載置面3の下、及び/又は電極15の下(それぞれ)に配置され、及び/又は力センサ18Aは、センサデバイス4及び/又は載置面3及び/又は電極15に一体化される。特に、力センサ18Aは、動物Tの存在及び/又は位置決めを決定するために、及び/又はこのような決定を支援するために、かかる配置によって設計することができる。
【0276】
検査装置1は、好ましくは、ディスプレイデバイス19を有する。ディスプレイデバイス19は、特に、光学的表示のために設計されている。ディスプレイデバイス19は、好ましくは、ディスプレイ、例えば、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、OLEDディスプレイ等によって形成される。
【0277】
ディスプレイデバイス19は、好ましくは、心拍曲線KG、心拍数、血圧BP、体重、体脂肪率又は同様のものなど、検査装置1によって測定又は判定された値を表示するように設計される。特に、ディスプレイデバイス19による血圧BP及び心拍曲線KGの表示は、図1に概略的に示されている。
【0278】
代替的又は追加的に、ディスプレイデバイス19は、例えば、検査装置1の動作又は使用に関する指示、選択メニュー、エラーメッセージ、警告メッセージ又は同様のものを表示するためのユーザガイダンス用に設計することができる。
【0279】
更に、検査装置1は、好ましくは、入力デバイス20を有する。入力デバイス20は、好ましくは、設定及び/又は調整及び/又は検査装置1の制御のために設計される。入力デバイス20は、好ましくは、ディスプレイデバイス19の直近に配置され、及び/又はディスプレイデバイス19に一体化される。
【0280】
例えば、入力デバイス20は、1又は2以上のキー、ボタン、スイッチ又は同様のものによって形成することができる。しかしながら、ディスプレイデバイス19は、タッチディスプレイ又はタッチセンシティブディスプレイとして設計され、ディスプレイデバイス19が、入力デバイス20を有するか又は形成するように、及び/又は入力デバイス20がディスプレイデバイス19に一体化されるようになる。
【0281】
検査装置1は、好ましくは、電源装置21を有する。電源装置21は、検査装置1に電気エネルギーを供給するように設計される。
【0282】
好ましくは、電源装置21は、電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵装置、例えば、アキュムレータ、バッテリ又は同様のものを有する。特に、電源装置21は、アキュムレータ又はバッテリを充電する、特に好ましくは誘導充電用に設計される。この目的のために、電源装置21は、好ましくは、対応する充電装置を有する。代替的又は追加的に、電源装置21はまた、電源装置21を外部電源、例えば家庭用電源に接続するための接続部を有するか又は形成することができる。特に、接続部は、充電装置又はその一部を備えるか、又は形成することができる。
【0283】
検査装置1は、好ましくは、検査装置1及び/又は検査を制御するための制御装置25を有する。制御装置25は、好ましくはプロセッサPによって形成され、及び/又は好ましくはプロセッサPを有する。プロセッサPは、好ましくはマイクロプロセッサである。制御装置25及び/又はプロセッサPは、好ましくは、センサデバイス4、特にエミッタ5、検出器6及び/又はセンサ7を制御して、電極15を制御する、及び/又はスケール18を制御するように設計される。
【0284】
従って、制御装置25は、好ましくは、センサデバイス4、エミッタ5、検出器6、センサ7、電極15、スケール18及び/又は力センサ18Aと結合される。
【0285】
更に、電源装置21は、好ましくは、制御装置25に電力を供給するように設計されている。特に、制御装置25は、電源装置21に結合されている。
【0286】
制御装置25は、好ましくは、ディスプレイデバイス19を制御するように設計され、及び/又はディスプレイデバイス19に結合される。好ましくは、制御装置25は、入力デバイス20に結合され、及び/又は入力デバイス20によって動作することができる。
【0287】
制御装置25は、好ましくは、センサデバイス4及び/又は電極15によって測定された信号を処理及び/又は転送するように設計されている。
【0288】
検査装置1は、好ましくは、データ貯蔵のためのメモリ及び/又は記憶媒体26を有する。好ましくは、記憶媒体26は、制御装置25と結合される。特に、記憶媒体26は、センサデバイス4及び/又は電極15によって測定された信号の少なくとも一時的な記憶のために設計されている。
【0289】
記憶媒体26は、複数の別個の構成要素を有することができ、及び/又はこれにより形成することができる。
【0290】
好ましくは、記憶媒体26は、例えばハードディスク(HDD)、半導体ドライブ(SSD)、RAMモジュール及び/又はフラッシュメモリ又は同様のものの1又は2以上の永久取り付けのメモリモジュール及び/又は記憶素子を有する。
【0291】
代替的に又は追加的に、記憶媒体26は、USBスティック又は同様のものなど、検査装置1とは別個の及び/又は接続可能な1又は2以上の記憶要素を有するか又はこれらによって形成することができる。
【0292】
原理上は、記憶媒体26は、CD-ROM、ハードディスク、USBメモリ、フラッシュメモリ、クラウドメモリ、外部データベースなどの電子データを記憶する1又は2以上の任意記憶装置、又は検査装置1とは別個のもしくはその外部にある他のコンピュータ機器、及び/又はPC、データセンター、スーパーコンピュータ、クラウドコンピュータ、サーバ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン又は同様のものなどの一体式メモリを備えたモバイル端末デバイスによって形成されるか又はこれらを備えることができる。
【0293】
検査装置1は、好ましくは、電極15、センサデバイス4及び/又はスケール18で測定された信号の分析及び/又は評価のために設計される。信号の評価は、好ましくは、制御装置25及び/又はプロセッサPによって行われ、及び/又は特に記憶媒体26を使用することによってこれにより制御される。
【0294】
検査装置1は、好ましくは、検査装置1を1又は2以上の外部装置23と接続するためのインターフェースデバイス22を有する。インターフェースデバイス22は、複数の特に異なるインターフェースを有することができる。インターフェースは、有線又は無線インターフェースとすることができる。例えば、インターフェースデバイスは、1又は2以上のシリアルインターフェース、1又は2以上のUSBインターフェース、1又は2以上のHDMIインターフェース、及び/又は幾つか又はそれ以上の他のインターフェースを有することができ、これらは、特に、外部デバイス23と検査装置1との間の(特に有線の)データ交換のために設計されたものである。代替的又は追加的に、インターフェースデバイス22はまた、WiFiインターフェース、Bluetooth(登録商標)インターフェース、特にBluetooth Low Energyインターフェース(BLEインターフェース)、NFCインターフェース又は同様のものなどの1又は2以上の無線インターフェースを有することができる。
【0295】
言い換えれば、検査装置1は、好ましくは、特にインターフェースデバイス22を用いて外部デバイス23とデータ交換を行うように設計される。
【0296】
検査装置1は、好ましくは、センサデバイス4及び/又は電極15で測定されたデータ又は信号及び/又はこれらのデータ又は信号に基づいて決定された結果又は評価を、特にインターフェースデバイス22によって外部デバイス23に送信するように設計される。
【0297】
外部デバイス23は、好ましくは、検査装置1とは別個の、特に物理的に分離された装置である。
【0298】
外部デバイス23は、検査装置1を制御し、及び/又は検査装置1によって測定された信号及び/又はデータ及び/又は検査装置1によって送信された結果を、記録及び/又は評価及び/又は分析及び/又は表示又は他の方法で出力するように設計することができる。好ましくは、外部デバイス23は、図8に概略的に示すように、心拍曲線KG及び/又は血圧BPを表示すように設計されている。
【0299】
外部デバイス23は、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップなどのモバイルエンドデバイスとして、及び/又はPC、サーバ、コンピュータネットワーク、クラウド、インターネットポータル、アプリ及び/又は他のコンピュータデバイスとして設計されるのが好ましい。
【0300】
代替的又は追加的に、外部デバイス23は、メモリスティックなどの記憶媒体26として設計される。特に、外部デバイス23は、記憶媒体26又はその一部を形成又は有することができる。
【0301】
好ましくは、検査装置1は、外部デバイス23を有するか、外部デバイス23が検査装置1の一部を形成するか、又は外部デバイス23が検査装置1に割り当てられている。
【0302】
好ましくは、検査装置1によって、特にセンサデバイス4及び/又は電極15、15A、15B、15Cによって測定された信号の評価は、検査装置1自体において、又は検査装置1自体によって実行される。代替的に又は追加的に、評価又はその一部はまた、検査装置1の外部で、及び/又は外部デバイス23によって行うことができる。
【0303】
図8では、電極15の配線並びにセンサデバイス4及び電極15によって測定された信号の処理が、ブロック図様の概略的表現で示されている。
【0304】
検査装置1は、好ましくは、前処理装置27を有する。前処理装置27は、好ましくは、増幅器、特に差動増幅器を有するか、又は増幅器によって形成される。差動増幅器は、特に好ましくは、オペアンプによって形成されるか、又はこのような増幅器を有する。しかしながら、他の解決策も可能である。
【0305】
前処理装置27は、好ましくは、電極15に結合又は接続され、特に、電極15、15A、15B、15Cによって測定された信号を前処理するように設計される。特に、前処理装置27は、異なる電極15で測定された信号間の差、特に生体電位などの電圧を増幅し、特に好ましくは第1の電極15Aで測定された信号と第2の電極15Bで測定された信号との間の差を増幅するように設計されている。
【0306】
任意選択的に、電極15は、キャパシタンス又はキャパシタを介して前処理装置27に結合される。これは、図8において、点線のボックス内のキャパシタンス記号によって示されている。
【0307】
更に、前処理装置27は、電極15によって測定された信号をフィルタリングするように設計されていることが好ましい。
【0308】
好ましくは、単に任意選択ではあるが、前処理装置27は、コモンモード抑制装置28を有する。
【0309】
コモンモード抑制装置28は、好ましくは、種々の電極15によって測定された信号のDC電流成分又はDC電圧成分を抑制又はフィルタリングするように設計される。
【0310】
検査装置1は、好ましくは、A/D変換器29を有する。A/D変換器29は、好ましくは、電極15によって、場合によっては前処理装置27によって前処理された信号、特にアナログ信号をデジタル信号に変換するように設計されている。A/D変換器29は、好ましくは、前処理装置27の下流にある。
【0311】
電極15で測定された信号、特に電極15で記録された心拍曲線KGは、好ましくは、特にデジタル信号への変換後、更に評価及び/又は処理される。特に、有用性チェックは、例えば、チェックデバイス29Aによって実行することができる。有用性チェックの間、好ましくは、心拍曲線KGが有用であるかどうか、すなわち、有意義に評価することができるか、及び/又は有用な情報を含んでいるかどうかが判断される。これは、図8において右下隅のボックスによって概略的に示されている。
【0312】
好ましくは、検査装置1は、前処理装置27の代替として又はこれに加えて、1又は2以上の更なる前処理装置30を備える。前処理装置30は、好ましくは、センサデバイス4又は検出器6及び/又はセンサ7によって測定された信号Sの前処理のために設計されている。
【0313】
前処理装置30は、好ましくは、増幅器31を有する。増幅器31は、好ましくは、検出器6又はセンサ7によって測定された信号Sを増幅するように設計されている。特に、増幅器31は、トランスインピーダンス増幅器であり、及び/又は電流を電圧に変換する。
【0314】
好ましくは、前処理装置30は、特に増幅器31によって増幅される信号Sをフィルタリングするためのフィルタデバイス32を有する。
【0315】
フィルタデバイス32は、好ましくは、複数の異なる電気フィルタを有する。特に、フィルタデバイス32は、1又は2以上のパッシブフィルタ及び/又は1又は2以上のアクティブフィルタを有するか又は形成することができる。フィルタデバイス32は、例えば、1又は2以上のバンドパスフィルタ、バンドストップフィルタ、ハイパスフィルタ及び/又はローパスフィルタを有するか、又は形成することができる。
【0316】
好ましくは、各検出器6又はセンサ7には、前処理装置30が割り当てられ、又は各検出器6又はセンサ7が前処理装置30を有する。
【0317】
好ましくは、センサデバイス4によって測定され、好ましくは前処理装置30によって前処理された信号Sの評価、特に曲線Kは、心拍曲線KGと共に、及び/又は心拍曲線KGを考慮した上で実行される。
【0318】
その後、評価の結果は、例えば、既に上述して図8に概略的に示したように、外部デバイス23に転送することができる。
【0319】
検査装置1は、以下に説明する方法を実行するように設計されていることが好ましい。代替的又は追加的に、検査装置1は、以下に説明する方法を実行するのに使用することができる。この使用は、本発明の更なる態様から独立して実現することも可能である。
【0320】
特に、検査装置1は、本方法のステップを実行するための手段を有する。これらの手段は、好ましくは、コンピュータプログラムを含むか、又はコンピュータプログラムによって形成される。
【0321】
別の態様によれば、コンピュータプログラム及び/又は命令は、コンピュータ可読記憶媒体26に記憶されているか、又はコンピュータ可読記憶媒体26がコンピュータプログラム及び/又は命令を含む。
【0322】
手段及び/又はコンピュータプログラムは、好ましくは、実行時に試験装置1が記載の方法を実行させる命令を含む。
【0323】
検査装置1による医療検査、特に血圧測定のために、好ましくは、動物T、特に飼い猫又は飼い犬を検査装置1上に置くことが意図される。特に、動物Tは、完全に検査装置1上に置かれ、すなわち、好ましくは、全ての肢、特に脚2が検査装置1上にあるように、及び/又は動物Tの全体重が検査装置1によって担持されるように置かれる。
【0324】
特に好ましくは、動物Tは、動物Tの脚2、特に前脚がセンサデバイス4上に載るように、及び/又はセンサデバイス4の真上に位置するように検査装置1上に位置付けられ、及び/又は動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kは、脚2に対して記録することが可能である。
【0325】
好ましくは、動物Tは、電極15、15A、15B、15Cのそれぞれが動物Tの身体部分、特に脚2に接触するように位置付けられ、電極15によって心拍曲線KGを記録することができるようになる。特に、動物Tは、前脚の一方が第1の電極15Aに接触し、他方の脚が第2の電極15Bに接触し、検査装置1が第3の電極15Cを有する場合には、一方又は両方の後脚が第3の電極15Cに接触するように位置決めされる。
【0326】
動物Tを位置決めした後、好ましくは、医療検査及び/又は血圧測定を開始する。任意選択的に、動物Tの位置決め後に、まず少し待機し、動物Tが落ち着くことができ、待機時間の後にのみ、医療検査及び/又は血圧測定が開始されるようにすることが可能である。特に、動物Tの動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kが、医学的検査又は血圧測定のために記録される。この曲線Kは、特にフォトプレチスモグラムである。
【0327】
図9の下段には、曲線Kが一例として示されている。
【0328】
特に好ましくは、曲線Kを記録するために反射測定が行われ、或いは検査装置1がこの目的のために設計されている。これは特に、センサデバイス4が脚2の片側にのみ配置され、及び/又は脚2の反対側に配置された構成要素を有していないことを意味する。
【0329】
好ましくは、検査又は測定は、赤外線領域の放射線Rを用いて行われる。
【0330】
検査装置1によって、特に、動物Tの動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kの記録と同時に、動物Tの心拍曲線KGが記録されることが特に好ましい。
【0331】
図9の上段には、心拍曲線KGが一例として示されている。
【0332】
好ましくは、動物Tの存在及び/又は位置決めは、検査装置1によって決定することができ、又は決定される。特に、これは、センサデバイス4、電極15及び/又はスケール18で測定された信号を評価することによって行われる。好ましくは、動物Tの存在及び/又は位置決めの決定は、動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kを記録する前に行われる。しかしながら、存在及び/又は位置決めの決定は必須ではなく、省略することも可能である。
【0333】
動物Tの存在及び/又は位置決めの決定は、好ましくは、複数のステップで行われる。
【0334】
第1のステップでは、好ましくは、検査装置1上に動物Tが存在しないかどうかが判定される。任意選択的に、検査装置1は、存在が検出されると、省エネルギーモードから動作モードに自動的に切り替わることができる。
【0335】
第2のステップでは、第1のステップと同時に実施することもでき、好ましくは、動物Tが、医療検査を行うことができるように検査装置1上に配置されているかどうかを確認又は判定する。
【0336】
第3ステップでは、第1及び/又は第2ステップと同時に、或いは第2ステップの代わりに実施することもでき、好ましくは、センサデバイス4のどのセンサ7の上に動物Tの脚2又は別の身体部分が位置付けられているか、及び/又はセンサデバイス4のどのセンサ7で医療検査を実施できるかが決定される。
【0337】
好ましくは、動物Tの存在及び/又は位置決めは、電極15によって決定される。これは、特に抵抗測定によって行われる。電極15で測定される抵抗は、特に、電極15が動物Tの脚2に接触しているか否かによって変化する。このようにして、動物Tの脚2が電極15に接触しているか否か、及び/又はどの電極15に接触しているかを判定することができる。これにより、動物Tが検査装置1上で、特に電極15によって心拍曲線KGを記録することができるように正しく及び/又は完全に位置付けられているか否かを判定することができる。
【0338】
代替的に又は追加的に、動物Tの存在は、スケール18及び/又は力センサ18Aによって決定することができる。特に、この目的のために、力又は重量閾値を指定又は指定可能にすることができる。この場合、力又は重量閾値は、好ましくは、飼い猫又は飼い犬又は他の検査される動物Tが検査装置1上に置かれたときに、その閾値を超えるように選択される。従って、重量閾値を超えることは、動物Tの存在を示すものである。重量閾値を下回ることは、動物Tが検査装置1上に位置付けられていないこと、及び/又は動物Tが検査装置1上に部分的にしか位置付けられていないこと、又は検査装置1上に意図した方法で位置付けられていないことを示すものである。
【0339】
力センサ18Aの適切な配置によって、好ましくは、動物Tによって電極15及び/又はセンサデバイス4が接触されているかどうか、及び/又は電極15及び/又はセンサデバイス4のうちのどれが接触されているかを力センサ18Aによって判定することも可能である。
【0340】
代替的又は追加的に、センサデバイス4によって、動物Tの脚2又は身体の他の部分がセンサデバイス4の真上に位置するかどうか、及び/又は脚2及び/又は身体の部分をセンサデバイス4によって光学的に検査できるように配置されているかどうか、特にフォトプレチスモグラムを実行できるかどうかを決定することができる。これは、好ましくは、センサデバイス4のセンサ7によって測定された信号Sを比較することによって行われる。
【0341】
センサ7及び/又は検出器6で測定された信号Sの比較は、好ましくは活性化又はスイッチオン又は放出しているエミッタ5を用いて行われるが、スイッチオフのエミッタ5で行うことも可能である。
【0342】
異なるセンサ7及び/又は検出器6からの信号Sを比較することによって、好ましくは、脚2がどの位置にあるか決定することができる。特に、好ましくは、脚2の形状及び/又は位置決めをモデル化することができる。
【0343】
脚2がセンサデバイス4上に位置する場合、好ましくは、センサデバイス4の一部の領域及び/又は一部のセンサ7が脚2によって覆われ、他の領域及び/又はセンサ7は、脚2によって覆われない。特に、これは、個々のセンサ7によって測定される明るさ及び/又は放射Rの差異をもたらす。センサデバイス4による検査のために、好ましくは、センサ7又は少なくとも1つのセンサ7が脚2によって完全に覆われるように、脚2がセンサデバイス4の上に位置付けられることが意図される。このようにして、周囲光がセンサ7又はその検出器6に到達できず、センサ7のエミッタ5又はエミッタ5の1つによって放出されて脚2において検出器6に向かって散乱した放射線Rのみが到達することが可能である。
【0344】
異なるセンサ7及び/又はセンサ7で測定された信号Sの比較は、好ましくは、異なるセンサ7の信号S間に差を形成することによって行われる。
【0345】
代替的又は追加的に、センサデバイス4による位置又は存在の判定は、センサデバイス4によって測定された信号Sが閾値、特に絶対信号強度を超えるか又は下回るかを調べることによって実施することができる。
【0346】
好ましくは、閾値は、絶対的な明るさを表す。このようにして、特に、動物Tの脚2及び/又は他の何れかの身体部分が、センサデバイス4のセンサ7の上方に位置するかどうか、及び/又は脚2又は他の何れかの身体部分がセンサデバイス4のどのセンサ7の上方に位置するかを決定することができる。
【0347】
特に、閾値を超えることは、動物Tの身体のどの部分もセンサデバイス4又はセンサ7の上にないことを示しており、及び/又は閾値を下回ることは、動物Tの脚2又は体の別の部分が、曲線Kを記録できるようにセンサデバイス4及び/又はセンサ7の上に位置することを示している。
【0348】
代替的又は追加的に、検出器6又はセンサ7によって測定された放射線Rの波長が分析されるようにすることができる。好ましくは、エミッタ5は、ある特定の波長又は狭波長範囲の放射線Rを放出するように設計されている。換言すれば、エミッタ5は、好ましくは、狭いスペクトルを有する。対照的に、太陽光などの環境光及び/又は室内照明のための人工的に生成された光は、通常、広いスペクトル、すなわち複数の異なる波長を有し、これらは特にエミッタ5によって放出される波長範囲の外にある。従って、検出器6又はセンサ7によって検出された放射線Rのスペクトル分析によって、好ましくは、センサ7が脚2によって覆われているか、又は周囲光が測定されるかを判定することができる。
【0349】
脚2がセンサデバイス4の幾つかのセンサ7の上にのみ位置し、特に従ってセンサデバイス4の全てのセンサ7の上にはないことが判明した場合、これらのセンサ7は、検査を行うため、及び/又は動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kを記録するために選択することが可能である。
【0350】
センサデバイス4による存在及び/又は位置決定のために、特に、センサ7によるスキャン又は検索実行を行うことができ、この際、異なるセンサ7及び/又はエミッタ5が次々に起動又はスイッチオンされる。特に、周囲光の影響は、このようにして及び/又はエミッタ5のスイッチが入った状態で測定された信号Sとエミッタ5のスイッチオフ状態で測定された信号Sとを比較することによって、決定することができる。
【0351】
存在及び/又は位置決定後、及び/又はセンサ選択後、好ましくはセンサデバイス4及び/又は電極15によって医療検査、特に血圧測定が続き、従って特に好ましくはセンサデバイス4による動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kの記録及び/又は電極15による心拍曲線KGの記録が続く。医学的検査は、好ましくは、存在及び/又は位置決定が、動物Tがセンサデバイス4及び/又は電極15によって医学的検査を実施することができるように検査装置1上に配置されることを示した場合にのみ続く。好ましくは、存在及び/又は位置検出が成功した場合、検査は自動的に開始される。
【0352】
しかしながら、存在及び/又は位置検出及び/又はセンサ選択を行わずに検査を行うことも可能である。
【0353】
特に、動物Tの動脈血流BFに関する情報を含む曲線Kが、センサデバイス4によって記録される。これは、1又は2以上のエミッタ5によって放出された放射線Rが脚2に入り、1又は2以上の検出器6に散乱及び/又は反射されるように、センサデバイス4上に脚2を位置付けることによって行われる。特に、検出器6及び/又はセンサ7によって取り込まれた信号Sの時間経過が記録される。
【0354】
好ましくは、検出器6及び/又はセンサ7によって記録された信号Sの時間経過は、曲線K、特にフォトプレチスモグラムと呼ばれる。
【0355】
エミッタ5によって放出された放射線Rは、脚2の検査中に脚2内で散乱及び/又は反射され、その結果、検出器6に到達することができる。これは、図7に例として示されている。検出器6によって検出された信号Sは、このように、エミッタ5によって放出された放射線Rの脚2内での散乱、反射及び/又は吸収に対応する。ここで、散乱、反射及び/又は吸収は、特に、脚2内に延びる血管内の血液の体積及び/又は血液の酸素飽和度に依存する。
【0356】
検出器6及び/又はセンサ7によって測定される散乱、反射及び/又は吸収、従って曲線Kは、時間的に少なくともほぼ一定の成分と時間的に変化する成分とから構成される。
【0357】
検出器6又はセンサ7によって記録された信号Sの時間的経過が一定であることは、特に、筋肉、神経、腱、骨及び/又は皮膚などの血管を取り巻く組織によって引き起こされ、この組織による散乱及び/又は吸収は、好ましくは変化しないか又は小さい程度にしか変化しないからである。特に、この時間的に少なくともほぼ一定の成分は、動物Tの心拍とは相関がない。静脈を流れる血液も、この少なくともほぼ一定の成分に寄与し得る。
【0358】
時間的に変化する成分は、好ましくは、少なくとも本質的に、動脈血流BF、すなわち動脈Aを流れる血液の時間的変化によって引き起こされる。動脈Aは、血液が心臓から運ばれる血管である。動脈Aを流れる血液量又は体積流量、及び動脈Aにおける血液の酸素飽和度は、心拍と相関する形で変化する。特に、動脈Aにおける血液の吸収及び/又は散乱は、動脈Aにおける血液量又は血液流量に依存するだけでなく、動脈Aにおける血液の酸素含有量又は酸素飽和度にも依存する。
【0359】
好ましくは、曲線特徴が曲線Kによって決定される。曲線特徴は、特に、脈波伝播時間であり、特に好ましくは、心拍と、この心拍による脈波が動脈Aの特定位置に到達するまでの時間間隔である。ここで、動脈Aを通過する圧力波を脈波と呼ぶ。
【0360】
しかしながら、原理的には、脈波伝播時間の代わりに別の曲線特徴を用いることができる。曲線特徴は、好ましくは、曲線K又は曲線セクションKAの特徴であって、脈波伝播時間及び/又は血圧に関連し、及び/又は脈波伝播時間及び/又は血圧に相関するものである。特に、曲線特徴は、血圧を測定することができる特徴である。曲線特徴は、特に好ましくは、曲線K及び/又は曲線セクションKAの経過に対応する、及び/又は曲線K及び/又は曲線セクションKAの形状に関する情報を含む曲線K及び/又は曲線セクションKAの特徴である。
【0361】
曲線特徴及び/又は脈波伝播時間の決定のためには、曲線Kと同時に心拍曲線KGを記録することが有利である。これにより特に、心拍及び/又は脈波が心臓で開始する時間の決定が容易になる。しかしながら、原理的には、例えば、曲線K又は同様のものの自己相関等によって、心拍曲線KGを同時に記録することなく、曲線特徴又は脈波伝播時間を決定することも可能である。
【0362】
曲線Kは、好ましくは、曲線セクション分KAに切り分けられる。これは特に、曲線セクションKAが心拍に対応するように、好ましくは各曲線セクションKAが厳密には1つの心拍に対応するような方法で行われる。しかしながら、ここで、他の解決策も可能である。特に好ましくは、曲線セクションKAは、第1の心拍の時に始まり、第1の心拍の直後の更なる心拍の時に終わる。
【0363】
曲線Kを曲線セクションKAに切り分けることは、好ましくは自動化されるか、又は自動化された方法で行われる。
【0364】
特に好ましくは、曲線Kと同時に記録された心拍曲線KGの情報を用いて、曲線Kを曲線セクションKAに切り分ける。原理的には、しかしながら、他の方法も考えられる。
【0365】
曲線Kを曲線セクションKAにスライス/切り分けるために心拍曲線KGを使用することは、心拍曲線KGにおいて心拍の時間THを特に容易且つ確実に決定でき、曲線Kをこの時間THで又はこの時間THに基づいて切り分けることができるので、特に有利である。
【0366】
好ましくは、心拍の時間THは、心拍曲線KGに基づいて決定され、これらの時間THにおける曲線Kは、曲線セクションKAに切り分けられる。好ましくは、各曲線セクションKAは、ある心拍の時刻THで始まり、直後の次の心拍の時刻THで終了する。
【0367】
図9では、心拍曲線KGの異なるQRS複合群がマークされる。1つのQRS複合群は、好ましくは1つの心拍を表す。
【0368】
好ましくは、心拍曲線KGの1又は2以上のQRS複合群の位置は、曲線Kを曲線セクションKAに切り分けるのに使用される。特に、心拍曲線KGのQRS複合群は、心拍の時間THを決定するために使用され、好ましくは、曲線Kは、QRS複合群によって決定された時間THで曲線セクションKAに切り分けられる。言い換えれば、QRS複合群又はその一部は、曲線KがセクションKAに切り分けられる手段の情報である。
【0369】
QRS複合群は、好ましくは3つのピーク、特にQピーク、Rピーク及びSピークを有する。
【0370】
Qピークとして、QRS複合群の最初の、特に負又は下向きの偏向又はピークを示す。
【0371】
Rピークとは、Qピークに続くQRS複合群の、特に負方向又は下向きの偏向又はピークを示す。
【0372】
Sピークとは、Rピークに続くQRS複合群の、特に正又は上向きの偏向又はピークを示す。
【0373】
特に、Rピークの位置又はRピークの最大値の位置は、心拍の時間THとして使用することができる。これは、例として図9に示される。
【0374】
Rピークを心拍の時間THとして使用することの代替として、心拍曲線KGの別の構造又は別の特徴点、例えばQピーク、Sピーク、2つのピーク、特にRピーク及びSピークの間の中間点又は変曲点又は同様のものを心拍の時間THとして使用することも考えられる。
【0375】
好ましくは、曲線特徴及び/又は脈波伝播時間は、曲線Kによって決定される。これは、特に複数又は多数の曲線セクションKAに基づいて行われる。
【0376】
脈波伝播時間の決定に代えて又はこれに追加して、脈波伝播速度を決定することができる。脈波伝播速度は、脈波によって移動された距離と、この距離を移動するのに必要な脈波伝播時間との商である。特に、脈波伝播速度は、脈波伝播時間の代わりに、脈波伝播時間から血圧BPを決定するための相関関数における変数として用いることができ、及び/又は脈波伝播時間に加えて相関関数において考慮することができる。
【0377】
好ましくは、曲線特徴及び/又は脈波伝播時間の決定のために、複数の曲線セクションKAに基づく平均化が実行される。
【0378】
この意味での「平均化」は、特に、複数の曲線セクションKAの集合の平均又は平均経過、或いは心拍中の曲線Kの平均又は平均経過の決定である。
【0379】
平均化では、特に曲線平均値が決定される。曲線平均値は、特に、曲線セクションKA又は曲線セクションKAにおける曲線Kの平均又は平均経過である。特に、曲線平均値は、それぞれの時点について、この時点における曲線セクションKAの平均値を計算することによって決定される。この平均値は、好ましくは算術平均値であるが、他の平均値であってもよい。
【0380】
曲線特徴及び/又は脈波伝播時間から、或いはこれらに基づいて、動物Tの血圧BPが、特に相関関数によって好ましくは決定される。相関関数は、例えば経験的に決定することができる。
【0381】
従って、相関関数は、好ましくは、曲線特徴又は脈波伝播時間と血圧BPとの間の因果関係を表し、及び/又は曲線特徴又は脈波伝播時間に血圧BPを割り当てる。
【0382】
本発明の関連では、動物T、特に飼い猫及び飼い犬の脈波伝播時間が、血圧BPと相関があることが示されている。
【0383】
相関関数は、好ましくは、少なくとも2つの変数に依存するスカラー場である。
【0384】
好ましくは、曲線特徴量又は脈波伝播時間が、相関関数の変数を構成する。
【0385】
曲線特徴又は脈波伝播時間に加えて、心拍数が相関関数の変数を構成することが好ましい。心拍数は、ある時間間隔における心拍の数を記述し、好ましくは、心拍曲線KGから、特にQRS複合群又はRピークの距離から決定される。
【0386】
従って、相関関数は、例えば、次のような関数形式をとることができる。
F(x,y)=a・x+b・y+c
ここで、xは脈波伝播時間、yは心拍数、a、b、cは決定すべきパラメータを表す。
【0387】
更に、相関関数は、非線形関数であることが好ましい。相関関数は、従って、脈拍伝播時間及び/又は心拍数に非線形的に依存することができ、特に、従って、x及び/又はyにおいて高次の項(x2、x3、y2、y3など)を有することができる。
【0388】
原理的には、相関関数はそれぞれの動物Tの解剖学的な特異性に依存することもできる。例えば、脚又は腕の長さ、或いは心臓と脚2との距離に相当する他の何れかのパラメータが相関関数に考慮されるようにすることができる。多くの場合、心臓と脚2との間の距離について十分に正確な結果を引き出すことができるので、この関連で好ましいパラメータは、動物Tの体重とすることができる。従ってこの点に関し、相関関数は動物Tの体重をパラメータとして有することができる。
【0389】
補完的に、生体インピーダンスなどの体脂肪率に相当するパラメータを考慮することも可能である。それぞれの測定は、心拍曲線KG及び/又はスケール18を決定するための電極15を使用して行うことができる。特に、生体インピーダンスと動物Tの体重との組み合わせは、心臓と脚2との間の距離に関する動物Tの解剖学的特殊性についての暗黙の又は実際の結果によって相関関数Fに考慮され、脈波伝播時間から血圧BPをより確実に決定することが可能となる。
【0390】
上述した態様及び特徴と独立して又は組み合わせて実現可能な本発明の更なる態様は、特に以下の通りである。
【0391】
1. 動物T、特に脚2を有する動物T、特に好ましくはネコ亜科の動物T、極めて特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に血圧BPの測定のための検査装置1であって、
動物Tの動脈血流BFを光学的に検査するための、特にフォトプレチスモグラフィーを実行するためのセンサデバイス4を備え、上記センサデバイス4が、電磁放射線Rを放射するための少なくとも1つのエミッタ5と、エミッタ5によって放出された放射線Rを検出するための少なくとも1つの検出器6と、を有する、
検査装置1において、
センサデバイス4が複数のエミッタ5と複数の検出器6とを有し、エミッタ5及び検出器6が周期的な構造で配置されており、及び/又は、
センサデバイス4が、センサデバイス4の感知領域12の境界Gを定める制限デバイス8を有し、センサデバイス4からの境界Gの距離Xが、0.5mmより大きく及び/又は5mm未満となるようにする検査装置。
【0392】
2. センサデバイス4は、複数の、特に少なくとも9個のエミッタ5と、複数の、特に少なくとも4個の検出器6とを備え、好ましくは、複数の、特に少なくとも4個のエミッタ5が、各検出器6に割り当てられる、ことを特徴とする態様1に記載の検査装置。
【0393】
3. エミッタ5及び検出器6は、等距離に及び/又は縦列及び横列を有するマトリクス状に配置され、好ましくはマトリクスは、2又は3以上の縦列及び/又は2又は3以上の横列を有し、好ましくはエミッタ5及び検出器6が、各場合に縦列及び横列に交互に配置されている、ことを特徴とする態様1又は2に記載の検査装置。
【0394】
4. 制限デバイス8は、エミッタ5によって放出される放射線Rに対して不透明である障壁13を備え、上記障壁は、エミッタ5と検出器6との間に配置されて、センサデバイス4からの感知領域12の境界Gの距離Xが0.5mmより大きく及び/又は5mm未満であるように、エミッタ5の放射領域9及び/又は検出器6の検出領域10を制限する、ことを特徴とする態様1~3の何れか1つに記載の検査装置。
【0395】
5. 検査装置1は、心拍曲線KGを記録するための電極15、15A、15B、15Cを備え、好ましくは、電極15、15A、15B、15Cのうちの1つが、電極15、15A、15B、15Cによって心拍曲線KGを記録することができると同時にセンサデバイス4によって光学検査を行うことができるように、動物Tの脚2をセンサデバイスの上に位置付けることができるように配置される、ことを特徴とする態様1~4の何れか1つに記載の検査装置。
【0396】
6. センサデバイス4は、エミッタ5によって放出される放射線Rに対して透明であるカバー14を有し、好ましくは電極15、15A、15B、15Cが、エミッタ5及び検出器6から外面に面するカバー14の側部に配置されている、ことを特徴とする態様1~5の何れか1つに記載の検査装置。
【0397】
7. 電極15、15A、15B、15Cは、エミッタ5と検出器6との間及び/又はカバー14に対して及び/又はエミッタ5及び検出器6によって定められる平面に対して垂直な投影で障壁13と反対側に配置され、電極15、15A、15B、15Cは、上記エミッタによって放出される放射線に対して透明である、ことを特徴とする態様6に記載の検査装置。
【0398】
8. エミッタ5及び/又は検出器6の面積密度、及び/又はエミッタ5と検出器6の共通の面積密度が、0.5/cm2を上回る、好ましくは1/cm2を上回る、特に2/cm2を上回る、及び/又は40/cm2未満、好ましくは20/cm2未満、特に10/cm2未満である、ことを特徴とする態様1~7の何れか1つに記載の検査装置。
【0399】
9. 制限デバイス8は、エミッタ5の放射角度9A及び/又は検出器6の検出角度10Aを90°未満、好ましくは約60°に制限する、ことを特徴とする態様1~8の何れか1つに記載の検査装置。
【0400】
10. 制限デバイス8の高さHB及び幅BB、エミッタ5及び検出器6からの制限デバイス8の距離DB、及び検出器6からのエミッタ5の距離Dは、エミッタ5の放射領域9及び/又は検出器6の検出領域10が、センサデバイス4からの検出領域12の境界Gの距離Xが0.5mmより大きく及び/又は5mm未満であるように重なり合うように互いに一致される、ことを特徴とする態様1~9の何れか1つに記載の検査装置。
【0401】
11. センサデバイス4は、30を上回る、好ましくは60を上回る、及び/又は500未満の、好ましくは200未満のエミッタ5を有する、ことを特徴とする態様1~10の何れか1つに記載の検査装置。
【0402】
12. センサデバイス4は、20を上回る、好ましくは40を上回る、及び/又は500未満の、好ましくは200未満の検出器6を備える、ことを特徴とする態様1~11の何れか1つに記載の検査装置。
【0403】
13. エミッタ5は同じ波長の放射線Rを放射するように設計され、及び/又は検出器6は同じ波長で検出するように設計されている、ことを特徴とする態様の何れか1つに記載の検査装置。
【0404】
14. エミッタ5が、900nmを上回る及び/又は1100nm未満、好ましくは約940nm及び/又は1050nmの波長を有する赤外線及び/又は放射線Rを放出するように設計されている、ことを特徴とする態様の何れか1つに記載の検査装置。
【0405】
15. 検査装置1は、動物T又は脚2もしくは身体部分がその上に検査中に置かれる、動物T又は脚2もしくは身体部分のための支持体として、特にマットとして設計され、センサデバイス4は支持体に一体化されている、ことを特徴とする態様1~14の何れか1つに記載の検査装置。
【0406】
16. 脚2を有する動物T、特にネコ亜科の動物T、特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に血圧BPの測定のための検査装置1であって、
好ましくは、検査装置1が、態様1~15のうちの1つに従って設計されており、
検査装置1が、動物Tの少なくとも1つの脚2の支持体として設計されており、
検査装置1が、動物Tの動脈血流BFの光学的検査、特にフォトプレチスモグラフィーを実行するためのセンサデバイス4を有し、
センサデバイス4は、赤外線領域の電磁波Rによる検査のために設計されており、及び/又は
検査装置1が、心拍曲線KGを記録するための少なくとも1つの検出素子、好ましくは少なくとも2つの電極15、15A、15B、15Cを有し、及び/又は
検査装置1が少なくとも1つのティッシュ電極を有し、及び/又は、
検査装置1が、スケール18を有するか又は形成している、
ことを特徴とする、検査装置。
【0407】
17. センサデバイス4は、複数のエミッタ5及び検出器6を備え、好ましくは、複数のエミッタ5は、同じ波長で放出するように設計され、及び/又は検出器6は、同じ波長で検出するように設計されている、態様16に記載の検査装置。
【0408】
18. 1又は2以上のエミッタ5と共に検出器6が各々センサ7を形成し、センサデバイス4が、動脈血流BFに関する情報を含む複数の曲線、特にフォトプレチスモグラムを同時に記録するための異なる測定チャネルを形成する複数のセンサ7を有する、態様17に記載の検査装置。
【0409】
19. 電極15、15A、15B、15Cが、5cmを上回る及び/又は20cm未満の距離に配置されている、態様1~18の何れか1つに記載の検査装置。
【0410】
20. 検査装置1が、ウィルソン電極15Cと、2つの更なる電極15A、15Bとを有する、態様1~19の何れか1つに記載の検査装置。
【0411】
21. 電極15、15A、15B、15Cのうちの1つが、動脈血流BFに関する情報を含む曲線K、特にフォトプレチスモグラムを記録するために動物Tの脚2がセンサデバイス4上に位置するときに、電極15、15A、15B、15Cが同時に接触するように配置されている、態様1~20の何れか1つに記載の検査装置。
【0412】
22. 検査装置1が、少なくとも実質的に平坦、マット状及び/又はプレート状である、態様1~21の何れか1つに記載の検査装置。
【0413】
23. スケール18及び/又は検査装置1が、体脂肪を測定するように設計されており、好ましくは、検査装置1が、体脂肪測定を考慮して動物Tの血圧BPを測定するように設計されている、態様1~22の何れか1つに記載の検査装置。
【0414】
24. 検査装置1が載置面3を有し、載置面3上でネコ亜科の動物T、特に飼い猫が、検査装置1上に完全に載せることができ、及び/又は載置面3が20cmを上回る、好ましくは40cmを上回る、及び/又は80cm未満、好ましくは60cm未満の幅B、及び/又は40cmを上回る、好ましくは60cmを上回る、及び/又は120cm未満、好ましくは80cm未満の長さLを有する、態様1~23の何れか1つに記載の検査装置。
【0415】
25. 検査装置1は、拡張期血圧を測定するように設計され、又は好適である、態様1~24の何れか1つに記載の検査装置。
【0416】
26. 脚2を有する動物T、特にネコ亜科の動物T、特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に好ましくは拡張期血圧BPの測定のための態様1~25の何れか1つに記載の検査装置1の使用方法。
【0417】
27. 脚2を有する動物T、特にネコ亜科の動物T、特に好ましくは飼い猫の医療検査、特に血圧BPの測定のための方法であって、
動物Tは、特に態様1~26の1つに従って設計された検査装置1上で、動物Tの脚2が検査装置1のセンサデバイス4上に載るように位置付けられ、
動物Tの動脈血流BF、特にフォトプレチスモグラムに関する情報を含む曲線Kが、センサデバイス4によって記録され、
曲線Kを記録するために、赤外線領域の電磁波Rによる反射測定が実施され、及び/又は、
動物Tの心拍曲線KGが、検査装置1により記録され、及び/又は、
少なくとも1つのティッシュ電極によって信号が記録され、
動物Tが、検査装置1により体重測定される、
方法。
【0418】
28. 曲線Kによって曲線特徴、特に脈波伝播時間が決定され、血圧BPが、好ましくは曲線特徴、特に脈波伝播時間から又はこれに基づいて、好ましくは経験的に決定された相関関数により決定される、態様27に記載の方法。
【0419】
29. 曲線K及び心拍曲線が同時に記録され、心拍曲線KGが、心拍に対応する曲線セクションKAに曲線Kを切り分けるのに使用される、態様27又は28に記載の方法。
【0420】
30. 動物Tの存在及び/又は位置決めが、検査装置1によって、特にセンサデバイス4、電極15、15A、15B、15C、力センサ18A及び/又はスケール18で測定された信号を評価することによって決定される、態様27~29の何れか1つに記載の方法。
【0421】
31. スケール18及び/又は検査装置1によって体脂肪測定が行われ、好ましくは動物Tの血圧BPが体脂肪測定を考慮して決定される、態様27~30の何れか1つに記載の方法。
【0422】
32. 拡張期血圧BPが決定される、態様27~31の何れか1つに記載の方法。
【0423】
33. 検査装置1が、態様1~25の何れか1つに従って設計される、態様27~32の何れか1つに記載の方法。
【0424】
34. 動脈血流BFの光学的検査のためのセンサデバイス4と、センサデバイス4及び/又は電極15又は検出素子に対して自由に移動可能な動物Tの好ましくは拡張期血圧BPを決定するための心拍曲線KGを記録するための少なくとも1つの検出素子、特に電極15とを有する検査装置1の使用方法。
【0425】
35. 検査装置1が、態様1~25の何れか1つに従って設計される、態様34による使用方法。
【0426】
36. 動物Tが脚2を有し、好ましくは動物Tがネコ亜科の動物Tであり、特に好ましくは飼い猫である、態様34又は35による使用方法。
【符号の説明】
【0427】
1 検査装置
2 脚
3 載置面
4 センサデバイス
5 エミッタ
6 検出器
7 センサ
8 制限デバイス
9 放射領域
9A 放出角度
10 検出領域
10A 検出角度
11 センサ領域
12 感知領域
13 障壁
13A 透過領域
(障壁)
13B 遮蔽セクション
13C アパーチャーセクション
13D 障壁要素
14 カバー
15 電極
15 第1の電極
15B 第2の電極
15C 第3の電極
16 透明領域
(電極)
17 回路基板
18 スケール
18A 力センサ
19 ディスプレイデバイス
20 入力デバイス
21 電源装置
22 インターフェースデバイス
23 外部デバイス
24 位置決め補助装置
25 制御装置
26 記憶媒体
27 前処理装置
28 コモンモード抑制装置
29 A/D変換器
29A チェックデバイス
30 前処理装置
31 増幅器
32 フィルタデバイス
A 動脈
B 幅(検査装置)
BB 幅(障壁)
BF 血流
BP 血圧
D 距離(エミッタ-検出器)
DB 距離(障壁-エミッタ/検出器)
DE 距離(電極)
G 境界
HB 高さ(障壁)
K 曲線
KA 曲線セクション
KG 心拍曲線
L 長さ
P プロセッサ
R 放射線
S 信号
T 動物
TH 心拍の時間
X 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】